JP2000063648A - 不飽和ポリエステル樹脂組成物及び繊維強化成形材料 - Google Patents

不飽和ポリエステル樹脂組成物及び繊維強化成形材料

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JP2000063648A
JP2000063648A JP10233400A JP23340098A JP2000063648A JP 2000063648 A JP2000063648 A JP 2000063648A JP 10233400 A JP10233400 A JP 10233400A JP 23340098 A JP23340098 A JP 23340098A JP 2000063648 A JP2000063648 A JP 2000063648A
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polyester resin
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JP10233400A
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Kazuyuki Numao
和幸 沼尾
Yasuhiro Obata
康裕 小幡
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Showa Denko Materials Co Ltd
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Hitachi Chemical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 優れた低収縮性及び表面平滑性を有し、さら
に特に、耐煮沸性及び耐候性を向上させた不飽和ポリエ
ステル樹脂組成物並びにこれを用いた繊維強化成形材料
を提供する。 【解決手段】 (A)不飽和ポリエステル、(B)α,
β−エチレン性不飽和単量体及び(C)低収縮剤を含有
する不飽和ポリエステル樹脂組成物において、(C)成
分の低収縮剤として、重量平均分子量が17,000〜
24,000であるポリスチレンを含有することを特徴
とする不飽和ポリエステル樹脂組成物並びにこの不飽和
ポリエステル樹脂組成物に補強繊維を含有させたことを
特徴とする繊維強化成形材料。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、不飽和ポリエステ
ル樹脂組成物及びこれを用いた繊維強化成形材料に関す
る。
【0002】
【従来の技術】一般に、不飽和ポリエステル樹脂は、5
〜10%の硬化体積収縮率を有するが、これに低収縮剤
として熱可塑性樹脂を混入した、いわゆる低収縮剤混合
型不飽和ポリエステル樹脂組成物は、極めて小さい硬化
体積収縮率を示し、従来の不飽和ポリエステル樹脂に比
べて硬化に伴うクラックの発生や変形などが少ない。ま
た、シートモールディングコンパウンド(SMC)やバ
ルクモールディングコンパウント(BMC)に代表され
る不飽和ポリエステル樹脂成形材料として、この低収縮
剤混合型不飽和ポリエステル樹脂を用いることによっ
て、成形品の寸法精度、表面平滑性などが改良されるよ
うになった。低収縮剤混合型不飽和ポリエステル樹脂組
成物に用いられる熱可塑性樹脂としては、入手し易く、
安価なポリスチレンが広く用いられている。
【0003】低収縮性とともに高耐煮沸性や高耐候性が
要求される用途では、不飽和ポリエステル樹脂組成物
に、これらの特性を付与する、例えば、イソフタル酸、
ビスフェノール系化合物又はネオペンチルグリコールを
用いて合成した不飽和ポリエステル等を用いる手法があ
る。しかし、これらの添加剤は、ポリエステル樹脂組成
上の制限を受けるため、他の要求特性が犠牲になる、比
較的高価である等の問題を有していた。また、SMC、
BMC配合として耐煮沸性や耐候性を向上させる場合、
例えば、表面処理されたフィラーの使用、水酸化アルミ
ニウムの併用などの手法もあるが、これらの材料も高価
であるため、汎用的には使用されにくい。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、優れた低収
縮性及び表面平滑性を有し、さらに特に、耐煮沸性及び
耐候性を向上させた不飽和ポリエステル樹脂組成物及び
これを用いた繊維強化成形材料を提供することを目的と
するものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、(A)不飽和
ポリエステル、(B)α,β−エチレン性不飽和単量体
及び(C)低収縮剤を含有する不飽和ポリエステル組成
物において、(C)成分の低収縮剤として、重量平均分
子量が17,000〜24,000であるポリスチレン
を含有することを特徴とする不飽和ポリエステル樹脂組
成物に関する。本発明は、また、本発明の不飽和ポリエ
ステル樹脂組成物に補強繊維を含有させたことを特徴と
する繊維強化成形材料に関する。本発明の不飽和ポリエ
ステル樹脂組成物は、(A)成分と(B)成分の総量に
対する(A)成分の割合が40〜70重量%であり、
(A)成分、(B)成分及び(C)成分の総量に対する
(C)成分の配合割合が2〜20重量%であることが好
ましい。
【0006】なお、本明細書において、重量平均分子量
は、ゲル浸透クロマトグラフィーを用いて標準ポリスチ
レン換算で求めたものである。
【0007】
【発明の実施の形態】本発明に用いられる(A)成分の
不飽和ポリエステルには、特に制限はなく、この不飽和
ポリエステルは、α,β−不飽和多塩基酸及び/又はそ
の無水物を必須成分として含む多塩基酸成分と多価アル
コールを反応させて得られる。不飽和ポリエステルの合
成原料であるα,β−不飽和多塩基酸又はその無水物と
しては、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、シトラコ
ン酸、これらの無水物などが挙げられる。これらは、単
独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
【0008】多塩基酸成分としては、不飽和基の濃度を
調節すること、可撓性、耐熱性などの特性を付与するた
めに、α,β−不飽和多塩基酸及び/又はその無水物の
ほか、飽和多塩基酸又はその無水物を併用することが好
ましい。このとき、α,β−不飽和多塩基酸及び/又は
その酸無水物の使用割合は、多塩基酸成分のうち40モ
ル%以上とすることが好ましい。α,β−不飽和多塩基
酸及び/又はその酸無水物の使用割合が40モル%より
少ないと、得られる成形品の強度が漸次低下する傾向を
示す。このことから、α,β−不飽和多塩基酸及び/又
はその酸無水物の使用割合は、45〜80モル%である
ことが好ましく、50〜70モル%であることが特に好
ましい。
【0009】併用される飽和多塩基酸及びその酸無水物
としては、例えば、フタル酸、無水フタル酸、イソフタ
ル酸、テレフタル酸、テトラヒドロフタル酸、テトラヒ
ドロ無水フタル酸、3,6−エンドメチレンテトラヒド
ロ無水フタル酸、ヘキサヒドロフタル酸、ヘキサヒドロ
無水フタル酸、グルタル酸、アジピン酸、セバシン酸、
トリメリット酸、無水トリメリット酸、ピロメリット
酸、ダイマー酸、こはく酸、アゼライン酸、ロジン−マ
レイン酸付加物などが挙げられる。これらは単独で用い
てもよいし、2種以上を併用してもよい。
【0010】不飽和ポリエステルのもう一つの合成原料
である多価アルコールとしては、エチレングリコール、
ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロ
ピレングリコール、1,3−ブタンジオール、1,4−
ブタンジオール、2,3−ブタンジオール、1,5−ペ
ンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、トリエチ
レングリコール、ネオペンチルグリコール、イソペンチ
ルグリコール、1,4−シクロヘキサンジオール、2,
2−ジエチル−1,3−プロパンジオール、2−n−ブ
チル−2−エチル−1,3−プロパンジオール、2,
2,4−トリメチル−1,3−プロパンジオール、水素
添加ビスフェノールA等の二価アルコール、グリセリ
ン、トリメチロールプロパン等の三価アルコール、ペン
タエリスリトール等の四価アルコールなどが用いられ
る。これらは単独で用いてもよいし、2種以上を併用し
てもよい。
【0011】本発明に用いる不飽和ポリエステルは、上
記のような多塩基酸成分と多価アルコール成分とを反応
させることにより得られる。この反応は、主に縮合反応
を進めることにより行われ、両成分が反応するときに生
じる水などの低分子化合物を系外へ脱離させることによ
り進行させる。多塩基酸成分と多価アルコール成分は、
多塩基酸成分1当量に対して多価アルコールを1〜1.
