JP4444697B2 - ラジカル硬化性樹脂組成物 - Google Patents
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スチレンを含まないラジカル硬化性樹脂としては、単量体として高沸点の(メタ)アクリレート化合物を用いたビニルエステル樹脂やポリエステル(メタ)アクリレート樹脂等が提案されているが、施工時の表面乾燥性や、施工物の強度、密着性等に工夫の余地が残っていた。
しかしながら、上述したライニング材、塗り床材等の土木建築用被覆材を施工する際には、ケトンパーオキサイド系の硬化剤を用いることが一般的であり、このようなラジカル硬化性樹脂を含むラジカル硬化性樹脂組成物を、硬化促進剤である金属石鹸とケトンパーオキサイド系硬化剤とを用いて硬化させると、上記ビニルエステル樹脂、ポリエステル(メタ)アクリレート樹脂と同様に、硬化時に激しく発泡し、硬化阻害が生じることが多々ある。これは、ケトンパーオキサイド系硬化剤等の有機過酸化物から発生した酸素に起因し、この酸素がラジカルを失活させるためと考えられるが、この発泡現象に伴って、施工物の強度、防水、防食性が充分とはならず、また、トップコート層では塗布した面に気泡痕が残ったまま硬化し、優れた美観を得ることができなくなる。そこで、ケトンパーオキサイド系硬化剤等の一般的な硬化剤を使用した場合にも、硬化時の樹脂の発泡を充分に抑制でき、安定してラジカル硬化性樹脂を硬化できるようにするための工夫の余地があった。
以下に本発明を詳述する。
上記エステル化物としては、2価以上のアルコールを含むアルコール類と(メタ)アクリル酸とのエステル化反応により得られるものであればよく、1種又は2種以上を用いることができる。また、アルコール類としては、1価のアルコールを含んでいてもよく、2価以上のアルコール及び1価のアルコールを併用することが好適であり、上記エステル化物が、2価以上のアルコールと(メタ)アクリル酸とのエステル化物、及び、1価のアルコールと(メタ)アクリル酸とのエステル化物を含むものである形態は、本発明の好ましい形態の1つである。これらのアルコール類としては、ベンゼン環を有するアルコール及び/又はそのアルキレンオキシド付加物であることが好ましい。
なお、1つのオキシアルキレン鎖が有するオキシアルキレン単位の個数としては、1個以上、10個以下であることが好ましい。オキシアルキレン鎖が無いと、ラジカル硬化性樹脂組成物を用いて形成される皮膜の柔軟性や基材追従性が充分とはならないおそれがあり、10を超えると、硬化物が耐水性に優れたものとはならないおそれがある。より好ましくは、2個以上、8個以下であり、更に好ましくは、4個以下である。
上記オキシアルキレン単位としては、炭素数2〜4個のオキシアルキレン単位により構成されるものであることが好ましい。すなわち、上記オキシアルキレン単位としては、オキシエチレン単位、オキシプロピレン単位及びオキシブチレン単位からなる群より選択される少なくとも1種のオキシアルキレン単位により構成されるものが好ましい。オキシアルキレン単位の炭素数が4を超えると、ラジカル硬化性樹脂組成物の粘度が高くなり、効率的に作業を行うことができないおそれがある。より好ましくは、炭素数2〜3のオキシアルキレン単位により構成されるものであり、更に好ましくは、炭素数2のオキシアルキレン単位、すなわちオキシエチレン単位により構成されるものである。なお、オキシアルキレン単位を2個以上有する場合には、全て同じであってもよく、異なっていてもよい。また、分子内に有する2個以上のオキシアルキレン鎖は、それぞれが、全く同じオキシアルキレン単位の構成であってもよいし、異なっていてもよい。
上記2以上の(メタ)アクリロイル基を有する化合物としては更に、フェノールの残基を有する形態であることが好適である。フェノールの残基とは、フェノールが有する水酸基から活性水素を除いた構造をもつ残基を意味する。なお、このような残基を1分子内に1個有していてもよく、2個以上有していてもよい。
このような2以上の(メタ)アクリロイル基を有する化合物の好ましい形態としては、ビスフェノールAから誘導される構造を有するものであり、中でも、ビスフェノールAのアルキレンオキシド付加物と(メタ)アクリル酸とのエステル化物であることが好適である。より好ましくは、下記一般式(1);
このように上記エステル化物が、ビスフェノールAのアルキレンオキシド付加物と(メタ)アクリル酸とのエステル化物を含むものである形態もまた、本発明の好ましい形態の1つである。
上記金属石鹸(II)の含有量としては、ラジカル硬化性樹脂(I)100質量部に対して、0.05質量部以上、10質量部以下であることが好ましい。0.05質量部未満であると、硬化に長時間を要し、生産性が悪く、硬化が不充分となるおそれがあり、また、10質量部を超えても、用いる量に比べて、硬化促進剤としての効果が充分に発揮されないおそれがある。より好ましくは、0.1質量部以上、5質量部以下であり、更に好ましくは、0.2質量部以上、1質量部以下である。
なお、解離定数pKaとは、25℃における酸解離定数pKaである。
上記有機酸(III)としては更に、カルボキシル基を有するものであることが好ましく、これにより、硬化時の発泡をより充分に抑制でき、高強度の硬化物を得ることができる。このような有機酸(III)としては、カルボキシル基を有し、更に、該カルボキシル基が二重結合上の炭素原子に結合した形態であることがより好ましい。
上記有機酸(III)の含有量としては、上記金属石鹸(II)100質量部に対して、60質量部以上、500質量部以下であることが好ましい。60質量部未満であると、本発明の作用効果を充分に発揮することができないおそれがあり、500質量部を超えると、上述したように、優れた硬化物物性や充分な表面乾燥性が得られないおそれがある。より好ましくは、80質量部以上、300質量部以下であり、更に好ましくは、90質量部以上、200質量部以下である。
なお、上記1価有機酸として、プロピオン酸、トランス−桂皮酸、アクリル酸、メタクリル酸又はo−メチル安息香酸を用いたり、上記多価有機酸として、コハク酸、フマル酸、イソフタル酸又はアントラニル酸を用いたりしても、本発明の作用効果を充分に発揮することができない。これらの有機酸を用いる場合には、上述した好適なものと併用することが好ましい。
上記ラジカル硬化性樹脂(I)がエステル化物とエポキシ(メタ)アクリレートとを含んでなる場合、エステル化物とエポキシ(メタ)アクリレートとの比率としては、これらの合計量を100質量%とすると、エステル化物が70質量%以上、エポキシ(メタ)アクリレートが30質量%以下であることが好適である。エポキシ(メタ)アクリレートの比率が30質量%を超えると、粘度低減性を充分に発揮することができないおそれがあり、また、常温硬化させる場合には、充分に硬化しないおそれがある。より好ましくは、エステル化物が75質量%以上、エポキシ(メタ)アクリレートが25質量%以下であり、更に好ましくは、エステル化物が80質量%以上、エポキシ(メタ)アクリレートが20質量%以下である。
なお、上記エポキシ(メタ)アクリレートとしては、例えば、1分子内に1個のエポキシ基を有する化合物であるプロピレンオキサイド、エチレンオキサイド、カルボン酸モノグリシジルエステル、グリシジル(メタ)アクリレート、アリルグリシジルエーテル、フェニルグリシジルエーテル、ネオデカン酸グリシジルエーテル等;1分子内に2個以上のエポキシ基を有するエポキシ樹脂であるビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ノボラック型エポキシ樹脂等;多価アルコールのグリシジルエーテルであるネオペンチルグリコールジグリシジルエーテル、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル、ポリプロピレングリコールジグリシジルエーテル、トリメチロールプロパンポリグリシジルエーテル等;多価カルボン酸のグリシジルエーテルであるフタル酸ジグリシジルエステル、アジピン酸ジグリシジルエステル等の他、これらのアルキレンオキサイド付加物(エポキシ基を含有する)等のエポキシ化合物と(メタ)アクリル酸との反応によって得られるエポキシ(メタ)アクリレートが好適であり、これらは単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
上記硬化促進剤の使用量としては、金属石鹸(II)を含めた総量として、ラジカル硬化性樹脂(I)100質量部に対し、0.1質量部以上とすることが好ましく、また、10.0質量部以下とすることが好ましい。より好ましくは、0.2質量部以上であり、また、5質量部以下である。
上記硬化剤としては、例えば、ラジカル硬化性樹脂に用いられる公知の硬化剤が使用できる。具体的には、メチルエチルケトンパーオキサイド、アセチルアセトンパーオキサイド等のケトンパーオキサイド、クメンハイドロパーオキサイド等のハイドロパーオキサイド、ベンゾイルパーオキサイド等のジアシルパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド、t−ブチルクミルパーオキサイド等のジアルキルパーオキサイド、1,1,3,3−テトラメチルブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、t−ブチルパーオキシベンゾエート等のアルキルパーエステル、ビス(4−tーブチルシクロヘキシル)パーオキシジカーボネート等の過酸化物;2,2′−アゾビスイソブチロニトリル、2,2′−アゾビス−2−メチルブチロニトリル等のアゾ化合物等の1種又は2種以上を用いることができる。
上記硬化剤の使用量としては、硬化剤の種類やラジカル硬化性樹脂組成物の用途等により適宜設定すればよいが、ラジカル硬化性樹脂(I)100質量部に対し、0.1質量部以上とすることが好ましく、また、10.0質量部以下とすることが好ましい。より好ましくは、0.2質量部以上であり、また、5質量部以下である。
上記パラフィンワックスとしては、例えば、パラフィンワックス150(商品名、日本精蝋社製、融点66℃)、パラフィンワックス140(商品名、日本精蝋社製、融点61℃)、パラフィンワックス130(商品名、日本精蝋社製、融点55℃)、パラフィンワックス115(日本精蝋社製、融点47℃)等が挙げられる。また、マイクロクリスタリンワックスとしては、例えば、Hi−Mic−2065(商品名、日本精蝋社製、融点75℃)、Hi−Mic−2045(商品名、日本精蝋社製、融点64℃)等が挙げられる。これらのパラフィンは、1種類のみを用いてもよいし、2種類以上を適宜混合して用いてもよい。
上記揺変性付与剤としては、無水微粉末シリカ、アスベスト、クレー等が挙げられる。充填剤としては、水酸化アルミ、タルク、珪砂、炭酸カルシウム、酸化アンチモン等が挙げられる。
上記充填剤としては、水酸化アルミニウム(ATH)、炭酸カルシウム、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、アルミナ、クレー、タルク、ガラスパウダー、ミルドファイバー、クリストバライト、マイカ、シリカ、川砂、珪藻土、雲母粉末、石膏、ガラス粉末等の無機充填剤;有機充填剤等が挙げられる。
上記乾燥性向上剤としては、乾性油、アリルグリシジルエーテル、ジエチレングリコール及び無水マレイン酸の付加重合体等等のアリルオキシ基を有する不飽和又は飽和ポリエステルオリゴマー等が挙げられる。
上記増粘剤としては、酸化マグネシウム、酸化カルシウム、酸化亜鉛等の金属酸化物;イソシアネート類;オキサゾリン類等が挙げられる。
上記繊維強化材としては、ガラス繊維、炭素繊維等の無機繊維;アラミド繊維、ポリエステル繊維、ナイロン繊維等の有機繊維等が挙げられる。繊維強化材の形状としては、マット状、チョップ状、ロービング状等が挙げられる。
上記他種の熱硬化性樹脂としては、不飽和ポリエステル樹脂、ウレタン(メタ)アクリレート、ポリエステル(メタ)アクリレート等が挙げられる。
上記溶剤、希釈剤としては、公知のものが使用でき、例えば、トルエン、キシレン、酢酸ブチル等が挙げられる。また、スチレン、ビニルトルエン、メタクリル酸メチル、酢酸ビニル等の重合性不飽和基を有する単量体を希釈剤として用いてもよい。臭気の面から、常圧での沸点が150℃以上のものが好ましい。
ラジカル硬化性樹脂(I)を製造する方法としては、例えば、アルコール類を過剰当量の(メタ)アクリル酸によりエステル化して反応混合物を得る工程(以下、「エステル化工程」ともいう。)と、必要に応じて該反応混合物にエポキシ化合物を反応させる工程(以下、「エポキシ付加工程ともいう。」)とを含む方法が好適であり、これにより、効率的にエステル化物を含む組成物を得ることができることになる。なお、エステル化工程後(場合によってはエポキシ付加工程後)に、上記1つの(メタ)アクリロイル基を有する化合物を加えてもよい。
