JP2001098062A - 不飽和ポリエステルの製造方法、不飽和ポリエステル樹脂組成物及びその成形材料 - Google Patents

不飽和ポリエステルの製造方法、不飽和ポリエステル樹脂組成物及びその成形材料

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JP2001098062A
JP2001098062A JP2000226949A JP2000226949A JP2001098062A JP 2001098062 A JP2001098062 A JP 2001098062A JP 2000226949 A JP2000226949 A JP 2000226949A JP 2000226949 A JP2000226949 A JP 2000226949A JP 2001098062 A JP2001098062 A JP 2001098062A
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  • Separation, Recovery Or Treatment Of Waste Materials Containing Plastics (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 回収PETをグリコール分解させ得られる不
飽和ポリエステル樹脂系において、スチレン等の不飽和
単量体との相溶性を改善し、更にポリスチレン等の低収
縮化剤との相溶性をも改善し、表面外観に優れた成形物
を提供する。 【解決手段】 (A)回収ポリエチレン−テレフタレート
をグリコール中で分解する工程、(B)無水マレイン酸を
添加して反応させる工程、(C)更にジシクロペンタジエ
ンを付加反応させる工程、これら(A)〜(C)からなる工程
(1)と、その工程(1)で得られる反応生成物に多価
アルコール等を加え、重縮合反応をさせる工程(2)か
らなることを特徴とする不飽和ポリエステルの製造方
法、それを含む不飽和ポリエステル樹脂組成物、及びそ
の成形材料。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ポリエチレン−テ
レフタレート(以下、PETと略記する)を原料として
用いる不飽和ポリエステルの製造方法、それを用いてな
る不飽和ポリエステル樹脂組成物及び成形材料に関する
ものである。
【0002】
【従来の技術】従来、回収されたPETの有効利用の一
例として、PETをグリコール中で分解した後、不飽和
多塩基酸、グリコールを反応させ不飽和ポリエステルを
製造することが知られており、例えば、特開平11−6
0707号公報、特開平8−151438号公報、特開
平11−181067号公報のように近年再度検討され
ている。
【0003】しかし、回収PETから得られる不飽和ポ
リエステルは、スチレン等の不飽和単量体との相溶性、
経時の樹脂液の溶解性が良くない。これは、PETセグ
メント由来の結晶性やPET由来のエチレングリコール
とフマル酸とのエステル部の分子間水素結合の強さ等が
影響しているものと推定される。この相溶性を改良する
手法として、特開平8−151438号公報に例示され
ているように、種々のグリコール類の併用が一般的に行
われている。しかし、この場合、スチレン等の不飽和単
量体との相溶性の改善を主眼としており、該樹脂組成物
から得られる成形品の品質、性能をも加味した検討はさ
れていない。
【0004】こうした不飽和ポリエステルを用いた成形
材料であるシートモールディングコンパウンド(SM
C)、バルクモールドコンパウンド(BMC)等では、
低収縮化剤としての熱可塑性樹脂を配合する必要があ
る。低収縮化剤としては、特にポリスチレン系樹脂が、
耐水性があり、また安価なため多用されている。従来の
回収PETを用いた不飽和ポリエステルでは、この低収
縮化剤との相溶性や混合状態での経時の均一性が劣り、
成形材料の増粘工程中や保存中に両者が分離を起こしや
すく、こうした成形材料を硬化させ成形した成形品は、
既存の樹脂を用いた成形材料で得られる成形品に比べ、
成形品外観、品質が劣るものであった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、上記
従来の問題点、PETから得られる不飽和ポリエステル
樹脂組成物を用いた成形品の欠点、即ち、低収縮化剤と
の相溶性、それを用いた成形品の表面外観、品質を改善
した不飽和ポリエステル及びその成形材料を提供するこ
とにある。
【0006】
【問題点を解決するための手段】本発明者らは、上記従
来の問題点を解決すべく、PETを用いた不飽和ポリエ
ステルの有用性を高めるべく、鋭意研究を重ねた結果、
本発明を完成するに至った。
【0007】即ち、本発明は、(A)PETを多価アルコ
ール中で分解する工程、(B)その分解物に無水マレイン
酸を添加して反応させる工程及び(C)ジシクロペンタジ
エンを無水マレイン酸由来のカルボン酸基に付加反応さ
せる工程からなる工程(1)と、その工程(1)で得ら
れる反応生成物に多価アルコール又は多価アルコールと
多塩基酸を加えて重縮合反応をさせる工程(2)からな
ることを特徴とする不飽和ポリエステルの製造方法、こ
の不飽和ポリエステルと重合性不飽和単量体とからなる
不飽和ポリエステル樹脂組成物及びその成形材料を提供
するものである。
【0008】
【発明の実施の形態】本発明の(A)工程の製造原料のP
ETとは、基本的にテレフタル酸とエチレングリコール
とから合成されるポリマーで、PET製造時の廃材、各
種のPET成形品を回収した再生PET品、PET成形
品製造時の成形破材等のPET破砕物である。その代表
例は、PETボトルを物理機械的に粉砕して得られるも
ので、好ましくは平均粒径1〜10mmのチップ状、粉
末状、ペレット状、フレーク状PETであり、所謂回収
PET、再生ポリエステルと呼ばれる物である。
【0009】本発明でのPETは、その組成が例えば、
飽和酸であるテレフタル酸とエチレングリコールとから
なるもののみならず、その他の成分としてシクロヘキサ
ンジメタノール、イソフタル酸、ナフタレンジカルボン
酸等を改質の目的で共重合させているPETも含まれ
る。
【0010】また、成形品への色相等の制限が無けれ
ば、無色透明な回収PETだけでなく、緑色等に着色さ
れたものや印刷されたものも十分に不飽和ポリエステル
製造原料に使用できる。
【0011】本発明で使用される無水マレイン酸とは、
マレイン酸を加熱脱水すること、ベンゼンを触媒により
空気酸化すること等により得られる化合物である。市販
品が用いられるが、好ましくは、純度95%以上で、耐
熱着色性に優れるものである。
【0012】本発明で使用されるジシクロペンタジエン
(DCPDと略記)とは、特に高純度品を必要とせず、
一般的に市販されている純度のものが利用できる。但
し、重縮合反応中の多量のゲル物(熱架橋物)を生成し
ない成分で構成されたものが望ましく、純度は85%以
上のものが利用上好ましい。
【0013】本発明ではPETを多価アルコール中で分
解する(A)工程において利用できる分解用多価アルコー
ルとしては、低分子量のグリコールが好ましい。かかる
グリコールの添加量としては特に制限を加える必要はな
く、目的に応じて選択される。望ましいグリコールにつ
いては、PETに対し少量の添加でグリコール分解が可
能であり、260℃以下の比較的低温で、円滑かつ短時
間で分解反応が進むようなものが使用される。
【0014】分解に使用できるグリコールとしては、2
個のアルコール性水酸基が一級構造からなるものが反応
が早いことからより好ましい。そうしたものとしては、
例えば、ネオペンチルグリコール、2-メチル-1,3-
プロパンジオール、3-メチル-1,5-ペンタンジオー
ル等が望ましい。このPET分解用のグリコールは、不
飽和ポリエステルの分子設計及び要求性能に応じて、適
宜選定され使用される。むろん複数のグリコールの併用
も必要により行われる。その際、分解用グリコールとP
ETの量的割合は、好ましくは30:70〜90:10
(重量部)である。尚、本発明では、多価アルコールと
してはグリコールが好ましいが、場合によりグリセリ
ン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリト−ル等
のトリオール以上の多価アルコールを本発明の効果を損
なわない範囲で併用することもできる。
【0015】(A)工程の分解反応の温度は、好ましくは
200〜260℃の比較的低温で行うことができる。こ
の時、反応を進行させる目的で触媒を使用するのが望ま
しい。その触媒としては、例えば、金属の有機酸塩、ア
ルコキサイド、キレート化合物などがあり、樹脂物性を
損なわない化合物、量を選定し使用することが望まし
い。その触媒の添加量としては、分解用多価アルコール
とPETとの総重量に対して、好ましくは0.01〜
1.0重量%である。その化合物としては、好ましくは
錫化合物が挙げられ、その中でも特にモノブチル錫化合
物が好ましい。PET分解物の主成分は、エチレングリ
コール又は分解に使用した(A)工程で使用した多価アル
コールを末端に持つPETオリゴマーであり、テレフタ
ル酸グリコールジエステル化合物等からなるものであ
る。PET分解物の混合物には、(A)工程で使用した多
価アルコール、エチレングリコール等のフリーのポリオ
ールも含まれる。
【0016】PETの多価アルコール分解の(A)工程
後、PET分解物の混合物を好ましくは150℃以下に
冷却した後、(B)工程として必要量の無水マレイン酸を
添加し、該分解物と無水マレイン酸とを反応させ、さら
に、(C)工程としてDCPDを添加し、DCPDをマレ
イン酸と付加反応させる。DCPDの付加反応温度とし
ては、好ましくは120℃〜150℃が望ましい。この
温度帯では、DCPDのシクロペンタジエン(CPD)
等の単量体への分解が抑制され、目的の構造の樹脂が得
られる。しかし、CPDとマレイン酸とが反応して得ら
れるナジック酸(ノルボルネンジカルボン酸)が得られ
る不飽和ポリエステル樹脂の性能上必要である場合に
は、意図的に150℃を越える条件で反応させることを
制限するものではない。(B)工程の無水マレイン酸の添
加量は、好ましくはPET分解物の混合物の重量に対し
て40〜100重量%である。又、(C)工程のDCPD
の添加量は、PET分解物の混合物の重量に対して、好
ましくは20〜50重量%である。更に又、DCPDの
添加量については、DCPD/無水マレイン酸のモル比
が好ましくは0.1〜0.5/1、より好ましく0.1
5〜0.4/1となるようにするのが好ましい。
【0017】また、DCPDを付加反応する工程(C)の
DCPDの添加時期としては、無水マレイン酸の添加反
応(B)工程の後に限定されるものでなく、反応時の発熱
が制御可能であれば、(B)工程の無水マレイン酸の添加
反応前でも、無水マレイン酸と同時に添加反応してもよ
く、製造設備に適した添加時期が選定される。好ましく
は、反応の制御しやすいことから(B)工程(無水マレイ
ン酸の添加反応)後が望ましい。尚、DCPDの付加反
応工程は、無水マレイン酸由来のカルボン酸基にDCP
Dが付加する工程であり、実質的にディールス−アルダ
ー反応によるものではない。
【0018】DCPDを付加反応するには、工程(1)
終了時点の反応生成物の混合物の酸価が重要であり、好
ましくは酸価100mgKOH/g 程度、反応の制御や樹脂性
能との関係から酸価140〜300mgKOH/g程度に制御
して工程(2)に移行するのが望ましい。通常、かかる
工程(1)での酸価については、予め設定する酸価とな
るようにPET分解物の混合物、無水マレイン酸及びD
CPDを添加し、反応を進めるのが好ましい。
【0019】また無水マレイン酸の開環率を制御し、最
終理論酸価の値を上げる目的で、開環反応の直前に、多
価アルコールや少量の水の添加を行うこともある。これ
は、本発明での不飽和ポリエステル樹脂及び該樹脂を用
いた組成物の設計の範疇内において適宜行われる。
【0020】前記に説明したような方法で、目的の酸価
となるまでDCPDを付加反応させ工程(C)を終了し、
工程(1)を終了する。なおDCPDの付加率は、酸価
の減少量からおおまかに推定できる。望ましい付加反応
率は、90モル%以上である。
【0021】次工程(2)では、必要量の多価アルコー
ル、又はそれと多塩基酸を添加し、十分、窒素等不活性
ガス下にて置換した後、昇温を開始、脱水反応させる。
そして、好ましくは、180〜220℃の温度帯にて目
的の酸価、好ましくは20〜40mgKOH/gになるまで重
縮合反応させる。このようにして、前記工程(1)、
(2)から、目的の本発明の不飽和ポリエステルを製造
することができる。
【0022】本発明の工程(1)、(2)で利用できる
多価アルコールのうち、特に代表的なもののみを例示す
れば、エチレングリコール、プロピレングリコール、
1,3−プロパンジオール、2メチル−1,3プロパン
ジオール、1,2−ブタンジオール、1,3−ブタンジ
オール、ネオペンチルグリコール、2,2−ジエチル−
1,3プロパンジオール、2ブチル−2エチル−1,3
プロパンジオール、2,2,4−トリメチル−1,3ペ
ンタンジオール、3メチル−1,5ペンタンジオール、
1,6−ヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジ
メタノール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリ
コール、水素化ビスフェノールA、水素化ビスフェノー
ルAのアルキレンオキサイド付加物、水素化ハイドロキ
ノン、ビスフェノールAのアルキレンオキサイド付加物
等のグリコール類、グリセリン、トリメチロールプロパ
ン等の三官能以上のアルコールがある。これらの多価ア
ルコールのうちのグリコールが好ましく、三官能以上の
アルコールはグリコールと併用されるのが望ましい。ま
た粘度調節の目的でベンジルアルコール等の単官能のア
ルコールを併用してもよい。上記グリコールは、単独で
も併用してもよく、必要性能に応じて適宜選択、使用さ
れる。工程(2)でのグリコールの添加量は、工程
(1)の反応生成物の重量に対して、好ましくは30重
量%以下である。但し、グリコール過剰率の設定によ
り、前記範囲を越えることもある。また、三官能以上の
アルコールや単官能のアルコールについては本発明の効
果を損なわない量で添加できる。
【0023】本発明の工程(2)で利用できる多塩基酸
のうち、特に代表的なものを例示すれば、マレイン酸、
無水マレイン酸、フマル酸、イタコン酸などの不飽和多
塩基酸、マロン酸、コハク酸、アジピン酸、アゼライン
酸、セバシン酸等の脂肪族飽和多塩基酸、無水フタル
酸、イソフタル酸、テレフタル酸、トリメリット酸、
2,6−ナフタレンジカルボン酸などの芳香族飽和多塩
基酸、テトラヒドロ無水フタル酸、1,2ヘキサヒドロ
無水フタル酸、1,4シクロヘキサンジカルボン酸、ナ
ジック酸等の脂環式飽和多塩基酸等がある。また粘度調
節の目的で、安息香酸、4-t-ブチル−安息香酸等の単
官能の酸を用いてもよい。これらの多塩基酸は、単独で
も併用してもよく、必要性能に応じて適宜選択、使用さ
れる。工程(2)の多塩基酸の添加量は、工程(1)の
反応生成物の重量に対して、好ましくは30重量%以下
である。
【0024】これら諸原料を用いて合成された不飽和ポ
リエステルは、更に定法に従い、ラジカル重合性不飽和
単量体に溶解させ、液状の不飽和ポリエステル樹脂組成
物として用いる。ここで使用するラジカル重合性不飽和
単量体としては、一般的にスチレン類、アクリル酸エス
テル類、メタアクリル酸エステル類、ジアリルフタレー
トエステル類等の公知のものが使用できる。しかしこれ
に限定されるものでなく、不飽和ポリエステル樹脂液の
用途、要求性能に応じて各種の不飽和単量体を適宜選択
し、使用することができる。
【0025】本発明の製造方法によれば、高価なヒドロ
キシ化DCPDを用いることなく、また別途DCPD−
マレイン酸モノエステルの化合物を製造し、添加すると
いった煩雑な工程を必要とせず、性能の安定した不飽和
ポリエステルを大規模生産できる。
【0026】本発明の不飽和ポリエステル並びに同樹脂
組成物の製造は、既存の不飽和ポリエステル樹脂の製造
設備で十分対応可能である。
【0027】本発明の不飽和ポリエステル樹脂組成物を
主成分として、低収縮化剤、充填材、強化材、硬化剤、
着色剤、離型剤、増粘剤等を配合して得られる樹脂組成
物、成形材料は、PETを原料としていない従来の不飽
和ポリエステル樹脂組成物と同様に扱うことができる。
本発明の成形材料は、成形性に優れ、安定して高品質、
高外観な成形品が提供できる。
【0028】本発明の不飽和ポリエステル樹脂組成物
は、上記成形材料の他に、ガラスファイバー(GF)を
主たる強化材としたFRP成形品の製造にも十分使用可
能である。本発明の樹脂組成物は、通常の不飽和ポリエ
ステル樹脂組成物との混合、空乾性不飽和ポリエステル
樹脂組成物と混合することで、物性の改善、空乾性の付
与をしても良い。
【0029】その他に、樹脂組成物液の製造時に用いら
れている各種の添加剤、例えば硬化剤、促進剤、重合禁
止剤、ワックス類、揺変付与剤、補強材、充填剤、着色
剤等を必要に応じ選択し、組成物に併用することができ
ることは勿論である。
【0030】本発明の成形材料とは、該不飽和ポリエス
テル樹脂組成物を主成分とし、低収縮化剤、補強材、充
填剤、増粘剤、硬化剤等を含むシートモールディングコ
ンパウンド(SMC)やバルクモールディングコンパウ
ンド(BMC)等の成形材料であり、必要に応じて、着
色剤、離型剤、その他各種添加剤等を含むものである。
上記の各種添加剤としては、減粘剤、シランカップリン
グ、重合禁止剤等が挙げられ、必要性能に応じて適宜選
択し使用される。
【0031】本発明の成形材料に利用できる低収縮化剤
とは、代表例としては、ポリスチレン類、ポリメタクリ
ル酸メチル類、ポリエチレン類、ポリプロピレン類、飽
和ポリエステル類、ポリウレタン樹脂類等の熱可塑性重
合体がある。また前記ポリマーの3次元架橋粒子も利用
できる。しかし、これに限定されるものでなく、成形材
の用途、要求性能に応じて各種低収縮化剤を適宜選択
し、使用することができる。なお一般的には、ポリスチ
レン等が耐水性に優れ、安価であるため多用されてい
る。この不飽和ポリエステル系成形材料の実用性におい
て、主剤の不飽和ポリエステルには、このポリスチレン
との相溶性を制御する技術が重要であり、本発明の不飽
和ポリエステルは望ましい結果を提供できる。
【0032】本発明の成形材料に利用できる補強材と
は、例えば、ガラス繊維(GF)、炭素繊維、アラミド
繊維や各種繊維の混紡繊維等がある。しかしこれに限定
されるものでなく、成形材料の用途、要求性能に応じて
各種補強材を適宜選択し、使用することができる。なお
一般的には、GF等が安価なため多用されている。
【0033】本発明の成形材料に利用できる充填剤と
は、特に代表的なもののみを例示すれば、炭酸カルシウ
ム、水酸化アルミニウム、クレー、タルク、シリカ等が
挙げられる。しかしこれらに限定されるものではなく、
成形材料の用途、要求性能に応じて各種補強剤を適宜選
択し使用することができる。なお一般的には、炭酸カル
シウム等が強度物性に優れ、安価なため多用されてい
る。又、充填剤には表面処理されたものも含むものであ
る。
【0034】本発明の成形材料に利用できる増粘剤と
は、代表例を示せば、酸化マグネシウム、酸化カルシウ
ム等の多価金属酸価物や、クルードMDI等の多官能イ
ソシアネート化合物がある。しかしこれに限定されるも
のでなく、成形材料の用途、要求性能に応じて各種増粘
剤を適宜選択し、使用することができる。なお一般的に
は、増粘度を制御し易い酸化マグネシウムが用いられ
る。
【0035】本発明の成形材料に利用できる硬化剤と
は、代表例を示せば、メチルエチルケトンパーオキサイ
ド、t−ブチルパーオキシイソプロピルカーボネート、
t−ブチルパーオキシベンゾエート等の有機過酸化物
類、AIBN等のアゾ化合物類がある。なかでも有機過
酸化物は、種類が多く成形品の生産性からくる成形時の
温度、時間に適した化合物を適宜選択し、使用すること
ができる。
【0036】本発明の成形材料に利用できる着色剤と
は、代表例を示せば、チタンホワイト等無機顔料類やフ
タロシアニン等有機顔料類があり、色相に応じて、種々
の着色剤を用いることができる。なお一般的には、顔料
を不飽和ポリエステル樹脂等に均一分散させたトナーと
して添加する場合が多い。
【0037】本発明の成形材料に利用できる重合禁止剤
とは、例えば、ハイドロキノン、トルハイドロキノン、
パラベンゾキノン等が挙げられる。しかし、これらに限
定されるものでなく、成形材料の成形性に応じて各種禁
止剤を適宜選択し、使用することができる。
【0038】本発明の成形材料に利用できる離型剤と
は、例えば、ステアリン酸、ラウリル酸等の脂肪酸やそ
の脂肪酸の亜鉛、カルシウム等の金属塩等がある。しか
しこれらに限定されるものではなく、成形材料の成形条
件に応じて各種離型剤を適宜選択し、使用することがで
きる。
【0039】その他、減粘剤等の粘度調節剤について
は、市販品が利用でき、必要により適宜選択し、使用で
きる。シランカップリング剤も市販品が利用できる。
【0040】上記成形材料の他に、本発明の不飽和ポリ
エステル樹脂組成物は、骨材、充填剤を主たる成分とし
たレジンコンクリート樹脂組成物として、その成形品の
製造にも十分使用可能である。
【0041】
【実施例】以下、本発明の実施例及び比較例により、本
発明を具体的に例示するが、本発明は、これらにより何
ら限定されるものではない。なお、実施例及び比較例に
記載の「部」は、重量部を示しており、「%」は、「重
量%」を示している。
【0042】実施例1 温度計、窒素ガス導入管、還流コンデンサ、攪拌機を備
えた2Lのガラス製フラスコを反応缶とした。工程
(1)、この反応缶に、ペットボトルを機械粉砕して得
られた回収PETフレークを384g(2.0モル) 、ネオ
ペンチルグリコールを208g(2.0モル)、 モノブチル
錫酸を0.3gを仕込み、窒素気流下、加熱を開始す
る。昇温中、徐々にPETが溶解し、スラリー状になっ
たら攪拌を開始する。内温が230℃になったところ
で、この温度を保持し約3時間反応する。内容物が透明
液状になったのを確認した後、120℃まで冷却する。
この温度で無水マレイン酸392g(4.0モル) を添加、
開環発熱を利用して130℃まで昇温させる。その後、
この温度にて95%DCPDを132g(1.0モル) を添
加、昇温、内温を140℃に保持し、約4時間付加反応
を行う。この時の付加終了時の設定酸価は、151mgKO
H/g である。 工程(1)終了時の酸価の実測値は、1
55mg KOH/g で、付加率は95モル%以上と推定され
る。次に工程(2)に移る。プロピレングリコール76
g(1.0モル)、 ネオペンチルグリコール63g(0.6モ
ル)、 ハイドロキノンを0.1g仕込み、窒素気流下、
加熱を開始する。約3時間かけて210℃まで昇温す
る。さらに、この温度を保持し、脱水させながら重縮合
反応を行い、約6時間後、酸価が27になったところ
で、150℃まで冷却し、目的の不飽和ポリエステルA
を得た。
【0043】この不飽和ポリエステルAに対し、スチレ
ンモノマー810g、ハイドキノン0.4gを添加、溶
解させ、モノマー含有量40重量%の該樹脂液Aを得
た。
【0044】次にこの樹脂液A 85.0部に対し、ポ
リスチレンのスチレンの溶液A(スチレン含有量65
%)22.0部、硬化剤BIC−75(化薬アクゾ製
品)を1.0部、パラベンゾキノン0.07部、ポリエ
チレン粉末2.0部、ステアリン酸亜鉛6.0部、炭酸
カルシウム140部、酸化マグネシウム0.8部を加
え、分散混合させ樹脂コンパウンドを調製した。
【0045】得られたコンパウンドを繊維長1インチの
ガラス繊維に含浸させ、シート状のSMC(成形材料)
Aを得る。このSMCの両面は、ポリエチレンフイルム
で保護し、さらにスチレンを透過させないアルミ蒸着フ
イルムで包装、保存する。なお、このSMCのガラス含
有量(GC%)は、30%に設定した。
【0046】このようにして得られたSMC(成形材
料)は、40℃にて24時間熟成した後、常温にて静
置、保管する。製造3日後に、成形温度140℃、圧力
70kgf/cm2にて金型を用いて平板状にプレス成形し
た。この成形品の表面外観を評価し、優劣の判断を行っ
た。
【0047】実施例2 実施例1と同様の2Lのガラス製フラスコを反応缶とし
た。工程(1)、この反応缶に、ペットボトルを機械粉
砕して得られた回収PETフレークを384g(2.0モ
ル) 、2-メチル-1,3-プロパンジオールを180g
(2.0モル)、 モノブチル錫酸を0.3gを仕込み、窒素
気流下、加熱を開始する。昇温中、徐々にPETが溶解
し、スラリー状になったら攪拌を開始する。内温が23
0℃になったところで、この温度を保持し約3時間反応
する。内容物が透明液状になったのを確認した後、12
0℃まで冷却する。この温度で無水マレイン酸392g
(4.0モル) を添加、開環発熱を利用して130℃まで昇
温させる。その後、この温度にて95%DCPDを13
2g(1.0モル) を添加、昇温、内温を140℃に保持
し、約4時間付加反応を行う。この時の付加終了時の設
定酸価は、155mgKOH/g である。工程(1)終了時の
反応混合物の酸価の実測値は、159mgKOH/g で、DC
PD付加率は95モル%以上と推定される。
【0048】次に、工程(2)に移る。上記工程(1)
で得た反応混合物に2メチル1,3プロパンジオール1
44g(1.6モル)、 ハイドロキノンを0.1g仕込み、
窒素気流下、加熱を開始する。約3時間かけて210℃
まで昇温する。さらにこの温度を保持し、脱水させなが
ら重縮合反応を行い、約6時間後、酸価が28になった
ところで、150℃まで冷却し、目的の不飽和ポリエス
テルBを得た。
【0049】実施例1と同様に、この不飽和ポリエステ
ルBに対し、スチレンモノマー810g、ハイドキノン
0.4gを添加、溶解させ、モノマー含有量40重量%
の該樹脂液Bを得る。
【0050】次に、実施例1と同様に、この樹脂液8
5.0部に対し、ポリスチレンAのスチレン溶液(スチ
レン含有量65%)22.0部、硬化剤BIC−75
(化薬アクゾ製品)を1.0部、パラベンゾキノン0.
07部、ポリエチレン粉末2.0部、ステアリン酸亜鉛
6.0部、炭酸カルシウム140部、酸化マグネシウム
0.8部を加え、分散混合させ樹脂コンパウンドを調製
した。
【0051】実施例1と同様に、得られたコンパウンド
を繊維長1インチのガラス繊維に含浸させ、シート状の
SMC(成形材料)Bを得る。さらに実施例と同様にし
て包装、保存する。なお、このSMCのガラス含有量
(GC%)は、30%に設定した。
【0052】実施例1と同様に、得られたSMCは、4
0℃にて24時間熟成した後、常温にて静置、保管す
る。製造3日後に、成形温度140℃、圧力70kgf/cm
2にて金型を用いて平板状にプレス成形した。
【0053】実施例3 実施例1と同様の2Lのガラス製フラスコを反応缶とし
た。工程(1)この反応缶に、ペットボトルを機械粉砕
して得られた回収PETフレークを384g(2.0モル)
、2-メチル−1,3-プロパンジオールを180g(2.
0モル)、 モノブチル錫酸を0.3gを仕込み、窒素気
流下、加熱を開始する。昇温中、徐々にPETが溶解
し、スラリー状になったら攪拌を開始する。内温が23
0℃になったところで、この温度を保持し約3時間反応
する。内容物が透明液状になったのを確認した後、12
0℃まで冷却する。この温度で無水マレイン酸392g
(4.0モル) を添加、開環発熱を利用して130℃まで昇
温させる。その後、この温度にて95%DCPDを13
2g(1.0モル) を添加、昇温、内温を140℃に保持
し、約4時間付加反応を行う。この時の付加終了時の設
定酸価は、155mgKOH/gである。工程(1)終了時の
反応混合物の酸価の実測値は、160mgKOH/g で、付加
率は95モル%以上と推定される。
【0054】次に工程(2)に移る。上記工程(1)で
得た反応混合物にネオペンチルグリコール166g (1.
6モル)、ハイドロキノンを0.1g仕込み、窒素気流
下、加熱を開始する。約3時間かけて210℃まで昇温
しする。さらにこの温度を保持し、脱水させながら重縮
合反応を行い、約6時間後、酸価が26になったところ
で、150℃まで冷却し、目的の不飽和ポリエステルC
を得た。
【0055】次に、実施例1と同様に、この樹脂液8
5.0部に対し、ポリスチレンAのスチレン溶液(スチ
レン含有量65%)22.0部、硬化剤BIC−75
(化薬アクゾ製)を1.0部、パラベンゾキノン0.0
7部、ポリエチレン粉末2.0部、ステアリン酸亜鉛
6.0部、炭酸カルシウム140部、酸化マグネシウム
0.8部を加え、分散混合させ樹脂コンパウンドを調製
した。
【0056】実施例1と同様に、得られたコンパウンド
を繊維長1インチのガラス繊維に含浸させ、シート状の
SMC(成形材料)Cを得る。さらに実施例と同様にし
て包装、保存する。なお、このSMCのガラス含有量
(GC%)は、30%に設定した。
【0057】実施例1と同様に、得られたSMCは、4
0℃にて24時間熟成した後、常温にて静置、保管す
る。製造3日後に、成形温度140℃、圧力70kgf/cm
2にて金型を用いて平板状にプレス成形した。
【0058】比較例1 実施例1と同様の2Lのガラス製フラスコを反応缶とし
た。この反応缶に、ペットボトルを機械粉砕して得られ
た回収PETフレークを384g(2.0モル) 、2-メチ
ル−1,3-プロパンジオールを180g(2.0モル)、
プロピレングリコール 92g(1.2モル)、 ネオペンチ
ルグリコール 104g(1.0モル)、 モノブチル錫酸を
0.4gを仕込み、窒素気流下、加熱を開始する。昇温
中、徐々にPETが溶解し、スラリー状になったら攪拌
を開始する。内温が220℃になったところで、この温
度を保持し約3時間反応する。内容物が透明液状になっ
たのを確認した後、120℃まで冷却する。この温度で
無水マレイン酸392g(4.0モル) を添加、開環発熱を
利用して150℃まで昇温させる。その後、加熱を開始
する。約3時間かけて210℃まで昇温する。さらにこ
の温度を保持し、脱水させながら重縮合反応を行い、約
7時間後、酸価が28になったところで、150℃まで
冷却し、比較のDCPD変性されていないPET由来の
不飽和ポリエステルDを得た。
【0059】次に、実施例1と同様に、この樹脂液8
5.0部に対し、ポリスチレンAのスチレン溶液(スチ
レン含有量65%)22.0部、硬化剤BIC−75
(化薬アクゾ製)を1.0部、パラベンゾキノン0.0
7部、ポリエチレン粉末2.0部、ステアリン酸亜鉛
6.0部、炭酸カルシウム140部、酸化マグネシウム
0.8部を加え、分散混合させ樹脂コンパウンドを調製
した。
【0060】実施例1と同様に、得られたコンパウンド
を繊維長1インチのガラス繊維に含浸させ、シート状の
SMC(成形材料)Dを得る。さらに実施例と同様にし
て包装、保存する。なお、このSMCのガラス含有量
(GC%)は、30%に設定した。
【0061】実施例1と同様に、得られたSMCは、4
0℃にて24時間熟成した後、常温にて静置、保管す
る。製造3日後に、成形温度140℃、圧力70kgf/cm
2にて金型を用いて平板状にプレス成形した。
【0062】比較例2 実施例1と同様の2Lのガラス製フラスコを反応缶とし
た。この反応缶に、ペットボトルを機械粉砕して得られ
た回収PETフレークを384g(2.0モル) 、プロピレ
ングリコール320g(4.2モル)、 モノブチル錫酸を
0.4gを仕込み、窒素気流下、加熱を開始する。昇温
中、徐々にPETが溶解し、スラリー状になったら攪拌
を開始する。内温が210℃になったところで、この温
度を保持約4時間反応する。内容物が透明液状になった
のを確認した後、120℃まで冷却する。この温度で無
水マレイン酸392g(4.0モル) を添加、開環発熱を利
用して150℃まで昇温させる。その後、加熱を開始す
る。約3時間かけて210℃まで昇温する。この温度を
保持し、脱水させながら重縮合反応を行い、約8時間
後、酸価が29になったところで、150℃まで冷却
し、比較のDCPD変性されていないのPET由来の不
飽和ポリエステルEを得た。
【0063】次に、実施例1と同様に、この樹脂液8
5.0部に対し、ポリスチレンAのスチレン溶液(スチ
レン含有量65%)22.0部、硬化剤BIC−75
(化薬アクゾ製)1.0部、パラベンゾキノン0.07
部、ポリエチレン粉末 2.0部、ステアリン酸亜鉛
6.0部、炭酸カルシウム140部、酸化マグネシウム
0.8部を加え、分散混合させ樹脂コンパウンドを調製
した。
【0064】実施例1と同様に、得られたコンパウンド
を繊維長1インチのガラス繊維に含浸させ、シート状の
SMC(成形材料)Eを得る。さらに実施例と同様にし
て包装、保存する。なお、このSMCのガラス含有量
(GC%)は、30%に設定した。
【0065】実施例1と同様に、得られたSMCは、4
0℃にて24時間熟成した後、常温にて静置、保管す
る。製造3日後に、成形温度140℃、圧力70kgf/cm
2にて金型を用いて平板状にプレス成形した。
【0066】なお、各実施例の前記コンパウンドに使用
したポリスチレンのスチレン溶液A中のポリスチレン
は、ディックスチレンCR−3500(大日本インキ化
学工業製品)である。その組成は、分子量約25万、ス
チレンのホモポリマーである。その他、使用した硬化剤
は、t−ブチルパーオキシイソプロピルカーボネートで
ある。
【0067】上記各実施例1〜3、並びに各比較例1,
2にて製造した成形材料(SMC)より得られた成形品
の外観を目視並びに光沢計(村上色彩技術研究所製)に
て評価した。それらの結果とSMCコンパウンド配合を
表1に合わせて示した。
【0068】
【表1】
【0069】[成形品外観の総合判定基準] ◎−光沢値が80以上で、表面の光沢むら、ピンホー
ル、かすれがない。 ○−光沢値が80以上で、ピンホール、かすれがなく、
光沢むらがわずかにある。 △−光沢値が70以上で、表面の光沢むら、ピンホー
ル、かすれがややある。 ×−光沢値が70以下で、表面の光沢むら、ピンホー
ル、かすれが多い。
【0070】上表1から判るように、本発明の製造法よ
り得られた樹脂を主成分とする成形材は、表面外観に優
れ、品質としても安定している。
【0071】実施例4 スケールアップ製造例1(不飽
和ポリエステル樹脂液) ガラス製フラスコと同様の設備を備えた2000L、S
US製反応缶を用い、に、ペットボトルを機械粉砕して
得られた回収PETフレークを500kg、2メチル
1,3プロパンジオールを235kg、モノブチル錫酸
を0.37kgを仕込み、窒素気流下、加熱を開始す
る。昇温中、徐々にPETが溶解し、スラリー状になっ
たら攪拌を開始する。内温が230℃になったところ
で、この温度を保持し約3時間反応する。内容物が透明
液状になったのを確認した後、120℃まで冷却する。
この温度で無水マレイン酸510kgを添加、開環発熱
を利用して130℃まで昇温させる。その後、この温度
にて95%DCPDを172kgを添加、昇温、内温を
140℃に保持し、約4時間付加反応を行う。この時の
付加終了時の設定酸価は、155mgKOH/g である。工程
(1)終了時の酸価の実測値は、158mgKOH/g で、付
加率は95モル%以上と推定される。次に工程(2)に
移る。2-メチル-1,3-プロパンジオール180k
g、ハイドロキノンを0.13kg仕込み、窒素気流
下、加熱を開始する。約3時間かけて210℃まで昇温
する。さらにこの温度を保持し、脱水させながら重縮合
反応を行い、約6時間後、酸価が27になったところ
で、150℃まで冷却し、目的の不飽和ポリエステルF
を得た。
【0072】実施例1と同様に、この不飽和ポリエステ
ルFに対し、スチレンモノマー820kg、ハイドキノ
ン0.5kgを添加、溶解させ、モノマー含有量40重
量%の該樹脂液Fを得る。
【0073】このスケールアップ製造で得られた不飽和
ポリエステルFと実施例2で得られたポリエステルBを
NMR分析、GPC測定等で詳細に比較した結果、ほぼ
同等の化学構造をした該ポリエステルであることが確認
された。また、樹脂液の硬化特性や粘度さらに、成形材
にした特性、成形品の物性評価においても、ほぼ同等で
あることが確認され、大規模生産性も実証された。
【0074】
【発明の効果】本発明で得られる樹脂は、従来技術で得
られた回収PET由来の不飽和ポリエステル樹脂の欠点
が大幅に改善されたもので、低収縮化剤との相溶性が向
上し、高品質高外観の成形品を得られるものである。本
発明は、資源有効利用の観点から社会的価値が大きい。
また、現実的には、大規模工業生産にも十分対応でき、
従来のPET系不飽和ポリエステル樹脂設計では得られ
難い、高外観な成形品の提供を可能とする。

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (A)ポリエチレン−テレフタレートを多
    価アルコール中で分解する工程、(B)その分解物に無水
    マレイン酸を添加して反応させる工程及び(C)ジシクロ
    ペンタジエンを無水マレイン酸由来のカルボン酸基に付
    加反応させる工程からなる工程(1)と、その工程
    (1)で得られる反応生成物に多価アルコール又は多価
    アルコールと多塩基酸を加えて重縮合反応をさせる工程
    (2)からなることを特徴とする不飽和ポリエステルの
    製造方法。
  2. 【請求項2】 工程(1)で得られた反応生成物の混合
    物の酸価が、100mgKOH/g以上であることを特徴とす
    る請求項1記載の不飽和ポリエステルの製造方法。
  3. 【請求項3】 無水マレイン酸の添加量が、ポリエチレ
    ン−テレフタレート分解物の混合物の重量に対して、4
    0〜100重量%であることを特徴とする請求項1記載
    の不飽和ポリエステルの製造方法。
  4. 【請求項4】 ジシクロペンタジエン/無水マレイン酸
    のモル比が0.1〜0.5/1であることを特徴とする
    請求項1〜3のいずれかに記載の不飽和ポリエステルの
    製造方法。
  5. 【請求項5】 ジシクロペンタジエンの添加量が、ポリ
    エチレン−テレフタレート分解物の混合物の重量に対し
    て、20〜50重量%であることを特徴とする請求項1
    〜4のいずれかに記載の不飽和ポリエステルの製造方
    法。
  6. 【請求項6】 請求項1〜4で得られた不飽和ポリエス
    テルと重合性不飽和単量体とからなることを特徴とする
    不飽和ポリエステル樹脂組成物。
  7. 【請求項7】 請求項6記載の不飽和ポリエステル樹脂
    組成物を含有してなることを特徴とする成形材料。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN102443114A (zh) * 2010-10-13 2012-05-09 常州华科树脂有限公司 综合性能优异的气干性不饱和聚酯树脂及其制备方法
CN102558531A (zh) * 2011-12-31 2012-07-11 济南大学 一种氨基聚酯聚醚及其制备方法和应用
JP2018039892A (ja) * 2016-09-06 2018-03-15 ジャパンコンポジット株式会社 成形材料用不飽和ポリエステル樹脂組成物、これを含む成形材料及び成形品
CN111116834A (zh) * 2019-12-30 2020-05-08 安徽新远科技有限公司 一种gma精馏残液的回收利用方法

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