3当量の範囲で使用することが好ましく、1.03〜
1.05当量の範囲で使用することがより好ましい。多
価アルコールが少なくなると、得られる不飽和ポリエス
テルの分子量が小さくなる傾向にあり、多くなると、酸
価が小さくなって増粘剤による増粘の進行が遅くなる傾
向がある。
【0012】(A)成分である不飽和ポリエステルの製
造法には、特に制限はなく、例えば、上記多塩基酸成分
と多価アルコール成分とを縮合反応させ、両成分が反応
するときに生じる縮合水を系外へ除きながら進められ
る。縮合水を系外に除去することは、好ましくは不活性
気体を通じることによる自然留出又は減圧留出によって
行われる。縮合水の留出を促進するために、トルエン、
キシレンなどの溶剤を共沸成分として系中に添加するこ
ともできる。反応の進行は、一般に反応により生成する
留出分量の測定、末端の官能基の定量、反応系の粘度の
測定などにより知ることができる。
【0013】反応温度は、150℃以上とすることが好
ましく、また、酸化による副反応を防止するために窒
素、二酸化炭素などの不活性気体を通気しながら行うこ
とが好ましい。このことから、反応装置としては、ガラ
ス、ステンレス製などのものが選択され、攪拌装置、水
とアルコール成分の共沸によるアルコール成分の留出を
防ぐための分留装置、反応系の温度を高める加熱装置、
この加熱装置の温度制御装置、窒素等の不活性気体の吹
き込み装置などを備えた反応装置を用いることが好まし
い。
【0014】本発明に(B)成分として用いられるα,
β−エチレン性不飽和単量体としては、特に制限はな
く、例えば、スチレン、クロルスチレン、ジビニルベン
ゼン、ターシャリーブチルスチレン、臭化スチレン等の
スチレン誘導体、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エ
チル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル等のメタク
リル酸又はアクリル酸(以下、(メタ)アクリル酸と略
す)のアルキルエステル、β−ヒドロキシメタクリル酸
エチル、β−ヒドロキシアクリル酸エチル等の(メタ)
アクリル酸のヒドロキシアルキルエステル、ジアリルフ
タレート、アクリルアミド、フェニルマレイミドなどが
用いられる。また、エチレングリコールジメタクリレー
ト、ネオペンチルグリコールジメタクリレート、トリメ
チロールプロパントリメタクリレート等の多官能の(メ
タ)アクリル酸エステル類を用いることができる。これ
らは単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよ
い。
【0015】本発明に(C)成分として用いる重量平均
分子量が17,000〜24,000のポリスチレンと
しては、例えば、スチレンの懸濁重合により得られるポ
リスチレンが好ましい。小粒径のものは、発泡ポリスチ
レン用ビーズの粒径格外品として入手しうる。上記の重
量平均分子量範囲のポリスチレンを用いることにより、
得られる成形品は、優れた低収縮性、平面平滑性、耐煮
沸性及び耐候性を有するものとなる。重量平均分子量が
17,000未満であると、上記性能、特に、耐煮沸性
及び耐候性が低下し、重量平均分子量が24,000を
超えると、SMC、BMC作製時に補強繊維との含浸性
が悪化し、得られる成形品外観は低下し、上記性能も発
揮されないことがある。
【0016】(C)成分のポリスチレンを、(B)成分
のα,β−エチレン性不飽和単量体の溶液として使用す
る場合、(B)成分と(C)成分の総量に対する(C)
成分の配合割合は、20〜50重量%であることが好ま
しく、25〜45重量%であることがより好ましい。こ
の量が20重量%未満であると、得られる成形品の機械
強度が低下し、50重量%を超えると、SMC、BMC
配合時の作業性が悪くなる。ポリスチレンを固形で配合
するときは、SMC、BMCのコンパウンド配合時に炭
酸カルシウム等の充填剤と一緒に配合することにより溶
解する。
【0017】本発明において、(A)成分の不飽和ポリ
エステルと(B)成分のα,β−エチレン性不飽和単量
体の総量に対する(A)成分の配合割合は、好ましくは
40〜70重量%、より好ましくは50〜60重量%で
あり、(A)成分と(B)成分と(C)成分の総量に対
する(C)成分の配合割合は、好ましくは2〜20重量
%、より好ましくは5〜15重量%である。(A)成分
と(B)成分の総量に対する(A)成分の配合割合が4
0重量%未満であると、得られる成形品の機械強度が低
下する傾向があり、70重量%を超えると、硬化不良と
なる傾向がある。また、(A)成分と(B)成分と
(C)成分の総量に対する(C)成分の配合割合が2重
量%未満であると、硬化収縮性の改善効果が認められ
ず、硬化収縮率が大きくなる傾向があり、20重量%を
超えると、得られる成形品の機械強度が低下する傾向が
ある。
【0018】本発明の不飽和ポリエステル樹脂組成物に
は、本発明の目的を損なわない限り必要に応じて充填
剤、硬化剤、重合禁止剤、増粘剤、離型剤、補強繊維、
着色剤などを加えて使用することができる。
【0019】充填剤としては、硅砂、炭酸カルシウム、
タルク、クレー等の無機系充填剤、木粉、ポリエチレン
パウダー、各種FRP成形品の粉砕物等の有機系充填剤
などが挙げられる。充填剤の使用量は、成形品の強度等
の物性、不飽和ポリエステル樹脂組成物の粘度、流動性
を考慮して決定されるが、前記の(A)成分と(B)成
分との総量100重量部に対して100〜200重量部
とすることが好ましく、105〜150重量部とするこ
とがより好ましい。この使用量が少なすぎると、組成物
中で沈降する場合があり、また、多すぎると、組成物の
粘度が高くなって攪拌が困難となる傾向がある。充填剤
のうち、粒子径が0.08〜1.0μmの重質炭酸カル
シウムを60〜100重量部使用することが特に好まし
い。
【0020】硬化剤としては、例えば、ケトンパーオキ
サイド類、パーオキシジカーボネート類、ハイドロパー
オキサイド類、ジアシルパーオキサイド類、パーオキシ
ケタール類、ジアルキルパーオキサイド類、パーオキシ
エステル類などが挙げられる。硬化剤の量は、成形サイ
クルのみでなく、材料の保存性、色ムラ等の面に影響が
あるため、それぞれに応じて決定される。材料の保存
性、成形サイクルの面から(A)成分と(B)成分の総
量100重量部に対して0.5〜5重量部が好ましく、
1〜3重量部がより好ましい。
【0021】重合禁止剤としては、p−ベンゾキノン、
ナフトキノン、トルキノン、ハイトロキノン、モノ−t
−ブチルハイドロキノン、ジブチルヒドロキシトルエン
などが挙げられる。重合禁止剤は、(A)成分と(B)
成分の総量100重量部に対して0.5重量部以下で使
用されることが好ましい。また、硬化剤を配合したとき
は、貯蔵安定性のため、0.005重量部以上含有させ
ることが好ましい。
【0022】増粘剤としては、例えば、酸化マグネシウ
ム、水酸化マグネシウム、酸化カリウム、水酸化カリウ
ムなどが用いられるが、一般的には酸化マグネシウムが
用いられる。増粘剤の量は、成形の作業性に応じて決定
され、(A)成分と(B)成分の総量100重量部に対
して0.5〜5重量部が好ましく、0.7〜2重量部が
より好ましい。増粘剤が少なすぎると、樹脂組成物の粘
度が上昇しない場合があり、多すぎると、粘度が上昇し
すぎて制御できなくなる場合がある。
【0023】離型剤としては、ステアリン酸亜鉛、ステ
アリン酸カルシウムなどが使用される。離型剤の量は、
(A)成分と(B)成分の総量100重量部に対して1
〜10重量部であることが好ましく、2〜4重量部であ
ることがより好ましい。離型剤の量が少なすぎると、成
形品が型に付き、脱型しにくく、また、成形品のクラッ
ク等が入る場合がある。また、離型剤が多すぎると、成
形品の強度が低下する傾向にある。
【0024】本発明の不飽和ポリエステル樹脂組成物の
粘度は、成形品によって決定されるが、40℃において
1,000〜160,000Pa・sとなるように調整され
ることが好ましい。粘度が低すぎると、成形品の表面に
スカミングが発生しやすく、また、粘度が高すぎると、
型締め時間が長くなり、成形サイクルが長くなる傾向を
示す。本発明の不飽和ポリエステル樹脂組成物の粘度
は、40℃において30,000〜150,000Pa・s
となるように調整されることがより好ましく、60,0
00〜120,000Pa・sとなるように調整されること
が特に好ましい。本発明の不飽和ポリエステル樹脂組成
物の粘度は、増粘剤の配合量や熟成条件によって調整す
ることができる。
【0025】また、本発明の不飽和ポリエステル樹脂組
成物には、さらに補強繊維を含有させて繊維強化成形材
料とすることができる。繊維強化成形材料としては、S
MC、BMCなどがある。本発明の繊維強化成形材料に
おいて、補強繊維の使用量は、要求される強度により異
なるが、前記の(A)成分と(B)成分の総量100重
量部に対して15〜35重量部とすることが好ましい。
【0026】補強繊維としては、ガラス繊維、炭素繊
維、アラミド繊維、ポリビニルアルコール系繊維などが
挙げられ、一般的にはガラス繊維が用いられる。これら
の補強繊維は、連続繊維、織布、不織布などの形で用い
られるが、ロービング状のものを適当な長さ(SMCの
場合は好ましくは20〜30mm、BMCの場合は好まし
くは6〜15mm)に切断したものを用いることが好まし
い。
【0027】本発明の繊維強化成形材料を用いて繊維強
化成形品(FRP成形品)を成形する方法としては、特
に制限はないが、例えば、ハンドレイアップ法、スプレ
ーアップ法、遠心成形等のオープンモールド成形、射出
成形、圧縮成形、注型成形、トランスファー成形、押出
成形、バック成形、コールドプレス成形、RTM成形、
レジンインジェクション成形、マッチドメタルダイ成形
等のクローズド成形が挙げられ、また、連続成形を行う
こともできる。
【0028】前記の繊維強化成形材料、例えば、SMC
及びBMCは、それぞれ通常のSMC製造装置又はBM
C製造装置を用いて製造することができる。
【0029】SMCの場合、調合樹脂組成物を離型フィ
ルム上に均一の厚さになるように塗布し、この上に所定
の長さにカットされたガラス繊維等の補強繊維を均一に
散布し、さらにこの上に調合樹脂組成物を塗布した他の
フィルムを、散布した補強繊維が調合樹脂組成物で挟ま
れるようにして重ね合わせ、これをロールに巻き取り、
必要に応じて熟成等を行ってシート状成形材料とするこ
とができる。増粘剤を配合した場合には、室温〜60℃
の温度に加熱して熟成することが好ましい。離型フィル
ムとしては、ポリエチレンフィルム、ポリプロピレンフ
ィルム、ポリエチレンテレフタレートフィルムなどを用
いることができる。
【0030】BMCの場合、本発明のポリエステル樹脂
組成物に補強繊維が混合されるが、その際使用される成
分の混合順序については特に制限はない。
【0031】上記のようなシート状成形材料は、圧縮成
形、トランスファー成形等により成形され、広範囲なF
RP成形品の成形に使用することができる。成形温度は
70〜150℃、成形圧力は0.1〜10MPaであるこ
とが好ましい。
【0032】
【実施例】次に、本発明を実施例により詳しく説明する
が、本発明はこれによって制限されるものではない。
【0033】実施例1 攪拌機、コンデンサ、窒素ガス導入管及び温度計を取り
付けた2リットルの四つ口フラスコに無水マレイン酸9
81g、プロピレングリコール761g、ジエチレング
リコール106g及びハイドロキノン0.28gを仕込
み、窒素ガス雰囲気下90℃に加熱した。その後、攪拌
しながら2時間かけて160℃に、4時間かけて190
℃に昇温した。さらに攪拌しながら4時間かけて210
℃に昇温し、そのまま保温して反応を進め、定期的に酸
価を測定して酸価が27mgKOH/gになった時点で急冷
し、不飽和ポリエステルを得た。不飽和ポリエステル6
0重量部をスチレンモノマー40重量部に溶解して不飽
和ポリエステル溶液を得た。
【0034】スチレンの懸濁重合により得られるポリス
チレンのうち、重量平均分子量が17,000のもの9
00gをスチレン2100gに攪拌しながら均一に分散
させ、ポリスチレン溶液を得た。これを以下、ポリスチ
レン溶液(C1)と記す。
【0035】上記の不飽和ポリエステル溶液、ポリスチ
レン溶液(C1)及び表1に示す配合物を表1に示す配
合割合で用い、常法によって両面にポリエチレンテレフ
タレートフィルムを備えたSMCを作製した。なお、組
成物の製造に用いた炭酸カルシウムは、日東粉化工業株
式会社製の商品名NS−100のものであり、ガラス繊
維は、ガラスロービング(富士ファイバーグラス株式会
社製、商品名ER−4630)を1インチ長にカットし
たものである。
【0036】得られたSMCを40℃の空気中に3日間
放置後、平板金型(250mm×500mm)を用いて成形
温度140℃、成形時間10分及び成形圧力100kg/c
m2の条件で厚さ3mmのシート状の成形品を成形した。得
られた成形品の線収縮率、表面平滑性、耐煮沸性及び耐
候性を下記の方法により測定し、その結果を表1に示し
た。
【0037】線収縮率 (L0−L)×100/L0〔%〕(但し、L0は金型の
長さ方向の寸法、Lは成形品の長さ方向の寸法を示す)
により求めた。 表面平滑性 米国バッド社(Budd社)製サーフェスアナライザを用い
て6インチの長さについて測定した指標(6インチSN
値)で表した。6インチSN値は、小さいほど表面平滑
性に優れる。
【0038】耐煮沸性 90〜95℃の熱水に試験片を100時間全面浸漬し、
