JPH09176411A - 低収縮性不飽和ポリエステル樹脂組成物 - Google Patents
低収縮性不飽和ポリエステル樹脂組成物Info
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- JPH09176411A JPH09176411A JP34047995A JP34047995A JPH09176411A JP H09176411 A JPH09176411 A JP H09176411A JP 34047995 A JP34047995 A JP 34047995A JP 34047995 A JP34047995 A JP 34047995A JP H09176411 A JPH09176411 A JP H09176411A
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Abstract
(57)【要約】
【解決手段】(a)不飽和ポリエステル、(b)ビニル
単量体、(c)数平均分子量 80,000 以下のポリスチレ
ン、(d)充填材及び(e)硬化触媒を含有する不飽和
ポリエステル樹脂組成物。成分(a)20〜40重量部、成
分(b)30〜70重量部、成分(c)10〜30重量部で、こ
れらの合計が 100重量部である。更に、該樹脂組成物を
ガラス繊維に含浸させた成形材料、また該成形材料を硬
化させた成形物。 【効果】該樹脂組成物は、ポリスチレンの分離がなく、
成形作業性に優れ、寸法精度が高く、表面性や外観が良
好な成形品を得ることができる。
単量体、(c)数平均分子量 80,000 以下のポリスチレ
ン、(d)充填材及び(e)硬化触媒を含有する不飽和
ポリエステル樹脂組成物。成分(a)20〜40重量部、成
分(b)30〜70重量部、成分(c)10〜30重量部で、こ
れらの合計が 100重量部である。更に、該樹脂組成物を
ガラス繊維に含浸させた成形材料、また該成形材料を硬
化させた成形物。 【効果】該樹脂組成物は、ポリスチレンの分離がなく、
成形作業性に優れ、寸法精度が高く、表面性や外観が良
好な成形品を得ることができる。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、浴槽、浴室関連部
品、浄化槽等水回り関係の住宅設備部材、機械部品、自
動車部品等に有用な、高強度で、表面平滑性に優れ、硬
化収縮が少なく、成形品表面に色ムラや色分離が発生し
にくく、また樹脂成分の分離による粘着性がなく成形作
業性が良好な不飽和ポリエステル樹脂組成物、更には該
組成物をガラス繊維に含浸させた成形材料及びその成形
物に関するものである。
品、浄化槽等水回り関係の住宅設備部材、機械部品、自
動車部品等に有用な、高強度で、表面平滑性に優れ、硬
化収縮が少なく、成形品表面に色ムラや色分離が発生し
にくく、また樹脂成分の分離による粘着性がなく成形作
業性が良好な不飽和ポリエステル樹脂組成物、更には該
組成物をガラス繊維に含浸させた成形材料及びその成形
物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】不飽和ポリエステルをベースとするシー
トモールディングコンパウンド(以下SMCと略す
る。)のような繊維強化成形用組成物は、高温高圧で成
形するので、生産効率がよく、成形品の品質のばらつき
も少なく有用な材料である。ところが、一般的に不飽和
ポリエステル樹脂成形材料は、硬化時に体積収縮が発生
するので、このままでは寸法精度が要求される機械部品
には使用できない。そこで、各種の熱可塑性樹脂を不飽
和ポリエステル中に分散させで、不飽和ポリエステルの
硬化時に発生する高温度で該熱可塑性樹脂を体積膨張さ
せ、不飽和ポリエステルの硬化収縮分と相殺して、見か
け上、収縮していない状態を実現させている。このよう
な用途に使用される熱可塑性樹脂としては、ポリスチレ
ンが価格も安く最も広範に使用されている。
トモールディングコンパウンド(以下SMCと略す
る。)のような繊維強化成形用組成物は、高温高圧で成
形するので、生産効率がよく、成形品の品質のばらつき
も少なく有用な材料である。ところが、一般的に不飽和
ポリエステル樹脂成形材料は、硬化時に体積収縮が発生
するので、このままでは寸法精度が要求される機械部品
には使用できない。そこで、各種の熱可塑性樹脂を不飽
和ポリエステル中に分散させで、不飽和ポリエステルの
