JPH08295729A - 不飽和ポリエステル樹脂の製造方法 - Google Patents

不飽和ポリエステル樹脂の製造方法

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JPH08295729A
JPH08295729A JP10267895A JP10267895A JPH08295729A JP H08295729 A JPH08295729 A JP H08295729A JP 10267895 A JP10267895 A JP 10267895A JP 10267895 A JP10267895 A JP 10267895A JP H08295729 A JPH08295729 A JP H08295729A
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JP
Japan
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unsaturated polyester
pet
mol
glycol
polyester resin
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Pending
Application number
JP10267895A
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English (en)
Inventor
Haruo Yoshida
晴雄 吉田
Masashi Takitani
將志 滝谷
Takayuki Yanai
隆之 柳井
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Resonac Holdings Corp
Original Assignee
Showa Highpolymer Co Ltd
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Publication date
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Priority to JP10267895A priority Critical patent/JPH08295729A/ja
Publication of JPH08295729A publication Critical patent/JPH08295729A/ja
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    • Y02WCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES RELATED TO WASTEWATER TREATMENT OR WASTE MANAGEMENT
    • Y02W30/00Technologies for solid waste management
    • Y02W30/50Reuse, recycling or recovery technologies
    • Y02W30/62Plastics recycling; Rubber recycling

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  • Manufacture Of Porous Articles, And Recovery And Treatment Of Waste Products (AREA)
  • Separation, Recovery Or Treatment Of Waste Materials Containing Plastics (AREA)
  • Polyesters Or Polycarbonates (AREA)
  • Macromonomer-Based Addition Polymer (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 磁気記録材料の支持体として使用されている
PETを回収し、それを原料として、不飽和ポリエステ
ルおよび不飽和ポリエステル樹脂を製造する。 【構成】 ポリエチレンテレフタレートを支持体とする
磁気記録材料から磁性層を剥離した回収ポリエチレンテ
レフタレート20〜70単位モル%(繰り返し単位の分
子量を1モルとする)をグリコール80〜30モル%に
よって、解重合した後、所要量のα,β−不飽和多塩基
酸またはその無水物と反応させ、所要の段階までエステ
ル化を行わせることによりなる不飽和ポリエステルの製
造方法およびこの不飽和ポリエステルにこれと共重合す
るモノマーを配合することよりなる不飽和ポリエステル
樹脂の製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ポリエチレンテレフタ
レートを支持体とする磁気記録材料から磁性層を剥離し
たポリエチレンテレフタレートの再利用に関し、更に詳
しくは、回収ポリエチレンテレフタレートを不飽和ポリ
エステル樹脂製造の原料として利用する、不飽和ポリエ
ステル樹脂の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、使用済みのポリエチレンテレフタ
レート(以下PETと称する)製炭酸飲料容器の処理が
社会問題化しつつあることから、その回収・再利用が検
討されており、既にサーマルリサイクル、マテリアルリ
サイクル、ケミカルリサイクルの各方法について、種々
検討されている。例えばケミカルリサイクルの一環とし
て、炭酸飲料容器からの回収PETを原料とする不飽和
ポリエステル樹脂の製造方法が既に開示されている(例
えば、S.N.Tong et al.Polyme
r,24,469(1983),V.M.Nadkar
ni et al.,Ind.Eng.Chem.Re
s.,26(2)194(1987),V.M.Nadk
arni et al.,J.Appl.Polym.S
ci.34(1)235(1987),V.M.Nad
karni et al.,Ind.Eng.Chem.
Res.,27(11),2056(1988),J.
