JP3263164B2 - 塗装性に優れた自動車外装部品の成形品用不飽和ポリエステル樹脂組成物及び成形材料、並びに塗装性に優れた自動車外装部品の成形品 - Google Patents

塗装性に優れた自動車外装部品の成形品用不飽和ポリエステル樹脂組成物及び成形材料、並びに塗装性に優れた自動車外装部品の成形品

Info

Publication number
JP3263164B2
JP3263164B2 JP02746193A JP2746193A JP3263164B2 JP 3263164 B2 JP3263164 B2 JP 3263164B2 JP 02746193 A JP02746193 A JP 02746193A JP 2746193 A JP2746193 A JP 2746193A JP 3263164 B2 JP3263164 B2 JP 3263164B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
component
weight
resin composition
unsaturated polyester
parts
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP02746193A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH05306362A (ja
Inventor
浩一 秋山
弘 宮下
三次 青木
健 八田
隆嗣 稲生
康博 三島
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toyota Motor Corp
Mitsui Chemicals Polyurethanes Inc
Original Assignee
Mitsui Takeda Chemicals Inc
Toyota Motor Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mitsui Takeda Chemicals Inc, Toyota Motor Corp filed Critical Mitsui Takeda Chemicals Inc
Priority to JP02746193A priority Critical patent/JP3263164B2/ja
Publication of JPH05306362A publication Critical patent/JPH05306362A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3263164B2 publication Critical patent/JP3263164B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
  • Macromonomer-Based Addition Polymer (AREA)
  • Manufacture Of Porous Articles, And Recovery And Treatment Of Waste Products (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、塗装性に優れた自動車
外装部品の成形品用不飽和ポリエステル樹脂組成物及び
成形材料、並びに塗装性に優れた自動車外装部品の成形
品に関する。
【0002】
【従来の技術】不飽和ポリエステル樹脂組成物を用いた
繊維強化プラスチック(FRP)は、優れた機械的強
度、耐熱性、耐水性、耐薬品性を有するため、例えば浴
槽、水タンクパネル、洗面ボウル等に広く使用されてき
た。また不飽和ポリエステル樹脂系シートモールディン
グコンパウンド(SMC)或はバルクモールディングコ
ンパウンド(BMC)は、その成形の容易さ、生産効率
の高さによって、FRPの成形材料として一般的に用い
られている。近年、SMC、BMCの軽量化の要望が高
くなり、いろいろな手法で軽量化が図られているが、最
もよく用いられているのは、ガラス中空体を不飽和ポリ
