JP2010107671A - 電子写真用トナー - Google Patents

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Abstract

【課題】優れた低温定着性を満足しつつ、保存性に優れる電子写真用トナー、及び該トナーに用いられるトナー用結着樹脂及びトナー用結晶性樹脂を提供すること。
【解決手段】非晶質樹脂及び結晶性樹脂を含有してなる電子写真トナー用結着樹脂であって、前記非晶質樹脂と前記結晶性樹脂の少なくともどちらか一方の樹脂が、水酸基が結合した第二級炭素原子を2つ以上有する脂肪族多価アルコール(アルコールA)を含有したアルコール成分とカルボン酸成分とを縮重合させて得られる縮重合系樹脂である、電子写真トナー用結着樹脂、該結着樹脂を含有してなる電子写真用トナー、並びに水酸基が結合した第二級炭素原子を2つ以上有する脂肪族多価アルコール(アルコールA)を含有したアルコール成分とカルボン酸成分とを縮重合させて得られるトナー用結晶性樹脂。
【選択図】なし

Description

本発明は、電子写真法、静電記録法、静電印刷法等に用いられる電子写真用トナー及び該トナーに用いられるトナー用結着樹脂及びトナー用結晶性樹脂に関する。
近年、マシンの高速化、省エネ化に伴い、低温定着性に優れたトナーが要求されている。そこで、トナー用結着樹脂として、従来使用されてきた芳香族多価アルコールを用いて得られる縮重合系樹脂に代わり、脂肪族多価アルコールを使用した縮重合系樹脂が提案されている。
特許文献1には、定着性、耐オフセット性に優れ、且つ連続印刷した際も安定した帯電挙動を示し、良好な高画質画像が得られる耐久性に優れた静電荷現像用トナーを提供するために、1,3-プロパンジオールと、特定の他の多価アルコールとを必須の構成成分として含有するアルコール成分と、多塩基酸成分とを反応させて得られるポリエステル樹脂を、結着樹脂として用いた静電荷現像用トナーが開示されている。
特許文献2には、低温定着性と粉砕性のバランスに優れ、定着後の光沢性に優れるトナーを提供するために、ポリオール成分が30〜100モル%の、炭素数2〜6の脂肪族ジオール(該脂肪族ジオールの少なくとも一部が1,2-プロピレングリコールである)からなり、テトラヒドロフラン可溶分の数平均分子量が1000〜9500のポリエステル樹脂を用いたトナー用ポリエステル樹脂が開示されている。
また、特許文献3には、低温定着性、環境安定性及び耐ブロッキング性に優れたトナー用結着樹脂として、結晶性ポリエステル及び非晶質ポリエステル系樹脂を含有してなるトナー用結着樹脂であって、前記結晶性ポリエステルが、炭素数2〜8の脂肪族ジオールを70モル%以上含有したアルコール成分と芳香族ジカルボン酸化合物を70モル%以上含有したカルボン酸成分とを縮重合させて得られる、トナー用結着樹脂が開示されている。
特開2002−169331号公報 特開2006−154686号公報 特開2005−300867号公報
しかしながら、結晶性樹脂と非晶質樹脂とを用いた結着樹脂は、低温定着性に優れるものの、トナーの保存性が不充分である。
本発明の課題は、優れた低温定着性を満足しつつ、保存性に優れる電子写真用トナー、及び該トナーに用いられるトナー用結着樹脂及びトナー用結晶性樹脂を提供することにある。
本発明は、
〔1〕 非晶質樹脂及び結晶性樹脂を含有してなる電子写真トナー用結着樹脂であって、前記非晶質樹脂と前記結晶性樹脂の少なくともどちらか一方の樹脂が、水酸基が結合した第二級炭素原子を2つ以上有する脂肪族多価アルコール(アルコールA)を含有したアルコール成分とカルボン酸成分とを縮重合させて得られる縮重合系樹脂である、電子写真トナー用結着樹脂、
〔2〕 前記〔1〕記載の結着樹脂を含有してなる電子写真用トナー、並びに
〔3〕 水酸基が結合した第二級炭素原子を2つ以上有する脂肪族多価アルコール(アルコールA)を含有したアルコール成分とカルボン酸成分とを縮重合させて得られるトナー用結晶性樹脂
に関する。
本発明の結着樹脂を用いた電子写真用トナーは、優れた低温定着性を満足しつつ、保存性に優れる。
本発明の電子写真トナー用結着樹脂は、非晶質樹脂と結晶性樹脂を含有し、少なくともどちらか一方の樹脂が、水酸基が結合した第二級炭素原子を2つ以上有する脂肪族多価アルコール(アルコールA)を含有したアルコール成分とカルボン酸成分とを縮重合させて得られる縮重合系樹脂である点に特徴を有しており、これにより、トナーの結着樹脂として、トナーの保存性を損なうことなく、優れた低温定着性を発揮する。これは、樹脂中において、水酸基が結合した第二級炭素に結合しているアルキル基が分子の運動性を束縛するため、結晶性樹脂と非晶質樹脂との過剰な相溶が制御されることがその要因の一つと推定される。
