JP4387733B2 - ホルムアルデヒド非放散性ラジカル重合性樹脂組成物 - Google Patents

ホルムアルデヒド非放散性ラジカル重合性樹脂組成物 Download PDF

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Description

本発明はホルムアルデヒド非放散性ラジカル重合性樹脂組成物に関する。さらに詳しくいえば、スチレンを含有するラジカル重合性樹脂組成物の有機過酸化物による硬化反応時に、スチレンと有機過酸化物との反応で生成するホルムアルデヒドが実質的に放散しないホルムアルデヒド非放散性ラジカル重合性樹脂組成物、その組成物に使用するホルムアルデヒドの捕捉剤、及びスチレンを含有するラジカル重合性樹脂組成物のホルムアルデヒド放散抑制方法に関する。
近年、化学物質が放散する建材や内装材を住宅に使用することにより、新築や改築後の住宅の居住者が体調不良や健康障害を引き起こすことが知られ、様々な対策が検討されている。シックハウス症候群と言われるこの体調不良や健康障害の原因とされる主な化学物質はホルムアルデヒド等の揮発性有機化合物である。
特にホルムアルデヒドの放散が指摘されているのは、その多くが原料としてホルムアルデヒドが用いられている接着剤等として広く使用されているメラミン樹脂、フェノール樹脂、ユリア樹脂等のホルムアルデヒド系樹脂であり、これらの樹脂については、ホルムアルデヒドの放散を抑制する方法が提案されている。
例えば、特開2002−285125号公報(特許文献1)には、メラミン系化合物及び/メラミン系樹脂と、アミノ樹脂とビニル系アミノ樹脂から選ばれるホルムアルデヒドトラップ剤と、水とを混合して得られる無臭木質板製板用接着剤糊液の製造方法が開示され、その方法により製造された無臭木質板製板用接着剤糊液を建材用等に用いることにより、放散ホルムアルデヒド量を少なくすることが記載されている。
また、ホルムアルデヒドを捕捉し系外に放散させない効果を有する化合物について、例えば、茶カテキン類のホルムアルデヒド捕捉力の向上について理論的研究が行われ、(J. Chem. Software, 7, 2, (2001)、非特許文献2)、半経験的分子軌道法を用いて、茶カテキンのC−3位に有効な官能基を導入することでホルムアルデヒドによる求電子置換の反応性を高めることが示唆されているが、理論的計算に留まり、上記問題点を解決しているとは言えない。
ホルムアルデヒドの放散抑制方法としては、ホルムアルデヒドを通過させないワックスやシートで塗装樹脂の脂表面を覆う等の物理的アプローチや前記した系内においてホルムアルデヒドを捕捉する等の化学的アプローチも報告されている。しかし、樹脂の性能を損なわずにコスト及び利便性の面で充分満足できるホルムアルデヒドの放散抑制方法は未だ確立されていない。
シックハウス症候群等の問題が広く認識され、環境汚染問題に対する関心が高まるにつれ、樹脂材料に一層安全性の高いものが求められており、これまでホルムアルデヒドが発生するとされていなかった樹脂材料についても見直しが行われようになっているが、過酸化物の存在下で硬化可能な不飽和ポリエステル樹脂、ビニルエステル樹脂、ポリエステル(メタ)アクリレート樹脂、ウレタン(メタ)アクリレート樹脂、及び(メタ)アクリレート樹脂等の、原料にホルムアルデヒドを用いないラジカル重合性樹脂から許容範囲を超えるホルムアルデヒドが放散されていることが平成15年春に確認され新たな問題となった。
この原因については、溶剤を兼ねて使用されているスチレン化合物と硬化剤として加えられる過酸化物との反応でホルムアルデヒドが発生する事が明らかになったが、この反応自体については古い文献(J. Am. Chem. Soc., 78, 1017, (1956)、非参考文献1)が存在する。したがってこのような原料にホルムアルデヒドを用いないラジカル重合性樹脂からのホルムアルデヒドの放散を許容量以下(後述のJIS K 5601-4-1で0.12mg/L以下のレベル)にする技術が緊急の課題として求められている。
特開2002−285125号公報 J. Am. Chem. Soc., 78, 1017, (1956) J. Chem. Software, 7, 2, (2001)
従って、本発明の課題は、建材、内装材、土木工事等に用いられるスチレンを含有するラジカル重合性樹脂組成物の有機過酸化物による硬化反応時におけるスチレンと有機過酸化物との反応で生成するホルムアルデヒドの放散を許容量以下の水準まで抑制できるホルムアルデヒド非放散性ラジカル重合性樹脂組成物を提供することにある。
本発明者らは、前記問題点を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、ホルムアルデヒドを樹脂内にて捕捉し、系外への放散を防ぐ方法を見出し、本発明を完成させるに至った。
すなわち、本発明は、以下の1〜8のホルムアルデヒド非放散性ラジカル重合性樹脂組成物、9のスチレンを含有するラジカル重合性樹脂組成物のホルムアルデヒド放散抑制方法、及び10〜14のスチレンを含有するラジカル重合性樹脂組成物の有機過酸化物による硬化反応時に発生するホルムアルデヒドの捕捉剤を提供するものである。
