JP2007156047A - 静電荷像現像用トナー及びその製造方法、静電荷像現像剤並びに画像形成方法 - Google Patents

静電荷像現像用トナー及びその製造方法、静電荷像現像剤並びに画像形成方法 Download PDF

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Abstract

【課題】凝集粒子の添加によってトナー粒子のクリーニング性を向上させ、さらに、凝集粒子による感光体の摩耗による画質信頼性の低下を伴うことなく、長期画質安定性が向上した静電荷像現像用トナー及びその製造方法、静電荷像現像剤並びに画像形成方法を提供すること。
【解決手段】少なくとも結着樹脂及び着色剤を含有するトナー粒子に凝集粒子を外添してなる静電荷像現像用トナーであって、該凝集粒子が以下の(i)又は(ii)であり、(i)樹脂粒子のみからなる凝集粒子、(ii)樹脂粒子並びに潤滑剤粒子及び/又は無機粒子を含む凝集粒子、該樹脂粒子がスルホン酸化合物を含有するポリエステル樹脂であり、該凝集粒子の体積平均粒子径が0.5μm以上10μm以下であることを特徴とする静電荷像現像用トナー。

Description

本発明は、電子写真法又は静電記録法などにおいて、静電潜像を現像する際に用いる静電荷像現像用トナー及びその製造方法、静電荷像現像剤、並びに画像形成方法に関する。
近年、高度な情報化社会の発展において、さまざまな手法で構築された情報ドキュメントを、より高い画質画像で提供することの要請が高まっており、種々の画像形成法において高画質化の研究が進められている。電子写真法を用いる画像形成法においても、この要求は例外ではなく、特に電子写真法において、カラー画像形成における、より高精細な画像を実現するために、トナーの小径化とシャープな粒度分布、及びトナー粒子の球形化技術開発が進められている。
この場合、トナー粒子の球形化において、その形状が転写工程におけるトナー粒子の精密転写性に影響し、最終画像を得るまでのトナーが、その担持体との接触面積を最小に保持することができる球形状であるほどその精密転写性が高く、これによる細線再現性など最終画質特性の向上が期待できる。
しかしながら球形トナーを使用した場合、トナー粒子の転写後に担持体上に残留するトナー粒子のクリーニングが困難であることが問題として挙げられている。
特に、転写後のトナーのクリーニングは、通常ブレードによる方式が、装置が簡便であり、また耐久性の観点から広く用いられている。しかし、このブレードクリーニング方式において、球形のトナーは、その形状のため、ブレードをすり抜ける確率が高く、クリーニング不良が発生しやすく、結果としてこれに起因する画質の低下が生じやすい。
この問題を解決するため、例えばブレードエッジ部にかかる線圧を上昇させて、トナーのすり抜けを防止することが試みられている(特許文献1参照)。この方法では、初期のクリーニング性は向上するが、ブレードの材質、物性を考慮しなければ、単に線圧を上昇させただけではブレードエッジ部の摩耗促進によりクリーニング不良が発生する。さらに、ブレードのびびりや振動による異音の発生、担持体の摩耗促進などの観点で問題がある。
この異音や摩耗を改善するため、さらには、小粒径球形トナー母粒子の拭き残しの問題や感光体の傷の発生等の弊害を解消するために、大径の凝集粒子の含有量が少ない無機粒子を添加し、クリーニングブレードでその他の粒子の通過を阻止することが提案されている(特許文献2参照)。しかし、大径の無機粒子はトナーから遊離しやすく、感光体傷やフィルミングを起こしやすい。
さらに、例えば球形トナー中に不定形トナーを含有させることが提案されている(特許文献3、4参照)。確かに不定形トナーを含有させることでクリーニング性能は向上するが、不定形トナーを添加することで転写効率は低下してしまい、当初目的とした高画質化を達成することができない。また、磁性粉を含有した不定形粒子を現像剤中に添加することが提案されている(特許文献5参照)。この方法では、クリーニング性能は向上するが、この不定形粒子が転写されてしまうと画質が低下し、また、この磁性粉含有不定形粒子により、感光体を傷つけてしまうという問題がある。そこで、トナーに脂肪酸金属塩を添加することが提案されている(特許文献6参照)が、クリーニングブレードニップ部の摩擦力低減には効果を発揮するが、脂肪酸金属塩単体では感光体上から除かれにくく、感光体傷や種々のディフェクトを誘発してしまう。さらに、無機粒子を脂肪酸金属塩で被覆する技術も提案されている(特許文献7参照)。脂肪酸金属塩単体と比較して、確かにクリーニングブレードニップ部の摩擦低減に効果は発揮されるが、脂肪酸金属塩は感光体上から除かれにくいため、感光体に傷などディフェクトがおきてしまうため、画像の長期安定性の面では十分でない。
また、潤滑剤粒子をスチレンアクリル系ポリマーで被覆する方法も提案されている。この方法により、クリーニング性は向上するが、スチレンアクリル系ポリマーは帯電量が低下しやすく、転写時に画像側に該スチレンアクリル系ポリマーが転写され、長期の画質の安定性の視点からでは不十分である。
特開平4−1773号公報 特開平10−207113号公報 特開平6−43725号公報 特開平7−49584号公報 特開2000−122347号公報 特開2000−89502号公報 特開2001−296688号公報
従って、本発明は、以下の目的を達成することを課題とする。即ち、本発明の目的は、凝集粒子の添加によってトナー粒子のクリーニング性を向上させ、さらに、凝集粒子による感光体の摩耗による画質信頼性の低下を伴うことなく、長期画質安定性が向上した静電荷像現像用トナー及びその製造方法、静電荷像現像剤並びに画像形成方法を提供することにある。
上記の課題は以下<1>〜<4>に記載の手段によって達成された。
<1> 結着樹脂及び着色剤を含有するトナー粒子に凝集粒子を外添してなる静電荷像現像用トナーであって、該凝集粒子が以下の(i)又は(ii)であり、
(i)樹脂粒子のみからなる凝集粒子
(ii)樹脂粒子並びに潤滑剤粒子及び/又は無機粒子を含む凝集粒子
該樹脂粒子がスルホン酸化合物を含有するポリエステル樹脂であり、該凝集粒子の体積平均粒子径が0.5μm以上10μm以下であることを特徴とする静電荷像現像用トナー、
<2> 下記の(i)又は(ii)の各粒子分散液を準備する工程
(i)樹脂粒子
(ii)樹脂粒子並びに潤滑剤粒子及び/又は無機粒子、
(i)樹脂粒子の分散液を撹拌するか、又は、(ii)を構成する各粒子の分散液を混合する工程、(i)樹脂粒子、又は、(ii)を構成する各粒子を凝集させて凝集粒子を形成する工程、及び、得られた凝集粒子をトナー粒子と混合して静電荷像現像用トナーを得る工程を含み、該樹脂粒子はスルホン酸化合物を含有するポリエステル樹脂であり、凝集粒子の体積平均粒子径が0.5μm以上10μm以下であることを特徴とする静電荷像現像用トナーの製造方法、
<3> <1>に記載の静電荷像現像用トナーとキャリアとを含む静電荷像現像剤、
<4> 潜像保持体表面に静電潜像を形成する潜像形成工程、該潜像保持体表面に形成された静電潜像をトナー又は静電荷像現像剤により現像してトナー像を形成する現像工程、該潜像保持体表面に形成されたトナー像を被転写体表面に転写する工程及び、該被転写体表面に転写されたトナー像を熱定着する定着工程を含む画像形成方法であって、該トナーとして<1>に記載の静電荷像現像用トナー、又は、該現像剤として<3>に記載の静電荷像現像剤を用いることを特徴とする画像形成方法。
本発明によれば、凝集粒子の添加によってクリーニング性が向上し、また、凝集粒子による感光体の摩耗による画質信頼性の低下を伴うことなく、長期画質安定性が向上した静電荷像現像用トナー及びその製造方法、これを用いた静電荷像現像剤、並びに画像形成方法を提供することができる。
〔静電荷像現像用トナー〕
本発明の静電荷像現像用トナー(以下、単に「トナー」ともいう。」は、少なくとも結着樹脂及び着色剤を含有するトナー粒子に凝集粒子を外添してなる静電荷像現像用トナーであって、該凝集粒子が以下の(i)又は(ii)であり、
(i)樹脂粒子のみからなる凝集粒子
(ii)樹脂粒子並びに潤滑剤粒子及び/又は無機粒子を含む凝集粒子
該樹脂粒子がスルホン酸化合物を含有するポリエステル樹脂であり、該凝集粒子の体積平均粒子径が0.5μm以上10μm以下であることを特徴とする。
静電荷像現像用トナーがブレードでクリーニングされる場合、転写残トナーがブレードニップ上にダム状にせき止められる。そのせき止められたトナーは粒径がある程度分離されており、ブレード先端に近づくほど細かくいる。
ここで、特に球状トナーを用いる場合、形状がそろっているため、ブレードニップ部に球形トナーが最密配置され、ブレードニップ部での微小単位感光体あたりのトナーの接触面積が大きくなる。一粒一粒のトナーによりブレードにかかる力が同じ大きさのため、ブレードの先端ほど受ける力が大きくなる。そのため、ブレードを押し上げて、トナー母粒子がすり抜ける現象が起きることが従来、問題となっていた。
そこで、トナー母粒子より小さい添加剤、たとえば、無機粒子を添加して、ブレード部分に突入させれば押し上げが抑制でき、クリーニング特性が向上すると考えられる。また、添加剤の形状に関わらず、添加剤がブレードをすり抜けながら、ブレードニップ部でトナー母粒子をせき止めれば、クリーニング可能となると推測される。この場合、クリーニング不良による二次障害を防ぐため、適度な量に調整することが必要である。しかし、この手法では感光体の劣化や、無機粒子がトナー表面に埋め込まれやすく、そのための転写効率の低下、それに伴う画像の劣化がおこる。
さらに、樹脂で被覆した樹脂粒子を用いる方法が試みられ、クリーニング特性は向上し改善された。ところが、ブレードをすり抜けた添加剤や、添加剤含有樹脂粒子が、トナーとともに転写されて画質の劣化につながることがあり、長期ランニングでの画質安定性の面では十分でない。
