JPH11106446A - 速硬化性不飽和ポリエステル樹脂組成物 - Google Patents

速硬化性不飽和ポリエステル樹脂組成物

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JPH11106446A
JPH11106446A JP27475397A JP27475397A JPH11106446A JP H11106446 A JPH11106446 A JP H11106446A JP 27475397 A JP27475397 A JP 27475397A JP 27475397 A JP27475397 A JP 27475397A JP H11106446 A JPH11106446 A JP H11106446A
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resin composition
component
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JP27475397A
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Atsuhiro Yoshida
敦弘 吉田
Koji Morimoto
厚司 森本
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Mitsui Chemicals Inc
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  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
  • Polymerization Catalysts (AREA)
  • Macromonomer-Based Addition Polymer (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】良好な貯蔵安定性をもち、かつ成形時には速硬
化性を有する不飽和ポリエステル樹脂組成物を提供す
る。 【解決手段】不飽和ポリエステル(a) 、ビニル単量体
(b) 、熱可塑性樹脂(c) 、充填剤(d) 、10時間半減期を
得るための分解温度が90〜110 ℃にある硬化触媒(e) 、
10時間半減期を得るための分解温度が60〜80℃にある硬
化触媒(f) 、及び特定のフェノール化合物(g) からな
り、かつ成分(a),(b) 及び(c) の合計 100重量部あた
り、成分(e) を0.50〜2.00重量部、成分(f) を0.01〜0.
60重量部、及び成分(g) を0.005 〜0.200 重量部の範囲
で含有してなる不飽和ポリエステル樹脂組成物とした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば機械部品や
自動車用部品等の用途に有用な不飽和ポリエステル樹脂
組成物に関するものであり、更にはそれを繊維強化材に
含浸させた成形材料、またその成形品に関する。
【0002】
【従来の技術】不飽和ポリエステルをベースとするシー
トモールディングコンパウンド(以下、SMCと略す
る。)のような繊維強化成形用組成物は、一般に高温(1
30〜160℃)、高圧(50〜200 kg/cm2 )で成形するた
め、生産性がよく、また成形品の品質のばらつくことも
非常に少ない有用な材料である。
【0003】近年では各種成形品の生産量も次第に増大
し、SMCの更なる成形時間短縮が求められるようにな
っており、この要求を満足させる上において、一般的に
はSMCに、10時間半減期を得るための分解温度が60〜
80℃であるような低温硬化触媒を使用することにより不
飽和ポリエステル樹脂の反応時間を促進させ、そして成
形時間の短縮(SMCの速硬化)化を図るという方法
が、比較的広く採用されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、SMC
に低温硬化触媒を使用する場合は、成形に要する時間を
短縮することができる反面、そのSMCの貯蔵性が著し
く悪化してしまうという欠点が生ずることになる。すな
わち例えば、その10時間半減期を得るための分解温度が
90〜110 ℃であるような高温硬化触媒を使用したSMC
では、30℃の温度下に1カ月貯蔵した場合でも成形する
ことは容易であるのに対し、低温硬化触媒を使用したも
のでは、僅か1週間程度貯蔵したようなものでも成形が
全く不能となってしまうというような問題がある。
【0005】本発明は、従来技術における上記した問題
を解消する新規な不飽和ポリエステル樹脂組成物を提供
するものであり、また該組成物を繊維強化材に含浸させ
た成形材料及びこれを硬化させた成形品を提供するもの
である。
【0006】更により具体的には、不飽和ポリエステル
樹脂組成物の速硬化の条件を「成形条件が、金型温度上
型 145℃、下型 140℃、圧力70kg/cm2 のとき、外観良
好で厚み10mmの成形品が成形時間 120秒以内に得られる
もの」とし、また、不飽和ポリエステル組成物の貯蔵安
定性の条件を「雰囲気温度30℃で1カ月貯蔵した後、金
型温度上型 145℃、下型 140℃、圧力70kg/cm2 、成形
時間 240秒、成形板厚み3mmの成形条件で成形可能かつ
得られた成形品外観が貯蔵前と同等である」とした場合
に、本発明はこれらの条件を十分に満足する不飽和ポリ
エステル樹脂組成物を提供するものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記従来
技術に見られる欠陥が、用いられている硬化触媒の種別
により左右されているということに着目し、それらの種
別及び使用量を変えて種々の樹脂組成物を作成し、成形
性及び貯蔵性について鋭意研究を行ってきた。
【0008】その結果、不飽和ポリエステル、ビニル単
量体、及び熱可塑性樹脂の混合物に対し、特定な硬化触
媒及び特定なフェノール系化合物を含有させ、樹脂組成
物としたものは、成形時は速硬化性をもち、しかも長期
の保存においても成形性は損なわれることがなく、従来
に見られた欠陥を解消することのできる、新規な不飽和
ポリエステル樹脂組成物となり得るものであることを見
出し、本発明に到った。
【0009】すなわち本発明は、(1) 不飽和ポリエステ
ル(a)、ビニル単量体(b)、熱可塑性樹脂(c)、
充填剤(d)、10時間半減期を得るための分解温度が90
〜110 ℃にある硬化触媒(e)、10時間半減期を得るた
めの分解温度が60〜80℃にある硬化触媒(f)、及び一
般式(1)[化2]
【化2】 (式中、R1 はメチル基、sec-ブチル基又はt-ブチル基
であり、R2 はイソプロピル基、sec-ブチル基又はt-ブ
チル基である。)で表わされるフェノール系化合物
(g)からなり、かつ成分(a)、(b)及び(c)の
合計 100重量部あたり、成分(e)を0.50〜2.00重量
部、成分(f)を0.01〜0.60重量部、及び成分(g)を
0.005 〜0.200 重量部の範囲で含有してなる不飽和ポリ
エステル樹脂組成物であり、また、(2) 成分(a)
(b)及び(c)の合計 100重量部あたりの構成割合
が、成分(a)40〜80重量部、成分(b)20〜40重量
部、及び成分(c)3〜20重量部にある上記(1) に記載
の不飽和ポリエステル樹脂組成物であり、また、(3) 上
記(1) 又は(2) に記載の樹脂組成物を繊維強化材に含浸
させた成形材料であり、また、(4) 上記(3) に記載の成
形材料を硬化させた成形品を開示するものである。
【0010】
【発明の実施の形態】まず、本発明の不飽和ポリエステ
ル樹脂組成物において、不飽和ポリエステル(a)は、
α,β−不飽和二塩基酸単独、又はそれと飽和二塩基酸
との混合物を酸成分とし、グリコール類と脱水縮合によ
り高分子化して得られるものである。ここで、α,β−
不飽和二塩基酸としては無水マレイン酸が最も好まし
く、また飽和二塩基酸としては、無水フタル酸、テトラ
ヒドロ無水フタル酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、無水
コハク酸、無水トリメリット酸、ピロメリット酸、イソ
フタル酸、テレフタル酸、アジピン酸等が挙げられる。
【0011】また、グリコール類としては、エチレング
リコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコー
ル、ジプロピレングリコール、1,2-ブタンジオール、1,
3-ブタンジオール、1,4-ブタンジオール、2,3-ブタンジ
オール、ネオペンチルグリコール、ビスフェノールAの
エチレンオキシド付加物、ビスフェノールAのプロピレ
ンオキシド付加物、水素化ビスフェノールA、1,6-ヘキ
サンジオール等が挙げられる。不飽和ポリエステル中の
酸成分とグリコール成分の比率はモル比で1:( 1.0〜
1.3 )の範囲、また酸成分中のα,β−不飽和二塩基酸
と飽和二塩基酸の比率はモル比で( 0.6〜1.0 ):(
0.4〜0)の範囲で調整する。
【0012】本発明に使用するビニル単量体(b)とし
ては、スチレンが一般的であるが、その外にα−メチル
スチレン、メチル(メタ)アクリレート、α−エチルス
チレン、エチル(メタ)アクリレート、エチレングリコ
ールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパン
トリ(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリル酸誘導
体を併用しても差し支えない。ここで、(メタ)アクリ
レートとは、メタクリレート又はアクリレートを意味す
る。不飽和ポリエステル(a)とビニル単量体(b)と
の配合量は、重量比で(50:50)〜(80:20)の間で選
択する。
【0013】本発明における熱可塑性樹脂(c)は、不
飽和ポリエステル樹脂の硬化収縮を相殺するために使用
する。この熱可塑性樹脂としては、少なくとも、不飽和
ポリエステル樹脂の完全硬化に至る迄の間に、不飽和ポ
リエステルの系内から分離して島構造を取り得ること
と、スチレン等のビニル単量体を含んで膨潤しうる能力
を備えていることが必要である。このような熱可塑性樹
脂としては、ポリスチレン、ポリエチレン、ポリメチル
メタクリレート、飽和ポリエステル、ポリ酢酸ビニル、
ポリスチレン−ポリ酢酸ビニルブロック共重合体等が挙
げられる。
【0014】この熱可塑性樹脂(c)の添加量は、不飽
和ポリエステル(a)、ビニル単量体(b)及び熱可塑
性樹脂(c)の合計 100重量部に対して、3〜20重量部
が望ましい。この添加量が3重量部未満では、不飽和ポ
リエステルの硬化収縮を補償する効果が少なく、成形品
のクラックや表面外観不良の改善ができない。また、添
加量が 20重量部を越えると、熱可塑性樹脂が分離し、
SMCシートのべたつきが発生し、成形時の作業性が悪
化する、成形品表面にも分離した熱可塑性樹脂が曇りと
して現れる、成形品の色調が不均一となり色むら現象が
発生する等の問題点がある。
【0015】熱可塑性樹脂と不飽和ポリエステルとの混
合は、熱可塑性樹脂をスチレン等のビニル単量体に溶解
して液状で分散する場合と、熱可塑性樹脂を微粉末化し
て、充填剤と同様に分散させる方法とがあるが、熱可塑
性樹脂がスチレン等のビニル単量体に溶解性があるかに
よりいずれかが選択される。
【0016】本発明で使用される充填剤(d)は、平均
粒径30μm以下の粒子状の無機物である。このような充
填剤としては、SMC分野では公知である、炭酸カルシ
ウム、水酸化アルミニウム、クレー、硫酸バリウム、ガ
ラスビーズ、ガラスマイクロバルーン、ケイ酸アルミニ
ウム等が挙げられる。
【0017】充填剤(d)の使用量は、不飽和ポリエス
テル(a)、ビニル単量体(b)及び熱可塑性樹脂
(c)の合計 100重量部に対して、80〜170 重量部の範
囲とするのが望ましい。これが80重量部未満では、SM
C成形品中の繊維強化材の流動時の分散が均一になりに
くいので強度むらが発生しやすくなり、また、 170重量
部を越えては樹脂コンパウンドの粘度が高くなり、繊維
強化材への樹脂の含浸が悪くなって、繊維強化樹脂とし
ての強度が発現されない等の問題点が出るため、好まし
くない。また、使用される充填剤の平均粒径が30μmを
越えるようなものを使用しては、得られる成形品の表面
平滑性が悪化することになり、金型の表面状態を転写し
て成形品の表面外観を美麗に仕上げるという、SMC本
来のもつ特性の一つが発揮しずらくなってしまい、好ま
しくない。
【0018】一般的に不飽和ポリエステル樹脂を硬化さ
せるために硬化触媒を使用する。SMCの場合、 140〜
150 ℃の温度で2〜5分で成形するので、SMC用の硬
化触媒としては高温硬化触媒を通常使用する。このよう
な高温硬化触媒としては、1,1-ビス(t-ブチルパーオキ
シ)-3,3,5- トリメチルシクロヘキサノエート、t-ブチ
ルパーオキシラウレート、t-ブチルパーオキシ-3,3,5-
トリメチルヘキサノエート、2,5-ジメチル-2,5- ジ(ベ
ンゾイルパーオキシ)ヘキサン、t-ブチルパーオキシア
セテート、t-ブチルパーオキシベンゾエート等が挙げら
れる。
【0019】更に、一般的にSMCが金型流動中は硬化
しないように硬化特性を調整するために、重合禁止剤を
使用する。このような重合禁止剤としては、p-ベンゾキ
ノン、ナフトキノン、p-トルキノン、p-キシロキノン、
2,5-ジフェニル-p- ベンゾキノン等のキノン類;ヒドロ
キノン、p-t-ブチルカテコール、2,5-ジ-t- ブチルヒド
ロキノン、モノ-t- ブチルヒドロキノン等のヒドロキノ
ン類が一般的である。近年、成形における生産効率向上
のため、SMCの成形時間短縮が求められており、その
ために高温硬化触媒とともに低温硬化触媒を併用するこ
とが行なわれてもいる。低温硬化触媒としては、オクタ
ノイルパーオキシド、デカノイルパーオキシド、ラウロ
イルパーオキシド、クミルパーオキシオクタノエート、
コハク酸パーオキシド、アセチルパーオキシド、t-ブチ
ルパーオキシ(2-エチルヘキサノエート)、m−トルオ
イルパーオキシド、ベンゾイルパーオキシド、t-ブチル
- パーオキシイソブチレート等である。
【0020】ところが、このような低温硬化触媒を併用
した不飽和ポリエステル樹脂組成物及びSMCは、高温
硬化触媒のみを使用したものに比べて、貯蔵時間が著し
く短縮してしまい、実用上不適である。
【0021】しかしながら、不飽和ポリエステル
(a)、ビニル単量体(b)、及び熱可塑性樹脂(c)
の各成分(a)+(b)+(c)の混合物 100重量部に
対して、高温硬化触媒(e)0.50〜2.00重量部と低温硬
化触媒(f)0.01〜0.60重量部を含有する樹脂組成物
(h)に、式(1)で表されるフェノール系化合物
(g)を 0.005〜0.200 重量部混合した樹脂組成物
(i)は、樹脂組成物(h)に比較し、成形時間を何ら
損なうことなく、すなわち成形時間を保持したまま、貯
蔵し得る時間を延長することが可能である。
【0022】本発明に使用される繊維強化材は、不飽和
ポリエステル樹脂組成物を強化させるための必須成分で
あり、この技術分野において公知であるガラス繊維、炭
素繊維、金属繊維等の無機質系繊維;ビニロン繊維、ポ
リエステル繊維、アラミド繊維等の有機質系繊維が挙げ
られ、また、これらの2種類以上を組み合せてもよい。
これら繊維強化材の配合量は、成形品の物理的性質とそ
の外観の良好さを両立させるために成分(a)〜(d)
の合計量に対して、10〜50重量%の範囲であることが好
ましい。
【0023】また、本発明の不飽和ポリエステル樹脂組
成物及びSMCにおいて、上記した成分の外に、増粘
剤、離型剤、着色剤、その他有機系や無機系の添加剤を
必要に応じて配合することは、何らさしつかえない。
【0024】
【実施例】以下、合成例、実施例及び比較例により本発
明を詳細に説明する。以下において、「部」、「%」及
び「ppm 」は重量基準である。
【0025】合成例 ガラス製四つ口フラスコ(撹拌機、温度計、外部ヒータ
ー、冷却管、凝縮器及び窒素導入管付き)に、無水マレ
イン酸98部、無水フタル酸 166部、エチレングリコール
70部、及びプロピレングリコール76部を仕込み、 160〜
180 ℃にて6時間エステル化反応を行ない、酸価 25 mg
-KOH/gの不飽和ポリエステルを得た。反応終了後、ま
だ熱いうちに、このエステル中にヒドロキノン 150ppm
を投入して溶解し、スチレンを加えてスチレン量40%の
不飽和ポリエステル樹脂(A)を得た。
【0026】実施例1 上記合成例で得た不飽和ポリエステル樹脂(A)23.0
部、ポリスチレンの35%スチレン溶液(EM116 :商品
名、三井東圧化学社製)10.0部、10時間半減期を得るた
めの分解温度が 105℃であるt-ブチルパーオキシベンゾ
エート[以下、高温硬化触媒と表記する] 0.4部、10時
間半減期を得るための分解温度が74℃であるt-ブチルパ
ーオキシ(2-エチルヘキサノエート)[以下、低温硬化
触媒と表記する]0.1 部、及び重合禁止剤である3,5-ジ
-t- ブチル-4- ヒドロキシトルエン(前記一般式(1)
において、R1 がメチル基、R2 がt-ブチル基であ
る。)の10%スチレン溶液 0.2部を混合撹拌して樹脂液
とする。次に、この樹脂液に無機質充填剤である炭酸カ
ルシウム(品番NS#200 、日東粉化工業社製)39.6
部、及び離型剤であるステアリン酸亜鉛 1.3部を撹拌し
ながら、順次加えて樹脂ペーストとした。更に、この樹
脂ペーストに増粘剤である酸化マグネシウム(品名;キ
ョーワマグ20、協和化学工業社製) 0.4部を加えて均一
に混合し、直ちにSMC製造機に供給し、1インチ長さ
のガラス繊維25部を含有するSMCを製造した。なお、
この実施例1における各組成の配合を下記表1にまとめ
た。
【0027】
【表1】
【0028】次いで上記により得られたSMCを25μm
厚さのポリエチレンテレフタレート製のフィルムで包装
し、45℃で24時間熟成した後、30℃の温度にて長期間保
管した。次に、上記保管中におけるSMCの貯蔵安定性
を評価するため、経時的にこのSMCを取りだして、金
型温度上型 145℃、下型 140℃、圧力70Kg/cm2 、成形
所要時間 120秒の条件下で、 300mm× 300mmの金型に 2
00mm× 200mmの大きさのSMCを、成形後の厚みが10mm
となるように成形した。その結果、このものは、保管開
始より1ヵ月経過後のものでも速硬化が損なわれず、良
好に成形することができた。
【0029】実施例2〜4 実施例1において、重合禁止剤の種類を代えること以外
は、全く同様に操作してSMCを製造し、それらの貯蔵
安定性を評価した。すなわち、重合禁止剤としては、実
施例2では2,4,6-トリ-t- ブチルフェノール(前記一般
式(1)において、R1 とR2 がt-ブチル基であ
る。)、実施例3では 4-sec- ブチル-2,6- ジ-t- ブチ
ルフェノール(前記一般式(1)において、R1 がsec-
ブチル基、R2がt-ブチル基である。)、及び実施例4
では4-t-ブチル-2,6- ジイソプロピルフェノール(前記
一般式(1)において、R1 がt-ブチル基、R2 がイソ
プロピル基である。)を用いた。その結果、これらのも
のは、1ヵ月間の保管を行ったものにおいても成形性は
何ら損なわれることがなく、良好に成形することが可能
であった。なお、実施例1〜4における重合禁止剤の種
類とSMCの貯蔵安定性を表2にまとめた。
【0030】
【表2】
【0031】
【化3】
【0032】比較例1 実施例1において、重合禁止剤のフェノール系化合物を
用いないこと以外は、全く同様に操作してSMCを製造
し、それらの貯蔵安定性を評価した。その結果、貯蔵開
始より3日後にSMCが硬化してしまい、それを切断で
きず成形することができなかった。
【0033】比較例2 実施例1において、重合禁止剤としてp-ベンゾキノンを
用いることとした以外は、全く同様に操作してSMCを
製造し、それらの貯蔵安定性を評価した。その結果、貯
蔵開始より7日後にSMCが硬化してしまい、それを切
断できず成形することができなかった。
【0034】比較例3 実施例1において、フェノール系化合物の含有量を 0.4
部とした以外は全て同様に操作してSMCを製造し、そ
れらの貯蔵安定性を評価した。その結果、1か月後の成
形においては、速硬化が損なわれる結果となった。
【0035】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
によれば、貯蔵安定性に優れる不飽和ポリエステル樹脂
組成物を提供することができ、かつ成形時間の短いSM
Cを製造することが可能となる。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 不飽和ポリエステル(a)、ビニル単量
    体(b)、熱可塑性樹脂(c)、充填剤(d)、10時間
    半減期を得るための分解温度が90〜110 ℃にある硬化触
    媒(e)、10時間半減期を得るための分解温度が60〜80
    ℃にある硬化触媒(f)、及び一般式(1)[化1] 【化1】 (式中、R1 はメチル基、sec-ブチル基又はt-ブチル基
    であり、R2 はイソプロピル基、sec-ブチル基又はt-ブ
    チル基である。)で表わされるフェノール系化合物
    (g)からなり、かつ成分(a)、(b)及び(c)の
    合計 100重量部あたり、成分(e)を0.50〜2.00重量
    部、成分(f)を0.01〜0.60重量部、及び成分(g)を
    0.005 〜0.200 重量部の範囲で含有してなる不飽和ポリ
    エステル樹脂組成物。
  2. 【請求項2】 成分(a)(b)及び(c)の合計 100
    重量部あたりの構成割合が、成分(a)40〜80重量部、
    成分(b)20〜40重量部、及び成分(c)3〜20重量部
    にある請求項1に記載の不飽和ポリエステル樹脂組成
    物。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2に記載の樹脂組成物を繊
    維強化材に含浸させた成形材料。
  4. 【請求項4】 請求項3に記載の成形材料を硬化させた
    成形品。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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