JP4600273B2 - 静電荷像現像トナー用結着樹脂、静電荷像現像トナー用結着樹脂分散液及び、静電荷像現像トナー並びにそれらの製造方法 - Google Patents

静電荷像現像トナー用結着樹脂、静電荷像現像トナー用結着樹脂分散液及び、静電荷像現像トナー並びにそれらの製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP4600273B2
JP4600273B2 JP2005371726A JP2005371726A JP4600273B2 JP 4600273 B2 JP4600273 B2 JP 4600273B2 JP 2005371726 A JP2005371726 A JP 2005371726A JP 2005371726 A JP2005371726 A JP 2005371726A JP 4600273 B2 JP4600273 B2 JP 4600273B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
toner
resin
acid
binder resin
developing toner
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2005371726A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2007171757A (ja
Inventor
史明 目羅
弘高 松岡
智 平岡
有希 佐々木
保雄 松村
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Fujifilm Business Innovation Corp
Original Assignee
Fuji Xerox Co Ltd
Fujifilm Business Innovation Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Fuji Xerox Co Ltd, Fujifilm Business Innovation Corp filed Critical Fuji Xerox Co Ltd
Priority to JP2005371726A priority Critical patent/JP4600273B2/ja
Priority to US11/445,230 priority patent/US7524603B2/en
Priority to CNA2006101467045A priority patent/CN1991599A/zh
Publication of JP2007171757A publication Critical patent/JP2007171757A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4600273B2 publication Critical patent/JP4600273B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Classifications

    • GPHYSICS
    • G03PHOTOGRAPHY; CINEMATOGRAPHY; ANALOGOUS TECHNIQUES USING WAVES OTHER THAN OPTICAL WAVES; ELECTROGRAPHY; HOLOGRAPHY
    • G03GELECTROGRAPHY; ELECTROPHOTOGRAPHY; MAGNETOGRAPHY
    • G03G9/00Developers
    • G03G9/08Developers with toner particles
    • G03G9/087Binders for toner particles
    • G03G9/08742Binders for toner particles comprising macromolecular compounds obtained otherwise than by reactions only involving carbon-to-carbon unsaturated bonds
    • G03G9/08755Polyesters
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C08ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
    • C08GMACROMOLECULAR COMPOUNDS OBTAINED OTHERWISE THAN BY REACTIONS ONLY INVOLVING UNSATURATED CARBON-TO-CARBON BONDS
    • C08G63/00Macromolecular compounds obtained by reactions forming a carboxylic ester link in the main chain of the macromolecule
    • C08G63/66Polyesters containing oxygen in the form of ether groups
    • C08G63/668Polyesters containing oxygen in the form of ether groups derived from polycarboxylic acids and polyhydroxy compounds
    • C08G63/672Dicarboxylic acids and dihydroxy compounds
    • GPHYSICS
    • G03PHOTOGRAPHY; CINEMATOGRAPHY; ANALOGOUS TECHNIQUES USING WAVES OTHER THAN OPTICAL WAVES; ELECTROGRAPHY; HOLOGRAPHY
    • G03GELECTROGRAPHY; ELECTROPHOTOGRAPHY; MAGNETOGRAPHY
    • G03G9/00Developers
    • G03G9/08Developers with toner particles
    • G03G9/0802Preparation methods
    • G03G9/0804Preparation methods whereby the components are brought together in a liquid dispersing medium
    • GPHYSICS
    • G03PHOTOGRAPHY; CINEMATOGRAPHY; ANALOGOUS TECHNIQUES USING WAVES OTHER THAN OPTICAL WAVES; ELECTROGRAPHY; HOLOGRAPHY
    • G03GELECTROGRAPHY; ELECTROPHOTOGRAPHY; MAGNETOGRAPHY
    • G03G9/00Developers
    • G03G9/08Developers with toner particles
    • G03G9/0802Preparation methods
    • G03G9/0808Preparation methods by dry mixing the toner components in solid or softened state
    • GPHYSICS
    • G03PHOTOGRAPHY; CINEMATOGRAPHY; ANALOGOUS TECHNIQUES USING WAVES OTHER THAN OPTICAL WAVES; ELECTROGRAPHY; HOLOGRAPHY
    • G03GELECTROGRAPHY; ELECTROPHOTOGRAPHY; MAGNETOGRAPHY
    • G03G9/00Developers
    • G03G9/08Developers with toner particles
    • G03G9/0819Developers with toner particles characterised by the dimensions of the particles
    • GPHYSICS
    • G03PHOTOGRAPHY; CINEMATOGRAPHY; ANALOGOUS TECHNIQUES USING WAVES OTHER THAN OPTICAL WAVES; ELECTROGRAPHY; HOLOGRAPHY
    • G03GELECTROGRAPHY; ELECTROPHOTOGRAPHY; MAGNETOGRAPHY
    • G03G9/00Developers
    • G03G9/08Developers with toner particles
    • G03G9/0827Developers with toner particles characterised by their shape, e.g. degree of sphericity
    • GPHYSICS
    • G03PHOTOGRAPHY; CINEMATOGRAPHY; ANALOGOUS TECHNIQUES USING WAVES OTHER THAN OPTICAL WAVES; ELECTROGRAPHY; HOLOGRAPHY
    • G03GELECTROGRAPHY; ELECTROPHOTOGRAPHY; MAGNETOGRAPHY
    • G03G9/00Developers
    • G03G9/08Developers with toner particles
    • G03G9/087Binders for toner particles
    • G03G9/08784Macromolecular material not specially provided for in a single one of groups G03G9/08702 - G03G9/08775
    • G03G9/08795Macromolecular material not specially provided for in a single one of groups G03G9/08702 - G03G9/08775 characterised by their chemical properties, e.g. acidity, molecular weight, sensitivity to reactants
    • GPHYSICS
    • G03PHOTOGRAPHY; CINEMATOGRAPHY; ANALOGOUS TECHNIQUES USING WAVES OTHER THAN OPTICAL WAVES; ELECTROGRAPHY; HOLOGRAPHY
    • G03GELECTROGRAPHY; ELECTROPHOTOGRAPHY; MAGNETOGRAPHY
    • G03G9/00Developers
    • G03G9/08Developers with toner particles
    • G03G9/087Binders for toner particles
    • G03G9/08784Macromolecular material not specially provided for in a single one of groups G03G9/08702 - G03G9/08775
    • G03G9/08797Macromolecular material not specially provided for in a single one of groups G03G9/08702 - G03G9/08775 characterised by their physical properties, e.g. viscosity, solubility, melting temperature, softening temperature, glass transition temperature