解砕された樹脂、又は、被覆されたままの樹脂粒子が、ブレードをすり抜けた場合、転写工程において、感光体上に残らずに、紙上に転写されてしまう恐れがあり、紙上への画質に影響が出る。
本発明において、クリーニング性を向上させるために凝集粒子を添加する。凝集粒子は(i)樹脂粒子のみからなる凝集粒子、又は、(ii)樹脂粒子並びに潤滑剤粒子及び/又は無機粒子を含む凝集粒子である。本発明において、樹脂粒子として他に用いられている樹脂と比較して帯電性が高い、ポリエステル樹脂を用いる。当該凝集粒子は、ポリエステル樹脂を含有することにより、現像工程で現像されやすくなる。また、ブレード上まで供給され、ブレードで解砕されて微粉が生じ、クリーニングブレード上からすり抜けたとしても、転写工程で感光体上に残りやすく、画質に影響を及ぼしにくい。
また、同じ樹脂粒子であるスチレンアクリル系樹脂を用いた場合、クリーニング特性はさほど変わりはない。ただし、解砕後のスチレンアクリル系樹脂とポリエステル樹脂とを比較すると、ポリエステル樹脂の方が帯電性が高いため、それだけ現像しやすく、粒径が小さいために転写されにくい。そのため、長期の画質の安定性の面では、ポリエステル樹脂の方が優れる。更にポリエステル樹脂中にスルホン酸化合物が含まれることにより、凝集粒子中に存在する極端に帯電性の高い凝集粒子の電荷を低下させるため、ポリエステル樹脂単独よりも安定した帯電分布を得ることができる。この極端に帯電性の高い凝集粒子は、特に凝集粒子の平均粒径よりも小さい凝集粒子に生じやすいものであって、この極端に帯電性の高い凝集粒子にスルホン酸化合物が含まれることによって、電荷が逃げるため、帯電分布の安定性が優れると推定される。
本発明において、凝集粒子が樹脂粒子の他に潤滑剤粒子及び/又は無機粒子を含むことも好ましい。この場合、凝集粒子がブレード上で解砕されることにより、凝集粒子中に存在する無機粒子及び/又は潤滑剤粒子はブレードニップ部に残る。ブレードニップ上にせき止められている潤滑剤粒子及び/又は無機粒子は、上述の通り、ダム状構造を形成する。このダムは、粒径分離されており、ブレードに近づくほど、粒径が細かくなっている。このダム状の効果により、転写残トナーがブレードをすり抜けにくくすることにより、クリーニング性が向上すると推定される。
本発明において、凝集粒子は凝集製法により製造される。
凝集製法を用いることにより、混錬粉砕法で作製した粒子と異なり、凝集粒子自体の粒径、粒度分布が均一になり、さらに、含有させる無機粒子及び/又は潤滑剤粒子が各凝集粒子中に均一に分散する。これにより、各粒子個々での無機粒子、潤滑剤粒子の含有量や帯電性などのバラつきを防ぐなどの効果が期待できる。凝集製法については後述する。
また、本発明において、樹脂粒子は低温での重縮合により製造することが好ましい。低温で重縮合を行うと、高温で重縮合を行う場合と比較して、副反応生成物を生じにくい。このため、低温で重縮合を行った樹脂粒子を使用する場合、樹脂粒子内に副反応生成物が少ないため、ポリエステルの含有率が高くなる。よって、これを凝集粒子に使用したときには、ブレード上で解砕するときに、均一に割れやすくなるので好ましい。
また、本発明において、凝集粒子に使用される樹脂粒子は、ポリエステル樹脂を含み、当該ポリエステル樹脂中にはスルホン酸化合物を含有する。スルホン酸化合物の存在下で重縮合を行うことにより、ポリエステル樹脂中などにスルホン酸化合物が残存する。ポリエステル樹脂中にスルホン酸化合物を含有すると、このスルホン酸部分が電荷を逃がす部分になり、帯電分布を狭くするため、より安定した帯電性が得られ、転写工程において感光体上に残りやすくなる。
スルホン酸化合物の存在下に重縮合を行うことにより、スルホン酸化合物が触媒として働き、凝集粒子中に比較的均一に配合され、さらに低温で重縮合を行うことができるので好ましい。また、通常の重縮合に用いられるスズやチタンの触媒は、低温での重縮合には適していない。
<凝集粒子>
本発明の静電荷像現像用トナーに含有される凝集粒子についてさらに詳述する。
本発明の静電荷像現像用トナーに含有される凝集粒子は、以下の(i)又は(ii)である。
(i)樹脂粒子のみからなる凝集粒子
(ii)樹脂粒子並びに潤滑剤粒子及び/又は無機粒子を含む凝集粒子
また、樹脂粒子は、スルホン酸化合物を含有するポリエステル樹脂であり、該凝集粒子の平均体積粒子径が0.5μm以上10μm以下である。
以下、(i)より説明する。
本発明の凝集粒子は、(i)樹脂粒子のみからなる凝集粒子、とすることができる。
ここで、樹脂粒子に用いられる材料は、通常工業的に用いられているポリエステルを用いることができる。さらに、スルホン酸化合物の存在下で、低温にて重縮合されたポリエステルを用いることが好ましい。ここでいう低温とは、ポリエステルの重縮合時の温度が80℃以上150℃以下であることを意味する。
本発明に用いることができるポリエステル樹脂は、例えば、脂肪族、脂環族、芳香族の多価カルボン酸、それらのアルキルエステルと多価アルコール、それらのエステル化合物、ヒドロキシカルボン酸などの重縮合性単量体を用いた直接エステル化反応、エステル交換反応等により重縮合を行い作製することができる。
重縮合に用いる単量体として用いられる多価カルボン酸は、1分子中にカルボキシル基を2個以上含有する化合物である。このうち、2価のカルボン酸は1分子中にカルボキシル基を2個含有する化合物であり、例えば、シュウ酸、コハク酸、マレイン酸、アジピン酸、β−メチルアジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ノナンジカルボン酸、デカンジカルボン酸、ウンデカンジカルボン酸、ドデカンジカルボン酸、フマール酸、シトラコン酸、ジグリコール酸、シクロヘキサン−3,5−ジエン−1,2−カルボン酸、リンゴ酸、クエン酸、ヘキサヒドロテレフタール酸、マロン酸、ピメリン酸、酒石酸、粘液酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、テトラクロルフタル酸、クロルフタル酸、ニトロフタル酸、p−カルボキシフェニル酢酸、p−フェニレン二酢酸、m−フェニレンジグリコール酸、p−フェニレンジグリコール酸、o−フェニレンジグリコール酸、ジフェニル酢酸、ジフェニル−p,p'−ジカルボン酸、ナフタレン−1,4−ジカルボン酸、ナフタレン−1,5−ジカルボン酸、ナフタレン−2,6−ジカルボン酸、アントラセンジカルボン酸等を挙げることができる。また、2価のカルボン酸以外の多価カルボン酸としては、例えば、トリメリット酸、ピロメリット酸、ナフタレントリカルボン酸、ナフタレンテトラカルボン酸、ピレントリカルボン酸、ピレンテトラカルボン酸等を挙げることができる。
本発明におけるポリエステルの製造方法においては、上記の多価カルボン酸のうち、アゼライン酸、セバシン酸、1,9−ノナンジカルボン酸、1,10−デカメチレンジカルボン酸、1,11−ウンデカンジカルボン酸、1,12−ドデカンジカルボン酸、テレフタル酸、トリメリット酸、ピロメリット酸等を用いることが好ましい。これらの多価カルボン酸は水に難溶あるいは不溶であるため、多価カルボン酸が水に分散した懸濁液中でエステル合成反応が進行するので好ましい。
本発明の製造方法における単量体としてのポリオールは、1分子中に水酸基を2個以上含有する化合物である。このうち、2価のポリオールは1分子中に水酸基を2個含有する化合物であり、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブタンジオール、ジエチレングリコール、ヘキサンジオール、シクロヘキサンジオール、オクタンジオール、デカンジオール、ドデカンジオール等を挙げることができる。また、2価のポリオール以外のポリオールとしては、例えば、グリセリン、ペンタエリスリトール、ヘキサメチロールメラミン、ヘキサエチロールメラミン、テトラメチロールベンゾグアナミン、テトラエチロールベンゾグアナミン等を挙げることができる。
本発明のポリエステルの製造方法においては、上記のポリオールのうち、1,8−オクタンジオール、1,10−デカンジオール、1,12−ドデカンジオール等の2価のポリオールを用いることが好ましい。
これらのポリオールは水に難溶あるいは不溶であるため、ポリオールが水に分散した懸濁液中でエステル合成反応が進行するので好ましい。
またこれらの重縮合性単量体の組み合わせにより非結晶樹脂や結晶性樹脂を容易に得ることができる。
結晶性ポリエステルを得るために使用される多価カルボン酸としては、上記カルボン酸のうち、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スペリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、マレイン酸、フマル酸、シトラコ酸、イタコン酸、グルタコ酸、n−ドデシルコハク酸、n−ドデセニルコハク酸、イソドデシルコハク酸、イソドデセニルコハク酸、n−オクチルコハク酸、n−オクテニルコハク酸、これらの酸無水物あるいは酸塩化物を挙げることができる。
結晶性ポリエステルを得るために使用されるジオールとしては、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,4−ブテンジオール、ネオペンチルグリコール、1,5−ペンタングリコール、1,6−ヘキサングリコール、1,4−シクロヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、ジプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコール、ビスフェノールA、ビスフェノールZ、水素添加ビスフェノールA等も挙げることができる。
