JP2002138131A - エポキシ(メタ)アクリレート及び該エポキシ(メタ)アクリレートを用いた樹脂組成物並びにこれらの硬化物 - Google Patents

エポキシ(メタ)アクリレート及び該エポキシ(メタ)アクリレートを用いた樹脂組成物並びにこれらの硬化物

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JP2002138131A
JP2002138131A JP2000334779A JP2000334779A JP2002138131A JP 2002138131 A JP2002138131 A JP 2002138131A JP 2000334779 A JP2000334779 A JP 2000334779A JP 2000334779 A JP2000334779 A JP 2000334779A JP 2002138131 A JP2002138131 A JP 2002138131A
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meth
epoxy
acrylate
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aromatic
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JP2000334779A
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English (en)
Inventor
Tomohito Koyama
智仁 小山
Takashi Takayanagi
尚 高柳
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Japan U-Pica Co Ltd
Original Assignee
Japan U-Pica Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】本発明は、屈折率が高く、更に衝撃等の機械的
特性、密着性、透明性、成形性、耐溶剤性、耐熱性に優
れ、低比重で低吸水性のエポキシ(メタ)アクリレート
および該エポキシ(メタ)アクリレートを含有する樹脂
組成物ならびにそれらの硬化物を提供することにある。 【解決手段】本発明は、1分子中に2個以上のグリシジ
ル基と複数種の芳香環を含有するエポキシ化合物と、
(メタ)アクリル酸とを反応させて得られる分子末端に
(メタ)アクリロイル基を有するエポキシ(メタ)アク
リレートおよび該エポキシ(メタ)アクリレートを含有
する樹脂組成物ならびにそれらの硬化物に関する。得ら
れる硬化物は比重が小さく、屈折率、耐熱性、耐衝撃性
が高く、さらに光硬化性、透明性、成形性、低吸水性、耐
溶剤性、耐酸性に優れており物理的特性、光学的特性に
バランスのとれたものであり、民生用レンズ、産業用レ
ンズなどの光学材料として、また塗料、印刷インキ材
料、あるいは複合成形材料に好適な材料である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、1分子中に複数種
の芳香環を有し分子末端に(メタ)アクリロイル基を有
するエポキシ(メタ)アクリレートに関し、屈折率が高
く、更に耐衝撃性等の機械的特性、透明性、成形性、耐
溶剤性、耐熱性、低吸水率に優れた民生用レンズ、産業
用レンズ、光学分野或いはコーティング材料、塗料、印
刷インキ、複合成形材料に適したエポキシ(メタ)アク
リレートおよび該エポキシ(メタ)アクリレートを含有
する樹脂組成物ならびにそれらの硬化物に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、光学材料としての無機ガラスは、
光学特性の基本をなす透明性に優れ、高い屈折率、低い
光分散性等を有し、民生用、産業用などのあらゆる分野
に広く利用されてきている。しかしながら、レンズの応
用分野が拡大化されるにつれて、その要求性能も光学特
性にとどまらず、軽量化、小型化等に対応した諸特性が
求められ、従来の無機ガラスでは対応できなくなってき
ている。
【0003】最近では、これに対して無機ガラスに代わ
る光学材料として軽量、衝撃性、成形加工性等に優れて
いる光学プラスチック材料が使用されるようになってき
た。このような光学プラスチック材料は、プロジェクシ
ョンテレビレンズ、大型スクリーン用フレネルレンズ、
光メモリー用対物レンズなど多岐にわたって使用されて
いる。
【0004】光学レンズ用としてポリメタクリル酸メチ
ル(PMMA)やジエチレングリコールビスアリルカー
ボネート(CR−39)等の熱硬化性プラスチック材料
が屈折率、成形性、耐衝撃性、低吸水性等でバランスの
取れた材料として広く使われている。しかしながら、こ
れらの材料は屈折率が1.5以下でありレンズ材料とし
て用いた場合、度数が強くなるとレンズの肉厚が厚くな
り、その重量も増える問題点を有している。
【0005】また、エポキシ化合物と(メタ)アクリル
酸とを反応させて得られるエポキシ(メタ)アクリレー
トの代表であるビスフェノール型エポキシ(メタ)アク
リレートは、分子量を大きくすることにより1分子当た
りの芳香核濃度も高く、屈折率、機械的特性に優れた特性
を有している。しかし、1分子中に架橋に預かる二重結
合が少ないために硬化物の耐熱性は低く、紫外線による
硬化性も悪い。また、分子量の小さいものは耐熱性が高
くなるが、耐衝撃性、屈折率が低くなる傾向にある。ノ
ボラックタイプのエポキシアクリレートは、耐熱性、屈
折率とバランスのとれた材料であるが、硬化物が脆く、褐
色に着色しており光学分野の材料としては適していな
い。
【0006】最近では、これらに代わる材料として屈折
率を高くするために分子構造中にハロゲン原子を含有し
たエポキシアクリレート樹脂が、例えば特公昭58−1
4449号公報、特開昭59−133211号公報、特
開昭60−51706号公報、特開昭60−11513
号公報等に提案されている。これらの公報に開示された
材料は、これを熱及び/又は光によりラジカル重合させ
た硬化物は1.5以上の高い屈折率を示し、耐熱性が高
い特徴を有している。
【0007】しかしながら、ハロゲン原子を含有するた
めに硬化物の比重が大きくなり軽量化できない欠点や硬
化物がハロゲン原子の影響で分子鎖の分子運動が抑制さ
れ耐衝撃性が悪くなる欠点を有している。また、屈折率
を高くするためにハロゲン原子含有量を多くすると、ハ
ロゲン含有率の増加に伴い分子量も大きくなるため液状
樹脂の粘度が高くなり、特に小型のものを成形する際に
成形加工性、取扱い性が悪くなる傾向にある。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】このように従来の材料
は、屈折率と耐熱性あるいは屈折率と耐衝撃性等の屈折
率と物理的特性を両立し、密着性に優れ、更に低比重
で、吸水率が低く、耐薬品性などの特性に優れバランス
のとれたものがないのが現状である。
【0009】本発明の目的は、屈折率が高く、更に衝撃
等の機械的特性、密着性、透明性、成形性、耐溶剤性、
耐熱性に優れ、低比重で低吸水性のエポキシ(メタ)ア
クリレートおよび該エポキシ(メタ)アクリレートを含
有する樹脂組成物ならびにそれらの硬化物を提供するこ
とにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決するために鋭意研究した結果、剛直な構造あるい
