JP4458959B2 - ラジカル硬化性樹脂組成物 - Google Patents
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Description
以下に本発明を詳述する。
上記エステル化物(A)としては、2価以上のアルコールを含むアルコール類と(メタ)アクリル酸とのエステル化反応により得られるものであればよく、1種又は2種以上を用いることができる。上記アルコール類は、1価のアルコールを含んでいてもよく、2価以上のアルコール及び1価のアルコールを併用することが好適である。また、上記アルコール類としては、ベンゼン環を有するアルコール及び/又はそのアルキレンオキシド付加物であることが好ましい。
上記エステル化物(A)の好適な形態としては、2価以上のアルコールと(メタ)アクリル酸とのエステル化物、及び、1価のアルコールと(メタ)アクリル酸とのエステル化物を含むものである形態である。
上記オキシアルキレン単位としては、炭素数2〜4個のオキシアルキレン単位により構成されるものであることが好ましい。すなわち、上記オキシアルキレン単位としては、オキシエチレン単位、オキシプロピレン単位及びオキシブチレン単位からなる群より選択される少なくとも1種のオキシアルキレン単位により構成されるものが好ましい。オキシアルキレン単位の炭素数が4を超えると、ラジカル硬化性樹脂組成物の粘度が高くなり、効率的に作業を行うことができないおそれがある。より好ましくは、炭素数2〜3のオキシアルキレン単位により構成されるものであり、更に好ましくは、炭素数2のオキシアルキレン単位、すなわちオキシエチレン単位により構成されるものである。なお、オキシアルキレン単位を2個以上有する場合には、全て同じであってもよく、異なっていてもよい。また、分子内に有する2個以上のオキシアルキレン鎖は、それぞれが全く同じオキシアルキレン単位の構成であってもよいし、異なっていてもよい。
上記2以上の(メタ)アクリロイル基を有する化合物としては更に、フェノールの残基を有する形態であることが好適である。フェノールの残基とは、フェノールが有する水酸基から活性水素を除いた構造をもつ残基を意味する。なお、このような残基を1分子内に1個有していてもよく、2個以上有していてもよい。
このような2以上の(メタ)アクリロイル基を有する化合物の好ましい形態としては、ビスフェノールAから誘導される構造を有するものであり、中でも、ビスフェノールAのアルキレンオキシド付加物と(メタ)アクリル酸とのエステル化物であることが好適である。より好ましくは、下記一般式(1);
このように上記エステル化物(A)が、ビスフェノールAのアルキレンオキシド付加物と(メタ)アクリル酸とのエステル化物を含むものである形態もまた、本発明の好ましい形態の1つである。
上記エステル化物(A)の特に好適な形態としては、ビスフェノールAのアルキレンオキシド付加物のジ(メタ)アクリレート及び2−フェノキシエチル(メタ)アクリレートを含む形態である。
上記アミン化合物としては、第一級、第二級アミンが好ましく、例えば、アニリン、トルイジン、クレゾール等のアニリン類;アセト酢酸アニリド等のアニリド類を含む芳香族アミン類;モルホリン、ピペリジン、ピペラジン、ピロリジン等の脂環式アミン;オクチルアミン等の脂肪族アミンが挙げられる。より好ましくは、芳香族アミン、及び、脂環式アミンの一つであるp−トルイジン、ピペリジン等である。
なお、これら第一級、第二級アミンは、予め樹脂組成物中に配合しておいてもよく、硬化させる直前に配合してもよい。また、本発明で用いる第一級、第二級アミン化合物には、予め配合した第一級、第二級アミン化合物が樹脂組成物中で骨格中や他の配合物と反応し、形成したアミン化合物も含まれる。
上記β−ジケトン化合物としては、例えば、下記一般式(2)〜(7);
上記チオ尿素化合物としては、例えば、チオ尿素、1−アセチル−2チオ尿素、1−アリル2−チオ尿素、1,3−ジメチルチオ尿素、グアニルチオ尿素、エチレンチオ尿素、1−フェニル−2−チオ尿素等;o−トリルチオ尿素、m−トリルチオ尿素、p−トリルチオ尿素、N−ベンゾイルチオ尿素等の1種又は2種以上が好適である。
上記チラウムスルフィド化合物としては、例えば、テトラメチルチウラムモノスルフィド、テトラメチルチウラムジスルフィド、テトラエチルチウラムジスルフィド、テトラ−n−ブチルチウラムジスルフィド等の1種又は2種以上が好適である。