D.Anthony 46th SPI 18−C(1
991),特公昭42−6194号公報,特公昭47−
10057号公報,特開昭49−80192号公報,特
開昭50−43192号公報,特開昭50−11359
4号公報)。
【0003】また、回収PETより得られた不飽和ポリ
エステル樹脂を、ポリマーモルタル、ポリマーコンクリ
ートの成分として利用する方法も開示されている(例え
ば、K.S.Rebeiz et al.,ANTEC '
90,1459(1990),J.B.Schneid
er et al.,ANTEC '90,1462(19
90),K.S.Rebeiz et al.,J.Ap
pl.Polym.Sci.,44,1469(199
2),D.S.Lee et al.Polym.Pr
epr.Jpn.,43(11),3991(199
4))。
【0004】しかし、回収されたPET製炭酸飲料容器
を不飽和ポリエステル樹脂の製造原料として利用する場
合、ラベルの粘着剤等の異種ポリマーの混入、容器の着
色顔料等の影響により、硬化性あるいは強度等が大きく
変化する欠点がある一方で、これらの問題を回避するた
めに、一定の品質を保持したPETを回収することは、
実際上困難である。
【0005】一方、磁気記録材料の製造工程で発生する
廃棄対象物(例えばフロッピーディスクの打ち抜き残
部、ビデオあるいはオーディオテープ等の切断端部等、
製造工程およびこれらの製品検査過程で発生する品質不
良品あるいは使用済みの不要品等)を不飽和ポリエステ
ル樹脂の製造原料として再利用する方法も検討されてい
る。
【0006】しかし、磁気記録材は、通常支持体上に磁
性粉をバインダー樹脂と共に塗布して磁性層を形成して
いるため、回収支持体(例えば回収PET)にバインダ
ー樹脂や磁性粉が混入し、これを不飽和ポリエステル樹
脂の製造原料として利用する場合、得られる不飽和ポリ
エステル樹脂の硬化性や強度等に影響を及ぼすこともあ
り、また着色しているためその用途も限定されざるを得
なかった。
【0007】現在、磁気記録材料分野での廃棄対象物か
ら磁性層を除去し、支持体として使用されているPET
を回収し、再利用することについては、PETが良品質
であるにも拘らず、これまで全く検討されていなかっ
た。そこで本発明者らは、環境保全、資源の再利用さら
には廉価な処理法の見地から、これら磁気記録材料分野
での廃棄対象物を、アルカリ水溶液と接触させることに
よる磁気記録材料からの支持体の回収方法を提案した
(特願平7−25588号)。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、磁気記録材
料の廃棄対象物から、磁性層を除去することによって得
られた回収PETを原料とする、硬化性や強度等が大き
く変化することがなく、かつバランスのとれた物性値を
有する不飽和ポリエステルの製造方法およびこの不飽和
ポリエステルをこれと共重合するモノマーと配合せしめ
ることによる不飽和ポリエステル樹脂の製造方法を提供
することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
に鑑み鋭意検討した結果、磁気記録材料から回収された
PETを原料とし、これを所要量のグリコールによって
解重合した後、α,β−不飽和多塩基酸またはその無水
物と反応させ、所要の段階までエステル化させることに
より、上記の目的が達成される不飽和ポリエステルおよ
び不飽和ポリエステル樹脂が得られることを見い出し
て、本発明を達成した。
【0010】即ち、本発明は、PETを支持体とする磁
気記録材料から回収磁性層を剥離したPET20〜70
単位モル%(PETの繰り返し単位の分子量を1モルと
する)をグリコール80〜30モル%で解重合した後、
所要量のα,β−不飽和多塩基酸またはその無水物と反
応させ、所要の段階までエステル化を行うことを特徴と
する不飽和ポリエステルの製造方法に関する。
【0011】また、本発明は、上記発明で得られた不飽
和ポリエステルに、これと共重合するモノマーを配合す
ることを特徴とする不飽和ポリエステル樹脂の製造方法
に関する。
【0012】以下に本発明を詳細に説明する。本発明に
使用される回収PETとは、PETを支持体とするフロ
ッピーディスク、ビデオテープ、オーディオテープ等の
磁気記録材料から磁性層を剥離して得られるものであっ
て、この回収PETは概して〜100μm厚のフィル
ム、シート、テープあるいはディスク状の薄膜であるた
め、グリコールによる解重合反応が容易である特徴を有
する。反応に際しては、必ずしもこれらの形状にとらわ
れることなく、適宜裁断等の方法により、反応器へ装填
し易い形状あるいは撹拌し易い形状として使用してもよ
いことはいうまでもない。
【0013】PETを支持体とする磁気記録材料から磁
性層を剥離する方法は、いかなる方法であってもよい
が、具体的には本発明者らが既に提案している方法、即
ちフロッピーディスク、ビデオテープ、オーディオテー
プの製造工程で発生する廃棄対象物および使用済みの不
要品等の磁気記録材料をアルカリ水溶液に接触させる方
法に基づいて行うことができる(特願平7−25588
号)。この方法を以下に要約する。
【0014】この方法は、上記の磁気記録材料をアルカ
リ水溶液と接触させることにより、磁性層を剥離し、次
いで水洗することによって行われる。磁性層を支持体よ
り迅速に剥離するには、磁気記録材料の磁性層表面がア
ルカリ水溶液に絶えず接触していると共に、剥離した磁
性層が早期に流去される状態にあることが好ましい。そ
のためには、機械撹拌法、超音波洗浄法、ガス吹き込み
法、揺動法等の方法により、系を流動させることが好ま
しい。他の方法として、高圧スプレー法も有用である。
【0015】この方法で使用されるアルカリ種として
は、リチウム、ナトリウム、カリウム等のアルカリ金属
水酸化物であって、アルカリ濃度としては、使用するア
ルカリ種、接触温度、接触時間およびバインダー樹脂の
種類によって異なるため、一概に規定できないが、1.
5〜20重量%、好ましくは2〜15重量%である。ア
ルカリ金属水酸化物の濃度が1.5重量%未満では、磁
性層の剥離に長時間を要するばかりでなく、剥離した磁
性層が微粉末化し、洗浄分離が容易でなくなる。一方、
20重量%を超える濃度では、剥離は速いものの、アル
カリを除去するのに、多量の水を要するばかりでなく、
熱可塑性ポリエステル樹脂を支持体とする磁気記録材料
では、支持体の表面の加水分解も併発することから好ま
しくない。
【0016】使用されるアルカリ水溶液の温度は、アル
カリ種およびその濃度によっても異なることから、一概
に規定はできないが、20〜100℃、好ましくは40
〜100℃である。アルカリ水溶液の温度が20℃未満
では、磁性層と支持体を剥離するのに長時間を要するた
め、実用的でない。
【0017】また、バインダー樹脂の種類によっては、
アルカリ水溶液がバインダー層に浸透しにくく、磁性層
が剥離しにくい場合があるが、その場合には、アルカリ
水溶液の磁性層への浸透を補助することを目的として、
水溶性アルコール、例えば、メタノール、エタノール、
プロパノール、イソプロパノール等を0〜50容量%、
好ましくは0〜30容量%の範囲で併用してもよい。
【0018】アルカリ水溶液との接触時間は、アルカリ
種、濃度あるいは温度によっても異なるが、5分〜5時
間、好ましくは10分〜3時間である。接触時間が5分
未満では、剥離が不十分である。一方、5時間を超える
ような条件は実用的ではない。
【0019】磁気記録材料は、アルカリ水溶液と接触さ
せることで殆ど完全に剥離しており、水洗は、付着の磁
性層と支持体表面のアルカリを除去するのみであるが、
自然剥離がしにくい場合でも、支持体上の残存部分を、
ナイロンブラシ等で軽く擦る程度で容易に剥離除去する
ことが可能である。
【0020】本発明においては、この回収PETをグリ
コールによって解重合を行う。本発明で使用されるグリ
コールとしては、エチレングリコール、プロピレングリ