樹脂の結晶性は、軟化点と示差走査熱量計による吸熱の最高ピーク温度との比、即ち軟化点/吸熱の最高ピーク温度で表わされ、一般にこの値が1.4を超えると樹脂は非晶質であり、0.6未満の時は結晶性が低く非晶部分が多い。樹脂の結晶性は、原料モノマーの種類とその比率、及び製造条件(例えば、反応温度、反応時間、冷却速度)等により調整することができる。本発明において、「結晶性樹脂」とは、軟化点/吸熱の最高ピーク温度の値が0.6〜1.4、好ましくは0.8〜1.2である樹脂をいい、「非晶質樹脂」とは、軟化点/吸熱の最高ピーク温度の値が1.4より大きいか、0.6未満、好ましくは1.4より大きい樹脂をいう。なお、吸熱の最高ピーク温度とは、観測される吸熱ピークのうち、最も高温側にあるピークの温度を指す。最高ピーク温度が軟化点と20℃以内の差であれば融点とし、軟化点との差が20℃を超えるピークはガラス転移に起因するピークとする。なお、本発明において、単に「樹脂」という場合は、結晶性樹脂及び非晶質樹脂の両方を意味する。
水酸基が結合した第二級炭素原子を2つ以上有する脂肪族多価アルコール(アルコールA)としては、2,3-ブタンジオール、2,3-ペンタンジオール、2,4-ペンタンジオール、2,3-ヘキサンジオール、3,4-ヘキサンジオール、2,4-ヘキサンジオール、2,5-ヘキサンジオール等が挙げられる。
アルコールAの炭素数は、エステル価を高くし、トナーの低温定着性とともに保存性を高める観点から、4〜8が好ましく、4〜5がより好ましく、4がさらに好ましい。また、樹脂の主鎖骨格をリジッドにして保存性を高める観点から、水酸基が結合した第二級炭素原子が互いに隣接した第二級炭素原子の組を1組以上有する脂肪族多価アルコールがより好ましい。これらの観点から、2,3-ブタンジオール、2,3-ペンタンジオール、2,3-ヘキサンジオール、3,4-ヘキサンジオール等の水酸基が結合した第二級炭素原子が互いに隣接した第二級炭素原子の組を1組以上有する、炭素数4〜8の脂肪族多価アルコールがより好ましい。
本発明では、非晶質樹脂と結晶性樹脂はいずれも、縮重合系樹脂であることが好ましく、非晶質樹脂は、後述するように、縮重合系樹脂と付加重合系樹脂とを含む複合樹脂であってもよい。
アルコールAは、前記の如く、非晶質樹脂及び結晶性樹脂の少なくともいずれかに用いられていればよいが、トナーの保存性の観点から、アルコールAは、非晶質樹脂に用いられていることが好ましく、トナーの保存性及び低温定着性の観点からは、非晶質樹脂及び結晶性樹脂の両方に用いられていることがより好ましい。
なお、非晶質樹脂のアルコール成分にアルコールAが含まれている場合の好ましい態様は、下記の通りである。
アルコールAの含有量は、トナーの低温定着性及び保存性の観点から、非晶質樹脂の原料モノマーのアルコール成分中、10〜100モル%が好ましく、12〜80モル%がより好ましく、25〜75モル%がさらに好ましい。
非晶質樹脂のアルコール成分とカルボン酸成分とを縮重合させる際のアルコールAの使用量は、トナーの低温定着性及び保存性の観点から、非晶質樹脂の原料モノマーである、アルコールA以外のアルコール成分及びカルボン酸成分の総量100重量部に対して、6〜100重量部が好ましく、10〜90重量部がより好ましく、15〜80重量部がさらに好ましい。
非晶質樹脂のアルコール成分は、トナーの低温定着性の観点から、さらに、アルコールA以外の炭素数2〜8、好ましくは炭素数2〜6の脂肪族ジオール(アルコールB)を含有していることが好ましい。アルコールBとしては、エチレングリコール、1,2-プロパンジオール、1,3-プロパンジオール、1,4-ブタンジオール、1,5-ペンタンジオール、1,6-ヘキサンジオール、1,4-ブテンジオール、1,3-ブタンジオール、ネオペンチルグリコール等が挙げられ、これらの中では、トナーの保存性の観点から、エチレングリコール、1,2-プロパンジオール及び1,3-プロパンジオールが好ましい。
アルコールBの含有量は、トナーの低温定着性を高める観点から、非晶質樹脂の原料モノマーのアルコール成分中、0〜90モル%が好ましく、0.5〜90モル%がより好ましく、20〜88モル%がさらに好ましく、25〜75モル%がよりさらに好ましい。
アルコールA 1モルに対するアルコールBの含有量は、トナーの保存性及び低温定着性の観点から、10モル以下が好ましく、0.1〜5モルが好ましく、0.3〜3モルがより好ましい。
