JP2794802B2 - 低収縮性不飽和ポリエステル樹脂組成物 - Google Patents

低収縮性不飽和ポリエステル樹脂組成物

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Description

【発明の詳細な説明】 〈産業上の利用分野〉 本発明は、硬化時の収縮性が低く、且つ耐熱性に優れ
た成形品を作製することができる低収縮性不飽和ポリエ
ステル樹脂組成物に関する。
〈従来の技術〉 不飽和ポリエステル樹脂組成物にガラス繊維等の繊維
状補強材、その他の充填剤を含有させた低収縮性不飽和
ポリエステル樹脂成形材料、例えばシートモールディン
グコンパウンド(SMC)及びバルクモールディングコン
パウンド(BMC)としての成形材料(以下「SMC等」と略
記す)は、作業性、成形性及び成形品の物性が優れてい
ることから、バスタブ、浄化槽、水タンクパネルのよう
な住宅関連製品から、最近では自動車部品、電気部品ま
でその利用範囲が広範となっている。
しかしながら、これらSMC等を電気部品、特にヘッド
ランプリフレクターなど耐熱性が要求される自動車部品
に利用するに際しては、以下に述べるような問題点があ
り、改良が必要とされている。
すなわち、不飽和ポリエステル樹脂を低収縮化するた
めに用いられる一般的な熱可塑性樹脂、例えばポリスチ
レン、ポリメタクリル酸メチル、ポリ酢酸ビニル等を不
飽和ポリエステル樹脂組成物に配合すると、作製される
成形品の耐熱性が悪化するのが通常である。従って、近
年自動車部品や電気機器のコンパクト化、高性能化の要
求に対応して絶縁材料や構造材料に使用される合成樹
脂、成形品等の耐熱性の向上が要望されているにもかか
わらず、上記したような熱可塑性樹脂を低収縮剤として
配合した不飽和ポリエステル樹脂組成物ではこの要望を
満足することはほとんど不可能であった。
また、ポリメリックペルオキシドを開始剤として用い
て、ビニル単量体を二段階に重合させることにより得ら
れるブロック共重合体が不飽和ポリエステル樹脂の低収
縮剤として有効であることは知られている。例えば、特
公昭60−3327号公報にはポリ酢酸ビニルとポリスチレン
のブロック共重合体が、特開昭59−152918号公報にはポ
リ(メタ)アクリル酸エステルとポリスチレンのブロッ
ク共重合体が、また特開昭61−293255号公報にはポリ
(フマル酸エステル+酢酸ビニル)とポリスチレンのブ
ロック共重合体が夫々開示され、表面平滑性、着色性、
機械強度、耐水性ならびに表面光沢の優れた成形品を与
えることのできる低収縮性不飽和ポリエステル樹脂組成
物が提案されている。
〈発明が解決しようとする課題〉 しかし、上記したような種々のブロック共重合体を低
収縮剤として配合してなる低収縮性不飽和ポリエステル
樹脂組成物を用いて作製される成形品は、前記した熱可
塑性樹脂を配合する場合と同様に耐熱性において問題が
あった。
一方、耐熱性を向上させるために汎用されている樹脂
にマレイミド化合物の単独重合体及びビニル単量体との
共重合体を配合することが知られている。しかし、これ
らの重合体は不飽和ポリエステル樹脂の硬化時の収縮を
低減させる機能が不足している。また、マレイミド化合
物の単独重合体及びビニル単量体との共重合体はそれ自
身剛直な構造であるために流動加工性が悪く、しかも不
飽和ポリエステル樹脂との相溶性に劣るためにSMC等の
成形材料とした場合には、マレイミド化合物の単独重合
体等の分離が起こり易く、金型の曇りや成形品の表面性
の悪化等が生じる。
上記したように、従来の不飽和ポリエステル樹脂組成
物から得られるSMC等の成形材料において、低収縮性と
耐熱性とを同時に兼ね備えたものは全くなく、不飽和ポ
リエステル樹脂組成物及びそれから得られるSMC等の成
形材料の利用分野を著しく制限するものであった。
従って、硬化時の収縮性が低く、且つ耐熱性が優れた
成形品を与えることができ、多重の分野に利用すること
のできる低収縮性不飽和ポリエステル樹脂組成物が嘱望
されていた。
〈課題を解決するための手段〉 本発明は、上記に鑑み提案されたもので、 (イ)不飽和ポリエステルと、 (ロ)上記不飽和ポリエステル(イ)と共重合が可能な
単量体と、 (ハ)上記不飽和ポリエステル(イ)と単量体(ロ)と
の総量100重量部に対して3〜27重量部のA−B型ブロ
ック共重合体とからなり、 上記したA−B型ブロック共重合体におけるAセグメ
ントは、マレイミド化合物が90重量%以下と、上記マレ
イミド化合物との共重合が可能な単量体が10重量%以上
とからなる単量体混合物を構成単位とし、 上記したA−B型ブロック共重合体におけるBセグメ