1.スチレンを含有するラジカル重合性樹脂組成物であって、有機過酸化物による硬化反応時にスチレンと有機過酸化物との反応で生成するホルムアルデヒドを非放散物質に変換するホルムアルデヒド捕捉剤を配合してなることを特徴とするホルムアルデヒド非放散性ラジカル重合性樹脂組成物、
2.ホルムアルデヒドを非放散物質に変換するホルムアルデヒド捕捉剤が、一般式(I)
Figure 0004387733
(式中、mは1〜3の整数を表わし、mが2以上の場合m個のR1は同一でも異なっていてもよく、各々水素原子、水酸基、または炭素数1〜4の分岐を有してもよいアルキル基を表わし、m個のR1のうちの少なくとも1つは水酸基である。)で示されるヒドロキシベンゼン化合物である前記1に記載のホルムアルデヒド非放散性ラジカル重合性樹脂組成物、
3.ホルムアルデヒドを非放散物質に変換するホルムアルデヒド捕捉剤が、一般式(II)
Figure 0004387733
(式中、R2〜R5はそれぞれ独立して水素原子または炭素数1〜4の分岐を有してもよいアルキル基、または置換基を有してもよいフェニル基を表わし、R2とR3及びR4とR5は一緒になってベンゼン環を表わしてもよい。)で示されるキノン系化合物である前記1に記載のホルムアルデヒド非放散性ラジカル重合性樹脂組成物、
4.ホルムアルデヒドを非放散物質に変換するホルムアルデヒド捕捉剤が、一般式(III)
Figure 0004387733
(式中、R6はカルボニル基または炭素数1〜4の分岐を有してもよいアルキル基を表わし、R7及びR8は、それぞれ独立して水素原子または炭素数1〜4の分岐を有してもよいアルキル基を表わす。)で示される環状ケトンまたはジケトン化合物である前記1に記載のホルムアルデヒド非放散性ラジカル重合性樹脂組成物、
5.ホルムアルデヒドを非放散物質に変換するホルムアルデヒド捕捉剤が、一般式(IV)
Figure 0004387733
(式中、R9及びR10はそれぞれ独立して水素原子または水酸基を表わし、R11は水酸基または
Figure 0004387733
基を表わし、R12はフェニル基または(3,4−ジヒドロキシ)フェニル基を表わす。)で示されるフラボノイド化合物である前記1に記載のホルムアルデヒド非放散性ラジカル重合性樹脂組成物、
6.ホルムアルデヒドを非放散物質に変換するホルムアルデヒド捕捉剤が、一般式(V)
Figure 0004387733
(式中、R13は水素原子または炭素数1〜4の分岐を有してもよいアルキル基を表わし、nは1〜3の整数を表わし、nが1のときZは酸素原子または硫黄原子を表わし、nが2のときZは窒素原子を表わし、nが3のときZは炭素原子を表わし、R14は、nが2または3のときは同一でも異なってもよく、水素原子、炭素数1〜4のアルキル基を表わす、あるいはnが2のときは炭素数4〜6のアルキレン鎖と窒素原子とで5〜7員環の環状構造を表わし、その環状構造を形成するそれぞれの炭素原子は水素原子以外にそれぞれ独立してメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基及びイソプロポキシ基からなる群から選ばれる置換基のいずれかを1つ以上有してもよい。)で示される活性ジケトン化合物である前記1に記載のホルムアルデヒド非放散性ラジカル重合性樹脂組成物、
7.ホルムアルデヒドを非放散物質に変換するホルムアルデヒド捕捉剤の添加量が、ラジカル重合性樹脂100質量部に対して0.1〜10質量部である前記1に記載のホルムアルデヒド非放散性ラジカル重合性樹脂組成物、
8.ラジカル重合性樹脂組成物が、不飽和ポリエステル樹脂、ビニルエステル樹脂、ポリエステル(メタ)アクリレート樹脂、ウレタン(メタ)アクリレート樹脂、及び(メタ)アクリレート樹脂から選択される前記1に記載のホルムアルデヒド非放散性ラジカル重合性樹脂組成物、
9.一般式(I)
Figure 0004387733
(式中、mは1〜3の整数を表わし、mが2以上の場合m個のR1は同一でも異なっていてもよく、各々水素原子、水酸基、または炭素数1〜4の分岐を有してもよいアルキル基を表わし、m個のR1のうちの少なくとも一つは水酸基である。)で示されるヒドロキシベンゼン化合物からなることを特徴とするスチレンを含有するラジカル重合性樹脂組成物の有機過酸化物による硬化反応時に発生するホルムアルデヒドの捕捉剤、
10.一般式(II)
Figure 0004387733
(式中、R2〜R5はそれぞれ独立して水素原子または炭素数1〜4の分岐を有してもよいアルキル基、または置換基を有してもよいフェニル基を表わし、R2とR3及びR4とR5は一緒になってベンゼン環を表わしてもよい。)で示されるキノン系化合物からなることを特徴とするスチレンを含有するラジカル重合性樹脂組成物の有機過酸化物による硬化反応時に発生するホルムアルデヒドの捕捉剤、
11.一般式(III)
Figure 0004387733
(式中、R6はカルボニル基または炭素数1〜4の分岐を有してもよいアルキル基を表わし、R7及びR8は、それぞれ独立して水素原子または炭素数1〜4の分岐を有してもよいアルキル基を表わす。)で示される環状ケトンまたはジケトン化合物からなることを特徴とするスチレンを含有するラジカル重合性樹脂組成物の有機過酸化物による硬化反応時に発生するホルムアルデヒドの捕捉剤、
12.一般式(IV)
Figure 0004387733
(式中、R9及びR10はそれぞれ独立して水素原子または水酸基を表わし、R11は水酸基または