また、結晶性樹脂のアルコール成分にアルコールAが含まれている場合の好ましい態様は、下記の通りである。
アルコールAの含有量は、樹脂の結晶性、トナーの低温定着性及び保存性の観点から、結晶性樹脂の原料モノマーのアルコール成分中、5〜50モル%が好ましく、5〜30モル%が好ましく、7〜25モル%がより好ましい。
結晶性樹脂のアルコール成分とカルボン酸成分とを縮重合させる際のアルコールAの使用量は、トナーの低温定着性及び保存性の観点から、結晶性樹脂の原料モノマーである、アルコールA以外のアルコール成分及びカルボン酸成分の総量100重量部に対して、2〜30重量部が好ましく、3〜20重量部がより好ましい。
結晶性樹脂のアルコール成分は、樹脂の結晶性の上げやすさの観点から、さらに、前記アルコールBを含有していることが好ましい。
アルコールBの含有量は、樹脂の結晶性及びトナーの低温定着性を高める観点から、結晶性樹脂の原料モノマーのアルコール成分中、50〜95モル%が好ましく、70〜95モル%がより好ましく、75〜93モル%がさらに好ましい。
また、アルコールA 1モルに対するアルコールBの含有量は、樹脂の結晶性、トナーの保存安定性及び低温定着性の観点から、1〜20モルが好ましく、2〜15モルが好ましく、5〜10モルがより好ましい。
非晶質樹脂及び結晶性樹脂に共通して、アルコールA及びアルコールB以外のアルコール成分としては、ポリオキシプロピレン-2,2-ビス(4-ヒドロキシフェニル)プロパン、ポリオキシエチレン-2,2-ビス(4-ヒドロキシフェニル)プロパン等の、式(I):
Figure 2010107671
(式中、RO及びORはオキシアルキレン基であり、Rはエチレン及び/又はプロピレン基であり、x及びyはアルキレンオキサイドの付加モル数を示し、それぞれ正の数であり、xとyの和の平均値は1〜16が好ましく、1〜8がより好ましく、1.5〜4がさらに好ましい)
で表されるビスフェノールのアルキレンオキサイド付加物等の芳香族ジオール、グリセリン等の3価以上の多価アルコール等が挙げられる。
アルコールAを含むアルコール成分において、芳香族ジオールの含有量は、トナーの低温定着性の観点から、アルコール成分中、10モル%以下が好ましく、5モル%以下がより好ましく、芳香族ジオールは実質的に用いないことが好ましい。ここで、実質的に用いないとは、含有量が、アルコール成分中、0モル%又は含有されていたとしても1モル%以下であることをいう。
なお、非晶質樹脂及び結晶性樹脂に共通して、アルコール成分とカルボン酸成分とを縮重合させる場合において、アルコールAを含まない場合であってもアルコールBは用いることはできる。
また、結晶性樹脂のアルコール成分には、樹脂の結晶性の観点から、α,ω−直鎖アルカンジオールが含有されていることが好ましい。
α,ω−直鎖アルカンジオールとしては、エチレングリコール、1,3-プロピレングリコール、1,4-ブタンジオール、1,5-ペンタンジオール、1,6-ヘキサンジオール等が挙げられ、なかでも炭素数2〜8のジオールが好ましく、1,4-ブタンジオール及び1,6-ヘキサンジオールがより好ましい。
また、非晶質樹脂のアルコール成分には、芳香族アルコール及びα,ω−直鎖アルカンジオール以外のアルコールBが好ましい。
また、非晶質樹脂及び結晶性樹脂のいずれにおいても、カルボン酸成分としては、2価のカルボン酸化合物や3価以上のカルボン酸化合物が用いられる。
2価のカルボン酸化合物としては、シュウ酸、マロン酸、マレイン酸、フマル酸、シトラコン酸、イタコン酸、グルタコン酸、コハク酸、アジピン酸、セバシン酸、アゼライン酸、アルキルコハク酸及びアルケニルコハク酸等の脂肪族ジカルボン酸;フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸等の芳香族ジカルボン酸;シクロヘキサンジカルボン酸等の脂環式ジカルボン酸が挙げられる。本発明において、上記のような酸、これらの酸の無水物、及び酸のアルキルエステルを、本明細書では総称してカルボン酸化合物と呼ぶ。
3価以上の多価カルボン酸化合物としては、1,2,4-ベンゼントリカルボン酸(トリメリット酸)、2,5,7-ナフタレントリカルボン酸、ピロメリット酸等の芳香族カルボン酸、及びこれらの酸無水物、アルキル(炭素数1〜3)エステル等の誘導体が挙げられる。
その他の酸として、ロジン;フマル酸、マレイン酸、アクリル酸等で変性されたロジン等が挙げられる。
