JP3198833B2 - 不飽和ポリエステル樹脂の製造方法 - Google Patents

不飽和ポリエステル樹脂の製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ポリエチレンテレフタ
レートボトルなどから回収されたポリエチレンテレフタ
レートのリサイクルに関し、回収ポリエチレンテレフタ
レートを原料とする不飽和ポリエステル樹脂の製造方法
に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、ポリエチレンテレフタレート(以
下、PETと略称する)ボトルをリサイクルしようとす
る動きはあるが、ボトルに再生可能なレベルに迄PET
の品質を向上させるリサイクルは非常に困難であり、ま
た再生されたPETから成形されたボトルのコストも再
生前のPETボトルの数倍になると伝えられており、実
用性に乏しい。
【0003】一方、PETボトルを不飽和ポリエステル
樹脂の製造用の原料とする場合には、異物を極力取除い
た廃PET(PETウェスト、PET屑)であれば利用
が可能であり、コストも実用的な範囲、例えばテレフタ
ル酸とエチレングリコールとを原料として不飽和ポリエ
ステル樹脂を製造する場合よりもむしろ低コストで利用
可能な場合もあり得る。然し、従来の方法、即ちグリコ
ール中に廃PETを加え、加熱してグリコール分解する
やり方では、廃PETの使用割合は、ほぼポリエステル
全体(モノマーを除く)の30重量%位が限界となる。
これ以上の量の廃PETを用いようとすると、グリコー
ル溶解、分解に甚しく時間を要するばかりでなく、部分
的に過熱、分解することもある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、廃ペットの
リサイクル促進の見地から、グリコールに対して廃ペッ
トの使用割合が多くても、換言すれば廃PETの使用割
合に対してグリコールの使用割合が比較的少量であって
も、円滑に廃PETのグリコール分解が行われ、廃PE
Tの使用量を極力多く(例えば30重量%以上)する不
飽和ポリエステルの製造方法、およびこの不飽和ポリエ
ステルにこれと共重合するモノマーを配合した不飽和ポ
リエステル樹脂の製造方法を提供することを目的とす
る。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、廃PET
の使用量を極力多く使用する不飽和ポリエステルおよび
不飽和ポリエステル樹脂の製造方法について種々検討を
重ねた結果、従来の方法とは逆に、廃PETを熔融状態
に保ち、これに必要量のグリコールを逐次添加して廃P
ETのグリコール分解を行い、次いで必要量のα,β−
不飽和多塩基酸またはその酸無水物を加えてエステル化
を行うことにより、上記の目的を達成できることを知
り、本発明を完成することができた。
【0006】即ち、本発明は、回収されたポリエチレン
テレフタレ−トを熔融し、この熔融状態のポリエチレン
テレフタレ−トにグリコ−ルを逐次添加し、ここで該ポ
リエチレンテレフタレ−トとグリコ−ルの使用割合はポ
リエチレンテレフタレ−ト20〜90モル%(繰り返し
単位を1モルとして)、グリコ−ル80〜10モル%で
あり、均一となる迄グリコ−ル分解を行った後、必要量
のα、β−不飽和多塩基酸またはその酸無水物を加え、
更に必要段階迄エステル化を行うことを特徴とする不飽
和ポリエステルの製造方法に関する。
【0007】また、本発明は、上記発明で得られた不飽
和ポリエステルに、これと共重合するモノマーを配合す
ることを特徴とする不飽和ポリエステル樹脂の製造方法
に関する。
【0008】本発明の方法においては、当初、熔融廃P
ETにグリコールを逐次添加することは、廃PETの熔
融温度が高いことからグリコールの急激な還流が起こる
のではないかと考えられたが、実際にはグリコールを熔
融廃PETに逐次添加した場合には全くそのような現象
は起らず、頗る円滑に廃PETのグリコール分解が行わ
れたことは、むしろ驚くべきことであった。
【0009】以下に本発明を更に詳細に説明する。本発
明に用いる回収されたPETとは、一般にPETボトル
の回収品を米粒大に破砕、洗浄、乾燥した透明なペレッ
トに各色調のペレットが混合したものが主体であるが、
酸化鉄を含んだフロッピーディスクをも用いることがで
きる。
【0010】本発明においては、この回収されたPET
を260℃以上、好ましくは265〜270℃の熔融状