コール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコー
ル、1,2−ブタンジオール、1,3−ブタンジオー
ル、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオ
ール、2−メチル−1,3−プロパンジオール、2,2
−ジメチル−1,3−プロパンジオール、1,4−シク
ロヘキサンジメタノール、ビスフェノールAのエチレン
オキサイド付加物、ビスフェノールAのプロピレンオキ
サイド付加物、水添ビスフェノールA等が挙げられる。
これらのグリコールは単独で使用しても併用してもよ
い。但し、エチレングリコールは、単独で使用した場合
は共重合するモノマーとの相溶性に問題があるので上記
の他のグリコールと併用することが好ましい。上記のグ
リコールの中では、炭素数が3以上のグリコールが好ま
しく、特に1,2−ブタンジオール、メチル基を置換基
として有するグリコール、例えばプロピレングリコー
ル、ジプロピレングリコール、2−メチル−1,3−プ
ロパンジオールが、不飽和ポリエステルと共重合するモ
ノマーとの相溶性を改善できるので好ましい。
【0021】回収PETをグリコールで解重合する場合
は、グリコールと回収PETを同時に仕込んで加熱して
もよいし、またはグリコール中に回収PETを加え加熱
してもよいし、さらには熔融状態の回収PETにグリコ
ールを逐次添加してもよい。
【0022】回収PETとグリコールの使用割合は、使
用するグリコールの種類によっても異なるが、回収PE
T20〜70単位モル%に対して、グリコールは80〜
30モル%であり、好ましくは回収PET40〜70単
位モル%に対して、グリコール60〜30モル%であ
る。グリコールの使用割合が80モル%を超える量で
は、回収PETを使用する意味が乏しくなる。一方、グ
リコールの使用割合が30モル%未満では、共重合する
モノマーとの相溶性を乏しくする欠点がある。
【0023】グリコールによる解重合は、常法に従い、
不活性ガス中、触媒の存在下もしくは不在下で、常圧も
しくは加圧下で、190〜270℃の温度で行われる。
【0024】解重合温度が190℃未満では、解重合が
全く進まないが、長時間を要し、好ましくない。一方、
270℃を超える温度では、グリコールの分解が起こり
易くなることから好ましくない。
【0025】触媒を使用せずとも高温では、解重合反応
は起こるが、触媒を使用することにより、解重合温度を
低下させることが可能である。使用される触媒として
は、酢酸マンガン、ジブチル錫オキサイド、シュ酸第一
錫、酢酸亜鉛、酢酸コバルト等の公知の触媒が使用で
き、その濃度は、回収PET1単位当たり、10-3〜1
-1モル、好ましくは2×10-3〜9×10-2モルであ
る。触媒濃度がPET1単位モル当たり10-1モルを超
える量では、解重合速度は向上するものの、触媒の種類
によっては、着色が著しくなることあるいは硬化物の耐
熱水性を低下させる等の欠点が生じる。
【0026】解重合に使用される圧力は、常圧〜5kg/c
m2G(0.49MPaG)、好ましくは常圧〜4kg/cm2
(0.392MPaG)である。5kg/cm2G(0.49MPa
G)を超える圧力でも分解速度の大幅な向上は望めず、
圧力を上げる意味がない。
【0027】回収PETをグリコールで解重合した後、
所用量のα,β−不飽和多塩基酸またはその無水物を加
え、所要段階までエステル化を行って、不飽和ポリエス
テルを製造する。ここで言う所用量とは、使用したグリ
コールとほぼ等モル即ち30〜80モル%の範囲内の
α,β−不飽和多塩基酸またはその無水物を加えること
を意味する。
【0028】使用されるα,β−不飽和多塩基酸または
その無水物としては、マレイン酸、無水マレイン酸、フ
マル酸、イタコン酸、無水イタコン酸等が挙げられる。
この他、本発明の主旨を損なわぬ範囲で、必要に応じて
無水フタル酸、イソフタル酸、アジピン酸あるいはそれ
らのアルキルエステル等の他の多塩基酸およびそれらの
誘導体を使用することも可能である。
【0029】回収PETのグリコールによる解重合物と
α,β−不飽和多塩基酸またはその無水物とのエステル
化反応は、常法に従い、不活性ガス気流中、160〜2
30℃の温度で行われ、必要に応じて、加圧下または減
圧下で所要の段階までエステル化される。ここで言う所
要の段階とは、得られる不飽和ポリエステルの酸価を1
00以下、好ましくは5〜70までとすることを示し、
用途により適宜設定される。
【0030】エステル化反応によって得られた不飽和ポ
リエステルは、これと共重合するモノマーを配合するこ
とにより、不飽和ポリエステル樹脂とする。本発明で使
用される共重合するモノマーとしては、スチレン、ビニ
ルトルエン、クロロスチレン、t−ブチルスチレン、メ
チルアクリレート、メチルメタクリレート、エチルアク
リレート、エチルメタクリレート、ジアリルフタレー
ト、ジアリルテレフタレート等が挙げられ、その配合量
は、多くとも不飽和ポリエステル100重量部に対し
て、50〜150重量部、好ましくは50〜130重量
部である。
【0031】本発明の回収PETから製造された不飽和
ポリエステル樹脂の使用に当たっては、有機,無機の補
強材、フィラー、顔料、離型剤、熱可塑性樹脂等を用途
に応じて配合することができる。
【0032】
【実施例】以下、参考例および実施例により、本発明の
実施態様並びに効果を具体的に説明する。
【0033】参考例1 5インチフロッピーディスクの打抜き残の裁断片の3kg
を50リットルの2.5重量%の水酸化ナトリウム水溶
液中で70〜80℃で2時間、加熱撹拌処理して磁性層
を剥離した後、十分水洗、乾燥して厚さ75μmのPE
Tを回収した。この操作を2回繰り返し、磁性層が完全
に剥離した6kgの回収PETを得た。得られた回収PE
TをPET(I)とする。
【0034】参考例2 ビデオテープの裁断片の3kgを、参考例1と同じ処理を
行い、厚さ8μmのPETを回収した。この操作を2回
繰り返し、磁性層が完全に剥離した6kgの回収PETを
得た。これをPET(II)とする。
【0035】実施例1 撹拌器、分溜コンデンサー、温度計、窒素導入管を付し
た3リットルの四ツ口フラスコに、1,2−ブタンジオ
ール720g(8モル)、ジブチル錫オキサイド7.8
4g(0.007モル/PET)を仕込み、窒素ガス気
流下で加熱撹拌した。内温が130℃になった後、加
熱、撹拌しながら参考例1で得られたPET(I)86
4g(4.5モル)を2時間かけて投入した。投入終了
時の内温は180℃であった。さらに30分で温度を2
10〜215℃に上げた時点で、内容物は均一になった
ことが認められたので、温度を120℃に下げ、窒素ガ
ス気流下で無水マレイン酸732g(7.47モル)を
加えた後、210℃でエステル化を進めた。得られた不
飽和ポリエステルは、最終酸価27.1、PET含有率
は約39重量%であった。次いで、この不飽和ポリエス
テルにハイドロキノン0.28gを加え、さらに150
℃でスチレン1179gを加え溶解した。得られたPE
T含有不飽和ポリエステル樹脂(A)は、淡黄色で、粘
度は11.6ポイズであった。
【0036】PET含有不飽和ポリエステル樹脂(A)
100重量部に、メチルエチルケトンパーオキシド1重
量部、ナフテン酸コバルト(6%Co)0.5重量部を
加えた組成物を、マイラーフィルムを貼付した2枚のガ
ラス板を型枠を用いて組み合わせた型に注型したとこ
ろ、25℃で45分でゲル化した。ゲル化後、80℃で
2時間後硬化して得られた注型品の物性値は、表1に見
られるようにバランスのとれたものであった。物性値
は、JIS K−6911に準じて測定した。
【0037】
【表1】 引張り強さ (kg/mm2) 6.2(61MPa) 引張り弾性率(kg/mm2) 380 (3.7GPa) 伸び率 (%) 2.6 曲げ強さ (kg/mm2) 10.4(102MPa) 曲げ弾性率 (kg/mm2) 320 (3.1GPa) 熱変形温度 (℃) 102