本発明において、カルボン酸成分は、分子量を上げ、トナーの低温定着性及び保存性を高める観点から、3価以上の多価カルボン酸化合物、好ましくはトリメリット酸化合物、より好ましくは無水トリメリット酸を含有していることが望ましい。3価以上の多価カルボン酸化合物の含有量は、カルボン酸成分中、0.1〜30モル%が好ましく、1〜25モル%がより好ましく、5〜25モル%がさらに好ましい。
なお、前記の中でも、結晶性樹脂のカルボン酸成分としては、トナーの低温定着性の観点から、脂肪族ジカルボン酸化合物が好ましい。
脂肪族ジカルボン酸化合物としては、シュウ酸、マロン酸、マレイン酸、フマル酸、シトラコン酸、イタコン酸、グルタコン酸、コハク酸、アジピン酸、セバシン酸、アゼライン酸等の脂肪族ジカルボン酸及びこれらの酸の無水物、アルキル(炭素数1〜3)エステル等が挙げられ、これらの中では、炭素数2〜8のジカルボン酸化合物が好ましく、フマル酸化合物がより好ましい。なお、脂肪族ジカルボン化合物とは、前記の如く、脂肪族ジカルボン酸、その無水物及びそのアルキル(炭素数1〜3)エステルを指すが、これらの中では、脂肪族ジカルボン酸が好ましい。
脂肪族ジカルボン酸化合物の含有量は、結晶性樹脂の原料モノマーのカルボン酸成分中、90〜100モル%が好ましく、95〜100モル%がより好ましい。
また、非晶質樹脂のカルボン酸として、芳香族ジカルボン酸化合物が好ましい。
なお、アルコール成分には1価のアルコールが、カルボン酸成分には1価のカルボン酸化合物が、樹脂の分子量調整やトナーの耐オフセット性向上の観点から、適宜含有されていてもよい。
非晶質樹脂及び結晶性樹脂のいずれにおいても、アルコール成分とカルボン酸成分との縮重合反応は、例えば、錫化合物、チタン化合物等のエステル化触媒、重合禁止剤等の存在下、不活性ガス雰囲気中で行うことができ、温度条件は、非晶質樹脂の場合は180〜250℃が、結晶性樹脂の場合は120〜230℃が、それぞれ好ましい。
錫化合物としては、例えば、酸化ジブチル錫が知られているが、本発明では、縮重合系樹脂中での分散性が良好である観点から、Sn-C結合を有していない錫(II)化合物が好ましい。
Sn-C結合を有していない錫(II)化合物としては、Sn-O結合を有する錫(II)化合物、Sn-X(Xはハロゲン原子を示す)結合を有する錫(II)化合物等が好ましく、Sn-O結合を有する錫(II)化合物がより好ましい。
Sn-O結合を有する錫(II)化合物としては、シュウ酸錫(II)、酢酸錫(II)、オクタン酸錫(II)、2-エチルヘキサン酸錫(II)、ラウリル酸錫(II)、ステアリン酸錫(II)、オレイン酸錫(II)等の炭素数2〜28のカルボン酸基を有するカルボン酸錫(II);オクチロキシ錫(II)、ラウロキシ錫(II)、ステアロキシ錫(II)、オレイロキシ錫(II)等の炭素数2〜28のアルコキシ基を有するアルコキシ錫(II);酸化錫(II);硫酸錫(II)等が、Sn-X(Xはハロゲン原子を示す)結合を有する錫(II)化合物としては、塩化錫(II)、臭化錫(II)等のハロゲン化錫(II)等が挙げられ、これらの中では、触媒能の点から、(R1COO)2Sn(ここでR1は炭素数5〜19のアルキル基又はアルケニル基を示す)で表される脂肪酸錫(II)、(R2O)2Sn(ここでR2は炭素数6〜20のアルキル基又はアルケニル基を示す)で表されるアルコキシ錫(II)及びSnOで表される酸化錫(II)が好ましく、(R1COO)2Snで表される脂肪酸錫(II)及び酸化錫(II)がより好ましく、オクタン酸錫(II)、2-エチルヘキサン酸錫(II)、ステアリン酸錫(II)及び酸化錫(II)がさらに好ましい。
チタン化合物としては、Ti−O結合を有するチタン化合物が好ましく、総炭素数1〜28のアルコキシ基、総炭素数2〜28のアルケニルオキシ基又は総炭素数1〜28のアシルオキシ基を有する化合物がより好ましい。
チタン化合物の具体例としては、チタンジイソプロピレートビストリエタノールアミネート〔Ti(C6143N)2(C37O)2〕、チタンジイソプロピレートビスジエタノールアミネート〔Ti(C4102N)2(C37O)2〕、チタンジペンチレートビストリエタノールアミネート〔Ti(C6143N)2(C511O)2〕、チタンジエチレートビストリエタノールアミネート〔Ti(C6143N)2(C25O)2〕、チタンジヒドロキシオクチレートビストリエタノールアミネート〔Ti(C6143N)2(OHC816O)2〕、チタンジステアレートビストリエタノールアミネート〔Ti(C6143N)2(C1837O)2〕、チタントリイソプロピレートトリエタノールアミネート〔Ti(C6143N)(C37O)3〕、チタンモノプロピレートトリス(トリエタノールアミネート)〔Ti(C6143N)3(C37O)〕等が挙げられ、これらの中ではチタンジイソプロピレートビストリエタノールアミネート、チタンジイソプロピレートビスジエタノールアミネート及びチタンジペンチレートビストリエタノールアミネートが好ましく、これらは、例えばマツモト交商(株)の市販品としても入手できる。
