JP2010139903A - トナー製造方法及びトナー - Google Patents

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健司 林
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幹夫 神山
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Abstract

【課題】低温定着性に優れる一方で、耐熱保管性に優れ、また、トナー粒子の耐破砕性に優れ、長期使用に伴う画像形成装置内でのトナー微粉の発生が無く、クリーニング性、感光体の耐フィルミング性及びトナー飛散の抑制に効果的なトナー製造方法及びトナーを提供する。
【解決手段】少なくとも非結晶性ポリエステル樹脂を含有する樹脂微粒子を、凝集及び融着させてトナー粒子を形成するトナー製造方法において、少なくとも前記非結晶性ポリエステル樹脂を含有する樹脂微粒子を少なくとも凝集させ、第一のトナー粒子前駆体の分散体を製造する第一の凝集工程と、前記第一のトナー粒子前駆体の分散体と、スルホン酸基を有するポリエステル樹脂微粒子の分散体とを混合し、第二のトナー粒子前駆体の分散体を製造する混合工程と、前記混合工程の後、前記第二のトナー粒子前駆体を、少なくとも凝集させ、トナー粒子を形成する第二の凝集工程と、を有する。
【選択図】なし

Description

本発明は、トナー製造方法及びトナーに関する。
電子写真用トナーにおいては、結着樹脂としてポリエステル樹脂が低温定着の観点から有利であることは広く知られている。このような低温定着を可能としたトナーの技術として、スルホン化された単量体を縮合して得られたポリエステル樹脂を含むスルホン化ポリエステル樹脂粒子に対して、凝集剤と凝集停止剤を用いて所望の粒子径に制御した後、凝集工程とは別に粒子の合一を図り、比較的低温でトナーの溶融粘度を低下させる技術が開示されている(例えば、特許文献1参照)。
また、非結晶性ポリエステル樹脂分散液及び着色剤分散液を混合して凝集させる凝集工程において、ある程度安定化させてその凝集を停止させた後に、極性基を有するポリエステル樹脂微粒子を添加させてトナーを形成する技術(例えば、特許文献2参照)や、凝集工程の途中で、スチレンアクリル樹脂微粒子を添加した後、更に凝集を進めて最終粒径まで粒子の成長を行う技術(例えば、特許文献3参照)が開示されている。
特開2006−285251号公報 特開2007−4033号公報 特開2008−26518号公報
しかしながら、更なる低温定着化を図るため、ガラス転移点温度を低下させると、上記特許文献1の技術では凝集を急激に停止させることが困難であるため、トナーに過度に凝集した粗大粒子が混入し、転写抜け画像欠陥が生じるという問題があった。さらには、1μm未満の微粉が残存し、クリーニング不良や感光体などの画像支持体へのフィルミングが問題となっていた。また、湿度の変動に対してトナーの帯電量が大きく影響される問題や、トナーの耐熱保管性、両面プリントされたトナー画像の貼り付き問題、感光体、中間転写体など画像支持体へのフィルミングの問題が残っている。
また、上記特許文献2の技術では、低温定着性が充分でなく、湿度の変動に対してトナーの帯電量が大きく影響され、現像・転写特性が安定しないという問題がある。
さらに、上記特許文献3の技術では、低温定着性が充分でなく、両面プリントされたトナー画像貼り付きの問題がある。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたもので、低温定着性に優れる一方で、耐熱保管性に優れ、また、トナー粒子の耐破砕性に優れ、長期使用に伴う画像形成装置内でのトナー微粉の発生が無く、クリーニング性、感光体の耐フィルミング性及びトナー飛散の抑制に効果的なトナー製造方法及びトナーを提供することを目的としている。
上記課題を解決するため、請求項1の発明は、少なくとも非結晶性ポリエステル樹脂を含有する樹脂微粒子を、凝集及び融着させてトナー粒子を形成するトナー製造方法において、
少なくとも前記非結晶性ポリエステル樹脂を含有する樹脂微粒子を少なくとも凝集させ、第一のトナー粒子前駆体の分散体を製造する第一の凝集工程と、
前記第一のトナー粒子前駆体の分散体と、スルホン酸基を有するポリエステル樹脂微粒子の分散体とを混合し、第二のトナー粒子前駆体の分散体を製造する混合工程と、
前記混合工程の後、前記第二のトナー粒子前駆体を、少なくとも凝集させ、トナー粒子を形成する第二の凝集工程と、を有することを特徴とする。
請求項2の発明は、請求項1に記載のトナー製造方法において、
前記スルホン酸基を有するポリエステル樹脂微粒子は、スルホン化フタル酸及び/又はスルホン化テレフタル酸を縮合して得られたポリエステル樹脂であることを特徴とする。
請求項3の発明は、トナーにおいて、請求項1又は2のトナー製造方法によって製造される。
本発明によれば、第二のトナー粒子前駆体となるポリエステル樹脂粒子のシェル層に、極性の強いスルホン酸基を含有する単量体を含んでなるポリエステル樹脂粒子を用いるので、親水性が強く水系媒体中で比較的安定に分散するため、凝集速度がコアに用いる粒子よりも遅いと考えられる。したがって、塩析によって第二のトナー粒子前駆体が再現性高く凝集することから、粒子径、微粉、粗粉の抑制、トナー粒子形状の安定性に優れると推定される。
すなわち、解離性基を有する極性の強いポリエステル樹脂に被覆された第二のトナー粒子前駆体が凝集・融着して一つのトナー粒子を形成する複合的構造(多核凝集した構造)を有すると考えられる。その結果、耐熱保管性、耐フィルミング性、十分な粒子強度を持ちながら、スルホン酸基を有するポリエステル樹脂により低温定着性を実現することができると考えられる。また、十分な粒子強度を持ちながら、耐破砕性に優れ、長期使用に伴う画像形成装置内でのトナー微粉の発生が無く、クリーニング性、感光体の耐フィルミング性及びトナー飛散の抑制に効果的となると推定される。
《トナー》
本発明に係るトナーは、少なくとも非結晶性ポリエステル樹脂を含有する樹脂微粒子(コア用非結晶性ポリエステル樹脂)と、着色剤と、を含有してなるトナー粒子により構成されるものである。その他、必要に応じて離型剤、内添剤、荷電制御剤、無機粉体(無機微粒子)、有機微粒子等の種々の成分を添加することができる。
〈非結晶性ポリエステル樹脂〉
ポリエステルは、原料モノマーとしての多価アルコール成分と、酸成分として多価カルボン酸との縮重合によって得られる。
