JPH07324123A - 硬化性の優れたアリル系熱硬化性樹脂組成物 - Google Patents

硬化性の優れたアリル系熱硬化性樹脂組成物

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JPH07324123A
JPH07324123A JP282295A JP282295A JPH07324123A JP H07324123 A JPH07324123 A JP H07324123A JP 282295 A JP282295 A JP 282295A JP 282295 A JP282295 A JP 282295A JP H07324123 A JPH07324123 A JP H07324123A
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meth
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和史 甲斐
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敏 有吉
Hideyuki Kamei
英幸 亀井
Hiroshi Uchida
博 内田
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 比較的温和な条件下の硬化が可能であり、さ
らに靱性の優れた硬化物が得られるアリル系の熱硬化性
樹脂組成物を開発する。 【構成】 末端にアリル基を有するアリルエステルオリ
ゴマーであって、その構成成分中に、10〜80モル%
がイタコン酸から誘導された有機残基を含む脂肪族ジカ
ルボン酸で、残部がイタコン酸以外の不飽和基を含む脂
肪族および/または飽和脂肪族および/または芳香族脂
肪族ジカルボン酸から誘導された有機残基と、ポリオー
ルから誘導された有機残基を含むアリルエステルオリゴ
マーを熱硬化性樹脂組成物として使用することで目的を
達成できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は熱硬化性樹脂に関するも
のであり、さらに詳しくは硬化性が改良され且つ、優れ
た靭性を有する硬化物を与えるアリル系熱硬化性樹脂組
成物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】ジアリルフタレート(以下DAPと略
す)をモノマーに用いたDAP樹脂は、優れた電気的特
性、熱的特性、化学的特性等を有しており、成形材料、
化粧板、積層板等に使用されている。しかし,使用に際
してはモノマーを予備重合して固体のプレポリマーを単
離してから使用する形態を採用しているため、プレポリ
マーを一旦溶融しなければならず、必然的に高温成形を
行わなければならない欠点を有している。また、プレポ
リマーの効率的な生産が重要な問題であり、現状では満
足される製造方法とは言えない。
【0003】モノマーとして対称性の優れたジアリルテ
レフタレートを用いた場合は耐熱性は向上するが二次硬
化物は非常に脆いものであり実用的でない。また、ジア
リルイソフタレートを用いた場合は、耐熱性は優れる
が、モノマー価格が高いため限られた用途にしか使用さ
れていない。また、末端にアリルエステル基を有し、内
部が多価飽和カルボン酸と多価飽和アルコールから誘導
された次の構造をもつアリルエステルオリゴマーも知ら
れている。 CH2 =CHCH2 O(COXCOOYO)n COXC
OOCH2 CH=CH2 ここで、Xは多価飽和カルボン酸から誘導された有機残
基、Yは多価飽和アルコールから誘導された有機残基を
表す。
【0004】この場合は対称性に優れたテレフタル酸を
多価飽和カルボン酸として用いると、非常に優れた物性
を持つ硬化物を与える。しかし、物性を上げるためには
ある程度以上高分子量にする必要があるが、高分子量に
なるほど二重結合濃度が低下して、重合速度が極端に遅
くなるという欠点を持つ。また、いずれの方法において
も、硬化におけるアリル基の硬化速度が遅いため、高温
下での成形法が必要となり、温和な条件下では硬化物に
十分な性能を与えることが困難であった。また、特開平
4−146919号公報には、硬化性の優れたアリル系
オリゴマーとして、アリルエステルオリゴマーの骨格内
に適度にマレイン酸およびフマル酸などの不飽和基を有
する脂肪酸の誘導体からなる有機残基を導入したものが
記載されている。この方法だと、マレイン酸またはフマ
ル酸がアリル基の硬化を促進するため、硬化性が優れ
る。
【0005】また、希釈剤としてスチレンなどの反応性
モノマーを併用することで、さらに硬化を速めることが
できる。しかし、マレイン酸を有するアリル系オリゴマ
ーは、スチレン等の反応性モノマーを併用しても、実質
的には比較的高温の条件でなければ硬化が遅い問題があ
った。また、フマル酸を有するアリル系オリゴマーを硬
化させる場合は、アリル基とフマル酸との共重合性が優
れるため、比較的温和な条件で硬化が可能である。しか
し、アリル系オリゴマーは、通常高温下で合成反応を行
うが、その際にアリル基とフマル酸の間で熱重合を起こ
しやすく、特に高分子量オリゴマーの製造に関しては、
熱重合の制御は困難であった。さらにフマル酸を有する
アリル系オリゴマーの硬化物は、靭性に関しては、十分
に満足されるものではなかった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、アリル系の
熱硬化性樹脂に関して、硬化性が優れ且つ靭性の優れた
硬化物を与えるアリル系熱硬化性樹脂組成物を提供する
ことである。
【0007】
【課題を解決するための手段】熱硬化性樹脂である不飽
和ポリエステルの製造においては、原料の不飽和二塩基
酸に無水マレイン酸およびフマル酸などが使用される。
しかし、靭性を硬化物に与える場合には不飽和二塩基酸
としてイタコン酸が使用されることが知られている。本
発明者らは、このことに注目して、鋭意研究を行った結
果、末端アリル系オリゴマーの骨格内に、イタコン酸を
ある割合の範囲で含有させた場合、その硬化樹脂の靭性
は優れ且つオリゴマーの硬化性についても優れ、比較的
温和な条件でも問題なく硬化できることを見出し、本発
明を成すに到った。
【0008】本発明の請求項1の発明は、下記構造をも
つ末端アリル系オリゴマーであって、 CH2 =CHCH2 O(CORCOOBO)n CORC
OOCH2 CH=CH2 [式中、Rは2価の有機酸から誘導された有機残基、B
はポリオールから誘導された多価の有機残基、nは1〜
20の整数である] 且つ、上記R成分は、イタコン酸から誘導された有機残
基の含有量が10〜80モル%で、残部がイタコン酸以
外の不飽和基を含む脂肪族および/または飽和脂肪族お
よび/または芳香族ジカルボン酸から誘導された有機残
基であることを特徴とするオリゴマーからなる熱硬化性
樹脂である。
【0009】n>20の場合は、オリゴマーの合成時に
反応液の粘度があまりに高くなりすぎて、熱重合を起こ
す危険性が高くなるので好ましくない。合成されたオリ
ゴマー中には、ジアリルエステルモノマーのような低分
子の原料モノマーが残存するが、これらの残存モノマー
を分離することなくそのまま使用することができるの
で、本発明においてはこれらの残存モノマーを含むオリ
ゴマーもオリゴマーとして取り扱う。
【0010】本発明の請求項2の発明は、少なくとも一
種以上の請求項1記載のオリゴマーが30〜80重量%
であり、残部が他の不飽和ポリエステルおよび/または
ビニルエステルおよび/または反応性希釈剤からなる熱
硬化性樹脂組成物である。請求項3は、請求項2記載の
反応性希釈剤の少なくとも一つがジビニルベンゼンで、
且つ、2〜20重量%がジビニルベンゼンからなる請求
項2記載の熱硬化性樹脂組成物である。
【0011】Rを誘導する2価の有機酸の具体例として
は、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、シトラコン
酸、コハク酸、アジピン酸、スベリン酸、テレフタル
酸、イソフタル酸、1,3−または1,4−シクロヘキ
サンジカルボン酸、1,4−または1,5−または2,
7−ナフタリンジカルボン酸、ジフェニル−m,m’−
ジカルボン酸、ジフェニル−p,p’−ジカルボン酸、
ベンゾフェノン−4,4’−ジカルボン酸、p−フェニ
レンジ酢酸、p−カルボキシフェニル酢酸、メチルテレ
フタル酸、テトラクロルフタル酸、無水エンデイック
酸、無水クロレンド酸等がある。
【0012】この成分は、必ずしも一種類の有機酸から
誘導された有機残基である必要はなく、イタコン酸から
誘導された有機残基を10〜80モル%含有し、残部が
飽和脂肪族および/または不飽和脂肪族および/または
芳香族ジカルボン酸から誘導された有機残基であること
が好ましい。R成分中にイタコン酸から誘導された有機
残基を含有すると、末端アリル基の硬化が促進される。
また、硬化後の硬化物は靭性が優れたものになる。一
方、R成分のイタコン酸から誘導された有機残基の含有
量が80モル%を越えると、表面硬度が高くなるが、耐
熱性が低下する傾向にある。また、10%未満では硬化
が遅くなる傾向が見られる。
【0013】Bを誘導するポリオールとしては、エチレ
ングリコール、ジエチレングリコール、ジプロピレング
リコール、1,2−プロピレングリコール、1,4−ブ
タンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,4−ま
たは1,3−シクロヘキサンジオール、1,4−または
1,3−シクロヘキサンジメタノール、1,3−ブタン
ジオール、ネオペンチルグリコール、p−キシレングリ
コール、スチレングリコール、ビスフェノールA・プロ
ピレンオキシド付加物,ビスフェノールA・エチレンオ
キシド付加物等が挙げられる。
【0014】Bを誘導する他のポリオールとしては、グ
リセリン、トリメチロールプロパン等の3価のアルコー
ル、ペンタエリスリトール、ソルビトール等の4価以上
のアルコール等が挙げられる。このB成分は必ずしも一
種類のポリオールから誘導された有機残基である必要は
ないが、3価以上のポリオールは耐熱性を向上させる
が、生成するアリルエステルオリゴマーの粘度を著しく
上げるので、少量にとどめたほうが好ましい。
【0015】また、本発明で用いるオリゴマーの合成方
法は特に限定されるものではないが、例えば、前記特開
平4−146919号公報に記載されたような方法で合
成できる。得られたオリゴマーの分子量としては、GP
C(ゲル・パーミエーション・クロマトグラフィー)法
で測定したポリスチレン換算平均分子量(Mn)で50
0〜30000、重量平均分子量(Mw)で1000〜
100000の範囲であることが望ましい。また、前記
のようにオリゴマーの合成終了後には、ジアリルエステ
ルモノマーのような低分子の原料モノマーがオリゴマー
中に残存するが、分離することなくそのまま使用するこ
とができる。また、本発明のオリゴマーを合成する場
合、不飽和基を含むジカルボン酸構造を与える原料モノ
マーの一つとして、炭素数1〜3程度の低級アルキル基
を有する不飽和二塩基酸を使用することもできるが、こ
の場合,末端が低級アルキル基になったオリゴマーが残
存しても、分離することなくそのまま使用することがで
きる。
【0016】本発明においては、さらに重合性や表面硬
度等の諸物性を改良する目的でオリゴマーに他の不飽和
ポリエステル、ビニルエステルおよび反応性希釈剤の少
なくとも一つを選択して添加することもできる。特に、
反応性希釈剤として使用が可能なジビニルベンゼンは、
イタコン酸との重合性が高く、優れた硬化性を付与す
る。また、硬化樹脂の表面高度を改良することができ
る。ジビニルベンゼンの使用量は、樹脂組成物の2〜2
0重量%、好ましくは2〜10重量%が望ましい。20
重量%を越える使用は、硬化樹脂の機械特性の低下をも
たらす。
【0017】上記不飽和ポリエステルとは通常公知の不
飽和ポリエステルであって、(無水)マレイン酸、フマ
ル酸、イタコン酸等の多塩基性不飽和酸(無水物)、
(無水)フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、テト
ラヒドロ(無水)フタル酸、メチルテトラヒドロ(無
水)フタル酸、エンドメチレンテトラヒドロ(無水)フ
タル酸、アジピン酸、セバシン酸、クロレンド酸、テト
ラブロモ(無水)フタル酸等から選択された少なくとも
一つの有機多塩基酸とエチレングリコール、プロピレン
グリコール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリ
コール、ネオペンチルグリコール、1,3−ブタンジオ
ール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオ
ール、水素化ビスフェノール−A、ビスフェノールA・
プロピレンオキシド付加物、ジブロモネオペンチルグリ
コール、ペンタエリスリットジアリルエーテル、アリル
グリシジルエーテル等から選択された少なくとも一つの
多価アルコールを用いて常法で製造された酸価が5〜1
00程度で、常温で粘稠状のものないし軟化点200℃
以下の固体状のものまでが包含される。
【0018】上記ビニルエステルの例としては、ビスフ
ェノールAのグリシジルエーテル、ノボラック型エポキ
シ樹脂および多塩基酸グリシジルエステル等のエポキシ
樹脂と(メタ)アクリル酸を反応させて得られるもの、
および2−ヒドロキシエチルメタクリレート、2−ヒド
ロキシプロピルメタクリレート、2−ヒドロキシエチル
アクリレート、2−ヒドロキシプロピルアクリレート等
の(メタ)アクリロイル基を有する不飽和アルコールと
無水マレイン酸、無水フタル酸、テトラヒドロ無水フタ
ル酸、メチルテトラヒドロ無水フタル酸、クロレンド
酸、テトラブロモ無水フタル酸等の多塩基酸無水物との
付加物、およびグリシジルメタクリレートと多価フェノ
ール類、ノボラック、芳香族アミン多価カルボン酸また
はその無水物等の水酸基、アミン、カルボン酸等の官能
基を有する化合物と反応させて得られたものが挙げられ
る。
【0019】上記反応性希釈剤としては、例えば不飽和
脂肪酸エステル、芳香族ビニル化合物、不飽和脂肪酸お
よびその誘導体、不飽和二塩基酸およびその誘導体、飽
和脂肪酸または芳香族カルボン酸のビニルまたはアリル
エステルおよびその誘導体が挙げられる。
【0020】不飽和脂肪酸エステルとしては、メチル
(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、
ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メ
タ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレー
ト、メチルシクロヘキシル(メタ)アクリレート、(イ
ソ)ボルニル(メタ)アクリレート等のアルキル(メ
タ)アクリレート、フェニル(メタ)アクリレート、ベ
ンジル(メタ)アクリレート、1−ナフチル(メタ)ア
クリレート、クロロフェニル(メタ)アクリレート、ブ
ロモフェニル(メタ)アクリレート、トリブロモフェニ
ル(メタ)アクリレート、メトキシフェニル(メタ)ア
クリレート、ビフェニル(メタ)アクリレート、ブロモ
ベンジル(メタ)アクリレート等のアクリル酸芳香族エ
ステル、グリシジル(メタ)アクリレート、アルキルア
ミノ(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリル酸エス
テルがある。
【0021】芳香族ビニル化合物としては、スチレン、
ジビニルベンゼン、エチルビニルベンゼンまたはα−メ
チルスチレン、α−エチルスチレン、α−クロロスチレ
ン等のα−置換スチレン、フルオロスチレン、クロロス
チレン、ブロモスチレン、クロロメチルスチレン、メト
キシスチレン等の核置換スチレンがある。不飽和脂肪酸
およびその誘導体としては(メタ)アクリルアミド、N
,N −ジメチル(メタ)アクリルアミド、N ,N −ジ
エチル(メタ)アクリルアミド等の(メタ)アクリルア
ミド類、(メタ)アクリル酸等がある。
【0022】不飽和二塩基酸およびその誘導体として
は、N −メチルマレイミド、N −エチルマレイミド、N
−ブチルマレイミド、N −シクロヘキシルマレイミド、
N −フェニルマレイミド、N −メチルフェニルマレイミ
ド、N −クロロフェニルマレイミド、N −カルボキシフ
ェニルマレイミド等のN −置換マレイミド、マレイン
酸、無水マレイン酸、ジメチルマレート、ジエチルマレ
ート、フマル酸、ジメチルフマレート、ジエチルフマレ
ート、イタコン酸、ジメチルイタコネート、ジエチルイ
タコネート等がある。飽和脂肪酸または芳香族カルボン
酸のビニルまたはアリルエステルおよびその誘導体とし
ては、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、安息香酸ビニ
ル、n −酪酸ビニル、酢酸アリル、プロピオン酸アリ
ル、安息香酸アリル等がある。
【0023】さらに表面硬度を上げるために架橋性多官
能モノマーも使用でき、このようなものとしては、例え
ば、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエ
チレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレ
ングリコールジ(メタ)アクリレート、ジアリルテレフ
タレート、ジアリルイソフタレート、ジアリルカーボネ
ート等の二官能の架橋性モノマー、ジアリルマレート、
ジアリルフマレート、ジアリルイタコネート、トリメチ
ロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリ
スリトールトリ(メタ)アクリレート、トリアリルトリ
メリテート等の三官能の架橋性モノマー、ペンタエリス
リトールテトラ(メタ)アクリレートのような四官能の
架橋性モノマー等が挙げられる。
【0024】不飽和ポリエステル、ビニルエステルおよ
び反応性希釈剤の配合比は、本発明の熱硬化性樹脂組成
物の0〜70重量%、好ましくは20〜50重量%であ
る。不飽和ポリエステル、ビニルエステルおよび反応性
希釈剤の配合比が増加すると、硬化速度の不当な遅延を
起こしたり、硬化物の靭性を低下させたりすることもあ
る。
【0025】本発明の重合性組成物の硬化に用いられる
硬化剤はラジカル重合開始剤であり、例えばメチルエチ
ルケトンパーオキシド、シクロヘキサノンパーオキシ
ド、ベンゾイルパーオキシド、クメンヒドロパーオキシ
ド、ジクミルパーオキシド、ビス(4−t−ブチルシク
ロヘキシル)パーオキシジカーボネート、t−ブチルパ
ーオキシ−2−エチルヘキサノエート、1,1−ビス
(t−ブチルパーオキシ)3,3,5−トリメチルシク
ロヘキサン等が挙げられる。これらは、本発明の重合性
組成物に対して0.1〜5重量部、より好ましくは0.
5〜2重量部用いるのが好ましい。
【0026】本発明の樹脂組成物は、従来の熱硬化性樹
脂組成物と同様に所望に応じて、例えば充填剤、重合禁
止剤、重合促進剤、内部離型剤、カップリング剤、顔
料、難燃剤、その他の添加剤を該組成物の特性を損なわ
ない範囲で配合して用いて、成形加工性あるいは成形品
の物性を改善することができる。本発明の樹脂組成物の
成形方法としては、従来の熱硬化性樹脂と同様な公知の
成形方法がそのまま適用できる。即ち、本発明の該組成
物を金型に注入して硬化させる注型法、金型中で加熱加
圧して硬化させる圧縮成形法、適当な有機溶媒に溶解
し、繊維状シートに含浸させ、乾燥後、必要ならば加圧
条件下に、繊維状シート中で硬化させる積層板成形法、
印刷紙などに含浸させ、乾燥後、基板上で加熱加圧して
硬化させる化粧板成形法などがある。以下に本発明を実
施例により、詳細に説明する。
【0027】
【実施例】以下の実施例で、合成されたアリルエステル
オリゴマーの分析値の測定法を示す。 <ヨウ素価>オリゴマーを0.25〜0.35gの範囲
で精秤し、200mlのヨウ素フラスコに入れ、30m
lのクロロホルムを添加して完全に溶解する。これに、
Wijs試薬(三塩化ヨウ素7.9gおよびヨウ素8.
2gをそれぞれ200ml〜300mlの氷酢酸に溶解
後、両液を混合して1lとする)をホールピペットで正
確に20mlを加え、次いで2.5%酢酸第二水銀氷酢
酸10mlを添加後、20分間暗所に放置して反応を完
結させる。これに、調製した20%KI溶液を5ml添
加し、1%澱粉溶液を指示薬として用い、0.1N−N
2 CO3 標準溶液で滴下する。同時に空試験を行い、
以下の式からヨウ素価を求める。
【0028】 ヨウ素価={(A−B)×f×1.27}/S A:空試験に要した0.1N−Na2 CO3 標準溶液の
ml B:本試験に要した0.1N−Na2 CO3 標準溶液の
ml f:Na2 CO3 標準溶液の規定度 S:試料のg数
【0029】<GPC法によるMnおよびMwの測定>
GPCにより、ポリスチ換算のMn、Mwを測定する。
SHODEXカラムAC−80P、802、804、8
06各1本をこの順序に直列に接続して用い、クロロホ
ルムを溶媒として、温度25℃、流量1.0ml/mi
n で測定する。 先ず、平均分子量のわかっている市販標準ポリスチレ
ンを少なくとも10種類以上用いて、DATPモノマー
と共にそれぞれの保存時間の関係を3次曲線、または折
れ線で近似して検量線を作成した。試料20mgをク
ロロホルム20mlに溶解し、ループインジェクターを
用いて0.5mlをラインフィルターを通してカラムに
注入する。得られた溶出曲線データーを、で作成した
検量線に基づいて、島津CR−3Aのようなデーター処
理機内で自動的に計算し、Mn、Mwを求める。ここで
は、ピークを10秒間隔で分割し、それぞれの分割点の
分子量をMi、ピークの高さをHiとして、次式により
計算した。
【0030】Mn=ΣHi/{Σ(Hi/Mi)} Mw=ΣMiHi/ΣHi
【0031】(実施例1)蒸留装置のついた2lの三つ
口フラスコにジアリルテレフタレートを985g、ジア
リルイタコネートを420g、プロピレングリコールを
380g、ジブチル錫オキサイド0.8gを仕込んで窒
素気流下で180℃に加熱し、生成してくるアルコール
を留去した。留出液が理論量の70重量%に程度になっ
たところで、反応系内を徐々に50mmHgまで減圧に
し、アルコールの留出速度を速めた。留出液が殆ど出な
くなったところで、反応系内を2mmHgにし、さらに
1時間反応させて、反応物を冷却した。表1に得られた