エステル樹脂組成物に添加する方法である。しかしなが
ら、ガラス中空体を添加した不飽和ポリエステル樹脂組
成物を用いて得られる成形品を、これに塗装を施して自
動車外板やその他の外装部品(例えばエンジンフード、
ルーフ、トランクリッド、スポイラー、エアインテイ
ク、ロッカーパネル等の部品)とする場合、添加したガ
ラス中空体によって、成形品の塗装後の耐水性が大きな
影響を受ける。すなわち、塗装された成形品を温水中に
浸漬すると、塗膜の密着不良、ブリスターの発生が起こ
り、実際のところ自動車外装部品の成形品としては、許
容できないものとなる。またSMC、BMCは、多くの
場合、金属酸化物によって不飽和ポリエステル樹脂組成
物を増粘させ、取扱の容易な成形材料としているが、ガ
ラス中空体の添加は、この増粘を著しく阻害し、取扱性
の良い成形材料を得ることが困難であった。このため、
軽量性、取扱性、塗装性を兼ね備えた成形材料の開発
が、強く要望されていた。そこで従来、このような成形
材料として、真比重が0.3〜0.4g/cm3で、少な
くとも1回酸処理されたガラス中空球を含有するBMC
が提案されている(特開平1−234434号公報)。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところが、上記の従来
提案には、軽量性は改善できても、依然として取扱性及
び塗装性の改善程度が不充分という課題がある。従来提
案では、不飽和ポリエステル樹脂組成物を充分に増粘さ
せることができず、とりわけ成形品の塗装後の耐水性が
悪い。
【0004】
【課題を解決するための手段】しかして本発明者らは、
上記の課題を解決して、軽量性、取扱性及び塗装性を兼
ね備えた、自動車外装部品の成形品用不飽和ポリエステ
ル樹脂組成物及び成形材料等を得るべく鋭意研究した結
果、不飽和ポリエステル、重合性単量体、熱可塑性樹脂
及び重合開始剤と共に、所定範囲の真比重及び溶出アル
カリ度を有するガラス中空体を用いるのが正しく好適で
あることを見出した。
【0005】すなわち本発明は、塗装性に優れた自動車
外装部品の成形品用不飽和ポリエステル樹脂組成物及び
成形材料、並びに塗装性に優れた自動車外装部品の成形
品であって、i)下記の成分(a)〜(e)を含有し、
且つ20〜40重量部の成分(a)、30〜70重量部
の成分(b)及び5〜30重量部の成分(c)をこれら
の合計が100重量部となるように配合した樹脂組成物
に、更に0.1〜5.0重量部の成分(d)及び5〜1
00重量部の成分(e)を配合した不飽和ポリエステル
樹脂組成物、ii)該不飽和ポリエステル樹脂組成物をガ
ラス繊維に含浸させてなる成形材料、iii)該成形材料
を硬化させてなる成形品に係る。
【0006】前記の不飽和ポリエステル樹脂組成物i)
は、軽量性と共に良好な取扱性及び塗装性を示し、FR
Pの特性である機械的強度、耐熱性、耐薬品性にも優れ
ている。またこの不飽和ポリエステル樹脂組成物i)を
ガラス繊維(例えば1/4〜2インチの長さのもの)に
含浸させて得られるシート状或はバルク状の成形材料i
i)は、取扱性が良好で、塗装が施される自動車外装部
品の成形品を製造する際の成形材料として有用である。
更にこの成形材料ii)を硬化させてなる成形品iii)
は、軽量性を有すると共に、塗装後の耐水性が良好で、
塗膜の密着不良、ブリスターが発生しない。
【0007】本発明で用いる成分(a)の不飽和ポリエ
ステルは、一般にα,β−オレフィン系不飽和ジカルボ
ン酸と2価のアルコールとの縮合で合成されるもので、
従来から汎用されている。該不飽和ポリエステルの合成
には、これら2成分の他に飽和ジカルボン酸や芳香族ジ
カルボン酸或はカルボン酸と反応するジシクロペンタジ
エン等も併用することができる。α,β−オレフィン系
不飽和ジカルボン酸としては、マレイン酸、フマル酸、
イタコン酸、シトラコン酸及びこれらジカルボン酸の無
水物等が挙げられる。これらα,β−オレフィン系不飽
和ジカルボン酸と併用されるジカルボン酸としては、ア
ジピン酸、セバシン酸、コハク酸、グルコン酸、フタル
酸無水物、イソフタル酸、テレフタル酸、テトラヒドロ
