JP2005298556A - 低臭気型硬化性樹脂組成物 - Google Patents
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Abstract
【課題】
低臭気性で空気乾燥性に優れ、良好な硬化性を有し強度、耐水性、耐薬品性を有し、伸び率と強度のバランスの取れた硬化物を得ることができる低臭気型硬化性樹脂組成物を提供することにある。
【解決手段】
重量平均分子量が150〜500であり、分子中に1個の水酸基を有する単官能(メタ)(A−1)および/または分子中に1個の水酸基を有し分子末端に不飽和基を有するアリルエーテル化合物(A−2)と、飽和二塩基酸またはその酸無水物(B)との反応で得られる長鎖不飽和一塩基酸(H)と、メタクリル酸(C)および/またはエポキシ当量が300以下であるビスフェノール型エポキシ化合物(D)とを反応させて得られるエポキシ変性樹脂(E)を重合性単官能(メタ)アクリレート(F)に溶解してなる低臭気型硬化性樹脂組成物。
【選択図】 なし
低臭気性で空気乾燥性に優れ、良好な硬化性を有し強度、耐水性、耐薬品性を有し、伸び率と強度のバランスの取れた硬化物を得ることができる低臭気型硬化性樹脂組成物を提供することにある。
【解決手段】
重量平均分子量が150〜500であり、分子中に1個の水酸基を有する単官能(メタ)(A−1)および/または分子中に1個の水酸基を有し分子末端に不飽和基を有するアリルエーテル化合物(A−2)と、飽和二塩基酸またはその酸無水物(B)との反応で得られる長鎖不飽和一塩基酸(H)と、メタクリル酸(C)および/またはエポキシ当量が300以下であるビスフェノール型エポキシ化合物(D)とを反応させて得られるエポキシ変性樹脂(E)を重合性単官能(メタ)アクリレート(F)に溶解してなる低臭気型硬化性樹脂組成物。
【選択図】 なし
Description
本発明は、低臭気性で空気乾燥性に優れ、良好な硬化性を有し強度、耐水性、耐薬品性を有し伸び率と強度のバランスのとれた硬化物を得ることができる低臭気型硬化性樹脂組成物に関する。本発明は特にエポキシ(メタ)アクリレートに代表されるビニルエステル系硬化性樹脂組成物に関し、主に防食用途、防水用途等の各種ライニング材、ゲルコート、コンクリートプライマーなどの土木建築材料として有用なものである。
特定の不飽和ポリエステル樹脂や一般的なビニルエステル樹脂は、耐水性、耐酸性、耐アルカリ性、耐溶剤性、耐熱性等に優れた材料であり、FRP製タンクや防水用途、防食用途の各種ライニング材などの用途に広く使用されている。
従来の不飽和ポリエステル樹脂やビニルエステル樹脂には、一般に反応性希釈剤としてスチレンを含んでいる。スチレンは不飽和ポリエステル樹脂やビニルエステル樹脂の反応性希釈剤として各種の優れた性能を発現するが、揮発性が高くその臭気は非常に強い。そのために特に現場施工として使用されるライニング用樹脂において、そのスチレン臭気は施工者の健康を害する虞があるだけではなく、市街地における施工や十分に換気のできない場所などでの施工に大きな障害となっている。また室内等で使用される場合には、硬化物中に残存するスチレンモノマーによるシックハウス症候群を引き起こす懸念もある。
これらの障害を回避する対策として、スチレンの含有量を低減する方法や添加剤の配合によるスチレン揮発量を低減するなど方法が採られている。しかしながらこれらの方法は、基本的にスチレンを含有する樹脂であることに変わりなくその臭気対策としては不十分なものである。スチレンに替えて他の重合性不飽和モノマーを使用する方法も多く報告されている。
例えば、重合性不飽和モノマーとしてジエチレングリコールモノメチルエーテルメタクリレートのようなオリゴエチレングリコールアルキルエーテルメタクリレートを必須成分として含有するモノマーや、ジプロピレングリコールモノエチルエーテルメタクリレートのようなオリゴエーテルモノアルキルエーテルメタクリレートを必須成分として含有するモノマーを使用した樹脂組成物(特許文献1、特許文献2参照)、重合性不飽和モノマーとしてオリゴエチレングリコールジ(メタ)アクリレートおよび/またはオリゴプロピレングリコールジ(メタ)アクリレートを必須成分として使用した樹脂組成物(特許文献3参照)、重合性不飽和モノマーとしてアルキルシクロヘキシル(メタ)アクリレートを必須成分として含有する樹脂組成物(特許文献4参照)がある。
また、例えば、重合性不飽和結合基を有するマクロモノマーと重合性不飽和単量体として炭素数2〜4のジオールのオリゴエーテルモノアルキルエーテル(メタ)アクリレートを含有する樹脂組成物(特許文献5参照)、分子末端に少なくとも2個以上の(メタ)アクリロイル基を有する樹脂、(メタ)アクリレート基を有する単量体およびアセチルラクトン化合物を含有する樹脂組成物(特許文献6参照)、ジシクロペンタジエン変性不飽和ポリエステルオリゴマー、シクロヘキセン環およびアリルエーテル基を有するエステル化合物、およびヒドロキシアルキルメタクリレートを必須成分とする不飽和ポリエステル樹脂組成物(特許文献7参照)等種々報告されている。
一般的に不飽和ポリエステル樹脂においてはスチレンに替えて他の重合性モノマーに希釈する方法は粘度が高くなりやすい傾向にある。粘度を下げるために不飽和ポリエステル樹脂の分子量を下げるなどの対策を施した場合には、表面硬化性や硬化物の引張り伸び率、更には耐水性および耐薬品性の点で性能低下が起こりやすい。また汎用タイプのビスフェノールA型ビニルエステル樹脂であるエポキシ(メタ)アクリレートを、重合性モノマーとしてスチレンに替えて低揮発性の重合性(メタ)アクリレート類に溶解した樹脂組成物はライニング材などに要求される硬化物の引張り伸び率と表面硬化性、更に優れた耐水性や耐薬品性を得ることは難しい。最近、スチレンを含まないエポキシ(メタ)アクリレートも一部の用途に使用されているようであるが、硬化物の引張り伸び率に優れ、耐水性、耐薬品性などの様々な要求物性に十分に対応しきれておらず、更なる改良が求められている。
この様な実情から全くスチレンを含有せず、表面硬化性を有し、硬化物の強度低下を抑え、引張り伸び率に優れ、かつ耐水性や耐薬品性を具備した低臭気型エポキシ(メタ)アクリレート樹脂組成物が強く望まれている。
この様な実情から全くスチレンを含有せず、表面硬化性を有し、硬化物の強度低下を抑え、引張り伸び率に優れ、かつ耐水性や耐薬品性を具備した低臭気型エポキシ(メタ)アクリレート樹脂組成物が強く望まれている。
本発明の目的は、上記の従来技術における問題点に鑑み、スチレンを含有せず、表面硬化性を有し、硬化物の引張り伸び率が10%以上であって機械的強度に優れ、耐水性や耐薬品性に優れたエポキシ(メタ)アクリレートに代表される低臭気型硬化性樹脂組成物を提供することにある。
上記課題につき多角的な検討を重ね、分子中に1個の水酸基を有し分子末端に不飽和基を有する重合性化合物である特定の単官能(メタ)アクリレートおよび/または水酸基含有アリルエーテル化合物と、飽和二塩基酸またはその酸無水物との反応生成物と、エポキシ化合物とを反応させて得られる特定の構造をもつ軟質のエポキシ変性樹脂と低揮発性の重合性単量体である単官能(メタ)アクリレートとを組み合わせた樹脂組成物が上記の課題を解決することが見出された。
すなわち、本発明は、
(1)重量平均分子量が150〜500であり、分子中に1個の水酸基を有する単官能(メタ)アクリレート(A−1)および/または分子中に1個の水酸基を有し分子末端に不飽和基を有するアリルエーテル化合物(A−2)と、飽和二塩基酸またはその酸無水物(B)との反応で得られる長鎖不飽和一塩基酸(H)と、メタクリル酸(C)および/またはエポキシ当量が300以下であるビスフェノール型エポキシ化合物(D)とを反応させて得られるエポキシ変性樹脂(E)を重合性単官能(メタ)アクリレート(F)に溶解してなる低臭気型硬化性樹脂組成物に係る。
(1)重量平均分子量が150〜500であり、分子中に1個の水酸基を有する単官能(メタ)アクリレート(A−1)および/または分子中に1個の水酸基を有し分子末端に不飽和基を有するアリルエーテル化合物(A−2)と、飽和二塩基酸またはその酸無水物(B)との反応で得られる長鎖不飽和一塩基酸(H)と、メタクリル酸(C)および/またはエポキシ当量が300以下であるビスフェノール型エポキシ化合物(D)とを反応させて得られるエポキシ変性樹脂(E)を重合性単官能(メタ)アクリレート(F)に溶解してなる低臭気型硬化性樹脂組成物に係る。
(2)重量平均分子量が150〜500であり、分子中に1個の水酸基を有する単官能(メタ)アクリレート(A−1)および/または分子中に1個の水酸基を有し分子末端に不飽和基を有するアリルエーテル化合物(A−2)と飽和二塩基酸またはその酸無水物(B)との配合モル比が100:100〜75:100であることを特徴とする上記(1)に記載の低臭気型硬化性樹脂組成物。
(3)重量平均分子量が150〜500であり分子中に1個の水酸基を有する単官能(メタ)アクリレート(A−1)または/および分子中に1個の水酸基を有し分子末端に不飽和基を有するアリルエーテル化合物(A−2)と飽和二塩基酸またはその酸無水物(B)とを反応させて得られる長鎖不飽和一塩基酸(H)と、メタクリル酸(C)の配合モル比が、(H):(C)=30:70〜100:0であることを特徴とする上記(1)記載の低臭気型硬化性樹脂組成物。
