JP2001114999A - 不飽和ポリエステル樹脂組成物及びそれを用いた成形品 - Google Patents

不飽和ポリエステル樹脂組成物及びそれを用いた成形品

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molding
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acid
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Noritaka Goda
紀高 郷田
Hiroshi Hasegawa
寛士 長谷川
Hiroyasu Suzuki
洋康 鈴木
Mamoru Kimura
守 木村
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 成形品光沢性と平滑性に優れた不飽和ポリエ
ステル樹脂組成物及びそれを用いた成形品を提供するこ
とを目的とする。 【解決手段】 数平均分子量が2500〜4500の範
囲である不飽和ポリエステル、重合性単量体、この不飽
和ポリエステルとこの重合性単量体の総量100質量部
に対して90〜200質量部の炭酸カルシウムを配合し
たものであって、この炭酸カルシウムが平均粒径2〜1
0μmのものを40〜80質量%と、平均粒径25〜3
0μmのものを60〜20質量%とを混合したものを使
用してなる不飽和ポリエステル樹脂組成物並びにこの不
飽和ポリエステル樹脂組成物を熱圧縮成形してなる成形
品。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、FRP成形品の壁
パネル、ユニットバス、浴槽、浄化槽、貯水槽等、の成
形材料に用いることができる不飽和ポリエステル樹脂組
成物及びそれを用いた成形品に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、不飽和ポリエステル樹脂組成物
は、不飽和ポリエステルをスチレンなどの重合性単量体
に溶解させた樹脂溶液に炭酸カルシウム等の充填剤、低
収縮剤、増粘剤、雛型剤、硬化剤等の添加剤を含有配合
して得られ、これをガラス繊維等の強化剤に含浸して成
形材料であるシートモールディングコンパウンド(SM
C)として用いられることが多い。そして、SMCは金
型に設置し加圧加熱成形されて樹脂成形品として製造さ
れる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記のようにSMC等
の成形材料を加圧加熱成形して製造された樹脂成形品は
成形品表面の光沢や平滑性が十分でなく、ユニットバ
ス、浴槽等の直接手で触れる製品にした場合、質感や高
級感に乏しく、製品価値が低下してしまう。優れた成形
品表面光沢及び平滑性を得るために充填材として微粒子
径炭酸カルシウムが用いられている。しかしながら、微
粒子系炭酸カルシウムのみを充填剤として用いるとプレ
ス成形時にSMCへかかる圧力が不均一になってSMC
中のガラス繊維を適度に流動させることが出来なくなっ
たり、ガラス繊維の配向が生じたり、コンパウンド分が
必要以上に多くなる部分ができ,表面光沢性を損ないま
た機械特性が低下することがある。
【0004】一方、SMC中のガラス繊維を流動させる
ために粗粒子系炭酸カルシウムを用いると成形品表面光
沢性、平滑性が低下してしまう。本発明は、以上の問題
に鑑み、成形品光沢性と平滑性に優れた不飽和ポリエス
テル樹脂組成物及びそれを用いた成形品を提供すること
を目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、数平均分子量
が2500〜4500の範囲である不飽和ポリエステ
ル、重合性単量体、この不飽和ポリエステルとこの重合
性単量体の総量100質量部に対して90〜200質量
部の炭酸カルシウムを配合したものであって、この炭酸
カルシウムが平均粒径2〜10μmのものを40〜80
質量%と、平均粒径25〜30μmのものを60〜20
質量%とを混合したものを使用してなる不飽和ポリエス
テル樹脂組成物に関する。また、本発明は、上記の不飽
和ポリエステル樹脂組成物を熱圧縮成形してなる成形品
に関する。
【0006】
【発明の実施の形態】本発明における不飽和ポリエステ
ル樹脂組成物は、α,β−不飽和多塩基酸又はその無水
物を必須成分として含む多塩基酸成分と多価アルコール
を反応させて得られる不飽和ポリエステル樹脂及び重合
性単量体を含有してなるものである。この不飽和ポリエ
ステル樹脂組成物にさらに低収縮剤、硬化剤及び繊維強
化材を配合してなる繊維強化成形材料にすることができ
る。この繊維強化成形材料をシート状に形成してなるシ
ート状成形材料として使用することができる。
【0007】本発明において、不飽和ポリエステル樹脂
