JP2004182782A - リサイクルボード用樹脂の製造方法及びリサイクルボードの製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】軽量で、強度が高く、耐食性、防錆性があり、廃棄物の処理、資源の有効活用、環境問題の改善に貢献することができるリサイクルボード用樹脂の製造方法及びリサイクルボードの製造方法を提供すること。
【解決手段】触媒の存在下で、ペットボトル再生樹脂40重量部、廃FRPリサイクルチップ40重量部、炭酸カルシウム20重量部を攪拌、混合し、リサイクルボード用樹脂を製造した。次に、このリサイクルボード用樹脂を、成型型に流し込み、70〜80Kg/cm2の圧力を加えて固めることにより、リサイクルボードを製造した。
【選択図】 なし
【解決手段】触媒の存在下で、ペットボトル再生樹脂40重量部、廃FRPリサイクルチップ40重量部、炭酸カルシウム20重量部を攪拌、混合し、リサイクルボード用樹脂を製造した。次に、このリサイクルボード用樹脂を、成型型に流し込み、70〜80Kg/cm2の圧力を加えて固めることにより、リサイクルボードを製造した。
【選択図】 なし
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば、工場等のピットの蓋や各種槽の覆い蓋等に利用できるリサイクルボード用樹脂の製造方法及びリサイクルボードの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、FRP、鉄、コンクリートから成るボードや、廃棄物をリサイクルして製造したリサイクルボード(例えば、特許文献1)が、様々な用途(例えば、処理場、火力発電所、鍍金工場等におけるピットの蓋や各種槽の覆い蓋の材料)として、用いられてきた。
【0003】
【特許文献1】
特開2000−226902号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このようなボードは、重さに比べて強度が十分でないこと、耐食性や防錆性が十分でないこと等の欠点があった。
更に、上記ボードは、廃ペットボトルや廃FRP等の廃棄物を原料とするものでないため、それらの廃棄物の処理に役立つものではなく、また、資源の有効利用や環境問題の改善に役立つ物ではなかった。
【0005】
本発明は以上の点に鑑みなされたものであり、軽量で、強度が高く、耐食性、防錆性があり、廃棄物の処理、資源の有効活用、環境問題の改善に貢献することができるリサイクルボード用樹脂の製造方法及びリサイクルボードの製造方法を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段及び発明の効果】
(1)請求項1の発明は、
ペットボトル再生樹脂と、FRPチップとを混合し、重合反応させることを特徴とするリサイクルボード用樹脂の製造方法を要旨とする。
【0007】
本発明により製造したリサイクルボード用樹脂は、リサイクルボードの製造に用いることができるものである。本発明は、例えば、以下の効果を奏することができる。
▲1▼本発明のリサイクルボード用樹脂の製造方法は、例えば、産業廃棄物である廃FRP樹脂や廃ペットボトルを原料として製造することができるので、本発明を実施することにより、それら産業廃棄物を処理することができる。
【0008】
また、産業廃棄物を原料とすることにより、資源の有効利用や環境問題の改善に役立たせることが出来る。
▲2▼本発明で製造したリサイクルボード用樹脂を用いて製造したリサイクルボードは、例えば、コンクリートよりも比重が小さく、また、コンクリートに比べて、高い強度を有することができる。
【0009】
▲3▼本発明で製造したリサイクルボード用樹脂を用いて製造したリサイクルボードは、FRPチップを原料として含むことにより、FRP製のボードと同様に、耐食性、防錆性に優れている。
▲4▼本発明で製造したリサイクルボード用樹脂を用いて製造したリサイクルボードは、例えば、サンダーにカッターの刃をつけた工具を用いれば、施工を行う現地において容易に切断することができ、扱い易い。そのため、例えば、火力発電所、鍍金工場のピットの蓋、各種槽の覆い蓋等の、現地で切断加工することが必要となる用途で、広く利用することができる。
【0010】
・前記ペットボトル再生樹脂としては、例えば、廃棄されたペットボトルを原料として製造した廃ペットボトル再生樹脂がある。
・前記FRPチップとは、例えば、ガラス繊維からなる補強材と、エポキシ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ビニルエステル樹脂等の樹脂とから成るFRPを、粉砕したものをいう。
【0011】
また、このFRPチップとしては、例えば、廃棄されたFRPを回収して破砕した、廃FRPリサイクルチップがある。
・前記FRPチップの、リサイクルボード用樹脂の原料全体に占める割合は、例えば、30〜45重量%の範囲とすることが好ましい。30重量%未満であると、このリサイクルボード用樹脂を用いてリサイクルボードを製造した際に、その強度が低くなることがあり、また、リサイクル率が低くなる。一方、45重量%を越えると、FRPチップと他の成分(例えば、ペットボトル再生樹脂)とが、十分に混ざらなくなることがある。
【0012】
・前記重合反応とは、例えば、ペットボトル再生樹脂に含まれる不飽和ポリエステルの重合反応をいう。
(2)請求項2の発明は、
充填剤を配合することを特徴とする前記請求項1に記載のリサイクルボード用樹脂の製造方法を要旨とする。
【0013】
本発明では、充填剤を配合することにより、本発明で製造したリサイクルボード用樹脂を用いてリサイクルボードを製造した場合に、そのリサイクルボードの表面を平滑且つ滑らかにすることができる。
