JPH11148000A - 不飽和ポリエステル樹脂組成物並びにこれを用いた繊維強化成形材料およびシート状成形材料 - Google Patents

不飽和ポリエステル樹脂組成物並びにこれを用いた繊維強化成形材料およびシート状成形材料

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JPH11148000A
JPH11148000A JP31505297A JP31505297A JPH11148000A JP H11148000 A JPH11148000 A JP H11148000A JP 31505297 A JP31505297 A JP 31505297A JP 31505297 A JP31505297 A JP 31505297A JP H11148000 A JPH11148000 A JP H11148000A
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JP
Japan
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molding material
polyester resin
fiber
unsaturated polyester
acid
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JP31505297A
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English (en)
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Yasuhiro Obata
康裕 小幡
Masahiko Watanabe
雅彦 渡邉
Minoru Doi
穣 土井
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Showa Denko Materials Co Ltd
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Hitachi Chemical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 不飽和ポリエステル樹脂の合成における反応
終点酸価、分子量を変更することなく、又は、重合性単
量体の配合量を多くすることなく、作業性をおとすこと
なく、低圧及び低温成形性にすぐれ、かつ、型締時間の
短縮が可能で容易に離型が可能な繊維強化成形材料を得
ることができさらに容易に着色できる不飽和ポリエステ
ル樹脂組成物、この不飽和ポリエステル樹脂組成物を用
いた繊維強化成形材料及びシート状成形材料を提供す
る。 【解決手段】 α,β−不飽和多塩基酸又はその無水物
を必須成分として含み、多塩基酸成分、多価アルコール
を合成原料とし亜リン酸のトリエステル及びリン酸のト
リエステルから選ばれる化合物の存在下に反応させて得
られる不飽和ポリエステル樹脂、重合性単量体並びに代
表粒子径が0.08〜1.0μmの重質炭酸カルシウム
を含有してなる不飽和ポリエステル樹脂組成物、この不
飽和ポリエステル樹脂組成物にさらに低収縮剤、硬化剤
及び繊維強化材を配合してなる繊維強化成形材料並びに
この繊維強化成形材料をシート状に形成してなるシート
状成形材料。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、不飽和ポリエステ
ル樹脂組成物並びにこれを用いた繊維強化成形材料及び
シート状成形材料に関する。さらに詳しくは、低圧及び
低温成形性にすぐれ、かつ、成形サイクルの循環が可能
な、ガラス繊維強化成形材料を得ることができる不飽和
ポリエステル樹脂組成物並びにこれを用いた繊維強化成
形材料及びシート状成形材料に関する。
【0002】
【従来の技術】FRP成形法の一つとして広く採用され
ているシートモールディングコンパウンド(SMC)法
は、シート状成形材料すなわちSMCを用いる成形法で
ある。SMCは、下側の離型フィルム上に調合樹脂を塗
布し、その上にガラス繊維を散布し、その上に調合樹脂
を塗布した離型フィルムを重ね合わせたのち、ローラー
間を通して含浸脱泡して巻き取り、引き続き熟成させる
ことにより得られる。熟成後、フィルムを剥がして金型
内に装填し、加熱加圧することにより成形品が得られ
る。また、成形材料としては、調合樹脂に短く切断した
ガラス繊維を配合し、増粘、熟成させたバルクモールデ
