JP2011215403A - トナー用バインダー樹脂およびトナー組成物 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 ポリエステル樹脂(A)と非晶性樹脂(B)からなるハイブリッド樹脂と、非晶性樹脂(C)とを含むトナー用バインダー樹脂であって、ポリエステル樹脂(A)が、少なくともポリカルボン酸成分(x)とポリオール成分(y)を構成単位として有し、(x)が芳香族ジカルボン酸およびそのエステル形成性誘導体から選ばれる2種以上のジカルボン酸(x1)を合計で80モル%以上と、3価以上のポリカルボン酸(x2)を含有し、(y)が炭素数2〜10の脂肪族ジオール(y1)を80モル%以上含有するトナー用バインダー樹脂。
【選択図】 なし
Description
互いにトレードオフの関係にある耐ホットオフセット性と低温定着性を両立させるための技術として、結晶性樹脂と非晶性樹脂とのハイブリッド樹脂と非晶性樹脂との混合物からなるトナー用バインダー用が知られている(特許文献1参照)。しかし、近年、保存安定性や、低温定着性と耐ホットオフセット性の両立(定着温度幅)の要望がますます高まっており、なお不十分であった。
すなわち本発明は、下記2発明である。
(I) ポリエステル樹脂(A)と非晶性樹脂(B)からなるハイブリッド樹脂と、非晶性樹脂(C)とを含むトナー用バインダー樹脂であって、ポリエステル樹脂(A)が、少なくともポリカルボン酸成分(x)とポリオール成分(y)を構成単位として有し、(x)が芳香族ジカルボン酸およびそのエステル形成性誘導体から選ばれる2種以上のジカルボン酸(x1)を合計で80モル%以上と、3価以上のポリカルボン酸(x2)を含有し、(y)が炭素数2〜10の脂肪族ジオール(y1)を80モル%以上含有するトナー用バインダー樹脂。
(II) このトナー用バインダー樹脂と着色剤、並びに必要により、離型剤、荷電制御剤、および流動化剤から選ばれる一種以上の添加剤を含有するトナー組成物。
本発明のトナー用バインダー樹脂は、ポリエステル樹脂(A)と非晶性樹脂(B)からなるハイブリッド樹脂と、非晶性樹脂(C)とを含有する。本発明において、ハイブリッド樹脂とは、異なる種類の樹脂が結合した複合樹脂を意味する。
本発明におけるポリエステル樹脂(A)は、少なくともポリカルボン酸成分(x)とポリオール成分(y)を構成単位として有するポリエステル樹脂であって、低温定着性と耐ホットオフセット性を両立(定着温度幅を広く)させる観点から、芳香族ジカルボン酸およびそのエステル形成性誘導体から選ばれる2種以上のジカルボン酸(x1)が合計で80モル%以上と、3価以上のポリカルボン酸(x2)が含有されたポリカルボン酸成分(x)と、炭素数が2〜10の脂肪族ジオール(y1)が80モル%以上含有されたポリオール成分(y)とを構成単位とする。
上記エステル形成性誘導体としては、酸無水物、アルキル(炭素数1〜24、好ましくは1〜4:メチル、エチル、ブチル、ステアリル等)エステル、および部分アルキル(上記と同様)エステル等が挙げられる。以下のエステル形成性誘導体についても同様である。
なお、本発明においては、芳香族ジカルボン酸と同じジカルボン酸のエステル形成性誘導体は1種であるとみなす。
これら(x1)のうち、低温定着性と耐ホットオフセット性の両立の観点から好ましくは、以下に挙げた(1)〜(3)から選ばれる2種以上である。
(1)テレフタル酸および/またはそのエステル形成性誘導体
(2)イソフタル酸および/またはそのエステル形成性誘導体
(3)フタル酸および/またはそのエステル形成性誘導体
好ましい組合せとしては(1)と(2)、および(1)と(3)であり、さらに好ましくは、(1)と(2)の重量比が(1)/(2)=3/7〜7/3であり、(1)と(3)の重量比が(1)/(3)=3/7〜7/3である。
これらのうち好ましいものは、炭素数4〜20のアルカンジカルボン酸;炭素数4〜36のアルケンジカルボン酸、およびこれらのエステル形成性誘導体であり、さらに好ましくは、コハク酸、アジピン酸、マレイン酸、フマル酸、および/またはそれらのエステル形成性誘導体である。
これらのうち好ましいものは、トリメリット酸、ピロメリット酸、およびこれらのエステル形成性誘導体である。
また、(x)中の(x2)の量としては20モル%以下が好ましく、さらに好ましくは2〜17モル%、とくに好ましくは5〜15モル%である。
これら(y1)のうち、低温定着性と耐ホットオフセット性の両立の観点から、分子末端に1級水酸基を有する分岐のない脂肪族ジオール(エチレングリコール、1,3−プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,9−ノナンジオール、および1,10−デカンジオール等)が好ましい。
保存安定性の観点から、エチレングリコール、1,3−プロピレングリコール、1,4−ブタンジオールがさらに好ましく、エチレングリコールが特に好ましい。