計算式 (W−W0)×100/W0〔%〕(但し、W0は試験前
の試験片の重量、Wは試験後の試験片の重量を示す)に
より重量変化率を測定し、さらに黄変度ΔEを測定し
た。 耐候性 WS型促進曝露試験(JIS A1415−1994)
により100時間後の黄変度ΔEを測定した。
【0039】実施例2 スチレンの懸濁重合により得られるポリスチレンのう
ち、重量平均分子量が24,000のものを実施例1と
同様にスチレンに溶解させ、ポリスチレン溶液(以下、
ポリスチレン溶液(C2)と記す)を得た。実施例1で
製造した不飽和ポリエステル組成物溶液、ポリスチレン
溶液(C2)及び表1に示す配合物を表1に示す配合割
合で用い、SMCを作製し、実施例1と同様の評価を行
った。その結果を表1に示した。
【0040】比較例1 ポリスチレン(電気化学工業社製、商品名デンカスチロ
ールQP−2−301、重量平均分子量160,00
0)を実施例1と同様にスチレンに溶解させ、ポリスチ
レン溶液(以下、ポリスチレン溶液(C3)と記す)を
得た。実施例1で製造した不飽和ポリエステル組成物溶
液、ポリスチレン溶液(C3)及び表1に示す配合物を
表1に示す配合割合で用い、SMCを作製し、実施例1
と同様の評価を行った。その結果を表1に示した。
【0041】比較例2 ポリスチレン(旭化成工業社製、商品名スタイロン、重
量平均分子量25,000)を実施例1と同様にスチレ
ンに溶解させ、ポリスチレン溶液(以下、ポリスチレン
溶液(C4)と記す)を得た。実施例1で製造した不飽
和ポリエステル組成物溶液、ポリスチレン溶液(C4)
及び表1に示す配合物を表1に示す配合割合で用い、S
MCを作製し、実施例1と同様の評価を行った。その結
果を表1に示した。
【0042】
【表1】
【0043】表1の結果から、重量平均分子量が17,
000〜24,000のポリスチレンを低収縮剤として
用いることにより、実施例1及び実施例2に示されるよ
うに、比較例1、比較例2と比べて優れた成形品特性を
示す成形品が得られることが分かる。本発明によれば、
特に、耐煮沸性及び耐候性に優れた成形品を得ることが
可能となる。
【0044】
【発明の効果】本発明の不飽和ポリエステル樹脂組成物
を用いれば、優れた低収縮性及び表面平滑性を有すると
ともに、特に、耐煮沸性及び耐候性を向上させた成形品
を安価に提供することが可能となる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4F072 AA02 AB04 AB06 AB09 AB10 AD05 AD09 AD38 AE13 AK12 AK13 AK14 AK15 4J002 BC01X BC03X BC08X BC11X BF05X BG04X BG05X BG07X BH02X CF21W FA047 FD017 FD20X FD206

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (A)不飽和ポリエステル、(B)α,
    β−エチレン性不飽和単量体及び(C)低収縮剤を含有
    する不飽和ポリエステル樹脂組成物において、(C)成
    分の低収縮剤として、重量平均分子量が17,000〜
    24,000であるポリスチレンを含有することを特徴
    とする不飽和ポリエステル樹脂組成物。
  2. 【請求項2】 (A)成分と(B)成分の総量に対する
    (A)成分の配合割合が40〜70重量%であり、
    (A)成分、(B)成分及び(C)成分の総量に対する
    (C)成分の配合割合が2〜20重量%である請求項1
    記載の不飽和ポリエステル樹脂組成物。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2記載の不飽和ポリエステ
    ル樹脂組成物に補強繊維を含有させたことを特徴とする
    繊維強化成形材料。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009024163A (ja) * 2007-06-20 2009-02-05 Showa Highpolymer Co Ltd 不飽和ポリエステル樹脂組成物及びそれを用いた樹脂複合組成物
KR102243646B1 (ko) * 2020-10-23 2021-04-23 주식회사 주안 자연섬유를 이용한 초고강도 섬유보강 성형물 및 이의 제조 방법

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