Figure 0004387733
基を表わし、R12はフェニル基または(3,4−ジヒドロキシ)フェニル基を表わす。)で示されるフラボノイド化合物からなることを特徴とするスチレンを含有するラジカル重合性樹脂組成物の有機過酸化物による硬化反応時に発生するホルムアルデヒドの捕捉剤、
13.一般式(V)
Figure 0004387733
(式中、R13は水素原子または炭素数1〜4の分岐を有してもよいアルキル基を表わし、nは1〜3の整数を表わし、nが1のときZは酸素原子または硫黄原子を表わし、nが2のときZは窒素原子を表わし、nが3のときZは炭素原子を表わし、R14は、nが2または3のときは同一でも異なってもよく、水素原子、炭素数1〜4のアルキル基を表わす、あるいはnが2のときは炭素数4〜6のアルキレン鎖と窒素原子とで5〜7員環の環状構造を表わし、その環状構造を形成するそれぞれの炭素原子は水素原子以外にそれぞれ独立してメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基及びイソプロポキシ基からなる群から選ばれる置換基のいずれかを1つ以上有してもよい。)で示される活性ジケトン化合物からなることを特徴とするスチレンを含有するラジカル重合性樹脂組成物の有機過酸化物による硬化反応時に発生するホルムアルデヒドの捕捉剤、
14.スチレンを含有するラジカル重合性樹脂組成物の有機過酸化物による硬化反応時に、スチレンと有機過酸化物との反応で生成するホルムアルデヒドを非放散物質に変換するホルムアルデヒド捕捉剤を配合することを特徴とするスチレンを含有するラジカル重合性樹脂組成物のホルムアルデヒド放散抑制方法、及び
15.ホルムアルデヒドを非放散物質に変換するホルムアルデヒド捕捉剤が前記9乃至13のいずれかに記載された少なくとも1種である前記14に記載のスチレンを含有するラジカル重合性樹脂組成物のホルムアルデヒド放散抑制方法に関する。
本発明におけるラジカル重合性樹脂組成物のベースとなる樹脂は、過酸化物の存在下で硬化し、溶剤を兼ねる反応媒体としてスチレンと共に用いられる不飽和ポリエステル樹脂、ビニルエステル樹脂、ポリエステル(メタ)アクリレート樹脂、ウレタン(メタ)アクリレート樹脂、及び(メタ)アクリレート樹脂等である。このような系におけるスチレン濃度は通常20〜70質量%、好ましくは30〜50質量%程度である。
不飽和ポリエステル樹脂とは、多価アルコールと不飽和多塩基酸または飽和多塩基酸とのエステル化反応により生成する縮合生成物をラジカル重合性不飽和単量体に溶解したものであり、「ポリエステル樹脂ハンドブック」(日刊工業新聞社、1988年発行)及び「塗料用語辞典」(色材協会編、1993年発行)等に詳しく記載されている。
不飽和ポリエステルは、公知の方法により製造される。原料の多価アルコールとしては、例えばエチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、1,2−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、2−メチル−1,3−プロパンジオール、2,2−ジメチル−1,3−プロパンジオール、シクロヘキサン−1,4−ジメタノール、ビスフェノールAのエチレンオキサイド付加物、ビスフェノールAのプロピレンオキサイド付加物等が挙げられ、不飽和多塩基酸としては、例えばフマル酸、マレイン酸、イタコン酸等の重合性不飽和多塩基酸またはそれらの無水物が挙げられ、飽和多塩基酸としては、例えばフタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、テトラヒドロフタル酸、アジピン酸、セバチン酸等の重合性飽和多塩基酸またはそれらの無水物が挙げられる。
ビニルエステル樹脂とは、一般にグリシジル基(エポキシ基)を有する化合物と、アクリル酸などの重合性不飽和結合を有するカルボキシル化合物のカルボキシル基との開環反応により生成する重合性不飽和結合を持った化合物をラジカル重合性不飽和単量体に溶解したものであり、「ポリエステル樹脂ハンドブック」(日刊工業新聞社、1988年発行)及び「塗料用語辞典」(色材協会編、1993年発行)等に詳しく記載されている。
ビニルエステルの原料として用いられるエポキシ(メタ)アクリレートは、公知の方法により製造され、ビスフェノール型やノボラック型のエポキシ樹脂に不飽和一塩基酸、例えばアクリル酸またはメタクリル酸を反応させて得られるものである。
原料のエポキシ樹脂としては、例えばビスフェノールAジグリシジルエ−テル及びその高分子量同族体、ノボラック型ポリグリシジルエ−テル類、1,6ヘキサンジオールジグリシジルエーテル等の脂肪族系グリシジルエーテル類が挙げられ、不飽和一塩基酸としては、例えばアクリル酸、メタクリル酸等が挙げられ、不飽和一塩基酸以外の酸としては、例えばアジピン酸、セバシン酸、ダイマー酸等の飽和二塩基酸が挙げられる。
ポリエステル(メタ)アクリレート樹脂は、(1)飽和多塩基酸及び/または不飽和多塩基酸と多価アルコールから得られる末端カルボキシル基のポリエステルにα,β−不飽和カルボン酸エステル基を含有するエポキシ化合物を反応して得られる化合物、(2)飽和多塩基酸及び/または不飽和多塩基酸と多価アルコールから得られる末端カルボキシル基のポリエステルに水酸基含有アクリレートを反応させて得られる化合物、(3)飽和多塩基酸及び/または不飽和多塩基酸と多価アルコールから得られる末端水酸基のポリエステルに(メタ)アクリル酸を反応して得られる化合物を、ラジカル重合性不飽和単量体に溶解したものである。
ポリエステル(メタ)アクリレートの原料として用いられる飽和多塩基酸としては、例えばフタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、テトラヒドロフタル酸、アジピン酸、セバチン酸等の重合性不飽和結合を有していない多塩基酸またはその無水物とフマル酸、マレイン酸、イタコン酸等の重合性不飽和多塩基酸またはその無水物が挙げられる。多価アルコール成分としては、例えばエチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、1,2−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、2−メチル−1,3−プロパンジオール、2,2−ジメチル−1,3−プロパンジオール、シクロヘキサン−1,4−ジメタノール、ビスフェノールAのエチレンオキサイド付加物、ビスフェノールAのプロピレンオキサイド付加物等が挙げられる。
ポリエステル(メタ)アクリレ−トの製造に用いるエポキシ基を有するα、β−不飽和カルボン酸エステルとしては、グリシジルメタクリレ−トが挙げられる。
ウレタン(メタ)アクリレート樹脂は特に限定されるものではなく、例えばポリイソシアネートとポリヒドロキシ化合物あるいは多価アルコール類とを反応させた後、さらに水酸基含有(メタ)アクリル化合物および必要に応じて水酸基含有アリルエーテル化合物を反応させることによって得ることが出来るようなラジカル重合性不飽和基含有オリゴマーを、ラジカル重合性不飽和単量体に溶解したものである。
ウレタン(メタ)アクリレートの原料として用いられるポリイソシアネートとしては、例えば2,4−トリレンジイソシアネートおよびその異性体、ジフェニルメタンジイソシアネート、ヘキサメチレンジシソシアネート、水添キシリレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、キシリレンジイソイサネート、水添キシリレンジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、ナフタリンジイソシアネート、トリフェニルメタントリイソシアネート、バノックD−750、クリスボンNK(商品名;大日本インキ化学工業株式会社製)デスモジュールL(商品名;住友バイエル社製)、コロネートL(商品名;日本ポリウレタン社製)、タケネートD102(商品名;武田薬品社製)、イソネート143L(商品名;三菱化学社製)等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。これらポリイソシアネートは1種類のみを用いても良いし、適宜2種類以上を混合しても良い。
ウレタン(メタ)アクリレートの原料として用いられるポリヒドロキシ化合物としては、例えばポリエステルポリオール、ポリエーテルポリオール等が挙げられ、具体的にはグリセリン−エチレンオキシド付加物、グリセリン−プロピレンオキシド付加物、グリセリン−テトラヒドロフラン付加物、グリセリン−エチレンオキシド−プロピレンオキシド付加物、トリメチロールプロパン−エチレンオキシド付加物、トリメチロールプロパン−プロピレンオキシド付加物、トリメチロールプロパン−テトラヒドロフラン付加物、トリメチロールプロパン−エチレンオキシド−プロピレンオキシド付加物、ジペンタエスリトール−エチレンオキシド付加物、ジペンタエスリトール−プロピレンオキシド付加物、ジペンタエスリトール−テトラヒドロフラン付加物、ジペンタエスリトール−エチレンオキシド−プロピレンオキシド付加物等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。これらポリヒドロキシ化合物は、1種類のみを用いてもよいし、適宜2種類以上を混合して用いてもよい。
ウレタン(メタ)アクリレートの原料として用いられる多価アルコール類としては、例えばエチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、2−メチル−1,3プロパンジオール、1,3−ブタンジオール、ビスフェノールAとプロピレンオキシドまたはエチレンオキシドとの付加物、1,2,3,4−テトラヒドロキシブタン、グリセリン、トリメチロールプロパン、1,3−ブタンジオール、1,2−シクロヘキサングリコール、1,3−シクロヘキサングリコール、1,4−シクロヘキサングリコール、パラキシレングリコール、ビシクロヘキシル−4,4−ジオール、2,6−デカリングリコール、2,7−デカリングリコール等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。これら多価アルコール類は、1種類のみを用いても良いし、適宜2種類以上を混合して用いても良い。
ウレタン(メタ)アクリレートの原料として用いられる水酸基含有(メタ)アクリル化合物としては、特に限定されるものではないが、水酸基含有(メタ)アクリル酸エステルが好ましく、具体例としては、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、トリス(ヒドロキシエチル)イソシアヌルサンノジ(メタ)アクリレート、ペンタエスリトールトリ(メタ)アクリレート等が挙げられる。これら水酸基含有(メタ)アクリル化合物は、1種類を用いても良いし、適宜2種類以上を混合しても良い。
ウレタン(メタ)アクリレートの原料として必要に応じて用いられる水酸基含有アリル化合物の具体例としては、エチレングリコールモノアリルエーテル、ジエチレングリコールモノアリルエーテル、トリエチレングリコールモノアリルエーテル、ポリエチレングリコールモノアリルエーテル、プロピレングリコールモノアリルエーテル、ジプロピレングリコールモノアリルエーテル、トリプロピレングリコールモノアリルエーテル、ポリプロピレングリコールモノアリルエーテル、1,2−ブチレングリコールモノアリルエーテル、1,3−ブチレングリコールモノアリルエーテル、ヘキシレングリコールモノアリルエーテル、オクチレングリコールモノアリルエーテル、トリメチロールプロパンジアリルエーテル、グリエリンジアリルエーテル、ペンタエスリトールトリアリルエーテル等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。これら水酸基含有アリルエーテル化合物は、1種類のみを用いても良いし、適宜2種類以上を混合して用いても良い。
(メタ)アクリレート樹脂とは、(メタ)アクリル酸エステル、アクリル系重合体、重合性結合を有する化合物、可塑剤等をラジカル重合性不飽和単量体に溶解したものである。
(メタ)アクリル酸エステルの具体例としては、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、i−ブチル(メタ)アクリレート、t−ブチル(メタ)アクリレート、アミル(メタ)アクリレート、ヘキシル(メタ)アクリレート、ヘプチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、n−オクチル(メタ)アクリレート、イソオクチル(メタ)アクリレート、n−ノニル(メタ)アクリレート、イソノニル(メタ)アクリレート、デシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、トリデシル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニル(メタ)アクリレート、2−ジシクロペンテノキシエチル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、メトキシエチル(メタ)アクリレート、エトキシエチル(メタ)アクリレート、ブトキシエチル(メタ)アクリレート、アルコキシポリアルキレングリコール(メタ)アクリレート、フェノキシポリアルキレングリコール(メタ)アクリレート、アルキルフェノキシポリアルキレングリコール(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリロイルモルフォリン、アセトアセトキシエチル(メタ)アクリレート等の1官能性(メタ)アクリレートモノマー;エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,3−プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリブチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAエチレンオキサイド付加物ジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAプロピレンオキサイド付加物ジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAジグリシジルエーテル(メタ)アクリル酸付加物、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、1,4−シクロヘキサンジメタノールジ(メタ)アクリレート、トリシクロデカンジメタノールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、トリス(2−(メタ)アクリロイルオキシエチル)イソシアヌレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレートの2官能性以上の(メタ)アクリレート等が挙げられる。
これらは、一種を単独で用いてもよいし、二種以上を混合して用いてもよい。
本発明の樹脂組成物の硬化条件としては、金属石鹸やアミンと有機過酸化物を用いて硬化させる常温硬化及び熱のみで有機過酸化物を用いて硬化させる加熱硬化がある。
有機過酸化物としては、ケトンパーオキサイド、パーオキシケタール、ハイドロパーオキサイド、ジアリルパーオキサイド、ジアシルパーオキサイド、パーオキシエステル、パーオキシジカーボネート、ベンゾイルパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド、ジイソプロピルパーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオキサイド、t−ブチルパーオキシベンゾエート、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、2,5−ジメチル−2,5−ビス(t−ブチルパーオキシ)ヘキシン−3、3−イソプロピルヒドロパーオキサイド、t−ブチルヒドロパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド、ジクミルヒドロパーオキサイド、アセチルパーオキサイド、ビス(4−t−ブチルシクロヘキシル)パーオキシジカーボネート、ジイソプロピルパーオキシジカーボネート、イソブチルパーオキサイド、3,3,5−トリメチルヘキサノイルパーオキサイド、ラウリルパーオキサイド、アゾビスイソブチロニトリル、アゾビスカルボンアミド等が挙げられ、これらは目的とする硬化条件(温度、時間)に合わせて適宜選択使用される。
有機過酸化物触媒の添加量は、樹脂100質量部に対して0.1〜7質量部、好ましくは0.5〜5質量部である。重合開始剤の添加量がこれより少なすぎる場合は、十分に硬化ができず、また重合開始剤の添加量がこの比率よりも多すぎる場合は、経済的に不利な上、硬化物の物性低下などが起こる。
本発明おいて、スチレンを含有するラジカル重合性樹脂組成物の有機過酸化物による硬化反応時に発生するホルムアルデヒドの捕捉剤として用いられる一般式(I)で示される化合物の具体例としては、フェノール、クレゾール、エチルフェノール、3,5―ジメチルフェノール、トリメチルフェノール、ジイソプロピル−m−クレゾール、ジヒドロキシベンゼン、2,6−ジヒドロキシトルエン、トリヒドロキシベンゼン等が挙げられ、これらから選ばれた1種もしくは2種以上が使用できる。これらの中でもジヒドロキシベンゼン、2,6−ジヒドロキシトルエン、トリヒドロキシベンゼンが好ましい。
一般式(II)で示される化合物の具体例としては、p−ベンゾキノン、メチル−p−ベンゾキノン、トリメチル−p−ベンゾキノン、2−tert−ブチル−p−ベンゾキノン、フェニルベンゾキノン、2,5−ジフェニル−p−ベンゾキノン、2−(p−メチルフェニル)−1,4−ベンゾキノン、1,4−ナフトキノン、2−メチル−1,4−ナフトキノン、ヒドロキシ−1,4−ナフトキノン、ジヒドロキシ−1,4−ナフトキノン、2−メトキシ−1,4−ナフトキノン、アントラキノン、2,2’−ジメチル−1,1’−ジアントラキノニル、1−ヒドロキシアントラキノン、ジヒドロキシアントラキノン、トリヒドロキシアントラキノン、ジメトキシアントラキノン等が挙げられ、これらから選ばれた1種もしくは2種以上が使用できる。これらの中でも、1,4−ナフトキノン、2−メチル−1,4−ナフトキノン、ヒドロキシ−1,4−ナフトキノン、ジヒドロキシ−1,4−ナフトキノン、2−メトキシ−1,4−ナフトキノンが好ましい。
一般式(III)で示される化合物の具体例としては、シクロヘキサン−1,4−ジオン、5,5−ジメチル−1,3−シクロヘキサンジオン、3,3,5−トリメチルヘキサノン等が挙げられ、これらから選ばれた1種もしくは2種以上が使用できる。これらの中でも5,5−ジメチル−1,3−シクロヘキサンジオンが好ましい。
一般式(IV)で示される化合物の具体例としては、3−ヒドロキシフラバン、3,5,7,3’,4’−ペンタヒドロキシフラバン、3−ガロイルカテキン等が挙げられ、これらから選ばれた1種もしくは2種以上が使用できる。これらの中でも3−ヒドロキシフラバンが好ましい。
一般式(V)で示される化合物の具体例としては、2−((2−メチル−1−オキソ−2−プロペニール)オキシ)エチル−オキソブタネート、アセチルブチロラクトン、プロピオニルアセトン、N−ピロリジノアセトアセタミド、N−モノホリノアセトアセタミド等が挙げられ、これらから選ばれる1種もしくは2種以上が使用できる。中でも2−((2−メチル−1−オキソ−2−プロペニール)オキシ)エチル−オキソブタネートが好ましい。
一般式(I)〜(V)で示される化合物の添加量としては、目的である樹脂100質量部に対して、0.1〜10質量部が好ましく、とくに好ましくは0.5〜3質量部である。これらの化合物の添加量が0.1質量部以下の場合、ホルムアルデヒド捕捉効果が十分に得られないため好ましくない。また、これらの化合物の添加量が10質量部以上の場合は硬化性の遅延が起こり、十分な硬化物が得られない為好ましくない。
樹脂の硬化は常法に従って行われる。すなわち、目的に合わせて適当な硬化剤(過酸化物)を選択し、適量をスチレン含有ラジカル重合性樹脂組成物に配合し、塗布法などで所望の箇所に適用した後、室温であるいは所望によっては加熱して硬化させる。
以下に本発明を、実施例及び比較例を挙げてさらに詳細に説明するが、本発明は下記の実施例によって限定されるものではない。各例中の「部」、「%」は質量基準を示す。
合成例1:ビスフェノールA系ビニルエステル樹脂(VE−1)
撹拌機、環流冷却器、ガス導入管、温度計を付した反応容器に、エピコート828(油化シェルKK製エポキシ樹脂:エポキシ当量189)189部、ビスフェノールA34.2部、トリエチルアミン0.5部を加え、窒素雰囲気下、150℃で2時間撹拌した後、90℃まで冷却し、メタクリル酸60.2部、テトラデシルジメチルベンジルアンモニウムクロライド0.8部、ハイドロキノン0.07部、スチレン58部を加え、空気を吹き込みながら90℃で20時間撹拌し、酸価が10mgKOH/gになった時点で、スチレン175部を加えて、25℃での粘度0.30Pa・s、固形分55質量%のビスフェノールA系ビニルエステル樹脂(VE−1)を得た。
合成例2:フェノールノボラック型ビニルエステル樹脂(VE−2)
合成例1と同様の反応容器に、DEN438(ダウケミカル日本株式会社製 ノボラックエポキシ樹脂:エポキシ当量180)180部、メタクリル酸86部、メチルハイドロキノン0.16部及びトリメチルベンジルアンモニウムクロライド1.6部、スチレン77部を加え、空気を吹き込みながら90℃で6時間撹拌し、酸価が10mgKOH/gになった時点で、スチレン100部を加えて、25℃での粘度0.5Pa・s、固形分60質量%のフェノールノボラック型ビニルエステル樹脂(VE−2)を得た。
合成例3:不飽和ポリエステル樹脂(UP−1)
合成例1と同様の反応容器に、プロピレングリコール100モル、無水フタル酸50モル、無水マレイン酸50モルを加え、常法に従い210℃で酸価が40mgKOH/gになるまで撹拌した。
反応後ハイドロキノンを、得られた不飽和ポリエステル100部に対して0.015部添加し、100℃に冷却後、不飽和ポリエステル100部に対してスチレン54部を加えて不飽和ポリエステル樹脂(UP−1)を得た。
合成例4:ポリエステルメタクリレート樹脂(UPM−1)
合成例1と同様の反応容器に、プロピレングリコール100モル、無水フタル酸50モル、無水マレイン酸50モルを加え、常法に従い210℃で酸価が40mgKOH/gとなるまで撹拌した。
反応後ハイドロキノンを、得られた不飽和ポリエステル100部に対して0.015部添加し、100℃に冷却後、不飽和ポリエステル100部に対してスチレン50部を加えて25℃での粘度0.35Pa・sの不飽和ポリエステル樹脂を得た。
次に、不飽和ポリエステル樹脂1000gに対し、グリシジルメタクリレート0.463モル(65.7g)、トリス(ジメチルアミノメチル)フェノール、ハイドロキノンを不飽和ポリエステル樹脂とグリシジルメタクリレートの合計量100部に対してそれぞれ0.2部、0.015部を加え、空気を吹き込みながら75℃で9時間撹拌し、酸価が54mgKOH/gになった時点で反応を終了し、25℃での粘度が0.42Pa・sのポリエステルメタクリレート樹脂(UPM−1)を得た。
合成例5:ウレタンメタクリレート樹脂(UA−1)
撹拌器、還流冷却管、気体導入管及び温度計を付した3Lの4つ口フラスコに、ジフェニルメタンジイソシアネート2モル:500.5部、プロピレングリコール1モル:76部、ジブチル錫ジラウレート7.0部を、60℃で4時間撹拌した。2−ヒドロキシエチルメタクリレート1モル:130部を2時間かけて滴下しながら撹拌し、滴下終了後5時間撹拌を続けた。スチレン384部を加え、冷却した。25℃での粘度が0.29Pa・s、固形分35質量%のウレタンメタクリレート樹脂(UA−1)を得た。
実施例1:
合成例1〜5で得たVE−1、VE−2、UP−1、UPM−1、及びUA−1それぞれ100部にトリヒドロキシベンゼン1.0部、ナフテン酸コバルト0.5部を加えた樹脂を用意した。それぞれの樹脂90gに硬化剤(メチルケトンパーオキサイト)1.0部を使用し、ガラス板(150mm×150mm)上で樹脂が垂れない様にチョップドストランドマット(150mm×150mm)2プライで積層し硬化させた。「JIS K 5601-4-1 塗料成分試験方法:塗膜からの放散成分分析−ホルムアルデヒド」に準拠して、ホルムアルデヒド放散量の測定を行った結果を表1に示す。
Figure 0004387733
表1に示されるようにホルムアルデヒド放散量は、全例でJIS記載基準によるホルムアルデヒド放散等級分類の規制対象外(居室用に条件なく使用できる)濃度0.12mg/L未満であった。
実施例2:
合成例1〜5で得たVE−1、VE−2、UP−1、UPM−1、及びUA−1それぞれ100部に1,4ナフトキノン1.0部、ナフテン酸コバルト0.5部を加えた樹脂を用意した。それぞれの樹脂90gに硬化剤(メチルケトンパーオキサイト)1.0部を使用し、ガラス板(150mm×150mm)上で樹脂が垂れない様にチョップドストランドマット(150mm×150mm)2プライで積層し硬化させた。「JIS K 5601-4-1 塗料成分試験方法:塗膜からの放散成分分析−ホルムアルデヒド」に準拠して、ホルムアルデヒド放散量の測定を行った結果を表2に示す。
Figure 0004387733
表2に示されるようにホルムアルデヒド放散量は、全例でJIS記載基準によるホルムアルデヒド放散等級分類の規制対象外(居室用に条件なく使用できる)濃度0.12mg/L未満であった。
実施例3:
合成例1〜5で得たVE−1、VE−2、UP−1、UPM−1、及びUA−1それぞれ100部に5,5−ジメチル−1,3−シクロヘキサンジオン1.0部、ナフテン酸コバルト0.5部を加えた樹脂を用意した。それぞれの樹脂90gに硬化剤(メチルケトンパーオキサイト)1.0部を使用し、ガラス板(150mm×150mm)上で樹脂が垂れない様にチョップドストランドマット(150mm×150mm)2プライで積層し硬化させた。その後、「JIS K 5601-4-1 塗料成分試験方法:塗膜からの放散成分分析−ホルムアルデヒド」に準拠して、ホルムアルデヒド放散量の測定を行った結果を表3に示す。
Figure 0004387733
表3に示されるようにホルムアルデヒド放散量は、全例でJIS記載基準によるホルムアルデヒド放散等級分類の規制対象外(居室用に条件なく使用できる)濃度0.12mg/L未満であった。
