JPH10130380A - ポリエステル樹脂およびその製造方法 - Google Patents

ポリエステル樹脂およびその製造方法

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JPH10130380A
JPH10130380A JP30083396A JP30083396A JPH10130380A JP H10130380 A JPH10130380 A JP H10130380A JP 30083396 A JP30083396 A JP 30083396A JP 30083396 A JP30083396 A JP 30083396A JP H10130380 A JPH10130380 A JP H10130380A
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JP
Japan
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polyester resin
acid
temperature
polycondensation
mol
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JP30083396A
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Toshio Tagami
敏雄 田上
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Tomoegawa Co Ltd
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Tomoegawa Paper Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】本発明は、分子量の低い領域での製造が容易
で、透明性の高いポリエステル樹脂およびその製造方法
を提供することにある。 【構成】多価アルコール成分および多価カルボン酸成分
からなるポリエステル樹脂において、多価アルコールが
少なくとも下記式(1)で示されるシクロヘキサン骨格
を有する水素化ビスフェノールからなることを特徴とす
るポリエステル樹脂。 【化1】

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、新規な構造を有するポ
リエステル樹脂に関し、特に透明性に優れるポリエステ
ル樹脂およびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】ポリエステル樹脂は産業上広い分野で用
いられる有用性の高い樹脂である。特に繊維分野、容器
材料分野に用いられるポリエステル樹脂には、機械的強
度が要求され、ポリエチレンテレフタレートに代表され
るポリエステル樹脂が用いられている。接着剤分野のお
いては、粘着性、耐熱凝集性を支配する熱的特性が求め
られ、また、インク、塗料分野においても、焼き付き
性、耐熱凝集性等を支配する熱的特性が求められてい
る。特殊塗料の代表であるトナー分野においては機械的
強度、紙への定着性、耐熱凝集性、粉砕性等の相反する
特性が要求され、最近ではカラートナー用に透明性の要
求が高まってきたが、まだ、透明性は満足できるもので
はなかった。従来からトナー用に使用されるポリエステ
ル樹脂の一つとして、特開平4−12367でシクロヘ
キサンジメタノールを必須成分とするシクロヘキサン骨
格を有するポリエステル樹脂を用いたトナー等の技術が
開示されているが、フルカラートナーの色調に要求され
る十分な透明性を有するものではなかった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、前記問題点
に鑑み、分子量が低い領域での製造が容易で、透明性の
高いポリエステル樹脂およびその製造方法を提供するこ
とにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明のポリエステル樹
脂は、多価アルコール成分および多価カルボン酸成分か
らなるポリエステル樹脂において、多価アルコールが少
なくとも下記式(1)で示されるシクロヘキサン骨格を
有する水素化ビスフェノールからなることを特徴とす
る。
【化5】 また、本発明のポリエステル樹脂の製造方法は、多価ア
ルコール成分および多価カルボン酸成分からなるポリエ
ステル樹脂を製造するに際し、多価カルボン酸と少なく
とも下記式(3)および式(4)から選ばれる2価アル
コールで第1の重縮合を行い多価カルボン酸が過剰な重
縮合物を生成した後、該重縮合物と少なくとも下記式
(3)および式(4)から選ばれる2価アルコールで第
2の重縮合を行うことを特徴とする。
【化6】
【化7】
【0005】以下、本発明のポリエステル樹脂について
詳細に説明する。本発明を構成する多価アルコールは少
なくとも式(1)で示されるシクロヘキサン骨格を有す
る水素化ビスフェノールからなることが必要である。具
体的には、水素化ビスフェノールA、4,4’−ジヒド
ロキシジシクロヘキシルエーテル、4,4’−ジヒドロ
キシジシクロヘキシルチオエーテル、4,4’−ジヒド
ロキシジシクロヘキシルスルホン、4,4’−ジヒドロ
キシジシクロヘキシルケトン、4,4’−ジヒドロキシ
ドデカヒドロビフェニル、1,1−ビス(4−ヒドロキ
シシクロヘキシル)シクロヘキサン、2,2−ビス(4
−(2−ヒドロキシシクロヘキシル)−3−メチルペン
タン等があり、単独もしくは併用して使用できる。
【0006】また、下記式(2)で示されるシクロヘキ
サン骨格を有する水素化ビスフェノールアルキレン付加
物も好ましい2価アルコールである。具体的には、水素
化ビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物、
水素化ビスフェノールAプロポキシド2モル付加物、
4,4’−(2−ヒドロキシエチルオキシ)ジシクロヘ
キシルエーテル、4,4’−(2−ヒドロキシエチルオ
キシ)ジシクロヘキシルチオエーテル、4,4’−(2
−ヒドロキシプロポキシ)ジシクロヘキシルエーテル、
4,4’−(2−ヒドロキシプロポキシ)ジシクロヘキ
シルチオエーテル、4,4’−(2−ヒドロキシエチル
オキシ)ジシクロヘキシルスルホン、4,4’−(2−
ヒドロキシエチルオキシ)ジシクロヘキシルケトン、
4,4’−(2−ヒドロキシエチルオキシ)ドデカヒド
ロビフェニル、4,4’−(2−ヒドロキシプロポキ
シ)ジシクロヘキシルスルホン、4,4’−(2−ヒド
ロキシプロポキシ)ジシクロヘキシルケトン、4,4’
−(2−ヒドロキシプロポキシ)ドデカヒドロビフェニ
ル、1,1−ビス((4−ヒドロキシエチルオキシ)シ
クロヘキシル)シクロヘキサン、1,1−ビス((4−
ヒドロキシプロポキシ)シクロヘキシル)シクロヘキサ
ン、2,2−ビス(4−(2−ヒドロキシエチルオキ
シ)シクロヘキシル)−3−メチルペンタン等があり、
単独もしくは併用して使用できる。
【化8】 特に、多価アルコールが式(1)および/または式
(2)で示される2価アルコールのみからなる場合は、
本発明の特徴である透明性に優れ、低分子量でも制御で
きる吸熱開始温度の範囲が広いため好ましい。例えば、
式(1)で示される2価アルコールは吸熱開始温度を高
めに制御でき、式(2)で示される2価アルコールは低
めに制御できる。目的に合わせて両者を適宜調整して使
用することが好ましい。
【0007】その他の2価アルコールとしては、4,
4’−ヒドロキシジフェニルエーテル、ジエタノールア
ミン、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プ
ロピレングリコール、ヘキシレングリコール、スピログ
リコール、ネオペンチルグリコール、オクタンジオー
ル、2,2−ジエチル−1,3−プロパンジオール、
1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、2
−ブチル−2−エチル−1,3−プロパンジオール、
1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオー
ル、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、ヒドロベ
ンゾイン、ビス(β−ヒドロキシエチル)テレフタレー
ト、ビス(ヒドロキシブチル)テレフタレート等があ
る。また、必要に応じて3価以上のアルコールを添加し
てもよい。具体的には、グリセリン、トリメチロールプ
ロパン、トリメチロールエタン、トリエタノールアミ
ン、ペンタエリスリトール、ソルビトール、グリセロー
ル、1,3,5−トリヒドロキシメチルベンゼン等があ
る。
【0008】本発明を構成する多価カルボン酸としては
2価のコハク酸、アジピン酸、セパシン酸、ドデセニル
コハク酸、マロン酸、マレイン酸、フマル酸、シトラコ
ン酸、イタコン酸、メサコニン酸、ドデカン二酸、ナフ
