JP2005162920A - ラジカル重合性樹脂組成物硬化体の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 ラジカル重合性樹脂組成物において、許容濃度を超えないホルムアルデヒドの放散量に抑制できるホルムアルデヒド非放散性ラジカル重合性樹脂組成物硬化体の製造方法を提供する。
【解決手段】 ラジカル重合性樹脂組成物及び/またはラジカル重合性プリプレグを、光重合開始剤または光開始剤と有機過酸化物の組み合わせからなる開始剤を用い光照射して硬化するホルムアルデヒドの放散の抑制されたラジカル重合性樹脂組成物及び/またはラジカル重合性プリプレグ硬化体を製造する方法、並びにその方法により得られる硬化体。
本発明のラジカル重合性樹脂組成物には、ホルムアルデヒドを非放散物質に変換するホルムアルデヒド捕捉剤を含むことができ、さらに光照射により表面にホルムアルデヒドの飛散抑制硬化被膜を形成するパラフィンワックスを添加してもよい。
【選択図】 なし

Description

本発明は、ラジカル重合性樹脂及び/またはラジカル重合性プリプレグを光照射して硬化するホルムアルデヒドの放散を抑制したラジカル重合性樹脂及び/またはラジカル重合性プリプレグ硬化体の製造方法に関する。さらに詳しくいえば、ラジカル重合性樹脂及び/またはラジカル重合性プリプレグの硬化に際してホルムアルデヒドを生成する有機過酸化物を使用しないか、あるいは有機過酸化物を併用しても、光照射により樹脂組成物の内部まで十分に硬化し、ホルムアルデヒドの放散が抑制されるラジカル重合性樹脂組成物及び/またはラジカル重合性プリプレグの硬化体の製造方法及びその方法で得られる硬化体に関する。
近年、化学物質が放散する建材や内装材住宅に使用することにより、新築や改築後の住宅の居住者が体調不良や健康障害を引き起こすことが知られ、様々な対策が検討されている。シックハウス症候群と言われる体調不良や健康障害の原因とされる主な化学物質はホルムアルデヒド等の揮発性有機化合物である。
特にホルムアルデヒドの放散が指摘されているのは、その多くが原料としてホルムアルデヒドが用いられている接着剤等として広く使用されているメラミン樹脂、フェノール樹脂、ユリア樹脂等のホルムアルデヒド系樹脂であり、これらの樹脂については、ホルムアルデヒドの放散を抑制する方法が提案されている。
例えば、特開2002−285125号公報(特許文献1)には、メラミン系化合物及び/またはメラミン系樹脂と、アミノ樹脂とビニル系アミノ樹脂から選ばれるホルムアルデヒドトラップ剤と、水とを混合して得られる無臭木質板製板用接着剤糊液の製造方法が開示され、その方法により製造された無臭木質板製板用接着剤糊液を建材用等に用いることにより、放散ホルムアルデヒド量を少なくすることが記載されている。
また、ホルムアルデヒドを捕捉し系外に放散させない効果を有する化合物について、例えば、茶カテキン類のホルムアルデヒド捕捉力の向上について理論的研究が行われているが(J. Chem. Software, 7, 2 (2001):非特許文献1)、半経験的分子軌道法を用いて、茶カテキンのC−3位に有効な官能基を導入することでホルムアルデヒドによる求電子置換の反応性を高めることが示唆されているが、理論的計算に留まり、上記問題点を解決しているとは言えない。
ホルムアルデヒドの放散抑制方法としては、ホルムアルデヒドを通過させないワックスやシートで塗装樹脂の樹脂表面を覆う等の物理的アプローチや前記した系内においてホルムアルデヒドを捕捉する等の化学的アプローチも報告されている。しかし、どのような条件でもワックスを均一に浮かせることが困難なこと、シートを使用するとコスト及び利便性の面で満足できるものでないことからホルムアルデヒドの放散抑制方法は未だ確立されていない。
シックハウス症候群等の問題が広く認識され、環境汚染問題に対する関心が高まるにつれ、樹脂材料に一層安全性の高いものが求められており、これまでホルムアルデヒドが発生するとされていなかった樹脂材料についても見直しが行われるようになっているが、過酸化物の存在下で硬化可能な不飽和ポリエステル樹脂、ビニルエステル樹脂、ポリエステル(メタ)アクリレート樹脂、ウレタン(メタ)アクリレート樹脂、及び(メタ)アクリレート樹脂等の原料にホルムアルデヒドを使用しないラジカル重合性樹脂から許容濃度を超えるホルムアルデヒドが放散されていることが平成15年春に認識され新たな問題となった。
この原因については、溶剤を兼ねて使用されているスチレン化合物と硬化剤として加えられる過酸化物との反応で空気中の酸素を取り込みホルムアルデヒドが発生することが明らかとなったが、この反応自体については古い文献(J. Am. Chem. Soc., 78, 1017 (1956):非参考文献2)が存在する。そこで、スチレンの替わりにアクリルモノマーを使用した特殊な樹脂組成物を使用することなどが考えられるが、アクリルモノマーでも過酸化物との反応時に空気中の酸素を取り込みホルムアルデヒドが発生することには変わりなく、スチレン系に比べて量が少ないとはいえ、ホルムアルデヒドの放散を許容濃度以下(後術のJIS K 5601-4-1で0.12mg/L以下のレベル)にする技術が緊急の課題として求められている。
特開2002−285125号公報 J. Am. Chem. Software, 7, 2 (2001) J. Am. Chem. Soc., 78, 1017 (1956)
本発明はこうした現状に鑑み、ラジカル重合性樹脂組成物の硬化物から、許容濃度を超えないホルムアルデヒドの放散量に抑制できるホルムアルデヒド非放散性ラジカル重合性樹脂組成物を提供することを目的とする。
本発明者らは、前記問題点を解決すべく有機過酸化物を使用しなくてもすむ硬化方法である光照射法について鋭意研究を重ねた。光照射法については、通常、紫外線が用いられているが、本発明のスチレンを含有するラジカル重合性樹脂組成物の硬化に紫外線を用いた場合には、紫外線が組成物の内部まで到達しないため組成物の表面のみが硬化し内部が十分に硬化しにくい。そこで、本発明者らは樹脂組成物の内部迄透過する可視光線及び近赤外線を含む光を用い、好ましくは可視光線及び近赤外線により重合を開始する開始剤を組み合わせて硬化速度を上げること、及び光硬化で表面にホルムアルデヒドの飛散を抑制する硬化被膜またはパラフィンワックスを浮かせた構造の硬化被膜を形成することにより前記の課題が解決できることを見出し、本発明を完成した。
すなわち、本発明は下記のラジカル重合性樹脂組成物及び/またはラジカル重合性プリプレグ硬化体の製造方法、並びにその方法によるラジカル重合性樹脂組成物及び/またはラジカル重合性プリプレグ硬化体を提供するものである。
1.ラジカル重合性樹脂組成物及び/またはラジカル重合性プリプレグを、光照射して硬化することを特徴とする、ホルムアルデヒドの放散の抑制されたラジカル重合性樹脂組成物及び/またはラジカル重合性プリプレグ硬化体の製造方法。
2.ラジカル重合性樹脂組成物及び/またはラジカル重合性プリプレグが、少なくともビニルエステル樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ポリエステル(メタ)アクリレート樹脂、ウレタン(メタ)アクリレート樹脂及び(メタ)アクリル樹脂から選ばれる一種以上の樹脂(A)、光重合開始剤または光開始剤と有機過酸化物の組み合わせからなる開始剤(B)を含むことを特徴とする前記1に記載の硬化体の製造方法。
3.ラジカル重合性樹脂組成物及び/またはラジカル重合性プリプレグが、ビニルエステル樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ポリエステル(メタ)アクリレート樹脂、ウレタン(メタ)アクリレート樹脂及び(メタ)アクリル樹脂から選ばれる一種以上の樹脂(A)、光重合開始剤または光開始剤と有機過酸化物の組み合わせからなる開始剤(B)、ホルムアルデヒドを非放散物質に変換するホルムアルデヒド捕捉剤(C)を含むことを特徴とする前記1に記載の硬化体の製造方法。
4.光重合開始剤(B)が、可視線及び/または近赤外線の照射により重合を開始するものである前記2または3に記載の硬化体の製造方法。
5.光重合開始剤(B)がアシルホスフィンオキサイド系化合物である前記4に記載の硬化体の製造方法。
6.ホルムアルデヒドを非放散物質に変換するホルムアルデヒド捕捉剤(C)が下記式(I)で示されるヒドロキシベンゼン化合物、式(II)で示されるキノン系化合物、式(III)で示される環状ケトンまたはジケトン化合物、式(IV)で示されるフラボノイド化合物及び式(V)で示される活性ジケトン化合物から選択される少なくとも1種である前記3に記載の硬化体の製造方法。
一般式(I)
Figure 2005162920
(式中、mは1〜3の整数を表わし、mが2以上の場合m個のR1は同一でも異なっていてもよく、各々水素原子、水酸基、または炭素数1〜4の分岐を有してもよいアルキル基を表わし、m個のR1のうちの少なくとも一つは水酸基である。)、
一般式(II)
Figure 2005162920