(4)前記分子中に1個の水酸基を有する単官能(メタ)クリレート(A−1)が、(ポリ)カプロラクトンモノエトキシ(メタ)アクリレートであることを特徴とする上記(1)〜(3)のいずれかに記載の低臭気型硬化性樹脂組成物。
(5)長鎖不飽和一塩基酸(H)とメタアクリル酸(C)および/またはエポキシ化合物(D)との反応において全カルボキシル基数/エポキシ基数=0.90〜1.10として反応させることを特徴とする上記(1)記載の低臭気型硬化性樹脂組成物。
(6)重合性単官能(メタ)アクリレート(F)は、蒸気圧0.1mmHg(20℃)以下である低揮発性の単官能の重合性(メタ)アクリレートであることを特徴とする上記(1)記載の低臭気型硬化性樹脂組成物。
(7)エポキシ変性樹脂(E)と重合性単官能(メタ)アクリレート(F)の配合比が(E):(F)=80:20〜20:80(重量比)であることを特徴とする上記(1)〜(6)のいずれかに記載の低臭気型硬化性樹脂組成物。
を要旨とするものである。
を要旨とするものである。
本発明の低臭気型硬化性樹脂組成物は、スチレンを含まずスチレンモノマーに由来する臭気がなく、さらに適度な粘度と表面硬化性を有し、引張伸び率と強度のバランスのとれた耐薬品性、耐水性などの物性に優れた性能を有する硬化物が得られるので、防食用途、防水用途等の各種ライニング材、ゲルコート、FRP成形材、パテ材、塗料材などの多岐の用途に使用することができる。
本発明の硬化性樹脂組成物において、不飽和一塩基酸とメタクリル酸および/またはエポキシ化合物との反応によって得られるエポキシ変性樹脂(E)は、分子鎖末端に重合性不飽和基を配する構造をとり且つその重合性不飽和基相互間の距離が離れて形成された構造を有しており、高い伸び率を示す硬化物が得られ、さらに分子構造中にビスフェノール型骨格を有しており同程度の伸び率を有する他のエポキシ(メタ)アクリレート樹脂等に比べて高い耐薬品性や耐水性を発現する効果を奏する。
本発明における上記の長鎖不飽和一塩基酸と、メタクリル酸および/またはエポキシ化合物との反応において、全カルボキシル基数/エポキシ基数=0.90:1.10として反応させることによりエポキシ変性樹脂の反応時のゲル化防止や樹脂組成物中の過剰なカルボキシル基やエポキシ基の残存量を少なくして貯蔵安定性に優れた樹脂組成物とする効果を奏する。
また、本発明の樹脂組成物において、重合性単量体として蒸気圧が0.1mmHg(20℃)以下の単官能(メタ)アクリレートを用いたことにより架橋性を損なうことなく臭気を十分に低下させ、抑制することができる効果を奏する。
また、本発明の樹脂組成物において、重合性単量体として蒸気圧が0.1mmHg(20℃)以下の単官能(メタ)アクリレートを用いたことにより架橋性を損なうことなく臭気を十分に低下させ、抑制することができる効果を奏する。
以下に本発明の低臭気型硬化性樹脂組成物について、エポキシ(メタ)アクリレート樹脂組成物を例に挙げ具体的に説明する。
本発明のスチレンを含有せず、表面硬化性に優れ、硬化物の引張り伸び率が10%以上であって柔軟性を有し耐水性や耐薬品性に優れた低臭気型エポキシ(メタ)アクリレート樹脂組成物を得るには、まず、スチレンに替る低揮発性の重合性単量体の選択が重要である。 本発明においては重合性単量体として、低揮発性であることという観点から、20℃における蒸気圧が0.1mmHg以下であり、さらに硬化物の柔軟性を確保する要求を満足するものとの観点から重合性単官能(メタ)アクリレートが選択される。
ところで、エポキシ(メタ)アクリレートの硬化物における引張り伸び率と強度の関係については、一般的に分子鎖末端に存在する重合性不飽和基相互間の距離はその硬化物の架橋密度を決定する因子の一つであり、重合性不飽和基間の距離が近かければ架橋密度は高くりなり、重合性不飽和基間の距離が離れておれば架橋密度は低くなる。一方架橋密度が高くなれば伸び率は低く高強度となり、架橋密度が低ければ高い伸び率で低強度のものとなる傾向にある。
したがって、適度の強度を有し、柔軟性と耐薬品性や耐水性を兼ね備えた硬化物を得るには適度の架橋密度を有し硬化物の引張り伸び率と強度の両者のバランスのとれた硬化物を得ることができるエポキシ(メタ)アクリレートを調製することが必要である。
したがって、適度の強度を有し、柔軟性と耐薬品性や耐水性を兼ね備えた硬化物を得るには適度の架橋密度を有し硬化物の引張り伸び率と強度の両者のバランスのとれた硬化物を得ることができるエポキシ(メタ)アクリレートを調製することが必要である。
本発明の低臭気型エポキシ(メタ)アクリレート樹脂組成物は、重量平均分子量が150〜500であり分子中に1個の水酸基を有する特定の単官能(メタ)アクリレートと飽和二塩基酸またはその酸無水物との反応により得られる長鎖不飽和一塩基酸と、メタクリル酸および/またはエポキシ化合物とを反応させて得られるエポキシ(メタ)アクリレートを重合性単官能(メタ)アクリレートに溶解して調製される。
本発明におけるエポキシ(メタ)アクリレートは、分子中に1個の水酸基を有する単官能(メタ)アクリレートとして、ラクトンの繰り返し単位が1〜3である(ポリ)カプロラクトンモノエトキシ(メタ)アクリレートを使用して飽和二塩基酸またはその酸無水物との反応により得られる長鎖不飽和一塩基酸にビスフェノール型エポキシ化合物を反応させて得られる。該エポキシ(メタ)アクリレートは、従来のエポキシ樹脂と(メタ)アクリレートとの反応により得られる一般的なビスフェノール型エポキシ(メタ)アクリレートとは異なり、分子中に分岐鎖を有し、分子鎖末端に重合性不飽和基を配する構造であり、且つ架橋反応に関与する重合性不飽和基間の距離を適度に隔てた構造を有するので高い伸び率が得られ、適度の架橋密度を有し硬化物の引張り伸び率と強度の両者のバランスのとれた硬化物を得ることができる。さらに分子構造中にビスフェノール型骨格を有しており同程度の伸び率を有する他のエポキシ(メタ)アクリレート樹脂に比べて高い耐薬品性や耐水性を発現することができる。
また、本発明においては、上記の長鎖不飽和一塩基酸とエポキシ化合物とを反応させる際に、メタクリル酸の存在下に反応させることができる。この場合、長鎖不飽和一塩基酸とメタクリル酸との配合比率を選択することにより、引張り伸び率と強度の調整を行なうことができる。
すなわち、分子中に1個の水酸基を有する単官能(メタ)アクリレートである(ポリ)カプロラクトンモノエトキシメタクリレート(A−1)と、飽和二塩基酸またはその酸無水物(B)との反応により得られる不飽和一塩基酸(H)と、メタクリル酸(C)とを反応させる際に、その配合モル比を(H):(C)=30:70〜100:0の範囲、好ましくは50:50〜80:20の範囲で不飽和一塩基酸(H)とメタクリル酸(C)の配合比率を変化させることにより、得られるエポキシ(メタ)アクリレートの分子末端に配された重合性不飽和基の距離を任意に変化させることができる。長鎖不飽和一塩基酸の配合割合を多くすれば最終的に得られるエポキシ(メタ)アクリレートは高い伸び率を示すが強度は低いものとなり、逆に長鎖不飽和一塩基酸の配合割合を少なくすれば、伸び率は低下するが強度が高くなる。これは長鎖の不飽和一塩基酸とメタクリル酸の配合割合により最終的に得られるエポキシ(メタ)アクリレートの末端に配される重合性不飽和基間の距離が長くなったり短くなったりすることに因るものである。また長鎖不飽和一塩基酸の分子量を調整することによっても伸び率や強度の調整幅をさらに拡げることができる。これにより硬化物の伸び率と強度の要求される物性値を達成することが容易にできる。
上記のメタクリル酸(C)の配合比率を増せば硬化物の強度は高くなるが、それにともない伸び率が低下してくる。各種ライニング材やゲルコート、コンクリートプライマー用途として要求される伸び率を満足させるにはメタクリル酸の配合比率はエポキシ化合物と反応させる不飽和一塩基酸中で70モル%を越えないことが好ましい。
すなわち、分子中に1個の水酸基を有する単官能(メタ)アクリレートである(ポリ)カプロラクトンモノエトキシメタクリレート(A−1)と、飽和二塩基酸またはその酸無水物(B)との反応により得られる不飽和一塩基酸(H)と、メタクリル酸(C)とを反応させる際に、その配合モル比を(H):(C)=30:70〜100:0の範囲、好ましくは50:50〜80:20の範囲で不飽和一塩基酸(H)とメタクリル酸(C)の配合比率を変化させることにより、得られるエポキシ(メタ)アクリレートの分子末端に配された重合性不飽和基の距離を任意に変化させることができる。長鎖不飽和一塩基酸の配合割合を多くすれば最終的に得られるエポキシ(メタ)アクリレートは高い伸び率を示すが強度は低いものとなり、逆に長鎖不飽和一塩基酸の配合割合を少なくすれば、伸び率は低下するが強度が高くなる。これは長鎖の不飽和一塩基酸とメタクリル酸の配合割合により最終的に得られるエポキシ(メタ)アクリレートの末端に配される重合性不飽和基間の距離が長くなったり短くなったりすることに因るものである。また長鎖不飽和一塩基酸の分子量を調整することによっても伸び率や強度の調整幅をさらに拡げることができる。これにより硬化物の伸び率と強度の要求される物性値を達成することが容易にできる。
上記のメタクリル酸(C)の配合比率を増せば硬化物の強度は高くなるが、それにともない伸び率が低下してくる。各種ライニング材やゲルコート、コンクリートプライマー用途として要求される伸び率を満足させるにはメタクリル酸の配合比率はエポキシ化合物と反応させる不飽和一塩基酸中で70モル%を越えないことが好ましい。
