JP2005120305A - 低臭気樹脂組成物およびそれを含む被覆材およびそれを用いた被覆工法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】
(A)分子末端に少なくとも2個以上の(メタ)アクリロイル基を有する(メタ)アクリレートオリゴマー、(B)アセトアセトキシル基を有する(メタ)アクリレートモノマー、(C)炭素数が8以上の長鎖アルキル基を有する(メタ)アクリレートモノマー、(D)ワックスを配合した樹脂組成物あるいはさらに(E)フェニル基を有する(メタ)アクリレートモノマーを併用して使用する樹脂組成物、該樹脂組成物に対して繊維強化材、充填材および骨材の内の少なくとも1種を配合して得られる樹脂複合組成物並びに該樹脂複合組成物を用いた土木建築物の防水被覆工法またはライニング被覆工法。
【選択図】 なし。
Description
さらに、前記臭気の問題を解決すべく、重合性モノマーとして(メタ)アクリル系モノマーなどの低臭気樹脂を用いる方法も試みられているが、これらを利用した低臭気性樹脂は、利用する(メタ)アクリル系モノマーがスチレンより薄膜での硬化が悪い特性があるため、ライニング施工等で硬化不良が起こりやすいという問題があり、現時点では実用になりにくいという問題があった。
また、これらの(メタ)アクリル系モノマーを軟質不飽和ポリエステル樹脂に利用した場合には、不飽和ポリエステルと(メタ)アクリル系モノマーの共重合性が劣るため十分な強度を有する硬化物が得られないだけでなく、硬化不良を生じやすい結果にもなりやすい。
また、ライニング作業の工程では、塗膜が硬化又は乾燥後に次の工程作業に入ることが多く、その場合には次の工程で塗布する塗膜樹脂やライニング樹脂との二次接着性が必要となる。塗膜表面及びライニング表面にパラフィンワックスが奇麗に形成されると、従来の樹脂をそのまま塗布すると二次接着性が大変劣る結果となり、硬化後にライニング層の剥離を生ずることが有るため、施工上の問題となることがしばしばある。この様な剥離を防止するためには、被接着面である一次のライニング層等の表面を研磨・サンディング等を行い、パラフィンワックス層を除去する必要がある。それゆえ、施工上の工程が増すため手間と時間が大幅に掛かる結果を招いてしまう。
それゆえ、FRP防水施工業者、モルタルライニング施工業者から、軟質で且つ現状樹脂以上の長期耐久性を有し、作業環境の改善と臭気の低減ができ、作業性に優れるライニング用樹脂の開発が望まれていた。
[1] (A)分子末端に少なくとも2個以上の(メタ)アクリロイル基を有する(メタ)アクリレートオリゴマー、(B)アセトアセトキシル基を有する(メタ)アクリレートモノマー、(C)炭素数が8以上の長鎖アルキル基を有する(メタ)アクリレートモノマー、(D)ワックスを配合したことを特徴とする樹脂組成物、
[2] (A)(メタ)アクリレートオリゴマー、(B)アセトアセトキシル基を有する(メタ)アクリレートモノマー、(C)炭素数が8以上の長鎖アルキル基を有する(メタ)アクリレートモノマー及び(D)ワックスからなる樹脂組成物において、(A)100重量部に対して、(B)1〜20重量部、(C)1〜20重量部且つ上記3成分の合計100重量部に対して(D)0.01〜2重量部を配合した上記[1]に記載の樹脂組成物、
[3] (A)(メタ)アクリレートオリゴマーが、ウレタン(メタ)アクリレート、エポキシ(メタ)アクリレート、ポリエステル(メタ)アクリレートの中の少なくとも1種であることを特徴とする上記[1]または[2]に記載の樹脂組成物、
[5] (A)(メタ)アクリレートオリゴマーが、飽和もしくは不飽和ポリエステルの末端に(メタ)アクリル化合物を反応させたものである上記[1]〜[4]のいずれかに記載の樹脂組成物、
[7] (A)(メタ)アクリレートオリゴマー、(B)アセトアセトキシル基を有する(メタ)アクリレートモノマー、(C)炭素数が8以上の長鎖アルキル基を有する(メタ)アクリレートモノマー、(E)フェニル基を有する(メタ)アクリレートモノマー及び(D)ワックスからなる樹脂組成物において、(A)100重量部に対して、(B)1〜20重量部、(C)1〜20重量部、(E)150重量部以下、且つ上記4成分の合計100重量部に対して(D)0.01〜2重量部を配合することを特徴とする樹脂組成物の製造方法、
[9] 上記[1]〜[6]または上記[8]のいずれかに記載の樹脂組成物および/または樹脂複合組成物を防水層及び/または保護層として土木建築物に施工することを特徴とする土木建築物の防水被覆工法またはライニング被覆工法、
[10] 上記[1]〜[6]または上記[8]のいずれかに記載の樹脂組成物および/または樹脂複合組成物を用いて、上記[9]に記載の方法により防水被覆工法またはライニング被覆工法により施工されたライニング被覆構造体、を開発することにより上記の課題を解決した。
好ましくは、分子末端に少なくとも2個以上の(メタ)アクリロイル基を有するウレタン(メタ)アクリレート及びポリエステル(メタ)アクリレートを使用する。
又、ポリエステルポリオールとは、二塩基酸類と多価アルコール類の縮合重合体又はポリカプロラクトンの様に環状エステル化合物の開環重合体である。ここで使用する二塩基酸類としては、例えば、フタル酸、無水フタル酸、ハロゲン化無水フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、テトラヒドロフタル酸、テトラヒドロ無水フタル酸、ヘキサヒドロフタル酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、ヘキサヒドロテレフタル酸、ヘキサヒドロイソフタル酸、コハク酸、マロン酸、グルタル酸、アジピン酸、セバシン酸、1,12−ドデカンジカルボン酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、2,7−ナフタレンジカルボン酸、2,3−ナフタレンジカルボン酸、2,3−ナフタレンジカルボン酸無水物、4,4’−ビフェニルジカルボン酸、またこれらのジアルキルエステル等を挙げることができる。
本発明で用いられる飽和ポリエステルとは、飽和二塩基酸類と多価アルコール類との縮合反応、また、不飽和ポリエステルとはα,β−不飽和二塩基酸を含む二塩基酸類と多価アルコール類との縮合反応で得られるものである。
ここでいう飽和二塩基酸類とは、前記のポリエステルポリオールの項に示した化合物を挙げることができ、不飽和二塩基酸としては、マレイン酸、無水マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、無水イタコン酸等を挙げることができる。また、多価アルコール類についても、前記のポリエステルポリオールの項に示した化合物を挙げることができる。
本発明の(A)として使用されるポリエステル(メタ)アクリレートに用いる(メタ)アクリル化合物としては、不飽和グリシジル化合物、アクリル酸またはメタクリル酸の如き各種の不飽和一塩基酸、およびそのグリシジルエステル類等である。好ましくは、グリシジル(メタ)アクリレートの使用が望ましい。
ここでいうエポキシ樹脂の例を挙げれば、ビスフェノールタイプまたはノボラックタイプのエポキシ樹脂単独、または、ビスフェノールタイプとノボラックタイプのエポキシ樹脂とを混合した樹脂などであって、その平均エポキシ当量が好ましくは150から450の範囲のものである。
上記のエステル化触媒としては、たとえばトリエチルアミン、N,N−ジメチルベンジルアミン、N,N−ジメチルアンリン若しくはジアザビシクロオクタンなどの如き三級アミン、トリフェニルホスフィンあるいはジエチルアミン塩酸塩などの如き公知の触媒がそのまま使用できる。
これらのアセトアセトキシル基を有する(メタ)アクリレートモノマーを使用することで、低温から高温まで(0℃〜40℃)優れたライニング樹脂の硬化特性が得られ、更に塗膜やライニング層の表面乾燥性を促進させることができる。アセトアセトキシル基を有する(メタ)アクリレートモノマーを使用しない場合には低温硬化性が遅くなったり、表面乾燥性が低下する。
使用するワックスの種類および融点に応じて、炭素数が8以上の長鎖アルキル基を有する(メタ)アクリレートモノマーの種類を選定することが好ましい。特に融点が高いワックスを使用する場合には、炭素数が10以上の長鎖アルキル基を有する(メタ)アクリレートモノマーを選定して使用する。より好ましくは炭素数が12以上の長鎖アルキル基を有する(メタ)アクリレートモノマーを使用する。
これらのフェニル基を有する(メタ)アクリレートモノマーを使用することで、十分な引張り強度及び伸び率を有する硬化物が得られ、更に耐水性・耐熱劣化性・耐候性などの耐久性に優れる硬化物が得られる。
更に上記の(B)(C)(E)成分以外の(メタ)アクリロイル基を有するモノマーも併用することができる。具体例としては、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸n−ブチル、(メタ)アクリル酸イソブチル、(メタ)アクリル酸t−ブチル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸n−オクチル、(メタ)アクリル酸デシル、ポリカプロラクトン(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールモノメチルエーテルモノ(メタ)アクリレート、ジプロピレングリコールモノメチルエーテルモノ(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシルカルビトール(メタ)アクリレート、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,2−プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,3−ブチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレートのアルカンジオールジ(メタ)アクリレート、ジプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート等のポリオキシアルキレン−グリコールジ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
更にエチルビニルエーテル、メチルビニルケトンなどのビニルモノマーや、ジアリルフタレート、ジアリルテレフタレート、ジアリルサクシネート、トリアリルシアヌレートなどのアリル化合物およびそれらのオリゴマーなどが挙げられる。これらのうち、樹脂組成物の低臭性を維持するためにはモノマーの揮発性及び臭気を考慮して選定することが好ましい。
前記石油系ワックスとしては、たとえば、パラフィン系ワックス、マイクロクリスタリンワックスなどが挙げられる。前記オレフィン系ワックスとしては、たとえば、ポリエチレン、ポリプロピレンなどが挙げられる。さらに極性ワックスとしては、これらの石油系ワックス、オレフィン系ワックスに極性基(水酸基・エステル基など)を導入したワックス類やオレイン酸・リノール酸・リノレン酸などの不飽和脂肪酸エステルなどが挙げられる。特殊ワックスとしては、ビックケミー社製のByk LPS−6665などが挙げられる。
これらのワックスを使用することで、樹脂が硬化する際に塗膜表面やライニング層表面に析出して酸素遮断剤として有効に働き、塗膜やライニング層の表面乾燥性を得ることができる。これらのワックスを使用しないと、良好な表面乾燥性を得ることが難しい。
更に(A)成分+(B)成分+(C)成分+(E)成分の合計100重量部に対して(D)成分のワックスを0.01〜2重量部の比率で含有する。この比率より少ないと表面乾燥性の低下を招き、これより多いとワックスの溶解性や安定性、更にライニング時の二次接着性が劣る結果を招くことがある。
ラジカル硬化剤とは、有機過酸化物が挙げられ、具体的にはジアシルパーオキサイド系、パーオキシエステル系、ハイドロパーオキサイド系、ジアルキルパーオキサイド系、ケトンパーオキサイド系、パーオキシケタール系、アルキルパーエステル系、パーカーボネート系等公知公用のものが使用される。
上記揺変性付与剤としては、具体的には、無水微粉末シリカ、アスベスト、クレー等が挙げられる。また、揺変性付与助剤としては、具体的には、ポリエチレングリコール、グリセリン、ポリヒドロキシカルボン酸アミド、有機4級アンモニウム塩、BYK−R−605(商品名;ビックケミージャパン(株)製)等が挙げられる。
増粘剤としては、具体的には、酸化マグネシウム、酸化カルシウム、酸化亜鉛等の金属酸化物が挙げられる。
着色剤としては、具体的には、有機顔料、無機顔料、染料等が挙げられる。
可塑剤としては、具体的には、塩素化パラフィン、リン酸エステル、フタル酸エステル等が挙げられる。
[合成例1] ウレタン(メタ)アクリレート〔UMA−1〕の合成
温度計、攪拌機、ガス導入口、及び還流冷却器を備えた5リットルの四つ口フラスコに、ポリプロピレングリコール(重量平均分子量1000)1695g、4,4´−ジフェニルメタンジイソシアネート847g、ライトエステルL−8(炭素数12〜15の長鎖アルキル基を有する(メタ)アクリレートモノマーの混合物)847g、ハイドロキノン0.6gを仕込み、乾燥空気雰囲気中70℃まで昇温した。内温が70℃に達したら、触媒としてジブチルチンジラウレート1.5gを添加し、1時間攪拌した後、ポリプロピレングリコール(重量平均分子量400)365g、4,4´−ジフェニルメタンジイソシアネート456g、ジブチルチンジラウレート1.8gを添加し、攪拌を続け、1時間後及び1.5時間後に反応物のIRピークを測定し変化がないことを確認した後、ヒドロキシプロピルメタクリレート790gを30分かけて添加した。攪拌を続け、1時間後にIRにてイソシアネートのピークが消失したことを確認して冷却して、ウレタンメタアクリレート樹脂5000gを得た。この重合体を以下[UMA−1]とした。
合成例1と同様にして、ポリプロピレングリコール(重量平均分子量400)1507g、イソホロンジイソシアネート1673g、ライトエステルL−8(炭素数12〜15の長鎖アルキル基を有する(メタ)アクリレートモノマーの混合物 )791g、ハイドロキノン0.6gを仕込み、乾燥空気雰囲気中70℃まで昇温する。内温が70℃に達したら、触媒としてジブチルチンジラウレート3.2gを添加し、1時間攪拌した後、ジブチルチンジラウレートを添加し、攪拌を続ける。1時間後、80℃まで昇温し、さらに攪拌を続ける。昇温してから1時間後と1.5時間後の反応物のIRピークに変化がないことを確認した後、ヒドロキシエチルメタクリレート1030gを30分かけて添加し、IRにてイソシアネートのピークがなくなるまで反応させることにより、ウレタンメタアクリレート樹脂5000gを得た。この重合体を以下[UMA−2]とした。
温度計、攪拌機、ガス導入口、及び還流冷却器を備えた5リットルの四つ口フラスコに、ポリプロピレングリコール(重量平均分子量400)1610g、ジプロピレングリコール848g、イソフタル酸573gを仕込み、窒素雰囲気中220℃まで昇温し12時間反応させ、酸価9.4になったところで冷却し、引き続き無水マレイン酸789gを仕込み205℃まで昇温して4時間反応し、酸価75.8になった時点で100℃まで冷却した。乾燥空気下で、これにハイドロキノン0.6g、グリシジルメタアクリレート540.0部を加え、更にトリフェニルホスフィン8.0gを添加し、120〜130℃で2.5時間反応させて、酸価15.8で冷却してポリエステルメタアクリレート4000gを得た。この重合体を以下[PMA−1]とした。
合成例1と同様の装置にて、二段反応法にて、ジプロピレングリコール1714g、イソフタル酸1698g、ジブチル錫オキサイド0.30gを仕込み窒素雰囲気下で反応して、酸価が8.4mgKOH/gで冷却し、引き続き無水マレイン酸351gを仕込み、同様にエステル化反応を行ない、酸価24.4mgKOH/g、数平均分子量が2110、重量平均分子量が7200の不飽和ポリエステル[UPE−1]3250gを得た。
合成例で合成したUMA−1及びUMA−2、PMA−1、アセトアセトキシエチルメタアクリレート(AAEM)、フェノキシエチルメタアクリレート(PhOEMA)、ライトエステルL−8(炭素数12〜15の長鎖アルキル基を有する(メタ)アクリレートモノマーの混合物)、オクチルメタクリレート(OcMA)、ビニルトルエンを用いて、表5および表6に示す配合比で混合溶解して樹脂液を得た。この樹脂液に各評価温度に合せた促進剤とワックスとを混合して樹脂組成物を調製した。
液状樹脂の評価では、液状樹脂の粘度、樹脂液の安定性、塗膜の乾燥性、臭気、樹脂のゲル化時間を測定した。結果を表5および表6に示す。
硬化物の引張り試験結果及び促進劣化試験結果、ライニング時の二次接着性評価結果をそれぞれ表9、表11に示す。
実施例と同様に 合成例で合成したUMA−1及びUPE−1、アセトアセトキシエチルメタアクリレート(AAEM)、フェノキシエチルメタアクリレート(PhOEMA)、ライトエステルL−8(炭素数12〜15の長鎖アルキル基を有する(メタ)アクリレートモノマーの混合物)、スチレン、2−ヒドロキシエチルメタクリレート(HEMA)、ブチルメタクリレート(BuMA)、ヘキシルメタクリレート(HeMA)を用いて、表7および表8に示す配合比で混合溶解して樹脂液を得た。この樹脂液に各評価温度に合せた促進剤とワックスとを混合して樹脂組成物を調製した。
液状樹脂の評価では、液状樹脂の粘度、樹脂液の安定性、塗膜の乾燥性、臭気、樹脂のゲル化時間を測定した。結果を表7および表8に示す。
硬化物の引張り試験結果及び促進劣化試験結果、ライニング時の二次接着性評価結果をそれぞれ表10、表12に示す。
[ゲル化時間・塗膜乾燥時間(指触乾燥性)の測定]
各評価温度に樹脂を調整し、硬化剤を混合して、組成物の一部を300mm×300mm(縦×横)の大きさで厚さ50mmのコンクリート板上に0.3mmの厚みに塗布した。樹脂塗膜のゲル化時間を測定するとともに、硬化過程における臭気(官能試験)、硬化物の塗膜乾燥時間(指触乾燥性)を測定した。
表−5から表−8に示す比率で調整した樹脂組成物の25℃での粘度をJIS法に従って測定した。
調整した樹脂組成物300gを500mlのガラス瓶に取り、各評価温度に30日間放置し、樹脂の分離・ワックスの分離・ゲル物の発生の有無を測定した。塗膜乾燥性・臭気・樹脂液の安定性の評価基準を表1に示す。
調整した樹脂組成物に硬化剤を混合して脱気した後に、300mm×300mm×3mm(縦×横×厚)の大きさの離型処理した型に樹脂を注入し、室温で8時間硬化させた後、さらに40℃の硬化炉中で24時間後硬化させ、注形板を作成した。JIS法に従って試験片を作製して、引張り強度及び伸び率を測定した。
更に以下に示す促進劣化処理を行い、処理後の試験片についても引張り強度及び伸び率を測定し、耐久性の評価をした。促進劣化条件を表2に、引張試験・促進劣化試験の評価基準を表3に示す。
300mm×300mm(縦×横)の大きさで厚さ50mmのコンクリート板に、プライマーとして低臭気ビニルエステル樹脂NSR−112(昭和高分子製)を厚さ0.3mmとなるように硬化剤を混合して塗布し、2時間後に塗膜が乾燥した状態を確認してから、 調整した樹脂組成物に硬化剤を混合して厚さ0.4mmとなるように塗布した(捨て塗り)。塗膜を塗布して乾燥してから1日後、5日後、14日後に表面処理を行わずに、そのまま調整した樹脂組成物に硬化剤を混合して、450g/m2のガラスマットを用いて1プライの積層(FRPライニング)を行った。1層目の積層を行ってから2日後に建研式にて接着性を確認し、接着強度及び破壊モードを測定した。二次接着性の評価は、表面乾燥性の良い配合に関して実施し、表面乾燥性の悪い配合に関しては、捨て塗りを表面乾燥性の良い樹脂配合で実施した。二次接着性の評価基準を表4に示す。