上記(メタ)アクリル酸の使用量としては、充分にエステル化反応させるために、用いられるアルコール類に対して過剰当量を使用することが好適であり、例えば、エステル化反応の進行を速やかにすることと低粘度のラジカル硬化性樹脂組成物を得るために、用いられる総アルコール類の水酸基1モルに対して、(メタ)アクリル酸を1.05モル以上とすることが好ましい。より好ましくは、1.1モル以上である。一方、1.9モル以下とすることが好ましい。より好ましくは、1.5モル以下である。また、好適な範囲としては、1.05〜1.9モルであり、より好ましくは、1.1〜1.5モルである。
上記エステル化触媒としては、公知のものが使用でき、例えば、p−トルエンスルホン酸、メタンスルホン酸、スルホフタル酸、2−アクリルアミド−2−メチル−1−プロパンスルホン酸等の有機スルホン酸等の1種又は2種以上を用いることができる。
上記ラジカル重合禁止剤もまた、公知のものが使用でき、例えば、メトキノン、ブチル化ヒドロキシトルエン等のフェノール類;ハイドロキノン、t−ブチルハイドロキノン、モノメチルハイドロキノン等のハイドロキノン類;ベンゾキノン等のキノン類;フェノチアジン等の硫黄化合物;トリフェニルスチビン;錫(II)化合物等が挙げられ、これらは単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
なお、上記エステル化反応工程の終了は、留出する縮合水の量で判断することができ、理論縮合水量の80%以上の縮合水が留出するまでエステル化を進めることが好ましい。
上記反応触媒としては、例えば、トリエチルアミン、トリエチルベンゼンアンモニウムクロライド、ベンジルトリメチルアンモニウムクロライド、ベンジルトリフェニルホスホニウムクロライド、トリフェニルホスフィン等の1種又は2種以上を用いることができる。
なお、第一工程で共沸溶媒を用いた場合には、第一工程終了後又は第二工程終了後に減圧下でこの共沸溶媒を留去すればよい。
本発明のラジカル硬化性樹脂組成物はまた、ライニング材、塗り床材等の土木建築用被覆材の他、車両、船体、浴槽、水タンク、電気部品等の繊維強化プラスチック、レジンコンクリート、ゲルコート、塗料、パテ、化粧板、接着剤、注型の材料;コンクリート、アスファルト、モルタル、鋼板、ガラス、熱可塑性プラスチック等の被覆材等のような各種用途にも好適に用いることができる。
上記基材としては、例えば、ガラス、スレート、コンクリート、モルタル、セラミック、石材等の無機質基材;アルミニウム、鉄、亜鉛、錫、銅、チタン、ステンレス、ブリキ、トタン等からなる金属板、表面に亜鉛、銅、クロム等をメッキした金属、表面をクロム酸、リン酸等で処理した金属等の金属基材;ポリエチレン、ポリ塩化ビニル、ABS(アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン)、FRP(織維強化プラスチック)、ポリエチレンテレフタレート、ポリカーボネート、ポリメチルメタクリレート、ポリスチレン、ポリプロピレン、ポリエステル、ポリオレフィン、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、ナイロン樹脂、等のプラスチック基材;合成皮革;ヒノキ、スギ、マツ、合板等の木材;繊維、紙等の有機素材等が挙げられる。また、これらの基材は、本発明のラジカル硬化性樹脂組成物が塗装される前に、通常用いられるプライマーや、下塗り、中塗り、メタリックベース等の上塗り等塗装用塗料が塗装されていてもよい。
なお、上記ラジカル硬化性樹脂組成物から形成される塗膜の膜厚としては、用いられる用途により適宜設定すればよい。
攪拌機、Dean−Sterk型水分離機、ガス導入管及び温度計を備えたフラスコに、BA−4Uグリコール(商品名、ビスフェノールA4EO付加物、日本乳化剤社製)449g、フェノキシエタノール125g、メタクリル酸333g、シクロヘキサン60g、パラトルエンスルホン酸1水和物4.3g、2−メチルハイドロキノン0.10g、フェノチアジン0.25gを仕込み、空気を吹き込みながら120℃に加熱した。120℃に到達してから、8時間後に流出した縮合水が107g(理論出水量の94%)となった。その後、110℃に下げ、減圧下(0.06MPa以下)で3時間シクロヘキサンを留去した。この時の反応混合物の酸価は40mgKOH/gであった。