態に保ち、これにグリコールを逐次添加して廃PETの
グリコール分解を行う。
【0011】本発明に用いられるグリコールは、エチル
グリコールはモノマーとの相溶性に問題を生ずるので必
ずしも望ましくはないが、その他のグリコールに特に制
限を加える必要はなく、例えばプロピレングリコール、
ジプロピレングリコール、ジエチレングリコール、1,
2−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、ネオペ
ンチルグリコール、2−メチルプロパンジオール−1,
3、1,4−シクロヘキサンジメタノール、3−メチル
ペンタンジオール−1,5、オクチレングリコール、ノ
ナメチレングリコール、水素化ビスフェノールAなどが
あげられる。これらのグリコールは、併用することがで
きる。グリコールの中で常温で粉末のグリコールは、熔
融して逐次添加するが、粉末のまま分割投入してもよ
い。
【0012】上記グリコールの中では、1,2−ブタン
ジオール、メチル基を有するグリコールが、不飽和ポリ
エステルと共重合するモノマーとの相溶性を改善できる
ので好ましい。特にグリコールとして1,2−ブタンジ
オールを用いた場合は、廃PET量に対して比較的少量
の1,2−ブタンジオールの使用で、不飽和ポリエステ
ル樹脂化した時に、不飽和ポリエステルと共重合するモ
ノマーとの相溶性を良好に保ち、硬化樹脂の物性、特に
靭性を付与できるので好ましい。例えば、グリコールと
して1,2−ブタンジオールを用いると、20モル%の
使用量でも、残りの80モル%が廃PET、即ちグリコ
ール成分として80モル%がエチレングリコールであっ
ても不飽和ポリエステルとこれと共重合するモノマーと
の相溶性が保証される。1,2−ブタンジオールは、精
製された純品でも、或はクルード品と称するモノアセテ
ートを10%内外含む種類のものでも、利用することが
できる。必要に応じての他のグリコールとの併用は自由
である。
【0013】また、メチル基を有するグリコールとし
て、プロピレングリコールを用いた場合、不飽和ポリエ
ステルとこれと共重合するモノマーとの相溶性(例えば
50%スチレン溶液。以下同じ)を保証するためには、
使用総グリコールを100モル%とすると、その50モ
ル%以上、望ましくは60モル%を使用し、エチレング
リコールを40モル%使用で漸く共重合するモノマーと
の相溶性の確保が可能となる。これは変性する飽和酸が
フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸の場合に特に適
合するが、ネオペンチルグリコール、ジプロピレングリ
コールまたは2−メチルプロパンジオール−1,3では
20モル%の利用でも残りの80モル%がPET、即ち
グリコール成分として80モル%がエチレングリコール
であっても共重合するモノマーとの相溶性は保証され
る。従って、本発明の目的である極力廃PETの使用量
の多い不飽和ポリエステル樹脂を得るには、特に1,2
−ブタンジオール、メチル基を有するグリコール例えば
ネオペンチルグリコール、ジプロピレングリコールまた
は2−メチルプロパンジオール−1,3は頗る好都合な
グリコールとなる。
【0014】本発明においては、グリコールは熔融状態
の廃PETに逐次添加する。グリコールを逐次添加する
理由は、全グリコールを一度に熔融状態の廃PETに加
えたのではPETのブロックが析出して、撹拌困難とな
るからである。グリコールの逐次添加は、撹拌下に連続
的に添加または滴下してもよく、または間歇的に添加ま
たは滴下してもよい。
【0015】廃PETとグリコールとの使用割合は、グ
リコールの種類によって異なるが、下記に示す廃PET
の繰り返し単位
【化1】 を1モルとして20〜90モル%とグリコール80〜1
0モル%からなり、好ましくは廃PETの繰り返し単位
を1モルとして40〜80モル%とグリコール60〜2
0モル%からなる。グリコールの使用割合が80モル%
より多い場合は、廃PETを使用する意味に乏しくな
る。また10モル%より少ない場合は生成する不飽和ポ
リエステルの結晶性のためにモノマー(スチレン)との
相溶性に問題を生ずる。
【0016】廃PETをグリコール分解した後、必要量
のα,β−不飽和多塩基酸またはその酸無水物を加え、
必要段階迄エステル化して、不飽和ポリエステルを製造
する。ここで言う必要量とは、逐次添加したグリコール
とほぼ等モル即ち10〜80モル%の範囲内のα,β−