これらのうち好ましいものは、ビスフェノール類のポリオキシアルキレンエーテル(AO単位の数2〜30)である。
これらのうち好ましいものは、3〜8価もしくはそれ以上の脂肪族多価アルコール、およびノボラック樹脂のポリオキシアルキレンエーテル(AO単位の数2〜30)であり、さらに好ましいものはノボラック樹脂のポリオキシアルキレンエーテル(AO単位の数2〜30)である。
ポリオール成分(y)とポリカルボン酸成分(x)との反応比率は、水酸基とカルボキシル基の当量比[OH]/[COOH]として、好ましくは2/1〜1/2、さらに好ましくは1.5/1〜1/1.3、とくに好ましくは1.3/1〜1/1.2である。
このとき必要に応じてエステル化触媒を使用することができる。エステル化触媒の例には、スズ含有触媒(例えばジブチルスズオキシド)、三酸化アンチモン、チタン含有触媒[例えばチタンアルコキシド、シュウ酸チタン酸カリウム、テレフタル酸チタン、特開2006−243715号公報に記載の触媒〔チタニウムジヒドロキシビス(トリエタノールアミネート)、チタニウムモノヒドロキシトリス(トリエタノールアミネート)、およびそれらの分子内重縮合物等〕、および特開2007−11307号公報に記載の触媒(チタントリブトキシテレフタレート、チタントリイソプロポキシテレフタレート、およびチタンジイソプロポキシジテレフタレート等)]、ジルコニウム含有触媒(例えば酢酸ジルコニル)、および酢酸亜鉛等が挙げられる。これらの中で好ましくはチタン含有触媒である。
変性ポリエステル樹脂(A1)は、トナーの定着温度幅確保の点で好ましい。
〔1〕脂肪族ジアミン{C2〜C6アルキレンジアミン(エチレンジアミン、プロピレンジアミン、トリメチレンジアミン、テトラメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミンなど)、ポリアルキレン(C2〜C6)ジアミン〔ジエチレントリアミン、イミノビスプロピルアミン、ビス(ヘキサメチレン)トリアミン,トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン、ペンタエチレンヘキサミンなど〕};
〔2〕これらのアルキル(C1〜C4)またはヒドロキシアルキル(C2〜C4)置換体〔ジアルキル(C1〜C3)アミノプロピルアミン、トリメチルヘキサメチレンジアミン、アミノエチルエタノールアミン、2,5−ジメチル−2,5−ヘキサメチレンジアミン、メチルイミノビスプロピルアミンなど〕;
〔3〕脂環または複素環含有脂肪族ジアミン{脂環式ジアミン(C4〜C15)〔1,3−ジアミノシクロヘキサン、イソホロンジアミン、メンセンジアミン、4,4´−メチレンジシクロヘキサンジアミン(水添メチレンジアニリン)など〕、複素環式ジアミン(C4〜C15)〔ピペラジン、N−アミノエチルピペラジン、1,4−ジアミノエチルピペラジン、3,9−ビス(3−アミノプロピル)−2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5,5]ウンデカンなど〕;
〔4〕芳香環含有脂肪族アミン類(C8〜C15)(キシリレンジアミン、テトラクロル−p−キシリレンジアミンなど);等が挙げられる。
〔1〕非置換芳香族ジアミン〔1,2−、1,3−および1,4−フェニレンジアミン、2,4´−および4,4´−ジフェニルメタンジアミン、クルードジフェニルメタンジアミン(ポリフェニルポリメチレンポリアミン)、ジアミノジフェニルスルホン、ベンジジン、チオジアニリン、2,6−ジアミノピリジン、m−アミノベンジルアミン、トリフェニルメタン−4,4´,4”−トリアミン、ナフチレンジアミンなど;
〔2〕核置換アルキル基〔メチル,エチル,n−およびi−プロピル、ブチルなどのC1〜C4アルキル基〕を有する芳香族ジアミン、たとえば2,4−および2,6−トリレンジアミン、クルードトリレンジアミン、ジエチルトリレンジアミン、4,4´−ジアミノ−3,3´−ジメチルジフェニルメタン、4,4´−ビス(o−トルイジン)、ジアニシジン、ジアミノジトリルスルホン、1,3−ジメチル−2,4−ジアミノベンゼン、2,3−ジメチル−1,4−ジアミノナフタレン、4,4´−ジアミノ−3,3´−ジメチルジフェニルメタンなど〕、およびこれらの異性体の種々の割合の混合物;
〔3〕核置換電子吸引基(Cl,Br,I,Fなどのハロゲン;メトキシ、エトキシなどのアルコキシ基;ニトロ基など)を有する芳香族ジアミン〔メチレンビス−o−クロロアニリン、4−クロロ−o−フェニレンジアミン、2−クロル−1,4−フェニレンジアミン、3−アミノ−4−クロロアニリン、4−ブロモ−1,3−フェニレンジアミン、2,5−ジクロル−1,4−フェニレンジアミン、5−ニトロ−1,3−フェニレンジアミン、3−ジメトキシ−4−アミノアニリンなど〕;
〔4〕2級アミノ基を有する芳香族ジアミン〔上記〔1〕〜〔3〕の芳香族ジアミンの−NH2の一部または全部が−NH−R´(R´はアルキル基たとえばメチル,エチルなど
の低級アルキル基)で置き換ったもの〕〔4,4´−ジ(メチルアミノ)ジフェニルメタン、1−メチル−2−メチルアミノ−4−アミノベンゼンなど〕が挙げられる。
上記モル比率は、変性ポリエステル樹脂(A1)を製造する際に使用した、ポリイソシアネート(i)と、ポリアミン(j)および(i)と反応する水の重量から、(A1)中に含有されるウレタン基(―NHCOO―)のモル数とウレア基(―NHCONH―)のモル数の比を、計算により求めたものである。
製造法〔1〕;ポリカルボン酸成分(x)とポリオール成分(y)とを重縮合させて得られる水酸基を有するポリエステル樹脂(a)の有機溶剤(S)溶液を、ポリイソシアネート(i)と反応させ、次いで未反応のイソシアネート基を有する反応生成物をポリアミン(j)と反応させて変性ポリエステル樹脂(A1)を製造する方法。
製造法〔2〕;ポリカルボン酸成分(x)とポリオール成分(y)とを重縮合させて得られる水酸基を有するポリエステル樹脂(a)を液体状でポリイソシアネート(i)と反応させ、さらに未反応のイソシアネート基を有する反応生成物をポリアミン(j)と反応させて変性ポリエステル樹脂(A1)を製造する方法。
製造法〔3〕;ポリイソシアネート(i)とポリアミン(j)を、[(i)中のイソシアネート基]/[(j)中のアミノ基]=1.5/1〜3/1の当量比で反応させ、次いで未反応のイソシアネート基を有する反応生成物とポリオール成分(y)とを反応させて得られる変性ポリオール(y1)を含むポリオール成分(y)とポリカルボン酸成分(x)とを重縮合させて、変性ポリエステル樹脂(A1)を製造する方法。
ポリオール成分(y)、ポリカルボン酸成分(x)は前記の成分を特に限定なく用いることができる。必要により、前記のエステル化触媒を用いてもよい。
〜1.3/1、特に好ましくは0.75/1〜1.2/1である。
ポリエステル樹脂(a)の水酸基とポリイソシアネート(i)のイソシアネート基の当量比、(a)と(i)の反応生成物の未反応イソシアネート基とポリアミン(j)のアミノ基の当量比は、製造法〔1〕と同様でよい。反応温度はアロファネート化及びビューレット化の開裂の観点から150〜250℃で反応させることが好ましく、より好ましくは170〜230℃、最も好ましくは180〜220℃である。
ポリエステル樹脂(a)とポリイソシアネート(i)の反応が完了した後、反応生成物の未反応イソシアネート基とポリアミン(j)のアミノ基とを反応させることが好ましい。(a)と(i)の反応時間は1時間以下が好ましく、より好ましくは30分以下、最も好ましくは20分以下である。(a)と(i)の反応生成物と(j)の反応時間は30分以下が好ましく、より好ましくは20分以下、最も好ましくは15分以下である。
反応の際、ウレタン基とウレア基の導入率、及び貯蔵弾性率の観点から、ポリイソシアネート(i)中のイソシアネート基とポリアミン(j)中のアミノ基の当量比[NCO]/[NH2]が、1.5/1〜3/1である必要があり、好ましくは1.7/1〜2.8
/1、さらに好ましくは1.8/1〜2.5/1である。
なお、(y)を過剰に用いると、変性ポリオール(y1)と(y1)以外のポリオールを含むポリオール成分(y)が得られる。
ポリオール成分(y)中の変性ポリオール(y1)の含有量は、好ましくは0.5モル%以上、さらに好ましくは1〜80モル%である。
また、(A)の水酸基価は、好ましくは0〜100(mgKOH/g、以下同じ)、さらに好ましくは0〜80、とくに好ましくは0〜50である。水酸基価が100以下であるとトナー化時の耐ホットオフセット性がより良好となる。
なお、試料に架橋にともなう溶剤不溶解分がある場合は、以下の方法で溶融混練後のものを試料として用いる。
混練装置 : 東洋精機(株)製 ラボプラストミル MODEL4M150
混練条件 : 130℃、70rpmにて30分
装置(一例) : 東ソー(株)製 HLC−8120
カラム(一例): TSK GEL GMH6 2本 〔東ソー(株)製〕
測定温度 : 40℃
試料溶液 : 0.25%のTHF(テトラヒドロフラン)溶液
溶液注入量 : 100μl
検出装置 : 屈折率検出器
基準物質 : 東ソー製 標準ポリスチレン(TSKstandard POLYSTYRENE)12点(分子量 500 1050 2800 5970 9100 18100 37900 96400 190000 355000 1090000 2890000)
得られたクロマトグラム上最大のピーク高さを示す分子量をピークトップ分子量(Mp)と称する。また、分子量の測定は、ポリエステル樹脂をTHFに溶解し、不溶解分をグラスフィルターでろ別したものを試料溶液とする。
なお、上記および以下において、Tgはセイコー電子工業(株)製DSC20、SSC/580を用いて、ASTM D3418−82に規定の方法(DSC法)で測定される。
<フロー軟化点〔Tm〕>
降下式フローテスター{たとえば、(株)島津製作所製、CFT−500D}を用いて、1gの測定試料を昇温速度6℃/分で加熱しながら、プランジャーにより1.96MPaの荷重を与え、直径1mm、長さ1mmのノズルから押し出して、「プランジャー降下量(流れ値)」と「温度」とのグラフを描き、プランジャーの降下量の最大値の1/2に対応する温度をグラフから読み取り、この値(測定試料の半分が流出したときの温度)をフロー軟化点〔Tm〕とする。
なお、本発明のトナー用バインダー樹脂中に、少量の、ポリエステル樹脂(A)、非晶性樹脂(B)、およびポリエステル樹脂(A)と非晶性樹脂(C)とのハイブリッド樹脂の1種以上が含まれていても差し支えない。
着色剤の含有量は、本発明のトナー用バインダー樹脂100部に対して、好ましくは1〜40部、さらに好ましくは3〜10部である。なお、磁性粉を用いる場合は、好ましくは20〜150部、さらに好ましくは40〜120部である。上記および以下において、部は重量部を意味する。
ポリオレフィンワックスとしては、オレフィン(例えばエチレン、プロピレン、1−ブテン、イソブチレン、1−ヘキセン、1−ドデセン、1−オクタデセンおよびこれらの混合物等)の(共)重合体[(共)重合により得られるものおよび熱減成型ポリオレフィンを含む]、オレフィンの(共)重合体の酸素および/またはオゾンによる酸化物、オレフィンの(共)重合体のマレイン酸変性物[例えばマレイン酸およびその誘導体(無水マレイン酸、マレイン酸モノメチル、マレイン酸モノブチルおよびマレイン酸ジメチル等)変性物]、オレフィンと不飽和カルボン酸[(メタ)アクリル酸、イタコン酸および無水マレイン酸等]および/または不飽和カルボン酸アルキルエステル[(メタ)アクリル酸アルキル(アルキルの炭素数1〜18)エステルおよびマレイン酸アルキル(アルキルの炭素数1〜18)エステル等]等との共重合体、およびサゾールワックス等が挙げられる。
また、乳化転相法によりトナーを得る場合、流動化剤を除くトナーを構成する成分を有機溶剤に溶解または分散後、水を添加する等によりエマルジョン化し、次いで分離、分級して製造することができる。トナーの体積平均粒径は、3〜15μmが好ましい。
[ポリエステル樹脂(A−1)の合成]
冷却管、撹拌機および窒素導入管の付いた反応槽(以下の製造例で用いる反応槽も同様)中に、テレフタル酸460部(2.8モル)、イソフタル酸307部(1.8モル)、エチレングリコール573部(9.2モル)、重合触媒としてテトラブトキシチタネート0.5部を入れ、210℃で窒素気流下に生成する水とエチレングリコールを留去しながら5時間反応させた後、5〜20mmHgの減圧下に1時間反応させた。次いで、無水トリメリット酸88部(0.46モル)を加え、常圧下で1時間反応させた後、20〜40mmHgの減圧下で反応させ所定の軟化点で取り出した。回収されたエチレングリコールは245部(4.0モル)であった。得られた樹脂を室温まで冷却後、粉砕し粒子化した。これをポリエステル樹脂(A−1)とする。
ポリエステル樹脂(A−1)のTgは60℃、Tmは140℃、Mpは6000、酸価は27、水酸基価は1、THF不溶解分は3%であった。
[ポリエステル樹脂(A−2)の合成]
反応槽中に、テレフタル酸463部(2.8モル)、フタル酸308部(1.9モル)、エチレングリコール576部(9.3モル)、重合触媒としてテトラブトキシチタネート0.5部を入れ、210℃で窒素気流下に生成する水とエチレングリコールを留去しながら5時間反応させた後、5〜20mmHgの減圧下に1時間反応させた。次いで、無水トリメリット酸88部(0.46モル)を加え、常圧下で1時間反応させた後、20〜40mmHgの減圧下で反応させ所定の軟化点で取り出した。回収されたエチレングリコールは227部(3.7モル)であった。得られた樹脂を室温まで冷却後、粉砕し粒子化した。これをポリエステル樹脂(A−2)とする。
ポリエステル樹脂(A−2)のTgは58℃、Tmは142℃、Mpは7000、酸価は26、水酸基価は0.1、THF不溶解分は2%であった。
[ポリエステル樹脂(A−3)の合成]
反応槽中に、イソフタル酸461部(2.8モル)、フタル酸308部(1.9モル)、エチレングリコール575部(9.3モル)、重合触媒としてテトラブトキシチタネート0.5部を入れ、210℃で窒素気流下に生成する水とエチレングリコールを留去しながら5時間反応させた後、5〜20mmHgの減圧下に1時間反応させた。次いで、無水トリメリット酸88部(0.46モル)を加え、常圧下で1時間反応させた後、20〜40mmHgの減圧下で反応させ所定の軟化点で取り出した。回収されたエチレングリコールは224部(3.6モル)であった。得られた樹脂を室温まで冷却後、粉砕し粒子化した。これをポリエステル樹脂(A−3)とする。
ポリエステル樹脂(A−3)のTgは57℃、Tmは138℃、Mpは6700、酸価は28、水酸基価は1、THF不溶解分は1%であった。
[ポリエステル樹脂(A−4)の合成]
反応槽中に、テレフタル酸310部(1.9モル)、イソフタル酸465部(2.8モル)、アジピン酸36部(0.25モル)、エチレングリコール610部(9.8モル)、重合触媒としてテトラブトキシチタネート0.5部を入れ、210℃で窒素気流下に生成する水とエチレングリコールを留去しながら5時間反応させた後、5〜20mmHgの減圧下に1時間反応させた。次いで、無水トリメリット酸52部(0.27モル)を加え、常圧下で1時間反応させた後、20〜40mmHgの減圧下で反応させ所定の軟化点で取り出した。回収されたエチレングリコールは262部(4.2モル)であった。得られた樹脂を室温まで冷却後、粉砕し粒子化した。これをポリエステル樹脂(A−4)とする。
ポリエステル樹脂(A−4)のTgは60℃、Tmは150℃、Mpは10500、酸価は10、水酸基価は0、THF不溶解分は1%であった。
[ポリエステル樹脂(A−5)の合成]
反応槽中に、テレフタル酸440部(2.7モル)、イソフタル酸235部(1.4モル)、アジピン酸7部(0.05モル)、エチレングリコール554部(8.9モル)、重合触媒としてテトラブトキシチタネート0.5部を入れ、210℃で窒素気流下に生成する水とエチレングリコールを留去しながら5時間反応させた後、5〜20mmHgの減圧下に1時間反応させた。次いで、無水トリメリット酸103部(0.54モル)を加え、常圧下で1時間反応させた後、20〜40mmHgの減圧下で反応させ所定の軟化点で取り出した。回収されたエチレングリコールは219部(3.5モル)であった。得られた樹脂を室温まで冷却後、粉砕し粒子化した。これをポリエステル樹脂(A−5)とする。
ポリエステル樹脂(A−5)のTgは56℃、Tmは135℃、Mpは4800、酸価は37、水酸基価は50、THF不溶解分は5%であった。
[線形ポリエステル樹脂(a−1)の合成]
反応槽中に、テレフタル酸460部(2.8モル)、イソフタル酸307部(1.8モル)、1,2−プロピレングリコール695部(9.1モル)、および縮合触媒としてテトラブトキシチタネート3部を入れ、210℃で窒素気流下に生成する水と1,2−プロピレングリコールを留去しながら5時間反応させた後、5〜20mmHgの減圧下に1時間反応させた。次いで、無水トリメリット酸52部(0.27モル)を加え、180℃で1時間保持した後取出した。回収された1,2−プロピレングリコールは216部(2.8モル)であった。取り出した樹脂を室温まで冷却後、粉砕し粒子化した。これを線形ポリエステル樹脂(a−1)とする。
[線形ポリエステル樹脂(a−2)の合成]
反応槽中に、テレフタル酸460部(2.8モル)、イソフタル酸307部(1.8モル)、エチレングリコール573部(9.2モル)、および縮合触媒としてテトラブトキシチタネート3部を入れ、210℃で窒素気流下に生成する水とエチレングリコールを留去しながら5時間反応させた後、5〜20mmHgの減圧下に1時間反応させた。次いで、無水トリメリット酸52部(0.27モル)を加え、180℃で1時間保持した後取出した。回収されたエチレングリコールは200部(3.2モル)であった。取り出した樹脂を室温まで冷却後、粉砕し粒子化した。これを線形ポリエステル樹脂(a−2)とする。
[ポリエステル樹脂(A−6)の合成]
反応槽中に、先述した製造例6で得られた線形ポリエステル樹脂(a−1)200部(0.07モル)、テトラヒドロフラン800部を入れ80℃まで加熱し、(a−1)を溶解した。窒素気流下でイソホロンジイソシアネート(以下、IPDIと記載。)を60部(0.27モル)加え24時間反応させた。さらにイソホロンジアミン(以下、IPDAと記載。)を23部(0.13モル)加え、3時間攪拌した後、200℃まで加熱しながら5〜20mmHgの減圧下でテトラヒドロフランを10時間かけて留去し、取出した。取り出した樹脂を室温まで冷却後、粉砕し粒子化した。これをポリエステル樹脂(A−6)とする。
ポリエステル樹脂(A−6)のTgは60℃、Tmは145℃、Mpは7600、酸価は45、水酸基価は2、THF不溶解分は5%であった。(a−1)の水酸基とIPDIのイソシアネート基の当量比[OH]/[NCO]は1/1.9、(a−1)とIPDIの反応物の未反応イソシアネート基とIPDAのアミノ基の当量比[NCO]/[NH2]は1/1、ポリエステル樹脂(A−6)中の、ポリイソシアネートとポリアミンの構成単位の合計含有量は20.9%、ウレタン基/ウレア基のモル比は1.2/1であった。
[ポリエステル樹脂(A−7)の合成]
反応槽中に、先述した製造例7で得られた線形ポリエステル樹脂(a−2)200部(0.07モル)、テトラヒドロフラン800部を入れ80℃まで加熱し、(a−2)を溶解した。窒素気流下でIPDIを60部(0.27モル)加え24時間反応させた。さらにIPDAを23部(0.13モル)加え、3時間攪拌した後、200℃まで加熱しながら5〜20mmHgの減圧下でテトラヒドロフランを10時間かけて留去し、取出した。取り出した樹脂を室温まで冷却後、粉砕し粒子化した。これをポリエステル樹脂(A−7)とする。
ポリエステル樹脂(A−7)のTgは59℃、Tmは140℃、Mpは7300、酸価は45、水酸基価は1、THF不溶解分は4%であった。(a−2)の水酸基とIPDIのイソシアネート基の当量比[OH]/[NCO]は1/1.89、(a−2)とIPDIの反応物の未反応イソシアネート基とIPDAのアミノ基の当量比[NCO]/[NH2]は0.95/1、ポリエステル樹脂(A−7)中のポリイソシアネートとポリアミンの構成単位の合計含有量は29.3%、ウレタン基/ウレア基のモル比は1/1であった。
[ポリエステル樹脂(A−8)の合成]
反応槽中に、エチレングリコール473部(7.6モル)入れ、窒素気流下でIPDIを50部(0.22モル)、テトラヒドロフラン80部を加え、均一化した。滴下ロートにエチレングリコール100部(1.6モル)、IPDAを20部(0.12モル)加え、均一化した。前記の反応層に滴下ロートを取り付け、60分かけて滴下し、20℃で30分均一化し、IPDIとIPDAを反応させた。その後、反応層の温度を80℃まで上げ、4時間攪拌し、IPDIとIPDAの反応生成物のイソシアネート基とエチレングリコールの水酸基を反応させ、エチレングリコール(9.1モル)と変性ポリオール(0.12モル)の混合物を得た。次いで、テレフタル酸460部(2.8モル)、イソフタル酸307部(1.8モル)、無水トリメリット酸52部(0.27モル)、及び縮合触媒としてテトラブトキシチタネート3部を入れ、180℃で窒素気流下に生成する水とエチレングリコールを留去しながら8時間反応させた後、5〜20mmHgの減圧下に3時間反応させ、取り出した。回収されたエチレングリコールは220部(3.5モル)であった。取り出した樹脂を室温まで冷却後、粉砕し粒子化した。これをポリエステル樹脂(A−8)とする。
ポリエステル樹脂(A−8)のTgは58℃、Tmは135℃、Mpは7000、酸価は1、水酸基価は25、THF不溶解分は6%であった。IPDIのイソシアネート基とIPDAのアミノ基の当量比[NCO]/[NH2]は1.91/1、エチレングリコールの水酸基とIPDIとIPDAの反応物のイソシアネート基の当量比[OH]/[NCO]は429/1、ポリエステル樹脂(A−8)中のポリイソシアネートとポリアミンの構成単位の合計含有量は19.7%、ウレタン基/ウレア基のモル比は1/1であった。
[ポリエステル樹脂(A−9)の合成]
S−1型KCニーダー(栗本鐵工社製)に定量フィーダーを設置し、200℃に温度コントロールした。別の容器に後述する製造例7で得られた線形ポリエステル樹脂(a−2)200部(0.07モル)、ヘキサメチレンジイソシアネート(以下、HDIと記載。)を47部(0.28モル)加えヘンシルミキサーで均一混合し、定量フィーダーへ入れた。定量フィーダーを調整し、滞留時間が10分になるように反応させた。得られた反応物を室温まで冷却し、粉砕粒子化した。得られた粉体247部(0.07モル)に1,6−ヘキサメチレンジアミン(以下、HDAと記載。)を16部(0.14モル)加えヘンシルミキサーで均一混合し、再び定量フィーダーへ入れた。定量フィーダーを調整し、滞留時間が15分になるように反応させた。得られた反応物を室温まで冷却し、粉砕粒子化した。これをポリエステル樹脂(A−9)とする。
ポリエステル樹脂(A−9)のTgは58℃、Tmは145℃、Mpは7800、酸価は43、水酸基価は2、THF不溶解分は5%であった。(a−2)の水酸基とHDIのイソシアネート基の当量比[OH]/[NCO]は1/2.6、(a−2)とHDIの反応物の未反応イソシアネート基とHDAのアミノ基の当量比[NCO]/[NH2]は0
.75/1、ポリエステル樹脂(A−9)中のポリイソシアネートとポリアミンの構成単位の合計含有量は24%、ウレタン基/ウレア基のモル比は1/1であった。
[ポリエステル樹脂(A−10)の合成]
反応槽中に、エチレングリコール473部(7.6モル)入れ、窒素気流下でHDIを38部(0.23モル)、テトラヒドロフラン40部を加え、均一化した。滴下ロートにエチレングリコール100部(1.6モル)、HDAを14部(0.12モル)加え、均一化した。前記の反応層に滴下ロートを取り付け、60分かけて滴下し、20℃で30分均一化し、HDIとHDAを反応させた。その後、反応層の温度を80℃まで上げ、4時間攪拌し、HDIとHDAの反応生成物のイソシアネート基とエチレングリコールの水酸基を反応させ、エチレングリコール(9.3モル)と変性ポリオール(0.12モル)の混合物を得た。次いで、テレフタル酸307部(1.8モル)、イソフタル酸460部(2.8モル)、無水トリメリット酸52部(0.27モル)、及び縮合触媒としてテトラブトキシチタネート3部を入れ、180℃で窒素気流下に生成する水とエチレングリコールを留去しながら8時間反応させた後、5〜20mmHgの減圧下に3時間反応させ、取り出した。回収されたエチレングリコールは223部(3.6モル)であった。取り出した樹脂を室温まで冷却後、粉砕し粒子化した。これをポリエステル樹脂(A−10)とする。
ポリエステル樹脂(A−10)のTgは57℃、Tmは143℃、Mpは7600、酸価は0、水酸基価は23、THF不溶解分は5%であった。HDIのイソシアネート基とHDAのアミノ基の当量比[NCO]/[NH2]は1.91/1、エチレングリコールの水酸基とHDIとHDAの反応物のイソシアネート基の当量比[OH]/[NCO]は429/1、ポリエステル樹脂(A−10)中のポリイソシアネートポリアミンの構成単位の合計含有量は19.9%、ウレタン基/ウレア基のモル比は0.96/1であった。
[非晶性樹脂(B−1)の合成]
窒素導入管、脱水管、攪拌器を装備した2リットル容の四つ口フラスコに、キシレンを1000部相当加え、キシレン還流温度(約138℃)まで昇温して、スチレン786部(7.6モル)、アクリル酸ブチル114部(1.1モル)、メタクリル酸100部(1.2モル)、および反応開始剤としてジ−t−ブチルパーオキサイド4部を5時間かけて反応フラスコ内に滴下させた。さらに1時間そのまま反応を継続し、その後、98℃に降温してt-ブチルパーオキシオクトエート2.5gを加えて2時間反応を行った。得られた重合液は、195℃に昇温して1時間、8.0kPa以下の減圧下で溶剤を除去した。これを非晶性樹脂(B−1)とする。
非晶性樹脂(B−1)のTgは93℃、Mpは46000であった。
[非晶性樹脂(B−2)の合成]
窒素導入管、脱水管、攪拌器を装備した2リットル容の四つ口フラスコに、キシレンを1000部相当加え、キシレン還流温度(約138℃)まで昇温して、スチレン700部(6.7モル)、アクリル酸ブチル100部(1.0モル)、メタクリル酸200部(2.3モル)、および反応開始剤としてジ−t−ブチルパーオキサイド20部を5時間かけて反応フラスコ内に滴下させた。さらに1時間そのまま反応を継続し、その後、98℃に降温してt-ブチルパーオキシオクトエート2.5gを加えて2時間反応を行った。得られた重合液は、195℃に昇温して1時間、8.0kPa以下の減圧下で溶剤を除去した。これを非晶性樹脂(B−2)とする。
非晶性樹脂(B−2)のTgは95℃、Mpは28000であった。
[非晶性樹脂(C−1)の合成]
窒素導入管、脱水管、攪拌器を装備した2リットル容の四つ口フラスコに、キシレンを1000部相当加え、キシレン還流温度(約138℃)まで昇温して、スチレン876部(8.4モル)、アクリル酸ブチル104部(1.0モル)、メタクリル酸20部(0.2モル)、および反応開始剤としてジ−t−ブチルパーオキサイド100部を5時間かけて反応フラスコ内に滴下させた。さらに1時間そのまま反応を継続し、その後、98℃に降温してt-ブチルパーオキシオクトエート2.5gを加えて2時間反応を行った。得られた重合液は、195℃に昇温して1時間、8.0kPa以下の減圧下で溶剤を除去した。これを非晶性樹脂(C−1)とする。
非晶性樹脂(C−1)のTgは60℃、Mpは5000であった。
[非晶性樹脂(C−2)の合成]
窒素導入管、脱水管、攪拌器を装備した2リットル容の四つ口フラスコに、キシレンを1000部相当加え、キシレン還流温度(約138℃)まで昇温して、スチレン840部(8.1モル)、アクリル酸ブチル120部(1.2モル)、メタクリル酸40部(0.5モル)、および反応開始剤としてジ−t−ブチルパーオキサイド100部を5時間かけて反応フラスコ内に滴下させた。さらに1時間そのまま反応を継続し、その後、98℃に降温してt-ブチルパーオキシオクトエート2.5gを加えて2時間反応を行った。得られた重合液は、195℃に昇温して1時間、8.0kPa以下の減圧下で溶剤を除去した。これを非晶性樹脂(C−2)とする。
非晶性樹脂(C−2)のTgは64℃、Mpは5000であった。
[結晶性樹脂(RA−1)の合成]
1,4−ブタンジオール230部(2.6モル)、オクタデカンジオン酸770部(3.5モル)を、窒素導入管、脱水管、攪拌器を装備した1リットル容の四つ口フラスコに入れ、150℃で1時間反応させた。次に、モノマー総量に対して0.16重量%のチタンラクテート(松本製薬工業(株)製、TC−310)を加え、200℃まで緩やかに昇温して5〜10時間反応させた。さらに8.0kPa以下の減圧下で約1時間反応させ、酸価が2以下となることで反応を完結させた。得られた結晶性樹脂を(RA−1)とした。
結晶性樹脂(RA−1)の融解ピーク温度は88℃、Mpは11000であった。
[結晶性樹脂(RA−2)の合成]
1,6−ヘキサンジオール187部(1.6モル)、セバシン酸813部(4.0モル)を、窒素導入管、脱水管、攪拌器を装備した1リットル容の四つ口フラスコに入れ、150℃で1時間反応させた。次に、モノマー総量に対して0.16重量%のチタンラクテート(松本製薬工業(株)製、TC−310)を加え、200℃まで緩やかに昇温して5〜10時間反応させた。さらに8.0kPa以下の減圧下で約1時間反応させ、酸価が2以下となることで反応を完結させた。得られた結晶性樹脂を(RA−2)とした。
結晶性樹脂(RA−2)の融解ピーク温度は67℃、Mpは7800であった。
窒素導入管、攪拌器を装備した2リットル容の四つ口フラスコに、表1に従い原樹脂(A−1〜10、RA−1〜2)、非晶性樹脂(B−1〜2)と非晶性樹脂(C−1〜2)を入れ、酢酸エチル250部相当、ジメチルホルムアミド6.25部相当を加え、約80℃で攪拌し、均一に溶解・分散させた。次いで190℃まで昇温し、8.0kPa以下の減圧下で1時間、脱溶剤を行い、そのままの温度で軟化点が150℃以上となるまで混錬反応を行った。得られた樹脂を樹脂(M−1〜10、RM−1〜4)とした。
表1に示す樹脂(M−1〜10、RM−1〜4)に、それぞれにカーボンブラックMA−100[三菱化学(株)製]6部、荷電制御剤T−77[保土谷化学(製)]1部、カルナバワックス5部をヘンシェルミキサー[三井三池化工機(株)製 FM10B]で十分に混合した後、2軸混錬機(池貝機械製、PCM−30型)にて設定温度110℃、滞留時間60秒で溶融混錬させ、冷却、粗粉砕した。ついで超音速ジェット粉砕機ラボジェット[日本ニューマチック工業(株)製]を用いて微粉砕した後、気流分級機[日本ニューマチック工業(株)製 MDS−I]で分級し、粒径D50が8μmのトナー粒子を得た。ついで、トナー粒子100部にコロイダルシリカ(アエロジルR972:日本アエロジル製)0.5部をサンプルミルにて混合して、本発明のトナー組成物(T−1)〜(T−10)、および比較用のトナー組成物(RT−1)〜(RT−4)を得た。
下記評価方法で評価した評価結果を表2に示す。
〔1〕最低定着温度(MFT)
市販複写機(AR5030;シャープ製)を用いて現像した未定着画像を、市販複写機(AR5030;シャープ製)の定着機を用いて評価した。定着画像をパットで擦った後の画像濃度の残存率が70%以上となる下限温度を最低定着温度とした。
〔2〕ホットオフセット発生温度(HOT)
上記MFTと同様に定着評価し、定着画像へのホットオフセットの有無を目視評価した。定着ロール通過後ホットオフセットが発生しない上限温度をホットオフセット発生温度とした。
〔3〕トナーの耐ブロッキング性試験
上記トナー組成物を、50℃・85%R.H.の高温高湿環境下で、48時間調湿した。同環境下において該現像剤のブロッキング状態を目視判定し、さらに市販複写機(AR5030:シャープ製)でコピーした時の画質を観察した。
判定基準
◎:トナーのブロッキングがなく、3000枚複写後の画質も良好。
○:トナーのブロッキングはないが、3000枚複写後の画質に僅かに乱れが観察さ
れる。
×:トナーのブロッキングが目視でき、3000枚までに画像が出なくなる
Claims (7)
- ポリエステル樹脂(A)と非晶性樹脂(B)からなるハイブリッド樹脂と、非晶性樹脂(C)とを含むトナー用バインダー樹脂であって、ポリエステル樹脂(A)が、少なくともポリカルボン酸成分(x)とポリオール成分(y)を構成単位として有し、(x)が芳香族ジカルボン酸およびそのエステル形成性誘導体から選ばれる2種以上のジカルボン酸(x1)を合計で80モル%以上と、3価以上のポリカルボン酸(x2)を含有し、(y)が炭素数2〜10の脂肪族ジオール(y1)を80モル%以上含有するトナー用バインダー樹脂。
- ポリエステル樹脂(A)を構成するジカルボン酸(x1)が、下記(1)〜(3)から選ばれる2種以上である請求項1記載のトナー用バインダー樹脂。
(1)テレフタル酸および/またはそのエステル形成性誘導体
(2)イソフタル酸および/またはそのエステル形成性誘導体
(3)フタル酸および/またはそのエステル形成性誘導体 - ポリエステル樹脂(A)が、さらにポリイソシアネート(i)並びにポリアミン(j)及び/又は水を構成単位として有する、ウレタン基およびウレア基を含有する変性ポリエステル樹脂(A1)である請求項1または2記載のトナー用バインダー樹脂。
- 変性ポリエステル樹脂(A1)中の、ポリイソシアネート(i)、ポリアミン(j)、および(i)と反応する水の構成単位の合計含有量が(A1)の重量に対して50重量%以下である請求項3記載のトナー用バインダー樹脂。
- ポリエステル樹脂(A)が非晶性樹脂(B)と非相溶であり、非晶性樹脂(B)が非晶性樹脂(C)と相溶である請求項1〜4のいずれか記載のトナー用バインダー樹脂。
- ポリエステル樹脂(A)、非晶性樹脂(B)、および非晶性樹脂(C)の重量比が、(A)/(B)/(C)=(10〜30)/(15〜30)/(50〜65)である請求項1〜5のいずれか記載のトナー用バインダー樹脂。
- 請求項1〜6のいずれか記載のトナー用バインダー樹脂、着色剤、並びに必要により、離型剤、荷電制御剤、および流動化剤から選ばれる1種類以上の添加剤を含有するトナー組成物。
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