ントは、酢酸ビニル単量体が70〜100重量%と、上記酢
酸ビニル単量体との共重合が可能な単量体が30〜0重量
%とからなる単量体若しくは単量体混合物を構成単位と
し、 A−B型ブロック共重合体中のマレイミド化合物の割
合は4.5〜85.5重量%であり、 A−B型ブロック共重合体中のAセグメントの割合は
5〜95重量%であり、Bセグメントの割合は、95〜5重
量%であることを特徴とする低収縮性不飽和ポリエステ
ル樹脂組成物に関するものである。
上記した本発明の低収縮性不飽和ポリエステル樹脂組
成物に用いられる不飽和ポリエステル(イ)としては、
通常の不飽和ポリエステルであり、α,β−不飽和二塩
基酸、飽和二塩基酸及びグリコール類から製造される。
ここで、α,β−不飽和二塩基酸は、例えば無水マレ
イン酸、マレイン酸、フマル酸、メサコン酸、テトラコ
ン酸、イタコン酸あるいはこれらのアルキルエステル類
等である。
また、飽和二塩基酸は、例えば無水フタル酸、オルト
フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、テトラヒドロ
フタル酸、ハロゲン化無水フタル酸、アジピン酸、コハ
ク酸、セバシン酸あるいはこれらのアルキルエステル類
等である。
さらに、グリコール類は、例えばエチレングリコー
ル、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ジ
プロピレングリコール、ブチレングリコール、ネオペン
チルグリコール、ヘキシレングリコール、水素化ビスフ
ェノールA、2,2′−ジ(4−ヒドロキシプロポキシフ
ェニル)プロパン、2,2′−ジ(4−ヒドロキシエトキ
シフェニル)プロパン、エチレンオキシド及びプロピレ
ンオキシド等である。
上記した不飽和ポリエステル(イ)と共重合が可能な
単量体(ロ)としては、例えばスチレン、α−メチルス
チレン、t−ブチルスチレンのようなアルケニル芳香族
単量体、アクリル酸あるいはメタクリル酸のアルキルエ
ステル、酢酸ビニル等が用いられるが、これらの中でも
特にスチレンが好ましい。
上記した不飽和ポリエステル(イ)と、単量体(ロ)
との配合割合は、通常不飽和ポリエステル20〜70重量
部、単量体80〜30重量部である。
また、本発明における低収縮剤である特定のA−B型
ブロック共重合体(ハ)において、Aセグメントは、マ
レイミド化合物及びこれと共重合が可能な単量体とから
なる単量体混合物を構成単位とする。
上記したマレイミド化合物は次の一般式(I)で表す
ことができる。
上記した式中R1、R2はそれぞれ水素原子、ハロゲン原
子あるいはメチル基で、R3は炭素数が1〜18の直鎖ある
いは分岐アルキル基、炭素数が3〜12のシクロアルキル
基、炭素数が6〜18のアリール基あるいは置換アリール
基である。そして、R3が炭素数19以上の直鎖、分岐アル
キル基、アリール基あるいは置換アリール基、炭素数が
13以上のシクロアルキル基である場合には、製造が困難
となるので使用することができない。
上記したマレイミド化合物は、具体的には、N−メチ
ルマレイミド、N−エチルマレイミド、N−n−プロピ
ルマレイミド、N−イソプロピルマレイミド、N−t−
ブチルマレイミド、N−ドデシルマレイミド、N−オク
タデシルマレイミド、N−2−エチルヘキシルマレイミ
ド、N−シクロヘキシルマレイミド、N−フェニルマレ
イミド、N−2−メチルフェニルマレイミド、N−3−
イソプロピルフェニルマレイミド及びN−ベンジルマレ
イミド等からなる群の1種あるいは2種以上より選択さ
れることが好ましいが、その中でもN−シクロヘキシル
マレイミドが最も好ましい。
また、本発明の低収縮性不飽和ポリエステル樹脂組成
物に含まれるA−B型ブロック共重合体中のマレイミド
化合物の割合は、4.5〜85.5重量%の範囲である。マレ
イミド化合物が4.5重量%未満の場合には、このA−B
型ブロック共重合体を配合した不飽和ポリエステル樹脂
組成物から得られる成形品の耐熱性が不十分となる。ま
た、マレイミド化合物が85.5重量%を越える場合には、
作製される成形品の耐衝撃性、機械強度並びに寸法安定
性が著しく低下する。
上記したマレイミド化合物と共重合が可能な単量体と
しては例えば(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸
メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル
酸n−ブチル等の(メタ)アクリル酸エステル類、アク
リロニトリル、メタクリロニトリル等のニトリル類、酢
酸ビニル等のビニルエステル類、スチレン、α−メチル
