JP4182458B2 - ゲルコート用樹脂組成物を用いた成形品の製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、耐候性(外観変色(黄変)、チョーキング)に優れたゲルコート用樹脂組成物、及びそのゲルコート用樹脂組成物をゲルコート層として用いた耐候性に優れた成形品に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
ゲルコートとは、主にFRP積層成形品を成型する前段階で、型に直接、スプレーにて樹脂組成物を吹き付け硬化させ、FRP成形品の最外層を形成する樹脂硬化物層をいう。一般に、ゲルコート用樹脂組成物は、不飽和ポリエステル樹脂、エポキシアクリレート等の樹脂と重合性単量体とからなる樹脂溶液に、硬化促進剤、チキソ剤、必要により顔料等を用い着色したものである。上記のゲルコート用樹脂組成物の重合性不飽和単量体としては、一般にスチレンモノマーが用いられる。スチレンモノマーは、成形性、成形品の諸物性等を見る限り、極めて優秀な原料である。しかし、屋外用途の成形品においては、ゲルコート用樹脂組成物の重合性不飽和単量体として用いたスチレンモノマーが、耐候劣化に著しく関与し、極度な外観変色(黄変)、チョーキング(表面が粉をふいたような白化現象)の発生が問題となり、使用が制限される場合があった。
【0003】
重合性不飽和単量体としてオリゴエチレングリコールジ(メタ)アクリレートかつ/またはオリゴプロピレングリコールジ(メタ)アクリレートを用いる樹脂組成物としては特開平8−249996号公報があるが、目的が異なる為、ゲルコートについて何ら記載はない。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、耐候劣化(外観変色(黄変)、チョーキング)を抑制し、屋外用途においても使用制限を受けない耐候性に優れたゲルコート層を与えるゲルコート用樹脂組成物及びそれを用いた成形品を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、これらの課題について鋭意研究の結果、本発明を完成するに至ったものである。
【0006】
即ち、本発明は、(a)不飽和ポリエステル、(b)エポキシ(メタ)アクリレート、(d)不飽和ポリエステル(メタ)アクリレート、及び(e)重合性不飽和基を分子末端に有するマクロモノマーからなる群より選ばれる重合性不飽和結合基を含有する樹脂(A)を10〜80重量%と、重合性不飽和単量体(B)を90〜20重量%と、前記樹脂(A)及び重合性不飽和単量体(B)の合計100重量部に対してチキソ剤(C)を0.5〜8.0重量部と、ワックス(D)を0.01〜5重量部とからなるゲルコート用樹脂組成物であって、重合性不飽和単量体(B)が、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、及び/または、テトラプロピレングリコールジ(メタ)アクリレートを含有するものであるゲルコート用樹脂組成物を、型に直接、スプレーにて吹き付け硬化させることでゲルコート層を形成し、次いで該ゲルコート層上に、繊維強化樹脂層を形成する、成形品の製造方法を提供するものである。
【0007】
次に本発明を詳細に説明する。
【0008】
【発明の実施の形態】
本発明の重合性不飽和結合基を含有する樹脂(A)とは、重合性不飽和結合基を含有する樹脂でラジカル重合する樹脂であれば良い。好ましくは(a)不飽和ポリエステル、(b)エポキシ(メタ)アクリレート、(c)ウレタン(メタ)アクリレート、(d)不飽和ポリエステル(メタ)アクリレート、(e)分子鎖末端に重合性不飽和結合基を含有するマクロモノマーから選ばれた少なくとも1種以上の樹脂である。これらは単独で使用しても良いし、必要に応じ2種以上を併用しても良い。又、樹脂の酸価は、好ましくは20以下、より好ましくは10以下である。(A)と(B)との組成物の粘度は、好ましくは10〜50ポイズ、より好ましくは20〜30ポイズであり、組成物の揺変度は、好ましくは4〜7である。
【0009】
本発明で用いられる不飽和ポリエステル(a)とは、α,β−不飽和二塩基酸を含む二塩基酸類と多価アルコ−ル類、必要によりジシクロペンタジエン系化合物との縮合反応で得られるものである。好ましくは分子量500〜5000の範囲のものである。樹脂の酸価は、好ましくは20以下、より好ましくは10以下である。
【0010】
不飽和ポリエステルを製造するにあたって使用されるα,β−不飽和二塩基酸としては、マレイン酸、無水マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、無水イタコン酸等を挙げることができる。飽和二塩基酸としては、フタル酸、無水フタル酸、ハロゲン化無水フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、テトラヒドロフタル酸、テトラヒドロ無水フタル酸、ヘキサヒドロフタル酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、ヘキサヒドロテレフタル酸、ヘキサヒドロイソフタル酸、コハク酸、マロン酸、グルタル酸、アジピン酸、セバシン酸、1,12−ドデカン2酸,2,6−ナフタレンジカルボン酸、2,7−ナフタレンジカルボン酸、2,3−ナフタレンジカルボン酸、2,3−ナフタレンジカルボン酸無水物、4,4’−ビフェニルジカルボン酸、またこれらのジアルキルエステル等を挙げることができる。