このような結晶性の重縮合樹脂としては、1,9−ノナンジオールと1,10−デカンジカルボン酸、又はシクロヘキサンジオールとアジピン酸とを反応して得られるポリエステル、1,6−ヘキサンジオールとセバシン酸とを反応して得られるポリエステル、エチレングリコールとコハク酸とを反応して得られるポリエステル、エチレングリコールとセバシン酸とを反応して得られるポリエステル、1,4−ブタンジオールとコハク酸とを反応して得られるポリエステルを挙げることができる。これらの中でも特に1,9−ノナンジオールと1,10−デカンジカルボン酸、及び、1,6−ヘキサンジオールとセバシン酸とを反応させて得られるポリエステルがさらに好ましい。
また本発明における非結晶性ポリエステルを得るために使用される多価カルボン酸としては、上記の多価カルボン酸のうち、ジカルボン酸としては、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、テトラクロルフタル酸、クロルフタル酸、ニトロフタル酸、p−カルボキシフェニル酢酸、p−フェニレン二酢酸、m−フェニレンジグリコール酸、p−フェニレンジグリコール酸、o−フェニレンジグリコール酸、ジフェニル酢酸、ジフェニル−p,p’−ジカルボン酸、ナフタレン−1,4−ジカルボン酸、ナフタレン−1,5−ジカルボン酸、ナフタレン−2,6−ジカルボン酸、アントラセンジカルボン酸、シクロヘキサンジカルボン酸を挙げることができる。また、ジカルボン酸以外の多価カルボン酸としては、例えば、トリメリット酸、ピロメリット酸、ナフタレントリカルボン酸、ナフタレンテトラカルボン酸、ピレントリカルボン酸、ピレンテトラカルボン酸等を挙げることができる。また、これらカルボン酸のカルボキシル基を酸無水物、酸塩化物、又は、エステル等に誘導したものを用いてもよい。
これらの中でも、テレフタル酸やその低級エステル、ジフェニル酢酸、シクロヘキサンジカルボン酸等を用いることが好ましい。なお、低級エステルとは、炭素数1から8の脂肪族アルコールのエステルをいう。
また本発明における非結晶性ポリエステルを得るために使用されるポリオールとしては、上記ポリオールのうち、特に、ポリテトラメチレングリコール、ビスフェノールA、ビスフェノールZ、水素添加ビスフェノールA、シクロヘキサンジメタノール等を用いることが好ましい。
前記多価カルボン酸及びポリオールは、1種の重縮合樹脂を作製するために、それぞれ1種ずつを単独で用いても、一方が1種で他方が2種以上用いても、それぞれ2種以上ずつを用いてもよい。また、1種の重縮合樹脂を作製するためヒドロキシカルボン酸を用いる場合、1種単独で用いても、2種以上を用いてもよく、多価カルボン酸やポリオールを併用してもよい。
本発明において、ポリエステル樹脂として結晶性ポリエステルを使用する場合、結晶融点Tmは50〜120℃であることが好ましく、55〜90℃であることがより好ましい。Tmが50℃以上であると、剥離性が向上し、さらにオフセットが低減できるので好ましい。また、Tmが120℃以下であると、より低い温度で定着できるであるので好ましい。
ここで、結晶性ポリエステル樹脂の融点の測定には、示差走査熱量計(DSC)を用い、室温から150℃まで毎分10℃の昇温速度で測定を行った時のJIS K−7121:87に示す入力補償示差走査熱量測定の融解ピーク温度として求めることができる。なお、結晶性ポリエステル樹脂には、複数の融解ピークを示す場合があるが、本発明においては、最大のピークをもって融点とみなす。
一方、非結晶性ポリエステル樹脂のガラス転移点(Tg)は40〜100℃であることが好ましく、より好ましくは50〜80℃の範囲である。Tgが上記範囲内であると、高温度域での結着樹脂自体の凝集力が良好であるため、定着の際にホットオフセット性に優れ、さらに十分な溶融が得られ、最低定着温度が上昇しにくく好ましい。
ここで、非結晶性樹脂のガラス転移点は、ASTM D3418−82に規定された方法(DSC法)で測定した値のことをいう。
また、本発明におけるガラス転移点の測定は、例えば、示差走査熱量測定法(DSC)に従い、例えば、「DSC−20」(セイコー電子工業社製)によって測定でき、具体的には、試料約10mgを一定の昇温速度(10℃/min)で加熱し、ベースラインと吸熱ピークの傾線との交点よりガラス転移点を得ることができる。
本発明において、ポリエステル樹脂として結晶性樹脂を使用する場合、そのテトラヒドロフラン(THF)可溶分のゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)法による分子量測定で、重量平均分子量は1,000〜60,000であることが好ましく、3,000〜50,000であることがより好ましく、5,000〜40,000であることがさらに好ましい。
また、ポリエステル樹脂として非結晶性樹脂を使用する場合、THF可溶分のGPC法による分子量測定で、その重量平均分子量は1,000〜60,000であることが好ましく、3,000〜50,000であることがより好ましく、5,000〜40,000であることがさらに好ましい。
重量平均分子量が上記範囲内であると、オフセット性が向上するので好ましい。
本発明において、樹脂の分子量は、THF可溶物を、TSK−GEL、GMH(東ソー(株)製)等を使用し、THF溶媒で測定し、単分散ポリスチレン標準試料により作成した分子量校正曲線を使用して分子量を算出することができる。
尚、本発明において、ポリエステル樹脂として非結晶性ポリエステル樹脂及び結晶性ポリエステル樹脂のいずれも使用することができるが、結晶性ポリエステル樹脂を使用することが好ましい。前記「結晶性ポリエステル樹脂」における「結晶性」とは、示差走査熱量測定(DSC)において、階段状の吸熱変化ではなく、明確な吸熱ピークを有することを示し、具体的には、昇温速度10℃/minで測定した際の吸熱ピークの半値幅が15℃以内であることを意味する。一方、吸熱ピークの半値幅が15℃を超える樹脂や、明確な吸熱ピークが認められない樹脂は、非結晶性(非晶質)であることを意味する。
本発明においては、重縮合工程として、既述の重縮合成分であるポリカルボン酸及びポリオールと、予め作製しておいたプレポリマーとの重合反応とを含むこともできる。プレポリマーは、上記単量体に溶融又は均一混合できるポリマーであれば限定されない。
さらに本発明の結着樹脂は、上述した重縮合成分の単独重合体、上述した重合性成分を含む2種以上の単量体を組み合せた共重合体、又はそれらの混合物、グラフト重合体、一部枝分かれや架橋構造などを有していても良い。
本発明において、樹脂粒子はスルホン酸化合物を含有する。樹脂粒子が、スルホン酸化合物の存在下に重縮合されたものであることが好ましい。本発明において、スルホン酸化合物とは、スルホン酸基を含有する化合物であれば、特に限定されずに用いることができる。
スルホン酸化合物としては、硫酸、ベンゼンスルホン酸、m−ベンゼンジスルホン酸、p−ベンゼンジスルホン酸、1,3,5−ベンゼントリスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、メチオン酸、シクロペンタンスルホン酸、1,1−エタンジスルホン酸、1,2−エタンジスルホン酸、1,2−エタンジスルホン酸無水物、1,3−プロパンジスルホン酸、スルホ酢酸、β−スルホプロピオン酸、イセチオン酸、3−オキシ−1−プロパンスルホン酸、プロパンサルトン、ブタンサルトン、2−アミノエタンスルホン酸、2−クロルエタンスルホン酸、クロルスルホン酸、フルオロスルホン酸、トリフルオロメタンスルホン酸、フェニルメタンスルホン酸、α−フェニルエタンスルホン酸、β−フェニルエタンスルホン酸、2−(N−モルホリノ)エタンスルホン酸、3−(N−モルホリノ)プロパンスルホン酸、クロルスルホン酸アンモニウム、エタンスルホン酸トリエチルアンモニウムなどが挙げられる。
本発明において、スルホン酸化合物として、スルホン酸基を有する界面活性効果を有する酸を用いてもよい。界面活性効果を有する酸としては、ドデシルベンゼンスルホン酸、イソプロピルベンゼンスルホン酸、ケリルベンゼンスルホン酸、しょうのうスルホン酸、などのアルキルベンゼンスルホン酸、アルキルスルホン酸、アルキルジスルホン酸、アルキルフェノールスルホン酸、アルキルナフタリンスルホン酸、アルキルテトラリンスルホン酸、アルキルアリルスルホン酸、石油スルホン酸、アルキルベンゾイミダゾールスルホン酸、高級アルコールエーテルスルホン酸、アルキルジフェニルスルホン酸、モノブチルフェニルフェノール硫酸、ジブチルフェニルフェノール硫酸、ドデシル硫酸などの高級脂肪酸硫酸エステル、高級アルコール硫酸エステル、高級アルコールエーテル硫酸エステル、高級脂肪酸アミドアルキロール硫酸エステル、高級脂肪酸アミドアルキル化硫酸エステル、ナフテニルアルコール硫酸、硫酸化脂肪、スルホ琥珀酸エステル、スルホン化高級脂肪酸、アルコール硫酸、及びこれらすべての塩化合物などが使用でき、必要に応じて複数を組み合わせても良い。
さらに、界面活性能を有する酸としては、例えば、希土類金属にドデシルベンゼンスルホン酸基がついたドデシルベンゼンスルホン酸スカンジウムなどが挙げられる。
また、上記界面活性効果を有する酸は、単独で用いてもいいが、中和型の界面活性剤であるドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウムやドデシル硫酸ナトリウムなどと併用してもよい。
上記の中でも、スルホン酸化合物は、重縮合触媒として機能するものが好ましく、界面活性効果を有する酸を使用することがより好ましく、アルキルベンゼンスルホン酸を使用することがさらに好ましい。これらの中でも、特に、ドデシルベンゼンスルホン酸を使用することが好ましい。
前記スルホン酸化合物の樹脂粒子中の存在量は、樹脂に対して、10ppm〜20,000ppmであることが好ましい。スルホン酸化合物の存在量が上記範囲内であると、空気中の水分を吸収することがないので好ましい。また、触媒としての機能を発揮することができるので好ましい。