スチレン等の芳香族ビニル、エチレン、プロピレン等の
α−オレフィン類、塩化ビニル等のハロゲン化ビニル及
びフマル酸あるいはマレイン酸の誘導体からなる群の1
種あるいは2種以上より選択されることが好ましいが、
その中でもスチレンが最も好ましい。
また、Bセグメントは、酢酸ビニル単量体単独若しく
は酢酸ビニル単量体及びこれと共重合が可能な単量体か
らなる単量体混合物を構成単位とする。
上記した酢酸ビニル単量体と共重合が可能な単量体と
しては、例えばフマル酸(ジ)メチル、フマル酸(ジ)
エチル、フマル酸(ジ)イソプロピル、フマル酸(ジ)
n−ブチル、フマル酸(ジ)シクロヘキシル、フマル酸
(ジ)2−エチルヘキシル等のフマル酸(ジ)エステル
類、吉草酸ビニル、カプロン酸ビニル、コハク酸ビニ
ル、ビニルエチルエーテル等からなる群の1種あるいは
2種以上より選択されることが好ましいが、その中でも
フマル酸ジエステル類が最も好ましい。
また、上記した酢酸ビニルと共重合が可能な単量体の
使用量は、Bセグメント中の30重量%以下に制限され
る。30重量%を越える場合は、このA−B型ブロック共
重合体(ハ)の不飽和ポリエステル樹脂中における分散
安定性が不良となり、成形品の表面スカミングや金型曇
りが発生するばかりでなく、作製される成形品の寸法安
定性も悪化する。
これらAセグメントとBセグメントからなる特定のA
−B型ブロック共重合体(ハ)は、Aセグメント5〜95
重量%とBセグメント95〜5重量%により構成される。
Aセグメントの割合が5重量%未満では、このA−B型
ブロック共重合体を配合した不飽和ポリエステル樹脂組
成物から作製される成形品の耐熱性が悪化する。また、
Aセグメントの割合が95重量%を越えると、A−B型ブ
ロック共重合体(ハ)の不飽和ポリエステル樹脂中にお
ける分散安定性が不良となり、成形品の表面スカミング
や金型曇りが発生するばかりでなく、作製される成形品
の寸法安定性も悪化する。
さらに、前記したようにA−B型ブロック共重合体中
のマレイミド化合物の割合が4.5〜85.5重量%で、かつ
A−B型ブロック共重合体中のAセグメントが5〜95重
量%、Bセグメントが95〜5重量%であるから、Aセグ
メント中のマレイミド化合物は90重量%以下であるが、
4.7重量%以上である。
また、A−B型ブロック共重合体(ハ)は、不飽和ポ
リエステル(イ)及びこれと共重合が可能な単量体
(ロ)の総量100重量部に対して3〜27重量部の範囲で
使用することができる。3重量部未満では、このA−B
型ブロック共重合体(ハ)を配合した不飽和ポリエステ
ル樹脂組成物から作製される成形品の寸法安定性が不十
分であり、27重量部を越えると、不飽和ポリエステル樹
脂組成物の粘度が高くなり過ぎ、実用上使用困難とな
る。
さらに、このA−B型ブロック共重合体(ハ)は、製
造時に副生する単独重合体若しくは任意共重合体との混
合物でもよく、少なくともA−B型ブロック共重合体を
必須成分として含むものである。
これらA−B型ブロック共重合体は、前記Aセグメン
トあるいはBセグメントを構成する単量体若しくは単量
体混合物をポリメリックペルオキシド(特開昭53−1499
18号公報記載)を用い、公知の製造プロセス(特公昭60
−3327号公報記載)で塊状重合法、懸濁重合法あるいは
乳化重合法等で重合することによって容易に製造するこ
とができる。この場合、AあるいはBセグメントを構成
する単量体若しくは単量体混合物の第一段重合反応によ
り生じた重合体は、分子内にペルオキシ結合を有するも
のであり、中間体として反応系から取り出して次のブロ
ック共重合体製造の原料にすることもできるし、反応系
から取り出すことなく引き続いてブロック共重合させる
こともできる。
本発明に用いる前記のポリメリックペルオキシドは、
例えば次の構造式(II)(III)(IV)、 等で示されるポリメリックペルオキシドである。
これらポリメリックペルオキシドをA−B型ブロック
共重合体の重合に使用する際の使用量は、前記Aあるい
はBセグメントを構成する単量体若しくは単量体混合物
100重量部に対して0.1〜10重量部の範囲であることが好
ましい。
また、上記した重合の重合温度は、第一段重合反応及
び第二段重合反応いずれも40〜120℃の範囲であること
が好ましいが、第一段重合反応における重合温度は、第
二段重合反応における重合温度より低いことが望まし
い。そして、重合時間は使用する単量体の種類やその使
用量によって異なるが、第一段重合反応及び第二段重合
反応いずれも2〜10時間の範囲であることが好ましい。
また、A−B型ブロック共重合体の製造時に各単量体