ィングコンパウンド(BMC)も使用される。調合樹脂
としては、通常、不飽和ポリエステル樹脂、重合性単量
体、充填剤、有機過酸化物などの硬化剤、ポリスチレン
などの低収縮剤、さらに離型剤、顔料、増粘剤などを適
宜混合した不飽和ポリエステル樹脂組成物が用いられて
いる。
【0003】従来、成形材料の低圧化には、調合樹脂の
低増粘化が用いられている。しかしこの方法では、成形
材料表面のベタツキがひどく、手に調合樹脂が付着し作
業性が悪化する上、成形材料に異物がつきやすく成形品
の外観が悪化する等の不具合が発生する。また、成形材
料がやわらかいため、重ねあわせるとはがれず、成形す
る際の成形材料のチャージの絞調整が不可能になる不具
合があった。
【0004】また、低増粘化した場合、成形材料をつつ
む保護フィルムをはがす際に多量のポリスチレンのわた
ぼこりが発生し、作業環境を悪化する不具合も発生す
る。成形品を金型から取出す際、エア等を使用し、金型
から成形品をうかせ、自動又は手で脱型している。この
とき、成形品が金型に強く付着して離型性が悪いと脱型
しずらくなり、脱型に時間を要するため、成形サイクル
が長くなり、生産性が落ちる結果となる。これを解決す
るため、従来、不飽和ポリエステル樹脂の合成におい
て、反応終点酸価を低くすること、又は、重合性単量体
の配合量を多くすることにより硬化収縮を大きくするこ
となどの対策がとられていた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、かかる従来
技術の問題に鑑み、不飽和ポリエステル樹脂の合成にお
ける反応終点酸価、分子量を変更することなく、又は、
重合性単量体の配合量を多くすることなく、作業性をお
とすことなく、低圧及び低温成形性にすぐれ、かつ、型
締時間の短縮が可能で容易に離型が可能な繊維強化成形
材料を得ることができさらに容易に着色できる不飽和ポ
リエステル樹脂組成物、この不飽和ポリエステル樹脂組
成物を用いた繊維強化成形材料及びシート状成形材料を
提供することを課題とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、α,β−不飽
和多塩基酸又はその無水物を必須成分として含み、多塩
基酸成分、多価アルコールを合成原料とし亜リン酸のト
リエステル及びリン酸のトリエステルから選ばれる化合
物の存在下に反応させて得られる不飽和ポリエステル樹
脂、重合性単量体並びに代表粒子径が0.08〜1.0
μmの重質炭酸カルシウムを含有してなる不飽和ポリエ
ステル樹脂組成物に関する。本発明は、また、この不飽
和ポリエステル樹脂組成物にさらに低収縮剤、硬化剤及
び繊維強化材を配合してなる繊維強化成形材料に関す
る。本発明は、また、この繊維強化成形材料をシート状
に形成してなるシート状成形材料に関する。
【0007】
【発明の実施の形態】本発明において、不飽和ポリエス
テル樹脂の合成原料であるα,β−不飽和多塩基酸又は
その無水物としては、例えば、α,β−不飽和二塩基酸
又はその無水物、例えば、マレイン酸、フマル酸、イタ
コン酸、シトラコン酸、無水マレイン酸、これらの無水
物などが挙げられる。これらは、2種以上併用してもよ
い。多塩基酸成分としては、不飽和基の濃度を調節する
こと、可撓性、耐熱性などの特性を付与するために、
α,β−不飽和多塩基酸又はその無水物のほか、飽和多
塩基酸又はその無水物を併用するのが好ましい。このと
き、α,β−不飽和多塩基酸又はその無水物としては、
多塩基酸成分のうち、40モル%以上とするのが好まし
い。α,β−不飽和多塩基酸又はその無水物が40モル
%より少なくなると得られる成形品の強度が漸次低下す
る傾向を示す。このことから、α,β−不飽和多塩基酸
又はその無水物が、45〜80モル%であるのがより好
ましく、50〜70モル%であることが特に好ましい。
【0008】併用される飽和多塩基酸又はその無水物と
しては、フタル酸、無水フタル酸、イソフタル酸、テレ
フタル酸、テトラヒドロフタル酸、テトラヒドロ無水フ
タル酸、3,6−エンドメチレンテトラヒドロ無水フタ
ル酸、ヘキサヒドロフタル酸、ヘキサヒドロ無水フタル
酸、グルタル酸、アジピン酸、セバチン酸、トリメリッ
ト酸、無水トリメリット酸、ピロメリット酸、ダイマー
酸、こはく酸、アゼライン酸、ロジン−マレイン酸付加
物などが挙げられる。これらは、2種以上を併用しても
よい。
【0009】不飽和ポリエステル樹脂のもう一つの合成
原料である多価アルコールとしては、エチレングリコー
ル、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ジ