多価カルボン酸としては、例えば、テレフタル酸、イソフタル酸、無水フタル酸、無水トリメット酸、ピロメリット酸、ナフタレンジカルボン酸、などの芳香族カルボン酸類、無水マレイン酸、フマール酸、コハク酸、アルケニル無水コハク酸、アジピン酸などの脂肪族カルボン酸類、シクロヘキサンジカルボン酸などの脂環式カルボン酸類が挙げられる。これらの多価カルボン酸を1種又は2種以上用いることができる。これら多価カルボン酸の中でも、芳香族カルボン酸を使用することが好ましく、また良好なる定着性を確保するために架橋構造あるいは分岐構造をとるためにジカルボン酸とともに3価以上のカルボン酸(トリメット酸やその酸無水物等)を併用することが好ましい。
多価アルコールとしては、例えば、ブタンジオール、ヘキサンジオール、グリセリンなどの脂肪族ジオール類、シクロヘキサンジオール、シクロヘキサンジメタノール、水添ビスフェノールAなどの脂環式ジオール類、これら多価アルコールの1種又は2種以上を用いることができる。これら多価アルコールの中、芳香族ジオール類、脂環式ジオール類が好ましく、このうち芳香族ジオールがより好ましい。また、良好なる定着性を確保するため、架橋構造あるいは分岐構造をとるためにジオールとともに3価以上の多価アルコール(グリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール)を併用しても良い。
なお、多価カルボン酸と多価アルコールとの重縮合によって得られた非結晶性ポリエステル樹脂に、さらにモノカルボン酸、及び/又はモノアルコールを加えて、重合末端のヒドロキシル基、及び/又はカルボキシル基をエステル化し、ポリエステル樹脂の酸価を調整しても良い。モノカルボン酸としては酢酸、無水酢酸、安息香酸、トリクロル酢酸、トリフルオロ酢酸、無水プロピオン酸等を挙げることができ、モノアルコールとしてはメタノール、エタノール、プロパノール、オクタノール、2−エチルヘキサノール、トリフルオロエタノール、トリクロロエタノール、ヘキサフルオロイソプロパノール、フェノールなどを挙げることができる。
本発明で用いられる「スルホン酸基を含有するポリエステル樹脂粒子」を構成する「スルホン酸基を含有する原料モノマー」としては、スルホン化テレフタル酸、5−スルホン化イソフタル酸、4−スルホン化フタル酸、4−スルホン化ナフタレン−2,7ジカルボン酸、5[4−スルホン化フェノキシ]イソフタル酸、スルホン化テレフタル酸、及び又はそれらの金属塩が挙げられる。
スルホン酸基を含有する原料モノマーとして、例えば、スルホン化テレフタル酸、5−スルホン化イソフタル酸を用いる場合、本発明で用いられるスルホン酸基を含有するポリエステル樹脂粒子中、好ましくは0.05〜2%、さらに好ましくは0.1〜1.0%用いる。mol%に置き換えると、全酸成分の0.1〜3.0%程度用いることが好ましい。
本発明におけるさらに好ましい形態としては、非結晶性ポリエステル樹脂は、多価カルボン酸単量体成分としてアジピン酸を、非結晶性ポリエステル樹脂の全酸成分中の10mol%以上30mol%以下(好ましくは15mol%以上25mol%以下)の割合で共重合している形態が好ましい。耐熱保管性を良好に保ちながら、定着後の定着画像の紙への高い接着性、強さなどを付与することが可能である。一方、同様の理由から多価アルコール単量体成分として炭素数3〜9の脂肪族ジオールを非結晶性ポリエステル樹脂の全アルコール成分中の10mol%以上30mol%以下(好ましくは15mol%以上25mol%以下)の割合で共重合している形態が好ましい。
ポリエステルの触媒としては、チタン触媒が挙げられる。具体的には、チタンテトラエトキシド、チタンテトラプロポキシド、チタンテトライソプロポキシド、チタンテトラブトキシド等が挙げられるが、最終トナー中でのチタン含有量を満足する限りにおいては、その他の触媒との併用も可能である。
その他の触媒としては、例えばナトリウム、リチウム等のアルカリ金属化合物、マグネシウム、カルシウム等のアルカリ土類金属化合物、亜鉛、マンガン、アンチモン、チタン、スズ、ジルコニウム、ゲルマニウム等の金属化合物、亜リン酸化合物、リン酸化合物及びアミン化合物等が挙げられる。
〈着色剤〉
着色剤としては、公知の着色剤であれば特に限定されないが、例えばファーネスブラック、チャンネルブラック、アセチレンブラック、サーマルブラック等のカーボンブラック、ベンガラ、紺青、酸化チタン等の無機顔料、ファストイエロー、ジスアゾイエロー、ピラゾロンレッド、キレートレッド、ブリリアントカーミン、パラブラウン等のアゾ顔料、銅フタロシアニン、無金属フタロシアニン等のフタロシアニン顔料、フラバントロンイエロー、ジブロモアントロンオレンジ、ペリレンレッド、キナクリドンレッド、ジオキサジンバイオレット等の縮合多環系顔料が挙げられる。クロムイエロー、ハンザイエロー、ベンジジンイエロー、スレンイエロー、キノリンイエロー、パーマネントオレンジGTR、ピラロゾンオレンジ、バルカンオレンジ、ウオッチヤングレッド、パーマネントレッド、デュポンオイルレッド、リソールレッド、ローダミンBレーキ、レーキレッドC、ローズベンガル、アニリンブルー、ウルトラマリンブルー、カルコオイルブルー、メチレンブルークロライド、フタロシアニンブルー、フタロシアニングリーン、マラカイトグリーンオクサレート、C.I.ピグメント・レッド48:1、C.I.ピグメント・レッド122、C.I.ピグメント・レッド57:1、C.I.ピグメント・イエロー12、C.I.ピグメント・イエロー97、C.I.ピグメント・イエロー17、C.I.ピグメント・ブルー15:1、C.I.ピグメント・ブルー15:3などの種々の顔料などが挙げられ、これらは1種又は2種以上を併せて使用することができる。
〈離型剤〉
離型剤としては、公知の離型剤であれば特に限定されないが、例えば、カルナウバワックス、ライスワックス、キャンデリラワックス等の天然ワックス、低分子量ポリプロピレン、低分子量ポリエチレン、サゾールワックス、マイクロクリスタリンワックス、フィッシャートロプシュワックス、パラフィンワックス、モンタンワックス等の合成脂肪酸エステル、モンタン酸エステル等のエステル系ワックスなどが挙げられる。定着性、クリーニング性、耐フィルミング性を確保する観点から、合成エステルワックスが好ましく用いられる。また、これらの離型剤は、1種単独で用いても良く、2種以上併用しても良い。光沢ムラのない質感の高い画像を得るためには、マイクロクリスタリンワックス、フィッシャートロプシュワックス、パラフィンワックスを用いることが好ましい。離型剤の融点は、保存性の観点から、50℃以上であることが好ましく、60℃以上であることがより好ましい。また、耐オフセット性の観点から、90℃以下であることが好ましく、86℃以下であることがより好ましい。
〈外添剤〉
外添剤としての無機微粒子としては、例えば、シリカ、アルミナ、酸化チタン、チタン酸バリウム、チタン酸マグネシウム、チタン酸カルシウム、チタン酸ストロンチウム、酸化亜鉛、ケイ砂、クレー、雲母、ケイ灰石、ケイソウ土、塩化セリウム、ベンガラ、酸化クロム、酸化セリウム、三酸化アンチモン、酸化マグネシウム、酸化ジルコニウム、炭化ケイ素、窒化ケイ素等が挙げられる。中でも、シリカ微粒子や酸化チタン微粒子が好ましく、疎水化処理された微粒子が特に好ましい。無機微粒子は、一般に流動性を向上させる目的で使用される。有機微粒子は、一般にクリーニング性や転写性を向上させる目的で使用され、具体的には例えば、ポリスチレン、ポリメチルメタクリレート、ポリフッ化ビニリデン等が挙げられる。
