JP2021155718A - ポリエステル樹脂およびその製造方法、並びにトナー - Google Patents

ポリエステル樹脂およびその製造方法、並びにトナー Download PDF

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陽子 田村
Yoko Tamura
陽子 田村
匡弘 小澤
Tadahiro Ozawa
匡弘 小澤
晃史 近藤
Akishi Kondo
晃史 近藤
朝子 金子
Asako Kaneko
朝子 金子
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Abstract

【課題】 ワックス分散性が良好なポリエステル樹脂、およびポリエステル樹脂の製造方法の提供。【解決手段】 融点が90℃以上で、酸またはアルコールと反応可能な官能基を有する脂肪族炭化水素系改質材(改質材A)に由来する構成部位(A1)、および融点が90℃未満で、酸またはアルコールと反応可能な官能基を有する脂肪族炭化水素系改質材(改質材B)に由来する構成部位(B1)とを有し、構成部位(A1)と構成部位(B1)の質量の比が1:2〜12の範囲である、ポリエステル樹脂。【選択図】 なし

Description

本発明は、ワックス分散性の良好なポリエステル樹脂に関する。
ポリエステル樹脂は、コーティング材料、接着剤、フィルム、電子写真用トナー等、幅
広い用途で使用されており、種々の用途に応じて、様々な機能性材料が配合される。
例えば、ポリエステル樹脂をトナー用バインダー樹脂として使用する場合、剥離性の付
与やシャープメルト性の付与のため、ポリエステル樹脂にワックスを配合することが知ら
れている。
しかしながら、ポリエステル樹脂とワックスとは相溶性が悪いため、ワックス成分の分
散状態にムラが生じやすい。そのため、従来からポリエステル樹脂に対するワックス分散
性の向上について検討がなされている。
例えば、特許文献1には、末端に特定の官能基を有する長鎖アルキル基の存在下で重合
した、光線透過率の高いポリエステル樹脂を用いることにより、良好な定着性能、非オフ
セット性、画像安定性、耐久性を有するとともに、カラー用として使用可能な優れた発色
性および色再現性を有するトナーを提供する技術が開示されている。また、特許文献2に
は、酸化ポリオレフィン由来の構成単位を含むポリエステル樹脂と酸化ポリオレフィンと
を含有するトナー用バインダー樹脂組成物を用いることにより、良好な定着性能、非オフ
セット性、画像安定性、耐久性を有するトナーを提供する技術が開示されている。また特
許文献3には、極性基を有するワックスの存在下で行って得られるトナー用ポリエステル
を用いることにより、耐ホットオフセット性及び帯電性のいずれにも優れたトナーを提供
する技術が開示されている。
特開2007−133391号公報 特開2008−158502号公報 特開2006−18032号公報
しかしながら、特許文献1、2に記載の方法では、トナー粒径よりも大きな粒径の改質
材が樹脂中に残存しやすく、特にケミカル法など溶融混練を伴わない製法で製造するトナ
ーでは、改質剤そのものの粒子が不具合の要因となる。また、特許文献1、2、3に記載
のポリエステル樹脂は、ワックスの分散性が十分ではない。
そこで本発明は、溶融混練工程前の段階で10μm以上の改質材粒子を残さないポリエ
ステル樹脂を提供することを目的とする。
また本発明は、ワックス分散性が良好なポリエステル樹脂を提供することを目的とする
本発明は以下の態様を有する。
[1] 多価カルボン酸由来の構成部位(C1)と、多価アルコール由来の構成部位(D
1)と、融点が90℃以上であり、酸またはアルコールと反応可能な官能基を有する脂肪
族炭化水素系改質材(改質材A)に由来する構成部位(A1)と、融点が90℃未満であ
り、酸またはアルコールと反応可能な官能基を有する脂肪族炭化水素系改質材(改質材B
)に由来する構成部位(B1)とを有し、構成部位(A1)と構成部位(B1)の質量の
比が1:2〜12の範囲である、ポリエステル樹脂。
[2] 改質材Aの融点が120℃以下である[1]に記載のポリエステル樹脂。
[3] 改質材Aが直鎖アルキル基の片末端に酸またはアルコールを有する物質、及び直
鎖アルキルモノカルボン酸と直鎖アルキルモノアルコールとのエステルの少なくとも一つ
を含む、[1]または[2]記載のポリエステル樹脂。
[4] 構成部位(A1)の量が、ポリエステル樹脂100質量%中、0.2質量%から
3質量%の範囲である、[1]〜[3]のいずれかに記載のポリエステル樹脂。
[5] 改質材Bの融点が60℃以上である[1]〜[4]のいずれかに記載のポリエス
テル樹脂。
[6] 改質材Bが直鎖アルキル基の片末端に酸またはアルコールを有する物質、及び直
鎖アルキルモノカルボン酸と直鎖アルキルモノアルコールとのエステルの少なくとも一つ
を含む、[1]〜[5]のいずれかに記載のポリエステル樹脂。
[7] 構成部位(B1)の量が、ポリエステル樹脂100質量%中、0.5質量%から
8質量%の範囲である、[1]〜[6]のいずれかに記載のポリエステル樹脂。
[8] [1]〜[7]いずれかに記載のポリエステル樹脂を用いたトナー。
[9] 多価カルボン酸と多価アルコールとを含む単量体混合物を、融点が90℃以上で
あり、酸またはアルコールと反応可能な官能基を有する脂肪族炭化水素系改質材(改質材
A)と、融点が90℃未満であり、酸またはアルコールと反応可能な官能基を有する脂肪
族炭化水素系改質材(改質材B)との存在下で重縮合するポリエステル樹脂の製造方法で
あって、改質材Aの添加量を1としたときの、改質材Bの添加量が1〜6の範囲である、
ポリエステル樹脂の製造方法。
[10] 改質材Aの融点が120℃以下である、[9]に記載のポリエステル樹脂の製
造方法。
[11] 改質材Aが直鎖アルキル基の片末端に酸またはアルコールを有する物質、及び
直鎖アルキルモノカルボン酸と直鎖アルキルモノアルコールとのエステルの少なくとも一
つを含む、[9]または[10]に記載のポリエステル樹脂の製造方法。
[12] 改質材Aの添加量が、得られるポリエステル樹脂100質量%中、0.5質量
%から5質量%の範囲である、[9]〜[11]のいずれかに記載のポリエステル樹脂の
製造方法。
[13] 改質材Bの融点が60℃以上である、[9]〜[12]のいずれかに記載のポ
リエステル樹脂の製造方法。
[14] 改質材Bが直鎖アルキル基の片末端に酸またはアルコールを有する物質、直鎖
アルキルモノモノカルボン酸と直鎖アルキルモノアルコールとのエステルのいずれかを含
む、[9]〜[13]のいずれかに記載のポリエステル樹脂の製造方法。
[15] 改質材Bの添加量が、得られるポリエステル樹脂100質量%中、0.5質量
%から8質量%の範囲である、[9]〜[14]のいずれかに記載のポリエステル樹脂の
製造方法。
[16] 多価カルボン酸由来の構成部位(C1)と、多価アルコール由来の構成部位(
D1)と、改質材A由来の炭素数(16+2n、nは12〜15の整数の少なくとも一つ
)の構成部位(a12〜a15の少なくとも一つ)と、前記改質材A及び改質材B由来の
炭素数(16+2m、mは3〜8のすべての整数)の構成部位(ab3〜ab8)を有し