(式中、R2〜R5はそれぞれ独立して水素原子または炭素数1〜4の分岐を有してもよいアルキル基、または置換基を有してもよいフェニル基を表わし、R2とR3及びR4とR5は一緒になってベンゼン環を表わしてもよい。)、
一般式(III)
Figure 2005162920
(式中、R6はカルボニル基または炭素数1〜4の分岐を有してもよいアルキル基を表わし、R7及びR8は、それぞれ独立して水素原子または炭素数1〜4の分岐を有してもよいアルキル基を表わす。)、
一般式(IV)
Figure 2005162920
(式中、R9及びR10はそれぞれ独立して水素原子または水酸基を表わし、R11は水酸基または
Figure 2005162920
基を表わし、R12はフェニル基または(3,4−ジヒドロキシ)フェニル基を表わす。)、
一般式(V)
Figure 2005162920
(式中、R13は水素原子または炭素数1〜4の分岐を有してもよいアルキル基を表わし、nは1〜3の整数を表わし、nが1のときZは酸素原子または硫黄原子を表わし、nが2のときZは窒素原子を表わし、nが3のときZは炭素原子を表わし、R14は、nが2または3のときは同一でも異なってもよく、水素原子、炭素数1〜4のアルキル基を表わす、あるいはnが2のときは炭素数4〜6のアルキレン鎖と窒素原子とで5〜7員環の環状構造を表わし、その環状構造を形成するそれぞれの炭素原子は水素原子以外にそれぞれ独立してメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基及びイソプロポキシ基からなる群から選ばれる置換基のいずれかを1つ以上有してもよい。)。
7.少なくとも可視光を含む光を前記1に記載の硬化体の製造方法。
8.照射する光の380〜450nmの波長の強度が300μW/cm2以上である前記7に記載の硬化体の硬化方法。
9.紫外線及び/または可視線の照射により表面にホルムアルデヒドの飛散を抑制する硬化被膜を形成し、内部を常温硬化する前記2または3に記載の硬化体の製造方法。
10.前記2または3に記載のラジカル重合性樹脂組成物に、さらにパラフィンワックスを添加し、紫外線及び/または可視線の照射により表面にパラフィンワックスを浮かせた構造のホルムアルデヒドの飛散を抑制する硬化被膜を形成し、内部を常温硬化する前記2または3に記載の硬化体の製造方法。
11.照射する光の380〜450nmの波長の強度が300μW/cm2〜2000μW/cm2である前記10に記載の硬化体の製造方法。
12.ビニルエステル樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ポリエステル(メタ)アクリレート樹脂、ウレタン(メタ)アクリレート樹脂及び(メタ)アクリル樹脂から選ばれる一種以上の樹脂(A)、光重合開始剤または光開始剤と有機過酸化物の組み合わせからなる開始剤(B)、前記6に記載のヒドロキシベンゼン化合物、キノン系化合物、環状ケトンまたはジケトン化合物、フラボノイド化合物及び活性ジケトン化合物から選ばれる1種以上のホルムアルデヒドを非放散物質に変換するホルムアルデヒド捕捉剤(C)を配合してなることを特徴とするホルムアルデヒドの放散を抑制したラジカル重合性樹脂組成物及び/またはラジカル重合性プリプレグ。
13.前記1乃至11のいずれか一項に記載の硬化体の製造方法で硬化された硬化体。
発明の実施の形態
本発明は、ラジカル重合性樹脂組成物及び/またはラジカル重合性プリプレグに可視光線及び近赤外線を含む光を照射して硬化させるという硬化方法をすることにより、ホルムアルデヒドの放散を抑制し、許容濃度を越えないホルムアルデヒドの放散量にするというものである。使用するラジカル重合性樹脂組成物及び/またはラジカル重合性プリプレグは、スチレンを含有するものまたは含有しないものであり、使用する光は可視線及び/または近赤外線の領域を含む光である。
本発明で使用するラジカル重合性樹脂組成物は、ラジカル重合可能な樹脂に重合開始剤等を混合したものであり、ラジカル重合性プリプレグは、ラジカル重合樹脂組成物と無機及び/または無機質の繊維、フィラーなどからなる組成物である。
まず、使用する樹脂について説明する。使用する樹脂はラジカル重合可能なものであればよく、不飽和ポリエステル樹脂、ビニルエステル樹脂、ポリエステル(メタ)アクリレート樹脂、ウレタン(メタ)アクリレート樹脂、(メタ)アクリル樹脂などの公知のものが使用される。
本発明に使用する不飽和ポリエステル樹脂は、多価アルコールと不飽和多塩基酸(及び必要に応じて飽和多塩基酸)とのエステル化反応による縮合生成物(不飽和ポリエステル)を、重合性モノマーに溶解したもので、「ポリエステル樹脂ハンドブック」(日刊工業新聞社、1988年発行)または「塗料用語辞典」(色材協会編、1993年発行)などに記載されている樹脂である。
不飽和ポリエステル樹脂の原料として用いられる不飽和ポリエステルとしては、公知の方法により製造されたもので良い。具体的にはフタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、テトラヒドロフタル酸、アジピン酸、セバチン酸等の重合性不飽和結合を有していない多塩基酸またはその無水物とフマル酸、マレイン酸、イタコン酸等の重合性不飽和多塩基酸またはその無水物を酸成分とし、これとエチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、1,2−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、2−メチル−1,3−プロパンジオール、2,2−ジメチル−1,3−プロパンジオール、シクロヘキサン−1,4−ジメタノール、ビスフェノールAのエチレンオキサイド付加物、ビスフェノールAのプロピレンオキサイド付加物等の多価アルコールをアルコール成分として反応させて製造されるものである。
末端カルボキシルポリエステルに用いる不飽和ジカルボン酸としては、活性不飽和基を有していないジカルボン酸、例えばフタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、テトラヒドロフタル酸、アジピン酸、セバチン酸等が挙げられる。不飽和ジカルボン酸としては、活性不飽和基を有しているジカルボン酸、例えばフマル酸、マレイン酸、無水マレイン酸、イタコン酸等が挙げられる。多価アルコール成分としては、例えばエチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、1,2−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、2−メチル−1,3−プロパンジオール、2,2−ジメチル−1,3−プロパンジオール、シクロヘキサン−1,4−ジメタノール、ビスフェノールAのエチレンオキサイド付加物、ビスフェノールAのプロピレンオキサイド付加物等の多価アルコールが挙げられる。
本発明に使用されるポリエステル(メタ)アクリレートとは、(1)飽和多塩基酸及び/または不飽和多塩基酸と多価アルコールから得られる末端カルボキシル基のポリエステルにα,β−不飽和カルボン酸エステル基を含有するエポキシ化合物を反応して得られる(メタ)アクリレート、(2)飽和多塩基酸及び/または不飽和多塩基酸と多価アルコールから得られる末端カルボキシル基のポリエステルに水酸基含有アクリレートを反応させて得られる(メタ)アクリレート、(3)飽和多塩基酸及び/または不飽和多塩基酸と多価アルコールから得られる末端水酸基のポリエステルに(メタ)アクリル酸を反応して得られる(メタ)アクリレートである。
ポリエステル(メタ)アクリレートの原料として用いられる飽和多塩基酸としては、例えばフタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、テトラヒドロフタル酸、アジピン酸、セバチン酸等の重合性不飽和結合を有していない多塩基酸またはその無水物とフマル酸、マレイン酸、イタコン酸等の重合性不飽和多塩基酸またはその無水物が挙げられる。さらに多価アルコール成分としては、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、1,2−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、2−メチル−1,3−プロパンジオール、2,2−ジメチル−1,3−プロパンジオール、シクロヘキサン−1,4−ジメタノール、ビスフェノールAのエチレンオキサイド付加物、ビスフェノールAのプロピレンオキサイド付加物等が挙げられる。
ポリエステル(メタ)アクリレートの製造に用いるエポキシ基を有するα、β−不飽和カルボン酸エステルとしては、グリシジルメタクリレートが代表例として挙げられる。
ビニルエステル樹脂は、エポキシアクリレート樹脂とも呼ばれ、一般にグリシジル基(エポキシ基)を有する化合物と、アクリル酸などの重合性不飽和結合を有するカルボキシル化合物のカルボキシル基との開環反応により生成する重合性不飽和結合を持った化合物(ビニルエステル)を、重合性モノマーに溶解したもので、「ポリエステル樹脂ハンドブック」(日刊工業新聞社、1988年発行)または「塗料用語辞典」(色材協会編、1993年発行)などに記載されている樹脂である。