また、前記重縮合を行う重合温度としては、80℃〜150℃が好ましく、より好ましくは90℃〜140℃であり、さらに好ましくは100℃〜130℃である。
さらに、重縮合性単量体の総量に対して、0.2mol%〜20mol%の量でスルホン酸化合物を添加し、重縮合を行うことが望ましい。
上記樹脂粒子を得るためには、ジカルボン酸、ジオール、スルホン酸化合物を溶融させて重合させるバルク重合や、ジカルボン酸、ジオール、スルホン酸化合物を溶融させて水中に乳化させる水中重縮合(乳化重合、懸濁重合)などの手法が挙げられる。また、バルク重合においては、重縮合時に減圧処理や窒素基流下での重縮合をおこなってもよい。
これらの中でも水中重縮合により重縮合を行うことが好ましい。
また、前記スルホン酸化合物と共に、各種ルイス酸系触媒、希土類触媒、加水分解酵素等の触媒を併用することができる。
ルイス酸系触媒としては、ジブチルスズオキシド、蓚酸スズ、酢酸スズ、酸化スズ、ジブチルスズジメトキシド、ブチルスズヒドロキシドオキシド等のスズ化合物、テトラブトキシチタン、テトラフェノキシチタン、酸化チタン、蓚酸チタン等のチタン化合物、三酸化アンチモン、酒石酸酸化アンチモン等のアンチモン化合物、酢酸亜鉛、ステアリン酸亜鉛、亜鉛アセチルアセトン等の亜鉛化合物、トリフェノキシボロン、ほう酸亜鉛等のホウ酸化合物、酸化ゲルマニウム、ゲルマニウムエトキシド等のゲルマニウム化合物、酢酸マンガン、酢酸コバルト等を挙げることができる。
また、前記触媒に希土類触媒を併用して用いてもよい。
希土類含有触媒としては具体的には、スカンジウム(Sc)、イットリウム(Y)、ランタノイド元素としては、ランタン(La)、セリウム(Ce)、プラセオジウム(Pr)、ネオジウム(Nd)、サマリウム(Sm)、ユウロピウム(Eu)、ガドリニウム(Gd)、テルビウム(Tb)、ジスプロシウム(Dy)、ホルミウム(Ho)、エルビウム(Er)、ツリウム(Tm)、イッテルビウム(Yb)、ルテチウム(Lu)などを含むものが有効である。特にアルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキル硫酸エステル塩、又はトリフラート構造を有するものなどが有効である。前記金属トリフラートとしては、構造式では、X(OSO2CF33が例示できる。ここでXは、希土類元素であり、これらの中でも、Xが、スカンジウム(Sc)、イットリウム(Y)、イッテルビウム(Yb)、サマリウム(Sm)であることがさらに好ましい。
またランタノイドトリフラートなども好ましい。ランタノイドトリフラートについては、有機合成化学協会誌、第53巻第5号、p44−54)に詳しい。
加水分解酵素としてはエステル合成反応を触媒するものであれば特に制限はない。本発明における加水分解酵素としては、例えば、カルボキシエステラーゼ、リパーゼ、ホスホリパーゼ、アセチルエステラーゼ、ペクチンエステラーゼ、コレステロールエステラーゼ、タンナーゼ、モノアシルグリセロールリパーゼ、ラクトナーゼ、リポプロテインリパーゼ等のEC(酵素番号)3.1群(丸尾・田宮監修「酵素ハンドブック」朝倉書店(1982)等参照)に分類されるエステラーゼ、グルコシダーゼ、ガラクトシダーゼ、グルクロニダーゼ、キシロシダーゼ等のグリコシル化合物に作用するEC3.2群に分類される加水分解酵素、エポキシドヒドラーゼ等のEC3.3群に分類される加水分解酵素、アミノペプチダーゼ、キモトリプシン、トリプシン、プラスミン、ズブチリシン等のペプチド結合に作用するEC3.4群に分類される加水分解酵素、フロレチンヒドラーゼ等のEC3.7群に分類される加水分解酵素等を挙げることができる。
上記のエステラーゼのうち、グリセロールエステルを加水分解し脂肪酸を遊離する酵素を特にリパーゼと呼ぶが、リパーゼは有機溶媒中での安定性が高く、収率良くエステル合成反応を触媒し、さらに安価に入手できることなどの利点がある。したがって、本発明のポリエステルの製造方法においても、収率やコストの面からリパーゼを用いることが好ましい。
リパーゼには種々の起源のものを使用できるが、好ましいものとして、シュードモナス(Pseudomonas)属、アルカリゲネス(Alcaligenes)属、アクロモバクター(Achromobacter)属、カンジダ(Candida)属、アスペルギルス(Aspergillus)属、リゾプス(Rhizopus)属、ムコール(Mucor)属等の微生物から得られるリパーゼ、植物種子から得られるリパーゼ、動物組織から得られるリパーゼ、さらに、パンクレアチン、ステアプシン等を挙げることができる。このうち、シュードモナス属、カンジダ属、アスペルギルス属の微生物由来のリパーゼを用いることが好ましい。
これら触媒作用を有する化合物は、スルホン酸化合物と組み合わせて、触媒を複数種組み合わせて使用しても良い。
これらの樹脂成分を用いて機械的な既存の樹脂粉砕法、又は水、有機溶剤等の液状媒体中における既存の乳化法もしくは分散法を用いて、所望の樹脂粒子分散液を調製することができる。例えば、乳化重合法、懸濁重合法、分散重合法等の不均一分散系における重合法により、樹脂粒子を分散させた樹脂粒子分散液を容易に得ることができる。また、予め溶液重合法や隗状重合法等で均一に重合した樹脂粒子の重合体を、その重合体が溶解しない溶媒中へ安定剤とともに添加して機械的に混合分散する方法など、任意の方法により、樹脂粒子を分散させた樹脂粒子分散液を得ることができる。
例えば、水への溶解度の比較的低い溶剤に溶解するものであれば、樹脂をそれらの溶剤に溶解してイオン性の界面活性剤やポリアクリル酸等の高分子電解質とともに、ホモジナイザーなどの分散機で水中に粒子として分散させ、その後、加熱又は減圧して溶剤を蒸発させることにより、樹脂粒子分散液を得ることができる。
ここで用いる界面活性剤は、硫酸エステル塩系、スルホン酸塩系、リン酸エステル系、せっけん系等のアニオン界面活性剤;アミン塩型、4級アンモニウム塩型等のカチオン系界面活性剤;ポリエチレングリコール系、アルキルフェノールエチレンオキサイド付加物系、多価アルコール系等の非イオン性界面活性剤、及び、種々のグラフトポリマー等を挙げることができ、特に制限されない。
次に、本発明の凝集粒子は、(ii)樹脂粒子並びに潤滑剤粒子及び/又は無機粒子を含む凝集粒子とすることができる。即ち、本発明の凝集粒子は、(ii)−a)樹脂粒子及び潤滑剤粒子を含む凝集粒子、(ii)−b)樹脂粒子及び無機粒子を含む凝集粒子、又は、(ii)−c)樹脂粒子、潤滑剤粒子及び無機粒子を含む凝集粒子とすることができる。
樹脂粒子としては上記したものを用いることができる。
潤滑剤としては、一般的に潤滑剤として用いられている公知の潤滑剤を使用することができる。潤滑剤の例として、グラファイト、二硫化モリブデン、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウムなどを挙げることができる。さらに、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン等の低分子量ポリオレフィン類;シリコーン類、オレイン酸アミド、エルカ酸アミド、リシノール酸アミド、ステアリン酸アミド等のような脂肪酸アミド類;カルナウバワックス、ライスワックス、キャンデリラワックス、木ロウ、ホホバ油等のような植物系ワックス;ミツロウのごとき動物系ワックス;モンタンワックス、オゾケライト、セレシン、パラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス、フィッシャートロプシュワックス等のような鉱物系、石油系のワックス、及びそれらの変性物などを挙げることができる。
これらの中でも潤滑剤としては、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸マグネシウム、二硫化モリブデン、グラファイトが好ましく、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸マグネシウムがより好ましく、ステアリン酸亜鉛がさらに好ましい。
これらの潤滑剤成分を用いて上記樹脂粒子で示したのと同様に、既存の機械的粉砕法、液状媒体中での乳化法又は分散法を用いることにより、潤滑剤粒子又は潤滑剤粒子分散液を調製することができる。
本発明に用いる無機粒子の材料としては、シリカ、アルミナ、酸化亜鉛、酸化セリウム、酸化鉄、チタン酸ストロンチウム、酸化チタン、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、リン酸三カルシウムなどを挙げることができる。
これらの中でも、シリカ、アルミナ、酸化亜鉛、酸化セリウム、酸化鉄、チタン酸ストロンチウム、酸化チタン、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、リン酸三カルシウム、が好ましく、シリカ、アルミナがより好ましく、シリカがさらに好ましい。
これらの無機粒子の材料を用いて上記樹脂粒子で示したのと同様に、既存の機械的粉砕法、液状媒体中での乳化法又は分散法を用いることにより、無機粒子又は無機粒子分散液を調製することができる。
上記の樹脂粒子、潤滑剤粒子又は無機粒子は、それぞれ上記のように調製することができるが、その粒子径は、1.0μm以下であるのが好ましく、0.8μm以下であることがより好ましく、0.6μm以下であることがさらに好ましい。
また、上記(i)樹脂粒子のみからなる凝集粒子、(ii)樹脂粒子並びに潤滑剤粒子及び/又は無機粒子を含む凝集粒子は、いずれの方法により作製したものでも良く、特に制限はないが、以下のような凝集製法により調製することができる。即ち、上記の各粒子を乾式に機械混合し凝集体を形成する方法、液状媒体中での電気的凝集法、高分子凝集剤等を用いての物理的凝集法などをその例として挙げることができる。