の合成原料であるα,β−不飽和多塩基酸又はその無水
物としては、例えば、α,β−不飽和二塩基酸又はその
無水物、例えば、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、
シトラコン酸、無水マレイン酸、これらの無水物などが
挙げられる。これらは、2種以上併用してもよい。多塩
基酸成分としては、不飽和基の濃度を調節すること、可
撓性、耐熱性などの特性を付与するために、α,β−不
飽和多塩基酸又はその無水物のほか、飽和多塩基酸又は
その無水物を併用するのが好ましい。このとき、α,β
−不飽和多塩基酸又はその無水物としては、多塩基酸成
分のうち、40モル%以上とするのが好ましい。α,β
−不飽和多塩基酸又はその無水物が40モル%より少な
くなると得られる成形品の強度が漸次低下する傾向を示
す。このことから、α,β−不飽和多塩基酸又はその無
水物が、45〜80モル%であるのがより好ましく、5
0〜70モル%であることが特に好ましい。
【0008】併用される飽和多塩基酸又はその無水物と
しては、フタル酸、無水フタル酸、イソフタル酸、テレ
フタル酸、テトラヒドロフタル酸、テトラヒドロ無水フ
タル酸、3,6−エンドメチレンテトラヒドロ無水フタ
ル酸、ヘキサヒドロフタル酸、ヘキサヒドロ無水フタル
酸、グルタル酸、アジピン酸、セバチン酸、トリメリッ
ト酸、無水トリメリット酸、ピロメリット酸、ダイマー
酸、こはく酸、アゼライン酸、ロジン−マレイン酸付加
物などが挙げられる。これらは、2種以上を併用しても
よい。
【0009】不飽和ポリエステル樹脂のもう一つの合成
原料である多価アルコールとしては、エチレングリコー
ル、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ジ
プロピレングリコール、1,3−ブタンジオール、1,
6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、1,
4−シクロヘキサンジオール、水素添加ビスフェノール
A等の二価アルコール、グリセリン、トリメチロールプ
ロパン等の三価アルコール、ペンタエリスリトール等の
四価アルコールなどが挙げられる。これらは、2種以上
を併用してもよい。
【0010】多塩基酸成分と多価アルコールとは、当量
比で、多塩基酸成分を1とするとき、多価アルコールを
1〜1.3の範囲で使用することが好ましく、1.03
〜1.05の範囲で使用することがより好ましい。多価
アルコールが少なくなると、得られる不飽和ポリエステ
ル樹脂の分子量が小さくなる傾向にあり、多くなると酸
価が小さくなって増粘剤による増粘の進行が遅くなる傾
向がある。
【0011】不飽和ポリエステル樹脂の製造方法として
は、従来から公知の方法によることができる。例えば、
多塩基酸成分、多価アルコール成分とを縮合反応させ、
両成分が反応するときに生じる縮合水を系外に除きなが
ら進められる。縮合水を系外に除去することは、好まし
くは不活性気体を通じることによる自然留出又は減圧留
出によって行われる。縮合水の留出を促進するため、ト
ルエン、キシレンなどの溶剤を共沸成分として系中に添
加することもできる。反応の進行は、一般に反応により
生成する留出分量の測定、末端の官能基の定量、反応系
の粘度の測定などにより知ることができる。反応の温度
は150℃以上とすることが好ましく、また酸化による
副反応を防止するためにチッ素、二酸化炭素などの不活
性気体を通気しながら反応させることが好ましい。この
ことから、反応装置としては、ガラス、ステンレス製等
のものが選ばれ、撹拌装置、水とアルコール成分の共沸
によるアルコール成分の留出を防ぐための分留装置、反
応系の温度を高める加熱装置、この加熱装置の温度制御
装置、チッ素など不活性気体の吹込み装置等を備えた反
応装置を用いるのが好ましい。
【0012】不飽和ポリエステルの数平均分子量は25
00〜4500であることが好ましい。分子量が250
0よりも低いと増粘剤を適量添加しても増粘が上がらず
樹脂組成物とした場合に柔らかく作業性が悪化するなど
の問題が発生する。分子量が4500よりも大きいと粘
度が高くガラス繊維の含浸不良をおこし成形した場合表
面光沢性が低下する。なお、本発明おいて、数平均分子
量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィーにより
標準ポリスチレンの検量線を使用して測定したものであ
る。
【0013】本発明に用いられる重合性単量体として
は、例えば、スチレン、クロルスチレン、ジビニルベン
ゼン、ターシャリブチルスチレン、臭化スチレン等のス
チレン誘導体、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチ
ル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル等のメタクリ
ル酸又はアクリル酸のアルキルエステル、β−ヒドロキ
シメタクリル酸エチル、β−ヒドロキシアクリル酸エチ
ル等のメタクリル酸又はアクリル酸のヒドロキシアルキ
ルエステル、ジアリルフタレート、アクリルアミド、フ
ェニルマレイミドなどがあげられる。また、エチレング
リコールジメタクリレート、ネオペンチルグリコールジ
メタクリレート、トリメチールプロパントリメタクリレ
ートなどの多官能のメタクリル酸又はアクリル酸のエス
テル類を用いることもできる。
【0014】不飽和ポリエステル樹脂と重合性単量体と
を配合し、必要により重合禁止剤などを加えて不飽和ポ
リエステル樹脂組成物とされる。このときの不飽和ポリ
エステル樹脂と重合性単量体との配合割合は、両者の合
計量を100重量部とするとき、不飽和ポリエステル樹
脂が25〜80重量部、重合性単量体が75〜20重量
部とするのが好ましい。25重量部未満であると不飽和
ポリエステル樹脂組成物の粘度が低すぎてシート状に塗
布しにくく、また、沈降等のため他の成分と均一に混合
しにくくなり、さらに、得られる繊維強化成形材料を成
形しても硬化収縮率が大きく、成形品に割れ、クラック
等が生じる場合がある。不飽和ポリエステル樹脂が80
重量部を超えると、粘度が高すぎて塗布したり、他の成
分と混合しにくくなる場合がある。このことから、不飽
和ポリエステル樹脂が40〜65重量部、重合性単量体
が60〜35重量部とするのがより好ましい。重合禁止
剤としては、p−ベンゾキノン、ナフトキノン、トルキ
ノン、ハイドロキノン、モノ−t−ブチルハイドロキノ
ン、ジブチルヒドロキシトルエン等が挙げられる。重合
禁止剤は、前記不飽和ポリエステル樹脂と重合性単量体
との総量に対して0.5重量%以下で使用されることが
好ましい。硬化剤を配合したときは、貯蔵安定性のた
め、0.05重量%以上含有させることが好ましい。
【0015】本発明に用いる充填材としては炭酸カルシ
ウムが好ましく用いられ、その添加量は不飽和ポリエス
テル樹脂及び重合性単量体の総量に対して100質量部
に対して、炭酸カルシウムからなる充填剤を90〜20
0質量部含有する。充填剤の含有量が90質量部より少
ない場合にはプレス成形時にSMCにかかる圧力が不均
一になり、成形品にピンホールを生じ易くなる。200
質量部よりも多く含有するとコンパウンド粘度が上昇し
ガラス繊維の含浸性が低下する,またSMCの流動性が
低下して未充填やかすれが発生し成形品表面の光沢性が
低下する。充填剤は平均粒径が異なる2種類の炭酸カル
シウムを混合したものであり、平均粒径2〜10μmの
充填剤A、平均粒径25〜30μm充填剤Bを混合す
る。前記充填剤は平均粒径が小さいためにSMC中のガ
ラス繊維などの強化剤を含浸性を高める働きをし成形品
表面の光沢性を向上させる。しかし平均粒径が2μmよ
りも小さいと充填剤Bを混合してもSMC中のガラス繊
維を適度に流動させることができずコンパウンド分が必
要以上に多くなる部分が発生する。平均粒径10μm以
上だと含浸性が低下し表面光沢が低下する。前記充填剤
Bはガラス繊維を流動させる働きをし平均粒径25μm
よりも小さいとガラス繊維を流動させる働きが小さい。
平均粒径30μmより大きいと成形品表面光沢性が低下
する。更に充填剤A及び充填剤Bの混合割合は、各々の
質量%にて、A:B=40=60〜80:20にする必
要がある。Aの比率が多いとコンパウンド分が多い箇所
が発生し、Bの比率が多いと成形品表面の光沢性及び平
滑性が低下してしまう。
【0016】充填材としては、本発明の効果を著しく損
なわない程度に上記の炭酸カルシウム以外に、珪砂、、
タルク、クレー等の無機系充填剤、木粉、ポリエチレン
パウダー、各種FRP成形品の粉砕物等の有機系充填剤
などを用いることができる。
【0017】本発明の不飽和ポリエステル樹脂組成物に
は、さらに、低収縮剤、増粘剤、硬化剤、離型剤、安定
剤等が適宜配合される。
【0018】低収縮剤としては、ポリメタクリル酸メチ
ル、ポリスチレン、ポリカプロラクトン、ポリ酢酸ビニ
ル、ポリエチレン、ブタジエンゴムなどが用いられる。
使用量は、成形品の収縮率や表面平滑性、表面光沢を考
慮して決定され、特に制限はない。低収縮剤は、前記不
飽和ポリエステル樹脂と重合性単量体との総量に対して
20〜50重量%の範囲で使用されることが好ましい。
【0019】硬化剤としては、ケトンパーオキサイド
類、パーオキシジカーボネート類、ハイドロパーオキサ
イド類、ジアシルパーオキサイド類、パーオキシケター
ル類、ジアルキルパーオキサイド類、パーオキシエステ
ル類、アルキルパーエステル類などが挙げられる。硬化
剤の量は、成形サイクルのみではなく材料の保存性、色
ムラ等の面に影響があるため、それぞれに応じて決定さ
れる。材料の保存性、成形サイクルの面から前記不飽和
ポリエステル樹脂及び重合性単量体の総量に対して0.
5〜5重量%が好ましく、より好ましくは1〜3重量%
である。
【0020】増粘剤としては、酸化マグネシウム、水酸
化マグネシウム、酸化カリウム、水酸化カリウム等が用
いられるが、一般的には酸化マグネシウムが用いられ
る。増粘剤の量は、成形材の作業性に応じて決定される
が、前記不飽和ポリエステル樹脂及び重合性単量体の総
量に対して、0.5〜5重量%が好ましく、より好まし
くは0.7〜2重量%である。増粘剤が少なすぎると樹
脂組成物の粘度が上昇しない場合がある。また増粘剤が
多すぎると粘度が上昇し過ぎて制御できなくなる場合が
ある。
【0021】離型剤としては、ステアリン酸亜鉛、ステ
アリン酸カルシウム等が使用される。離型剤の量は、前
記不飽和ポリエステル樹脂及び重合性単量体の総量に対
して、1〜10重量%が好ましく、より好ましくは2〜
4重量%である。離型剤の量が少なすぎると1重量部未
満では成形品が型に付き、脱型しづらく、また成形品に
クラック等が入る場合がある。また、離型剤が多すぎる
と成形品強度が低下する傾向にある。
【0022】本発明の不飽和ポリエステル樹脂組成物に
は、さらに補強繊維を含有させて、繊維強化成形材料と
することができる。このとき、不飽和ポリエステル樹脂
には増粘剤及び硬化剤が必須成分として含まれる。さら
に、充填剤、低収縮剤、離型剤、重合禁止剤を含有する
ことが好ましい。繊維強化成形材料としては、SMC、
BMC等がある。補強材としては、ガラス繊維、カーボ
ネート繊維、アラミド繊維、ポリビニルアルコール系繊
維などを用いることができ、一般的にはガラス繊維が用
いられる。これらの補強材は、連続繊維、織布、不織布
等の形状で用いられるが、ロービング状のものを適当な
長さ(SMCの場合は20〜30mmに切断したものが
用いられることが好ましく、BMCの場合は好ましくは
6〜15mm)に切断したものが使用される。繊維強化
成形材料を作製するにあたり、補強繊維の使用量は、要
求される強度により異なるが、前記不飽和ポリエステル
樹脂及び重合性単量体の総量に対して15〜35重量%
の範囲であることが好ましい。
【0023】不飽和ポリエステル樹脂組成物を用いた繊
維強化成形品(FRP成形品)を成形する方法として
は、特に制限は無いが、例えばハンドレイアップ法、ス
プレーアップ法、遠心成形等のオープンモールド成形、
射出成形、圧縮成形、注型成形、トランスファー成形、
押し出し成形、バック成形、コールドプレス成形、RT
M成形、レジンインジェクション成形、マッチドメタル
ダイ成形等のクローズド成形が挙げられ、また連続成形
も行い得る。
【0024】前記の繊維強化状成形材料、例えばSMC
及びBMCは、それぞれ、通常のSMC製造装置又はB
MC製造装置を用いて製造することができる。SMCの
場合、調合樹脂を、離型フィルム上に均一の厚さとなる
ように塗布し、この上に所定の長さにカットされたガラ
ス繊維等の補強材を均一に散布し、さらにこの上に調合
樹脂を塗布した他のフィルムを、散布した補強材が調合
樹脂で挾まれるるようにして重ね合わせ、これをロール
に巻き取り、必要に応じて熟成等を行ってシート状成形
材料とすることができる。増粘剤を配合した場合には室
温〜60℃の温度に加熱して熟成することが好ましい。
離型フィルムとしては、ポリエチレンフィルム、ポリプ
ロピレンフィルム等を用いることができる。BMCの場
合、前記した不飽和ポリエステル樹脂組成物に補強繊維
が混合されるが、これらに使用される成分の混合順序に
ついては特に制限はない。
【0025】前記繊維強化成形材料の粘度は、40℃に
おいて1,000〜18,000Pa・sとなるように
調整されるのが好ましい。粘度が低すぎると、成形品表
面にスカミングが発生し易く、また粘度が高すぎると型
締め時間が長くなって成形サイクルが長くなる傾向を示
す。繊維強化成形材料の粘度は、40℃において1,5
00Pa・s〜15,000Pa・sとなるように調整
されるのがより好ましく、3,500〜12,000P
a・sとなるように調整されるのが特に好ましい。ただ
し、繊維強化成形材料の最適の粘度は、成形品によって
決定される。また、繊維強化成形材料の粘度は増粘剤の
配合量や熟成条件によって調整することができる。
【0026】このようなシート状成形材料は、圧縮成
形、トランスファー成形等により成形され、広範囲なF
RP成形品を得ることができる。成形温度は70〜15
0℃、成形圧力は0.1〜10MPaであることが好ま
しい。
【0027】
【実施例】実施例、比較例によって本発明を詳細に説明
する。この発明はその要旨を越えない限り、以下の実施
例によって限定されるものではない。
【0028】実施例1〜6及び比較例1〜4 重合性単量体で希釈された不飽和ポリエステル樹脂10
0質量部に対し、低収縮剤としてポリスチレンを40質
量%のスチレン溶液を30質量部、t−ブチルパーオキ
シベンゾエートを主成分とする硬化剤を1.5質量部、
重合禁止剤としてパラベンゾキノンを0.1質量部、離
型剤としてステアリン酸亜鉛を2質量部、そして充填剤
として後述する表1に示す炭酸カルシウムを配合し、酸
化マグネシウムの増粘剤1質量部をよく混練して、次に
塗工幅1200mmの塗工機を用いてガラス繊維60質
量部に含浸させ、不飽和ポリエステル樹脂組成物を製造
した。なお、重合性単量体で希釈された不飽和ポリエス
テル樹脂は日立化成工業(株)製、ポリセットPS−9
415,炭酸カルシウムは平均粒径3μm、5μm及び
26μmは、それぞれ日東粉化工業(株)製NS#40
0、NS#100及びSS#30を使用し、平均粒径9
μm及び28μmのものは、それぞれ、日鉄鉱業(株)
製FH#70及びFH#30を使用した。また、t−ブ
チルパーオキシベンゾエートを主成分とする硬化剤は日
本油脂(株)製、パーブチルZ,ガラス繊維は日東紡績
(株)製、ガラスロービング580番を用いた。表1に
示す配合組成で、それぞれの配合成分を混練し、不飽和
ポリエステル組成物を得た。この組成物について表面光
沢及び表面平滑性の表面特性を目視で評価した。試験、
評価の方法は以下の通りである。
【0029】実機浴槽による評価 成形温度145℃、成形圧力100kg/cm2、成形
時間4分で圧縮成形により、1200mm×710m
m、厚さ上縁面4.5mm、底面7mm及び側面4mm
の浴槽を成形し、表面光沢及び表面平滑性を目視で評価
した。これらの測定評価の結果を表1に示した。
【0030】
【表1】
【0031】
【発明の効果】本発明による不飽和ポリエステル樹脂組
成物は、表面特性に優れていることから、住宅機器産
業、自動車産業等に有用な不飽和ポリエステル組成物と
して広範囲に利用することが可能である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 鈴木 洋康 茨城県下館市大字下江連1250番地 日立化 成工業株式会社結城事業所内 (72)発明者 木村 守 茨城県下館市大字下江連1250番地 日立化 成工業株式会社結城事業所内 Fターム(参考) 4J002 CF221 DE237 EA046 EB126 EH076 EH146 FD140 FD160 FD200 FD330 GL00 GL01

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 数平均分子量が2500〜4500の範
    囲である不飽和ポリエステル、重合性単量体、この不飽
    和ポリエステルとこの重合性単量体の総量100質量部
    に対して90〜200質量部の炭酸カルシウムを配合し
    たものであって、この炭酸カルシウムが平均粒径2〜1
    0μmのものを40〜80質量%と、平均粒径25〜3
    0μmのものを60〜20質量%とを混合したものを使
    用してなる不飽和ポリエステル樹脂組成物。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の不飽和ポリエステル樹脂
    組成物を熱圧縮成形してなる成形品。
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CN109181257A (zh) * 2018-11-22 2019-01-11 安徽汇创新材料有限公司 一种高强度玻璃钢化粪池的制备方法
WO2019116691A1 (ja) * 2017-12-11 2019-06-20 昭和電工株式会社 不飽和ポリエステル樹脂組成物、その硬化物を含む成形体、及び該成形体を含むランプリフレクター

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