またビニルエステル樹脂(エポキシアクリレート系樹脂)の原料として用いられるビニルエステルとしては、公知の方法により製造されるものであり、エポキシ樹脂に不飽和一塩基酸、例えばアクリル酸またはメタクリル酸を反応させて得られるエポキシ(メタ)アクリレートである。
また、各種エポキシ樹脂をビスフェノール(例えばA型)またはアジピン酸、セバシン酸、ダイマー酸(ハリダイマー270S:ハリマ化成(株))などの二塩基酸で反応させ、かとう性を付与しても良い。
原料としてのエポキシ樹脂としては、ビスフェノールAジグリシジルエーテル及びその高分子量同族体、ノボラック型グリシジルエーテル類等が挙げられる。
本発明に使用されるウレタン(メタ)アクリレートは特に限定されるものではなく、例えばポリイソシアネートとポリヒドロキシ化合物あるいは多価アルコール類とを反応させた後、更に水酸基含有(メタ)アクリル化合物及び必要に応じて水酸基含有アリルエーテル化合物を反応させることによって得ることが出来るラジカル重合性不飽和基含有オリゴマーである。また、水酸基含有(メタ)アクリル化合物とポリヒドロキシ化合物あるいは多価アルコール類とを反応させた後、更にポリイソシアネートを反応させても良い。
上記ウレタン(メタ)アクリレートの原料として用いられるポリイソシアネートとしては、具体的には2,4−トリレンジイソシアネート及びその異性体、ジフェニルメタンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、水添キシリレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、ナフタリンジイソシアネート、トリフェニルメタントリイソシアネート、バノックD−750、クリスボンNK(商品名;大日本インキ化学工業(株)製)、デスモジュールL(商品名;住友バイエルウレタン(株)製)、コロネートL(商品名;日本ポリウレタン工業(株)製)、タケネートD102(商品名;三井武田ケミカル(株)製)、イソネート143L(商品名;三菱化学(株)製)等が挙げられるが、特に限定されるものではない。これらポリイソシアネートは一種類のみを用いても良いし、適宜二種類以上を混合しても良い。
上記ウレタン(メタ)アクリレートの原料に用いられるポリヒドロキシ化合物としては、ポリエステルポリオール、ポリエーテルポリオールなどが挙げられ、具体的にはグリセリン−エチレンオキシド付加物、グリセリン−プロピレンオキシド付加物、グリセリン−テトラヒドロフラン付加物、グリセリン−エチレンオキシド−プロピレンオキシド付加物、トリメチロールプロパン−エチレンオキシド付加物、トリメチロールプロパン−プロピレンオキシド付加物、トリメチロールプロパン−テトラヒドロフラン付加物、トリメチロールプロパン−エチレンオキシド−プロピレンオキシド付加物、ジペンタエスリトール−エチレンオキシド付加物、ジペンタエスリトール−プロピレンオキシド付加物、ジペンタエスリトール−テトラヒドロフラン付加物、ジペンタエスリトール−エチレンオキシド−プロピレンオキシド付加物等が挙げられるが、特に限定されるものではない。これらポリヒドロキシ化合物は、一種類のみを用いてもよいし、適宜二種類以上を混合して用いてもよい。
上記ウレタン(メタ)アクリレートの原料として用いられる多価アルコール類としては、具体的には、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、2−メチル−1,3プロパンジオール、1,3−ブタンジオール、ビスフェノールAとプロピレンオキシドまたはエチレンオキシドとの付加物、1,2,3,4−テトラヒドロキシブタン、グリセリン、トリメチロールプロパン、1,3−ブタンジオール、1,2−シクロヘキサングリコール、1,3−シクロヘキサングリコール、1,4−シクロヘキサングリコール、パラキシレングリコール、ビシクロヘキシル−4,4−ジオール、2,6−デカリングリコール、2,7−デカリングリコール等が挙げられるが、特に限定されるものではない。これら多価アルコール類は、一種類のみを用いても良いし、適宜二種類以上を混合して用いても良い。
上記ウレタン(メタ)アクリレートの原料として用いられる水酸基含有(メタ)アクリル化合物としては、特に限定されるものではないが、水酸基含有(メタ)アクリル酸エステルが好ましく、具体的には、例えば、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、トリス(ヒドロキシエチル)イソシアヌルサンノジ(メタ)アクリレート、ペンタエスリトールトリ(メタ)アクリレート等が挙げられる。これら水酸基含有(メタ)アクリル化合物は、一種類のみを用いても良いし、適宜二種類以上を混合しても良い。
上記ウレタン(メタ)アクリレートの原料として必要に応じて用いられる水酸基含有アリル化合物としては、具体的には、例えば、エチレングリコールモノアリルエーテル、ジエチレングリコールモノアリルエーテル、トリエチレングリコールモノアリルエーテル、ポリエチレングリコールモノアリルエーテル、プロピレングリコールモノアリルエーテル、ジプロピレングリコールモノアリルエーテル、トリプロピレングリコールモノアリルエーテル、ポリプロピレングリコールモノアリルエーテル、1,2−ブチレングリコールモノアリルエーテル、1,3−ブチレングリコールモノアリルエーテル、ヘキシレングリコールモノアリルエーテル、オクチレングリコールモノアリルエーテル、トリメチロールプロパンジアリルエーテル、グリセリンジアリルエーテル、ペンタエスリトールトリアリルエーテル等が挙げられるが、特に限定されるものではない。これら水酸基含有アリルエーテル化合物は、一種類のみを用いても良いし、適宜二種類以上を混合して用いても良い。
本発明において使用される不飽和ポリエステル樹脂、ポリエステル(メタ)アクリレート樹脂、ビニルエステル樹脂、ウレタン(メタ)アクリレート樹脂は、通常、前記の不飽和ポリエステル、ポリエステル(メタ)アクリレート、ビニルエステル、ウレタン(メタ)アクリレートに重合性モノマーを配合したものであるが、本発明では、スチレンや(メタ)アクリルモノマー等のモノマー類を使用した樹脂を使用する。本発明の樹脂等に配合されるモノマーは樹脂の粘度を下げ、硬度、強度、耐薬品性、耐水性等を向上させるために重要であり、不飽和ポリエステル樹脂、ポリエステル(メタ)アクリレート樹脂、ビニルエステル樹脂、ウレタン(メタ)アクリレート樹脂100質量部に対して10〜250質量部、好ましくは20〜100質量部を使用する。
本発明に使用される(メタ)アクリル樹脂とは、MMA樹脂、アクリルシラップとも呼ばれる(メタ)アクリル酸エステル系の重合体を(メタ)アクリル酸エステルモノマーに溶解したものである。(メタ)アクリル酸エステルモノマーとしては、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸n−プロピル、(メタ)アクリル酸イソプロピル、(メタ)アクリル酸n−ブチル、(メタ)アクリル酸iso−ブチル、(メタ)アクリル酸tert−ブチル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸ラウリル、(メタ)アクリル酸ステアリル等の(メタ)アクリル酸エステル類が挙げられ、(メタ)アクリル酸エステル類の1種または2種以上が用いられる。(メタ)アクリル酸エステル系の重合体は、(メタ)アクリル酸エステル類の1種または2種以上の重合体または共重合体である。(メタ)アクリル樹脂中のアクリル酸エステル系の重合体の比率は5〜80質量%である。
(メタ)アクリル樹脂の具体例としては、(株)菱晃の低臭用アクリトーンフロアーXD−9020などがある。