オリゴマーの物性値を示す。
【0032】(実施例2〜6)表1に示したように、芳
香族ジアリルエステルと、ポリオールを変えた以外は、
実施例1とほぼ同様にして合成した。得られたオリゴマ
ーの物性値を表1に合わせて示す。
【0033】(比較例1〜2)不飽和二塩基酸にジアリ
ルマレートおよびジアリルフマレートを用いた以外は実
施例1と同様に合成をして得られたオリゴマーの物性値
を表1に示す。
【0034】
【表1】
【0035】(実施例7〜17および比較例3〜6)実
施例1〜6および比較例1〜2で合成したアリルエステ
ルオリゴマーを、表2に示すような配合比でスチレン、
ジビニルベンゼン、市販の不飽和ポリエステル、ビニル
エステルと混ぜて、注型硬化を行った。開始剤には、パ
ーロイルTCP(日本油脂(株)製)を2phr用い、
硬化温度および時間は、50℃で1時間、80℃で1時
間とした。得られた注型硬化物のバーコル硬度、引張強
さ、シャルピー衝撃値を表2に合わせて示す。また、引
張強さは、JIS K−7113に従い、シャルピー衝
撃値は、JIS K−7111に従い、23℃の温度下
で測定した。
【0036】
【表2】
【0037】表2からわかるように末端アリルオリゴマ
ーの骨格にイタコン酸を含有させたものは、比較例のマ
レイン酸、フマル酸を含有させたものに比べると、引張
り強さ、シャルピー衝撃値が明らかに高く、靭性が優れ
ていることがわかる。また、本実施例のような比較的温
和な条件で硬化させた場合、比較例3の末端アリルオリ
ゴマーの骨格にマレイン酸を含有したものは、バーコル
硬度が低く、硬化が不十分であるのに対して、マレイン
酸をイタコン酸に変えた以外は同等な樹脂組成物の実施
例8は、バーコル硬度が高いことから、アリル系のオリ
ゴマーの硬化性についても改善されていることが言え
る。
【0038】
【発明の効果】末端アリルオリゴマーの骨格にイタコン
酸を含有させると、引張り強さ、シャルピー衝撃値が高
く、靭性が優れた熱硬化性樹脂が得られる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 内田 博 大分県大分市大字中の洲2番地 昭和電工 株式会社大分研究所内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記構造をもつ末端アリル系オリゴマー
    であって、 CH2 =CHCH2 O(CORCOOBO)n CORC
    OOCH2 CH=CH2 [式中、Rは2価の有機酸から誘導された有機残基、B
    はポリオールから誘導された多価の有機残基、nは1〜
    20の整数である] 且つ、上記R成分は、イタコン酸から誘導された有機残
    基の含有量が10〜80モル%で、残部がイタコン酸以
    外の不飽和基を含む脂肪族および/または飽和脂肪族お
    よび/または芳香族ジカルボン酸から誘導された有機残
    基であることを特徴とするオリゴマーからなる熱硬化性
    樹脂。
  2. 【請求項2】 少なくとも一種以上の請求項1記載のオ
    リゴマーが30〜80重量%であり、残部が他の不飽和
    ポリエステルおよび/またはビニルエステルおよび/ま
    たは反応性希釈剤からなる熱硬化性樹脂組成物。
  3. 【請求項3】 請求項2記載の反応性希釈剤の少なくと
    も一つがジビニルベンゼンで、且つ、2〜20重量%が
    ジビニルベンゼンからなる請求項2記載の熱硬化性樹脂
    組成物。
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