本発明のラジカル硬化性樹脂組成物は、上記エステル化物(A)を主成分とするラジカル硬化性樹脂と、上述した特定の化合物とを含有するものであるが、上記ラジカル硬化性樹脂組成物が、上記エステル化物(A)を主成分とし、(メタ)アクリル酸とエポキシ化合物との反応によって得られるエポキシ(メタ)アクリレート(「エポキシ(メタ)アクリレート(B)」ともいう。)を含んでなるラジカル硬化性樹脂と、アミン化合物、β−ジケトン化合物、尿素化合物、チオ尿素、ヒダントイン化合物化合物及びチウラムスルフィド化合物からなる群より選択される少なくとも1種の化合物とを含有する形態もまた、本発明の好ましい形態の1つである。
なお、上記エポキシ(メタ)アクリレートとしては、例えば、1分子内に1個のエポキシ基を有する化合物であるプロピレンオキサイド、エチレンオキサイド、カルボン酸モノグリシジルエステル、グリシジル(メタ)アクリレート、アリルグリシジルエーテル、フェニルグリシジルエーテル、ネオデカン酸グリシジルエーテル等;1分子内に2個以上のエポキシ基を有するエポキシ樹脂であるビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ノボラック型エポキシ樹脂等;多価アルコールのグリシジルエーテルであるネオペンチルグリコールジグリシジルエーテル、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル、ポリプロピレングリコールジグリシジルエーテル、トリメチロールプロパンポリグリシジルエーテル等;多価カルボン酸のグリシジルエーテルであるフタル酸ジグリシジルエステル、アジピン酸ジグリシジルエステル等の他、これらのアルキレンオキサイド付加物(エポキシ基を含有する)等のエポキシ化合物と(メタ)アクリル酸との反応によって得られるエポキシ(メタ)アクリレートが好適であり、これらは単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
上記硬化剤としては、例えば、メチルエチルケトンパーオキサイド、アセチルアセトンパーオキサイド等のケトンパーオキサイド、クメンハイドロパーオキサイド等のハイドロパーオキサイド、ベンゾイルパーオキサイド等のジアシルパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド、t−ブチルクミルパーオキサイド等のジアルキルパーオキサイド、1,1,3,3−テトラメチルブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、t−ブチルパーオキシベンゾエート等のアルキルパーエステル、ビス(4−tーブチルシクロヘキシル)パーオキシジカーボネート等の過酸化物;2,2′−アゾビスイソブチロニトリル、2,2′−アゾビス−2−メチルブチロニトリル等のアゾ化合物等の1種又は2種以上を用いることができる。
マンガン等の金属石鹸;コバルトアセチルアセトナート、バナジウムアセチルアセトナート等の金属キレート化合物;ジメチルアニリン、ジメチルトルイジン等のアミン化合物;アセト酢酸エチル、アセチルアセトン等の1種又は2種以上を用いることができる。
上記パラフィンワックスとしては、例えば、パラフィンワックス150(商品名、日本精蝋社製、融点66℃)、パラフィンワックス140(商品名、日本精蝋社製、融点61℃)、パラフィンワックス130(商品名、日本精蝋社製、融点55℃)、パラフィンワックス115(日本精蝋社製、融点47℃)等が挙げられる。また、マイクロクリスタリンワックスとしては、例えば、Hi−Mic−2065(商品名、日本精蝋社製、融点75℃)、Hi−Mic−2045(商品名、日本精蝋社製、融点64℃)等が挙げられる。これらのパラフィンは、1種類のみを用いてもよいし、2種類以上を適宜混合して用いてもよい。
上記揺変性付与剤としては、無水微粉末シリカ、アスベスト、クレー等が挙げられる。充填剤としては、水酸化アルミ、タルク、珪砂、炭酸カルシウム、酸化アンチモン等が挙げられる。
上記充填剤としては、水酸化アルミニウム(ATH)、炭酸カルシウム、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、アルミナ、クレー、タルク、ガラスパウダー、ミルドファイバー、クリストバライト、マイカ、シリカ、川砂、珪藻土、雲母粉末、石膏、ガラス粉末等の無機充填剤;有機充填剤等が挙げられる。