この充填剤は、例えば、ペットボトル再生樹脂及びFRPチップとともに添加することができ、また、例えば、ペットボトル再生樹脂とFRPチップとを混合した後に添加してもよい。
【0014】
・前記充填剤としては、例えば、炭酸カルシウム、マイクロバルーン、クレー、タルク等が挙げられる。
・前記充填剤の、リサイクルボード用樹脂の原料全体に占める割合は、例えば、10〜20重量%の範囲とすることが好ましい。10重量%未満であると、このリサイクルボード用樹脂を用いて製造したリサイクルボードの密度が粗く(小さく)なってしまうことがある。また、20重量%を越えると、このリサイクルボード用樹脂を用いて製造したリサイクルボードの重量が重くなってしまうことがある。
(3)請求項3の発明は、
触媒の存在下で前記重合反応を行うことを特徴とする前記請求項1又は2に記載のリサイクルボード用樹脂の製造方法を要旨とする。
【0015】
本発明では、重合反応に触媒を用いることにより、反応を迅速に進めることが出来る。そのため、本発明では、短時間でリサイクルボード用樹脂を製造することができる。
・前記触媒としては、例えば、メチルエチルケトンパーオキサイド、ベンゾイルパーオキサイド、ターシャリーブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエイト、1,1−ビス(ターシャリーブチルパーオキシ)−3、3、5−トリメチルシクロヘキサン、ターシャリ−ブチルパーオキシベンゾエイト、ターシャリブチルパーオキシイゾプロピルモノカーボネイト等の1種または2種以上の混合物が挙げられる。
【0016】
また、触媒の添加量としては、例えば、原料全体の量に対し、0.5〜3(特に好ましくは、1〜2)重量%の範囲が好ましい。0.5重量%未満であると、重合反応の促進効果が十分でないことがある。また、3重量%を越えると、重合反応の促進効果はそれ以上向上し難くくなり、経済的でないことがある。
(4)請求項4の発明は、
前記FRPチップの粒径が、15mm以下であることを特徴とする前記請求項1〜3のいずれかに記載のリサイクルボード用樹脂の製造方法を要旨とする。
【0017】
本発明では、FRPリサイクルチップの粒径が、15mm以下であることにより、その粒径が15mmより大きい場合に比べて、このリサイクルボード用樹脂を用いてリサイクルボードを製造した際に、リサイクルボードの強度が一層高いという効果を奏する。
【0018】
・前記粒径が15mm以下であるとは、例えば、目の大きさが15mmであるメッシュを通過することをいう。本発明において、FRPチップは、例えば、機械的に粉砕して製造されるので、微細な粒径のもの(粉状のもの)も含む。
・前記粒径は、例えば10mm以下であることが一層好ましい。粒径を10mm以下とすることにより、製造したリサイクルボードの強度を一層高めることができる。
(5)請求項5の発明は、
前記ペットボトル再生樹脂は、ペットボトルに含まれるポリエチレンテレフタレートと、スチレンモノマーと、不飽和二塩基酸と、グリコールとを含むことを特徴とする前記請求項1〜4のいずれかに記載のリサイクルボード用樹脂の製造方法を要旨とする。
【0019】
本発明では、ペットボトル再生樹脂として、上記のものを使用することにより、FRPチップとの相性、生産性の点で優れている。
・前記ペットボトル再生樹脂は、例えば、次の▲1▼〜▲3▼の工程により製造することができる。
【0020】
▲1▼廃ペットボトルを、その融点以上の温度に加熱し、液状とする。
▲2▼不飽和二塩基酸及びグリコールを加える。
▲3▼スチレンモノマーを加える。
尚、ペットボトル再生樹脂において、ポリエチレンテレフタレートの割合は、例えば10〜30重量%であり、スチレンモノマーの割合は、例えば、40〜45重量%である。
【0021】
・前記不飽和二塩基酸としては、例えば、フマル酸、マレイン酸が挙げられる。
(6)請求項6の発明は、
前記ペットボトル再生樹脂に含まれるポリエチレンテレフタレートと、前記FRPチップとの合計配合量が、前記リサイクルボード用樹脂の全重量に対して、50重量%以上であることを特徴とする前記請求項5に記載のリサイクルボード用樹脂の製造方法を要旨とする。
【0022】
本発明では、廃棄物に由来する成分(ペットボトル再生樹脂に含まれるポリエチレンテレフタレートと、FRPチップ)の割合が50重量%以上であるので、特に、それら産業廃棄物を処理する効果や、資源の有効利用の効果や、環境問題の改善に関する効果が高い。
(7)請求項7の発明は、
前記請求項1〜6のいずれかに記載のリサイクルボード用樹脂の製造方法により製造されたリサイクルボード用樹脂を硬化させることによりリサイクルボードを製造することを特徴とするリサイクルボードの製造方法を要旨とする。
【0023】
本発明のリサイクルボードの製造方法を用いれば、複雑曲線形状のリサイクルボード、及びそのリサイクルボードから成る製品を容易に製造することができる。
つまり、成型型として、複雑曲線形状の型を用いれば、その形状のリサイクルボードを製造することができる。
【0024】
また、本発明で製造したリサイクルボードは、例えば、コンクリートよりも比重が小さく、また、コンクリートに比べて、高い強度を有することができる。
また、本発明で製造したリサイクルボードは、FRPチップを原料として含むことにより、FRP製のボードと同様に、耐食性、防錆性に優れている。
【0025】
更に、本発明で製造したリサイクルボードは、例えば、サンダーにカッターの刃をつけた工具を用いれば、施工を行う現地において容易に切断することができ、扱い易い。そのため、例えば、火力発電所、鍍金工場のピットの蓋、各種槽の覆い蓋等の、現地で切断加工することが必要となる用途で、広く利用することができる。