プロピレングリコール、1,3−ブタンジオール、1,
6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、1,
4−シクロヘキサンジオール、水素添加ビスフェノール
A等の二価アルコール、グリセリン、トリメチロールプ
ロパン等の三価アルコール、ペンタエリスリトール等の
四価アルコールなどが挙げられる。これらは、2種以上
を併用してもよい。
【0010】多塩基酸成分と多価アルコールとは、当量
比で、多塩基酸成分を1とするとき、多価アルコールを
1〜1.3の範囲で使用することが好ましく、1.03
〜1.05の範囲で使用することがより好ましい。多価
アルコールが少なくなると、得られる不飽和ポリエステ
ル樹脂の分子量が小さくなる傾向にあり、多くなると酸
価が小さくなって増粘剤による増粘の進行が遅くなる傾
向がある。
【0011】不飽和ポリエステル樹脂のもう一つの合成
原料である亜リン酸のトリエステル及びリン酸のトリエ
ステルから選ばれる化合物としては、亜リン酸トリメチ
ル、亜リン酸トリエチル、亜リン酸トリフェニル、リン
酸トリフェニルなどが挙げられる。離型性の改善には、
亜リン酸のトリエステルが特に有効である。亜リン酸及
びリン酸のトリエステルは、多塩基酸成分及び、多価ア
ルコールの総計を100重量部とするとき、0.01〜
1.0重量部使用するのが好ましい。亜リン酸又はリン
酸のトリエステルが0.01重量部未満であると離型性
改善の効果が小さく、1.0重量部を超えても離型性の
改善効果は大きくならず、かえって得られる不飽和ポリ
エステル樹脂に着色がみられる傾向を示す。このことか
ら、0.05〜0.5重量部とするのがより好ましく、
0.1〜0.3重量部使用するのがさらに好ましい。
【0012】不飽和ポリエステル樹脂の製造方法として
は、従来から公知の方法によることができる。例えば、
多塩基酸成分、多価アルコール成分とを縮合反応させ、
両成分が反応するときに生じる縮合水を系外に除きなが
ら進められる。縮合水を系外に除去することは、好まし
くは不活性気体を通じることによる自然留出又は減圧留
出によって行われる。縮合水の留出を促進するため、ト
ルエン、キシレンなどの溶剤を共沸成分として系中に添
加することもできる。反応の進行は、一般に反応により
生成する留出分量の測定、末端の官能基の定量、反応系
の粘度の測定などにより知ることができる。反応の温度
は150℃以上とすることが好ましく、また酸化による
副反応を防止するためにチッ素、二酸化炭素などの不活
性気体を通気しながら反応させることが好ましい。この
ことから、反応装置としては、ガラス、ステンレス製等
のものが選ばれ、撹拌装置、水とアルコール成分の共沸
によるアルコール成分の留出を防ぐための分留装置、反
応系の温度を高める加熱装置、この加熱装置の温度制御
装置、チッ素など不活性気体の吹込み装置等を備えた反
応装置を用いるのが好ましい。
【0013】本発明に用いられる重合性単量体として
は、例えば、スチレン、クロルスチレン、ジビニルベン
ゼン、ターシャリブチルスチレン、臭化スチレン等のス
チレン誘導体、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチ
ル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル等のメタクリ
ル酸又はアクリル酸のアルキルエステル、β−ヒドロキ
シメタクリル酸エチル、β−ヒドロキシアクリル酸エチ
ル等のメタクリル酸又はアクリル酸のヒドロキシアルキ
ルエステル、ジアリルフタレート、アクリルアミド、フ
ェニルマレイミドなどがあげられる。また、エチレング
リコールジメタクリレート、ネオペンチルグリコールジ
メタクリレート、トリメチールプロパントリメタクリレ
ートなどの多官能のメタクリル酸又はアクリル酸のエス
テル類を用いることもできる。
【0014】不飽和ポリエステル樹脂と重合性単量体と
を配合し、必要により重合禁止剤などを加えて不飽和ポ
リエステル樹脂組成物とされる。このときの不飽和ポリ
エステル樹脂と重合性単量体との配合割合は、両者の合
計量を100重量部とするとき、不飽和ポリエステル樹
脂が25〜80重量部、重合性単量体が75〜20重量
部とするのが好ましい。25重量部未満であると不飽和
ポリエステル樹脂組成物の粘度が低すぎてシート状に塗
布しにくく、また、沈降等のため他の成分と均一に混合
しにくくなり、さらに、得られる繊維強化成形材料を成
形しても硬化収縮率が大きく、成形品に割れ、クラック
等が生じる場合がある。不飽和ポリエステル樹脂が80
重量部を超えると、粘度が高すぎて塗布したり、他の成
分と混合しにくくなる場合がある。このことから、不飽
和ポリエステル樹脂が40〜65重量部、重合性単量体
が60〜35重量部とするのがより好ましい。重合禁止
剤としては、p−ベンゾキノン、ナフトキノン、トルキ
ノン、ハイドロキノン、モノ−t−ブチルハイドロキノ
ン、ジブチルヒドロキシトルエン等が挙げられる。重合
禁止剤は、前記不飽和ポリエステル樹脂と重合性単量体
との総量に対して0.5重量%以下で使用されることが
好ましい。硬化剤を配合したときは、貯蔵安定性のた
め、0.05重量%以上含有させることが好ましい。
【0015】本発明で用いられる充填材としては、珪
砂、炭酸カルシウム、タルク、クレー等の無機系充填
剤、木粉、ポリエチレンパウダー、各種FRP成形品の
粉砕物等の有機系充填剤などが挙げられるが、本発明に
おいては、重質炭酸カルシウムであって代表粒子径が
0.08〜1.0μmのものを使用することが必須であ
る。重質炭酸カルシウムの代表粒子径はより好ましくは
0.1〜0.8μm、さらに好ましくは0.4〜0.6
μmである。代表粒子径が1μmを超えると低圧時の充
填がわるくなり、0.08μm未満になると、得られる
調合樹脂の粘度が高すぎ、繊維への含浸がわるくなり、
成形品特性が悪化する。代表粒子径とは、粒度分布の測
定において累積50重量%の粒径のことである。充填材
の使用量は成形品の強度等の物性、不飽和ポリエステル
樹脂組成物の粘度、流動性を考慮されて決定されるが、
前記不飽和ポリエステル樹脂及び重合性単量体の総量に
対して100〜200重量%とすることが好ましく、特
に、105〜150重量%とすることが好ましい。充填
剤の量が少なすぎると沈降する場合があり、また充填材
の量が多すぎると粘度が高くなって撹拌が困難となる傾
向にある。充填材のうち代表粒子径が0.08〜1.0
μmの重質炭酸カルシウムを60〜100重量%使用す
ることが好ましい。この重質炭酸カルシウムの使用量が
少なすぎると本発明の効果が低下する。
【0016】本発明の不飽和ポリエステル樹脂組成物に
は、さらに、低収縮剤、増粘剤、硬化剤、離型剤、安定
剤等が適宜配合される。
【0017】低収縮剤としては、ポリメタクリル酸メチ
ル、ポリスチレン、ポリカプロラクトン、ポリ酢酸ビニ
ル、ポリエチレン、ブタジエンゴムなどが用いられる。
使用量は、成形品の収縮率や表面平滑性、表面光沢を考
慮して決定され、特に制限はない。低収縮剤は、前記不
飽和ポリエステル樹脂と重合性単量体との総量に対して
20〜50重量%の範囲で使用されることが好ましい。
【0018】硬化剤としては、ケトンパーオキサイド
類、パーオキシジカーボネート類、ハイドロパーオキサ
イド類、ジアシルパーオキサイド類、パーオキシケター
ル類、ジアルキルパーオキサイド類、パーオキシエステ
ル類、アルキルパーエステル類などが挙げられる。硬化
剤の量は、成形サイクルのみではなく材料の保存性、色
ムラ等の面に影響があるため、それぞれに応じて決定さ
れる。材料の保存性、成形サイクルの面から前記不飽和
ポリエステル樹脂及び重合性単量体の総量に対して0.
5〜5重量%が好ましく、より好ましくは1〜3重量%
である。
【0019】増粘剤としては、酸化マグネシウム、水酸
化マグネシウム、酸化カリウム、水酸化カリウム等が用
いられるが、一般的には酸化マグネシウムが用いられ
る。増粘剤の量は、成形材の作業性に応じて決定される
が、前記不飽和ポリエステル樹脂及び重合性単量体の総
量に対して、0.5〜5重量%が好ましく、より好まし
くは0.7〜2重量%である。増粘剤が少なすぎると樹
脂組成物の粘度が上昇しない場合がある。また増粘剤が
多すぎると粘度が上昇し過ぎて制御できなくなる場合が
ある。
【0020】離型剤としては、ステアリン酸亜鉛、ステ
アリン酸カルシウム等が使用される。離型剤の量は、前
記不飽和ポリエステル樹脂及び重合性単量体の総量に対
して、1〜10重量%が好ましく、より好ましくは2〜
4重量%である。離型剤の量が少なすぎると1重量部未
満では成形品が型に付き、脱型しづらく、また成形品に
クラック等が入る場合がある。また、離型剤が多すぎる
と成形品強度が低下する傾向にある。
【0021】本発明の不飽和ポリエステル樹脂組成物に
は、さらに補強繊維を含有させて、繊維強化成形材料と
することができる。このとき、不飽和ポリエステル樹脂
には増粘剤及び硬化剤が必須成分として含まれる。さら
に、充填剤、低収縮剤、離型剤、重合禁止剤を含有する