Description

本発明は、電子写真法又は静電記録法等により形成される静電潜像を現像剤により現像する際に用いられる静電荷像現像トナー用結着樹脂及び該結着樹脂を混練粉砕して製造される静電荷像現像トナーに関する。さらに、該結着樹脂より製造される静電荷像現像トナー用結着樹脂分散液及び、これを用いて製造される静電荷像現像トナーに関する。また、本発明は、前記静電荷像現像トナーを用いた静電荷像現像剤、及び、画像形成方法に関する。
近年、デジタル化技術の急速な普及により、一般家庭、オフィス、パブリッシング領域のユーザーにおけるプリント、コピーなどのアウトプットにおける高画質化が要求されているが、その一方で、持続可能な社会の実現に向け、企業活動及び、その活動の成果である製品に対する低エネルギー、省エネルギー化要求が高まっている。そこで、電子写真法又は静電記録法等による画像形成法においても、多くのエネルギーを消費する定着工程の省電力化や、その材料を使用して製品を製造する工程の低環境負荷活動を実施することが必要となっている。前者に対応する対策としては、トナーの定着温度をより低温化させる等の対策を挙げることができる。トナー定着温度を低温化させることにより、省電力化に加え、電源入力時の定着部材表面の定着可能温度までの待ち時間、いわゆるウォームアップタイムの短時間化、定着部材の長寿命化が可能である。
ところで、トナーの結着樹脂としては、従来よりビニル系重合体が広く使用されており、非オフセット性を得るために高分子量の重合体の使用が提案されているが、高分子量のビニル系重合体はその軟化点が高いため、優れた光沢性を備えた定着像を得るためには、ヒートローラの温度を高く設定する必要があり、省エネルギーに逆行することになる。また、ビニル系重合体を使用したトナーは、可塑化された塩化ビニルの可塑剤に侵され易く、可塑剤と接触してトナー自体が可塑化され、粘着性を帯びるようになり、可塑化された塩化ビニル製品を汚染するという問題(以下、耐塩化ビニル特性という)がある。
これに対し、ポリエステル樹脂は、耐塩化ビニル特性に優れ、また、低分子量のものを比較的容易に製造できる。さらに、ビニル系重合体を結着樹脂として配合したトナーに比べて、ポリエステル樹脂を結着樹脂として配合したトナーは、溶融したときの転写紙等の支持体への濡れが良く、ほぼ等しい軟化点を有するビニル系重合体を使用した場合に比べて、より低い温度で十分な定着を行える利点もあることから、ポリエステル樹脂が省エネルギートナーの結着樹脂として多く使用されている。
特許文献1においても、結着樹脂としてテレフタル酸/ビスフェノールAエチレンオキサイド付加物/シクロヘキサンジメタノールから得たポリエステル、例えば数平均分子量3,000〜3,600、重量平均分子量8,700〜9,500、軟化点100〜125℃、ガラス転移温度55〜68℃が使用されているが、このポリエステルは、材料の特性に起因する高強度により製造安定性に優れ、定着強度も優れているが、トナー製造時における粉砕性に問題がある。
このように、ポリエステル結着樹脂としては、主としてテレフタル酸、イソフタル酸等の芳香族多価カルボン酸と、フマル酸、マレイン酸等の脂肪族不飽和カルボン酸類と、ビスフェノール構造を有するジオール類、脂肪族ジオール、シクロヘキサンジメタノール等の脂環族ジオールの重縮合により得られる非結晶性ポリエステル樹脂が従来使用されており、特許提案も多数なされている。また、シクロヘキサンジカルボン酸のような脂環族ジカルボン酸に関する検討も実施されてきている。
例えば、特許文献2及び特許文献3には多価カルボン酸成分としてシクロヘキセンジカルボン酸(シクロヘキシレンジカルボン酸)の無水物ないしシクロヘキサンジカルボン酸無水物と、ビスフェノール構造を有する多価アルコールから常圧重合法により得られるポリエステル樹脂を用いた電子写真用トナー組成物に関する提案がある。この発明は、ポリエステル樹脂のガラス転移温度を高め、トナーの保存安定性を改善することを目的としているが、この製法では脂環族多価カルボン酸を用いた場合、常圧重合法においては、分子量を上げることが困難で、低分子量の樹脂しか得ることができず、かえって保存安定性を損なう場合がある。
また、特許文献4には、シクロヘキサンジカルボン酸を5%以上含有する多価カルボン酸類と、主として脂肪族ジオール又は脂環族ジオールからなり芳香族多価アルコールの含有量が5モル%以下である多価アルコール類との重縮合によって得られる、ガラス転移温度が50℃以上のポリエステル樹脂を主構成成分として含有することを特徴とする静電荷像現像トナーが提案されており、この組み合わせにより、熱定着時のオフセット現象を回避し、高品位の画像を得ることができるとされている。
同様に、特許文献5には、透明性の改善を目的として、多価アルコールが少なくともシクロヘキサン骨格を有する水素化ビスフェノールからなることを特徴とするポリエステル樹脂が提案されている。
また、特許文献6には、耐加水分解性向上を目的として、ポリエステルの構成成分のうち、ジカルボン酸成分の主成分が脂環式ジカルボン酸成分であり、ジオール成分の80〜99.95モル%が脂環式ジオール成分、0.05〜20モル%が炭素数2〜10のアルキレンジオール成分であり、ある固有粘度と、ポリマー末端酸価を有するポリエステルが開示されている。
このように、トナー特性の向上を目的とし、ポリエステル結着樹脂の原料となる重合成分に関する研究が続けられている。
またこれらの樹脂はいずれも、通常の高エネルギーを必要とする製法により製造されている。一般の重縮合法は、200℃を越す高温下で大動力による撹拌下、かつ高減圧下で10時間以上の時間に及ぶ反応が必要であり、大量のエネルギー消費を招く。またそのために反応設備の耐久性を得るために膨大な設備投資を必要とする場合が多い。
一方、大量エネルギー消費型であるポリエステル樹脂の製造方法を、低エネルギー消費型へ変換する研究も報告されている。例えば、特許文献7及び特許文献8において、界面活性剤の存在下で、水中にて脱水反応を行うことを特徴とする水中脱水反応方法や重縮合法が開示されている。また特許文献9では、酵素を触媒としたポリエステルの製造方法が開示され、アルゴン雰囲気下、60℃でのセバシン酸とブタンジオールとの反応等が開示されている。特許文献10では、スカンジウムトリフラート触媒によるポリエステル合成が報告され、従来のポリエステル重縮合温度である200〜240度よりも低温である160〜200度でのブタンジオールとコハク酸類の重縮合が発明されている。
しかしながら、これらの低温重縮合による非結晶性ポリエステルの合成例は発表されていない。例えば、非特許文献1によると、水中でドデシルベンゼンスルホン酸触媒下でデカンジオールとイソフタル酸やテレフタル酸、ビスフェノールAとセバシン酸を70℃にて反応させたところ、反応が進行しなかったことが報告されている。同様に、非特許文献2では、室温での塩化ハフニウム触媒による重縮合に関し、特殊な芳香族ジオールモノマーを用いた重縮合は成功しているが、汎用芳香族ジカルボン酸モノマーと芳香族ジオールモノマーの反応は進行しなかったと報告されている。
このように、低温重縮合で非晶性ポリエステルが合成できないのは、非結晶性ポリエステルを構成するモノマーの反応性が低いために、上記の低エネルギー条件では十分反応しないことに起因すると推測される。
また、非結晶ポリエステル樹脂を用いてトナーを作製する場合には、ポリエステルのアルコールの単量体としてはビスフェノールA誘導体が広く用いられている。しかし、該樹脂も金属触媒を用いて作製される為、樹脂中に金属が取り込まれ、特に高温高湿下等の苛酷な環境において使用される場合には、電荷漏洩に起因して帯電量低下によって非画像部でのカブリが発生しやすくなる。
一方、電子写真プリンター・コピー機は、更なる高機能化・特に印刷速度の高速化が望まれてきており、前記同様に過酷な条件下において印刷された印刷画像においても、例えば高温での長期間における過酷な条件での画像保管性は勿論、耐摩擦性・耐擦り性等の画像強度も必要となってきている。
ポリエステル樹脂のアルコール単量体としてビスフェノールA誘導体を用いて用いて作製されたトナーについては、通常の環境にて使用される場合には上記も満足し得るが、特に高温高湿下等の苛酷な環境においては、樹脂としての剛性がまだ十分ではない為、トナー粉体としての機械的強度が十分でなかったり、また該樹脂を用いて作製されたトナーの印刷物においても、強い摩擦による画像のかすれや裏移りが発生しやすくなるなど、印刷物としての画像強度もまだ十分とは言えない状況がある。
ビスフェノールAを使用した例としては、特許文献11には、ポリエステル樹脂の単量体の酸成分としてテレフタル酸を主成分とし、アルコール成分の中にビスフェノールAを用いた例が開示されている。また、特許文献12には、少なくとも結着樹脂及び着色剤を含有する電子写真用トナーにおいて、前記結着樹脂の主成分が熱可塑性樹脂であり、重合の際に、プロピレンオキサイド2.0モル付加体を90%以上含有するポリオキシプロピレン化ビスフェノールA、及び/又はエチレンオキサイド2.0モル付加体を88%以上含有するポリオキシエチレン化ビスフェノールAを全アルコール成分中に20モル%以上使用して得られる線状ポリエステルであることを特徴とする電子写真用トナー、並びに該電子写真用トナーを磁性キャリアに担持してなる現像剤組成物が開示されている。
こうした状況の中、これらビスフェノールA系材料よりも、耐熱性・耐燃焼性に優れたビスフェノールSを用いた検討例もある。例えば特許文献13には、帯電制御剤として、ビスフェノールSを原料に用いたポリエステル樹脂の帯電制御剤の例に用いた例が開示されている。この場合、帯電制御としては機能しているものの、樹脂強度特性を改善できていない。
また、特許文献14では、ビスフェノールS、及びその誘導体を透明トナー用の樹脂用のアルコール原料として用い、画像部・非画像部にコートすることによって、画像光沢度を高める検討を行っている。しかし、金属触媒を用いている為に、樹脂の電気特性が悪化しやすく、特に高湿下においてプリントした時においてカブリが発生しやすい問題点は改善されていない。
このようにビスフェノールSについては、トナー領域への検討例が見られているものの、これらの樹脂を用いて作製されるトナーの機械的強度の改善、あるいは定着画像強度の改善はなされておらず、またこれらビスフェノールSを含む樹脂の作製も全て金属触媒を用いた高温重合により得られるものであって、樹脂中に金属が残留する事による高温高湿下での電荷漏洩による帯電量低下によって引き起こされる問題点も改善されていないのが現状である。
特開平4−242752号公報 特開昭56−1952号公報 特開昭58−17452号公報 特開平10−78679号公報 特開平10−130380号公報 特開2004−217721号公報 特開2002−55302号公報 特開2003−261662号公報 特開平11−313692号公報 特開2003−306535号公報 特開平7−188523号公報 特開平10−339969号公報 特開2001−51451号公報 特開2005−99122号公報 Polymer Journal,Vol.35,No.4,pp359-363(2003) Science,Vol.290,10,pp1140-1142(2000)
本発明は、上述の従来における諸問題を解決することを目的とする。即ち、本発明の目的は、金属触媒含有量を抑制した静電荷像現像トナー用結着樹脂を提供することである。さらに、本発明の静電荷像現像トナー用結着樹脂を粉砕法、凝集合一法を始めとする静電荷像現像トナーの製法に適用することにより、高い画像品質を有する静電荷像現像トナーを提供することを目的とする。さらに、本発明は、該静電荷像現像トナーを使用した静電荷現像剤、該静電荷像現像トナー又は静電荷像現像剤を使用した画像形成方法を提供することを目的とする。
本発明の課題は、以下の<1>、<5>、<9>〜<14>に記載の手段によって解決された。好ましい実施態様である<2>〜<4>、<6>〜<8>とともに以下に記載する。
<1> ポリカルボン酸とポリオールの重縮合反応により得られるトナー用結着樹脂であって、該ポリカルボン酸の50mol%以上100mol%以下が式(1)及び/又は式(2)で表される化合物よりなり、該ポリオールの10mol%以上100mol%以下が式(3)で表される化合物よりなり、かつ樹脂中の触媒由来の金属元素が100ppm以下であることを特徴とする静電荷像現像トナー用結着樹脂、
1OOCA1 m1 n1 lCOOR1' (1)
(A1:メチレン基、B1:芳香族炭化水素基、R1、R1':水素原子又は1価の炭化水素基、1≦m+l≦12、1≦n≦3)
2OOCA2 p2 q2 rCOOR2' (2)
(A2:メチレン基、B2:脂環式炭化水素基、R2、R2':水素原子又は1価の炭化水素基、0≦p≦6、0≦r≦6、1≦q≦3)
HOXh−Ph−Y−Ph−XkOH (3)
(X:アルキレンオキサイド基、Y:SO2又はC610、1≦h≦3、1≦k≦3)
<2> 式(1)に記載の芳香族炭化水素基が、ベンゼン及び/又はナフタレン環状構造である<1>に記載の静電荷像現像トナー用結着樹脂、
<3> 式(2)に記載の脂環式炭化水素基が、シクロブタン、シクロヘキサン及びシクロヘキセン構造よりなる群から選択される少なくとも1つを含む<1>又は<2>に記載の静電荷像現像トナー用結着樹脂、
<4> 該結着樹脂のガラス転移温度が30℃〜90℃である<1>〜<3>いずれか1つに記載の静電荷像現像トナー用結着樹脂、
<5> ポリカルボン酸とポリオールを重縮合反応させる工程を含む静電荷像現像トナー用結着樹脂の製造方法であって、該ポリカルボン酸の50mol%以上100mol%以下が式(1)及び/又は式(2)で表される化合物よりなり、該ポリオールの10mol%以上100mol%以下が式(3)で表される化合物よりなり、かつ樹脂中の触媒由来の金属元素が100ppm以下であることを特徴とする<1>〜<4>何れか1つに記載の静電荷像現像トナー用結着樹脂の製造方法、
1OOCA1 m1 n1 lCOOR1' (1)
(A1:メチレン基、B1:芳香族炭化水素基、R1、R1':水素原子又は1価の炭化水素基、1≦m+l≦12、1≦n≦3)
2OOCA2 p2 q2 rCOOR2' (2)
(A2:メチレン基、B2:脂環式炭化水素基、R2、R2':水素原子又は1価の炭化水素基、0≦p≦6、0≦r≦6、1≦q≦3)
HOXh−Ph−Y−Ph−XkOH (3)
(X:アルキレンオキサイド基、Y:SO2又はC610、1≦h≦3、1≦k≦3)
<6> 重縮合反応の際に硫黄酸を使用する<5>に記載の静電荷像現像トナー用結着樹脂の製造方法、
<7> 重縮合反応が70℃以上、150℃以下の温度で行われる<5>又は<6>に記載の静電荷像現像トナー用結着樹脂の製造方法、
<8> 重縮合反応する工程の後に、該反応物を急速に冷却する工程を含む<5>〜<7>何れか1つに記載の静電荷像現像トナー用結着樹脂の製造方法、
<9> <1>〜<4>いずれか1つに記載の静電荷像現像トナー用結着樹脂を分散した静電荷像現像トナー用結着樹脂分散液、
<10> 少なくとも結着樹脂分散液を含む分散液中で該結着樹脂を凝集して凝集粒子を得る工程、及び、該凝集粒子を加熱して融合させる工程を含む静電荷像現像トナーの製造方法であって、前記結着樹脂分散液が<9>に記載の静電荷像現像トナー用結着樹脂分散液であることを特徴とする静電荷像現像トナーの製造方法、
<11> <10>に記載の製造方法により製造された静電荷像現像トナー、
<12> <1>〜<4>いずれか1つに記載の静電荷像現像トナー用結着樹脂を含む混合物を混練粉砕して作製した静電荷像現像トナー、
<13> <11>又は<12>に記載の静電荷像現像トナーとキャリアとを含む静電荷像現像剤、
<14> 潜像保持体表面に静電潜像を形成する潜像形成工程と、前記潜像保持体表面に形成された静電潜像をトナー又は静電荷像現像剤により現像してトナー像を形成する現像工程と、前記潜像保持体表面に形成されたトナー像を被転写体表面に転写する転写工程と、前記被転写体表面に転写されたトナー像を熱定着する定着工程とを含む画像形成方法であって、前記トナーとして<11>又は<12>に記載の静電荷像現像トナー、又は、前記現像剤として<13>に記載の静電荷像現像剤を用いることを特徴とする画像形成方法。
本発明は、上記の構成を採用することにより、高温高湿下での画像品質に優れた静電荷像現像トナー又は静電荷像現像剤、これに好適に使用される静電荷像現像用結着樹脂を提供することができる。また、前記の静電荷像現像トナーを使用することによって、画像強度に優れる画像形成方法を提供することができる。
本発明の静電荷像現像トナー用結着樹脂(本発明において、「静電荷像現像トナー」を単に「トナー」ともいう。)は、ポリカルボン酸とポリオールの重縮合反応により得られるトナー用結着樹脂であって、該ポリカルボン酸の50mol%以上100mol%以下が式(1)及び/又は式(2)で表される化合物よりなり、該ポリオールの10mol%以上100mol%以下が式(3)で表される化合物よりなり、かつ樹脂中の触媒由来の金属元素が100ppm以下であることを特徴とする。
1OOCA1 m1 n1 lCOOR1' (1)
(A1:メチレン基、B1:芳香族炭化水素基、R1、R1':水素原子又は1価の炭化水素基、1≦m+l≦12、1≦n≦3)
2OOCA2 p2 q2 rCOOR2' (2)
(A2:メチレン基、B2:脂環式炭化水素基、R2、R2':水素原子又は1価の炭化水素基、0≦p≦6、0≦r≦6、1≦q≦3)
HOXh−Ph−Y−Ph−XkOH (3)
(X:アルキレンオキサイド基、Y:SO2又はC610、1≦h≦3、1≦k≦3)
従来の非結晶系ポリエステル樹脂の製造方法では、金属触媒を用いて非結晶性ポリエステル樹脂を作製していた。本発明によれば、金属触媒を用いず、樹脂中残留触媒由来の金属元素量を100ppm以下とすることで、トナーに用いた場合には高温高湿度下で使用した場合に発生していたバックグラウンド画像のカブリをなくすことができる。
また、従来の汎用的に用いられていた単量体を重合して得たポリエステル樹脂では達成し得なかったトナー粉体としての機械的強度・画像強度を、重縮合性単量体出発材料を特定の組成とすることによって実現することができる。
また上記の本発明のトナー用結着樹脂を使用することによって、機械的強度・画像強度の向上、高温高湿度下での非画像部バックグラウンドのカブリの改善だけでなく、該樹脂のガラス転移温度の上昇によって、該結着樹脂を使用してトナーを製造した場合のホットオフセット性の改善をすることができる。
また、ポリカルボン酸モノマーの反応性を高める為に、酸成分をテレフタル酸等の芳香族環に官能基が直結するモノマーから、これに該当しない単量体に変更した場合、樹脂の剛直性が失われるという問題が生じることがある。この結果、このような酸成分を使用して作製されたポリエステルを用いてトナーを作製した場合、トナー粉体としての機械的強度が弱くなったり、定着画像の強度が弱くなったりすることがある。
本発明らは、これを補う方法として、アルコール成分を、従来広く用いられてきていたビスフェノールA誘導体に代え、あるいはビスフェノールA誘導体と共に、分子の自由運動度が低く、剛直な構造を有するアルコール成分であるビスフェノールS誘導体及び/又はビスフェノールZ誘導体を特定の範囲量で樹脂中に含有させることで、トナー粉体の機械的強度や、画像強度が改善できる事を見出し、本発明を完成するに至った。
触媒由来の金属元素量は100ppm以下であり、75ppm以下であることが好ましく、50ppm以下であることがより好ましく、10ppm以下であることがさらに好ましい。触媒由来の金属元素量は、トナー用結着樹脂を成型したものを試料とし、蛍光X線分析装置で測定することができる。