本発明において、引張り伸び率と強度の調整は上記の外に他の方法によっても行なうことができる。一つには、エポキシ(メタ)アクリレートの製造過程において、分子中に1個の水酸基を有する単官能(メタ)アクリレートと飽和二塩基酸またはその酸無水物の配合モル比を100:100〜75:100の範囲、好ましくは90:100〜95:100の範囲で飽和二塩基酸またはその酸無水物を過剰に配合して長鎖不飽和一塩基酸を得、過剰量の飽和二塩基酸の存在下に、該長鎖不飽和一塩基酸とエポキシ化合物とを反応させてエポキシ(メタ)アクリレートを得る方法である。この様な配合によって得られるエポキシ(メタ)アクリレートは、長鎖不飽和一塩基酸とエポキシ化合物との反応過程で遊離のカルボン酸がエポキシ化合物と反応し、分岐した分子構造を形成するとともに、分岐したそれぞれの分子鎖末端に重合性不飽和基を配した構造を有するので分子鎖が長いにもかかわらず硬化物の架橋密度を高くすることができる。
本発明において上記の分岐構造を有するエポキシ(メタ)アクリレートは以下の反応により生成されるものと推察される。
すなわち、長鎖不飽和一塩基酸とエポキシ化合物との反応に際して、過剰に存在する飽和二塩基酸は、不飽和一塩基酸とエポキシ化合物の反応により生成する水酸基、もしくはエポキシ化合物中の2級の水酸基との付加反応により飽和二塩基酸に由来するカルボキシル基が生成し、このカルボキシル基にエポキシ化合物が反応し、長鎖不飽和一塩基酸とエポキシ化合物との反応が起こり、最終的に得られるエポキシ(メタ)アクリレートは分岐構造を有する構造のものとなる。
すなわち、長鎖不飽和一塩基酸とエポキシ化合物との反応に際して、過剰に存在する飽和二塩基酸は、不飽和一塩基酸とエポキシ化合物の反応により生成する水酸基、もしくはエポキシ化合物中の2級の水酸基との付加反応により飽和二塩基酸に由来するカルボキシル基が生成し、このカルボキシル基にエポキシ化合物が反応し、長鎖不飽和一塩基酸とエポキシ化合物との反応が起こり、最終的に得られるエポキシ(メタ)アクリレートは分岐構造を有する構造のものとなる。
一般的に分岐構造を有するエポキシ(メタ)アクリレートは、その硬化物の架橋密度が高くなり強度や耐薬品性、耐水性などが向上する反面、伸び率が著しく低下する。しかし本発明においては、分子中に1個の水酸基を有する単官能(メタ)アクリレートと飽和二塩基酸またはその酸無水物とから得られる長鎖不飽和一塩基酸をエポキシ化合物との反応に供することにより、最終的に得られる硬化物の伸び率と強度の両立が可能となる。また、飽和二塩基酸またはその酸無水物の配合量と不飽和一塩基酸の分子量の調整、さらにはメタクリル酸の併用などにより硬化物の伸び率や強度の調整が可能である。
上記の分子中に1個の水酸基を有する単官能(メタ)アクリレートと飽和二塩基酸またはその酸無水物との反応に際して、該単官能(メタ)アクリレートに対して飽和二塩基酸の過剰量5〜25モルに相当する量は、長鎖不飽和一塩基酸とエポキシ化合物との反応の際に配合することもできる。さらにこの反応の際にメタクリル酸を配合することもできる。要するに長鎖不飽和一塩基酸とエポキシ化合物との反応の際に、官能基比としてエポキシ基100に対し長鎖不飽和一塩基酸およびメタクリル酸のカルボキシル基と飽和二塩基酸に由来する酸基(カルボキシル基)の和が90〜110の範囲、好ましくは100〜105の範囲、すなわち全カルボキシル基/エポキシ基=0.90〜1.10、好ましくは1.00〜1.05で反応させることが重要である。
本発明のエポキシ(メタ)アクリレート樹脂組成物は良好な表面硬化性を有するが、これは本発明におけるエポキシ(メタ)アクリレートは、汎用タイプのものよりも分子量が大きく、ビスフェノール骨格構造も有していることにより、同程度の伸び率を示す他のエポキシ(メタ)アクリレート樹脂よりも速い表面硬化性を示す。また、エポキシ(メタ)アクリレートを構成する成分である単官能(メタ)アクリレー
トと、前記記載の水酸基含有アリルエーテル化合物を併用することによりさらに表面硬化性を向上させることができる。更に重合性(メタ)アクリレートの選択やパラフィンワックスや極性ワックス類の添加などにより、速い表面硬化性を得ることも可能である。
トと、前記記載の水酸基含有アリルエーテル化合物を併用することによりさらに表面硬化性を向上させることができる。更に重合性(メタ)アクリレートの選択やパラフィンワックスや極性ワックス類の添加などにより、速い表面硬化性を得ることも可能である。
本発明に用いられる重量平均分子量が150〜500であり分子中に1個の水酸基を含有する単官能(メタ)アクリレート(A−1)として用いられる(ポリ)カプロラクトンモノエトキシメタクリレートは、例えば、ダイセル化学工業(株)から市販されている、商品名「プラクセルFM1D」,「プラクセルFM2D」や「プラクセルFM3」などの、カプロラクトンの繰り返し単位が1〜3の(ポリ)カプロラクトンモノエトキシメタクリレートが挙げられる。その他に、上記単官能(メタ)アクリレートとして、1,4−ブタンジオールモノメタクリレート、1,6−ヘキサンジオールモノメタクリレート、1,9−ノナンジオールモノメタクリレートなどの長鎖アルキルアルコールモノメタクリレート類も使用でき、これらは単独で使用することもできるが、(ポリ)カプロラクトンモノエトキシメタクリレートと併用して使用することが好ましい。さらに、2−ヒドロキシエチルメタクリート、2−ヒドロキシプロピルメタクリートなどの分子量が150を下まわるものでも他の分子量の大きな水酸基を含有する単官能(メタ)アクリレートとのブレンドにより、重量平均分子量が150〜500となる配合であれば使用可能である。
上記の分子中に1個の水酸基を有する単官能(メタ)アクリレートの重量平均分子量が150よりも小さいと引張り伸び率が低くなりすぎ、重量平均分子量が500よりも大きくなると常温硬化性が著しく低下してしまう虞があるため好ましくない。
以上、分子中に1個の水酸基を有する単官能(メタ)アクリレートを使用したエポキシ(メタ)アクリレートを例に説明したが、重量平均分子量が150〜500であり分子中に1個の水酸基を有するアリルエーテル化合物(A−2)を使用した場合にも上記と同様にして単官能(メタ)アクリレートを使用したエポキシ(メタ)アクリレートと同等な特性を発揮し得るエポキシ変性樹脂を得ることができ、重合性単官能(メタ)アクリレートに溶解して低臭気型硬化性樹脂組成物が得られる。該低臭気型硬化性樹脂組成物は、上記の本発明におけるエポキシ(メタ)アクリレートを、重合性単官能(メタ)アクリレートに溶解した低臭気型エポキシ(メタ)アクリレート樹脂組成物と同様、表面硬化性に優れ、柔軟性を有し、耐水性、耐薬品性等に優れ、引張り伸び率と強度のバランスのとれた硬化物を得ることができる。
本発明に使用し得る上記の重量平均分子量150〜500であり分子中に1個の水酸基を有し分子末端に重合性不飽和基を有するアリルエーテル化合物(A−2)は、例えば、1,5−ペンタンジオールモノアリルエーテル、1,6−ヘキサンジオールモノアリルエーテル、トリメチロールプロパンジアリルエーテル、グリセリンジアリルエーテル、ペンタエリスリトールトリアリルエーテル、ポリエチレングリコールモノアリルエーテル、ポリプロピレングリコールモノアリルエーテル、などの多価アルコールのアリルエーテル化合物が例示される。これらのアリルエーテル化合物のうち、トリメチロールプロパンジアリルエーテル、ペンタエリスリトールトリアリルエーテルなどが好ましい。
これらを分子骨格中に導入することで、樹脂を硬化させる際、酸素による樹脂表面の空気阻害の影響を受け難くし、短時間にタックフリーの状態が得られる効果がある。このアリルエーテル化合物(A−2)は、本発明に用いられる単官能(メタ)アクリレート(A−1)と併用して用いることで、引張り伸び率が良好でかつ表面硬化性の良好な樹脂材料になる。その比率は、(A−1):(A−2)=100:0〜50:50の範囲、好ましくは80:20〜60:40の範囲である。
この比率よりアリルエーテル化合物(A−2)の量が多くなると、樹脂の硬化時の表面硬化性は増すものの、硬化物の強度および伸び率が低下する虞がある。
これらを分子骨格中に導入することで、樹脂を硬化させる際、酸素による樹脂表面の空気阻害の影響を受け難くし、短時間にタックフリーの状態が得られる効果がある。このアリルエーテル化合物(A−2)は、本発明に用いられる単官能(メタ)アクリレート(A−1)と併用して用いることで、引張り伸び率が良好でかつ表面硬化性の良好な樹脂材料になる。その比率は、(A−1):(A−2)=100:0〜50:50の範囲、好ましくは80:20〜60:40の範囲である。
この比率よりアリルエーテル化合物(A−2)の量が多くなると、樹脂の硬化時の表面硬化性は増すものの、硬化物の強度および伸び率が低下する虞がある。
本発明における飽和二塩基酸またはその酸無水物(B)としては、無水コハク酸またはその酸無水物、マロン酸、アジピン酸、セバシン酸などの脂肪族二塩基酸またはその酸無水物、テトラヒドロ無水フタル酸、メチルテトラヒドロ無水フタル酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、メチルヘキサヒドロ無水フタル酸などの脂環式二塩基酸またはその酸無水物が挙げられ、これらは単独で使用しても任意に併用しても良い。