(8)請求項8の発明は、
前記硬化の際に、前記リサイクルボード用樹脂を加圧することを特徴とする前記請求項7に記載のリサイクルボードの製造方法を要旨とする。
【0026】
本発明では、硬化の際に加圧することにより、製造するリサイクルボードの密度が高くなり、強度が増す。
また、リサイクルボード用樹脂の硬化に要する時間が短くて済む。
・前記加圧の圧力は、例えば、50〜80(特に好ましくは70〜80)Kg/cm2とすることができる。
(9)請求項9の発明は、
前記硬化の際に、前記リサイクルボード用樹脂を加熱することを特徴とする前記請求項7または8に記載のリサイクルボードの製造方法を要旨とする。
【0027】
本発明では、硬化の際に加熱することにより、一層強固なリサイクルボードを製造することができる。また、リサイクルボード用樹脂の硬化に要する時間が短くて済む。
・前記加熱とは、例えば、110〜150°Cの範囲をいう。
【0028】
【発明の実施の形態】
以下に本発明のリサイクルボード用樹脂の製造方法及びリサイクルボードの製造方法の実施の形態の例(実施例)を説明する。
(実施例1)
a)まず、本実施例1のリサイクルボード用樹脂の製造方法を説明する。下記の原料を、触媒であるメチルエチルケトンパーオキサイドの1.5重量部とともに、常温下で、混合、攪拌し、リサイクルボード用樹脂を製造した。
【0029】
ペットボトル再生樹脂:40重量部
廃FRPリサイクルチップ(FRPチップ):40重量部
炭酸カルシウム(充填剤):20重量部
ここで、上記ペットボトル再生樹脂とは、廃ペットボトル25重量%と、スチレンモノマー40重量%と、フマル酸(不飽和二塩基酸)17.5重量%と、グリコール17.5重量%と、を有するものをいう。このペットボトル再生樹脂は常温で液状の剤型を有している。
【0030】
また、上記廃FRPリサイクルチップは、廃FRPを、破砕機又は粉砕器 を用いて、15mm以下の粒径に粉砕したものである。ここで、粒径が15mm以下であるとは、目の大きさが15mmであるメッシュを通過したものであることをいう。
【0031】
b)次に、前記a)で製造したリサイクルボード用樹脂を用いて、リサイクルボードを製造する方法を説明する。
▲1▼前記a)で製造したリサイクルボード用樹脂を、内寸が縦100cm×横50cm×厚み3cmの成型型に流し込む。
【0032】
▲2▼流し込んだリサイクルボード用樹脂を、常温の下で、成型プレスの装置を用いて、70〜80Kg/cm2の圧力を加えて固めることにより、リサイクルボードを製造した。
尚、本実施例1のリサイクルボード用樹脂において、全量に対して、廃ペットボトル及び廃FRPリサイクルチップが占める割合(リサイクル率)は50重量%である。
【0033】
c)次に、本実施例1のリサイクルボード用樹脂の製造方法及びリサイクルボードの製造方法が奏する効果を説明する。
▲1▼本実施例1で製造したリサイクルボード用樹脂及びリサイクルボードは、リサイクル率が50%と高い。つまり、産業廃棄物である廃FRP樹脂や廃ペットボトルを多く含んでいるので、それら産業廃棄物の処理を行うことができる。
【0034】
また、産業廃棄物を原料とすることにより、資源の有効利用や環境問題の改善に有効である。
▲2▼本実施例1で製造したリサイクルボードの比重は、1.5〜1.6g/cm3であって、コンクリートの比重である2.3〜2.4g/cm3に比べて、約70%である。そのため、本実施例1のリサイクルボードは、軽量であることが要求される用途(例えば、上、下水場の覆蓋、各水処理場の覆蓋)において好適である。
【0035】
▲3▼本実施例1で製造したリサイクルボードは、コンクリートに比べて、2〜3倍の高い強度を有する。そのため、強度を要する用途に使用可能である。
▲4▼本実施例1で製造したリサイクルボードは、廃FRPリサイクルチップを原料として含むことにより、FRP製のボードと同様に、耐食性、防錆性に優れている。
【0036】
▲5▼本実施例1で製造したリサイクルボードは、例えば、サンダーにカッターの刃をつけた工具を用いれば、施工を行う現地において容易に切断することができ、扱い易い。そのため、例えば、火力発電所、鍍金工場のピットの蓋、各種槽の覆い蓋等の、現地で切断加工することが必要となる用途で、広く利用することができる。
【0037】
▲6▼本実施例1のリサイクルボードの製造方法を用いれば、複雑曲線形状のリサイクルボード、及びそのリサイクルボードから成る製品を容易に製造することができる。
つまり、成型型として、複雑曲線形状の型を用いれば、その形状のリサイクルボードを製造することができる。
【0038】
▲7▼本実施例1のリサイクルボードの製造方法では、リサイクルボード用樹脂を硬化させる際に加圧させることにより、リサイクルボードの密度を高め、一層強度を増すことができる。
(実施例2)
a)まず、本実施例2のリサイクルボード用樹脂の製造方法を説明する。下記の原料を、触媒であるメチルエチルケトンパーオキサイドの1.5重量部とともに、常温下で、混合、攪拌し、リサイクルボード用樹脂を製造した。
【0039】
ペットボトル再生樹脂:32.2重量部
廃FRPリサイクルチップ(FRPチップ):40.2重量部
炭酸カルシウム(充填剤):24.9重量部
離型剤及び硬化剤:2.7重量%
ここで、上記ペットボトル再生樹脂とは、廃ペットボトル31.1重量%と、
スチレンモノマー40重量%と、フマル酸(不飽和二塩基酸)14.45重量%と、グリコール14.45重量%と、を有するものをいう。このペットボトル再生樹脂は常温で液状の剤型を有している。
【0040】