本発明において、重縮合により得られるポリエステル樹脂は、非結晶性ポリエステル樹脂であることが好ましい。
本発明の静電荷像現像トナーに用いられるポリエステル樹脂において、『結晶性』とは、示差走査熱量測定(DSC)において、階段状の吸熱量変化ではなく、明確な吸熱ピークを有することを指し、具体的には、昇温速度10℃/minで測定した際の吸熱ピークの半値幅が15℃以内であることを意味する。
一方、半値幅が15℃を超える樹脂や、明確な吸熱ピークが認められない樹脂は、非晶質(非結晶性)樹脂を意味するが、本発明において用いられる非結晶性樹脂としては、明確な吸熱ピークが認められない樹脂を用いることが好ましい。
本発明において、重縮合反応は、ポリカルボン酸とポリオールのエステル化反応(脱水反応)又は、ポリカルボン酸ポルアルキルエステルとポリオールとのエステル交換反応により行われる。重縮合反応として、いずれの反応も使用することができるが、ポリカルボン酸とポリオールを使用し、脱水反応を伴う重縮合反応であることが好ましい。
本発明に使用されるポリカルボン酸の50mol%以上、100mol%以下は、式(1)及び/又は式(2)で表される化合物(ジカルボン酸)よりなる。尚、本発明のおいて、「カルボン酸」とはそのエステル化物及び酸無水物をも含む意である。
1OOCA1 m1 n1 lCOOR1' (1)
(A1:メチレン基、B1:芳香族炭化水素基、R1、R1':水素原子又は1価の炭化水素基、1≦m+l≦12、1≦n≦3)
2OOCA2 p2 q2 rCOOR2' (2)
(A2:メチレン基、B2:脂環式炭化水素基、R2、R2':水素原子又は1価の炭化水素基、0≦p≦6、0≦r≦6、1≦q≦3)
ここで、1価の炭化水素基とは、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基又はアリール基を表し、これらの基は任意の置換基を有していても良い。R1、R1'、R2及びR2'としては、水素原子又は低級アルキル基が好ましく、水素原子、メチル基、エチル基がより好ましく、水素原子が最も好ましい。
また、式(1)中の芳香族炭化水素基及び式(2)中の脂環式炭化水素基は、置換されていても良い。
<式(1)で表されるジカルボン酸>
式(1)で表されるジカルボン酸は、少なくとも一つの芳香族炭化水素基B1を有するが、その構造は特に限定されない。芳香族炭化水素基B1としては、例えば、ベンゼン、ナフタレン、アセナフチレン、フルオレン、アントラセン、フェナントレン、テトラセン、フルオランセン、ピレン、ベンゾフルオレン、ベンゾフェナントレン、クリセン、トリフェニレン、ベンゾピレン、ペリレン、アントラスレン、ベンゾナフタセン、ベンゾクリセン、ペンタセン、ペンタフェン、コロネン骨格等を挙げることができるが、これらに限定されるものではない。また、これらの構造にはさらに置換基が付加していてもよい。
式(1)で表されるジカルボン酸中に含まれる芳香族炭化水素基B1の数は、1個以上、3個以下である。1個未満であると、製造されるポリエステルの非結晶性が失われ、3個を超えて芳香族炭化水素基を有する場合は、そのようなジカルボン酸の合成が困難であるために費用、製造効率が低下するばかりでなく、式(1)で表されるジカルボン酸の融点や粘度の上昇や、ジカルボン酸の大きさ、嵩高さに起因する反応性の低下が起こる。
式(1)で表されるジカルボン酸が、複数の芳香族炭化水素基を含む場合、その芳香族炭化水素基同士は直接結合していてもよく、間に他の飽和脂肪族炭化水素基等の骨格を有する構造をとることもできる。前者の例としてはビフェニル骨格等、後者の例としてはビスフェノールA骨格、ベンゾフェノン、ジフェニルエテン骨格などを挙げることができるがこれに限定されるものではない。
芳香族炭化水素基B1として好適な基は、その主骨格の炭素数がC6〜C18の構造である。この主骨格の炭素数には、主骨格に結合する官能基に含まれる炭素数を含まない。例えば、ベンゼン、ナフタレン、アセナフチレン、フルオレン、アントラセン、フェナントレン、テトラセン、フルオランセン、ピレン、ベンゾフルオレン、ベンゾフェナントレン、クリセン、トリフェニレン、ビスフェノールA骨格等を挙げることができる。これらの中で特に好適な骨格としては、ベンゼン、ナフタレン、アントラセン、フェナントレンが例示できる。最も好適には、ベンゼン、ナフタレン構造が用いられる。
主骨格の炭素数が6以上であると、モノマーの製造が容易であるので好ましい。また、主骨格の炭素数が18以下であると、モノマー分子の大きさが適当で、分子運動の制限による反応性の低下が生じないので好ましい。さらに、モノマー分子中における反応性官能基の割合が適切であり、反応性が低下することがないので好ましい。
式(1)で表されるジカルボン酸は、少なくとも1個以上のメチレン基A1を含む。メチレン基は、直鎖、分岐のどちらでもよく、例えば、メチレン鎖、分岐メチレン鎖、置換メチレン鎖等を用いることができる。分岐メチレン鎖の場合、分岐部の構造は問わず、不飽和結合や更なる分岐、環状構造等を有していてもよい。
メチレン基A1の数は、分子内の合計m+lとして、少なくとも1個以上12個以下である。好適にはm+lが2個以上、6個以下であり、mとlは同数であることが更に好ましい。m+lが0個である場合、つまり式(1)で表されるジカルボン酸中にメチレン基を有さない場合、芳香族炭化水素と両末端のカルボキシル基が直接結合する構造となる。この場合、触媒と式(1)で表されるジカルボン酸とが形成する反応中間体が共鳴安定化し、反応性が低下することとなる。また、m+lが12個より大きい場合、式(1)で表されるジカルボン酸に対し直鎖部分が大きくなりすぎるため、製造されるポリマーが結晶性の特性を有したり、ガラス転移温度Tgが低下することがある。
メチレン基A1又はカルボキシル基と、芳香族炭化水素基B1の結合箇所は特に限定されず、o−位、m−位、p−位のいずれでもよい。
式(1)で表されるジカルボン酸としては、1,4−フェニレンジ酢酸、1,4−フェニレンジプロピオン酸、1,3−フェニレンジ酢酸、1,3−フェニレンジプロピオン酸,1,2−フェニレンジ酢酸、1,2−フェニレンジプロピオン酸等を挙げることができるがこれに限定されるものではない。好適には、1,4−フェニレンジプロピオン酸、1,3−フェニレンジプロピオン酸、1,4−フェニレンジ酢酸、1,3−フェニレンジ酢酸であり、よりトナーに適するものとしては、1,4−フェニレンジ酢酸、1,3−フェニレンジ酢酸を挙げることができる。
式(1)で表されるジカルボン酸には、その構造のいずれかに各種官能基が付加していてもよい。また、重縮合反応性官能基であるカルボン酸基は、酸無水物、酸エステル化物、酸塩化物であってもよい。しかし、酸エステル化物とプロトンとの中間体が安定化しやすく、反応性を抑制する傾向があるため、好適には、カルボン酸、又はカルボン酸無水物、カルボン酸塩化物が使用される。
<式(2)で表されるジカルボン酸>
式(2)で表されるジカルボン酸は脂環式炭化水素基B2を含む。脂環式炭化水素構造には特に限定はなく、シクロプロパン、シクロブタン、シクロペンタン、シクロヘキサン、シクロヘプタン、シクロオクタン、シクロノナン、シクロデカン、シクロウンデカン、シクロドデカン、シクロプロペン、シクロブテン、シクロペンテン、シクロヘキセン、シクロヘプテン、シクロオクテン、ノルボルネン、アダマンタン、ジアマンタン、トリアマンタン、テトラマンタン、アイセアン、ツイスタン、ノルボルネン骨格等を挙げることができるが、これに限定されない。またこれらの物質には置換基が付加していてもよい。その構造の安定性、分子の大きさや嵩高さなどを考慮すると、シクロブタン、シクロペンタン、シクロヘキサン、ノルボルネン、アダマンタンなどが好ましい。
このモノマー中に含まれる脂環式炭化水素基の数は、少なくとも1個以上、3個以下である。1個未満であると、製造されるポリエステルの非結晶性が失われ、3個を超えて脂環式炭化水素基を有する場合は、式(2)で表されるジカルボン酸の融点の上昇や分子の大きさや嵩高さにより、反応性が低下する。
複数の脂環式炭化水素基を含む場合は、芳香族炭化水素基同士が直接結合する構造、間に他の飽和脂肪族炭化水素等の骨格を有する構造のどちらもとることができる。前者の例としては、ジシクロヘキシル骨格等であり、後者の例としては、水素添加ビスフェノールA骨格などを挙げることができるがこれに限定されない。
脂環式炭化水素基で好適なものは、炭素数C3〜C12の物質である。この主骨格の炭素数には、主骨格に結合する官能基に含まれる炭素数を含まない。例えば、シクロプロパン、シクロブタン、シクロペンタン、シクロヘキサン、シクロナフタレン、アセナフチレン、フルオレン、アントラセン、フェナントレン、テトラセン、フルオランセン、ピレン、ベンゾフルオレン、ベンゾフェナントレン、クリセン、トリフェニレン骨格等を有する物質を挙げることができる。これらの中で特に好適な骨格としては、シクロブタン、シクロペンタン、シクロヘキサン、ノルボルネン、アダマンタンが例示できる。
式(2)で表されるジカルボン酸は、メチレン基A2をその構造の中に有してもよい。メチレン基は、直鎖、分岐のどちらでもよく、例えば、メチレン鎖、分岐メチレン鎖、置換メチレン鎖等を用いることができる。分岐メチレン鎖の場合、分岐部の構造は問わず、不飽和結合や更なる分岐、環状構造等を有していてもよい。
メチレン基A2数は、p、rがそれぞれ6以下である。p,rのいずれか、又は両方が6より大きい場合、式(2)で表されるジカルボン酸に対し直鎖部分が大きくなりすぎるため、製造されるポリマーが結晶性の特性を有したり、ガラス転移温度Tgが低下することがある。
メチレン基A2又はカルボキシル基と、脂環式炭化水素基B2の結合箇所は特に限定されず、o−位、m−位、p−位のいずれでもよい。
式(2)で表されるジカルボン酸としては、1,1−シクロプロパンジカルボン酸、1,1−シクロブタンジカルボン酸、1,2−シクロブタンジカルボン酸、1,1−シクロペンテンジカルボン酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸、1,3−シクロヘキサンジカルボン酸、1,2−シクロヘキサンジカルボン酸、1,2−シクロヘキセンジカルボン酸、ノルボルネン−2,3−ジカルボン酸、アダマンタンジカルボン酸等を挙げることができるが、これに限定されるものではない。この中で好ましく用いられるのは、シクロブタン、シクロヘキサン、シクロヘキサン骨格を有する物質であり、特に好ましくは、1,3−シクロヘキサンジカルボン酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸である。
また、式(2)で表されるジカルボン酸は、その構造のいずれかに各種官能基が付加していてもよい。また、重縮合反応性官能基であるカルボン酸基は、酸無水物、酸エステル化物、酸塩化物であってもよい。しかし、酸エステル化物とプロトンとの中間体が安定化しやすく、反応性を抑制する傾向があるため、好適には、カルボン酸、又はカルボン酸無水物、カルボン酸塩化物が使用される。
本発明において、ポリカルボン酸成分の全体に対して、上記の式(1)及び/又は式(2)で表される化合物(ジカルボン酸)を50mol%以上、100mol%以下含む。上記式(1)で表される化合物と式(2)で表される化合物は単独で使用することもでき、組み合わせて使用することもできる。
式(1)及び/又は式(2)で表される化合物の割合が50mol%未満であると、低温重縮合での反応性が十分に発揮できないために、分子量が伸長せず、重合度が低いポリエステルとなったり、残留重縮合成分が多数混在することがある。これにより、結着樹脂が常温でべたつく等、粉体の流動性が悪化したり、トナー用結着樹脂に適する粘弾性やガラス転移温度を得られないことがある。上記式(1)及び/又は式(2)で表される化合物を60〜100mol%含むことが好ましく、上記式(1)及び/又は式(2)で表される化合物を80〜100mol%含むことがより好ましい。
<式(3)で表されるジオール>
本発明の静電荷像現像トナー用結着樹脂は、ポリカルボン酸とポリオールの重縮合反応により得られるトナー用結着樹脂であり、該ポリオールの10mol%以上100mol%以下が式(3)で表される化合物(ジオール)よりなる。
HOXh−Ph−Y−Ph−XkOH (3)
(X:アルキレンオキサイド基、Y:SO2又はC610、1≦h≦3、1≦k≦3)
上記式(3)で表されるジオールは、ビスフェノールS誘導体(Y=SO2)又はビスフェノールZ誘導体(Y=C610)である。
式(3)で表されるジオールを1種単独で含むこともできるが、式(3)で表されるジオールを2種以上含むこともできる。この場合、式(3)で表されるジオールの総量がポリオール全体の10mol%以上100mol%以下である。
以下に、Xがエチレンオキサイドであり、h=k=1である場合の式(3)で表されるジオールの構造を示す。
Figure 0004600273
本発明において、ポリオール成分としてビスフェノールS誘導体及び/又はビスフェノールZ誘導体を10mol%以上100mol%以下使用することによって、機械的強度に優れた静電荷像現像トナーを得ることができる。
ビスフェノールA誘導体では、フェニル基に挟まれた部分の分子団、即ち、C(CH32基は分子の自由運動度が高く、剛直な構造を有さない。これに対し、ビスフェノールZ誘導体では、フェニル基に挟まれた部分の分子団、即ちシクロヘキサン環は、C(CH32基と比較すると、分子の回転運動が制限されているため、ビスフェノールA誘導体と比較すると、単量体自身が剛直な構造を有することにより、これを用いた樹脂は、結果として樹脂の剛直性に優れると考えられる。
また、ビスフェノールS誘導体はフェニル基に挟まれた部分の分子団、SO2基は二重結合で形成されたリジッドな構造を有している為、分子運動が制限されると考えられる。従って、ビスフェノールS誘導体を用いてポリエステル樹脂を作製した場合には、強固な樹脂が作製されると考えられる。
また、上記のように剛直な分子構造を有するビスフェノールS及び/又はビスフェノールZ誘導体をアルコール成分として特定の量を加える事によって、樹脂のガラス転移温度が上昇する為、該樹脂を原料に用いてトナーを作製した場合には、これを加えない樹脂から作製したトナーと比較してホットオフセット性を改善することができる。
本発明において、式(3)で表されるジオールは少なくとも一つのアルキレンオキサイド基を有する。アルキレンオキサイド基はエチレンオキサイド基、プロピレンオキサイド基、ブチレンオキサイド等を挙げることができるが、これらに限定されるものではない。好適には、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイドであり、特に好適にはエチレンオキサイドが例示できる。
アルキレンオキサイド基数h及びkは1分子中に1個以上3個以下である。アルキレンオキサイドが1個未満、即ちアルキレンオキサイド基が付加されていない場合、水酸基とフェニル基との共鳴安定化により電子が非局在化し、式(3)で表されるジオールによるポリカルボン酸への求核攻撃性が弱められ、分子量の伸長や重合度の進展が抑制される。一方、アルキレンオキサイド基が3個を超えて付加されていると、式(3)で表されるジオール中の直鎖部分が長くなりすぎ、製造されるポリエステルが結晶性の性質を有する他、式(3)で表されるジオール中の反応性官能基数が減り、反応確率が減少する。
また、アルキレンオキサイド基数hとkが同数であることが、均等な反応を促進する上で好ましい。また、アルキレンオキサイド基数h、kが各2、又は各1である場合が好ましい。また、2個以上のアルキレンオキサイド基を有する場合は、2種以上のアルキレンオキサイド基を1分子中に有することもできる。
式(3)で表されるジオールとしては、ビスフェノールZエチレンオキサイド付加物(h及びkが1〜3)、ビスフェノールZプロピレンオキサイド付加物(h及びkが1〜3)、ビスフェノールSエチレンオキサイド付加物(h及びkが1〜3)、ビスフェノールSプロピレンオキサイド付加物(h及びkが1〜3)、ビフェノールプロピレンオキサイド付加物(h及びkが1〜3)等を挙げることができるが、これらに限定されない。特に好適には、ビスフェノールZエチレンオキサイド1モル付加物(h、k各1)、ビスフェノールSエチレンオキサイド1モル付加物(h、k各1)が挙げられる。
本発明において、式(3)で表されるジオールは、ポリオール中に10mol%以上、100mol%以下含まれる。含有量が10mol%未満であると、トナー用結着樹脂に適する充分な機械的強度及びガラス転移温度を得ることができない。
上記式(3)で表されるジオールを20〜80mol%含むことがより好ましく、上記式(3)で表されるジオールを30〜60mol%含むことがさらに好ましい。
<触媒>
本発明では、重縮合反応の際に触媒を使用することが好ましい。
触媒としては、硫黄酸を使用することが好ましい。
(硫黄酸)
硫黄酸としては、無機硫黄酸又は有機硫黄酸等が挙げられる。無機硫黄酸としては、硫酸、亜硫酸、及び、これらの塩等が挙げられ、また、有機硫黄酸としては、アルキルスルホン酸、アリールスルホン酸、及び、これらの塩等のスルホン酸類や、アルキル硫酸、アリール硫酸及びその塩等の有機硫酸類が挙げられる。
硫黄酸としては、有機硫黄酸であることが好ましく、界面活性効果を有する有機硫黄酸であることがより好ましい。なお、界面活性効果を有する酸とは、疎水基と親水基とからなる化学構造を有し、少なくとも親水基の一部がプロトンからなる酸の構造を有し、乳化機能と触媒機能とを併せ持つ化合物である。
界面活性効果を有する有機硫黄酸としては、例えば、アルキルベンゼンスルホン酸、アルキルスルホン酸、アルキルジスルホン酸、アルキルフェノールスルホン酸、アルキルナフタリンスルホン酸、アルキルテトラリンスルホン酸、アルキルアリルスルホン酸、石油スルホン酸、アルキルベンゾイミダゾールスルホン酸、高級アルコールエーテルスルホン酸、アルキルジフェニルスルホン酸、長鎖アルキル硫酸エステル、高級アルコール硫酸エステル、高級アルコールエーテル硫酸エステル、高級脂肪酸アミドアルキロール硫酸エステル、高級脂肪酸アミドアルキル化硫酸エステル、硫酸化脂肪、スルホ琥珀酸エステル、樹脂酸アルコール硫酸、及びこれらすべての塩化合物などが挙げられ、必要に応じて複数を組み合わせてもよい。これらの中でも、アルキル基若しくはアラルキル基を有するスルホン酸、アルキル基若しくはアラルキル基を有する硫酸エステル、又は、これらの塩化合物であることが好ましく、前記アルキル基又はアラルキル基の炭素数が7〜20であることがより好ましい。具体的には、ドデシルベンゼンスルホン酸、イソプロピルベンゼンスルホン酸、しょうのうスルホン酸、パラトルエンスルホン酸、モノブチルフェニルフェノール硫酸、ジブチルフェニルフェノール硫酸、ドデシル硫酸、ナフテニルアルコール硫酸等が挙げられる。
本発明に用いることのできる硫黄酸の使用量は、重縮合性単量体の総重量に対し、0.05モル%〜1.0モル%であることが好ましい。
上記硫黄酸触媒とともに、又は単独で、一般的に使用される他の重縮合触媒を用いることもできる。具体的には、界面活性効果を有する酸、金属触媒、加水分解酵素型触媒、塩基性触媒が例示できる。
(界面活性効果を有する酸)
界面活性効果を有する酸としては、例えば、各種脂肪酸、高級アルキルリン酸エステル、樹脂酸、及びこれらすべての塩化合物などが挙げられ、必要に応じて複数を組み合わせてもよい。
(金属触媒)
金属触媒としては以下のものを挙げることができるが、これに限定されるものではない。例えば、有機スズ化合物、有機チタン化合物、有機ハロゲン化スズ化合物、希土類金属触媒を挙げられる。