フタル酸無水物、クロレンド酸無水物等が挙げられる。
2価のアルコールとしては、アルカンジオール、オキサ
アルカンジオール、ビスフェノールAや水素添加ビスフ
ェノールA等にエチレンオキシドやプロピレンオキシド
等のアルキレンオキシドを付加したジオール等が用いら
れる。これに加えて1価或は3価のアルコールを併用し
てもよい。アルカンジオールとしては、エチレングリコ
ール、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロピ
レングリコール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブ
タンジオール、ネオペンチルグリコール、3−メチル−
1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオー
ル、シクロヘキサンジオール、水素添加ビスフェノール
A等が挙げられる。オキサアルカンジオールとしては、
ジオキシエチレングリコール、トリオキシエチレングリ
コール、ジオキシプロピレングリコール、トリオキシプ
ロピレングリコール等が挙げられる。これらのグリコー
ルと併用される1価或は3価のアルコールとしては、オ
クチルアルコール、オレイルアルコール、トリメチロー
ルプロパン等が挙げられる。不飽和ポリエステルの合成
は、一般に加熱下で実施され、副生する水を除去しなが
ら反応を進める。本発明では、通常平均分子量が800
〜4000、酸価が20〜60のものを用いる。
【0008】本発明で用いる成分(b)の重合性単量体
としては、モノビニル単量体、例えばスチレン、p−ク
ロルスチレン、ビニルトルエン等の芳香族系モノビニル
単量体、例えばアクリル酸、アクリル酸エチル、アクリ
ル酸ブチル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル
酸2−ヒドロキシエチル、メタクリル酸、メタクリル酸
メチル、メタクリル酸イソブチル、メタクリル酸2−ヒ
ドロキシエチル、アクリロニトリル等のアクリル系モノ
ビニル単量体が挙げられるが、なかでもスチレンが好ま
しい。この成分(b)は通常、成分(a)、成分(c)
の希釈剤として成分(a)、成分(c)に配合されてい
る。
【0009】本発明で用いる成分(c)の熱可塑性樹脂
としては、従来、不飽和ポリエステル樹脂の低収縮化剤
として慣用されている熱可塑性樹脂を挙げることができ
る。このような熱可塑性樹脂としては、ポリブタジエン
或はその水素添加物、ポリイソプレン或はその水素添加
物、芳香族ビニル/共役ジエンブロック共重合体或はそ
の水素添加物、ポリスチレン、スチレン/酢酸ビニルブ
ロック共重合体、ポリ酢酸ビニル、ポリメチルメタクリ
レート、更には飽和ポリエステル(分子量300〜10
0000)、或はそのウレタン化物(分子量2000〜
100000)、ポリエーテル等が挙げられる。上記芳
香族ビニル/共役ジエンブロック共重合体は、それ自体
公知の重合体であって、スチレン、クロルスチレン、ビ
ニルトルエン等の芳香族ビニル単量体と、ブタジエン、
イソプレン等の共役ジエン単量体とを慣用の重合法によ
りブロック共重合させることによって合成される。この
ようなブロック共重合体としては、スチレン/イソプレ
ンブロック共重合体、スチレン/ブタジエンブロック共
重合体或はそれらの水素添加物等が挙げられる。本発明
で用いるのに適したブロック共重合体としては、ビニル
単量体とジエン単量体とのモル比がほぼ50:50〜
5:95のもので、平均分子量がほぼ30000〜20
0000のものが好ましい。また本発明で用いるのに適
した熱可塑性樹脂としては、スチレン/ブタジエンブロ
ック共重合体、ポリ酢酸ビニル、飽和ポリエステル或は
そのウレタン化物が好ましい。本発明で用いる熱可塑性
樹脂は、上記のような重合体をカルボキシ変性したもの
であってもよい。カルボキシル基が導入された重合体
は、不飽和ポリエステル樹脂との相溶性が向上する上
に、SMC、BMCを調整する際に酸化マグネシウムの
作用によりコンパウンドの増粘性を向上させることもで
きる。