タレンジカルボン酸、ビフェニル−4,4−ジカルボン
酸、イミダゾール−4,5−ジカルボン酸、ピペリジン
ジカルボン酸、ピリジンジカルボン酸、カルバゾール−
3,6−ジカルボン酸、9−メチルカルバゾール−3,
6−ジカルボン酸、カルバゾール−3,6−ジ酪酸、カ
ルバゾール−3,6−γ,γ’−ジケト酪酸、グルタコ
ン酸、イソフタル酸、テレフタル酸、ヂメチルイソフタ
ル酸、シクロヘキサンジカルボン酸等が、3価以上はト
リメリット酸、トリメチン酸、ピロメリット酸等があ
る。特にシクロヘキサンジカルボン酸が好ましく、中で
も、1,3−シクロヘキサンジカルボン酸、1,4−シ
クロヘキサンジカルボン酸は透明性に優れ、低分子量で
も吸熱開始温度範囲を高めに制御できる。耐熱性が要求
される場合は、式(1)で示される2価アルコールとと
もに使用することが好ましい。特に高耐熱性が要求され
る場合には、多価カルボン酸に1,3−シクロヘキサン
ジカルボン酸、および/または1,4−シクロヘキサン
ジカルボン酸のみを使用し、式(1)で示される2価ア
ルコールとともに使用することが好ましい。
【0009】本発明のポリエステル樹脂は数平均分子量
で1,000〜100,000の範囲が好ましい。更に
好ましくは1,500〜50,000である。数平均分
子量が1,000未満では樹脂強度が弱く、100,0
00より大きいと透明性が低下する。また、本発明のポ
リエステル樹脂に、反応性、染色性、他樹脂との相溶性
向上等の機能を付加することも可能である。その場合、
フェノール性水酸基を有するジカルボン酸を前記ジカル
ボン酸と併用することができる。フェノール性水酸基を
有するジカルボン酸の具体例としては、4−ヒドロキシ
イソフタル酸、5−ヒドロキシイソフタル酸、4,6−
ジヒドロキシイソフタル酸、2,5−ジヒドロキシ−
1,4−ベンゼン二酢酸、ケリダム酸、ビス(2−ヒド
ロキシ−3−カルボキシフェニル)メタン等がある。
【0010】次に本発明のポリエステル樹脂の製造方法
について説明する。本発明のポリエステル樹脂の製造方
法は、多価アルコール成分および多価カルボン酸成分か
らなるポリエステル樹脂を製造するに際し、多価カルボ
ン酸と少なくとも下記式(3)および式(4)から選ば
れる2価アルコールで第1の重縮合を行い多価カルボン
酸が過剰な重縮合物を生成した後、該重縮合物と少なく
とも下記式(3)および式(4)から選ばれる2価アル
コールで第2の重縮合を行うことを特徴とする。本発明
の製造方法には、式(3)および式(4)から選ばれる
少なくとも1種からなる2価アルコールが必要であり、
それ以外に前記多価アルコールおよび多価カルボン酸を
使用できる。
【0011】具体的な製造方法について、例えば式
(3)および式(4)から選ばれる第1の2価アルコー
ルおよび第2の2価アルコール、多価カルボン酸から製
造する場合について説明する。先ず、第1のアルコール
と多価カルボン酸を加熱、第1の重縮合を行い多価カル
ボン酸が過剰な重縮合物を得る。この重縮合物を一定温
度で熟成させた後、冷却して温和な環境に戻す。次いで
式(3)および式(4)から選ばれる第2の2価アルコ
ールを添加、加熱して、第2の重縮合を行い、脱水ある
いはエステル交換反応を完結させる製造方法である。な
お、必要に応じて多価アルコールを、第1のアルコール
または第2のアルコールと同時に添加、重縮合させても
かまわない。
【0012】本発明の製造方法は、脱水反応、エステル
交換反応が進む重合方法であれば、溶液重合法、溶融重
合法何れの重縮合法でもかまわない。前記重縮合におい
て、触媒を使用することができる。触媒としては、既存
のポリエステル合成に使用される脱水触媒、エステル交
換反応触媒等、例えば、ジブチルスズオキシド、酢酸亜
鉛1水和物、硫酸等が使用される。
【0013】以下、本発明を実施例に基づいてより詳細
に説明する。実施例、比較例において、吸熱開始温度、
吸熱ピーク温度はセイコー電子工業社製示差走査熱量
計:DSC−120を用い、10℃/minの昇温、急
冷を2回繰り返し、2回目の昇温時の吸熱曲線から求め
た。フロー開始温度、フロー軟化点は島津製作所製高化
式フローテスター:CFT−500を用い、下記測定条
件におけるプランジャーの降下開始温度をフロー開始温
度、降下開始温度から降下終了温度までの中点をフロー
軟化温度とした。 測定条件;プランジャー : 1cm2 ダイ 直径×長さ:1×1mm 荷 重 : 20Kgf 予熱温度、時間 :50〜80℃、300秒 昇温速度 : 6℃/min また、分子量の測定はゲルパーミュエイションクロマト
グラム(以下、GPCと略す。)にて行った。カラムは
Shoudex KF−80M、溶媒はテトラヒドロフ
ラン(以下、THFと略す。)を用い、ポリスチレンを
標準とした。
【0014】
【実施例】
合成例1 窒素雰囲気下で、乾燥n−ヘプタン30mlにコバルト
(II)アセチルアセトナート0.02gとトリエチル
アルミニウム0.28gを混合し、コバルト系Zieg
ler触媒を調整した。この触媒全量を100mlステ
ンレス製オートクレーブに移し、4,4’−ジヒドロキ
シジフェニルエーテル4.04g(20ミリモル)を加
え、水素ガス置換を3回繰り返し、水素圧60atm、
反応温度25℃にて振とう、反応させた。途中、水素ガ
スを再チャージし、圧力低下がなくなるまで反応させ
た。反応物を濾過し、乾燥ヘプタンで洗浄した。その濾
液と洗液を合わせてエバポレーターで濃縮し、濃縮残査
を減圧乾燥してGC−Mass分析し、4,4’−ジヒ
ドロキシジシクロヘキシルエーテル/4,4’−オキシ
−ジシクロヘキサノンの92/8混合物であることを確
認した。この混合物をシリカゲルカラムで分離、精製
し、4,4’−ジヒドロキシジシクロヘキシルエーテル
を72%の単離収率で得た。
【0015】合成例2 合成例1で得られた4,4’−ジヒドロキシジシクロヘ
キシルエーテル2.12g(10ミリモル)を側管付滴
下ロート、窒素導入管および還流冷却管を装した500
mlフラスコ中で乾燥THFに溶解させ、窒素雰囲気下
で−72℃に冷却した。次いで、n−ブチルリチウムを
含むヘキサン溶液を滴下し、o−リチオ化した。側管付
滴下ロートより、21ミリモルのエピクロルヒドリンを
含む100mlのTHF溶液を2時間かけて滴下し、4
時間反応させた。室温まで徐々に昇温し、過剰のn−ブ
チルリチウムを少量の2−ブタノールで死活させた。生
成した塩化リチウムを濾別し、濾液のTHF溶液を濃縮
した。次いでシリカゲルカラムで精製し、4,4’−
(2−ヒドロキシエチルオキシ)ジシクロヘキシルエー
テルを89%の単離収率で得た。GC−Mass分析に
より、純粋な4,4’−(2−ヒドロキシエチルオキ
シ)ジシクロヘキシルエーテルであることを確認した。
【0016】合成例3 合成例1のコバルト系Ziegler触媒のトリエチル
アルミニウム0.28gをトリブチルアルミニウム0.
48gに、乾燥ヘキサンをp−ジオキサンに変え、4,
4’−ジヒドロキシジフェニルエーテル4.04gを
4,4’−ジヒドロキシジフェニルチオエーテル4.3
6gに代えた以外は合成例1と同様にして、4,4’−
ジヒドロキシジシクロヘキシルチオエーテルを単離収率
68%で得た。
【0017】合成例4 合成例2の4,4’−ジヒドロキシジシクロヘキシルエ
ーテル2.12gを合成例3で得られた4,4’−ジヒ
ドロキシジシクロヘキシルチオエーテル2.27gに代
えた以外は合成例2と同様にして、4,4’−(2−ヒ
ドロキシエチルオキシ)ジシクロヘキシルチオエーテル
を単離収率84%で得た。
【0018】実施例1 窒素ガス導入管、スターラー、冷却管を装した100m
l丸底フラスコに、合成例2で得られた4,4’−(2
−ヒドロキシエチルオキシ)ジシクロヘキシルエーテル
9.19g(0.03モル)、ジメチルイソフタレート
5.82g(0.03モル)、ジブチルスズオキシド
0.06gを入れ、窒素ガス雰囲気下で150℃に昇温
して内容物を溶融した。更に180℃に昇温して1時間
重縮合反応させた後、10℃昇温1時間重縮合反応を繰
り返し、最終温度280℃で反応を終了させ、放冷し
た。得られた本発明のポリエステル樹脂の吸熱開始温度
は24.9℃、吸熱ピーク温度は46.6℃、フロー開
始温度は70.1℃、フロー軟化点は91.5℃、重量
平均分子量(以下、Mwと略す。)は6104、数平均
分子量(以下、Mnと略す。)は2613、Mw/Mn
=2.33であり、性状は透明であった。
【0019】実施例2 実施例1で使用した4,4’−(2−ヒドロキシエチル
オキシ)ジシクロヘキシルエーテル9.19gの代わり
に合成例1で得られた4,4’−ジヒドロキシジシクロ
ヘキシルエーテル10.60g(0.05モル)、ジメ
チルイソフタレート5.82gを9.70g(0.05
モル)、ジブチルスズオキシド0.06gを0.09g
に代えた以外は実施例1と同様にして本発明のポリエス
テル樹脂を得た。得られたポリエステル樹脂の吸熱開始
温度は99.6℃、吸熱ピーク温度は110.2℃、フ
ロー開始温度は120.1℃、フロー軟化点は156.
8℃、Mw=3298、Mn=1694、Mw/Mn=
1.94であり、性状は透明であった。
【0020】実施例3 実施例1で使用した4,4’−(2−ヒドロキシエチル
オキシ)ジシクロヘキシルエーテル9.19gの代わり
に合成例1で得られた4,4’−ジヒドロキシジシクロ
ヘキシルエーテル8.48g(0.04モル)、ジメチ
ルイソフタレート5.82gを1,3−シクロヘキサン
ジカルボン酸6.88g(0.04モル)、に代えた以
外は実施例1と同様にして本発明のポリエステル樹脂を
得た。得られたポリエステル樹脂の吸熱開始温度は10
4.3℃、吸熱ピーク温度は112.8℃、フロー開始
温度は125.9℃、フロー軟化点は177.3℃、M
w=5422、Mn=2554、Mw/Mn=2.12
であり、性状は透明であった。
【0021】実施例4 実施例1で使用した4,4’−(2−ヒドロキシエチル
オキシ)ジシクロヘキシルエーテル9.19gの代わり
に合成例1で得られた4,4’−ジヒドロキシジシクロ
ヘキシルエーテル8.48g(0.04モル)、ジメチ
ルイソフタレート5.82gを1,4−シクロヘキサン
ジカルボン酸6.88g(0.04モル)、に代えた以
外は実施例1と同様にして本発明のポリエステル樹脂を
得た。得られたポリエステル樹脂の吸熱開始温度は11
5.6℃、吸熱ピーク温度は126.2℃、フロー開始
温度は134.2℃、フロー軟化点は186.4℃、M
w=9454、Mn=2734、Mw/Mn=3.45
であり、性状は透明であった。
【0022】実施例5 窒素ガス導入管、スターラー、冷却管を装した100m
l丸底フラスコに、合成例4で得られた4,4’−(2
−ヒドロキシエチルオキシ)ジシクロヘキシルチオエー
テル9.55g(0.03モル)、ジメチルイソフタレ
ート9.70g(0.05モル)、ジブチルスズオキシ
ド0.09gを入れ、窒素ガス雰囲気下で150℃に昇
温して内容物を溶融した。更に200℃に昇温してメタ
ノールが4ml流出するまで重縮合反応させた後、15
0℃まで冷却した。合成例3で得られた4,4’−ジヒ
ドロキシジシクロヘキシルチオエーテル4.56g
(0.02モル)を側管から反応容器内に添加し、溶
融、混合させた。次いで200℃に昇温し1時間重縮合
反応させた後、10℃昇温1時間重縮合反応を繰り返
し、最終温度290℃で反応を終了させ、放冷した。本
発明の製造方法により得られたポリエステル樹脂の吸熱
開始温度は51.4℃、吸熱ピーク温度は68.0℃、
フロー開始温度は94.5℃、フロー軟化点は113.
9℃、Mw=4831、Mn=2238、Mw/Mn=
2.15であり、性状は透明であった。
【0023】実施例6 実施例5で使用した4,4’−(2−ヒドロキシエチル
オキシ)ジシクロヘキシルチオエーテル9.55gの代
わりに合成例2で得られた4,4’−(2−ヒドロキシ
エチルオキシ)ジシクロヘキシルエーテル9.19g
(0.03モル)、4,4’−ジヒドロキシジシクロヘ
キシルチオエーテル4.56gを4,4’−ジヒドロキ
シジシクロヘキシルエーテル4.24g(0.02モ
ル)に代えた以外は実施例5と同様にして本発明の製造
方法によるポリエステル樹脂を得た。得られたポリエス
テル樹脂の吸熱開始温度は57.7℃、吸熱ピーク温度
は73.2℃、フロー開始温度は101.4℃、フロー
軟化点は120.5℃、Mw=3861、Mn=179
1、Mw/Mn=2.15であり、性状は透明であっ
た。
【0024】実施例7 実施例5で使用した4,4’−(2−ヒドロキシエチル
オキシ)ジシクロヘキシルチオエーテル9.55gの代
わりに1,1−ビス(4−ヒドロキシシクロヘキシル)
シクロヘキサン8.17g(0.03モル)、4,4’
−ジヒドロキシジシクロヘキシルチオエーテル4.56
gを1,1−ビス(4−(2−ヒドロキシエチルオキ
シ)シクロヘキシル)シクロヘキサン6.28g(0.