また、上記廃FRPリサイクルチップは、廃FRPを破砕機又は粉砕器を用いて、10mm以下の粒径に粉砕したものを用いた。ここで、粒径が10mm以下であるとは、目の大きさが10mmであるメッシュを通過したものであることをいう。
【0041】
b)次に、前記a)で製造したリサイクルボード用樹脂を用いて、リサイクルボードを製造する方法を説明する。
▲1▼前記a)で製造したリサイクルボード用樹脂を、前記実施例1と同様の成型型に流し込む。
【0042】
▲2▼流し込んだリサイクルボード用樹脂を、加熱した状態(成型型を150°Cにした状態)で、成型プレスの装置を用いて、70〜80Kg/cm2の圧力を加えて固めることにより、リサイクルボードを製造した。
尚、本実施例1のリサイクルボード用樹脂において、全量に対して、廃ペットボトル及び廃FRPリサイクルチップが占める割合(リサイクル率)は50重量%である。
【0043】
c)本実施例2のリサイクルボード用樹脂の製造方法及びリサイクルボードの製造方法は、前記実施例1と同様の効果を奏する。
更に、本実施例2で製造したリサイクルボードは、粒径が10mm以下の細かいFRPチップを原料としているので、強度が一層高い。
【0044】
d)次に、本実施例2で製造したリサイクルボードの奏する効果を確かめるために行った実験について説明する。
前記b)で製造したリサイクルボードを試験片とし、JIS K6911に基づいて、曲げ強さ、曲げ弾性率、引張り強さ、圧縮強さ、シャルピー衝撃強さ、パーコール硬度をそれぞれ測定した。この測定結果を表1に示す。
【0045】
【表1】
【0046】
また、比較例として、同寸法のセメントコンクリートに対し、曲げ強さ、引張り強さ、圧縮強さを測定した。この比較例の測定結果も上記表1に記載する。尚、コンクリートに対する試験条件は、それぞれ、JIS A1184(曲げ強さ)、JIS A1185(引張り強さ)、JIS A1182(圧縮強さ)である。
【0047】
上記表1に示す様に、本実施例2で製造したリサイクルボードは、セメントコンクリートと比較して、遙かに高い曲げ強さ、引張り強さ、及び圧縮強さを有している。また、曲げ弾性率、シャルピー衝撃強さ、パーコール硬度についても、高い数値を示している。
(実施例3)
a)基本的には前記実施例2と同様にして、リサイクルボード用樹脂を製造した。
【0048】
但し、本実施例3では、前記実施例1と同様に、廃FRPリサイクルチップとして、廃FRPを破砕機又は粉砕器を用いて、15mm以下の粒径に粉砕したものを用いた。ここで、粒径が15mm以下であるとは、目の大きさが15mmであるメッシュを通過したものであることをいう。
【0049】
b)次に、前記a)で製造したリサイクルボード用樹脂を用いて、前記実施例2と同様に、リサイクルボードを製造した。
尚、本実施例1のリサイクルボード用樹脂において、全量に対して、廃ペットボトル及び廃FRPリサイクルチップが占める割合(リサイクル率)は50重量%である。
【0050】
c)本実施例3のリサイクルボード用樹脂の製造方法及びリサイクルボードの製造方法は、前記実施例1と同様の効果を奏する。
d)次に、本実施例3で製造したリサイクルボードの奏する効果を確かめるために、前記実施例2のd)と同様の試験を行った。この測定結果を上記表1に示す。
【0051】
この表1に示す様に、本実施例3で製造したリサイクルボードは、セメントコンクリートと比較して、遙かに高い曲げ強さ、引張り強さ、及び圧縮強さを有している。また、曲げ弾性率、シャルピー衝撃強さ、パーコール硬度についても、高い数値を示している。
(実施例4)
a)まず、本実施例4のリサイクルボード用樹脂の製造方法を説明する。下記の原料を、触媒であるメチルエチルケトンパーオキサイドの1.5重量部とともに、常温下で、混合、攪拌し、リサイクルボード用樹脂を製造した。
【0052】
ペットボトル再生樹脂:28.0重量部
廃FRPリサイクルチップ(FRPチップ):46.6重量部
炭酸カルシウム(充填剤):23.3重量部
離型剤及び硬化剤:2.1重量%
ここで、上記ペットボトル再生樹脂とは、廃ペットボトル13.2重量%と、
スチレンモノマー40重量%と、フマル酸(不飽和二塩基酸)23.4重量%と、グリコール23.4重量%と、を有するものをいう。このペットボトル再生樹脂は常温で液状の剤型を有している。
【0053】
また、上記廃FRPリサイクルチップは、前記実施例1及び実施例3と同様のものである
b)次に、前記a)で製造したリサイクルボード用樹脂を用いて、前記実施例2及び実施例3と同様に、リサイクルボードを製造した。
【0054】
尚、本実施例1のリサイクルボード用樹脂において、全量に対して、廃ペットボトル及び廃FRPリサイクルチップが占める割合(リサイクル率)は50重量%である。
c)本実施例4のリサイクルボード用樹脂の製造方法及びリサイクルボードの製造方法は、前記実施例1と同様の効果を奏する。
【0055】
尚、本発明は前記実施例になんら限定されるものではなく、本発明を逸脱しない範囲において種々の態様で実施しうることはいうまでもない。
・例えば、充填剤として、炭酸カルシウムの他に、マイクロバルーン、タルク、クレー等を用いても良い。
【0056】
・また、充填剤を配合しなくてもよい。この場合は、リサイクルボードの表面を粗い仕上げとすることができる。
・前記実施例1では、例えば、リサイクルボード用樹脂を硬化させる際に、加圧を行わなくともよい。
【0057】
・前記実施例1〜4において、不飽和二塩基酸として、マレイン酸を用いてもよい。
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば、工場等のピットの蓋や各種槽の覆い蓋等に利用できるリサイクルボード用樹脂の製造方法及びリサイクルボードの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、FRP、鉄、コンクリートから成るボードや、廃棄物をリサイクルして製造したリサイクルボード(例えば、特許文献1)が、様々な用途(例えば、処理場、火力発電所、鍍金工場等におけるピットの蓋や各種槽の覆い蓋の材料)として、用いられてきた。
【0003】
【特許文献1】
特開2000−226902号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このようなボードは、重さに比べて強度が十分でないこと、耐食性や防錆性が十分でないこと等の欠点があった。
更に、上記ボードは、廃ペットボトルや廃FRP等の廃棄物を原料とするものでないため、それらの廃棄物の処理に役立つものではなく、また、資源の有効利用や環境問題の改善に役立つ物ではなかった。
【0005】
本発明は以上の点に鑑みなされたものであり、軽量で、強度が高く、耐食性、防錆性があり、廃棄物の処理、資源の有効活用、環境問題の改善に貢献することができるリサイクルボード用樹脂の製造方法及びリサイクルボードの製造方法を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段及び発明の効果】
(1)請求項1の発明は、
ペットボトル再生樹脂と、FRPチップとを混合し、重合反応させることを特徴とするリサイクルボード用樹脂の製造方法を要旨とする。
【0007】
本発明により製造したリサイクルボード用樹脂は、リサイクルボードの製造に用いることができるものである。本発明は、例えば、以下の効果を奏することができる。
▲1▼本発明のリサイクルボード用樹脂の製造方法は、例えば、産業廃棄物である廃FRP樹脂や廃ペットボトルを原料として製造することができるので、本発明を実施することにより、それら産業廃棄物を処理することができる。
【0008】
また、産業廃棄物を原料とすることにより、資源の有効利用や環境問題の改善に役立たせることが出来る。
▲2▼本発明で製造したリサイクルボード用樹脂を用いて製造したリサイクルボードは、例えば、コンクリートよりも比重が小さく、また、コンクリートに比べて、高い強度を有することができる。
【0009】
▲3▼本発明で製造したリサイクルボード用樹脂を用いて製造したリサイクルボードは、FRPチップを原料として含むことにより、FRP製のボードと同様に、耐食性、防錆性に優れている。
▲4▼本発明で製造したリサイクルボード用樹脂を用いて製造したリサイクルボードは、例えば、サンダーにカッターの刃をつけた工具を用いれば、施工を行う現地において容易に切断することができ、扱い易い。そのため、例えば、火力発電所、鍍金工場のピットの蓋、各種槽の覆い蓋等の、現地で切断加工することが必要となる用途で、広く利用することができる。
【0010】
・前記ペットボトル再生樹脂としては、例えば、廃棄されたペットボトルを原料として製造した廃ペットボトル再生樹脂がある。
・前記FRPチップとは、例えば、ガラス繊維からなる補強材と、エポキシ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ビニルエステル樹脂等の樹脂とから成るFRPを、粉砕したものをいう。
【0011】
また、このFRPチップとしては、例えば、廃棄されたFRPを回収して破砕した、廃FRPリサイクルチップがある。
・前記FRPチップの、リサイクルボード用樹脂の原料全体に占める割合は、例えば、30〜45重量%の範囲とすることが好ましい。30重量%未満であると、このリサイクルボード用樹脂を用いてリサイクルボードを製造した際に、その強度が低くなることがあり、また、リサイクル率が低くなる。一方、45重量%を越えると、FRPチップと他の成分(例えば、ペットボトル再生樹脂)とが、十分に混ざらなくなることがある。
【0012】
・前記重合反応とは、例えば、ペットボトル再生樹脂に含まれる不飽和ポリエステルの重合反応をいう。
(2)請求項2の発明は、
充填剤を配合することを特徴とする前記請求項1に記載のリサイクルボード用樹脂の製造方法を要旨とする。
【0013】
本発明では、充填剤を配合することにより、本発明で製造したリサイクルボード用樹脂を用いてリサイクルボードを製造した場合に、そのリサイクルボードの表面を平滑且つ滑らかにすることができる。
この充填剤は、例えば、ペットボトル再生樹脂及びFRPチップとともに添加することができ、また、例えば、ペットボトル再生樹脂とFRPチップとを混合した後に添加してもよい。
【0014】
・前記充填剤としては、例えば、炭酸カルシウム、マイクロバルーン、クレー、タルク等が挙げられる。
・前記充填剤の、リサイクルボード用樹脂の原料全体に占める割合は、例えば、10〜20重量%の範囲とすることが好ましい。10重量%未満であると、このリサイクルボード用樹脂を用いて製造したリサイクルボードの密度が粗く(小さく)なってしまうことがある。また、20重量%を越えると、このリサイクルボード用樹脂を用いて製造したリサイクルボードの重量が重くなってしまうことがある。
(3)請求項3の発明は、
触媒の存在下で前記重合反応を行うことを特徴とする前記請求項1又は2に記載のリサイクルボード用樹脂の製造方法を要旨とする。
【0015】
本発明では、重合反応に触媒を用いることにより、反応を迅速に進めることが出来る。そのため、本発明では、短時間でリサイクルボード用樹脂を製造することができる。
・前記触媒としては、例えば、メチルエチルケトンパーオキサイド、ベンゾイルパーオキサイド、ターシャリーブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエイト、1,1−ビス(ターシャリーブチルパーオキシ)−3、3、5−トリメチルシクロヘキサン、ターシャリ−ブチルパーオキシベンゾエイト、ターシャリブチルパーオキシイゾプロピルモノカーボネイト等の1種または2種以上の混合物が挙げられる。