反応PyGC−MS測定におけるm/z=87のクロマトグラムにおいて、ab4由来
の検出信号強度を1とした時のab8由来の検出信号強度が0.01以上、0.05以下
であるポリエステル樹脂。
[17] 改質材Aは、炭素数(16+2n、nは0〜15のすべての整数)の構成部位
(a0〜a15)を含む、[16]に記載のポリエステル樹脂。
[18] 改質材Bは、炭素数(16+2p、pは3〜5の整数の少なくとも一つ)の構
成部位(b3〜b5の少なくとも一つ)を有する、[16]に記載のポリエステル樹脂。
[19] 改質材Bは、炭素数40より多い炭素鎖に由来する構成部位を有さない、[1
8]に記載のポリエステル樹脂。
[20] [16]〜[19]のいずれかに記載のポリエステル樹脂を用いたトナー。
本発明によれば、溶融混練工程前の段階で10μm以上の成分を残さないポリエステル
樹脂を提供することができる。溶融混練工程前の段階で10μm以上の成分を残さないポ
リエステル樹脂を用いることで、ポリエステル樹脂に含有する粒子の粒径に起因した不具
合を低減したトナーを提供できる。
また、本発明によれば、ワックス分散性が良好なポリエステル樹脂を提供できる。本発
明のポリエステル樹脂は、ワックス分散性が良好なため、低温定着性と耐ブロッキング性
の良好なトナーを提供できる。
ポリエステル樹脂1のm/z=87における反応PyGC−MS測定結果。 ポリエステル樹脂1のm/z=87における反応PyGC−MS測定結果の拡大図。 改質材Aのm/z=87における反応PyGC−MS測定結果。 改質材Bのm/z=87における反応PyGC−MS測定結果。 改質材Bのm/z=87における反応PyGC−MS測定結果。
<ポリエステル樹脂>
本発明のポリエステル樹脂は、多価カルボン酸由来の構成部位(C1)と、多価アルコ
ール由来の構成部位(D1)と、融点が90℃以上であり、酸またはアルコールと反応可
能な官能基を有する脂肪族炭化水素系改質材(改質材A)に由来する構成部位(A1)と
、融点が90℃未満であり、酸またはアルコールと反応可能な官能基を有する脂肪族炭化
水素系改質材(改質材B)に由来する構成部位(B1)とを有し、改質材A由来の構成部
位(A1)と改質材B由来の構成部位(B1)の質量の比が、1:2〜12の範囲である
、ポリエステル樹脂である。
前記構成部位(C1)は、多価カルボン酸以外に、その酸無水物及び低級アルキルエス
テル(以下、「等価原料」という)に由来するものも含む。以下、多価カルボン酸及びそ
の等価原料をまとめて「多価カルボン酸原料」という。また、価数を付けて「カルボン酸
原料」という場合も同様に等価原料を含めていうものとする。
<多価カルボン酸原料>
多価カルボン酸原料としては、2価のカルボン酸及び3価以上のカルボン酸、並びにそ
の等価原料が挙げられる。
2価のカルボン酸原料としては、例えば、テレフタル酸、イソフタル酸及びナフタレン
ジカルボン酸の異性体(具体的には1,4−、1,5−、1,6−、1,7−、2,5−
、2,6−、2,7−、2,8−)等の芳香族ジカルボン酸、並びにその等価原料;コハ
ク酸、イソデシルコハク酸、ドデセニルコハク酸、マレイン酸、フマル酸、アジピン酸、
セバシン酸、及びフランジカルボン酸等の脂肪族ジカルボン酸、並びにその等価原料が挙
げられる。テレフタル酸、イソフタル酸の低級アルキルエステルの例としては、テレフタ
ル酸ジメチル、イソフタル酸ジメチル、テレフタル酸ジエチル、イソフタル酸ジエチル、
テレフタル酸ジブチル、イソフタル酸ジブチルなどが挙げられる。
これらのうち、2価のカルボン酸原料としては、ハンドリング性およびコストに優れる
点で、テレフタル酸、イソフタル酸、アジピン酸が好ましい。
これら2価のカルボン酸原料は1種を単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよ
い。また、後述の3価以上のカルボン酸原料と併用してもよい。
3価以上のカルボン酸原料としては、例えば、トリメリット酸、ピロメリット酸、1,
2,4−シクロヘキサントリカルボン酸、2,5,7−ナフタレントリカルボン酸、1,
2,4−ナフタレントリカルボン酸、及び1,2,5−ヘキサントリカルボン酸、1,2
,7,8−オクタンテトラカルボン酸、並びにその等価原料が挙げられる。
3価以上のカルボン酸原料としては、ハンドリング性およびコストに優れる点で、トリ
メリット酸、トリメリット酸無水物、ピロメリット酸、ピロメリット酸無水物が好ましい
。特に好ましくはトリメリット酸およびその無水物である。
<多価アルコール>
多価アルコールとしては、2価のアルコール、3価以上のアルコールが挙げられる。
2価のアルコールとしては、例えば、ポリオキシエチレン−(2.0)−2,2−ビス
(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ポリオキシエチレン−(2.3)−2,2−ビス
(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ポリオキシプロピレン−(2.0)−2,2−ビ
ス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ポリオキシプロピレン−(2.3)−2,2−
ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ポリオキシプロピレン(2.2)−ポリオキ
シエチレン−(2.0)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ポリオキ
シプロピレン(6)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ポリオキシプ
ロピレン(2.2)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ポリオキシプ
ロピレン−(2.4)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ポリオキシ
プロピレン(3.3)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパンなどの芳香族
アルコール、エチレングリコール、ネオペンチルグリコール、プロピレングリコール、ヘ
キサンジオール、ポリエチレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタン
ジオール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、1,4−シクロヘキサンジ
メタノール、D−イソソルバイド、L−イソソルバイド、イソマンニド、エリスリタン、
1,4−ジヒドロキシ−2−ブテン等の脂肪族アルコールが挙げられる。
これらは1種を単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。また、後述の3価
以上のアルコールと併用してもよい。
3価以上のアルコールとしては、例えば、ソルビトール、1,4−ソルビタン、ペンタ
エリスリトール、ジペンタエリスリトール、トリペンタエリスリトール、1,2,4−ブ
タントリオール、1,2,5−ペンタントリオール、グリセロール、2−メチル−1,2
,3−プロパントリオール、2−メチル−1,2,4−ブタントリオール、トリメチロー
ルプロパン、1,3,5−トリヒドロキシメチルベンゼン、グリセリン等が挙げられる。
これらのうち、反応性、ハンドリング性、コストの面から、トリメチロールプロパン、グ
リセリンが好ましい。
<改質材A由来の構成部位および改質材B由来の構成部位>
本発明のポリエステル樹脂は、改質材A由来の構成部位および改質材B由来の構成部位
を有する。改質材A由来の構成部位および改質材B由来の構成部位を有するポリエステル
を得るには、改質材Aおよび改質材Bの存在下で、多価カルボン酸原料および多価アルコ
ールを含む単量体混合物を重縮合すればよい。改質材Aおよび改質材Aの存在下で多価カ
ルボン酸原料および多価アルコールを含む単量体混合物を重縮合することで、改質材Aお
よび改質材Bが有している酸またはアルコールと反応可能な官能基が多価カルボン酸原料
および多価アルコールと縮合して、改質材A由来の構成部位および改質材B由来の構成部
位、すなわち脂肪族炭化水素基を含む部位がポリエステル樹脂に導入される。脂肪族炭化
水素基は、ワックス成分との相溶性が高く、ポリエステル樹脂に導入されることで、ワッ
クスの分散性を高めることができる。
本発明においては、融点90℃以上の改質材Aと融点90℃未満の改質材Bを組み合わ
せて用いることで、炭素鎖長の異なる脂肪族炭化水素基をポリエステル樹脂に導入したた
め、ワックス分散性が格段に向上したものと考えられる。改質材A由来の構成部位のみ、
または改質材B由来の構成部位のみを有している場合にも、改質材Aや改質材Bに由来す
る構成部位を含まない場合と比較すると、ワックス分散性は向上するものの、改質材Aと
改質材Bの両方を用いることで、顕著な効果が得られる。
具体的には、ポリエステル樹脂中に改質材A由来の構成部位と改質材B由来の構成部位
の両方を有することで、ワックス分散性が著しく向上し、トナー用バインダー樹脂として
用いる場合には、得られるトナーの低温定着性、耐ブロッキング性、耐オフセット性、耐
久性が極めて良好となる。
<改質材A>
改質材Aは、融点が90℃以上であり、酸またはアルコールと反応可能な官能基を有す
る脂肪族炭化水素系改質材である。
酸またはアルコールと反応可能な官能基としては、特に制限されないが、カルボキシ基
またはその無水物、水酸基、エステル基、グリシジル基、アルコキシ基、イソシアネート
基等が挙げられる。中でもカルボキシ基またはその無水物、水酸基、エステル基が好まし
い。
改質材Aの融点は90℃以上であり、95℃以上120℃以下が好ましく、100℃以
上115℃以下がより好ましい。改質材Aの融点を90℃以上とすることで、ワックス分
散性を向上できる。また、改質材Aの融点を120℃以下とすることで、改質材Aの持つ
官能基とポリエステル末端の官能基との反応性が高まり、改質材A由来の構成部位をポリ
エステル樹脂に効果的に付与することができる。
改質材Aは、直鎖アルキル基の片末端に酸またはアルコールを有する物質、直鎖アルキ
ルモノカルボン酸と直鎖アルキルモノアルコールとのエステル、のいずれかを含むことが
好ましい。直鎖アルキル基の片末端に官能基を有することで、ポリエステル樹脂の末端に
改質材Aに由来する構成部位を結合することができる。ポリエステル樹脂末端に結合して
いることで、改質材A由来の構成部位とワックスとの相溶性が向上し、ワックス分散性が
向上する。
直鎖アルキル基の末端に官能基を有する構造において、直鎖アルキル基の炭素数が概ね
30前後の場合に融点が90℃前後となる。改質材A由来の構成部位は、炭素数32以上
の直鎖アルキル基を含む構造が好ましい。例えば、炭素数36から70の範囲の直鎖アル
キル基を含む構造や、炭素数36から60の範囲の直鎖アルキル基を含む構造が好ましい
改質材A由来の構成部位の量は、ポリエステル樹脂100質量%中、0.2質量%から
3質量%の範囲であることが好ましい。0.2質量%以上であることでワックス分散性が
向上する。また、3質量%以下であることで、樹脂製造時の反応性や、得られる樹脂の保
存安定性が良好となる。改質材A由来の構成部位の量の下限は0.3質量%以上がより好
ましく、特に好ましくは0.5質量%以上である。
ポリエステル樹脂の構成部位となっている改質材A由来の成分の量が上記の範囲であれ
ば、改質材Aそのものがポリエステル樹脂に結合せずに混合したものを用いることができ
る。ただし、溶融混練工程を含まない製法で製造されるトナーなどでは、各成分の粒子が
大きいと不具合を生じる恐れがあるため、混合している各成分の粒径は10μm未満であ
ることが好ましい。
改質材Aとしては、ユニシッド350、ユニシッド425、ユニシッド550、ユニシ
ッド700などのベイカーヒューズ社製末端酸変性ポリエチレンワックス;ユニリン42
5、ユニリン550、ユニリン700などのベイカーヒューズ社製末端アルコール変性ポ
リエチレンワックス;ウエストレイクケミカル社製 エポレンE−10J、エポレンE−
14、クラリアント社製リコワックスPED−822、イノスペック社製ビスコワックス
262などの酸化ポリエチレンワックス;などが使用できる。これらは、単独または2種
以上を組み合わせて使用できる。例えば、ユニシッド700を改質材Aとして単独で用い
ることや、ユニシッド700とエポレンE−10Jとを組み合わせて改質材Aとして使用
することができる。
本明細書では、改質材A由来の構成部位のうち、炭素数(16+2n)の成分に由来す
る構成部位をan(nは0以上の整数)と記す。例えば、炭素数16に由来する構成部位
は、a0と記し、炭素数32に由来する構成部位はa8と記す。
<改質材B>
改質材Bは、融点が90℃未満で、酸またはアルコールと反応可能な官能基を有する脂
肪族炭化水素系改質材である。
酸またはアルコールと反応可能な官能基としては、特に制限されないが、カルボキシ基
またはその無水物、水酸基、グリシジル基、アルコキシ基、イソシアネート基、及びエス
テル基等が挙げられる。中でもカルボキシ基またはその無水物、水酸基、エステル基が好
ましい。
改質材Bの融点は60℃以上90℃未満であることが好ましく、65℃以上90℃未満
がより好ましく、70℃以上90℃未満であることがさらに好ましい。60℃以上とする
ことで、ワックス分散性が向上する。
改質材Bは、直鎖アルキル基の片末端に酸またはアルコールを有する物質、直鎖アルキ
ルモノカルボン酸と直鎖アルキルモノアルコールとのエステルのいずれかを含むことが好
ましい。直鎖アルキル基の末端に官能基を有することで、ポリエステル樹脂の末端に改質
材Bに由来する構成部位を結合することができる。ポリエステル樹脂末端に結合している
ことで、改質材B由来の構成部位とワックスとの相溶性が向上し、ワックス分散性が向上
する。
改質材Bの融点を90℃未満にするためには、改質材B由来の構成部位は、炭素数30
以下の直鎖アルキル基を含む構造が好ましい。例えば、炭素数28から18の範囲の直鎖
アルキル基を含む構造や、炭素数28から20の範囲の直鎖アルキル基を含む構造が好ま
しい。
本明細書では、改質材B由来の構成部位のうち、炭素数(16+2p)の成分に由来す
る構成部位をbp(pは0以上の整数)と記す。例えば、炭素数16に由来する構成部位
は、b0と記し、炭素数32に由来する構成部位はb8と記す。
改質材B由来の構成部位の量は、ポリエステル樹脂100質量%中、0.5質量%から
8質量%の範囲であることが好ましい。0.5質量%以上であることでワックス分散性が
向上する。また、8質量%以下であることで、樹脂製造時の反応性、得られる樹脂の保存
安定性が良好となる。
ポリエステル樹脂の構成部位となっている改質材B由来の成分の量が上記の範囲であれ
ば、改質材Bそのものがポリエステル樹脂に結合せずに混合したものを用いることができ
る。ただし、溶融混練工程を含まない製法で製造されるトナーなどでは、各成分の粒子が
大きいと不具合を生じる恐れがあるため、混合している各成分の粒径は10μm未満であ
ることが好ましい。
改質材Bとしては、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸、ベヘン
酸などの脂肪族カルボン酸;ラウリルアルコール、ステアリルアルコール、ベヘニルアル
コールなどの脂肪族アルコール;ライスワックス、カルナバワックス、キャンデリラワッ
クスなどの天然エステルワックス;WEP−2、WEP−3、WEP−4、WEP−5、
WEP−6などの日油社製合成エステルワックス;などが使用できる。これらは、単独ま
たは2種以上を組み合わせて使用できる。例えば、ライスワックスやカルバナワックスを
改質材Bとして単独で用いることや、カルバナワックスとライスワックスとを組み合わせ
て改質材Bとして使用することができる。
本発明のポリエステル樹脂は、改質材A由来の構成部位と改質材B由来の構成部位を含
み、改質材A由来の構成部位と改質材B由来の構成部位の質量比は1:2〜12である。
改質材A由来の構成部位を1とした時の改質材B由来の構成部位の質量を2以上とする
ことで、ワックス分散性が高まる。また、改質材A由来の構成部位を1とした時の改質材
B由来の構成部位の質量を12以下とすることで、ポリエステル樹脂の保存安定性が良好
となり、さらに、ワックス分散性が高まる。
改質材A由来の構成部位を1とした時の改質材B由来の構成部位の質量は、4以上、1
0以下であることがより好ましく、5以上8以下であることがさらに好ましい。
<改質材Aおよび改質材Bの両方に由来する構成部位>
改質材Aおよび改質材Bの両方をポリエステル樹脂の原料として用いた場合、改質材A
と改質材Bとに、同じ炭素数の成分が存在する場合がある。そのような場合、質量分析に
おいて、改質材A由来のピークと改質材B由来の双方のピークが足し合わされ、1つのピ
ークとして検出される。本明細書では、そのような構成部位を、構成部位abm(mは0
以上の整数)と称する。なお、構成部位abmは、炭素数(16+2m)の成分に由来す
る構成部位である。
本発明のポリエステル樹脂は、後述する反応PyGC−MS測定におけるm/z=87
のクロマトグラムにおいて、構成部位ab4由来の検出信号強度を1とした時の構成部位
ab8由来の検出信号強度が0.5以下であることが好ましく、0.01以上0.05以
下であることが好ましい。ab8由来のピークを0.01以上とすることで、ワックス分
散性が良好となり、0.05以下とすることで樹脂製造時の反応性や、得られる樹脂の保
存安定性が良好となる。
<ポリエステル樹脂の製造方法>
ポリエステル樹脂は、酸成分、アルコール成分、改質材A、改質材Bを含む原料や、触
媒等を反応容器に投入し、加熱昇温して、エステル化反応またはエステル交換反応を行い
、反応で生じた水またはアルコールを除去し、その後反応装置内を徐々に減圧し、150
mmHg(20kPa)以下、好ましくは15mmHg(2kPa)以下の圧力下でジオ
ール成分を留出除去させながら重縮合を行うことで製造することができる。
改質材A由来の構成部位を、ポリエステル樹脂100質量%中0.2質量%から3質量
%の範囲で含むには、改質材Aの添加量を、ポリエステル樹脂100質量%中0.5質量
%から5質量%の範囲とすることが好ましい。改質材B由来の構成部位を、ポリエステル
樹脂100質量%中0.5質量%から8質量%の範囲で含むには、改質材Bの添加量をポ
リエステル樹脂100質量%中0.5質量%から8質量%の範囲とすることが好ましい。
なお、ポリエステル樹脂100質量%の値は、仕込む原料の総量からエステル化反応又
はエステル交換反応、及び重縮合反応により抜ける水又はアルコールの重量を差し引いた
計算値を用いた。
<触媒>
エステル化反応、エステル交換反応、重縮合時に用いる触媒としては、特に制限されず
、例えば、アルコキシ基を有するチタンアルコキシド化合物、カルボン酸チタン、カルボ
ン酸チタニル、カルボン酸チタニル塩、チタンキレート化合物などのチタン系化合物、ジ
ブチルスズオキシド等の有機スズ、酸化スズ、2エチルヘキサンスズ等の無機スズ、酢酸
カルシウム、酢酸カルシウム水和物、酢酸亜鉛、三酸化アンチモン、二酸化ゲルマニウム
などが挙げられる。
アルコキシ基を有するチタンアルコキシド化合物としては、例えばテトラメトキシチタ
ン、テトラエトキシチタン、テトラプロポキシチタン、テトラブトキシチタン、テトラペ
ントキシチタン、テトラオクトキシチタンなどが挙げられる。
カルボン酸チタン化合物としては、例えば蟻酸チタン、酢酸チタン、プロピオン酸チタ
ン、オクタン酸チタン、シュウ酸チタン、コハク酸チタン、マレイン酸チタン、アジピン
酸チタン、セバシン酸チタン、ヘキサントリカルボン酸チタン、イソオクタントリカルボ
ン酸チタン、オクタンテトラカルボン酸チタン、デカンテトラカルボン酸チタン、安息香
酸チタン、フタル酸チタン、テレフタル酸チタン、イソフタル酸チタン、1,3−ナフタ
レンジカルボン酸チタン、4,4−ビフェニルジカルボン酸チタン、2,5−トルエンジ
カルボン酸チタン、アントラセンジカルボン酸チタン、トリメリット酸チタン、2,4,
6−ナフタレントリカルボン酸チタン、ピロメリット酸チタン、2,3,4,6−ナフタ
レンテトラカルボン酸チタンなどが挙げられる。
なかでもテトラブトキシチタンが好ましい。また、1種を単独で用いてもよいし、2種
以上を併用してもよい。
エステル化反応またはエステル交換反応、重縮合反応の反応温度は180〜280℃が
好ましい。反応温度は高いほど生産性が向上し、低いほどポリエステル樹脂の分解や、臭
気の要因となる揮発分の副生成を抑制可能であり、TVOC(Total Bolati
le Organic Compounds)が少なくなる傾向がある。重合温度は20
0℃以上270℃以下がより好ましい。
本発明のポリエステル樹脂の製造方法は、多価カルボン酸原料と多価アルコールを含む
単量体混合物を、前記改質材Aおよび前記改質材Bの存在下で重縮合するポリエステル樹
脂の製造方法である。前記改質材Aおよび前記改質材Bの存在下で多価カルボン酸原料お
よび多価アルコールを含む単量体混合物を重縮合することによって、分子末端等に炭化水
素基を有するポリエステル樹脂を得ることができる。また、本発明のポリエステル樹脂を
トナー用バインダー樹脂として用いる場合には、本発明のポリエステル樹脂とトナー化時
に配合するワックスとの相溶性を著しく向上することができ、ワックス分散性を向上する
ことができる。
<ポリエステル樹脂の物性>
本発明のポリエステル樹脂のガラス転移温度(Tg)は、40〜85℃が好ましく、4
5〜75℃がより好ましい。ガラス転移温度は高いほどトナーの保存安定性が向上し、低
いほどトナーの低温定着性が向上する傾向がある。
ポリエステル樹脂のガラス転移温度は、以下のようにして求める。すなわち、示差走差
熱量計を用い、昇温速度5℃/分で測定したときのチャートの低温側のベースラインと、
ガラス転移温度近傍にある吸熱カーブの接線との交点の温度を求め、これをTgとする。
本発明のポリエステル樹脂の軟化温度(T4)は、80〜170℃が好ましく、85〜
160℃がより好ましい。軟化温度は高いほど耐ホットオフセット性が良好になり、低い
ほど低温定着性が向上する傾向がある。
ポリエステル樹脂の軟化温度は、フローテスターを用いて測定することができる。
本発明のポリエステル樹脂の酸価は、0.1〜60mgKOH/gが好ましく、0.5
〜50mgKOH/gがより好ましく、1mgKOH/g以上30mgKOH/g未満が
さらに好ましい。酸価は高いほどポリエステル樹脂の生産性が向上する傾向があり、低い
ほどポリエステル樹脂の耐湿性が向上し、使用環境の影響を受けにくいトナーの作製しや
すくなる傾向がある。
ポリエステル樹脂の酸価とは、試料1g当たりのカルボキシ基を中和するのに必要な水
酸化カリウムの量をミリグラム数で表したもので、単位:mgKOH/gで示される。
<トナー用バインダー樹脂>
本発明のポリエステル樹脂は、トナー用バインダー樹脂として好適に使用できる。本発
明のトナーは、本発明のポリエステル樹脂をトナー用バインダー樹脂として用いたトナー
である。本発明のトナー100質量%中、本発明のポリエステル樹脂の含有量は20〜9
0質量%が好ましい。
また、本発明のトナーは、必要に応じて着色剤、荷電制御剤、ワックス、流動改質剤、
無機微粉末、本発明のポリエステル樹脂以外の樹脂(他のバインダー樹脂)滑剤などの配
合物を含んでいてもよい。
着色剤としては、カーボンブラック、ニグロシン、アニリンブルー、フタロシアニンブ
ルー、フタロシアニングリーン、ハンザイエロー、ローダミン系染顔料、クロムイエロー
、キナクリドン、ベンジジンイエロー、ローズベンガル、トリアリルメタン系染料、モノ
アゾ系、ジスアゾ系、縮合アゾ系染料もしくは顔料などが挙げられる。これらは1種を単
独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
トナーをカラートナーとして用いる場合、イエロー系着色剤としてはベンジジンイエロ
ー、モノアゾ系染顔料、縮合アゾ系染顔料などが挙げられ、マゼンタ系着色剤としてはキ
ナクリドン、ローダミン系染顔料、モノアゾ系染顔料などが挙げられ、シアン系着色剤と
してはフタロシアニンブルーなどが挙げられる。
着色剤の含有量は特に制限されないが、トナーの色調や画像濃度、熱特性に優れる点か
ら、トナー100質量%中、2〜10質量%が好ましい。
荷電制御剤としては、4級アンモニウム塩や、塩基性もしくは電子供与性の有機物質等
の正帯電性の荷電制御剤;金属キレート類、含金属染料、酸性もしくは電子求引性の有機
物質等の負帯電性の荷電制御剤が挙げられる。
トナーをカラートナーとして用いる場合、荷電制御剤としては無色ないし淡色で、トナ
ーへの色調障害が少ないものが適しており、このような荷電制御剤としては、例えばサリ
チル酸またはアルキルサリチル酸のクロム、亜鉛、アルミニウム等との金属塩、金属錯体
、アミド化合物、フェノール化合物、ナフトール化合物などが挙げられる。さらに、スチ
レン系、アクリル酸系、メタクリル酸系、スルホン酸基を有するビニル重合体を荷電制御
剤として用いてもよい。
荷電制御剤の含有量は、トナー100質量%中、0.5〜5質量%が好ましい。荷電制
御剤の含有量が0.5質量%以上であればトナーの帯電量が十分なレベルとなる傾向にあ
り、5質量%以下であれば荷電制御剤の凝集による帯電量の低下が抑制される傾向にある
ワックスとしては、トナーの離型性、保存性、定着性、発色性等を考慮して、カルナバ
ワックス、ライスワックス、蜜蝋、ポリプロピレン系ワックス、ポリエチレン系ワックス
、合成エステル系ワックス、パラフィンワックス、脂肪酸アミド、シリコーン系ワックス
等を適宜選択して使用できる。これらは1種を単独で用いてもよいし、2種以上を併用し
てもよい。
ワックスの融点は、上記トナー性能を考慮して適宜決定すればよい。
ワックスの含有量は特に制限されないが、上記のトナー性能を左右することから、トナ
ー100質量%中、0.3〜15質量%が好ましい。ワックスの含有量の下限値は、1質
量%以上がより好ましく、2質量%以上が特に好ましい。また、ワックスの含有量の上限
値は、13質量%以下がより好ましく、12質量%以下が特に好ましい。
本発明のポリエステル樹脂はワックス分散性が極めて良好であるため、配合できるワッ
クスの種類や量を増やすことが可能となり、従来よりも高機能な定着性、耐オフセット性
、保存性を有するトナーを提供することができる。
流動改質剤などの添加剤としては、微粉末のシリカ、アルミナ、チタニア等の流動性向
上剤;マグネタイト、フェライト、酸化セリウム、チタン酸ストロンチウム、導電性チタ
ニア等の無機微粉末;スチレン樹脂、アクリル樹脂等の抵抗調節剤;滑剤などが挙げられ
、これらは内添剤または外添剤として使用される。
これらの添加剤の含有量は、トナー100質量%中、0.05〜10質量%が好ましい
。これらの添加剤の含有量が0.05質量%以上であればトナーの性能改質効果が十分に
得られる傾向にあり、10質量%以下であればトナーの画像安定性が良好となる傾向にあ
る。
他のバインダー樹脂としては、例えば、本発明以外のポリエステル樹脂、スチレン系樹
脂、環状オレフィン樹脂、エポキシ樹脂などが挙げられる。これらは1種を単独で用いて
もよいし、2種以上を併用してもよい。
他のバインダー樹脂を用いる場合、全バインダー樹脂100質量%中に本発明のポリエ
ステル樹脂を20質量%以上用いることが好ましい。
本発明のトナーは、磁性1成分現像剤、非磁性1成分現像剤、2成分現像剤の何れの現
像剤としても使用できる。
本発明のトナーを磁性1成分現像剤として用いる場合、トナーは磁性体を含有する。磁
性体としては、例えばフェライト、マグネタイト、鉄、コバルト、ニッケル等を含む強磁
性の合金;化合物や強磁性元素を含まないが、適当に熱処理することによって強磁性を示
すようになる合金(例えばマンガン−銅−アルミニウム、マンガン−銅−スズ等のマンガ
ンと銅とを含む、所謂ホイスラー合金、二酸化クロム等)などが挙げられる。
磁性体の含有量は特に制限されないが、トナーの粉砕性に大きく影響を与えるため、ト
ナー100質量中、3〜70質量%が好ましい。磁性体の含有量が3質量%以上であれば
トナーの帯電量が十分なレベルとなる傾向にあり、70質量%以下であればトナーの定着
性や粉砕性が良好となる傾向にある。磁性体の含有量の上限値は、60質量%以下がより
好ましく、50質量%以下が特に好ましい。
本発明のトナーを2成分現像剤として用いる場合、本発明のトナーはキャリアと併用し
て用いられる。
キャリアとしては、例えば鉄粉、マグネタイト粉、フェライト粉等の磁性物質、それら
の表面に樹脂コーティングを施したもの、磁性キャリアなどが挙げられる。樹脂コーティ
ングキャリアのための被覆樹脂としては、例えばスチレン系樹脂、アクリル系樹脂、スチ
レンアクリル共重合系樹脂、シリコーン系樹脂、変性シリコーン系樹脂、フッ素系樹脂、
それらの樹脂の混合物などが挙げられる。
キャリアの使用量は、トナー100質量部に対して、500〜3000質量部が好まし
い。キャリアの使用量が500質量部以上であればかぶり等が発生しにくくなる傾向にあ
り、3000質量部以下であれば定着画像の濃度が十分なものとなる傾向にある。
本発明のトナーを製造する方法としては特に制限されないが、本発明のポリエステル樹
脂と、上述した配合物とを混合した後、2軸押出機などで溶融混練し、粗粉砕、微粉砕、
分級を行い、必要に応じて無機粒子の外添処理等を行って製造する方法(粉砕法);本発
明のポリエステル樹脂と配合物とを溶剤に溶解・分散させ、水系媒体中にて造粒した後に
溶剤を除去し、洗浄、乾燥してトナー粒子を得て、必要に応じて無機粒子の外添処理等を
行って製造する方法や、本発明のポリエステル樹脂を水中で乳化し、微粒化した配合物と
ともに水中で凝集、融合させて造粒し、洗浄、乾燥してトナー粒子を得て、必要に応じて
無機粒子の外添処理等を行って製造する方法(ケミカル法)などが挙げられる。
本発明のトナーの平均粒子径は特に制限されないが、3〜15μmが好ましく、5〜1
0μmがより好ましい。トナーの平均粒子径が3μm以上であれば、生産性が良好となる
。一方、トナーの平均粒子径が15μm以下であれば、高画質な画像を安定して形成でき
る。
以下、実施例により本発明を具体的に説明する。ただし、本発明は以下の実施例に限定
されるものではない。
本実施例で示されるポリエステル樹脂の評価方法は以下の通りである。
[測定・評価]
<ガラス転移温度(Tg)の測定>
ポリエステル樹脂のガラス転移温度は、示差走差熱量計(島津製作所社製、「DSC−
60」)を用いて、昇温速度5℃/minにおけるチャートのベースラインと吸熱カーブ
の接線との交点から測定した。測定試料は10mg±0.5mgをアルミパン内に計量し
、ガラス転移温度以上の100℃で10分融解後、ドライアイスを用いて急冷却処理した
サンプルを用いて行った。
<軟化温度(T4)の測定>
ポリエステル樹脂の軟化温度は、フローテスター(島津製作所社製、「CFT−500
D」)を用いて、1mmφ×10mmのノズル、荷重294N、昇温速度3℃/minの
等速昇温下で、樹脂サンプル1.0g中の1/2量が流出したときの温度を測定し、これ
を軟化温度とした。
<酸価の測定>
ポリエステル樹脂の酸価は、以下のようにして測定した。
測定サンプル約0.2gを枝付き三角フラスコ内に精秤し(a(g))、ベンジルアル
コール20mLを加え、窒素雰囲気下として230℃のヒーターにて15分加熱し測定サ
ンプルを溶解した。室温まで放冷後、クロロホルム20mL、クレゾールレッド溶液数滴
を加え、0.02規定のKOH溶液にて滴定した(滴定量=b(mL)、KOH溶液の力
価=p)。ブランク測定を同様に行い(滴定量=c(mL))、以下の式に従って酸価を
算出した。
酸価(mgKOH/g)={(b−c)×0.02×56.11×p}/a
<改質材A由来の構成部位、改質材B由来の構成部位の含有量>
ポリエステル樹脂に結合している改質材A由来の構成部位および改質材B由来の構成部
位の含有量は、以下のようにして測定した。
・測定前処理
各ポリエステル樹脂をクロロホルムに溶解し、不溶分を除去した。改質材A、改質材B
を用いない場合(後述するポリエステル樹脂20)は不溶分が無く、不溶分は主としてポ
リエステル樹脂と結合せず混合している改質材Aおよび改質材Bに由来するものである。
得られたクロロホルム溶液から、クロロホルムを除去して乾固したものを各分析に供試
した。また、改質材A、改質材Bそのものについても、そのまま各測定に供試した。
・NMR測定
以下の条件で測定し、スペクトルの積分値を用いて組成を算出した。なお、ポリエステ
ル樹脂中の改質材Aおよび改質材Bに由来する各構成部位については、化合物ごとではな
く、改質材Aおよび改質材Bに由来する構成部位の総量を算出した
[NMR測定条件]
装置 日本電子 ECS−400
マグネット JMTC−400/54/SS
観測周波数 H 400MHz 13C 100MHz
溶媒 ポリエステル樹脂:重クロロホルム
改質材A、改質材B:DMSO−d6
温度 ポリエステル樹脂:35℃
改質材A、改質材B:120℃
積算回数 ポリエステル樹脂: H 1000回、13C 1024回
改質材A、改質材B: H 64回、13C 1024回
・反応PyGC−MS測定
以下の手順で測定を行った。
手順1.各改質材そのもののm/z=87のクロマトグラムにおけるピーク面積の和を算
出した。なお、「ピーク」とは検出器によって検出された信号を表し、「ピークが高い」
ということは、検出信号が強いことを意味する。また、「検出信号強度」は、「検出信号
強度」を意味する。
手順2.各改質材のm/z=87のクロマトグラムにおいて、代表的なピークを選択し、
ピーク面積の和に対する代表的なピーク面積の割合を算出した。
手順3.改質材Bの一種であるライスワックスと、その他の改質材A、改質材Bを同重量
ブレンドして測定し、m/z=87のマススペクトルにおいて、各改質材の代表的なピー
ク面積と手順2で求めた面積割合を用いて 各改質材のピーク面積の和を算出し、ライス
ワックスを1とした時の各改質材の面積比を算出した。
手順4.サンプルのm/z=87のクロマトグラムにおいて、各改質材の代表的なピーク
面積と手順2で求めた面積割合を用いてサンプル中の各改質材由来のピーク面積の和を算
出し、求めた和の面積と手順3で求めた改質材の同重量に対する面積比を用いて、改質材
の重量比を算出した。
手順5.手順4で求めた改質材の重量比と各改質材の分子量を用いて、改質材のモル比を
算出した。
[反応PyGC−MS測定条件]
装置 Agilent Technology製 GC/MS 7890/5975 フ
ロンティア・ラボ製 PY−3030D型ダブルショットパイロライザー
カラム フロンティア・ラボ製 Ultra−Alloy +5(30m×0.25mm
I.D. 膜厚0.25μm)
カラム温度 40℃(1min) → 10℃/min → 300℃(5m
in)
注入口温度 300℃
インターフェイス 300℃
キャリアガス He(流量1ml/min)
スプリット比 50:1
イオン化法 EI
イオン化源温度 230℃
四重極温度 150℃
スキャンレジン 20〜500amu
熱分解温度 400℃
インターフェイス温度 300℃
反応試薬 25%TMAH−メタノール溶液
NMRで求めた樹脂に対する改質材の全体量(モル比)と反応PyGC−MSで求めた
サンプル中の改質材のモル比を用いて、サンプル中の樹脂に対する改質材の含有量を算出
した。
<構成部位ab4由来の検出信号強度を1とした時の構成部位ab8由来の検出信号強度

反応PyGC−MS測定におけるm/z=87のクロマトグラムにおいて、R.T=2
5.9(ab4を示す)のベースラインからの検出信号強度と、R.T=31.0(ab
8を示す)のベースラインからの検出信号強度を計測し、ab4の検出信号強度を1とし
た時のab8の検出信号強度を求めた。
<樹脂中の10μm以上の成分>
ポリエステル樹脂の小片を樹脂の軟化温度で熱プレスして50μmの膜状とし、顕微鏡
で観察、任意の100μm四方内の10μm以上の成分の個数を確認した。この成分は、
改質材Aあるいは改質材Bに由来する成分である。
<ワックス分散性>
表5、表6、表7に記載した配合でポリエステル樹脂、改質材A、改質材B、およびワ
ックス(日本精蝋社製 フィッシャートロプシュワックスSX80)をドライブレンドに
て混合した後、バレル温度を120℃に設定した二軸押出機(池貝社製PCM−29)に
て混練し、板状のサンプルを採取した。サンプルの小片を、樹脂の軟化温度に設定したプ
レス機にて熱プレスして50μmの膜状とし、500倍の顕微鏡にて観察した。任意の5
0μm四方内のWAX粒子の粒径を確認し、以下の基準で評価した。
S:粒子を確認できない
A:0.5μm未満の粒子をかろうじて確認できる
B:0.5μm以上、1μm未満の粒子が確認できる
C:1μm以上、3μm未満の粒子が確認でき、分散性がやや劣っている
D:3μm以上、5μm未満の粒子が確認でき、分散性が劣っている
E:5μm以上の粒子が確認でき、分散性が大幅に劣っている
[実施例1〜14、比較例1〜6]
本発明のポリエステル樹脂、及び比較のためのポリエステル樹脂を作製するための仕込
み原料を、表1及び表2に示す。表1中の質量%は、エステル化反応及び重縮合反応後に
得られるポリエステル樹脂の全質量を原料から計算で求め、その全質量(計算値)を10
0%としたときの数値である。
Figure 2021155718
Figure 2021155718
表1及び表2中の略号・名称の詳細は以下の通りである。
・ジオールA:ビスフェノールAのプロピレンオキサイド誘導体(PO2.3モル付加体

・ジオールB:ビスフェノールAのエチレンオキサイド誘導体(EO2.2モル付加体)
・ユニシッド700:ベイカーヒューズ社製、直鎖ポリエチレン片末端カルボン酸、融点
110.5℃
・ユニリン700:ベイカーヒューズ社製、直鎖ポリエチレン片末端アルコール、融点
100.3℃
・ユニリン1000:ベイカーヒューズ社製、直鎖ポリエチレン片末端アルコール、融点
107.9℃
・エポレンE−10J:ウエストレイクケミカル社製、酸化ポリエチレン、融点 100
.9℃
・カルバナワックス:東洋アドレ社製、天然エステル、融点 85.3℃
・ライスワックス:ボーソー油脂社製、天然エステル、融点 81.5℃
・WEP−3:日油社製、合成エステル、融点 73.2℃
<ポリエステル(PES)樹脂1の製造>
全酸成分100モル部に対し、テレフタル酸を82モル部、イソフタル酸を13モル部
、無水トリメリト酸を5モル部、ジオールAを35モル部、ジオールBを1モル部、エチ
レングリコールを80モル部、さらに、改質材Aとしてユニシッド700を2質量%、改
質材Bとしてカルナバワックス2質量%およびライスワックス2質量%、触媒としてチタ
ンテトラブトキサイドを全酸成分に対して500ppm、を蒸留塔備え付けの反応容器に
投入した。なお、改質材Aおよび改質材Bの仕込み量は、得られるポリエステル樹脂10
0質量%に対する内数である。
次いで、反応容器中の撹拌翼の回転数を120rpmに保ち、昇温を開始し、反応系内
の温度が265℃になるように加熱し、この温度を保持してエステル化反応を行った。反
応系からの水の留出がなくなりエステル化反応が終了した後、反応系内の温度を下げて2
40℃に保ち、反応容器内を約40分かけて減圧し、真空度を133Paとし、反応系か
ら多価アルコールを留出させながら重縮合反応を行った。
反応とともに反応系の粘度が上昇し、粘度上昇とともに真空度を上昇させ、撹拌翼のト
ルクが所望の軟化温度を示す値となるまで縮合反応を実施した。そして、所定のトルクを
示した時点で撹拌を停止し、反応系を常圧に戻し、窒素により加圧して反応物を反応容器
から取り出し(吐出し)、ポリエステル樹脂1を得た。
<ポリエステル(PES)樹脂2〜20の製造>
ポリエステル樹脂1と同様の方法にて、表1及び表2に示した仕込み組成の原料を用い
てポリエルテル樹脂2〜20を得た。
ポリエステル樹脂1〜20の樹脂組成、及び、得られたポリエステル樹脂のガラス転移
温度Tg(℃)、軟化温度T4(℃)、酸価AV(mgKOH/g)の測定結果と樹脂評
価(樹脂中の10μm以上の成分)結果を表3及び表4に示す。
表3及び表4の樹脂評価は、前述の通り、ポリエステル樹脂の小片を樹脂の軟化温度で
熱プレスして50μmの膜状とし、顕微鏡で観察、任意の100μm四方内の10μm以
上の成分の個数を確認した。改質材Aのみを用いたポリエステル樹脂15〜17は、10
μm以上の成分が存在することを確認した。
一方、改質材Aと改質材Bを併用したポリエステル樹脂1〜14、又は、改質材Bのみ
を用いたポリエステル樹脂18および19では、10μm以上の成分は確認されなかった
Figure 2021155718
Figure 2021155718
続いて、得られたポリエステル樹脂を用い、ワックス分散性評価を実施した。表5及び
表6、表7に記載した配合でポリエステル樹脂、改質材A、改質材B、およびワックス(
日本精蝋社製 フィッシャートロプシュワックスSX80)をドライブレンドにて混合し
た後、バレル温度を120℃に設定した二軸押出機(池貝社製PCM−29)にて混練し
、板状のサンプルを採取した。サンプルの小片を、樹脂の軟化温度に設定したプレス機に
て熱プレスして50μmの膜状とし、500倍の顕微鏡にて観察した。任意の50μm四
方内のWAX粒子の粒径を確認し、以下の基準で評価した。なお、粒子の粒径は、粒子の
最も長い距離を粒径とし、粒子が球状の場合は直径を粒径とした。
S:粒子を確認できない
A:0.5μm未満の粒子をかろうじて確認できる
B:0.5μm以上、1μm未満の粒子が確認できる
C:1μm以上、3μm未満の粒子が確認でき、分散性がやや劣っている
D:3μm以上、5μm未満の粒子が確認でき、分散性が劣っている
E:5μm以上の粒子が確認でき、分散性が大幅に劣っている
評価の際に用いた樹脂およびワックスの種類および配合量、評価結果を表5〜表7に示
す。
Figure 2021155718
Figure 2021155718
Figure 2021155718
ポリエステル樹脂1を用いた実施例1においてワックス分散性評価結果はSであり、ま
た、ポリエステル樹脂1に対して本発明以外のポリエステル樹脂を1:1の割合で使用し
た実施例2においても同様にSであった。ポリエステル樹脂1に対して本発明以外のポリ
エステル樹脂を1:2の割合で使用した実施例3においてはBであった。
実施例4〜14は、ワックス分散評価結果はすべてB以上であった。
改質材Aを1とした時の改質材Bの質量比が13のポリエステル樹脂13を用いた比較
例1は、WAX分散粒子径が1〜2μmであり、本発明のポリエステル樹脂を用いた場合
と比べワックス分散性が劣っていた。また、改質材Aを1とした時の改質材Bの質量比が
1.7のポリエステル樹脂14を用いた比較例2は、WAX分散粒子径が1〜2μmであ
り、本発明のポリエステル樹脂を用いた場合と比べワックス分散性が劣っていた。
改質材Aを用いず、改質材Bのみを用いて作製したポリエステル樹脂18、19を用い
た比較例3,4では、WAX分散評価結果がCとDであり、ワックス分散性は実施例1よ
り大幅に劣っていた。
比較例5は改質材A、改質材Bとも未使用のポリエステル樹脂20を用いており、比較
例6は、ポリエステル樹脂1重合時に添加した改質材A,改質材Bと同じものを、同じ量
になるように、ポリエステル樹脂20に混練時に配合したものである。いずれもワックス
分散性は不良であった。
続いて、ポリエステル樹脂1のm/z=87における反応PyGC−MS測定結果を図
1に、図1の縦軸方向の拡大図を図2に示す。また、改質材A及び改質材Bの一例として
、ポリエステル樹脂1に使用した改質材A(ユニシッド700)のm/z=87における
反応PyGC−MS測定結果を図3、改質材B(カルナバワックス)のm/z=87にお
ける反応PyGC−MS測定結果を図4、改質材B(ライスワックス)のm/z=87に
おける反応PyGC−MS測定結果を図5に示す。
最も強く観測されている炭素数24の構成部位に由来する検出信号(図1中、ab4の
ピーク)は、改質材Aに含まれる炭素数24の炭素鎖、及び改質材Bに含まれる炭素数2
4の炭素鎖に起因する検出信号である。また、非常に弱く観測されている炭素数32の構
成部位に由来する検出信号(図1中、ab8のピーク)は、改質材A、及び改質材Bに含
まれる炭素数32の炭素鎖に起因する検出信号である。図2から、ポリエステル樹脂1は
炭素数40の構成部位に由来するピークが検出されていることがわかる。図3〜5の測定
結果を考慮すると、このピークは改質材Aに含まれる炭素数40に起因する検出信号(図
2中、a12ピーク)であると考えられる。
改質材Aおよび改質材Bを、表3に示した組成で導入したポリエステル樹脂1では、炭
素数32の構成部位に由来する検出信号に比べ、炭素数24の構成部位に由来する検出信
号が2倍以上強く観測された。

Claims (20)

  1. 多価カルボン酸由来の構成部位(C1)と、多価アルコール由来の構成部位(D1)と
    、融点が90℃以上であり、酸またはアルコールと反応可能な官能基を有する脂肪族炭化
    水素系改質材Aに由来する構成部位(A1)と、融点が90℃未満であり、酸またはアル
    コールと反応可能な官能基を有する脂肪族炭化水素系改質材Bに由来する構成部位(B1
    )とを有し、前記構成部位(A1)と前記構成部位(B1)の質量の比が1:2〜12の
    範囲である、ポリエステル樹脂。
  2. 前記改質材Aの融点が120℃以下である請求項1に記載のポリエステル樹脂。
  3. 前記改質材Aが直鎖アルキル基の片末端に酸またはアルコールを有する物質、及び直鎖
    アルキルモノカルボン酸と直鎖アルキルモノアルコールとのエステルの少なくとも一つを
    含む、請求項1または2に記載のポリエステル樹脂。
  4. 前記構成部位(A1)の量が、ポリエステル樹脂100質量%中、0.2質量%から3
    質量%の範囲である、請求項1〜3のいずれか1項に記載のポリエステル樹脂。
  5. 前記改質材Bの融点が60℃以上である請求項1〜4のいずれか1項に記載のポリエス
    テル樹脂。
  6. 前記改質材Bが直鎖アルキル基の片末端に酸またはアルコールを有する物質、及び直鎖
    アルキルモノカルボン酸と直鎖アルキルモノアルコールとのエステルの少なくとも一つを
    含む、請求項1〜5のいずれか1項に記載のポリエステル樹脂。
  7. 前記構成部位(B1)の量が、ポリエステル樹脂100質量%中、0.5質量%から8
    質量%の範囲である、請求項1〜6のいずれか1項に記載のポリエステル樹脂。
  8. 請求項1〜7のいずれか1項に記載のポリエステル樹脂を用いたトナー。
  9. 多価カルボン酸と多価アルコールとを含む単量体混合物を、融点が90℃以上であり、
    酸またはアルコールと反応可能な官能基を有する脂肪族炭化水素系改質材Aと、融点が9
    0℃未満であり、酸またはアルコールと反応可能な官能基を有する脂肪族炭化水素系改質
    材Bとの存在下で重縮合するポリエステル樹脂の製造方法であって、前記改質材Aの添加
    量を1としたときの、前記改質材Bの添加量が1〜6の範囲である、ポリエステル樹脂の
    製造方法。
  10. 前記改質材Aの融点が120℃以下である、請求項9に記載のポリエステル樹脂の製造
    方法。
  11. 前記改質材Aが、直鎖アルキル基の片末端に酸またはアルコールを有する物質、及び直
    鎖アルキルモノカルボン酸と直鎖アルキルモノアルコールとのエステルの少なくとも一つ
    を含む、請求項9または10に記載のポリエステル樹脂の製造方法。
  12. 前記改質材Aの添加量が、前記ポリエステル樹脂100質量%中、0.5質量%から5
    質量%の範囲である、請求項9〜11のいずれか1項に記載のポリエステル樹脂の製造方
    法。
  13. 前記改質材Bの融点が60℃以上である、請求項9〜12のいずれか1項に記載のポリ
    エステル樹脂の製造方法。
  14. 前記改質材Bが直鎖アルキル基の片末端に酸またはアルコールを有する物質、及び直鎖
    アルキルモノモノカルボン酸と直鎖アルキルモノアルコールとのエステルの少なくとも一
    つを含む、請求項9〜13のいずれか1項に記載のポリエステル樹脂の製造方法。
  15. 前記改質材Bの添加量が、前記ポリエステル樹脂100質量%中、0.5質量%から8
    質量%の範囲である、請求項9〜14のいずれか1項に記載のポリエステル樹脂の製造方
    法。
  16. 多価カルボン酸由来の構成部位(C1)と、多価アルコール由来の構成部位(D1)と、
    改質材A由来の炭素数(16+2n、nは12〜15の整数の少なくとも一つ)の構成部
    位(a12〜a15の少なくとも一つ)と、前記改質材A及び改質材B由来の炭素数(1
    6+2m、mは3〜8のすべての整数)の構成部位(ab3〜ab8)を有し、
    反応PyGC−MS測定におけるm/z=87のクロマトグラムにおいて、ab4由来の
    検出信号強度を1とした時のab8由来の検出信号強度が0.01以上、0.05以下で
    あるポリエステル樹脂。
  17. 前記改質材Aは、炭素数(16+2n、nは0〜15のすべての整数)の構成部位(a
    0〜a15)を含む、請求項16に記載のポリエステル樹脂。
  18. 前記改質材Bは、炭素数(16+2p、pは3〜5の整数の少なくとも一つ)の構成部
    位(b3〜b5の少なくとも一つ)を有する、請求項16に記載のポリエステル樹脂。
  19. 前記改質材Bは、炭素数40より多い炭素鎖に由来する構成部位を有さない、請求項1
    8に記載のポリエステル樹脂。
  20. 請求項16〜19のいずれか1項に記載のポリエステル樹脂を用いたトナー。
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