硬化時に発生する高温度で該熱可塑性樹脂を体積膨張さ
せ、不飽和ポリエステルの硬化収縮分と相殺して、見か
け上、収縮していない状態を実現させている。このよう
な用途に使用される熱可塑性樹脂としては、ポリスチレ
ンが価格も安く最も広範に使用されている。
【0003】しかしながら、ポリスチレンは不飽和ポリ
エステルと混合したとき分散安定性が良くなく、短時間
のうちに分離が発生し、成形材料の粘着性の原因にな
り、また、ポリスチレンが分離することにより、成形作
業性が悪化し、更に成形品表面の曇の発生、色むらの発
生の原因となる。したがって、ポリスチレンはある量以
上加えることができず、そのため不飽和ポリエステルの
収縮率を広範囲で、特に収縮率が小さい側で調整するこ
とが困難である。
エステルと混合したとき分散安定性が良くなく、短時間
のうちに分離が発生し、成形材料の粘着性の原因にな
り、また、ポリスチレンが分離することにより、成形作
業性が悪化し、更に成形品表面の曇の発生、色むらの発
生の原因となる。したがって、ポリスチレンはある量以
上加えることができず、そのため不飽和ポリエステルの
収縮率を広範囲で、特に収縮率が小さい側で調整するこ
とが困難である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、ポリスチレ
ンの分離がなく、したがって、成形作業性に優れ、寸法
精度が高く、表面性や外観が良好な成形品を得ることが
できる不飽和ポリエステル樹脂組成物、及び成形材料と
その成形品を提供するものである。
ンの分離がなく、したがって、成形作業性に優れ、寸法
精度が高く、表面性や外観が良好な成形品を得ることが
できる不飽和ポリエステル樹脂組成物、及び成形材料と
その成形品を提供するものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、従来技術
に見られる欠陥がポリスチレン性状に由来すると考え、
ポリスチレンの数平均分子量と不飽和ポリエステルとの
相溶性、繊維強化ポリエステル樹脂としての収縮率、成
形品外観との相関を検討し、ポリスチレンの数平均分子
量を 80,000 以下にすることが有効であるという事実を
見出し、本発明に至った。すなわち、本発明は、(a)
不飽和ポリエステル、(b)ビニル単量体、(c)数平
均分子量が 80,000 以下のポリスチレン、(d)充填
材、及び(e)硬化触媒を含有する不飽和ポリエステル
樹脂組成物であり、また、成分(a)20〜40重量部、成
分(b)30〜70重量部、成分(c)10〜30重量部で、こ
れらの合計が100重量部になるように配合した不飽和ポ
リエステル樹脂組成物であり、更には該樹脂組成物をガ
ラス繊維に含浸させた成形材料、該成形材料を硬化させ
た成形物である。
に見られる欠陥がポリスチレン性状に由来すると考え、
ポリスチレンの数平均分子量と不飽和ポリエステルとの
相溶性、繊維強化ポリエステル樹脂としての収縮率、成
形品外観との相関を検討し、ポリスチレンの数平均分子
量を 80,000 以下にすることが有効であるという事実を
見出し、本発明に至った。すなわち、本発明は、(a)
不飽和ポリエステル、(b)ビニル単量体、(c)数平
均分子量が 80,000 以下のポリスチレン、(d)充填
材、及び(e)硬化触媒を含有する不飽和ポリエステル
樹脂組成物であり、また、成分(a)20〜40重量部、成
分(b)30〜70重量部、成分(c)10〜30重量部で、こ
れらの合計が100重量部になるように配合した不飽和ポ
リエステル樹脂組成物であり、更には該樹脂組成物をガ
ラス繊維に含浸させた成形材料、該成形材料を硬化させ
た成形物である。
【0006】
【発明の実施の形態】本発明の不飽和ポリエステル樹脂
組成物に一般に用いられる不飽和ポリエステル樹脂は、
α、β不飽和二塩基酸単独又は飽和二塩基酸との混合物
を酸成分とし、グリコールと脱水縮合により高分子化し
不飽和ポリエステルとし、重合禁止剤を添加し、分子中
に少なくとも一つの不飽和結合を有する反応性希釈剤に
溶解して得られる。このようなα、β不飽和二塩基酸と
しては、無水マレイン酸が最も好ましい。飽和二塩基酸
としては、無水フタル酸、テトラヒドロ無水フタル酸、
ヘキサヒドロ無水フタル酸、無水コハク酸、無水トリメ
リット酸、ピロメリット酸、イソフタル酸、テレフタル
酸、アジピン酸等が挙げられる。一方、グリコール類と
しては、エチレングリコール、ジエチレングリコール、
プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、1,2-
ブタンジオール、1,3-ブタンジオール、1,4-ブタンジオ
ール、2,3-ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、
ビスフェノールAのエチレンオキシド付加物、ビスフェ
ノールAのプロピレンオキシド付加物、水素化ビスフェ
ノールA、1,6-ヘキサンジオール等が挙げられる。
組成物に一般に用いられる不飽和ポリエステル樹脂は、
α、β不飽和二塩基酸単独又は飽和二塩基酸との混合物
を酸成分とし、グリコールと脱水縮合により高分子化し
不飽和ポリエステルとし、重合禁止剤を添加し、分子中
に少なくとも一つの不飽和結合を有する反応性希釈剤に
溶解して得られる。このようなα、β不飽和二塩基酸と
しては、無水マレイン酸が最も好ましい。飽和二塩基酸
としては、無水フタル酸、テトラヒドロ無水フタル酸、
ヘキサヒドロ無水フタル酸、無水コハク酸、無水トリメ
リット酸、ピロメリット酸、イソフタル酸、テレフタル
酸、アジピン酸等が挙げられる。一方、グリコール類と
しては、エチレングリコール、ジエチレングリコール、
プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、1,2-
ブタンジオール、1,3-ブタンジオール、1,4-ブタンジオ
ール、2,3-ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、
ビスフェノールAのエチレンオキシド付加物、ビスフェ
ノールAのプロピレンオキシド付加物、水素化ビスフェ
ノールA、1,6-ヘキサンジオール等が挙げられる。
【0007】ビニル単量体(b)としては、スチレンが
一般的であるが、その外にα−メチルスチレン、メチル
アクリレート、メチルメタアクリレート、α−エチルス
チレン、エチルアクリレート、エチルメタアクリレー
ト、エチレングリコールジアクリレート、トリメチロー
ルプロパントリアクリレート、エチレングリコールジメ
タアクリレート、トリメチロールプロパントリメタアク
リレート等のアクリル酸、メタアクリル酸誘導体を併用
しても差し支えない。不飽和ポリエステルの酸成分とグ
リコール成分の比率は、モル比で1:(1.0 〜1.3)で反
応を行なうのが通例で、酸成分中の不飽和二塩基酸と飽
和二塩基酸の比率は、通常モル比で (0.6 〜1.0):(0.4
〜0) の間で目的により調整する。不飽和ポリエステル
とスチレン等の不飽和単量体との混合比は、重量比で
(50:50) 〜(80 :20) の間で選択される場合が多い。
一般的であるが、その外にα−メチルスチレン、メチル
アクリレート、メチルメタアクリレート、α−エチルス
チレン、エチルアクリレート、エチルメタアクリレー
ト、エチレングリコールジアクリレート、トリメチロー
ルプロパントリアクリレート、エチレングリコールジメ
タアクリレート、トリメチロールプロパントリメタアク
リレート等のアクリル酸、メタアクリル酸誘導体を併用
しても差し支えない。不飽和ポリエステルの酸成分とグ
リコール成分の比率は、モル比で1:(1.0 〜1.3)で反
応を行なうのが通例で、酸成分中の不飽和二塩基酸と飽
和二塩基酸の比率は、通常モル比で (0.6 〜1.0):(0.4
〜0) の間で目的により調整する。不飽和ポリエステル
とスチレン等の不飽和単量体との混合比は、重量比で
(50:50) 〜(80 :20) の間で選択される場合が多い。
【0008】本発明で使用するポリスチレン(c)は、
低収縮化剤として不飽和ポリエステル樹脂の硬化収縮を
相殺し、収縮率の調整、及び成形品の表面平滑性等外観
の改善の目的のために使用される。従来は、市販されて
いる射出成形用のポリスチレンをスチレンに溶解して使
用していたが、射出成形用のポリスチレンは、数平均分
子量が 100,000〜200,000 であり本発明の用途には適合
しない。したがって、本発明に使用する数平均分子量 8
0,000 以下のポリスチレンは、特別に製造する必要があ
る。製造に関しては、射出成形用のポリスチレンの製造
技術がそのまま利用できる。ポリスチレンの数平均分子
量が 80,000 を越えると、不飽和ポリエステル樹脂から
の分離が起きるので好ましくない。ポリスチレンは 20
〜40重量部のポリエステル、30〜70重量部のビニル単量
体に対して2〜30重量部となるように添加する。この量
