JP2005154589A - シートモールディングコンパウンド及びバルクモールディングコンパウンド用樹脂組成物、及びその応用 - Google Patents

シートモールディングコンパウンド及びバルクモールディングコンパウンド用樹脂組成物、及びその応用 Download PDF

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Abstract

【課題】 ラジカル重合し硬化する時に発生するホルムアルデヒドの捕捉機能を有し、硬化物からホルムアルデヒドの放散を抑えたシートモールディングコンパウンド及びバルクモールディングコンパウンド用樹脂組成物を提供する。
【解決手段】 1分子中にエチレン性不飽和二重結合を有する樹脂(A)と、エチレン性不飽和二重結合を有する単量体(B)と、ヒドラジン、尿素等の化合物、β−ジケトン化合物等及びパーオキサイド化合物からなる群から選ばれる少なくとも1種の化合物(C)とを含有してなるシートモールディングコンパウンド及びバルクモールディングコンパウンド用樹脂組成物、シートモールディングコンパウンド及びバルクモールディングコンパウンド、及びその成形品に関する。
【選択図】 なし

Description

本発明は、加熱硬化により成形品を得るために用いられる、シートモールディングコンパウンド(SMC)やバルクモールディングコンパウンド(BMC)に好適な樹脂組成物、及びその応用に関するものである。
一般に用いられるラジカル重合性樹脂は、機械特性、耐水性、耐薬品性等が良好なうえに、硬化時間が短く、硬化温度に関わらず硬化時間の調整が可能であるため、種々の用途で利用されている。とりわけ繊維強化プラスチックの分野においては、生産性が良く、種々の形状に対応可能なため、ラジカル重合性樹脂をシートモールディングコンパウンド(SMC)やバルクモールディングコンパウンド(BMC)として加工し、圧縮成形、トランスファー成形、射出成形、圧着成形等の手法により種々成形品(浴室部材、合併浄化槽、車輌部材、電気部材、土木部材、管路の内張り材、構造部材、またこれらの補修)を得る方法がしばしば用いられる。
これら成形品を得るための、シートモールディングコンパウンド(SMC)やバルクモールディングコンパウンド(BMC)には、通常、ラジカル硬化剤が含有されており、併せて含有される重合性不飽和二重結合を有する重合性不飽和樹脂と、重合性不飽和単量体とを反応させ硬化物を得るが、この際、ホルムアルデヒドが発生することが知られている(例えば非特許文献1参照)。
このホルムアルデヒドについては、近年指摘されているシックハウス等の環境問題の原因物質とされ、その放散量について、建築基準法改正により、平成15年7月から規制が始まった。
この規制に対応するためには、1)ホルムアルデヒドの放散量がある値より減少するまで硬化後の放置時間を長くする方法、2)高温で後硬化を行いホルムアルデヒドを強制的に揮散させ、硬化物中に残存するホルムアルデヒドを放出させる方法、3)ホルムアルデヒド補足材を後添加しホルムアルデヒドの放散を抑える方法が有用と考えられるが、有効な方法は見いだされていないのが実状であった。
Stanford Research Institute Volume1 Number 7 July,1968; Frank R. Mayo
本発明は、ラジカル重合し硬化する時に発生するホルムアルデヒドの捕捉機能を有し、硬化物からホルムアルデヒドの放散を抑えたシートモールディングコンパウンドやバルクモールディングコンパウンド用樹脂組成物、シートモールディングコンパウンドやバルクモールディングコンパウンド、及びそれを用いて得られる成形品を提供することにある。
本発明者らは、これらの課題について鋭意研究の結果、硬化性等を阻害することなく、有効なホルムアルデヒド補足機能を有する化合物を見いだし、ホルムアルデヒド放散量を抑制した硬化物が得られるという知見を得、本発明を完成するに至ったものである。
すなわち、本発明は、1分子中にエチレン性不飽和二重結合を有する樹脂(A)と、エチレン性不飽和二重結合を有する単量体(B)と、分子中にヒドラゾ基、尿素結合又はウレタン結合のいずれかの官能基を有する化合物、一般式(1)で表される化合物及び一般式(2)で表される化合物からなる群から選ばれる少なくとも1種の化合物(C)とラジカル重合開始剤(D)とを含有してなるシートモールディングコンパウンド及びバルクモールディングコンパウンド用樹脂組成物を提供するものである。
Figure 2005154589
(式中、R及びRは、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、ヒドロキシ基、アミノ基、アルコキシ基又はカルボニル基を表す。)
Figure 2005154589
(式中、R、R、RおよびRは、水素原子、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、ヒドロキシ基、アミノ基、アルコキシ基又はカルボニル基を表す。)
また本発明は、前記の樹脂組成物に繊維強化材を配合してなるシートモールディングコンパウンド及びバルクモールディングコンパウンドを提供するものである。さらにこれらのコンパウンドを成形してなる成形品を提供するものである。
本発明のシートモールディングコンパウンド及びバルクモールディングコンパウンド用樹脂組成物は、これまで抑制困難であったホルムアルデヒドを効率よく捕捉し、シックハウス対応型環境樹脂として適するものであり、シートモールディングコンパウンド及びバルクモールディングコンパウンドとした場合に必須である、材料取り扱い性能、成形作業性、成形品外観、強度性能等満足するものである。特に室内、密閉空間に用いられる際に有用なシートモールディングコンパウンド及びバルクモールディングコンパウンド成形品を生産性良く提供することができる。
次に、本発明を詳細に説明する。
本発明における、1分子中にエチレン性不飽和二重結合を有する樹脂(A)[以下ラジカル硬化性樹脂(A)という]としては、例えば不飽和ポリエステル、エポキシ(メタ)アクリレート、ウレタン(メタ)アクリレート、ポリエステル(メタ)アクリレート、分子鎖末端に重合性不飽和結合基を含有するマクロモノマー等が挙げられる。これらの樹脂の数平均分子量は300より大きいものであるが、樹脂の粘度や樹脂硬化物の物性の点で500〜5000のものが好ましい。これらの樹脂は、単独で使用しても良いし、必要に応じ、2種以上併用しても良い。
かかるラジカル硬化性樹脂(A)は、それぞれ通常分子中にエチレン性不飽和二重結合を有する単量体(B)を用いて溶解し、熱硬化性樹脂として使用されるが、(A)および(B)の使用比率としては、好ましくは、(A)10〜95重量部に対して(B)5〜90重量部、より好ましくは(A)20〜90重量部に対して(B)10〜80重量部である。
本発明に使用する不飽和ポリエステルとは、α,β−不飽和二塩基酸を含む二塩基酸類と多価アルコ−ル類、一塩基酸類、モノアルコール類、必要によりジシクロペンタジエン系化合物との付加反応、または脱水縮合反応等によって、公知の方法で合成し、得られるものであり、好ましくは数平均分子量400〜5000の範囲のものである。