【0010】本発明において、成分(a)〜(c)は、
20〜40重量部、好ましくは25〜35重量部の成分
(a)、30〜70重量部、好ましくは40〜60重量
部の成分(b)、5〜30重量部、好ましくは10〜2
5重量部の成分(c)を、これらの合計が100重量部
となるように配合する。
【0011】本発明で用いる成分(d)の重合開始剤と
しては、タ−シャリ−ブチルパ−オキシベンゾエート
(TBPB)、タ−シャリ−ブチルパ−オキシオクトエ
ート(TBPO)、2,5−ジメチル−2,5−ジ(ベ
ンゾイルパ−オキシ)ヘキサン(DDBPH)、タ−シ
ャリ−アミルパ−オキシオクトエート(TAPO)、タ
−シャリ−ブチルイソプロピルカーボネート(TBIP
C)、1,1−ビス(t−ブチルパ−オキシ)3,3,
5−トリメチルシクロヘキサン、1,1−ビス(t−ブ
チルパ−オキシ)シクロヘキサン、1,1−ビス(t−
アミルパ−オキシ)3,3,5−トリメチルシクロヘキ
サン、1,1−ビス(t−アミルパ−オキシ)シクロヘ
キサン等の有機過酸化物の中から所望の硬化速度に応じ
て少なくとも1種が選ばれる。この重合開始剤は、成分
(a)〜(c)の合計100重量部に対して、0.1〜
5.0重量部、好ましくは1.0〜3.0重量部となる
ように配合する。
【0012】本発明では、前記重合開始剤と共に硬化促
進剤を併用することもできる。硬化促進剤としては、コ
バルト、銅、マンガンの有機金属化合物、例えばそれぞ
れのオクトエート、ナフテネート、アセチルアセトネー
ト等が挙げられる。これらは単独で使用しても、混合で
使用してもよい。これらの有機金属化合物は、成分
(a)〜(c)の合計100重量部に対して、金属とし
て10〜1000ppmとなるように配合する。
【0013】本発明で用いる成分(e)のガラス中空体
は、真比重が0.5〜1.3g/cm3、好ましくは0.
8〜1.2g/cm3で、溶出アルカリ度が0.05meq/
g以下、好ましくは0.03meq/g以下のものを用い
る。真比重はASTM D2841法や窒素置換法等に
よって測定され、また溶出アルカリ度はASTM D3
100−78法で測定される。通常、ガラス中空体はN
2O等の金属酸化物を含有しており、0.10meq/g
程度の溶出アルカリ度を示すが、このガラス中空体を塩
酸、硫酸等の酸洗浄及び/又はカップリング剤等で表面
処理を施すことによって溶出アルカリ度を0.05meq/
g以下にすることができる。ガラス中空体は10%破壊
耐圧強度が120kgf/cm2以上、特に240kgf/cm2のも
のが好ましく、またその平均粒子径は5〜100μm、
特に5〜50μmのものが好ましい。この成分(e)
は、ガラス中空体の真比重、目的とする成形物の比重に
よって添加量が決められるが、成分(a)〜(c)の合
計100重量部に対して、5〜100重量部、好ましく
は10〜80重量部、より好ましくは20〜60重量部
となるように配合する。
【0014】本発明の不飽和ポリエステル樹脂組成物に
は、表面性を改良するために、アルカンポリオールポリ
アクリレートやアルカンポリオールポリメタクリレート
を配合することもできる。アルカンポリオールポリアク
リレートやアルカンポリオールポリメタクリレートとし
ては、エチレングリコールジメタクリレート、ジエチレ
ングリコールジメタクリレート、トリエチレングリコー
ルジメタクリレート、プロピレングリコールジメタクリ
レート、ジプロピレングリコールジメタクリレート、
1,4−ブタンジオールジメタクリレート、ネオペンチ
ルグリコールジメタクリレート、1,6−ヘキサンジオ
ールジメタクリレート、エチレングリコールジアクリレ
ート、ジエチレングリコールジアクリレート、トリエチ
レングリコールジアクリレート、プロピレングリコール
ジアクリレート、1,4−ブタンジオールジアクリレー
ト、ネオペンチルグリコールジアクリレート、1,6−
ヘキサンジオールジアクリレート、トリメチロールプロ
パンジメタクリレート、グリセリンジメタクリレート、
ペンタエリスリトールジメタクリレート、トリメチロー
ルプロパンジアクリレート、グリセリンジアクリレー
ト、ペンタエリストールジアクリレート等の炭素数2〜