希土類含有触媒としては具体的には、スカンジウム(Sc)、イットリウム(Y)、ランタノイド元素として、ランタン(La)、セリウム(Ce)、プラセオジウム(Pr)、ネオジウム(Nd)、サマリウム(Sm)、ユウロピウム(Eu)、ガドリニウム(Gd)、テルビウム(Tb)、ジスプロシウム(Dy)、ホルミウム(Ho)、エルビウム(Er)、ツリウム(Tm)、イッテルビウム(Yb)、ルテチウム(Lu)などを含むものが有効である。これらは、特にアルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキル硫酸エステル塩、トリフラート構造を有するものが有効であり、前記トリフラートとしては、構造式では、X(OSO2CF33が例示できる。ここでXは、希土類元素であり、これらの中でも、Xは、スカンジウム(Sc)、イットリウム(Y)、イッテルビウム(Yb)、サマリウム(Sm)などであることが好ましい。
また、ランタノイドトリフラートについては、有機合成化学協会誌、第53巻第5号、p44−54)に詳しい。
触媒として金属触媒を使用する場合には、得られる樹脂中の触媒由来の金属含有量を100ppm以下とする。75ppm以下とすることが好ましく、50ppm以下とすることがより好ましい。したがって、金属触媒は使用しないか、または金属触媒を使用する場合であっても、極少量しか使用しないことが好ましい。
(加水分解酵素型触媒)
加水分解酵素型触媒としてはエステル合成反応を触媒するものであれば特に制限はない。本発明における加水分解酵素としては、例えば、カルボキシエステラーゼ、リパーゼ、ホスホリパーゼ、アセチルエステラーゼ、ペクチンエステラーゼ、コレステロールエステラーゼ、タンナーゼ、モノアシルグリセロールリパーゼ、ラクトナーゼ、リポプロテインリパーゼ等のEC(酵素番号)3.1群(丸尾・田宮監修「酵素ハンドブック」朝倉書店、(1982)、等参照)に分類されるエステラーゼ、グルコシダーゼ、ガラクトシダーゼ、グルクロニダーゼ、キシロシダーゼ等のグリコシル化合物に作用するEC3.2群に分類される加水分解酵素、エポキシドヒドラーゼ等のEC3.3群に分類される加水分解酵素、アミノペプチダーゼ、キモトリプシン、トリプシン、プラスミン、ズブチリシン等のペプチド結合に作用するEC3.4群に分類される加水分解酵素、フロレチンヒドラーゼ等のEC3.7群に分類される加水分解酵素等を挙げることができる。
上記のエステラーゼのうち、グリセロールエステルを加水分解し脂肪酸を遊離する酵素を特にリパーゼと呼ぶが、リパーゼは有機溶媒中での安定性が高く、収率良くエステル合成反応を触媒し、さらに安価に入手できることなどの利点がある。したがって、本発明においても、収率やコストの面からリパーゼを用いることが好ましい。
リパーゼには種々の起源のものを使用できるが、好ましいものとして、シュードモナス(Pseudomonas)属、アルカリゲネス(Alcaligenes)属、アクロモバクター(Achromobacter)属、カンジダ(Candida)属、アスペルギルス(Aspergillus)属、リゾプス(Rhizopus)属、ムコール(Mucor)属等の微生物から得られるリパーゼ、植物種子から得られるリパーゼ、動物組織から得られるリパーゼ、さらに、パンクレアチン、ステアプシン等を挙げることができる。このうち、シュードモナス属、カンジダ属、アスペルギルス属の微生物由来のリパーゼを用いることが好ましい。
(塩基性触媒)
塩基性触媒としては、一般の有機塩基化合物、含窒素塩基性化合物、テトラブチルホスホニウムヒドロキシドなどのテトラアルキル又はアリールホスホニウムヒドロキシドを挙げることができるがこれに限定されない。有機塩基化合物としては、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド、テトラエチルアンモニウムヒドロキシド等のアンモニウムヒドロキシド類、含窒素塩基性化合物としては、トリエチルアミン、ジベンジルメチルアミン等のアミン類、ピリジン、メチルピリジン、メトキシピリジン、キノリン、イミダゾールなど、更にナトリウム、カリウム、リチウム、セシウム等のアルカリ金属類及びカルシウム、マグネシウム、バリウム等のアルカリ土類金属類の水酸化物、ハイドライド、アミドや、アルカリ、アルカリ土類金属と酸との塩、たとえば炭酸塩、燐酸塩、ほう酸塩、カルボン酸塩、フェノール性水酸基との塩を挙げることができる。
また、アルコール性水酸基との化合物やアセチルアセトンとのキレート化合物等を挙げることができるが、これらに限定されるものではない。
触媒の総添加量としては、重縮合成分に対して0.01〜5重量%であることが好ましく、0.05〜2重量%の割合で1種類又は複数添加することが好ましい。
本発明においては、従来の反応温度よりも低温で重縮合反応させても、結着樹脂を得ることができる。反応温度は70℃以上150℃以下であることが好ましい。より好ましくは、80℃以上140℃以下である。
反応温度が70℃以上であると、モノマーの溶解性、触媒活性度の低下に起因する反応性の低下が生じず、分子量の伸長が抑制されることがないので好ましい。また、反応温度が150℃以下であると、低エネルギーで製造することができるので好ましい。また、樹脂の着色や、生成したポリエステルの分解等を生じることがないので好ましい。
従来の高エネルギー消費型の製法を回避し、150℃以下の低温でポリエステル樹脂を製造する事は、トータルな意味での樹脂の製造エネルギー・トナーの製造エネルギーを低減する為には極めて重要である。従来は、200℃を超える高温で重縮合反応が行われていたが、これより数十℃〜百数十℃低い150℃以下の低温での重合を行う為には、硫黄酸触媒を使用することが好適である。これは従来のSn系・Ti系等の金属触媒が、特に200℃以上で高い触媒活性を示し、150℃以下の低温では非常に活性が低い為である。
硫黄酸は160℃以上の高温では温度上昇に伴い触媒活性能力が減少していくが、触媒酸の求核付加をきっかけに反応が進む反応機構である為に、重合温度が約70℃〜約150℃と低温の範囲において触媒活性が高く、150℃以下での重縮合反応に好適に使用することができる。
また機械的強度の面においても、金属触媒を用いて作製した樹脂よりも硫黄酸触媒を用いて作製した樹脂の方が優れる。硫黄酸触媒の場合は求核付加反応機構によって重合が進む為、不純物の混入の可能性が低い。一方で、Sn系やTi系等の金属触媒を用いて作製した樹脂は、触媒金属表面上に酸とアルコールが集められる反応機構である為、触媒金属が樹脂中に取り込まれ易い。導電性を持つ金属が樹脂中に取り込まれると、樹脂の電荷が漏洩し易くなる。このような樹脂をトナーに用いた場合、特に高温高湿下でプリントする場合、電荷漏洩し易くなる為、帯電量が低くなり、非画像部へもトナーが飛散するバックグランドカブリを起こし易いといった問題点がある。また、取り込まれた金属は樹脂中の微小な構造欠陥等の原因になり易い。
しかし、硫黄酸触媒を用いた場合においては、このような金属元素の混入が抑制でき、高温高湿下においても電荷漏洩が生じ難く、バックグランドカブリも発生し難いので好ましい。
この点においても金属触媒を用いるよりも硫黄酸触媒を用いることが好ましい。
この重縮合反応は、バルク重合、乳化重合、懸濁重合等の水中重合、溶液重合、界面重合等一般の重縮合法で実施することが可能であるが、好適にはバルク重合が用いられる。また大気圧下で反応が可能であるが、得られるポリエステル分子の高分子量化等を目的とした場合、減圧、窒素気流下等の一般的な条件を用いることができる。
本発明において、重合後に急速に冷却する工程(急冷する工程)をさらに含むことが好ましい。
急冷する工程を含む場合には、重縮合反応は乳化重合法にて行うことができる。重縮合工程後、1〜50℃/minで急冷することが好ましく、5〜50℃/minで急冷することがさらに好ましい。
1〜50℃/minで急冷を行うことにより、粒子と水との界面における分子配列の変化や熱収縮が小さくなる為、粒子表面積の変化が徐冷時よりも小さくなり易く、分散安定性・保管安定性が向上する。また更には、生成樹脂粒子のガラス転移温度以下に速く達することができるため、生成した樹脂粒子同士の衝突による凝集物発生を防ぐ事ができ、より粒子が安定して存在することができる点で、好ましい。
また、重縮合工程の後、少なくとも樹脂のガラス転移温度以下で、かつ、40℃以下まで冷却することが好ましく、5〜30℃まで冷却することがより好ましい。40℃以下まで冷却することにより、生成した樹脂粒子がガラス転移温度以下で存在する為、樹脂粒子同士の衝突による凝集物発生を抑制でき、より粒子が安定して存在することができる為、好ましい。
上記の急冷手段としては、乳化重合を行った反応相を冷却相に浸して急冷を行う方法、例えば市販されている熱交換器を用いる方法、冷却水と熱交換させながら冷却する方法などが挙げられるが、特に方法は限定されない。冷却速度は、重合終了後の冷却開始時から、40℃までの冷却に要した時間を測定し、重合温度と40℃の差を割ることによって測定できるが、凝集物発生を防ぐ為には冷却速度は速い方が好ましい。
また、バルク重合法において、重縮合を行った後に行われる乳化工程後に急冷する工程を含むことも好ましい実施態様である。この場合、1〜50℃/minで急冷することが好ましく、5〜30℃/minで急冷することがより好ましい。
1〜50℃/minで急冷を行うことにより、生成した樹脂粒子がガラス転移温度以下に速く達するため、樹脂粒子同士の衝突による凝集物発生を抑制でき、より粒子が安定して存在することができるので好ましい。また、バルク重縮合により得られた樹脂の乳化後、40℃以下まで冷却することが好ましく、5〜30℃まで冷却することがより好ましい。40℃以下まで冷却することにより、生成樹脂粒子がガラス転移温度以下で存在する為、樹脂粒子同士の衝突による凝集物発生を抑制でき、より粒子が安定して存在することができるので、好ましい。更には生成樹脂粒子のガラス転移温度以下に速く達することができるため、生成樹脂粒子同士の衝突による凝集物発生を防ぐ事ができ、より粒子が安定して存在することができる点でも、好ましい。
本発明のトナー用結着樹脂としては、定着性、画像形成性の観点から、ガラス転移温度が30℃以上90℃以下であることが好ましい。ガラス転移温度が30℃以上であると、常温でのトナー粉体の流動性が良好であり、高温度域での結着樹脂自体の凝集力も良好であり、ホットオフセットを生じないので好ましい。また、ガラス転移温度が90℃以下であると、十分な溶融が得られ、良好な最低定着温度が得られるので好ましい。
ガラス転移温度は、より好ましくは40〜80℃であり、さらに好ましくは50〜70℃である。ガラス転移温度は、結着樹脂の分子量や、結着樹脂のモノマー構成、架橋剤の添加等により制御することができる。
また、ガラス転移温度は、ASTM D3418−82に規定された方法で測定することができ、示差走査熱量計(DSC)により測定される。
本発明で製造される結着樹脂がトナー適性を有するために適当な重量平均分子量は、5,000〜50,000、より好適には、7,000〜35,000の範囲である。重量平均分子量が5,000以上であると、常温での粉体流動性が良好であり、トナーのブロッキングが生じないので好ましい。さらに、トナー結着樹脂としての凝集力が良好であり、ホットオフセット性の低下が生じないので好ましい。また、重量平均分子量が50,000以下であると、良好なホットオフセット性と、良好な最低定着温度が得られるので好ましい。また、重縮合に要する時間や温度が適切であり、製造効率が良好であるので好ましい。
重量平均分子量は、例えばゲル・パーミュエーション・クロマトグラフィ(GPC)等により測定することができる。
本発明の非結晶性ポリエステルは、その特性を損なわない限り、上述した以外の重縮合成分とともに重縮合することも可能である。
ポリカルボン酸としては、1分子中にカルボキシル基を2個以上含有する多価カルボン酸を用いることができる。このうち、2価のカルボン酸は1分子中にカルボキシル基を2個含有する化合物であり、例えば、シュウ酸、コハク酸、イタコン酸、グルタコン酸、グルタル酸、マレイン酸、アジピン酸、β−メチルアジピン酸、スペリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ノナンジカルボン酸、デカンジカルボン酸、ウンデカンジカルボン酸、ドデカンジカルボン酸、フマール酸、シトラコン酸、ジグリコール酸、リンゴ酸、クエン酸、ヘキサヒドロテレフタール酸、マロン酸、ピメリン酸、酒石酸、粘液酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、テトラクロルフタル酸、クロルフタル酸、ニトロフタル酸、ビフェニル−p,p’−ジカルボン酸、ナフタレン−1,4−ジカルボン酸、ナフタレン−1,5−ジカルボン酸、ナフタレン−2,6−ジカルボン酸、アントラセンジカルボン酸、n−ドデシルコハク酸、n−ドデセニルコハク酸、イソドデシルコハク酸、イソドデセニルコハク酸、n−オクチルコハク酸、n−オクテニルコハク酸等を挙げることができる。また、2価のカルボン酸以外の多価カルボン酸としては、例えば、トリメリット酸、ピロメリット酸、ナフタレントリカルボン酸、ナフタレンテトラカルボン酸、ピレントリカルボン酸、ピレンテトラカルボン酸等を挙げることができる。併用するポリカルボン酸としては、2価のカルボン酸であるジカルボン酸であることが好ましい。
また、これらの酸無水物あるいは酸塩化物、酸エステル化物を挙げることができるが、これに限定されるものではない。
ポリオール(多価アルコール)としては、1分子中水酸基を2個以上含有するポリオールを用いることができる。このうち、2価のポリオール(ジオール)は1分子中に水酸基を2個含有する化合物であり、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、ブタンジオール、ブテンジオール、ネオペンチルグリコール、ペンタングリコール、ヘキサングリコール、シクロヘキサンジオール、シクロヘキサンジメタノール、オクタンジオール、ノナンジオール、デカンジオール、ドデカンジオール、ジプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコールや、上述したビスフェノール類を除くビスフェノール類であるビスフェノールAや、水素添加ビスフェノール類等を挙げることができる。また、2価のポリオール以外のポリオールとしては、例えば、グリセリン、ペンタエリスリトール、ヘキサメチロールメラミン、ヘキサエチロールメラミン、テトラメチロールベンゾグアナミン、テトラエチロールベンゾグアナミン等を挙げることができる。
これらの中でも、2価のポリオールであるジオールを併用することが好ましく、ビスフェノールAを併用することがさらに好ましい。
ポリカルボン酸モノマーの含有量は、重縮合成分であるポリカルボン酸総量の50mol%未満である。より好ましくは40mol%以下、更に好ましくは20mol%以下である。
また、ポリオールモノマーの含有量は、重縮合成分であるポリオール総量の90mol%未満である。より好ましくは70mol%以下であり、さらに好ましくは50mol%以下である。
併用するポリカルボン酸及びポリオールモノマーの含有量が上記範囲内であると、反応性を高めるポリカルボン酸を含み、かつ、剛直な分子構造を有するポリオールモノマーが適量含まれることによって樹脂ガラス転移が上昇する為、低温反応性に優れると共に、該樹脂を原料に用いてトナーを作製した場合に、ホットオフセット性を改善することができる点において好ましい。
本発明においては、重縮合工程として、既述の重縮合成分であるポリカルボン酸及びポリオールと、予め作製しておいたプレポリマーとの重合反応とを含むこともできる。プレポリマーは、上記単量体に溶融又は均一混合できるポリマーであれば限定されない。
さらに本発明の結着樹脂は、上述した重縮合成分の単独重合体、上述した重合性成分を含む2種以上の単量体を組み合せた共重合体、又はそれらの混合物、グラフト重合体、一部枝分かれや架橋構造などを有していても良い。
本発明により製造されたトナー用結着樹脂を使用して、溶融混練粉砕法等の機械的製法、又は該ポリエステルを使用して結着樹脂分散液(本発明において、「結着樹脂粒子分散液」又は「樹脂粒子分散液」ともいう。)を製造し、結着樹脂分散液からトナーを製造するいわゆる化学製法によりトナーを製造することができる。
本発明の結着樹脂を使用して、溶融混練法などの機械的製法でトナーを製造すると、顔料等の分散性や粉砕性が良好である。これは、低温で高反応性を有する重縮合成分を主成分として含み、さらに重縮合を従来の重縮合よりも低温で実施することができるために、副反応や未反応物の生成を抑制し、物性の均一な結着樹脂が得られるためであると考えられる。
溶融混練粉砕法によりトナーを製造する場合は、上記のように製造したポリエステル樹脂を予め他のトナー原材料と、溶融混練前に、ヘンシェルミキサー、スーパーミキサー等で撹拌混合させることが好ましい。このとき、撹拌機容量、撹拌機の回転速度、撹拌時間等を組み合わせて選択しなければならない。
次いで、トナー用結着樹脂と他のトナー原材料との撹拌物は、公知の方法により溶融状態での混練を行う。一軸又は多軸押出し機による混練が分散性が向上するため好ましい。このとき混練装置のニーディングスクリュウゾーン数、シリンダー温度、混練速度等を全て適切な値に設定し、制御する必要がある。混練時の各制御因子のうち、混練状態に特に大きな影響を与えるのは、混練機の回転数と、ニーディングスクリュウゾーン数、シリンダー温度である。一般に、回転数は300〜1,000rpmが好ましく、ニーディングスクリュウゾーン数は1段よりも2段スクリュウ等、多段ゾーンを用いたほうがよりよく混練される。シリンダー設定温度は、結着樹脂の主成分となる非結晶性ポリエステルの軟化温度により決定することが好ましく、通常軟化温度よりも−20〜+100℃程度が好ましい。シリンダー設定温度が上記範囲内であると、十分な混練分散が得られ、凝集が生じないので好ましい。さらに、混練シェアが掛かり、十分な分散が得られるとともに、混練後の冷却が容易であるので好ましい。
溶融混練された混練物は十分に冷却した後、ボールミル、サンドミル、ハンマーミル等の機械的粉砕方法、気流式粉砕方法等の公知の方法で粉砕する。常法での冷却が充分できない場合は、冷却又は凍結粉砕法も選択できる。
トナーの粒度分布を制御する目的で、粉砕後のトナーを分級することもできる。分級によって不適切な径の粒子を排除することにより、トナーの定着性や画像品質を向上する効果がある。
一方、近年の高画質要求に伴い、トナーの小径化、低エネルギー製法対応技術として、トナーの化学的製法も多く採用されている。本発明のトナー用結着樹脂を用いるトナーの化学製法としては、汎用の製法を用いることができるが、凝集合一法が好ましい。凝集合一法とは、水に結着樹脂を分散させたラテックスを作製し、他のトナー原材料とともに凝集(会合)させる既知の凝集法である。
上述のように製造した結着樹脂を水に分散させる方法は、特に限定されない。強制乳化法、自己乳化法、転相乳化法など、既知の方法から選択することができる。これらのうち、乳化に要するエネルギー、得られる乳化物の粒径制御性、安定性等を考慮すると、自己乳化法、転相乳化法が好ましく適用される。
自己乳化法、転相乳化法に関しては、「超微粒子ポリマーの応用技術」(シーエムシー出版)に記載されている。自己乳化法に用いる極性基としては、カルボキシル基、スルホン基等を用いることができるが、本発明において、トナー用非結晶性ポリエステル結着樹脂に適用する場合、カルボキシル基が好ましく用いられる。
上記のように作製した結着樹脂分散液(結着樹脂粒子分散液ともいう)、所謂ラテックスを使用し、凝集(会合)法を用いてトナー粒子径及び分布を制御したトナーを製造する事が可能である。詳細には、上記のように作製したラテックスを、着色剤粒子分散液及び離型剤粒子分散液と混合し、さらに凝集剤を添加し、ヘテロ凝集を生じさせることによりトナー径の凝集粒子を形成し、その後、結着樹脂粒子のガラス転移温度以上又は融点以上の温度に加熱して前記凝集粒子を融合・合一し、洗浄、乾燥することにより得られる。この製法は加熱温度条件を選択することでトナー形状を不定形から球形まで制御できる。
凝集粒子の融合・合一工程を終了した後、任意の洗浄工程、固液分離工程、乾燥工程を経て所望のトナー粒子を得るが、洗浄工程は帯電性を考慮すると、イオン交換水で十分に置換洗浄することが好ましい。また、固液分離工程には特に制限はないが、生産性の点から吸引濾過、加圧濾過等が好適である。さらに、乾燥工程も特に制限はないが、生産性の点から凍結乾燥、フラッシュジェット乾燥、流動乾燥、振動型流動乾燥等が好ましく用いられる。
凝集剤としては、界面活性剤のほか、無機塩、2価以上の金属塩を好適に用いることができる。特に、金属塩を用いる場合、凝集性制御及びトナー帯電性などの特性において好ましい。凝集に用いる金属塩化合物としては、一般の無機金属化合物又はその重合体を樹脂粒子分散液中に溶解して得られるが、無機金属塩を構成する金属元素は周期律表(長周期律表)における2A、3A、4A、5A、6A、7A、8、1B、2B、3B族に属する2価以上の電荷を有するものが好ましく、樹脂粒子の凝集系においてイオンの形で溶解するものであればよい。好ましい無機金属塩を具体的に挙げると、塩化カルシウム、硝酸カルシウム、塩化バリウム、塩化マグネシウム、塩化亜鉛、塩化アルミニウム、硫酸アルミニウムなどの金属塩、及び、ポリ塩化アルミニウム、ポリ水酸化アルミニウム、多硫化カルシム等の無機金属塩重合体などである。その中でも特に、アルミニウム塩及びその重合体が好適である。一般的に、よりシャープな粒度分布を得るためには、無機金属塩の価数が1価より2価、2価より3価以上で、同じ価数であっても重合タイプの無機金属塩重合体の方がより適している。
本発明においては、必要に応じて、本発明の結果に影響を与えない範囲で公知の添加剤を、1種又は複数を組み合わせて配合することができる。例えば、難燃剤、難燃助剤、光沢剤、防水剤、撥水剤、無機充填剤(表面改質剤)、離型剤、酸化防止剤、可塑剤、界面活性剤、分散剤、滑剤、充填剤、体質顔料、着色剤、結着剤、帯電制御剤等である。これらの添加物は、静電荷像現像トナーを製造するいずれの工程においても配合することができる。
内添剤の例としては、帯電制御剤として4級アンモニウム塩化合物、ニグロシン系化合物など通常使用される種々の帯電制御剤を使用することが出来るが、製造時の安定性と廃水汚染減少の点から水に溶解しにくい材料が好適である。
離型剤の例としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン等の低分子量ポリオレフィン類、加熱により軟化点を有するシリコーン類、オレイン酸アミド、エルカ酸アミド、リシノール酸アミド、ステアリン酸アミド等のような脂肪酸アミド類やエステルワックス、カルナウバワックス、ライスワックス、キャンデリラワックス、木ロウ、ホホバ油等のような植物系ワックス、ミツロウのような動物系ワックス、モンタンワックス、オゾケライト、セレシン、パラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス、フィッシャートロプシュワックス等のような鉱物、石油系ワックス、及びそれらの変性物が使用できる。
これらのワックス類は、水中にイオン性界面活性剤や高分子酸や高分子塩基などの高分子電解質とともに分散し、融点以上に加熱するとともに強い剪断をかけられるホモジナイザーや圧力吐出型分散機により微粒子化し、1ミクロン以下の粒子の分散液を作製することができる。
難燃剤、難燃助剤としては、すでに汎用されている臭素系難燃剤や、三酸化アンチモン、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、ポリリン酸アンモニウムを例示できるがこれに限定されるものではない。
着色成分(着色剤)としては、既知の顔料及び染料のいずれも使用することができる。具体的には、ファーネスブラック、チャンネルブラック、アセチレンブラック、サーマルブラック等のカーボンブラック、ベンガラ、紺青、酸化チタン等の無機顔料、ファストイエロー、ジスアゾイエロー、ピラゾロンレッド、キレートレッド、ブリリアントカーミン、パラブラウン等のアゾ顔料、銅フタロシアニン、無金属フタロシアニン等のフタロシアニン顔料、フラバントロンイエロー、ジブロモアントロンオレンジ、ペリレンレッド、キナクリドンレッド、ジオキサジンバイオレット等の縮合多環系顔料があげられる。クロムイエロー、ハンザイエロー、ベンジジンイエロー、スレンイエロー、キノリンイエロー、パーマネントオレンジGTR、ピラロゾンオレンジ、バルカンオレンジ、ウオッチヤングレッド、パーマネントレッド、デュポンオイルレッド、リソールレッド、ローダミンBレーキ、レーキレッドC、ローズベンガル、アニリンブルー、ウルトラマリンブルー、カルコオイルブルー、メチレンブルークロライド、フタロシアニンブルー、フタロシアニングリーン、マラカイトグリーンオクサレート、C.I.ピグメント・レッド48:1、C.I.ピグメント・レッド122、C.I.ピグメント・レッド57:1、C.I.ピグメント・イエロー12、C.I.ピグメント・イエロー97、C.I.ピグメント・イエロー17、C.I.ピグメント・ブルー15:1、C.I.ピグメント・ブルー15:3などの種々の顔料などが挙げられ、これらは1種又は2種以上を併せて使用することができる。
また通常のトナーと同様に乾燥後、シリカ、アルミナ、チタニア、炭酸カルシウムなどの無機粒子やビニル系樹脂、ポリエステル、シリコーンなどの樹脂微粒子を乾燥状態で剪断をかけて表面へ添加(外添)して流動性助剤やクリーニング助剤として用いることもできる。
本発明の工程に用いる界面活性剤の例としては、硫酸エステル塩系、スルホン酸塩系、リン酸エステル系、せっけん系等のアニオン界面活性剤、アミン塩型、4級アンモニウム塩型等のカチオン系界面活性剤、またポリエチレングリコール系、アルキルフェノールエチレンオキサイド付加物系、多価アルコール系等の非イオン性界面活性剤を併用することも効果的であり、分散のため手段としては、回転せん断型ホモジナイザーやメディアを有するボールミル、サンドミル、ダイノミルなどの一般的なものが使用可能である。
本発明のトナーは平均体積粒子径(D50)が3.0μm〜20.0μmであることが好ましい。更に好ましくは、平均体積粒子径が3.0μm〜9.0μmの場合である。D50が3.0μm以上であると、付着力が適切であり、現像性が低下することがないので好ましい。また、20.0μm以下であると、十分な画像解像性が得られるので好ましい。平均体積粒子径(D50)はレーザー回折式粒度分布測定装置等を用いて測定することができる。
また、本発明のトナーは、体積平均粒度分布指標GSDvが1.4以下であることが好ましい。特に化学製法トナーの場合、GSDvが1.3以下が更に好ましい。
GSDvは、粒度分布を基にして分割された粒度範囲(チャネル)に対する体積について、それぞれ小径側から累積分布を描き、累積16%となる粒径を体積D16v、累積84%となる粒径を体積D84vと定義する。これらを用いて、体積平均粒度分布指標(GSDv)は、下記式により算出される。
体積平均粒度分布指標GSDv=(D84v/D16v0.5
GSDvが1.4以下であると、粒子径が均一となり、良好な定着性が得られ、また定着不良に起因する装置故障が生じないので好ましい。また、トナーの飛散による機内汚染や現像剤の劣化などを生じないので好ましい。
体積平均粒度分布指標GSDvはレーザー回折式粒度分布測定装置等を用いて測定することができる。
本発明のトナーが化学製法で製造される場合、形状係数SF1は画像形成性の点から100〜140であることが好ましく、110〜135であることがより好ましい。このときSF1は以下のように計算される。
Figure 0004600273
ここでMLは粒子の絶対最大長、Aは粒子の投影面積である。
これらは、主に顕微鏡画像又は走査電子顕微鏡画像をルーゼックス画像解析装置によって取り込み、解析することによって数値化される。
(静電荷像現像剤)
本発明の静電荷像現像トナーは、静電荷像現像剤として使用される。この現像剤は、この静電荷像現像トナーを含有することの外は特に制限はなく、目的に応じて適宜の成分組成をとることができる。静電荷像現像トナーを、単独で用いると一成分系の静電荷像現像剤として調製され、また、キャリアと組み合わせて用いると二成分系の静電荷像現像剤として調製される。
キャリアとしては、特に限定されないが、通常、鉄粉、フェライト、酸化鉄粉、ニッケル等の磁性体粒子;磁性体粒子を芯材としてその表面をスチレン系樹脂、ビニル系樹脂、エチレン系樹脂、ロジン系樹脂、ポリエステル系樹脂、メラミン系樹脂などの樹脂やステアリン酸等のワックスで被覆し、樹脂被覆層を形成させてなる樹脂被覆キャリア;結着樹脂中に磁性体粒子を分散させてなる磁性体分散型キャリア等が挙げられる。中でも、樹脂被覆キャリアは、トナーの帯電性やキャリア全体の抵抗を樹脂被覆層の構成により制御可能となるため特に好ましい。
二成分系の静電荷像現像剤における本発明のトナーとキャリアとの混合割合は、通常、キャリア100重量部に対して、トナー2〜10重量部である。また、現像剤の調製方法は、特に限定されないが、例えば、Vブレンダー等で混合する方法等が挙げられる。
(画像形成方法)
また、本発明の静電荷像現像トナー及び静電荷像現像剤は、通常の静電荷像現像方式(電子写真方式)の画像形成方法に使用することができる。
本発明の画像形成方法は、潜像保持体表面に静電潜像を形成する潜像形成工程と、前記潜像保持体表面に形成された静電潜像をトナーを含む現像剤により現像してトナー像を形成する現像工程と、前記潜像保持体表面に形成されたトナー像を被転写体表面に転写する転写工程と、前記被転写体表面に転写されたトナー像を熱定着する定着工程とを含む画像形成方法であって、前記トナーとして本発明の静電荷像現像トナー、又は、前記現像剤として本発明の静電荷像現像剤を用いることを特徴とする。
上記の各工程は、いずれも画像形成方法において公知の工程が利用でき、例えば、特開昭56−40868号公報、特開昭49−91231号公報等に記載されている。また、本発明の画像形成方法は、上記した工程以外の工程を含むものであってもよく、例えば、静電潜像担持体上に残留する静電荷像現像剤を除去するクリーニング工程等が好ましく挙げられる。本発明の画像形成方法においては、さらにリサイクル工程をも含む態様が好ましい。前記リサイクル工程は、前記クリーニング工程において回収した静電荷像現像トナーを現像剤槽に移す工程である。このリサイクル工程を含む態様の画像形成方法は、トナーリサイクルシステムタイプのコピー機、ファクシミリ機等の画像形成装置を用いて実施することができる。また、クリーニング工程を省略し、現像と同時にトナーを回収する態様のリサイクルシステムにも適用することができる。
前記潜像保持体としては、例えば、電子写真感光体及び誘電記録体等が使用できる。
電子写真感光体の場合、該電子写真感光体の表面を、コロトロン帯電器、接触帯電器等により一様に帯電した後、露光し、静電潜像を形成する(潜像形成工程)。次いで、表面に現像剤層を形成させた現像ロールと接触若しくは近接させて、静電潜像にトナーの粒子を付着させ、電子写真感光体上にトナー像を形成する(現像工程)。形成されたトナー像は、コロトロン帯電器等を利用して紙等の被転写体表面に転写される(転写工程)。さらに、被転写体表面に転写されたトナー像は、定着機により熱定着され(定着工程)、最終的なトナー像が形成される。
尚、前記定着機による熱定着の際には、オフセット等を防止するため、通常、前記定着機における定着部材に離型剤が供給される。
本実施例で使用した化合物の略称を以下に記載する。
(ジカルボン酸)
CHDA=1,4−シクロヘキサンジカルボン酸
PDAA=1,4−フェニレンジ酢酸
(ジオール)
BPA−1EO=ビスフェノールA エチレンオキサイド1モル付加物
(両末端換算では2モル付加物)
BPA−2EO=ビスフェノールA エチレンオキサイド2モル付加物
(両末端換算では4モル付加物)
BPA−1PO=ビスフェノールA プロピレンオキサイド1モル付加物
(両末端換算では2モル付加物)
BPS−1EO=ビスフェノールS エチレンオキサイド1モル付加物
(両末端換算では2モル付加物)
BPS−2EO=ビスフェノールS エチレンオキサイド2モル付加物
(両末端換算では4モル付加物)
BPZ−1EO=ビスフェノールZ エチレンオキサイド1モル付加物
(両末端換算では2モル付加物)
(触媒)
DBSA=ドデシルベンゼンスルホン酸
SnBnO=ジブチルスズオキシド
<樹脂及び樹脂粒子分散液の作製>
(樹脂粒子分散液1の作製)
BPA−1EO 29.0重量部
BPS−1EO 3.45重量部
CHDA 17.5重量部
DBSA 0.073重量部
上記材料を混合し、撹拌機を備えたリアクターに投入し、開放系にて樹脂温度120℃になるように20時間の重縮合を実施したところ、均一透明な非結晶性ポリエステル樹脂1を得た。
ここで少量の樹脂サンプルを採取し、以下の物性を測定した。
GPCによる重量平均分子量 14,150
ガラス転移温度(オンセット) 69℃
上記分子量の測定には、ゲル・パーミュエーション・クロマトグラフィ(GPC)によって以下に記す条件で重量平均分子量Mwおよび数平均分子量Mnを測定した。温度40℃において、溶媒(テトラヒドロフラン)を毎分1.2mlの流速で流し、濃度0.2g/20mlのテトラヒドロフラン試料溶液を試料重量として3mg注入し、測定を行った。試料の分子量測定にあたっては、当該試料の有する分子量が数種の単分散ポリスチレン標準試料により作製された検量線の分子量の対数とカウント数が直線となる範囲内に包含される測定条件を選択した。
なお、測定結果の信頼性は、上述の測定条件で行ったNBS706ポリスチレン標準試料が、
重量平均分子量Mw=28.8×104
数平均分子量Mn=13.7×104
となることにより確認することができる。
また、GPCのカラムとしては、前記条件を満足するTSK−GEL、GMH(東洋曹達社製)等を用いた。
ポリエステルのガラス転移温度Tgの測定には、示差走査熱量計(島津製作所、DSC50)を用いた。
具体的には、0℃〜150℃まで10℃/minにて昇温した後、150℃で10分間ホールドさせ、次に150〜−10℃まで10℃/minで冷却させた後、−10℃で10分間ホールドさせ、その次に−10℃〜150℃まで10℃/minにて昇温する方法にて実施した。本発明において、ガラス転移温度は、2度目の昇温時における示差走査熱量分布曲線におけるオンセットの値とした。
本発明の樹脂粒子分散液のメジアン径は、例えばレーザー回折式粒度分布測定装置(堀場製作所、LA−920)などによって測定することができる。
また他のメジアン径の算出方法としては、酸化オスミウム染色法などを用いた断面TEM(透過型電子顕微鏡)(JEOL社製1010)によっても確認できる。
TEM写真によるメジアン径の算出方法は、撮影したTEM写真における任意の10個の粒子についてのメジアン径を求めて平均値を算出した後、スケール換算して求めることもできる。
本発明の樹脂粒子分散液のメジアン径は、0.05〜2.0μmであることが好ましく、更に好ましくは0.05〜1.0μmである。
樹脂粒子のメジアン径が0.01μm以上であると、粒子化の際の凝集性が良好であり、遊離の樹脂粒子が生じにくいので好ましい。また、系の粘度も上昇しにくく、粒径の制御が容易であるため好ましい。さらに、樹脂粒子のメジアン径が2.0μm以下であると、粗粉が生じにくく、粒度分布が良好であり、ワックスなどの離型剤が遊離しにくく、定着時の剥離性に優れ、また、オフセットの発生温度が低下しないため好ましい。
上記のようにして得られた樹脂15重量部を、同じく撹拌を備えたリアクターに投入し、界面活性剤としてドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウムを0.2重量部加え、更に、90℃に加温した0.2mol/Lの水酸化ナトリウム水溶液を30重量部え、90℃に保ったまま2時間撹拌を続けた。その後、80℃に加温したイオン交換水100重量部を加え、ホモジナイザー(IKA社製、ウルトラタラックスT50)で十分に混合撹拌し、樹脂の水中への分散を行った。
上記の方法によって、粒子のメジアン径210nmの非晶系ポリエステル樹脂粒子分散液1を得た。
なお得られた樹脂粒子分散液の粒子径は、レーザー回析式粒度分布測定装置(堀場製作所製、LA−920)で測定し、メジアン径を得た。
(樹脂粒子分散液2の作製)
BPZ−1EO 33.7重量部
CHDA 16.3重量部
DBSA 0.135重量部
上記材料を混合し、撹拌機を備えたリアクターに投入し、開放系にて樹脂温度120℃になるように20時間の重縮合を実施したところ、均一透明な非結晶性ポリエステル樹脂2を得た。
ここで少量の樹脂サンプルを採取し、以下の物性を測定した。
GPCによる重量平均分子量 11,080
ガラス転移温度(オンセット) 69℃
上記のようにして得られた樹脂15重量部を同じく撹拌機を備えたリアクターに投入し、界面活性剤としてドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウムを0.2重量部加え、更に、90℃に加温した0.2mol/Lの水酸化ナトリウム水溶液を30重量部加え、90℃に保ったまま2時間撹拌を続けた。その後、80℃に加温したイオン交換水100重量部を加え、ホモジナイザー(IKA社製、ウルトラタラックスT50)で十分に混合撹拌し、樹脂の水中への分散を行った。
上記の方法によって、粒子のメジアン径200nmの非晶系ポリエステル樹脂粒子分散液2を得た。
(樹脂粒子分散液3の作製)
BPA−1EO 15.8重量部
BPS−1EO 16.9重量部
CHDA 17.3重量部
DBSA 0.356重量部
上記材料を混合し、撹拌機を備えたリアクターに投入し、開放系にて樹脂温度120℃になるように20時間の重縮合を実施したところ、均一透明な非結晶性ポリエステル樹脂3を得た。
ここで少量の樹脂サンプルを採取し、以下の物性を測定した。
GPCによる重量平均分子量 14,240
ガラス転移温度(オンセット) 70℃
上記のようにして得られた樹脂15重量部を同じく撹拌機を備えたリアクターに投入し、界面活性剤としてドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウムを0.2重量部加え、更に、90℃に加温した0.2mol/Lの水酸化ナトリウム水溶液を30重量部加え、90℃に保ったまま2時間撹拌を続けた。その後、80℃に加温したイオン交換水100重量部を加え、ホモジナイザー(IKA社製、ウルトラタラックスT50)で十分に混合撹拌し、樹脂の水中への分散を行った。
上記の方法によって、粒子のメジアン径が220nmの非晶系ポリエステル樹脂粒子分散液3を得た。
(樹脂粒子分散液4の作製)
BPA−1PO 16.1重量部
BPS−1EO 16.9重量部
PDAA 18.4重量部
DBSA 0.132重量部
上記材料を混合し、撹拌機を備えたリアクターに投入し、開放系にて樹脂温度120℃になるように20時間の重縮合を実施したところ、均一透明な非結晶性ポリエステル樹脂4を得た。
ここで少量の樹脂サンプルを採取し、以下の物性を測定した。
GPCによる重量平均分子量 11,090
ガラス転移温度(オンセット) 71℃