上記乾燥性向上剤としては、乾性油、アリルグリシジルエーテル、ジエチレングリコール及び無水マレイン酸の付加重合体等等のアリルオキシ基を有する不飽和又は飽和ポリエステルオリゴマー等が挙げられる。
上記増粘剤としては、酸化マグネシウム、酸化カルシウム、酸化亜鉛等の金属酸化物;イソシアネート類;オキサゾリン類等が挙げられる。
上記繊維強化材としては、ガラス繊維、炭素繊維等の無機繊維;アラミド繊維、ポリエステル繊維、ナイロン繊維等の有機繊維等が挙げられる。繊維強化材の形状としては、マット状、チョップ状、ロービング状等が挙げられる。
上記他種の熱硬化性樹脂としては、不飽和ポリエステル樹脂、ウレタン(メタ)アクリレート、ポリエステル(メタ)アクリレート等が挙げられる。
上記溶剤、希釈剤としては、公知のものが使用でき、例えば、トルエン、キシレン、酢酸ブチル等が挙げられる。また、スチレン、ビニルトルエン、メタクリル酸メチル、酢酸ビニル等の重合性不飽和基を有する単量体を希釈剤として用いてもよい。臭気の面から、常圧での沸点が150℃以上のものが好ましい。より好ましくは、沸点が200℃以上のものである。
上記ラジカル硬化性樹脂を製造する方法としては、例えば、アルコール類を過剰当量の(メタ)アクリル酸によりエステル化して反応混合物を得る工程(以下、「エステル化工程」ともいう。)と、必要に応じて該反応混合物にエポキシ化合物を反応させる工程(以下、「エポキシ付加工程ともいう。」)とを含む方法が好適であり、これにより、効率的にエステル化物(A)を含む組成物を得ることができることになる。なお、エステル化工程後(場合によってはエポキシ付加工程後)に、上記1つの(メタ)アクリロイル基を有する化合物を加えてもよい。
上記(メタ)アクリル酸の使用量としては、充分にエステル化反応させるために、用いられるアルコール類に対して過剰当量を使用することが好適であり、例えば、エステル化反応の進行を速やかにすることと低粘度のラジカル硬化性樹脂組成物を得るために、用いられる総アルコール類の水酸基1モルに対して、(メタ)アクリル酸を1.05モル以上とすることが好ましい。より好ましくは、1.1モル以上である。一方、1.9モル以下とすることが好ましい。より好ましくは、1.5モル以下である。また、好適な範囲としては、1.05〜1.9モルであり、より好ましくは、1.1〜1.5モルである。
上記エステル化触媒としては、公知のものが使用でき、例えば、p−トルエンスルホン酸、メタンスルホン酸、スルホフタル酸、2−アクリルアミド−2−メチル−1−プロパンスルホン酸等の有機スルホン酸等の1種又は2種以上を用いることができる。
上記ラジカル重合禁止剤もまた、公知のものが使用でき、例えば、メトキノン、ブチル化ヒドロキシトルエン等のフェノール類;ハイドロキノン、t−ブチルハイドロキノン、モノメチルハイドロキノン等のハイドロキノン類;ベンゾキノン等のキノン類;フェノチアジン等の硫黄化合物;トリフェニルスチビン;錫(II)化合物等が挙げられ、これらは単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
なお、上記エステル化反応工程の終了は、留出する縮合水の量で判断することができ、理論縮合水量の80%以上の縮合水が留出するまでエステル化を進めることが好ましい。
上記反応触媒としては、例えば、トリエチルアミン、トリエチルベンゼンアンモニウムクロライド、ベンジルトリメチルアンモニウムクロライド、ベンジルトリフェニルホスホニウムクロライド、トリフェニルホスフィン等の1種又は2種以上を用いることができる。
なお、第一工程で共沸溶媒を用いた場合には、第一工程終了後又は第二工程終了後に減圧下でこの共沸溶媒を留去すればよい。
また上記ラジカル硬化性樹脂組成物を調整する工程や調整した後の工程において、樹脂組成物の原料や調整された樹脂組成物をバブリングしてもよい。これにより、例えば、原料等にホルムアルデヒドが混入したり、樹脂組成物の調整工程や調整した後の工程においてホルムアルデヒドが生成したりしても、樹脂組成物の硬化物におけるホルムアルデヒド発散量を充分に低減することができ、本発明の作用効果を更に充分に発揮することが可能となる。
本発明のラジカル硬化性樹脂組成物はまた、ライニング材、塗り床材等の土木建築用被覆材の他、車両、船体、浴槽、水タンク、電気部品等の繊維強化プラスチック、レジンコンクリート、ゲルコート、塗料、パテ、化粧板、接着剤、注型の材料;コンクリート、アスファルト、モルタル、鋼板、ガラス、熱可塑性プラスチック等の被覆材等のような各種用途にも好適に用いることができる。
上記基材としては、例えば、ガラス、スレート、コンクリート、モルタル、セラミック、石材等の無機質基材;アルミニウム、鉄、亜鉛、錫、銅、チタン、ステンレス、ブリキ、トタン等からなる金属板、表面に亜鉛、銅、クロム等をメッキした金属、表面をクロム酸、リン酸等で処理した金属等の金属基材;ポリエチレン、ポリ塩化ビニル、ABS(アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン)、FRP(織維強化プラスチック)、ポリエチレンテレフタレート、ポリカーボネート、ポリメチルメタクリレート、ポリスチレン、ポリプロピレン、ポリエステル、ポリオレフィン、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、ナイロン樹脂、等のプラスチック基材;合成皮革;ヒノキ、スギ、マツ、合板等の木材;繊維、紙等の有機素材等が挙げられる。また、これらの基材は、本発明のラジカル硬化性樹脂組成物が塗装される前に、通常用いられるプライマーや、下塗り、中塗り、メタリックベース等の上塗り等塗装用塗料が塗装されていてもよい。
なお、上記ラジカル硬化性樹脂組成物から形成される塗膜の膜厚としては、用いられる用途により適宜設定すればよい。
(第一工程)
攪拌機、Dean−Sterk型水分離機、ガス導入管及び温度計を備えたフラスコに、BA−8Uグリコール(商品名、ビスフェノールA8EO付加物、日本乳化剤社製)580g、フェノキシエタノール414g、メタクリル酸516g、シクロヘキサン100g、パラトルエンスルホン酸1水和物8g、2−メチルハイドロキノン0.25g、フェノチアジン0.4gを仕込み、空気を吹き込みながら120℃に加熱した。
120℃に到達してから、8時間後に流出した縮合水が81g(理論出水量の91%)となった。その後、110℃に下げ、減圧下(0.06MPa以下)で3時間シクロヘキサンを留去した。この時の反応混合物の酸価は36mgKOH/gであった。
(第二工程)
次いで、この反応物にフェノチアジン0.25g、2−メチルハイドロキノン0.1g、トリエチルアミン10g、エポライト100E(商品名、共栄社化学製のジエチレングリコールジグリシジルエーテル、エポキシ当量152)154gを加え、再度115℃に昇温し、空気を吹き込みながら反応を行った。
115℃に昇温してから、3時間後に反応混合物の酸価が4.5mgKOH/gとなり、粘度が95mPa・sの樹脂(1)を得た。
(第一工程)
攪拌機、Dean−Sterk型水分離機、ガス導入管及び温度計を備えたフラスコに、BA−8Uグリコール(商品名、ビスフェノールA8EO付加物、日本乳化剤社製)580g、フェノキシエタノール414g、メタクリル酸516g、シクロヘキサン100g、パラトルエンスルホン酸1水和物8g、2−メチルハイドロキノン0.25g、フェノチアジン0.4gを仕込み、空気を吹き込みながら120℃に加熱した。120℃に到達してから、8時間後に流出した縮合水が81g(理論出水量の91%)となった。
その後、110℃に下げ、減圧下(0.06MPa以下)で3時間シクロヘキサンを留去した。この時の反応混合物の酸価は36mgKOH/gであった。
(第二工程)
次いで、この反応物にフェノチアジン0.25g、2−メチルハイドロキノン0.1g、N,N,N−トリエチルベンゼンアンモニウムクロライド8g、フェニルグリシジルエーテル150gを加え、再度115℃に昇温し、空気を吹き込みながら反応を行った。
115℃に昇温してから、4時間後に反応混合物の酸価が4.5mgKOH/gとなり、粘度が75mPa・sの樹脂(2)を得た。
(第一工程)
攪拌機、冷却管、ガス導入管及び温度計を備えたフラスコに、エポトートYD−127(商品名、東都化成社製のビスフェノールA型エポキシ樹脂、エポキシ当量183.4)1840g、2−メチルハイドロキノン0.54g、トリエチルアミン6.8gを仕込み、空気を吹き込みながら110℃に加熱し、2時間でメタクリル酸861gを滴下した。滴下終了後115℃で8時間後反応し、酸価が3.5mgKOH/gのオリゴマーを得た。
(第二工程)
このオリゴマー65重量部をフェノキシエチルメタクリレート35重量部で希釈し、樹脂(3)を得た。