の単独重合体若しくは単量体混合物による任意共重合体
が副生することもあるが、本発明中の不飽和ポリエステ
ル樹脂の低収縮剤として使用する際には、特に精製する
必要なくそのまま用いることができる。
前記した製造法にしたがって合成した全重合物におけ
るA−B型ブロック共重合体の割合、すなわちブロック
率は、上記した単独重合体及び任意共重合体のような非
ブロック共重合体を分別抽出により分離した後の抽出残
分の全重合物中に占める重量比より求めることができ
る。
また、抽出残分であるA−B型ブロック共重合体の構
造は、特願昭63−240782号記載の方法にしたがって確認
した。すなわち、ブロック共重合体中のマレイミドは、
赤外分光分析により確認し、その含有割合はケルダール
法による全窒素量の測定により求めた。また、各ビニル
単量体は、赤外分光分析により確認し、その含有割合
は、核磁気共鳴分光分析により求めた。
さらに、抽出残分であるA−Bブロック共重合体中の
AセグメントとBセグメントの含有割合は、Aセグメン
トを構成するマレイミドの含有割合をケルダール法によ
る全窒素量の測定により求め、さらにAセグメントを構
成するマレイミド以外のビニル単量体とBセグメントを
構成する酢酸ビニルを主要成分とするビニル単量体の含
有割合を核磁気共鳴分光分析により求め、Aセグメント
を構成するマレイミドとマレイミド以外のビニル単量体
の重量和とBセグメントを構成する酢酸ビニルを主要成
分とするビニル単量体の重量比によって求めることがで
きる。
また、本発明の低収縮性不飽和ポリエステル樹脂組成
物は、そのままで種々の分野に利用することができる
が、また炭酸カルシウム、水酸化アルミニウム、無水ケ
イ酸粒子、けい石粉、クレー等の充填剤、顔料、染料等
の着色剤、酸化マグネシウム、酸化カルシウム、水酸化
マグネシウム、水酸化カルシウム等の増粘剤、ガラス繊
維、有機質繊維等の強化剤及び各種公知の硬化剤等と組
み合せ、SMC等成形及びプリフォームあるいはマット成
形材料の形で、耐熱性が要求される電気部品、自動車部
品等に使用するようにしてもよい。
〈発明の効果〉 以上説明したように、本発明の低収縮性不飽和ポリエ
ステル樹脂組成物は、極めて多種の分野に利用すること
ができ、従来達成することが不可能であった硬化時の収
縮性が低く、且つ耐熱性の優れた成形品を作製すること
が可能となる。
また、本発明の低収縮性不飽和ポリエステル樹脂組成
物より作製された成形品は、優れた表面平滑性や機械強
度特性をも有し、さらにはその成形工程においても、A
−B型ブロック共重合体の不飽和ポリエステル樹脂組成
物中の分散安定性が良好で、硬化前の成形材料表面のべ
たつき、硬化後の金型曇りが全くないなど、種々の優れ
た効果を奏するものである。
〈実施例〉 以下、参考例、実施例及び比較例により本発明を更に
詳細に説明する。
参考例1 (A−B型ブロック共重合体の製造例1) 温度計、攪拌機及びコンデンサーを備えたガラス製反
応器に1.0重量%のポリビニルアルコール水溶液250重量
部を仕込んだ。次に前記構造式(II)で示されるポリメ
リックペルオキシド2.4重量部を前記水溶液に室温下1
時間分散させた後、酢酸ビニル48重量部を仕込み、反応
器内を窒素で置換しながら、攪拌下65℃で3時間重合さ
せた。その後、室温まで冷却し、反応器にN−シクロヘ
キシルマレイミド15重量部をスチレン37重量部とメチル
エチルケトン5重量部に溶解させた溶液を加え、室温下
1時間含浸操作を行った後、攪拌下75℃で5時間重合を
行った。そして、室温に冷却した後、得られた重合物を
濾別してよく水洗した後、真空乾燥し、白色パール状の
重合物93重量部を得た。
こうして得られた重合物の一部をソックスレー抽出器
により、初めにシクロヘキサンを溶媒として24時間、次
にメタノールを溶媒として24時間抽出した。シクロヘキ
サン抽出による重量減少量をポリスチレン、ポリN−シ
クロヘキシルマレイミド及びスチレンとN−シクロヘキ
シルマレイミドの交互共重合体の混合物の含有量とし、
メタノール抽出による重量減少量をポリ酢酸ビニルの含
有量とし、抽出残分を該A−B型ブロック共重合体の含
有量とした。こうしてブロック率を求めたところ、75重
量%であった。
さらに、前記の方法により該ブロック共重合体中のA
セグメントとBセグメントの含有割合(以下「A/B」と
略記す)を求めたところ、50/50であった。
以上のことより、この抽出残分は、N−シクロヘキシ
ルマレイミドとスチレンの共重合体をAセグメントと
し、ポリ酢酸ビニルをBセグメントとするA−B型ブロ
ック共重合体を主要成分とする重合体であることが分か
った。