12を有するアルカンポリオールのジメタクリレート或
はジアクリレートが挙げられ、更にはトリメチロールプ
ロパントリメタクリレート、グリセリントリメタクリレ
ート、ペンタエリストールトリメタクリレート、グリセ
リントリアクリレート、ペンタエリストールトリアクリ
レート、ペンタエリストールテトラメタクリレート、ジ
ペンタエリストールヘキサメタクリレート、ペンタエリ
ストールテトラアクリレート、ジペンタエリストールヘ
キサアクリレート等の炭素数3〜12を有するアルカン
ポリオールのポリメタクリレート或はポリアクリレート
が挙げられる。これらは、成分(a)〜(c)の合計1
00重量部に対して、通常は1〜15重量部、好ましく
は3〜10重量部となるように配合される。
【0015】また本発明の不飽和ポリエステル樹脂組成
物には、必要に応じて充填剤、顔料、増粘剤等を配合す
ることもできる。充填剤としては、炭酸カルシウム、水
酸化アルミニウム、タルク、シリカ、クレー、ガラス粉
等が挙げられる。顔料としては、酸化チタン、カーボン
ブラック、弁柄、フタロシアニンブルー等が挙げられ
る。増粘剤としては、マグネシウム、カルシウム等の酸
化物又は水酸化物が挙げられる。
【0016】本発明の不飽和ポリエステル樹脂組成物
は、慣用の手段、装置を用いて、ガラス繊維(例えば直
径約8〜20μで長さが1/4〜2インチのもの)に含
浸させることにより、シート状のシートモールディング
コンパウンド(SMC)或はバルク状のバルクモールデ
ィングコンパウンド(BMC)等の成形材料とすること
ができる。ガラス繊維は、通常、不飽和ポリエステル樹
脂組成物全量に対してほぼ10〜60重量%程度配合さ
れる。本発明の成形材料は、金型中で加熱圧縮(圧力2
0〜120kgf/cm2、温度110〜180℃)して硬化
させることにより、成形物とすることができる。
【0017】
【実施例】以下に、実施例及び比較例を挙げて本発明を
更に具体的に説明する。 実施例1〜7及び比較例1〜5 表1又は表2に示す組成でシートモールディングコンパ
ウンド(SMC)を調製した。表中、不飽和ポリエステ
ル樹脂Aは、次のように調製した。撹拌機、温度計、不
活性ガス導入口、精留塔を有する5Lの5つ口フラスコ
に、プロピレングリコール1600g、無水マレイン酸
1860g及びハイドロキノン0.31gを仕込み、窒
素ガスを流しながら温度210℃で反応させて、酸価2
3.6の不飽和ポリエステルを合成した。この不飽和ポ
リエステル100重量部に対し、重合禁止剤としてハイ
ドロキノン0.015重量部を添加した後、スチレン4
3重量部を添加して、不飽和ポリエステル樹脂Aを調製
した。かくして調製した不飽和ポリエステル樹脂Aは、
プロピレングリコールと無水マレイン酸とから合成され
た不飽和ポリエステルのスチレン溶液で、30重量%の
スチレンを含有し、25℃における粘度が820cps、
酸価が16.5のものである。不飽和ポリエステル樹脂
Bは、次のように調製した。撹拌機、温度計、不活性ガ
ス導入口、精留塔を有する5Lの5つ口フラスコに、プ
ロピレングリコール570g、無水マレイン酸1470
g、ジシクロペンタジエン400g及びハイドロキノン
0.33gを仕込み、窒素ガスを流しながら140℃で
1時間反応させた後、更に200℃で反応させて、酸価
32.3の不飽和ポリエステルを合成した。この不飽和
ポリエステル100重量部に対し、重合禁止剤としてハ
イドロキノン0.015重量部を添加した後、スチレン
54重量部を添加して、不飽和ポリエステル樹脂Bを調
製した。かくして調製した不飽和ポリエステル樹脂B
は、プロピレングリコール1.0モル、ジシクロペンタ
ジエン0.2モル、無水マレイン酸1.0モルから合成
された不飽和ポリエステルのスチレン溶液で、35重量
%のスチレンを含有し、25℃における粘度が650cp
s、酸価が21のものである。スチレン/ブタジエンブ
ロック共重合体溶液は、スチレン/ブタジエンブロック
共重合体(シェルオイルカンパニー社製の商品名KRA
TON DX1116)30重量部をスチレン70重量
部に撹拌分散させたもので、25℃における粘度が28