【0016】
また、触媒の添加量としては、例えば、原料全体の量に対し、0.5〜3(特に好ましくは、1〜2)重量%の範囲が好ましい。0.5重量%未満であると、重合反応の促進効果が十分でないことがある。また、3重量%を越えると、重合反応の促進効果はそれ以上向上し難くくなり、経済的でないことがある。
(4)請求項4の発明は、
前記FRPチップの粒径が、15mm以下であることを特徴とする前記請求項1〜3のいずれかに記載のリサイクルボード用樹脂の製造方法を要旨とする。
【0017】
本発明では、FRPリサイクルチップの粒径が、15mm以下であることにより、その粒径が15mmより大きい場合に比べて、このリサイクルボード用樹脂を用いてリサイクルボードを製造した際に、リサイクルボードの強度が一層高いという効果を奏する。
【0018】
・前記粒径が15mm以下であるとは、例えば、目の大きさが15mmであるメッシュを通過することをいう。本発明において、FRPチップは、例えば、機械的に粉砕して製造されるので、微細な粒径のもの(粉状のもの)も含む。
・前記粒径は、例えば10mm以下であることが一層好ましい。粒径を10mm以下とすることにより、製造したリサイクルボードの強度を一層高めることができる。
(5)請求項5の発明は、
前記ペットボトル再生樹脂は、ペットボトルに含まれるポリエチレンテレフタレートと、スチレンモノマーと、不飽和二塩基酸と、グリコールとを含むことを特徴とする前記請求項1〜4のいずれかに記載のリサイクルボード用樹脂の製造方法を要旨とする。
【0019】
本発明では、ペットボトル再生樹脂として、上記のものを使用することにより、FRPチップとの相性、生産性の点で優れている。
・前記ペットボトル再生樹脂は、例えば、次の▲1▼〜▲3▼の工程により製造することができる。
【0020】
▲1▼廃ペットボトルを、その融点以上の温度に加熱し、液状とする。
▲2▼不飽和二塩基酸及びグリコールを加える。
▲3▼スチレンモノマーを加える。
尚、ペットボトル再生樹脂において、ポリエチレンテレフタレートの割合は、例えば10〜30重量%であり、スチレンモノマーの割合は、例えば、40〜45重量%である。
【0021】
・前記不飽和二塩基酸としては、例えば、フマル酸、マレイン酸が挙げられる。
(6)請求項6の発明は、
前記ペットボトル再生樹脂に含まれるポリエチレンテレフタレートと、前記FRPチップとの合計配合量が、前記リサイクルボード用樹脂の全重量に対して、50重量%以上であることを特徴とする前記請求項5に記載のリサイクルボード用樹脂の製造方法を要旨とする。
【0022】
本発明では、廃棄物に由来する成分(ペットボトル再生樹脂に含まれるポリエチレンテレフタレートと、FRPチップ)の割合が50重量%以上であるので、特に、それら産業廃棄物を処理する効果や、資源の有効利用の効果や、環境問題の改善に関する効果が高い。
(7)請求項7の発明は、
前記請求項1〜6のいずれかに記載のリサイクルボード用樹脂の製造方法により製造されたリサイクルボード用樹脂を硬化させることによりリサイクルボードを製造することを特徴とするリサイクルボードの製造方法を要旨とする。
【0023】
本発明のリサイクルボードの製造方法を用いれば、複雑曲線形状のリサイクルボード、及びそのリサイクルボードから成る製品を容易に製造することができる。
つまり、成型型として、複雑曲線形状の型を用いれば、その形状のリサイクルボードを製造することができる。
【0024】
また、本発明で製造したリサイクルボードは、例えば、コンクリートよりも比重が小さく、また、コンクリートに比べて、高い強度を有することができる。
また、本発明で製造したリサイクルボードは、FRPチップを原料として含むことにより、FRP製のボードと同様に、耐食性、防錆性に優れている。
【0025】
更に、本発明で製造したリサイクルボードは、例えば、サンダーにカッターの刃をつけた工具を用いれば、施工を行う現地において容易に切断することができ、扱い易い。そのため、例えば、火力発電所、鍍金工場のピットの蓋、各種槽の覆い蓋等の、現地で切断加工することが必要となる用途で、広く利用することができる。
(8)請求項8の発明は、
前記硬化の際に、前記リサイクルボード用樹脂を加圧することを特徴とする前記請求項7に記載のリサイクルボードの製造方法を要旨とする。
【0026】
本発明では、硬化の際に加圧することにより、製造するリサイクルボードの密度が高くなり、強度が増す。
また、リサイクルボード用樹脂の硬化に要する時間が短くて済む。
・前記加圧の圧力は、例えば、50〜80(特に好ましくは70〜80)Kg/cm2とすることができる。
(9)請求項9の発明は、
前記硬化の際に、前記リサイクルボード用樹脂を加熱することを特徴とする前記請求項7または8に記載のリサイクルボードの製造方法を要旨とする。
【0027】
本発明では、硬化の際に加熱することにより、一層強固なリサイクルボードを製造することができる。また、リサイクルボード用樹脂の硬化に要する時間が短くて済む。
・前記加熱とは、例えば、110〜150°Cの範囲をいう。
【0028】
【発明の実施の形態】
以下に本発明のリサイクルボード用樹脂の製造方法及びリサイクルボードの製造方法の実施の形態の例(実施例)を説明する。
(実施例1)
a)まず、本実施例1のリサイクルボード用樹脂の製造方法を説明する。下記の原料を、触媒であるメチルエチルケトンパーオキサイドの1.5重量部とともに、常温下で、混合、攪拌し、リサイクルボード用樹脂を製造した。
【0029】