本発明で用いる、不飽和ポリエステル樹脂、ポリエステル(メタ)アクリレート樹脂、ビニルエステル樹脂、ウレタン(メタ)アクリレート樹脂、(メタ)アクリル樹脂に使用するラジカル重合性の希釈モノマーとしては、スチレンモノマーや(メタ)アクリル基を有するラジカル重合性不飽和単量体を配合したものである。スチレンモノマー以外のラジカル重合性不飽和単量体の具体例としては、スチレンのα−,o−,m−,p−アルキル,ニトロ,シアノ,アミド,エステル誘導体、クロルスチレン、ビニルトルエン、ジビニルベンゼンなどのスチレン系モノマー、ブタジエン、2,3−ジメチルブタジエン、イソプレン、クロロプレンなどのジエン類や(メタ)アクリル系モノマーを使用する。(メタ)アクリル系モノマーの具体例としては、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、イソデシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、トリデシル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、フルフリル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−アクリロイロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−メタクリロイロキシエチル2−ヒドロキシプロピルフタレート、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレート、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、1,9−ノナンジオールジ(メタ)アクリレート、1,10−デカンジオールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、グリセリンジ(メタ)アクリレート、メトキシトリエチレングリコール(メタ)アクリレート、ブトキシエチル(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、トリフルオロエチル(メタ)アクリレート、パーフロロオクチルエチル(メタ)アクリレート、アリル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニルオキシエチル(メタ)アクリレート等が挙げられるがこれに限らず使用できる。また、これらは単独または組み合わせて使用しても良い。
本発明の樹脂組成物の硬化には重合開始剤として主として光重合開始剤を使用する。光重合開始剤は、組成物への透過性のよい可視光線及び/または近赤外線に感光性を有するものを必須成分とするもの、一般に紫外〜可視光線に感光性を有するものを用いる。
紫外線重合開始剤としては、アセトフェノン系、ベンジルケタール系、(ビス)アシルホスフィンオキサイド系をはじめとする公知の重合開始剤を使用することができるが、光透過性を高めるために比較的長波長、好ましくは300nm以上の波長域に感光性を有する(ビス)アシルホスフィンオキサイド系等の紫外線重合開始剤を使用することが好ましい。
可視光領域に感光性を有する可視光重合開始剤としては、例えば山岡等、「表面」、27(7)、548(1989)、佐藤等、「第3回ポリマー材料フォーラム要旨集」、IBP18(1994)に記載の、カンファーキノン、ベンジルトリメチルベンゾイルジフェニルフォスフィンオキサイド、メチルチオキサントン、ジシクロペンタジエニルチタニウムージ(ペンタフルオロフェニル)等の単独の可視光重合開始剤の他、有機過酸化物/色素系、ジフェニルヨードニウム塩/色素、イミダゾール/ケト化合物、ヘキサアリールビイミダゾール化合物/水素供与性化合物、メルカプトベンゾチアゾール/チオピリリウム塩、金属アレーン/シアニン色素など特公昭45―37377号公報に記載のヘキサアリールビイミダゾール/ラジカル発生剤等の公知の複合開始剤系などを挙げることができる。
また、紫外光から可視光領域まで感光性を有する開始剤として、アシルホスフィンオキサイド化合物が有効である。その具体例としては、ビス(2,6−ジクロルベンゾイル)−フェニルホスフィンオキサイド、ビス(2,6−ジクロルベンゾイル)−2,5−ジメチルフェニルホスフィンオキサイド、ビス(2,6−ジクロルベンゾイル)−4−エトキシフェニルホスフィンオキサイド、ビス(2,6−ジクロルベンゾイル)−4−ビフェニルホスフィンオキサイド、ビス(2,6−ジクロルベンゾイル)−4−プロピルフェニルホスフィンオキサイド、ビス(2,6−ジクロルベンゾイル)−2−ナフチルホスフィンオキサイド、ビス(2,6−ジクロルベンゾイル)−1−ナフチルホスフィンオキサイド、ビス(2,6−ジクロルベンゾイル)−4−クロルフェニルホスフィンオキサイド、ビス(2,6−ジクロルベンゾイル)−2,2−ジメトキシフェニルホスフィンオキサイド、ビス(2,6−ジクロルベンゾイル)−ドデシルホスフィンオキサイド、ビス(2,6−ジクロルベンゾイル)−4−オクチルフェニルホスフィンオキサイド、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−2,5−ジメチルフェニルホスフィンオキサイド、ビス(2,6−ジクロル−3,4,5−トリメトキシベンゾイル)−2,5−ジメチルフェニルホスフィンオキサイド、ビス(2,6−ジクロル−3,4,5−トリメトキシベンゾイル)−4−エトキシフェニルホスフィンオキサイド、ビス(2−メチル−1−ナフトイル)−2,5−フェニルホスフィンオキサイド、ビス(2−メチル−1−ナフトイル)−4−ビフェニルホスフィンオキサイド、ビス(2−メチル−1−ナフトイル)−4−エトキシビフェニルホスフィンオキサイド、ビス(2−メチル−1−ナフトイル)−2−ナフチルホスフィンオキサイド、ビス(2−メチル−1−ナフトイル)−4−プロピルフェニルホスフィンオキサイド、ビス(2−メチル−1−ナフトイル)−2,5−ジメチルフェニルホスフィンオキサイド、ビス(2−メチル−1−ナフトイル)−4−メトキシフェニルホスフィンオキサイド、ビス(2,6−ジメトキシベンゾイル)−2,4,4−トリメチルペンチルホスフィンオキサイド、2,4,6−トリメチルベンゾイル−ジフェニルホスフィンオキサイド、2,6−ジフェニルベンゾイル−ジフェニルホスフィンオキサイド、2,6−ジメトキシベンゾイル−ジフェニルホスフィンオキサイド、2,3,5,6−テトラメチルベンゾイル−ジフェニルホスフィンオキサイド、2,6−ジクロルベンゾイル−ジフェニルホスフィンオキサイド、2,3,6−トリメチルベンゾイル−ジフェニルホスフィンオキサイド、2−フェニル−6−メチルベンゾイル−ジフェニルホスフィンオキサイド、2,6−ジブロムベンゾイル−ジフェニルホスフィンオキサイド、2,8−ジメチルナフタリン−1−カルボニル−ジフェニルホスフィンオキサイド、1,3−ジメトキシナフタリン−2−カルボニル−ジフェニルホスフィンオキサイド、2,4,6−トリメチルベンゾイル−フェニルホスフィン酸メチルエステル、2,6−ジメチルベンゾイル−フェニルホスフィン酸メチルエステル、2,6−ジクロルベンゾイル−フェニルホスフィン酸メチルエステル、等を挙げることができる。
具体的には、例えば2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン(商品名:Darocur1173、チバスペシャルティーケミカルズ(株)製)とビス(2,6−ジメトキシベンゾイル)−2,4,4−トリメチルペンチルホスフィンオキサイド(チバスペシャルティーケミカルズ(株)製)を75%/25%の割合で混合された商品名イルガキュア−1700(チバスペシャルティーケミカルズ(株)製)、1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニルーケトン(商品名:イルガキュアー184、チバスペシャルティーケミカルズ(株)製)とビス(2,6−ジメトキシベンゾイル)−2,4,4−トリメチルペンチルホスフィンオキサイド(チバスペシャルティーケミカルズ(株)製)を75%/25%の割合で混合された商品名イルガキュアー1800(チバスペシャルティーケミカルズ(株)製)、50%/50%の割合で混合された商品名イルガキュアー1850(チバスペシャルティーケミカルズ(株)製)、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルホスフィンオキサイド(商品名:イルガキュアー819、チバスペシャルティーケミカルズ(株)製)、2,4,6−トリメチルベンゾイル−ジフェニルホスフィンオキサイド(商品名Lucirin TPO、BASF(株)製)、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン(商品名:Darocur1173、チバスペシャルティーケミカルズ(株)製)と2,4,6−トリメチルベンゾイル−ジフェニルホスフィンオキサイド(商品名Lucirin TPO、BASF(株)製)を50%/50%の割合で混合された商品名Darocur4265などがある。可視光開始剤としては380nm〜780nmの波長域に感光性を有する光重合開始剤であればよく、それらを組み合わせて使用してもよい。
また、500nm以上の波長の可視光あるいは近赤外光領域に感光性を有する光重合開始剤としては、一般式(1)
Figure 2005162920
(式中、D+は可視光あるいは近赤外光領域に感光性を有するメチン、ポリメチン、シアニン、キサンテン、オキサジン、チアジン、アリールメタン、ピリリウム系色素陽イオンであり、A-は各種陰イオンを表わす。)で示される陽イオン染料と、一般式(2)
Figure 2005162920
(式中、Z+は任意の陽イオンを表わし、R15,R16,R17及びR18はそれぞれ独立してアルキル基、アリール基、アシル基、アラルキル基、アルケニル基、アルキニル基、シリル基、複素環基、ハロゲン原子、置換アルキル基、置換アリール基、置換アシル基、置換アラルキル基、置換アルケニル基、置換アルキニル基、置換シリル基または置換複素環基を表わす。)で示されるホウ素系化合物を組み合わせた光重合開始剤が好ましい。