02モル)に代えた以外は実施例5と同様にして本発明
の製造方法によるポリエステル樹脂を得た。得られたポ
リエステル樹脂の吸熱開始温度は57.4℃、吸熱ピー
ク温度は69.8℃、フロー開始温度は98.5℃、フ
ロー軟化点は117.6℃、Mw=5021、Mn=2
334、Mw/Mn=2.15であり、性状は透明であ
った。
【0025】実施例8 実施例5で使用した4,4’−(2−ヒドロキシエチル
オキシ)ジシクロヘキシルチオエーテル9.55gの代
わりに1,1−ビス(4−ヒドロキシシクロヘキシル)
シクロヘキサン8.17g(0.03モル)、4,4’
−ジヒドロキシジシクロヘキシルチオエーテル4.56
gを1,1−ビス(4−(2−ヒドロキシエチルオキ
シ)シクロヘキシル)シクロヘキサン6.28g(0.
02モル)、ジメチルイソフタレート9.70gを1,
3−シクロヘキサンジカルボン酸8.70g(0.05
モル)に代えた以外は実施例5と同様にして本発明の製
造方法によるポリエステル樹脂を得た。得られたポリエ
ステル樹脂の吸熱開始温度は62.7℃、吸熱ピーク温
度は73.4℃、フロー開始温度は99.8℃、フロー
軟化点は121.2℃、Mw=5632、Mn=263
3、Mw/Mn=2.13であり、性状は透明であっ
た。
【0026】実施例9 実施例5で使用した4,4’−(2−ヒドロキシエチル
オキシ)ジシクロヘキシルチオエーテル9.55gの代
わりに水素化ビスフェノールAエチレンオキシド2モル
付加物9.73g(0.03モル)、4,4’−ジヒド
ロキシジシクロヘキシルチオエーテル4.56gを水素
化ビスフェノールA4.73g(0.02モル)に代え
た以外は実施例5と同様にして本発明の製造方法による
ポリエステル樹脂を得た。得られたポリエステル樹脂の
吸熱開始温度は51.4℃、吸熱ピーク温度は68.0
℃、フロー開始温度は94.5℃、フロー軟化点は11
3.9℃、Mw=4831、Mn=2238、Mw/M
n=2.15であり、性状は透明であった。
【0027】実施例10 実施例5で使用した4,4’−(2−ヒドロキシエチル
オキシ)ジシクロヘキシルチオエーテル9.55gの代
わりに2,2−ビス(4−(2−ヒドロキシエチルオキ
シ)シクロヘキシル)−3−メチルペンタン7.41g
(0.02モル)、4,4’−ジヒドロキシジシクロヘ
キシルチオエーテル4.56gを2,2−ビス(4−ヒ
ドロキシシクロヘキシル)−3−メチルペンタン8.4
7g(0.03モル)に代えた以外は実施例5と同様に
して本発明の製造方法によるポリエステル樹脂を得た。
得られたポリエステル樹脂の吸熱開始温度は48.4
℃、吸熱ピーク温度は58.6℃、フロー開始温度は8
4.3℃、フロー軟化点は93.2℃、Mw=348
2、Mn=1722、Mw/Mn=2.02であり、性
状は透明であった。
【0028】比較例1 実施例2で使用した4,4’−ジヒドロキシジシクロヘ
キシルエーテル10.60gの代わりに4,4’−ジヒ
ドロキシジフェニルエーテル10.11g(0.05モ
ル)に代えた以外は実施例2と同様にして重縮合反応さ
せたが、反応性が低くポリエステル樹脂は得られなかっ
た。
【0029】比較例2 実施例2で使用した4,4’−ジヒドロキシジシクロヘ
キシルエーテル10.60gの代わりに、比較例1で使
用した4,4’−ジヒドロキシジフェニルエーテルのフ
ェノール性水酸基部分を無水酢酸で酢酸エステル化した
4,4’−ジアセトキシジフェニルエーテル14.31
g(0.05モル)、ジブチルスズオキシド0.10g
の代わりに酢酸亜鉛1水和物0.10gに代えた以外は
実施例2と同様にして重縮合反応させ、ポリエステル樹
脂を得た。得られたポリエステル樹脂の吸熱開始温度は
158.7℃、吸熱ピーク温度は189.2℃、フロー
開始温度は263℃、フロー軟化点は280℃、Mw=
2861、Mn=645、Mw/Mn=4.43であ
り、性状は茶褐色に着色していた。
【0030】比較例3 実施例1で使用した4,4’−(2−ヒドロキシエチル
オキシ)ジシクロヘキシルエーテル9.19gの代わり
にビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物1
5.81g(0.05モル)、ジメチルイソフタレート
5.82gをイソフタル酸8.30g(0.05モ
ル)、ジブチルスズオキシド0.06gを0.09gに
代えた以外は実施例1と同様にして本発明のポリエステ