参考例2 (A−B型ブロック共重合体の製造例2) 参考例1においてポリメリックペルオキシド2.4重量
部に代えて2.45重量部、酢酸ビニル48重量部に代えて49
重量部、N−シクロヘキシルマレイミド15重量部に代え
て24重量部、スチレン37重量部に代えて27重量部、メチ
ルエチルケトン5重量部に代えて8重量部を用いた以外
は参考例1に準じてA−B型ブロック共重合体を製造
し、白色パール状の重合物92重量部を得た。そして、参
考例1と同様にしてブロック率を求めたところ、76重量
%であり、該A−B型ブロック共重合体中のA/Bは50/50
であった。
参考例3 (A−B型ブロック共重合体の製造例3) 参考例1においてN−シクロヘキシルマレイミド15重
量部に代えて46重量部、スチレン37重量部に代えて6重
量部、メチルエチルケトン5重量部に代えて15重量部を
用いた以外は参考例1に準じてA−B型ブロック共重合
体を製造し、白色パール状の重合物94重量部を得た。そ
して、参考例1と同様にしてブロック率を求めたとこ
ろ、81重量%であり、該A−B型ブロック共重合体中の
A/Bは50/50であった。
参考例4 (A−B型ブロック共重合体の製造例4) 参考例1においてポリメリックペルオキシド2.4重量
部に代えて0.45重量部、酢酸ビニル48重量部に代えて9
重量部、N−シクロヘキシルマレイミド15重量部に代え
て45重量部、スチレン37重量部に代えて46重量部、メチ
ルエチルケトン5重量部に代えて15重量部を用いた以外
は参考例1に準じてA−B型ブロック共重合体を製造
し、白色パール状の重合物91重量部を得た。そして、参
考例1と同様にしてブロック率を求めたところ、79重量
%であり、該A−B型ブロック共重合体中のA/Bは90/10
であった。
参考例5 (A−B型ブロック共重合体の製造例5) 参考例1においてポリメリックペルオキシド2.4重量
部に代えて4.7重量部、酢酸ビニル48重量部に代えて94
重量部、N−シクロヘキシルマレイミド15重量部に代え
て、5.2重量部、スチレン37重量部に代えて0.8重量部、
メチルエチルケトン5重量部に代えて1.7重量部を用い
た以外は参考例1に準じてA−B型ブロック共重合体を
製造し、白色パール状の重合物93重量部を得た。そし
て、参考例1と同様にしてブロック率を求めたところ、
80重量%であり、該A−B型ブロック共重合体中のA/B
は5/95であった。
参考例6 (A−B型ブロック共重合体の製造例6) 参考例1においてポリメリックペルオキシド2.4重量
部に代えて0.25重量部、酢酸ビニル48重量部に代えて5
重量部、N−シクロヘキシルマレイミド15重量部に代え
て85.5重量部、スチレン37重量部に代えて9.5重量部、
メチルエチルケトン5重量部に代えて30重量部を用いた
以外は参考例1に準じてA−B型ブロック共重合体を製
造し、白色パール状の重合物91重量部を得た。そして、
参考例1と同様にしてブロック率を求めたところ、77重
量%であり、該A−B型ブロック共重合体中のA/Bは95/
5であった。
参考例7 (A−B型ブロック共重合体の製造例7) 参考例1においてポリメリックペルオキシド2.4重量
部に代えて2.45重量部、酢酸ビニル48重量部に代えて42
重量部、N−シクロヘキシルマレイミド15重量部に代え
て25重量部、スチレン37重量部に代えて26重量部、メチ
ルエチルケトン5重量部に代えて8重量部を用い、さら
に第一段重合反応に使用する単量体として酢酸ビニル以
外にフマル酸ジイソプロピル7重量部を用い、参考例1
に準じてA−B型ブロック共重合体を製造し、白色パー
ル状の重合物92重量部を得た。そして、参考例1と同様
にしてブロック率を求めたところ、79重量%であり、該
A−B型ブロック共重合体中のA/Bは50/50であった。
参考例8 (A−B型ブロック共重合体の製造例8) 参考例2において、N−シクロヘキシルマレイミドに
代えてN−フェニルマレイミドを用いた以外は参考例2
に準じてA−B型ブロック共重合体に製造し、淡黄色パ
ール状の重合物93重量部を得た。そして、参考例1と同
様にしてブロック率を求めたところ、75重量%であり、
該A−B型ブロック共重合体中のA/Bは50/50であった。
参考例9 (A−B型ブロック共重合体の製造例9) 参考例1においてポリメリックペルオキシド2.4重量
部に代えて0.1重量部、酢酸ビニル48重量部に代えて2
重量部、N−シクロヘキシルマレイミド15重量部に代え
て49重量部、スチレン37重量部に代えて49重量部、メチ
ルエチルケトン5重量部に代えて15重量部を用いた以外
は参考例1に準じてA−B型ブロック共重合体を製造
