JP3074717B2 - 樹脂組成物、これを用いた塗料及び成形材料 - Google Patents

樹脂組成物、これを用いた塗料及び成形材料

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JP3074717B2 JP02270107A JP27010790A JP3074717B2 JP 3074717 B2 JP3074717 B2 JP 3074717B2 JP 02270107 A JP02270107 A JP 02270107A JP 27010790 A JP27010790 A JP 27010790A JP 3074717 B2 JP3074717 B2 JP 3074717B2
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、樹脂組成物に関し、詳細には、広範囲の環
境温度下で空気中の酸素存在化においても空気に接触す
る樹脂表面が容易にゲル化しその粘着性を除去でき得る
性質を有し塗料、パテ等の製造に有用な樹脂組成物更に
該樹脂組成物を用いるFRP成形品を製造するための成形
材料、例えばシートモールディングコンパウンド(以下
SMCと略す)、バルクモールディングコンパウンド(以
下BMCと略す)などの作業性、低圧成形性に優れた成形
材料に関する。
(従来の技術) 従来よりラジカル重合性樹脂を用いた空乾型塗料の硬
化性を向上させる方法としては、パラフィンワックス
(ワックスと略する)を樹脂組成物に混入する方法、樹
脂中にアリル基を含有するいわゆる、空気硬化型樹脂を
用いる方法がある。しかしこれらの方法は、例えばワッ
クスを用いる方法では、塗料の塗布環境温度が15℃〜35
℃である制約を受け且つ樹脂の硬化発熱温度の高いもの
はワックスが融解しその効果が発現しない等の問題があ
る。又樹脂中にアリル基を含有する空気硬化型樹脂は樹
脂が高価になる。
又、一般にSMC成形材料は、ラジカル重合性樹脂に熱
可塑性樹脂、充填剤、着色剤、硬化剤、増粘剤などを混
合したコンパウンドをフィルム上に広げ繊維補強材に含
浸し、次いでフィルムで覆い適度に圧縮して十分に含
浸、増粘させてシート状に製造されたものであり、BMC
成形材料は、これらのコンパウンドの繊維補強材を混練
し、含浸増粘させてバルク状に製造されたものである。
SMCやBMC成形材料は、その成形加工性作業環境などの
良さから、バスタブ、タンク、浄化槽、建材、工業部
品、自動車部品、電気部品などの分野で広く使用されて
いる。最近、これらの分野で製品が大型化するに従って
大型の高圧成形機が必要となって多額の設備投資そして
製品原価の高騰を招いていた。
低圧成形を可能にするSMC,BMC成形材料は、種々研究
されているが例えば 不飽和ポリエステル樹脂用増粘剤としてカルシウムの
酸化物又は、水酸化物を用いる方法。(特開昭56−5882
6号公報) SMCに用いる不飽和ポリエステルの二塩基酸成分のう
ちフマル酸の含量を40〜50モル%に規定する方法。(特
開昭56−76432号公報) 不飽和ポリエステル樹脂として飽和多塩基酸をその酸
成分として使用せず且つその使用するビニル単量体を不
飽和ポリエステルをエチレン性不飽和結合1当量に対し
ビニル単量体のそれが3〜6倍当量の割合で用いる方
法。(特開昭57−121037号公報) 不飽和ポリエステル樹脂100重量部に対し、増粘剤と
して酸化マグネシウム0.05〜0.3重量部及び酸化亜鉛1
〜20重量部を混合して用いる方法。(特公昭61−46018
号公報)等が提案されている。
(発明が解決しようとする課題) 1)従来の空乾型樹脂組成物には、以下の様な欠点があ
った。
塗膜の空乾性を向上させる目的でパラフィンワック
スを用いる場合、塗膜の硬化環境温度が15〜35℃が好ま
しく塗装環境の制約を受ける。
塗膜の硬化発熱温度の高いものはワックスが融解し
ワックスの本来の空乾性向上作用が阻害される為、ワッ
クスの適用できるラジカル重合性樹脂に制限がある。
樹脂中にアリル基を含む空気硬化型樹脂は高価であ
る。
2)従来の低圧成形を可能にするいわゆるSMC,BMC等の
成形材料には、以下の様な欠点があった。
低圧成形を可能にするSMC,BMC成形材料は、粘着性
がある。
低圧成形を可能にするSMC,BMCを覆うフィルムの剥
離が困難であり又切断しにくくその取扱い作業性が著し
く悪い。
低圧成形用SMC,BMCを取り扱う際、その粘着性の為
作業場の汚物を混入しやすく得られる成形品が汚れ、歩
留りが低下する。
低圧成形用成形材料に用いるラジカル重合性樹脂の
選択範囲が制約され、例えば耐水性、耐光性、速硬化
性、強度等の性能を兼ね備えた低圧成形用成形材料が得
られにくい。
得られる成形品の強度が低く、又成形材料の硬化性
も悪い。
増粘剤として、金属酸化物を従来配合に比べ大量に
用いる低圧成形材料は、成形品の耐熱水性が低い。
本発明は、 粘着性がない。
従来の成形材料用樹脂配合物を利用でき従来の成形材
料で得られた耐水性、硬化性、等の諸性能を具備し且つ
従来の成形圧力に比べ低圧で成形できる。
更に得られる成形品は、光沢などの表面品質が向上す
る。
成形材料を提供することを目的とする。
(問題点を解決するための手段) 本発明者らは、これら欠点を取り除くべく鋭意研究し
た結果本発明を完成するに至った。
即ち、本発明は a)ラジカル重合性樹脂 b)重合性モノマー c)硬化又は増粘反応中に表面に移行して被覆を形成す
る液状の潤滑油 とからなる樹脂組成物であり、更には、この樹脂組成物
を用いた塗料、この樹脂組成物と増粘剤とを含んでなる
樹脂組成物及びこの樹脂組成物と強化材とを含んでなる
成形材料を提供するものである。
(構 成) 本発明で使用するラジカル重合性樹脂としては、硬化
反応がラジカル重合である樹脂で例えば不飽和ポリエス
テル樹脂、ビニルエステル樹脂、アリル樹脂が挙げられ
る。不飽和ポリエステル樹脂としては、α,β−不飽和
二塩基酸又はその酸無水物と、芳香族飽和二塩基酸又
は、その酸無水物と、グリコール類の重縮合によって製
造され、場合によって酸成分として脂肪族或いは脂環族
飽和二塩基酸を併用して製造されたものである。この不
飽和ポリエステル樹脂30〜80重量部を、架橋用重合性モ
ノマーとしてα,β−不飽和単量体70〜20重量部に溶解
して得られるものが挙げられる。
また、ビニルエステル樹脂としては、不飽和ポリエス
テルの末端をビニル変性したものと架橋用重合性モノマ
ーからなるもの、及びエポキシ骨格(エポキシ樹脂)の
末端をビニル変性したエポキシビニルエステル樹脂と架
橋用重合性モノマーからなるものが挙げられる。これら
は必要により硬化触媒、硬化促進剤のほか、充填剤、低
収縮化剤等を添加するが、特に硬化触媒、硬化促進剤の
添加は、硬化を速くする点で好ましい。
上記α,β−不飽和二塩基酸又はその酸無水物として
は、マレイン酸、無水マレイン酸、フマル酸、イタコン
酸、シトラコン酸、クロルマレイン酸、及びこれらのエ
ステル等があり、芳香族飽和二塩基酸又はその酸無水物
としては、フタル酸、無水フタル酸、イソフタル酸、テ
レフタル酸、ニトロフタル酸、テトラヒドロ無水フタル
酸、エンドメチレンテトラヒドロ無水フタル酸、ハロゲ
ン化無水フタル酸及びこれらのエステル等があり、脂肪
族或いは脂環族飽和二塩基酸としては、シュウ酸、マロ
ン酸、コハク酸、アジピン酸、セバシン酸、アゼライン
酸、グルタル酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸及びこれら
のエステル等があり、それぞれ単独或いは併用して使用
される。
グリコール類としては、エチレングリコール、プロピ
レングリコール、ジエチレングリコール、ジプロピレン
グリコール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオー
ル、2−メチルプロパン−1,3−ジオール、ネオペンチ
ルグリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレ
ングリコール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサン
ジオール、ビスフェノールA、水素化ビスフェノール
A、エチレングリコールカーボネート、2,2−ジ−(4
−ヒドロキシプロポキシジフェニル)プロパン等が挙げ
られ単独或いは、併用して使用されるが、その他にエチ
レンオキサイド、プロピレンオキサイド等の酸化物も同
様に使用できる。
また、グリコール類と酸成分の一部としてポリエチレ
ンテレフタレート等の重縮合物も使用できる。各反応成
分は、不飽和ポリエステルと重縮合できるものであれば
特に上記化合物に限定されない。また、不飽和ポリエス
テルの末端カルボキシル基とグリシジル基を有する反応
性モノマーを反応させて得られる樹脂も使用できる。グ
リシジル基を有する反応性モノマーの代表的なものとし
てグリシジルアクリレート、グリシジルメタクリレート
等がある。
上記したエポキシビニルエステル樹脂とは、詳細に
は、ビスフェノールタイプのエポキシ樹脂単独又はビス
フェノールタイプのエポキシとノボラックタイプのエポ
キシ樹脂とを混合した樹脂であって、その平均エポキシ
当量が250から450の範囲にあるエポキシ樹脂と不飽和一
塩基酸とをエステル化触媒の存在下で反応して得られる
エポキシビニルエステルを、重合禁止剤とともに重合性
ビニルモノマーに溶解して得られたものである。
ここで、上記ビスフェノールタイプのエポキシ樹脂と
して代表的なものを挙げれば、エピクロルヒドリンとビ
スフェノールA若しくはビスフェノールFとの反応によ
り得られた実質的に1分子中に2個以上のエポキシ基を
有するグリシジルエーテル型のエポキシ樹脂、メチルエ
ピクロヒドリンとビスフェノールA若しくはビスフェノ
ールFとの反応により得られるジメチルグリシジルエー
テル型のエポキシ樹脂あるいはビスフェノールAのアル
キレンオキサイド付加物とエピクロルシドリン若しく
は、メチルエピクロルシドリンとから得られるエポキシ
樹脂などである。また、前記ノボラックタイプのエポキ
シ樹脂として代表的なものには、フェノールノボラック
又はクレゾールノボラックと、エピクロルシドリン又は
メチルエピクロルヒドリンとの反応により得られるエポ
キシ樹脂などがある。
他方、上記不飽和一塩基酸として代表的なものには、
アクリル酸、メタクリル酸、桂皮酸、クロトン酸、モノ
メチルマレート、モノプロピルマレート、モノブチルマ
レート、ソルビン酸あるいはモノ(2−エチルヘキシ
ル)マレートなどがある。なお、これらの一塩基酸は単
独でも、2種以上の混合においてでも使用できる。
これらのエポキシ樹脂と不飽和一塩基酸との反応は、
60〜140℃、好ましくは80〜120℃の温度においてエステ
ル化触媒を用いて行われる。かかるエステル化触媒とし
ては、トリエチルアミン、N,N−ジメチルベンジルアミ
ン、N,N−ジメチルアニリン若しくは、ジアザビシクロ
オクタンなどの如き三級アミン;あるいはジエチルアミ
ン塩酸塩、ジメチル酢酸塩、若しくはジメチルアミン硫
酸塩などの如き、公知の触媒がそのまま使用できる。
また、これらに併用される重合性モノマーの濃度は、
特に制限を設けるものではないが、作業性や含浸性及び
硬化物の性能上から10〜60重量パーセントが好ましい。
さらに上記エポキシビニルエステル樹脂組成物を製造
する際には、ゲル化を防止する目的や生成樹脂の保存安
定性あるいは硬化性の調整の目的で重合禁止剤を使用す
ることが推奨されている。ここで使用される上記重合禁
止剤として代表的なものを挙げれば、ハイドロキノン、
p−t−ブチルカテコール若しくはモノ−t−ブチルハ
イドロキノンなどのハイドロキノン類,ハイドロキノン
モノメチルエーテル若しくはジ−t−ブチル−p−クレ
ゾールなどのフェノール類,p−ベンゾキノン、ナフトキ
ノン若しくはp−トルキノンなどのキノン類あるいはナ
フテン酸銅の氷き銅塩などである。
(b)は、スチレンを用いる場合が一般的であるが、
スチレンに限定されるものではなく、ビニルトルエン、
α−メチルスチレン、クロルスチレン、メチルメタアク
リレートなどのアクリル化合物およびトリアリルシアヌ
レートなどのアリル化合物などの上記ラジカル重合性樹
脂と架橋可能なビニルモノマーあるいは、ビニルオリゴ
マーを単独あるいは併用してもよい。
本発明において使用する潤滑油は、潤滑剤の内の液体
状のものであり、JIS K−3211に規定する潤滑油のう
ち以下に示す特徴を有するものである。該潤滑油は、上
記ラジカル重合性樹脂の硬化又は増粘反応中にラジカル
重合性樹脂と環境温度に影響を受けず部分相溶性又は、
難溶性を示しラジカル重合性樹脂の上層を覆い空気中の
酸素による硬化阻害を防止でき且つ、ラジカル重合性樹
脂増粘物の粘着性を被覆できる。このため、これまで常
温硬化性改良の目的で用いられたパラフィンワックスの
適用環境温度範囲にとらわれることなく、その硬化性を
改良でき又、低濃度の増粘剤添加量によるラジカル重合
性樹脂増粘物にこれまで見られた、粘着性による作業性
悪化を大巾に改良し、容易にSMC,BMCの如き、成形材料
の低圧成形を実現できる。
上記特徴を示す潤滑油の具体例としては、前記の如く
本樹脂組成物中において部分相溶性又は難溶性を示すも
のであって、(1)鉱油系潤滑油すなわち石油留分から
の脂肪族系油、単環芳香族系油等及び(2)合成潤滑油
すなわちオレフィン系重合油、ジエステル油、ポリアル
キレングリコール油、ハロゲン化炭化水素油、ポリフェ
ニルエーテル系油、シリコーン油等の単独又は混合物を
主成分とする潤滑油から選ばれる。好ましい潤滑油とし
ては、合成潤滑油であり、特にオレフィン系重合油、ポ
リイソブチレン、メチレン−α−オレフィンコポリマー 例えば三井石油化学工業株式会社製ルーカント等があ
る。
本発明において、潤滑油の使用量は、ラジカル重合性
樹脂100重量部に対し01〜50重量部、好ましくは、0.5〜
20重量部の範囲である。
ラジカル重合性樹脂には、その硬化を速めるために硬
化剤を含有することも好ましく、これには、有機過酸化
物が挙げられる。具体的には、ジアシルパーオキサイド
系、パーオキシエステル系、ハイドロパーオキサイド
系、ジアルキルパーオキサイド系、ケトンパーオキサイ
ド系、パーオキシケタール系、アルキルパーエステル
系、パーカーボネート系等公知のものが使用され、混練
条件、熟成温度等で適宜選択される。
硬化剤の添加量は、通常使用されている量であり、好
ましくは、ラジカル重合性樹脂組成物100重量部に対し
て0.01〜4重量部である。上記硬化剤は、組合わせて使
用されても良い。
また硬化促進剤、すなわち硬化剤の有機過酸化物をレ
ドックス反応によって分解し、活性ラジカルの発生を容
易にする作用のある物質は、例えば、コバルト系、バナ
ジウム系、マンガン系等の金属石鹸類、第3級アミン
類、第4級アンモニウム塩、メルカプタン類等がある。
増粘剤としては、酸化マグネシウム、水酸化マグネシ
ウム、酸化カルシウム、水酸化カルシウム等のアルカリ
土類金属の酸化物又は、水酸化物の如き無機増粘剤のほ
か、トリレンジイソシアネート(TDI),4,4′−ジフェ
ニルメタンジイソシアネート(MDI)及びクルードMDIの
如きポリイソシアネートタイプの有機増粘剤などを単独
又は、併用して用いることができる。増粘剤の使用量
は、ラジカル重合性樹脂組成物の増粘後の粘度により適
宜その種類、添加量が決定され、通常ラジカル重合性樹
脂組成物100重量部に対し0.05〜20重量部、好ましくは
0.1〜10重量部がよい。
本発明の組成物には、硬化収縮を低減する目的で低収
縮剤を添加することができる。
低収縮剤としては、ポリスチレン、ポリエチレン、ポ
リアクリレート、ポリ酢酸ビニル、飽和ポリエステルな
どの熱可塑性樹脂が単独あるいは、併用して用いられ
る。
本発明の組成物を塗料として用いるには、前記添加剤
以外に充填剤、骨剤、顔料、着色剤、染料等を添加して
用いる。
本発明の組成物を成形材料として用いるには、前記添
加剤以外に充填剤、内部離型剤、着色剤、及び紫外線吸
収剤等の前記以外の添加剤を従来と同様に使用できる。
充填剤としては、炭酸カルシウム、水酸化アルミニウ
ム、カオリン、硫酸バリウムなどのほか最終成形物の密
度を減少させるために、中空セラミック、中空ガラスま
たは中空グラファイト球体なども用いることができる。
その他、用途、目的に応じてステアリン酸亜鉛、ステア
リン酸カルシウムなどの内部離型剤、着色剤、添加剤な
どが用いられるが、これらは、従来のSMC,BMCのよう
な、成形材料用樹脂組成物に用いられるものを同様に用
いることができる。これら添加剤の配合量は、従来使用
されている量を用いればよい。
本発明の樹脂組成物は、繊維補強材に含浸させること
によりSMC,BMCなどの成形材料を得ることができる。繊
維補強材としては、ガラス繊維、炭素戦域、グラファイ
ト繊維、有機繊維、シルドファイバーなどが好適に用い
られるが、場合によっては、コットンフロック、ホイス
カーなどの繊維物質をも用いることができる。これら繊
維補強材は、樹脂組成物の1〜90重量%好ましくは、10
〜80重量%の範囲で使用される。
本発明の樹脂組成物を繊維補強材に含浸させるには、
市販され慣用されている各種型式の含浸機を用いること
ができる。調整されたSMC,BMCなどの成形材料は、従来
慣行されている方法で熟成する。
このようにして本発明の成形材料を得ることができ
る。得られた成形材料は、圧縮成形、トランスファー成
形、射出成形などにより成形され広範なFRP成形品を得
ることができる。
以下実施例を挙げて本発明をさらに詳しく説明する
が、文中「部」及び「%」は重量基準であるものとす
る。
製造例1 樹脂Aの製造 ビスフェノールAとエピクロルヒドリンとの反応によ
り得られたエポキシ当量189のエピクロン(大日本イン
キ化学工業(株)製)485g、メタクリル酸215g、ハイド
ロキノン0.35g及びトリエチルアミン2.1gを加えて、110
℃まで昇温して6時間反応を続けて得られた酸価6のビ
ニルエステル60部をスチレン40部に混合溶解してビニル
エステル樹脂(樹脂A)を調整した。
製造2 樹脂Bの製造 イソフタル酸166g(1.0モル)、プロピレングリコー
ル152g(2.0モル)を不活性ガス気流中で200〜210℃に
加熱攪拌しながら、酸価50以下になるまで反応させ、次
いでプロピレングリコール174.8g(2.3モル)、フマル
酸348g(3.0モル)を加え更に200〜220℃に加熱攪拌し
ながら脱水反応させて得られた酸価30の不飽和ポリエス
テル65部をハイドロキノン0.005部と共にスチレン35部
に混合溶解して不飽和ポリエステル樹脂(樹脂B)を調
整した。
製造例3 樹脂Cの製造 イソフタル酸166g(1.0モル)、プロピレングリコー
ル152g(2.0モル)を不活性ガス気流中で200〜210℃に
加熱攪拌しながら酸価50以下になるまで反応させ、次い
でプロピレングリコール106.4g(1.4モル)、フマル酸2
32g(2.0モル)を加え200〜220℃に更に加熱攪拌しなが
ら脱水反応させて得られた酸価20、水酸基価40の不飽和
ポリエステル65部をハイドロキノン0.005部と共にスチ
レン35部に混合溶解して不飽和ポリエステル樹脂(樹脂
C)を調整した。
実施例−1、比較例−1,−2 上記方法で得られた樹脂Aを用いて表−1の様な配合
物を作製した。
上記化合物をガラス板上に厚さ0.254mmに塗布し、環
境温度5℃,25℃,45℃の各温度で塗膜表面の粘着性の消
失する時間を測定した。結果を表−4に示した。樹脂の
空乾性(硬化性)は、実施例−1のものが環境温度に関
係なく優れていることを確認した。
実施例−2、比較例−3,4,5 樹脂Bを用い表−2の配合剤を混合しSMC含浸機によ
り1インチガラスロービングチョップを十分含浸させた
SMCを製造した。SMCは、40〜50℃で24時間熟成した。
得られたSMCの低圧成形性の評価は500mm×1000mmの平
板で四方の端部に25mmのフランジと最大高さ20mmのリブ
及びボスを有する金型を用い、SMC成形材料を金型被覆
率25%となる大きさに金型中央に設置し、金型温度上型
145℃/下型135℃の条件で金型全体を完全に充填するに
要する成形圧力で表わした。SMC成形材料の粘着性の評
価は、SMC被覆フィルムの剥離の難易、指触での作業性
が良好であるかどうかで判定した。得られたSMC成形品
の耐熱水性はSMCを300mm×300mm×3mmの平板に成形し、
この平板を95℃の熱水に500時間浸漬後の平板表面状態
を観察した。成形品の光沢はJIS K−5400に規定する方
法で60度鏡面光沢度を測定した。
実施例−2、比較例−3,4,5のSMCの低圧成形性、粘着
性、作業性、耐熱水性、光沢度評価結果を表−5に示し
た。比較例−3,4はそれぞれ成形圧力30kg/cm2,100kg/cm
2以下ではフランジ、リブ、ボス部に欠け未充填が発生
した。又、比較例−3の耐熱水性評価では、試験経過30
0時間を越えたころから表面にいわゆるブリスター(ふ
くれ)が発生した。比較例−3は、SMC被覆シートの剥
離が困難であり、粘着性がある為作業台上の異物を混合
しやすく実用に堪えないものであった。実施例−2は、
上記の様な欠点を有さず従来のSMCと同様の性能を有
し、容易に低圧成形を実現でき且つ成形品光沢に優れて
いた。
実施例−3 比較例−6,7 樹脂Cを用い表−3の配合で混合し、実施例−2と同
様の方法でSMCを製造した。クルードMDIは、NCO当量143
のものを用いた。SMCは製造後3日間室温で放置し熟成
したものを用いた。
得られたSMCの低圧成形性、粘着性、作業性を実施例
−2と同様の方法で評価した。結果を表−6に示した。
実施例−3は、SMCの粘着性が無く作業性も良好であ
り、容易に低圧成形可能であった。
(発明の効果) 本発明の樹脂組成物および成形材料は以下のようなす
ぐれた効果を奏する。
樹脂組成物は、空気中の酸素存在下で表面硬化性に優
れる。
成形材料は粘着性がない為、取り扱い中の異物の混入
が減少し歩留りが向上する。
SMC,BMCの如き成形材料を覆うフィルムの剥離が容易
となり成形材料の切断や取扱いが容易で作業性が良好で
ある。
従来のSMC,BMCの如き成形材料に比較して低圧で成形
することができ、製品の大型化、複雑化に伴う多額の設
備投資及び製品原価の高騰を避けることができる。
増粘剤の配合量を減らすことができるので成形品の耐
熱水性を向上することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI C08K 5/00 C08K 5/00 7/02 7/02 C08L 63/10 C08L 63/10 67/06 67/06 101/02 101/02 C09D 4/00 C09D 4/00 163/10 163/10 167/06 167/06 (56)参考文献 特開 昭49−40337(JP,A) 特公 昭46−15428(JP,B1) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08F 283/00 - 283/01 C09F 290/00 - 290/16 C08F 299/00 - 299/08 C08F 2/00 - 2/60 C08J 5/00 - 5/24 C08K 3/00 - 13/08 C08L 1/00 - 101/16 C09D 1/00 - 201/10

Claims (8)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】a)ラジカル重合性樹脂、b)重合性モノ
    マー及びc)硬化又は増粘反応中に表面に移行して被覆
    を形成する液状の潤滑油からなる樹脂組成物。
  2. 【請求項2】前記潤滑油が、該組成物中において部分相
    溶性又は難溶性を示す潤滑油である請求項1記載の樹脂
    組成物。
  3. 【請求項3】前記潤滑油が、鉱油系潤滑油及び/又はシ
    リコーン油系合成潤滑油以外の合成潤滑油である請求項
    1又は2記載の樹脂組成物。
  4. 【請求項4】前記合成潤滑油が、オレフィン系重合油で
    ある請求項3記載の樹脂組成物。
  5. 【請求項5】請求項1、2、3又は4記載の樹脂組成物
    からなる塗料。
  6. 【請求項6】d)増粘剤を含んでなる請求項1、2、3
    又は4記載の樹脂組成物。
  7. 【請求項7】請求項1、2、3、4又は6記載の樹脂組
    成物と繊維補強材とを含んでなる成形材料。
  8. 【請求項8】請求項1、2、3、4若しくは6記載の樹
    脂組成物又は請求項7記載の成形材料であって、潤滑油
    が組成物の硬化又は増粘反応中に移行して形成された表
    面被覆を有することを特徴とするSMC又はBMC。
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