不飽和ポリエステルを調整するにあたって使用されるα,β−不飽和二塩基酸としては、例えばマレイン酸、無水マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、無水イタコン酸等を挙げることができる。飽和二塩基酸としては、例えばフタル酸、無水フタル酸、ハロゲン化無水フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、テトラヒドロフタル酸、テトラヒドロ無水フタル酸、ヘキサヒドロフタル酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、ヘキサヒドロテレフタル酸、ヘキサヒドロイソフタル酸、3−メチルテトラヒドロ無水フタル酸、4−メチルテトラヒドロ無水フタル酸、テトラクロロフタル酸、テトラクロロ無水フタル酸、コハク酸、マロン酸、グルタル酸、アジピン酸、セバシン酸、ダイマー酸、1,12−ドデカン2酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、2,7−ナフタレンジカルボン酸、2,3−ナフタレンジカルボン酸、2,3−ナフタレンジカルボン酸無水物、4,4’−ビフェニルジカルボン酸、またこれらのジアルキルエステル等を挙げることができる。上記二塩基酸類は、単独で使用しても、二種以上併用して用いても良い。
多価アルコ−ル類としては、例えばエチレングリコ−ル、ジエチレングリコ−ル、トリエチレングリコ−ル、ポリエチレングリコ−ル、プロピレングリコ−ル、ジプロピレングリコ−ル、ポリプロピレングリコ−ル、1,3−プロパンジオール、2−メチル−1,3−プロパンジオ−ル、1,3−ブタンジオ−ル、ネオペンチルグリコ−ル、水素化ビスフェノ−ルA、1,4−ブタンジオ−ル、1,5−ペンタンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、シクロヘキサンジメタノール、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオール、2−ブチル−2−エチルプロパンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ビスフェノ−ルA、ビスフェノールF、ビスフェノールS、テトラブロモビスフェノールA等に代表される2価フェノールとプロピレンオキシドまたはエチレンオキシドに代表されるアルキレンオキサイドとの付加物、1,2,3,4−テトラヒドロキシブタン、グリセリン、トリメチロ−ルプロパン、ペンタエリスリトール、1,2−シクロヘキサングリコ−ル、1,3−シクロヘキサングリコ−ル、1,4−シクロヘキサングリコ−ル、1,4−シクロヘキサンジメタノ−ル、パラキシレングリコ−ル、ビシクロヘキシル−4,4’−ジオ−ル、2,6−デカリングリコ−ル、2,7−デカリングリコ−ル等を挙げることができる。上記多価アルコール類は、単独で使用しても、二種以上併用して用いても良い。
本発明に使用する不飽和ポリエステルには、性能を損なわない範囲で一塩基酸類を使用しても良い。一塩基酸類としては、例えば安息香酸、ソルビン酸、モノメチルマレート等が挙げられる。更に前記二塩基酸及び一塩基酸に、アセトアセチル酸又は該化合物の酸クロライドを併用することもできる。
本発明に使用する不飽和ポリエステルには、性能を損なわない範囲でモノアルコール類を使用することができる。モノアルコール類としては、例えば2−エチルヘキサノール、ベンジルアルコール、シクロヘキシルアルコール、ターシャリーブチルシクロヘキシルアルコール等が挙げられる。
本発明に使用する不飽和ポリエステルは、性能を損なわない範囲内でジシクロペンタジエン系化合物により変性したものを使用することも可能である。ジシクロペンタジエン系化合物による変性方法については、種々の公知の方法が可能であり、例えばジシクロペンタジエンとマレイン酸付加生成物(シデカノールモノマレ−ト)を得、これを一塩基酸として用い、ジシクロペンタジエン骨格を導入する方法等が挙げられる。
本発明に使用する不飽和ポリエステルは、性能を損なわない範囲内で水酸基含有アリールエーテル化合物を使用しても良い。水酸基含有アリールエーテル化合物としては、公知慣用のものが使用できるが、うちでも代表的なものにはエチレングリコールモノアリールエーテル、ジエチレングリコールモノアリールエーテル、トリエチレングリコールモノアリールエーテル、ポリエチレングリコールモノアリールエーテル、プロピレングリコールモノアリールエーテル、ジプロピレングリコールモノアリールエーテル、トリプロピレングリコールモノアリールエーテル、ポリプロピレングリコールモノアリールエーテル、1,2−ブチレングリコールモノアリールエーテル、1,3−ブチレングリコールモノアリールエーテル、ヘキシレングリコールモノアリールエーテル、オクチレングリコールモノアリールエーテル、トリメチロールプロパンジアリールエーテル、グリセリンジアリールエーテル、ペンタエリスリトールトリアリールエーテル等の多価アルコール類のアリールエーテル化合物等が挙げられ、水酸基を1個有するアリールエーテル化合物が好ましい。これらは、単独で使用しても2種以上混合して使用しても良い。
本発明で用いられるエポキシ(メタ)アクリレートとは、エポキシ樹脂と不飽和一塩基酸とをエステル化触媒の存在下で反応させて得られるものである。
かかるエポキシ樹脂としては、平均エポキシ当量が、100〜500なる範囲内のも
のが好ましく、具体的には以下に例示される化合物が挙げられる。
エポキシ樹脂としては、ビスフェノールAとエピクロルヒドリンとの反応物、ビスフェノールFとエピクロルヒドリンとの反応物、水素化ビスフェノールAとエピクロルヒドリンとの反応物、シクロヘキサンジメタノールとエピクロルヒドリンとの反応物、ノルボルナンジアルコールとエピクロルヒドリンとの反応物、テトラブロモビスフェノールとエピクロルヒドリンとの反応物、トリシクロデカンジメタノールとエピクロルヒドリンとの反応物、フェノールノボラックとエピクロルヒドリンとの反応物、クレゾールノボラックとエピクロルヒドリンとの反応物、1,6ナフタレンジオールとエピクロルヒドリンとの反応物、ジシクロペンタジエン骨格を有するエポキシ樹脂、ジシクロペンタジエンアリサイクリックジエポキシアジペート、アリサイクリックジエポキシカーボネート、アリサイクリックジエポキシアセタール、アリサイクリックジエポキシカルボキシレート等が挙げられる。
また、水酸基を2個以上有する化合物の末端水酸基にエチレンオキサイドおよび/またはプロピレンオキサイドを付加せしめたグリシジルエーテル型化合物としては、例えば水酸基を2個以上有する化合物に該オキサイドを付加し、エピクロルヒドリンを反応せしめて得られるものである。水酸基を2個以上有する化合物にエチレンオキサイドおよび/またはプロピレンオキサイドを付加せしめた化合物としては、例えばビスフェノールAエチレンオキサイド付加物、ビスフェノールAプロピレンオキサイド付加物、ビスフェノールFエチレンオキサイド付加物、ビスフェノールFプロピレンオキサイド付加物、シクロヘキサンジメタノールエチレンオキサイド付加物、シクロヘキサンジメタノールプロピレンオキサイド付加物、水素化ビスフェノールAエチレンオキサイド付加物、水素化ビスフェノールAプロピレンオキサイド付加物、ジフェニルエチレンオキサイド付加物、ジフェニルプロピレンオキサイド付加物、等が挙げられる。
また、エポキシ伸長等の調整のために、水酸基を2個以上有する化合物を使用しても良く、具体的な化合物として、ビスフェノールA、水素化ビスフェノールA、シクロヘキサンジメタノール、ノルボルナンジアルコール、テトラブロモビスフェノールA、トリシクロデカンジメタノール、1,6−ナフタレンジオール等が挙げられる。
上記エポキシ樹脂は、単独で用いても2種以上併用して用いても良い。