は対称な化学構造を有する芳香族フェノール化合物およ
び芳香族チオフェノール化合物に由来する芳香環を交互
に分子中に導入したエポキシ化合物をベースとし、これ
を(メタ)アクリル酸と反応させエポキシ(メタ)アク
リレートとすることにより、従来の熱硬化性樹脂やビス
フェノール型エポキシアクリレート、臭素化ビスフェノ
ール型エポキシアクリレートでは達成し得なかった耐熱
性と高屈折率、高屈折率と耐衝撃性という相反する特性
を有し、密着性、更に成形性、透明性に優れ、低比重で
低吸水性を有する優れた特性を示すエポキシアクリレー
トおよび該エポキシアクリレートを用いた樹脂組成物並
びにそれらの硬化物を見出し本発明を為した。
【0011】すなわち、本発明は、(1)1分子中に2
個以上のグリシジル基と複数種の芳香環を含有するエポ
キシ化合物(A)と(メタ)アクリル酸とを反応させて
得られる分子末端に(メタ)アクリロイル基を有するエ
ポキシ(メタ)アクリレートに関する。
【0012】また本発明は、(2)1分子中に2個以上
のグリシジル基と複数種の芳香環を含有するエポキシ化
合物(A)が、1分子中に2個以上のグリシジル基を有
するエポキシ化合物(B)と1分子中に少なくとも1個
の水酸基を有する芳香族フェノール化合物または1分子
中に少なくとも1個のメルカプト基を有する芳香族チオ
フェノール化合物(C)とを反応させて得られるエポキ
シ化合物であることを特徴とする上記(1)記載のエポ
キシ(メタ)アクリレートに関する。
【0013】また、(3)1分子中に2個以上のグリシ
ジル基と複数種の芳香環を含有するエポキシ化合物
(A)が、下記一般式(1)で表されるエポキシ化合物
であることを特徴とする上記(1)記載のエポキシ(メ
タ)アクリレートに関する。
【0014】
【化2】
【0015】(式中、X、Yはそれぞれ異なる二価の芳
香族残基であり、Xが、ビキシレノール型ジグリシジル
エーテル、ビフェノール型ジグリシジルエーテル、ビス
フェノール型ジグリシジルエーテル、ビスフェノールフ
ルオレン型ジグリシジルエーテル、ナフタレン型ジグリ
シジルエーテルから選ばれる少なくとも1種の1分子中
に少なくとも1個のグリシジルエーテル基を有する芳香
族エポキシ化合物の芳香族残基、Yが、ビキシレノール
およびその誘導体、ビフェノールおよびその誘導体、ビ
スフェノールおよびその誘導体、ビスフェノールフルオ
レンおよびその誘導体、ナフタレンおよびその誘導体、
ハイドロキノンおよびその誘導体から選ばれる1分子中
に少なくとも1個の水酸基を有する芳香族ヒドロキシ化
合物またはチオフェノールおよびその誘導体、ジチオフ
ェノールおよびその誘導体から選ばれる1分子中に少な
くとも1個のメルカプト基を有する芳香族チオフェノー
ル化合物の芳香族残基であり、Zは、酸素原子または硫
黄原子を示す。m=1〜20である。)
【0016】また本発明は、(4)上記(1)〜(3)
のいずれかに記載のエポキシ(メタ)アクリレートにエ
チレン性不飽和二重結合を有する共重合性単量体を配合
してなるエポキシ(メタ)アクリレート樹脂組成物に関
する。
【0017】(5)また本発明は、有機過酸化物及び/
又は光重合開始剤を含有することを特徴とする上記
(1)〜(3)いずれかに記載のエポキシ(メタ)アク
リレートに関する。
【0018】(6)また、有機過酸化物及び/又は光重
合開始剤を含有することを特徴とする上記(4)記載の
エポキシ(メタ)アクリレート樹脂組成物に関する。
【0019】さらに、(7)本発明は上記のエポキシ
(メタ)アクリレートまたはエポキシ(メタ)アクリレ
ート樹脂組成物からなる硬化物に関する。
【0020】
【発明の実施の形態】本発明について以下に詳細に説明
する。本明細書中、(メタ)アクリル酸とは、アクリル
酸、メタクリル酸又はこれらの混合物を、(メタ)アク
リル酸エステルは、アクリル酸エステル、メタクリル酸
エステル又はこれらの混合物をそれぞれ意味する。また
本発明における芳香族フェノール化合物および芳香族チ
オフェノール化合物を総称して、1分子中に少なくとも
1個の水酸基またはメルカプト基を有する芳香族フェノ
ール化合物ということがある。また、芳香族フェノール
誘導体とは、芳香族フェノール誘導体および芳香族チオ
フェノール誘導体又はこれらの混合物を指すことがあ
る。
【0021】本発明のエポキシ(メタ)アクリレート
(以下、単に「エポキシアクリレート」という)は、1
分子中に2個以上のグリシジル基と複数種の芳香環を含
有するエポキシ化合物(A)と(メタ)アクリル酸とを
反応させて得られる分子末端に(メタ)アクリロイル基
を有するエポキシアクリレートであり、下記一般式
(2)で表される。
【0022】
【化3】
【0023】本発明の1分子中に2個以上のグリシジル
基と複数種の芳香環を含有するエポキシ化合物(A)
は、公知の反応触媒と公知の製造方法により、1分子中
に2個以上のグリシジル基を有するエポキシ化合物
(B)と1分子中に少なくとも1個の水酸基を有する芳
香族フェノール化合物または1分子中に少なくとも1個
のメルカプト基を有する芳香族チオフェノール化合物
(C)との反応から得られる。
【0024】上記1分子中に2個以上のグリシジル基と
複数種の芳香環を含有するエポキシ化合物(A)は、下
記一般式(1)で表される。
【0025】
【化4】
【0026】上記一般式(1)におけるX、Yで表され
る二価の芳香族残基は、具体的には例えば、下記の
(a)〜(e)であり、(a)〜(e)においてR1
8は、水素、または炭素数1〜4のアルキル基、また
はハロゲン原子であり、p、q、r、s、t は、R1
2、R3、R4、R5がアルキル基のときは1〜4であ
り、ハロゲン原子のときは1または2である。(d)、
(e)においてR6、R7、R8は水素または炭素数1〜
4のアルキル基であり、x、y、zは、1〜2である。
また、(b)におけるAは、硫黄原子、酸素原子、S=
O、O=S=O、C−R 910であり、R9およびR10
炭素数1〜12のアルキル基、シクロヘキシル基または
フェニル基を示す。
【0027】
【化5】
【0028】
【化6】
【0029】
【化7】
【0030】
【化8】
【0031】
【化9】
【0032】上記1分子中に2個以上のグリシジル基と
複数種の芳香環を含有するエポキシ化合物(A)は、1
分子中に2個以上のグリシジル基を有するエポキシ化合
物(B)と、1分子中に少なくとも1個の水酸基を有す
る芳香族フェノール化合物または1分子中に少なくとも
1個のメルカプト基を有する芳香族チオフェノール化合
物(C)とを、不活性ガス気流中あるいは空気中で、後
述するそれ自体公知の触媒の存在下に、130〜180
℃で0.5〜10時間反応させることにより製造でき
る。このような製造方法により得られる前記エポキシ化
合物(A)は、エポキシ当量250〜1000g/当量
の範囲にあるものが屈折率、耐衝撃性、密着性等に優
れ、低い吸水率を示し、更に、耐熱性を有する等の良好
な特性を発揮するものである。また、エポキシ当量が上
記範囲にあるものが、金属、プラスチックとの接着性に
も優れている。エポキシ当量が250g/当量未満で
は、吸水率が高くなり、耐衝撃性、密着性も低く、10
00g/当量を越える場合は、粘度が高くなり(メタ)
アクリル酸を反応させる工程でゲル化する場合や得られ
たエポキシアクリレートの粘度が高く、取扱い性、光硬
化性も悪くなるので好ましくない。
【0033】ここで用いる1分子中に2個以上のグリシ
ジル基を有するエポキシ化合物(B)としては、剛直な
構造かつ対称構造を有しているビキシレノール型エポキ
シ化合物、ナフタレン型エポキシ化合物、ビフェノール
型エポキシ化合物、ビスフェノール型エポキシ化合物、
ビスフェノールフルオレン型エポキシ化合物から選ばれ
る少なくとも1種を使用することができる。これらのエ
ポキシ化合物を用いた場合、耐熱性、耐衝撃性、密着性
に優れ、吸水率が低い硬化物が得られる。
【0034】上記ビキシレノール型、ナフタレン型、ビ
フェノール型あるいはビスフェノール型エポキシ化合物
としては、例えばビキシレノール化合物、ジヒドロキシ
ナフタレン、ビスフェノール化合物及びこれらの誘導体
とエピクロルヒドリンのようなエピハロヒドリンとの反
応により製造されるものを使用することができる。ま
た、上記の芳香環を有する市販のエポキシ化合物も使用
することができ、例えば、ビキシレノール型エポキシ化
合物としては油化シェルエポキシ株式会社製の商品名
「エピコートYX−4000(H)」、ビフェノール型
エポキシ化合物としては油化シェルエポキシ株式会社製
の商品名「エピコートYL−6056」、ナフタレン型
エポキシ化合物としては大日本インキ化学工業株式会社
製の商品名「エピクロンHP−4032(D)」、ビス
フェノール型エポキシ化合物としては旭化成株式会社製
の商品名「AER#260」、「AER#6071」等
のビスフェノールA型エポキシ化合物等、あるいは大日
本インキ化学工業株式会社製の商品名「エピクロン83
0S」等のビスフェノールF型エポキシ化合物等、ある
いはビスフェノールS型エポキシ化合物としては大日本
インキ化学工業株式会社製の商品名「エピクロンEXA
1514」等が挙げられ、またチオフェノール型エポキ
シ化合物としては住友精化株式会社製の商品名「MP
G」、あるいは臭素化ビスフェノールA型エポキシ化合
物としては大日本インキ化学工業株式会社製の商品名
「エピクロン152」、旭化成株式会社製商品名「AE
R#8018」等が、またビスフェノールフルオレン型
エポキシ化合物としては大阪ガスケミカル株式会社製の
商品名「BPF−G」、「BCF−G」、「BPEF−
G」等を挙げることができる。これらは単独で、または
2種類以上を混合して使用することができる。
【0035】本発明で使用される1分子中に少なくとも
1個の水酸基またはメルカプト基を有する芳香族フェノ
ール化合物(C)は、その構造に特徴を有するものであ
り、屈折率、耐熱性を高くするための芳香環を有し、か
つ対称構造あるいは剛直な構造を有するものが使用で
き、これらの骨格をエポキシ化合物中に導入することに
より耐熱性と機械的特性、屈折率のバランスのとれたエ
ポキシ化合物を与える。また、低吸水率化を発揮する効
果も有している。このような1分子中に少なくとも1個
の水酸基またはメルカプト基を有する芳香族フェノール
化合物としては、例えば、ハイドロキノン、メチルハイ
ドロキノン、ジメチルハイドロキノン、トリメチルハイ
ドロキノン等のハイドロキノン誘導体、ビスフェノール
A、ビスフェノールF、ビスフェノールS等のビスフェ
ノール誘導体およびアルキルまたはハロゲン置換ビスフ
ェノール誘導体、あるいはビフェノール、ビキシレノー
ル等のビフェノール誘導体、あるいは1,4−ジヒドロ
キシナフタレン、1,5−ジヒドロキシナフタレン、
1,6−ジヒドロキシナフタレン、2,3−ジヒドロキ
シナフタレン、2,6−ジヒドロキシナフタレン、2,
7−ジヒドロキシナフタレン等のジヒドロキシナフタレ
ン誘導体、あるいはビスフェノールフルオレン、ビスク
レゾールフルオレンあるいは4,4’−チオジ(オルソ
クレゾール)等の芳香族ヒドロキシ化合物、あるいは
4,4’−チオベンゼンジチオフェノール等の芳香族チ
オフェノール化合物を挙げることができる。これらは単
独で、または2種類以上を混合して使用することができ
る。
【0036】前記のエポキシ化合物(B)と、1分子中に
少なくとも1個の水酸基またはメルカプト基を有する芳
香族フェノール化合物(C)との反応に用いられる触媒と
しては、グリシジル基と水酸基またはメルカプト基が定
量的に反応するトリブチルホスフィン、トリフェニルホ
スフィン等のトリアルキルあるいはトリアリールホスフ
ィンまたはこれらと酸化合物との塩類、トリエチルアミ
ン等のトリアルキルアミンまたはこれらと酸化合物の4
級塩、水酸化リチウム等のアルカリ金属水酸化物等を挙
げることができる。これらの中で反応後着色が少ないこ
と取扱い性等の点からトリエチルアミン、トリフェニル
ホスフィンが好ましい。これら以外の触媒は、エポキシ
化合物中のアルコール性水酸基との反応が起こり高分子
量化物が生成する傾向にあり、また製造中に粘度が高く
なり過ぎて攪拌できない場合やゲル化する虞があるので
好ましくない。また、製造中に着色し易いため光学分野
には使用できない欠点も有している。
【0037】これらの触媒使用量は上記エポキシ化合物
(B)100重量部に対して、0.001〜1重量部、
好ましくは0.01〜1重量部の範囲で使用することが
できる。触媒の使用量が0.001重量部未満では反応
に時間がかかり経済的でなく、また、1重量部を超える
ものについては反応が速いために反応中の温度制御が難
しいことや、目的とするエポキシアクリレートが着色す
る傾向にあるので好ましくない。
【0038】本発明のエポキシアクリレートは、前記エ
ポキシ化合物(A)と(メタ)アクリル酸とを公知のエ
ステル化触媒、重合禁止剤の存在下に、不活性ガス気流
中或いは空気中で、100〜160℃で反応させること
により製造することができる。上記の反応温度で反応さ
せることが、反応時間も短く、グリシジルエーテル基と
カルボキシル基との発熱反応を制御し易く好ましい。
【0039】前記エポキシ化合物(A)のグリシジルエ
ーテル基と(メタ)アクリル酸のカルボキシル基との反
応は、カルボキシル基当量/グリシジルエーテル基当量
=0.95〜1.10の範囲で実施されるが、好ましく
は1.0〜1.05の範囲、すなわち若干カルボキシル
基過剰で反応させることが好ましく、かかる範囲で反応
させることにより製造時あるいは製造後の製品の安定性
が極めて良好である。グリシジルエーテル基と(メタ)
アクリル酸のカルボキシル基との反応は、グリシジルエ
ーテル基をできるだけ多く(メタ)アクリル酸のカルボ
キシル基と反応させ、製造後にグリシジルエーテル基が
できるだけ残存しないようにすることが貯蔵安定性、機
械的特性、耐熱性等の面で優れたものが得られる。カル
ボキシル基当量/グリシジルエーテル基当量=0.95
未満では、過剰のグリシジルエーテル基のために製造中
に安定剤として添加する重合禁止剤の消費が起こり製造
中にゲル化し易くなる。ゲル化しない場合でも得られた
エポキシアクリレートの貯蔵安定性が極端に悪くなる傾
向にある。カルボキシル基当量/グリシジルエーテル基
当量=1.10を超える範囲では遊離の(メタ)アクリ
ル酸が製品中に残るため吸水率の増加や耐熱性の低下、
更に遊離酸の臭気や取扱い性も低下するので好ましくな
い。また、局部加熱、ゲル化等を防ぐ目的で反応中の粘
度を低く保つために、後述するようなエチレン性不飽和
二重結合を有する共重合性単量体を溶媒として使用する
こともできる。
【0040】更に、本発明のエポキシアクリレートの製
造においては、グリシジル基とカルボキシル基との反応
を円滑に進めるために、公知のエステル化触媒を用いる
ことができる。このようなエステル化触媒としては、ト
ルエチルアミン、ジメチルベンジルアミン等の3級アミ
ンあるいはその4級塩、イミダゾール、2−メチルイミ
ダゾール等のイミダゾール誘導体、トリフェニルホスフ
ィン等の有機隣化合物等を挙げることができる。これら
のエステル化触媒は、目的により適宜選択することがで
き、光学分野では無色透明な樹脂が要求されるのでイミ
ダゾール誘導体が好ましく、他のエポキシ化合物等を混
合する場合は樹脂組成物の安定性が要求されるのでトリ
フェニルホスフィンが好ましい。
【0041】これらエステル化触媒の使用量はエポキシ
化合物(A)と(メタ)アクリル酸との合計100重量
部に対して0.01〜10重量部、好ましくは0.05
〜5重量部の範囲で使用することができる。0.01重
量部未満では長時間の反応が必要となり経済的でなく、
10重量部を超えると反応が急激に起こり、発熱を制御
するのが困難となる。発熱が高い場合はゲル化する虞が
あるので好ましくない。
【0042】本発明のエポキシアクリレートは、製造中
の安定性と樹脂の貯蔵安定性を確保するために、反応時
に公知の重合禁止剤を添加することができる。このよう
な重合禁止剤としては、ハイドロキノン、メトキシハイ
ドロキノン、トルハイドロキノン、トリメチルハイドロ
キノン、2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノー
ル、フェノチアジン、t−ブチルカテコール、ピロガロ
ール等を挙げることができる。これらの重合禁止剤は、
使用する分野の要求性能に応じて適宜選択することがで
きる。例えば、光学分野では無色透明な樹脂が要求され
るので反応中及び貯蔵中に着色し難いメトキシハイドロ
キノン、2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノー
ルを使用することが好ましい。また、他の分野ではハイ
ドロキノン、トルハイドロキノン等が貯蔵安定性の面で
好ましい。
【0043】これら重合禁止剤の使用量はエポキシ化合
物(A)と(メタ)アクリル酸との合計100重量部に
対して0.0001〜1重量部の範囲で使用することが
できる。重合禁止剤の使用量が0.0001重量部未満
では禁止効果がなく反応途中でゲル化する虞がある。ま
た、得られたエポキシアクリレートも貯蔵安定性が極端
に悪くなる。1重量部を超えると、硬化反応を阻害し硬
化が不充分となったり未硬化物が得られ、必要とされる
各特性の要求性能を満足しないので好ましくない。
【0044】次に、本発明のエポキシアクリレートを含
有する樹脂組成物およびそれらの硬化物について説明す
る。本発明のエポキシアクリレートを含有する樹脂組成
物(以下、単に「エポキシアクリレート樹脂組成物」と
いう)は、エチレン性不飽和二重結合を有する共重合性
単量体、有機過酸化物及び/又は光重合開始剤を含有さ
せて、熱及び/又は光により硬化物を得ることができ
る。また本発明のエポキシアクリレートはそれ自体でも
勿論、有機過酸化物及び/又は光重合開始剤を含有させ
ることにより、熱及び/又は光により硬化物を得ること
ができる。
【0045】本発明のエポキシアクリレート樹脂組成物
に用いられるエチレン性不飽和二重結合を有する共重合
性単量体は、本発明のエポキシアクリレートを溶解し、
取扱い易い液状のエポキシアクリレート樹脂とする作用
と、エポキシアクリレートの二重結合と共重合して硬化
物を生成する作用を有している。また、エチレン性不飽
和二重結合を有する共重合性単量体はエポキシアクリレ
ート製造時の粘度調整あるいは樹脂組成物の粘度調整に
も使用することができる。
【0046】上記のエチレン性不飽和二重結合を有する
共重合性単量体としては、例えば、(メタ)アクリル酸
メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル
酸プロピル、(メタ)アクリル酸n−ブチル、(メタ)
アクリル酸ペンチル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘ
キシル、(メタ)アクリル酸n−ヘキシル、(メタ)ア
クリル酸ラウリル、(メタ)アクリル酸アリル、(メ
タ)アクリル酸グリシジル、(メタ)アクリル酸N,N
−ジメチルアミノエチル、(メタ)アクリル酸N,N−
ジエチルアミノエチル、(メタ)アクリル酸2−シアノ
エチル、(メタ)アクリル酸ジブロモプロピル、(メ
タ)アクリル酸ポリエチレングリコールモノアルキルエ
ーテル、(メタ)アクリル酸ポリプロピレングリコール
モノアルキルエーテル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロ
キシエチル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシプロピ
ル、(メタ)アクリル酸4−ヒドロキシブチル、(メ
タ)アクリル酸テトラヒドロフルフリル、(メタ)アク
リル酸フォスフォエチル、(メタ)アクリル酸シクロペ
ンチル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)
アクリル酸イソボルニル、フェニル(メタ)アクリレー
ト、フェニルオキシエチル(メタ)アクリレート、トリ
ブロモフェニルオキシエチル(メタ)アクリレート、ト
リブロモフェニルオキシ(メタ)アクリレート、3−フ
ェノキシ−2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレー
ト、2−フェニル(メタ)アクリレート、4−フェニル
フェノキシエチル(メタ)アクリレート、4−フェニル
−2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、ベン
ジル(メタ)アクリレート、1−ナフチル(メタ)アク
リレート、1−ナフチル−2−ヒドロキシプロピル(メ
タ)アクリレート、2,4,6−トリブロモフェニル−
2−メチルオキシエチル(メタ)アクリレート、2,
4,6−トリクロロフェニルオキシエチル(メタ)アク
リレート、2,4,6−トリブロモフェニル−2−ヒド
ロキシプロピル(メタ)アクリレート等のモノ(メタ)
アクリレート化合物;あるいはエチレングリコールジ
(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メ
タ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)
アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリ
レート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレ
ート、ブチレングリコールジ(メタ)アクリレート、テ
トラブチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリ
ブチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,6−
ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ノナンジオ
ールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコール
ジ(メタ)アクリレート、トリシクロデカンジメチロー
ルジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパント
リ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテ
トラ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ
(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ
及びヘキサ(メタ)アクリレート等の多価アルコールの
(メタ)アクリレート類;トリス(メタ)アクリロイル
オキシエチルイソシアヌレート、ジ(メタ)アクリロイ
ルオキシエチルイソシアヌレート等のイソシアヌレー
ト;2,2−ビス(4−(メタ)アクリロイルオキシフ
ェニル)プロパン、2,2−ビス(4−(メタ)アクリ
ロイルオキシジエトキシフェニル)プロパン、2,2−
ビス(4−(メタ)アクリロイルオキシエトキシ−3,
5−ジブロモフェニル)プロパン、ビス(4−(メタ)
アクリロイルオキシエトキシフェニル)スルフォン、ビ
ス(4−(メタ)アクリロイルオキシフェニル)スルフ
ィド、ビス(4−(メタ)アクリロイルオキシジエトキ
シフェニル)スルフィド、2,4−ジ(メタ)アクリル
オキシナフタレン等の多官能(メタ)アクリレート化合
物;スチレン、クロルスチレン、ブロモスチレン、ジビ
ニルベンゼン、1−ビニルベンゼン、1−ビニルナフタ
レン、2−ビニルナフタレン、N−ビニルピロリドン等
のビニル化合物;ジエチレングリコールビスアリルカー
ボネート、トリメチロールプロパンジアリル、ジアリル
フタレート、等のアリル化合物が挙げられる。
【0047】さらには、ビスフェノール型エポキシ樹
脂、ノボラック型エポキシ樹脂等のエポキシ樹脂と(メ
タ)アクリル酸の反応物であるエポキシ(メタ)アクリ
レート化合物等のエポキシ(メタ)アクリレート化合
物;有機ポリイソシアネート、例えば、トリレンジイソ
シアネート、キシリレンジイソシアネート、イソホロン
ジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネートと
水酸基含有(メタ)アクリレート、例えば、2−ヒドロ
キシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロ
ピル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メ
タ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)
アクリレート等との反応物;あるいは前記有機ポリイソ
シアネートと前記水酸基含有(メタ)アクリレートとポ
リオール、例えば、2,2−ビス(4−ヒドロキシジエ
トキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロ
キシジエトキシフェニル)スルフィド、2,2−ビス
(4−ヒドロキシペンタエトキシフェニル)プロパン、
2,2−ビス(4−ヒドロキシジエトキシ−3,5−ジ
ブロモフェニル)プロパン、ポリテトラメチレングリコ
ール、ネオペンチルグリコール、ポリエステルポリオー
ル等との反応物であるウレタン(メタ)アクリレート等
が挙げられる。これらは単独で、または2種以上を混合
して使用することができる。
【0048】このようなエチレン性不飽和二重結合を有
する共重合性単量体の使用量の好適な範囲は、屈折率、
耐熱性を高く保ち、作業し易い粘度に保つために、エポ
キシアクリレート100重量部に対して1〜300重量
部、好ましくは10〜150重量部の範囲で使用するこ
とができる。この範囲よりも少ない場合は、粘度が高く
取扱い性が悪く、多い場合はエチレン性不飽和二重結合
を有する共重合性単量体の含有率が高くなるために硬化
物の屈折率が低くなるので好ましくない。
【0049】本発明のエポキシアクリレート樹脂組成物
は、光により硬化させて硬化物を得ることができ、この
際紫外線照射によりラジカルを発生する光重合開始剤が
使用される。このような光重合開始剤としては、公知の
ものを使用することができ、好ましい光重合開始剤とし
ては、例えば、ベンゾイン、ベンジル、ベンゾインメチ
ルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテルなどのベ
ンゾイン類及びゾンゾインアルキルエーテル類;アセト
フェノン、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフ
ェノン、2,2−ジエトキシ−2−フェニルアセトフェ
ノン、1,1−ジクロロアセトフェノン、1−ヒドロキ
シシクロヘキシルフェニルケトン、2−メチル−1−
[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリノ−
プロパン−1−オン、2−ベンジル−2−ジメチルアミ
ノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタノン−
1、N,N−ジメチルアミノアセトフェノンなどのアセ
トフェノン類;2−メチルアントラキノン、2−エチル
アントラキノン、2−t−ブチルアントラキノン、1−
クロロアントラキノン、2−アミルアントラキノン、2
−アミノアントラキノンなどのアントラキノン類;2,
4−ジメチルチオキサントン、2,4−ジエチルチオキ
サントン、2−クロロチオキサントン、2,4−ジイソ
プロピルチオキサントンなどのチオキサントン類;アセ
トフェノンジメチルケタール、ベンジルジメチルケター
ルなどのケタール類;ベンゾフェノン、メチルベンゾフ
ェノン、4,4’−ジクロロベンゾフェノン、4,4’
−ビスジエチルアミノベンゾフェノンなどのベンゾフェ
ノン類;及びキサントン類などがあり、これらは単独で
または2種以上を組み合わせて用いることができる。さ
らに、このような重合開始剤は、エチル−4−ジメチル
アミノベンゾエート、2−(ジメチルアミノ)エチルベ
ンゾエートなどの安息香酸エステル類、あるいはトリエ
チルアミン、トリエタノールアミンなどの3級アミン類
のような公知慣用の光増感剤の1種又は2種以上と組み
合わせて用いることができる。
【0050】このような光重合開始剤の使用量の好適な
範囲は、エポキシアクリレート100重量部に対して
0.1〜20重量部であり、好ましくは1〜10重量部
の範囲で使用することができる。0.1重量部未満では
紫外線により重合が進まず、未硬化になり各特性が悪く
なる傾向にある。20重量部を超える場合は硬化物の耐
熱性、機械的特性が低下するので好ましくない。
【0051】本発明のエポキシアクリレート樹脂組成物
は、該樹脂組成物の取扱い性を向上させ、あるいは各種
添加剤を溶解する目的で公知の有機溶剤を配合すること
ができる。このような有機溶剤としては、例えば、アセ
トン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等
のケトン類、あるいはメタノール、エタノール、プロパ
ノール、ブタノール等のアルコール類、あるいはベンゼ
ン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類、或いは
ヘキサン、ヘプタン等の炭化水素類、あるいはブチルセ
ロソルブアセテート、エチルセロソルブアセテート、メ
チルエチルケトン、カルビトールアセテート、イソプロ
ピルセロソルブアセテート、ジエチレングリコールジメ
チルエーテル、ソルベントナフサ等を挙げることができ
る。これらは単独でまたは2種以上を混合して使用され
る。
【0052】有機溶剤の配合量は、エポキシアクリレー
ト100重量部に対して1〜200重量部、好ましくは
1〜100重量部の範囲で使用することができる。1重
量部未満では粘度を下げて取扱い性を良くする効果が小
さく、200重量部以上では有効成分であるエポキシア
クリレートの含有率が低くなるので生産性、効率の面で
好ましくない。
【0053】本発明のエポキシアクリレートおよびエポ
キシアクリレート樹脂組成物を加熱して硬化物を得る場
合には、通常単に加熱するか、レドックスを形成する化
合物、例えば、ナフテン酸コバルト等の有機酸の金属
塩、フェロセン、ジアルキルアニリンなどの存在下でラ
ジカルを発生する有機過酸化物が併用される。このよう
な有機過酸化物としては、公知のものを使用することが
できる。この様な有機過酸化物としては、ベンゾイルパ
ーオキシド、t−ブチルパーベンゾエート、ジクミルパ
ーオキシド等を挙げることができる。有機過酸化物の使
用量は、エポキシアクリレート100重量部に対して
0.001〜10重量部であり、好ましくは0.1〜5
重量部の範囲で使用することができる。0.001重量
部未満では硬化が遅く生産性が悪く、10重量部を超え
る場合は有機過酸化物中の可塑剤が耐熱性、耐薬品性を
低下させるので好ましくない。また、有機過酸化物は必
要に応じて前記光重合開始剤と組合わせて熱及び光によ
り硬化させることもできる。
【0054】また、更に必要に応じて本発明のエポキシ
アクリレートおよびエポキシアクリレート樹脂組成物
は、上記成分のみで十分所期の目的を達成することがで
きるが、さらに必要に応じて性能を改良するために本発
明のエポキシアクリレートが示す本来の特性を損なわな
い範囲で公知の酸化防止剤、紫外線吸収剤、ブルーイン
グ剤、顔料、光安定剤、帯電防止剤、染料、カップリン
グ剤等を配合することができる。
【0055】本発明のエポキシアクリレートおよびエポ
キシアクリレート樹脂組成物は、耐熱性、硬化収縮によ
る応力の緩和、基板への接着性、機械的強度の向上を目
的に、必要に応じて、公知慣用の充填材、繊維強化材を
配合することができる。例えば、硫酸バリウム、チタン
酸バリウム、タルク、酸化ケイ素粉、無定型シリカ、ク
レー、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム、酸化アルミ
ニウム、水酸化アルミニウム等の充填剤、ガラス繊維、
炭素繊維、合成樹脂繊維等の繊維強化材を挙げることが
できる。その配合量は、エポキシアクリレートまたはエ
ポキシアクリレート樹脂組成物100重量部に対し5〜
300重量部配合することができる。5重量部未満では
配合の効果がなく、300重量部を超える場合は粘度が
高くなり取扱い性が悪くなる。また、樹脂との濡れが不
充分な充填材が塗膜中に存在するようになり機械的特性
の低下や水、薬液が浸透して塗膜に膨れを生じたりする
ので好ましくない。
【0056】さらに必要に応じて着色を目的に例えば、
フタロシアニン・ブルー、フタロシアニン・グリーン、
アイオジン・グリーン、ジスアゾイエロー、クリスタル
バイオレット、酸化チタン、カーボンブラック、ナフタ
レンブラック等の公知慣用の着色剤を配合することがで
きる。またエポキシアクリレートまたはエポキシアクリ
レート樹脂組成物の貯蔵安定性の向上と硬化時間の調整
を目的として例えば、ハイドロキノン、ハイドロキノン
モノメチルエーテル、トルハイドロキノン、トリメチル
ハイドロキノン、2,6−ジ−t−ブチル−4−メチル
フェノール、フェノチアジン、t−ブチルカテコール、
ピロガロール等公知慣用の重合禁止剤、あるいは揺変性
を付与するシリカ、有機ベントナイト等の公知慣用の揺
変性付与剤、或いはシリコーン系、フッ素系の消泡剤、
トリアゾール系、チアゾール系、テトラゾール系酸化防
止剤、シランカップリング剤などの添加剤を配合するこ
とができる。
【0057】本発明のエポキシアクリレート樹脂組成物
は、本発明のエポキシアクリレートに、光重合開始剤、
希釈剤、エポキシ化合物、必要に応じて例えば充填材、
体質顔料、消泡剤等の添加剤を加え、3本ロールミル等
で混練することにより調製することができる。この様に
して調製した樹脂組成物は、スピンコート、バーコーダ
ー等で基材の表面に塗布し、続いてメタルハライドラン
プ、水銀ランプを用いて紫外線を照射して、或いはホッ
トプレート、オーブン、赤外線加熱炉等の熱を利用して
硬化することができる。また、ガラスあるいは金属型に
注入してオーブン、赤外線加熱炉等あるいは金属の金型
を水蒸気又は電気ヒーターで温めることにより硬化物と
することができる。
【0058】本発明のエポキシアクリレートまたはエポ
キシアクリレート樹脂組成物およびその硬化物は、高屈
折率を必要とする民生用レンズ、産業用レンズとしてあ
るいはプラスチックフィルム、光ディスク等の光学材料
として、また繊維強化材を含有した成形材料、紫外線に
より硬化させる塗料、インキ等の分野に有用なものであ
る。
【0059】
【実施例】以下に、エポキシアクリレートの合成例、実
施例及び比較例を挙げて本発明を具体的に説明するが、
本発明は実施例に限定されるものではない。なお、特記
しない限り「部」は、「重量部」を示す。
【0060】[エポキシアクリレートの合成] 合成例1 ガス導入管、攪拌装置、冷却管、温度計を備えたフラス
コに旭化成(株)製のビスフェノールA型エポキシ化合
物「AER#2600」516.7部とビスフェノール
フルオレン146.7部、触媒としてトリフェニルホス
フィン0.33部を仕込み、150〜160℃で1時間
反応させ、エポキシ当量350g/当量のエポキシ化合
物を得た。続いて、フラスコ内を空気で置換し、これに
アクリル酸136.6部、重合禁止剤としてモノメチル
エーテルハイドロキノン1.60部、エステル化触媒と
して2‐メチルイミダゾール2.56部を仕込み、12
0℃で4時間反応させ、酸価6mgKOH/gのエポキ
シアクリレート(I)を得た。
【0061】合成例2 ガス導入管、攪拌装置、冷却管、温度計を備えたフラス
コに旭化成(株)製のビスフェノールA型エポキシ化合
物「AER#2600」541.9部とビスフェノール
S121.5部、触媒としてトリフェニルホスフィン
0.33部を仕込み、150〜160℃で1時間反応さ
せ、エポキシ当量350g/当量のエポキシ化合物を得
た。続いて、フラスコ内を空気で置換し、これにアクリ
ル酸136.6部、重合禁止剤としてモノメチルエーテ
ルハイドロキノン1.60部、エステル化触媒としてト
リフェニルホスフィン2.56部を仕込み、120℃で
4時間反応させ、酸価5mgKOH/gのエポキシアク
リレート(II)を得た。
【0062】合成例3 ガス導入管、攪拌装置、冷却管、温度計を備えたフラス
コに旭化成(株)製のビスフェノールA型エポキシ化合
物「AER#2600」541.9部と4,4‘−チオ
ベンゼンジチオフェノール121.5部、触媒としてト
リフェニルホスフィン0.33部を仕込み、150〜1
60℃で1時間反応させ、エポキシ当量350g/当量
のエポキシ化合物を得た。続いて、フラスコ内を空気で
置換し、これにアクリル酸136.6部、重合禁止剤と
してモノメチルエーテルハイドロキノン1.6部、エス
テル化触媒としてトリフェニルホスフィン2.56部を
仕込み、120℃で6時間反応させ、酸価9mgKOH
/gのエポキシアクリレート(III)を得た。
【0063】合成例4 ガス導入管、攪拌装置、冷却管、温度計を備えたフラス
コに油化シェルエポキシ(株)製のビキシレノール型エ
ポキシ化合物「エピコートYX−4000H」577.
0部と1,5−ジヒドロキシナフタレン86.4部、触
媒としてトリフェニルホスフィン0.33部を仕込み、
150〜160℃で1時間反応させ、エポキシ当量35
0g/当量のエポキシ化合物を得た。続いて、フラスコ
内を空気で置換し、これにアクリル酸136.59部、
重合禁止剤としてモノメチルエーテルハイドロキノン
1.60部、エステル化触媒としてトリフェニルホスフ
ィン2.56部を仕込み、120℃で6.5時間反応さ
せ、酸価5mgKOH/gのエポキシアクリレート(I
V)を得た。
【0064】合成例5 ガス導入管、攪拌装置、冷却管、温度計を備えたフラス
コに大日本インキ化学工業(株)製のビスフェノールF
型エポキシ化合物「エピクロン830S」554.1
部、1,5ナフタレンジオール123.8部、触媒とし
てトリフェニルホスフィン0.34部を仕込み、窒素気
流中155℃で1時間反応させ、400g/当量のエポ
キシ化合物を得た。続いて、フラスコ内を空気で置換
し、120℃まで冷却し、アクリル酸122.1部、重
合禁止剤として2,6−ジ−t‐ブチル‐4‐メチルフ
ェノール1.6部、エステル化触媒として2‐メチルイ
ミダゾール2.56部を仕込み、120℃で4時間反応
させ、酸価7mgKOH/gのエポキシアクリレート
(V)を得た。
【0065】合成例6 ガス導入管、攪拌装置、冷却管、温度計を備えたフラス
コに旭化成(株)製のビスフェノール型エポキシ化合物
「アラルダイト#2600」579.18部、アクリル
酸220.8部、重合禁止剤としてモノメチルエーテル
ハイドロキノン1.6部、エステル化触媒としてトリフ
ェニルホスフィン2.56部を仕込み、120℃で6時
間反応させ、酸価6mgKOH/gのエポキシアクリレ
ート(VI)を得た。
【0066】合成例7 ガス導入管、攪拌装置、冷却管、温度計を備えたフラス
コに旭化成(株)製のビスフェノール型エポキシ化合物
「アラルダイト#2600」548.5部、ビスフェノ
ールA114.9部、触媒としてトリフェニルホスフィ
ン0.33部を仕込み、窒素気流中155℃で1時間反
応させ、エポキシ当量350g/当量のエポキシ化合物
を得た。フラスコ内を空気で置換し、120℃まで冷却
し、アクリル酸136.6部、重合禁止剤としてモノメ
チルエーテルハイドロキノン1.6部、エステル化触媒
として2‐メチルイミダゾール2.56部を仕込み、1
20℃で4時間反応させ、酸価5mgKOH/gのエポ
キシアクリレート樹脂(VII)を得た。
【0067】合成例8 ガス導入管、攪拌装置、冷却管、温度計を備えたフラス
コ内を空気で置換し、フラスコに大日本インキ化学工業
(株)製の臭素化ビスフェノールA型エポキシ化合物
「エピクロン152」677.9部、アクリル酸12
2.1部、重合禁止剤としてモノメチルエーテルハイド
ロキノン1.6部、エステル化触媒として2‐メチルイ
ミダゾール2.56部を仕込み、120℃で2時間反応
させ、酸価4mgKOH/gのエポキシアクリレー(VII
I)を得た。
【0068】[実施例および比較例]上記合成例1〜8
で得られたエポキシアクリレートに共重合性単量体、有
機過酸化物または光重合開始剤を配合し、配合物が均一
状態になるまで攪拌混合した。有機過酸化物を配合した
例を表1に示す。また、光重合開始剤を配合した例を表
2に示す。実施例1〜5及び比較例1〜3で調製したエ
ポキシアクリレート樹脂組成物を熱により硬化させた硬
化物について、比重、屈折率、アッベ数、吸水性、ガラ
ス移転温度、アイゾット衝撃強度、耐アルカリ性、耐塩
酸性、耐硫酸性及び耐溶剤性について評価し、その結果
を同じ表1に示した。また、実施例6〜8及び比較例4
〜5で調製したエポキシアクリレート樹脂組成物を紫外
線により硬化させた硬化物について、比重、ガラス転移
温度、光硬化性、密着性について評価し、その結果を同
じ表2に示した。
【0069】評価方法 (硬化物の作製条件) [熱硬化による硬化物の作製]実施例1〜5及び比較例
1〜3の樹脂組成物を、離型剤を塗布して脱型し易いよ
うに予め調製した2枚の強化ガラスとシリコンチューブ
から成る400mm角、スリット3mmの成形型に常温
で注入した。これを120℃で2時間加熱した後、常温
までゆっくりと冷却した。冷却後、脱型して硬化物を取
出した。この硬化物から、比重、ガラス転移温度、屈折
率、耐熱性、耐衝撃性、耐薬品性、吸水性を測定した。
【0070】[紫外線硬化による硬化物の作製]実施例
6〜8及び比較例4〜5の樹脂組成物を離型処理した強
化ガラス板にスクリーン印刷により膜厚600ミクロン
に塗布し、80℃の熱風乾燥機で3時間溶剤を除去して
から(株)オーク製作所製のメタルハライドランプを搭
載した紫外線照射装置で1000mJ/cm2の紫外線
を照射した。硬化後、塗膜をガラス板より剥がし、塗膜
を得た。この塗膜の比重、ガラス転移温度を測定した。
【0071】(比重)前記作製条件で作製したそれぞれの
硬化物をダイヤモンドカッターで水を流しながら50×
50×3mm(熱硬化物)、50×50×0.6mm(紫
外線硬化物)の寸法に切出し試験片とした。この試験片
を40℃で24時間乾燥した後、これを23℃の恒温室
中に保管し、A&D(株)製のED‐120T電子比重
計を用い23℃の比重を測定した。
【0072】(屈折率及びアッベ数)前記作製条件で作
製した硬化物(熱硬化物)をダイヤモンドカッターで水を
流しながら30×15×3mmの寸法に切出し試験片と
した。この試験片を40℃で24時間乾燥した後、アタ
ゴ社製アッベ屈折計3Tを用い、23℃における屈折
率、アッベ数を求めた。
【0073】(ガラス転移温度)前記作製条件で作製し
たそれぞれの硬化物をダイヤモンドカッターで水を流し
ながら70×5×3mm (熱硬化物)、70×5×0.
6mm(紫外線硬化物)の寸法に切出し試験片とした。こ
の試験片を40℃で24時間乾燥した後、オリエンテッ
ク(株)製粘弾性測定装置を用い、硬化物の温度分散曲
線を求め、ここで得られたtanδの最大値をガラス転
移温度として求めた。 装置及び測定条件:オリエンテック(株)製 レオバイ
ブロンDDV、周波数10Hz、昇温速度2℃/分。
【0074】(耐衝撃性)前記作製条件により硬化した硬
化物(熱硬化物)をダイヤモンドカッターで水を流しなが
ら65.0×12.5×3mmの寸法に切削し試験片と
した。この試験片を東洋精機(株)製のアイゾット衝撃
試験機でノッチなし、エッヂワイズの条件で破壊したと
きの衝撃エネルギー値を求め、この値を断面積で割り、
アイゾッド衝撃強度とした。試験はn=10で行い、そ
の平均値をその値とした。
【0075】(吸水性)前記作製条件で作製した硬化物
(熱硬化物)をダイヤモンドカッターで水を流しながら5
0×50×3mmの寸法に切出し試験片とした。この試
験片を40℃で24時間乾燥した後、水に浸漬する前の
重量(W1)を求めた。次いでこの試験片(硬化物)を
23℃の蒸留水に24時間浸漬し、浸漬後の重量(W
2)を測定した。吸水率を次式により算出した。 吸水率(%)=(W2−W1)×100/W1
【0076】(耐薬品性)前記作製条件で作製した硬化
物(熱硬化物)をダイヤモンドカッターで水を流しながら
50×50×3mmの寸法に切出し試験片とした。この
試験片を40℃で24時間乾燥させた。各硬化物につい
て、下記に示す条件で耐薬品性を調べた。
【0077】[耐アルカリ性]5%水酸化ナトリウムに
上記硬化物の試験片を23℃で30分浸漬し、外観を観
察した。 ○:硬化物が膨潤又はクラックの発生がない。 ×:硬化物が膨潤又はクラックの発生があるか、白化し
ている。
【0078】[耐硫酸性]10%硫酸水溶液に上記硬化
物の試験片を23℃で30分浸漬し、外観を観察した。 ○:硬化物が膨潤又はクラックの発生がない。 ×:硬化物が膨潤又はクラックの発生があるか、白化し
ている。
【0079】[耐塩酸性]10%塩酸水溶液に上記硬化
物の試験片を23℃で30分浸漬し、外観を観察した。 ○:硬化物が膨潤又はクラックの発生がない。 ×:硬化物が膨潤又はクラックの発生があるか、白化し
ている。
【0080】[耐溶剤性]トリクロロエタンに上記硬化
物の試験片を23℃で30分浸漬し、外観を観察した。 ○:硬化物が膨潤又はクラックの発生がない。 ×:硬化物が膨潤又はクラックの発生があるか、白化し
ている。
【0081】(光硬化性)実施例6〜8及び比較例4〜
5の樹脂組成物をガラス板にスクリーン印刷により30
0ミクロンの厚さに塗布し、80℃の熱風乾燥機で3時
間溶剤を除去した後、(株)オーク製作所製のメタルハ
ライドランプを搭載した紫外線照射装置で500mJ/
cm2の紫外線を照射した。塗膜の硬化性を赤外吸収ス
ペクトルのアクリル酸の二重結合に起因する吸収163
6cm-1の波長の存在により判断した。 ○:二重結合に起因する吸収が完全に消失している。 △:二重結合に起因する吸収が僅かに残っている。 ×:二重結合に起因する吸収が残っている。
【0082】(密着性)実施例6〜8及び比較例4〜5
の樹脂組成物を表面処理した銅版にスクリーン印刷によ
り300ミクロンの厚さに塗布し、80℃の熱風乾燥機
で3時間溶剤を除去した後、(株)オーク製作所製のメ
タルハライドランプを搭載した紫外線照射装置で500
mJ/cm2の紫外線を照射した。照射後、JISK5
4008.5.2.碁盤目テープ法に準拠して付着性を
調べた。評価は、JISK5400 8.3.表18及
び図52の碁盤目試験結果を2点刻みで0から10点を
基準に以下の様に評価した。 10〜8点:◎ 6〜8点:○ 4〜6点:△ 0〜2点:×
【0083】
【表1】
【0084】
【表2】
【0085】表1、2に示す結果から明らかなように、
本発明のエポキシアクリレート樹脂組成物の硬化物は、
比重が小さく、ガラス転移温度、屈折率、耐衝撃性とも
に比較例で示す従来のエポキシアクリレートからなる樹
脂組成物の硬化物に比べて高い値を示し、また、吸水
率、耐薬品性も優れている。また、光により硬化させた
場合でも本発明のエポキシアクリレート樹脂組成物の硬
化物は、比較例4、5に示す従来のエポキシアクリレー
トからなる樹脂組成物の硬化物よりも高い耐熱性を示
し、かつ基材との密着性にも優れている。このように本
発明のエポキシアクリレートは屈折率、耐熱性、衝撃
性、密着性のバランスのとれた硬化物を提供することが
できるものである。
【0086】
【発明の効果】本発明のエポキシアクリレートは、それ
自体で、またエチレン性不飽和二重結合を有する共重合
性単量体を配合したエポキシアクリレート樹脂組成物
に、有機過酸化物及び/又は光重合開始剤を含有させ、
熱及び/又は光により優れた特性を有する硬化物を得る
ことができる。得られる硬化物は比重が小さく、屈折
率、耐熱性、耐衝撃性が高く、さらに光硬化性、透明
性、成形性、低吸水性、耐溶剤性、耐酸性に優れてお
り、物理的特性、光学的特性にバランスのとれた硬化物
であり、本発明のエポキシアクリレートは民生用レン
ズ、産業用レンズなどの光学材料として、また塗料、印
刷インキ材料、あるいは複合成形材料に好適な材料であ
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4J011 AA05 QA01 QA03 QA08 QA11 QA13 QB19 SA01 SA21 SA31 SA41 SA51 SA63 SA64 UA01 WA02 WA05 WA10 4J027 AC01 AC02 AC03 AE00 AE01 AE02 AE04 AE05 AE10 AJ08 BA01 BA03 BA04 BA05 BA07 BA09 BA10 BA15 BA17 BA18 BA19 BA20 CB03 CB10 CC05 CD04 CD08 4J036 AA01 AC01 AC05 AD01 AD04 AD07 AD08 AD11 AD12 AD21 AJ01 AJ19 CA21 JA01 JA15

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】1分子中に2個以上のグリシジル基と複数
    種の芳香環を含有するエポキシ化合物(A)と(メタ)
    アクリル酸とを反応させて得られる分子末端に(メタ)
    アクリロイル基を有するエポキシ(メタ)アクリレー
    ト。
  2. 【請求項2】1分子中に2個以上のグリシジル基と複数
    種の芳香環を含有するエポキシ化合物(A)が、1分子
    中に2個以上のグリシジル基を有するエポキシ化合物
    (B)と1分子中に少なくとも1個の水酸基を有する芳
    香族フェノール化合物または1分子中に少なくとも1個
    のメルカプト基を有する芳香族チオフェノール化合物
    (C)とを反応させて得られるエポキシ化合物であるこ
    とを特徴とする請求項1記載のエポキシ(メタ)アクリ
    レート。
  3. 【請求項3】1分子中に2個以上のグリシジル基と複数
    種の芳香環を含有するエポキシ化合物(A)が、下記一
    般式(1)で表されるエポキシ化合物であることを特徴
    とする請求項1または請求項2記載のエポキシ(メタ)
    アクリレート。 【化1】 (式中、X、Yはそれぞれ異なる二価の芳香族残基であ
    り、Xが、ビキシレノール型ジグリシジルエーテル、ビ
    フェノール型ジグリシジルエーテル、ビスフェノール型
    ジグリシジルエーテル、ビスフェノールフルオレン型ジ
    グリシジルエーテル、ナフタレン型ジグリシジルエーテ
    ルから選ばれる少なくとも1種の1分子中に少なくとも
    1個のグリシジルエーテル基を有する芳香族エポキシ化
    合物の芳香族残基、Yが、ビキシレノールおよびその誘
    導体、ビフェノールおよびその誘導体、ビスフェノール
    およびその誘導体、ビスフェノールフルオレンおよびそ
    の誘導体、ナフタレンおよびその誘導体、ハイドロキノ
    ンおよびその誘導体から選ばれる1分子中に少なくとも
    1個の水酸基を有する芳香族ヒドロキシ化合物またはチ
    オフェノールおよびその誘導体、ジチオフェノールおよ
    びその誘導体から選ばれる1分子中に少なくとも1個の
    メルカプト基を有する芳香族チオフェノール化合物の芳
    香族残基であり、Zは、酸素原子または硫黄原子を示
    す。m=1〜20である。)
  4. 【請求項4】請求項1〜3記載のエポキシ(メタ)アク
    リレートにエチレン性不飽和二重結合を有する共重合性
    単量体を配合してなることを特徴とするエポキシ(メ
    タ)アクリレート樹脂組成物。
  5. 【請求項5】有機過酸化物及び/又は光重合開始剤を含
    有することを特徴とする請求項1〜3記載のエポキシ
    (メタ)アクリレート。
  6. 【請求項6】有機過酸化物及び/又は光重合開始剤を含
    有することを特徴とする請求項4記載のエポキシ(メ
    タ)アクリレート樹脂組成物。
  7. 【請求項7】請求項5または6記載のエポキシ(メタ)
    アクリレートまたはエポキシ(メタ)アクリレート樹脂
    組成物からなる硬化物。
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