【0011】
多価アルコ−ル類としては、例えばエチレングリコ−ル、ジエチレングリコ−ル、トリエチレングリコ−ル、ポリエチレングリコ−ル、プロピレングリコ−ル、ジプロピレングリコ−ル、ポリプロピレングリコ−ル、2−メチル−1,3−プロパンジオ−ル、1,3−ブタンジオ−ル、ネオペンチルグリコ−ル、水素化ビスフェノ−ルA、1,4−ブタンジオ−ル、ビスフェノ−ルAとプロピレンオキシドまたはエチレンオキシドの付加物、1,2,3,4−テトラヒドロキシブタン、グリセリン、トリメチロ−ルプロパン、1,3−プロパンジオ−ル、1,2−シクロヘキサングリコ−ル、1,3−シクロヘキサングリコ−ル、1,4−シクロヘキサングリコ−ル、1,4−シクロヘキサンジメタノ−ル、パラキシレングリコ−ル、ビシクロヘキシル−4,4’−ジオ−ル、2,6−デカリングリコ−ル、2,7−デカリングリコ−ル等を挙げることができる。
【0012】
本発明で用いられるエポキシ(メタ)アクリレート(b)とは、例えば、ビスフェノール・タイプのエポキシ樹脂の単独を、あるいは、ビスフェノール・タイプのエポキシ樹脂とノボラック・タイプのエポキシ樹脂との併用、1,6−ナフタレン型エポキシ樹脂のジ(メタ)アクリレート等になるものを指称し、その平均エポキシ当量が、好ましくは150〜450なる範囲内にあるようなエポキシ樹脂と、不飽和一塩基酸とを、エステル化触媒の存在下で、反応せしめて得られるものである。
【0013】
上記したビスフェノール・タイプのエポキシ樹脂として特に代表的なもののみを挙げれば、ビスフェノールA型エポキシ樹脂のジ(メタ)アクリレート、水添ビスフェノールA型エポキシ樹脂のジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAエチレンオキシド付加型エポキシ樹脂のジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAプロピレンオキシド付加型エポキシ樹脂のジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールF型エポキシ樹脂のジ(メタ)アクリレート、1,6−ナフタレン型エポキシ樹脂のジ(メタ)アクリレート等を挙げることができる。
【0014】
また、上記したノボラックタイプのエポキシ樹脂としては、特に代表的なものを挙げれば、フェノール・ノボラックまたはクレゾール・ノボラックと、エピクロルヒドリンまたはメチルエピクロルヒドリンとの反応によって得られるエポキシ樹脂などである。
【0015】
さらに、上記した不飽和一塩基酸として特に代表的なものを挙げれば、アクリル酸、メタクリル酸、桂皮酸、クロトン酸、ソルビン酸、モノメチルマレート、モノプロピルマレート、モノブチルマレート、またはモノ(2−エチルヘキシル)マレートなどがある。
【0016】
なお、これらの不飽和一塩基酸は、単独使用でも2種以上の併用でもよい。上記したエポキシ樹脂と不飽和一塩基酸との反応は、好ましくは、60〜140℃、特に好ましくは、80〜120℃なる範囲内の温度において、エステル化触媒を用いて行われる。
【0017】
エステル化触媒としては、公知慣用の化合物が、そのまま使用できるが、そのうちでも特に代表的なものを挙げれば、トリエチルアミン、N,N−ジメチルベンジルアミン、N,N−ジメチルアニリンもしくはジアザビシクロオクタンの如き、各種の3級アミン類;またはジエチルアミン塩酸塩などである。
【0018】
かかるエポキシ(メタ)アクリレートの数平均分子量としては、好ましくは、450〜2,500、特に好ましくは500〜2,200なる範囲内が適切である。分子量が450よりも小さい場合には、得られる硬化物に粘着性が生じたり、強度物性が低下したりするようになるし、一方、2,500よりも大きい場合には、硬化時間が長くなり、生産性が劣って来るようになる。
【0019】
本発明のウレタン(メタ)アクリレート(c)は、分子中に少なくとも1個の(メタ)アクリロイル基を含むものである。かかる樹脂は、例えばポリイソシアネートとポリエーテルポリオール等のポリオール及び水酸基含有(メタ)アクリル化合物とを反応させて得られるものであるが、イソシアネート基と水酸基との当量比がほぼ同じとなるように各化合物を反応せしめて得られるものである。具体的には先ずポリエーテルポリオールとポリイソシアネートとを反応して、イソシアネート基含有ウレタンプレポリマーを得、次いで該プレポリマーと、水酸基含有(メタ)アクリル化合物とを反応せしめて得られるものが好ましい。