不飽和多塩基酸またはその酸無水物を加えることを意味
する。
【0017】用いられるα,β−不飽和多塩基酸または
その酸無水物としては、マレイン酸、無水マレイン酸、
フマル酸などがあげられる。α,β−不飽和多塩基酸ま
たはその酸無水物には、必要に応じて飽和多塩基酸また
はその酸無水物を併用することができる。飽和多塩基酸
またはその酸無水物としては、ベンゼン核を有するもの
として無水フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸およ
びテレフタル酸ジメチルエステルなどがあげられる。
【0018】エステル化は、常法に従い、不活性ガス気
流中、160〜230℃の温度で行われ、場合によって
は減圧下で必要段階迄エステル化される。ここで言う必
要段階とは、不飽和ポリエステルの酸価を100以下、
好ましくは30〜70迄エステル化することを意味す
る。不飽和ポリエステルの酸価は、用途によって適宜決
定される。
【0019】かくして得られた不飽和ポリエステルは、
これと共重合するモノマー、例えばスチレン、ビニルト
ルエン、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、メタク
リル酸メチル、メタクリル酸エチル、ジアリルフタレー
ト、ジアリルテレフタレートなどに溶解し、不飽和ポリ
エステル樹脂とすることができる。共重合するモノマー
の配合量は、多くともほぼ50重量%であることが好ま
しい。
【0020】本発明による廃棄PET使用の不飽和ポリ
エステル樹脂には、その使用に当って有機、無機の補強
材、フィラー、顔料、離型剤、熱可塑性ポリマーなどを
自由に併用できることは勿論である。
【0021】
【実施例】次に、本発明の理解を助けるために、以下に
実施例を示す。
【0022】実施例1 撹拌機、分溜コンデンサー、滴下ロート、温度計付ガス
導入管を付した1リットルのセパラブルフラスコに、米
粒大に粗砕した廃PET(透明品約90%、緑色に着色
されたタイプ約10%)230gを仕込み、内温が26
5〜270℃になる迄加熱した後(約1時間)、撹拌し
ながら精製1,2−ブタンジオール80gを30分かけ
て滴下した。1,2−ブタンジオールの沸点は190.
5℃であるのにも拘らず、1,2−ブタンジオールの著
しい還流は認められなかった。1,2−ブタンジオール
を滴下終了後、温度を235〜240℃に保ち、2時間
撹拌を続けたところ、内容物は均一になったことが認め
られたので、温度を200℃に下げ窒素ガス気流下更に
無水マレイン酸78gを加えエステル化を進めた。得ら
れた不飽和ポリエステルは、最終酸価が32.8、PE
T含有率は約60重量%であった。次いで、この不飽和
ポリエステルにハイドロキノン0.05g加え、更に1
30℃でスチレン250gを加え溶解した。得られたP
ET含有不飽和ポリエステル樹脂(A)は、黄緑色でや
や白濁しており、粘度は6.1ポイズであった。
【0023】PET含有不飽和ポリエステル樹脂(A)
100重量部に、メチルエチルケトンパーオキシド1重
量部、ナフテン酸コバルト(6%Co)0.4重量部、
ジメチルアニリン0.1重量部を加えた組成物を、離型
剤を塗布した二枚のガラス板を型枠を用いて組合せた型
に注型したところ、25℃で35分でゲル化した。ゲル
化後、80℃で2時間後硬化して得られた注型品の物性
値は、表1にみられるようにバランスのとれたものであ
った。物性値は、JIS K−6911に準じて測定し
た。
【0024】
【表1】 引張り強さ (kg/mm2) 5.5 引張り弾性率(kg/mm2) 330 伸び率 (%) 2.0 曲げ強さ (kg/mm2) 10.9 曲げ弾性係数(kg/mm2) 370 熱変形温度 (℃) 101
【0025】比較例1 実施例1で用いた同一のセパラブルフラスコに、米粒大
に粗砕した廃PET230g、精製1,2−ブタンジオ
ール80gを同時に仕込み、加熱した。実施例1のよう
に1,2−ブタンジオールの滴下法では、約1時間で2
65〜270℃となり1,2−ブタンジオールの滴下が
可能であったが、廃PETと1,2−ブタンジオールの
同時仕込みの場合には温度約210℃で1,2−ブタン
ジオールが沸騰、還流し、粥状で撹拌可能となる迄に約
3.5時間を要し、しかも均一な樹脂液が得られなかっ
た。この理由は、1,2−ブタンジオールの分解のため
と思われるが、無水マレイン酸を加えてからのエステル
化で酸価は100以下とならず、最後迄均一な樹脂液が
得られなかった。
【0026】実施例2 実施例1と同様のセパラブルフラスコに、廃PET(透
明品約90%、緑色に着色されたタイプ約10%)27
0gを仕込み、265〜270℃に熔融させた後、1,
2−ブタンジオール60gを60分かけて滴下した。
1,2−ブタンジオールを滴下終了後、温度240℃で
2時間撹拌して均一な樹脂液を得た。次に温度200℃
でフマル酸79gを加え、窒素ガス気流下でエステル化
を行い、最終酸価40.1とした。PET含有率は約6
9%であった。得られた不飽和ポリエステルにハイドロ
キノン0.05gを加え、スチレン395gに溶解し
た。得られたPET含有の不飽和ポリエステル樹脂
(B)は、黄緑色でやや白濁しており、粘度は4.9ポ
イズであった。スチレン含有率は約50重量%である
が、スチレンの分離は認められなかった。
【0027】PET含有の不飽和ポリエステル樹脂
(B)100重量部に、メチルエチルケトンパーオキシ
ド1重量部、ナフテン酸コバルト(6%Co)0.4重
量部、ジメチルアニリン0.1重量部を配合した組成物
を、実施例1と同様に硬化させた注型品の物性値は表2
にみられるようであった。
【0028】
【表2】 引張り強さ (kg/mm2) 5.3 引張り弾性率(kg/mm2) 350 伸び率 (%) 2.1 曲げ強さ (kg/mm2) 9.5 曲げ弾性係数(kg/mm2) 370 熱変形温度 (℃) 87
【0029】実施例3 撹拌機、分溜コンデンサー、滴下ロート、温度計付ガス
導入管を付した1リットルのセパラブルフラスコに、米
粒大に粗砕した廃PET(透明品約90%、緑色に着色
されたタイプ約10%)230gを仕込み、内温が26
5〜270℃になる迄加熱した後(約1時間)、加熱装
置を付した滴下ロートでネオペンチルグリコール90g
を130℃に加温し30分かけて熔融滴下した。ネオペ
ンチルグリコールの還流は認められなかった。ネオペン
チルグリコールを滴下終了後、温度を235〜240℃
に2時間保ち撹拌した。内容物は均一となったことが認
められた。温度を200℃に下げ、窒素ガス気流中で更
に無水マレイン酸78gを加え、エステル化を進めた。
得られた不飽和ポリエステルは、最終酸価が34.9、
PET含有率が約58%であった。次いで、ハイドロキ
ノン0.05gを加え、更に130℃でスチレン270
gを加え溶解した。得られたPET含有不飽和ポリエス
テル樹脂(C)は、黄緑色でやや白濁しており、粘度は
5.4ポイズであった。
【0030】PET含有不飽和ポリエステル樹脂(C)
100重量部に、メチルエチルケトンパーオキシド1重
量部、ナフテン酸コバルト(6%Co)0.5重量部、
ジメチルアニリン0.1重量部を加えた組成物を実施例
1と同様な型に注型した場合は、25℃で18分でゲル
化した。ゲル化後、80℃、2時間後硬化して得られた
注型品の物性値は表3にみられるようにバランスのとれ
たものであった。
【0031】
【表3】 引張り強さ (kg/mm2) 6.1 引張り弾性率(kg/mm2) 330 伸び率 (%) 2.2 曲げ強さ (kg/mm2) 11.0 曲げ弾性係数(kg/mm2) 380 熱変形温度 (℃) 98
【0032】比較例2 実施例3で用いた同一のセパラブルフラスコに、米粒大
に粗砕した廃PET(透明品約90%、緑色に着色され
たタイプ約10%)230g、ネオペンチルグリコール
90gを同時に仕込み、加熱した。実施例3のネオペン
チルグリコールの滴下法では、約1時間で265〜27
0℃となり滴下が可能となったが、廃PETとネオペン
チルグリコールの同時仕込みの場合には温度約220℃
でネオペンチルグリコールの沸騰とコンデンサーへの凝
縮、付着が起り、均一系が得られなかった。
【0033】実施例4 実施例1と同様のセパラブルフラスコに、廃PET(透
明品約90%、緑色に着色されたタイプ約10%)27
0gを仕込み、260〜265℃に加熱熔融させた後、
ジプロピレングリコール107gを60分かけて滴下し
た。ジプロピレングリコールを滴下終了後、温度240
℃で2時間撹拌して均一な樹脂液を得た。次に温度20
0℃でフマル酸70gを加え、窒素ガス気流下でエステ
ル化を行い、最終酸価34.7とした。PET含有率は
約62%であった。得られた不飽和ポリエステルにハイ
ドロキノン0.07gを加え、スチレン360gに溶解
した。得られたPET含有の不飽和ポリエステル樹脂
(D)は、黄緑色でやや濁りを帯びており、粘度は6.
1ポイズであった。また、PET含有の不飽和ポリエス
テル樹脂(D)は、スチレンの分離は認められなかっ
た。
【0034】PET含有の不飽和ポリエステル樹脂
(D)100重量部に、メチルエチルケトンパーオキシ
ド1重量部、ナフテン酸コバルト(6%Co)0.5重
量部、ジメチルアニリン0.1重量部を配合した組成物
を、実施例3と同様に硬化させた注型品の物性値は表4
にみられるようであった。
【0035】
【表4】 引張り強さ (kg/mm2) 7.4 引張り弾性率(kg/mm2) 300 伸び率 (%) 3.8 曲げ強さ (kg/mm2) 12.9 曲げ弾性係数(kg/mm2) 310 熱変形温度 (℃) 79
【0036】実施例5 実施例3と同様のセパラブルフラスコに、廃PETとし
て米粒大に粗砕したフロッピーディスク(PET約97
%、磁気粉約3%)を280g仕込み、265〜270
℃に熔融した後、2−メチルプロパンジオール−1,3
を72g、30分かけて滴下した。均一溶液となった
後、更に230〜235℃で2時間グリコール分解を行
った。次いで温度を200℃に下げ、無水マレイン酸5
4gを熔融滴下した。更に窒素ガス気流下205℃でエ
ステル化を続け、酸価59.4とした後、約20Torrの
減圧下1.5時間反応したところ、酸価が29.1とな
ったので、温度160℃でハイドロキノン0.16gを
加え、更に温度130℃でスチレン400gに溶解し
た。黒褐色、粘度11.4ポイズの不飽和ポリエステル
樹脂(E)が得られた。
【0037】不飽和ポリエステル樹脂(E)100重量
部に、スチレン5重量部、融点50〜52℃のパラフィ
ン0.1重量部、シリコン消泡剤10ppm 、ナフテン酸
コバルト0.5重量部、ジメチルアニリン0.2重量部
を加え、均一溶液とした後、これにメチルエチルケトン
パーオキシド1重量部を添加した組成物は、35分でゲ
ル化後ゆるやかに発熱し、最高発熱温度128℃に達し
た。上記組成物をボンデライト鋼板上に100μ厚に塗
装した塗膜は約40分でゲル化し、2時間後にはタック
フリーとなった。一夜放置後の塗膜の鉛筆硬度は2H〜
3H、クロスカットテストで密着性は十分と認められ
た。また、塩水噴霧テストで350時間後も塗膜の剥
離、発錆の拡大は全く認められなかった。
【0038】
【発明の効果】本発明は上記のように構成したので、廃
PETの使用割合に対してグリコールの使用割合が比較
的少量であっても、円滑に廃PETのグリコール分解が
行われ、PET含有率の高い不飽和ポリエステルおよび
不飽和ポリエステル樹脂を得ることができ、その優れた
物性を利用して、広範な用途に応用することができる。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 回収されたポリエチレンテレフタレ−ト
    を熔融し、この熔融状態のポリエチレンテレフタレ−ト
    にグリコ−ルを逐次添加し、ここで該ポリエチレンテレ
    フタレ−トとグリコ−ルの使用割合はポリエチレンテレ
    フタレ−ト20〜90モル%(繰り返し単位を1モルと
    して)、グリコ−ル80〜10モル%であり、均一とな
    る迄グリコ−ル分解を行った後、必要量のα、β−不飽
    和多塩基酸またはその酸無水物を加え、更に必要段階迄
    エステル化を行うことを特徴とする不飽和ポリエステル
    の製造方法。
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