ル樹脂を得た。得られたポリエステル樹脂の吸熱開始温
度は52.3℃、吸熱ピーク温度は63.6℃、フロー
開始温度は89.2℃、フロー軟化点は102.3℃、
Mw=5102、Mn=2133、Mw/Mn=2.3
9であり、性状は半透明であった。
【0031】比較例4 実施例1で使用した4,4’−(2−ヒドロキシエチル
オキシ)ジシクロヘキシルエーテル9.19gの代わり
に1,4−シクロヘキサンジメタノール7.21g
(0.05モル)、ジメチルイソフタレート5.82g
をイソフタル酸ジメチル9.70g(0.05モル)、
ジブチルスズオキシド0.06gを0.09gに代えた
以外は実施例1と同様にして本発明のポリエステル樹脂
を得た。得られたポリエステル樹脂の吸熱開始温度は6
2.3℃、吸熱ピーク温度は76.6℃、フロー開始温
度は98.2℃、フロー軟化点は122.3℃、Mw=
5122、Mn=2331、Mw/Mn=1.94であ
り、性状は淡黄色であった。
【0032】上記実施例1〜10及び比較例2〜4で得
られたポリエステル樹脂を、厚さ50μmに加圧成形し
て、島津製作所社製UV可視スペクトロメーター:UV
−3100を用いて500nm以上の可視光領域の透過
率を測定し、透明性の評価結果を表1に示した。実施例
1〜10は90%以上の透過率で透明なポリエステル樹
脂であった。比較例2は透過率65%、比較例3は透過
率82%、比較例4は透過率75%と透明性が劣ってい
た。
【0033】
【表1】
【0034】
【発明の効果】本発明のポリエステル樹脂は、分子量の
低い領域での製造が容易で、透明性が高い。また、本発
明の製造方法は前記ポリエステル樹脂を容易に製造でき
る製造方法である。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 多価アルコール成分および多価カルボン
    酸成分からなるポリエステル樹脂において、多価アルコ
    ールが少なくとも下記式(1)で示されるシクロヘキサ
    ン骨格を有する水素化ビスフェノールからなることを特
    徴とするポリエステル樹脂。 【化1】
  2. 【請求項2】 多価アルコールが少なくとも下記式
    (2)で示されるシクロヘキサン骨格を有する水素化ビ
    スフェノールのアルキレンオキサイド付加物からなるこ
    とを特徴とする請求項1記載のポリエステル樹脂。 【化2】
  3. 【請求項3】 多価カルボン酸が1,3−シクロヘキサ
    ンジカルボン酸および1,4−シクロヘキサンジカルボ
    ン酸から選ばれる少なくとも1種のジカルボン酸からな
    ることを特徴とする請求項1または2記載のポリエステ
    ル樹脂。
  4. 【請求項4】 多価アルコールが式(1)および/また
    は式(2)で示される2価アルコールのみでなることを
    特徴とする請求項1記載のポリエステル樹脂。
  5. 【請求項5】 多価アルコール成分および多価カルボン
    酸成分からなるポリエステル樹脂を製造するに際し、多
    価カルボン酸と少なくとも下記式(3)および式(4)
    から選ばれる2価アルコールで第1の重縮合を行い多価
    カルボン酸が過剰な重縮合物を生成した後、該重縮合物
    と少なくとも下記式(3)および式(4)から選ばれる
    2価アルコールで第2の重縮合を行うことを特徴とする
    ポリエステル樹脂の製造方法。 【化3】 【化4】
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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EP1760533A2 (en) 2005-08-26 2007-03-07 Fuji Xerox Co., Ltd. Binder resin for electrostatic image developing toner, binder resin liquid dispersion for electrostatic image developing toner, electrostatic image developing toner, and production processes thereof
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