【0020】
ウレタン(メタ)アクリレート(c)を調製するにあたって使用されるポリオールとしては、ポリプロピレンオキシド、ポリエチレンオキシド、ポリテトラメチレングリコール、ビスフェノールA−エチレンオキシド付加物、ビスフェノールAプロピレンオキシド付加物等のポリエーテルポリオール、ポリブタジエンジオール、ポリイソプレンジオール、ポリエステルエーテルポリオール、ポリエステルポリオール等が挙げられる。
【0021】
ポリイソシアネートとしては、2,4−トリレンジイソシアネート及びその異性体または異性体の混合物(以下TDIと略す)、ジフェニルメタンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、水添キシリレンジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、トリジンジイソシアネート、ナフタリンジイソシアネート、トリフェニルメタントリイソシアネート、市販品ではバーノックDー750、クリスボンNX(大日本インキ化学工業(株)製品)、デスモジュールL(住友バイエル社製品)、コロネートL(日本ポリウレタン社製品)、タケネートD102(武田薬品社製品)、イソネート143L(三菱化学社製)等を挙げることができ、それらの単独または2種以上で使用することができる。上記ポリイソシアネートのうちジイソシアネート、特にTDIが好ましく用いられる。
【0022】
水酸基含有(メタ)アクリル化合物としては、水酸基含有(メタ)アクリル酸エステルが好ましく、例えば、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート;ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート等の様な水酸基を2個有するアルコールのモノ(メタ)アクリレート類;α−オレフィンエポキサイドと(メタ)アクリル酸の付加物、カルボン酸グリシジルエステルと(メタ)アクリル酸の付加物;トリス(ヒドロキシエチル)イソシアヌル酸のジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート等の様な3個以上の水酸基を有するアルコールの部分(メタ)アクリレート類が挙げられる。
【0023】
また、本発明のウレタン(メタ)アクリレート(c)製造において、水酸基含有(メタ)アクリル化合物の一部を、本発明の効果を損なわない程度の水酸基含有アリールエーテルや、高級アルコール等の化合物で置換しても良い。
【0024】
水酸基含有アリールエーテル化合物としては、公知慣用のものが使用できるが、うちでも代表的なものにはエチレングリコールモノアリールエーテル、ジエチレングリコールモノアリールエーテル、トリエチレングリコールモノアリールエーテル、ポリエチレングリコールモノアリールエーテル、プロピレングリコールモノアリールエーテル、ジプロピレングリコールモノアリールエーテル、トリプロピレングリコールモノアリールエーテル、ポリプロピレングリコールモノアリールエーテル、1,2−ブチレングリコールモノアリールエーテル、1,3−ブチレングリコールモノアリールエーテル、ヘキシレングリコールモノアリールエーテル、オクチレングリコールモノアリールエーテル、トリメチロールプロパンジアリールエーテル、グリセリンジアリールエーテル、ペンタエリスリトールトリアリールエーテル等の多価アルコール類のアリールエーテル化合物等が挙げられ、水酸基を1個有するアリールエーテル化合物が好ましい。
【0025】
高級アルコールとしては、公知慣用のものが使用できるが、中でも代表的なものは、デシルアルコール、ウンデシルアルコール、ラウリルアルコール、トリデシルアルコール、ステアリルアルコール等が挙げられる。
【0026】
本発明のウレタン(メタ)アクリレート(c)の製造方法としては、一例として、先ずポリエーテルポリオールとポリイソシアネートとを、好ましくは数平均分子量500〜30000、特に好ましくは700〜5000になるようにNCO/OH=2〜1.5で反応させ、末端イソシアネート基含有ウレタンプレポリマーを生成し、次いでそれに水酸基含有アクリル化合物を該プレポリマーのイソシアネート基に対して水酸基がほぼ当量となるように反応させる。
【0027】
別の方法としては、まず水酸基含有アクリル化合物とポリイソシアネートとを反応させ、次いで得られたイソシアネート基含有化合物とポリエーテルポリオールとを反応させて、好ましくは数平均分子量500〜30000、より好ましくは700〜5000のウレタン(メタ)アクリレートを製造することができる。
【0028】
本発明の分子鎖末端に重合性不飽和結合基を含有するマクロモノマー(e)とは、分子鎖末端に重合性不飽和結合基を含有する樹脂で、重合性不飽和結合基が(メタ)アクリロイル基、スチリル基、アリール基、ビニルエーテル基から選ばれた少なくとも1種以上の樹脂である。
【0029】