〈荷電制御剤〉
荷電制御剤粒子を構成する荷電制御剤としては種々の公知のもので、かつ水系媒体中に分散することができるものを使用することができる。具体的には、ニグロシン系染料、ナフテン酸または高級脂肪酸の金属塩、アルコキシル化アミン、第4級アンモニウム塩化合物、アゾ系金属錯体、サリチル酸金属塩あるいはその金属錯体などが挙げられる。
この荷電制御剤粒子は、分散した状態で数平均一次粒子径が10〜500nm程度とすることが好ましい。
《トナー製造方法》
(1)非結晶性ポリエステル樹脂を分散し、ポリエステル樹脂分散液を製造する樹脂分散液製造工程
樹脂分散液製造工程を大別すると、(i)溶剤を用いてポリエステル樹脂溶液を形成した後、乳化液滴を形成し、トナー粒子の完成までに脱溶剤する方法、(ii)溶剤を用いずにポリエステル樹脂を加熱し、溶融粘度が低下した状態で乳化する方法、(iii)ポリエステルモノマーを強酸の存在下で乳化し、水系媒体で縮合させる方法、(iv)界面活性剤を含んでもよい水系媒体にポリエステル樹脂溶液を添加し、ミキサーで乳化する方法、(v)ポリエステル樹脂溶液に水系媒体を加えて乳化する方法が挙げられる。
ここで、ポリエステル樹脂溶液には、離型剤、荷電制御剤、着色剤などのトナー内部の添加剤を溶解又は分散して用いることができる。上述のミキサーとしては、具体的には、ホモミキサ、超音波、マントンゴーリンなどの攪拌装置を挙げることができる。また、好ましく用いられる溶剤としては、ポリエステル樹脂を溶解可能なものであれば限定されないが、酢酸メチル、酢酸エチル、メチルエチルケトン、トルエン、キシレンが挙げられる。特に好ましく用いられるのは酢酸エチルである。
上記いずれの方法であっても、非結晶性ポリエステル樹脂を含有してなる樹脂粒子(コア用ポリエステル樹脂微粒子)の粒子径は、体積基準のメディアン径で40〜360nmであることが好ましい。
以下説明する実施例、比較例において測定しているポリエステル樹脂分散液の粒子径は体積基準のメディアン径である。このメディアン径は「MICROTRAC UPA 150」(HONEWELL
社製)を用いて、下記の測定条件下で測定したものである。
〔測定条件〕
サンプル屈折率:1.59
サンプル比重(球状粒子に換算):1.05
溶媒屈折率:1.33
溶媒粘度:0.797×10−3Pa・s(30℃)、1.002×10−3Pa・s(20℃)
ゼロ点調整:測定セル内にイオン交換水を入れて行った。
(2)着色剤を分散し、着色剤分散液を製造する着色剤分散液製造工程
着色剤分散液製造工程では、水系媒体中に着色剤である顔料を添加して分散機によって分散処理することにより、着色剤が微粒子状に分散された着色剤微粒子の分散液を調整する。
着色剤分散液や樹脂分散液の重合時に使用する水系媒体とは、水50〜100質量%と、界面活性剤、必要に応じて水溶性の有機溶媒0〜5質量%とからなる媒体を言う。水溶性の有機溶媒としては、メタノール、エタノール、イソプロパノール、ブタノール、アセトン、メチルエチルケトン、テトラヒドロフランなどが挙げられる。これらのうち生成される樹脂を溶解しない有機溶剤であるメタノール、エタノール、イソプロパノール、ブタノールのようなアルコール系有機溶剤を使用することが好ましい。
また、上記水系媒体に用いられる界面活性剤としては、特に限定されるものではないが、スルホン酸塩(ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、アリールアルキルポリエーテルスルホン酸ナトリウム)、硫酸エステル塩(ドデシル硫酸ナトリウム、テトラデシル硫酸ナトリウム、ペンタデシル硫酸ナトリウム、オクチル硫酸ナトリウムなど)、脂肪酸塩(オレイン酸ナトリウム、ラウリン酸ナトリウム、カプリン酸ナトリウム、カプリル酸ナトリウム、カプロン酸ナトリウム、ステアリン酸カリウム、オレイン酸カルシウムなど)のイオン性界面活性剤を好適なものとして例示することができる。また、ポリエチレンオキサイド、ポリプロピレンオキサイド、ポリプロピレンオキサイドとポリエチレンオキサイドの組み合わせ、ポリエチレングリコールと高級脂肪酸とのエステル、アルキルフェノールポリエチレンオキサイド、高級脂肪酸とポリエチレングリコールとのエステル、高級脂肪酸とポリプロピレンオキサイドとのエステル、ソルビタンエステルなどのノニオン性界面活性剤も使用することができる。
着色剤の分散処理においては、着色剤が均一に分散されることから、水系媒体中で界面活性剤濃度を臨界ミセル濃度(CMC)以上にした状態で行われることが好ましい。
分散処理に使用する分散機は特に限定されないが、好ましくは、超音波分散機、機械式ホモジナイザー、マントンゴーリン、圧力式ホモジナイザー等の加圧分散機、サンドグラインダ、ゲッツマンミルやダイヤモンドファインミルなどの媒体型分散機が挙げられる。
この着色剤分散液における着色剤微粒子の粒子径は、体積基準のメディアン径で40〜200nmであることが好ましい。
(3)ポリエステル樹脂分散液と着色剤分散液とを混合し、さらに凝集剤を添加してポリエステル樹脂粒子を少なくとも凝集させ、第一のトナー粒子前駆体分散液を製造する第一の凝集工程
この工程では、2価の塩(凝集剤)で塩析融着法により、凝集粒子の粒子径を成長させることが好ましい。凝集粒子が体積基準のメディアン径が0.4〜2.4μm、さらに好ましくは1.0〜1.5μmとなるまで行う。
また、ポリエステル樹脂微粒子や着色剤微粒子とともに離型剤微粒子や荷電制御剤などの内添剤微粒子を凝集及び融着させることができる。
本発明で用いる好ましい凝集剤としては、マグネシウム、カルシウム、バリウムの塩素塩、臭素塩、沃素塩、炭酸塩、硫酸塩等が挙げられる。好ましくは、塩化マグネシウム、硫酸マグネシウムであり、さらに好ましくは塩化マグネシウムである。
凝集剤は、コア結着樹脂粒子(非結晶性ポリエステル樹脂粒子)のガラス転移温度前後で加え、その後にできるだけ速やかに昇温し、非結晶性ポリエステル樹脂粒子のガラス転移温度以上であって、かつ、54〜96℃の範囲に加熱する。
本発明においては、第一のトナー粒子前駆体が、少なくとも分岐脂肪族ジオール、ジヒドロキシ−シクロアルカン又はビスヒドロキシアルキル−シクロアルカンをアルコール成分として含んでなることが好ましい。具体的には、ネオペンチルグリコール、ターシャリーブチルアルコール、シクロヘキサンジオール、シクロヘキサンジメタノールであることが好ましい。また、ビスフェノールAのプロピレンオキサイド付加物、ビスフェノールAのエチレンオキサイド付加物を用いることができる。