【0038】実施例2 実施例1と同じ反応装置に、1,2−ブタンジオール5
40g(6モル)、ジブチル錫オキサイド10.5g
(0.007モル/PET)を仕込み、窒素ガス気流下
で加熱撹拌した。内温が130℃になった後、加熱、撹
拌しながら参考例1で得られたPET(I)1152g
(6モル)を2時間かけて投入した。投入終了時の内温
は180℃であった。さらに30分で温度を210〜2
15℃に上げた時点で、内容物は均一になったことが認
められたので、温度を120℃に下げ、窒素ガス気流下
で無水マレイン酸488g(5モル)を加えた後、21
0℃でエステル化を進めた。得られた不飽和ポリエステ
ルは、最終酸価26.9、PET含有率は約55重量%
であった。次いで、この不飽和ポリエステルにハイドロ
キノン0.3gを加え、さらに150℃でスチレン11
31gを加え溶解した。得られたPET含有不飽和ポリ
エステル樹脂(B)は、淡黄色でやや白濁しており、粘
度は16.1ポイズであった。
【0039】PET含有不飽和ポリエステル樹脂(B)
100重量部に、メチルエチルケトンパーオキシド1重
量部、ナフテン酸コバルト(6%Co)0.5重量部を
加えた組成物を、マイラーフィルムを貼付した2枚のガ
ラス板を型枠を用いて組み合わせた型に注型したとこ
ろ、25℃で24分でゲル化した。ゲル化後、80℃で
2時間後硬化して得られた注型品の物性値は、表2に見
られるようにバランスのとれたものであった。物性値
は、JIS K−6911に準じて測定した。
【0040】
【表2】 引張り強さ (kg/mm2) 5.9(58MPa) 引張り弾性率(kg/mm2) 420 (4.1GPa) 伸び率 (%) 2.1 曲げ強さ (kg/mm2) 10.8(106MPa) 曲げ弾性率 (kg/mm2) 340 (3.3GPa) 熱変形温度 (℃) 96.5
【0041】実施例3 実施例1と同じ反応装置に、1,2−ブタンジオール4
50g(5モル)、ジブチル錫オキサイド10.6g
(0.007モル/PET)を仕込み、窒素ガス気流下
で加熱撹拌した。内温が130℃になった後、加熱、撹
拌しながら参考例2で得られたPET(II)1152g
(6モル)を3時間かけて投入した。投入終了時の内温
は180℃であった。さらに30分で温度を210〜2
15℃に上げた時点で、内容物は均一になったことが認
められたので、温度を120℃に下げ、窒素ガス気流下
で無水マレイン酸408g(4.17モル)を加えた
後、210℃でエステル化を進めた。得られた不飽和ポ
リエステルは、最終酸価20.0、PET含有率は約5
9重量%であった。次いで、この不飽和ポリエステルに
ハイドロキノン0.3gを加え、さらに150℃でスチ
レン1297gを加え溶解した。得られたPET含有不
飽和ポリエステル樹脂(D)は、淡黄色でやや白濁して
おり、粘度は15.1ポイズであった。
【0042】PET含有不飽和ポリエステル樹脂(D)
100重量部に、メチルエチルケトンパーオキシド1重
量部、ナフテン酸コバルト(6%Co)0.5重量部を
加えた組成物を、マイラーフィルムを貼付した2枚のガ
ラス板を型枠を用いて組み合わせた型に注型したとこ
ろ、25℃で38分でゲル化した。ゲル化後、80℃で
2時間後硬化して得られた注型品の物性値は、表3に見
られるようにバランスのとれたものであった。物性値
は、JIS K−6911に準じて測定した。
【0043】
【表3】 引張り強さ (kg/mm2) 6.7(66MPa) 引張り弾性率(kg/mm2) 300 (2.9GPa) 伸び率 (%) 3.0 曲げ強さ (kg/mm2) 9.6(94MPa) 曲げ弾性率 (kg/mm2) 330 (3.2GPa) 熱変形温度 (℃) 94
【0044】実施例4 実施例1と同じ反応装置に、プロピレングリコール38
0g(5モル)、ジブチル錫オキサイド10.6g
(0.007モル/PET)を仕込み、窒素ガス気流下
で加熱撹拌した。内温が130℃になった後、加熱、撹
拌しながら参考例1で得られたPET(I)1152g
(6モル)を3時間かけて投入した。投入終了時の内温
は180℃であった。さらに30分で温度を210〜2
15℃に上げた時点で、内容物は均一になったことが認
められたので、温度を120℃に下げ、窒素ガス気流下
で無水マレイン酸408g(4.17モル)を加えた
後、210℃でエステル化を進めた。得られた不飽和ポ
リエステルは、最終酸価20.0、PET含有率は約6
0重量%であった。次いで、この不飽和ポリエステルに
ハイドロキノン0.3gを加え、さらに150℃でスチ
レン1280gを加え溶解した。得られたPET含有不
飽和ポリエステル樹脂(E)は、淡黄色でやや白濁して
おり、粘度は34.6ポイズであった。
【0045】PET含有不飽和ポリエステル樹脂(E)
100重量部に、メチルエチルケトンパーオキシド1重
量部、ナフテン酸コバルト(6%Co)0.5重量部を
加えた組成物を、マイラーフィルムを貼付した2枚のガ
ラス板を型枠を用いて組み合わせた型に注型したとこ
ろ、25℃で45分でゲル化した。ゲル化後、80℃で
2時間後硬化して得られた注型品の物性値は、表4に見
られるようにバランスのとれたものであった。物性値
は、JIS K−6911に準じて測定した。
【0046】
【表4】 引張り強さ (kg/mm2) 6.7(66MPa) 引張り弾性率(kg/mm2) 320 (3.1GPa) 伸び率 (%) 3.2 曲げ強さ (kg/mm2) 13.2(129MPa) 曲げ弾性率 (kg/mm2) 340 (3.3GPa) 熱変形温度 (℃) 97
【0047】実施例5 実施例1と同じ反応装置に、1,2−ブタンジオール4
50g(5モル)、ジブチル錫オキサイド5.2g
(0.0035モル/PET)を仕込み、窒素ガス気流
下で加熱撹拌した。内温が130℃になった後、加熱、
撹拌しながら参考例2で得られたPET(II)1152g
(6モル)を5時間かけて投入した。投入終了時の内温
は180℃であった。さらに30分で温度を210〜2
15℃に上げた時点で、内容物は均一になったことが認
められたので、温度を120℃に下げ、窒素ガス気流下
で無水マレイン酸408g(4.17モル)を加えた
後、210℃でエステル化を進めた。得られた不飽和ポ
リエステルは、最終酸価19.3、PET含有率は約5
9重量%であった。次いで、この不飽和ポリエステルに
ハイドロキノン0.3gを加え、さらに150℃でスチ
レン1293gを加え溶解した。得られたPET含有不
飽和ポリエステル樹脂(F)は、淡黄色でやや白濁して
おり、粘度は12.2ポイズであった。
【0048】PET含有不飽和ポリエステル樹脂(F)
100重量部に、メチルエチルケトンパーオキシド1重
量部、ナフテン酸コバルト(6%Co)0.5重量部を
加えた組成物を、マイラーフィルムを貼付した2枚のガ
ラス板を型枠を用いて組み合わせた型に注型したとこ
ろ、25℃で22分でゲル化した。ゲル化後、80℃で
2時間後硬化して得られた注型品の物性値は、表5に見
られるようにバランスのとれたものであった。物性値
は、JIS K−6911に準じて測定した。
【0049】
【表5】 引張り強さ (kg/mm2) 6.4(63MPa) 引張り弾性率(kg/mm2) 370 (3.6GPa) 伸び率 (%) 2.5 曲げ強さ (kg/mm2) 12.3(121MPa) 曲げ弾性率 (kg/mm2) 330 (3.2GPa) 熱変形温度 (℃) 94
【0050】実施例6 実施例1と同じ反応装置に、プロピレングリコール38
0g(5モル)、ジブチル錫オキサイド1.04g
(0.0007モル/PET)を仕込み、窒素ガス気流
下で加熱撹拌した。内温が130℃になった後、加熱、
撹拌しながら参考例1で得られたPET(I)1152
g(6モル)を7時間かけて投入した。投入終了時の内
温は180℃であった。さらに30分で温度を210〜
215℃に上げた時点で、内容物は均一になったことが
認められたので、温度を120℃に下げ、窒素ガス気流
下で無水マレイン酸408g(4.17モル)を加えた
後、210℃でエステル化を進めた。得られた不飽和ポ
リエステルは、最終酸価24.0、PET含有率は約6
1重量%であった。次いで、この不飽和ポリエステルに
ハイドロキノン0.3gを加え、さらに150℃でスチ
レン1252gを加え溶解した。得られたPET含有不
飽和ポリエステル樹脂(H)は、淡黄色でやや白濁して
おり、粘度は5.8ポイズであった。
【0051】PET含有不飽和ポリエステル樹脂(H)
100重量部に、メチルエチルケトンパーオキシド1重
量部、ナフテン酸コバルト(6%Co)0.5重量部を
加えた組成物を、マイラーフィルムを貼付した2枚のガ
ラス板を型枠を用いて組み合わせた型に注型したとこ
ろ、25℃で22分でゲル化した。ゲル化後、80℃で
2時間後硬化して得られた注型品の物性値は、表6に見
られるようにバランスのとれたものであった。物性値
は、JIS K−6911に準じて測定した。
【0052】
【表6】 引張り強さ (kg/mm2) 6.1(60MPa) 引張り弾性率(kg/mm2) 410 (4.0GPa) 伸び率 (%) 2.0 曲げ強さ (kg/mm2) 11.1(109MPa) 曲げ弾性率 (kg/mm2) 370 (3.6GPa) 熱変形温度 (℃) 93
【0053】実施例7 撹拌器、分溜コンデンサー、温度計、圧力計、窒素導入
管を付した5リットルの耐圧ステンレス反応容器に、
1,2−ブタンジオール900g(10モル)、ジブチ
ル錫オキサイド10.5g(0.0035モル/PE
T)、参考例1で得られたPET(I)2304g(1
2モル)を仕込み、窒素ガスで置換し、3kg/cm2
(0.294MPaG)まで加圧後、撹拌しながら220℃
まで加熱したところ、4時間でPET(I)が安全に溶
解し、解重合反応の終了を確認した。この加圧反応によ
る解重合物の分子量を実施例3、実施例5の解重合物と
比較したところ差は見られず、また実施例3と同一条件
のエステル化で得られた不飽和ポリエステル樹脂の硬化
性および硬化物の物性も同様の値を示した。
【0054】
【発明の効果】本発明は、磁気記録材料の支持体として
使用されているPETの回収品を、不飽和ポリエステル
および不飽和ポリエステル樹脂の原料として再利用する
と共に、その優れた物性を利用して、広範な用途に応用
することができる。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリエチレンテレフタレートを支持体と
    する磁気記録材料から磁性層を剥離した回収ポリエチレ
    ンテレフタレート20〜70単位モル%をグリコール8
    0〜30モル%によって解重合した後、所要量のα,β
    −不飽和多塩基酸またはその無水物と反応させ、所要の
    段階までエステル化を行うことを特徴とする不飽和ポリ
    エステルの製造方法。
  2. 【請求項2】 グリコールが、メチル基を置換基として
    有するグリコールである請求項1に記載の不飽和ポリエ
    ステルの製造方法。
  3. 【請求項3】 請求項1または2に記載の方法により得
    られた不飽和ポリエステルに、これと共重合するモノマ
    ーを配合することを特徴とする不飽和ポリエステル樹脂
    の製造方法。
JP10267895A 1995-04-26 1995-04-26 不飽和ポリエステル樹脂の製造方法 Pending JPH08295729A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100353151B1 (ko) * 2000-01-11 2002-09-18 애경화학 주식회사 재생 폴리에틸렌테레프탈레이트를 이용한 투명포화폴리에스테르의 제조 방법

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