これらは以下の方法で合成されるが、これらの合成製造法に限定されるものではない。
【0030】
本発明で用いられる(メタ)アクリロイル基を有するマクロモノマー(e)は、例えばメルカプト酢酸などの連鎖移動剤存在下 ビニル単量体をラジカル重合して得られる末端にカルボキシル基を有するポリマー(以下カルボキシル基末端プレポリマーと称す)に、グリシジル(メタ)アクリレート等を反応させることにより合成されるビニル重合体である。
【0031】
本発明で用いられるスチリル基を有するマクロモノマーは 例えばカルボキシル基末端プレポリマーの、該カルボキシル基を中和して ついで前記プレポリマーとクロロメチルスチレンを反応させることにより合成されるビニル重合体である。
【0032】
本発明で用いられるアリール基を有するマクロモノマーは 例えばカルボキシル基末端プレポリマーに アリールグリシジルエーテル等を反応させることにより合成されるビニル重合体である。
【0033】
本発明で用いられるビニルエーテル基を有するマクロモノマーは 例えばメルカプトエタノールなどの連鎖移動剤存在下 ビニル単量体をラジカル重合して得られる末端に水酸基を有するポリマー(以下水酸基末端プレポリマーと称す)と、トリレンジイソシアネート等のジイソシアネートとブタンジオールモノビニルエーテル等のグリコールモノビニルエーテルを反応させることにより合成されるビニル重合体である。
【0034】
ここで言う、ビニル単量体としては 酢酸ビニル、スチレン、スチレン置換体、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸グリシジル、(メタ)アクリロニトリル、(メタ)アクリルアミド、無水マレイン酸,N−ビニルピロリドン、塩化ビニル、塩化ビニリデン、フェニルマレイミド等が挙げられ、これらは単独でまたは複数併用で使用できる。しかし、これらビニル単量体の中で、重合性不飽和基を付与する反応過程により、酢酸ビニル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸グリシジル、無水マレイン酸等は使用不適当な場合がある。
【0035】
マクロモノマーの数平均分子量は、重合系に添加する連鎖移動剤および重合開始剤等の量を適宜選択することにより定められ、数平均分子量(Mn)は1,000〜40,000、より好ましくは2,000〜25,000である。なお、本発明における数平均分子量とは、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(以下GPCという)によるポリスチレン換算の数平均分子量である。
【0036】
ラジカル重合の重合法としては、溶液重合法、バルク重合法および懸濁重合法のいずれをも使用できるが、好ましくは懸濁重合法である。
【0037】
重合開始剤としては、通常のアゾ系開始剤や過酸化物開始剤が使用できるが、メルカプタン化合物との反応をさけるためアゾ系開始剤が好ましい。アゾ系開始剤としては,2,2−アゾビスイソブチロニトリル(以下AIBNと略記する)、4,4−アゾビス−4−シアノバレリックアシド、1−アゾビス−1−シクロヘキサンカルボニトリル等が挙げられる。
【0038】
連鎖移動剤としては、カルボキシル基を有するメルカプタン系連鎖移動剤としては、メルカプト酢酸、2−メルカプトプロピオン酸、3−メルカプトプロピオン酸等が用いられる。水酸基を有する連鎖移動剤としては、チオエタノール、チオプロパノール等が用いられる。
【0039】
カルボキシル基末端プレポリマーと(メタ)アクリロイル基、アリール基、スチリル基を有する化合物との反応は 溶液重合法、バルク重合法いずれの場合も使用できるが、溶液重合法の場合、懸濁重合でプレポリマーを合成し、重合性不飽和単量体を溶剤に用いて反応を行うのが好ましい。バルク重合法の場合、懸濁重合法でプレポリマーを合成し、混練機などを使用して、加熱下に溶融状態で行うのが好ましい。いずれの際もテトラブチルホスホニウムブロミドの如き反応触媒を使用しても良い。
【0040】
水酸基プレポリマーとビニルエーテル基を有する化合物との反応は、溶液重合法、バルク重合法いずれの場合も使用できるが、懸濁重合法でプレポリマーを合成し 重合性不飽和単量体を溶剤に用いてプレポリマーとジイソシアネートとグリコールモノビニルエーテルとの反応を行う溶液重合法が好ましい。ウレタン化反応の際、トリブチル錫の如き反応触媒を使用しても良い。
【0041】
グリコールモノビニルエーテルとしては、エチレングリコールモノビニルエーテル、ブタンジオールモノビニルエーテル、シクロヘキサンジメタノールモノビニルエーテル、ジエチレングリコールモノビニルエーテル、ヘキサンジオールモノビニルエーテル等を挙げることができ、それら単独または2種以上で使用することができる。上記グリコールモノビニルエーテルの中で 特にブタンジオールモノビニルエーテルが好ましく用いられる。マクロモノマー(e)の市販品としては、東亞合成化学工業(株)のマクロモノマー AA−6、AA−10、AS−6、AN−6を単独であるいは併用して使用しても良い。
【0042】
本発明で使用される重合性不飽和単量体(B)は、オリゴエチレングリコールのアクリル酸またはメタクリル酸エステル、または、オリゴプロピレングリコールのアクリル酸またはメタクリル酸エステルで、好ましくはオリゴとは2〜4のものである。具体的には、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート(分子量600以下)、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート(分子量600以下)、トリプロピレングリコールジアクリレート、等が挙げられる。これらの単量体の1種又は2種以上を有効に使用できる。特に好ましくは、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレートである。これらは、単独で使用しても併用しても良く、重合性不飽和結合基を含有する樹脂(A)10〜80重量%、好ましくは30〜70重量%、より好ましくは50〜70重量%を、重合性不飽和単量体(B)90〜20重量%、好ましくは70〜30重量%、より好ましくは50〜70重量%に溶解して樹脂組成物を形成する。
【0043】
本発明に使用される重合性不飽和単量体(B)は、本発明の効果を損なわない範囲で通常不飽和ポリエステル樹脂組成物に使用される、例えば、スチレン、α-メチルスチレン、クロルスチレン、ジクロルスチレン、ジビニルベンゼン、t-ブチルスチレン、ビニルトルエン、酢酸ビニル、ジアリールフタレ-ト、トリアリールシアヌレ-ト、さらにアクリル酸エステル、メタクリル酸エステル等;(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸n−ブチル、(メタ)アクリル酸i−ブチル、(メタ)アクリル酸t−ブチル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸ラウリル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸ベンジル、(メタ)アクリル酸ステアリル、(メタ)アクリル酸トリデシル、ジシクロペンテニロキシエチル(メタ)アクリレート、エチレングリコールモノメチルエーテル(メタ)アクリレート、エチレングリコールモノエチルエーテル(メタ)アクリレート、エチレングリコールモノブチルエーテル(メタ)アクリレート、エチレングリコールモノヘキシルエーテル(メタ)アクリレート、エチレングリコールモノ2ーエチルヘキシルエーテル(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールモノメチルエーテル(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールモノエチルエーテル(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールモノブチルエーテル(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールモノヘキシルエーテル(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールモノ2ーエチルヘキシルエーテル(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコ-ルジ(メタ)アクリレ-ト、ポリテトラメチレングリコール(PTMG)のジメタアクリーレート、1,3−ブチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ1,3ジメタクリロキシプロパン、2,2−ビス〔4−(メタクリロキシエトキシ)フェニル〕プロパン、2,2−ビス〔4−(メタクリロキシ・ジエトキシ)フェニル〕プロパン、2,2−ビス〔4−(メタクリロキシ・ポリエトキシ)フェニル〕プロパン、テトラエチレングリコールジアクリレート、ビスフェノールA−エチレンオキサイド(以下EOと略す)変性(n=2)ジアクリレート、イソシアヌル酸EO変性(n=3)ジアクリレート、ペンタエリスリトールジアクリレートモノステアレート、等を併用でき、樹脂と架橋可能な不飽和単量体或いは不飽和オリゴマー等が挙げられる。
【0044】
更に、硬化物表面の耐摩耗性、耐さっ傷性、耐煽動性、耐薬品性等を向上する必要がある場合には、多官能不飽和モノマー、好ましくは、3官能以上の(メタ)アクリル酸エステルモノマーが好ましく併用される。具体的には、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、テトラメチロールメタルトリアクリレート、テトラメチロールメタンテトラアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、トリメチロールプロパンプロピレンオキサイド(以下POと略す)変性(n=1)トリアクリレート、イソシアヌール酸EO変性(n=3)トリアクリレート、イソシアヌール酸EO(n=3)・ε−カプロラクトン変性トリアクリレート、ジペンタエリスリトールペンター及びヘキサーアクリレート、、ペンタエリスリト-ルテトラ(メタ)アクリレ-ト等の重合性単量体を併用することもできる。
【0045】
この樹脂組成物には、重合禁止剤が好ましく使用され、例えばトリハイドロベンゼン、トルハイドロキノン、1,4−ナフトキノン、パラベンゾキノン、トルハイドロキノン、ハイドロキノン、ベンゾキノン、ハイドロキノンモノメチルエーテル、p−tert−ブチルカテコール、2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェノール等を添加できる。好ましくは樹脂組成物に、10〜1000ppm添加しうるものである。
【0046】
本発明の樹脂組成物に使用されるチキソ剤(C)としては、シリカ粉末、タルク粉末、マイカ粉末、ガラスフレーク、金属ウィスカー、セラミッックウィスカー、硫酸カルシウムウィスカー、アスベスト、スメクタイト等が挙げられ、必要に応じ、前記、2種類以上を併用しても良い。
【0047】
チキソ剤の市販品としては、レオロシールQSシリーズ(トクヤマ(株)製)、アエロジルシリーズ(日本アエロジル(株)製)、CABOSILシリーズ(CABOT社製、HDKシリーズ(WACKER社製)、BENATHIXシリーズ(ウィルバーエリス社製)、FRANKLIN FIBER(USG社製)、タルクS、SW、SS、SEW(日本タルク社製)、タルカンパウダーPK、ロータルク−T(林化成社製)等がある。このチキソ剤(C)の添加量としては、樹脂(A)と重合性不飽和単量体(B)との合計量100重量部に対して、好ましくは0.5〜8.0重量部、より好ましくは1.5〜5.0重量部使用する。
【0048】
本発明の組成物にさらに使用されるワックス(D)としては、パラフィン、オレフィンワックス、極性ワックスを単独、あるいは、併用する事ができる。パラフィンワックスとしては、原油精製工程において沸点の違いにより分離して得られる常温で固体の飽和炭化水素があり、融点により、日本精鑞(株)、日本石油(株)等より市販されている一般的なものや、エチレン、プロピレン等より意図的に合成された東洋ペトロライト社製ポリワックスシリーズ等の合成パラフィンワックスがある。オレフィンワックスとしては、パラフィンワックスと同じく石油精製工程より得られるものがあり、市販品としては、三菱化学(株)製ダイアレンシリーズ等がある。極性ワックスとしては、その構造中に極性基並びに非極性基を合わせ持つもので、具体的には、エマノーン3199、3299(花王(株)製)、リケマールS−71−D、S−200(理研ビタミン(株)製)、NPS−8070、NPS−9125、OX−WEISSEN−8(日本精蝋(株)製)、ダイヤカルナPAX−30(三菱化学(株)製)といった化合物等が挙げられる。
【0049】
このワックス(D)の添加量としては、樹脂(A)と重合性不飽和単量体(B)との合計量100重量部に対して、好ましくは0.01〜5重量部、より好ましくは0.03〜2.0重量部使用する。
【0050】
本発明の組成物に添加される硬化剤としては、有機過酸化物が挙げられる。具体的にはジアシルパーオキサイド系、パーオキシエステル系、ハイドロパーオキサイド系、ジアルキルパーオキサイド系、ケトンパーオキサイド系、パーオキシケタール系、アルキルパーエステル系、パーカーボネート系等公知のものが使用される。
【0051】
硬化剤の添加量は、重合性不飽和結合基を含有する樹脂(A)と重合性不飽和単量体(B)の合計量100重量部に対して、好ましくは0.01〜5重量部である。上記硬化剤は、2種以上組み合わせて使用しても良い。
【0052】
本発明の樹脂組成物の硬化促進剤としては、、金属石鹸類、例えばナフテン酸コバルト、オクテン酸コバルト、オクテン酸バナジル、ナフテン酸銅、ナフテン酸バリウムが挙げられ、金属キレート化合物としては、バナジルアセチルアセテート、コバルトアセチルアセテート、鉄アセチルアセトネートがある。またアミン類にはN,N−ジメチルアミノ−p−ベンズアルデヒド、N,N−ジメチルアニリン、N,N−ジエチルアニリン、N,N−ジメチル−p−トルイジン、N−エチル−m−トルイジン、トリエタノールアミン、m−トルイジン、ジエチレントリアミン、ピリジン、フェニルモルホリン、ピペリジン、ジエタノールアニリン等がある。
【0053】
硬化促進剤の添加量は、樹脂(A)と単量体(B)の合計量100重量部に対して、好ましくは0.001〜5重量部使用する。なお、硬化促進剤は予め樹脂(A)に添加しておいても良いし、使用時に添加しても良い。
【0054】
本発明では、各種添加剤、例えば、充填剤、紫外線吸収剤、顔料、老化防止剤、可塑剤、難燃剤、安定剤、光硬化剤等を使用してもよい。
【0055】
充填剤としては、例えば、炭酸カルシウム粉、クレー、アルミナ粉、硅石粉、タルク、硫酸バリウム、シリカパウダー、ガラスビーズ、マイカ、水酸化アルミニウム等が挙げられる。