凝集製法としては、以下の方法が好ましい。即ち、下記の(i)又は(ii)の各粒子分散液を準備する工程
(i)樹脂粒子
(ii)樹脂粒子並びに潤滑剤粒子及び/又は無機粒子、
(i)樹脂粒子の分散液を撹拌するか、又は、(ii)を構成する各粒子の分散液を混合する工程、(i)樹脂粒子、又は、(ii)を構成する各粒子を凝集させて凝集粒子を形成する工程、及び、得られた凝集粒子をトナー粒子と混合して静電荷像現像用トナーを得る工程により凝集粒子を得ることが好ましい。具体的には、(i)凝集粒子分散液、(ii)-a)樹脂粒子分散液と潤滑剤粒子分散液、(ii)-b)樹脂粒子分散液と無機粒子分散液又は、(ii)-c)樹脂粒子分散液、潤滑剤粒子分散液及び無機粒子分散液のいずれかを調製し、各分散液を撹拌及び/又は混合する。次に、該撹拌物及び/又は該混合物を凝集させて凝集粒子を形成させる。このとき、必要に応じて加熱したり、pHを調製することができる。また、凝集粒子の形成後にこれらの処理を行うこともできる。
この場合、必要に応じて、凝集体の作製時又は作製後にその系を加熱することにより、樹脂粒子や潤滑剤粒子、又はこれらと無機粒子間との凝集力又は接着力が制御され、凝集粒子の解粉砕力に対する強度を調整することができる。
上記樹脂粒子のみからなる凝集粒子、及び、樹脂粒子並びに潤滑剤粒子及び/又は無機粒子を含む凝集粒子の調製法を、具体例を挙げて簡単に説明する。
樹脂粒子のみからなる凝集粒子を調製する場合には、樹脂粒子分散液を撹拌し、これを凝集させて凝集体を形成し、凝集粒子とする方法が挙げられる。
また、2種以上の粒子を有する凝集粒子を調製する場合には、各々の粒子を分散してなる分散液を混合して、混合粒子を形成し、該混合粒子を凝集させて混合粒子の凝集体を形成し、これを凝集粒子とする。なお、上述のように、凝集粒子が樹脂粒子又は潤滑剤粒子を含有する場合、上記凝集体を該樹脂粒子又は潤滑剤粒子のガラス転移点以上の温度に加熱して凝集体を融合することによって、凝集粒子を形成するのが好ましい。
本発明において、上記の(i)又は(ii)である凝集粒子は、画像形成装置内のクリーニング部材エッジ部においてシール剤として作用するため、その体積平均粒子径が0.5μm以上10μm以下である。好ましくは0.7〜5μmであり、より好ましくは1〜4μmである。
体積平均粒子径が0.5μm未満の場合、クリーニング部材による圧力でつぶれやすくなり、本発明の効果が失われる場合があり、一方、体積平均粒子径が10μmを超えると、現像器内等で粒子が飛散しやすく、画像形成装置内の汚染を引き起こし問題となる場合がある。
体積平均粒子径(D50)はレーザー回折式粒度分布測定装置等を用いて測定することができる。
また、本発明において、凝集粒子の平均体積粒子分布(GSDv)が1.0〜1.5であることが好ましく、GSDvが1.1〜1.4であることがより好ましい。
GSDvは、粒度分布を基にして分割された粒度範囲(チャネル)に対する体積について、それぞれ小径側から累積分布を描き、累積16%となる粒子径を体積D16v、累積84%となる粒子径を体積D84vと定義する。これらを用いて、平均体積粒子分布(GSDv)は、下記式により算出される。
平均体積粒子分布GSDv=(D84v/D16v0.5
GSDvが1.0〜1.5であると、クリーニング時の凝集粒子の挙動を制御しやすいので好ましい。
平均体積粒子分布GSDvはレーザー回折式粒度分布測定装置、コールターカウンターTA−II型(ベックマン−コールター社製)等を用いて測定することができる。
また、本発明において、凝集粒子は、形状係数が好ましくは130以上、より好ましくは135〜150、さらに好ましくは135〜145である。形状係数の値が上記範囲内であると、シール剤としての作用が充分に得られるので好ましい。なお、形状係数は、以下の式で表される。
Figure 2007156047
ここでMLは粒子の絶対最大長、Aは粒子の投影面積である。
これらは、主に顕微鏡画像又は走査電子顕微鏡画像をルーゼックス画像解析装置によって取り込み、解析することによって数値化される。
さらに、本発明において、凝集粒子は、着色剤を含まないことが好ましい。本発明において、凝集粒子の一部がトナー粒子と共に最終画像上に転写定着された場合であっても、それによって画像欠陥が生じるのを防止するために、凝集粒子が着色剤を含まないことが好ましい。
上述のように得られる凝集粒子を、後述するトナー粒子に一定比率で外添混合することにより、本発明の静電荷像現像用トナー、特に高画質特性とクリーニング特性を両立した静電荷像現像用トナーを調製することができる。
この場合、その比率は、トナー粒子と凝集粒子との合計を100重量部としたとき、凝集粒子が0.3重量部以上10重量部以下であることが好ましく、より好ましくは0.5〜5重量部であり、さらに好ましくは1〜3重量部である。
凝集粒子の外添量が0.3重量部以上であると、十分なクリーニング効果を得ることができるので好ましい。また、10重量部以下であると、静電荷像現像用トナーとしての良好な帯電特性及び流動特性が得られるので好ましい。
<トナー粒子>
本発明において、トナー粒子は、少なくとも結着樹脂及び着色剤を含有し、必要に応じて、本発明の結果に影響を与えない範囲で公知の添加剤を、1種又は複数を組み合わせて配合することができる。例えば、難燃剤、難燃助剤、光沢剤、防水剤、撥水剤、磁性体、無機充填剤(表面改質剤)、離型剤、酸化防止剤、可塑剤、界面活性剤、分散剤、滑剤、充填剤、体質顔料、結着剤、帯電制御剤等である。これらの添加物は、トナー粒子を製造するいずれにおいても配合することができる。
本発明のトナー粒子に含有される結着樹脂は、従来よりトナーに用いられている結着樹脂を用いることができ、特に制限されない。
具体的には、スチレン、パラクロロスチレン、α−メチルスチレン等のスチレン類;アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸n−プロピル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸ラウリル、アクリル酸2−エチルヘキシル等のアクリル系単量体;メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸n−プロピル、メタクリル酸ラウリル、メタクリル酸2−エチルヘキシル等のメタクリル系単量体;アクリル酸、メタクリル酸、スチレンスルフォン酸ナトリウム等のエチレン性不飽和酸単量体;アクリロニトリル、メタクリロニトリル等のビニルニトリル類;ビニルメチルエーテル、ビニルイソブチルエーテル等のビニルエーテル類;ビニルメチルケトン、ビニルエチルケトン、ビニルイソプロペニルケトン等のビニルケトン類;エチレン、プロピレン、ブタジエンなどのオレフィン類などの単量体などの単独重合体、それらの単量体を2種以上組み合せた共重合体、又はそれらの混合物、さらには、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリアミド樹脂、セルロース樹脂、ポリエーテル樹脂等、非ビニル縮合系樹脂、又は、それらと前記ビニル系樹脂との混合物、これらの共存下でビニル系単量体を重合して得られるグラフト重合体等を挙げることができる。
本発明のトナー粒子に用いる着色剤は、従来より公知の着色剤を用いることができ、特に制限されない。例えば、カーボンブラック、クロムイエロー、ハンザイエロー、ベンジジンイエロー、スレンイエロー、キノリンイエロー、パーマネントオレンジGTR、ピラゾロンオレンジ、バルカンオレンジ、ウオッチヤングレッド、パーマネントレッド、ブリリアンカーミン3B、ブリリアンカーミン6B、デイポンオイルレッド、ピラゾロンレッド、リソールレッド、ローダミンBレーキ、レーキレッドC、ローズベンガル、アニリンブルー、ウルトラマリンブルー、カルコオイルブルー、メチレンブルークロライド、フタロシアニンブルー、フタロシアニングリーン、マラカイトグリーンオクサレレートなどの種々の顔料や、アクリジン系、キサンテン系、アゾ系、ベンゾキノン系、アジン系、アントラキノン系、チオインジコ系、ジオキサジン系、チアジン系、アゾメチン系、インジコ系、チオインジコ系、フタロシアニン系、アニリンブラック系、ポリメチン系、トリフェニルメタン系、ジフェニルメタン系、チアジン系、チアゾール系、キサンテン系などの各種染料などを1種又は2種以上を併せて使用することができる。
また、上述のように、本発明のトナー粒子は、離型剤又は離型剤樹脂を含有することができる。この離型剤又は離型剤樹脂は、上記の結着樹脂成分の一部として添加してもよい。ここで用いる離型剤として、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン等の低分子量ポリオレフィン類;シリコーン類、オレイン酸アミド、エルカ酸アミド、リシノール酸アミド、ステアリン酸アミド等のような脂肪酸アミド類;カルナウバワックス、ライスワックス、キャンデリラワックス、木ロウ、ホホバ油等のような植物系ワックス;ミツロウのごとき動物系ワックス;モンタンワックス、オゾケライト、セレシン、パラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス、フィッシャートロプシュワックス等のような鉱物系、石油系のワックス、及びそれらの変性物などを挙げることができる。
これらのうちの少なくとも1種をトナー粒子内に含有するのが好ましい。
本発明のトナー粒子は、上記成分の他に、さまざまな特性を制御するために、種々の成分を含有することができる。例えば、磁性トナーとして用いる場合、磁性粉(例えばフェライトやマグネタイト)、還元鉄、コバルト、ニッケル、マンガン等の金属、合金又はこれら金属を含む化合物などを含有させることもできる。さらに必要に応じて、4級アンモニウム塩、ニグロシン系化合物やトリフェニルメタン系顔料など、通常使用される種々の帯電制御剤を含有してもよい。
上記のような成分を含有してなる本発明のトナー粒子は、その形状係数が125以下であることが好ましく、より好ましくは120以下であり、特に好ましくは118以下であり、且つその体積平均粒子径が1μm以上であることが好ましく、より好ましくは3〜8μmであり、さらに好ましくは4〜7μmである。形状係数が上記範囲にあると、得られる画質が所望の特性を有することができるので好ましい。また、体積平均粒子径の値が上記範囲内であると十分なクリーニング特性及び現像性が得られるので好ましい。
また、トナー粒子のGSDvは1.24以下であることが好ましく、1.15以上1.24以下であることがより好ましい。
なお、形状係数は、以下の式で表される。ここで、MLはトナー粒子の絶対最大長であり、Aはトナー粒子の投影面積である。
Figure 2007156047
これらは、主に顕微鏡画像又は走査電子顕微鏡画像をルーゼックス画像解析装置によって取り込み、解析することによって数値化される。
上記の条件を満たすトナー粒子を得る方法は、特に制限はなく、通常の粉砕法で得られた不定形状トナー粒子を機械的な衝撃力により上記条件を満たすように球形化する乾式の高速機械衝撃法;分散媒中での不定形状トナーの湿式溶融球形化法;懸濁重合、分散重合、乳化重合凝集法などの既知の重合法によるトナー作製法;などを用いることができる。
なお、このように得られたトナー粒子は、従来より公知の外添剤で処理してもよい。
〔静電荷像現像剤〕
本発明において、静電荷像現像トナーは、静電荷像現像剤として使用することができる。この現像剤は、この静電荷像現像トナーを含有することの外は特に制限はなく、目的に応じて適宜の成分組成をとることができる。静電荷像現像トナーを、単独で用いると一成分系の静電荷像現像剤として調製され、また、キャリアと組み合わせて用いると二成分系の静電荷像現像剤として調製される。
一成分系現像剤として、現像スリーブ又は帯電部材と摩擦帯電して、帯電トナーを形成して、静電潜像に応じて現像する方法も適用できる。
キャリアとしては、特に限定されないが、通常、鉄粉、フェライト、酸化鉄粉、ニッケル等の磁性体粒子;磁性体粒子を芯材としてその表面をスチレン系樹脂、ビニル系樹脂、エチレン系樹脂、ロジン系樹脂、ポリエステル系樹脂、メラミン系樹脂などの樹脂やステアリン酸等のワックスで被覆し、樹脂被覆層を形成させてなる樹脂被覆キャリア;結着樹脂中に磁性体粒子を分散させてなる磁性体分散型キャリア等が挙げられる。中でも、樹脂被覆キャリアは、トナーの帯電性やキャリア全体の抵抗を樹脂被覆層の構成により制御可能となるため特に好ましい。
二成分系の静電荷像現像剤における本発明のトナーとキャリアとの混合割合は、通常、キャリア100重量部に対して、トナー2〜10重量部である。また、現像剤の調製方法は、特に限定されないが、例えば、Vブレンダー等で混合する方法等が挙げられる。
〔画像形成方法〕
また、本発明の静電荷像現像用トナー及び静電荷像現像剤は、通常の静電荷像現像方式(電子写真方式)の画像形成方法に使用することができる。
本発明の画像形成方法は、潜像保持体表面に静電潜像を形成する潜像形成工程、該潜像保持体表面に形成された静電潜像をトナーを含む現像剤により現像してトナー像を形成する現像工程、該潜像保持体表面に形成されたトナー像を被転写体表面に転写する転写工程及び、該被転写体表面に転写されたトナー像を熱定着する定着工程を含む画像形成方法であって、該トナーとして本発明の静電荷像現像用トナー、又は、該現像剤として本発明の静電荷像現像剤を用いることを特徴とする。
上記の各工程は、いずれも画像形成方法において公知の工程が利用でき、例えば、特開昭56−40868号公報、特開昭49−91231号公報等に記載されている。また、本発明の画像形成方法は、上記した工程以外の工程を含むものであってもよく、例えば、静電潜像担持体上に残留する静電荷像現像剤を除去するクリーニング工程等が好ましく挙げられる。本発明の画像形成方法においては、さらにリサイクル工程をも含む態様が好ましい。前記リサイクル工程は、前記クリーニング工程において回収した静電荷像現像用トナーを現像剤層に移す工程である。このリサイクル工程を含む態様の画像形成方法は、トナーリサイクルシステムタイプのコピー機、ファクシミリ機等の画像形成装置を用いて実施することができる。
クリーニング工程としては、ブレード方式によるクリーニング工程とすることが特に好ましい。
前記潜像保持体としては、例えば、電子写真感光体及び誘電記録体等が使用できる。
電子写真感光体の場合、該電子写真感光体の表面を、コロトロン帯電器、接触帯電器等により一様に帯電した後、露光し、静電潜像を形成する(潜像形成工程)。次いで、表面に現像剤層を形成させた現像ロールと接触若しくは近接させて、静電潜像にトナーの粒子を付着させ、電子写真感光体上にトナー像を形成する(現像工程)。形成されたトナー像は、コロトロン帯電器等を利用して紙等の被転写体表面に転写される(転写工程)。さらに、被転写体表面に転写されたトナー像は、定着機により熱定着され(定着工程)、最終的なトナー像が形成される。
尚、前記定着機による熱定着の際には、オフセット等を防止するため、通常、前記定着機における定着部材に離型剤が供給されても良い。
以下、本発明を実施例により具体的に説明する。ただし、下記の実施例及び比較例によって本発明が限定されるものではない。なお、以下において特に断りのない限り、「部」は「重量部」を、「%」は「重量%」を表す。
<各種特性の測定方法>
まず、実施例、比較例で用いたトナー等の物性測定方法について説明する。
(体積平均粒子径及び平均体積粒子分布の測定方法)
本発明における体積平均粒子径及び平均体積粒子分布の測定は、測定装置としてコールターカウンターTA−II型(ベックマン−コールター社製)を用い、電解液はISOTON−II(ベックマン−コールター社製)を使用した。
測定法としては、分散剤として界面活性剤、好ましくはアルキルベンゼンスルホン酸ナトリウムの5%水溶液2ml中に、測定試料を0.5〜50mg加えた。これを前記電解液100〜150ml中に添加した。試料を懸濁した電解液は超音波分散器で1分間分散処理を行い、前記コールターカウンターTA−II型により、アパーチャー径として100μmアパーチャーを用いて2〜60μmの粒子の粒度分布を測定し、前述のようにして体積平均粒子径、平均体積粒子分布(GSDv)を求めた。測定する粒子数は50,000であった。
(樹脂の分子量、分子量分布測定方法)
本発明における重量平均分子量Mw及び数平均分子量Mnの値は、下記の測定法によって求めたものである。すなわち、ゲル・パーミュエーション・クロマトグラフィ(GPC)によって、以下に記す条件で重量平均分子量Mw及び数平均分子量Mnを測定した。
温度40℃において、溶媒(テトラヒドロフラン)を毎分1.2mlの流速で流し、濃度0.2g/20mlのテトラヒドロフラン試料溶液を試料質量として3mg注入し測定を行った。試料の分子量測定にあたっては、当該試料の有する分子量が数種の単分散ポリスチレン標準試料により、作製された検量線の分子量の対数とカウント数が直線となる範囲内に包含される測定条件を選択する。
なお、測定結果の信頼性は、上述の測定条件で行ったNBS706ポリスチレン標準試料が、重量平均分子量Mw=28.8×104、数平均分子量Mn=13.7×104となることにより確認することができる。また、用いるGPCのカラムとしては、前記条件を満足するものであるならばいかなるカラムを採用してもよい。具体的には、例えばTSK−GEL、GMH(東ソー社製)等を用いることができる。また、溶媒及び測定温度は記載した条件に限定されるものではなく適当な条件に変更してもよい。
(樹脂の融点、ガラス転移点の測定方法)
非晶性樹脂のガラス転移点(Tg)及び結晶性樹脂の融点(Tm)は、示差走査熱量計(島津製作所製:DSC50)を用い、室温から150℃まで昇温速度10℃/分の条件下で測定することにより求めた。なお、ガラス転移点は吸熱部におけるベースラインと立ち上がりラインとの延長線の交点の温度とし、融点は吸熱ピークの頂点の温度とした。
<樹脂粒子分散液の作製>
下記のようにして、樹脂粒子分散液を作製した。
(樹脂粒子分散液A−1)
ドデシルベンゼンスルホン酸 36重量部
イオン交換水 1,000重量部
上記を混合して均一液を調製した。
1,9−ノナンジオール 80重量部
1,10−デカメチレンジカルボン酸 115重量部
上記を混合し、140℃に加熱して融解し、5分保持後、上記のドデシルベンゼンスルホン酸水溶液に投入し、ホモジナイザー(IKA社製、ウルトラタラックスT50)で5分間乳化した後、さらに超音波バス中で5分乳化し、乳化物を撹拌しながらフラスコ中で80℃に維持し、10時間保持した。
これにより、粒子の体積平均粒子径が600nm、融点が69℃、重量平均分子量が8,000、固形分量が18%の結晶性ポリエステル樹脂粒子が分散した樹脂粒子分散液A−1を得た。尚、ポリエステル樹脂の吸熱ピークの半値幅は3℃であった。
(樹脂粒子分散液A−2)
ドデシルベンゼンスルホン酸 36重量部
イオン交換水 1,000重量部
上記を混合して均一液を調製した。
1,6−ヘキサンジオール 59重量部
セバシン酸 101重量部
上記を混合し、140℃に加熱して融解し、5分保持後、上記のドデシルベンゼンスルホン酸水溶液に投入し、ホモジナイザー(IKA社製、ウルトラタラックスT50)で5分間乳化した後、さらに超音波バス中で5分乳化後乳化物を撹拌しながらフラスコ中で90℃に維持し、10時間保持した。
これにより、粒子の体積平均粒子径が400nm、融点が71℃、重量平均分子量が5,950、固形分量が16%の結晶性ポリエステル粒子が分散した樹脂粒子分散液A−2を得た。尚、ポリエステル樹脂の吸熱ピークの半値幅は3.6℃であった。