し、白色パール状の重合物91重量部を得た。そして、参
考例1と同様にしてブロック率を求めたところ、79重量
%であり、該A−B型ブロック共重合体中のA/Bは98/2
であった。
参考例10 (A−B型ブロック共重合体の製造例10) 参考例1においてポリメリックペルオキシド2.4重量
部に代えて4.9重量部、酢酸ビニル48重量部に代えて98
重量部、N−シクロヘキシルマレイミド15重量部に代え
て1重量部、スチレン37重量部に代えて1重量部、メチ
ルエチルケトン5重量部に代えて1重量部を用いた以外
は参考例1に準じてA−B型ブロック共重合体を製造
し、白色パール状の重合物90重量部を得た。そして、参
考例1と同様にしてブロック率を求めたところ、73重量
%であり、該A−B型ブロック共重合体中のA/Bは2/98
であった。
参考例11 (A−B型ブロック共重合体の製造例11) 参考例1においてポリメリックペルオキシド2.4重量
部に代えて2.35重量部、酢酸ビニル48重量部に代えて47
重量部、N−シクロヘキシルマレイミド15重量部に代え
て53重量部、メチルエチルケトン5重量部に代えて18重
量部を用い、スチレンを用いないで参考例1に準じてA
−B型ブロック共重合体を製造し、白色パール状の重合
物94重量部を得た。そして、参考例1と同様にしてブロ
ック率を求めたところ、78重量%であり、該A−B型ブ
ロック共重合体中のA/Bは50/50であった。
参考例12 (A−B型ブロック共重合体の製造例12) 参考例1においてポリメリックペルオキシド2.4重量
部に代えて0.25重量部、酢酸ビニル48重量部に代えて5
重量部、N−シクロヘキシルマレイミド15重量部に代え
て89重量部、スチレン37重量部に代えて6重量部、メチ
ルエチルケトン5重量部に代えて30重量部を用いた以外
は参考例1に準じてA−B型ブロック共重合体を製造
し、白色パール状の重合物93重量部を得た。そして、参
考例1と同様にしてブロック率を求めたところ、80重量
%であり、該A−B型ブロック共重合体中のA/Bは95/5
であった。
参考例13 (不飽和ポリエステル樹脂の製造) フマル酸812重量部、イソフタル酸498重量部、プロピ
レングリコール396重量部及びネオペンチルグリコール5
42重量部を通常の方法でエステル化し、得られた不飽和
ポリエステルをスチレンで希釈してスチレン濃度が全体
の35重量%となるように調製し、不飽和ポリエステル樹
脂を得た。
参考例14 (比較用A−B型ブロック共重合体の製造例) 温度計、攪拌機及びコンデンサーを備えたガラス製反
応器に1.0重量%のポリビニルアルコール水溶液250重量
部を仕込んだ。次に前記構造式(II)で示されるポリメ
リックペルオキシド0.5重量部を前記水溶液に室温下1
時間分散させた後、酢酸ビニル10重量部を仕込み、反応
器内を窒素で置換しながら、攪拌下60℃で3時間重合さ
せた。その後、室温まで冷却し、反応器にスチレン90重
量部を加え、室温下1時間含浸操作を行った後、攪拌下
75℃で6時間重合を行った。そして、室温に冷却した
後、得られた重合物を濾別し、よく水洗した後、真空乾
燥し、白色パール状の重合物93重量部を得た。
こうして得られた重合物の一部をソックスレー抽出器
により、初めにシクロヘキサンを溶媒として24時間、次
にメタノールを溶媒として24時間抽出した。シクロヘキ
サン抽出による重量減少量をポリスチレンの含有量と
し、メタノール抽出により重量減少量をポリ酢酸ビニル
の含有量とし、抽出残分を該A−B型ブロック共重合体
の含有量とした。こうしてブロック率を求めたところ、
77重量%であった。さらに、前記の方法に準じて該A−
B型ブロック共重合体中のA/Bを求めたところ、90/10で
あった。
参考例15 (比較用低収縮剤の調製) (A) ポリスチレン 三菱モンサント化成(株)製のポリスチレン(ダイヤ
レックス)をその濃度が30重量%となるようにスチレン
に溶解し、比較用低収縮剤(A)とした。
(B) ポリ酢酸ビニル ユニオンカーバイド(株)製の酸基含有ポリ酢酸ビニ
ル(LP−40A)をその濃度が30重量%となるようにスチ
レンに溶解し、比較用低収縮剤(B)とした。
(C) スチレン−N−シクロヘキシルマレイミド交互
共重合体 スチレン−N−シクロヘキシルマレイミド交互共重合
体で、その重量比が50/50のものをその濃度が30重量%
となるようにスチレンに溶解し、比較用低収縮剤(C)
とした。
実施例1〜8 参考例1〜8で得られたA−B型ブロック共重合体を
それぞれ濃度が30重量%になるようにスチレンに分散さ
せた分散液とし、これらを参考例13で得られた不飽和ポ
リエステル樹脂と混合し、表1に示す配合条件でSMCを