【0056】
本発明の組成物をゲルコート層として有することを特徴とする成形品としては、住設機器部材(キッチンカウンター、バスタブ、洗面化粧台、浴室壁等)、自動車部品、土木建築部材、電気電子部材等いずれのものでもよいが、例えば船、ボート、イス、机(テーブル)、屋根材、柱、クーリングタワー、水タンク(水槽)、タンク、車両部品等、特に屋外使用成形品用途であり、耐候性が重要視される成形品である。成形方法としては、FRP積層成形法、インモールドプレス成形方法、注型成形方法等、成形方法を特に限定するものではない。
【0057】
【実施例】
以下本発明を実施例によって更に詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。また文中「部」とあるのは、重量部を示すものである。
【0058】
実施例1(不飽和ポリエステルの合成)
温度計、撹拌機、不活性ガス導入口、及び還流冷却器を備えた5リットルの四つ口フラスコに、ネオペンチルグリコール556.8部、イソフタル酸423部を仕込み、窒素雰囲気中220℃まで昇温し、ソリッド酸価1になったところで、120℃まで冷却し、プロピレングリコール203.4部、フマル酸591.3部を仕込み、210℃まで昇温し、12時間反応後、トルハイドロキノン0.10部、トリエチレングリコールジメタアクリレート1277部を加え不飽和ポリエステル分54.0重量%、酸価9.3、粘度4.3dPa・sの樹脂組成物▲1▼を得た。
【0059】
(ゲルコート樹脂組成物の調整)
樹脂組成物▲1▼ 90.0部
酸化チタン(CR−90、石原産業社製) 10.0部
微粉末シリカ(#200、日本アエロジル社製) 2.0部
6%−ナフテン酸コバルト 0.3部
ダイアレン208(三菱化学(株)社製) 0.3部
トリエチレングリコールジメタアクリレート 10.0部
先に、得られた樹脂組成物▲1▼に対し、上記配合を処方し、粘度26.0dPa・s、揺変度4.8のゲルコート樹脂組成物▲1▼を得た。
【0060】
(耐候性評価用試験片の作成)
ゲルコート組成物▲1▼に、硬化剤パーメックN(日本油脂社製)を1.0部添加。離型剤フレコートFRP(DEXTER社製)で処理したガラス板上に、スプレーにて0.4mmのゲルコート塗布層を形成し、室温で4時間硬化させた。次に、硬化したゲルコート層上に、#450チョップドストランドマット3プライ及び、積層成形用不飽和ポリエステル樹脂ポリライトFH−123−M(大日本インキ化学工業(株)社製)を用い、ガラス含有率約30重量%、厚さ3mmのFRP層を成形した。ゲル化後、40℃で16時間アフターキュアーした後、脱型し、耐候性評価用試験片とした。
【0061】
(耐候性評価)
サンシャインウェザーメーター(ブラックパネル温度:63℃、降雨条件:18分/2時間)により、500、1000時間後の色差ΔE、光沢保持率の測定を行い、評価結果を表1に示した。
【0062】
実施例2(不飽和ポリエステルアクリレートの合成)
温度計、撹拌機、不活性ガス導入口、及び還流冷却器を備えた2リットルの四つ口フラスコに、ネオペンチルグリコール173部、ビスフェノールA−エチレンオキサイド2モル付加物347部、イソフタル酸261部を仕込み、窒素雰囲気中215℃まで昇温し、10時間反応し、ソリッド酸価1になったところで、120℃まで冷却し、フマル酸183部を加えて200℃まで昇温し、4時間反応させ、ソリッド酸価64になったところで、130℃まで冷却した。これに、グリシジルメタアクリレート146部を加え、130℃で3時間反応後、ジエチレングリコールジメタアクリレート816部、トルハイドロキノン0.08部を加え、不飽和ポリエステルアクリレート分55.0%、酸価4.7、粘度5.0dPa・sの樹脂組成物▲2▼を得た。
【0063】
(ゲルコート樹脂組成物の調整)
樹脂組成物▲2▼ 89.3部
酸化チタン(CR−90、石原産業社製) 10.0部
微粉末シリカ(レオロシールQS20L、トクヤマ社製) 2.2部
6%−ナフテン酸コバルト 0.3部
130゜FパラフィンWAX 0.03部
ジエチレングリコールジメタアクリレート 11.0部
先に、得られた樹脂組成物▲2▼に対し、上記配合を処方し、粘度29dPa・s、揺変度5.2のゲルコート樹脂組成物▲2▼を得た。得られた樹脂組成物▲2▼について、実施例1と同様に評価試験を行い、結果を表1に示した。
【0066】
実施例4(ビニルエステルの合成)
ビスフェノールFとエピクロルヒドリンとの反応により得られたエポキシ当量174のエピクロン830(大日本インキ化学工業(株)製エポキシ樹脂)458部、メタクリル酸215部、ハイドロキノン0.35部及びトリエチルアミン2.1部を加えて、110℃間で昇温し、6時間反応後、ジエチレングリコールジメタアクリレート168部、トルハイドロキノン0.06部を加えビニルエステル分50.0重量%、ガードナー粘度Wの樹脂組成物▲4▼を得た。
【0067】
(ゲルコート樹脂組成物の調整)