他の好ましいチタン化合物の具体例としては、テトラ-n-ブチルチタネート〔Ti(C49O)4〕、テトラプロピルチタネート〔Ti(C37O)4〕、テトラステアリルチタネート〔Ti(C1837O)4〕、テトラミリスチルチタネート〔Ti(C1429O)4〕、テトラオクチルチタネート〔Ti(C817O)4〕、ジオクチルジヒドロキシオクチルチタネート〔Ti(C817O)2(OHC816O)2〕、ジミリスチルジオクチルチタネート〔Ti(C1429O)2(C817O)2〕等が挙げられ、これらの中ではテトラステアリルチタネート、テトラミリスチルチタネート、テトラオクチルチタネート及びジオクチルジヒドロキシオクチルチタネートが好ましい。これらは、例えばハロゲン化チタンを対応するアルコールと反応させることにより得ることができ、又は、ニッソー社等の市販品としても入手できる。
上記錫(II)化合物及びチタン化合物は、1種又は2種以上を併せて使用することができる。
エステル化触媒の存在量は、アルコール成分とカルボン酸成分の総量100重量部に対して、0.01〜2.0重量部が好ましく、0.1〜1.5重量部がより好ましく、0.2〜1.0重量部がさらに好ましい。
縮重合系樹脂としては、トナーの低温定着性の観点から、ポリエステル、ポリエステル・ポリアミド等が挙げられるが、トナーの耐久性及び帯電安定性の観点からは、ポリエステルが好ましい。
なお、ポリエステルは、実質的にその特性を損なわない程度に変性されたポリエステルであってもよい。変性されたポリエステルとしては、例えば、特開平11−133668号公報、特開平10−239903号公報、特開平8−20636号公報等に記載の方法によりフェノール、ウレタン、エポキシ等によりグラフト化やブロック化したポリエステルをいう。
また、非晶質樹脂は、縮重合系樹脂とビニル系樹脂等の付加重合系樹脂とを含む複合樹脂であってもよく、複合樹脂は、縮重合系樹脂と付加重合系樹脂との混合物であってもよいが、縮重合系樹脂の原料モノマー及び付加重合系樹脂の原料モノマーを同一反応容器中で重合させることにより得られる樹脂が好ましい。
さらに、複合樹脂は、縮重合系樹脂の原料モノマーと付加重合系樹脂の原料モノマーに加えて、それらのいずれとも反応し得る両反応性モノマーを用いることにより、縮重合系樹脂成分中に付加重合系樹脂成分がより微細に、かつ均一に分散したハイブリッド樹脂であることが好ましい。両反応性モノマーは、分子内に、水酸基、カルボキシル基、エポキシ基、第1級アミノ基及び第2級アミノ基からなる群より選ばれた少なくとも1種の官能基、好ましくは水酸基及び/又はカルボキシル基、より好ましくはカルボキシル基と、エチレン性不飽和結合とを有する化合物であり、アクリル酸、メタクリル酸及びフマル酸等が好ましい。
なお、本発明において、アルコールA以外のアルコール成分とカルボン酸成分の総量に対するアルコールAの含有量等を算出する際、両反応性モノマーの量は、縮重合系樹脂の原料モノマーとしてアルコール成分及びカルボン酸成分の総量に含める。
非晶質樹脂の軟化点は、トナーの低温定着性及び保存性の観点から、90〜160℃が好ましく、95〜155℃がより好ましく、115〜150℃がさらに好ましい。ガラス転移点は、トナーの低温定着性及び保存性の観点から、45〜85℃が好ましく、50〜80℃がより好ましく、58〜75℃がさらに好ましい。なお、ガラス転移点は非晶質樹脂に特有の物性であり、吸熱の最高ピーク温度とは区別される。
非晶質樹脂の酸価は、トナーの帯電性と環境安定性の観点から、1〜90mgKOH/gが好ましく、5〜90mgKOH/gがより好ましく、5〜88mgKOH/gがさらに好ましい。
一方、結晶性樹脂の融点は、トナーの低温定着性の観点から、70〜140℃が好ましく、より好ましくは80〜120℃、さらに好ましくは90〜115℃である。結晶性樹脂の融点は、後述する樹脂の吸熱の最高ピーク温度として求めることができる。
結晶性樹脂の軟化点は、トナーの低温定着性の観点から、60〜130℃が好ましく、より好ましくは70〜125℃、さらに好ましくは85〜120℃である。結晶性樹脂の融点及び軟化点は、原料モノマー組成、重合開始剤、分子量、触媒量等の調整又は反応条件の選択により容易に調整することができる。