作製した。
上記のようにして作製したSMCを40℃で24時間熟成
し、その後成形圧力100kg/cm2、成形温度140℃でプレス
により圧縮成形し、平板状の成形物(100mm×150mm×15
mm)を得た。得られたそれぞれの成形物について、次に
示す方法により、成形収縮率、常温時の機械強度(曲げ
強さ、曲げ弾性率)及び加熱時の曲げ強さを測定した。
そして、常温時の曲げ強さと加熱時の曲げ強さから加熱
時の曲げ強さ保持率を求めた。その結果を表2に示し
た。
成形収縮率の測定法 JIS−K 6911(熱硬化性プラスチック一般試験方法)
に基いて直径90mm、厚さ11mmの円板状成形物を別途プレ
スによる圧縮成形で作製し、金型の内径と成形物の寸法
から次式により成形収縮率を求めた。
常温時の機械強度の測定法 JIS−K 6911(前出)に基いて上記平板状成形物から
試験片を切り出し、島津製作所(株)製のオートグラフ
DSS−5000型を使用してこの試験片の常温時の曲げ強さ
及び曲げ弾性率を測定した。
加熱時の曲げ強さの測定法 JIS−K 6911(前出)に基いて上記平板状成形物から
切り出した試験片を150±2℃の雰囲気下60分間保持
し、島津製作所(株)製のオートグラフDSS−5000型を
使用して曲げ強さの測定を行い、加熱時の曲げ強さとし
た。
また、次式により加熱時の曲げ強さ保持率を求めた。
金型曇り 成形後の金型の表面状態を目視により観察し、金型曇
りの程度を「激しい」、「有り」、「無し」の3段階に
より評価した。
実施例9〜16 不飽和ポリエステル樹脂の配合量を50重量部(不飽和
ポリエステル32.5重量部、スチレン17.5重量部)、A−
B型ブロック共重合体のスチレン分散液の配合量を50重
量部(A−B型ブロック共重合体15重量部、スチレン35
重量部)に代えた以外は表1の配合条件に従ってSMCを
作製し、実施例1〜8のところで記載した方法に従って
成形物(試験片)を作製して各種試験を行い、表3に結
果を示した。
実施例17〜18 不飽和ポリエステル樹脂の配合量を90重量部(不飽和
ポリエステル58.5重量部、スチレン31.5重量部)、A−
B型ブロック共重合体のスチレン分散液の配合量を10重
量部(A−B型ブロック共重合体3重量部、スチレン7
重量部)に代えた以外は表1の配合条件に従ってSMCを
作製し、実施例1〜8のところで記載した方法に従って
成形物(試験片)を作製して各種試験を行い、表4に結
果を示した。
実施例19〜20 不飽和ポリエステル樹脂の配合量を30重量部(不飽和
ポリエステル19.5重量部、スチレン10.5重量部)、A−
B型ブロック共重合体のスチレン分散液の配合量を70重
量部(A−B型ブロック共重合体21重量部、スチレン49
重量部)に代えた以外は表1の配合条件に従ってSMCを
作製し、実施例1〜8のところで記載した方法に従って
成形物(試験片)を作製して各種試験を行い、表5に結
果を示した。
比較例1 不飽和ポリエステル樹脂の配合量を94重量部(不飽和
ポリエステル61.1重量部、スチレン32.9重量部)、A−
B型ブロック共重合体のスチレン分散液の配合量を6重
量部(A−B型ブロック共重合体1.8重量部、スチレン
4.2重量部)に代えた以外は表1の配合条件に従ってSMC
を作製し、実施例1〜8のところで記載した方法に従っ
て成形物(試験片)を作製して各種試験を行ったとこ
ろ、表6に結果を示したように成形収縮率が大きく、寸
法安定性が不十分であることがわかった。
比較例2 不飽和ポリエステル樹脂の配合量を20重量部(不飽和
ポリエステル13重量部、スチレン7重量部)、A−B型
ブロック共重合体のスチレン分散液の配合量を80重量部
(A−B型ブロック共重合体24重量部、スチレン56重量
部)に代えた以外は表1の配合条件に従ってSMCを作製
しようとしたが、不飽和ポリエステル樹脂組成物の粘度
が高くなり過ぎ、ガラス繊維を除いた材料の混合物をガ
ラス繊維に含浸させることができず、実質的にSMCを作
製することができなかった。
比較例3 参考例9で得られたA−B型ブロック共重合体のスチ
レン分散液を用いた以外は表1の配合条件に従ってSMC
を作製した。このSMCを40℃で24時間熟成したところ、
A−B型ブロック共重合体のスチレン分散液の表面への
浮き出しが見られた。その後、実施例1〜8のところで
記載した方法に従って成形物(試験片)を作製したとこ
ろ、成形物のスカミングとともに金型曇りが見られた。
さらに、この成形物(試験片)を用いて実施例1〜8の
ところで記載した各種試験を行ったところ、表6に結果
を示したように成形収縮率が大きく、寸法安定性が不十
分であることがわかった。