ペットボトル再生樹脂:40重量部
廃FRPリサイクルチップ(FRPチップ):40重量部
炭酸カルシウム(充填剤):20重量部
ここで、上記ペットボトル再生樹脂とは、廃ペットボトル25重量%と、スチレンモノマー40重量%と、フマル酸(不飽和二塩基酸)17.5重量%と、グリコール17.5重量%と、を有するものをいう。このペットボトル再生樹脂は常温で液状の剤型を有している。
【0030】
また、上記廃FRPリサイクルチップは、廃FRPを、破砕機又は粉砕器 を用いて、15mm以下の粒径に粉砕したものである。ここで、粒径が15mm以下であるとは、目の大きさが15mmであるメッシュを通過したものであることをいう。
【0031】
b)次に、前記a)で製造したリサイクルボード用樹脂を用いて、リサイクルボードを製造する方法を説明する。
▲1▼前記a)で製造したリサイクルボード用樹脂を、内寸が縦100cm×横50cm×厚み3cmの成型型に流し込む。
【0032】
▲2▼流し込んだリサイクルボード用樹脂を、常温の下で、成型プレスの装置を用いて、70〜80Kg/cm2の圧力を加えて固めることにより、リサイクルボードを製造した。
尚、本実施例1のリサイクルボード用樹脂において、全量に対して、廃ペットボトル及び廃FRPリサイクルチップが占める割合(リサイクル率)は50重量%である。
【0033】
c)次に、本実施例1のリサイクルボード用樹脂の製造方法及びリサイクルボードの製造方法が奏する効果を説明する。
▲1▼本実施例1で製造したリサイクルボード用樹脂及びリサイクルボードは、リサイクル率が50%と高い。つまり、産業廃棄物である廃FRP樹脂や廃ペットボトルを多く含んでいるので、それら産業廃棄物の処理を行うことができる。
【0034】
また、産業廃棄物を原料とすることにより、資源の有効利用や環境問題の改善に有効である。
▲2▼本実施例1で製造したリサイクルボードの比重は、1.5〜1.6g/cm3であって、コンクリートの比重である2.3〜2.4g/cm3に比べて、約70%である。そのため、本実施例1のリサイクルボードは、軽量であることが要求される用途(例えば、上、下水場の覆蓋、各水処理場の覆蓋)において好適である。
【0035】
▲3▼本実施例1で製造したリサイクルボードは、コンクリートに比べて、2〜3倍の高い強度を有する。そのため、強度を要する用途に使用可能である。
▲4▼本実施例1で製造したリサイクルボードは、廃FRPリサイクルチップを原料として含むことにより、FRP製のボードと同様に、耐食性、防錆性に優れている。
【0036】
▲5▼本実施例1で製造したリサイクルボードは、例えば、サンダーにカッターの刃をつけた工具を用いれば、施工を行う現地において容易に切断することができ、扱い易い。そのため、例えば、火力発電所、鍍金工場のピットの蓋、各種槽の覆い蓋等の、現地で切断加工することが必要となる用途で、広く利用することができる。
【0037】
▲6▼本実施例1のリサイクルボードの製造方法を用いれば、複雑曲線形状のリサイクルボード、及びそのリサイクルボードから成る製品を容易に製造することができる。
つまり、成型型として、複雑曲線形状の型を用いれば、その形状のリサイクルボードを製造することができる。
【0038】
▲7▼本実施例1のリサイクルボードの製造方法では、リサイクルボード用樹脂を硬化させる際に加圧させることにより、リサイクルボードの密度を高め、一層強度を増すことができる。
(実施例2)
a)まず、本実施例2のリサイクルボード用樹脂の製造方法を説明する。下記の原料を、触媒であるメチルエチルケトンパーオキサイドの1.5重量部とともに、常温下で、混合、攪拌し、リサイクルボード用樹脂を製造した。
【0039】
ペットボトル再生樹脂:32.2重量部
廃FRPリサイクルチップ(FRPチップ):40.2重量部
炭酸カルシウム(充填剤):24.9重量部
離型剤及び硬化剤:2.7重量%
ここで、上記ペットボトル再生樹脂とは、廃ペットボトル31.1重量%と、
スチレンモノマー40重量%と、フマル酸(不飽和二塩基酸)14.45重量%と、グリコール14.45重量%と、を有するものをいう。このペットボトル再生樹脂は常温で液状の剤型を有している。
【0040】
また、上記廃FRPリサイクルチップは、廃FRPを破砕機又は粉砕器を用いて、10mm以下の粒径に粉砕したものを用いた。ここで、粒径が10mm以下であるとは、目の大きさが10mmであるメッシュを通過したものであることをいう。
【0041】
b)次に、前記a)で製造したリサイクルボード用樹脂を用いて、リサイクルボードを製造する方法を説明する。
▲1▼前記a)で製造したリサイクルボード用樹脂を、前記実施例1と同様の成型型に流し込む。
【0042】
▲2▼流し込んだリサイクルボード用樹脂を、加熱した状態(成型型を150°Cにした状態)で、成型プレスの装置を用いて、70〜80Kg/cm2の圧力を加えて固めることにより、リサイクルボードを製造した。
尚、本実施例1のリサイクルボード用樹脂において、全量に対して、廃ペットボトル及び廃FRPリサイクルチップが占める割合(リサイクル率)は50重量%である。
【0043】
c)本実施例2のリサイクルボード用樹脂の製造方法及びリサイクルボードの製造方法は、前記実施例1と同様の効果を奏する。
更に、本実施例2で製造したリサイクルボードは、粒径が10mm以下の細かいFRPチップを原料としているので、強度が一層高い。
【0044】
d)次に、本実施例2で製造したリサイクルボードの奏する効果を確かめるために行った実験について説明する。
前記b)で製造したリサイクルボードを試験片とし、JIS K6911に基づいて、曲げ強さ、曲げ弾性率、引張り強さ、圧縮強さ、シャルピー衝撃強さ、パーコール硬度をそれぞれ測定した。この測定結果を表1に示す。
