JP2001051451A - 電荷調整剤、及びそれを用いた静電荷像現像用負帯電性トナー - Google Patents

電荷調整剤、及びそれを用いた静電荷像現像用負帯電性トナー

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JP2001051451A
JP2001051451A JP11223712A JP22371299A JP2001051451A JP 2001051451 A JP2001051451 A JP 2001051451A JP 11223712 A JP11223712 A JP 11223712A JP 22371299 A JP22371299 A JP 22371299A JP 2001051451 A JP2001051451 A JP 2001051451A
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polyester
electrostatic charge
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Keiichi Fujii
圭一 藤井
Hiroyuki Mariko
浩之 鞠子
Katsuji Takahashi
勝治 高橋
Masanobu Nakamura
正延 中村
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DIC Corp
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Dainippon Ink and Chemicals Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 重金属等の有害な化合物を含まず、着色が殆
どなく、黒/カラーを問わずあらゆるトナーにおいて適
用でき、帯電特性(特に、帯電立ち上がり性、経時安定
性)に優れた電荷調整剤、及び、そのような電荷調整剤
を含有する静電荷像現像用負帯電性トナーを提供するこ
と。 【解決手段】 多価カルボン酸又はその誘導体と、一般
式(I) 【化1】 (但し、R1は2価の有機基を表わし、nは1〜10の
整数を表わす。)で表わされるジオールを含有する多価
アルコールとから合成されるポリエステルからなる負帯
電性電荷調整剤、及び該電荷制御剤を用いる静電荷像現
像用負帯電性トナー。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電子写真トナーの
帯電性を制御するための電荷調整剤及びそれを用いた静
電荷像現像用負帯電性トナーに関する。
【0002】
【従来の技術】電子写真法の原理を利用した複写機及び
プリンター等においては、セレン等の無機光導電体、又
はポリビニルカルバゾール等の有機光導電体で構成され
た感光体上に静電潜像が形成され、これに予め帯電させ
た乾式トナーが供給されて可視画像とする現像方法が採
られている。一般に、この乾式トナーは、鉄粉等の磁性
粉体を内添させた一成分系の場合には、トナー粒子相互
の摩擦等によって、また、二成分系の場合には、トナー
粒子が磁性粉体と共に混合攪拌して、各々トナー粒子表
面を帯電させている。トナー粒子の帯電特性(例えば、
帯電立ち上がり性、帯電経時安定性、飽和帯電量等)に
よって、静電印刷の品質が大きく左右されるので、これ
らの物性を制御し、常時安定した状態で用いるために、
通常、トナー粒子を製造する際、正電荷又は負電荷付与
性の電荷調整剤が内添されることが多い。
【0003】従来、トナーに負電荷を付与する電荷調整
剤として、特公平2−16916号公報などには、アゾ
系金属キレート錯体が、特公平2−60183号公報な
どには、サリチル酸及びその誘導体系キレート錯体が、
特公平7−13765号公報などには、ベンジル酸系キ
レート錯体、などが提案されている。
【0004】これらの中でも、アゾ系金属キレート錯体
は、有色のため、本質的にカラートナーには適用でき
ず、また、その構造上、重金属を含む場合が多く、環境
への影響が懸念され、さらに、トナー混練時に機械的衝
撃あるいは温湿度条件によっては分解もしくは変質し、
電荷調整剤本来の機能が低下するという問題点があっ
た。
【0005】一方、サリチル酸、その誘導体系キレート
錯体及びベンジル酸系キレート錯体の中でも、特にホウ
素系キレートは、それ自体が無色ないし淡色の化合物で
あるので、カラートナー用負帯電性電荷調整剤としてし
ばしば適用されているが、温湿度変化に対する帯電安定
性、経時安定性、トナー樹脂に混練分散させた際の結晶
粒径の大きさ、などに未だ課題があり、その上、これら
はいずれもかなり高価であるので、カラートナー用にし
か適用できない、という問題点があった。
【0006】以上のように、無色ないし淡色で、有害重
金属を含まず、優れた帯電特性を有し、且つ安価で汎用
性のある電荷調整剤は未だ見い出されていないのが現状
である。
【0007】一方、金属キレート錯体に代えて、スルホ
ンを導入したポリマーの如き帯電調整能を付与したポリ
マーからなる電荷調整剤が知られている。例えば、特開
平5−265256号公報には、ヘキサフルオロビスフ
ェノールAのエチレンオキサイド又はプロピレンオキサ
イド付加体、及び/又は、ビスフェノールSを、アルコ
ール成分として含むポリエステルが開示されている。
【発明が解決しようとする課題】
【0008】しかしながら、後者のビスフェノールSを
そのままアルコール成分として用いた場合には、該構造
中のスルホニル基(−SO2−) が強い電子吸引基を示
すため、そのフェノール性水酸基の酸性が比較的強く、
カルボン酸、そのエステル、或いは、酸無水物を用いた
としても、その反応性が極めて低く、ビスフェノールS
を組み込んだポリエステルを生成し難い。この点に関し
ては、本発明者等が実際に合成して確認しており、その
生成物の分子量は、通常のポリエステルと比較してかな
り低いものであり、また、該生成物は、特に、200℃
以上の高温において、未反応ビスフェノールSに起因す
ると考えられる着色が著しく、実質的に、電荷調整剤と
して使用できないものであった。
【0009】本発明が解決しようとする課題は、重金属
等の有害な化合物を含まず、着色が殆どなく、黒/カラ
ーを問わずあらゆるトナーにおいて適用でき、帯電特性
(特に、帯電立ち上がり性、経時安定性)に優れた電荷
調整剤、及び、そのような電荷調整剤を含有する静電荷
像現像用負帯電性トナーを提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決すべく鋭意検討した結果、一般式(I)
【0011】
【化2】
【0012】(式中、R1は2価の有機基、nは1〜1
0の整数を表わす。)で表わされるジオールを含有する
多価アルコール成分と、多価カルボン酸、又はその誘導
体とから得られるポリエステルからなる負帯電性電荷調
整剤、及び該電荷調整剤を用いた静電荷像現像用負帯電
性トナーを提供することにより上記課題を達成すること
を見い出し、本発明を完成するに至った。
【0013】即ち、本発明は上記課題を解決するため
に、(1)多価カルボン酸又はその誘導体と多価アルコ
ールとから合成されるポリエステルからなる負帯電性電
荷調整剤において、多価アルコールが、少なくとも上記
一般式(I)で表わされるジオールを含有することを特
徴とするポリエステルからなる負帯電性電荷調整剤を提
供する。
【0014】また、本発明は上記課題を解決するため
に、(2)トナー樹脂、着色剤、及び電荷調整剤を主成
分とするトナーにおいて、上記(1)記載の負帯電性電
荷調整剤を用いることを特徴とする静電荷像現像用負帯
電性トナーを提供する。
【0015】
【発明の実施の形態】本発明の負帯電性電荷調整剤とし
て使用されるポリエステルは、上記一般式(I)で表わ
されるジオールを必須の一成分とし、多価カルボン酸、
又はその誘導体と、必要ならばその他の多価アルコール
とを縮合させてなるものである。
【0016】一般式(I)で表わされるジオールとして
は、ビスフェノールSを、エチレンオキサイド、プロピ
レンオキサイド、ブチレンオキサイドの如きアルキレン
オキサイドで変性した化合物、ビスフェノールSを、ε
−カプロラクトンの如きラクトンで変性した化合物、な
どが挙げられる。これらの中でも、ビスフェノールSを
アルキレンオキサイド変性化合物が特に好ましい。
【0017】一般式(I)の好適例としては、以下の化
合物が挙げられる。
【0018】(化合物−1)
【化3】
【0019】(化合物−2)
【化4】
【0020】(化合物−3)
【化5】
【0021】(化合物−4)
【化6】
【0022】本発明の電荷調整剤を構成するポリエステ
ル中の一般式(I)で表わされるジオールの構成割合
は、多価アルコール成分、多価カルボン酸成分及びその
誘導体成分を加えた全モル数の10〜60モル%の範囲
が好ましく、20〜50モル%の範囲がより好ましい。
ポリエステル中の一般式(I)で表わされるジオールの
構成割合が10モル%よりも少ない場合、電荷調整剤と
しての帯電特性が劣り、60モル%を超える場合、生成
するポリエステル樹脂の融点が高くなりすぎる傾向があ
るので好ましくない。
【0023】本発明のポリエステル樹脂は、その合成の
際、上記一般式(I)で表わされるジオールと共にその
他の多価アルコール成分を併用することもできる。その
他の多価アルコール成分としては、特に構造的な制限は
ないが、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリ
コール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコ
ール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコー
ル、ポリプロピレングリコール、ネオペンチルグリコー
ル、1,6−ヘキサンジオール、1,3−ブタンジオー
ル、2−ブテン−1,4−ジオール、2,2,4−トリ
メチル−1,3−ペンタンジオール、1,4−ビス−β
−ヒドロキシエトキシシクロヘキサン、シクロヘキサン
ジメタノール、トリシクロデカンジメタノール、水添ビ
スフェノールA、水添ビスフェノールF、ビスフェノー
ルAエチレンオキサイド付加体、ビスフェノールAプロ
ピレンオキサイド付加体、ビスフェノールFエチレンオ
キサイド付加体、ビスフェノールFプロピレンオキサイ
ド付加体、水添ビスフェノールAエチレンオキサイド付
加体、水添ビスフェノールAプロピレンオキサイド付加
体、トリシクロデカンジメタノールのエチレンオキサイ
ド付加体、トリシクロデカンジメタノールのプロピレン
オキサイド付加体、5−ノルボルネン−2,3−ジメタ
ノール、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトー
ル、などが挙げられる。
【0024】本発明のポリエステル製造の際、前記多価
アルコールとの縮合成分として使用される多価カルボン
酸又はその誘導体には、特に制限はないが、例えば、コ
ハク酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸の如き
脂肪族多価カルボン酸類;テトラヒドロフタル酸、ヘキ
サヒドロフタル酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン
酸、カルボキシノルボルナン酢酸、ハイミック酸の如き
脂環式多価カルボン酸類;フタル酸、イソフタル酸、テ
レフタル酸、テトラクロロフタル酸、テトラブロモフタ
ル酸、5−ナトリウムスルホイソフタル酸、1,4−ナ
フタレンジカルボン酸、2,5−ナフタレンジカルボン
酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、ビフェニルジカ
ルボン酸、トリメリット酸、4,4’−ジフェニルスル
ホンジカルボン酸の如き芳香族多価カルボン酸類;マレ
イン酸、フマル酸、イタコン酸、ダイマー酸等の不飽和
多価カルボン酸類の如き多価カルボン酸、その酸無水物
又はそのエステル、などが挙げられる。
【0025】本発明において電荷調整剤を構成するポリ
エステルは、通常のポリエステル合成の分野で知られて
いる手段、例えば、成書「講座 重合反応論 重縮
合」(緒方直哉著、化学同人社発行)、或いは、第4版
実験化学講座28 3.3章ポリエステル(日本化学会
編)等に記載されている方法により容易に製造できる。
即ち、前記ジカルボン酸又はその誘導体成分とジオール
成分とを、必要に応じて、触媒の存在下に、エステル交
換又は脱水エステル化反応させる。反応温度は、150
〜250℃の範囲が好ましい。
【0026】ポリエステルを製造する際に必要に応じて
用いられる触媒としては、例えば、ジブチル錫オキサイ
ド、ジブチル錫ジラウレート、ジブチル錫ジアセテー
ト、リチウムエトキサイド、テトラn−ブチルチタネー
ト、テトライソプロピルチタネートの如き有機金属化合
物;酢酸亜鉛、酢酸カルシウム、三酸化アンチモンの如
き無機金属化合物、などが挙げられる。触媒を使用する
場合の使用量は、金属成分として、50〜10,000
ppmの範囲が好ましい。
【0027】本発明の電荷調整剤をトナー成分中に内添
する際の添加量は、トナー樹脂100重量部に対して、
0.1〜15重量部の範囲が好ましく、1〜10重量部
の範囲が特に好ましい。本発明の電荷調整剤の添加量が
トナー樹脂100重量部に対して、0.1重量部より少
ない場合、帯電の際の立ち上がり性が悪くなり、また、
トナーが飛散しやすくなる傾向があり、一方、本発明の
電荷調整剤の添加量がトナー樹脂100重量部に対し
て、15重量部より多い場合、摩擦帯電した際のトナー
の帯電量が経時的に下がりやすくなり帯電安定性が劣る
傾向があるので好ましくない。また、電荷調整剤の性
能、及びトナーの用途目的を損なわない範囲で、本発明
の電荷調整剤以外の電荷調整剤を併用することもでき
る。
【0028】本発明のトナーに用いられるトナー樹脂
(結着樹脂)としては、従来公知の電子写真用に用いら
れているトナー樹脂が特に制限なく使用することができ
る。そのようなトナー樹脂としては、例えば、ポリスチ
レン、スチレン/(メタ)アクリル酸エステル共重合
体、スチレン/(メタ)アクリル酸エステル/アクリロ
ニトリル共重合体、スチレン/ブタジエン共重合体、ス
チレン/塩化ビニル共重合体、スチレン/マレイン酸共
重合体等のスチレン系樹脂、ポリエステル樹脂、エポキ
シ樹脂、(メタ)アクリル系樹脂、フェノール樹脂、キ
シレン樹脂、塩化ビニル樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリ
ビニルブチラール樹脂、などが挙げられるが、これらの
中でも、スチレン/(メタ)アクリル酸エステル樹脂、
ポリエステル樹脂が特に好ましい。通常、これらの樹脂
の1種を用いるが、必要ならば2種以上を併用して用い
ることもできる。
【0029】本発明のトナーに用いられる着色剤として
は、従来公知の種々の有機顔料、無機顔料、染料、など
を用いることができ、例えば、カーボンブラック、ラン
ブラックの如き黒色顔料;フタロシアニンブルー、アニ
リンブルー、ウルトラマリーンブルーの如き青色顔料;
マラカイトグリーン、フタロシアニングリーン、ブリリ
アントグリーンの如き緑色顔料;ローズベンガル、パー
マネントレッド、イルガシンレッド、トルイジンレッド
の如き赤色顔料;ベンチジンイエロー、キノリンイエロ
ー、ファーストイエローG、ハンザイエローの如き黄色
顔料;トリアリールメタン系染料、アゾ系染料、ニグロ
シン系染料、などが挙げられる。
【0030】本発明のトナーには、必要に応じて、従来
公知の添加剤、例えば、高級脂肪酸及びその金属塩、天
然又は合成ワックス類、など等を添加することもでき
る。
【0031】本発明の負帯電性トナーは、二成分現像剤
及び一成分現像剤のいずれにも適用可能である。
【0032】二成分現像剤として用いる場合には、本発
明のトナーはキャリア粉と混合して用いられるが、この
際のキャリア粉としては、例えば、鉄粉、フェライト
粉、ニッケル粉の如き磁性粉体;硝子ビーズ及びこれら
の表面を樹脂で処理したコーティングキャリア、など、
従来の二成分現像剤のキャリアとして用いられている材
料のすべて適用可能である。
【0033】一成分現像剤として用いる場合には、本発
明のトナーを製造する際に、例えば、鉄粉、フェライト
粉等の磁性微粉体を適量添加し、分散させた形、又は、
磁性粉体を含まない非磁性一成分の形で用いられる。
【0034】
【実施例】以下、実施例及び比較例を用いて、本発明を
更に詳細に説明するが、本発明は、これらの実施例に限
定されるものではない。また、以下の例において、
「部」及び「%」は、特に断りのない限り、重量基準で
あるものとする。
【0035】(合成例1)攪拌装置、温度計、窒素ガス
導入管、ヴィグリュー分留管、及びDean Star
kトラップを取り付けた容量1リットルの四ツ口フラス
コに、ビス〔4−(ヒドロキシエトキシ)フェニル〕ス
ルホン100.0g、ネオペンチルグリコール21.5
g、テトラヒドロ無水フタル酸79.5g及びジブチル
錫オキサイド1.0gを仕込み、窒素ガス雰囲気下で攪
拌しながら、160℃(開始時)〜240℃(最高)で
反応させて、重量平均分子量5,057、酸価29.9
のポリエステル(A−1)を得た。
【0036】(合成例2)合成例1において、ネオペン
チルグリコール21.5gに代えて、水添ビスフェノー
ルA35.2gを用い、かつ、ジブチル錫オキサイドの
使用量を1.1gとした以外は、合成例1と同様にし
て、重量平均分子量4,572、酸価52.5のポリエ
ステル(A−2)を得た。
【0037】(合成例3)合成例1において、ビス〔4
−(ヒドロキシエトキシ)フェニル〕スルホン104.
9g、ネオペンチルグリコール13.0g、ジエチレン
グリコール2.3g、テトラヒドロ無水フタル酸74.
8g及びジブチル錫オキサイド1.0gを仕込んだ以外
は、合成例1と同様にして、重量平均分子量9,68
8、酸価22.7のポリエステル(A−3)を得た。
【0038】(合成例4)合成例1において、ビス〔4
−(ヒドロキシエトキシ)フェニル〕スルホン117.
4g、ネオペンチルグリコール21.3g、テトラヒド
ロ無水フタル酸57.2g、イソフタル酸ジメチル2
4.1g及びジブチル錫オキサイド1.1gを仕込んだ
以外は、合成例1と同様にして、重量平均分子量4,2
46、酸価7.7のポリエステル(A−4)を得た。
【0039】(合成例5)合成例1において、ビス〔4
−(ヒドロキシエトキシ)フェニル〕スルホン111.
5g、ネオペンチルグリコール17.9g、1,4−シ
クロヘキサンジカルボン酸ジメチル90.6g及びジブ
チル錫オキサイド1.1gを仕込んだ以外は、合成例1
と同様にして、重量平均分子量4,108、酸価0.5
のポリエステル(A−5)を得た。
【0040】(合成例6)合成例1において、ビス〔4
−(ヒドロキシエトキシ)フェニル〕スルホン123.
4g、ネオペンチルグリコール11.7g、1,4−シ
クロヘキサンジカルボン酸ジメチル74.2g、無水コ
ハク酸11.8g及びジブチル錫オキサイド1.1gを
仕込んだ以外は、合成例1と同様にして、重量平均分子
量5,303、酸価27.3のポリエステル(A−6)
を得た。
【0041】(比較合成例1)合成例1において、ビス
フェノールS78.9g、ネオペンチルグリコール3
2.6g、イソフタル酸ジメチル48.0g、1,4−
シクロヘキサンジカルボン酸ジメチル60.4g及びジ
ブチル錫オキサイド1.1gを仕込んだ以外は、合成例
1と同様にして、重量平均分子量780のポリエステル
(B−1)を得た。このサンプルは分子量が上がらず、
粘着性が残るため、電荷調整剤としての評価は不可能で
あった。
【0042】
【表1】
【0043】
【表2】
【0044】(実施例1)合成例1で得たポリエステル
(A−1)3部、トナー用ポリエステル樹脂(ガラス転
移温度(Tg)=65.6℃、酸価≒10、重量平均分
子量(Mw)≒10,000、数平均分子量(Mn)≒
4,800)100部、カーボンブラック(三菱化学
(株)製の「MA−100」)5部及びポリプロピレン
ワックス(三洋化成工業(株)製の「ビスコール550
P」)2部をヘンシェルミキサーで予備混合し、次いで
加熱ロールミルで溶融混練した後、室温まで冷却した。
これをジェットミルで微粉砕し、更に分級して平均粒径
約10μmの粉末として、非磁性一成分トナーを得た。
【0045】(実施例2〜6)実施例1において、合成
例1で得たポリエステル(A−1)に代えて、合成例2
〜6で得たポリエステル(A−2)〜(A−6)のそれ
ぞれを用いた以外は、実施例1と同様にして、非磁性一
成分トナーを得た。
【0046】(比較例1)実施例1において、合成例1
で得たポリエステル(A−1)に代えて、ビスフェノー
ルSを用いた以外は、実施例1と同様にして、非磁性一
成分トナーを得た。
【0047】(比較例2)実施例1において、合成例1
で得たポリエステル(A−1)3部に代えて、LR−1
47(日本カーリット(株)製のベンジル酸/ホウ素系
キレート化合物)0.5部を用いた以外は、実施例1と
同様にして、非磁性一成分トナーを得た。
【0048】(比較例3)実施例1において、合成例1
で得たポリエステル(A−1)3部を用いなかった以外
は、実施例1と同様にして、非磁性一成分トナーを得
た。
【0049】(トナーの評価方法) (A)帯電量測定;各実施例又は各比較例で得たトナー
4g及びフェライトキャリア96gを容量100mlポ
リ瓶に入れ、ボールミル上にこのポリ瓶をセットし、1
20rpmで3分間攪拌した後、Eスパートアナライザ
ー(ホソカワミクロン(株)製、MODEL EST−
II)にこの二成分系試料を供給して、以下の4項目につ
いて帯電量を測定し、その結果を表3及び表4にまとめ
て示した。 Q/d;トナー粒子単位直径当たりの平均帯電量(fe
mtoC/10μm) Q/m;トナー粒子単位重量当たりの平均帯電量(μ
C/g) 逆帯電トナーの比率(%);全トナー中、正帯電トナ
ーの比率 低帯電トナーの比率(%);全トナー中、帯電量が−
0.5〜0μC/gの範囲にあるトナーの比率
【0050】
【表3】
【0051】
【表4】
【0052】(B)印字テスト;各実施例又は各比較例
で得たトナーを用いて、市販の非磁性一成分現像機(リ
コー(株)製、イプシオカラー2000)により「全面
ベタ画像」の印字テストを以下の方式で行った。即ち、
100枚連続印刷→1分間停止→100枚連続印刷
→1分間停止→100枚連続印刷の操作を行い、得ら
れた各ラウンドの最初の1枚目、及び100枚目の各印
刷物の画質について以下の2種類の基準で転写画像の
「ベタ追従性」を評価し、その結果を表5及び表6にま
とめて示した。
【0053】(B−1)印刷立ち上がり性 〜各ラウンドの最初の1枚目について、目視で印刷
ムラの有無を観察した。 ○ : ムラなし(均質画像)、立ち上がり良好 △ : 弱いムラあり 、若干立ち上がり不安定 × : 一部ムラあり 、立ち上がり不安定
【0054】(B−2)画像濃度 〜各ラウンドの100枚目について、マクベス光学
濃度計でベタ印刷画像の光学濃度(OD)を測定した。
【0055】
【表5】
【0056】
【表6】
【0057】(実施例7)合成例1で得たポリエステル
(A−1)3部、トナー用ポリエステル樹脂(ガラス転
移温度(Tg)=65.6℃、酸価≒10、重量平均分
子量(Mw)≒10,000、数平均分子量(Mn)≒
4,800)100部、KET BLUE 106(大日本インキ化
学工業(株)製のC.I.Pig.No.B-15-4)5部及びポリプ
ロピレンワックス(三洋化成工業(株)製の「ビスコー
ル550P」)2部をヘンシェルミキサーで予備混合
し、次いで加熱ロールミルで溶融混練した後、室温まで
冷却した。これをジェットミルで微粉砕し、更に分級し
て平均粒径約10μmの粉末として、非磁性一成分トナ
ーを得た。
【0058】(実施例8〜9)実施例7において、合成
例1で得たポリエステル(A−1)に代えて、合成例4
又は5で得たポリエステル(A−4)又は(A−5)を
用いた以外は、実施例7と同様にして非磁性一成分トナ
ーを得た。
【0059】(比較例4)実施例7において、合成例1
で得たポリエステル(A−1)に代えて、ビスフェノー
ルSを用いた以外は、実施例7と同様にして非磁性一成
分トナーを得た。
【0060】実施例7〜9及び比較例4で得た各非磁性
一成分トナーについて、実施例1の(B)と同様の印字
テストによる画質評価を行ない、その結果を表7にまと
めて示した。
【0061】
【表7】
【0062】(実施例10)合成例1で得たポリエステ
ル(A−1)3部、トナー用ポリエステル樹脂(ガラス
転移温度(Tg)=65.6℃、酸価≒10、重量平均
分子量(Mw)≒10,000、数平均分子量(Mn)
≒4,800)100部、KET RED 309 (大日本インキ
化学工業(株)製のC.I.Pig.No.R-122)5部及びポリプ
ロピレンワックス(三洋化成工業(株)製の「ビスコー
ル550P」)2部をヘンシェルミキサーで予備混合
し、次いで加熱ロールミルで溶融混練した後、室温まで
冷却した。これをジェットミルで微粉砕し、更に分級し
て平均粒径約10μmの粉末として、非磁性一成分トナ
ーを得た。
【0063】(実施例11〜12)実施例10におい
て、合成例1で得たポリエステル(A−1)に代えて、
合成例3又は6で得たポリエステル(A−3)又は(A
−6)を用いた以外は、実施例10と同様にして非磁性
一成分トナーを得た。
【0064】(比較例5)実施例10において、合成例
1で得たポリエステル(A−1)に代えて、ビスフェノ
ールSを用いた以外は、実施例10と同様にして非磁性
一成分トナーを得た。
【0065】実施例10〜12及び比較例5で得た各非
磁性一成分トナーについて、実施例1の(B)と同様の
印字テストによる画質評価を行ない、その結果を表8に
まとめて示した。
【0066】
【表8】
【0067】(実施例13)合成例1で得たポリエステ
ル(A−1)3部、トナー用スチレン/アクリル共重合
樹脂(Tg=63.6℃、酸価≒20、Mw≒40,0
00、Mn≒7,800)100部、カーボンブラック
(三菱化学(株)製の「MA−100」)5部及びポリ
プロピレンワックス(三洋化成工業(株)製の「ビスコ
ール550P」)2部をヘンシェルミキサーで予備混合
し、次いで加熱ロールミルで溶融混練した後、室温まで
冷却した。これをジェットミルで微粉砕し、更に分級し
て平均粒径約10μmの粉末として、非磁性一成分トナ
ーを得た。
【0068】(実施例14)実施例13において、合成
例1で得たポリエステル(A−1)に代えて、合成例3
で得たポリエステル(A−3)を用いた以外は、実施例
13と同様にして非磁性一成分トナーを得た。
【0069】(比較例6)実施例13において、合成例
1で得たポリエステル(A−1)に代えて、ビスフェノ
ールSを用いた以外は、実施例13と同様にして非磁性
一成分トナーを得た。
【0070】実施例13〜14及び比較例6で得た各非
磁性一成分トナーについて、実施例1の(B)と同様の
印字テストによる画質評価を行ない、その結果を表9に
まとめて示した。
【0071】
【表9】
【0072】
【発明の効果】本発明の特定構造のスルホン系化合物を
導入したポリエステル樹脂からなる電荷調整剤によれ
ば、トナー樹脂中での分散性が良く、また、特にポリマ
ー化することによりビスフェノールSなど非ポリマー系
化合物よりも、帯電立ち上がり性、帯電経時安定性が向
上するので、印刷ミスがない優れた負帯電性トナーを提
供することができる。また、本発明の電荷調整剤は、淡
色であることから、カラートナーに用いた場合、色再現
性が良く、鮮明なカラー画像を得ることができる。
【0073】従って、本発明の電荷調整剤は、着色が殆
どなく、且つ、帯電立ち上がり性、帯電経時安定性に優
れた負帯電性トナーの電荷調整剤として有用である。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 多価カルボン酸又はその誘導体と多価ア
    ルコールとから合成されるポリエステルからなる負帯電
    性電荷調整剤において、多価アルコールが、少なくとも
    一般式(I) 【化1】 (但し、R1は2価の有機基を表わし、nは1〜10の
    整数を表わす。)で表わされるジオールを含有すること
    を特徴とするポリエステルからなる負帯電性電荷調整
    剤。
  2. 【請求項2】 ポリエステル中の一般式(I)で表わさ
    れるジオールの構成割合が、多価アルコール成分、多価
    カルボン酸成分及びその誘導体成分を加えた全モル数の
    10〜60モル%の範囲にある請求項1記載の負帯電性
    電荷調整剤。
  3. 【請求項3】 トナー樹脂、着色剤、及び電荷調整剤を
    主成分とするトナーにおいて、請求項1又は2記載の負
    帯電性電荷調整剤を用いることを特徴とする静電荷像現
    像用負帯電性トナー。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007171757A (ja) * 2005-12-26 2007-07-05 Fuji Xerox Co Ltd 静電荷像現像トナー用結着樹脂、静電荷像現像トナー用結着樹脂分散液及び、静電荷像現像トナー並びにそれらの製造方法
KR101187277B1 (ko) * 2005-12-14 2012-10-02 에스케이케미칼주식회사 전하제어제를 가지는 폴리에스테르 수지 및 이를 포함하는토너

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JP4600273B2 (ja) * 2005-12-26 2010-12-15 富士ゼロックス株式会社 静電荷像現像トナー用結着樹脂、静電荷像現像トナー用結着樹脂分散液及び、静電荷像現像トナー並びにそれらの製造方法

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