比較例4 参考例10で得られたA−B型ブロック共重合体のスチ
レン分散液を用いた以外は表1の配合条件に従ってSMC
を作製し、実施例1〜8のところで記載した方法に従っ
て成形物(試験片)を作製して各種試験を行ったとこ
ろ、表6に結果を示したように常温時の機械強度が小さ
い上、加熱時の曲げ強さ保持率が低く、耐熱性が不十分
であることがわかった。
比較例5 参考例11で得られたA−B型ブロック共重合体のスチ
レン分散液を用いた以外は表1の配合条件に従ってSMC
を作製し、実施例1〜8のところで記載した方法に従っ
て成形物(試験片)を作製して各種試験を行ったとこ
ろ、表6に結果を示したように成形収縮率が大きく、常
温時の曲げ強さが不十分であることがわかった。
比較例6 参考例12で得られたA−B型ブロック共重合体のスチ
レン分散液を用いた以外は表1の配合条件に従ってSMC
を作製し、実施例1〜8のところで記載した方法に従っ
て成形物(試験片)を作製して各種試験を行ったとこ
ろ、表6に結果を示したように成形収縮率が大きく、常
温時の曲げ強さが不十分であることがわかった。また、
別途に行ったアイゾット衝撃試験においても著しい耐衝
撃性の低下が見られた。
比較例7 参考例14で得られたA−B型ブロック共重合体のスチ
レン分散液を用いた以外は表1の配合条件に従ってSMC
を作製し、実施例1〜8のところで記載した方法に従っ
て成形物(試験片)を作製して各種試験を行ったとこ
ろ、表6に結果を示したように加熱時の曲げ強さが低
く、耐熱性が不十分であることがわかった。
比較例8 A−B型ブロック共重合体のスチレン分散液に代え
て、参考例15で得られた比較用低収縮剤(A)〜(C)
を用いた以外は表1の配合条件に従ってSMCを作製し
た。このSMCを40℃で24時間熟成したところ、比較用低
収縮剤(A)及び(C)を用いた場合には、表面への浮
き出しが激しく、成形後の成形物表面の悪化及び激しい
金型曇りが発生した。そして、実施例1〜8のところで
記載した方法に従って成形物(試験片)を作製して各種
試験を行ったところ、表7のように比較用低収縮剤
(A)を用いた場合には成形収縮率及び機械強度が、比
較用低収縮剤(B)を用いた場合には機械強度がそれぞ
れA−B型ブロック共重合体を用いた場合と比較して不
十分である上、加熱時の曲げ強さ保持率が共に著しく低
く、耐熱性が不足していることがわかった。また、比較
用低収縮剤(C)を用いた場合には、成形収縮率が著し
く大きく、低収縮剤としては全く不十分であることがわ
かった。
以上のように実施例1〜20の結果(表2〜5)と比較
例1〜10の結果(表6〜7)を比較すると、本発明の低
収縮不飽和ポリエステル樹脂組成物を使用することによ
り、硬化時の収縮性が低く、且つ耐熱性の優れた成形物
が得られることは明らかである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭63−230763(JP,A) 特開 平1−272613(JP,A) 特開 昭64−14225(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C08L 67/06 C08L 53/00 C08F 299/04

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(イ)不飽和ポリエステルと、 (ロ)上記不飽和ポリエステル(イ)と共重合が可能な
    単量体と、 (ハ)上記不飽和ポリエステル(イ)と単量体(ロ)と
    の総量100重量部に対して3〜27重量部のA−B型ブロ
    ック共重合体とからなり、 上記したA−B型ブロック共重合体におけるAセグメン
    トは、マレイミド化合物が90重量%以下と、上記マレイ
    ミド化合物との共重合が可能な単量体が10重量%以上と
    からなる単量体混合物を構成単位とし、 上記したA−B型ブロック共重合体におけるBセグメン
    トは、酢酸ビニル単量体が70〜100重量%と、上記酢酸
    ビニル単量体との共重合が可能な単量体が30〜0重量%
    とからなる単量体若しくは単量体混合物を構成単位と
    し、 A−B型ブロック共重合体中のマレイミド化合物の割合
    は4.5〜85.5重量%であり、 A−B型ブロック共重合体中のAセグメントの割合は5
    〜95重量%であり、Bセグメントの割合は、95〜5重量
    %であることを特徴とする低収縮性不飽和ポリエステル
    樹脂組成物。
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