JP2002293849A - ラジカル硬化性樹脂組成物およびその製造方法 - Google Patents

ラジカル硬化性樹脂組成物およびその製造方法

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JP2002293849A JP2001101769A JP2001101769A JP2002293849A JP 2002293849 A JP2002293849 A JP 2002293849A JP 2001101769 A JP2001101769 A JP 2001101769A JP 2001101769 A JP2001101769 A JP 2001101769A JP 2002293849 A JP2002293849 A JP 2002293849A
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acid
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JP2001101769A
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Miwako Yonezawa
美和子 米沢
Kiichiro Tominaga
喜一郎 富永
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Nippon Shokubai Co Ltd
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Nippon Shokubai Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】常温硬化可能であり、樹脂本来が持つ優れた耐
食性、耐薬品性、耐水性、耐熱性、機械特性等を発現し
うる硬化物、並びに長期間貯蔵可能なラジカル硬化性樹
脂組成物の提供。 【解決手段】(a)分子鎖の末端および/または側鎖に
ラジカル重合性不飽和基を有する化合物(A)とラジカ
ル重合性不飽和単量体(B)を含んでなるラジカル硬化
性樹脂、(b)ハイドロキノン類、(c)N−オキシル
化合物、(d)エノール性β−ジケトン化合物、および
(e)レドックス活性有機コバルト化合物を含有するラ
ジカル硬化性組成物であって、(b)を前記硬化性樹脂
(a)に対して0.001〜0.5重量%、(c)を前
記硬化性樹脂(a)に対して0.001〜0.5重量
%、(d)を前記硬化性樹脂(a)に対して0.005
〜5重量%および(e)を前記硬化性樹脂(a)に対し
て金属コバルト分として0.005〜0.1重量%の範
囲で含有されることを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、常温硬化可能であ
り、樹脂本来が持つ優れた耐食性、耐薬品性、耐水性、
耐熱性、機械特性等を発現しうる硬化物を提供する事が
でき、加えて長期間貯蔵可能なラジカル硬化性樹脂組成
物に関する。
【0002】
【従来の技術】ビニルエステル樹脂、ウレタンアクリレ
ート樹脂、エステル(メタ)アクリレート樹脂等の樹脂
は、硬化すると、優れた耐食性、耐薬品性、耐水性、耐
熱性、機械特性等を発揮することで知られている。これ
らの樹脂を常温で硬化させる際には、硬化促進剤とし
て、たとえばレドックス活性有機コバルト化合物が用い
られる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来は
上記樹脂に、レドックス活性有機コバルト化合物を樹脂
に配合したまま保管すると短期間でゲル化して使用不可
能となる。すなわち、貯蔵安定性が悪い。このため、レ
ドックス活性有機コバルト化合物を含有させた上記樹脂
を安定的に供給するのは困難であり、そのため、レドッ
クス活性有機コバルト化合物を樹脂に配合する時期は使
用直前に制限されていた。このことを解決するために、
禁止剤等の添加剤が種々検討されてきたが、貯蔵安定性
と、使用時の硬化性や硬化物特性の発現が十分には両立
できなかった。
【0004】例えば、公知技術として、特開平11−8
0291号には、塗料組成物として、硬化性樹脂、有機
リン化合物、エノール性β−ジケトン化合物を必須とし
た硬化性樹脂組成物が開示されている。ここでは2種以
上の禁止剤の併用は許容してはいるが、実施例ではハイ
ドロキノン類、その他の禁止剤の配合や併用については
不明であり、実際、開示されている硬化性樹脂組成物で
は、貯蔵安定性と、使用時の硬化性や硬化物特性の発現
の両立はできていなかった。すなわち、この引例では禁
止剤としてハイドロキノン類とN−オキシル化合物とを
併用して、良好な硬化性、硬化物物性に加え、使用前の
硬化性樹脂組成物の貯蔵安定性をも高めるための工夫は
示唆されていない。また、特開2000−119352
号において開示されている硬化性樹脂組成物において
は、得られる硬化性樹脂の貯蔵安定性については十分で
はあるが、エノール性β−ジケトン化合物は一切記載さ
れておらず、使用時の硬化性は不十分であった。すなわ
ちこの公報の技術では、貯蔵安定性と硬化性の両立は不
十分であった。これらの公報と同様に、本発明において
の目的である硬化性樹脂の貯蔵安定性とは、前記したよ
うな、レドックス活性有機コバルト化合物が配合された
硬化性樹脂の貯蔵安定性を意味している。
【0005】そこで、本発明が解決しようとする課題
は、常温硬化可能であり、樹脂本来が持つ優れた耐食
性、耐薬品性、耐水性、耐熱性、機械特性等を発現する
だけでなく、レドックス活性有機コバルト化合物が配合
された状態で、長期間貯蔵可能な硬化性樹脂組成物、具
体的にはラジカル硬化性樹脂組成物を提供することにあ
る。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者は、上記課題を
解決するため、鋭意検討、実験を重ねた。その結果、硬
化性樹脂にハイドロキノン類と、N−オキシル化合物と
が重合禁止剤として必須成分として含有され、さらにエ
ノール性β−ジケトン化合物、レドックス活性有機コバ
ルト化合物が含有されるラジカル硬化性樹脂組成物が、
常温硬化性、および、樹脂本来が持つ優れた耐食性、耐
薬品性、耐水性、耐熱性、機械特性等の性能が損なわれ
ることなく、ラジカル硬化性樹脂組成物のゲル化が防止
されて、該樹脂組成物の、レドックス活性有機コバルト
化合物が配合された状態での該樹脂組成物の長期間の貯
蔵安定性が向上することを見い出し、本発明を完成する
に至った。
【0007】すなわち、本発明にかかるラジカル硬化性
樹脂組成物は、(a)分子鎖の末端および/または側鎖
にラジカル重合性不飽和基を有する化合物(A)とラジ
カル重合性不飽和単量体(B)を含んでなるラジカル硬
化性樹脂、(b)ハイドロキノン類、(c)N−オキシ
ル化合物、(d)エノール性β−ジケトン化合物、およ
び(e)レドックス活性有機コバルト化合物を含有する
組成物であって、(b)を前記硬化性樹脂(a)に対し
て0.001〜0.5重量%、(c)を前記硬化性樹脂
(a)に対して0.001〜0.5重量%、(d)を前
記硬化性樹脂(a)に対して0.005〜5重量%、
(e)を前記硬化性樹脂(a)に対して金属コバルト分
として0.005〜0.1重量%の範囲で含有されるこ
とを特徴とする。
【0008】
【発明の実施の形態】本発明にかかるラジカル硬化性樹
脂組成物を構成する必須成分は、前述のラジカル重合性
不飽和基を有する化合物(A)およびラジカル重合性不
飽和単量体(B)を含んでなるラジカル硬化性樹脂
(a)と、ハイドロキノン類(b)と、N−オキシル化
合物(c)と、エノール性β−ジケトン化合物(d)
と、レドックス活性有機コバルト化合物(e)である。
そこで、以下では、これらにつき順次説明し、その後、
組成物全体の構成について説明する。
【0009】〔ラジカル硬化性樹脂(a)〕本発明で用
いられるラジカル硬化性樹脂(a)は、分子鎖の末端お
よび/または側鎖にラジカル重合性不飽和基を有する化
合物(A)と、ラジカル重合性不飽和単量体(B)とを
含んでいて、ラジカル硬化可能な樹脂である。上記化合
物(A)は25℃で固体状または100ポイズ以上の粘
度を有するものが好ましく、ラジカル硬化性樹脂組成物
の硬化物に3次元網目構造を構築する成分であって、ラ
ジカル硬化性樹脂組成物の硬化物に、優れた耐食性、耐
薬品性、耐水性、耐熱性、機械特性等を付与する働きが
ある。上記化合物(A)は、本発明の好ましい形態にあ
っては、分子鎖の末端および/または側鎖にラジカル重
合性不飽和基を有する重合体や縮合体である。化合物
(A)は常温において高粘度状態もしくは固形状態であ
るため、塗工や成形等の作業を行うには不適当である場
合が多い。そこで、単量体(B)が用いられる。この単
量体(B)は、25℃で10ポイズ以下の粘度を有する
ものが好ましく、化合物(A)を希釈し、最適な作業粘
度に調節するための希釈成分となるものであるが、場合
により、化合物(A)が主として形成する3次元網目構
造の中に加わり、その一部となることがある。
【0010】このような硬化性樹脂(a)の具体例とし
ては、ビニルエステル樹脂、ウレタンアクリレート樹
脂、およびエステル(メタ)アクリレート樹脂等が挙げ
られる。これらの樹脂は、1種類のみを用いてもよく、
2種類以上混合して用いてもよい。
【0011】上記ビニルエステル樹脂とは、例えば、化
合物(A)として、エポキシ化合物と(メタ)アクリル
酸とをエステル化触媒を用いて反応させることによって
得ることができるビニルエステル化合物を用い、これに
単量体(B)を配合した混合物である。
【0012】ビニルエステル化合物の原料として用いら
れる上記エポキシ化合物としては、分子中に、少なくと
も1個のエポキシ基を有する化合物であれば、特に限定
されるものではないが、具体的には、ビスフェノール
A、ビスフェノールF、ビスフェノールS、テトラブロ
モビスフェノールA等のビスフェノール類とエピハロヒ
ドリンとの縮合反応により得られるエピビスタイプグリ
シジルエーテル型エポキシ樹脂;フェノール、クレゾー
ル、ビスフェノールとホルマリンとの縮合物であるノボ
ラックとエピハロヒドリンとの縮合反応により得られる
ノボラックタイプグリシジルエーテル型エポキシ樹脂;
テトラヒドロフタル酸、ヘキサヒドロフタル酸、安息香
酸とエピハロヒドリンとの縮合反応により得られるグリ
シジルエステル型エポキシ樹脂;水添加ビスフェノール
やグリコール類とエピハロヒドリンとの縮合反応により
得られるグリシジルエーテル型エポキシ樹脂;ヒダント
インやシアヌール酸とエピハロヒドリンとの縮合反応に
より得られる含アミングリシジルエーテル型エポキシ樹
脂等が挙げられる。また、これらのエポキシ化合物の2
分子以上を多塩基酸、ビスフェノール類等のポリフェノ
ール化合物、多官能アミノ化合物あるいは多価チオール
等の鎖延長剤によって結合して鎖延長したものも使用で
きる。多塩基酸やポリフェノール化合物との反応には、
後述のビニルエステル化合物の製造の際に用いられるエ
ステル化触媒を使用することができる。これらエポキシ
化合物は、1種類のみを用いてもよく、2種類以上混合
して用いてもよい。
【0013】ビニルエステル化合物の原料として用いら
れる上記(メタ)アクリル酸としては、アクリル酸およ
びメタクリル酸のうちの1種類のみを用いてもよく、2
種類を混合して用いてもよい。また、(メタ)アクリル
酸と、クロトン酸等の(メタ)アクタル酸以外の不飽和
一塩基酸や、マレイン酸、イタコン酸等のハーフエステ
ルや、フマル酸、イタコン酸、シトラコン酸等の多価カ
ルボン酸や、酢酸、プロピオン酸、ラウリル酸、パルチ
ミン酸等の飽和一価カルボン酸や、フタル酸等の飽和多
価カルボン酸またはその無水物や、末端基がカルボキシ
ル基である飽和あるいは不飽和アルキッド等の化合物と
を併用してもよい。
【0014】ビニルエステル化合物の製造の際に用いら
れる上記エステル化触媒としては、具体的には、ジメチ
ルベンジルアミン、トリエチルアミン、トリブチルアミ
ン等の第三級アミン類;トリメチルベンジルアンモニウ
ムクロライド、トリエチルベンジルアンモニウムクロラ
イド、テトラブチルアンモニウムクロライド、テトラブ
チルアンモニウムブロマイド等の第四級アンモニウム
塩;塩化リチウム、塩化クロム等の無機塩;2−エチル
−4−メチルイミダゾール等のイミダゾール化合物;テ
トラメチルホスフォニウムクロライド、ジエチルフェニ
ルプロピルホスフォニウムクロライド、トリエチルフェ
ニルホスフォニウムクロライド、ベンジルトリエチルフ
ェニルホスフォニウムクロライド、ジベンジルエチルメ
チルホスフォニウムクロライド、ベンジルメチルジフェ
ニルホスフォニウムクロライド、テトラフェニルホスフ
ォニウムブロマイド等のホスフォニウム塩;第二級アミ
ン類;テトラブチル尿素;トリフェニルホスフィン;ト
リトリールホスフィン;トリフェニルスチビン等が挙げ
られるが、特に限定されるものではない。これらのエス
テル化触媒は、1種類のみを用いてもよいし、2種類以
上を混合して用いてもよい。
【0015】ウレタン(メタ)アクリレート樹脂とは、
例えば、化合物(A)として、ポリイソシアネートとポ
リヒドロキシ化合物あるいは多価アルコール類を反応さ
せた後、さらに水酸基含有(メタ)アクリル化合物およ
び必要に応じて水酸基含有アリルエーテル化合物を反応
させることによって得ることができるウレタン(メタ)
アクリレート化合物を用い、これに単量体(B)を配合
した混合物である。この場合、ウレタン(メタ)アクリ
レート化合物は、水酸基含有(メタ)アクリル化合物と
ポリヒドロキシ化合物あるいは多価アルコール類とを反
応させた後、さらにポリイソシアネートを反応させたも
のであってもよい。
【0016】ウレタン(メタ)アクリレート化合物の原
料として用いられる上記ポリイソシアネートとしては、
具体的には、2,4−トリレンジイソシアネートおよび
その異性体、ジフェニルメタンジイソシアネート、ポリ
メチレンポリフェニルポリイソシアネート、ヘキサメチ
レンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、
キシリレンジイソシアネート、水添キシリレンジイソシ
アネート、ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、
トリジンジイソシアネート、ナフタリンジイソシアネー
ト、トリフェニルメタントリイソシアネート、バーノッ
クD−750、クリスボンNX(商品名;大日本インキ
化学工業社製)、テスモジュールL(商品名;住友バイ
エル社製)、コロネートL(商品名;日本ポリウレタン
社製)、タケネートD102(商品名;武田薬品社
製)、イソネート143L(商品名;三菱化学社製)等
が挙げられるが、特に限定されるものではない。これら
ポリイソシアネートは1種類のみを用いてもよいし、2
種類以上を混合して用いてもよい。
【0017】ウレタン(メタ)アクリレート化合物の原
料として用いられる上記ポリヒドロキシ化合物として
は、例えば、ポリエステルポリオール、ポリエーテルポ
リオール等が挙げられ、具体的には、グリセリン−エチ
レンオキシド付加物、グリセリン−プロピレンオキシド
付加物、グリセリン−テトラヒドロフラン付加物、グリ
セリン−エチレンオキシド−プロピレンオキシド付加
物、トリメチロールプロパン−エチレンオキシド付加
物、トリメチロールプロパン−プロピレンオキシド付加
物、トリメチロールプロパン−テトラヒドロフラン付加
物、トリメチロールプロパン−エチレンオキシド−プロ
ピレンオキシド付加物、ペンタエリスリトール−エチレ
ンオキシド付加物、ペンタエリスリトール−プロピレン
オキシド付加物、ペンタエリスリトール−テトラヒドロ
フラン付加物、ペンタエリスリトール−エチレンオキシ
ド−プロピレンオキシド付加物、ジペンタエリスリトー
ル−エチレンオキシド付加物、ジペンタエリスリトール
−プロピレンオキシド付加物、ジペンタエリスリトール
−テトラヒドロフラン付加物、ジペンタエリスリトール
−エチレンオキシド−プロピレンオキシド付加物等が挙
げられるが、特に限定されるものではない。これらポリ
ヒドロキシ化合物は、1種類のみを用いてもよいし、2
種類以上を混合して用いてもよい。
【0018】ウレタン(メタ)アクリレート化合物の原
料として用いられる上記多価アルコール類としては、具
体的には、エチレングリコール、ジエチレングリコー
ル、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコー
ル、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、
ポリプロピレングリコール、2−メチル−1,3−プロ
パンジオール、1,3−ブタンジオール、ネオペンチル
グリコール、ビスフェノールAとプロピレンオキシドま
たはエチレンオキシドとの付加物、1,2,3,4−テ
トラヒドロキシブタン、グリセリン、トリメチロールプ
ロパン、1,3−プロパンジオール、1,2−シクロヘ
キサングリコール、1,3−シクロヘキサングリコー
ル、1,4−シクロヘキサングリコール、パラキシレン
グリコール、ビシクロヘキシル−4,4’−ジオール、
2,6−デカリングリコール、2,7−デカリングリコ
ール等が挙げられるが、特に限定されるものではない。
これら多価アルコール類は、1種類のみを用いてもよい
し、2種類以上を混合して用いてもよい。
【0019】ウレタン(メタ)アクリレート化合物の原
料として用いられる上記水酸基含有(メタ)アクリル化
合物としては、特に限定されるものではないが、水酸基
含有(メタ)アクリル酸エステルが好ましく、具体的に
は、例えば、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレー
ト、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、3
−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、ポリエチレ
ングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリプロピレ
ングリコールモノ(メタ)アクリレート、トリス(ヒド
ロキシエチル)イソシアヌル酸のジ(メタ)アクリレー
ト、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート等
が挙げられる。これら水酸基含有(メタ)アクリル化合
物は、1種類のみを用いてもよいし、2種類以上を混合
して用いてもよい。
【0020】ウレタン(メタ)アクリレート化合物の原
料として必要に応じて用いられる上記水酸基含有アリル
エーテル化合物としては、具体的には、例えば、エチレ
ングリコールモノアリルエーテル、ジエチレングリコー
ルモノアリルエーテル、トリエチレングリコールモノア
リルエーテル、ポリエチレングリコールモノアリルエー
テル、プロピレングリコールモノアリルエーテル、ジプ
ロピレングリコールモノアリルエーテル、トリプロピレ
ングリコールモノアリルエーテル、ポリプロピレングリ
コールモノアリルエーテル、1,2−ブチレングリコー
ルモノアリルエーテル、1,3−ブチレングリコールモ
ノアリルエーテル、ヘキシレングリコールモノアリルエ
ーテル、オクチレングリコールモノアリルエーテル、ト
リメチロールプロパンジアリルエーテル、グリセリンジ
アリルエーテル、ペンタエリスリトールトリアリルエー
テル等が挙げられるが、特に限定されるものではない。
これら水酸基含有アリルエーテル化合物は、1種類のみ
を用いてもよいし、2種類以上混合して用いてもよい。
【0021】エステル(メタ)アクリレート樹脂とは、
例えば、化合物(A)として、不飽和あるいは飽和のポ
リエステルの末端に(メタ)アクリル化合物を反応させ
ることによって得ることができるエステル(メタ)アク
リレート化合物を用い、これに単量体(B)を配合した
混合物である。
【0022】エステル(メタ)アクリレート化合物の原
料として用いられる上記不飽和あるいは飽和のポリエス
テルとしては、具体的に、二塩基酸と多価アルコール類
とを縮合反応させることによって得ることができるポリ
エステルが挙げられ、1種類のみを用いてもよいし、2
種類以上混合して用いてもよい。
【0023】不飽和あるいは飽和ポリエステルの原料と
して用いられる上記二塩基酸としては、具体的には、マ
レイン酸、無水マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、無
水イタコン酸等のα,β−不飽和二塩基酸;フタル酸、
無水フタル酸、ハロゲン化無水フタル酸、イソフタル
酸、テレフタル酸、テトラヒドロフタル酸、テトラヒド
ロ無水フタル酸、ヘキサヒドロフタル酸、ヘキサヒドロ
無水フタル酸、ヘキサヒドロテレフタル酸、ヘキサヒド
ロイソフタル酸、コハク酸、マロン酸、グルタル酸、ア
ジピン酸、セバシン酸、1,12−ドデカン二酸、2,
6−ナフタレンジカルボン酸、2,7−ナフタレンジカ
ルボン酸、2,3−ナフタレンジカルボン酸、2,3−
ナフタレンジカルボン酸無水物、4,4’−ビスフェニ
ルジカルボン酸、および、これらのジアルキルエステル
等の飽和二塩基酸等が挙げられるが、特に限定されるも
のではない。これら二塩基酸は、1種類のみを用いても
よいし、2種類以上を混合して用いてもよい。
【0024】不飽和あるいは飽和のポリエステルの原料
として用いられる上記多価アルコール類としては、具体
的には、エチレングリコール、ジエチレングリコール、
トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、プ
ロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリプ
ロピレングリコール、2−メチル−1,3−プロパンジ
オール、1,3−ブタンジオール、ビスフェノールAと
プロピレンオキシドまたはエチレンオキシドの付加物、
1,2,3,4−テトラヒドロキシブタン、グリセリ
ン、トリメチロールプロパン、1,3−プロパンジオー
ル、1,2−シクロヘキサングリコール、1,3−シク
ロヘキサングリコール、1,4−シクロヘキサングリコ
ール、パラキシレングリコール、ビシクロヘキシル−
4,4’−ジオール、2,6−デカリングリコール、
2,7−デカリングリコール等が挙げられるが、特に限
定されるものではない。これら多価アルコール類は、1
種類のみを用いてもよいし、2種類以上を混合して用い
てもよい。また、必要によりジシクロペンタジエン系化
合物を樹脂骨格中に組み入れてもよい。
【0025】エステル(メタ)アクリレート化合物の原
料として用いられる上記(メタ)アクリル化合物として
は、具体的には、不飽和グリシジル化合物、(メタ)ア
クリル酸等の不飽和一塩基酸およびそのグリシジルエス
テル類等が挙げられるが、特に限定されるものではな
い。これら(メタ)アクリル化合物は、1種類のみを用
いてもよいし、2種類以上を混合して用いてもよい。
【0026】上記ビニルエステル化合物、ウレタン(メ
タ)アクリレート化合物、エステル(メタ)アクリレー
ト化合物等の化合物(A)を製造する際の各原料の配合
条件は、硬化性樹脂(a)に対して求める物性等を考慮
して適宜設定すればよく、特に限定されるものではな
い。また、反応を行う際の反応温度も特に限定されるも
のではなく、例えば反応を効率的に行うことができるこ
と等を考慮して適宜設定すればよい。一例を挙げれば、
エポキシ化合物と不飽和一塩基酸とをエステル化触媒を
用いて反応させてビニルエステル化合物を得る場合の反
応温度は、60〜150℃の範囲であることが好まし
い。反応時間も特に限定されるものではなく、原料の種
類や組み合わせ、使用量、反応温度等に応じて、適宜設
定すればよい。
【0027】上記反応を行う際には、必要に応じて重合
禁止剤を用いる。重合禁止剤としては、例えば、後述の
ハイドロキノン類(b);後述のN−オキシル化合物
(c);ベンゾキノン等のキノン類;カテコール;ナフ
テン酸銅;銅粉等が挙げられるが、特に限定されるもの
ではない。その使用量も特に限定されるものではない
が、ハイドロキノン類(b)、N−オキシル化合物
(c)を用いる場合は、残存量が硬化性樹脂(a)中で
の含有量の範囲内(後述)に収まっている必要がある。
【0028】上記反応は、無溶媒で行うことができる
が、溶媒を用いてもよい。溶媒の種類や使用量は特に限
定されるものではない。
【0029】前記ビニルエステル化合物、ウレタン(メ
タ)アクリレート化合物、エステル(メタ)アクリレー
ト化合物、不飽和ポリエステル化合物等の化合物(A)
と組み合わせる単量体(B)は、使用目的や用途等に応
じて適宜選択すればよく、特に限定されるものではない
が、例えば、スチレン、ジビニルベンゼン、クロルスチ
レン、(メタ)アクリル酸あるいはそのエステル類、ジ
アリルフタレート、酢酸ビニル、トリメチロールプロパ
ントリアクリレート等が挙げられる。これらの単量体
(B)は1種類のみを用いてもよいし、2種類以上を混
合して用いてもよい。単量体(B)は、化合物(A)合
成の際の溶剤として用いたものであってもよく、化合物
(A)が高粘度である場合には粘度調節に用いた溶剤で
あってもよい。
【0030】硬化性樹脂(a)中に含まれる化合物
(A)と単量体(B)の相互重量比(化合物(A)/単
量体(B))は、10/90〜90/10が好ましく、
より好ましくは30/70〜75/25である。化合物
(A)が上記の好ましい範囲よりも少なすぎると、粘度
が極度に低下して、塗料、成形材料等の用途に使用しに
くくなる。他方、上記の好ましい範囲よりも多すぎる
と、流動性が低下し、塗料、成形材料等の用途に使用し
にくくなる。
【0031】化合物(A)のラジカル重合性不飽和基
や、単量体(B)のラジカル重合性基の数および単量体
(B)のラジカル重合性基以外の構造等については、特
に限定はなく、ラジカル硬化性樹脂組成物の各用途に要
求される物性にしたがって随時調節される。例えば、単
量体(B)として(メタ)アクリル酸やそのヒドロキシ
アルキルエステル類等のカルボキシル基やヒドロキシル
基を有するものを用いることで、基材との密着性や、ガ
ラス繊維等の強化繊維と組み合わせる場合には強化繊維
との密着性が向上する。
【0032】〔ハイドロキノン類(b)〕本発明で用い
られるハイドロキノン類(b)は、ラジカル樹脂組成物
の貯蔵中に硬化性樹脂(a)がゲル化するのを防止して
ラジカル硬化性樹脂組成物の貯蔵安定性を向上させる作
用がある。この貯蔵安定性向上効果は、N−オキシル化
合物(c)との併用により相乗される。
【0033】ハイドロキノン類(b)の具体例として
は、特に限定はされないが、ハイドロキノン、メトキノ
ン、2−メチルハイドロキノン、2,5−ジ−tert
−ブチルハイドロキノン、2,3−ジメチルハイドロキ
ノン、2,5−ジ−tert−アミルハイドロキノン、
トリメチルハイドロキノン等が挙げられる。これらのハ
イドロキノン類(b)は1種類のみを用いてもよいし、
2種類以上を混合して用いてもよい。
【0034】本発明のラジカル硬化性樹脂組成物中、ハ
イドロキノン類(b)の含有量は、硬化性樹脂(a)に
対し、0.001〜0.5重量%が好ましい。より好ま
しい範囲は0.005〜0.1重量%であり、さらに好
ましい範囲は0.01〜0.05重量%である。ハイド
ロキノン類(b)の含有量が0.001重量%未満であ
ると、ラジカル硬化性樹脂組成物の貯蔵安定性が悪くな
る傾向がある。他方、ハイドロキノン類(b)の含有量
が0.5重量%を超えると、ラジカル硬化性樹脂組成物
の硬化時間が極端に長くなる傾向があり、好ましくな
い。尚、ここでの含有量とは、化合物(A)合成時に添
加され、合成終了時に残存している分も含めたものであ
る。
【0035】〔N−オキシル化合物(c)〕本発明で用
いられるN−オキシル化合物(c)は、ラジカル硬化性
樹脂組成物の貯蔵中に硬化性樹脂(a)がゲル化するの
を防止してラジカル硬化性樹脂組成物の貯蔵安定性を向
上させる作用がある。この貯蔵安定性向上効果は、ハイ
ドロキノン類(b)との併用により相乗される。
【0036】N−オキシル化合物(c)の具体例として
は、特に限定はされないが、1−オキシル−2,2,
6,6−テトラメチルピペリジン、1−オキシル−2,
2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−オール、4
−メトキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン
−1−オキシル、1−オキシル−2,2,6,6−テト
ラメチルピペリジン−4−イル−アセテート、1−オキ
シル−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−
イル−2−エチルヘキサノエート、1−オキシル−2,
2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル−ステ
アレート、1−オキシル−2,2,6,6−テトラメチ
ルピペリジン−4−イル−4−tert−ブチルベンゾ
エート、ビス(1−オキシル−2,2,6,6−テトラ
メチルピペリジン−4−イル)コハク酸エステル、ビス
(1−オキシル−2,2,6,6−テトラメチルピペリ
ジン−4−イル)アジピン酸エステル、ビス(1−オキ
シル−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−
イル)セバシン酸エステル、ビス(1−オキシル−2,
2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル)n−
ブチルマロン酸エステル、ビス(1−オキシル−2,
2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル)フタ
ル酸エステル、ビス(1−オキシル−2,2,6,6−
テトラメチルピペリジン−4−イル)イソフタル酸エス
テル、ビス(1−オキシル−2,2,6,6−テトラメ
チルピペリジン−4−イル)テレフタル酸エステル、ビ
ス(1−オキシル−2,2,6,6−テトラメチルピペ
リジン−4−イル)ヘキサハイドロテレフタル酸エステ
ル、N,N’−ビス(1−オキシル−2,2,6,6−
テトラメチルピペリジン−4−イル)アジパミド、N−
(1−オキシル−2,2,6,6−テトラメチルピペリ
ジン−4−イル)カプロラクタム、N−(1−オキシル
−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イ
ル)ドデシルサクシンイミド、2,4,6−トリス[N
−ブチル−N−(1−オキシル−2,2,6,6−テト
ラメチルピペリジン−4−イル)]−s−トリアジン、
1−オキシル−2,2,6,6−テトラメチルピペリジ
ン−4−オン等が挙げられる。これらのN−オキシル化
合物(c)は1種類のみを用いてもよいし、2種類以上
を混合して用いてもよい。
【0037】本発明のラジカル硬化性樹脂組成物中、N
−オキシル化合物(c)の含有量は、硬化性樹脂(a)
に対し、0.001〜0.5重量%、より好ましい範囲
は0.005〜0.1重量%であり、さらに好ましい範
囲は0.01〜0.05重量%である。N−オキシル化
合物(c)の含有量が0.005重量%未満であると、
ラジカル硬化性樹脂組成物の貯蔵安定性が悪くなる傾向
がある。他方、N−オキシル化合物(c)の含有量が
0.5重量%を超えると、ラジカル硬化性樹脂組成物の
硬化時間が極端に長くなる傾向があり、好ましくない。
尚、ここでの含有量とは、化合物(A)合成時に添加さ
れ、合成終了時に残存している分も含めたものである。
【0038】〔エノール性β−ジケトン化合物(d)〕
本発明で用いられるエノール性β−ジケトン化合物は、
樹脂の常温硬化を促進する助剤として働き、塗料用樹脂
組成物を塗工した際の、塗膜のベタツキを補助的に防止
する作用がある。具体的には上記、塗料用樹脂組成物
は、塗料用ラジカル硬化性樹脂組成物である。エノール
性β−ジケトン化合物(d)の具体例としては、例え
ば、炭素数1〜15個の一価アルコール、二価以上の多
価アルコールおよびオキシアルコールから選ばれた少な
くとも1種とアセト酢酸とが反応して得られるアセト酢
酸エステルや、β−ジケトンキレート、β−ケトエステ
ルキレート等が挙げられる。β−ケトエステルキレート
はアセト酢酸エステル等のβ−ケトエステル類と金属原
子とがキレート化した化合物であり、金属原子種につい
ては、典型金属、遷移金属のいずれであってもよい。
【0039】アセト酢酸エステルとしては、例えば、メ
チルアセチルアセトネート、エチルアセチルアセトネー
ト、プロピルアセチルアセトネート、ブチルアセチルア
セトネート、ヘプチルアセチルアセトネート、ヘキシル
アセチルアセトネート、ベンジルアセチルアセトネー
ト、エチレングリコールモノアセチルアセトネートまた
はジアセチルアセトネート、プロピレングリコールモノ
アセチルアセトネートまたはジアセチルアセトネート、
ジエチレングリコールモノアセチルアセトネートまたは
ジアセチルアセトネート、メチルセルソルブアセチルア
セトネート、エチルセロソルブアセチルアセトネート、
グリセリンモノアセチルアセトネート、グリセリンジア
セチルアセトネート、グリセリントリアセチルアセトネ
ート等が挙げられる。これらのアセト酢酸エステルは1
種類のみを用いてもよいし、2種類以上を混合して用い
てもよい。
【0040】β−ジケトンキレート、β−ケトエステル
キレートとしては、例えば、ニッケルビスアセチルアセ
トネート、バナジウムトリスアセチルアセトネート、ア
ルミニウムトリスアセチルアセトネート、クロムトリス
アセチルアセトネート、鉄トリスアセチルアセトネー
ト、マンガントリスアセチルアセトネート、ジフェノキ
シチタンビスアセチルアセトネート、ジジルコニウムテ
トラキスアセチルアセトネート、ジフェノキシチタンビ
スエチルアセチルアセトネート、ジイソプロピルチタン
ビスアセチルアセトネート、ジブトキシチタンビスアセ
チルアセトネート、ジブトキシチタンビスエチルアセチ
ルアセトネート、ジベンジロキシチタンビスアセチルア
セトネート等が挙げられる。これらは1種類のみを用い
てもよいし、2種類以上を混合して用いてもよい。以上
に記載したエノール性β−ジケトン化合物(d)の内、
メチルアセチルアセトネート、エチルアセチルアセトネ
ート、プロピルアセチルアセトネート、エチレングリコ
ールモノアセチルアセトネート、プロピレングリコール
モノアセチルアセトネートが好ましい。本発明のラジカ
ル硬化性樹脂組成物中、エノール性β−ジケトン化合物
(d)の含有量は、硬化性樹脂(a)に対し、0.00
5〜5重量%が好ましい。より好ましい範囲は、0.0
08〜1重量%であり、さらに好ましい範囲は0.01
〜0.5%である。エノール性β−ジケトン化合物
(d)の含有量が0.005重量%未満であると、硬化
不良が生じやすくなる。他方、エノール性β−ジケトン
化合物(d)の含有量が5重量%を超えると、含有量に
見合った効果が発揮されないことがある。
【0041】〔レドックス活性有機コバルト化合物
(e)〕本発明で用いられるレドックス活性有機コバル
ト化合物(e)は、常温で過酸化物等の硬化剤を分解し
てラジカルを発生させることができ、常温硬化を行うた
めに不可欠であり、硬化後の耐熱水性を向上させる作用
も有する。
【0042】レドックス活性有機コバルト化合物(e)
の具体例としては、特に限定はされないが、有機酸のコ
バルト塩、有機コバルト錯体等が挙げられ、これらを1
種または2種以上用いることができる。上記有機酸のコ
バルト塩としては、例えば、ナフテン酸コバルト、オク
テン酸コバルト等が挙げられる。これらの有機酸のコバ
ルト塩は1種類のみを用いてもよいし、2種類以上を混
合して用いてもよい。上記有機コバルト錯体としては、
例えば、コバルトアセチルアセトナート等が挙げられ
る。
【0043】本発明のラジカル硬化性樹脂組成物中、レ
ドックス活性有機コバルト化合物(e)の含有量は、硬
化性樹脂(a)に対し、金属コバルト分として0.00
5〜0.1重量%、化合物として0.06〜1.2重量
%が好ましい。より好ましい範囲は金属コバルト分とし
て0.01〜0.08重量%、化合物として0.1〜1
重量%、さらに好ましい範囲は金属コバルト分として
0.02〜0.05重量%、化合物として0.2〜0.
6重量%である。レドックス活性有機コバルト化合物
(e)の含有量が金属コバルト分として0.005重量
%未満であると、常温硬化できなくなる傾向がある。他
方、レドックス活性有機コバルト化合物(e)の含有量
が金属コバルト分として0.1重量%を超えると、硬化
速度が極端に速くなるために可使時間が短くなる傾向が
あり、好ましくない。
【0044】本発明のラジカル硬化性樹脂組成物は、上
記5つの必須成分、すなわち、ラジカル硬化性樹脂
(a)、ハイドロキノン類(b)、N−オキシル化合物
(c)、エノール性β−ジケトン化合物(d)およびレ
ドックス活性有機コバルト化合物(e)を含有するほ
か、必要に応じて、その他の成分を含むことができる。
その他の成分としては、特に限定はされないが、たとえ
ば、重合禁止剤(上記(b)、(c)以外のもの)、充
填剤、紫外線吸収剤、顔料、増粘剤、老化防止剤、可塑
剤、難燃剤、安定剤、ガラス繊維や炭素繊維あるいはア
ラミド繊維等の強化繊維、消泡剤、揺変化剤、レベリン
グ剤等を挙げることができる。これらその他の成分は1
種類のみを用いてもよいし、2種類以上を混合して用い
てもよい。その配合量は特に限定されるものではない。
【0045】本発明のラジカル硬化性樹脂組成物は、必
要に応じて用いられるその他の成分とともに、ラジカル
硬化性樹脂(a)、ハイドロキノン類(b)、N−オキ
シル化合物(c)、エノール性β−ジケトン化合物
(d)およびレドックス活性有機コバルト化合物(e)
を混合して製造される。本発明のラジカル硬化性樹脂組
成物は、たとえば、塗料、成形材料等の用途に好適に用
いることができる。
【0046】
【実施例】以下、本発明の実施例を比較例と合わせて説
明するが、実施例に先立って、ラジカル硬化性樹脂
(a)の合成例を説明する。
【0047】<合成例> 〔ビニルエステル化合物(A)の合成〕攪拌機、還流冷
却管、気体導入管および温度計を備えた容量5リットル
の四つ口フラスコに、エポキシ当量465のビスフェノ
ールA型エポキシ樹脂(商品名「エポトートYD−90
1」、東都化成社製)1836g、エポキシ当量185
のビスフェノールA型エポキシ樹脂(商品名「アラルダ
イトGY−250」、チバガイギー社製)418g、メ
タクリル酸545gおよびエステル化触媒としてのテト
ラブチルアンモニウムクロライド15gおよびハイドロ
キノン0.75gを仕込んで攪拌した。次に、上記の四
つ口フラスコ内に乾燥空気を120ml/minの流量
で流しながら、上記仕込み物を110℃で6時間攪拌し
て反応させることにより、酸価9のビニルエステル化合
物(化合物(A))を得た。
【0048】<実施例1〜6および比較例1〜7> 〔ラジカル硬化性樹脂組成物の調製〕上記合成例で得ら
れた化合物(A)、単量体(B)、ハイドロキノン類
(b)、N−オキシル化合物(c)、エノール性β−ジ
ケトン化合物(d)、レドックス活性有機コバルト化合
物(e)を表1に示す配合量で混合することにより、ラ
ジカル硬化性樹脂組成物を得た。 〔ラジカル硬化性樹脂組成物の貯蔵安定性評価〕得られ
たラジカル硬化性樹脂組成物の貯蔵安定性を、以下の方
法でラジカル硬化性樹脂組成物の保存可能日数を求める
ことにより評価した。
【0049】500gの角缶にラジカル硬化性樹脂組成
物を500g充填し、60℃の雰囲気下で保存した。所
定日数経過後、ラジカル硬化性樹脂組成物を取り出し
た。取り出し後、缶内のラジカル硬化性樹脂組成物をす
べて掻き出し、該組成物中にゲルが発見されればゲル化
が起きたとみなし、その前日までの経過日数を保存可能
日数とした。保存可能日数が0〜7日は×、8〜14日
は△、15〜21日は○、22日以上は◎として評価し
た結果を表1に示す。
【0050】なお、表中、%は硬化性樹脂(a)(=化
合物(A)+単量体(B))に対する各添加剤の割合
(重量基準)である。
【0051】〔ラジカル硬化性樹脂組成物の硬化性評
価〕得られたラジカル硬化性樹脂組成物の硬化性を、以
下の方法で評価した。JIS K6901に準拠し、そ
れぞれのラジカル硬化性樹脂組成物の25℃の硬化特性
を55%MEKPOを、1.0%添加して測定した。そ
れぞれの測定結果を以下の計算式に当てはめて反応性を
求め、反応性の値によって硬化性の評価を行った。 反応性=(最高発熱温度)/(最小硬化時間−ゲルタイ
ム) 硬化性を、反応性0以上1未満は×、1以上3未満は
△、3以上6未満は○、6以上は◎として評価した。結
果を表1に示す。
【0052】〔ラジカル硬化性樹脂組成物の経日変化の
評価〕得られたラジカル硬化性樹脂組成物の経日変化
を、以下の方法で評価した。硬化性の評価で測定した硬
化特性より計算した反応性について、500gの角缶に
ラジカル硬化性樹脂組成物を500g充填し、40℃の
雰囲気下で2ヶ月保存した後の保持率によって評価し
た。保持率が50%未満は×、50%以上70%未満は
△、70%以上90%未満は○、90%以上は◎として
評価した。結果を表1に示す。
【0053】〔ラジカル硬化性樹脂組成物の接着性の評
価〕得られたラジカル硬化性樹脂組成物の接着性を、以
下の方法で評価した。任意の大きさの#450チョップ
ドストランドマットを3plyした、ガラス繊維強化プ
ラスチック(FRP)にマスキングテープを貼った。F
RPへの接着面積が5cm×5cmとなるように、マス
キングテープにもオーバーラップして#450チョップ
ドストランドマット8cm×5cmを2ply、積層し
た。マスキングテープにオーバーラップした部分をペン
チで挟み、垂直方向にはがし、はがした部分が母材破壊
するまでにかかる時間で評価した。半日で母材破壊すれ
ば◎、1日で母材破壊すれば○、1日以上かかれば×と
して評価した結果を表1に示す。
【0054】
【表1】
【0055】
【発明の効果】本発明のラジカル硬化性樹脂組成物は、
ハイドロキノン類(b)、N−オキシル化合物(c)、
エノール性β−ジケトン化合物(d)、レドックス活性
有機コバルト化合物(e)とが含有されており、ラジカ
ル硬化性樹脂組成物の貯蔵中にレドックス活性有機コバ
ルト化合物(e)により硬化性樹脂(a)がゲル化する
のを上記(b)、(c)成分が防止するので、長期間貯
蔵可能である。また、エノール性β−ジケトン化合物
(d)とレドックス活性有機コバルト化合物(e)の存
在により、ラジカル硬化性樹脂組成物の常温硬化性を損
なわず、硬化性樹脂(a)本来が持つ優れた耐食性、耐
薬品性、耐水性、耐熱性、機械特性等の性能を十分に発
現する硬化物が得られる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4J011 NA02 NA23 NA30 NB03 4J015 CA04 4J027 AB01 AB06 AB07 AB08 AB15 AB16 AB17 AB18 AB23 AB24 AB25 AE02 AE03 AE04 AE05 AG03 AG04 AG13 AG14 AG15 AG23 AG24 BA04 BA05 BA06 BA07 BA18 BA22 BA26 CA25 CA29 CB05

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(a)分子鎖の末端および/または側鎖に
    ラジカル重合性不飽和基を有する化合物(A)とラジカ
    ル重合性不飽和単量体(B)を含んでなるラジカル硬化
    性樹脂、(b)ハイドロキノン類、(c)N−オキシル
    化合物、(d)エノール性β−ジケトン化合物、および
    (e)レドックス活性有機コバルト化合物を含有するラ
    ジカル硬化性組成物であって、(b)を前記硬化性樹脂
    (a)に対して0.001〜0.5重量%、(c)を前
    記硬化性樹脂(a)に対して0.001〜0.5重量
    %、(d)を前記硬化性樹脂(a)に対して0.005
    〜5重量%および(e)を前記硬化性樹脂(a)に対し
    て金属コバルト分として0.005〜0.1重量%の範
    囲で含有されることを特徴とするラジカル硬化性樹脂組
    成物。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003119205A (ja) * 2001-10-12 2003-04-23 Asahi Denka Kogyo Kk 重合禁止剤組成物
WO2024090151A1 (ja) * 2022-10-28 2024-05-02 株式会社レゾナック ラジカル重合性樹脂組成物及び管更生ライニング材

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JP2003119205A (ja) * 2001-10-12 2003-04-23 Asahi Denka Kogyo Kk 重合禁止剤組成物
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