本発明におけるエポキシ化合物(D)は、エポキシ当量が300以下であるビスフェノール型エポキシ化合物が使用される。その例としては、例えば、エポキシ当量が300以下のビスフェノールA型、水素添加ビスフェノールA型、ビスフェノールF型等の各種ビスフェノール型エポキシ化合物が挙げられ、これらのエポキシ化合物は単独で使用しても任意に併用してもよい。
このようなエポキシ化合物(D)は、市販品としては、例えば、チバ・ガイギー社製の「アラルダイトGY250」、「アラルダイトGY260」、「アラルダイトGY2600」、「アラルダイトGY280」などのビスフェノールA型エポキシ樹脂、新日本理化社製の「リカレジンHBE−100」などの水素添加ビスフェノールA型エポキシ樹脂、大日本インキ化学工業社製の「エピクロン830S」などのビスフェノールF型エポキシ樹脂などが挙げられる。
このようなエポキシ化合物(D)は、市販品としては、例えば、チバ・ガイギー社製の「アラルダイトGY250」、「アラルダイトGY260」、「アラルダイトGY2600」、「アラルダイトGY280」などのビスフェノールA型エポキシ樹脂、新日本理化社製の「リカレジンHBE−100」などの水素添加ビスフェノールA型エポキシ樹脂、大日本インキ化学工業社製の「エピクロン830S」などのビスフェノールF型エポキシ樹脂などが挙げられる。
エポキシ化合物(D)において、エポキシ当量が300を越える場合には得られる樹脂組成物の粘度が高くなり過ぎ作業性が悪くなり、例えば、ライニング材などとして使用する場合、作業性が著しく低下する虞があり実用上好ましくない。また、フェニルグリジジルエーテルのような単官能のエポキシ化合物の場合には、表面硬化性や耐薬品性、耐水性などの面で性能低下が起こりやすくなる虞がある。一方、フェノールノボラック型やクレゾールノボラック型のエポキシ樹脂のような多官能エポキシ化合物の場合には硬化物の架橋密度が高くなりすぎるため伸び率が著しく低下し所望の柔軟性を有する硬化物を得ることが困難であり性能面で不適当のものとなってしまう虞がある。
本発明においてはエポキシ化合物として上記のごときビスフェノール型エポキシ化合物を使用することにより、本発明の特徴としての1分子中の分子鎖末端に配した重合性不飽和基間の距離を適度な隔たり持たせた構造とし易く、適度な架橋密度を得ることができ、耐薬品性や耐水性も良好な硬化物を得ることができる。
本発明においてはエポキシ化合物として上記のごときビスフェノール型エポキシ化合物を使用することにより、本発明の特徴としての1分子中の分子鎖末端に配した重合性不飽和基間の距離を適度な隔たり持たせた構造とし易く、適度な架橋密度を得ることができ、耐薬品性や耐水性も良好な硬化物を得ることができる。
本発明のエポキシ変性樹脂(E)の合成方法についてエポキシ(メタ)アクリレートの合成例により具体的に記述すると、第一段目の反応として、分子中に1個の水酸基を含有する単官能(メタ)アクリレートと飽和二塩基酸またはその酸無水物を官能基数比で水酸基数/無水酸基数=0.90〜1.10、好ましくは1.00〜1.05となるように配合し、80〜130℃で1〜10時間程度の付加反応を行い不飽和一塩基酸を合成する。この際、必要に応じて重合禁止剤や適当な触媒を加えてもよい。第二段目の反応として、第一段目の反応で得られた不飽和一塩基酸と、メタクリル酸およびエポキシ化合物を、所望により過剰量の飽和二塩基酸を添加し、官能基数比でカルボキシル基数/エポキシ基数=0.90〜1.10、好ましくは1.00〜1.05となるように配合し、必要に応じて重合禁止剤および触媒を加えて100〜130℃で1〜10時間程度の反応させて目的とするエポキシ(メタ)アクリレートが得られる。
上記の第一段目および第二段目の反応に用いられる重合禁止剤としてはそれ自体公知のものが使用できる。その一例を挙げると、例えば、パラベンゾキノンなどのキノン類、ハイドロキノン、メチルハイドロキノン、トルハイドロキノン、モノターシャリーブチルバイドロキノン、ターシャリーブチルカテコールなどのハイドロキノン類、メチルエチルケトオキシムなどのオキシム類、フェノチアジンなどの硫黄系のものなどが挙げられ、これらは単独で使用しても任意に併用しても良い。重合禁止剤の使用量はエポキシ(メタ)アクリレートに対して0.0001〜0.2重量%の範囲で、好ましくは0.001〜0.1重量%が使用される。また、反応器中に乾燥空気を吹き込むことを併用することも安定的に合成を行なううえでは有効な手段である。
上記の第一段目および第二段目の反応に用いられる反応触媒についてもそれ自体公知の触媒が使用できる。その一例を示すと、例えば、2−メチルイミダゾールなどのイミダゾ−ル誘導体類、トリエチルアミン、トリノルマルブチルアミンなどの3級アミン類、トリブチルホスフィン、トリフェニルホスフィンなどのリン系化合物、酸化アンチモン、トリフェニルアンチモンなどのアンチモン系化合物、酸化クロム、有機クロム化合物などのクロム系化合物などが挙げられる。これらの反応触媒は単独で使用しても、第一段目と第二段目で異なるものを使用しても構わない。反応触媒の使用量は、エポキシ(メタ)アクリレート(E)に対して0.005〜1重量%の範囲であり、好ましくは0.01〜0.5重量%である。
このような方法により得られるエポキシ(メタ)アクリレートは分子構造中の分子鎖末端に配される重合性不飽和基間の距離を適度に隔てられた軟質のエポキシ(メタ)アクリレートを得ることができる。かくして得られた軟質のエポキシ(メタ)アクリレートを反応性希釈剤である重合性単量体に溶解した樹脂組成物の硬化物は高い伸び率を示す柔軟性を有し適度の強度を有するものとすることができる。
一般的に重合性不飽和基の距離を、重合性不飽和基1個あたりの分子量とする二重結合当量で表現されるが、一分子中の重合性不飽和基が分子鎖末端に配される場合には二重結合当量の値が大きいほどその距離は長くなる傾向にある。
本発明のエポキシ(メタ)アクリレートにおいて、例えば、二重結合当量が最小となる無水コハク酸(分子量=100)、エポキシ当量156(理論値)のビスフェノールF型エポキシ樹脂、重量平均分子量150の水酸基を含有する単官能メタクリレートを組み合わせて使用した場合、二重結合当量の計算値は406となる。この二重結合当量の計算値は、エポキシ当量300のエポキシ樹脂とメタクリル酸から合成される汎用的エポキシアクリレートの二重結合当量386に比べて大きく、重合性不飽和基間の距離が長くなっていることがわかる。エポキシ当量の大きなエポキシ樹脂を使用することにより重合性不飽和基間の距離を大きくする方法では樹脂および樹脂組成物の粘度が高くなってしまい樹脂粘度を適度の範囲に止めることは困難である。
本発明のエポキシ(メタ)アクリレートにおいて、例えば、二重結合当量が最小となる無水コハク酸(分子量=100)、エポキシ当量156(理論値)のビスフェノールF型エポキシ樹脂、重量平均分子量150の水酸基を含有する単官能メタクリレートを組み合わせて使用した場合、二重結合当量の計算値は406となる。この二重結合当量の計算値は、エポキシ当量300のエポキシ樹脂とメタクリル酸から合成される汎用的エポキシアクリレートの二重結合当量386に比べて大きく、重合性不飽和基間の距離が長くなっていることがわかる。エポキシ当量の大きなエポキシ樹脂を使用することにより重合性不飽和基間の距離を大きくする方法では樹脂および樹脂組成物の粘度が高くなってしまい樹脂粘度を適度の範囲に止めることは困難である。
前述の二重結合当量の計算において、分子中に1個の水酸基を有する単官能(メタ)アクリレートとして(ポリ)カプロラクトンモノエトキシメタクリレート(A−1)を使用した場合、カプロラクトンの繰り返し単位が1である(ポリ)カプロラクトンモノエトキシメタクリレート(「プラクセルFM1D」)を使用した場合、得られるエポキシ(メタ)アクリレートの二重結合当量の計算値は500となる。さらにカプロラクトンの繰り返し単位がそれぞれ2および3である、「プラクセルFM2D」および「プラクセルFM3」を使用した場合、それぞれの二重結合当量の計算値は614および728となり、硬化物の伸び率も非常に大きな樹脂とすることができる。
本発明おいて重合性単量体として使用される重合性単官能(メタ)アクリレート(F)は、先に記述したように本発明の低臭気性の樹脂組成物を得るとする目的から、蒸気圧が0.1mmHg(20℃)以下であるもので、さらにエポキシ変性樹脂(E)、すなわち、本発明における分子中に1個の水酸基を有する単官能(メタ)アクリレート使用して得られるエポキシ(メタ)アクリレートおよび水酸基含有アリルエーテル化合物を使用して得られるエポキシ変性樹脂、を溶解するものが選択される。また伸び率と強度を両立させバランスのとれた硬化物とする観点から、重合性(メタ)アクリレート(F)は単官能のものが選択される。このような要件を満足する重合性単官能(メタ)アクリレートとして、具体的には、例えばジシクロペンテニルオキシエチル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレート、フェノールエチレンオキサイド変性(メタ)アクリレートなどが挙げられる。また、2-ヒドロキシエチルメタクリレート、プラクセルFA1,FA2D,FA3,FM1D,FM2D,FM3(ダイセル化学工業)などの(ポリ)カプロラクトンモノエトキシ(メタ)アクリレートなどの水酸基を持つ(メタ)アクリレートを使用することができる。また分子中に1個の水酸基を有する単官能(メタ)アクリレートと飽和二塩基酸との反応物である不飽和一塩基酸も使用することが可能であるが、これらは耐水性の低下が認められることがあり、用途に合わせて使用量を制限する必要がある。