本発明の樹脂組成物は、臭気が少なくできるので施工時の臭気が問題となる住宅密集地での新設または補修工事、店舗等の新設または補修工事等の用途に適しており、またこれを用いた土木建築物の防水被覆構造体はFRPの耐久性を保持しているため、建築物の屋根、屋上、開放廊下、ベランダ、外壁、地下外壁、室内及び水槽類の防水構造体及びメンブレン防水構造体として適する。特に屋外防水では、人や車がその上を通行しても十分耐久性を保持するので、重歩行防水や駐車場等の被覆用材として使用できる。
Claims (10)
- (A)分子末端に少なくとも2個以上の(メタ)アクリロイル基を有する(メタ)アクリレートオリゴマー、(B)アセトアセトキシル基を有する(メタ)アクリレートモノマー、(C)炭素数が8以上の長鎖アルキル基を有する(メタ)アクリレートモノマー、(D)ワックスを配合したことを特徴とする樹脂組成物。
- (A)(メタ)アクリレートオリゴマー、(B)アセトアセトキシル基を有する(メタ)アクリレートモノマー、(C)炭素数が8以上の長鎖アルキル基を有する(メタ)アクリレートモノマー及び(D)ワックスからなる樹脂組成物において、(A)100重量部に対して、(B)1〜20重量部、(C)1〜20重量部且つ上記3成分の合計100重量部に対して(D)0.01〜2重量部を配合した請求項1に記載の樹脂組成物。
- (A)(メタ)アクリレートオリゴマーが、ウレタン(メタ)アクリレート、エポキシ(メタ)アクリレート、ポリエステル(メタ)アクリレートの中の少なくとも1種であることを特徴とする請求項1または2に記載の樹脂組成物。
- (A)(メタ)アクリレートオリゴマーが、ポリアルキレングリコール、ポリイソシアネート、水酸基を1つ以上有する(メタ)アクリレートモノマーから合成して得られるウレタン(メタ)アクリレートであることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の樹脂組成物。
- (A)(メタ)アクリレートオリゴマーが、飽和もしくは不飽和ポリエステルの末端に(メタ)アクリル化合物を反応させたものである請求項1〜4のいずれか1項に記載の樹脂組成物。
- 上記樹脂組成物に、(E)フェニル基を有する(メタ)アクリレートモノマーを併用して使用する請求項1〜5のいずれか1項に記載の樹脂組成物。
- (A)(メタ)アクリレートオリゴマー、(B)アセトアセトキシル基を有する(メタ)アクリレートモノマー、(C)炭素数が8以上の長鎖アルキル基を有する(メタ)アクリレートモノマー、(E)フェニル基を有する(メタ)アクリレートモノマー及び(D)ワックスからなる樹脂組成物において、(A)100重量部に対して、(B)1〜20重量部、(C)1〜20重量部、(E)150重量部以下、且つ上記4成分の合計100重量部に対して(D)0.01〜2重量部を配合することを特徴とする樹脂組成物の製造方法。
- 請求項1〜6のいずれか1項に記載の樹脂組成物と繊維強化材、充填材および骨材の内の少なくとも1種を組合わせて得られる樹脂複合組成物において、樹脂組成物100重量部に対して、合計して1〜300重量部の繊維強化材、充填材および骨材の内の少なくとも1種を配合して得られる樹脂複合組成物。
- 請求項1〜6または請求項8のいずれか1項に記載の樹脂組成物および/または樹脂複合組成物を防水層及び/または保護層として土木建築物に施工することを特徴とする土木建築物の防水被覆工法またはライニング被覆工法。
- 請求項1〜6または請求項8のいずれか1項に記載の樹脂組成物および/または樹脂複合組成物を用いて、請求項9に記載の方法により防水被覆工法またはライニング被覆工法により施工されたライニング被覆構造体。
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