000cpsのものである。このスチレン/ブタジエンブ
ロック共重合体は、平均分子量120000で、スチレ
ン成分15重量%、ブタジエン成分85重量%からな
り、0.5重量%のカルボキシル基を有する。ポリ酢酸
ビニル溶液は、40重量部のポリ酢酸ビニルと60重量
部のスチレンからなるもので、ポリ酢酸ビニルの平均分
子量は40000である。(本品は、ポリマール996
6[商標;三井武田ケミカル(株)製]に相当する。)
ガラス中空体A〜Cは、平均粒子径が40μm、真比重
が0.50g/cm3、10%破壊耐圧強度が240kgf/c
m2で、表1及び表2に示した溶出アルカリ度を示すもの
である。ガラス中空体D、Eは、平均粒子径が8μm、
真比重が1.10g/cm3、10%破壊耐圧強度が70
0kgf/cm2以上で、表1及び表2に示す溶出アルカリ度
を示すものである。各例のうちで、比較例1〜5は溶出
アルカリ度が本発明で規定する範囲外のガラス中空体
C、Eを使用した場合である。
【0018】樹脂組成物の粘度は、樹脂組成物に増粘剤
の酸化マグネシウムを添加した後、40℃の恒温槽中で
所定時間熟成させ、ブルックフィールド社製のBHT型
粘度計を用い、T−Fローター、2.5rpmにて、4
0℃で測定した。SMCの取扱性については、粘着性が
低くて作業性の良好なものを良、やや粘着性があるが取
扱が可能なものを可、粘着性が強くて取扱が困難なもの
を不良とした。各SMCを加圧流動時間9秒、圧力80
kgf/cm2で所定の条件下に加圧し、板状(300×30
0×2mm)の成形品を製造した。メラミン塗装ではメラ
ミンアルキッド塗料を用い、140℃で焼付けを行っ
た。ウレタン塗装ではウレタン塗料を用い、80℃で焼
付けを行った。また塗装をしたSMC成形品を40℃の
温水に10日間浸漬した後、塗装表面に発生したブリス
ターの数を調べ、基盤目剥離試験にて密着性を評価し
た。結果を表1及び表2に示した。
【0019】
【表1】
【0020】
【表2】
【0021】表1及び表2において、 ガラス中空体A:真比重0.50g/cm3、溶出アルカ
リ度0.020meq/g(旭硝子社製の商品名X1A) ガラス中空体B:真比重0.50g/cm3、溶出アルカ
リ度0.050meq/g(旭硝子社製の商品名X1B) ガラス中空体C:真比重0.50g/cm3、溶出アルカ
リ度0.080meq/g(旭硝子社製の商品名X1C) ガラス中空体D:真比重1.10g/cm3、溶出アルカ
リ度0.020meq/g(東芝バロティーニ社製の商品名
ES128−2F) ガラス中空体E:真比重1.10g/cm3、溶出アルカ
リ度0.075meq/g(東芝バロティーニ社製の商品名
DB120−101A) ガラス繊維:直径13μ、長さ1インチ(日本電気硝子
社製の商品名ER4800S−301) ブリスター発生数:板状(300mm×300mm)の成形
品中の発生個数
【0022】
【発明の効果】本発明の樹脂組成物及び該樹脂組成物を
ガラス繊維に含浸させたものは取扱性が良好であり、そ
の成形物は軽量性を有すると共に、良好な塗装性を有す
る。したがって本発明の樹脂組成物は自動車外板等の塗
装を行う成形品を製造するための成形材料として極めて
有用である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 青木 三次 奈良県香芝市良福寺311番地の6 (72)発明者 八田 健 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自 動車株式会社内 (72)発明者 稲生 隆嗣 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自 動車株式会社内 (72)発明者 三島 康博 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自 動車株式会社内 審査官 森川 聡 (56)参考文献 特開 平1−149849(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08L 67/06 - 67/07

Claims (15)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記の成分(a)〜(e)を含有する塗
    装性に優れた自動車外装部品の成形品用不飽和ポリエス
    テル樹脂組成物であって、20〜40重量部の成分
    (a)、30〜70重量部の成分(b)及び5〜30重
    量部の成分(c)をこれらの合計が100重量部となる
    ように配合した樹脂組成物に、更に0.1〜5.0重量
    部の成分(d)及び5〜100重量部の成分(e)を配
    合した不飽和ポリエステル樹脂組成物。 成分(a):不飽和ポリエステル 成分(b):重合性単量体 成分(c):熱可塑性樹脂 成分(d):重合開始剤 成分(e):真比重が0.5〜1.3g/cmで、溶出
    アルカリ度が0.05meq/g以下のガラス中空体
  2. 【請求項2】 25〜35重量部の成分(a)、40〜
    60重量部の成分(b)及び10〜25重量部の成分
    (c)をこれらの合計が100重量部となるように配合
    した樹脂組成物に、更に0.1〜5.0重量部の成分
    (d)及び5〜100重量部の成分(e)を配合した請
    求項1記載の不飽和ポリエステル樹脂組成物。
  3. 【請求項3】 成分(e)のガラス中空体がその真比重
    が0.8〜1.2g/cm3で、溶出アルカリ度が0.0
    3meq/g以下のものである請求項1記載の不飽和ポリ
    エステル樹脂組成物。
  4. 【請求項4】 成分(e)のガラス中空体がその平均粒
    子径が5〜100μmのものである請求項1記載の不飽
    和ポリエステル樹脂組成物。
  5. 【請求項5】 成分(e)のガラス中空体がその10%
    破壊耐圧強度が120kgf/cm2以上のものである請求項
    1記載の不飽和ポリエステル樹脂組成物。
  6. 【請求項6】 成分(e)の含有量が成分(a)、成分
    (b)及び成分(c)の合計量100重量部に対し10
    〜80重量部である請求項1記載の不飽和ポリエステル
    樹脂組成物。
  7. 【請求項7】 成分(b)の重合性単量体が芳香族モノ
    ビニル単量体である請求項1記載の不飽和ポリエステル
    樹脂組成物。
  8. 【請求項8】 芳香族モノビニル単量体がスチレンであ
    る請求項7記載の不飽和ポリエステル樹脂組成物。
  9. 【請求項9】 成分(c)の熱可塑性樹脂がスチレン/
    ブタジエンブロック共重合体、ポリ酢酸ビニル、飽和ポ
    リエステル(分子量300〜100000)又はそのウ
    レタン化物(分子量2000〜100000)である請
    求項1記載の不飽和ポリエステル樹脂組成物。
  10. 【請求項10】 成分(a)の不飽和ポリエステルがそ
    の平均分子量が800〜4000であり、酸価が20〜
    60のものである請求項1記載の不飽和ポリエステル樹
    脂組成物。
  11. 【請求項11】 更にアルカンポリオールポリアクリレ
    ート又はアルカンポリオールポリメタクリレートを含有
    する請求項1記載の不飽和ポリエステル樹脂組成物。
  12. 【請求項12】 塗装性に優れた自動車外装部品の成形
    品用成形材料であって、請求項1〜11のいずれか一つ
    の項記載の不飽和ポリエステル樹脂組成物をガラス繊維
    に含浸させてなる成形材料。
  13. 【請求項13】 不飽和ポリエステル樹脂組成物全量に
    対し10〜60重量%のガラス繊維を含浸させてなる請
    求項12記載の成形材料。
  14. 【請求項14】 塗装性に優れた自動車外装部品の成形
    品であって、請求項12又は13記載の成形材料を硬化
    させてなる成形品。
  15. 【請求項15】 比重が1.2〜1.7g/cm3である
    請求項14記載の成形品。
JP02746193A 1992-01-24 1993-01-22 塗装性に優れた自動車外装部品の成形品用不飽和ポリエステル樹脂組成物及び成形材料、並びに塗装性に優れた自動車外装部品の成形品 Expired - Fee Related JP3263164B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP02746193A JP3263164B2 (ja) 1992-01-24 1993-01-22 塗装性に優れた自動車外装部品の成形品用不飽和ポリエステル樹脂組成物及び成形材料、並びに塗装性に優れた自動車外装部品の成形品