上記陽イオン染料とホウ素系化合物との組み合わせの例は、特開平3−111402号公報、特開平3−179003号公報、特開平4−146905号公報、特開平4−261405号公報、特開平4−261406号公報、特開平5−194619号公報などに詳細な記載がある。陽イオン染料の「D+」の具体例を表1及び表2に示す。これらの陽イオン染料の中でも好ましくはシアニン系、スチリル系陽イオン染料及びトリアリールメタン系染料が使用される。シアニン系、スチリル系陽イオン染料は、一般に有機ホウ素系化合物との電子授受が起こりやすいので本発明の反応を容易に起こしやすいなどの点で好ましい。
Figure 2005162920
Figure 2005162920
Figure 2005162920
Figure 2005162920
本発明の有機ホウ素化合物と近赤外光あるいは可視光吸収性陽イオン染料化合物との組成比は、質量で1/5〜1/0.05、好ましくは1/1〜1/0.1である。色素の消色反応及びラジカル発生効率の観点から、一般には有機ホウ素化合物を陽イオン染料よりも多く用いることが好ましい。
光重合開始剤の使用量は、樹脂等100質量部に対して0.01〜15質量部、好ましくは0.05〜10質量部である。光重合開始剤の使用量が0.01質量部未満では重合が不十分になり易く、また15質量部を越える量では硬化物の強度が不足する。
本発明では熱重合開始剤である有機過酸化物を使用してもよい。
使用される有機過酸化物触媒としては、公知のケトンパーオキサイド、パーオキシケタール、ハイドロパーオキサイド、ジアリルパーオキサイド、ジアシルパーオキサイド、パーオキシエステル、パーオキシジカーボネートに分類されるものであり、またアゾ化合物も有効である。具体例としては、例えばベンゾイルパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド、ジイソプロピルパーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオキサイド、t−ブチルパーオキシベンゾエート、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、2,5−ジメチル−2,5ービス(t−ブチルパーオキシ)ヘキシン−3,3−イソプロピルヒドロパーオキサイド、t−ブチルヒドロパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド、ジクミルヒドロパーオキサイド、アセチルパーオキサイド、ビス(4−t−ブチルシクロヘキシル)パーオキシジカーボネート、ジイソプロピルパーオキシジカーボネート、イソブチルパーオキサイド、3,3,5−トリメチルヘキサノイルパーオキサイド、ラウリルパーオキサイド、アゾビスイソブチロニトリル、アゾビスカルボンアミドなどが使用できる。保存安定性が良好なジクミルパーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオキサイド、t−ブチルハイドロパーオキサイドなどは特に有効である。
また、常温硬化系としては、公知であるケトンパーオキサイドと還元剤の組み合わせ、ハイドロパーオキサイドと還元剤の組み合わせ、ジアシルパーオキサイドと還元剤の組み合わせが挙げられ、還元剤としての具体例としては、ナフテン酸コバルト、オクチル酸コバルト等のコバルト塩、五酸化バナジウム等のバナジウム化合物、ジメチルアニリン等のアミン類等が挙げられる。中でもポットライフ等の点でパーオキシエステルとコバルト塩の組み合わせが特に有効である。
有機過酸化物触媒の添加量は、ラジカル重合組成物の種類等によるので一律に規定できないが、一般的に樹脂100質量部に対して0.1〜7質量部、好ましくは0.5〜5質量部である。重合開始剤の添加量がこれより少なすぎる場合は、十分に硬化ができず、また重合開始剤の添加量がこの比率よりも多すぎる場合は、経済的に不利な上、硬化物の物性低下などが起こる。
また、本発明のラジカル重合性樹脂組成物には、ホルムアルデヒド捕捉剤を使用することも有効である。ホルムアルデヒド捕捉剤としては、一般式(I)で示されるヒドロキシベンゼン化合物、一般(II)で示されるキノン系化合物、一般(III)で示される環状ケトンまたはジケトン化合物、一般(IV)で示されるフラボノイド化合物、一般(V)で示される活性ジケトン化合物で示される化合物が挙げられる。
一般式(I)
Figure 2005162920
(式中、mは1〜3の整数を表わし、mが2以上の場合m個のR1は同一でも異なっていてもよく、各々水素原子、水酸基、または炭素数1〜4の分岐を有してもよいアルキル基を表わし、m個のR1のうちの少なくとも一つは水酸基である。)、
一般式(II)
Figure 2005162920
(式中、R2〜R5はそれぞれ独立して水素原子または炭素数1〜4の分岐を有してもよいアルキル基、または置換基を有してもよいフェニル基を表わし、R2とR3及びR4とR5は一緒になってベンゼン環を表わしてもよい。)、
一般式(III)
Figure 2005162920
(式中、R6はカルボニル基または炭素数1〜4の分岐を有してもよいアルキル基を表わし、R7及びR8は、それぞれ独立して水素原子または炭素数1〜4の分岐を有してもよいアルキル基を表わす。)、
一般式(IV)
Figure 2005162920
(式中、R9及びR10はそれぞれ独立して水素原子または水酸基を表わし、R11は水酸基または
Figure 2005162920
基を表わし、R12はフェニル基または(3,4−ジヒドロキシ)フェニル基を表わす。)、
一般式(V)
Figure 2005162920
(式中、R13は水素原子または炭素数1〜4の分岐を有してもよいアルキル基を表わし、nは1〜3の整数を表わし、nが1のときZは酸素原子または硫黄原子を表わし、nが2のときZは窒素原子を表わし、nが3のときZは炭素原子を表わし、R14は、nが2または3のときは同一でも異なってもよく、水素原子、炭素数1〜4のアルキル基を表わす、あるいはnが2のときは炭素数4〜6のアルキレン鎖と窒素原子とで5〜7員環の環状構造を表わし、その環状構造を形成するそれぞれの炭素原子は水素原子以外にそれぞれ独立してメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基及びイソプロポキシ基からなる群から選ばれる置換基のいずれかを1つ以上有してもよい。)。
一般式(I)で示される化合物の具体例としては、フェノール、クレゾール、エチルフェノール、3,5−ジメチルフェノール、トリメチルフェノール、ジイソプロピル−m−クレゾール、ジヒドロキシベンゼン、2,6−ジヒドロキシトルエン、トリヒドロキシベンゼン等が挙げられ、これらから選ばれる1種もしくは2種以上が使用できる。これらの中でもジヒドロキシベンゼン、2,6−ジヒドロキシベンゼン、トリヒドロキシベンゼンが好ましい。
一般式(II)で示される化合物の具体例としては、p−ベンゾキノン、メチル−p−ベンゾキノン、トリメチル−p−ベンゾキノン、2−tert−ブチル−p−ベンゾキノン、フェニルベンゾキノン、2,5−ジフェニル−p−ベンゾキノン、2−(p−メチルフェニル)−1,4−ベンゾキノン、1,4−ナフトキノン、2−メチル−1,4−ナフトキノン、ヒドロキシ−1,4−ナフトキノン、ジヒドロキシ−1,4−ナフトキノン、2−メトキシ−1,4−ナフトキノン、アントラキノン、2,2’−ジメチル−1,1’−ジアントラキノニル、1−ヒドロキシアントラキノン、ジヒドロキシアントラキノン、トリヒドロキシアントラキノン、ジメトキシアントラキノン等が挙げられ、これらから選ばれた1種以上もしくは2種以上が使用できる。これらの中でも、1,4−ナフトキノン、2−メチル−1,4−ナフトキノン、ヒドロキシ−1,4−ナフトキノン、2−メトキシ−1,4−ナフトキノンが好ましい。
一般式(III)で示される化合物の具体例としては、シクロヘキサン−1,4−ジオン、5,5−ジメチル−1,3−シクロヘキサンジオン、3,3,5−トリメチルヘキサノンなどが挙げられ、これらから選ばれた1種以上もしくは2種以上が使用できる。これらの中でも、5,5−ジメチル−1,3−シクロヘキサンジオンが好ましい。
一般式(IV)で示される化合物の具体例としては、3−ヒドロキシフラバン、3,5,7,3’4’−ペンタヒドロキシフラバン、3−ガロイルカテキン等が挙げられ、これらから選ばれた1種以上もしくは2種以上が使用できる。これらの中でも、3−ヒドロキシフラバンが好ましい。
一般式(V)で示される化合物の具体例としては、2−((2−メチル−1−オキソ−2−プロペニール)オキシ)エチル−オキソブタネート、アセチルブチロラクトン、プロピオニルアセトン、N−ピロリジノアセトアセタミド、N−モノホリノアセトアセタミド等が挙げられ、これらから選ばれる1種もしくは2種以上が使用できる。中でも2−((2−メチル−1−オキソ−2−プロペニール)オキシ)エチル−オキソブタネートが好ましい。