樹脂組成物▲4▼ 87.5部
酸化チタン(CR−90、石原産業社製) 10.0部
微粉末シリカ(#200、日本アエロジル社製) 2.5部
6%−ナフテン酸コバルト 0.3部
ダイアレン168(三菱化学(株)社製) 0.4部
ジエチレングリコールジメタアクリレート 12.5部
先に、得られた樹脂組成物▲4▼に対し、上記配合を処方し、粘度34dPa・s、揺変度4.6のゲルコート樹脂組成物▲4▼を得た。得られたゲルコート樹脂組成物▲4▼について、実施例1と同様に評価試験を行い、結果を表1に示した。
【0068】
比較例7(ウレタンメタクリレートの合成)
温度計、撹拌機、不活性ガス導入口、及び還流冷却器を備えた1リットルの四つ口フラスコに、三井ポリオールジオール700(三井東圧化学(株)製)を283部、TDIを144部仕込み、窒素雰囲気中80℃に保持し、5時間反応後理論NCO当量516を確認した。30℃まで冷却し、2−ヒドロキシエチルメタアクリレートを109部仕込み、80℃で4時間反応し、NCO%が0.1重量%以下になったところで、ジエチレングリコールジメタアクリレート358部トルハイドロキノン0.08部、ターシャリブチルカテコール0.026部を加え、ウレタンメタアクリレート分 60.0重量%、粘度12.3dPa・sの樹脂組成物(5)を得た。
【0069】
(ゲルコート樹脂組成物の調整)
樹脂組成物(5) 83.3部
酸化チタン(CR−90、石原産業社製) 10.0部
微粉末シリカ(#200、日本アエロジル社製) 2.6部
6%−ナフテン酸コバルト 0.3部
ダイアレン208(三菱化学社製) 0.2部
ジエチレングリコールジメタアクリレート 16.7部
先に、得られた樹脂組成物(5)に対し、上記配合を処方し、粘度33.2dPa・s、揺変度4.7のゲルコート樹脂組成物(5)を得た。得られたゲルコート樹脂組成物(5)について、実施例1と同様に評価試験を行い、結果を表1に示した。
【0070】
実施例6(PMMAマクロモノマー)
温度計、撹拌機、ガス導入口及び還流冷却器を備えた2リットルの四ツ口セパラブルフラスコに、ジプロピレングリコールジメタアクリレート750g、マクロマーAA−6(東亜合成化学工業(株)製)250g、ハイドロキノンモノメチルエーテル0.2gを入れ50℃で溶解させた。マクロモノマーが完全に溶解されるとマクロモノマー樹脂分25%、粘度0.9dPa・sの樹脂組成物(6)を得た。
【0071】
(ゲルコート樹脂組成物の調整)
樹脂組成物(6) 90.6部
酸化チタン(CR−90、石原産業社製) 10.0部
微粉末シリカ(#200、日本アエロジル社製) 2.6部
6%−ナフテン酸コバルト 0.3部
ダイアレン208(三菱化学社製) 0.2部
ジプロピレングリコールジメタアクリレート 9.4部
先に、得られた樹脂組成物(6)に対し、上記配合を処方し、粘度33.2dPa・s、揺変度4.7のゲルコート樹脂組成物(6)を得た。得られたゲルコート樹脂組成物(6)について、実施例1と同様に評価試験を行い、結果を表1に示した。
【0072】
【表1】
【0073】
【表2】
【0074】
[比較例1−6]
実施例1〜6で得られた樹脂ソリッドを各実施例と同等の不揮発分となるようにスチレンモノマーで希釈し、樹脂組成物を得た。得られた樹脂組成物について、実施例1と同様に評価試験を行い、結果を表2に示した。
【0075】
【表3】
【0076】
【表4】
【0077】
【発明の効果】
本発明のゲルコート樹脂組成物は、重合性不飽和単量体としてオリゴエチレングリコールジ(メタ)アクリレート及び/またはオリゴプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート(B)、チキソ剤(C)を必須成分として含有することで耐候性に優れる為、耐候性に優れたゲルコート層を有する成形品を提供することが可能である。
Claims (1)
- (a)不飽和ポリエステル、(b)エポキシ(メタ)アクリレート、(d)不飽和ポリエステル(メタ)アクリレート、及び(e)重合性不飽和基を分子末端に有するマクロモノマーからなる群より選ばれる重合性不飽和結合基を含有する樹脂(A)を10〜80重量%と、重合性不飽和単量体(B)を90〜20重量%と、前記樹脂(A)及び重合性不飽和単量体(B)の合計100重量部に対してチキソ剤(C)を0.5〜8.0重量部と、ワックス(D)を0.01〜5重量部とからなるゲルコート用樹脂組成物であって、重合性不飽和単量体(B)が、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、及び/または、テトラプロピレングリコールジ(メタ)アクリレートを含有するものであるゲルコート用樹脂組成物を、型に直接、スプレーにて吹き付け硬化させることでゲルコート層を形成し、次いで該ゲルコート層上に、繊維強化樹脂層を形成する、成形品の製造方法。
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