上記のようにして得られた樹脂15重量部を同じく撹拌機を備えたアクターに投入し、界面活性剤としてドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウムを0.2重量部加え、更に、90℃に加温した0.2mol/Lの水酸化ナトリウム水溶液を30重量部加え、90℃に保ったまま2時間撹拌を続けた。その後、80℃に加温したイオン交換水100重量部を加え、ホモジナイザー(IKA社製、ウルトラタラックスT50)で十分に混合撹拌し、樹脂の水中への分散を行った。
上記の方法によって、粒子のメジアン径が190nmの非晶系ポリエステル樹脂粒子分散液4を得た。
(樹脂粒子分散液5の作製)
BPA−1PO 15.8重量部
BPZ−1EO 16.3重量部
PDAA 17.8重量部
DBSA 0.131重量部
上記材料を混合し、撹拌機を備えたリアクターに投入し、開放系にて樹脂温度120℃になるように20時間の重縮合を実施したところ、均一透明な非結晶性ポリエステル樹脂5を得た。
ここで少量の樹脂サンプルを採取し、以下の物性を測定した。
GPCによる重量平均分子量 10,060
ガラス転移温度(オンセット) 69℃
上記のようにして得られた樹脂15重量部を同じく撹拌機を備えたアクターに投入し、界面活性剤としてドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウムを0.2重量部加え、更に、90℃に加温した0.2mol/Lの水酸化ナトリウム水溶液を30重量部加え、90℃に保ったまま2時間撹拌を続けた。その後、80℃に加温したイオン交換水100重量部を加え、ホモジナイザー(IKA社製、ウルトラタラックスT50)で十分に混合撹拌し、樹脂の水中への分散を行った。
上記の方法によって、粒子のメジアン径が190nmの非晶系ポリエステル樹脂粒子分散液5を得た。
(樹脂粒子分散液6の作製)
BPS−2EO 34.3重量部
PDAA 15.7重量部
DBSA 0.118重量部
上記材料を混合し、撹拌機を備えたリアクターに投入し、開放系にて樹脂温度120℃になるように20時間の重縮合を実施したところ、均一透明な非結晶性ポリエステル樹脂6を得た。
ここで少量の樹脂サンプルを採取し、以下の物性を測定した。
GPCによる重量平均分子量 18,250
ガラス転移温度(オンセット) 60℃
上記のようにして得られた樹脂15重量部を同じく撹拌機を備えたアクターに投入し、界面活性剤としてドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウムを0.2重量部加え、更に、90℃に加温した0.2mol/Lの水酸化ナトリウム水溶液を30重量部加え、90℃に保ったまま2時間撹拌を続けた。その後、80℃に加温したイオン交換水100重量部を加え、ホモジナイザー(IKA社製、ウルトラタラックスT50)で十分に混合撹拌し、樹脂の水中への分散を行った。
上記の方法によって、粒子のメジアン径が190nmの非晶系ポリエステル樹脂粒子分散液6を得た。
(樹脂粒子分散液7の作製)
BPS−1PO 32.7重量部
PDAA 17.3重量部
DBSA 0.127重量部
上記材料を混合し、撹拌機を備えたリアクターに投入し、開放系にて樹脂温度120℃になるように20時間の重縮合を実施したところ、均一透明な非結晶性ポリエステル樹脂7を得た。
ここで少量の樹脂サンプルを採取し、以下の物性を測定した。
GPCによる重量平均分子量 9,980
ガラス転移温度(オンセット) 71℃
上記のようにして得られた樹脂15重量部を同じく撹拌機を備えたアクターに投入し、界面活性剤としてドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウムを0.2重量部加え、更に、90℃に加温した0.2mol/Lの水酸化ナトリウム水溶液を30重量部加え、90℃に保ったまま2時間撹拌を続けた。その後、80℃に加温したイオン交換水100重量部を加え、ホモジナイザー(IKA社製、ウルトラタラックスT50)で十分に混合撹拌し、樹脂の水中への分散を行った。
上記の方法によって、粒子のメジアン径が190nmの非晶系ポリエステル樹脂粒子分散液7を得た。
(樹脂粒子分散液8の作製)
BPA−1EO 31.0重量部
PDAA 19.03重量部
DBSA 0.131重量部
上記材料を混合し、撹拌機を備えたリアクターに投入し、開放系にて樹脂温度120℃になるように20時間の重縮合を実施したところ、均一透明な非結晶性ポリエステル樹脂8を得た。
ここで少量の樹脂サンプルを採取し、以下の物性を測定した。
GPCによる重量平均分子量 21,080
ガラス転移温度(オンセット) 42℃
上記のようにして得られた樹脂15重量部を同じく撹拌機を備えたリアクターに投入し、界面活性剤としてドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウムを0.2重量部加え、更に、90℃に加温した0.2mol/Lの水酸化ナトリウム水溶液を30重量部加え、90℃に保ったまま2時間撹拌を続けた。その後、80℃に加温したイオン交換水100重量部を加え、ホモジナイザー(IKA社製、ウルトラタラックスT50)で十分に混合撹拌し、樹脂の水中への分散を行った。
上記の方法によって、粒子のメジアン径200nmの非晶系ポリエステル樹脂分散液8を得た。
(樹脂9の作製)
BPA−2EO 3.8重量部
BPZ−1EO 30.1重量部
CHDA 16.1重量部
SnBnO 0.15重量部
上記材料を混合し、撹拌機を備えたリアクターに投入し、開放系にて樹脂温度120℃になるように20時間の重縮合を実施したが、重合が殆ど進展せず、室温で粘性の高い液体が得られ、非結晶性ポリエステル樹脂を得ることができなかった。
ここで、粘性の高い液体から少量のサンプル(樹脂9)を採取し、以下の物性を測定した。
GPCによる重量平均分子量 980
ガラス転移温度(オンセット) 室温以下
ここでは樹脂が得られなかった為、樹脂粒子分散液の作製は行わなかった。
(樹脂粒子分散液10の作製)
BPA−2EO 17.6重量部
BPZ−1EO 15.5重量部
PDAA 16.9重量部
SnBnO 0.15重量部
上記材料を混合し、撹拌機を備えたリアクターに投入し、開放系にて樹脂温度200℃になるように10時間の重縮合を実施したところ、均一透明な非結晶性ポリエステル樹脂10を得た。
ここで少量の樹脂サンプルを採取し、以下の物性を測定した。
GPCによる重量平均分子量 21,600
ガラス転移温度(オンセット) 63℃
上記のようにして得られた樹脂15重量部を同じく撹拌機を備えたリアクターに投入し、界面活性剤としてドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウムを0.2重量部加え、更に、90℃に加温した0.2mol/Lの水酸化ナトリウム水溶液を30重量部加え、90℃に保ったまま2時間撹拌を続けた。その後、80℃に加温したイオン交換水100重量部を加え、ホモジナイザー(IKA社製、ウルトラタラックスT50)で十分に混合撹拌し、樹脂の水中への分散を行った。
上記の方法によって、粒子のメジアン径210nmの非晶系ポリエステル樹脂分散液10を得た。
(樹脂11の作製)
BPA−1EO 15.8重量部
BPS−1EO 16.9重量部
CHDA 17.3重量部
SnBnO 0.15重量部
上記材料を混合し、撹拌機を備えたリアクターに投入し、開放系にて樹脂温度120℃になるように20時間の重縮合を実施したところ、均一透明な非結晶性ポリエステル樹脂11を得た。
ここで少量の樹脂サンプルを採取し、以下の物性を測定した。
GPCによる重量平均分子量 1,060
ガラス転移温度(オンセット) 室温以下
なお樹脂11は、ガラス転移温度が室温以下で十分な樹脂が得られなかった為、樹脂粒子分散液の作製は行わなかった。
(樹脂粒子分散液12の作製)
BPA−1EO 15.8重量部
BPS−1EO 16.9重量部
CHDA 17.3重量部
SnBnO 0.15重量部
上記材料を混合し、撹拌機を備えたリアクターに投入し、開放系にて樹脂温度200℃になるように24時間の重縮合を実施したところ、均一透明な非結晶性ポリエステル樹脂12を得た。
ここで少量の樹脂サンプルを採取し、以下の物性を測定した。
GPCによる重量平均分子量 21600
ガラス転移温度(オンセット) 70℃
上記のようにして得られた樹脂15重量部を同じく撹拌機を備えたリアクターに投入し、界面活性剤としてドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウムを0.2重量部加え、更に、90℃に加温した0.2mol/Lの水酸化ナトリウム水溶液を30重量部加え、90℃に保ったまま2時間撹拌を続けた。その後、80℃に加温したイオン交換水100重量部を加え、ホモジナイザー(IKA社製、ウルトラタラックスT50)で十分に混合撹拌し、樹脂の水中への分散を行った。
上記の方法によって、粒子のメジアン径が220nmの非晶系ポリエステル樹脂粒子分散液12を得た。
<急冷法による樹脂粒子分散液の調製>
(樹脂粒子分散液13の調製)
得られた非結晶性ポリエステル樹脂3の15重量部を撹拌を備えたリアクターに投入し、界面活性剤としてドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウムを0.2重量部加え、更に、90℃に加温した0.2mol/Lの水酸化ナトリウム水溶液を30重量部加え、90℃に保ったまま2時間撹拌を続けた。その後、80℃に加温したイオン交換水100重量部を加え、ホモジナイザー(IKA社製、ウルトラタラックスT50)で十分に混合撹拌し、樹脂の水中への分散を行った。
乳化終了後は、乳化液を冷却相に浸して冷却を行い、樹脂粒子分散液を作製した。このとき乳化液中に温度計を入れて、冷却温度が5.0℃/minになるようにして冷却した。この結果、均一透明な非結晶性ポリエステル樹脂13を得た。
上記の方法によって、粒子のメジアン径200nmの非晶系ポリエステル樹脂分散液13を得た。
なお、触媒由来金属量の測定は、得られた樹脂を圧縮成型し、蛍光X線分析装置(システム3370、リガク(株)製)により、樹脂中に残留しているSn元素の量を定量することにより行った。
得られた静電荷像現像トナー用結着樹脂及び静電荷像現像トナー用樹脂粒子分散液の特性について以下の表に示す。
Figure 0004600273
上記のように作製した樹脂分散液を原材料に用いてトナーを作製するに当たって、下記の離型剤粒子分散液W1、着色剤粒子分散液(シアン顔料分散液)を作製した。
(離型剤粒子分散液W1の調製)
ポリエチレンワックス 30重量部
(東洋ペトロライト社製、Polywax725、融点103℃)
カチオン性界面活性剤(花王社製、サニゾールB50) 3重量部
イオン交換水 67重量部
上記成分をホモジナイザー(IKA社製、ウルトラタラックスT50)で95℃に加熱しながら十分に分散した後、圧力吐出型ホモジナイザー(ゴーリン社製、ゴーリンホモジナイザー)で分散処理し、離型剤粒子分散液W1を調製した。得られた分散液中の離型剤粒子の個数平均粒子径D50nは4,600nmであった。その後イオン交換水を加えて、分散液の固形分濃度を30%に調整した。
(シアン顔料分散液C1の調製)
シアン顔料(大日精化工業社製、PB15:3) 20重量部
アニオン系界面活性剤(第一工業製薬社製、ネオゲンR) 2重量部
イオン交換水 78重量部
上記成分を、調製し、シアン顔料分散液を得た。分散液中の顔料の個数平均粒子径D50nは121nmであった。その後イオン交換水を加えて分散液の固形分濃度を15%に調整し、シアン顔料分散液C1を得た。
尚、本実施例において、離型剤粒子分散液及び着色剤粒子分散液におけるそれぞれのメジアン径は、レーザー回折式粒度分布測定装置(堀場製作所、LA−920)によって測定した。
<トナー実施例>
(トナー粒子1の調製)
樹脂粒子分散液1 160重量部
離型剤粒子分散液W1 33重量部
シアン顔料分散液C1 60重量部
ポリ塩化アルミニウム10重量%水溶液 15重量部
(浅田化学社製、PAC100W)
1%硝酸水溶液 3重量部
上記成分を、丸型ステンレス鋼製フラスコ中で、ホモジナイザー(LKA社製、ウルトラタラックスT50)を用いて5,000rpmで3分間分散した後、前記フラスコに磁力シールを有した撹拌装置、温度計とpH計を具備した蓋をしてから、加熱用マントルヒーターをセットし、フラスコ中の分散液全体が撹拌される最低の回転数に適宜調節して撹拌しながら62℃まで1℃/1minで加熱し、62℃で30分間保持し、凝集粒子の粒径をコールターカウンター(日科機社製、TA II)で確認した。昇温停止後ただちに樹脂粒子分散液1を50重量部追加し、30分間保持したのち、系内のpHが6.5になるまで水酸化ナトリウム水溶液を加えてから、1℃/1minで97℃まで加熱した。昇温後、硝酸水溶液を加えて系内のpHを5.0にして、10時間保持して凝集粒子を加熱融合した。
この後系内を50℃まで降温し、水酸化ナトリウム水溶液を加えてpHを12.0に調節して10分間保持した。その後フラスコから取り出し、イオン交換水を用いて充分にろ過、通水洗浄した後、さらに固形分量が10重量%となるようにイオン交換水中に分散し、硝酸を加えてpH3.0で10分間撹拌した後、再びイオン交換水を用いて充分にろ過、通水洗浄して得られたスラリーを凍結乾燥してシアントナー(トナーC1)を得た。
前記トナーC1に、ヘキサメチルジシラザン(以下、「HMDS」と略す場合がある)で表面疎水化処理した一次粒子平均粒径40nmのシリカ(SiO2)微粒子と、メタチタン酸とイソブチルトリメトキシシランの反応生成物である一次粒子平均粒径20nmのメタチタン酸化合物微粒子とを、それぞれ1重量%ずつ添加し、ヘンシェルミキサーで混合し、シアン外添トナーを作製した。
このようにして得られたトナー粒子の粒径をコールターカウンターで測定したところ、平均体積粒子径(D50)が4.56μm、体積平均粒度分布指標GSDvが1.20であった。また、ルーゼックスによる形状観察より求めたトナー粒子の形状係数SF1は135のポテト形状であった。
(トナー実施例2〜7、8)
トナー実施例1において、それぞれ樹脂粒子分散液を2〜7、13に変えた以外は同様の方法でシアントナーを得、平均体積粒子径(D50)と体積平均粒度分布指標GSDv、形状係数を測定した。本トナーにトナー実施例1と同様に外添剤を外添しシアン外添トナーを得た。
(トナー比較例1〜3)
トナー実施例1において、それぞれ樹脂粒子分散液を8、10、12に変えた以外は同様の方法でシアントナーを得、平均体積粒子径(D50)累積体積平均粒径D50と体積平均粒度分布指標GSDv、形状係数を測定した。本トナーにトナー実施例1と同様に外添剤を外添しシアン外添トナーを得た。
(キャリアの作製)
体積平均粒子径40μmのCu−Znフェライト微粒子100重量部にγ−アミノプロピルトリエトキシシラン0.1重量部を含有するメタノール溶液を添加し、ニーダーで被覆した後、メタノールを留去し、さらに120℃で2時間加熱して上記シラン化合物を完全に硬化させた。この粒子に、パーフルオロオクチルエチルメタクリレート−メチルメタクレート共重合体(共重合比40:60)をトルエンに溶解させたものを添加し、真空減圧型ニーダーを使用してパーフルオロオクチルエチルメタクリレート−メチルメタクレート共重合体のコーティング量が0.5重量%となるように樹脂被覆型キャリアを製造した。
(現像剤の作製)
上述のように作製した各トナー8重量部を、得られた樹脂被覆型キャリア100重量部に投入しVブレンダーにて混合して、静電荷像現像剤を作製した。
(トナー・画質の評価)
(1)摩擦帯電量の評価
得られたトナーを1.5重量部、キャリア(富士ゼロックス製DocuCenterColor500用キャリア)30重量部を、高温高湿(温度28℃、湿度85%)環境に1昼夜放置した。その後、両者を60分混合撹拌し、ブローオフトライボ測定装置にて摩擦帯電量(トライボTV値)を測定した。
評価は以下の基準で行った。
○ 帯電量31(μC/g)以上
△ 帯電量29〜31(μC/g)
× 帯電量29(μC/g単位)以下
(2)機械的強度評価
富士ゼロックス社製フルカラー複写機DocuCenterColor500の現像機を単体で駆動できる装置を作成し、上記(1)と同じように作製した現像剤を現像機内に投入し、複写機内と同一条件にて、駆動させた。そこで、任意の時間において、現像機内の現像剤をサンプリングし、トナーの粒度分布をコールターカウンターTAII(日科機社製)にて測定した。X軸に駆動時間(時間(h))、Y軸に個数平均分布における3.0μm以下の累計値(%)をプロットし、その傾きを機械的強度指数と定義し、その数値により機械的強度を評価した。この数値が大きいほど現像機内での破砕が発生しやすく、機械的強度が弱いことを表すが、
○ 機械的強度指数が0.20以下
△ 機械的強度指数が0.21〜0.30
× 機械的強度指数が0.30以上
とした。
(3)定着性評価
上記(1)と同じように作製した現像剤での定着、画質の評価は富士ゼロックス社製Docu Centre Color500CP改造機を用いて画像形成を行い、定着温度、初期画質の画質評価を行った。この場合評価項目として最低定着温度は、トナー粒子が連続フィルム層を形成する加熱ローラの最低温度とし、ホットオフセット発生温度は、ホットオフセット現象が生ずる最低温度とし、さらに画質特性は画質むらを目視にて判断した。
a.ホットオフセット発生温度:
オフセット発生温度の測定は、上記複写機にて未定着画像を作成した後、トナー像を転写して5cm×5cm、トナー載り量が1.2mg/cm2のソリッド画像になるように調整の後、上述の定着器により定着処理を行い、次いで白紙の転写紙を同様の条件下で定着器に送ってこれにトナー汚れが生ずるか否かを目視観察する操作を、前記定着器の熱ローラの設定温度を5℃ずつ順次上昇させた状態で繰り返し、トナーによる汚れの生じた最低の設定温度をもってオフセット発生温度とした。なおこのときに用いた用紙は富士ゼロックス社製、ブライトリサイクル紙(AT801)であり、またそのときのプロセススピードは100mm/秒であり、オフセットの発生は実機よりも発生しやすい条件で評価を行った。
◎ 220℃でオフセット発生なし
○ オフセット発生温度が215〜220℃
△ オフセット発生温度が200℃〜210℃
× オフセット発生温度195℃以下
とした。
b.画質特性(カブリの評価):
細線画像を定着した画質の細線間の非画像部分について、反射濃度計(X−Rite404、米国X−Rite社製)にて測定して、反射濃度が地カブリのところで0.01以上の濃度増加があれば×、0.01以下であれば○とした。
c.こすり画像強度評価:
Docu Centre Color500CP改造機の自動原稿送り装置(富士ゼロックス社製)を用いて測定した。5枚の原稿を自動原稿送り装置にセットして送り、2枚目以降の原稿の裏汚れを目視で確認し、グレード付けを行った。(○は実使用上問題のないレベルを示す。)
○ 裏汚れ未発生、又は目視での確認が困難な程度の汚れ
△ 目視での確認が可能な汚れが発生
× 目視での確認が十分可能な著しい汚れが発生
(4)トナー熱保管性
保管温度50℃の温度条件下、包装容器中に開放状態でトナーを24時間保管した後、トナー20gを採取し、採取トナーを孔径45μmの網上に載置し、90秒間振動を印加しつつ通過させた。網上に残存したトナー量の全トナー量(20g)に対する百分率を測定した。
結果は、以下の基準で判断した。
○ 残存率9%以下
△ 残存率9%〜11%
× 残存率11%以上
以下の表に、評価結果を示す。
Figure 0004600273

Claims (8)

  1. ポリカルボン酸とポリオールの重縮合反応により得られるトナー用結着樹脂であって、
    該ポリカルボン酸の50mol%以上100mol%以下が式(1)及び/又は式(2)で表される化合物よりなり、
    該ポリオールの10mol%以上100mol%以下が式(3)で表される化合物よりなり、かつ
    硫黄酸を重縮合反応触媒として重縮合され、
    樹脂中に残留するSn元素が蛍光X線分析法による検出限界以下であることを特徴とする
    静電荷像現像トナー用結着樹脂。
    1OOCA1 m1 n1 lCOOR1' (1)
    (A1:メチレン基、B1:芳香族炭化水素基、R1、R1':水素原子又は1価の炭化水素基、1≦m+l≦12、1≦n≦3)
    2OOCA2 p2 q2 rCOOR2' (2)
    (A2:メチレン基、B2:脂環式炭化水素基、R2、R2':水素原子又は1価の炭化水素基、0≦p≦6、0≦r≦6、1≦q≦3)
    HOXh−Ph−Y−Ph−XkOH (3)
    (X:アルキレンオキサイド基、Y:SO2又はC610、1≦h≦3、1≦k≦3)
  2. ポリカルボン酸とポリオールを重縮合反応させる工程を含む静電荷像現像トナー用結着樹脂の製造方法であって、
    該ポリカルボン酸の50mol%以上100mol%以下が式(1)及び/又は式(2)で表される化合物よりなり、
    該ポリオールの10mol%以上100mol%以下が式(3)で表される化合物よりなり、かつ
    硫黄酸を重縮合反応触媒として重縮合され、
    樹脂中に残留するSn元素が蛍光X線分析法による検出限界以下であることを特徴とする
    請求項1に記載の静電荷像現像トナー用結着樹脂の製造方法。
    1OOCA1 m1 n1 lCOOR1' (1)
    (A1:メチレン基、B1:芳香族炭化水素基、R1、R1':水素原子又は1価の炭化水素基、1≦m+l≦12、1≦n≦3)
    2OOCA2 p2 q2 rCOOR2' (2)
    (A2:メチレン基、B2:脂環式炭化水素基、R2、R2':水素原子又は1価の炭化水素基、0≦p≦6、0≦r≦6、1≦q≦3)
    HOXh−Ph−Y−Ph−XkOH (3)
    (X:アルキレンオキサイド基、Y:SO2又はC610、1≦h≦3、1≦k≦3)
  3. 請求項1に記載の静電荷像現像トナー用結着樹脂を分散した静電荷像現像トナー用結着樹脂分散液。
  4. 少なくとも結着樹脂分散液を含む分散液中で該結着樹脂を凝集して凝集粒子を得る工程、及び、
    該凝集粒子を加熱して融合させる工程
    を含む静電荷像現像トナーの製造方法であって、
    前記結着樹脂分散液が請求項3に記載の静電荷像現像トナー用結着樹脂分散液であることを特徴とする
    静電荷像現像トナーの製造方法。
  5. 請求項4に記載の製造方法により製造された静電荷像現像トナー。
  6. 請求項1に記載の静電荷像現像トナー用結着樹脂を含む混合物を混練粉砕して作製した静電荷像現像トナー。
  7. 請求項5又は6に記載の静電荷像現像トナーとキャリアとを含む静電荷像現像剤。
  8. 潜像保持体表面に静電潜像を形成する潜像形成工程と、
    前記潜像保持体表面に形成された静電潜像をトナー又は静電荷像現像剤により現像してトナー像を形成する現像工程と、
    前記潜像保持体表面に形成されたトナー像を被転写体表面に転写する転写工程と、
    前記被転写体表面に転写されたトナー像を熱定着する定着工程と
    を含む画像形成方法であって、
    前記トナーとして請求項5又は6に記載の静電荷像現像トナー、又は、前記現像剤として請求項7に記載の静電荷像現像剤を用いることを特徴とする
    画像形成方法。
JP2005371726A 2005-12-26 2005-12-26 静電荷像現像トナー用結着樹脂、静電荷像現像トナー用結着樹脂分散液及び、静電荷像現像トナー並びにそれらの製造方法 Expired - Fee Related JP4600273B2 (ja)