本発明の結着樹脂において、結晶性樹脂と非晶質樹脂との重量比(結晶性樹脂/非晶質樹脂)は、10/90〜40/60が好ましく、20/80〜30/70がより好ましい。
本発明の結着樹脂を用いることにより、互いに相反する性能である低温定着性と保存性のいずれにも優れた、本発明の電子写真用トナーが得られる。
本発明のトナーには、本発明の効果を損なわない範囲で、本発明の結着樹脂以外の公知の結着樹脂、例えば、ポリエステル、スチレン-アクリル樹脂等のビニル系樹脂、エポキシ樹脂、ポリカーボネート、ポリウレタン等の樹脂が併用されていてもよいが、本発明の結着樹脂の含有量は、全結着樹脂中、30重量%以上が好ましく、50重量%以上がより好ましく、70重量%以上がさらに好ましく、80重量%以上がさらに好ましく、90重量%以上がさらに好ましく、実質的に100重量%であることがさらに好ましい。
本発明のトナーには、さらに、着色剤、離型剤、荷電制御剤、磁性粉、流動性向上剤、導電性調整剤、体質顔料、繊維状物質等の補強充填剤、酸化防止剤、老化防止剤、クリーニング性向上剤等の添加剤が適宜含有されていてもよい。
着色剤としては、トナー用着色剤として用いられている染料、顔料等のすべてを使用することができ、カーボンブラック、黒色顔料、フタロシアニンブルー、パーマネントブラウンFG、ブリリアントファーストスカーレット、ピグメントグリーンB、ローダミン−Bベース、ソルベントレッド49、ソルベントレッド146、ソルベントブルー35、キナクリドン、カーミン6B、イソインドリン、ジスアゾイエロー等が挙げられ、これらは単独で又は2種以上を混合して用いることができ、本発明のトナーは、黒トナー、カラートナーのいずれであってもよい。
着色剤の含有量は、結着樹脂100重量部に対して、1〜40重量部が好ましく、2〜10重量部がより好ましい。
荷電制御剤としては、クロム系アゾ染料、鉄系アゾ染料、アルミニウムアゾ染料、サリチル酸金属錯体等が挙げられ、これらは単独で又は2種以上を混合して用いることができる。
荷電制御剤の含有量は、結着樹脂100重量部に対して、0.1〜8重量部が好ましく、0.5〜7重量部がより好ましい。
離型剤としては、ポリオレフィンワックス、パラフィンワックス、シリコーン類;オレイン酸アミド、エルカ酸アミド、リシノール酸アミド、ステアリン酸アミド等の脂肪酸アミド類;カルナバロウワックス、ライスワックス、キャンデリラワックス、木ロウ、ホホバ油等の植物系ワックス;ミツロウ等の動物系ワックス;モンタンワックス、オゾケライト、セレシン、マイクロクリスタリンワックス、フィッシャートロプシュワックス等の鉱物・石油系ワックス等のワックスが挙げられ、これらは単独で又は2種以上を混合して用いることができる。
離型剤の融点は、トナーの低温定着性と耐オフセット性の観点から、60〜160℃が好ましく、60〜150℃がより好ましい。
離型剤の含有量は、結着樹脂100重量部に対して、結着樹脂中への分散性の観点から、0.5〜10重量部が好ましく、1〜8重量部がより好ましく、1.5〜7重量部がさらに好ましい。
本発明のトナーは、溶融混練法、乳化転相法、重合法等の従来より公知のいずれの方法により得られたトナーであってもよいが、生産性や着色剤の分散性の観点から、溶融混練法による粉砕トナーが好ましい。溶融混練法による粉砕トナーの場合、例えば、結着樹脂、着色剤、荷電制御剤、離型剤等の原料をヘンシェルミキサー等の混合機で均一に混合した後、密閉式ニーダー、1軸もしくは2軸の押出機、オープンロール型混練機等で溶融混練し、冷却、粉砕、分級して製造することができる。一方、トナーの小粒径化の観点からは、重合法によるトナーが好ましい。
本発明のトナーの体積中位粒径(D50)は、3〜15μmが好ましく、3〜10μmがより好ましい。なお、本明細書において、体積中位粒径(D50)とは、体積分率で計算した累積体積頻度が粒径の小さい方から計算して50%になる粒径を意味する。
トナーの表面には、外添剤が添加されていてもよい。外添剤としては、トナーには、シリカ、アルミナ、酸化チタン、ジルコニア、酸化錫、酸化亜鉛等の無機微粒子や、樹脂微粒子等の有機微粒子等が挙げられ、これらの表面には疎水化処理が施されていてもよい。外添剤の添加量は、外添剤で処理する前のトナー粒子100重量部に対して、0.05〜5重量部が好ましい。
本発明のトナーは、一成分現像用トナーとして、又はキャリアと混合して二成分現像剤として用いることができる。
〔樹脂の軟化点〕
フローテスター(島津製作所、CFT-500D)を用い、1gの試料を昇温速度6℃/分で加熱しながら、プランジャーにより1.96MPaの荷重を与え、直径1mm、長さ1mmのノズルから押出する。温度に対し、フローテスターのプランジャー降下量をプロットし、試料の半量が流出した温度を軟化点とする。