【0045】
【表1】
【0046】
また、比較例として、同寸法のセメントコンクリートに対し、曲げ強さ、引張り強さ、圧縮強さを測定した。この比較例の測定結果も上記表1に記載する。尚、コンクリートに対する試験条件は、それぞれ、JIS A1184(曲げ強さ)、JIS A1185(引張り強さ)、JIS A1182(圧縮強さ)である。
【0047】
上記表1に示す様に、本実施例2で製造したリサイクルボードは、セメントコンクリートと比較して、遙かに高い曲げ強さ、引張り強さ、及び圧縮強さを有している。また、曲げ弾性率、シャルピー衝撃強さ、パーコール硬度についても、高い数値を示している。
(実施例3)
a)基本的には前記実施例2と同様にして、リサイクルボード用樹脂を製造した。
【0048】
但し、本実施例3では、前記実施例1と同様に、廃FRPリサイクルチップとして、廃FRPを破砕機又は粉砕器を用いて、15mm以下の粒径に粉砕したものを用いた。ここで、粒径が15mm以下であるとは、目の大きさが15mmであるメッシュを通過したものであることをいう。
【0049】
b)次に、前記a)で製造したリサイクルボード用樹脂を用いて、前記実施例2と同様に、リサイクルボードを製造した。
尚、本実施例1のリサイクルボード用樹脂において、全量に対して、廃ペットボトル及び廃FRPリサイクルチップが占める割合(リサイクル率)は50重量%である。
【0050】
c)本実施例3のリサイクルボード用樹脂の製造方法及びリサイクルボードの製造方法は、前記実施例1と同様の効果を奏する。
d)次に、本実施例3で製造したリサイクルボードの奏する効果を確かめるために、前記実施例2のd)と同様の試験を行った。この測定結果を上記表1に示す。
【0051】
この表1に示す様に、本実施例3で製造したリサイクルボードは、セメントコンクリートと比較して、遙かに高い曲げ強さ、引張り強さ、及び圧縮強さを有している。また、曲げ弾性率、シャルピー衝撃強さ、パーコール硬度についても、高い数値を示している。
(実施例4)
a)まず、本実施例4のリサイクルボード用樹脂の製造方法を説明する。下記の原料を、触媒であるメチルエチルケトンパーオキサイドの1.5重量部とともに、常温下で、混合、攪拌し、リサイクルボード用樹脂を製造した。
【0052】
ペットボトル再生樹脂:28.0重量部
廃FRPリサイクルチップ(FRPチップ):46.6重量部
炭酸カルシウム(充填剤):23.3重量部
離型剤及び硬化剤:2.1重量%
ここで、上記ペットボトル再生樹脂とは、廃ペットボトル13.2重量%と、
スチレンモノマー40重量%と、フマル酸(不飽和二塩基酸)23.4重量%と、グリコール23.4重量%と、を有するものをいう。このペットボトル再生樹脂は常温で液状の剤型を有している。
【0053】
また、上記廃FRPリサイクルチップは、前記実施例1及び実施例3と同様のものである
b)次に、前記a)で製造したリサイクルボード用樹脂を用いて、前記実施例2及び実施例3と同様に、リサイクルボードを製造した。
【0054】
尚、本実施例1のリサイクルボード用樹脂において、全量に対して、廃ペットボトル及び廃FRPリサイクルチップが占める割合(リサイクル率)は50重量%である。
c)本実施例4のリサイクルボード用樹脂の製造方法及びリサイクルボードの製造方法は、前記実施例1と同様の効果を奏する。
【0055】
尚、本発明は前記実施例になんら限定されるものではなく、本発明を逸脱しない範囲において種々の態様で実施しうることはいうまでもない。
・例えば、充填剤として、炭酸カルシウムの他に、マイクロバルーン、タルク、クレー等を用いても良い。
【0056】
・また、充填剤を配合しなくてもよい。この場合は、リサイクルボードの表面を粗い仕上げとすることができる。
・前記実施例1では、例えば、リサイクルボード用樹脂を硬化させる際に、加圧を行わなくともよい。
【0057】
・前記実施例1〜4において、不飽和二塩基酸として、マレイン酸を用いてもよい。
Claims (9)
- ペットボトル再生樹脂と、FRPチップとを混合し、重合反応させることを特徴とするリサイクルボード用樹脂の製造方法。
- 充填剤を配合することを特徴とする前記請求項1に記載のリサイクルボード用樹脂の製造方法。
- 触媒の存在下で前記重合反応を行うことを特徴とする前記請求項1又は2に記載のリサイクルボード用樹脂の製造方法。
- 前記FRPチップの粒径が、15mm以下であることを特徴とする前記請求項1〜3のいずれかに記載のリサイクルボード用樹脂の製造方法。
- 前記ペットボトル再生樹脂は、ペットボトルに含まれるポリエチレンテレフタレートと、スチレンモノマーと、不飽和二塩基酸と、グリコールとを含むことを特徴とする前記請求項1〜4のいずれかに記載のリサイクルボード用樹脂の製造方法。
- 前記ペットボトル再生樹脂に含まれるポリエチレンテレフタレートと、前記FRPチップとの合計配合量が、前記リサイクルボード用樹脂の全重量に対して、50重量%以上であることを特徴とする前記請求項5に記載のリサイクルボード用樹脂の製造方法。
- 前記請求項1〜6のいずれかに記載のリサイクルボード用樹脂の製造方法により製造されたリサイクルボード用樹脂を硬化させることによりリサイクルボードを製造することを特徴とするリサイクルボードの製造方法。
- 前記硬化の際に、前記リサイクルボード用樹脂を加圧することを特徴とする前記請求項7に記載のリサイクルボードの製造方法。
- 前記硬化の際に、前記リサイクルボード用樹脂を加熱することを特徴とする前記請求項7または8に記載のリサイクルボードの製造方法。
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