上記の重合性単量体として使用される重合性(メタ)アクリレートは上記のような単官能(メタ)アクリレート類に、必要に応じて2官能以上の多官能性(メタ)アクリレートを使用することもできる。この場合は重合性単官能(メタ)アクリレート(F)全体のうち75重量%以上が単官能(メタ)アクリレートであることが必要である。また2官能以上の多官能性(メタ)アクリレートとしては、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,4-ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6-ヘキヘキサンジ(メタ)アクリレート、1,9-ノナンジオールジ(メタ)アクリレートなどの脂肪族系ジオールのジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロバントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリエトキシトリ(メタ)アクリレートなどが使用できる。
エポキシ変性樹脂(E)と重合性単官能(メタ)アクリレート(F)の配合比は、重量比で(E):(F)=80:20〜20:80の範囲で、好ましくは(E):(F)=70:30〜50:50の範囲である。重合性単官能(メタ)アクリレート(F)の配合比を20重量%以下とすると樹脂組成物の粘度が高くなるため、作業性などの面で好ましくない。また、配合比を80重量%以上とすると粘度低下による作業性への悪影響のほか、硬化不良による表面乾燥性の悪化が懸念されるので好ましくない。
本発明の低臭気型硬化性樹脂組成物(G)の樹脂粘度は、各種の被覆材として利用する場合には100〜3000mPa・s(25℃)であることが好ましい。一例を示すと、低粘度の樹脂組成物としてはコンクリートライニングプライマー用などの被覆用材料があり、高粘度の樹脂組成物としては垂直面や天井などの樹脂タレを嫌う被覆用材料などが挙げられる。
本発明の低臭気型硬化性樹脂組成物(G)では、必要に応じて硬化物表面の空気遮断効果を持つ公知の市販の各種添加剤などを添加することが好ましい。これらの添加剤を配合することにより、表面硬化(表面乾燥)時間を短縮することができる。表面硬化性を短縮させるための添加剤としてその一例を挙げれば、各種融点のパラフィンワックス類、BYK−S740やBYK−S750(ビックケミー社製)などの低揮散剤などが挙げられる。
ワックス類の配合量としては、低臭気型硬化性樹脂組成物(G)に対して、0.05〜1重量%、好ましくは0.1〜0.5重量%である。
本発明の低臭気型硬化性樹脂組成物は、使用される用途に合わせて禁止剤を添加して目的の硬化(ゲル化)時間に調整して使用することができる。この際の硬化(ゲル化)時間調整用の禁止剤は、合成時に使用できるものが選択でき、単独で使用しても併用してもよい。さらに必要に応じて、汎用の硬化促進剤、硬化促進助剤などの添加も可能である。
また本発明の低臭気型硬化性樹脂組成物は、さらに必要に応じ硬化剤、硬化促進剤等を添加して使用することができる。硬化剤としては、それ自他公知の市販のものが使用できる。その一例を挙げると、メエルエチルケトンパーオキサイドなどのケトンパ−オキシド類、キュメンハイドロパ−オキサイド、タ−シャリブチルハイドロパ−オキサイドなどのハイドロパ−オキシド類、タ−シャリブチルパ−オキシオクトエ−ト、タ−シャリブチルパ−オキシベンゾエ−トなどのパ−オキシエステル類、ベンゾイルパ−オキサイド、ラウロイルパオキサイドなどのジアシルパ−オキシド類などが挙げられる。また、硬化剤328E(化薬アクゾ社製)などの市販されている混合硬化剤なども使用できる。これらの硬化剤は単独で使用しても併用してもよい。
硬化促進剤としては、公知、市販のものが使用できる。その一例を挙げると、ナフテン酸コバルト、オクチル酸コバルトなどのコバルトの有機酸塩類、マンガン、バナジウム、銅、カルシウムなどの有機金属塩類、アセチルアセトンなどのβ−ジケトン類、アセト酢酸メチル、アセト酢酸エチルなどのアセト酢酸エステル類、ジメチルアニリン、N,N−ジメチルアセトアトセタミドなどのアミン類が挙げられる。
本発明の低臭気硬化性樹脂組成物は、また必要に応じて繊維強化材としてガラス繊維、炭素繊維、アラミド繊維、ビニロン繊維、ポリエステル繊維などに含浸させるFRPライニング、充填剤として3−8号硅砂や粉砕セラミックなど骨剤やタルク、シリカなどの無機化合物を添加して使用されるレジンモルタルライニング、ガラスフレ−クや無機化合物を添加してなるガラスフレ−クライニングなどとして使用することができる。
以下に実施例および比較例を示し、本発明をさらに具体的に説明する。
実施例、比較例中の「%」および「部」は特に記述のないかぎり重量基準で示す。
なお、実施例、比較例中に用いる化合物、物質の略語と特性値は下記表1〜表5の通りである。
実施例、比較例中の「%」および「部」は特に記述のないかぎり重量基準で示す。
なお、実施例、比較例中に用いる化合物、物質の略語と特性値は下記表1〜表5の通りである。
実施例1
攪拌機、温度計、乾燥空気導入管、還流冷却器を備えた反応器にFM1D 244g(1モル)、THPA 152g(1モル)、トルハイドロキノン0.04g、トリフェニルホスフィン0.2gを仕込み、乾燥空気雰囲気下に80〜130℃で2時間反応させ酸価146mgKOH/gの不飽和一塩基酸(HE−1)を合成した。これにGY260 189g(1エポキシ等量)、トルハイドロキノン0.04g、2-メチルイミダゾール1.2gを仕込み、100〜130℃で3時間反応させ、酸価5mgKOH/gのエポキシアクリレート(EM−1)を合成した。これにFA−512MT 715gを加えて混合した後、60〜80℃程度に調温し、融点約52℃(125°F)のパラフィンフックス1.3gを添加し、溶融、混合してエポキシアクリレート樹脂組成物(EMS−1)を得た。
攪拌機、温度計、乾燥空気導入管、還流冷却器を備えた反応器にFM1D 244g(1モル)、THPA 152g(1モル)、トルハイドロキノン0.04g、トリフェニルホスフィン0.2gを仕込み、乾燥空気雰囲気下に80〜130℃で2時間反応させ酸価146mgKOH/gの不飽和一塩基酸(HE−1)を合成した。これにGY260 189g(1エポキシ等量)、トルハイドロキノン0.04g、2-メチルイミダゾール1.2gを仕込み、100〜130℃で3時間反応させ、酸価5mgKOH/gのエポキシアクリレート(EM−1)を合成した。これにFA−512MT 715gを加えて混合した後、60〜80℃程度に調温し、融点約52℃(125°F)のパラフィンフックス1.3gを添加し、溶融、混合してエポキシアクリレート樹脂組成物(EMS−1)を得た。
実施例2
実施例1と同様の反応器にFM2D 358g(1モル)、THPA 152g(1モル)、トルハイドロキノン0.1g、トリフェニルホスフィン0.25gを仕込み、乾燥空気雰囲気下に80〜130℃で2時間反応させ酸価113mgKOH/gの不飽和一塩基酸(HE−2)を合成した。これにGY260 189g(1エポキシ等量)、トルハイドロキノン0.04g、2-メチルイミダゾール1.4gを仕込み、100〜130℃で3時間反応させ、酸価5mgKOH/gのエポキシアクリレート(EM−2)を合成した。これにFA−512MT 854gを加えて混合した後、60〜80℃程度に調温し、融点約52℃(125°F)のパラフィンフックス1.55gを添加し、溶融、混合してエポキシアクリレート樹脂組成物(EMS−2)を得た。
実施例1と同様の反応器にFM2D 358g(1モル)、THPA 152g(1モル)、トルハイドロキノン0.1g、トリフェニルホスフィン0.25gを仕込み、乾燥空気雰囲気下に80〜130℃で2時間反応させ酸価113mgKOH/gの不飽和一塩基酸(HE−2)を合成した。これにGY260 189g(1エポキシ等量)、トルハイドロキノン0.04g、2-メチルイミダゾール1.4gを仕込み、100〜130℃で3時間反応させ、酸価5mgKOH/gのエポキシアクリレート(EM−2)を合成した。これにFA−512MT 854gを加えて混合した後、60〜80℃程度に調温し、融点約52℃(125°F)のパラフィンフックス1.55gを添加し、溶融、混合してエポキシアクリレート樹脂組成物(EMS−2)を得た。
実施例3
実施例1と同様の反応器にFM3 472g(1モル)、THPA 152g(1モル)、トリフェニルホスフィン0.31gを仕込み、乾燥空気雰囲気下に80〜130℃で2時間反応させ酸価92mgKOH/gの不飽和一塩基酸(HE−3)を合成した。これにGY260 189g(1エポキシ等量)、トルハイドロキノン0.04g、2-メチルイミダゾール1.6gを仕込み、100〜130℃で3時間反応させ、酸価5mgKOH/gのエポキシアクリレート(EM−3)を合成した。これにFA−512MT 994gを加えて混合した後、60〜80℃程度に調温し、融点約52℃(125°F)のパラフィンフックス1.81gを添加し、溶融、混合してエポキシアクリレート樹脂組成物(EMS−3)を得た。
