JP4911921B2 - ラジカル硬化性樹脂組成物及びその硬化方法 - Google Patents
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Description
本発明はまた、分子中に2個以上の(メタ)アクリロイル基を有するラジカル重合性オリゴマーと、分子中に1個の(メタ)アクリロイル基を有する重合性単量体とを含むラジカル硬化性樹脂、アシル基含有ラクトン化合物、及び、アセトアセトアミド化合物を含有するラジカル硬化性樹脂組成物を硬化させる方法であって、上記硬化方法は、金属石鹸とハイドロパーオキシドを含む過酸化物とを用いるものであるラジカル硬化性樹脂組成物の硬化方法でもある。
以下に本発明を詳述する。
上記ラジカル硬化性樹脂としては、昨今のシックハウスの問題に鑑み、厚生労働省が指定した13種の化学物質の一つに挙げられるスチレンを含まない樹脂とすることが特に好適である。
なお、上記ラジカル重合性オリゴマーが有する2個以上の(メタ)アクリロイル基としては、全て同じであってもよく、アクリロイル基とメタクリロイル基とが組み合わされたものであってもよい。
<ビニルエステル>
上記ラジカル重合性オリゴマーにおいて、ビニルエステルとしては、エポキシ樹脂と、不飽和一塩基酸との反応により得られるものであることが好適である。
上記不飽和一塩基酸としては、アクリル酸、メタクリル酸等が好適である。
上記エポキシ樹脂としては、例えば、ビスフェノールA系樹脂、ノボラック系樹脂、レゾール系樹脂、ビスフェノールF系樹脂、水素化ビスフェノールA系の脂肪族系のエポキシ樹脂等が好適である。また、ビスフェノールA系樹脂やビスフェノールF系樹脂としては、ビスフェノールA及び/又はビスフェノールFと脂肪族ジグリシジルエーテル型エポキシ化合物とを反応させて得られる反応生成物であることが好ましい。
上記ビニルエステルにおけるエポキシ樹脂や不飽和一塩基酸の種類や使用量としては特に限定されず、使用用途に応じて適宜設定すればよい。また、これらを反応させる方法としては特に限定されず、反応温度や反応時間等の反応条件も適宜設定すればよい。
上記ウレタン(メタ)アクリレートとしては、ポリイソシアネートと、水酸基を有する(メタ)アクリレートと、更に必要に応じてポリオールとをウレタン化反応させることにより得られるものであることが好適である。
上記ポリイソシアネートとしては、例えば、2,4−トリレンジイソシアネート及びその異性体、ジフェニルメタンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、水添キシリレンジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、トリジンジイソシアネート、ナフタリンジイソシアネート、トリフェニルメタントリイソシアネート等の1種又は2種以上が好適である。
上記ポリエステル(メタ)アクリレートとしては、(メタ)アクリル酸類と、多価アルコールと、多塩基酸とによるエステル化反応により得られるものであることが好適である。
上記(メタ)アクリル酸類としては、例えば、(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸アルキルエステル、(メタ)アクリル酸ハライド等の水酸基とエステル結合を生成しうる(メタ)アクリル酸及びその誘導体であることが好ましい。
上記ポリエステル(メタ)アクリレートにおける(メタ)アクリル酸類や多価アルコール、多塩基酸の種類や使用量としては特に限定されず、使用用途に応じて適宜設定すればよい。また、これらを反応させる方法としては特に限定されず、反応温度や反応時間等の反応条件も適宜設定すればよい。
上記ポリエーテル(メタ)アクリレートとしては、2価以上のアルコール類と(メタ)アクリル酸とのエステル化反応により得られるもの(エステル化物)であることが好適である。
上記2価以上のアルコールと(メタ)アクリル酸とのエステル化物としては、例えば、ジエチレングリコール、ポリエチレングリコール、1,3−プロパンジオール、2−メチル−1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、ポリプロピレングリコール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、2,2−ジメチル−1,3−プロパンジオール、1,4−シクロヘキサンジオール、1,4−ジメチロールシクロヘキサン、ヒドロキシピバリルヒドロキシピバレート、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、ビスフェノールF、ビスフェノールZ、ビスフェノールS、ビスフェノールAF、ビスフェノールC、ビスフェノールF−D、水素化ビスフェノールA、ビスフェノールA等の2価アルコール及びこれらのアルキレンオキシド付加物等の1種又は2種以上と、(メタ)アクリル酸との反応によって得られるジエステル類;グリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、ノボラックフェノール、クレゾールノボラック等の3価以上のアルコール及びこれらのアルキレンオキシド付加物等の1種又は2種以上と、(メタ)アクリル酸との反応によって得られるジエステル類、トリエステル類等であることが好適である。
なお、使用されるアルコール類としては、上述した中でも、ベンゼン環を有するアルコール及び/又はそのアルキレンオキシド付加物であることが特に好ましい。
このような形態において、1つのオキシアルキレン鎖が有するオキシアルキレン単位の個数としては、下限が1個、上限が10個であることが好ましい。オキシアルキレン単位数が0である、すなわちオキシアルキレン鎖が無いと、本発明のラジカル硬化性樹脂組成物を用いて形成される皮膜の柔軟性や基材追従性がより充分とはならないおそれがあり、10を超えると、硬化物が耐水性により優れたものとはならないおそれがある。より好ましい下限は2個である。また、より好ましい上限は8個であり、更に好ましくは4個である。
このようなエステル化物の好ましい形態としては、ビスフェノールAから誘導される構造を有する形態であり、中でも、ビスフェノールAのアルキレンオキシド付加物と(メタ)アクリル酸とのエステル化物であることが好適である。より好ましくは、下記一般式(1);
(GPC測定条件)
GPC測定装置:高速GPC装置(商品名「HLC−8120 GPC」、東ソー社製)
検出器:示差屈折計
カラム:TSK gel Super HM−H
TSK gel Super H−2000
溶媒:THF(テトラヒドロフラン)、流量0.6ml/min
試料濃度:0.5質量%
注入量:100μl/回
なお、標準サンプルとしてポリスチレンオリゴマー(商品名「TSKスタンダードポリスチレン」、東ソー社製)を用い、上記GPC測定条件における検量線を作成して求める。
なお、上記ラジカル硬化性樹脂において、分子中に2個以上の(メタ)アクリロイル基を有するラジカル重合性オリゴマーと、分子中に1個の(メタ)アクリロイル基を有する重合性単量体との合計量としては、ラジカル硬化性樹脂100質量%に対し、70質量%以上であることが好適である。より好ましくは80質量%以上であり、更に好ましくは90質量%以上である。
上記アセトアセトアミド化合物の含有量としては、上記ラジカル硬化性樹脂100質量部に対し、下限が0.05質量部、上限が5質量部であることが好適である。0.05質量部未満であると、得られる樹脂組成物を施工・成形した場合に、当該施工・成形物の空気接触面における表面乾燥性が充分なものとはならず、また、硬化の立ち上がり時間を充分に短縮することができないおそれがあり、5質量部を超えると、硬化を阻害する可能性があり、また、得られた硬化物の強度、耐熱性が低下するおそれがある。下限値としては0.1質量部であることがより好ましく、更に好ましくは、0.3質量部である。また、上限値としては4質量部であることがより好ましく、更に好ましくは、3質量部である。
(1)天然ワックスとしては、例えば、キャンデリラワックス、カルナバワックス、ライスワックス、木蝋、ホホバ油等の植物系ワックス;蜜蝋、ラノリン、鯨蝋等の動物系ワックス;モンタンワックス、オゾケライト、セレシン等の鉱物系ワックス;パラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス、ペトロラタム等の石油系ワックス等が挙げられる。
(2)合成ワックスとしては、例えば、フィッシャートロプシュワックス、ポリエチレンワックス等の合成炭化水素;モンタンワックス誘導体、パラフィンワックス誘導体、マイクロクリスタリンワックス誘導体等の変性ワックス;動物性油脂の誘導体;カルボキシル基含有単量体とオレフィンとの共重合体;硬化ひまし油、硬化ひまし油誘導体等の水素化ワックス;ステアリン酸、ドデカン酸、ステアリン酸オクタデシル等の炭素数12以上の脂肪酸及びその誘導体;アルキルフェニールや高級アルコールに、エチレンオキサイドやプロピレンオキサイド等のアルキレンオキサイドが付加したアルコール類等が挙げられる。
(3)その他のものとしては、例えば、天然ワックスや合成ワックス等の配合ワックス等が挙げられる。
なお、この使用量は、上記パラフィンワックスの分散剤を併用する場合には、該分散剤の使用量も含めた量である。
上記不活性粉体としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン等の熱可塑性樹脂、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、フェノール樹脂、ウレタン樹脂等の熱硬化性樹脂硬化物、ゴム、木材等の粉体及び/又は粉砕物等が挙げられる。
上記充填剤としては、例えば、水酸化アルミニウム(ATH)、炭酸カルシウム、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、アルミナ、クレー、タルク、ガラスパウダー、ミルドファイバー、クリストバライト、マイカ、シリカ、川砂、珪藻土、雲母粉末、石膏、ガラス粉末等の無機充填剤;有機充填剤等が挙げられる。
上記乾燥性向上剤としては、例えば、乾性油、アリルグリシジルエーテル、ジエチレングリコール及び無水マレイン酸の付加重合体等のアリルオキシ基を有する不飽和又は飽和ポリエステルオリゴマー等が挙げられる。
上記増粘剤としては、例えば、酸化マグネシウム、酸化カルシウム、酸化亜鉛等の金属酸化物;イソシアネート類;オキサゾリン類等が挙げられる。
上記繊維強化材としては、例えば、ガラス繊維、炭素繊維等の無機繊維;アラミド繊維、ポリエステル繊維、ナイロン繊維等の有機繊維等が挙げられ、繊維強化材の形状としては、マット状、チョップ状、ロービング状等が挙げられる。
上記溶剤、希釈剤としては、例えば、トルエン、キシレン、酢酸ブチル等が挙げられる。また、スチレン、ビニルトルエン、メタクリル酸メチル、酢酸ビニル等の重合性不飽和基を有する単量体を希釈剤として用いてもよいが、臭気の面から、常圧での沸点が150℃以上のものが好ましい。
上記硬化剤の使用量としては特に限定されないが、例えば、ラジカル硬化性樹脂100質量部に対して、下限が0.05質量部、上限が10質量部であることが好適である。より好ましくは、下限が0.1質量部、上限が5質量部である。
上記硬化促進剤の使用量としては特に限定されないが、例えば、ラジカル硬化性樹脂100質量部に対して、下限が0.1質量部、上限が10質量部であることが好適である。より好ましくは、下限が0.2質量部、上限が7質量部である。なお、この使用量は、上述したアシル基含有ラクトン化合物及びアセトアセトアミド化合物をも含む硬化促進剤の総量である。
すなわち、分子中に2個以上の(メタ)アクリロイル基を有するラジカル重合性オリゴマーと、分子中に1個の(メタ)アクリロイル基を有する重合性単量体とを含むラジカル硬化性樹脂、アシル基含有ラクトン化合物、及び、アセトアセトアミド化合物を含有するラジカル硬化性樹脂組成物を硬化させる方法であって、該硬化方法は、金属石鹸とハイドロパーオキシドを含む過酸化物とを用いるものであるラジカル硬化性樹脂組成物の硬化方法もまた、本発明の1つである。また、このような硬化方法により得られる硬化物もまた、本発明の1つである。なお、当該硬化方法の対象となるラジカル硬化性樹脂組成物は、上述した本発明のラジカル硬化性樹脂組成物であることが好適である。
以下では、当該硬化方法について、更に説明する。
上記金属石鹸の使用量としては、ラジカル硬化性樹脂を100質量部とすると、金属成分量として、下限が0.005質量部、上限が0.4質量部であることが好適である。0.005質量部未満であると、樹脂の硬化速度をより向上することができず、また、より充分に硬化できないおそれがあり、硬化物が持つ本来の強度物性が充分に得られないおそれがある。0.4質量部を超えると、樹脂の硬化が速すぎて作業時間が取れないおそれがあり、また、硬化物の色調をより良好なものとすることができないおそれがある。下限値としては0.007質量部であることがより好ましく、更に好ましくは0.008質量部である。上限値としては0.3質量部であることがより好ましく、更に好ましくは0.2質量部である。
上記ハイドロパーオキシドの使用量としては、用いられる硬化剤の総量100質量%に対し、下限が5質量%であることが好適である。これにより、本発明のラジカル硬化性樹脂組成物をより充分に硬化させることが可能となる。より好ましくは10質量%以上である。
なお、上記ハイドロパーオキシドを含む過酸化物としては、クメンハイドロパーオキシドに代表されるハイドロパーオキシドと、t−ブチルパーオキシベンゾエートに代表されるアルキルパーオキシエステルとを含む形態が好ましい一例である。
上記混合形態としては、例えば、(1)施工現場においてラジカル硬化性樹脂組成物に硬化促進剤を添加混合し、更に硬化剤を混合する形態、(2)予め、ラジカル硬化性樹脂組成物に硬化促進剤を添加混合した混合液を調製し、その後、施工現場で、この混合液に硬化剤を混合する形態等が挙げられる。
なお、硬化条件としては、施工中の樹脂組成物が雨水・降雪に曝されない天候、環境で行うことが望ましく、環境温度としては、−10℃〜70℃で行うことが好ましく、0℃〜60℃がより好ましく、5℃〜50℃が更に好ましい。
下記の製造例等において、酸価は、JIS K6911−1995 4.3に記載の方法に準拠して測定した。また、粘度は、25℃において、B型回転式粘度計(回転数 60rpm)を用いて測定した。
<ラジカル硬化性樹脂(1):ビニルエステル樹脂の製造>
温度計、ガス導入管、攪拌機、及び、冷却管を備えたフラスコに、メタクリル酸430g、ビスフェノールA型エポキシ樹脂(エポキシ当量187)935g、トリエチルアミン3.0g、及び、ハイドロキノン0.3gを仕込んだ。次いで、酸素濃度7容量%に調節した空気と窒素の混合ガスを吹き込みながら、110℃で10時間加熱することにより、酸価6.0mgKOH/gのビニルエステル樹脂を得た。続いて、このビニルエステル樹脂700gにメタクリル酸メトキシエトキシエチル300gを混合して、25℃の粘度が200mPa・s(200センチポイズ)のビニルエステル樹脂(ラジカル硬化性樹脂(1)とする)を得た。
<ラジカル硬化性樹脂(2):ウレタンメタクリレート樹脂の製造>
温度計、ガス導入管、攪拌機、冷却管、及び、滴下ロートを備えたフラスコに、メタクリル酸フェノキシエチル456g、2,4−トルエンジイソシアネート348g、ベンゾキノン0.2g、及び、ジブチル錫ジラウレート0.2gを仕込み、酸素濃度7容量%に調節した空気と窒素の混合ガスを吹き込みながら60℃に加熱した。次いで、反応系内の温度を60℃に保持しながら、プロピレングリコール76gを2時間かけて滴下し、続いて、メタクリル酸ヒドロキシエチル260gを1時間かけて滴下した。滴下終了後、反応系内の温度を80℃に上げて2時間加熱することにより25℃の粘度が900mPa・s(900センチポイズ)のウレタンメタクリレート樹脂(ラジカル硬化性樹脂(2)とする)を得た。
<ラジカル硬化性樹脂(3):ポリエステルメタクリレート樹脂の製造>
温度計、ガス導入管、攪拌機、冷却管、及び、滴下ロートを備えたフラスコに、ジエチレングリコール636g、無水フタル酸444g、メタクリル酸516g、ハイドロキノン0.5g及びパラトルエンスルホン酸一水和物26gを仕込み、酸素濃度7容量%に調節した空気と窒素の混合ガスを吹き込みながら100℃に加熱した。次いで、反応系内の温度を100℃に保持しながら、生成する縮合水を取り除き、縮合水が154gとなるまで6時間エステル化反応を行った。その後、反応溶液を40℃まで冷却し、ジエチレングリコールジメタクリレート359gを投入、混合することにより25℃での粘度が150mPa・s(150センチポイズ)のポリエステルメタクリレート樹脂(ラジカル硬化性樹脂(3)とする)を得た。
<ラジカル硬化性樹脂(4):ポリエーテルメタクリレート樹脂の製造>
攪拌機、Dean−Sterk型水分離機、ガス導入管及び温度計を備えたフラスコに、BA−8Uグリコール(商品名、ビスフェノールA8EO付加物、日本乳化剤社製)580g、フェノキシエタノール414g、メタクリル酸516g、シクロヘキサン100g、パラトルエンスルホン酸1水和物8g、2−メチルハイドロキノン0.25g、フェノチアジン0.4gを仕込み、空気を吹き込みながら120℃に加熱した。120℃に到達してから、8時間後に流出した縮合水が81g(理論出水量の91%)となった。その後、110℃に下げ、減圧下(0.06MPa以下)で3時間シクロヘキサンを留去した。この時の反応混合物の酸価は36mgKOH/gであった。
次いで、この反応物にフェノチアジン0.25g、2−メチルハイドロキノン0.1g、トリエチルアミン8g、フェニルグリシジルエーテル150gを加え、再度115℃に昇温し、空気を吹き込みながら反応を行った。115℃に昇温してから、4時間後に反応混合物の酸価が4.5mgKOH/gとなり、粘度が75mPa・sのポリエーテルメタクリレート樹脂(ラジカル硬化性樹脂(4)とする)を得た。
<ラジカル硬化性樹脂(5):ポリエーテルメタクリレート樹脂の製造>
攪拌機、Dean−Sterk型水分離機、ガス導入管及び温度計を備えたフラスコに、BA−4Uグリコール(商品名、ビスフェノールA4EO付加物、日本乳化剤社製)449g、フェノキシエタノール125g、メタクリル酸333g、シクロヘキサン60g、パラトルエンスルホン酸1水和物4.3g、2−メチルハイドロキノン0.10g、フェノチアジン0.25gを仕込み、空気を吹き込みながら120℃に加熱した。120℃に到達してから、8時間後に流出した縮合水が107g(理論出水量の94%)となった。その後、110℃に下げ、減圧下(0.06MPa以下)で3時間シクロヘキサンを留去した。この時の反応混合物の酸価は40mgKOH/gであった。
次いで、この反応物にフェノチアジン0.12g、2−メチルハイドロキノン0.1g、トリエチルアミン5g、エポトートYD−127(商品名、東都化成社製のビスフェノール型エポキシ樹脂当量183)127gを加え、再度115℃に昇温し、空気を吹き込みながら反応を行った。115℃に昇温してから、3時間後に反応混合物の酸価が4.0mgKOH/gで、粘度が60mPa・sのポリエーテルメタクリレート樹脂(ラジカル硬化性樹脂(5)とする)を得た。
<ラジカル硬化性樹脂(6):不飽和ポリエステル樹脂の製造>
温度計、冷却管、攪拌機、及び、ガス導入管を備えたフラスコに、無水マレイン酸147g、イソフタル酸581g、ジエチレングリコール265g、および、プロピレングリコール190gを仕込んだ。次いで、窒素ガスを吹き込み、生成する縮合水を取り除きながら、200℃で10時間加熱することにより、酸価20mgKOH/gの不飽和ポリエステル樹脂を得た。続いて、この不飽和ポリエステル樹脂700g、スチレン300g、及び、メトキシフェノール0.2gを混合して、25℃での粘度が600mPa・s(600センチポイズ)の不飽和ポリエステル樹脂(ラジカル硬化性樹脂(6)とする)を得た。
製造例1〜6で得たラジカル硬化性樹脂(1)〜(6)100質量部に、表1に記載の各種添加剤を表1に記載の質量割合(質量部)で混合調製することにより、ラジカル硬化性樹脂組成物を得た。
このラジカル硬化性樹脂組成物100質量部に、表2に記載の金属石鹸及び硬化剤を表2に記載の質量割合(質量部)で配合した。この混合液を23℃〜25℃雰囲気下にて、ガラス基板上に15g塗布し、その上に10cm×10cmのガラスマット1ply(♯450、5g)を配し、含浸ローラーを使って積層した。その際の作業時の臭気を、「臭気あり」又は「臭気無し」として評価し、また、硬化剤を混合してからの可使時間(分)を測定した。更に、硬化剤を混合してから3時間後の塗膜の表面状態を観察し、指触にて、以下のように評価した。これらの結果を表2に示す。
〇:タックフリーである。
〇△:若干の粘着感があるが、指に付着物がない。
△:若干指に付着物がある。
×:指に付着物が多い。
××:表面が液状である。
製造例4、5で得たラジカル硬化性樹脂(4)又は(5)100質量部に、表3に記載の各種添加剤を表3に記載の質量割合(質量部)で混合調製することにより、ラジカル硬化性樹脂組成物を得た。
このラジカル硬化性樹脂組成物100質量部に、表4に記載の金属石鹸及び硬化剤を表4に記載の質量割合(質量部)で配合した。この混合液を10℃雰囲気下にて、ガラス基板上に15g塗布し、その上に10cm×10cmのガラスマット1ply(♯450、5g)を配し、含浸ローラーを使って積層した。その際の作業時の臭気を、「臭気あり」又は「無し(臭気無し)」として評価し、また、硬化剤を混合してからの可使時間(分)を測定した。更に、硬化剤を混合してから3時間後の積層物の表面状態を観察し、指触にて、上記のように評価した。これらの結果を表4に示す。
製造例5、6で得たラジカル硬化性樹脂(5)又は(6)100質量部に、表5に記載の各種添加剤を表5に記載の質量割合(質量部)で混合調製することにより、ラジカル硬化性樹脂組成物を得た。
このラジカル硬化性樹脂組成物100質量部に、表6に記載の金属石鹸及び硬化剤を表6に記載の質量割合(質量部)で配合した。この混合液を10℃雰囲気下で、ガラス基板上の10cm角の面積に300g/m2の塗布量で刷毛塗りした。その際の作業時の臭気を、「臭気あり」又は「臭気無し」として評価し、また、硬化剤を混合してからの可使時間(分)を測定した。更に、硬化剤を混合してから3時間後の塗膜の表面状態を観察し、指触にて、上記のように評価した。これらの結果を表6に示す。
ABL:アセチルブチロラクトン
NNDMAA:N,N’−ジメチルアセトアセトアミド
AAM:アセト酢酸メチル
パラフィン140F、パラフィン130F、パラフィン115F:パラフィンワックス140、パラフィンワックス130、パラフィンワックス115(全て商品名)、日本精鑞社製
揺変化剤:アエロジル#200(商品名)、日本アエロジル社製
揺変助剤:BYK R−605(商品名)、ビック・ケミー社製
脱泡剤:BYK A525(商品名)、ビック・ケミー社製
レベリング剤:BYK 354(商品名)、ビック・ケミー社製
DMA:N,N’−ジメチルアニリン
DMPT:N,N’−ジメチル−p−トルイジン
4HTEMPO:4−ヒドロキシ2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−1−オキシル
硬化剤328E:商品名、ハイドロパーオキシド含有硬化剤、化薬アクゾ社製
パークミルH−80:商品名、硬化剤;クメンヒドロキシパーオキシド 80%濃度、日本油脂社製
カヤメックM:商品名、メチルエチルケトンパーオキシド含有硬化剤、化薬アクゾ社製
Claims (3)
- 分子中に2個以上の(メタ)アクリロイル基を有するラジカル重合性オリゴマーと、分子中に1個の(メタ)アクリロイル基を有する重合性単量体とを含むラジカル硬化性樹脂、アシル基含有ラクトン化合物、及び、アセトアセトアミド化合物を含有するラジカル硬化性樹脂組成物であって、
該ラジカル重合性オリゴマーは、ビニルエステル、ウレタン(メタ)アクリレート、ポリエステル(メタ)アクリレート又はポリエーテル(メタ)アクリレートであり、
該ラジカル硬化性樹脂の総量100質量%に対して、該ラジカル重合性オリゴマー及び該重合性単量体を合計で70質量%以上含有し、
該ラジカル重合性オリゴマー及び該重合性単量体の総量100質量%に対して、該重合性単量体を5〜80質量%含有し、
該ラジカル硬化性樹脂の総量100質量部に対して、該アシル基含有ラクトン化合物を0.05〜5質量部、該アセトアセトアミド化合物を0.05〜5質量部含有する
ことを特徴とするラジカル硬化性樹脂組成物。 - 請求項1に記載のラジカル硬化性樹脂組成物を硬化させる方法であって、
該硬化方法は、硬化促進剤として金属石鹸を用いるとともに、硬化剤としてハイドロパーオキシドを含む過酸化物を用いるものであり、
前記ラジカル硬化性樹脂の総量100質量部に対して、該金属石鹸を金属成分量として0.005〜0.4質量部、該ハイドロパーオキシドを含む過酸化物を0.05〜10質量部用いるものであることを特徴とするラジカル硬化性樹脂組成物の硬化方法。 - 前記硬化方法は、(1)施工現場において前記ラジカル硬化性樹脂組成物に前記硬化促進剤を添加混合し、更に前記硬化剤を混合するか、又は、(2)予め、前記ラジカル硬化性樹脂組成物に前記硬化促進剤を添加混合した混合液を調製し、その後、施工現場で、該混合液に前記硬化剤を混合するものであることを特徴とする請求項2に記載のラジカル硬化性樹脂組成物の硬化方法。
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