〔樹脂のガラス転移点〕
示差走査熱量計(セイコー電子工業社製、DSC210)を用いて、試料を0.01〜0.02gをアルミパンに計量し、200℃まで昇温し、その温度から降温速度10℃/分で0℃まで冷却したサンプルを昇温速度10℃/分で昇温し、吸熱の最高ピーク温度以下のベースラインの延長線とピークの立ち上がり部分からピークの頂点までの最大傾斜を示す接線との交点の温度とする。
〔樹脂の吸熱の最高ピーク温度〕
示差走査熱量計(ティー・エイ・インスツルメント・ジャパン社製、DSC Q20)を用いて200℃まで昇温し、その温度から降温速度10℃/分で0℃まで冷却したサンプルを昇温速度10℃/分で昇温し、吸熱の最高ピーク温度を求める。
〔樹脂の酸価〕
JIS K0070の方法に基づき測定する。但し、測定溶媒のみJIS K0070の規定のエタノールとエーテルの混合溶媒から、アセトンとトルエンの混合溶媒(アセトン:トルエン=1:1(容量比))に変更した。
〔離型剤の融点〕
示差走査熱量計(セイコー電子工業社製、DSC210)を用いて200℃まで昇温し、その温度から降温速度10℃/分で0℃まで冷却したサンプルを昇温速度10℃/分で昇温し、融解熱の最大ピーク温度を融点とする。
〔トナーの体積中位粒径(D50)〕
測定機:コールターマルチサイザーII(ベックマンコールター社製)
アパチャー径:50μm
解析ソフト:コールターマルチサイザーアキュコンプ バージョン 1.19(ベックマンコールター社製)
電解液:アイソトンII(ベックマンコールター社製)
分散液:エマルゲン109P(花王社製、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、HLB:13.6)5%電解液
分散条件:分散液5mlに測定試料10mgを添加し、超音波分散機にて1分間分散させ、その後、電解液25mlを添加し、さらに、超音波分散機にて1分間分散させる。
測定条件:ビーカーに電解液100mlと分散液を加え、3万個の粒子の粒径を20秒で測定できる濃度で、3万個の粒子を測定し、その粒度分布から体積中位粒径(D50)を求める。
結晶性ポリエステルの製造例1〔樹脂A、B、D〜F〕
表1に示す無水トリメリット酸以外の原料モノマー、エステル化触媒及び重合禁止剤を、窒素導入管、脱水管、攪拌器及び熱電対を装備した5リットル容の四つ口フラスコに入れ、160℃で5時間かけて反応させた後、200℃に昇温した。さらに、表1に示す無水トリメリット酸を投入し、20分間反応させて、結晶性ポリエステルを得た。
結晶性ポリエステルの製造例2〔樹脂C〕
表1に示す無水トリメリット酸以外の原料モノマー及びエステル化触媒を、窒素導入管、脱水管、攪拌器及び熱電対を装備した5リットル容の四つ口フラスコに入れ、180℃で5時間かけて反応させた後、200℃に昇温した。さらに、表1に示す無水トリメリット酸を投入し、同温度で、20分間反応させて、結晶性ポリエステルを得た。
非晶質ポリエステルの製造例1〔樹脂G、H〕
表2に示す無水トリメリット酸以外の原料モノマー及びエステル化触媒を、窒素導入管、100℃の熱水を通した分留管を装備した脱水管、攪拌器及び熱電対を装備した5リットル容の四つ口フラスコに入れ、窒素雰囲気下、180℃で1時間保温した後に180℃から230℃まで10℃/hrで昇温し、その後230℃で10時間縮重合反応させ、さらに表2に示す無水トリメリット酸を210℃で投入し、同温度で、10kPaにて所望の軟化点に達するまで反応を行って、非晶質ポリエステルを得た。
非晶質ポリエステルの製造例2〔樹脂I〕
表2に示す無水トリメリット酸以外の原料モノマー、エステル化触媒及び重合禁止剤を、窒素導入管、脱水管、攪拌器及び熱電対を装備した5リットル容の四つ口フラスコに入れ、180℃で5時間かけ反応させた後、210℃まで10℃/hrで昇温した。その後8.3kPaにて1時間反応させ、さらに表2に示す無水トリメリット酸を210℃で投入し、同温度で、10kPaにて所望の軟化点に達するまで反応させて、非晶質ポリエステルを得た。
Figure 2010107671
Figure 2010107671
実施例1〜8及び比較例1、2
表3に示す結着樹脂100重量部、カーボンブラック「MOGUL L」(キャボット社製)4重量部、負帯電性荷電制御剤「ボントロン S-34」(オリエント化学工業社製)1重量部及びポリプロピレンワックス「NP-105」(三井化学社製、融点:140℃)2重量部をヘンシェルミキサーで十分混合した後、同方向回転二軸押出し機を用い、ロール回転速度200r/min、ロール内の加熱温度80℃で溶融混練した。得られた溶融混練物を冷却、粗粉砕した後、ジェットミルにて粉砕し、分級して、体積中位粒径(D50)が8.0μmのトナー粒子を得た。
得られたトナー粒子100重量部に、外添剤として「アエロジル R-972」(日本アエロジル(株)製)1.0重量部を添加し、ヘンシェルミキサーで混合することにより、トナーを得た。
試験例1〔低温定着性〕
複写機「AR-505」(シャープ(株)製)の定着機を装置外での定着が可能なように改良した装置にトナーを実装し、未定着画像を得た。総定着圧が40kgfになるように調整した定着機(定着速度390mm/sec)を用い、定着ロールの温度を100℃から240℃へと10℃ずつ順次上昇させながら、各温度で未定着画像の定着試験を行った。定着画像に「ユニセフセロハン」(三菱鉛筆社、幅:18mm、JISZ-1522)を貼り付け、30℃に設定した定着ロールに通過させた後、テープを剥がした。テープを貼る前と剥がした後の光学反射密度を反射濃度計「RD-915」(マクベス社製)を用いて測定し、両者の比率(剥離後/貼付前×100)が最初に90%を越える定着ロールの温度を最低定着温度とし、以下の評価基準に従って、低温定着性を評価した。結果を表3に示す。なお、定着試験に用いた紙は、シャープ(株)製のCopyBond SF-70NA(75g/m2)であった。
〔評価基準〕
A:最低定着温度が140℃未満である。
B:最低定着温度が140℃以上、150℃未満である。
C:最低定着温度が150℃以上、170℃未満である。
D:最低定着温度が170℃以上である。
試験例2〔保存性〕
20ml容の容器(直径約3cm)にトナー4gを入れ、温度55℃、湿度60%の環境下で72時間放置した。放置後、トナー凝集の発生程度を目視にて観察し、以下の評価基準に従って、保存性を評価した。結果を表3に示す。
〔評価基準〕
A:48時間後及び72時間後も凝集は全く認められない。
B:48時間後で凝集は認められないが72時間後ではわずかに凝集が認められる。
C:48時間後で凝集は認められないが72時間後では明らかに凝集が認められる。
D:48時間以内で凝集が認められる。
Figure 2010107671
以上の結果より、非晶質ポリエステル及び結晶性ポリエステルの少なくともどちらか一方のポリエステルがアルコールAを結着樹脂として含有した実施例1〜8のトナーは、比較例1、2のトナーと対比して、低温定着性と保存性のいずれもが良好であることが分かる。また、実施例6〜8の保存性を比較すると、同じBランクであるが、実施例6、7がやや優れる。
本発明の電子写真用トナーは、電子写真法、静電記録法、静電印刷法等において形成される潜像の現像等に好適に用いられる。

Claims (7)

  1. 非晶質樹脂及び結晶性樹脂を含有してなる電子写真トナー用結着樹脂であって、前記非晶質樹脂と前記結晶性樹脂の少なくともどちらか一方の樹脂が、水酸基が結合した第二級炭素原子を2つ以上有する脂肪族多価アルコール(アルコールA)を含有したアルコール成分とカルボン酸成分とを縮重合させて得られる縮重合系樹脂である、電子写真トナー用結着樹脂。
  2. アルコールAが、水酸基が結合した第二級炭素原子が互いに隣接してなる第二級炭素原子の組を1組以上有する、炭素数が4〜8の脂肪族多価アルコールである、請求項1記載の結着樹脂。
  3. アルコール成分が、さらにアルコールA以外の炭素数2〜8の脂肪族ジオールを含有してなる、請求項1又は2記載の結着樹脂。
  4. 結晶性樹脂が、アルコールAを含有したアルコール成分とカルボン酸成分とを縮重合させて得られる縮重合系樹脂であり、アルコールAの含有量が、結晶性樹脂の原料モノマーのアルコール成分中、5〜50モル%である、請求項1〜3いずれか記載の結着樹脂。
  5. 非晶質樹脂が、アルコールAを含有したアルコール成分とカルボン酸成分とを縮重合させて得られる縮重合系樹脂であり、アルコールAの含有量が、非晶質樹脂の原料モノマーのアルコール成分中、10〜100モル%である、請求項1〜4いずれか記載の結着樹脂。
  6. 請求項1〜5いずれか記載の結着樹脂を含有してなる電子写真用トナー。
  7. 水酸基が結合した第二級炭素原子を2つ以上有する脂肪族多価アルコール(アルコールA)を含有したアルコール成分とカルボン酸成分とを縮重合させて得られるトナー用結晶性樹脂。
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