エポキシ(メタ)アクリレートの製造に使用する前記不飽和一塩基酸としては、例えば、(メタ)アクリル酸、桂皮酸、クロトン酸、マレイン酸モノメチル、マレイン酸モノプロピル、マレイン酸モノブチル、マレイン酸モノ(2−エチルヘキシル)あるいはソルビン酸等があり、特に、(メタ)アクリル酸が好ましい。なお、これら不飽和一塩基酸は、単独で使用しても2種以上併用しても良い。
前記エポキシ樹脂と不飽和一塩基酸との反応は、公知の方法で合成することができるが、好ましくは60〜140℃、特に好ましくは80〜120℃の温度においてエステル化触媒を用いて行われる。
前記エステル化触媒としては、公知慣用の化合物を使用することができるが、例えばトリエチルアミン、2−メチルイミダゾール、N,N−ジメチルベンジルアミン、N,N−ジメチルアニリンもしくはジアザビシクロオクタンの如き、各種の3級アミン類;又はジエチルアミン塩酸塩、スズ、亜鉛、鉄、クロム、バナジウム、リン含有化合物などが挙げられる。
かかるエポキシ(メタ)アクリレートの数平均分子量としては、500〜3000なる範囲内が好ましい。かかる分子量範囲であれば、成形材料の取り扱い作業性に優れ、しかも無機充填材との混練性や強化繊維を用いる場合の含浸性等も良好となる。
本発明のエポキシ(メタ)アクリレートでは、その保有する水酸基の少なくとも一部に、カルボキシル基を付与し得る化合物を反応させても良い。そのカルボキシル基を導入する方法としては、例えばエポキシ樹脂と不飽和一塩基酸との反応により生じた水酸基、すなわち、エポキシ基の開環反応により生成した二級水酸基に酸無水物を反応させて得る方法が好ましい方法として挙げられる。この反応は、不飽和基含有エポキシ樹脂を製造した後、不飽和基含有エポキシ樹脂中に酸無水物を添加するか、あるいは、不飽和基含有エポキシ樹脂と上記重合性不飽和単量体の混合物中に酸無水物を添加することにより得られる。
かかる酸無水物としては、例えば無水マレイン酸、無水イタコン酸、無水フタル酸、テトラヒドロ無水フタル酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、ハロゲン化無水フタル酸、無水トリメリット酸、2,3−ナフタレンジカルボン酸無水物等が挙げられる。カルボキシル基を導入する方法としては、前記方法のほか、例えばイソシアネート基及びカルボキシル基を有する化合物やシリル基及びカルボキシル基を有する化合物を反応させる方法を採ることができる。
前記カルボキシル基含有エポキシ(メタ)アクリレートは、カルボキシル基由来の酸価が、5〜130の範囲内にあることが好ましい。該酸価がかかる範囲であれば、金属化合物による増粘が容易であり、成形材料の取り扱い作業性がより優れ、プレス成形等の際、金型からの脱型にも優れ、良好な成形品が得られる。
本発明に使用するウレタン(メタ)アクリレートとは、分子中に少なくとも1個の(メタ)アクリロイル基を含むものである。かかるウレタン(メタ)アクリレートは、例えばポリイソシアネートとポリエーテルポリオール等のポリオール及び水酸基含有(メタ)アクリル化合物とをイソシアネート基と水酸基との当量比がほぼ同じとなるように反応させて得られるものである。具体的には先ずポリエーテルポリオールとポリイソシアネートとを反応させて、イソシアネート基含有ウレタンプレポリマーを得、次いでこのプレポリマーに水酸基含有(メタ)アクリル化合物を反応せしめて得られるものが好ましい。
ウレタン(メタ)アクリレートを調製するにあたって使用されるポリオールとしては、ポリプロピレンオキシド、ポリエチレンオキシド、ポリテトラメチレングリコール、ビスフェノールAエチレンオキシド付加物、ビスフェノールAプロピレンオキシド付加物等のポリエーテルポリオール、ポリエステルポリオール、ポリエステルエーテルポリオール、ポリカーボネートポリオール、ポリブタジエンジオール、ポリイソプレンジオール等が挙げられる。またポリオールの数平均分子量は200〜3000のものが好ましく、特に好ましくは400〜2000のものである。
前記ポリエーテルポリオールは、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコール等のポリアルキレンオキサイドの他に、ビスフェノールA及びビスフェノールFに上記アルキレンオキサイドを付加させたポリオールも含む。
前記ポリエステルポリオールとは、飽和二塩基酸類と多価アルコール類の縮合重合体又はポリカプロラクトンのように環状エステル化合物の開環重合体を意味する。ここで使用する二塩基酸類としては、前記した二塩基酸を挙げることができ、また多価アルコール類としては、前記した多価アルコールを挙げることができる。
ポリイソシアネートとしては、例えば2,4−トリレンジイソシアネート及びその異性体または異性体の混合物(以下TDIと略す)、ジフェニルメタンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、水添キシリレンジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、トリジンジイソシアネート、ナフタリンジイソシアネート、トリフェニルメタントリイソシアネート等が挙げられる。またポリイソシアネートの市販品としては、例えばバーノックDー750、クリスボンNX(大日本インキ化学工業(株)製品)、デスモジュールL(住友バイエル社製品)、コロネートL(日本ポリウレタン社製品)、タケネートD102(三井武田社製品)、イソネート143L(三菱化学社製)等を挙げることができる。これらの市販品は、単独または2種以上組み合わせて使用することができる。上記ポリイソシアネートのうちジイソシアネート、特にTDIが好ましく用いられる。
水酸基含有(メタ)アクリル化合物としては、水酸基含有(メタ)アクリル酸エステルが好ましく、例えば、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート;ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート等の様な水酸基を2個有するアルコールのモノ(メタ)アクリレート類;α−オレフィンエポキサイドと(メタ)アクリル酸の付加物、カルボン酸グリシジルエステルと(メタ)アクリル酸の付加物;トリス(ヒドロキシエチル)イソシアヌル酸のジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート等の様な3個以上の水酸基を有するアルコールの部分(メタ)アクリレート類が挙げられる。
また、本発明のウレタン(メタ)アクリレートの製造においては、水酸基含有(メタ)アクリル化合物の一部を、本発明の効果を損なわない程度の水酸基含有アリールエーテルや、高級アルコール等の化合物で置換しても良い。
水酸基含有アリールエーテル化合物としては、上記に挙げたものが使用でき、水酸基を1個有するアリールエーテル化合物が好ましい。
高級アルコールとしては、公知慣用のものが使用できるが、中でも代表的なものは、デシルアルコール、ウンデシルアルコール、ラウリルアルコール、トリデシルアルコール、ステアリルアルコール等が挙げられる。
本発明のウレタン(メタ)アクリレートの製造方法としては、例えば先ずポリエーテルポリオールとポリイソシアネートとを、好ましくは数平均分子量500〜30000、特に好ましくは700〜5000になるようにNCO/OH=2〜1.5で反応させ、末端イソシアネート基含有ウレタンプレポリマーを生成し、次いでそれに水酸基含有アクリル化合物を該プレポリマーのイソシアネート基に対して水酸基がほぼ当量となるように反応させる方法が挙げられる。