上記樹脂(1)〜(3)100部に対して、アニリン、ピペリジン、1−アセチル−2−チオ尿素、N,N−ジメチルヒダントイン、α−アセチル−ブチロラクトン、テトラメチルチウラムモノスルフィド及びアセチル尿素を表1及び表2に示す割合で添加混合した。また、アエロジル♯200(商品名、日本アエロジル社製)1重量部を加え、ホモミキサーで撹拌し、パラフィン135F、パラフィン120F及びパラフィン分散剤NPS−9125(いずれも全て、日本精蝋社製)を表1及び表2に示す割合で添加し、樹脂組成物を得た。
更に、予めウレタンプライマーNS−YP(商品名、日本触媒社製)を塗布後、一晩放置した30cm×30cmのコンクリート板上に、上記樹脂組成物、オクチル酸コバルト(金属分8重量%)、N,N−ジメチルアニリン、及び、パークミルH−80(商品名、日本油脂社製)を表1及び表2に示す割合で混合し、得られた混合物80gをガラス繊維マットの25cm×25cmに含浸させて、ライニングした。
その後、コンクリート板を垂直に立てかけ、20℃雰囲気下で、樹脂ダレ状態を目視にて評価し、5時間放置後の表面乾燥性を指触にて評価した。
また得られた混合物のそれぞれについて、下記ホルムアルデヒド定量法を用いてホルムアルデヒド放散量を測定した。結果を表1及び表2に示す。
1:試験板の作製
長さ75mm、幅50mmのガラス板片面に樹脂をウェット0.5mm厚で刷毛塗りし、常温硬化後、2日常温で養生し試験板とした。
2:試験方法
・密閉可能な内蓋付の容量900mlのガラス瓶を用意する。
・ガラス瓶に50gの水を入れる。
・図1のように、ガラス瓶内の内蓋に1枚の試験板を針金の先端に付けたクリップで支持する。一方、別のガラス瓶には、空試験用として試験板は装着しない。
・ガラス瓶に蓋をして、放散試験を開始する。
1回の放散試験の時間は24時間とし、JIS K5601−4−1に従いアセチルアセトン吸光光度法によって、ホルムアルデヒド濃度を測定した。
樹脂ダレは、以下のように評価した。
〇:樹脂がたれておらず、ガラス繊維からの樹脂抜けもない。
△:樹脂がたれて、ガラス繊維から樹脂抜けした部分が10〜20箇所ある。
×:樹脂がたれて、ガラス繊維から樹脂抜けした部分が20箇所以上ある。
表面乾燥性の評価は、指触により以下のように評価した。
〇:ベタツキが全く無い。
△:僅かにベタツキがあり、表面に指紋が残る。
×:ベタツキが残る。
2:クリップ
3:試験板
4:水50g
Claims (7)
- 2価以上のアルコールを含むアルコール類と(メタ)アクリル酸とのエステル化物を主成分とするラジカル硬化性樹脂を含有するラジカル硬化性樹脂組成物であって、
該ラジカル硬化性樹脂組成物は、第1級アミン、第二級アミン、下記一般式(3)〜(7):
ことを特徴とするラジカル硬化性樹脂組成物。 - 前記化合物の総含有量の上限値は、ラジカル硬化性樹脂100重量部に対して、0.4重量部である
ことを特徴とする請求項1に記載のラジカル硬化性樹脂組成物。 - 前記エステル化物は、2価以上のアルコールと(メタ)アクリル酸とのエステル化物、及び、1価のアルコールと(メタ)アクリル酸とのエステル化物を含むものである
ことを特徴とする請求項1又は2に記載のラジカル硬化性樹脂組成物。 - 前記エステル化物は、ビスフェノールAのアルキレンオキシド付加物と(メタ)アクリル酸とのエステル化物を含むものである
ことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のラジカル硬化性樹脂組成物。 - 前記ラジカル硬化性樹脂は、更に、エポキシ(メタ)アクリレートを含んでなり、
該エポキシ(メタ)アクリレートは、前記エステル化物及び該エポキシ(メタ)アクリレートの合計100重量%に対して、30重量%以下である
ことを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のラジカル硬化性樹脂組成物。 - 前記エポキシ(メタ)アクリレートは、単官能エポキシ(メタ)アクリレートを含むものである
ことを特徴とする請求項5に記載のラジカル硬化性樹脂組成物。 - 前記ラジカル硬化性樹脂は、2価以上のアルコール及び1価のアルコールを併用して過剰当量の(メタ)アクリル酸によりエステル化して反応混合物を得る工程と、該反応混合物にエポキシ化合物を反応させるエポキシ化工程とを含む製造方法により得られるものである
ことを特徴とする請求項5又は6に記載のラジカル硬化性樹脂組成物。
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