Priority Applications (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2005371726A JP4600273B2 (ja) 2005-12-26 2005-12-26 静電荷像現像トナー用結着樹脂、静電荷像現像トナー用結着樹脂分散液及び、静電荷像現像トナー並びにそれらの製造方法
US11/445,230 US7524603B2 (en) 2005-12-26 2006-06-02 Binder resin for electrostatic image developing toner, binder resin liquid dispersion for electrostatic image developing toner, electrostatic image developing toner and production processes thereof
CNA2006101467045A CN1991599A (zh) 2005-12-26 2006-11-16 静电图像显影调色剂用粘合剂树脂及其分散液、静电图像显影调色剂及其制造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2005371726A JP4600273B2 (ja) 2005-12-26 2005-12-26 静電荷像現像トナー用結着樹脂、静電荷像現像トナー用結着樹脂分散液及び、静電荷像現像トナー並びにそれらの製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2007171757A JP2007171757A (ja) 2007-07-05
JP4600273B2 true JP4600273B2 (ja) 2010-12-15

Family

ID=38194239

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2005371726A Expired - Fee Related JP4600273B2 (ja) 2005-12-26 2005-12-26 静電荷像現像トナー用結着樹脂、静電荷像現像トナー用結着樹脂分散液及び、静電荷像現像トナー並びにそれらの製造方法

Country Status (3)

Country Link
US (1) US7524603B2 (ja)
JP (1) JP4600273B2 (ja)
CN (1) CN1991599A (ja)

Families Citing this family (13)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007025449A (ja) * 2005-07-20 2007-02-01 Fuji Xerox Co Ltd 静電荷像現像トナー用樹脂粒子分散液、静電荷像現像トナー、それらの製造方法、現像剤及び画像形成方法
JP4670679B2 (ja) * 2006-02-23 2011-04-13 富士ゼロックス株式会社 静電荷像現像用トナー及びその製造方法、静電荷像現像剤並びに画像形成方法
US8460846B2 (en) * 2007-03-30 2013-06-11 Kao Corporation Toner for electrostatic image development
US8377618B2 (en) * 2007-09-14 2013-02-19 Ricoh Company Limited Image forming method, image forming apparatus, and toner
JP4525749B2 (ja) 2007-12-20 2010-08-18 富士ゼロックス株式会社 静電荷像現像トナー用結着樹脂、静電荷像現像トナー用結着樹脂粒子分散液、静電荷像現像トナーの製造方法、静電荷像現像トナー、静電荷像現像剤、画像形成方法及び画像形成装置
US7989135B2 (en) * 2008-02-15 2011-08-02 Xerox Corporation Solvent-free phase inversion process for producing resin emulsions
JP5245453B2 (ja) * 2008-02-27 2013-07-24 富士ゼロックス株式会社 静電荷像現像トナー用ポリエステル樹脂及びその製造方法、静電荷像現像トナー、静電荷像現像剤、画像形成方法、並びに、画像形成装置
JP5299612B2 (ja) * 2008-06-20 2013-09-25 富士ゼロックス株式会社 静電荷像現像トナー用ポリエステル樹脂及びその製造方法、静電荷像現像トナー、静電荷像現像剤、画像形成方法、並びに、画像形成装置
JP5428329B2 (ja) * 2008-12-24 2014-02-26 富士ゼロックス株式会社 静電荷像現像用トナー、静電荷像現像剤、トナーカートリッジ、プロセスカートリッジ及び画像形成装置
KR20110091370A (ko) * 2010-02-05 2011-08-11 삼성정밀화학 주식회사 토너의 제조방법
US8557493B2 (en) * 2010-12-21 2013-10-15 Xerox Corporation Toner compositions and processes
EP2930566B1 (en) * 2012-12-07 2019-07-31 Mitsubishi Chemical Corporation Polyester resin for toners, method for producing same, and toner
JP6322034B2 (ja) * 2013-04-10 2018-05-09 大阪ガスケミカル株式会社 樹脂組成物

Citations (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS61188417A (ja) * 1985-02-16 1986-08-22 Konishiroku Photo Ind Co Ltd 静電荷像現像用トナ−
JPH07188523A (ja) * 1993-12-27 1995-07-25 Kao Corp ポリエステル樹脂組成物
JPH1078679A (ja) * 1996-09-02 1998-03-24 Toyobo Co Ltd 静電荷像現像用トナー及び静電荷像現像用トナーの定着方法
JPH1160703A (ja) * 1997-08-07 1999-03-05 Mitsubishi Rayon Co Ltd トナー用ポリエステル樹脂、その製造方法およびそれを用いたトナー
JP2001051451A (ja) * 1999-08-06 2001-02-23 Dainippon Ink & Chem Inc 電荷調整剤、及びそれを用いた静電荷像現像用負帯電性トナー
JP2004217721A (ja) * 2003-01-10 2004-08-05 Mitsubishi Chemicals Corp ポリエステル及びその製造法
JP2004285131A (ja) * 2003-03-20 2004-10-14 Fuji Xerox Co Ltd 乳化液、電子写真用トナー、および電子写真用トナー製造方法
JP2005099122A (ja) * 2003-09-22 2005-04-14 Fuji Xerox Co Ltd 電子写真用透明トナー、電子写真用透明現像剤および光沢付与装置
JP2005338339A (ja) * 2004-05-26 2005-12-08 Fuji Xerox Co Ltd 静電荷像現像用トナー及びその製造方法

Family Cites Families (11)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5926020B2 (ja) 1979-06-21 1984-06-23 花王株式会社 電子写真用トナ−組成物
JPS5817452A (ja) 1981-07-23 1983-02-01 Kao Corp 電子写真トナ−用樹脂組成物
JP2707868B2 (ja) 1990-06-06 1998-02-04 富士ゼロックス株式会社 カラートナー及びその製造方法
JPH10130380A (ja) 1996-10-28 1998-05-19 Tomoegawa Paper Co Ltd ポリエステル樹脂およびその製造方法
JPH10339969A (ja) 1997-04-07 1998-12-22 Kao Corp 電子写真用トナー
JPH11313692A (ja) 1998-05-07 1999-11-16 Toyo Ink Mfg Co Ltd ポリエステルの製造方法
JP3746694B2 (ja) 2001-08-14 2006-02-15 独立行政法人科学技術振興機構 水中エステル化反応方法
JP2003261662A (ja) 2002-03-11 2003-09-19 Toyo Ink Mfg Co Ltd ポリエステルの製造方法
JP3703136B2 (ja) 2002-04-16 2005-10-05 独立行政法人科学技術振興機構 ポリエステル合成用触媒
US7005406B2 (en) 2003-02-26 2006-02-28 Eastman Kodak Company Image-recording element comprising polyester-containing image-receiving layer
EP2328035B1 (en) 2003-12-10 2016-03-02 Sanyo Chemical Industries, Ltd. Resin particles

Patent Citations (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS61188417A (ja) * 1985-02-16 1986-08-22 Konishiroku Photo Ind Co Ltd 静電荷像現像用トナ−
JPH07188523A (ja) * 1993-12-27 1995-07-25 Kao Corp ポリエステル樹脂組成物
JPH1078679A (ja) * 1996-09-02 1998-03-24 Toyobo Co Ltd 静電荷像現像用トナー及び静電荷像現像用トナーの定着方法
JPH1160703A (ja) * 1997-08-07 1999-03-05 Mitsubishi Rayon Co Ltd トナー用ポリエステル樹脂、その製造方法およびそれを用いたトナー
JP2001051451A (ja) * 1999-08-06 2001-02-23 Dainippon Ink & Chem Inc 電荷調整剤、及びそれを用いた静電荷像現像用負帯電性トナー
JP2004217721A (ja) * 2003-01-10 2004-08-05 Mitsubishi Chemicals Corp ポリエステル及びその製造法
JP2004285131A (ja) * 2003-03-20 2004-10-14 Fuji Xerox Co Ltd 乳化液、電子写真用トナー、および電子写真用トナー製造方法
JP2005099122A (ja) * 2003-09-22 2005-04-14 Fuji Xerox Co Ltd 電子写真用透明トナー、電子写真用透明現像剤および光沢付与装置
JP2005338339A (ja) * 2004-05-26 2005-12-08 Fuji Xerox Co Ltd 静電荷像現像用トナー及びその製造方法

Also Published As

Publication number Publication date
US20070148579A1 (en) 2007-06-28
JP2007171757A (ja) 2007-07-05
US7524603B2 (en) 2009-04-28
CN1991599A (zh) 2007-07-04

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4600273B2 (ja) 静電荷像現像トナー用結着樹脂、静電荷像現像トナー用結着樹脂分散液及び、静電荷像現像トナー並びにそれらの製造方法
JP4428317B2 (ja) 静電荷像現像用トナー用結着樹脂、静電荷像現像用トナー用結着樹脂分散液及び、静電荷像現像用トナー並びにそれらの製造方法
JP4682797B2 (ja) 静電荷像現像用トナーの製造方法、静電荷像現像用トナー、静電荷像現像剤及び画像形成方法
JP4687380B2 (ja) 画像形成方法及び静電荷像現像用トナーの製造方法
JP4670679B2 (ja) 静電荷像現像用トナー及びその製造方法、静電荷像現像剤並びに画像形成方法
JP4525749B2 (ja) 静電荷像現像トナー用結着樹脂、静電荷像現像トナー用結着樹脂粒子分散液、静電荷像現像トナーの製造方法、静電荷像現像トナー、静電荷像現像剤、画像形成方法及び画像形成装置
JP2007293043A (ja) 静電荷像現像トナー、静電荷像現像トナーの製造方法、静電荷像現像剤及び画像形成方法
JP5245453B2 (ja) 静電荷像現像トナー用ポリエステル樹脂及びその製造方法、静電荷像現像トナー、静電荷像現像剤、画像形成方法、並びに、画像形成装置
JP5135682B2 (ja) ポリエステルの製造方法、樹脂粒子分散液及びその製造方法、静電荷像現像トナー及びその製造方法、静電荷像現像剤、並びに、画像形成方法
JP4670608B2 (ja) 静電荷像現像トナー用結着樹脂の製造方法、静電荷像現像トナー用樹脂粒子分散液、静電荷像現像トナー及びその製造方法、静電荷像現像剤、並びに、画像形成方法
JP2007083097A (ja) 樹脂粒子分散液、静電荷像現像トナー、それらの製造方法、現像剤及び画像形成方法
US9145360B2 (en) Bronsted acid compound, manufacturing method of condensation compound, dispersion liquid of condensation compound particles, manufacturing method of electrostatic image developing toner, manufacturing method of binder resin, binder resin, dispersion liquid of resin particles, electrostatic image developing toner, electrostatic image developer, and image-forming method
JP4462026B2 (ja) 縮合化合物粒子分散液の製造方法、静電荷現像トナーの製造方法
JP2007310257A (ja) 静電荷像現像トナー用結着樹脂、静電荷像現像トナー用結着樹脂分散液、静電荷像現像トナー及びその製造方法、静電荷像現像剤、並びに、画像形成方法
JP4591332B2 (ja) 結着樹脂の製造方法、樹脂粒子分散液及びその製造方法、静電荷像現像トナー及びその製造方法、静電荷像現像剤、並びに、画像形成方法
JP4462027B2 (ja) 樹脂粒子分散液の製造方法、静電荷現像トナーの製造方法
JP2009203251A (ja) 生分解性ポリエステル樹脂及びその製造方法、静電荷像現像トナー、静電荷像現像剤、画像形成方法、並びに、画像形成装置
JP5162881B2 (ja) 樹脂粒子分散液及びその製造方法、静電荷像現像用トナー、静電荷像現像剤、現像装置、カートリッジ並びに画像形成装置
JP2007156047A (ja) 静電荷像現像用トナー及びその製造方法、静電荷像現像剤並びに画像形成方法
JP2007316212A (ja) 静電荷像現像トナー用結着樹脂及びその製造方法、静電荷像現像トナー用結着樹脂粒子分散液、静電荷像現像トナー及びその製造方法、静電荷像現像剤、並びに画像形成方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20081120

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20100527

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20100608

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20100804

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20100831

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20100913

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20131008

Year of fee payment: 3

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees