JPH10339969A - 電子写真用トナー - Google Patents

電子写真用トナー

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Publication number
JPH10339969A
JPH10339969A JP6164998A JP6164998A JPH10339969A JP H10339969 A JPH10339969 A JP H10339969A JP 6164998 A JP6164998 A JP 6164998A JP 6164998 A JP6164998 A JP 6164998A JP H10339969 A JPH10339969 A JP H10339969A
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JP
Japan
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temperature
toner
mol
acid
electrophotographic toner
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Application number
JP6164998A
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English (en)
Inventor
Tetsuhiro Semura
哲弘 瀬村
Yoshihiro Ueno
芳弘 上野
Shingo Nonohara
真吾 野々原
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Kao Corp
Original Assignee
Kao Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】耐ブロッキング性、帯電安定性、及び低温定着
性に優れ、低温低湿・高温高湿のいずれの環境下におい
てもそれらの影響が極めて小さく、かつ透明性が高く、
平滑な定着面を形成することのできる電子写真用トナー
及び現像剤組成物を提供すること。 【解決手段】少なくとも結着樹脂及び着色剤を含有する
電子写真用トナーにおいて、前記結着樹脂の主成分が熱
可塑性樹脂であり、重合の際に、プロピレンオキサイド
2.0モル付加体を90%以上含有するポリオキシプロ
ピレン化ビスフェノールA、及び/又はエチレンオキサ
イド2.0モル付加体を88%以上含有するポリオキシ
エチレン化ビスフェノールAを全アルコール成分中に2
0モル%以上使用して得られる線状ポリエステルである
ことを特徴とする電子写真用トナー、並びに該電子写真
用トナーを磁性キャリアに担持してなる現像剤組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電子写真用トナー
および該トナーを含有してなる現像剤組成物に関する。
さらに詳しくは、トナー、特にカラートナーに必要とさ
れる透明性に優れると共に、定着性や耐ブロッキング性
にも優れた電子写真用トナーおよび現像剤組成物に関す
る。
【0002】
【従来の技術】近年、カラー複写機においても記録速度
の高速化および装置の小型化にともない、より一層の低
温定着化が可能であるトナー用結着樹脂の開発が急務と
なっている。
【0003】しかし、記録速度の高速化、小型化におい
ては、多数回にわたって連続複写を行うと像支持体に熱
ローラーの熱が奪われ、熱補給が間に合わず、熱ローラ
ーの温度が低下して定着不良が生じるという問題があ
る。
【0004】これに対し、低温定着性を向上させるため
にトナー用結着樹脂の低分子量化が知られている(ファ
インケミカル,1993年,Vol.22,p.7)
が、単純に低分子量化を行えば、それにともないガラス
転移点も低下する。その結果、トナーの性能における耐
ブロッキング性(貯蔵環境条件下におけるトナーの凝集
性)が悪化するという問題点が発生する。
【0005】また、フルカラー電子写真法では、複数回
の現像を行い、同一の転写材上に色の異なる数種のトナ
ー層の重ね合わせを行うため、樹脂の透明性と、定着さ
れたときに定着面が平滑になることも要求される。従っ
て、モノカラー複写機用で要求される、定着温度領域が
広く、耐オフセット性に優れるという性能に加え、要求
される条件はさらに厳しくなっている。
【0006】一方、複写機の汎用性が高まるにつれ、高
温高湿または低温低湿のような苛酷な条件下に設置され
ることが多くなっており、そのような苛酷な条件におい
ても通常の環境における場合と同様に鮮明な画像が得ら
れることが、トナーに必要不可欠となっている。
【0007】以上のように、適度な硬さを持つと共に、
トナーの基本特性である耐ブロッキング性、帯電安定
性、低温定着性、およびフルカラートナー特性である透
明性、定着面の平滑性を同時に満足することは極めて難
しい。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、耐ブ
ロッキング性、帯電安定性、および低温定着性に優れ、
低温低湿・高温高湿のいずれの環境下においてもそれら
の影響が極めて小さく、かつ透明性が高く、平滑な定着
面を形成することのできる電子写真用トナーおよび現像
剤組成物を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明の要旨は、(1)
少なくとも結着樹脂および着色剤を含有する電子写真
用トナーにおいて、前記結着樹脂の主成分が熱可塑性樹
脂であり、重合の際に、一般式(I):
【0010】
【化3】
【0011】(ただし、mおよびnは0〜2を表し、m
+n=2.0である)で表される化合物を90%以上含
有するポリオキシプロピレン化ビスフェノールA、およ
び/または一般式(II):
【0012】
【化4】
【0013】(ただし、pおよびqは0〜2を表し、p
+q=2.0である)で表される化合物を88%以上含
有するポリオキシエチレン化ビスフェノールAを全アル
コール成分中に20モル%以上使用して得られる線状ポ
リエステルであることを特徴とする電子写真用トナー、
並びに(2) 前記(1)記載の電子写真用トナーを磁
性キャリアに担持してなる現像剤組成物、に関する。
【0014】
【発明の実施の形態】本発明の電子写真用トナーは、少
なくとも結着樹脂および着色剤を含有する電子写真用ト
ナーにおいて、前記結着樹脂の主成分が熱可塑性樹脂で
あり、重合の際に、一般式(I)で表される化合物を9
0%以上含有するポリオキシプロピレン化ビスフェノー
ルA(以下、PO化BPAと略す)、および/または一
般式(II)で表される化合物を88%以上含有するポリ
オキシエチレン化ビスフェノールA(以下、EO化BP
Aと略す)を全アルコール成分中に20モル%以上使用
して得られる線状ポリエステルであることを特徴とする
ものである。
【0015】すなわち、本発明における線状ポリエステ
ルは、重合の際に、PO化BPAおよび/またはEO化
BPAを、全アルコール成分中に20モル%以上、好ま
しくは40〜100モル%使用して得られるものであ
る。また、本発明において、前記PO化BPAは、一般
式(I)で表される化合物、すなわちプロピレンオキサ
イド(以下、POと略す)2.0モル付加体を90%以
上、好ましくは92〜100%、さらに好ましくは92
〜98%含有するものであり、前記EO化BPAは、一
般式(II)で表される化合物、すなわちエチレンオキサ
イド(以下、EOと略す)2.0モル付加体を88%以
上、好ましくは88〜100%、さらに好ましくは90
〜100%、特に好ましくは90〜98%含有するもの
である。
【0016】POまたはEO2.0モル付加体が上記濃
度より小さい場合は、他の副生成物(POの付加モル数
が2.0モルを越えるPO化BPA、EOの付加モル数
が2.0モルを越えるEO化BPA)が多く、それが残
存単量体として残った場合、耐ブロッキング性に悪影響
を及ぼす。しかし、上記のPOまたはEO2.0モル付
加体を前記の所定の濃度で使用することによって得られ
た結着樹脂を使用するトナーは、通常のトナーに比べて
耐ブロッキング性が向上する。
【0017】なお、本発明におけるPO化BPAおよび
EO化BPAの純度は、試料30〜50mgにシリル化
剤(TMSI−H、ジーエルサイエンス(株)製)1m
lを加え、湯浴(50〜80℃)にて溶解させた後、よ
く振とうしてシリル化を行い、静置分離し、下記の条件
で上澄み液のガスクロマトグラフィーによる分析を行
い、各成分のピーク面積を百分率で表す。
【0018】 〔ガスクロマトグラフィーの測定条件〕 ・ガスクロマトグラフィー:GC−7A((株)島津製作所製) ・液相:OV17(西尾工業(株)製) 濃度:5重量% ・キャリアーガス:ヘリウム 流量:5mm/分 ・検出器:水素炎イオン化検出器 水素流量:0.6kg/cm2 空気流量:0.5kg/cm2 ・カラムの温度:100〜300℃(昇温速度:3℃/分)
【0019】ここで、線状ポリエステルとは、直鎖状の
主鎖からなるポリエステルまたは直鎖状の主鎖とそれに
結合する比較的短い側鎖とからなる構造をもつポリエス
テルをいい、3価以上の単量体やその他の架橋剤を使用
することなく、2価の単量体の重合により得られるもの
であり、そのため平滑な定着面を形成することができ
る。
【0020】前記線状ポリエステルは、カルボン酸、カ
ルボン酸の炭素数8〜16のアルキルエステル、カルボ
ン酸無水物等の酸成分と前記PO化BPAおよび/また
はEO化BPAを含むアルコール成分とを原料単量体と
して用いて製造することができる。
【0021】酸成分としては、例えばマレイン酸、フマ
ール酸、シトラコン酸、イタコン酸、グルタコン酸、n
−ドデセニルコハク酸等のアルケニルコハク酸類等の脂
肪族系不飽和ジカルボン酸;コハク酸、アジピン酸、セ
バチン酸、アゼライン酸、マロン酸、n−ドデシルコハ
ク酸等のアルキルコハク酸類等の脂肪族系飽和ジカルボ
ン酸;フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸等の芳香
族ジカルボン酸;シクロヘキサンジカルボン酸等の脂環
式ジカルボン酸;またはこれらの酸の無水物、炭素数8
〜16のアルキルエステルを挙げることができる。
【0022】また、前記PO化BPAおよびEO化BP
A以外のアルコール成分としては、例えば、エチレング
リコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコ
ール、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロピ
レングリコール、1,4−ブタンジオール、ネオペンチ
ルグリコール、1,4−ブテンジオール、1,5−ペン
タンジオール、1,6−ヘキサンジオール等のジオール
類、ビスフェノールA、水素添加ビスフェノールAを挙
げることができる。
【0023】本発明における線状ポリエステルは、公知
のエステル化反応、エステル交換反応等を利用して、前
記酸成分とアルコール成分とを縮重合することにより製
造することができる。例えば反応温度170〜220
℃、反応圧力5mmHg〜常圧にて、適宜触媒等を用い
ながら縮重合等を行い(最適温度、圧力は単量体の反応
性等で決める)、所定の物性になった時点で反応を終了
すればよい。
【0024】本発明において、トナーの重要な要求特性
である熱特性を満たすためには、それに用いられる樹脂
が適当な分子量に制御されることが好ましく、高化式フ
ローテスターによる軟化温度、およびその測定における
流出開始温度と軟化温度との温度差をその基準とする。
具体的には、線状ポリエステルの高化式フローテスター
による軟化温度が70〜115℃であり、その測定にお
ける流出開始温度と軟化温度との温度差が10〜40℃
であることが好ましく、より好ましくは、軟化温度が7
5〜100℃、流出開始温度と軟化温度との温度差が1
5〜35℃である。
【0025】軟化温度や流出開始温度と軟化温度との温
度差がこの範囲未満では、耐オフセット性、耐ブロッキ
ング性が悪くなる傾向があり、この範囲を超えると低温
定着性に支障をきたす傾向がある。
【0026】高化式フローテスターについては、JIS K
7210に概略が記載されているが、本発明では、高化式フ
ローテスター(島津製作所製)を用いて1cm3 の試料
を昇温速度6℃/分で加熱しながら、プランジャーによ
り20kg/cm2 の荷重を与え、直径1mm、長さ1
mmのノズルを押し出すようにし、樹脂の半分が流出す
る温度を軟化温度とする。また流出開始温度は、樹脂が
溶融し始め、それによりプランジャーが降下し始めた時
の温度とする。
【0027】本発明における線状ポリエステルの酸価
は、高温高湿または低温低湿等の環境下においても鮮明
な画像を形成するために、40KOHmg/g以下、好
ましくは25KOHmg/g以下、より好ましくは25
〜1KOHmg/gであることが望ましく、中でもさら
には20KOHmg/g以下であることが好ましい。本
発明において、酸価はJIS K 0070の方法に準じて測定す
る。
【0028】本発明における線状ポリエステルのガラス
転移点は、耐ブロッキング性の観点から40℃以上、好
ましくは45℃以上であることが望ましく、低温定着性
の観点から、70℃以下、好ましくは65℃以下である
ことが望ましい。
【0029】なお、本発明における線状ポリエステルの
ガラス転移点は示差走査熱量計(セイコー電子工業
(株)製)を用いて200℃まで昇温し、その温度から
降温速度10℃/分で室温まで冷却したサンプルを昇温
速度10℃/分で測定した際に、ガラス転移点以下のベ
ースラインの延長線とピークの立ち上がり部分からピー
クの頂点までの間での最大傾斜を示す接線との交点の温
度とした。
【0030】本発明のトナーは、以上のような線状ポリ
エステルを結着樹脂として70重量%以上含有するのが
好ましく、90〜100重量%含有するのがさらに好ま
しい。本発明では、その他の結着樹脂として必要に応
じ、本発明の主旨を損なわない範囲で架橋ポリエステル
やスチレン−アクリル樹脂等を適宜併用してもよい。ま
た、本発明のトナーは、さらに必須成分である着色剤を
含有すると共に、必要に応じて荷電制御剤、およびオフ
セット防止剤、流動化剤等の各種特性改良剤が添加され
る。
【0031】本発明で用いられるカラー用着色剤として
は、例えばフタロシアニン、モノアゾ系顔料(C. I. Pi
gment Red 5, C. I. Pigment Orange 36, C. I. Pigmen
t Red 22) 、ジスアゾ系顔料(C. I. Pigment Yellow 8
3)、アントラキノン系顔料(C. I. Pigment Blue 60)、
ジスアゾ系顔料(Solvent Red 19) 、ローダミン系染料
(Solvent Red 49) 等が挙げられる。また、黒色トナー
を調製する場合には、サーマルブラック法、アセチレン
ブラック法、チャンネルブラック法、シングブラック法
等により製造される各種のカーボンブラック、カーボン
ブラックの表面を樹脂で被覆しているグラフト化カーボ
ンブラックを用いることができる。
【0032】本発明のトナーの製造方法としては、混練
粉砕法、スプレイドライ法、重合法等の従来より公知の
製造法が使用可能である。例えば、一般的な例として
は、まず樹脂、着色剤、帯電制御剤等を公知のボールミ
ル等の混合機で均一に分散混合し、次いで混合物を密閉
式ニーダー或いは1軸または2軸の押出機等で溶融混練
し、冷却後、粉砕し、分級すればよい。また、必要に応
じて流動化剤等をトナーに添加すればよい。
【0033】その結果、平均粒径5〜15μmの着色粉
体、即ち本発明の電子写真用トナーが得られるが、本発
明の電子写真用トナーは、耐ブロッキング性、帯電安定
性、および低温定着性に優れ、低温低湿・高温高湿のい
ずれの環境下においてもそれらの影響が極めて小さいだ
けでなく、さらに透明性が高く、平滑な定着面を形成す
ることも可能なため、カラー電子写真用トナーとしても
使用することができる。
【0034】また、本発明の電子写真用トナーを乾式二
成分系の現像剤組成物とする場合は、該トナーを不定形
キャリアー、フェライト系コートキャリアー、真球コー
トキャリアー等の磁性粉体と適量ブレンドし現像剤組成
物として用いられる。即ち、本発明の現像剤組成物は、
以上のような電子写真用トナーを磁性キャリアに担持し
てなるものである。
【0035】本発明の電子写真用トナーおよび現像剤組
成物は、熱圧力定着等のような接触定着方式が適用でき
る他、低分子量であるため、フラッシュ定着やオーブン
定着等のような非接触定着方式にも適用可能である。
【0036】
【実施例】尚、実施例に示す組成割合は特に明示しない
限り重量部を表し、高純度PO化BPAおよび高純度E
O化BPAとは、それぞれ本文中にあるPO2.0モル
付加体を94.1%含有するPO化BPAおよびEO
2.0モル付加体を90.3%含有するEO化BPAを
表わす。
【0037】 製造例1(樹脂Aの製造) 高純度PO化BPA 963g 高純度EO化BPA 379g テレフタル酸 332g フマル酸 116g アジピン酸 175g ハイドロキノン 1g
【0038】以上の物質を通常のエステル化触媒(酸化
ジブチルスズ)と共にガラス製3Lの4つ口フラスコに
入れ、温度計、ステンレス製攪拌棒、流下式コンデンサ
ーおよび窒素導入管を取付、電熱マントルヒーター中で
窒素気流下、前半230℃常圧、後半200℃減圧にて
攪拌しつつ反応を進めた。得られた線状ポリエステルは
酸価22.6KOHmg/g、高化式フローテスター軟
化温度97.1℃、流出開始温度81.1℃、ガラス転
移点は56.1℃であった。
【0039】以下、単量体の組成を変える以外は製造例
1と同様にして樹脂B〜Jを製造した。
【0040】 製造例2(樹脂Bの製造) 高純度PO化BPA 826g 高純度EO化BPA 253g 水素添加ビスフェノールA 384g テレフタル酸 385g
【0041】得られた線状ポリエステルは酸価2.9K
OHmg/g、高化式フローテスター軟化温度82.2
℃、流出開始温度70.1℃、ガラス転移点は46.9
℃であった。
【0042】 製造例3(樹脂Cの製造) ネオペンチルグリコール 208g 高純度PO化BPA 1032g テレフタル酸 415g フマル酸 290g ハイドロキノン 1g
【0043】得られた線状ポリエステルは酸価26.1
KOHmg/g、高化式フローテスター軟化温度96.
9℃、流出開始温度80.6℃、ガラス転移点は57.
2℃であった。
【0044】 製造例4(樹脂Dの製造) 高純度PO化BPA 1720g フマル酸 203g テレフタル酸 291g アジピン酸 256g ハイドロキノン 1g
【0045】得られた線状ポリエステルは酸価18.6
KOHmg/g、高化式フローテスター軟化温度97.
9℃、流出開始温度83.1℃、ガラス転移点は52.
1℃であった。
【0046】 製造例5(樹脂Eの製造、比較用) ネオペンチルグリコール 509g エチレングリコール 140g ジエチレングリコール 40g テレフタル酸 988g 無水トリメリット酸 202g ハイドロキノン 1g
【0047】得られた架橋ポリエステルは酸価54.1
KOHmg/g、高化式フローテスター軟化温度10
6.4℃、流出開始温度86.2℃、ガラス転移点は6
1.6℃であった。
【0048】 製造例6(樹脂Fの製造、比較用) 高純度PO化BPA 1517g テレフタル酸 432g アジピン酸 146g 無水トリメリット酸 77g
【0049】得られた架橋ポリエステルは酸価26.9
KOHmg/g、高化式フローテスター軟化温度95.
2℃、流出開始温度77.1℃、ガラス転移点は54.
4℃であった。
【0050】 製造例7(樹脂Gの製造、比較用) PO化BPA 140g 〔PO2.0モル付加体の純度:85.2%〕 EO化BPA 1170g 〔EO2.0モル付加体の純度:82.3%〕 テレフタル酸 531g アジピン酸 29g
【0051】得られた線状ポリエステルは酸価1.1K
OHmg/g、高化式フローテスター軟化温度94.2
℃、流出開始温度78.2℃、ガラス転移点は54.9
℃であった。
【0052】 製造例8(樹脂Hの製造) PO化BPA 963g 〔PO2.0モル付加体の純度:94.1%〕 EO化BPA 379g 〔EO2.0モル付加体の純度:82.3%〕 テレフタル酸 332g フマル酸 116g アジピン酸 175g ハイドロキノン 1g
【0053】得られた線状ポリエステルは酸価22.1
KOHmg/g、高化式フローテスター軟化温度96.
2℃、流出開始温度80.5℃、ガラス転移点は55.
2℃であった。
【0054】 製造例9(樹脂Iの製造) PO化BPA 963g 〔PO2.0モル付加体の純度:90.9%〕 EO化BPA 379g 〔EO2.0モル付加体の純度:82.3%〕 テレフタル酸 332g フマル酸 116g アジピン酸 175g ハイドロキノン 1g
【0055】得られた線状ポリエステルは酸価22.1
KOHmg/g、高化式フローテスター軟化温度96.
5℃、流出開始温度80.2℃、ガラス転移点は54.
9℃であった。
【0056】 製造例10(樹脂Jの製造、比較用) PO化BPA 963g 〔PO2.0モル付加体の純度:85.2%〕 EO化BPA 379g 〔EO2.0モル付加体の純度:82.3%〕 テレフタル酸 332g フマル酸 116g アジピン酸 175g ハイドロキノン 1g
【0057】得られた線状ポリエステルは酸価21.9
KOHmg/g、高化式フローテスター軟化温度93.
2℃、流出開始温度78.2℃、ガラス転移点は52.
5℃であった。
【0058】実施例1 下記組成の材料をボールミルで混合後、加圧ニーダーに
て溶融混練し、冷却後、通常の粉砕・分級工程を経て、
平均粒径8μmのカラートナーを調製した。 樹脂A 100部 C.I.ピグメントレッド11 5部 ビスコール550P(三洋化成社製) 2部 以上の処方で得た未処理トナー100重量部に対し疎水
性シリカR−972(日本アエロジル社製)0.3重量
部を添加して表面処理を行い、トナー1とした。
【0059】実施例2〜4、9、10、比較例1〜3、
7 実施例1における樹脂Aをそれぞれ樹脂B、C、D、
H、I、E、F、G、Jに代える以外は同様に表面処理
まで行い、トナー2〜4、9、10、比較トナー1〜
3、7とした。
【0060】実施例5 実施例1におけるC.I.ピグメントレッド11の代わ
りにC.I.ピグメントブルー15:3を用いる以外は
実施例1と同様に表面処理まで行い、トナー5とした。
【0061】実施例6〜8、11、12、比較例4〜
6、8実施例5における樹脂Aをそれぞれ樹脂B、C、
D、H、I、E、F、G、Jに代える以外は同様に表面
処理まで行い、トナー6〜8、11、12、比較トナー
4〜6、8とした。
【0062】試験例 以上の実施例で得られたトナー1〜12と比較例で得ら
れた比較トナー1〜8を用いて、以下の試験を行った。
ここで、各トナーは、二成分現像剤として、各トナー9
5重量部と平均粒径70μmのマグネタイトキャリア5
重量部の割合で混合して用いた。また、試験は当該現像
剤を市販の電子写真複写装置(シャープ製,CX770
0)に導入し、所定枚数の複写により行った。当該複写
装置は、感光体に有機光電導体を用い、定着機にはオイ
ル塗布装置付きのシリコンローラーを使用し、回転速度
を100mm/秒に設定している。
【0063】(1)帯電量 ブローオフ式帯電量測定装置、すなわち、ファラデーケ
ージとコンデンサー、エレクトロメーターを備えた比電
荷測定装置によって帯電量の測定を行う。まず、先に調
製した現像剤W(g)(0.15〜0.20g)を50
0メッシュ(キャリアー粒子の通過しない大きさに適宜
変更可能)のステンレスメッシュを備えた真鍮性の測定
セルに入れる。次に吸引口から5秒間吸引した後、気圧
レギュレーターが0.6kg/cm2 を示す気圧で5秒
間ブローを行い、トナーのみをセルから除去する。この
時のブロー開始から2秒後の電位計の電圧をV(vol
t)とする。ここでコンデンサーの電気容量をC(μ
F)とすると、このトナーの比電荷Q/mは下式の如く
求められる。 Q/m(μC/g)=C×V/m ここで、mはW(g)中の現像剤中に含まれるトナーの
重量であるが、現像剤中のトナーの重量をT(g)、現
像剤の重量をD(g)とした場合、試料のトナーの濃度
はT/D×100(%)と表され、mは下式の如く求め
られる。 m(g)=W×(T/D)
【0064】(2)画像濃度 初期または1万枚複写後に得られた画像を反射濃度計
(マクベス社製,RD−915)で測定する。
【0065】(3)地カブリ 初期または1万枚複写後に得られた画像を分光光度計
(日本電色工業製,SZ−Σ90)で測定し、1.0未
満を○、1.0以上を×として評価する。
【0066】(4)透明性 画像電子学会チャート No.22のコピーをOHPで投影
し、波長400nm〜70nmの範囲における分光透過
率を測定し、その最大の透過率と最小の透過率の差が5
0%以上を○、50%未満を×とする。なお、定着後の
平滑性が悪いと、透明性も悪くなるため、透明性の評価
により、平滑な定着面が得られたか否か判断できる。
【0067】(5)定着性 初期画像紙を底面が15mm×7.5mmの砂消しゴム
に500gの荷重を載せ、定着速度100mm/秒、温
度180℃で定着後の画像の上を5往復こすり、こする
前後で反射濃度計(マクベス社製,RD−915)にて
光学反射密度を測定し、その前後比が70%以上のもの
については○、70%未満のものは×とする。
【0068】(6)環境安定性 1万枚の連続コピーを、通常環境(23℃、50%R
H)と高温高湿(35℃、85%RH)および低温低湿
(10℃、15%RH)にて行い、耐刷試験中における
帯電量変化率が30%未満のものを○、30%以上のも
のを×とする。
【0069】(7)耐ブロッキング性 トナー5.0gをステンレス製容器(高さ12mm、半
径30mmの円柱型)に入れ50℃の条件下で72時間
放置後、30メッシュの篩いにかけ90%以上通過する
ものを○、通過しないものを×として評価する。
【0070】以上の結果を表1および表2に示す。
【0071】
【表1】
【0072】
【表2】
【0073】これらの結果が示すように、実施例1〜1
2で得られたトナーは、耐ブロッキング性と低温定着性
の両立化が可能であり、また樹脂の透明性も高く、低温
低湿・高温高湿のいずれの環境下においてもそれらの影
響が極めて小さい。これに対して、ポリオキシプロピレ
ン、ポリオキシエチレンの付加モル数2.0モル品の純
度が低い単量体を使用した樹脂を用いた比較例3、6、
7および8は、ガラス転移点が実施例1および5と少し
しか変わらないにもかかわらず耐ブロッキング性が劣
る。また架橋ポリエステルを主成分として用いた比較例
1、2、4および5では、透明性が低く、低温定着性に
も劣る。さらに酸価の高い樹脂を用いた比較例1および
5では、帯電性の低下が激しく、地カブリも生じる。
【0074】
【発明の効果】本発明の電子写真用トナーまたは現像剤
組成物を用いると、耐ブロッキング性、帯電安定性、お
よび低温定着性に優れ、低温低湿・高温高湿のいずれの
環境下においてもそれらの影響が極めて小さく、かつ透
明性が高く、平滑な定着面を形成することができる。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも結着樹脂および着色剤を含有
    する電子写真用トナーにおいて、前記結着樹脂の主成分
    が熱可塑性樹脂であり、重合の際に、一般式(I): 【化1】 (ただし、mおよびnは0〜2を表し、m+n=2.0
    である)で表される化合物を90%以上含有するポリオ
    キシプロピレン化ビスフェノールA、および/または一
    般式(II): 【化2】 (ただし、pおよびqは0〜2を表し、p+q=2.0
    である)で表される化合物を88%以上含有するポリオ
    キシエチレン化ビスフェノールAを全アルコール成分中
    に20モル%以上使用して得られる線状ポリエステルで
    あることを特徴とする電子写真用トナー。
  2. 【請求項2】 線状ポリエステルの高化式フローテスタ
    ーによる軟化温度が70〜115℃であり、その測定に
    おける流出開始温度と軟化温度との温度差が10〜40
    ℃である請求項1記載の電子写真用トナー。
  3. 【請求項3】 電子写真用トナーがカラー電子写真用ト
    ナーである請求項1または2記載の電子写真用トナー。
  4. 【請求項4】 請求項1〜3いずれか記載の電子写真用
    トナーを磁性キャリアに担持してなる現像剤組成物。
JP6164998A 1997-04-07 1998-03-12 電子写真用トナー Pending JPH10339969A (ja)

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DE19849572A DE19849572A1 (de) 1998-03-12 1998-10-27 Toner für die Elektrophotographie

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7524603B2 (en) 2005-12-26 2009-04-28 Fuji Xerox Co., Ltd. Binder resin for electrostatic image developing toner, binder resin liquid dispersion for electrostatic image developing toner, electrostatic image developing toner and production processes thereof

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7524603B2 (en) 2005-12-26 2009-04-28 Fuji Xerox Co., Ltd. Binder resin for electrostatic image developing toner, binder resin liquid dispersion for electrostatic image developing toner, electrostatic image developing toner and production processes thereof

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