ことが好ましい。繊維強化成形材料としては、SMC、
BMC等がある。補強材としては、ガラス繊維、カーボ
ネート繊維、アラミド繊維、ポリビニルアルコール系繊
維などを用いることができ、一般的にはガラス繊維が用
いられる。これらの補強材は、連続繊維、織布、不織布
等の形状で用いられるが、ロービング状のものを適当な
長さ(SMCの場合は20〜30mmに切断したものが用
いられることが好ましく、BMCの場合は好ましくは6
〜15mm)に切断したものが使用される。繊維強化成形
材料を作製するにあたり、補強繊維の使用量は、要求さ
れる強度により異なるが、前記不飽和ポリエステル樹脂
及び重合性単量体の総量に対して15〜35重量%の範
囲であることが好ましい。
【0022】本発明の繊維強化状成形材料、例えばSM
C及びBMCは、それぞれ、通常のSMC製造装置又は
BMC製造装置を用いて製造することができる。SMC
の場合、調合樹脂を、離型フィルム上に均一の厚さとな
るように塗布し、この上に所定の長さにカットされたガ
ラス繊維等の補強材を均一に散布し、さらにこの上に調
合樹脂を塗布した他のフィルムを、散布した補強材が調
合樹脂で挾まれるるようにして重ね合わせ、これをロー
ルに巻き取り、必要に応じて熟成等を行ってシート状成
形材料とすることができる。増粘剤を配合した場合には
室温〜60℃の温度に加熱して熟成することが好まし
い。離型フィルムとしては、ポリエチレンフィルム、ポ
リプロピレンフィルム等を用いることができる。BMC
の場合、前記した不飽和ポリエステル樹脂組成物に補強
繊維が混合されるが、これらに使用される成分の混合順
序については特に制限はない。
【0023】前記繊維強化成形材料の粘度は、40℃に
おいて1,000〜18,000Pa・sとなるように調整
されるのが好ましい。粘度が低すぎると、成形品表面に
スカミングが発生し易く、また粘度が高すぎると型締め
時間が長くなって成形サイクルが長くなる傾向を示す。
繊維強化成形材料の粘度は、40℃において1,500
Pa・s〜15,000Pa・sとなるように調整されるのがよ
り好ましく、3,500〜12,000Pa・sとなるよう
に調整されるのが特に好ましい。ただし、繊維強化成形
材料の最適の粘度は、成形品によって決定される。ま
た、繊維強化成形材料の粘度は増粘剤の配合量や熟成条
件によって調整することができる。本発明におけるシー
ト状成形材料は、圧縮成形、トランスファー成形等によ
り成形され、広範囲なFRP成形品を得ることができ
る。成形温度は70〜150℃、成形圧力は0.1〜1
0MPaであることが好ましい。
【0024】
【実施例】次に、本発明を実施例により詳しく説明する
が、本発明はこれによって制限されるものではない。以
下、部は重量部を意味する。
【0025】実施例1 (1)不飽和ポリエステル樹脂の合成 テレフタル酸996部、プロピレングリコール506
部、ネオペンチルグリコール312部及びエチレングリ
コール372部を、温度計、チッ素吹き込み管、精留塔
及び撹拌装置を備えた3リットルのフラスコに仕込み、
マントルヒータを用いて加熱して5時間で230℃まで
昇温した。その後220℃まで冷却し、保温して酸価が
12になった時点で冷却し、無水マレイン酸882部を
加え、再度5時間で215℃まで昇温した。その後21
0℃まで冷却して酸価が18となった時点で冷却し、反
応を終了させた。
【0026】(2)不飽和ポリエステル樹脂組成物の調
製 不飽和ポリエステル樹脂620部を重合性単量体である
スチレン380部に溶解し、ついで重合禁止剤として、
ハイドロキノン0.02部を溶解した。この不飽和ポリ
エステル樹脂組成物の25℃における粘度は1.54Pa
・sであり、色相はガードナ数で1以下であった。
【0027】不飽和ポリエステル樹脂組成物800部、
数平均分子量80,000のポリスチレン60部をスチ
レン140部に溶解した溶液200部、t−ブチルパー
ベンゾエート(日本油脂株式会社製のパーブチルZ(商
品名)を使用した)10部、代表粒子径0.62μmの
重質炭酸カルシウム、1300部および、ステアリン酸
亜鉛40部を加え、カウレス型翼で充分に混合した。こ
の混合物(a)の粘度は25℃で39Pa・sであった。こ
の混合物に酸化マグネシウム8部を加わえ、よく撹拌
し、40℃で48時間熟成させた調合樹脂(a)を調製
した。調合樹脂(a)の粘度は、40℃で4150Pa・s
であった。重質炭酸カルシウムの代表粒子径は株式会社
島津製作所製の全自動粒度測定器を用いて測定した。
【0028】(3)シート状成形材料(a)の作製 調合樹脂(a)を用いて、デュアルワイヤメッシュ方式
のSMC製造装置により、ガラス含有量を32重量%と
し、保護離型フィルムとして厚さ50μmのポリプロピ
レンフィルムを用いてシート状とし、40℃の熟成炉で
3日目熟成させてシート状成形材料(a)を作製した。
作製したシート状成形材料(a)の粘度は、40℃で、
15400Pa・sであった。
【0029】(4)アルミピール強度の測定 シート状成形材料(a)の離型性を調べるため、アルミ
ピール強度を以下のようにして測定した。シート状成形
材料(a)から離型フィルムを剥がし、アルミフォイル
の光沢面がシート状成形材料(a)と接するようにし
て、300×250mmのアルミフォイルで挾み、150
トンプレスを用いて面圧5.0MPa、金型温度を、上型
が140℃、下型が130℃とし、成形時間5分間で、
加熱加圧して平板成形品を作製した。平板成形品の寸法
は、平面が300×280mm、厚さが6mmであった。次
に、平板成形品表面のアルミフォイルに、幅50mm、
長さ150mmの短冊状に切り込みを入れ、長さ方向の
一端をつかみ、50mm/分で、引き剥がすことにより
アルミピール強度を測定したところ、アルミピール強度
は38N/mとなった。
【0030】(5)型締時間、型締速度の測定 シート状成形材料(a)の低圧成形性を調べるため、型
締時間、型締速度を以下のようにして測定した。シート
状成形材料(a)から保護離型フィルムをはがし、50
0トンプレスを用いて、面圧25MPa、金型温度を上が
140℃、下が130℃として成形時間5分間で、加熱
加圧して浴槽成形品を成形した。得られた成形品の寸法
は、700(mm)×420(mm)×300(mm)(H)
であった。この成形品を成形する際に、レーザ変位計を
用いて、上型変位を測定した。型締位置より40mm上か
ら型締位置までの成形時間を型締時間、型締位置より2
0mm上での上型変位曲線の傾きを型締速度として測定し
たところ、型締時間は120秒、型締速度は6.0mm/
秒となった。また、面圧を1.25MPaとして型締時
間、型締速度を速度したところ、それぞれ24秒、3.
51mm/秒となった。
【0031】実施例2〜5及び比較例1 実施例1において、代表粒子径0.62μmの重質炭酸
カルシウムの代わりに表1に示す代表粒子径の重質炭酸
カルシウムを使用したこと以外は実施例1に準じて行っ
た。試験結果を表1及び表2に示す。
【0032】
【表1】
【0033】
【表2】
【0034】
【発明の効果】本発明の請求項1に記載の不飽和ポリエ
ステル樹脂組成物を使用した繊維強化成形材料及び請求
項2のシート状成形材料はいづれも、型締時間が短く、
また、型締速度が速くなりさらに低圧成形が可能となる
ため、これらを用いることにより、成形サイクルの短縮
がはかれ、かつ、低圧成形性に優れる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C08K 7/02 C08K 7/02

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 α,β−不飽和多塩基酸又はその無水物
    を必須成分として含み、多塩基酸成分、多価アルコール
    を合成原料とし亜リン酸のトリエステル及びリン酸のト
    リエステルから選ばれる化合物の存在下に反応させて得
    られる不飽和ポリエステル樹脂、重合性単量体並びに代
    表粒子径が0.08〜1.0μmの重質炭酸カルシウム
    を含有してなる不飽和ポリエステル樹脂組成物。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の不飽和ポリエステル樹脂
    組成物にさらに低収縮剤、硬化剤及び繊維強化材を配合
    してなる繊維強化成形材料。
  3. 【請求項3】 請求項2記載の繊維強化成形材料をシー
    ト状に形成してなるシート状成形材料。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2011153197A (ja) * 2010-01-26 2011-08-11 Panasonic Electric Works Co Ltd 不飽和ポリエステル樹脂組成物及び繊維強化プラスチック成形体
CN114213797A (zh) * 2022-01-11 2022-03-22 陈小云 一种耐磨防刮smc模塑料及其制备方法

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