(4)上記第一のトナー粒子前駆体分散液と、スルホン酸基を有するポリエステル樹脂粒子を含む樹脂微粒子分散液とを混合し、第二のトナー粒子前駆体分散液を製造する混合工程
本発明におけるスルホン酸基を有するポリエステル樹脂微粒子は、スルホン酸基を含有する単量体を縮合して得ることができる。
スルホン酸基を含有する単量体とは、ポリエステルとして共重合可能な多価カルボン酸又は多価アルコールにおいて、その骨格中にスルホン酸基及びその塩の基を含有するものである。例えば、スルホテレフタル酸、5−スルホイソフタル酸、4−スルホイソフタル酸、4−スルホナフタレン−2、7ジカルボン酸、5−スルホテレフタル酸、5−イソフタル酸スルホン酸及びそれらのアンモニウム塩、Li塩、Na塩、K塩、Mg塩、Ca塩、Cu塩、Fe塩を挙げることができる。この中でも5−スルホイソフタル酸の使用が好ましく、特にそのNa塩がより好ましい。
スルホン酸基を含有する単量体の非結晶性ポリエステル樹脂全量に対する割合は、0.1mol%以上20mol%以下であることが必要であり、0.2mol%以上3.0mol%以下であることが好ましく、0.5mol%以上2.0mol%以下であることがより好ましい。スルホン酸基を含有する単量体の割合が0.1mol%より少ない場合は、本発明における効果を得ることができない。また、20mol%より多い場合は、電子写真用トナーとして樹脂の水分量過多となる場合があり、十分な帯電の安定性を得ることができない。
本発明におけるスルホン酸基を有するポリエステル樹脂微粒子(シェル用ポリエステル樹脂微粒子)のガラス転移点は、前記非結晶性ポリエステル樹脂を含有する樹脂微粒子(コア用ポリエステル樹脂微粒子)のガラス転移点よりも大きいことが好ましい。これによって保存安定性と低温定着性の向上を図ることができる。
さらに、シェル用ポリエステル樹脂微粒子の極性は、コア用ポリエステル樹脂微粒子の極性よりも大きいことが好ましい。
ここで、極性基を有するポリエステル樹脂としてスルホン酸基を有するポリエステル樹脂を用いたのは、例えば、エステル化されていないカルボキシル基濃度を高めたポリエステル樹脂に比べて、耐熱保管性、耐フィルミング性の点で優れるためである。
上記混合工程では、第一のトナー粒子分散液の凝集粒子が上記メディアン径(0.4〜
2.4μm、好ましくは1.0〜1.5μm)となったところで、第一のトナー粒子前駆体分散液中に、スルホン化された単量体を縮合して得られたポリエステル樹脂を含む樹脂微粒子分散液を混合する。これによって、第一のトナー粒子前駆体の表面に、スルホン酸基を有するポリエステル樹脂を被覆させてコアシェル構造を持つ第二のトナー粒子前駆体が形成される。第二のトナー粒子前駆体は、体積基準のメディアン径が0.5〜3.5μm、より好ましくは1.0〜2.0μmである。
(5)混合工程の後、第二のトナー粒子前駆体を、少なくとも凝集させ、トナー粒子を形成する第二の凝集工程
上記(3)の第一の凝集工程と同様に、第二のトナー粒子前駆体を凝集及び融着させ、体積基準のメディアン径が4.0〜8.5μmのトナー粒子を形成する。
ここで、第二の凝集工程は、第一の凝集工程及び混合工程も含めて一連で繋がった工程としても良い。つまり、第一の凝集工程の際に凝集剤を一度添加するのみで、混合工程を跨って第二の凝集工程時も凝集させるようにしても良い。また、第一の凝集工程と第二の凝集工程とでそれぞれ個別に凝集剤を添加するようにしても良い。
第二の凝集工程で使用する凝集剤としては、上記第一の凝集工程で挙げた凝集剤を使用することができる。
また、第二の凝集工程では、第二のトナー粒子前駆体を、さらに凝集させるためにスルホン酸基を有するポリエステル樹脂のガラス転移点Tgより高い温度に維持しておくことが好ましい。
このように、第二のトナー粒子前駆体(複数のコアシェル粒子)を凝集及び融着させることによって得られる最終的なトナー粒子は、コア・シェル構造をとる第二のトナー粒子前駆体が凝集・融着した多核凝集粒子である。したがって、本発明に係るトナー粒子の外殻は、スルホン化ポリエステル樹脂粒子層になると推察される。
(6)第二の凝集工程後に凝集停止剤を添加し、粒子径の成長を停止させる停止工程
第二の凝集工程で所望のメディアン径に達したら、凝集停止剤を添加する。
凝集停止剤とは、上記粒子径成長工程で添加した凝集剤による塩析力、換言するとポリエステル樹脂粒子の凝集力を大幅に弱める化合物を言う。本発明で用いられる凝集停止剤としては、以下のポリカルボン酸又はポリ有機カルボン酸化合物中のカルボキシル基や水酸基中のH原子の代わりに、ナトリウムなど一価の金属原子に置き換えられたものである。
特にポリカルボン酸を使用することが好ましい。ポリカルボン酸は2価の金属イオンと優先的に結合するため、添加によって塩析力を弱めることが可能である。添加量は、2価の金属イオンに対して等モル以上であることが好ましいが、等モル未満の添加によって、ポリエステル樹脂粒子の凝集速度を弱めに調整することも可能である。ポリカルボン酸とは、1分子中にカルボキシル基を2つ以上有する化合物のことを言い、特に炭素数が12以下のものが好ましい。ポリカルボン酸の中で特に好ましいのは、イミノカルボン酸である。ポリカルボン酸の具体例としては、下記一般式(1)〜(18)で表される化合物が挙げられる。
Figure 2010139903
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(6)凝集粒子の円形度を調整する形状制御工程
前記停止工程後に、ガラス転移点以上97℃以下、好ましくは54〜65℃で攪拌混合を継続し、トナーの円形度が所望の値となったところで、系を冷却し、反応を定着させる。トナーの円形度が時間とともに大きくなる、すなわち球形化が進むのは、粘性や表面張力によりトナー粒子の樹脂特性から表面積を縮小する力によるものと推察される。
この形状制御工程によって、さらに粒径分布が狭く形成され、コア粒子表面が平滑だが均一的な形状を有するように制御することができる。
なお、トナーの円形度は0.93〜0.97のものが好ましい。ここで、円形度は下記式にて定義される。
円形度=(粒子像と同じ投影面積を有する円の周囲長)/(粒子投影像の周囲長)
また、平均円形度は、各粒子の円形度を足し合わせた値を全粒子数で除して算出した値である。トナーの円形度は、「FPIA−2100」(Sysmex社製)を用いて測定した値である。具体的には、トナーを界面活性剤入りの水溶液でなじませ、超音波分散処理を1分間行ってトナーを分散させた後、「FPIA−2100」を用いて測定を行う。測定条件は、HPF(高倍率撮像)モードに設定してHPF検出数を3000〜10000個の適正濃度にして測定するものである。
(7)形状制御工程後の前記凝集粒子を水系媒体から分離乾燥させる乾燥工程