実施例1と同様の反応器にFM3 472g(1モル)、THPA 152g(1モル)、トリフェニルホスフィン0.31gを仕込み、乾燥空気雰囲気下に80〜130℃で2時間反応させ酸価92mgKOH/gの不飽和一塩基酸(HE−3)を合成した。これにGY260 189g(1エポキシ等量)、トルハイドロキノン0.04g、2-メチルイミダゾール1.6gを仕込み、100〜130℃で3時間反応させ、酸価5mgKOH/gのエポキシアクリレート(EM−3)を合成した。これにFA−512MT 994gを加えて混合した後、60〜80℃程度に調温し、融点約52℃(125°F)のパラフィンフックス1.81gを添加し、溶融、混合してエポキシアクリレート樹脂組成物(EMS−3)を得た。
実施例4
実施例1と同様の反応器にFM2D 358g(1モル)、SAN 100g(1モル)、トルハイドロキノン0.09g、トリフェニルホスフィン0.23gを仕込み、乾燥空気雰囲気下に80〜130℃で2時間反応させ酸価126mgKOH/gの不飽和一塩基酸(HE−4)を合成した。これにGY260 189g(1エポキシ等量)、トルハイドロキノン0.04g、2-メチルイミダゾール1.3gを仕込み、100〜130℃で3時間反応させ、酸価5mgKOH/gのエポキシアクリレート(EM−4)を合成した。これにFA−512MT 791gを加えて混合した後、60〜80℃程度に調温し、融点約52℃(125°F)のパラフィンフックス1.44gを添加し、溶融、混合してエポキシアクリレート樹脂組成物(EMS−4)を得た。
実施例1と同様の反応器にFM2D 358g(1モル)、SAN 100g(1モル)、トルハイドロキノン0.09g、トリフェニルホスフィン0.23gを仕込み、乾燥空気雰囲気下に80〜130℃で2時間反応させ酸価126mgKOH/gの不飽和一塩基酸(HE−4)を合成した。これにGY260 189g(1エポキシ等量)、トルハイドロキノン0.04g、2-メチルイミダゾール1.3gを仕込み、100〜130℃で3時間反応させ、酸価5mgKOH/gのエポキシアクリレート(EM−4)を合成した。これにFA−512MT 791gを加えて混合した後、60〜80℃程度に調温し、融点約52℃(125°F)のパラフィンフックス1.44gを添加し、溶融、混合してエポキシアクリレート樹脂組成物(EMS−4)を得た。
実施例5
実施例1と同様の反応器にFM2D 358g(1モル)、THPA 152g(1モル)、トルハイドロキノン0.1g、トリフェニルホスフィン0.25gを仕込み、乾燥空気雰囲気下に80〜130℃で2時間反応させ酸価113mgKOH/gの不飽和一塩基酸(HE−2)を合成した。これに830S 170g(1エポキシ等量)、トルハイドロキノン0.04g、2-メチルイミダゾール1.4gを仕込み、100〜130℃で3時間反応させ、酸価5mgKOH/gのエポキシアクリレート(EM−5)を合成した。これにFA−512MT 831gを加えて混合した後、60〜80℃程度に調温し、融点約52℃(125°F)のパラフィンフックス1.51gを添加し、溶融、混合してエポキシアクリレート樹脂組成物(EMS−5)を得た。
実施例1と同様の反応器にFM2D 358g(1モル)、THPA 152g(1モル)、トルハイドロキノン0.1g、トリフェニルホスフィン0.25gを仕込み、乾燥空気雰囲気下に80〜130℃で2時間反応させ酸価113mgKOH/gの不飽和一塩基酸(HE−2)を合成した。これに830S 170g(1エポキシ等量)、トルハイドロキノン0.04g、2-メチルイミダゾール1.4gを仕込み、100〜130℃で3時間反応させ、酸価5mgKOH/gのエポキシアクリレート(EM−5)を合成した。これにFA−512MT 831gを加えて混合した後、60〜80℃程度に調温し、融点約52℃(125°F)のパラフィンフックス1.51gを添加し、溶融、混合してエポキシアクリレート樹脂組成物(EMS−5)を得た。
実施例6
実施例1と同様の反応器にFM2D 214.8g(0.6モル)、THPA 91.2g(0.6モル)、トルハイドロキノン0.06g、トリフェニルホスフィン0.15gを仕込み、乾燥空気雰囲気下に80〜130℃で2時間反応させ酸価113mgKOH/gの不飽和一塩基酸(HE−2)を合成した。これにMAA34.4g(0.4モル)、GY260 189g(1エポキシ等量)、トルハイドロキノン0.05g、2-メチルイミダゾール1gを仕込み、100〜130℃で3時間反応させ、酸価5mgKOH/gのエポキシアクリレート(EM−6)を合成した。これにFA−512MT 647gを加えて混合した後、60〜80℃程度に調温し、融点約52℃(125°F)のパラフィンフックス1.18gを添加し、溶融、混合してエポキシアクリレート樹脂組成物(EMS−6)を得た。
実施例1と同様の反応器にFM2D 214.8g(0.6モル)、THPA 91.2g(0.6モル)、トルハイドロキノン0.06g、トリフェニルホスフィン0.15gを仕込み、乾燥空気雰囲気下に80〜130℃で2時間反応させ酸価113mgKOH/gの不飽和一塩基酸(HE−2)を合成した。これにMAA34.4g(0.4モル)、GY260 189g(1エポキシ等量)、トルハイドロキノン0.05g、2-メチルイミダゾール1gを仕込み、100〜130℃で3時間反応させ、酸価5mgKOH/gのエポキシアクリレート(EM−6)を合成した。これにFA−512MT 647gを加えて混合した後、60〜80℃程度に調温し、融点約52℃(125°F)のパラフィンフックス1.18gを添加し、溶融、混合してエポキシアクリレート樹脂組成物(EMS−6)を得た。
実施例7
実施例1と同様な反応器にFM2D 322.2g(0.9モル)、THPA 136.8g(0.9モル)、トルハイドロキノン0.09g、トリフェニルホスフィン0.23gを仕込み、乾燥空気雰囲気下に80〜130℃で2時間反応させ酸価113mgKOH/gの不飽和一塩基酸(HE−2)を合成した。これにTHPA 15.2g(0.1モル)、GY260 189g(1エポキシ等量)、トルハイドロキノン0.04g、2-メチルイミダゾール1.3gを仕込み、100〜130℃で3時間反応させ、酸価5mgKOH/gのエポキシアクリレート(EM−7)を合成した。これにFA−512MT 995gを加えて混合した後、60〜80℃程度に調温し、融点約52℃(125°F)のパラフィンフックス1.66gを添加し、溶融、混合してエポキシアクリレート樹脂組成物(EMS−7)を得た。
実施例1と同様な反応器にFM2D 322.2g(0.9モル)、THPA 136.8g(0.9モル)、トルハイドロキノン0.09g、トリフェニルホスフィン0.23gを仕込み、乾燥空気雰囲気下に80〜130℃で2時間反応させ酸価113mgKOH/gの不飽和一塩基酸(HE−2)を合成した。これにTHPA 15.2g(0.1モル)、GY260 189g(1エポキシ等量)、トルハイドロキノン0.04g、2-メチルイミダゾール1.3gを仕込み、100〜130℃で3時間反応させ、酸価5mgKOH/gのエポキシアクリレート(EM−7)を合成した。これにFA−512MT 995gを加えて混合した後、60〜80℃程度に調温し、融点約52℃(125°F)のパラフィンフックス1.66gを添加し、溶融、混合してエポキシアクリレート樹脂組成物(EMS−7)を得た。
実施例8
実施例2で得たエポキシアクリレート(EMS−2)699gに、M−101A 854gを加えて混合した後、60〜80℃程度に調温し、融点約52℃(125°F)のパラフィンフックス1.55gを添加し、溶融、混合してエポキシアクリレート樹脂組成物(EMS−8)を得た。
実施例2で得たエポキシアクリレート(EMS−2)699gに、M−101A 854gを加えて混合した後、60〜80℃程度に調温し、融点約52℃(125°F)のパラフィンフックス1.55gを添加し、溶融、混合してエポキシアクリレート樹脂組成物(EMS−8)を得た。
実施例9
実施例1と同様の反応器にFM2D 89.5g(0.25モル)、THPA 76.0g(0.5モル)、P−30M65.5g(0.25モル)、トルハイドロキノン0.05g、トリフェニルホスフィン0.13gを仕込み、乾燥空気雰囲気下に80〜130℃で2時間反応させ酸価121mgKOH/gの不飽和一塩基酸(HEP−1)を合成した。これにMAA42.0g(0.5モル)、GY260 189g(1エポキシ等量)、トルハイドロキノン0.05g、2-メチルイミダゾール1gを仕込み、100〜130℃で3時間反応させ、酸価5mgKOH/gのエポキシアクリレート(EMP−1)を合成した。これにFA−512MT 554gを加えて混合した後、60〜80℃程度に調温し、融点約52℃(125°F)のパラフィンフックス1.18gを添加し、溶融、混合してエポキシアクリレート樹脂組成物(EMSP−1)を得た。
実施例1と同様の反応器にFM2D 89.5g(0.25モル)、THPA 76.0g(0.5モル)、P−30M65.5g(0.25モル)、トルハイドロキノン0.05g、トリフェニルホスフィン0.13gを仕込み、乾燥空気雰囲気下に80〜130℃で2時間反応させ酸価121mgKOH/gの不飽和一塩基酸(HEP−1)を合成した。これにMAA42.0g(0.5モル)、GY260 189g(1エポキシ等量)、トルハイドロキノン0.05g、2-メチルイミダゾール1gを仕込み、100〜130℃で3時間反応させ、酸価5mgKOH/gのエポキシアクリレート(EMP−1)を合成した。これにFA−512MT 554gを加えて混合した後、60〜80℃程度に調温し、融点約52℃(125°F)のパラフィンフックス1.18gを添加し、溶融、混合してエポキシアクリレート樹脂組成物(EMSP−1)を得た。
比較例1
攪拌機、温度計、乾燥空気導入管、還流冷却器を備えた反応器にGY260 189g(1エポキシ等量)、MAA 86g(1モル)トルハイドロキノン0.06g、2-メチルイミダゾール0.55gを仕込み、100〜130℃で3時間反応させ、酸価5mgKOH/gのエポキシアクリレート(EM−8)を合成した。これにSM 118gを加えて混合した後、60〜80℃程度に調温し、融点約52℃(125°F)のパラフィンフックス0.39gを添加し、溶融、混合してエポキシアクリレート樹脂組成物(EMS−10)を得た。
攪拌機、温度計、乾燥空気導入管、還流冷却器を備えた反応器にGY260 189g(1エポキシ等量)、MAA 86g(1モル)トルハイドロキノン0.06g、2-メチルイミダゾール0.55gを仕込み、100〜130℃で3時間反応させ、酸価5mgKOH/gのエポキシアクリレート(EM−8)を合成した。これにSM 118gを加えて混合した後、60〜80℃程度に調温し、融点約52℃(125°F)のパラフィンフックス0.39gを添加し、溶融、混合してエポキシアクリレート樹脂組成物(EMS−10)を得た。
比較例2
比較例1で合成したエポキシアクリレート(EM−8)275gにFA−512MT 275gを加えて混合した後、60〜80℃程度に調温し、融点約52℃(125°F)のパラフィンフックス0.55gを添加し、溶融、混合してエポキシアクリレート樹脂組成物(EMS−11)を得た。
比較例1で合成したエポキシアクリレート(EM−8)275gにFA−512MT 275gを加えて混合した後、60〜80℃程度に調温し、融点約52℃(125°F)のパラフィンフックス0.55gを添加し、溶融、混合してエポキシアクリレート樹脂組成物(EMS−11)を得た。
比較例3
比較例1で合成したエポキシアクリレート(EM−8)275gに、DEGDMA 183gを加えて混合した後、60〜80℃程度に調温し、融点約52℃(125°F)のパラフィンフックス0.46gを添加し、溶融、混合してエポキシアクリレート樹脂組成物(EMS−12)を得た。
比較例1で合成したエポキシアクリレート(EM−8)275gに、DEGDMA 183gを加えて混合した後、60〜80℃程度に調温し、融点約52℃(125°F)のパラフィンフックス0.46gを添加し、溶融、混合してエポキシアクリレート樹脂組成物(EMS−12)を得た。
比較例4
比較例1で合成したエポキシアクリレート(EM−8) 275gに、9EGDMA 275gを加えて混合した後、60〜80℃程度に調温し、融点約52℃(125°F)のパラフィンフックス0.55gを添加し、溶融、混合してエポキシアクリレート樹脂組成物(EMS−13)を得た。
比較例1で合成したエポキシアクリレート(EM−8) 275gに、9EGDMA 275gを加えて混合した後、60〜80℃程度に調温し、融点約52℃(125°F)のパラフィンフックス0.55gを添加し、溶融、混合してエポキシアクリレート樹脂組成物(EMS−13)を得た。
比較例5
攪拌機、温度計、乾燥空気導入管、還流冷却器を備えた反応器にEP1001 475g(1エポキシ等量)を仕込み、90℃程度に加温して溶融させた後に、MAA 86g(1モル)、トルハイドロキノン0.17g、2-メチルイミダゾール1.1gを仕込み、100〜130℃で3時間反応させ、酸価8mgKOH/gのエポキシアクリレート(EM−9)を合成した。これにSM 459gを加えて混合した後、60〜80℃程度に調温し、融点約52℃(125°F)のパラフィンフックス1gを添加し、溶融、混合して、エポキシアクリレート樹脂組成物(EMS−14)を得た。
攪拌機、温度計、乾燥空気導入管、還流冷却器を備えた反応器にEP1001 475g(1エポキシ等量)を仕込み、90℃程度に加温して溶融させた後に、MAA 86g(1モル)、トルハイドロキノン0.17g、2-メチルイミダゾール1.1gを仕込み、100〜130℃で3時間反応させ、酸価8mgKOH/gのエポキシアクリレート(EM−9)を合成した。これにSM 459gを加えて混合した後、60〜80℃程度に調温し、融点約52℃(125°F)のパラフィンフックス1gを添加し、溶融、混合して、エポキシアクリレート樹脂組成物(EMS−14)を得た。
比較例6
比較例5で合成したエポキシアクリレート(EM−9) 561gに、FA−512MT 842gを加えて混合した後、60〜80℃程度に調温し、融点約52℃(125°F)のパラフィンフックス1.4gを添加し、溶融、混合してエポキシアクリレート樹脂組成物(EMS−15)を得た。
比較例5で合成したエポキシアクリレート(EM−9) 561gに、FA−512MT 842gを加えて混合した後、60〜80℃程度に調温し、融点約52℃(125°F)のパラフィンフックス1.4gを添加し、溶融、混合してエポキシアクリレート樹脂組成物(EMS−15)を得た。
比較例7
実施例2で合成したエポキシアクリレート(EM−2)699gに、SM 300gを加えて混合した後、60〜80℃程度に調温し、融点約52℃(125°F)のパラフィンフックス1gを添加し、溶融、混合して、エポキシアクリレート樹脂組成物(EMS−16)を得た。
実施例2で合成したエポキシアクリレート(EM−2)699gに、SM 300gを加えて混合した後、60〜80℃程度に調温し、融点約52℃(125°F)のパラフィンフックス1gを添加し、溶融、混合して、エポキシアクリレート樹脂組成物(EMS−16)を得た。
比較例8
実施例2で合成したエポキシアクリレート(EM−2)699gに、DEGDMA 466gを加えて混合した後、60〜80℃程度に調温し、融点約52℃(125°F)のパラフィンフックス1.17gを添加し、溶融、混合してエポキシアクリレート樹脂組成物(EMS−17)を得た。
実施例2で合成したエポキシアクリレート(EM−2)699gに、DEGDMA 466gを加えて混合した後、60〜80℃程度に調温し、融点約52℃(125°F)のパラフィンフックス1.17gを添加し、溶融、混合してエポキシアクリレート樹脂組成物(EMS−17)を得た。
比較例9
スチレン系軟質不飽和ポリエステル樹脂として、ユピカ8671AP(日本ユピカ社製)を比較用樹脂として使用した。
スチレン系軟質不飽和ポリエステル樹脂として、ユピカ8671AP(日本ユピカ社製)を比較用樹脂として使用した。
実施例および比較例の樹脂組成物について、粘度測定、ゲル化時間測定、臭気試験、揮発量測定、表面硬化性試験、引張試験、耐薬品試験、耐水試験は下記により実施した。
粘度測定:
液状不飽和ポリエステル樹脂試験方法のブルックフィ−ルド型粘度計法(JIS K6901 4.4.1)に準拠して測定した。
液状不飽和ポリエステル樹脂試験方法のブルックフィ−ルド型粘度計法(JIS K6901 4.4.1)に準拠して測定した。
ゲル化時間測定:
液状不飽和ポリエステル樹脂試験方法の常温硬化特性(JIS K6901 4.7)に準拠し、実施例および比較例の樹脂組成物に8%オクテン酸コバルト(日本化学産業社製)と硬化剤328E(化薬アクゾ社製)を各々1%配合し、ゲル化時間を測定した。なお測定に際しては、実施例および比較例ともにゲル化時間が20〜35分になるように禁止剤を添加した調整したものを使用した。
液状不飽和ポリエステル樹脂試験方法の常温硬化特性(JIS K6901 4.7)に準拠し、実施例および比較例の樹脂組成物に8%オクテン酸コバルト(日本化学産業社製)と硬化剤328E(化薬アクゾ社製)を各々1%配合し、ゲル化時間を測定した。なお測定に際しては、実施例および比較例ともにゲル化時間が20〜35分になるように禁止剤を添加した調整したものを使用した。
臭気試験:
450mlマヨネーズビンに実施例および比較例の樹脂組成物をそれぞれ50gずつ入れ、密封後に25℃恒温槽内で24時間放置後の臭気を官能試験で評価した。臭気の官能試験は表6に示す評価基準を用いて4段階評価で実施した。
450mlマヨネーズビンに実施例および比較例の樹脂組成物をそれぞれ50gずつ入れ、密封後に25℃恒温槽内で24時間放置後の臭気を官能試験で評価した。臭気の官能試験は表6に示す評価基準を用いて4段階評価で実施した。
揮発量の測定:
1990年に発表された、カルフォルニア州 South Coast Air Quality Management Districtルール1162 に準拠して、次の手順でおこなった。まず、内径と重量を測定した丸缶のフタ(約165平方センチメートル)に、あらかじめゲル化時間を20〜35分に調整した実施例および比較例の樹脂組成物に8%オクテン酸コバルト(日本化学産業社製)と硬化剤328E(化薬アクゾ社製)を各々1%配合したもの100gを精秤し、均一の厚みとした上で25℃、湿度55%、無風状態の恒温室にて硬化させた。24時間後に丸缶フタと硬化物の合計重量を測定し、硬化前後の重量差の測定により1平方メートルの揮散重量を算出した。
1990年に発表された、カルフォルニア州 South Coast Air Quality Management Districtルール1162 に準拠して、次の手順でおこなった。まず、内径と重量を測定した丸缶のフタ(約165平方センチメートル)に、あらかじめゲル化時間を20〜35分に調整した実施例および比較例の樹脂組成物に8%オクテン酸コバルト(日本化学産業社製)と硬化剤328E(化薬アクゾ社製)を各々1%配合したもの100gを精秤し、均一の厚みとした上で25℃、湿度55%、無風状態の恒温室にて硬化させた。24時間後に丸缶フタと硬化物の合計重量を測定し、硬化前後の重量差の測定により1平方メートルの揮散重量を算出した。
表面硬化性試験:
あらかじめゲル化時間を20〜35分に調整した実施例および比較例の樹脂組成物に8%オクテン酸コバルト(日本化学産業社製)と硬化剤328E(化薬アクゾ社製)を各々1%配合したもの6gを丸缶のフタ(約60平方センチメートル)に精秤し、約1mmの均一な厚みとした上で25℃、湿度50%,無風状態の恒温室にて硬化させ、時間経過にともなう表面の硬化状態を指触試験により評価し、タックフリーとなった時間を表面乾燥時間とした。実施例の樹脂組成物の試験結果を表8に、比較例の樹脂組成物の試験結果を表9に示す。
あらかじめゲル化時間を20〜35分に調整した実施例および比較例の樹脂組成物に8%オクテン酸コバルト(日本化学産業社製)と硬化剤328E(化薬アクゾ社製)を各々1%配合したもの6gを丸缶のフタ(約60平方センチメートル)に精秤し、約1mmの均一な厚みとした上で25℃、湿度50%,無風状態の恒温室にて硬化させ、時間経過にともなう表面の硬化状態を指触試験により評価し、タックフリーとなった時間を表面乾燥時間とした。実施例の樹脂組成物の試験結果を表8に、比較例の樹脂組成物の試験結果を表9に示す。
引張試験:
プラスチックの引張試験方法(JIS K7113)に準拠し、あらかじめゲル化時間を20〜35分に調整した実施例および比較例の樹脂組成物に8%オクテン酸コバルト(日本化学産業社製)と硬化剤328E(化薬アクゾ社製)を各々1%配合したものをガラス板などを使用して3mm厚の板状に硬化させ、1号形試験片に切り出したものを使用して実施した。硬化の条件は室温で16時間硬化後に60℃恒温槽中で3時間の後硬化をおこなった。実施例の樹脂組成物の試験結果を表8に、比較例の樹脂組成物の試験結果を表9に示す。
プラスチックの引張試験方法(JIS K7113)に準拠し、あらかじめゲル化時間を20〜35分に調整した実施例および比較例の樹脂組成物に8%オクテン酸コバルト(日本化学産業社製)と硬化剤328E(化薬アクゾ社製)を各々1%配合したものをガラス板などを使用して3mm厚の板状に硬化させ、1号形試験片に切り出したものを使用して実施した。硬化の条件は室温で16時間硬化後に60℃恒温槽中で3時間の後硬化をおこなった。実施例の樹脂組成物の試験結果を表8に、比較例の樹脂組成物の試験結果を表9に示す。
耐薬品性:
引張試験で使用した3mm厚の板状硬化物を25mm×70mmのサイズに切り取り、10%硫酸溶液および10%水酸化ナトリウム(NaOH)溶液の23℃薬液中で1ヶ月浸漬試験を行い、外観変化を観察し、外観変化の評価基準は表7の4段階評価法を用いた。実施例の樹脂組成物の試験結果を表8に、比較例の樹脂組成物の試験結果を表9に示す。
引張試験で使用した3mm厚の板状硬化物を25mm×70mmのサイズに切り取り、10%硫酸溶液および10%水酸化ナトリウム(NaOH)溶液の23℃薬液中で1ヶ月浸漬試験を行い、外観変化を観察し、外観変化の評価基準は表7の4段階評価法を用いた。実施例の樹脂組成物の試験結果を表8に、比較例の樹脂組成物の試験結果を表9に示す。
耐水品性:
引張試験で使用した3mm厚の板状硬化物を25mm×70mmのサイズに切り取り、40℃の水中で1ヶ月浸漬試験を行い、外観変化を観察した。外観変化の評価基準は表7の4段階評価法を用いた。実施例の樹脂組成物の試験結果を表8に、比較例の樹脂組成物の試験結果を表9に示す。
引張試験で使用した3mm厚の板状硬化物を25mm×70mmのサイズに切り取り、40℃の水中で1ヶ月浸漬試験を行い、外観変化を観察した。外観変化の評価基準は表7の4段階評価法を用いた。実施例の樹脂組成物の試験結果を表8に、比較例の樹脂組成物の試験結果を表9に示す。
以上の実施例と比較例の試験結果の比較から以下の事柄が明らかである。
1.本発明による実施例1〜8の樹脂組成物は適度な粘度と表面乾燥性、引張伸び率、耐薬品性、耐水性を有していると共に、低臭気で低揮発性であることが判る。
2.また、実施例2、6、7の対比から伸び率を極端に低下させずに強度を高くする効果を奏することが明らかである。
3.比較例6の樹脂組成物は本発明の粘度範囲である、100〜3000(mPa・s/25℃)よりも粘度が高く、作業ができず、粘度と臭気以外の試験を中止した。
4.スチレンを含む比較例1、5、7、8の樹脂組成物は臭気が強く、硬化時の揮発量も多いことか作業環境を悪くする傾向が顕著である。
5.比較例1〜5の樹脂組成物は引張り伸び率が低く所期の効果が得られない。
6.比較例9は10%水酸化ナトリウム溶液に対する23℃の耐薬品性が劣り、所期の効果が得られない。
7.比較例3、4、8の樹脂組成物のようにポリエチレングリコール系の2官能メタクリレートを希釈剤とした場合は、表面硬化性が遅い傾向があり、さらに40℃耐水性にも劣る。
1.本発明による実施例1〜8の樹脂組成物は適度な粘度と表面乾燥性、引張伸び率、耐薬品性、耐水性を有していると共に、低臭気で低揮発性であることが判る。
2.また、実施例2、6、7の対比から伸び率を極端に低下させずに強度を高くする効果を奏することが明らかである。
3.比較例6の樹脂組成物は本発明の粘度範囲である、100〜3000(mPa・s/25℃)よりも粘度が高く、作業ができず、粘度と臭気以外の試験を中止した。
4.スチレンを含む比較例1、5、7、8の樹脂組成物は臭気が強く、硬化時の揮発量も多いことか作業環境を悪くする傾向が顕著である。
5.比較例1〜5の樹脂組成物は引張り伸び率が低く所期の効果が得られない。
6.比較例9は10%水酸化ナトリウム溶液に対する23℃の耐薬品性が劣り、所期の効果が得られない。
7.比較例3、4、8の樹脂組成物のようにポリエチレングリコール系の2官能メタクリレートを希釈剤とした場合は、表面硬化性が遅い傾向があり、さらに40℃耐水性にも劣る。
Claims (7)
- 重量平均分子量が150〜500であり、分子中に1個の水酸基を有する単官能(メタ)アクリレート(A−1)および/または分子中に1個の水酸基を有し分子末端に不飽和基を有するアリルエーテル化合物(A−2)と、飽和二塩基酸またはその酸無水物(B)との反応で得られる長鎖不飽和一塩基酸(H)と、メタクリル酸(C)および/またはエポキシ当量が300以下であるビスフェノール型エポキシ化合物(D)とを反応させて得られるエポキシ変性樹脂(E)を重合性単官能(メタ)アクリレート(F)に溶解してなる低臭気型硬化性樹脂組成物。
- 重量平均分子量が150〜500であり、分子中に1個の水酸基を有する単官能(メタ)アクリレート(A−1)および/または分子中に1個の水酸基を有し分子末端に不飽和基を有するアリルエーテル化合物(A−2)と飽和二塩基酸またはその酸無水物(B)との配合モル比が100:100〜75:100であることを特徴とする請求項1記載の低臭気型硬化性樹脂組成物。
- 重量平均分子量が150〜500であり分子中に1個の水酸基を有する単官能(メタ)アクリレート(A−1)または/および分子中に1個の水酸基を有し分子末端に不飽和基を有するアリルエーテル化合物(A−2)と飽和二塩基酸またはその酸無水物(B)とを反応させて得られる長鎖不飽和一塩基酸(H)と、メタクリル酸(C)の配合モル比が、(H):(C)=30:70〜100:0であることを特徴とする請求項1記載の低臭気型硬化性樹脂組成物。
- 前記分子中に1個の水酸基を有する単官能(メタ)クリレート(A−1)が、(ポリ)カプロラクトンモノエトキシ(メタ)アクリレートであることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の低臭気型硬化性樹脂組成物。
- 長鎖不飽和一塩基酸(H)とメタアクリル酸(C)および/またはエポキシ化合物(D)との反応において全カルボキシル基数/エポキシ基数=0.90〜1.10として反応させることを特徴とする上記請求項1記載の低臭気型硬化性樹脂組成物。
- 重合性単官能(メタ)アクリレート(F)は、蒸気圧0.1mmHg(20℃)以下である低揮発性の単官能の重合性(メタ)アクリレートであることを特徴とする請求項1記載の低臭気型硬化性樹脂組成物。
- エポキシ変性樹脂(E)と重合性単官能(メタ)アクリレート(F)の配合比が(E):(F)=80:20〜20:80(重量比)であることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の低臭気型硬化性樹脂組成物。
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JP2007197598A (ja) * | 2006-01-27 | 2007-08-09 | Dainippon Ink & Chem Inc | ラジカル硬化性樹脂組成物 |
JP2009024163A (ja) * | 2007-06-20 | 2009-02-05 | Showa Highpolymer Co Ltd | 不飽和ポリエステル樹脂組成物及びそれを用いた樹脂複合組成物 |
-
2004
- 2004-04-07 JP JP2004112787A patent/JP2005298556A/ja active Pending
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