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP4-11309 1992-01-24
JP1130992 1992-01-24
JP02746193A JP3263164B2 (ja) 1992-01-24 1993-01-22 塗装性に優れた自動車外装部品の成形品用不飽和ポリエステル樹脂組成物及び成形材料、並びに塗装性に優れた自動車外装部品の成形品

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH05306362A JPH05306362A (ja) 1993-11-19
JP3263164B2 true JP3263164B2 (ja) 2002-03-04

Family

ID=26346721

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP02746193A Expired - Fee Related JP3263164B2 (ja) 1992-01-24 1993-01-22 塗装性に優れた自動車外装部品の成形品用不飽和ポリエステル樹脂組成物及び成形材料、並びに塗装性に優れた自動車外装部品の成形品

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3263164B2 (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6662203B1 (en) 1998-11-16 2003-12-09 Telefonaktiebolaget Lm Ericsson (Publ) Batch-wise handling of signals in a processing system
US6714961B1 (en) 1998-11-16 2004-03-30 Telefonaktiebolaget Lm Ericsson (Publ) Multiple job signals per processing unit in a multiprocessing system

Families Citing this family (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6092343A (en) * 1998-07-16 2000-07-25 Therma-Tru Corporation Compression molded door assembly
JP4404539B2 (ja) * 2002-10-21 2010-01-27 株式会社小糸製作所 ランプ反射鏡
JP5225793B2 (ja) * 2008-09-11 2013-07-03 京セラケミカル株式会社 熱硬化性成形材料及び低比重成形体
JP2009230156A (ja) * 2009-07-08 2009-10-08 Koito Mfg Co Ltd ランプ反射鏡
CN103987747B (zh) * 2011-12-14 2015-12-09 昭和电工株式会社 不饱和聚酯树脂组合物及密封电机
WO2016104306A1 (ja) * 2014-12-22 2016-06-30 クラレプラスチックス株式会社 熱可塑性樹脂組成物
WO2022137666A1 (ja) * 2020-12-21 2022-06-30 昭和電工株式会社 成形材料及び成形品

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6662203B1 (en) 1998-11-16 2003-12-09 Telefonaktiebolaget Lm Ericsson (Publ) Batch-wise handling of signals in a processing system
US6714961B1 (en) 1998-11-16 2004-03-30 Telefonaktiebolaget Lm Ericsson (Publ) Multiple job signals per processing unit in a multiprocessing system

Also Published As

Publication number Publication date
JPH05306362A (ja) 1993-11-19

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US5412003A (en) Unsaturated polyester resin compositions, molding materials, and molded products
US5077326A (en) Unsaturated polyester compositions molding materials therefrom and molded products therefrom
JPH05505639A (ja) 不飽和ポリエステル樹脂及び新規収縮防止添加剤に基づく配合物
JP3263164B2 (ja) 塗装性に優れた自動車外装部品の成形品用不飽和ポリエステル樹脂組成物及び成形材料、並びに塗装性に優れた自動車外装部品の成形品
GB2108987A (en) In-mold coating composition and method of in-mold coating
US5236976A (en) Polyester resin molding composition
EP0749990A1 (en) A (meth)acrylic molding material and a production process thereof
US5246983A (en) Unsaturated polyester resin compositions, molding compounds and molded products therefrom
JPH05230358A (ja) 熱硬化性成型材料およびその製造方法
US5395865A (en) Unsaturated polyester compositions, molding materials and molded products
JP3072052B2 (ja) (メタ)アクリル系成形材料およびその製造方法
JP7186602B2 (ja) 熱硬化性樹脂組成物、成形体およびランプリフレクター
EP0549827B1 (en) Unsaturated polyester resin compostions, molding compounds and molded products therefrom
JP3071585B2 (ja) 不飽和ポリエステル樹脂組成物、成形材料及び成形物
JP3329411B2 (ja) 人造大理石用樹脂組成物、バルクモールディングコンパウンド、シートモールディングコンパウンドおよび人造大理石の製造法
JP2981330B2 (ja) フレークライニング用樹脂組成物
JPH0662840B2 (ja) 不飽和ポリエステル組成物
JPH09176331A (ja) 不飽和ポリエステル樹脂高強度シートモールディングコンパウンド及びその成形方法
JP3421952B2 (ja) 不飽和ポリエステル樹脂組成物及びそれを用いる成形品
JPH09176411A (ja) 低収縮性不飽和ポリエステル樹脂組成物
JP2004010832A (ja) 樹脂組成物
TW200401798A (en) Liquid duroplastics
JPH04265262A (ja) 人造大理石用樹脂組成物
JP3000478B2 (ja) ラジカル重合性不飽和樹脂組成物、成形材料、低収縮剤及びその製法
JPH04170351A (ja) 人造大理石用樹脂組成物

Legal Events

Date Code Title Description
R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees