JPH09194513A - 樹脂組成物の製造方法 - Google Patents

樹脂組成物の製造方法

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JPH09194513A
JPH09194513A JP318196A JP318196A JPH09194513A JP H09194513 A JPH09194513 A JP H09194513A JP 318196 A JP318196 A JP 318196A JP 318196 A JP318196 A JP 318196A JP H09194513 A JPH09194513 A JP H09194513A
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稔 小林
Seiichi Tejima
成市 手嶋
Yoshinobu Asako
佳延 浅子
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 (メタ)アクリル酸金属塩等の単量体金属塩
の溶解性に優れると共に、安定性に優れ、注型や塗工等
の作業での取り扱いが容易な粘度を有し、かつ、耐熱性
や透明性、機械的強度等の諸性能に優れた樹脂硬化物を
得ることができる樹脂組成物の製造方法を提供する。 【解決手段】 ビニル基を含有する単量体、および重合
体を含む溶液中、例えばアクリルシラップ中で、金属酸
化物および/または金属水酸化物と、ビニル基およびカ
ルボキシル基を含有する単量体(以下、カルボン酸単量
体)とを反応させる。該反応を行う際には、必要に応じ
て、上記溶液に水を添加することができる。また、カル
ボン酸単量体としては、アクリル酸およびメタクリル酸
を併用することが好ましい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば、注型用材
料、SMC(シートモールディングコンパウンド)、B
MC(バルクモールディングコンパウンド)等の成形材
料やコーティング材料等として好適な樹脂組成物の製造
方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】例えば、メタクリル酸メチルを主成分と
するメタクリル系樹脂は、耐候性および透明性に優れて
おり、また、機械的性質、熱的性質および成形加工性の
バランスが良好であるため、照明用部品、自動車用部
品、電気機器部品等に広く使用されている。しかしなが
ら、その耐熱性は充分とは言い難い。このため、近年、
メタクリル系樹脂の耐熱性を改善する試みが数多くなさ
れている。例えば、特開昭43-9753号公報には、メタク
リル酸メチルとN-アリールマレイミドとを共重合させる
方法が、また、特開昭56-43242号公報には、メタクリル
酸メチル、スチレンおよび無水マレイン酸を共重合させ
る方法が、特開昭 62-109811号公報、特開昭62-156115
号公報、および特開昭 62-177009号公報には、メタクリ
ル酸メチルとN-シクロヘキシルマレイミドとを共重合さ
せる方法が、それぞれ開示されている。しかし、これら
の方法によってメタクリル系樹脂に耐熱性を付与する場
合、メタクリル酸メチルと共重合させる共重合成分を多
量に用いなければならず、メタクリル系樹脂が本来備え
ている諸性能を充分に発揮させることができないという
問題点を有している。
【0003】また、メタクリル酸メチルと脂溶性のジビ
ニル化合物とを共重合させることにより、メタクリル系
樹脂の耐熱性を改良する方法も行われている。しかし、
この場合にも、メタクリル酸メチルに対する脂溶性のジ
ビニル化合物の使用量が少量であれば、耐熱性への効果
が小さく、多量に使用すると、耐熱性は向上するもの
の、他の物性、例えば機械的強度等の物性が極端に低下
したり、コスト高になるという問題点を有している。
【0004】また、ジ(メタ)アクリル酸亜鉛をメタク
リル酸メチルに溶解させた後、両者を共重合させると、
透明なメタクリル系樹脂が製造できることは既に知られ
ている。しかし、ジ(メタ)アクリル酸亜鉛はメタクリ
ル酸メチルに対する溶解性が低い。このため、ジ(メ
タ)アクリル酸亜鉛の使用量が極端に少なくなってしま
い、該ジ(メタ)アクリル酸亜鉛に由来する特性を、メ
タクリル系樹脂に充分に付与することができないという
問題点を有している。尚、ジ(メタ)アクリル酸亜鉛を
溶解するアルコール等の溶媒を使用して重合を行うと、
透明なメタクリル系樹脂が得られない、或いは、樹脂中
にジ(メタ)アクリル酸亜鉛を均一に導入できない、と
いう新たな問題点が生じる。
【0005】そこで、上記の問題点を解決する方法とし
て、特開昭 62-265317号公報には、(メタ)アクリル酸
と、長鎖或いは脂環式の炭化水素を含有するカルボン酸
とを可溶化剤として、メタクリル酸メチルとジ(メタ)
アクリル酸金属塩とを共重合させる方法が、また、特開
平3-197517号公報には、チオール基を含有する化合物を
可溶化剤として、(メタ)アクリル酸エステルおよび/
またはスチレンと、ジ(メタ)アクリル酸金属塩とを共
重合させる方法が開示されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、これら
方法を用いる場合、ジ(メタ)アクリル酸金属塩に対し
て、可溶化剤を等モル以上用いる必要がある。このた
め、該可溶化剤により、得られるメタクリル系樹脂の性
能の低下、特に耐熱性や機械的強度が低下するという問
題点を有している。また、メタクリル系樹脂の性能の低
下を抑えるために、添加する可溶化剤の使用量を制限す
ると、透明なメタクリル系樹脂が得られなかったり、或
いはジ(メタ)アクリル酸金属塩に由来する特性をメタ
クリル系樹脂に充分に付与することができない。このた
め、耐熱性や透明性等の諸性能に優れたメタクリル系樹
脂、即ち、諸性能に優れた樹脂硬化物を得ることができ
る樹脂組成物が求められている。
【0007】尚、本願発明者等は、以前に、耐熱性およ
び透明性を改良するために、特開平6-145255号公報およ
び特開平6-145256号公報で、メタクリル酸メチルを主成
分とするビニル化合物とジ(メタ)アクリル酸亜鉛とか
らなる重合性混合物を、含窒素有機化合物および水を重
合系に共存させて共重合させることによって、耐熱性や
機械的強度、透明性に優れたメタクリル系樹脂を製造す
る方法を提案した。
【0008】しかし、上記方法では、例えば、(メタ)
アクリル酸亜鉛の使用量を増やすと、重合性混合物を透
明に保つために、含窒素有機化合物および水を多量に使
用する必要があり、メタクリル系樹脂の用途によって
は、充分な物性が得られない場合がある。また、上記方
法では、重合性混合物の粘度が低いために、注型や塗工
等の作業での取り扱いが困難となる場合がある。
【0009】本発明は、上記従来の問題点に鑑みなされ
たものであり、その目的は、(メタ)アクリル酸金属塩
等の単量体金属塩の溶解性に優れると共に、安定性に優
れ、注型や塗工等の作業での取り扱いが容易な粘度を有
し、かつ、耐熱性や透明性、機械的強度等の諸性能に優
れた樹脂硬化物を得ることができる樹脂組成物の製造方
法を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】本願発明者らは、上記の
目的を達成すべく、樹脂組成物の製造方法について鋭意
検討した結果、ビニル基を含有する単量体、および重合
体を含む溶液中で、金属酸化物および/または金属水酸
化物と、ビニル基およびカルボキシル基を含有する単量
体とを反応させることにより、該反応によって生成する
単量体金属塩の溶液への溶解性が向上されることを見い
出すと共に、これにより、安定性に優れ、注型や塗工等
の作業での取り扱いが容易な粘度を有し、かつ、耐熱性
や透明性、機械的強度等の諸性能に優れた樹脂硬化物を
得ることができる樹脂組成物が得られることを見い出し