(樹脂粒子分散液A−3)
ビスフェノールAエチレンオキサイド1モル付加物 50重量部
(両末端換算2モル付加物)
シクロヘキサンジカルボン酸 50重量部
ドデシルベンゼンスルホン酸 0.2重量部
上記を混合し、140℃に加熱し融解し16時間重縮合をおこなった。その後、アニオン性界面活性剤(第一工業製薬社製、ネオゲンR)12重量部をイオン交換水550重量部に投入して、ホモジナイザー(IKA社製、ウルトラタラックスT50)で5分間乳化した後、さらに超音波バス中で5分乳化した。
これにより、粒子の体積平均粒子径が800nm、ガラス転移点が69℃、重量平均分子量が8,000、固形分量が18%の非結晶性ポリエステル粒子が分散した樹脂粒子分散液A−3を得た。尚、ポリエステル樹脂の吸熱ピークは明確に認められなかった。
(樹脂粒子分散液B−1)
下記成分を混合した溶液を用意した。
スチレン 370重量部
n−ブチルアクリレート 30重量部
アクリル酸 6重量部
ドデカンチオール 24重量部
四臭化炭素 4重量部
この溶液434重量部と、非イオン性界面活性剤(三洋化成社製、ノニポール400)6重量部、及びアニオン性界面活性剤(第一製薬社製、ネオゲンR)10重量部をイオン交換水550重量部に溶解した溶液をフラスコ中に入れて分散、乳化し、10分間ゆっくりと撹拌・混合しながら、過硫酸アンモニウム4重量部を溶解したイオン交換水50重量部を投入した。その後、フラスコ内を窒素で充分に置換してから撹拌しながらオイルバスで系内が70℃になるまで加熱し、5時間そのまま乳化重合を継続し、樹脂粒子分散液B−1を得た。
樹脂粒子分散液B−1で得られたラテックスは、レーザー回折式粒度分布測定装置(堀場製作所製、LA−700)で樹脂粒子の体積平均粒子径(D50)を測定したところ155nmであり、示差走査熱量計(島津制作所社製、DSC−50)を用いて昇温速度10℃/minで樹脂のガラス転移点を測定したところ59℃であり、分子量測定器(東ソー社製、HLC−8020)を用い、THFを溶媒として重量平均分子量(ポリスチレン換算)を測定したところ13,000であった。
(樹脂粒子分散液B−2)
下記成分を混合した溶液を用意した。
スチレン 280重量部
n−ブチルアクリレート 120重量部
アクリル酸 8重量部
上記溶液408重量部と、非イオン性界面活性剤(三洋化成社製、ノニポール400)6重量部、及びアニオン性界面活性剤(第一工業製薬社製、ネオゲンR)12重量部をイオン交換水550重量部に溶解した溶液とをフラスコ中に入れて分散、乳化し、10分間ゆっくりと撹拌・混合しながら、過硫酸アンモニウム3重量部を溶解したイオン交換水50重量部を投入した。その後、フラスコ内を窒素で充分に置換してから撹拌しながらオイルバスで系内が70℃になるまで加熱し、5時間そのまま乳化重合を継続して、樹脂粒子分散液B−2を得た。得られたラテックスは、レーザー回折式粒度分布測定装置(堀場製作所製、LA−700)で樹脂粒子の体積平均粒子径(D50)を測定したところ148nmであり、示差走査熱量計(島津制作所社製、DSC−50)を用いて昇温速度10℃/minで樹脂のガラス転移点を測定したところ60℃であり、分子量測定器(東ソー社製、HLC−8020)を用い、THFを溶媒として重量平均分子量(ポリスチレン換算)を測定したところ12,000であった。
(潤滑剤粒子分散液C−1の調製)
下記成分をホモジナイザー(IKA社製、ウルトラタラックスT50)で95℃に加熱しながら十分に分散した後、圧力吐出型ホモジナイザーに移して分散処理を行い、潤滑剤粒子の体積平均粒子径(D50)が400nmの潤滑剤粒子分散液C−1を得た。
ステアリン酸亜鉛 50重量部
アニオン性界面活性剤 5重量部
(第一工業製薬社製、ネオゲンR)
イオン交換水 200重量部
(無機粒子分散液D−1の調製)
下記成分をホモジナイザー(IKA社製、ウルトラタラックスT50)で10分間分散し、さらに超音波ホモジナイザーで分散し、シリカ粒子の体積平均粒子径(D50)が150nmである無機粒子(シリカ粒子)分散液D−1を得た。
シリカ(日本アエロジル製R972) 50重量部
アニオン性界面活性剤(第一工業製薬社製、ネオゲンR) 5重量部
イオン交換水 200重量部
(離型剤粒子分散液E−1)
下記成分をホモジナイザー(IKA社製、ウルトラタラックスT50)で95℃に加熱しながら十分に分散した後、圧力吐出型ホモジナイザーに移して分散処理を行い、離型剤粒子の体積平均粒子径(D50)が550nmの離型剤粒子分散液E−1を得た。
パラフィンワックス 50重量部
(日本精蝋社製、HNP0190、融点85℃)
カチオン性界面活性剤 5重量部
(花王社製、サニゾールB50)
イオン交換水 200重量部
(顔料分散液F−1)
下記成分をホモジナイザー(IKA社製、ウルトラタラックスT50)で10分間分散し、さらに超音波ホモジナイザーで分散し、体積平均粒子径(D50)150nmの青色顔料分散液F−1を得た。
フタロシアニン顔料 50重量部
(BASF社製、PB−FAST BLUE)
アニオン性界面活性剤 5重量部
(第一工業製薬社製、ネオゲンR)
イオン交換水 200重量部
(トナー粒子X−1の調製)
下記成分を丸型ステンレス製フラスコ中に入れてホモジナイザー(IKA社製、ウルトラタラックスT50)で十分に混合・分散した後、フラスコ内の内容物を撹拌しながら加熱用オイルバスで50℃まで加熱し、その温度で30分間保持した後、さらに加熱用オイルバスの温度を55℃まで上げてその温度で1時間保持して凝集トナー粒子X−1の粒子径及びその粒子径分布を調整した。
樹脂粒子分散液B−1 120重量部
樹脂粒子分散液B−2 80重量部
離型剤分散液E−1 40重量部
顔料分散液F−1 11.3重量部
カチオン性界面活性剤 0.5重量部
(花王社製、サニゾールB50)
トナー粒子X−1の体積平均粒子径(D50)をコールターカウンター(ベックマン−コールター社製、TAII型)を用いて測定したところ、5.0μmであり、平均体積粒子分布(GSDv)は1.21であった。
この凝集トナー粒子分散液にアニオン性界面活性剤(第一工業製薬社製、ネオゲンR)3gを添加し、粒子の凝集を止め、凝集トナー粒子を安定化した後、ステンレス製フラスコを密閉し、磁力シールを用いて撹拌を継続しながら93℃まで加熱し、5時間保持して凝集トナー粒子を融合させて、その形状及び形状分布を調整した。融合トナー粒子の体積平均粒子径(D50)をコールターカウンター(日科機社製、TAII)を用いて測定したところ、5.0μmであり、平均体積粒子分布(GSDv)は1.21であった。
この融合トナー粒子を冷却した後、ろ過し、pH10のイオン交換水で充分洗浄し、さらにpH6.5のイオン交換水で充分洗浄後、凍結乾燥機で乾燥してトナー粒子X−1を得た。トナー粒子の体積平均粒子径(D50)をコールターカウンター(日科機社製、TAII)を用いて測定したところ、5.0μmであり、平均体積粒子分布(GSDv)は1.21であった。また、形状係数は123であった。
<実施例1>
(不定形状凝集粒子Y−1の調製)
樹脂粒子分散液A−1を200重量部と、上記潤滑剤粒子分散液C−1を450重量部とを、カチオン性界面活性剤(花王社製、サニゾールB50)0.5重量部、ポリ塩化アルミニウム 0.15重量部と共に丸型ステンレス製フラスコ中でホモジナイザー(IKA社製、ウルトラタラックスT50)で十分に混合・分散した後、加熱用オイルバスでフラスコを撹拌しながら42℃まで加熱し、42℃で60分間保持した。
その後、0.5モル/リットルの水酸化ナトリウム水溶液で系内のpHを6.0に調整した後、撹拌を継続しながら95℃まで加熱した。
70℃までの昇温の間、通常の場合、系内のpHは、5.0以下まで低下するが、ここでは水酸化ナトリウム水溶液を追加滴下し、pHが5.5以下とならない様に保持した。
反応終了後、冷却し、濾過し、イオン交換水で十分に洗浄した後、ヌッチェ式吸引濾過で固液分離した。そして、40℃のイオン交換水3リットル中に再分散し、15分、300rpmで撹拌、洗浄した。この洗浄操作を5回繰り返し、ヌッチェ式吸引濾過で固液分離し、次いで、真空乾燥を12時間行い粒子Y−1を得た。この粒子Y−1の体積平均粒子径(D50)をコールターカウンターを用いて測定したところ、2.8μmであり、平均体積粒子分布(GSDv)は1.30であった。また、形状係数は145であった。
(現像剤Z−1の調製)
不定形状凝集粒子Y−1を3重量部と、トナー粒子X−1を97.4重量部とを、サンプルミルで混合し、静電荷像現像用トナーを得た。さらに、このトナーとキャリアとを、該トナー濃度が5%になるように、混合した。ここで、用いたキャリアは、ポリメチルメタクリレート(綜研化学社製)を1%コートした平均粒子径50μmのフェライトキャリアであった。混合物をボールミルで5分間撹拌・混合して現像剤Z−1を調製した。この現像剤Z−1を用いて行った画質特性評価の結果を、表1に示す。
<実施例2>
(不定形状凝集粒子Y−2の調製)
上記実施例1で用いた潤滑剤粒子分散液C−1の代わりに、上記で調製した無機粒子分散液D−1を450重量部用いた以外は、実施例1と同様に行い、最終体積平均粒子径(D50)が4.6μmであり、平均体積粒子分布(GSDv)が1.31であり、形状係数が145である不定形状凝集粒子Y−2を得た。
(現像剤Z−2の調製)
不定形状凝集粒子Y−2を3重量部と、トナー粒子X−1を97.4重量部とを、サンプルミルで混合し、静電荷像現像用トナーを得た。さらに、このトナーとキャリアとを、該トナー濃度が5%になるように、現像剤Z−1で用いたキャリアを混合した。混合物をボールミルで5分間撹拌・混合して現像剤Z−2を調製した。この現像剤Z−2を用いて行った画質特性評価の結果を、表1に示す。
<実施例3>
(不定形状凝集粒子Y−3の調製)
上記実施例1で用いた潤滑剤粒子分散液C−1の代わりに、潤滑剤粒子分散液C−1225重量部と、上記で調製した無機粒子分散液D−1225重量部用い、実施例1と同様に行い、最終体積平均粒子径(D50)が2.8μmであり、平均体積粒子分布(GSDv)が1.31であり、形状係数が138である不定形状凝集粒子Y−3を得た。
(現像剤Z−3の調製)
さらにこの不定形状凝集粒子Y−3を3重量部と、トナー粒子X−1を97.4重量部とを、サンプルミルで混合し、静電荷像現像用トナーを得た。さらに、このトナーとキャリアとを、該トナー濃度が5%になるように、現像剤Z−1で用いたキャリアを混合した。混合物をボールミルで5分間撹拌・混合して現像剤Z−3を調製した。この現像剤Z−3を用いて行った画質特性評価の結果を、表1に示す。
<実施例4>
(不定形状凝集粒子Y−4の調製)
上記実施例1で用いた樹脂粒子分散液A−1をA−2 200重量部に変えた以外は、実施例1と同様に行い、最終体積平均粒子径(D50)が3.8μmであり、平均体積粒子分布(GSDv)が1.31であり、形状係数が135である不定形状凝集粒子Y−4を得た。
(現像剤Z−4の調製)
さらにこの不定形状凝集粒子Y−4を3重量部と、トナー粒子X−1を97.4重量部とを、サンプルミルで混合し、静電荷像現像用トナーを得た。さらに、このトナーとキャリアとを、該トナー濃度が5%になるように、現像剤Z−1で用いたキャリアを混合した。混合物をボールミルで5分間撹拌・混合して現像剤Z−4を調製した。この現像剤Z−4を用いて行った画質特性評価の結果を、表1に示す。
<実施例5>
(不定形状凝集粒子Y−5の調製)
上記実施例1で用いた樹脂粒子分散液A−1をA−3 200重量部に変えた以外は、実施例1と同様に行い、最終体積平均粒子径(D50)が3.9μmであり、平均体積粒子分布(GSDv)が1.31であり、形状係数が145である不定形状凝集粒子Y−5を得た。
(現像剤Z−5の調製)
さらにこの不定形状凝集粒子Y−5を3重量部と、トナー粒子X−1を97.4重量部とを、サンプルミルで混合し、静電荷像現像用トナーを得た。さらに、このトナーとキャリアとを、該トナー濃度が5%になるように、現像剤Z−1で用いたキャリアを混合した。混合物をボールミルで5分間撹拌・混合して現像剤Z−5を調製した。この現像剤Z−5を用いて行った画質特性評価の結果を、表1に示す。
<実施例6>
(不定形状凝集粒子Y−6の調製)
上記実施例1で用いた樹脂粒子分散液A−1及び潤滑剤粒子分散液C−1を樹脂粒子分散液A−3 200重量部に変えた以外は、実施例1と同様に行い、最終体積平均粒子径(D50)が3.5μmであり、平均体積粒子分布(GSDv)が1.30であり、形状係数が135である不定形状凝集粒子Y−6を得た。
(現像剤Z−6の調製)
さらにこの不定形状凝集粒子Y−6を3重量部と、トナー粒子X−1を97.4重量部とを、サンプルミルで混合し、静電荷像現像用トナーを得た。さらに、このトナーとキャリアとを、該トナー濃度が5%になるように、現像剤Z−1で用いたキャリアを混合した。混合物をボールミルで5分間撹拌・混合して現像剤Z−6を調製した。この現像剤Z−6を用いて行った画質特性評価の結果を、表1に示す。
<比較例1>
(現像剤Z−7の調製)
トナー粒子X−1 100重量部に対し、疎水性シリカ(キャボット社製、TS720)を0.43重量部添加してサンプルミルで混合して添加した。そして、現像剤Z−1で用いたキャリアをトナー濃度が5%になるように上記の外添トナーを秤量し、ボールミルで5分間撹拌・混合して現像剤Z−7を調製した。
この現像剤Z−6を用いて行った画質特性評価の結果を、表1に示す。
<比較例2>
(不定形状凝集粒子Y−7の調製)
上記実施例1で用いた最終加熱温度を95℃に変えた以外は、実施例1と同様に行い、最終体積平均粒子径(D50)が10.5μmであり、平均体積粒子分布(GSDv)が1.45であり、形状係数が141である不定形状凝集粒子Y−7を得た。
(現像剤Z−8の調製)
さらにこの不定形状凝集粒子Y−7を3重量部と、トナー粒子X−1を97.4重量部とを、サンプルミルで混合し、静電荷像現像用トナーを得た。さらに、このトナーとキャリアとを、該トナー濃度が5%になるように、現像剤Z−1で用いたキャリアを混合した。混合物をボールミルで5分間撹拌・混合して現像剤Z−8を調製した。この現像剤Z−8を用いて行った画質特性評価の結果を、表1に示す。
<比較例3>
(不定形状凝集粒子Y−8の調製)
上記実施例1で用いた樹脂粒子分散液A−1を樹脂粒子分散液B−2 200重量部に変えた以外は、実施例1と同様に行い、最終体積平均粒子径(D50)が2.8μmであり、平均体積粒子分布(GSDv)が1.40であり、形状係数が135である不定形状凝集粒子Y−8を得た。
(現像剤Z−9の調製)
さらにこの不定形状凝集粒子Y−8を3重量部と、トナー粒子X−1を97.4重量部とを、サンプルミルで混合し、静電荷像現像用トナーを得た。さらに、このトナーとキャリアとを、該トナー濃度が5%になるように、現像剤Z−1で用いたキャリアを混合した。混合物をボールミルで5分間撹拌・混合して現像剤Z−9を調製した。この現像剤Z−9を用いて行った画質特性評価の結果を、表1に示す。
実施例及び比較例で作製した静電荷像現像用トナー又は静電荷像現像剤を使用して、以下の評価を行った。
尚、本実施例において使用したキャリアは、以下のようにして作製した。
具体的には、フェライト粒子(パウダーテック社製、平均粒子径50μm)100部とメタクリレート樹脂(三菱レイヨン社製、分子量95,000)1部とを、トルエン500部と共に加圧式ニーダーに入れ、常温で15分間混合した後、減圧混合しながら70℃まで昇温し、トルエンを留去した後、冷却し、105μmの篩を用いて篩分することにより、フェライトキャリア(樹脂被覆キャリア)を作製した。
Z−1からZ−9までの現像剤を、DocuCentre Color500改造機(富士ゼロックス(株)製)の現像機にセットし、以下の評価を行った。
<画像評価>
[長期画像安定性の評価]
上記で調製された現像剤(Z−1〜Z−9)を用い、温度30℃及び湿度80%の環境下で、前述のDocuCentre Color500(富士ゼロックス(株)製)改造機によって長期画像安定性の評価を行った。本評価は条件として、クリーニングブレード(ウレタン製ブレード)の線圧設定:10g/mmと20g/mmの2条件でそれぞれ連続出力実験をおこなった。
方法はトナーの載り量を4.5g/m2〜5.0g/m2に調整して、5,000枚出力し、その後面積率5%の画像を出力して線状又はすじ状の画質欠陥の有無を確認した。なお出力に用いた用紙は富士ゼロックス(株)製A3Jコート紙であった。その後更に5,000枚を出力し同様の評価を行った。すなわち画像評価は5,000枚及び10,000枚で行った。以下の基準を用いて評価した。
◎:10,000枚まで画質欠陥なし
○:10,000で僅かに画像欠陥発生(実用上問題なし)
△:10,000枚で画像欠陥がはっきりわかる。
×:5,000枚で画質欠陥発生したため評価を終了。
なお◎〜△は、5,000枚で画像欠陥はない。
[感光体摩耗の評価]
また、10,000枚出力終了後、感光体の磨耗度を測定して以下の評価基準を設けて評価した。具体的には、感光体の摩耗度は以下のようにして測定した。
感光体の表面の磨耗度を測定は、大塚電子社製反射分光計MCPD−2000を用いて測定した。評価前及び評価後の反射スペクトルを測定し、該反射スペクトル及び表面層材料の屈折率等から算出した表面層厚の差によって求めた。なお磨耗の評価は10,000枚出力後の感光体であった。
○:0.8μm以下
△:0.8μm以上1.2μm以下
×:1.2μm以上
以下に本実施例で使用した静電荷像現像用トナーの評価結果を示す。
Figure 2007156047

Claims (4)

  1. 結着樹脂及び着色剤を含有するトナー粒子に凝集粒子を外添してなる静電荷像現像用トナーであって、
    該凝集粒子が以下の(i)又は(ii)であり、
    (i)樹脂粒子のみからなる凝集粒子
    (ii)樹脂粒子並びに潤滑剤粒子及び/又は無機粒子を含む凝集粒子
    該樹脂粒子がスルホン酸化合物を含有するポリエステル樹脂であり、
    該凝集粒子の体積平均粒子径が0.5μm以上10μm以下であることを特徴とする
    静電荷像現像用トナー。
  2. 下記の(i)又は(ii)の各粒子分散液を準備する工程
    (i)樹脂粒子
    (ii)樹脂粒子並びに潤滑剤粒子及び/又は無機粒子、
    (i)樹脂粒子の分散液を撹拌するか、又は、(ii)を構成する各粒子の分散液を混合する工程、
    (i)樹脂粒子、又は、(ii)を構成する各粒子を凝集させて凝集粒子を形成する工程、及び、
    得られた凝集粒子をトナー粒子と混合して静電荷像現像用トナーを得る工程を含み、
    該樹脂粒子はスルホン酸化合物を含有するポリエステル樹脂であり、
    凝集粒子の体積平均粒子径が0.5μm以上10μm以下であることを特徴とする
    静電荷像現像用トナーの製造方法。
  3. 請求項1に記載の静電荷像現像用トナーとキャリアとを含む静電荷像現像剤。
  4. 潜像保持体表面に静電潜像を形成する潜像形成工程、
    該潜像保持体表面に形成された静電潜像をトナー又は静電荷像現像剤により現像してトナー像を形成する現像工程、
    該潜像保持体表面に形成されたトナー像を被転写体表面に転写する転写工程及び、
    該被転写体表面に転写されたトナー像を熱定着する定着工程
    を含む画像形成方法であって、
    該トナーとして請求項1に記載の静電荷像現像用トナー、又は、該静電荷像現像剤として請求項3に記載の静電荷像現像剤を用いることを特徴とする画像形成方法。
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