一般式(I)〜(V)で示される化合物の添加量としては、樹脂100質量部に対して、0.1〜10質量部であり、好ましくは0.5〜3質量部である。これらの化合物の添加量が0.1質量部以下の場合、ホルムアルデヒドの捕捉効果が十分に得られないため好ましくない。また、これらの化合物の添加量が10質量部以上の場合は、硬化性の遅延が起こり、十分な硬化度の硬化物が得られないため好ましくない。
本発明の樹脂組成物では、ワックス類を併用することもホルムアルデヒドの放散抑制には有効である。使用するワックスは公知のものが使用でき、例えば石油ワックス(パラフィンワックス、マイクロクリスタリンなど)、植物系ワックス(キャンデリラワックス、ライスワックス、木蝋など)、動物系ワックス(蜜蝋、鯨蝋など)、鉱物系ワックス(モンタンワックスなど)、合成ワックス(ポリエチレンワックス、アミドワックスなど)等を使用できる。また、BYK−S−750、BYK−S−740、BYK−LP−S6665(ビックケミー(株)製)などの特殊ワックス等も使用してもよい。これらは単独で使用しても良く、また組み合わせて使用しても良い。添加量は、通常、樹脂100質量部に対して0.05〜5.0質量部である。
従来の常温硬化でワックスを浮かせようとする場合、温度の違いなどで硬化のタイミングが変わるとワックスが均一に浮かないといった問題点があったが、決まった照度の光を照射することで常にワックスを均一に浮かせることが出来るようになった。本発明では紫外線及び/または可視線を照射するが、ワックスを十分に浮かせるためには比較的低照度の光であることが望ましい。例えば380〜450nmの照度では、380〜450nmの波長の強度が300μW/cm2〜2000μW/cm2程度の照度が望ましい。照度が300μW/cm2より低いと硬化が遅く、ホルムアルデヒドの発生量が多くなり、照度が2000μW/cm2より大きいとワックスが浮かないことがある。
次にラジカル重合性プリプレグについて説明する。ラジカル重合性プリプレグとは、ラジカル重合性樹脂組成物と無機及び/または有機質の繊維、フィラー等からなる組成物である。ラジカル重合性樹脂組成物またはラジカル重合性樹脂組成物及びフィラーからなる組成物を、無機及び/または有機質の繊維に含浸後、何らかの反応で増粘または半硬化状態にさせたものが望ましい。または、常温で固体のラジカル重合性樹脂組成物を繊維等に含浸後冷却したものでもよいが、繊維等に含浸後、何らかの反応で増粘または半硬化状態にさせたものが一般的である。増粘や半固形にするための反応としては、不飽和ポリエステル樹脂では、酸化マグネシウム等による金属増粘、ビニルエステル樹脂であればイソシアネート増粘が最も一般的である。また近赤外線を照射して近赤外線ラジカル重合を一部進めて半硬化する方法や、ポリメチルメタクリレートなどの熱可塑性ポリマーを添加して増粘させる方法でもよく、特に近赤外線を照射して近赤外線ラジカル重合を一部進めて半硬化する方法は有効である。詳しくは特開平10−067865に詳細な記述がある。
本発明で使用されるラジカル重合性樹脂に使用される無機及び/または有機繊維は、例えばガラス繊維、炭素繊維、アラミド繊維、ポリエチレンテレフタレート繊維、ビニロン繊維、ポリエステル繊維、アミド繊維、金属繊維、セラミック繊維などの公知のものが使用でき、それらのマット、クロス、不織布などの形のものが使用される。
本発明に使用されるフィラーは、無機質フィラー、有機質フィラーまたはポリマーであり、無機質フィラーとしては、例えば水酸化アルミニウム、炭酸カルシウム、タルク、クレー、ガラス粉、シリカ、硫酸バリウム、酸化チタン、セメントなどの公知のものが使用されるが、硬化性プリプレグ組成物に難燃性を付与する場合は、水酸化アルミニウムが有効である。むろん、これらの無機質フィラーを組み合わせて使用することもでき、その使用量は、重合性不飽和化合物100質量部に対して5〜300質量部、好ましくは100〜200質量部である。無機充填材が300質量部より多い場合、粘度が高すぎて作業性が低下し、泡が残りやすく強度が低下する。
さらに本発明では、公知の方法で揺変性を付与してもよく、揺変剤としては、例えばシリカパウダー(エアロジルタイプ)、マイカパウダー、炭酸カルシウムパウダーなどを重合性不飽和化合物100質量部に対して0.1〜50質量部添加する方法などがある。
この他、本発明の組成物に配合できる有機充填材またはポリマーとしては、低収縮剤としても効果のある、例えば公知のポリスチレン、ポリ酢酸ビニル、ポリメチルメタクリレート、ポリエチレン、ポリ塩化ビニリデンマイクロバルーン、ポリアクリロニトリルマイクロバルーン等が使用できる。低収縮剤として使用する場合のその使用量は樹脂100質量部に対して0〜40質量部、好ましくは0〜30質量部である。低収縮剤の使用量が40質量部を越える量では、粘度が高くなりすぎて成形性が低下すると共に、硬化物表面の平滑性、耐熱性が低下する。
本発明において顔料を使用することができる。その種類の制限は特になく、有機顔料及び無機顔料が使用可能である。その時の配合量としては、樹脂100質量部に対し、多くとも20質量部、好ましくは10質量部までの量を使用する。
この他、本発明の組成物に配合できる紫外線吸収剤としてはベンゾフェノン系、サリチル酸エステル系、ベンゾトリアゾール系、ベンゾエート系、シアノアクリレート系などの公知のものを使用することが出来る。具体的には、ベンゾフェノン系として2,4−ジ−ヒドロキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−アセトキシエトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2,2’−ジ−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2,2’−ジ−ヒドロキシ−4,4’−メトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−o−オクトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−i−オクトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−オクタデシルオキシベンゾフェノン、2,2’−ジ−ヒドロキシ−4,4’−ジメトキシ−5,5’−ジスルホベンゾフェノン−ジ−ソジウム、2−ヒドロキシ−4(2−ヒドロキシ−3−メタクリロキシ)プロポキシベンゾフェノン、サリチル酸エステル系としてフェニルサリシレート、p−t−ブチルフェニルサリシレート、p−オクチルフェニルサリシレート、ベンゾトリアゾール系として2(2’−ヒドロキシ−5’−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2(2’−ヒドロキシ−3’,5’−ジ−t−ブチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2(2’−ヒドロキシ−3’−t−ブチル−5’−メチルフェニル)−5−クロルベンゾトリアゾール、2(2’−ヒドロキシ−3’,5’−ジ−t−ブチルフェニル)−5−クロルベンゾトリアゾール、2(2’−ヒドロキシ−3’,5’−ジ−t−アミルフェニル)ベンゾトリアゾール、2(2’−ヒドロキシ−5’−t−ブチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2(2’−ヒドロキシ−5’−t−オクチルフェニル)ベンゾトリアゾール、ベンゾエート系として2’,4’−ジ−t−ブチルフェニル−3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンゾエート、シアノアクリレート系としてエチル−2−シアノ−3,5−ジフェニルアクリレートなどが挙げられる。紫外線吸収剤の使用量は樹脂100質量部に対して0.01〜4質量部、好ましくは0.03〜2質量部である。紫外線吸収剤の使用量が4質量部を越える量では、物性低下を招き、0.01質量部より少ないと紫外線吸収剤としての効果が現れない。
また、これらの紫外線吸収剤に、ラジカル例えばアルキルラジカルや過酸化物ラジカルを捕獲し安定化する公知のヒンダードアミン系の安定剤を併用することもできる。公知のものとしてはヒンダードされたピペリジン環を持った構造のものが一般的である。
また光硬化性プリプレグの場合、光透過可能なフィルムで被覆して使用することが望ましい。硬化時にフィルムで空気を遮断することのより、ラジカル重合時の酸素阻害を無くし硬化度を上げ、ホルムアルデヒドの放散をさらに抑えることができる。
本発明において、紫外光とは280〜380nm、可視光とは380〜780nm、近赤外光とは、780〜1200nmの波長領域の光線を指す。
本発明の硬化に使用される光源としては、光重合開始剤の感光波長域に分光分布を有する光源であれば良く、例えば高圧水銀灯、超高圧水銀灯、水銀灯、蛍光灯、メタルハライドランプ、太陽光、近赤外ランプ、ナトリウムランプ、ハロゲンランプなどを使用することができる。
可視光を使用する場合は、可視光領域に分布の多いランプを使用し、光の強度の目安として380〜450nmの強度が300μW/cm2以上であることが好ましく、1mW/cm2以上の光で速硬化させることが特に好ましい。照度が300μW/cm2より低いと硬化が遅く、ホルムアルデヒドの発生量が多くなる。
以下に本発明で使用する樹脂組成物およびプリプレグの調製例、本発明の実施例および比較例により本発明の内容を詳細に説明するが、本発明は以下の例に限定されるものではない。各例中の「部」、「%」は質量基準を示す。
調製例1:光硬化性ビニルエステル樹脂(VE)
ビニルエステル樹脂(商品名リポキシR−802;昭和高分子(株)製;スチレンモノマー含量43%)100部に、紫外線から可視線まで感光性を有するビスアシルフォスフィンオキサイド系重合開始剤、商品名イルガキュア819(チバスペシャルティーケミカルズ(株)製):1.0部を添加し、紫外線から可視線に感光性を有するスチレン含有光硬化性VE−1を得た。
調製例2:光硬化性不飽和ポリエステル樹脂(UP)
不飽和ポリエステル樹脂(商品名リゴラック1557;昭和高分子(株)製;スチレンモノマー含量36%)100部に、紫外線から可視線まで感光性を有する光重合開始剤(商品名イルガキュア651;チバスペシャルティーケミカルズ(株)製))1.0部を添加し紫外線に感光性を有するスチレン含有光硬化性UP−1を得た。
調製例3 ポリエステルメタクリレート樹脂(PEA)
撹拌機、環流冷却器、温度計、ガス導入管を付した反応装置にジプロピレングリコール1208g(9モル)、イソフタル酸1662g(10モル)を仕込み、窒素雰囲気下で定法に従い220℃で反応を行った。その後冷却し、ハイドロキノンを0.5g添加した系に対し、グリシジルメタクリレート284g(2モル)、トリエチルアミンを5g添加し、130℃で反応させ酸価が10mgKOH/g以下となったところで反応を終了した。冷却し、スチレンを1460g加えポリエステルメタクリレート樹脂(スチレンモノマー含量34%)を得た。
次に、ポリエステルメタクリレート樹脂100部に、光重合開始剤(イルガキュア819)1.0部を添加し、紫外線から可視線に感光性を有するスチレン含有光硬化性PEA−1(スチレンモノマー含量34%)を得た。
調製例4:ウレタンメタクリレート樹脂(UA)
ウレタンメタクリレート樹脂(商品名リポキシFM−1600;昭和高分子(株)製;スチレンモノマー含量35%)100部に、光重合開始剤(イルガキュア651)1.0部を添加し紫外線から可視線に感光性を有するスチレン含有光硬化性UA−1を得た。
調製例5:メタクリル樹脂(MA)
撹拌器、還流冷却管、気体導入管および温度計を備えた3Lの4つ口フラスコに、ライトエステルM(共栄社化学(株)製:メチルメタクリレート)50部、ライトエステルEG(共栄社化学(株)製:エチレングリコールジメタクリレート)20部、ライトエステル2EG(共栄社化学(株)製:ジエチレングリコールジメタクリレート)20部、ダイアナールBR−77(三菱レイヨン(株)製:アクリルポリマー)10部を仕込み、70℃で5時間撹拌し、溶解後冷却しメタクリル樹脂を得た。
次に、メタクリル樹脂:100部に、1,1,5,5−テトラキス(p−ジエチルアミノフェニル)−2,4−ペンタジエニル・トリフェニル−n−ブチルボレート(以下、IRBと略す。)(昭和電工(株)製)、近赤外光吸収性陽イオン染料)とテトラ−n−ブチルアンモニウム・トリフェニル−n−ブチルボレート(以下、P3Bと略す。)(昭和電工(株)製;ホウ素化合物)を質量比で1:5で組み合わせた近赤外線に感光性を有する光重合開始剤:3.0部を添加し、近赤外線に感光性を有するスチレンを含まない硬化性MA−1を得た。
調製例6:プリプレグ
ビニルエステル樹脂(リポキシR−802;昭和高分子(株)製)100部に1,1,5,5−テトラキス(p−ジエチルアミノフェニル)−2,4−ペンタジエニル・トリフェニル−n−ブチルボレート(以下、IRBと略す。)(昭和電工(株)製;近赤外光吸収性陽イオン染料)0.03部とテトラ−n−ブチルアンモニウム・トリフェニル−n−ブチルボレート(以下、P3Bと略す。)(昭和電工(株)製;ホウ素化合物)0.15部を組み合わせたBステージ化用近赤外光重合開始剤、Bステージ化物を本硬化する紫外光から可視光領域まで感光性を有するビスアシルフォスフィンオキサイド系重合開始剤(商品名イルガキュア819)1.0部を添加し光硬化性樹脂組成物を得た。
次に#450チョップドストランドガラスマット1枚に樹脂含有量が70%となるように含浸させたものを透明PETフィルムで被覆して380〜1200nmの波長域を含む光源であるAL−スポットライト(ALF−10)1KW(アールディエス(株)製)に500nm以下カットフィルターであるSC−50(富士フィルム(株)製)を併用して、20cmの距離で照射したところ2分でBステージ化し、その後1分光照射を続けてもBステージ状態は変わらず、光硬化性プリプレグ−1を得た。
調製例7:
光硬化性VE−1(100部)にトリヒドロキシベンゼン(1.0部)を添加してホルムアルデヒド捕捉剤入りのスチレン含有光硬化性VE−2を得た。
調製例8:
光硬化性UP−1(100部)に1,4−ナフトキノン(1.0部)を添加してホルムアルデヒド捕捉剤入りのスチレン含有光硬化性UP−2を得た。
調製例9:
光硬化性PEA−1(100部)に5,5−ジメチル1,3−シクロヘキサジオン(1.0部)を添加してホルムアルデヒド捕捉剤入りのスチレン含有光硬化性PEA−2を得た。
調製例10:
光硬化性UA−1(100部)に5,5−ジメチル1,3−シクロヘキサジオン(1.0部)を添加してホルムアルデヒド捕捉剤入りのスチレン含有光硬化性UA−2を得た。
調製例11:
光硬化性MA−1(100部)に1,4−ナフトキノン(1.0部)を添加してホルムアルデヒド捕捉剤入りのスチレンを含有しない光硬化性MA−2を得た。
実施例1:
調製例1〜5で得た光硬化性VE−1、光硬化性UP−1、光硬化性PEA−1、光硬化性UA−1、光硬化性MA−1及びチョップドストランドマット(150mm×150mm)2枚を使用し、ガラス板(150mm×150mm)上で、夫々ガラスコンテントが30%となるようにチョップドストランドマット2プライ構成で積層し、光硬化性VE−1、光硬化性PEA−1については250Wメタルハライドランプを使用し、照度:5mW/cm2(380〜450nm)の光を10分間照射して光硬化させた。光硬化性UP−1、光硬化性UA−1については、1KW高圧水銀灯を使用して用いて350mJ/cm2の光照射を行い光硬化させた。光硬化性MA−1については、1KWハロゲンランプを使用し照射距離20cmで20分間光照射して光硬化させた。「JIS K 5601-4-1塗料成分試験方法:塗膜からの放散成分分析−ホルムアルデヒド」に準拠して、ホルムアルデヒド放散量の測定を行った結果を表3に示す。
実施例2:
調製例7〜11で得たホルムアルデヒド捕捉剤入りの光硬化性VE−2、光硬化性UP−2、光硬化性PEA−2、光硬化性UA−2、光硬化性MA−2の夫々及びチョップドストランドマット(150mm×150mm)2枚を使用し、ガラス板(150mm×150mm)上で、夫々ガラスコンテントが30%となるようにチョップドストランドマット2プライ構成で積層し、実施例1と同様の条件で光硬化させた。「JIS K 5601-4-1塗料成分試験方法:塗膜からの放散成分分析−ホルムアルデヒド」に準拠して、ホルムアルデヒド放散量の測定を行った結果を表3に示す。
実施例3:
調製例1〜5で得た光硬化性VE−1、光硬化性UP−1、光硬化性PEA−1、光硬化性UA−1、光硬化性MA−1、調製例7〜11で得たホルムアルデヒド捕捉剤入りの光硬化性VE−2、光硬化性UP−2、光硬化性PEA−2、光硬化性UA−2、光硬化性MA−2の夫々100部に、ナフテン酸コバルト:0.5部、ケトンパーオキサイド類を含有する日本油脂(株)製、商品名パーメックN:1.5部を添加した樹脂組成物及びチョップドストランドマット(150mm×150mm)2枚を使用し、ガラス板(150mm×150mm)上で、夫々ガラスコンテントが30%となるようにチョップドストランドマット2プライ構成で積層し、実施例1と同様の条件で光硬化させた。「JIS K 5601-4-1塗料成分試験方法:塗膜からの放散成分分析−ホルムアルデヒド」に準拠して、ホルムアルデヒド放散量の測定を行った結果を表3に示す。
実施例4:
調製例6で得た光硬化性プリプレグ−1(150mm×150mm)2枚を使用し、ガラス板(150mm×150mm)上で、2プライ構成で積層し、250Wメタルハライドランプを使用し、照度:500μmW/cm2(380〜450nm)の光を30分間照射して光硬化させた。「JIS K 5601-4-1塗料成分試験方法:塗膜からの放散成分分析−ホルムアルデヒド」に準拠して、ホルムアルデヒド放散量の測定を行った結果を表3に示す。
実施例5:
調製例1、3で得た光硬化性VE−1、光硬化性PEA−1の夫々及びチョップドストランドマット(150mm×150mm)2枚を使用し、ガラス板(150mm×150mm)上で、夫々ガラスコンテントが30%となるようにチョップドストランドマット2プライ構成で積層し、250Wメタルハライドランプを使用し、照度:350μW/cm2(380〜450nm)の光を40分間照射して光硬化させた。「JIS K 5601-4-1塗料成分試験方法:塗膜からの放散成分分析−ホルムアルデヒド」に準拠して、ホルムアルデヒド放散量の測定を行った結果を表3に示す。
比較例1:
調製例1〜5で得た光硬化性VE−1、光硬化性UP−1、光硬化性PEA−1、光硬化性UA−1、光硬化性MA−1の夫々100部に、ナフテン酸コバルト:0.5部、ケトンパーオキサイド類を含有する日本油脂(株)製、商品名パーメックN:1.5部を添加した樹脂組成物及びチョップドストランドマット(150mm×150mm)2枚を使用し、ガラス板(150mm×150mm)上で、夫々ガラスコンテントが30%となるようにチョップドストランドマット2プライ構成で積層し、暗所で常温硬化させた。「JIS K 5601-4-1塗料成分試験方法:塗膜からの放散成分分析−ホルムアルデヒド」に準拠して、ホルムアルデヒド放散量の測定を行った結果を表3に示す。
Figure 2005162920
実施例7:
調製例1で得た光硬化性VE−1に、メチルエチルケトンパーオキサイド:1.2部、ナフテン酸Co:0.5部を添加し、チョップドストランドマット(150mm×150mm)2枚を使用し、ガラス板(150mm×150mm)上で、ガラスコンテントが30%となるようにチョップドストランドマット2プライ構成で積層し、250Wメタルハライドランプを使用し、照度:500μW/cm2(380〜450nm)の光を20分間照射したところ、表面のみ硬化させた。
表面のみ硬化後、暗所で24時間放置し内部は常温硬化させた。「JIS K 5601-4-1塗料成分試験方法:塗膜からの放散成分分析−ホルムアルデヒド」に準拠して、ホルムアルデヒド放散量を測定した結果、ホルムアルデヒド放散量は、0.11mg/Lであった。
実施例8:
調製例1で得た光硬化性VE−1に、融点125°Fのパラフィンワックス:0.1部、メチルエチルケトンパーオキサイド:1.2部、ナフテン酸Co:0.5部を添加し、チョップドストランドマット(150mm×150mm)2枚を使用し、ガラス板(150mm×150mm)上で、ガラスコンテントが30%となるようにチョップドストランドマット2プライ構成で積層し、250Wメタルハライドランプを使用し、照度:500μW/cm2(380〜450nm)の光を15分間照射したところ、表面にパラフィンワックスが浮き、表面のみ硬化させた。
表面のみ硬化後、暗所で24時間放置し内部は常温硬化させた。「JIS K 5601-4-1塗料成分試験方法:塗膜からの放散成分分析−ホルムアルデヒド」に準拠して、ホルムアルデヒド放散量を測定した結果、ホルムアルデヒド放散量は、0.06mg/Lであった。
本発明によれば、建材、内装材、土木等に用いられるスチレンを含有しないラジカル重合性樹脂組成物の硬化時のホルムアルデヒド放散量を容易に許容量以下に抑制することができる。

Claims (13)

  1. ラジカル重合性樹脂組成物及び/またはラジカル重合性プリプレグを、光照射して硬化することを特徴とする、ホルムアルデヒドの放散の抑制されたラジカル重合性樹脂組成物及び/またはラジカル重合性プリプレグ硬化体の製造方法。
  2. ラジカル重合性樹脂組成物及び/またはラジカル重合性プリプレグが、少なくともビニルエステル樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ポリエステル(メタ)アクリレート樹脂、ウレタン(メタ)アクリレート樹脂及び(メタ)アクリル樹脂から選ばれる一種以上の樹脂(A)、光重合開始剤または光開始剤と有機過酸化物の組み合わせからなる開始剤(B)を含むことを特徴とする請求項1に記載の硬化体の製造方法。
  3. ラジカル重合性樹脂組成物及び/またはラジカル重合性プリプレグが、ビニルエステル樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ポリエステル(メタ)アクリレート樹脂、ウレタン(メタ)アクリレート樹脂及び(メタ)アクリル樹脂から選ばれる一種以上の樹脂(A)、光重合開始剤または光開始剤と有機過酸化物の組み合わせからなる開始剤(B)、ホルムアルデヒドを非放散物質に変換するホルムアルデヒド捕捉剤(C)を含むことを特徴とする請求項1に記載の硬化体の製造方法。
  4. 光重合開始剤(B)が、可視線及び/または近赤外線の照射により重合を開始するものである請求項2または3に記載の硬化体の製造方法。
  5. 光重合開始剤(B)がアシルホスフィンオキサイド系化合物である請求項4に記載の硬化体の製造方法。
  6. ホルムアルデヒドを非放散物質に変換するホルムアルデヒド捕捉剤(C)が下記式(I)で示されるヒドロキシベンゼン化合物、式(II)で示されるキノン系化合物、式(III)で示される環状ケトンまたはジケトン化合物、式(IV)で示されるフラボノイド化合物及び式(V)で示される活性ジケトン化合物から選択される少なくとも1種である請求項3に記載の硬化体の製造方法。
    一般式(I)
    Figure 2005162920
    (式中、mは1〜3の整数を表わし、mが2以上の場合m個のR1は同一でも異なっていてもよく、各々水素原子、水酸基、または炭素数1〜4の分岐を有してもよいアルキル基を表わし、m個のR1のうちの少なくとも一つは水酸基である。)、
    一般式(II)
    Figure 2005162920
    (式中、R2〜R5はそれぞれ独立して水素原子または炭素数1〜4の分岐を有してもよいアルキル基、または置換基を有してもよいフェニル基を表わし、R2とR3及びR4とR5は一緒になってベンゼン環を表わしてもよい。)、
    一般式(III)
    Figure 2005162920
    (式中、R6はカルボニル基または炭素数1〜4の分岐を有してもよいアルキル基を表わし、R7及びR8は、それぞれ独立して水素原子または炭素数1〜4の分岐を有してもよいアルキル基を表わす。)、
    一般式(IV)
    Figure 2005162920
    (式中、R9及びR10はそれぞれ独立して水素原子または水酸基を表わし、R11は水酸基または
    Figure 2005162920
    基を表わし、R12はフェニル基または(3,4−ジヒドロキシ)フェニル基を表わす。)、
    一般式(V)
    Figure 2005162920
    (式中、R13は水素原子または炭素数1〜4の分岐を有してもよいアルキル基を表わし、nは1〜3の整数を表わし、nが1のときZは酸素原子または硫黄原子を表わし、nが2のときZは窒素原子を表わし、nが3のときZは炭素原子を表わし、R14は、nが2または3のときは同一でも異なってもよく、水素原子、炭素数1〜4のアルキル基を表わす、あるいはnが2のときは炭素数4〜6のアルキレン鎖と窒素原子とで5〜7員環の環状構造を表わし、その環状構造を形成するそれぞれの炭素原子は水素原子以外にそれぞれ独立してメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基及びイソプロポキシ基からなる群から選ばれる置換基のいずれかを1つ以上有してもよい。)。
  7. 少なくとも可視光を含む光を請求項1に記載の硬化体の製造方法。
  8. 照射する光の380〜450nmの波長の強度が300μW/cm2以上である請求項7に記載の硬化体の硬化方法。
  9. 紫外線及び/または可視線の照射により表面にホルムアルデヒドの飛散を抑制する硬化被膜を形成し、内部を常温硬化する請求項2または3に記載の硬化体の製造方法。
  10. 請求項2または3に記載のラジカル重合性樹脂組成物に、さらにパラフィンワックスを添加し、紫外線及び/または可視線の照射により表面にパラフィンワックスを浮かせた構造のホルムアルデヒドの飛散を抑制する硬化被膜を形成し、内部を常温硬化する請求項2または3に記載の硬化体の製造方法。
  11. 照射する光の380〜450nmの波長の強度が300μW/cm2〜2000μW/cm2である請求項10に記載の硬化体の製造方法。
  12. ビニルエステル樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ポリエステル(メタ)アクリレート樹脂、ウレタン(メタ)アクリレート樹脂及び(メタ)アクリル樹脂から選ばれる一種以上の樹脂(A)、光重合開始剤または光開始剤と有機過酸化物の組み合わせからなる開始剤(B)、請求項6に記載のヒドロキシベンゼン化合物、キノン系化合物、環状ケトンまたはジケトン化合物、フラボノイド化合物及び活性ジケトン化合物から選ばれる1種以上のホルムアルデヒドを非放散物質に変換するホルムアルデヒド捕捉剤(C)を配合してなることを特徴とするホルムアルデヒドの放散を抑制したラジカル重合性樹脂組成物及び/またはラジカル重合性プリプレグ。
  13. 請求項1乃至11のいずれか一項に記載の硬化体の製造方法で硬化された硬化体。
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