形状制御工程後のトナー粒子分散液を冷却した後、トナー粒子を固液分離する。その後、固液分離されたトナーケーキ(ウェット状態にあるトナー粒子をケーキ状に凝集させた集合物)から界面活性剤や凝集剤などの付着物を除去する洗浄処理を施す。ここで、ろ過処理方法としては、遠心分離法、ヌッチェ等を使用して行う減圧ろ過法、フィルタープレス等を使用して行うろ過法など特に限定されるものではない。
次いで、トナーケーキを乾燥処理し、乾燥されたイエロー着色粒子を得る。この工程で使用される乾燥機としては、スプレードライヤー、真空凍結乾燥機、減圧乾燥機などが挙げられる。特に、静置棚乾燥機、移動式棚乾燥機、流動層乾燥機、回転式乾燥機、攪拌式乾燥機などを使用することが好ましい。
《画像形成方法》
次に、本発明に係るトナーを用いた画像形成方法及び画像形成装置について説明する。
ここでは、図1を参照して本発明に係るトナーを二成分現像剤として用いた場合の画像形成方法及び画像形成装置を説明する。図1に示すのは、本発明に係るトナーを用いて画像形成を行う画像形成装置11の一例である。この画像形成装置11はタンデム型のカラー画像形成装置と称せられるものある。
図1に示すように、画像形成装置11の本体上部には画像読取装置21が設けられている。
また、画像形成装置11はY、M、C、Kのトナーの色毎に、露光及び現像を行うユニットuY、uM、uC、uKを備えている。ユニットuY、uM、uC、uKは、それぞれ露光装置u1、現像装置u2、感光体u3、帯電部u4、クリーニング部u5、1次転写ローラu6を含んでいる。1次転写ローラu6は感光体u3に圧接されている。
さらに、画像形成装置11は中間転写ユニット22、2次転写ローラ23、定着装置24、給紙部25を備えている。中間転写ユニット22は、複数のロールにより巻回され、回動可能に支持された中間ベルト2aと、クリーニング部2bとを含む。2次転写ローラ23は中間ベルト2aに圧接されている。
画像形成時には、帯電部u4により感光体u3の帯電が行われると、露光装置u1により露光が行われ、感光体u3上に画像信号に基づく静電潜像が形成される。次いで、現像装置u2により現像が行われ、感光体u3上にトナーが付着されてトナー画像が形成されると、当該トナー画像は感光体u3の回転及び1次転写ローラu6の作用により中間ベルト2a上に転写される。この露光、現像、転写の工程を、中間ベルト2aの回動に合わせて、各色のユニットuY、uM、uC、uKが順次繰り返すことにより、中間ベルト2a上に各色のトナー画像が重ねられ、フルカラー印刷物が形成される。
一方、給紙部25からは用紙が搬送され、2次転写ローラ23の位置まで当該用紙が搬送されると、2次転写ローラ23の作用によって中間ベルト2aから用紙上にカラー画像が一括して転写される。その後、用紙は定着装置24に搬送されて加圧及び加熱により用紙上にカラー画像が固定され定着されると、最終的に外部に設けられているトレイに排出される。このようにして、画像形成が終了すると、クリーニング部u5、22により感光体u3や中間ベルト2aに残存するトナーが除去される。
以下、実施例を挙げて本発明の実施態様を具体的に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
〈実施例、比較例に係るトナーの作製〉
1.非結晶性ポリエステル樹脂の作製
(a)非結晶性ポリエステル樹脂(C−1)の作製
(多価カルボン酸単量体)
テレフタル酸:38mol%
フマル酸:50mol%
アジピン酸:20mol%
ドデセニルコハク酸:20mol%
(多価アルコール成分)
2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパンエチレンオキサイド付加物:90mol% ノナンジオール:10mol%
攪拌装置、窒素導入管、温度センサー、精留塔を備えた内容量5リットルのフラスコに、上記多価カルボン酸単量体及び多価アルコール成分を合計3質量部仕込み、1時間を要して190℃まで上げた。反応系内が均一に攪拌されていることを確認した後、触媒Ti(OBu)(多価カルボン酸単量体全量に対し、0.003質量%)を投入した。
さらに、生成する水を留去しながら同温度から6時間を要して240℃まで温度を上げ、240℃でさらに6時間脱水縮合反応を継続し重合を行い、非結晶性ポリエステル樹脂(C−1)を得た。得られた非結晶性ポリエステル樹脂(C−1)の樹脂の分子量をGPCにて測定したところ、重量平均分子量21000、数平均分子量2800(東ソー社製 HLC−8 120GPC,スチレン標準物質で換算)であった。また、示差走査熱量計(島津製作所製 DSC−50:昇温速度3℃/min)にて得られた樹脂の熱特性を測定した結果、ガラス転移点Tgは45℃であった。
(b)非結晶性ポリエステル樹脂(C−2)の作製
多価カルボン酸単量体及び多価アルコール成分を下記に変更した以外は、前記非結晶性ポリエステル樹脂(C−1)の作製と同様にして、非結晶性ポリエステル樹脂(C−2)を作製した。
(多価カルボン酸単量体)
テレフタル酸:25mol%
フマル酸:50mol%
アジピン酸:25mol%
(多価アルコール成分)
ネオペンチルグリコール:100mol%
得られた非結晶性ポリエステル樹脂(C−2)について、非結晶性ポリエステル樹脂(C−1)と同様にして物性を測定した。その結果、重量平均分子量が20300、数平均分子量2700であった。ガラス転移点Tgは48℃であった。
(c)非結晶性ポリエステル樹脂(C−3)の作製
多価カルボン酸単量体及び多価アルコール成分を下記に変更した以外、前記非結晶性ポリエステル樹脂(C−1)の作製と同様にして、非結晶性ポリエステル樹脂(C−3)を作製した。
(多価カルボン酸単量体)
テレフタル酸:35mol%
フマル酸:48mol%
アジピン酸:15mol%
ドデセニルコハク酸無水物:2mol%
(多価アルコール成分)
1−4ビス(ヒドロキシメチル)シクロヘキサン:100mol%
得られた非結晶性ポリエステル樹脂(C−3)について、非結晶性ポリエステル樹脂(C−1)と同様にして物性を測定した。その結果、重量平均分子量が10600、数平均分子量3100であった。ガラス転移点Tgは49℃であった。
(d)非結晶性ポリエステル樹脂(C−4)の作製
多価カルボン酸単量体及び多価アルコール成分を下記に変更した以外、前記非結晶性ポリエステル樹脂(C−1)の作製と同様にして、非結晶性ポリエステル樹脂(C−4)を作製した。
(多価カルボン酸単量体)
テレフタル酸:48mol%
フマル酸:48mol%
ドデセニルコハク酸無水物:4mol%
(多価アルコール成分)
2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパンエチレンオキサイド付加物:80mol%
1,4−ブタンジオール:20mol%