別の方法としては、まず水酸基含有アクリル化合物とポリイソシアネートとを反応させ、次いで得られたイソシアネート基含有化合物とポリエーテルポリオールとを反応させる方法が挙げられる。この方法で得られるウレタン(メタ)アクリレートは、数平均分子量500〜30000であることが好ましく、700〜5000であることが特に好ましい。
本発明に使用するポリエステル(メタ)アクリレートとは、1分子中に1個以上の(メタ)アクリロイル基を有する飽和ポリエステル樹脂もしくは不飽和ポリエステル樹脂をいい、飽和ポリエステル樹脂若しくは不飽和ポリエステル樹脂の末端に(メタ)アクリロイル基を有する化合物を反応させたものである。かかる樹脂の数平均分子量としては、好ましくは500〜5000、より好ましくは1000〜5000である。
前記飽和ポリエステルは、飽和二塩基酸類と多価アルコール類との縮合反応で得られるものであり、また不飽和ポリエステルはα,β−不飽和二塩基酸を含む二塩基酸類と多価アルコール類との縮合反応で得られるものであり、末端に(メタ)アクリロイル基を有する化合物を導入するための官能基を有している。
ここでいう飽和二塩基酸類としては、前記した飽和二塩基酸を挙げることができ、α,β−不飽和二塩基酸としては、前記した不飽和二塩基酸を使用することができる。また多価アルコール類としては、前記した多価アルコールを用いることができる。
前記ポリエステル(メタ)アクリレートに用いる(メタ)アクリロイル基を有する化合物としては、アクリル酸またはメタクリル酸のグリシジルエステル類等が挙げられる。具体的には、グリシジル(メタ)アクリレート等が挙げられる。
本発明に使用する分子鎖末端に重合性不飽和結合基を含有するマクロモノマーとは、分子鎖末端に重合性不飽和結合基を含有する樹脂をいい、重合性不飽和結合基が(メタ)アクリロイル基、スチリル基、アリール基、ビニルエーテル基から選ばれた少なくとも1種以上の樹脂である。
これらは以下の方法で合成されるが、これらの合成法に限定されるものではない。市販品としては、東亞合成化学工業(株)製のマクロモノマー AA−6、AA−10、AS−6、AN−6等が挙げられ、単独であるいは2種以上組み合わせて使用することができる。
本発明に使用する(メタ)アクリロイル基を有するマクロモノマーは、例えばメルカプト酢酸などの連鎖移動剤の存在下に、ビニル単量体をラジカル重合して得られる末端にカルボキシル基を有するポリマー(以下カルボキシル基末端プレポリマーと称す)に、グリシジル(メタ)アクリレート等を反応させることにより合成されるビニル重合体である。
本発明に使用するスチリル基を有するマクロモノマーは、例えばカルボキシル基末端プレポリマーの、該カルボキシル基を中和して、ついで前記プレポリマーとクロロメチルスチレンを反応させることにより合成されるビニル重合体である。
本発明に使用するアリール基を有するマクロモノマーは、例えばカルボキシル基末端プレポリマーに、アリールグリシジルエーテル等を反応させることにより合成されるビニル重合体である。
本発明に使用するビニルエーテル基を有するマクロモノマーは、例えばメルカプトエタノールなどの連鎖移動剤の存在下、ビニル単量体をラジカル重合して得られる末端に水酸基を有するポリマー(以下水酸基末端プレポリマーと称す)と、トリレンジイソシアネート等のジイソシアネートとブタンジオールモノビニルエーテル等のグリコールモノビニルエーテルを反応させることにより合成されるビニル重合体である。
ここで言う、ビニル単量体としては、酢酸ビニル、スチレン、スチレン置換体、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸グリシジル、(メタ)アクリロニトリル、(メタ)アクリルアミド、無水マレイン酸,N−ビニルピロリドン、塩化ビニル、塩化ビニリデン、フェニルマレイミド等が挙げられ、これらは単独でまたは2種以上組み合わせて使用することができる。しかしこれらビニル単量体の中で、重合性不飽和基を付与する反応過程により、酢酸ビニル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸グリシジル、無水マレイン酸等は使用することが適当でない場合がある。
マクロモノマーの数平均分子量(Mn)は、重合系に添加する連鎖移動剤および重合開始剤等の量を適宜選択することにより定められ、数平均分子量は1,000〜40,000、より好ましくは2,000〜25,000である。
ラジカル重合の重合法としては、溶液重合法、バルク重合法および懸濁重合法のいずれをも使用できるが、好ましくは懸濁重合法である。
重合開始剤としては、通常のアゾ系開始剤や過酸化物開始剤が使用できるが、メルカプタン化合物との反応をさけるためアゾ系開始剤が好ましい。アゾ系開始剤としては,2,2−アゾビスイソブチロニトリル(以下AIBNという)、4,4−アゾビス−4−シアノバレリックアシド、1−アゾビス−1−シクロヘキサンカルボニトリル等が挙げられる。
連鎖移動剤としては カルボキシル基を有するメルカプタン系連鎖移動剤として、例えばメルカプト酢酸、2−メルカプトプロピオン酸、3−メルカプトプロピオン酸等が挙げられる。また水酸基を有する連鎖移動剤として、チオエタノール、チオプロパノール等が用いられる。
カルボキシル基末端プレポリマーと(メタ)アクリロイル基、アリール基、スチリル基を有する化合物との反応は、溶液重合法、バルク重合法いずれの場合も使用できるが、溶液重合法の場合、懸濁重合でプレポリマーを合成し、重合性不飽和単量体を溶剤に用いて反応を行うのが好ましい。バルク重合法の場合、懸濁重合法でプレポリマーを合成し、混練機などを使用して、加熱下に溶融状態で行うのが好ましい。いずれの際もテトラブチルホスホニウムブロミドの如き反応触媒を使用しても良い。
水酸基プレポリマーとビニルエーテル基を有する化合物との反応は、溶液重合法、バルク重合法いずれの場合も使用できるが、懸濁重合法でプレポリマーを合成し、重合性不飽和単量体を溶剤に用いてプレポリマーとジイソシアネートとグリコールモノビニルエーテルとの反応を行う溶液重合法が好ましい。ウレタン化反応の際、トリブチル錫の如き反応触媒を使用しても良い。
前記グリコールモノビニルエーテルとしては、エチレングリコールモノビニルエーテル、ブタンジオールモノビニルエーテル、シクロヘキサンジメタノールモノビニルエーテル、ジエチレングリコールモノビニルエーテル、ヘキサンジオールモノビニルエーテル等を挙げることができ、それら単独または2種以上で使用することができる。上記グリコールモノビニルエーテルの中で、特にブタンジオールモノビニルエーテルが好ましく用いられる。
なお、本発明における数平均分子量とは、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(以下GPCという)によるポリスチレン換算の数平均分子量である。
本発明に使用するエチレン性不飽和二重結合を有する単量体(B)[以下重合性不飽和単量体(B)という]としては、ラジカル硬化性樹脂(A)と架橋反応が可能となる不飽和単量体等が挙げられる。かかる重合性不飽和単量体(B)としては、ビニル基、または(メタ)アクリロイル基を有するものが好ましい。ビニル基を有する単量体の具体的な例としては、スチレン、p−クロルスチレン、ビニルトルエン、α−メチルスチレン、ジクロルスチレン、ジビニルベンゼン、t−ブチルスチレン、酢酸ビニル、ジアリールフタレート、トリアリールシアヌレート等が挙げられる。
(メタ)アクリロイル基を有する単量体としては、例えばアクリル酸エステル、メタクリル酸エステル等;(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸n−ブチル、(メタ)アクリル酸i−ブチル、(メタ)アクリル酸t−ブチル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸ラウリル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸ベンジル、(メタ)アクリル酸ステアリル、(メタ)アクリル酸トリデシル、ジシクロペンテニロキシエチル(メタ)アクリレート、エチレングリコールモノメチルエーテル(メタ)アクリレート、エチレングリコールモノエチルエーテル(メタ)アクリレート、エチレングリコールモノブチルエーテル(メタ)アクリレート、エチレングリコールモノヘキシルエーテル(メタ)アクリレート、エチレングリコールモノ2ーエチルヘキシルエーテル(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールモノメチルエーテル(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールモノエチルエーテル(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールモノブチルエーテル(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールモノヘキシルエーテル(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールモノ2ーエチルヘキシルエーテル(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコ-ルジ(メタ)アクリレ-ト、PTMGのジメタアクリーレート、1,3−ブチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ1,3ジメタクリロキシプロパン、2,2−ビス〔4−(メタクリロキシエトキシ)フェニル〕プロパン、2,2−ビス〔4−(メタクリロキシ・ジエトキシ)フェニル〕プロパン、2,2−ビス〔4−(メタクリロキシ・ポリエトキシ)フェニル〕プロパン、テトラエチレングリコールジアクリレート、ビスフェノールAEO変性(n=2)ジアクリレート、イソシアヌル酸EO変性(n=3)ジアクリレート、ペンタエリスリトールジアクリレートモノステアレート、ジシクロペンタジエン、ジシクロデカンまたはトリアジンの如き各種誘導体類、ジシクロペンテニルアクリレート、ジシクロペンテニルオキシエチルアクリレート、トリシクロデカニルアクリレート、トリシクロデカニルメタアクリレートまたはトリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌルアクリレート等を挙げることができる。これら重合性不飽和単量体(B)は、単独でも2種類以上組み合わせて使用しても良い。
本発明に使用する重合性不飽和単量体(B)として、成形品の耐衝撃性、耐熱水性、耐薬品性等を向上させる点で、一分子中に少なくとも2個以上のエチレン性不飽和二重結合を有する化合物を使用しても良い。この一分子中に少なくとも2個の重合性二重結合を有する化合物としては、多官能の(メタ)アクリル酸エステルが挙げられる。多官能の(メタ)アクリル酸エステルとしては、例えばエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,2−プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,3−ブチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,4−ブチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレートのようなアルカンジオールジ−(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコール(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコール(メタ)アクリレート等のポリオキシアルキレン−グリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレート、グリセリンジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、グリセリントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ジビニルベンゼン、ジアリルフタレート、トリアリルフタレート、トリアリルシアヌレート、トリアリルイソシアヌレート、アリル(メタ)アクリレート、ジアリルフマレート等が挙げられ、これらは単独で、又は2種以上の併用して用いられる。
本発明は、分子中にヒドラゾ基、尿素結合又はウレタン結合のいずれかの官能基を有する化合物、一般式(1)で表される化合物、及び一般式(2)で表される化合物の少なくとも1種の化合物(C)を用いることにより、シートモールディング及びバルクモールディングコンパウンド用樹脂組成物をラジカル重合させ、硬化させる際、樹脂の硬化阻害等の問題がなく、効果的にホルムアルデヒド放散量を削減することができるものである。
Figure 2005154589
一般式(1)中、R及びRは、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、ヒドロキシ基、アミノ基、アルコキシ基又はカルボニル基を表すものである。
Figure 2005154589
一般式(2)中、R、R、RおよびRは、水素原子、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、ヒドロキシ基、アミノ基、アルコキシ基又はカルボニル基を表すものである。
分子中にヒドラゾ基、尿素結合又はウレタン結合のいずれかの官能基を有する化合物としては、分子中にヒドラゾ基、尿素結合又はウレタン結合のいずれかの官能基を有する化合物であれば包含されるが、一般式(3)で表される化合物が好ましい。
−NH−Y (3)
一般式(3)中、Rは、水素原子、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、水酸基で置換されたアルキル基、アミノ基で置換されたアルキル基、アルコキシ基で置換されたアルキル基、アミノ基、フェニル基、カルボキシル基、ウレタン結合を有する1価の官能基及び−NHNH−Rを表すものである。この場合、Rは水素原子、アルキル基である。またYは、−NH−、−CO−NH−又は−COO−をいずれかを含む1価の官能基を表すものである。また、RとYとが結合し、環を形成していてもよい。
一般式(3)で表される化合物のうち、Rがアルキル基であり、かつYが−CO−NHを含む1価の官能基である化合物、Rが−NHNH−Rであり、かつYが−NH−を含む1価の官能基である化合物、及びRがウレタン結合を有する1価の官能基であり、かつYが−COO−を含む1価の官能基である化合物であることが好ましい。
がアルキル基であり、かつYが−CO−NH−を含む1価の官能基である一般式(1)で表される化合物(C)としては、例えば尿素、モノメチル尿素、モノメチロール尿素、ジメチロール尿素、ジメチル尿素、ジフェニル尿素、メチレン尿素、エチレン尿素、プロピレン尿素、アルコシキメチル尿素等が挙げられる。これらのうち、ホルムアルデヒド捕捉効果の大きい点でエチレン尿素が好ましい。
が−NHNH−Rであり、かつYが−NH−を含む1価の官能基である一般式(1)で表される化合物(C)としては、例えばアジピン酸ジヒドラジド、コハク酸ジヒドラジド、ナフテン酸ジヒドラジド等が挙げられる。
さらにRがウレタン結合を有する1価の官能基であり、かつYが−COO−を含む1価の官能基を有する化合物(C)としては、ウレタン(メタ)アクリレート等のビニルウレタン化合物等が挙げられる。
前記一般式(1)で表される化合物としては、例えばアセチルアセトン、N,N−ジメチルアセトアセテート、メチルアセトアセテート、エチルアセトアセテート、アセトアセトアニリド等が挙げられる。これらのうち、アセトアセトキシエチルメタクリレートが好ましい。
また前記一般式(2)で表される化合物としては、例えばアセチルアセトンパーオキサイド、メチルアセトアセテートパーオキサイド等が挙げられる。これらのうち、速硬化の点でアセチルアセトンパーオキサイドが好ましい。
かかる化合物(C)の添加量は、樹脂組成物の硬化性を損なわない範囲であれば特に制限されないが、樹脂組成物中、0.01〜10重量%の範囲で添加するのが好ましい。添加量が0.01重量%未満であるとホルムアルデヒド捕捉能力が十分でなく、また10重量%を越えると、得られる硬化物の性能に悪影響を及ぼす場合がある。
分子中にヒドラゾ基、尿素結合又はウレタン結合のいずれかの官能基を有する化合物、一般式(1)で表される化合物及び一般式(2)で表される化合物(C)は、化合物(C)成分として、樹脂組成物に含まれるものであってもよいし、ラジカル硬化性樹脂(A)の骨格内に、分子中にヒドラゾ基、尿素結合又はウレタン結合のいずれかの官能基を有する化合物、一般式(1)で表される化合物、又は一般式(2)で表される化合物と同様の構造を有する単位を導入したものでもかまわない。
するものである。
本発明に使用するラジカル硬化性樹脂(A)、重合性不飽和単量体(B)および化合物(C)の割合は所望の用途によって変更可能であり、特に制限されるものではないが、得られる効果から、(C)の割合は(A)+(B)の100重量部に対して0.01〜10重量部の範囲で添加するのが好ましい。(C)が0.01重量%未満であるとホルムアルデヒド捕捉能力が十分でなく、また10重量%を越えると、得られる硬化物の性能に悪影響を及ぼす場合がある。
本発明のシートモールディング及びバルクモールディングコンパウンド用樹脂組成物は、ラジカル重合性樹脂等からなるものであり、通常硬化剤、すなわちラジカル重合開始剤(D)が添加される。
かかる硬化剤、ラジカル重合開始剤(D)としては、有機過酸化物や光硬化剤が挙げられる。有機過酸化物としては、例えばジアシルパーオキサイド系、パーオキシエステル系、ハイドロパーオキサイド系、ジアルキルパーオキサイド系、ケトンパーオキサイド系、パーオキシケタール系、アルキルパーエステル系、パーカーボネート系等、公知公用のものが挙げられる。これら有機過酸化物は、成形法、温度等の成形条件、生産性等に応じて適宜選択され、少なくとも一種単独で、場合により2種以上併用して用いられる。有機過酸化物の添加量としては、本発明の目的を達成することのできる範囲であれば特に限定されるものではないが、好ましくは本発明に用いられる樹脂の合計量100重量部に対して0.3〜5重量部である。
かかる光硬化剤としては、例としてベンゾインアルキルエーテルのようなベンゾインエーテル系、ベンゾフェノン、ベンジル、メチルオルソベンゾイルベンゾエートなどのベンゾフェノン系、ベンジルジメチルケタール、2,2−ジエトキシアセトフェノン、2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオフェノン、4−イソプロピル−2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオフェノン、1,1−ジクロロアセトフェノンなどのアセトフェノン系、2−クロロチオキサントン、2−メチルチオキサントン、2−イソプロピルチオキサントンなどのチオキサントン系等が挙げられる。光硬化剤の添加量は、好ましくは本発明に用いられる樹脂の合計量100重量部に対して、0.1〜3重量部である。これら光硬化剤は、成形条件等に応じて適宜選択され、2種以上組み合わせて使用することも可能である。
本発明のシートモールディング及びバルクモールディングコンパウンド用樹脂組成物には、繊維強化材、無機充填材、低収縮化剤等を配合することができる。かかる繊維強化材としては、強度性能、外観等を損なわない限り、材質、形状等、特に限定されるものではないが、例えばガラス繊維、アミド、アラミド、ビニロン、ポリエステル、フェノール等の有機繊維、カーボン繊維、金属繊維、セラミック繊維、天然繊維等を挙げることができる。これらは組み合わせて使用しても良いが、得られる成形品の性能、経済性等を考慮した場合、好ましいのはガラス繊維、有機繊維、カーボン繊維、天然繊維である。
ガラス繊維の場合、具体的にはミルドファイバーと呼ばれるもの、あるいはガラスロービングをチョップドストランドにカットしたもの等が挙げられ、この場合のガラス長は、10μm程度の短いものから、2インチ程度の長いものまで幅広く使用することができる。ガラス繊維の形態、長さについては、得られる成形品の強度、平滑性等の性能に応じて適宜選択され、単独で、又は2種以上併用して使用することが可能である。また、本発明の性能を損なわない範囲でマット状の形態のもの等を使用しても良い。
有機繊維の場合、具体的にはアラミド、ナイロン、ビニロン、ポリエステル、フェノール樹脂等が挙げられる。その形態としては、織物状のマット等が挙げられるが特に限定されるものではない。繊維強化材を使用する場合の配合量は、樹脂組成物、あるいは成形材料全量に対して、2〜50重量部配合することが可能である。
前記の無機充填材としては、強度性能、外観等の諸性能を損なわない限り、材質等、特に限定されるものではなく、例えば炭酸カルシウム粉、水酸化アルミニウム、ガラス粉、ガラスパウダー、炭酸マグネシウム、炭酸バリウム、硫酸バリウム、硫酸カルシウム、酸化アルミニウム、カオリン、クレー、アルミナ粉、珪砂、硅石粉、タルク、シリカパウダー、シラスバルーン、ガラスバルーン、ガラスビーズ、有機系バルーン、マイカ、セルロース糸、雲母粉末、寒水石、大理石屑、砕石などが挙げられる。これらの無機充填材は、表面処理剤で表面処理されたものから未処理品まで幅広く使用することが可能である。これらの平均粒径としては、成形品の表面平滑性を得るために、0.1〜100μmのものが好ましい。
無機充填材は、性能を損なわない範囲内で、単独で使用しても、二種以上併用して用いても良い。また、無機充填材の添加量としては、ラジカル硬化性樹脂(A)と重合性不飽和単量体(B)との合計100重量部に対し、0〜500重量部添加することが可能であり、材料製造、成形性、得られる成形品外観等を考慮した場合、0〜450重量部であることが好ましい。
前記低収縮化剤としては、例えばポリスチレン、ポリ酢酸ビニル、ポリメチルメタクリレート、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ−ε−カプロラクタム、飽和ポリエステル、ポリ塩化ビニル、ポリブタジエン、スチレン−アクリル酸共重合体、スチレン−酢酸ビニル共重合体、アクリロニトリル−スチレン共重合体、スチレンブタジエンゴム、ニトリルゴム等が挙げられ、これらを単独で、あるいは二種以上併用して使用することができる。また、単官能、多官能不飽和単量体の共重合体、あるいは一部に重合性不飽和基が残っているような共重合体等を用いても良い。その際使用することのできる単量体としては、重合性不飽和基を含有していれば特に限定されるものではないが、スチレン、p−クロルスチレン、ビニルトルエン、α−メチルスチレン、(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸のアルキルエステル類、無水マレイン酸、マレイン酸、フマル酸、単官能アルコール、多官能アルコールやエーテルグリコールの(メタ)アクリル酸エステル類等が挙げられる。
低収縮化剤としての前記共重合体は、適宜選択して単独であるいは二種以上併用して用いることができる。その配合量は、成形品の収縮率、光沢、表面平滑性等の成形品外観維持等の点から、ラジカル硬化性樹脂(A)と重合性不飽和単量体(B)との合計100重量部に対し、100重量部以下であることが好ましい。
本発明のシートモールディング及びバルクモールディングコンパウンド用樹脂組成物には、性能を損なわない範囲で、さらに重合禁止剤、内部離型剤、増粘剤、着色剤等を配合することができる。
重合禁止剤としては、例えばハイドロキノン、メチルハイドロキノン、p−t−ブチルカテコール若しくはモノ−t−ブチルハイドロキノンなどのハイドロキノン類;ハイドロキノンモノメチルエーテル若しくはジ−t−ブチル−p−クレゾールなどのフェノール類:ベンゾキノン、p−ベンゾキノン、ナフトキノン若しくはp−トルキノンなどのキノン類;ジ−t−ブチルヒドロキシトルエン、または2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノール、ナフテン酸銅の如き銅塩、フェノチアジンなどを挙げることができる。これらは通常、ラジカル硬化性樹脂(A)と重合性不飽和単量体(B)との合計100重量部に対して、0.001〜2重量部配合される。
内部離型剤としては、例えばステアリン酸のような脂肪族有機酸やステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウム等のその金属塩、ワックス系、シリコーン系等が挙げられ、これらを単独で場合により二種以上併用して使用することができる。これらは、成形条件等により適宜選択されるが、成形温度より融点の低い金属塩が好ましく使用される。その配合量としては、ラジカル硬化性樹脂(A)と重合性不飽和単量体(B)との合計100重量部に対して、0.5〜15重量部とすることが好ましい。かかる配合量であれば、離型性が良好で、成形品外観や強度等も優れる。
増粘剤としては、例えば酸化マグネシウム、水酸化マグネシウム、酸化カルシウム、酸化カリウム、水酸化カリウム、酸化亜鉛等が挙げられ、増粘性等の点から、酸化マグネシウムが好ましく使用される。また場合によりイソシアネート系増粘剤又は膨潤性熱可塑性樹脂パウダーを使用することができる。増粘剤の配合量としては、ラジカル硬化性樹脂(A)と重合性不飽和単量体(B)との合計100重量部に対して、0.2〜15重量部とすることが好ましい。かかる配合量であれば、良好な増粘性となり、成形材料が固くなり過ぎず、組成物、成形材料の作業性や成形性を維持するものとなる。
着色剤としては、成形品を着色する場合に使用するものであり、例えば酸化チタン、カーボンブラック、弁柄等の無機顔料や、フタロシアニンブルー等の有機顔料、染料等が挙げられる。これらの着色剤の配合量としては、通常ラジカル硬化性樹脂(A)と重合性不飽和単量体(B)との合計100重量部に対して、30重量部以下である。かかる添加量であれば、良好な成形品外観や耐水性、耐薬品性を得ることができる。
また、本発明のシートモールディング及びバルクモールディングコンパウンド用樹脂組成物には、性能を損なわない範囲で、前記以外の各種添加剤を添加することができる。
かかる添加剤としては、低収縮化剤の分離防止剤または相溶化剤、減粘剤あるいは粘度低減剤と呼ばれるもの等があり、その添加量としては、ラジカル硬化性樹脂(A)と重合性不飽和単量体(B)との合計100重量部に対して、好ましくは0.1〜10重量部である。
本発明のシートモールディングコンパウンド(以下SMCという)は、前記SMC用樹脂組成物をキャリアフィルム上に塗布し、そのフィルム上に繊維強化材を散布し、もう一方で塗布されたキャリアフィルムで繊維強化材を挟み込み、ロールで加圧含浸させ、所定の粘度まで粘度上昇させて得られるシート状成形材料である。SMCの製造方法としては、1例を挙げれば、2枚のキャリアフィルムに均一な厚みで塗布された前記樹脂組成物等と繊維強化材とを挟みこみ、含浸装置を用いて繊維強化材に樹脂組成物を含浸させることにより得る。このSMCは、ロール状に巻き取るか、あるいは、専用コンテナへ折り畳んで梱包し、必要に応じて熟成(増粘促進工程)等を行い得ることができる。この熟成は、通常、室温〜50℃の温度にて1〜7日間程度で行われる。
前記製造法で使用されるフィルムとしては、ポリエチレンフィルム、ポリプロピレンフィルム、ポリエチレンテレフタレートフィルム、ナイロン等のポリアミドフィルム、あるいはこれらを用いた積層フィルム等が挙げられる。フィルムは、単独で使用しても、2種以上併用して用いても良い。
本発明のバルクモールディングコンパウンド(以下BMCという)は、前記BMC用樹脂組成物と充填材、繊維強化材とを配合させて得られる塊状成形材料である。BMCの製造方法としては、例えば前記樹脂組成物を混合装置を用いて混合することにより得ることができる。混合の順序、混合の方法等は、特に限定されるものではない。例えば予め繊維強化材を配合して混合してもよく、樹脂組成物を一旦混合した後に配合し、再度混合を行ってもよい。また攪拌翼、攪拌速度等を適宜変えたりすることにより、用途に応じたBMCを製造することができる。
均一に混合するための混合装置としては、例えば攪拌機、プラネタリーミキサー、ニーダー、レジゲミキサー、ロールミル、スクリュ−押出式混練機等の装置を用いることが好ましい。
本発明のSMC及びBMC用樹脂組成物、SMC及びBMCは、例えば、加熱圧縮成形、トランスファー成形、射出成形、圧着成形、コールドプレス等の手法により硬化させて成形品を得ることができる。
加熱圧縮成形、トランスファー成形、射出成形の条件としては、生産性、得られる成形品外観等を考慮すれば、型温を40〜200℃、より好ましくは70℃〜160℃に加熱し、面圧を0〜50MPa、より好ましくは0.1〜30MPaとすることが好ましい。また、型表面は、優れた成形外観を得るために、鏡面平滑に処理されたものを用いることが好ましい。
圧着成形の条件としては、得られる性能、実作業性等を考慮すれば、面圧を0〜10MPa、より好ましくは0.05〜5MPaとし、温度40〜150℃、より好ましくは60℃〜120℃の熱媒体を用いて成形材料の片面、あるいは両面から加熱し成形することが好ましい。
本発明の成形品の用途としては、特に限定されるものではないが、例えば、システムキッチン、システムバス等の壁材、防水パン、洗い場パン、天井、エプロン、浴槽、カウンターや、浄化槽、洗面台、建材等の各種住宅設備機器、パイプ、タンク製品、マンホール、コンクリート壁、橋梁等の建設部・資材、トレイ等の雑貨品、エアロパーツ、サンルーフ、ヘッドランプリフレクター、フードバルジ等の車両部材、管路の内張り材等が挙げられる。
以下本発明を実施例によって更に詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。また表中の配合の単位は、重量部を示すものである。
[ラジカル硬化性樹脂の調製]
<製造例1>(不飽和ポリエステル樹脂組成物)
無水マレイン酸392部と、ネオペンチルグリコール208部、プロピレングリコール171部とを脱水縮合反応して不飽和ポリエステル樹脂を得、スチレン含量40重量%の不飽和ポリエステル樹脂とした。この不飽和ポリエステル樹脂組成物をラジカル硬化性樹脂組成物aという。この不飽和ポリエステル樹脂の酸価は15であった。
<製造例2>(不飽和ポリエステル樹脂組成物)
無水マレイン酸294部と、イソフタル酸166部、ネオペンチルグリコール208部、プロピレングリコール167.2部とを脱水縮合反応して不飽和ポリエステルを得、スチレン含量40重量%の不飽和ポリエステル樹脂組成物とした。この樹脂組成物をラジカル硬化性樹脂組成物bという。この不飽和ポリエステル樹脂の酸価は14であった。
<製造例3>(エポキシメタクリレート樹脂組成物)
エポキシ当量410のビスフェノールA型のエポキシ樹脂620部とメタクリル酸124部とを反応してエポキシメタクリレートを得、スチレン含量38重量%のエポキシメタクリレート樹脂組成物とした。このエポキシメタクリレートをラジカル硬化性樹脂組成物cという。
実施例1〜5、比較例1〜4
製造例1〜3に示した樹脂組成物A、B及びC、低収縮化剤、無機充填材、顔料、禁止剤、重合開始剤、離型剤、増粘剤、ガラス繊維、化合物(C)(以下ホルムアルデヒド補捉剤という)を用い、表−1および表−2に示された実施例および比較例の配合比率のSMCを公知の製造方法によって製造した。
この際、低収縮化剤は、ポリスチレンのスチレン溶液(スチレン含量65%)を用いた。
充填材は、平均粒子径6μmの水酸化アルミニウム、及びまたは平均粒子径3μmの炭酸カルシウムを用いた。
また顔料は、酸化チタン系顔料を用い、剥離剤としてオレフィン系化合物を用い、重合開始剤は、t−ブチルパーオキシベンゾエート(TBPB)、またはt−ブチルパーオキシイソプロピルカーボネート(TBPIPC)を用いた。また離型剤は、ステアリン酸亜鉛(Zn−St)を用い、増粘剤は、酸化マグネシウムを用い、繊維補強材は、ガラス繊維を用いた。
前記樹脂組成物に、増粘剤およびガラス繊維以外の原料を加え、十分に攪拌した後、その配合物に増粘剤を加え、SMC含浸機を用いてガラス繊維とともに含浸し、得られたSMCを45℃雰囲気下において24時間熟成させてSMC成形材料を得た。
前記SMC成形材料を145℃、10MPaの条件下で8分間加熱圧縮成形し、厚み5mmの成形品を得た。この成形品を試験片として、成形性、曲げ強さ、曲げ弾性率、ホルムアルデヒド放散量について、観察および確認した結果を表−1および表−2に示した。
実施例6及び比較例5
製造例2に示した樹脂、重合開始剤、増粘剤、ホルムアルデヒド補捉剤、ガラス繊維を用い、表−3に示された実施例および比較例の配合比率のSMCを公知の製造方法によって製造した。この際、重合開始剤としては、50%濃度のt−ブチルパーオキシ2エチルヘキサノエート(TBPEH)を、増粘剤としては、酸化マグネシウムを、繊維補強材としては、ガラス繊維を使用した。
前記樹脂組成物、重合開始剤を十分に攪拌した後、その配合物に増粘剤を加え、SMC含浸機を用いてガラス繊維とともに含浸し、得られたSMCを常温雰囲気下において1週間熟成させてSMC成形材料を得た。
前記SMC成形材料を70〜80℃、0.1MPaの条件下で4時間加熱圧縮成形し、厚み5mmの成形品を得た。
[試験方法及び評価基準]
この成形品の成形性、曲げ強さ、曲げ弾性率、ホルムアルデヒド放散量について、観察および確認した結果を表−3に示した。
<成形材料のフィルム剥ぎ性>
SMC成形材料のフィルム剥ぎ性については、前記で得られたSMC成形材料を成形する前に、フィルムに挟み込まれている材料を取り出す際、材料がベタつかない場合を○、ベタつく場合を×とした。
<成形性>
成形性については、前記SMC成形材料を成形する際、離型不良等の問題が起こるか否かを見た。成形時に離型不良が起こらない場合を○とした。
<曲げ強さ、弾性率>
得られた成形品より試験片を切り出し、JIS−K 7203に準拠して測定した。
<ホルムアルデヒド放散量>
得られた成形品から15cm×15cmの試験片を2枚切り出し、JIS K 5601−4−1デシケーター法に準拠して測定した。成形品は温度23℃、湿度50%の環境試験室内(4m×4m×2m)で1日間の養生を行った。
Figure 2005154589

ホルムアルデヒド補捉剤A : エチレン尿素系 ; リケンレヂンC−70(三木理研工業株式会社)
ホルムアルデヒド補捉剤B : アセトアセトキシエチルメタクリレート
Figure 2005154589
ホルムアルデヒド補捉剤A : エチレン尿素系 ; リケンレヂンC−70(三木理研工業株式会社)
ホルムアルデヒド補捉剤B : アセトアセトキシエチルメタクリレート
Figure 2005154589
ホルムアルデヒド補捉剤A : エチレン尿素系 ; リケンレヂンC−70(三木理研工業株式会社)
実施例1〜6においては、外観、材料の作業性の両者を満足できる成形材料、および成形品が得られ、ホルムアルデヒド放散量も、大幅に低減できた。
比較例1〜5においては、外観、材料作業性の両者は満足する結果であったものの、ホルムアルデヒド放散量については、高い数値となった。

Claims (7)

  1. 1分子中にエチレン性不飽和二重結合を有する樹脂(A)と、エチレン性不飽和二重結合を有する単量体(B)と、分子中にヒドラゾ基、尿素結合又はウレタン結合のいずれかの官能基を有する化合物、一般式(1)で表される化合物及び一般式(2)で表される化合物からなる群から選ばれる少なくとも1種の化合物(C)とラジカル重合開始剤(D)とを含有してなるシートモールディングコンパウンド及びバルクモールディングコンパウンド用樹脂組成物。
    Figure 2005154589
    (式中、R及びRは、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、ヒドロキシ基、アミノ基、アルコキシ基又はカルボニル基を表す。)
    Figure 2005154589
    (式中、R、R、RおよびRは、水素原子、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、ヒドロキシ基、アミノ基、アルコキシ基又はカルボニル基を表す。)
  2. 前記分子中にヒドラゾ基、尿素結合又はウレタン結合のいずれかの官能基を有する化合物が、一般式(3)で表される化合物である請求項1記載の樹脂組成物。
    −NH−Y (3)
    (式中、Rは、水素原子、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、水酸基で置換されたアルキル基、アミノ基で置換されたアルキル基、アルコキシ基で置換されたアルキル基、アミノ基、フェニル基、カルボキシル基、ウレタン結合を有する1価の官能基及び−NHNH−Rを表す。但しRは、水素原子又はアルキル基である。Yは−NH−、−CO−NH−又は−COO−を含む1価の官能基を表す。またRとYとは結合して環を形成していてもよい。 )
  3. 前記一般式(3)で表される化合物が、エチレン尿素である請求項1又は2記載の樹脂組成物。
  4. 前記一般式(1)で表される化合物が、アセトアセトキシエチル(メタ)アクリレートである請求項1記載の樹脂組成物。
  5. 請求項1〜4のいずれかに記載の樹脂組成物と繊維強化材とを配合してなるシートモールディングコンパウンド。
  6. 請求項1〜4のいずれかに記載の樹脂組成物と繊維強化材とを配合してなるバルクモールディングコンパウンド。
  7. 請求項5又は6記載のコンパウンドを成形してなる成形品。

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