次いで、この反応物にフェノチアジン0.12g、2−メチルハイドロキノン0.1g、トリエチルアミン5g、エポトートYD−127(商品名、東都化成社製のビスフェノール型エポキシ樹脂当量183)127gを加え、再度115℃に昇温し、空気を吹き込みながら反応を行った。
115℃に昇温してから、3時間後に反応混合物の酸価が4.0mgKOH/gで、粘度が60mPa・sの樹脂Aを得た。
攪拌機、冷却管、ガス導入管及び温度計を備えたフラスコに、エポトートYD−127(商品名、東都化成社製のビスフェノールA型エポキシ樹脂、エポキシ当量183.4)1840g、2−メチルハイドロキノン0.54g、トリエチルアミン6.8gを仕込み、空気を吹き込みながら110℃に加熱し、2時間でメタクリル酸861gを滴下した。滴下終了後115℃で8時間後反応し、酸価が3.5mg・KOH/gのオリゴマーを得た。
このオリゴマー65質量部とフェノキシエチルメタクリレート35質量部とを混合し、樹脂Bを得た。
100mlの容器に、樹脂A50gに対し、オクチル酸コバルト0.25mlを添加し、表1に示すとおりの添加剤を混合し、樹脂組成物を得た。
この樹脂組成物に、硬化剤としてカヤメックM(商品名、化薬アクゾ社製)0.5gを添加し、30秒間撹拌後、静置、樹脂組成物の液面の変化を20〜25℃雰囲気で観察した。
樹脂組成物の液面に泡立ちが発生したものを「×」、泡立ちがやや発生したものを「△」、泡立ちが認められなかったものを「〇」と評すことにより、発泡抑制効果を評価した。結果を表1に示す。
(塗膜乾燥性)
下記表2に示す配合比で混合し、樹脂組成物を得た。
更に、予めウレタンプライマーNS−YP(商品名、日本触媒社製)を塗布後、3時間放置した30cm×30cmのコンクリート板上に、100質量部の樹脂組成物、0.5質量部のジメチルアニリン、0.5質量部のオクチル酸コバルト(金属分8質量%)、1質量部のパークミルH80(商品名、日本油脂社製)を混合し、直ちに、200g/m2の量を刷毛にて塗布した。これによって得られる塗膜の厚みは約180μmである。
塗布後、コンクリート板を垂直に立てて25℃雰囲気下に放置し、コンクリート板中央の表面が硬化して指触によるベタツキがなくなるまでの時間を乾燥性として評価した。また、表面外観について、クレーターの有無(クレーターのないものを「○」とする。)で評価した。結果を表2に示す。
Claims (6)
- (I)2価以上のアルコールを含むアルコール類と(メタ)アクリル酸とのエステル化物を主成分とするラジカル硬化性樹脂、(II)金属石鹸、及び、(III)有機酸を含有するラジカル硬化性樹脂組成物であって、
該有機酸(III)は、解離定数pKaが3.8以下である1価有機酸、又は、一段目の解離定数pKa1が3.8以下であり、且つ二段目の解離定数pKa2が10.5以上である多価有機酸であり、
該有機酸(III)の含有量は、金属石鹸(II)100質量部に対して、90質量部以上、200質量部以下である
ことを特徴とするラジカル硬化性樹脂組成物。 - 前記ラジカル硬化性樹脂組成物は、土木建築用被覆材用の樹脂組成物であることを特徴とする請求項1に記載のラジカル硬化性樹脂組成物。
- 前記有機酸(III)は、数平均分子量が500以下のものである
ことを特徴とする請求項1又は2に記載のラジカル硬化性樹脂組成物。 - 前記有機酸(III)は、カルボキシル基を有するものである
ことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のラジカル硬化性樹脂組成物。 - 前記ラジカル硬化性樹脂(I)に含まれるエステル化物は、2価以上のアルコールと(メタ)アクリル酸とのエステル化物、及び、1価のアルコールと(メタ)アクリル酸とのエステル化物を含むものである
ことを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のラジカル硬化性樹脂組成物。 - 前記ラジカル硬化性樹脂(I)は、2価以上のアルコール及び1価のアルコールを併用して過剰当量の(メタ)アクリル酸によりエステル化して反応混合物を得る工程と、該反応混合物にエポキシ化合物を反応させるエポキシ化工程とを含む製造方法により得られるものである
ことを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載のラジカル硬化性樹脂組成物。
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