得られた非結晶性ポリエステル樹脂(C−4)について、非結晶性ポリエステル樹脂(C−1)と同様にして物性を測定した。その結果、重量平均分子量が9700、数平均分子量2700であった。ガラス転移点Tgは45℃であった。
(e)非結晶性ポリエステル樹脂(C−5)の作製
多価カルボン酸単量体及び多価アルコール成分を下記に変更した以外、前記非結晶性ポリエステル樹脂(C−1)の作製と同様にして、非結晶性ポリエステル樹脂(C−5)を作製した。
(多価カルボン酸単量体)
テレフタル酸:50mol%
フマル酸:48mol%
ドデセニルコハク酸無水物:2mol%
(多価アルコール成分)
2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパンエチレンオキサイド付加物:80mol%
1,4−ブタンジオール:20mol%
得られた非結晶性ポリエステル樹脂(C−5)について、非結晶性ポリエステル樹脂(C−1)と同様にして物性を測定した。その結果、重量平均分子量が8200、数平均分子量2600であった。ガラス転移点Tgは44℃であった。
2.少なくともスルホン化された単量体を縮合して得られたポリエステル樹脂(スルホン化ポリエステル樹脂)の調整
(a)スルホン化ポリエステル樹脂(A−1)の作製
多価カルボン酸単量体及び多価アルコール成分を下記に変更した以外は、前記非結晶性ポリエステル樹脂(C−1)の作製と同様にして、非結晶性ポリエステル樹脂(A−1)を作製した。
(多価カルボン酸単量体)
テレフタル酸:30mol%
フマル酸:48mol%
5−スルホイソフタル酸ナトリウム:2mol%
(多価アルコール成分)
2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパンエチレンオキサイド付加物:100mol%
得られた非結晶性ポリエステル樹脂(A−1)について、非結晶性ポリエステル樹脂(C−1)と同様にして物性を測定した。その結果、重量平均分子量が10300、数平均分子量3200であった。ガラス転移点Tgは55℃であった。
(b)スルホン化ポリエステル樹脂(A−2)の作製
多価カルボン酸単量体及び多価アルコール成分を下記に変更した以外は、前記非結晶性ポリエステル樹脂(A−1)の作製と同様にして、非結晶性ポリエステル樹脂(A−2)を作製した。
(多価カルボン酸単量体)
テレフタル酸:17mol%
フマル酸:30mol%
5−スルホイソフタル酸ナトリウム:1mol%
ドデセニルコハク酸無水物:2mol%
(多価アルコール成分)
2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパンエチレンオキサイド付加物:100mol%
得られた非結晶性ポリエステル樹脂(A−2)について、非結晶性ポリエステル樹脂(A−1)と同様にして物性を測定した。その結果、重量平均分子量が10600、数平均分子量2600であった。ガラス転移点Tgは56℃であった。
(c)スルホン化ポリエステル樹脂(A−3)の作製
多価カルボン酸単量体及び多価アルコール成分を下記に変更した以外は、前記非結晶性ポリエステル樹脂(A−1)の作製と同様にして、非結晶性ポリエステル樹脂(A−3)を作製した。
(多価カルボン酸単量体)
テレフタル酸:30mol%
フマル酸:40mol%
5−スルホイソフタル酸ナトリウム:2mol%
(多価アルコール成分)
2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン−プロピレンオキサイド付加物:100mol%
得られた非結晶性ポリエステル樹脂(A−3)について、非結晶性ポリエステル樹脂(A−1)と同様にして物性を測定した。その結果、重量平均分子量が9000、数平均分子量3200であった。ガラス転移点Tgは59℃であった。
(d)スルホン化ポリエステル樹脂(A−4)の作製
多価カルボン酸単量体及び多価アルコール成分を下記に変更した以外は、前記非結晶性ポリエステル樹脂(A−1)の作製と同様にして、非結晶性ポリエステル樹脂(A−4)を作製した。
(多価カルボン酸単量体)
テレフタル酸:30mol%
フマル酸:38mol%
トリメット酸:8mol%
5−イソフタル酸スルホン酸ナトリウム:2mol%
ドデセニルコハク酸無水物:2mol%
(多価アルコール成分)
2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパンエチレンオキサイド付加物:100mol%
得られた非結晶性ポリエステル樹脂(A−4)について、非結晶性ポリエステル樹脂(A−1)と同様にして物性を測定した。その結果、重量平均分子量が10600、数平均分子量2700であった。ガラス転移点Tgは58℃であった。
3.着色剤分散液の調整
(a)着色剤分散液(B−1)の調整
ピグメント・ブルー15:3 (銅フタロシアニン):160質量部
アニオン界面活性剤(第一工業製薬社製:ネオゲンR):15質量部
イオン交換水:1225質量部
以上を混合、溶解し、高圧衝撃分散機アルティマイザー((株)スギノマシン製、HJP3006)を用いて約1時間分散して着色剤を分散させてなる着色剤分散液(B−1)を調整した。着色剤分散液(B−1)における着色剤の体積基準のメディアン径は、150nmであった。
4.ポリエステル樹脂・離型剤分散液の調整
(a)ポリエステル樹脂・離型剤分散液(C−1)の調整
非結晶性ポリエステル樹脂(C−1):105.9質量部
酢酸エチル:500質量部
を混合攪拌し、非結晶性ポリエステル樹脂分散液(C−1)の酢酸エチル溶液を調整した。さらに、離型剤として、ベヘン酸ベヘニル19.1質量部を加え、75℃に加熱しベヘン酸ベヘニルを溶解させた。
一方、純水813質量部、界面活性剤(エマール E27C 花王株式会社製)7.8質量部からなる水溶液を75℃に昇温し、ポリエステル樹脂、離型剤酢酸エチル溶液を加え、攪拌を行いながら超音波ホモジナイザーを用い、微粉砕した。さらに、このエマルションを減圧、加熱し、酢酸エチルを脱溶剤し、ポリエステル樹脂・離型剤分散液(C−1)を得た。ポリエステル樹脂・離型剤分散液(C−1)の体積基準のメディアン径は240nmであった。
(b)ポリエステル樹脂・離型剤分散液(C−2)〜(C−4)及びポリエステル樹脂・離型剤分散液(A−1)〜(A−3)の調整
ポリエステル樹脂・離型剤分散液(C−1)の調整において、非結晶性ポリエステル樹脂(C−1)を用いたところを、ポリエステル樹脂(C−2)〜(C−4)及びポリエステル樹脂(A−1)〜(A−3)を用いた以外は同様にして、それぞれポリエステル樹脂・離型剤分散液(C−2)〜(C−4)、(A−1)〜(A−3)を調整した。
(c)ポリエステル樹脂・離型剤分散液(A−4)の調整
ポリエステル樹脂・離型剤分散液(C−1)の調整において、非結晶性ポリエステル樹脂(A−4):105.9質量部を用い、ベヘン酸ベヘニル19.1質量部を添加しなかったこと以外は同様にしてポリエステル樹脂・離型剤分散液(A−4)を調整した。
5.本発明のトナー(D−1)〜(D−5)の製造
(a)トナー(D−1)の製造
攪拌装置、冷却管、温度センサーを装着した5リットル四頭フラスコにポリエステル樹脂・離型剤分散液(C−1)2607.4質量部、純水773質量部、アニオン性界面活性剤(エマールE27C 有効成分27.0%、花王株式会社製)37.5質量部、着色剤分散液(B−1):155質量部を加え攪拌を行い、25%水酸化ナトリウム水溶液をpH=12になるよう添加した。さらに塩化マグネシウム6水和物57.3質量部を純水57.3質量部に溶解した塩化マグネシウム水溶液を滴下した。
攪拌を行いつつ、内温を55℃まで昇温しコールターカウンターを用いて粒径測定を行い、凝集粒径が2.5μmに達したところで、ポリエステル樹脂・離型剤分散液(A−1)460.1質量部を添加し反応を続け、粒径が6.5μmに達したところで、凝集停止剤(上記化学式(18))75.6質量部を純水113.5質量部に溶解した凝集停止剤水溶液を添加し、粒径成長を停止した。内温を70℃に昇温し、フロー式粒子像測定装置FPIA2100(シスメックス社製)を用い、円形度を測定し円形度が0.965に達したところで冷却を行った。
この反応液をろ過、洗浄を繰り返した後、乾燥しトナー粒子を得た。得られたトナー粒子100部に対して、コロイダルシリカ(日本アエロジル社製、R972)1部を外添し、ヘンシェルミキサーを用いて混合することにより、本発明のトナー(D−1)を得た。最終トナー粒子の体積基準のメディアン径を測定した結果、粒径が6.58μm、体積基準のCV値が18.7%、円形度が0.968であった。
(b)トナー(D−2)の製造
トナー(D−1)の製造において、ポリエステル樹脂・離型剤分散液(C−1)を用いたところを、ポリエステル樹脂・離型剤分散液(C−2)2607.4質量部とし、ポリエステル樹脂・離型剤分散液(A−1)を用いたところを、ポリエステル樹脂・離型剤分散液(A−2)460.1質量部を用いた以外は、同様にして本発明のトナー(D−2)を得た。最終トナー粒子の体積基準のメディアン径を測定した結果、粒径が6.54μm、体積基準のCV値が18.5%、円形度が0.967であった。
(c)トナー(D−3)の製造
トナー(D−1)の製造において、ポリエステル樹脂・離型剤分散液(C−1)を用いたところを、ポリエステル樹脂・離型剤分散液(C−3)2607.4質量部とし、ポリエステル樹脂・離型剤分散液(A−1)を用いたところを、ポリエステル樹脂・離型剤分散液(A−3)460.1質量部を用いた以外は、同様にして本発明のトナー(D−3)を得た。最終トナー粒子の体積基準のメディアン径を測定した結果、粒径が6.51μm、体積基準のCV値が18.0%、円形度が0.968であった。
(d)トナー(D−4)の製造
トナー(D−1)の製造において、ポリエステル樹脂・離型剤分散液(C−1)を用いたところを、ポリエステル樹脂・離型剤分散液(C−4)2607.4質量部とし、ポリエステル樹脂・離型剤分散液(A−1)を用いたところを、ポリエステル樹脂・離型剤分散液(A−4)460.1質量部を用いた以外は、同様にして本発明のトナー(D−4)を得た。最終トナー粒子の体積基準のメディアン径を測定した結果、粒径が6.55μm、体積基準のCV値が19.1%、円形度が0.960であった。
(e)トナー(D−5)の製造(スルホン化ポリエステルのみの製造例)
トナー(D−1)の製造において、ポリエステル樹脂・離型剤分散液(C−1)を用いたところを、ポリエステル樹脂・離型剤分散液(A−1)2607.4質量部とした以外は、同様にして本発明のトナー(E−5)を得た。最終トナー粒子の体積基準のメディアン径を測定した結果、粒径が6.50μm、体積基準のCV値が1.1%、円形度が0.954であった。
6.比較用トナー(D−6)の製造(スルホン化された単量体を縮合して得られたポリエステル樹脂を含む樹脂粒子を用いない例)
攪拌装置、冷却管、温度センサーを装着した四頭フラスコにポリエステル樹脂・離型剤分散液(C−1):3067.5質量部(固形分16.3質量部)、純水773質量部、アニオン性界面活性剤(エマールE27C 有効成分27.0%、花王株式会社製)111.3質量部、着色剤分散液(B−1):124質量部、さらに純水721質量部を加えて攪拌を行い、25%水酸化ナトリウム水溶液をpH11.8となるように添加した。さらに、塩化マグネシウム6水和物46質量部を純水46質量部に溶解した塩化マグネシウム水溶液を滴下した。
攪拌を行いつつ、温度を55℃まで昇温し、第二のトナー粒子前駆体の凝集粒子の体積基準のメディアン径が6.5μmに達したところで、凝集停止剤(上記化学式(17))61質量部を純水90質量部に溶解した凝集停止剤水溶液を添加し、凝集を停止した。
温度を70℃まで昇温し、フロー式粒子像測定装置FPIA2100(シスメック社製)を用い、円形度を測定し円形度が0.965に達したところで冷却を行い、第二のトナー粒子前駆体の凝集・融着を終了した。
得られたトナー粒子100部に対して、コロイダルシリカ(日本アエロジル社製、R972)1部を外添し、ヘンシェルミキサーを用いて混合することにより、比較用トナー(D−6)を得た。最終トナー粒子の体積基準のメディアン径を測定した結果、粒径が6.5μm、体積基準のCV値が18.2、円形度が0.966であった。
7.比較用トナー(D−7)の製造(単核コアシェルトナー粒子の例)
攪拌装置、冷却管、温度センサーを装着した四頭フラスコにポリエステル樹脂・離型剤分散液(C−1):2607.4質量部、純水773質量部、アニオン性界面活性剤(エマールE27C 有効成分27.0%、花王株式会社製)37.5質量部、着色剤分散液(B−1):155質量部を加え攪拌を行い、25%水酸化ナトリウム水溶液をpH=12になるよう添加した。さらに塩化マグネシウム6水和物57.3質量部を純水57.3質量部に溶解した塩化マグネシウム水溶液を滴下した。
攪拌を行いつつ、内温を55℃まで昇温しコールターマルチサイザー3(ベックマン・コールター株式会社製)を用い粒径測定を行った。粒径が6.2μmに達したところで、ポリエステル樹脂・離型剤分散液(A−1):460質量部を添加し反応を続け、粒径が6.5μmに達したところで凝集停止剤(上記化学式(18))75.6質量部を純水113.5質量部に溶解した凝集停止剤水溶液を添加し、粒径成長を停止した。内温を70℃に昇温し、フロー式粒子像測定装置FPIA2100(シスメックス社製)を用い、円形度を測定し円形度が0.965に達したところで冷却を行った。
この反応液をろ過、洗浄を繰り返した後、乾燥しトナー粒子を得た。得られたトナー粒子100部に対して、コロイダルシリカ(日本アエロジル社製、R972)1部を外添し、ヘンシェルミキサーを用いて混合することにより、比較用トナー(D−7)を得た。最終トナー粒子の体積基準のメディアン径を測定した結果、粒径が6.7μm、体積基準のCV値が19.1、円形度が0.964であった。
8.静電荷像現像剤の製造
(a)本発明の静電荷像現像剤(E−1)の製造
フェライト粒子(パウダーテック社製、体積基準のメディアン径50μm)100部とメタクリレート樹脂(三菱レイヨン社製、分子量295000)1部とを、トルエン500部とともに加圧式ニーダーに入れ、常温で15分間混合した。その後、減圧混合しながら70℃まで昇温し、トルエンを留去した後、冷却し、105μmの篩を用いて分粒することにより、フェライトキャリア(樹脂被覆キャリア)を作製した。このフェライトキャリアと、上記トナー(D−1)とを混合し、トナー濃度が7質量%である二成分系の静電荷像現像剤(E−1)を作製した。
(b)本発明の静電荷像現像剤(E−2)〜(E−5)及び比較用静電荷像現像剤(E−6)〜(E−7)
静電荷現像剤(E−1)の製造において、上記フェライトキャリアと、上記各トナー(D−2)〜(D−5)、比較用トナー(D−6)〜(D−7)とをそれぞれ混合し、トナー濃度が7質量%である二成分系の静電荷像現像剤(E−2)〜(E−5)及び比較用静電荷像現像剤(E−6)〜(E−7)を作製した。
9.評価実験
実写の評価として、コニカミノルタビジネステクノロジーズ製C6550改造機を用いて画像形成を行った。
(a)低温定着性
定着可能温度の評価は、常温常湿(20℃、50%RH)の環境で、シームレスベルトの表面温度を80〜150℃まで5℃刻みで変更し、定着画像を作成して行った。具体的には、得られた各定着画像の定着強度を、メンディングテープ剥離法により測定し、定着率が90%以上得られた定着温度を定着可能温度として評価した。転写紙は、坪量350g紙を用いて評価した。
以下、メンディングテープ剥離法について説明する。
(i)トナー画像(画像濃度1.0)絶対反射濃度D0を測定する。
(ii)「メンディングテープ」(住友スリーエム社製:No.810-3-12)を、べた画像に軽く貼り付ける。
(iii)1kPaの圧力でテープの上を3.5回往復擦り付ける。
(iV)180℃の角度、200gの力でテープを剥がす。
(v)剥離後の絶対反射濃度D1を測定する。
(vi)定着率を算出する。定着率(%)=D1/D0×100
なお、画像濃度の測定には、反射濃度計「RD−918」(マクベス社製)を使用した。
(b)中間転写体の耐フィルミング性
33℃、81%RH環境で、連続プリントテストを実施した。本発明のトナーに用いた中間転写体を目視観察し、トナーフィルミングに対応する白すじが出力画像上で検知され始めた積算プリント枚数で評価した。
◎:100万プリントまでフィルミングの発生皆無(優良)
○:80万プリントまで汚れ発生がなく、100万プリントまでに感光体又は中間転写体上に軽微なフィルミングがあらわれるものの、画像欠陥は検知されない(良好)
×:80万プリントまでにトナーフィルミングによる画像欠陥が検知されるものを不良と評価した。
(c)耐熱保管性
トナー0.5gを内径21mmの10mlガラス瓶に取り、蓋を閉めてタップデンサーKYT−2000(セイシン企業製)で室温にて600回振とうした後、蓋を取った状態で55℃、35%RHの環境下に2時間放置した。次いで、トナーを48メッシュ(目開き350μm)の篩上に、トナーの凝集物を解砕しないように注意しながらのせて、パウダーテスター(ホソカワミクロン社製)にセットし、押さえバー、ノブナットで固定し、送り幅1mmの振動強度に調整し、10秒間振動を加えた後、篩上の残存したトナー量の比率(質量%)を測定した。
トナー凝集率は下記式により算出される値である。
(トナー凝集率(%))=(篩上の残存トナー質量(g))/0.5(g)×100
下記に記載の基準によりトナーの耐熱保管性の評価を行った。
◎:トナー凝集率が15質量%未満(トナーの耐熱保管性が極めて良好)
○:トナー凝集率が20質量%以下(トナーの耐熱保管性が良好)
×:トナー凝集率が20%を超える(トナーの耐熱保管性が悪く、使用不可)
(d)クリーニング不良の発生
10℃、20%RH環境で、連続プリントテストを実施した。クリーニング不良(微粉トナーのすり抜け)に対応するトナー色のすじ状画像欠陥が出力画像上で検知され始めた積算プリント枚数で評価した。
◎:100万プリントまでフィルミングの発生皆無(優良)
○:80万プリントまで汚れ発生がなく、100万プリントまでに感光体又は中間転写体上に軽微なフィルミングがあらわれるものの、画像欠陥は検知されない(良好)
×:80万プリントまでにクリーニング不良による画像欠陥が検知されるものを不良と評価した。
(e)トナー飛散の発生
33℃、81%RH環境で、連続プリントを実施した。トナー飛散によるカブリ、トナーこぼれいずれかの画像欠陥が出力画像上で検知され始めた積算プリント枚数で評価した。
◎:100万プリントまでフィルミングの発生皆無(優良)
○:80万プリントまで汚れ発生がなく、100万プリントまでに感光体又は中間転写体上に軽微なフィルミングがあらわれるものの、画像欠陥は検知されない(良好)
×:80万プリントまでにトナーフィルミングによる画像欠陥が検知されるものを不良と評価した。
上記評価結果を表1に示した。
Figure 2010139903
以上のように、本発明に係るトナー(D−1)〜(D−5)によれば、低温定着性及び耐熱保管性に優れ、また、クリーニング不良や感光体の耐フィルミングを防止し、さらにはトナー飛散が抑制された良好な画像が得られることが確認された。
画像形成装置の一例を示す図である。
符号の説明
11 画像形成装置
u1 露光装置
u2 現像装置
u3 感光体
24 定着装置

Claims (3)

  1. 少なくとも非結晶性ポリエステル樹脂を含有する樹脂微粒子を、凝集及び融着させてトナー粒子を形成するトナー製造方法において、
    少なくとも前記非結晶性ポリエステル樹脂を含有する樹脂微粒子を少なくとも凝集させ、第一のトナー粒子前駆体の分散体を製造する第一の凝集工程と、
    前記第一のトナー粒子前駆体の分散体と、スルホン酸基を有するポリエステル樹脂微粒子の分散体とを混合し、第二のトナー粒子前駆体の分散体を製造する混合工程と、
    前記混合工程の後、前記第二のトナー粒子前駆体を、少なくとも凝集させ、トナー粒子を形成する第二の凝集工程と、を有することを特徴とするトナー製造方法。
  2. 前記スルホン酸基を有するポリエステル樹脂微粒子は、スルホン化フタル酸及び/又はスルホン化テレフタル酸を縮合して得られたポリエステル樹脂であることを特徴とする請求項1に記載のトナー製造方法。
  3. 請求項1又は2のトナー製造方法によって製造されるトナー。
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