が 10 重量部未満では、低収縮効果が十分に発揮され
ず、また、30重量部を越えると、成形品の外観不良等が
起きるので好ましくない。
低収縮化剤として不飽和ポリエステル樹脂の硬化収縮を
相殺し、収縮率の調整、及び成形品の表面平滑性等外観
の改善の目的のために使用される。従来は、市販されて
いる射出成形用のポリスチレンをスチレンに溶解して使
用していたが、射出成形用のポリスチレンは、数平均分
子量が 100,000〜200,000 であり本発明の用途には適合
しない。したがって、本発明に使用する数平均分子量 8
0,000 以下のポリスチレンは、特別に製造する必要があ
る。製造に関しては、射出成形用のポリスチレンの製造
技術がそのまま利用できる。ポリスチレンの数平均分子
量が 80,000 を越えると、不飽和ポリエステル樹脂から
の分離が起きるので好ましくない。ポリスチレンは 20
〜40重量部のポリエステル、30〜70重量部のビニル単量
体に対して2〜30重量部となるように添加する。この量
が 10 重量部未満では、低収縮効果が十分に発揮され
ず、また、30重量部を越えると、成形品の外観不良等が
起きるので好ましくない。
【0009】本発明に使用される充填材(d)として
は、平均粒径 30 μm 以下の粒子状の無機物が使用でき
る。このような充填材としては、SMC分野では公知で
ある、炭酸カルシウム、水酸化アルミニウム、クレー、
硫酸バリウム、ガラスビーズ、ガラスマイクロバルー
ン、ケイ酸アルミニウム等が挙げられる。充填材の添加
量は、不飽和ポリエステル、ビニル単量体、及び数平均
分子量 80,000 以下のポリスチレンの混合部数を 100重
量部とした場合に、80〜170 重量部が望ましい。
は、平均粒径 30 μm 以下の粒子状の無機物が使用でき
る。このような充填材としては、SMC分野では公知で
ある、炭酸カルシウム、水酸化アルミニウム、クレー、
硫酸バリウム、ガラスビーズ、ガラスマイクロバルー
ン、ケイ酸アルミニウム等が挙げられる。充填材の添加
量は、不飽和ポリエステル、ビニル単量体、及び数平均
分子量 80,000 以下のポリスチレンの混合部数を 100重
量部とした場合に、80〜170 重量部が望ましい。
【0010】添加量が 80重量部未満では、SMC成形
品中のガラス繊維の流動時の分散が均一になりにくいの
で強度むらが発生しやすく、また、170重量部を越える
と、樹脂コンパウンドの粘度が高くなりガラス繊維への
樹脂含浸が悪くなり、繊維強化樹脂としての強度の発現
がされない等の問題点が出てくる。また、充填材の平均
粒径が 30μm 以上であると、成形品の表面平滑性が悪
化し、金型の表面状態を転写して、成形品の表面外観を
美麗に仕上げるという、SMC本来の機能の一つが発揮
できないという悪影響を受ける。
品中のガラス繊維の流動時の分散が均一になりにくいの
で強度むらが発生しやすく、また、170重量部を越える
と、樹脂コンパウンドの粘度が高くなりガラス繊維への
樹脂含浸が悪くなり、繊維強化樹脂としての強度の発現
がされない等の問題点が出てくる。また、充填材の平均
粒径が 30μm 以上であると、成形品の表面平滑性が悪
化し、金型の表面状態を転写して、成形品の表面外観を
美麗に仕上げるという、SMC本来の機能の一つが発揮
できないという悪影響を受ける。
【0011】本発明に使用されるガラス繊維は、不飽和
ポリエステル樹脂組成物を強化させるための必須成分で
あり、この技術分野において公知であるガラス繊維、炭
素繊維、金属繊維等の無機質系繊維、及びビニロン繊
維、ポリエステル繊維、アラミド繊維等の有機質系繊維
が使用可能であり、また、これらの二種類以上を組み合
せて使用してもよい。これら強化用繊維の配合量は、成
形品の物理的性質と外観の良好性を両立させるために 1
0 〜50重量%の範囲内であることが好ましい。
ポリエステル樹脂組成物を強化させるための必須成分で
あり、この技術分野において公知であるガラス繊維、炭
素繊維、金属繊維等の無機質系繊維、及びビニロン繊
維、ポリエステル繊維、アラミド繊維等の有機質系繊維
が使用可能であり、また、これらの二種類以上を組み合
せて使用してもよい。これら強化用繊維の配合量は、成
形品の物理的性質と外観の良好性を両立させるために 1
0 〜50重量%の範囲内であることが好ましい。
【0012】本発明の不飽和ポリエステル樹脂の硬化条
件を調節するために、硬化触媒(e)、重合禁止剤を使
用する。SMCの場合、140 〜150 ℃の温度で2〜5分
で成形するので、SMC用の硬化触媒としては 10 時間
半減期を得るための分解温度が 90 〜110 ℃のものを通
常使用する。このような硬化触媒としては、1,1-ビス
(t−ブチルパーオキシ)3,3,5-トリメチルシクロヘキ
サノエート、t−ブチルパーオキシラウレート、t−ブ
チルパーオキシ3,3,5-トリメチルヘキサノエート、2,5-
ジメチル-2,5- ジ(ベンゾイルパーオキシ)ヘキサン、
t−ブチルパーオキシアセテート、t−ブチルパーオキ
シベンゾエート等がある。
件を調節するために、硬化触媒(e)、重合禁止剤を使
用する。SMCの場合、140 〜150 ℃の温度で2〜5分
で成形するので、SMC用の硬化触媒としては 10 時間
半減期を得るための分解温度が 90 〜110 ℃のものを通
常使用する。このような硬化触媒としては、1,1-ビス
(t−ブチルパーオキシ)3,3,5-トリメチルシクロヘキ
サノエート、t−ブチルパーオキシラウレート、t−ブ
チルパーオキシ3,3,5-トリメチルヘキサノエート、2,5-
ジメチル-2,5- ジ(ベンゾイルパーオキシ)ヘキサン、
t−ブチルパーオキシアセテート、t−ブチルパーオキ
シベンゾエート等がある。
【0013】SMCが金型流動中は硬化しないように硬
化特性を調整する目的で、重合禁止剤を使用する。この
ような重合禁止剤としては、p−ベンゾキノン、ナフト
キノン、p−トルキノン、p−キシロキノン、2,5-ジフ
ェニル−p−ベンゾキノン等のキノン類、ヒドロキノ
ン、p−t−ブチルカテコール、2,5−ジ−t−ブチ
ルヒドロキノン、モノ−t−ブチルヒドロキノン等のヒ
ドロキノン類、が一般的である。また、本発明の不飽和
ポリエステル樹脂組成物及びSMCにおいて、上記成分
の外に、着色剤、増粘剤、その他有機系、無機系の添加
剤が必要に応じて配合され得る。
化特性を調整する目的で、重合禁止剤を使用する。この
ような重合禁止剤としては、p−ベンゾキノン、ナフト
キノン、p−トルキノン、p−キシロキノン、2,5-ジフ
ェニル−p−ベンゾキノン等のキノン類、ヒドロキノ
ン、p−t−ブチルカテコール、2,5−ジ−t−ブチ
ルヒドロキノン、モノ−t−ブチルヒドロキノン等のヒ
ドロキノン類、が一般的である。また、本発明の不飽和
ポリエステル樹脂組成物及びSMCにおいて、上記成分
の外に、着色剤、増粘剤、その他有機系、無機系の添加
剤が必要に応じて配合され得る。
【0014】
【実施例】以下、合成例、実施例及び比較例により本発
明を詳細に説明する。以下において、「部」と「%」は
重量基準である。 合成例 ガラス製四つ口フラスコ(撹拌機、温度計、外部ヒータ
ー、冷却管、凝縮器及び窒素導入管付き)に、無水マレ
イン酸 98 部、ビスフェノールAのプロピレンオキシド
2付加物 69 部、ネオペンチルグリコール 42部、及び
プロピレングリコール 37部を仕込み、160〜180℃にて
6時間エステル化反応を行ない、酸価25 mg-KOH/gの不
飽和ポリエステルを得た。反応終了後、まだ熱いうち
に、このエステル中にヒドロキノン 150 ppmを投入溶解
し、スチレンを加えてスチレン量40%の不飽和ポリエス
テル樹脂(A)を得た。
明を詳細に説明する。以下において、「部」と「%」は
重量基準である。 合成例 ガラス製四つ口フラスコ(撹拌機、温度計、外部ヒータ
ー、冷却管、凝縮器及び窒素導入管付き)に、無水マレ
イン酸 98 部、ビスフェノールAのプロピレンオキシド
2付加物 69 部、ネオペンチルグリコール 42部、及び
プロピレングリコール 37部を仕込み、160〜180℃にて
6時間エステル化反応を行ない、酸価25 mg-KOH/gの不
飽和ポリエステルを得た。反応終了後、まだ熱いうち
に、このエステル中にヒドロキノン 150 ppmを投入溶解
し、スチレンを加えてスチレン量40%の不飽和ポリエス
テル樹脂(A)を得た。
【0015】実施例1 不飽和ポリエステル樹脂(A)22.1部、ポリスチレン
(数平均分子量 60,000)の35%スチレン溶液 9.5部、
高温硬化触媒のt−ブチルパーオキシベンエート0.1
部、低温硬化触媒のt−ブチルパーオキシ(2-エチルヘ
キサノエート) 0.1部、及び重合禁止剤のパラベンゾキ
ノン 0.1部を混合撹拌し樹脂液とし、次いで、無機質充
填剤の炭酸カルシウム(NS#200 :商品名、日東粉化
工業社製)41.1部、及び離型剤のステアリン酸亜鉛 1.6
部を樹脂液を撹拌しながら、順次加えて樹脂ペーストと
した。次いで、増粘剤の酸化マグネシウム(MgO#2
0:商品名、協和化学社製)0.3部を加えて均一混合し、
直ちにSMC製造機に供給し、1インチ 長さのガラス繊維
25部を含有するSMCを製造した。このSMCをフィル
ム( 25μm 厚さ、ポリエチレンテレフタレート製)で
包装し、45℃の温度で 24時間熟成した。このSMCの
フィルム剥離時の剥離抵抗(g/100mm幅フィルム)を測
定し、また、このSMCのポリスチレンの分離、及びそ
の表面のべたつき状態を目視観察し、評価した。また、
このSMCを上型 145℃、下型 140℃及び成形圧力 70
Kg/cm2 で成形し、厚さ3 mm の成形板を得た。この板
の表面状態を目視観察し、評価した。更に、この樹脂ペ
ーストの一部を別にサンプリングして 45℃雰囲気に放
置して、経時的に粘度を測定した。これらの結果を表1
に示す。
(数平均分子量 60,000)の35%スチレン溶液 9.5部、
高温硬化触媒のt−ブチルパーオキシベンエート0.1
部、低温硬化触媒のt−ブチルパーオキシ(2-エチルヘ
キサノエート) 0.1部、及び重合禁止剤のパラベンゾキ
ノン 0.1部を混合撹拌し樹脂液とし、次いで、無機質充
填剤の炭酸カルシウム(NS#200 :商品名、日東粉化
工業社製)41.1部、及び離型剤のステアリン酸亜鉛 1.6
部を樹脂液を撹拌しながら、順次加えて樹脂ペーストと
した。次いで、増粘剤の酸化マグネシウム(MgO#2
0:商品名、協和化学社製)0.3部を加えて均一混合し、
直ちにSMC製造機に供給し、1インチ 長さのガラス繊維
25部を含有するSMCを製造した。このSMCをフィル
ム( 25μm 厚さ、ポリエチレンテレフタレート製)で
包装し、45℃の温度で 24時間熟成した。このSMCの
フィルム剥離時の剥離抵抗(g/100mm幅フィルム)を測
定し、また、このSMCのポリスチレンの分離、及びそ
の表面のべたつき状態を目視観察し、評価した。また、
このSMCを上型 145℃、下型 140℃及び成形圧力 70
Kg/cm2 で成形し、厚さ3 mm の成形板を得た。この板
の表面状態を目視観察し、評価した。更に、この樹脂ペ
ーストの一部を別にサンプリングして 45℃雰囲気に放
置して、経時的に粘度を測定した。これらの結果を表1
に示す。
【0016】比較例1 実施例1において、ポリスチレン(数平均分子量 60,00
0 )に代えてポリスチレン(数平均分子量 140,000)を
用いる以外は、全く同様にしてSMCを製造し、評価し
た。それらの結果を表1に示す。
0 )に代えてポリスチレン(数平均分子量 140,000)を
用いる以外は、全く同様にしてSMCを製造し、評価し
た。それらの結果を表1に示す。
【0017】比較例2 実施例1において、不飽和ポリエステル樹脂(A)の量
を 31 部、及びポリスチレン(数平均分子量 60,000 )
の35%スチレン溶液の量を 0.6部に変える以外は、全く
同様にしてSMCを製造し、評価した。それらの結果を
表1に示す。
を 31 部、及びポリスチレン(数平均分子量 60,000 )
の35%スチレン溶液の量を 0.6部に変える以外は、全く
同様にしてSMCを製造し、評価した。それらの結果を
表1に示す。
【0018】比較例3 実施例1において、不飽和ポリエステル樹脂(A)の量
を 21.6部、及びポリスチレン(数平均分子量 60,000
)の35%スチレン溶液の量を 10.1部に変える以外は、
全く同様にしてSMCを製造し、評価した。それらの結
果を表1に示す。
を 21.6部、及びポリスチレン(数平均分子量 60,000
)の35%スチレン溶液の量を 10.1部に変える以外は、
全く同様にしてSMCを製造し、評価した。それらの結
果を表1に示す。
【0019】
【表1】
【0020】
【発明の効果】本発明によれば、ポリスチレンの分離が
なく、成形作業性に優れ、寸法精度が高く、表面性や外
観が良好な成形品を得ることができる不飽和ポリエステ
ル樹脂組成物、及びその成形材料とその成形品を得るこ
とができる。
なく、成形作業性に優れ、寸法精度が高く、表面性や外
観が良好な成形品を得ることができる不飽和ポリエステ
ル樹脂組成物、及びその成形材料とその成形品を得るこ
とができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 小田 敬一 千葉県茂原市東郷1900番地 三井東圧化学 株式会社内
Claims (4)
- 【請求項1】 (a)不飽和ポリエステル、(b)ビニ
ル単量体、(c)数平均分子量が 80,000 以下のポリス
チレン、(d)充填材、及び(e)硬化触媒を含有する
不飽和ポリエステル樹脂組成物。 - 【請求項2】 成分(a)20〜40重量部、成分(b)30
〜70重量部、成分(c)10〜30重量部で、これらの合計
が 100重量部になるように配合した請求項1に記載の不
飽和ポリエステル樹脂組成物。 - 【請求項3】 請求項1又は請求項2に記載の樹脂組成
物をガラス繊維に含浸させた成形材料。 - 【請求項4】 請求項3に記載の成形材料を硬化させた
成形物。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP34047995A JPH09176411A (ja) | 1995-12-27 | 1995-12-27 | 低収縮性不飽和ポリエステル樹脂組成物 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP34047995A JPH09176411A (ja) | 1995-12-27 | 1995-12-27 | 低収縮性不飽和ポリエステル樹脂組成物 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH09176411A true JPH09176411A (ja) | 1997-07-08 |
Family
ID=18337363
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP34047995A Pending JPH09176411A (ja) | 1995-12-27 | 1995-12-27 | 低収縮性不飽和ポリエステル樹脂組成物 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH09176411A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2008031412A (ja) * | 2006-06-27 | 2008-02-14 | Matsushita Electric Works Ltd | 変性スチレン−フマル酸共重合体とそれを用いた低収縮材、並びに熱硬化性樹脂の回収・再利用方法および変性スチレン−フマル酸共重合体の製造方法 |
JPWO2006057250A1 (ja) * | 2004-11-25 | 2008-06-05 | 松下電工株式会社 | 変性スチレン−マレイン酸共重合体およびその用途 |
-
1995
- 1995-12-27 JP JP34047995A patent/JPH09176411A/ja active Pending
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPWO2006057250A1 (ja) * | 2004-11-25 | 2008-06-05 | 松下電工株式会社 | 変性スチレン−マレイン酸共重合体およびその用途 |
JP2011190460A (ja) * | 2004-11-25 | 2011-09-29 | Panasonic Electric Works Co Ltd | 変性スチレン−マレイン酸共重合体およびその用途 |
US8044148B2 (en) | 2004-11-25 | 2011-10-25 | Panasonic Electric Works Co., Ltd. | Modified styrene-maleic acid copolymer and use thereof |
JP4857121B2 (ja) * | 2004-11-25 | 2012-01-18 | パナソニック電工株式会社 | 変性スチレン−マレイン酸共重合体およびその用途 |
JP2008031412A (ja) * | 2006-06-27 | 2008-02-14 | Matsushita Electric Works Ltd | 変性スチレン−フマル酸共重合体とそれを用いた低収縮材、並びに熱硬化性樹脂の回収・再利用方法および変性スチレン−フマル酸共重合体の製造方法 |
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