JP2004323643A - 活性エネルギー線硬化型組成物 - Google Patents
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Abstract
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、特定の構造の硫黄含有ウレタン(メタ)アクリレートを含む活性エネルギー線硬化型組成物に関するものであり、本発明の組成物の硬化物は、高屈折率で、柔軟性及び密着性に優れるため光学用物品として有用であり、これら技術分野で賞用され得るものである。
尚、本明細書においては、アクリレート又はメタクリレートを(メタ)アクリレートと表し、アクリロイル基又はメタクリロイル基を(メタ)アクリロイル基と表し、アクリル酸又はメタクリル酸を(メタ)アクリル酸と表す。
【0002】
【従来の技術】
従来、活性エネルギー線硬化型組成物は、その速硬化性等の機能を利用して、コーティング材、印刷インキ及び成型材等の種々の用途に用いられている。
近年においては、エレクトロニクス分野の進歩に伴い、活性エネルギー線硬化型組成物は、レンズシート等の各種光学材料への応用が検討されてきている。レンズシートの具体例としては、パソコン等のカラー液晶表示装置に用いるプリズムシート、及びプロジェクションテレビ等の投射スクリーンとして用いられるフレネルレンズシートやレンチキュラーレンズシート等が挙げられる。レンズシート以外の光学材料関連用途としては、前記レンズシートのコーティング材等といった光学材料用への応用が検討されてきている。
このような光学材料には、通常、硬化物の柔軟性、復元性、高屈折率、高密着性及び高離型性等の物性が要求され、これまでに様々な組成物が提案されている。
例えば、ポリテトラメチレングリコールを用いたウレタンアクリレートを含有する紫外線硬化型組成物(特許文献1等)、ポリカプロラクトンジオールを用いたウレタンアクリレートを含有する紫外線硬化型組成物が検討されている(特許文献2等)。
又、芳香族エポキシアクリレート、ビスフェノールAエチレンオキサイド付加物をジオール化合物とするポリエステルウレタンアクリレート及び芳香族単官能アクリレートを含有する紫外線硬化型組成物が検討されている(特許文献3等)。
【0003】
しかしながら、従来の紫外線硬化型組成物は、硬化物の柔軟性と高屈折率の両方の性能を兼ね備えたものではなかった。
即ち、特許文献1及び同2で開示されている様な、柔軟な構造のウレタンアクリレートを含有する組成物は、硬化物の柔軟性に優れるものの、屈折率が低いという問題がある。一方、特許文献3に開示されている様な、芳香環を多く含有する組成物は、硬化物の屈折率は高く優れているものの、柔軟性が不十分なものであった。
又、前記組成物は、レンズシートへ応用した場合、透明シート基材への密着性が不十分なものであった。特に、透明性や耐候性に優れ、レンズシートの基材として好適とされているメタクリル系の透明シート基材への密着性が不十分なものであった。
【0004】
【特許文献1】
特開平4−68010号公報(特許請求の範囲)
【特許文献2】
特開平6−298887号公報(特許請求の範囲)
【特許文献3】
特開平9−40729号公報(特許請求の範囲)
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明者らは、得られる硬化物が、高屈折率で、柔軟性及び密着性に優れ、特に光学物品の製造に適した活性エネルギー線硬化型組成物を見出すべく鋭意検討を行ったのである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決するため、本発明者らは種々の研究の結果、特定構造を有する硫黄含有ウレタン(メタ)アクリレートを含有する活性エネルギー線硬化型組成物が、その硬化物が高屈折率で、柔軟性及び密着性に優れることを見出し、本発明を完成した。
以下、本発明を詳細に説明する。
【0007】
【発明の実施の形態】
1.(A)成分
本発明の組成物における(A)成分は、下記式(1)で表される化合物〔以下化合物(1)という〕とジオール化合物に、有機ポリイソシアネート及びヒドロキシ基含有(メタ)アクリレートを反応させて得られる化合物である。
【0008】
【化4】
【0009】
但し、式(1)において、Zは酸素原子又は硫黄原子を表し、nは1〜4の整数を表す。
【0010】
化合物(1)の好ましい具体例としては、1,5−ジメルカプト−3−チアペンタン、2,2’−(エチレンジチオ)ジエタンチオール、1,2−ビス(2−ヒドロキシエチルチオ)エタン、チオジグリコール等が挙げられ、得られる組成物の臭気がほとんどなく、組成物の硬化物が屈折率に優れたものとなる点から、1,5−ジメルカプト−3−チアペンタン及び2,2’−(エチレンジチオ)ジエタンチオールが好ましい。
【0011】
ジオール化合物としては、脂肪族短鎖ジオール、芳香族短鎖ジオール、脂肪族ポリエーテルジオール、芳香族ポリエーテルジオール、脂肪族ポリエステルポリオール及び芳香族ポリエステルジオール等が挙げられる。
【0012】
脂肪族短鎖ジオールとしては、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、3−メチル−1,5ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,9−ノナンジオール、2−メチル−1,8−オクタンジオール及び2−エチル−2−ブチル−1,3−プロパンジオール等が挙げられる。
【0013】
芳香族短鎖ジオールとしては、1,4−ジメタノールベンゼン等が挙げられる。
【0014】
脂肪族ポリエーテルジオールとしては、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコール及びポリブチレングリコール等が挙げられる。
【0015】
芳香族ポリエーテルジオールとしては、ビスフェノールAポリエトキシジオール、ビスフェノールAポリプロポキシジオール、テトラブロムビスフェノールAポリエトキシジオール、テトラブロムビスフェノールAポリプロポキシジオール、1,4−ジメタノールベンゼンのポリエトキシジオール及び1,4−ジメタノール−ベンゼンのポリプロポキシジオール等が挙げられる。
【0016】
脂肪族ポリエステルポリオールとしては、前記脂肪族短鎖ジオールと、脂肪族二塩基酸又はその無水物とのエステル化反応物、又はε−カプロラクトン等の環状エステル化合物とのエステル化反応物等が挙げられる。前記脂肪族二塩基酸としては、コハク酸、マレイン酸及びアジピン酸等が挙げられる。
【0017】
芳香族ポリエステルジオールとしては、前記脂肪族短鎖ジオールと芳香族二塩基酸若しくはその無水物とのエステル化反応物、及び前記芳香族短鎖ジオールと、前記脂肪族二塩基酸若しくはその無水物、又はε−カプロラクトン等の環状エステル化合物とのエステル化反応物を挙げることができる。前記芳香族二塩基酸としては、フタル酸、イソフタル酸及びテレフタル酸等が挙げられる。
【0018】
前記ジオール化合物中でも、脂肪族ポリエーテルジオール及び脂肪族ポリエステルジオールが好ましい。
脂肪族ポリエーテルジオールとしては、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール及びポリテトラメチレングリコールがより好ましい。脂肪族ポリエステルジオールとしては、1,9−ノナンジオール及び/又は2−メチル−1,8−オクタンジオールとアジピン酸とのエステル化反応物、脂肪族短鎖ジオールとε−カプロラクトンとのエステル化反応物がより好ましい。
これらジオールの数平均分子量としては、硬化物の柔軟性に優れる点から、500〜5,000が好ましく、特に好ましくは1,000〜3,000である。
【0019】
有機ポリイソシアネートとしては、トリレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート及びトリメチルヘキサメチレンジイソシアネート等が挙げられ、得られる硬化物の屈折率に優れる点から、トリレンジイソシアネート及びキシリレンジイソシアネートが好ましい。
【0020】
ヒドロキシ基含有(メタ)アクリレートとしては、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、ポリ(平均値としてn=2〜10)エチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリ(平均値としてn=2〜10)プロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−フェニルオキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−(o−フェニルフェニルオキシ)プロピル(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、イソシアヌル酸アルキレンオキサイド変性ジ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
これらの中でも、反応性に優れ、得られる硬化物の強度及び屈折率に優れる点から、2−ヒドロキシエチルアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレートが好ましい。
【0021】
(A)成分は、化合物(1)とジオール化合物に、有機ポリイソシアネート及びヒドロキシ基含有(メタ)アクリレートを反応させて得られる。
当該反応方法としては、常法に従えば良い。
例えば、化合物(1)とジオール化合物に有機ポリイソシアネートをウレタン化反応させてイソシアネート基を有するオリゴマー(以下ウレタンオリゴマーという)を得た後、このウレタンオリゴマーにヒドロキシ基含有(メタ)アクリレートをウレタン化反応させる方法等が挙げられる。
化合物(1)とジオール化合物に対する、有機ポリイソシアネートの反応割合としては、化合物(1)及びジオール化合物の合計量1モルに対して、有機ポリイソシアネートが1〜2.5モルであることが好ましい。化合物(1)とジオール化合物の割合としては、化合物(1)1モルに対して、ジオール化合物が0.1〜20モルが好ましい。
ウレタン化反応においては、触媒として、例えばラウリン酸ジ−n−ブチルスズ又はトリエチルアミン等を使用することができる。
この場合、その後の重合を防止するため重合禁止剤を配合することが好ましい。重合禁止剤としては、ハイドロキノン、メトキシハイドロキノン、ジ−t−ブチルヒドロキシトルエン、フェノチアジン及びQ−1301〔和光純薬(株)製〕等が挙げられる。
ウレタンオリゴマーとヒドロキシ基含有(メタ)アクリレートのウレタン化反応において、ヒドロキシ基含有(メタ)アクリレートの反応割合としては、ウレタンオリゴマー1モルに対して、ヒドロキシ基含有(メタ)アクリレートが2.0〜3.0モルであることが好ましい。
尚、合成中に攪拌が困難になる場合には、希釈剤として、トルエン、酢酸エチル、酢酸ブチル、メチルエチルケトン及びメチルイソブチルケトン等の有機溶剤や、特殊(メタ)アクリレート等の反応性希釈剤を使用することもできる。反応温度は、通常、室温〜100℃であり、好ましくは50〜80℃である。
(A)成分の分子量としては、重量平均分子量で3,000から50,000が好ましい。
【0022】
2.(B)成分
本発明の組成物には、(B)成分の芳香族基及び1個の(メタ)アクリロイル基を含有する化合物を配合することが、組成物の低粘度化、硬化物の高屈折率化という点で好ましい。
(B)成分の好ましい例としては、下記式(2)で表される化合物が挙げられる。
【0023】
【化5】
【0024】
〔但し、式(2)において、R1は、水素原子又はメチル基を表し、R2は、−CH2−、−(OCH2CH2)l−、−(OCH(CH3)CH2)m−又は−OCH2CH(OH)CH2−を表し、R3〜R5は、それぞれ独立して水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アリール基を表す。前記l及びmは、それぞれ独立して0〜10の整数を表す。〕
【0025】
アルキル基としては、炭素数1〜10のアルキル基が好ましい。
アリール基としては、フェニル基、−C(CH3)2−C6H5及び−CH(CH3)−C6H5等が好ましい。
【0026】
(B)成分の具体例としては、例えばベンジル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピル(メタ)アクリレート、2−フェニルフェノキシエチル(メタ)アクリレート、4−フェニルフェノキシエチル(メタ)アクリレート、p−クミルフェノールアルキレンオキサイド付加物(メタ)アクリレート、スチレン化フェノールアルキレンオキサイド付加物(メタ)アクリレート、フェノールのアルキレンオキサイド付加物(メタ)アクリレート、ノニルフェノールのアルキレンオキサイド付加物(メタ)アクリレート、2−ブロモフェノキシエチル(メタ)アクリレート、2,4−ジブロモフェノキシエチル(メタ)アクリレート、2,4,6−トリブロモフェノキシエチル(メタ)アクリレート等が挙げられる。
これらの中でも、組成物の粘度を低減させることができ、得られる硬化物が屈折率に優れたものとなる点から、フェノールのアルキレンオキサイド付加物(メタ)アクリレート、p−クミルフェノールアルキレンオキサイド付加物(メタ)アクリレート及びスチレン化フェノールアルキレンオキサイド付加物(メタ)アクリレート等が好ましい。
(B)成分は、2種以上を併用することもできる。
【0027】
3.その他の好ましい成分
本発明の組成物には、下記(C)〜(E)成分のいずれか1種以上をさらに含有してを配合することが、得られる硬化物の高屈折率化及び機械強度等を向上させることができるという点で好ましい。
【0028】
○(C)成分:下記式(3)で表される化合物に、有機ポリイソシアネート及びヒドロキシ基含有(メタ)アクリレートを反応させて得られる化合物。
【0029】
【化6】
【0030】
〔但し、式(3)において、R1は−CH2−、−C(CH3)2−、−S−、−SO−又は−SO2−を表し、R2及びR3は、それぞれ独立して水素原子、ハロゲン原子、C1〜C10のアルキル基又はアリール基を表し、R4は、水素原子又はメチル基を表し、Zは、酸素原子又は硫黄原子を表し、nは、0〜10の整数を表す。〕
【0031】
○(D)成分:下記式(4)で表される化合物。
【0032】
【化7】
【0033】
〔但し、式(4)において、R1、R2、R3、R4、Z及びnは、前記式(3)と同様の意味を示し、R5は、水素原子又はメチル基を表す。〕
○(E)成分:有機ポリイソシアネートにヒドロキシル基含有(メタ)アクリレートを反応させて得られる化合物。
以下、(C)〜(E)成分について説明する。
【0034】
1)(C)成分
(C)成分は、前記式(3)で表される化合物〔以下化合物(3)という〕に、有機ポリイソシアネート及びヒドロキシ基含有(メタ)アクリレートを反応させて得られる化合物である。
(C)成分としては、化合物(3)と有機ポリイソシアネートをウレタン化反応させた後、さらにヒドロキシ基含有(メタ)アクリレートを反応させて得られるものが好ましい。
【0035】
化合物(3)の具体例としては、例えばビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールS、テトラブロモビスフェノールA、4,4’−チオジベンゼンチオール、ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルフィド、ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)スルフィド、ビスフェノールAのアルキレンオキサイド付加物、ビスフェノールFのアルキレンオキサイド付加物、ビスフェノールSのアルキレンオキサイド付加物、テトラブロモビスフェノールAのアルキレンオキサイド付加物、4,4’−チオジベンゼンチオールのアルキレンオキサイド付加物、ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルフィドのアルキレンオキサイド付加物及びビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)スルフィドのアルキレンオキサイド付加物等を挙げることができる。
これらの中でも、入手が容易であり、得られる硬化物の屈折率に優れる等の点でビスフェノールAのアルキレンオキサイド付加物であり、ビスフェノールAのエチレンオキサイド付加物が好ましい。
化合物(3)は2種以上を併用することもできる。
【0036】
(C)成分で使用する有機ポリイソシアネート及びヒドロキシ基含有(メタ)アクリレートの種類、並びに反応方法としては、(A)成分の項で記載したものと同様のもの及び同様の方法が挙げられる。
(C)成分は、2種以上を併用することもできる。
【0037】
2)(D)成分
(D)成分は、前記式(4)で表される化合物である。
(D)成分の具体例としては、例えばビスフェノールAアルキレンオキサイド付加物ジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールFアルキレンオキサイド付加物ジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールSアルキレンオキサイド付加物ジ(メタ)アクリレート、テトラブロモビスフェノールAアルキレンオキサイド付加物ジ(メタ)アクリレート、ビス(4−メタクリロイルチオフェニル)スルフィド、4,4’−チオジベンゼンチオールアルキレンオキサイド付加物ジ(メタ)アクリレート、ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルフィドアルキレンオキサイド付加物ジ(メタ)アクリレート、ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)スルフィドアルキレンオキサイド付加物ジ(メタ)アクリレート等を挙げることができる。
これらの中でも、硬化物の強度及び屈折率に優れる点から、ビスフェノールAアルキレンオキサイド付加物ジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールFアルキレンオキサイド付加物ジ(メタ)アクリレート、ビス(4−メタクリロイルチオフェニル)スルフィド及び4,4’−チオジベンゼンチオールアルキレンオキサイド付加物ジ(メタ)アクリレートが好ましい。
(D)成分は、2種以上を併用することもできる。
【0038】
3)(E)成分
(E)成分は、有機ポリイソシアネートにヒドロキシ基含有(メタ)アクリレートを反応させて得られる化合物である。
【0039】
有機ポリイソシアネート及びヒドロキシ基含有(メタ)アクリレートとしては、前記(A)成分の項で記載したものが同様に使用できる。
製造方法としては、前記(A)成分の項で記載した例において、ウレタンオリゴマーの代わりに有機ポリイソシアネートを使用することで目的物を得ることができる。
(E)成分においては、有機ポリイソシアネートとして、トリレンジイソシアネート及びキシリレンジイソシアネートが好ましく、ヒドロキシ基含有(メタ)アクリレートとしては、ヒドロキシエチルアクリレート及びペンタエリスリトールトリアクリレートが好ましい。これらの化合物は2種以上を併用することもできる。
(E)成分は、2種以上を併用することもできる。
【0040】
4.活性エネルギー線硬化型組成物
本発明の活性エネルギー線硬化型組成物は、(A)成分を必須とするものである。
本発明の組成物において、(B)成分を配合する場合、その配合割合としては、(A)及び(B)成分の合計100質量部に対し、(A)成分が20〜70質量部であり、(B)成分が80〜30質量部が好ましい。(A)成分の割合が20質量部に満たない場合は柔軟性が劣ることがあり、他方(A)成分の割合が70質量部を越える場合には硬化型組成物が高粘度となり成形性が悪化するという問題が生じることがある。
【0041】
本発明の組成物において、(C)、(D)及び/又は(E)成分を配合する場合、各成分の配合割合としては、(A)成分又は(A)及び(B)成分の合計100質量部に対し、(C)、(D)及び/又は(E)成分の合計量として0〜250質量部が好ましい。これらの成分が250質量部を越える場合には柔軟性が悪化し、密着性が低下することがある。
【0042】
本発明の組成物においては、必要に応じて、前記成分以外のエチレン性不飽和基を1個以上有する化合物(以下エチレン性不飽和化合物という)を配合することもできる。
エチレン性不飽和化合物としては、エチレン性不飽和基を1個有する化合物(以下単官能不飽和化合物という)、エチレン性不飽和基を2個以上有する化合物(以下多官能不飽和化合物という)、ポリエステルポリ(メタ)アクリレート及びエポキシ(メタ)アクリレート等を挙げることができる。
【0043】
単官能不飽和化合物の例としては、N−ビニルピロリドン;テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート;2−エチルヘキシルアクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート及び2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート等のヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート;並びに2−エチルヘキサノールエチレンオキサイド付加物(メタ)アクリレート等の脂肪族アルコールのアルキレンオキサイド付加物の(メタ)アクリレート等が挙げられる。
多官能不飽和化合物の例としては、ブタンジオール、ペンタンジオール、ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、ノナンジオール、トリシクロデカンジメタノール及びヒドロキシピバリン酸とネオペンチルグリコールのエステル化ジオール等のジオールのジ(メタ)アクリレート;前記ジオールのアルキレンオキサイド付加物のジ(メタ)アクリレート;トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、ポリエチレングリコール、トリプロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、トリテトラメチレングリコール及びポリテトラメチレングリコール等のポリアルキレングリコールのジ(メタ)アクリレート;グリセリンのトリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンのトリ又はテトラ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールのトリ又はテトラ(メタ)アクリレート及びジペンタエリスリトールのペンタ又はヘキサ(メタ)アクリレート等のポリオールポリ(メタ)アクリレート;並びに前記ポリオールのアルキレンオキサイド付加物のポリ(メタ)アクリレートが挙げられる。
前記におけるアルキレンオキサイドとしては、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド及びブチレンオキサイド等が挙げられる。
【0044】
ポリエステルポリ(メタ)アクリレートとしては、多塩基酸又はその無水物と多価アルコールとの反応よって得られるポリエステル型の多価アルコールと(メタ)アクリル酸との反応物等を挙げることができる。
多塩基酸又はその無水物としては、コハク酸、マレイン酸、アジピン酸、セバシン酸、フタル酸、テトラヒドロフタル酸、ヘキサヒドロフタル酸及びトリメリット酸等の多塩基酸又はその無水物等が挙げられる。
多価アルコールとしては、エチレングリコール、ブタンジオール、ヘキサンジオール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、トリメチロールプロパンのアルキレンオキサイド付加物のトリオール、グリセリンのアルキレンオキサイド付加物のトリオール、及びペンタエリスリトールのアルキレンオキサイド付加物のテトラオール等が挙げられる。
【0045】
エポキシ(メタ)アクリレートとしては、多価エポキシ化合物と(メタ)アクリル酸との付加反応物等を挙げることができる。
多価エポキシ化合物としては、エチレングリコールのジグリシジルエーテル、プロピレングリコールのジグリシジルエーテル、ブタンジオールのジグリシジルエーテル、ジエチレングリコールのジグリシジルエーテル、トリエチレングリコールのジグリシジルエーテル、ポリエチレングリコールのジグリシジルエーテル、トリメチロールプロパンのジグリシジルエーテル、トリメチロールプロパンのトリグリシジルエーテル、グリセリンのジグリシジルエーテル、グリセリンのトリグリシジルエーテル、ペンタエリスリトールのトリグリシジルエーテル、ペンタエリスリトールのテトラグリシジルエーテル、ビスフェノールAのジグリシジルエーテル、ビスフェノールFのジグリシジルエーテル、フェノールノボラックのポリグリシジルエーテル、及びクレゾールノボラックのポリグリシジルエーテル等が挙げられる。
【0046】
本発明の組成物を、紫外線又は可視光線にて硬化させる場合には、光重合開始剤を添加することができる。
光重合開始剤としては、例えばベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル及びベンゾインエチルエーテル等のベンゾインとそのアルキルエーテル類;アセトフェノン、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン、2,2−ジエトキシ−2−フェニルアセトフェノン、1−ヒドロキシアセトフェノン及び1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン等のアセトフェノン類;2−メチルアントラキノン及び2−エチルアントラキノン等のアントラキノン類;2,4−ジメチルチオキサントン及び2,4−ジエチルチオキサントン等のチオキサントン類;アセトフェノンジメチルケタール及びベンジルジメチルケタール等のケタール類;ベンゾフェノン等のベンゾフェノン類;並びにキサントン類等がある。
これらの光重合開始剤は単独で用いることも、安息香酸系及びアミン系等の光重合開始促進剤と組み合わせて用いることもできる。
光重合開始剤の配合割合としては、(A)成分100質量部に対して、又は(A)成分以外の硬化性成分を配合する場合は、それらの合計量100質量部に対して0.1〜10質量部が好ましく、より好ましくは0.5〜5質量部である。この割合が0.1質量部に満たない場合には、組成物の硬化性が不十分となり、他方10質量部を越える場合には、耐候性や熱安定性が低下することがある。
【0047】
本発明の組成物には、さらに離型剤、消泡剤、レベリング剤、光安定剤(例えばヒンダードアミン等)、酸化防止剤、重合防止剤、帯電防止剤、密着性改良剤(例えば各種ポリマー類)等を添加することもできる。
【0048】
本発明の組成物は、各成分を常法に従い攪拌混合して得ることができ、このとき前記の添加剤等を加えて、常法に従い攪拌混合して得ることもできる。
【0049】
本発明の組成物は、コーティング、塗料、印刷インキ、接着剤、充填剤及び成形材料等の各種用途に使用でき、光学部材に好ましく使用することができ、特に光学レンズ用として好ましく使用できる。
【0050】
本発明の組成物を塗料及び接着剤等として使用する場合は、基材に組成物を塗布した後、活性エネルギー線を照射する。又、成型材として使用する場合は組成物を空間部を有する型に流し込み、その後前記と同様にして硬化させる方法等が挙げられる。
【0051】
活性エネルギー線としては可視光線、紫外線及び電子線等が挙げられ、特別な装置を必要とせず簡便であるため、可視光線及び紫外線が好ましい。
活性エネルギー線の照射方法としては、一般的な方法を採用することができる。
【0052】
基材としてはポリカーボネート、ポリメチルメタクリレート及びポリ塩化ビニル等の成形樹脂加工品(プラスチック)、金属、ガラス、コンクリート、自然の木材及び合成木材等の木材、石材並びに紙等が挙げられる。
【0053】
前記の通り、本発明の組成物は、光学部材に好ましく使用することができ、特に光学レンズとして好ましく使用できる。さらに透明プラスチック基材との密着性に優れるため、液晶表示装置等に正面輝度向上のために使用されるプリズムレンズ、プロジェクションテレビ等に用いられるフレネルレンズ及びレンチキュラーレンズ等のレンズシートの製造に好ましく使用できる。
レンズシートの製造例としては、プリズムレンズ及びフレネルレンズ等の目的の形状を有するスタンパーに、常法に従い塗布して該組成物の層を設け、その層の上に適用される透明プラスチック基板及びガラス等の基材を接着させ、次いで当該基材を通して、活性エネルギー線を照射して組成物を硬化させた後、スタンパーから剥離する方法等が挙げられる。
この場合の活性エネルギー線の照射方法は、一般的な方法を採用することができる。
透明プラスチック基板としては、メタクリル系樹脂が好ましい。
【0054】
【実施例】
以下に実施例及び比較例を示し、本発明をより具体的に説明する。
尚、以下において「部」とは質量部を意味する。
【0055】
○製造例1〔(A)成分の合成〕
冷却管、温度計及び攪拌棒を備えた1L容量の3つ口フラスコに、トリレンジイソシアネート37部、ラウリン酸ジ−n−ブチルスズ1部、ジ−t−ブチルヒドロキシトルエン0.06部を仕込み、乾燥した空気を吹込みながら室温で30分攪拌した。
次いで、ポリテトラメチレングリコール(数平均分子量1924)136部、1,5−ジメルカプト−3−チアペンタン11部を30分かけて仕込み、その後80℃で2時間攪拌した。
次いで、2−ヒドロキシエチルアクリレート16gを30分かけて仕込み、その後80℃で2時間攪拌した。
赤外スペクトルにてイソシアネート基の消失を確認し、(A)成分である淡黄色透明な化合物を得た(以下A−1という)。A−1の粘度(25℃)は1,980Pa・sであった。
【0056】
○製造例2〔(A)成分の合成〕
製造例1と同様のフラスコに、トリレンジイソシアネート26部、ラウリン酸ジ−n−ブチルスズ1部、ジ−t−ブチルヒドロキシトルエン0.06部、ポリテトラメチレングリコール(数平均分子量1924)76部及び1,5−ジメルカプト−3−チアペンタン9部を使用した以外は、製造例1と同様の条件及び方法で、ウレタンプレポリマーを製造した。
次いで、ペンタエリスリトールトリ/テトラアクリレート混合物〔商品名「アロニックスM−305」東亞合成(株)製、以下M−305という〕49g及びフェノキシエチルアクリレート40gを30分かけて仕込み、その後80℃で2時間攪拌した。
赤外スペクトルにてイソシアネート基の消失を確認し、(A)成分である淡黄色透明の化合物を得た(以下A−2という)。A−2の粘度(25℃)は398Pa・sであった。
【0057】
○製造例3〔(B)成分の合成〕
下記式(5)で表される化合物131部、アクリル酸40部、トルエン171部、p−トルエンスルホン酸6.8部及びメチルハイドロキノン0.2部を、ディーンスタークトラップ(水分離器)、冷却管、温度計及び攪拌棒を備えた500mL容量の3つ口フラスコに仕込み、撹拌しながら加熱した。
エステル化反応中の生成水は、トルエンとともに共沸させて除き、水が9.8部生成した時点で反応を停止した。反応温度は120〜140℃であった。
【0058】
【化8】
【0059】
得られた反応液を、10%水酸化ナトリウム水溶液で中和した後、4%硫酸アンモニウム水溶液で洗浄した。この洗浄した反応液から溶媒を減圧除去し、(B)成分である、式(6)で表されるアクリレート(以下B−1という)を145部得た。B−1の粘度(25℃)は128mPa・sであった。
【0060】
【化9】
【0061】
○製造例4〔(C)成分の合成〕
製造例1と同様のフラスコに、トリレンジイソシアネート78部、ラウリン酸ジ−n−ブチルスズ0.3部、ジ−t−ブチルヒドロキシトルエン0.09部を仕込み、乾燥した空気を吹込みながら室温で30分攪拌した。
次いで、ビスフェノールAのエチレンオキサイド(平均n=3)付加物80部を30分かけて仕込み、その後60℃で1時間攪拌した。
次いで、2−ヒドロキシエチルアクリレート52g及びフェノキシエチルアクリレート90gを30分かけて仕込み、その後80℃で1時間攪拌した。
赤外スペクトルにてイソシアネート基の消失を確認し、(C)成分である淡黄色透明な化合物(以下C−1という)を得た。C−1の粘度(25℃)は423Pa・sであった。
【0062】
○製造例5〔(D)成分の合成〕
下記式(7)で表される化合物215部、アクリル酸111部、トルエン326部、p−トルエンスルホン酸13部及びメチルハイドロキノン0.33部を、ディーンスタークトラップ(水分離器)、冷却管、温度計及び攪拌棒を備えた2L容量の3つ口フラスコに仕込み、撹拌しながら加熱した。
エステル化反応中の生成水はトルエンとともに共沸させて除き、水が25部生成した時点で反応を停止した。反応温度は120〜140℃であった。
【0063】
【化10】
【0064】
得られた反応液を、20%水酸化ナトリウム水溶液を使用した以外は、製造例3と同様の方法で、中和、洗浄、溶媒除去し、(D)成分である、式(8)で表される淡黄色透明の化合物(以下D−1という)を255部得た。D−1の粘度(25℃)は1,450mPa・sであった。
【0065】
【化11】
【0066】
○製造例6〔(E)成分の合成〕
製造例1と同様のフラスコに、M−305を85部、ラウリン酸ジ−n−ブチルスズ0.1部、ジ−t−ブチルヒドロキシトルエン0.03部を仕込み、乾燥した空気を吹込みながら室温で30分攪拌した。
次いで、トリレンジイソシアネート15部を仕込み、その後80℃で1時間攪拌した。
赤外スペクトルにてイソシアネート基の消失を確認し、(E)成分である淡黄色透明の化合物(以下E−1という)を得た。E−1の粘度(25℃)は176Pa・sであった。
【0067】
○製造例7〔(E)成分の合成〕
製造例1と同様のフラスコに、トリレンジイソシアネートを86部、ラウリン酸ジ−n−ブチルスズ0.2部、ジ−t−ブチルヒドロキシトルエン0.06部を仕込み、乾燥した空気を吹込みながら室温で30分攪拌した。
次いで、2−ヒドロキシエチルアクリレート114部を仕込み、その後80℃で1時間攪拌した。
赤外スペクトルにてイソシアネート基の消失を確認し、(E)成分の一つである白色固体の化合物(以下E−2という)を得た。
【0068】
○製造例8〔比較合成例〕
製造例1と同様のフラスコに、トリレンジイソシアネート82部、ラウリン酸ジ−n−ブチルスズ0.6部、ジ−t−ブチルヒドロキシトルエン0.18部を仕込み、乾燥した空気を吹込みながら室温で30分攪拌した。
次いで、ポリテトラメチレングリコール(分子量1924)464部を30分かけて仕込み、その後60℃で1時間攪拌した。次いで、2−ヒドロキシエチルアクリレート55gを30分かけて仕込み、その後80℃で1時間攪拌した。
赤外スペクトルにてイソシアネート基の消失を確認し、比較例成分の淡黄色透明の化合物(以下X−1という)を得た。この化合物の粘度(25℃)は72.8Pa・sであった。
【0069】
表1に示す配合組成に従い、攪拌混合し、活性エネルギー線硬化型組成物を調製した。
得られた組成物について、下記に示す方法に従い硬化させ、屈折率、25℃貯蔵弾性率及び密着性を評価した。それらの結果を表1に示す。
【0070】
1)屈折率
ポリエチレンテレフタレート上に、組成物を膜厚100μmで塗工し、120W/cmメタルハライドランプにより紫外線を照射した。ランプ高さは10cm、コンベアは速度2m/分で通過させた。
通過後の硬化膜を基材から剥がし、硬化膜をアッベ屈折率計により、589.3nmのD線における25℃の屈折率を測定した。
評価は、屈折率が1.545以上であれば○、それ未満であれば×とした。
【0071】
2)25℃貯蔵弾性率
ポリエチレンテレフタレート上に、組成物を膜厚1mmで塗工し、屈折率評価と同様の条件で紫外線を照射した。
得られた硬化膜の粘弾性スペクトルを測定し、25℃における貯蔵弾性率(振動周波数10Hz)を求めた。
評価は、25℃貯蔵弾性率が1.0×109Pa未満であれば○、それ以上であれば×とした。
【0072】
3)密着性
基材としてポリメチルメタクリレート板〔日本テストパネル(株)製アクリライト〕を使用し、組成物を膜厚100μmで塗工し、屈折率評価と同様の条件で紫外線を照射した。
得られた硬化膜に1mm間隔で100個のマス目を作成し、粘着テープの商品名セロハンテープを使用し、これを硬化膜に密着させて急激に剥がした際に、硬化膜がマス目に残る程度で判断した。
○:硬化膜の残りが96〜100/100
×:硬化膜の残りが0〜95/100
【0073】
表1における略号は、以下の意味を示す。
1)POA:フェノキシエチルアクリレート〔共栄社化学(株)製ライトアクリレートPO−A〕
2)M−5700:3−フェニル−2−ヒドロキシプロピルアクリレート〔東亞合成(株)製アロニックスM−5700〕
3)M−110:p−クミルフェノールエチレンオキサイド付加物のアクリレート〔東亞合成(株)製アロニックスM−110〕
4)M−211B:ビスフェノールAエチレンオキサイド付加物のジアクリレート〔東亞合成(株)製アロニックスM−211B〕
5)MPSMA:ビス(4−メタクリロイルチオフェニル)スルフィド〔住友精化(株)製MPSMA〕
6)SP−1509:ビスフェノールA型エポキシアクリレート〔昭和高分子(株)製リポキシSP−1509〕
7)Igr184:1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン〔チバ・スペシャリティ製イルガキュア184〕
8)TPO:2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキシド〔BASFジャパン製ルシリンTPO〕
【0074】
【表1】
【0075】
上記の結果から、実施例の本発明の組成物から得られた硬化物は、高屈折率であり、柔軟性及び透明基材との密着性に優れるものであった。
【0076】
【本発明の効果】
本発明の組成物で得られる硬化物は、高屈折率で、柔軟性及び密着性に優れるものであり、光学部材として、特にレンズシートとして有用である。
【発明の属する技術分野】
本発明は、特定の構造の硫黄含有ウレタン(メタ)アクリレートを含む活性エネルギー線硬化型組成物に関するものであり、本発明の組成物の硬化物は、高屈折率で、柔軟性及び密着性に優れるため光学用物品として有用であり、これら技術分野で賞用され得るものである。
尚、本明細書においては、アクリレート又はメタクリレートを(メタ)アクリレートと表し、アクリロイル基又はメタクリロイル基を(メタ)アクリロイル基と表し、アクリル酸又はメタクリル酸を(メタ)アクリル酸と表す。
【0002】
【従来の技術】
従来、活性エネルギー線硬化型組成物は、その速硬化性等の機能を利用して、コーティング材、印刷インキ及び成型材等の種々の用途に用いられている。
近年においては、エレクトロニクス分野の進歩に伴い、活性エネルギー線硬化型組成物は、レンズシート等の各種光学材料への応用が検討されてきている。レンズシートの具体例としては、パソコン等のカラー液晶表示装置に用いるプリズムシート、及びプロジェクションテレビ等の投射スクリーンとして用いられるフレネルレンズシートやレンチキュラーレンズシート等が挙げられる。レンズシート以外の光学材料関連用途としては、前記レンズシートのコーティング材等といった光学材料用への応用が検討されてきている。
このような光学材料には、通常、硬化物の柔軟性、復元性、高屈折率、高密着性及び高離型性等の物性が要求され、これまでに様々な組成物が提案されている。
例えば、ポリテトラメチレングリコールを用いたウレタンアクリレートを含有する紫外線硬化型組成物(特許文献1等)、ポリカプロラクトンジオールを用いたウレタンアクリレートを含有する紫外線硬化型組成物が検討されている(特許文献2等)。
又、芳香族エポキシアクリレート、ビスフェノールAエチレンオキサイド付加物をジオール化合物とするポリエステルウレタンアクリレート及び芳香族単官能アクリレートを含有する紫外線硬化型組成物が検討されている(特許文献3等)。
【0003】
しかしながら、従来の紫外線硬化型組成物は、硬化物の柔軟性と高屈折率の両方の性能を兼ね備えたものではなかった。
即ち、特許文献1及び同2で開示されている様な、柔軟な構造のウレタンアクリレートを含有する組成物は、硬化物の柔軟性に優れるものの、屈折率が低いという問題がある。一方、特許文献3に開示されている様な、芳香環を多く含有する組成物は、硬化物の屈折率は高く優れているものの、柔軟性が不十分なものであった。
又、前記組成物は、レンズシートへ応用した場合、透明シート基材への密着性が不十分なものであった。特に、透明性や耐候性に優れ、レンズシートの基材として好適とされているメタクリル系の透明シート基材への密着性が不十分なものであった。
【0004】
【特許文献1】
特開平4−68010号公報(特許請求の範囲)
【特許文献2】
特開平6−298887号公報(特許請求の範囲)
【特許文献3】
特開平9−40729号公報(特許請求の範囲)
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明者らは、得られる硬化物が、高屈折率で、柔軟性及び密着性に優れ、特に光学物品の製造に適した活性エネルギー線硬化型組成物を見出すべく鋭意検討を行ったのである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決するため、本発明者らは種々の研究の結果、特定構造を有する硫黄含有ウレタン(メタ)アクリレートを含有する活性エネルギー線硬化型組成物が、その硬化物が高屈折率で、柔軟性及び密着性に優れることを見出し、本発明を完成した。
以下、本発明を詳細に説明する。
【0007】
【発明の実施の形態】
1.(A)成分
本発明の組成物における(A)成分は、下記式(1)で表される化合物〔以下化合物(1)という〕とジオール化合物に、有機ポリイソシアネート及びヒドロキシ基含有(メタ)アクリレートを反応させて得られる化合物である。
【0008】
【化4】
【0009】
但し、式(1)において、Zは酸素原子又は硫黄原子を表し、nは1〜4の整数を表す。
【0010】
化合物(1)の好ましい具体例としては、1,5−ジメルカプト−3−チアペンタン、2,2’−(エチレンジチオ)ジエタンチオール、1,2−ビス(2−ヒドロキシエチルチオ)エタン、チオジグリコール等が挙げられ、得られる組成物の臭気がほとんどなく、組成物の硬化物が屈折率に優れたものとなる点から、1,5−ジメルカプト−3−チアペンタン及び2,2’−(エチレンジチオ)ジエタンチオールが好ましい。
【0011】
ジオール化合物としては、脂肪族短鎖ジオール、芳香族短鎖ジオール、脂肪族ポリエーテルジオール、芳香族ポリエーテルジオール、脂肪族ポリエステルポリオール及び芳香族ポリエステルジオール等が挙げられる。
【0012】
脂肪族短鎖ジオールとしては、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、3−メチル−1,5ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,9−ノナンジオール、2−メチル−1,8−オクタンジオール及び2−エチル−2−ブチル−1,3−プロパンジオール等が挙げられる。
【0013】
芳香族短鎖ジオールとしては、1,4−ジメタノールベンゼン等が挙げられる。
【0014】
脂肪族ポリエーテルジオールとしては、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコール及びポリブチレングリコール等が挙げられる。
【0015】
芳香族ポリエーテルジオールとしては、ビスフェノールAポリエトキシジオール、ビスフェノールAポリプロポキシジオール、テトラブロムビスフェノールAポリエトキシジオール、テトラブロムビスフェノールAポリプロポキシジオール、1,4−ジメタノールベンゼンのポリエトキシジオール及び1,4−ジメタノール−ベンゼンのポリプロポキシジオール等が挙げられる。
【0016】
脂肪族ポリエステルポリオールとしては、前記脂肪族短鎖ジオールと、脂肪族二塩基酸又はその無水物とのエステル化反応物、又はε−カプロラクトン等の環状エステル化合物とのエステル化反応物等が挙げられる。前記脂肪族二塩基酸としては、コハク酸、マレイン酸及びアジピン酸等が挙げられる。
【0017】
芳香族ポリエステルジオールとしては、前記脂肪族短鎖ジオールと芳香族二塩基酸若しくはその無水物とのエステル化反応物、及び前記芳香族短鎖ジオールと、前記脂肪族二塩基酸若しくはその無水物、又はε−カプロラクトン等の環状エステル化合物とのエステル化反応物を挙げることができる。前記芳香族二塩基酸としては、フタル酸、イソフタル酸及びテレフタル酸等が挙げられる。
【0018】
前記ジオール化合物中でも、脂肪族ポリエーテルジオール及び脂肪族ポリエステルジオールが好ましい。
脂肪族ポリエーテルジオールとしては、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール及びポリテトラメチレングリコールがより好ましい。脂肪族ポリエステルジオールとしては、1,9−ノナンジオール及び/又は2−メチル−1,8−オクタンジオールとアジピン酸とのエステル化反応物、脂肪族短鎖ジオールとε−カプロラクトンとのエステル化反応物がより好ましい。
これらジオールの数平均分子量としては、硬化物の柔軟性に優れる点から、500〜5,000が好ましく、特に好ましくは1,000〜3,000である。
【0019】
有機ポリイソシアネートとしては、トリレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート及びトリメチルヘキサメチレンジイソシアネート等が挙げられ、得られる硬化物の屈折率に優れる点から、トリレンジイソシアネート及びキシリレンジイソシアネートが好ましい。
【0020】
ヒドロキシ基含有(メタ)アクリレートとしては、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、ポリ(平均値としてn=2〜10)エチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリ(平均値としてn=2〜10)プロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−フェニルオキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−(o−フェニルフェニルオキシ)プロピル(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、イソシアヌル酸アルキレンオキサイド変性ジ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
これらの中でも、反応性に優れ、得られる硬化物の強度及び屈折率に優れる点から、2−ヒドロキシエチルアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレートが好ましい。
【0021】
(A)成分は、化合物(1)とジオール化合物に、有機ポリイソシアネート及びヒドロキシ基含有(メタ)アクリレートを反応させて得られる。
当該反応方法としては、常法に従えば良い。
例えば、化合物(1)とジオール化合物に有機ポリイソシアネートをウレタン化反応させてイソシアネート基を有するオリゴマー(以下ウレタンオリゴマーという)を得た後、このウレタンオリゴマーにヒドロキシ基含有(メタ)アクリレートをウレタン化反応させる方法等が挙げられる。
化合物(1)とジオール化合物に対する、有機ポリイソシアネートの反応割合としては、化合物(1)及びジオール化合物の合計量1モルに対して、有機ポリイソシアネートが1〜2.5モルであることが好ましい。化合物(1)とジオール化合物の割合としては、化合物(1)1モルに対して、ジオール化合物が0.1〜20モルが好ましい。
ウレタン化反応においては、触媒として、例えばラウリン酸ジ−n−ブチルスズ又はトリエチルアミン等を使用することができる。
この場合、その後の重合を防止するため重合禁止剤を配合することが好ましい。重合禁止剤としては、ハイドロキノン、メトキシハイドロキノン、ジ−t−ブチルヒドロキシトルエン、フェノチアジン及びQ−1301〔和光純薬(株)製〕等が挙げられる。
ウレタンオリゴマーとヒドロキシ基含有(メタ)アクリレートのウレタン化反応において、ヒドロキシ基含有(メタ)アクリレートの反応割合としては、ウレタンオリゴマー1モルに対して、ヒドロキシ基含有(メタ)アクリレートが2.0〜3.0モルであることが好ましい。
尚、合成中に攪拌が困難になる場合には、希釈剤として、トルエン、酢酸エチル、酢酸ブチル、メチルエチルケトン及びメチルイソブチルケトン等の有機溶剤や、特殊(メタ)アクリレート等の反応性希釈剤を使用することもできる。反応温度は、通常、室温〜100℃であり、好ましくは50〜80℃である。
(A)成分の分子量としては、重量平均分子量で3,000から50,000が好ましい。
【0022】
2.(B)成分
本発明の組成物には、(B)成分の芳香族基及び1個の(メタ)アクリロイル基を含有する化合物を配合することが、組成物の低粘度化、硬化物の高屈折率化という点で好ましい。
(B)成分の好ましい例としては、下記式(2)で表される化合物が挙げられる。
【0023】
【化5】
【0024】
〔但し、式(2)において、R1は、水素原子又はメチル基を表し、R2は、−CH2−、−(OCH2CH2)l−、−(OCH(CH3)CH2)m−又は−OCH2CH(OH)CH2−を表し、R3〜R5は、それぞれ独立して水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アリール基を表す。前記l及びmは、それぞれ独立して0〜10の整数を表す。〕
【0025】
アルキル基としては、炭素数1〜10のアルキル基が好ましい。
アリール基としては、フェニル基、−C(CH3)2−C6H5及び−CH(CH3)−C6H5等が好ましい。
【0026】
(B)成分の具体例としては、例えばベンジル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピル(メタ)アクリレート、2−フェニルフェノキシエチル(メタ)アクリレート、4−フェニルフェノキシエチル(メタ)アクリレート、p−クミルフェノールアルキレンオキサイド付加物(メタ)アクリレート、スチレン化フェノールアルキレンオキサイド付加物(メタ)アクリレート、フェノールのアルキレンオキサイド付加物(メタ)アクリレート、ノニルフェノールのアルキレンオキサイド付加物(メタ)アクリレート、2−ブロモフェノキシエチル(メタ)アクリレート、2,4−ジブロモフェノキシエチル(メタ)アクリレート、2,4,6−トリブロモフェノキシエチル(メタ)アクリレート等が挙げられる。
これらの中でも、組成物の粘度を低減させることができ、得られる硬化物が屈折率に優れたものとなる点から、フェノールのアルキレンオキサイド付加物(メタ)アクリレート、p−クミルフェノールアルキレンオキサイド付加物(メタ)アクリレート及びスチレン化フェノールアルキレンオキサイド付加物(メタ)アクリレート等が好ましい。
(B)成分は、2種以上を併用することもできる。
【0027】
3.その他の好ましい成分
本発明の組成物には、下記(C)〜(E)成分のいずれか1種以上をさらに含有してを配合することが、得られる硬化物の高屈折率化及び機械強度等を向上させることができるという点で好ましい。
【0028】
○(C)成分:下記式(3)で表される化合物に、有機ポリイソシアネート及びヒドロキシ基含有(メタ)アクリレートを反応させて得られる化合物。
【0029】
【化6】
【0030】
〔但し、式(3)において、R1は−CH2−、−C(CH3)2−、−S−、−SO−又は−SO2−を表し、R2及びR3は、それぞれ独立して水素原子、ハロゲン原子、C1〜C10のアルキル基又はアリール基を表し、R4は、水素原子又はメチル基を表し、Zは、酸素原子又は硫黄原子を表し、nは、0〜10の整数を表す。〕
【0031】
○(D)成分:下記式(4)で表される化合物。
【0032】
【化7】
【0033】
〔但し、式(4)において、R1、R2、R3、R4、Z及びnは、前記式(3)と同様の意味を示し、R5は、水素原子又はメチル基を表す。〕
○(E)成分:有機ポリイソシアネートにヒドロキシル基含有(メタ)アクリレートを反応させて得られる化合物。
以下、(C)〜(E)成分について説明する。
【0034】
1)(C)成分
(C)成分は、前記式(3)で表される化合物〔以下化合物(3)という〕に、有機ポリイソシアネート及びヒドロキシ基含有(メタ)アクリレートを反応させて得られる化合物である。
(C)成分としては、化合物(3)と有機ポリイソシアネートをウレタン化反応させた後、さらにヒドロキシ基含有(メタ)アクリレートを反応させて得られるものが好ましい。
【0035】
化合物(3)の具体例としては、例えばビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールS、テトラブロモビスフェノールA、4,4’−チオジベンゼンチオール、ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルフィド、ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)スルフィド、ビスフェノールAのアルキレンオキサイド付加物、ビスフェノールFのアルキレンオキサイド付加物、ビスフェノールSのアルキレンオキサイド付加物、テトラブロモビスフェノールAのアルキレンオキサイド付加物、4,4’−チオジベンゼンチオールのアルキレンオキサイド付加物、ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルフィドのアルキレンオキサイド付加物及びビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)スルフィドのアルキレンオキサイド付加物等を挙げることができる。
これらの中でも、入手が容易であり、得られる硬化物の屈折率に優れる等の点でビスフェノールAのアルキレンオキサイド付加物であり、ビスフェノールAのエチレンオキサイド付加物が好ましい。
化合物(3)は2種以上を併用することもできる。
【0036】
(C)成分で使用する有機ポリイソシアネート及びヒドロキシ基含有(メタ)アクリレートの種類、並びに反応方法としては、(A)成分の項で記載したものと同様のもの及び同様の方法が挙げられる。
(C)成分は、2種以上を併用することもできる。
【0037】
2)(D)成分
(D)成分は、前記式(4)で表される化合物である。
(D)成分の具体例としては、例えばビスフェノールAアルキレンオキサイド付加物ジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールFアルキレンオキサイド付加物ジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールSアルキレンオキサイド付加物ジ(メタ)アクリレート、テトラブロモビスフェノールAアルキレンオキサイド付加物ジ(メタ)アクリレート、ビス(4−メタクリロイルチオフェニル)スルフィド、4,4’−チオジベンゼンチオールアルキレンオキサイド付加物ジ(メタ)アクリレート、ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルフィドアルキレンオキサイド付加物ジ(メタ)アクリレート、ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)スルフィドアルキレンオキサイド付加物ジ(メタ)アクリレート等を挙げることができる。
これらの中でも、硬化物の強度及び屈折率に優れる点から、ビスフェノールAアルキレンオキサイド付加物ジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールFアルキレンオキサイド付加物ジ(メタ)アクリレート、ビス(4−メタクリロイルチオフェニル)スルフィド及び4,4’−チオジベンゼンチオールアルキレンオキサイド付加物ジ(メタ)アクリレートが好ましい。
(D)成分は、2種以上を併用することもできる。
【0038】
3)(E)成分
(E)成分は、有機ポリイソシアネートにヒドロキシ基含有(メタ)アクリレートを反応させて得られる化合物である。
【0039】
有機ポリイソシアネート及びヒドロキシ基含有(メタ)アクリレートとしては、前記(A)成分の項で記載したものが同様に使用できる。
製造方法としては、前記(A)成分の項で記載した例において、ウレタンオリゴマーの代わりに有機ポリイソシアネートを使用することで目的物を得ることができる。
(E)成分においては、有機ポリイソシアネートとして、トリレンジイソシアネート及びキシリレンジイソシアネートが好ましく、ヒドロキシ基含有(メタ)アクリレートとしては、ヒドロキシエチルアクリレート及びペンタエリスリトールトリアクリレートが好ましい。これらの化合物は2種以上を併用することもできる。
(E)成分は、2種以上を併用することもできる。
【0040】
4.活性エネルギー線硬化型組成物
本発明の活性エネルギー線硬化型組成物は、(A)成分を必須とするものである。
本発明の組成物において、(B)成分を配合する場合、その配合割合としては、(A)及び(B)成分の合計100質量部に対し、(A)成分が20〜70質量部であり、(B)成分が80〜30質量部が好ましい。(A)成分の割合が20質量部に満たない場合は柔軟性が劣ることがあり、他方(A)成分の割合が70質量部を越える場合には硬化型組成物が高粘度となり成形性が悪化するという問題が生じることがある。
【0041】
本発明の組成物において、(C)、(D)及び/又は(E)成分を配合する場合、各成分の配合割合としては、(A)成分又は(A)及び(B)成分の合計100質量部に対し、(C)、(D)及び/又は(E)成分の合計量として0〜250質量部が好ましい。これらの成分が250質量部を越える場合には柔軟性が悪化し、密着性が低下することがある。
【0042】
本発明の組成物においては、必要に応じて、前記成分以外のエチレン性不飽和基を1個以上有する化合物(以下エチレン性不飽和化合物という)を配合することもできる。
エチレン性不飽和化合物としては、エチレン性不飽和基を1個有する化合物(以下単官能不飽和化合物という)、エチレン性不飽和基を2個以上有する化合物(以下多官能不飽和化合物という)、ポリエステルポリ(メタ)アクリレート及びエポキシ(メタ)アクリレート等を挙げることができる。
【0043】
単官能不飽和化合物の例としては、N−ビニルピロリドン;テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート;2−エチルヘキシルアクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート及び2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート等のヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート;並びに2−エチルヘキサノールエチレンオキサイド付加物(メタ)アクリレート等の脂肪族アルコールのアルキレンオキサイド付加物の(メタ)アクリレート等が挙げられる。
多官能不飽和化合物の例としては、ブタンジオール、ペンタンジオール、ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、ノナンジオール、トリシクロデカンジメタノール及びヒドロキシピバリン酸とネオペンチルグリコールのエステル化ジオール等のジオールのジ(メタ)アクリレート;前記ジオールのアルキレンオキサイド付加物のジ(メタ)アクリレート;トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、ポリエチレングリコール、トリプロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、トリテトラメチレングリコール及びポリテトラメチレングリコール等のポリアルキレングリコールのジ(メタ)アクリレート;グリセリンのトリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンのトリ又はテトラ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールのトリ又はテトラ(メタ)アクリレート及びジペンタエリスリトールのペンタ又はヘキサ(メタ)アクリレート等のポリオールポリ(メタ)アクリレート;並びに前記ポリオールのアルキレンオキサイド付加物のポリ(メタ)アクリレートが挙げられる。
前記におけるアルキレンオキサイドとしては、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド及びブチレンオキサイド等が挙げられる。
【0044】
ポリエステルポリ(メタ)アクリレートとしては、多塩基酸又はその無水物と多価アルコールとの反応よって得られるポリエステル型の多価アルコールと(メタ)アクリル酸との反応物等を挙げることができる。
多塩基酸又はその無水物としては、コハク酸、マレイン酸、アジピン酸、セバシン酸、フタル酸、テトラヒドロフタル酸、ヘキサヒドロフタル酸及びトリメリット酸等の多塩基酸又はその無水物等が挙げられる。
多価アルコールとしては、エチレングリコール、ブタンジオール、ヘキサンジオール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、トリメチロールプロパンのアルキレンオキサイド付加物のトリオール、グリセリンのアルキレンオキサイド付加物のトリオール、及びペンタエリスリトールのアルキレンオキサイド付加物のテトラオール等が挙げられる。
【0045】
エポキシ(メタ)アクリレートとしては、多価エポキシ化合物と(メタ)アクリル酸との付加反応物等を挙げることができる。
多価エポキシ化合物としては、エチレングリコールのジグリシジルエーテル、プロピレングリコールのジグリシジルエーテル、ブタンジオールのジグリシジルエーテル、ジエチレングリコールのジグリシジルエーテル、トリエチレングリコールのジグリシジルエーテル、ポリエチレングリコールのジグリシジルエーテル、トリメチロールプロパンのジグリシジルエーテル、トリメチロールプロパンのトリグリシジルエーテル、グリセリンのジグリシジルエーテル、グリセリンのトリグリシジルエーテル、ペンタエリスリトールのトリグリシジルエーテル、ペンタエリスリトールのテトラグリシジルエーテル、ビスフェノールAのジグリシジルエーテル、ビスフェノールFのジグリシジルエーテル、フェノールノボラックのポリグリシジルエーテル、及びクレゾールノボラックのポリグリシジルエーテル等が挙げられる。
【0046】
本発明の組成物を、紫外線又は可視光線にて硬化させる場合には、光重合開始剤を添加することができる。
光重合開始剤としては、例えばベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル及びベンゾインエチルエーテル等のベンゾインとそのアルキルエーテル類;アセトフェノン、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン、2,2−ジエトキシ−2−フェニルアセトフェノン、1−ヒドロキシアセトフェノン及び1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン等のアセトフェノン類;2−メチルアントラキノン及び2−エチルアントラキノン等のアントラキノン類;2,4−ジメチルチオキサントン及び2,4−ジエチルチオキサントン等のチオキサントン類;アセトフェノンジメチルケタール及びベンジルジメチルケタール等のケタール類;ベンゾフェノン等のベンゾフェノン類;並びにキサントン類等がある。
これらの光重合開始剤は単独で用いることも、安息香酸系及びアミン系等の光重合開始促進剤と組み合わせて用いることもできる。
光重合開始剤の配合割合としては、(A)成分100質量部に対して、又は(A)成分以外の硬化性成分を配合する場合は、それらの合計量100質量部に対して0.1〜10質量部が好ましく、より好ましくは0.5〜5質量部である。この割合が0.1質量部に満たない場合には、組成物の硬化性が不十分となり、他方10質量部を越える場合には、耐候性や熱安定性が低下することがある。
【0047】
本発明の組成物には、さらに離型剤、消泡剤、レベリング剤、光安定剤(例えばヒンダードアミン等)、酸化防止剤、重合防止剤、帯電防止剤、密着性改良剤(例えば各種ポリマー類)等を添加することもできる。
【0048】
本発明の組成物は、各成分を常法に従い攪拌混合して得ることができ、このとき前記の添加剤等を加えて、常法に従い攪拌混合して得ることもできる。
【0049】
本発明の組成物は、コーティング、塗料、印刷インキ、接着剤、充填剤及び成形材料等の各種用途に使用でき、光学部材に好ましく使用することができ、特に光学レンズ用として好ましく使用できる。
【0050】
本発明の組成物を塗料及び接着剤等として使用する場合は、基材に組成物を塗布した後、活性エネルギー線を照射する。又、成型材として使用する場合は組成物を空間部を有する型に流し込み、その後前記と同様にして硬化させる方法等が挙げられる。
【0051】
活性エネルギー線としては可視光線、紫外線及び電子線等が挙げられ、特別な装置を必要とせず簡便であるため、可視光線及び紫外線が好ましい。
活性エネルギー線の照射方法としては、一般的な方法を採用することができる。
【0052】
基材としてはポリカーボネート、ポリメチルメタクリレート及びポリ塩化ビニル等の成形樹脂加工品(プラスチック)、金属、ガラス、コンクリート、自然の木材及び合成木材等の木材、石材並びに紙等が挙げられる。
【0053】
前記の通り、本発明の組成物は、光学部材に好ましく使用することができ、特に光学レンズとして好ましく使用できる。さらに透明プラスチック基材との密着性に優れるため、液晶表示装置等に正面輝度向上のために使用されるプリズムレンズ、プロジェクションテレビ等に用いられるフレネルレンズ及びレンチキュラーレンズ等のレンズシートの製造に好ましく使用できる。
レンズシートの製造例としては、プリズムレンズ及びフレネルレンズ等の目的の形状を有するスタンパーに、常法に従い塗布して該組成物の層を設け、その層の上に適用される透明プラスチック基板及びガラス等の基材を接着させ、次いで当該基材を通して、活性エネルギー線を照射して組成物を硬化させた後、スタンパーから剥離する方法等が挙げられる。
この場合の活性エネルギー線の照射方法は、一般的な方法を採用することができる。
透明プラスチック基板としては、メタクリル系樹脂が好ましい。
【0054】
【実施例】
以下に実施例及び比較例を示し、本発明をより具体的に説明する。
尚、以下において「部」とは質量部を意味する。
【0055】
○製造例1〔(A)成分の合成〕
冷却管、温度計及び攪拌棒を備えた1L容量の3つ口フラスコに、トリレンジイソシアネート37部、ラウリン酸ジ−n−ブチルスズ1部、ジ−t−ブチルヒドロキシトルエン0.06部を仕込み、乾燥した空気を吹込みながら室温で30分攪拌した。
次いで、ポリテトラメチレングリコール(数平均分子量1924)136部、1,5−ジメルカプト−3−チアペンタン11部を30分かけて仕込み、その後80℃で2時間攪拌した。
次いで、2−ヒドロキシエチルアクリレート16gを30分かけて仕込み、その後80℃で2時間攪拌した。
赤外スペクトルにてイソシアネート基の消失を確認し、(A)成分である淡黄色透明な化合物を得た(以下A−1という)。A−1の粘度(25℃)は1,980Pa・sであった。
【0056】
○製造例2〔(A)成分の合成〕
製造例1と同様のフラスコに、トリレンジイソシアネート26部、ラウリン酸ジ−n−ブチルスズ1部、ジ−t−ブチルヒドロキシトルエン0.06部、ポリテトラメチレングリコール(数平均分子量1924)76部及び1,5−ジメルカプト−3−チアペンタン9部を使用した以外は、製造例1と同様の条件及び方法で、ウレタンプレポリマーを製造した。
次いで、ペンタエリスリトールトリ/テトラアクリレート混合物〔商品名「アロニックスM−305」東亞合成(株)製、以下M−305という〕49g及びフェノキシエチルアクリレート40gを30分かけて仕込み、その後80℃で2時間攪拌した。
赤外スペクトルにてイソシアネート基の消失を確認し、(A)成分である淡黄色透明の化合物を得た(以下A−2という)。A−2の粘度(25℃)は398Pa・sであった。
【0057】
○製造例3〔(B)成分の合成〕
下記式(5)で表される化合物131部、アクリル酸40部、トルエン171部、p−トルエンスルホン酸6.8部及びメチルハイドロキノン0.2部を、ディーンスタークトラップ(水分離器)、冷却管、温度計及び攪拌棒を備えた500mL容量の3つ口フラスコに仕込み、撹拌しながら加熱した。
エステル化反応中の生成水は、トルエンとともに共沸させて除き、水が9.8部生成した時点で反応を停止した。反応温度は120〜140℃であった。
【0058】
【化8】
【0059】
得られた反応液を、10%水酸化ナトリウム水溶液で中和した後、4%硫酸アンモニウム水溶液で洗浄した。この洗浄した反応液から溶媒を減圧除去し、(B)成分である、式(6)で表されるアクリレート(以下B−1という)を145部得た。B−1の粘度(25℃)は128mPa・sであった。
【0060】
【化9】
【0061】
○製造例4〔(C)成分の合成〕
製造例1と同様のフラスコに、トリレンジイソシアネート78部、ラウリン酸ジ−n−ブチルスズ0.3部、ジ−t−ブチルヒドロキシトルエン0.09部を仕込み、乾燥した空気を吹込みながら室温で30分攪拌した。
次いで、ビスフェノールAのエチレンオキサイド(平均n=3)付加物80部を30分かけて仕込み、その後60℃で1時間攪拌した。
次いで、2−ヒドロキシエチルアクリレート52g及びフェノキシエチルアクリレート90gを30分かけて仕込み、その後80℃で1時間攪拌した。
赤外スペクトルにてイソシアネート基の消失を確認し、(C)成分である淡黄色透明な化合物(以下C−1という)を得た。C−1の粘度(25℃)は423Pa・sであった。
【0062】
○製造例5〔(D)成分の合成〕
下記式(7)で表される化合物215部、アクリル酸111部、トルエン326部、p−トルエンスルホン酸13部及びメチルハイドロキノン0.33部を、ディーンスタークトラップ(水分離器)、冷却管、温度計及び攪拌棒を備えた2L容量の3つ口フラスコに仕込み、撹拌しながら加熱した。
エステル化反応中の生成水はトルエンとともに共沸させて除き、水が25部生成した時点で反応を停止した。反応温度は120〜140℃であった。
【0063】
【化10】
【0064】
得られた反応液を、20%水酸化ナトリウム水溶液を使用した以外は、製造例3と同様の方法で、中和、洗浄、溶媒除去し、(D)成分である、式(8)で表される淡黄色透明の化合物(以下D−1という)を255部得た。D−1の粘度(25℃)は1,450mPa・sであった。
【0065】
【化11】
【0066】
○製造例6〔(E)成分の合成〕
製造例1と同様のフラスコに、M−305を85部、ラウリン酸ジ−n−ブチルスズ0.1部、ジ−t−ブチルヒドロキシトルエン0.03部を仕込み、乾燥した空気を吹込みながら室温で30分攪拌した。
次いで、トリレンジイソシアネート15部を仕込み、その後80℃で1時間攪拌した。
赤外スペクトルにてイソシアネート基の消失を確認し、(E)成分である淡黄色透明の化合物(以下E−1という)を得た。E−1の粘度(25℃)は176Pa・sであった。
【0067】
○製造例7〔(E)成分の合成〕
製造例1と同様のフラスコに、トリレンジイソシアネートを86部、ラウリン酸ジ−n−ブチルスズ0.2部、ジ−t−ブチルヒドロキシトルエン0.06部を仕込み、乾燥した空気を吹込みながら室温で30分攪拌した。
次いで、2−ヒドロキシエチルアクリレート114部を仕込み、その後80℃で1時間攪拌した。
赤外スペクトルにてイソシアネート基の消失を確認し、(E)成分の一つである白色固体の化合物(以下E−2という)を得た。
【0068】
○製造例8〔比較合成例〕
製造例1と同様のフラスコに、トリレンジイソシアネート82部、ラウリン酸ジ−n−ブチルスズ0.6部、ジ−t−ブチルヒドロキシトルエン0.18部を仕込み、乾燥した空気を吹込みながら室温で30分攪拌した。
次いで、ポリテトラメチレングリコール(分子量1924)464部を30分かけて仕込み、その後60℃で1時間攪拌した。次いで、2−ヒドロキシエチルアクリレート55gを30分かけて仕込み、その後80℃で1時間攪拌した。
赤外スペクトルにてイソシアネート基の消失を確認し、比較例成分の淡黄色透明の化合物(以下X−1という)を得た。この化合物の粘度(25℃)は72.8Pa・sであった。
【0069】
表1に示す配合組成に従い、攪拌混合し、活性エネルギー線硬化型組成物を調製した。
得られた組成物について、下記に示す方法に従い硬化させ、屈折率、25℃貯蔵弾性率及び密着性を評価した。それらの結果を表1に示す。
【0070】
1)屈折率
ポリエチレンテレフタレート上に、組成物を膜厚100μmで塗工し、120W/cmメタルハライドランプにより紫外線を照射した。ランプ高さは10cm、コンベアは速度2m/分で通過させた。
通過後の硬化膜を基材から剥がし、硬化膜をアッベ屈折率計により、589.3nmのD線における25℃の屈折率を測定した。
評価は、屈折率が1.545以上であれば○、それ未満であれば×とした。
【0071】
2)25℃貯蔵弾性率
ポリエチレンテレフタレート上に、組成物を膜厚1mmで塗工し、屈折率評価と同様の条件で紫外線を照射した。
得られた硬化膜の粘弾性スペクトルを測定し、25℃における貯蔵弾性率(振動周波数10Hz)を求めた。
評価は、25℃貯蔵弾性率が1.0×109Pa未満であれば○、それ以上であれば×とした。
【0072】
3)密着性
基材としてポリメチルメタクリレート板〔日本テストパネル(株)製アクリライト〕を使用し、組成物を膜厚100μmで塗工し、屈折率評価と同様の条件で紫外線を照射した。
得られた硬化膜に1mm間隔で100個のマス目を作成し、粘着テープの商品名セロハンテープを使用し、これを硬化膜に密着させて急激に剥がした際に、硬化膜がマス目に残る程度で判断した。
○:硬化膜の残りが96〜100/100
×:硬化膜の残りが0〜95/100
【0073】
表1における略号は、以下の意味を示す。
1)POA:フェノキシエチルアクリレート〔共栄社化学(株)製ライトアクリレートPO−A〕
2)M−5700:3−フェニル−2−ヒドロキシプロピルアクリレート〔東亞合成(株)製アロニックスM−5700〕
3)M−110:p−クミルフェノールエチレンオキサイド付加物のアクリレート〔東亞合成(株)製アロニックスM−110〕
4)M−211B:ビスフェノールAエチレンオキサイド付加物のジアクリレート〔東亞合成(株)製アロニックスM−211B〕
5)MPSMA:ビス(4−メタクリロイルチオフェニル)スルフィド〔住友精化(株)製MPSMA〕
6)SP−1509:ビスフェノールA型エポキシアクリレート〔昭和高分子(株)製リポキシSP−1509〕
7)Igr184:1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン〔チバ・スペシャリティ製イルガキュア184〕
8)TPO:2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキシド〔BASFジャパン製ルシリンTPO〕
【0074】
【表1】
【0075】
上記の結果から、実施例の本発明の組成物から得られた硬化物は、高屈折率であり、柔軟性及び透明基材との密着性に優れるものであった。
【0076】
【本発明の効果】
本発明の組成物で得られる硬化物は、高屈折率で、柔軟性及び密着性に優れるものであり、光学部材として、特にレンズシートとして有用である。
Claims (5)
- 芳香族基及び1個の(メタ)アクリロイル基を含有する化合物(B)をさらに含有してなる請求項1記載の活性エネルギー線硬化型組成物。
- 下記(C)〜(E)成分のいずれか1種以上をさらに含有してなる請求項1又は請求項2のいずれかに記載の活性エネルギー線硬化型組成物。
○(C)成分:下記式(3)で表される化合物に、有機ポリイソシアネート及びヒドロキシ基含有(メタ)アクリレートを反応させて得られる化合物。
○(D)成分:下記式(4)で表される化合物。
○(E)成分:有機ポリイソシアネートにヒドロキシル基含有(メタ)アクリレートを反応させて得られる化合物。 - 請求項1〜請求項3のいずれかに記載の活性エネルギー線硬化型組成物の硬化物。
- 請求項4記載の組成物の硬化物からなる光学用物品。
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