比較例1:
合成例1〜5で得たVE−1、VE−2、UP−1、UPM−1、及びUA−1それぞれ100部に、ナフテン酸コバルト0.5部を加えた樹脂を用意した。それぞれの樹脂90gに硬化剤(メチルケトンパーオキサイト)1.0部を使用し、ガラス板(150mm×150mm)上で樹脂が垂れない様にチョップドストランドマット(150mm×150mm)2プライで積層し硬化させた。「JIS K 5601-4-1 塗料成分試験方法:塗膜からの放散成分分析−ホルムアルデヒド」に準拠して、ホルムアルデヒド放散量の測定を行った結果を表4に示す。
Figure 0004387733
表4に示されるようにホルムアルデヒド放散量は、全例でJIS記載基準によるホルムアルデヒド放散等級分類の等級2(使用条件付きで居室用に使用できる)濃度0.35〜1.8mg/Lであった。
本発明によれば、建材、内装材、土木等に用いられるスチレンを含有するラジカル重合性樹脂組成物の有機過酸化物による硬化反応時におけるスチレンと有機過酸化物との反応で生成するホルムアルデヒドの放散を容易に許容量以下に抑制することができる。

Claims (6)

  1. スチレンを含有するラジカル重合性樹脂組成物であって、有機過酸化物による硬化反応時にスチレンと有機過酸化物との反応で生成するホルムアルデヒドを非放散物質に変換するホルムアルデヒド捕捉剤を配合してなり、前記ホルムアルデヒド捕捉剤が一般式(I)
    Figure 0004387733
    (式中、mは1〜3の整数を表わし、mが2以上の場合m個のR 1 は同一でも異なっていてもよく、各々水素原子、水酸基、または炭素数1〜4の分岐を有してもよいアルキル基を表わし、m個のR 1 のうちの少なくとも1つは水酸基である。)で示されるヒドロキシベンゼン化合物、一般式(II)
    Figure 0004387733
    (式中、R 2 〜R 5 はそれぞれ独立して水素原子または炭素数1〜4の分岐を有してもよいアルキル基、または置換基を有してもよいフェニル基を表わし、R 2 とR 3 及びR 4 とR 5 は一緒になってベンゼン環を表わしてもよい。)で示されるキノン系化合物または一般式(III)
    Figure 0004387733
    (式中、R 6 はカルボニル基または炭素数1〜4の分岐を有してもよいアルキル基を表わし、R 7 及びR 8 は、それぞれ独立して水素原子または炭素数1〜4の分岐を有してもよいアルキル基を表わす。)で示される環状ケトンまたはジケトン化合物であり、前記ホルムアルデヒド捕捉剤の含有量がラジカル重合性樹脂組成物の量を100質量部としたときに0.5〜10質量部であることを特徴とするホルムアルデヒド非放散性ラジカル重合性樹脂組成物。
  2. ラジカル重合性樹脂組成物が、不飽和ポリエステル樹脂、ビニルエステル樹脂、ポリエステル(メタ)アクリレート樹脂、ウレタン(メタ)アクリレート樹脂、及び(メタ)アクリレート樹脂から選択される請求項1に記載のホルムアルデヒド非放散性ラジカル重合性樹脂組成物。
  3. 一般式(I)
    Figure 0004387733
    (式中、mは1〜3の整数を表わし、mが2以上の場合m個のR1は同一でも異なっていてもよく、各々水素原子、水酸基、または炭素数1〜4の分岐を有してもよいアルキル基を表わし、m個のR1のうちの少なくとも一つは水酸基である。)で示されるヒドロキシベンゼン化合物からなることを特徴とするスチレンを含有するラジカル重合性樹脂組成物の有機過酸化物による硬化反応時に発生するホルムアルデヒドの捕捉剤。
  4. 一般式(II)
    Figure 0004387733
    (式中、R2〜R5はそれぞれ独立して水素原子または炭素数1〜4の分岐を有してもよいアルキル基、または置換基を有してもよいフェニル基を表わし、R2とR3及びR4とR5は一緒になってベンゼン環を表わしてもよい。)で示されるキノン系化合物からなることを特徴とするスチレンを含有するラジカル重合性樹脂組成物の有機過酸化物による硬化反応時に発生するホルムアルデヒドの捕捉剤。
  5. 一般式(III)
    Figure 0004387733
    (式中、R6はカルボニル基または炭素数1〜4の分岐を有してもよいアルキル基を表わし、R7及びR8は、それぞれ独立して水素原子または炭素数1〜4の分岐を有してもよいアルキル基を表わす。)で示される環状ケトンまたはジケトン化合物からなることを特徴とするスチレンを含有するラジカル重合性樹脂組成物の有機過酸化物による硬化反応時に発生するホルムアルデヒドの捕捉剤。
  6. スチレンを含有するラジカル重合性樹脂組成物の有機過酸化物による硬化反応時に、スチレンと有機過酸化物との反応で生成するホルムアルデヒドを非放散物質に変換するホルムアルデヒド捕捉剤を配合することを特徴とするスチレンを含有するラジカル重合性樹脂組成物のホルムアルデヒド放散抑制方法であり、前記ホルムアルデヒド捕捉剤が請求項3乃至5のいずれかに記載された少なくとも1種であり、前記ホルムアルデヒド捕捉剤の配合量がラジカル重合性樹脂組成物の量を100質量部としたときに0.5〜10質量部である方法。
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