て、本発明を完成させるに至った。
【0011】即ち、請求項1記載の発明の樹脂組成物の
製造方法は、上記の課題を解決するために、ビニル基を
含有する単量体、および重合体を含む溶液中で、金属酸
化物および/または金属水酸化物と、ビニル基およびカ
ルボキシル基を含有する単量体とを反応させることを特
徴としている。
【0012】請求項2記載の発明の樹脂組成物の製造方
法は、上記の課題を解決するために、請求項1記載の樹
脂組成物の製造方法において、水の存在下で反応させる
ことを特徴としている。
【0013】請求項3記載の発明の樹脂組成物の製造方
法は、上記の課題を解決するために、請求項1または2
記載の樹脂組成物の製造方法において、ビニル基および
カルボキシル基を含有する単量体として、アクリル酸お
よびメタクリル酸を併用することを特徴としている。
【0014】上記の方法によれば、反応によって生成す
る単量体金属塩の溶液への溶解性が向上されるので、樹
脂組成物を重合させてなる樹脂硬化物の樹脂骨格に、金
属塩を従来よりも多量に導入することができる。上記の
製造方法によって得られる樹脂組成物は、安定性に優
れ、注型用材料、SMC(シートモールディングコンパ
ウンド)、BMC(バルクモールディングコンパウン
ド)等の成形材料やコーティング材料等として好適であ
る。また、上記の樹脂組成物を重合させて得られる樹脂
硬化物は、耐熱性、透明性、機械的強度、放射線遮蔽効
果、防汚性等の諸性能に優れている。
【0015】以下に本発明を詳しく説明する。本発明に
かかる製造方法によって得られる樹脂組成物の原料とし
て用いられる溶液(以下、説明の便宜上、樹脂溶液と称
する)は、ビニル基を含有する単量体(以下、説明の便
宜上、単量体Aと称する)、および重合体を含んでなっ
ている。該樹脂溶液は、例えば、単量体Aに重合体を溶
解させることにより得ることができる。
【0016】上記の重合体は、単量体Aに溶解可能な化
合物であればよく、特に限定されるものではないが、不
飽和ポリエステル、ポリビニルエステル、および(メ
タ)アクリル系重合体が、より好ましい。
【0017】上記の不飽和ポリエステルは、特に限定さ
れるものではなく、酸成分とアルコール成分とを縮合さ
せて得られる従来公知の重合体が使用できる。また、そ
の反応条件も特に限定されるものではない。不飽和ポリ
エステルを構成する酸成分としては、具体的には、例え
ば、フタル酸、無水フタル酸、イソフタル酸、アジピン
酸等の飽和多塩基酸またはその無水物;マレイン酸、フ
マル酸等の不飽和多塩基酸またはその無水物等が挙げら
れる。また、不飽和ポリエステルを構成するアルコール
成分としては、具体的には、例えば、エチレングリコー
ル、プロピレングリコール等の二官能性のアルコール
類;トリメチロールプロパン等の三官能性のアルコール
類;エチレンオキシド、プロピレンオキシド等のモノエ
ポキシド等が挙げられる。また、ジシクロペンタジエン
等のジエン化合物や、末端官能性ブタジエン・アクリロ
ニトリル共重合体等のゴム成分等の種々の成分により変
性された不飽和ポリエステルも使用することができる。
【0018】また、上記のポリビニルエステルとして
は、特に限定されるものではなく、従来公知のエポキシ
系ビニルエステル、ウレタン系ビニルエステル、ポリエ
ステル系ビニルエステル等が使用できる。エポキシ系ビ
ニルエステルは、エポキシ樹脂に(メタ)アクリル酸を
反応させた化合物であり、該エポキシ樹脂としては、具
体的には、例えば、ビスフェノール類やノボラックフェ
ノール類のグリシジルエーテル等が挙げられる。また、
ウレタン系ビニルエステルは、ポリイソシアネート化合
物に(メタ)アクリル酸ヒドロキシアルキルエステル類
を反応させた化合物であり、該ポリイソシアネート化合
物としては、具体的には、例えば、トルエンジイソシア
ネート、キシリレンジイソシアネート等が挙げられる。
また、ポリエステル系ビニルエステルとしては、両末端
基がカルボキシル基であるオリゴエステルに(メタ)ア
クリル酸グリシジルエステル類を反応させた化合物や、
両末端基がヒドロキシル基であるオリゴエステルに(メ
タ)アクリル酸を反応させた化合物等が挙げられる。
【0019】上記の(メタ)アクリル系重合体として
は、特に限定されるものではなく、(メタ)アクリル酸
エステル類を主成分とするビニル化合物の混合物を従来
公知の溶液重合、塊状重合、乳化重合、懸濁重合等の方
法でビニル重合して得られる重合体が使用できる。(メ
タ)アクリル酸エステル類としては、具体的には、例え
ば、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、アクリ
ル酸エチル、アクリル酸ブチル等が挙げられる。(メ
タ)アクリル酸エステル類以外のビニル化合物として
は、具体的には、例えば、スチレン、アクリロニトリ
ル、マレイミド類、(メタ)アクリル酸等が挙げられ
る。さらに、例えば、カルボキシル基を含有する(メ
タ)アクリル系重合体に(メタ)アクリル酸グリシジル
エステル類を反応させて得られるような、側鎖に不飽和
基を有する(メタ)アクリル系重合体等も使用できる。
【0020】尚、上記不飽和ポリエステル、ポリビニル
エステル、および(メタ)アクリル系重合体は、一種類
のみを用いてもよく、また、二種類以上を適宜混合して
用いてもよい。また、重合体が(メタ)アクリル系重合
体等のビニル系重合体の場合には、単量体Aを塊状重合
し、該重合を途中で中断して得られるポリマーシラッ
プ、つまり、いわゆる(メタ)アクリルシラップを用い
ることもできる。
【0021】また、上記重合体を合成する際の反応圧
力、反応時間並びに反応温度等の反応条件は、特に限定
されるものではなく、得られる重合体の重合度も特に限
定されるものでない。但し、上記重合体を単量体Aに溶
解させて樹脂溶液を調製するので、該重合体は、単量体
Aに溶解する性質を備えていなければならない。
【0022】上記の単量体Aは、ビニル基を含有する化
合物であればよく、特に限定されるものではない。該単
量体Aとしては、具体的には、例えば、スチレン、ビニ
ルトルエン等の芳香族ビニル化合物;アクリル酸メチ
ル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル等のアクリル
酸エステル類;メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチ
ル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸シクロヘキシル
等のメタクリル酸エステル類;ジビニルベンゼン、ジエ
チレングリコールジメタクリレート、トリメチロールプ
ロパントリメタクリレート等の多官能ビニル化合物;ア
クリロニトリル、酢酸ビニル、フェニルマレイミド等が
挙げられる。これら化合物は一種類のみを用いてもよ
く、また、二種類以上を適宜混合して用いてもよい。
【0023】本発明において用いられる樹脂溶液は、例
えば、前記の単量体A5重量%〜95重量%、および、該
単量体Aに溶解する重合体95重量%〜5重量%から構成
されている。樹脂溶液(つまり、樹脂組成物)は、重合
体を含んでいるので、安定性に優れると共に適度な粘度
を備えることができ、注型用材料、SMC、BMC等の
成形材料やコーティング材料等として好適である。
【0024】該樹脂溶液における単量体Aの割合が5重
量%未満であると、後に詳述する金属酸化物および/ま
たは金属水酸化物を樹脂溶液に添加すると、粘度が極端
に高くなったり、或いは、金属酸化物および/または金
属水酸化物と、ビニル基およびカルボキシル基を含有す
る単量体との反応が進行しなくなるおそれがある。ま
た、最終的に得られる樹脂組成物の粘度が高くなり、注
型や塗工等の作業での取り扱い性が低下するおそれがあ
る。
【0025】一方、該樹脂溶液における単量体Aの割合
が95重量%を越えると、上記の反応によって生成するカ
ルボン酸単量体金属塩(後述する)の樹脂溶液中での溶
解安定性が低下し、凝集や沈降が起こり易くなるおそれ
がある。また、最終的に得られる樹脂組成物の粘度が低
くなり、注型や塗工等の作業での取り扱い性が低下する
おそれがあると共に、該樹脂組成物の成形時における重
合収縮が大きくなるおそれがある。そして、その結果、
樹脂組成物を硬化させて得られる樹脂硬化物の外観や物
性が低下するおそれがある。
【0026】樹脂組成物は、上記の樹脂溶液中で、金属
酸化物および/または金属水酸化物(以下、説明の便宜
上、金属(水)酸化物と称する)と、ビニル基およびカ
ルボキシル基を含有する単量体(以下、説明の便宜上、
カルボン酸単量体と称する)とを反応させることにより
得られる。そして、上記の反応によって、カルボン酸単
量体金属塩が生成すると共に水が副生する。
【0027】金属(水)酸化物は、特に限定されるもの
ではなく、具体的には、例えば、酸化銀等の1価金属の
酸化物;水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等の1価金
属の水酸化物;酸化亜鉛、酸化マグネシウム、酸化アル
ミニウム、酸化鉛等の多価金属の酸化物;水酸化亜鉛、
水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、水酸化鉛等
の多価金属の水酸化物等が挙げられる。これら化合物は
一種類のみを用いてもよく、また、二種類以上を適宜混
合して用いてもよい。
【0028】カルボン酸単量体は、特に限定されるもの
ではなく、具体的には、例えば、アクリル酸、メタクリ
ル酸、クロトン酸、ケイ皮酸等のα,β−エチレン性不
飽和カルボン酸;マレイン酸、フマル酸、イタコン酸等
の不飽和ジカルボン酸;マレイン酸モノメチルエステ
ル、マレイン酸モノアリルエステル等の、不飽和ジカル
ボン酸と一価アルコールとのモノエステル;2-アクリロ
イルオキシエチルコハク酸、2-メタクリロイルオキシプ
ロピルコハク酸、2-アクリロイルオキシエチルフタル
酸、2-メタクリロイルオキシエチルフタル酸、2-アクリ
ロイルオキシプロピルフタル酸、2-メタクリロイルオキ
シプロピルフタル酸等の、エステル基を含有するカルボ
ン酸等が挙げられる。これら化合物は一種類のみを用い
てもよく、また、二種類以上を適宜混合して用いてもよ
い。
【0029】上記金属(水)酸化物とカルボン酸単量体
との組み合わせは、所望する樹脂組成物、つまり、樹脂
組成物の用途や、所望する物性等に応じて選択すればよ
く、特に限定されるものではないが、金属(水)酸化物
として多価金属の(水)酸化物を用いる場合には、カル
ボン酸単量体は、二種類以上を併用することがより好ま
しく、アクリル酸およびメタクリル酸を併用することが
特に好ましい。そして、例えば、二種類のカルボン酸単
量体を併用する場合において、両者のモル比は、 0.2/
0.8 〜 0.8/0.2 の範囲内がより好ましく、凡そ1/1
が特に好ましい。二種類以上のカルボン酸単量体を併用
することにより、一種類のカルボン酸単量体を用いる場
合と比較して、反応によって生成するカルボン酸単量体
金属塩の樹脂溶液への溶解性がより一層向上されると共
に、安定性がより一層優れた樹脂組成物を得ることがで
きる。つまり、樹脂溶液中にカルボン酸単量体金属塩を
より一層多量に溶解させることができる。
【0030】二種類以上のカルボン酸単量体を併用する
ことによってカルボン酸単量体金属塩の樹脂溶液への溶
解性がより一層向上される詳細な理由は明らかではない
が、多価金属の(水)酸化物と、二種類以上のカルボン
酸単量体とが反応することにより、一つの多価金属に互
いに異なるカルボン酸単量体が結合した複塩が形成さ
れ、該カルボン酸単量体金属塩の結晶性が低下するため
ではないかと推察される。即ち、一つの多価金属に一種
類のカルボン酸単量体が結合した場合と比較して、カル
ボン酸単量体金属塩の結晶性が低下するので、樹脂溶液
への溶解性がより一層向上するためではないかと推察さ
れる。
【0031】上記金属(水)酸化物の使用量は、組み合
わせるカルボン酸単量体の種類、樹脂組成物の用途や、
所望する物性等に応じて設定すればよく、特に限定され
るものではないが、樹脂溶液 100重量部に対して、1重
量部〜 100重量部の範囲内がより好ましい。金属(水)
酸化物の使用量が1重量部未満の場合には、金属(水)
酸化物を用いる効果が表れ難くなり、所望する物性等を
備えた樹脂組成物を得ることができないおそれがある。
一方、金属(水)酸化物の使用量が 100重量部を越える
場合には、金属(水)酸化物とカルボン酸単量体との反
応が完結し難くなるので、未反応の金属(水)酸化物
や、反応によって生成するカルボン酸単量体金属塩の沈
殿や白濁が生じ易くなり、均一かつ透明な樹脂組成物を
得ることができないおそれがある。
【0032】上記カルボン酸単量体の使用量は、組み合
わせる金属(水)酸化物の種類や量、樹脂組成物の用途
や、所望する物性等に応じて設定すればよく、特に限定
されるものではないが、カルボン酸単量体と金属(水)
酸化物との当量比(カルボン酸単量体/金属(水)酸化
物)が、 1.0〜1.20の範囲内であることがより好まし
い。上記の当量比とは、カルボン酸単量体の化学当量
と、金属(水)酸化物の化学当量との比を示す。上記の
当量比が 1.0未満の場合、即ち、カルボン酸単量体の化
学当量の方が少ない場合には、未反応の金属(水)酸化
物の沈殿や白濁が生じ易くなり、均一かつ透明な樹脂組
成物を得ることができないおそれがある。一方、上記の
当量比が1.20を越える場合、即ち、カルボン酸単量体の
化学当量の方が多すぎる場合には、金属(水)酸化物と
カルボン酸単量体との反応が進行し難くなったり、カル
ボン酸単量体金属塩の樹脂溶液への溶解性や安定性が低
下し、沈殿や増粘、ゲル化等を生じるおそれがある。
【0033】上記の金属(水)酸化物とカルボン酸単量
体とを樹脂溶液中で反応させる際の反応方法、つまり、
両者の添加方法は、特に限定されるものではない。例え
ば、樹脂溶液に金属(水)酸化物を添加して分散させた
後、カルボン酸単量体を添加して両者を反応させてもよ
く、また、樹脂溶液にカルボン酸単量体を添加・混合し
た後、金属(水)酸化物を添加して両者を反応させても
よく、或いは、金属(水)酸化物とカルボン酸単量体と
をほぼ同時に樹脂溶液に添加して両者を反応させてもよ
い。つまり、金属(水)酸化物およびカルボン酸単量体
を樹脂溶液に添加する際の添加順序や添加のタイミング
は、特に限定されるものではなく、あらゆる順序やタイ
ミングを採用することができる。尚、樹脂溶液に金属
(水)酸化物を添加すると金属架橋等が生じて該樹脂溶
液が著しく増粘される場合には、取り扱い性を考慮し
て、樹脂溶液にカルボン酸単量体を添加・混合した後、
金属(水)酸化物を添加する方法が好ましい。
【0034】また、二種類以上のカルボン酸単量体を併
用する場合には、予め、これらカルボン酸単量体の混合
物を調製して樹脂溶液に添加してもよく、また、各カル
ボン酸単量体を別々に樹脂溶液に添加してもよい。さら
に、或るカルボン酸単量体を樹脂溶液に添加・混合した
後、金属(水)酸化物を添加し、次いで、別の(残り
の)カルボン酸単量体を添加・混合してもよい。これら
添加方法のうち、二種類以上のカルボン酸単量体を併用
する場合には、カルボン酸単量体の混合物を調製して樹
脂溶液に添加する方法がより好ましい。また、樹脂溶液
に金属(水)酸化物を添加して分散させた後、カルボン
酸単量体の混合物を該樹脂溶液に添加する方法、およ
び、樹脂溶液に金属(水)酸化物を添加して分散させた
後、各カルボン酸単量体を逐次的に該樹脂溶液に添加す
る方法がより好ましい。即ち、カルボン酸単量体金属塩
が複塩になり易いように、カルボン酸単量体を添加・混
合する方法がより好ましい。
【0035】金属(水)酸化物とカルボン酸単量体とを
樹脂溶液中で反応させる際には、該反応をより一層円滑
に(速く)進行させると共に、カルボン酸単量体金属塩
の溶解性等をより一層向上させるために、必要に応じ
て、該樹脂溶液に水を添加してもよい。水を添加するこ
とによって上記の効果が得られる詳細な理由は明らかで
はないが、反応によって生成するカルボン酸単量体金属
塩に水が配位し、該カルボン酸単量体金属塩が可溶化さ
れるためではないかと推察される。
【0036】樹脂溶液に水を添加する場合において、そ
の添加方法や添加のタイミングは、特に限定されるもの
ではない。例えば、金属(水)酸化物およびカルボン酸
単量体を添加する前に、樹脂溶液に水を添加してもよ
く、また、金属(水)酸化物および/またはカルボン酸
単量体を添加した後、樹脂溶液に水を添加してもよく、
或いは、予め、カルボン酸単量体と水とを混合した混合
物を調製しておいてもよい。
【0037】また、樹脂溶液に水を添加する場合におい
て、該水の添加量は、特に限定されるものではないが、
金属(水)酸化物1モルに対する割合が、 4.0モル以下
となるように設定することがより好ましい。
【0038】さらに、金属(水)酸化物とカルボン酸単
量体とを樹脂溶液中で反応させる際には、必要に応じ
て、該樹脂溶液に可溶化剤を添加してもよい。上記の可
溶化剤としては、金属塩モノマーの可溶化剤として知ら
れている従来公知の物質を採用することができる。該物
質としては、具体的には、例えば、長鎖或いは脂環式の
炭化水素を含有するカルボン酸類;チオール基を含有す
る含イオウ有機化合物類;アミン化合物やイミン化合
物、アミド化合物、アンモニウム化合物、含窒素複素環
化合物等の含窒素有機化合物類;等が挙げられる。樹脂
溶液に可溶化剤を添加することにより、カルボン酸単量
体金属塩の溶解性等をさらに一層向上させることができ
る。樹脂溶液に可溶化剤を添加する場合において、該可
溶化剤の添加量は、特に限定されるものではない。
【0039】金属(水)酸化物とカルボン酸単量体とを
樹脂溶液中で反応させる際には、該樹脂溶液を、常温若
しくは加熱下で、攪拌すればよい。これにより、カルボ
ン酸単量体金属塩が容易に生成する。樹脂溶液を加熱下
で攪拌する場合には、単量体Aやカルボン酸単量体金属
塩の重合を防止するために、従来公知の重合防止剤(或
いは重合禁止剤)を添加することができる。該重合防止
剤としては、具体的には、例えば、ベンゾキノン、パラ
メトキシフェノール、ハイドロキノン等が挙げられる。
重合防止剤を添加する場合において、該重合防止剤の添
加量は、特に限定されるものではない。
【0040】また、金属(水)酸化物とカルボン酸単量
体との反応が発熱を伴う場合、つまり、発熱反応の場合
には、反応温度を制御し、両者の反応を温和に進行させ
るために、金属(水)酸化物およびカルボン酸単量体の
うち、少なくとも何れか一方を複数回に分割して樹脂溶
液に添加することがより好ましい。
【0041】さらに、反応を完結させるのに長時間を有
する場合、或いは、反応が進行し難い場合には、樹脂溶
液中における金属(水)酸化物およびカルボン酸単量体
の濃度を高めることにより、反応を促進することもでき
る。具体的には、例えば、樹脂溶液を二分割し、一方の
樹脂溶液に金属(水)酸化物およびカルボン酸単量体を
添加して反応させた後、残りの樹脂溶液を反応液に混合
して、該反応液を希釈すればよい。これにより、所望の
濃度でカルボン酸単量体金属塩が溶解された樹脂組成物
を得ることができる。
【0042】金属(水)酸化物とカルボン酸単量体との
反応の終点は、樹脂溶液が常温で均一かつ透明になった
か否か、即ち、常温で均一かつ透明な樹脂組成物が得ら
れたか否かを確認すればよい。従って、常温で均一かつ
透明な樹脂組成物が得られた時点で、攪拌等を終了すれ
ばよい。これにより、本発明にかかる樹脂組成物が得ら
れる。樹脂組成物は、長時間放置しても安定であり、カ
ルボン酸単量体金属塩の沈殿や、或いは増粘、ゲル化等
を生じることはない。
【0043】上記構成の樹脂組成物を共重合させること
により、樹脂硬化物を容易に製造することができる。つ
まり、単量体Aとカルボン酸単量体金属塩とを共重合さ
せることにより、樹脂硬化物の樹脂骨格に、金属塩を従
来よりも多量にかつ簡単に導入することができる。単量
体Aとカルボン酸単量体金属塩とを共重合させる反応方
法は、特に限定されるものではない。例えば、不飽和ポ
リエステル樹脂、ビニルエステル樹脂、或いは(メタ)
アクリル系シラップ等のビニル重合性樹脂の重合方法と
同様の重合方法を用いて単量体Aとカルボン酸単量体金
属塩とを反応させることができる。即ち、加熱による重
合方法;紫外線や電子線等の放射線を照射する重合方
法;ラジカル重合開始剤等の重合開始剤を用いる重合方
法等、従来公知の種々の方法を採用することができる。
【0044】また、重合の形態としては、例えば、塊状
重合、溶液重合、懸濁重合、乳化重合、分散重合等、従
来公知の種々の形態を採用することができる。従って、
樹脂硬化物は、重合の形態等に応じて、粒状(ビー
ズ)、粉体状、微粒子状等の種々の形状、或いは溶液状
態で得られる。尚、樹脂硬化物を得る際の反応圧力、反
応時間並びに反応温度等の反応条件は、樹脂溶液および
カルボン酸単量体金属塩の組み合わせ、使用量等に応じ
て上記反応が完結するように適宜設定すればよく、特に
限定されるものではない。また、得られる樹脂硬化物の
重合度も、特に限定されるものではない。
【0045】上記のラジカル重合開始剤としては、具体
的には、例えば、ベンゾイルパーオキシド、メチルエチ
ルケトンパーオキシド、t-アミルパーオキシ -2-エチル
ヘキサノエート等の有機過酸化物; 2,2'-アゾビスイソ
ブチロニトリル等の有機アゾ化合物;ベンゾフェノン、
アセトフェノン類、アシルホスフィンオキシド等が挙げ
られる。
【0046】また、オクテン酸コバルト、ステアリン酸
亜鉛等の有機金属塩;ジメチルアニリン等の芳香族三級
アミン類;トリフェニルホスフィン等の重合促進剤を、
上記ラジカル重合開始剤と併用してもよい。さらに、そ
の他の添加剤として、前述の重合防止剤(いわゆる重合
調節剤)や、光増感剤等を用いることもできる。尚、重
合方法は、例えば樹脂硬化物の用途等に応じて適宜選択
すればよい。
【0047】さらに、本発明にかかる樹脂組成物は、例
えば、炭酸カルシウム、水酸化アルミニウム等の充填剤
や、ガラスファイバー等の強化繊維等の補強材を配合し
た組成物として用いることができる。また、酸化マグネ
シウム等の金属酸化物や金属水酸化物、イソホロンジイ
ソシアネート等のポリイソシアネート化合物等の増粘
剤、熱可塑性樹脂等の低収縮化剤や顔料、ワックス、シ
リコン、界面活性剤、紫外線吸収剤等の各種添加剤を配
合して用いることもできる。尚、上記各添加剤の添加量
は特に限定されるものではない。
【0048】以上のように、本発明にかかる樹脂組成物
の製造方法は、樹脂溶液中で、金属(水)酸化物と、カ
ルボン酸単量体とを反応させる方法である。また、本発
明にかかる樹脂組成物の製造方法は、水の存在下で反応
させる方法である。さらに、本発明にかかる樹脂組成物
の製造方法は、カルボン酸単量体として、アクリル酸お
よびメタクリル酸を併用する方法である。
【0049】上記の方法によれば、反応によって生成す
るカルボン酸単量体金属塩の樹脂溶液への溶解性が向上
されるので、樹脂組成物を重合させてなる樹脂硬化物の
樹脂骨格に、金属塩を従来よりも多量に導入することが
できる。上記の製造方法によって得られる樹脂組成物
は、安定性に優れ、その粘度を適正に調節することによ
り、注型や塗工等の作業での取り扱い性を高めることが
できる。該樹脂組成物は、注型用材料、SMC、BMC
等の成形材料やコーティング材料等として好適である。
つまり、従来公知の各種の成形方法や塗工方法、例え
ば、注型、RTM(レジントランスファーモールディン
グ)、RIM(反応射出成形)、プレス成形、射出成
形、積層、スプレー塗工等の方法により成形、塗工、重
合することにより、注型物、ゲルコート、ガラス繊維強
化成形品、塗料、化粧板、ホットメルト粘着剤、熱可塑
性エラストマー等の広範囲の用途に用いることができ
る。
【0050】また、上記の樹脂組成物を重合させて得ら
れる樹脂硬化物は、透明性等の諸性能に優れると共に、
樹脂骨格に金属塩が多量に導入されているので、該金属
塩に由来する特性である例えば、耐熱性、曲げ強さ等の
機械的強度、硬度(表面硬さ)、放射線遮蔽効果、防汚
性、耐有機溶剤性等の諸性能に優れている。このため、
上記広範囲の用途において、優れた性能を発揮すること
ができる。
【0051】
【実施例】以下、実施例および比較例により、本発明を
さらに詳細に説明するが、本発明はこれらにより何ら限
定されるものではない。尚、実施例および比較例に記載
の「部」は、「重量部」を示している。また、樹脂硬化
物の諸物性、つまり、バーコル硬さ、鉛筆硬さ、熱変形
温度、アイゾット衝撃強さ、曲げ強さ、曲げ弾性率、光
沢度、引張強さ、引張弾性率、および、引張破壊伸び率
は、JIS K 6911等の試験方法に準じて測定し
た。
【0052】上記バーコル硬さの測定は、バーコル硬さ
計 934-1形を用いて行った。鉛筆硬さは荷重1kgとし
た。アイゾット衝撃強さの測定は、アイゾット40kgと
し、いわゆるフラットワイズ衝撃で行った。
【0053】〔実施例1〕攪拌機、精留管、温度計、お
よびガス導入管を備えた容量 3,000mlの反応容器に、エ
チレングリコール 155部、プロピレングリコール 304
部、ジエチレングリコール 424部、無水フタル酸 963
部、および、無水マレイン酸 343部を仕込んだ。次に、
この反応溶液を攪拌しながら、内温を 180℃〜210 ℃に
保ち、窒素雰囲気下で8時間エステル化させることによ
り、重合体としての不飽和ポリエステルを得た。所定の
方法により測定した上記不飽和ポリエステルの酸価は、
30.0 mgKOH/gであった。また、ゲルパーミエーションク
ロマトグラフィー(GPC)により測定した上記不飽和
ポリエステルの平均分子量は、数平均分子量(Mn)が 2,7
00、重量平均分子量(Mw)が 4,400であった。
【0054】次に、得られた不飽和ポリエステル 100部
に、単量体Aとしてのスチレン54部と、重合防止剤とし
てのハイドロキノン 0.015部とを加えて攪拌することに
より、樹脂溶液を得た。得られた樹脂溶液は透明であ
り、酸価は18.6 mgKOH/gであった。また、所定の方法に
より測定した25℃における樹脂溶液の粘度は、 4.8ポイ
ズであった。
【0055】続いて、攪拌機、冷却管、および温度計を
備えた容量 200mlの反応容器に、上記の樹脂溶液 100g
と、金属(水)酸化物としての酸化亜鉛 5.5gとを仕込
み、室温で30分間、攪拌・混合した。一方、カルボン酸
単量体としてのアクリル酸 5.2gおよびメタクリル酸
6.2gと、水 1.7gとを混合することにより混合溶液を
調製した。酸化亜鉛と、カルボン酸単量体(アクリル酸
およびメタクリル酸の合計量)と、水とのモル比は、
1.0: 2.1:1.4 であった。
【0056】そして、反応容器内の混合物に、上記の混
合溶液を攪拌しながら添加し、70℃で1時間反応させ
た。これにより、本発明にかかる樹脂組成物を得た。得
られた樹脂組成物は、均一かつ透明であり、室温に冷却
した後においても、均一かつ透明であった。さらに、該
樹脂組成物は、一週間放置した後においても、均一かつ
透明な状態を維持していた。一週間放置した後の樹脂組
成物の25℃における粘度は、10.0ポイズであった。
【0057】次に、上記の樹脂組成物を、以下に示す方
法を用いて重合させることによって樹脂硬化物とした。
即ち、樹脂組成物 100部に対し、ラジカル重合開始剤と
してのメチルエチルケトンパーオキシド溶液 1.0部、お
よび、重合促進剤としてのオクテン酸コバルト 0.5部を
添加・混合することにより、コンパウンドを得た。上記
のメチルエチルケトンパーオキシド溶液は、濃度が55重
量%となるようにメチルエチルケトンパーオキシドをジ
メチルフタレートに溶解させることにより調製した。ま
た、オクテン酸コバルト中のコバルト量は、 8.0重量%
であった。得られたコンパウンドを、2枚のガラス板と
フッ素樹脂製ガスケットとを用いて組み立てたセル中に
注入し、室温で24時間放置して重合した後、 110℃で2
時間さらに重合させた。これにより、外観が透明である
樹脂硬化物を得た。
【0058】得られた樹脂硬化物の諸物性を、上記の方
法により測定した。その結果、該樹脂硬化物のバーコル
硬さは48、鉛筆硬さは4H、熱変形温度は63℃、アイゾ
ット衝撃強さは10.6 kgf・cm/cm2、曲げ強さは10.3 kgf
/mm2、曲げ弾性率は 422 kgf/mm2であった。
【0059】また、樹脂組成物の代わりに上記樹脂溶液
を用い、上記の方法と同様の方法を用いて重合させ、こ
れにより、外観が透明である樹脂硬化物(以下、説明の
便宜上、単に硬化物と称する)を得た。つまり、カルボ
ン酸単量体金属塩を生成させないで硬化物を得た。得ら
れた硬化物のバーコル硬さは37、鉛筆硬さは3H、熱変
形温度は49℃、アイゾット衝撃強さは11.2 kgf・cm/c
m2、曲げ強さは12.8 kgf/mm2、曲げ弾性率は 319 kgf/m
m2であった。上記の結果を表1にも示した。
【0060】上記の結果から明らかなように、樹脂組成
物を重合させてなる樹脂硬化物は、その樹脂骨格に金属
塩が多量に導入されているので、樹脂溶液を重合させて
なる硬化物と比較して、バーコル硬さ、鉛筆硬さ、熱変
形温度、および、曲げ弾性率に優れていることが判る。
つまり、樹脂溶液中で酸化亜鉛と、アクリル酸およびメ
タクリル酸とを反応させることにより、上記の諸性能が
向上された樹脂硬化物を得ることができる樹脂組成物を
製造することができることが判る。
【0061】〔実施例2〕実施例1と同様の反応および
操作を行うことにより、樹脂溶液を得た。続いて、攪拌
機、冷却管、および温度計を備えた容量 200mlの反応容
器に、上記の樹脂溶液 100gと、金属(水)酸化物とし
ての水酸化亜鉛 2.2gとを仕込み、室温で30分間、攪拌
・混合した。一方、アクリル酸 1.8gおよびメタクリル
酸 2.1gを混合することにより混合溶液を調製した。水
酸化亜鉛と、カルボン酸単量体(アクリル酸およびメタ
クリル酸の合計量)とのモル比は、 1.0:2.2 であっ
た。
【0062】そして、反応容器内の混合物に、上記の混
合溶液を攪拌しながら添加し、70℃で2時間反応させ
た。これにより、本発明にかかる樹脂組成物を得た。得
られた樹脂組成物は、均一かつ透明であり、室温に冷却
した後、並びに、一週間放置した後においても、均一か
つ透明な状態を維持していた。一週間放置した後の樹脂
組成物の25℃における粘度は、11.0ポイズであった。
【0063】次に、上記の樹脂組成物を、実施例1の方
法と同様の方法を用いて重合させ、これにより、外観が
透明である樹脂硬化物を得た。得られた樹脂硬化物のバ
ーコル硬さは47、鉛筆硬さは4H、熱変形温度は63℃、
アイゾット衝撃強さは11.0 kgf・cm/cm2、曲げ強さは1
1.0 kgf/mm2、曲げ弾性率は 415 kgf/mm2であった。結
果を表1にも示した。
【0064】〔実施例3〕実施例1と同様の反応および
操作を行うことにより、樹脂溶液を得た。続いて、攪拌
機、冷却管、および温度計を備えた容量 200mlの反応容
器に、上記の樹脂溶液 100gと、金属(水)酸化物とし
ての酸化マグネシウム 1.1gとを仕込み、室温で30分
間、攪拌・混合した。一方、アクリル酸 2.1gおよびメ
タクリル酸 2.5gを混合することにより混合溶液を調製
した。酸化マグネシウムと、カルボン酸単量体(アクリ
ル酸およびメタクリル酸の合計量)とのモル比は、 1.
0:2.1であった。
【0065】そして、反応容器内の混合物に、上記の混
合溶液を攪拌しながら添加し、70℃で2時間反応させ
た。これにより、本発明にかかる樹脂組成物を得た。得
られた樹脂組成物は、均一かつ透明であり、室温に冷却
した後、並びに、一週間放置した後においても、均一か
つ透明な状態を維持していた。一週間放置した後の樹脂
組成物の25℃における粘度は、46.0ポイズであった。
【0066】次に、上記の樹脂組成物を、実施例1の方
法と同様の方法を用いて重合させ、これにより、外観が
透明である樹脂硬化物を得た。得られた樹脂硬化物のバ
ーコル硬さは46、鉛筆硬さは4H、熱変形温度は60℃、
アイゾット衝撃強さは11.7 kgf・cm/cm2、曲げ強さは1
0.5 kgf/mm2、曲げ弾性率は 419 kgf/mm2であった。結
果を表1にも示した。
【0067】〔実施例4〕実施例1と同様の反応および
操作を行うことにより、樹脂溶液を得た。続いて、攪拌
機、冷却管、および温度計を備えた容量 200mlの反応容
器に、上記の樹脂溶液 100gと、酸化亜鉛 1.8gとを仕
込み、室温で30分間、攪拌・混合した。さらに、反応容
器内の混合物に、アクリル酸 3.6gを攪拌しながら添加
し、70℃で1時間反応させた。上記酸化亜鉛とアクリル
酸とのモル比は、 1.0:2.2 であった。これにより、本
発明にかかる樹脂組成物を得た。得られた樹脂組成物
は、均一かつ透明であり、室温に冷却した後、並びに、
一週間放置した後においても、均一かつ透明な状態を維
持していた。一週間放置した後の樹脂組成物の25℃にお
ける粘度は、11.0ポイズであった。
【0068】次に、上記の樹脂組成物を、実施例1の方
法と同様の方法を用いて重合させ、これにより、外観が
透明である樹脂硬化物を得た。得られた樹脂硬化物のバ
ーコル硬さは45、鉛筆硬さは4H、熱変形温度は60℃、
アイゾット衝撃強さは14.0 kgf・cm/cm2、曲げ強さは1
5.2 kgf/mm2、曲げ弾性率は 385 kgf/mm2であった。結
果を表1にも示した。
【0069】〔実施例5〕攪拌機、冷却管、および温度
計を備えた容量 5,000mlの反応容器に、ノボラック型の
エポキシ樹脂であるエピコート154(商品名;シェル
社製、エポキシ当量 178) 2,492部、メタクリル酸 603
部、および、ハイドロキノン 0.4部を仕込んだ。次に、
この反応溶液を攪拌しながら、内温を 105℃に昇温さ
せ、該温度で1時間重合させた。その後、上記の反応溶
液に、メタクリル酸 603部を混合し、さらに 105℃で8
時間重合させることにより、重合体としてのエポキシ系
ビニルエステルを得た。所定の方法により測定した上記
エポキシ系ビニルエステルの酸価は、 2.1 mgKOH/gであ
った。また、GPCにより測定した上記エポキシ系ビニ
ルエステルの平均分子量は、数平均分子量(Mn)が 830、
重量平均分子量(Mw)が 913であった。
【0070】次に、得られたエポキシ系ビニルエステル
100部に、スチレン54部を加えて攪拌することにより、
樹脂溶液を得た。得られた樹脂溶液は透明であり、酸価
は 1.4 mgKOH/gであった。また、所定の方法により測定
した25℃における樹脂溶液の粘度は、 3.2ポイズであっ
た。
【0071】続いて、攪拌機、冷却管、および温度計を
備えた容量 200mlの反応容器に、上記の樹脂溶液 100g
と、酸化亜鉛 1.8gとを仕込み、室温で30分間、攪拌・
混合した。一方、アクリル酸 1.7gと、メタクリル酸
2.1gと、水 0.4gとを混合することにより混合溶液を
調製した。酸化亜鉛と、カルボン酸単量体(アクリル酸
およびメタクリル酸の合計量)と、水とのモル比は、
1.0: 2.1:1.0 であった。
【0072】そして、反応容器内の混合物に、上記の混
合溶液を攪拌しながら添加し、70℃で1時間反応させ
た。これにより、本発明にかかる樹脂組成物を得た。得
られた樹脂組成物は、均一かつ透明であり、室温に冷却
した後、並びに、一週間放置した後においても、均一か
つ透明な状態を維持していた。一週間放置した後の樹脂
組成物の25℃における粘度は、 7.5ポイズであった。
【0073】次に、上記の樹脂組成物を、実施例1の方
法と同様の方法を用いて重合させ、これにより、外観が
透明である樹脂硬化物を得た。得られた樹脂硬化物のバ
ーコル硬さは55、鉛筆硬さは5H、熱変形温度は 138
℃、アイゾット衝撃強さは 9.0kgf・cm/cm2、曲げ強さ
は15.0 kgf/mm2、曲げ弾性率は 420 kgf/mm2であった。
【0074】また、樹脂組成物の代わりに上記樹脂溶液
を用い、上記の方法と同様の方法を用いて重合させ、こ
れにより、外観が透明である硬化物を得た。つまり、カ
ルボン酸単量体金属塩を生成させないで硬化物を得た。
得られた硬化物のバーコル硬さは52、鉛筆硬さは4H、
熱変形温度は 120℃、アイゾット衝撃強さは 9.8 kgf・
cm/cm2、曲げ強さは14.1 kgf/mm2、曲げ弾性率は 410 k
gf/mm2であった。上記の結果を表1にも示した。
【0075】上記の結果から明らかなように、樹脂組成
物を重合させてなる樹脂硬化物は、その樹脂骨格に金属
塩が多量に導入されているので、樹脂溶液を重合させて
なる硬化物と比較して、バーコル硬さ、鉛筆硬さ、熱変
形温度、曲げ強さ、および、曲げ弾性率に優れているこ
とが判る。つまり、樹脂溶液中で酸化亜鉛と、アクリル
酸およびメタクリル酸とを反応させることにより、上記
の諸性能が向上された樹脂硬化物を得ることができる樹
脂組成物を製造することができることが判る。
【0076】〔実施例6〕攪拌機、冷却管、温度計、お
よびガス導入管を備えた容量 500mlの反応容器に、メタ
クリル酸メチル 177部と、メタクリル酸22.8部とを仕込
み、窒素置換した。次に、この反応溶液を攪拌しなが
ら、重合防止剤としてのn-ドデシルメルカプタン0.28部
と、ラジカル重合開始剤としての 2,2'-アゾビスイソブ
チロニトリル0.1部とを添加した後、内温を80℃に昇温
させ、該温度で重合させた。そして、重合率、つまり、
不揮発分の量が、15重量%に達した時点で、上記の反応
溶液に、メタクリル酸グリシジル37.6部、触媒としての
ベンジルトリフェニルホスホニウムクロライド0.15部、
および、ハイドロキノン0.02部を混合し、急冷した。
【0077】急冷後、再び内温を 100℃に昇温させ、空
気雰囲気下、該温度で23時間、攪拌することにより、メ
タクリル酸グリシジルを重合体に反応させた。これによ
り、側鎖にビニル基が導入された重合体を含む樹脂溶液
としてのアクリルシラップを得た。つまり、メタクリル
酸メチルを主成分とする単量体A、および上記重合体か
らなるアクリルシラップを得た。
【0078】得られたアクリルシラップは透明であり、
不揮発分の量は20.4重量%であり、酸価は 2.9 mgKOH/g
であった。また、所定の方法により測定した25℃におけ
るアクリルシラップの粘度は、50.1ポイズであった。さ
らに、GPCにより測定した上記アクリルシラップ中の
重合体の酸価は、21.0 mgKOH/gであり、平均分子量は、
数平均分子量(Mn)が70,300、重量平均分子量(Mw)が 15
1,000であった。そして、メタクリル酸グリシジルを反
応させる前後における重合体の酸価の差が41.7 mgKOH/g
であったことから、該重合体が含有するカルボキシル基
がビニル基に変換された変換率は、66.5%であることが
判った。
【0079】続いて、攪拌機、冷却管、および温度計を
備えた容量 200mlの反応容器に、上記のアクリルシラッ
プ 100gと、酸化亜鉛 1.8gとを仕込み、室温で30分
間、攪拌・混合した。一方、アクリル酸 1.7gと、メタ
クリル酸 0.6gと、水 0.4gとを混合することにより混
合溶液を調製した。酸化亜鉛と、カルボン酸単量体(ア
クリル酸およびメタクリル酸の合計量)と、水とのモル
比は、 1.0: 2.1:1.0であった。但し、上記のカルボ
ン酸単量体、即ち、アクリル酸およびメタクリル酸の合
計量には、アクリルシラップ中に存在するメタクリル酸
(単量体A)の量も含まれている。
【0080】そして、反応容器内の混合物に、上記の混
合溶液を攪拌しながら添加し、70℃で1時間反応させ
た。これにより、本発明にかかる樹脂組成物を得た。得
られた樹脂組成物は、均一かつ透明であり、室温に冷却
した後、並びに、一週間放置した後においても、均一か
つ透明な状態を維持していた。一週間放置した後の樹脂
組成物の25℃における粘度は、74ポイズであった。
【0081】次に、上記の樹脂組成物を、実施例1の方
法と同様の方法を用いて重合させ、これにより、外観が
透明である樹脂硬化物を得た。得られた樹脂硬化物のバ
ーコル硬さは52、鉛筆硬さは5H、熱変形温度は 115
℃、アイゾット衝撃強さは10.2kgf・cm/cm2、曲げ強さ
は 7.9 kgf/mm2、曲げ弾性率は 360 kgf/mm2であった。
【0082】また、樹脂組成物の代わりに上記アクリル
シラップを用い、上記の方法と同様の方法を用いて重合
させ、これにより、外観が透明である硬化物を得た。つ
まり、カルボン酸単量体金属塩を生成させないで硬化物
を得た。得られた硬化物のバーコル硬さは40、鉛筆硬さ
は3H、熱変形温度は89℃、アイゾット衝撃強さは 8.9
kgf・cm/cm2、曲げ強さは 8.3 kgf/mm2、曲げ弾性率は
320 kgf/mm2であった。上記の結果を表2にも示した。
【0083】上記の結果から明らかなように、樹脂組成
物を重合させてなる樹脂硬化物は、その樹脂骨格に金属
塩が多量に導入されているので、アクリルシラップを重
合させてなる硬化物と比較して、バーコル硬さ、鉛筆硬
さ、熱変形温度、アイゾット衝撃強さ、および、曲げ弾
性率に優れていることが判る。つまり、アクリルシラッ
プ中で酸化亜鉛と、アクリル酸およびメタクリル酸とを
反応させることにより、上記の諸性能が向上された樹脂
硬化物を得ることができる樹脂組成物を製造することが
できることが判る。
【0084】〔実施例7〕実施例6と同様の反応および
操作を行うことにより、アクリルシラップを得た。一
方、アクリル酸 1.7gと、メタクリル酸 0.6gと、水
0.4gとを混合することにより混合溶液を調製した。続
いて、攪拌機、冷却管、および温度計を備えた容量 200
mlの反応容器に、上記のアクリルシラップ 100gと、混
合溶液とを仕込み、攪拌・混合した。
【0085】次いで、反応容器内の混合物に、酸化亜鉛
1.8gを攪拌しながら添加し、室温で30分間、攪拌・混
合した後、さらに、70℃で1時間反応させた。酸化亜鉛
と、カルボン酸単量体(アクリル酸およびメタクリル酸
の合計量)と、水とのモル比は、 1.0: 2.1:1.0 であ
った。但し、上記のカルボン酸単量体、即ち、アクリル
酸およびメタクリル酸の合計量には、アクリルシラップ
中に存在するメタクリル酸(単量体A)の量も含まれて
いる。
【0086】これにより、本発明にかかる樹脂組成物を
得た。得られた樹脂組成物は、均一かつ透明であり、室
温に冷却した後、並びに、一週間放置した後において
も、均一かつ透明な状態を維持していた。一週間放置し
た後の樹脂組成物の25℃における粘度は、71ポイズであ
った。
【0087】次に、上記の樹脂組成物を、実施例1の方
法と同様の方法を用いて重合させ、これにより、外観が
透明である樹脂硬化物を得た。得られた樹脂硬化物のバ
ーコル硬さは54、鉛筆硬さは5H、熱変形温度は 117
℃、アイゾット衝撃強さは12.1kgf・cm/cm2、曲げ強さ
は 8.8 kgf/mm2、曲げ弾性率は 360 kgf/mm2であった。
結果を表2にも示した。
【0088】〔実施例8〕攪拌機、冷却管、温度計、お
よびガス導入管を備えた容量 2,000mlの反応容器に、メ
タクリル酸メチル 100部と、n-ドデシルメルカプタン
0.3部とを仕込んだ。上記の混合物を攪拌しながら、窒
素雰囲気下、95℃で9時間重合させた後、室温になるま
で急冷した。これにより、樹脂溶液としてのメタクリル
シラップを得た。つまり、メタクリル酸メチル(単量体
A)、および、メタクリル酸メチルのホモポリマー(重
合体)からなるメタクリルシラップを得た。
【0089】得られたメタクリルシラップは透明であ
り、不揮発分の量は20.9重量%であり、酸価は 0.1 mgK
OH/gであった。また、所定の方法により測定した25℃に
おけるメタクリルシラップの粘度は、 4.5ポイズであっ
た。さらに、GPCにより測定した上記メタクリルシラ
ップ中の重合体の平均分子量は、数平均分子量(Mn)が3
3,000、重量平均分子量(Mw)が 119,000であった。
【0090】続いて、攪拌機、冷却管、および温度計を
備えた容量 200mlの反応容器に、上記のメタクリルシラ
ップ20gと、カルボン酸単量体としての2-メタクリロイ
ルオキシエチルフタル酸(新中村化学工業株式会社製;
商品名 NKエステルCB−1)73.6gと、水 2.3gと
を仕込み、攪拌・混合して該2-メタクリロイルオキシエ
チルフタル酸を溶解させた。
【0091】次いで、反応容器内の混合物に、酸化亜鉛
10.5gを攪拌しながら添加し、内温を70℃に昇温させ、
該温度で 1.5時間反応させた。酸化亜鉛と、2-メタクリ
ロイルオキシエチルフタル酸と、水とのモル比は、 1.
0:2.05:1.0 であった。
【0092】これにより、均一かつ透明な樹脂混合物を
得た。また、該樹脂混合物は、室温に冷却した後におい
ても、均一かつ透明な状態を維持していた。次に、この
樹脂混合物13.3gに、上記のメタクリルシラップ34g
と、メタクリル酸メチル(単量体A)63.6gとを混合す
ることにより、本発明にかかる樹脂組成物を得た。得ら
れた樹脂組成物は、均一かつ透明であり、一週間放置し
た後においても、均一かつ透明な状態を維持していた。
一週間放置した後の樹脂組成物の25℃における粘度は、
9.8ポイズであった。
【0093】次に、上記の樹脂組成物を、実施例1の方
法と同様の方法を用いて重合させ、これにより、外観が
透明である樹脂硬化物を得た。得られた樹脂硬化物のバ
ーコル硬さは48、鉛筆硬さは4H、熱変形温度は99℃、
アイゾット衝撃強さは24.7 kgf・cm/cm2、曲げ強さは
8.0 kgf/mm2、曲げ弾性率は 387 kgf/mm2であった。
【0094】また、樹脂組成物の代わりに上記メタクリ
ルシラップを用い、上記の方法と同様の方法を用いて重
合させ、これにより、外観が透明である硬化物を得た。
つまり、カルボン酸単量体金属塩を生成させないで硬化
物を得た。得られた硬化物のバーコル硬さは38、鉛筆硬
さは3H、熱変形温度は90℃、アイゾット衝撃強さは2
2.0 kgf・cm/cm2、曲げ強さは 8.0 kgf/mm2、曲げ弾性
率は 355 kgf/mm2であった。上記の結果を表2にも示し
た。
【0095】上記の結果から明らかなように、樹脂組成
物を重合させてなる樹脂硬化物は、その樹脂骨格に金属
塩が多量に導入されているので、メタクリルシラップを
重合させてなる硬化物と比較して、バーコル硬さ、鉛筆
硬さ、熱変形温度、アイゾット衝撃強さ、および、曲げ
弾性率に優れていることが判る。つまり、メタクリルシ
ラップ中で酸化亜鉛と、2-メタクリロイルオキシエチル
フタル酸とを反応させることにより、上記の諸性能が向
上された樹脂硬化物を得ることができる樹脂組成物を製
造することができることが判る。
【0096】
【表1】
【0097】
【表2】
【0098】〔比較例1〕攪拌機、冷却管、および温度
計を備えた容量 200mlの反応容器に、スチレン 100g
と、酸化亜鉛 5.5gとを仕込み、室温で30分間、攪拌・
混合した。一方、アクリル酸 5.2g、メタクリル酸 6.2
g、および水 1.7gを混合することにより混合溶液を調
製した。酸化亜鉛と、カルボン酸単量体(アクリル酸お
よびメタクリル酸の合計量)と、水とのモル比は、 1.
0: 2.1:1.4 であった。
【0099】そして、反応容器内の混合物に、上記の混
合溶液を攪拌しながら添加し、70℃で4時間反応させ
た。つまり、樹脂溶液の代わりにスチレンを用い、重合
体を含まない状態で、酸化亜鉛と、アクリル酸およびメ
タクリル酸とをスチレン(単量体A)中で反応させた。
【0100】しかしながら、反応溶液は白濁状態を呈
し、室温に冷却すると多量の沈殿物が生じた。つまり、
均一かつ透明な樹脂組成物を得ることはできなかった。
【0101】〔比較例2〕攪拌機、冷却管、および温度
計を備えた容量 200mlの反応容器に、メタクリル酸メチ
ル 100gと、酸化亜鉛 1.8gとを仕込み、室温で30分
間、攪拌・混合した。一方、アクリル酸 1.7g、メタク
リル酸 0.6g、および水 0.4gを混合することにより混
合溶液を調製した。酸化亜鉛と、カルボン酸単量体(ア
クリル酸およびメタクリル酸の合計量)と、水とのモル
比は、 1.0: 2.1:1.0 であった。
【0102】そして、反応容器内の混合物に、上記の混
合溶液を攪拌しながら添加し、70℃で1時間反応させ
た。つまり、樹脂溶液の代わりにメタクリル酸メチルを
用い、重合体を含まない状態で、酸化亜鉛と、アクリル
酸およびメタクリル酸とをメタクリル酸メチル(単量体
A)中で反応させた。
【0103】これにより、均一かつ透明な樹脂組成物を
得たが、該樹脂組成物は、室温に冷却すると曇りが生じ
て不透明となり、一日放置した後において白濁状態を呈
した。つまり、均一かつ透明で、しかも安定性に優れた
樹脂組成物を得ることはできなかった。
【0104】上記実施例1〜8の結果と、比較例1・2
の結果との比較から明らかなように、本発明において
は、単量体Aおよび重合体を含む樹脂溶液中で、金属
(水)酸化物とカルボン酸単量体とを反応させることに
より、均一かつ透明で、しかも安定性に優れた樹脂組成
物を得ることができることが判る。また、該樹脂組成物
を重合させて得られる樹脂硬化物は、その樹脂骨格に金
属塩が多量に導入されているので、諸物性に優れている
ことが判る。
【0105】〔実施例9〕実施例6と同様の反応および
操作を行うことにより、樹脂組成物を得た。次に、上記
の樹脂組成物を、以下に示す方法を用いて重合させるこ
とによって樹脂硬化物とした。即ち、樹脂組成物 100部
に対し、ラジカル重合開始剤としてのトリゴノックス1
21−LS−50(化薬アクゾ株式会社製)2部、重合
促進剤としてのステアリン酸亜鉛4部、および、充填剤
である炭酸カルシウム 100部を添加し、ホモミキサーで
1時間攪拌・混合することにより、コンパウンドを得
た。上記のトリゴノックス121−LS−50は、t-ア
ミルパーオキシ -2-エチルヘキサノエートの50重量%溶
液である。
【0106】次に、得られたコンパウンド 100部に対
し、1インチチョップのガラス繊維(補強材)25部を混
合することにより、該ガラス繊維にコンパウンドを含浸
させた。その後、該コンパウンドを24時間熟成させるこ
とにより、SMC用の成形材料を作成した。次いで、上
記の成形材料を、縦28cm、横39cm、高さ8cmの箱型の金
型に入れ、上型の温度を 110℃、下型の温度を 100℃と
して、成形圧70kg/cm2(ゲージ圧)で5分間プレス成形
することにより重合させた。これにより、外観が良好で
ある樹脂硬化物を得た。
【0107】得られた樹脂硬化物の諸物性を、上記の方
法により測定した。その結果、該樹脂硬化物の光沢度は
77、熱変形温度は 120℃、アイゾット衝撃強さは67.1 k
gf・cm/cm2、曲げ強さは25℃において25.0 kgf/mm2、 1
40℃において19.7 kgf/mm2、引張強さは10.6 kgf/mm2
引張弾性率は1320 kgf/mm2、引張破壊伸び率は 1.3%で
あった。
【0108】また、樹脂組成物の代わりに、実施例6と
同様の反応および操作を行うことによって得られたアク
リルシラップ(樹脂溶液)を用い、上記の方法と同様の
方法を用いて重合させ、これにより、外観が良好である
樹脂硬化物(以下、説明の便宜上、単に硬化物と称す
る)を得た。つまり、カルボン酸単量体金属塩を生成さ
せないで硬化物を得た。得られた硬化物の光沢度は79、
熱変形温度は91℃、アイゾット衝撃強さは58.0 kgf・cm
/cm2、曲げ強さは25℃において20.4 kgf/mm2、 140℃に
おいて10.9 kgf/mm2、引張強さは 7.5 kgf/mm2、引張弾
性率は 950 kgf/mm2、引張破壊伸び率は 1.7%であっ
た。上記の結果を表3にも示した。
【0109】上記の結果から明らかなように、樹脂組成
物を重合させてなる樹脂硬化物は、その樹脂骨格に金属
塩が多量に導入されているので、アクリルシラップを重
合させてなる硬化物と比較して、熱変形温度、アイゾッ
ト衝撃強さ、曲げ強さ、引張強さ、および、引張弾性率
に優れていることが判る。つまり、樹脂溶液中でカルボ
ン酸単量体金属塩を生成させることにより、上記の諸性
能が向上された樹脂硬化物を得ることができる樹脂組成
物を製造することができることが判る。
【0110】〔実施例10〕実施例8と同様の反応およ
び操作を行うことにより、樹脂組成物を得た。次に、上
記の樹脂組成物を、実施例9の方法と同様の方法を用い
て重合させ、これにより、外観が良好である樹脂硬化物
を得た。
【0111】得られた樹脂硬化物の光沢度は82、熱変形
温度は 105℃、アイゾット衝撃強さは61.7 kgf・cm/c
m2、曲げ強さは25℃において18.8 kgf/mm2、 140℃にお
いて17.3 kgf/mm2、引張強さは11.0 kgf/mm2、引張弾性
率は1010 kgf/mm2、引張破壊伸び率は 1.7%であった。
【0112】また、樹脂組成物の代わりに、実施例8と
同様の反応および操作を行うことによって得られたメタ
クリルシラップ(樹脂溶液)を用い、上記の方法と同様
の方法を用いて重合させ、これにより、外観が良好であ
る硬化物を得た。つまり、カルボン酸単量体金属塩を生
成させないで硬化物を得た。得られた硬化物の光沢度は
77、熱変形温度は90℃、アイゾット衝撃強さは57.8 kgf
・cm/cm2、曲げ強さは25℃において19.0 kgf/mm2、 140
℃において 1.8 kgf/mm2、引張強さは 7.4 kgf/mm2、引
張弾性率は 940 kgf/mm2、引張破壊伸び率は 1.5%であ
った。上記の結果を表3にも示した。
【0113】上記の結果から明らかなように、樹脂組成
物を重合させてなる樹脂硬化物は、その樹脂骨格に金属
塩が多量に導入されているので、メタクリルシラップを
重合させてなる硬化物と比較して、光沢度、熱変形温
度、アイゾット衝撃強さ、曲げ強さ、引張強さ、およ
び、引張弾性率に優れていることが判る。つまり、樹脂
溶液中でカルボン酸単量体金属塩を生成させることによ
り、上記の諸性能が向上された樹脂硬化物を得ることが
できる樹脂組成物を製造することができることが判る。
【0114】
【表3】
【0115】上記実施例9・10の結果から明らかなよ
うに、本発明にかかる樹脂組成物を重合させて得られる
樹脂硬化物は、その樹脂骨格に金属塩が多量に導入され
ているので、諸物性に優れていることが判る。
【0116】
【発明の効果】本発明の請求項1記載の樹脂組成物の製
造方法は、以上のように、ビニル基を含有する単量体、
および重合体を含む溶液中で、金属酸化物および/また
は金属水酸化物と、ビニル基およびカルボキシル基を含
有する単量体とを反応させる方法である。また、本発明
の請求項2記載の樹脂組成物の製造方法は、以上のよう
に、水の存在下で反応させる方法である。さらに、本発
明の請求項3記載の樹脂組成物の製造方法は、以上のよ
うに、ビニル基およびカルボキシル基を含有する単量体
として、アクリル酸およびメタクリル酸を併用する方法
である。
【0117】これにより、反応によって生成する単量体
金属塩の溶液への溶解性が向上されるので、樹脂組成物
を重合させてなる樹脂硬化物の樹脂骨格に、金属塩を従
来よりも多量にかつ簡単に導入することができるという
効果を奏する。
【0118】上記の製造方法によって得られる樹脂組成
物は、安定性に優れ、その粘度を適正に調節することに
より、注型や塗工等の作業での取り扱い性を高めること
ができる。該樹脂組成物は、注型用材料、SMC、BM
C等の成形材料やコーティング材料等として好適であ
る。つまり、従来公知の各種の成形方法や塗工方法、例
えば、注型、RTM、RIM、プレス成形、射出成形、
積層、スプレー塗工等の方法により成形、塗工、重合す
ることにより、注型物、ゲルコート、ガラス繊維強化成
形品、塗料、化粧板、ホットメルト粘着剤、熱可塑性エ
ラストマー等の広範囲の用途に用いることができる。
【0119】また、上記の樹脂組成物を重合させて得ら
れる樹脂硬化物は、透明性等の諸性能に優れると共に、
樹脂骨格に金属塩が多量に導入されているので、該金属
塩に由来する特性である例えば、耐熱性、曲げ強さ等の
機械的強度、硬度(表面硬さ)、放射線遮蔽効果、防汚
性、耐有機溶剤性等の諸性能に優れている。このため、
上記広範囲の用途において、優れた性能を発揮すること
ができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C08L 51/08 LLS C08L 51/08 LLS 57/10 LMH 57/10 LMH // C08G 59/14 NHB C08G 59/14 NHB

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ビニル基を含有する単量体、および重合体
    を含む溶液中で、金属酸化物および/または金属水酸化
    物と、ビニル基およびカルボキシル基を含有する単量体
    とを反応させることを特徴とする樹脂組成物の製造方
    法。
  2. 【請求項2】水の存在下で反応させることを特徴とする
    請求項1記載の樹脂組成物の製造方法。
  3. 【請求項3】ビニル基およびカルボキシル基を含有する
    単量体として、アクリル酸およびメタクリル酸を併用す
    ることを特徴とする請求項1または2記載の樹脂組成物
    の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2021504506A (ja) * 2017-11-21 2021-02-15 アルケマ フランス Smc成形した熱可塑性複合材の用途のための液体組成物
WO2022172446A1 (ja) * 2021-02-15 2022-08-18 パナソニックIpマネジメント株式会社 重合性組成物、成形体及び複合部材

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JP2021504506A (ja) * 2017-11-21 2021-02-15 アルケマ フランス Smc成形した熱可塑性複合材の用途のための液体組成物
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