JP2018124420A - トナーの製造方法 - Google Patents
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Abstract
Description
トナーの粒度分布のシャープ化を容易に達成することができる製造方法として、「溶解懸濁法」が知られている。
さらに、近年、分散媒体として液体又は超臨界状態の二酸化炭素を用いるトナーの製造方法が提案されている。
この方法では、液状又は超臨界状態の二酸化炭素中に樹脂溶液の液滴が分散された分散体を形成する液滴形成工程の後、さらに二酸化炭素を導入し、液滴中の有機溶媒を分散媒体中に抽出して除去する脱溶剤工程を行い、トナー粒子を得る。この方法によれば、脱溶剤工程後に脱圧することで、得られたトナー粒子を分散媒体である二酸化炭素から容易に分離することが可能である。また、従来の水系の分散媒体を用いる方法に比べて、洗浄工程及び乾燥工程を必要とせず、省エネルギーかつ低コストでの製造が可能である。
一方、トナーの着色力を高めるためには、着色剤の添加量を多くすることが考えられる。しかしながら着色剤は一般的に高価であり、トナーの原材料コストの上昇を招く難点がある。さらには帯電性などのトナー特性や、粒度分布を低下させる場合がある。そこで着色剤の添加量を増加させることなく、着色剤の分散性を向上させることで、トナーの着色力を高めることが求められている。
すなわち、分散媒体として二酸化炭素を用いる溶解懸濁法において、トナーの着色力を高めることと、シャープな粒度分布を両立させることには課題を有していた。
本発明は、上記に鑑みてなされたものであり、高い水準の着色力を有し、かつ、粒度分布がシャープなトナーの製造方法を提供するものである。
(a)結着樹脂A、高分子分散剤B、着色剤C及び有機溶媒を含有する樹脂溶液を調製する工程、
(b)該樹脂溶液と二酸化炭素とを混合し、表面が該高分子分散剤Bで覆われた該樹脂溶液の液滴を形成する工程、
(c)該液滴に含まれる該有機溶媒を除去してトナー粒子を得る工程、
を有し、
該結着樹脂Aの溶解性指数をPとし、
該着色剤Cの凝集指数をQとしたとき、
該P及び該Qが、下記式(1)の関係を満足することを特徴とするトナーの製造方法に関する。
Q−P≧0 (1)
また、モノマーユニットとは、ポリマー又は樹脂中のモノマー物質の反応した形態をいう。
本発明は、トナー粒子を有するトナーの製造方法であって、
(a)結着樹脂A、高分子分散剤B、着色剤C及び有機溶媒を含有する樹脂溶液を調製する工程、
(b)該樹脂溶液と二酸化炭素とを混合し、表面が該高分子分散剤Bで覆われた該樹脂溶液の液滴を形成する工程、
(c)該液滴に含まれる該有機溶媒を除去してトナー粒子を得る工程、
を有し、
該結着樹脂Aの溶解性指数をPとし、
該着色剤Cの凝集指数をQとしたとき、
該P及び該Qが、下記式(1)の関係を満足することを特徴とするトナーの製造方法である。
Q−P≧0 (1)
樹脂溶液を調製する工程(a)では、結着樹脂A、高分子分散剤B、及び、これらを溶解することのできる有機溶媒、並びに、着色剤Cを混合する。そして、ホモジナイザー、ボールミル、コロイドミル、超音波分散機のような分散機によって、各材料を溶解又は均一分散させて、樹脂溶液を調製する。
有機溶媒は、結着樹脂A及び高分子分散剤Bを溶解することができるものであれば特に限定されない。
該有機溶媒の具体例をして、以下のものが挙げられる。
アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、ジ−n−ブチルケトンのようなケトン系溶剤;酢酸エチル、酢酸ブチル、メトキシブチルアセテートのようなエステル系溶剤;テトラヒドロフラン、ジオキサン、エチルセロソルブ、ブチルセロソルブのようなエーテル系溶剤;ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミドのようなアミド系溶剤;トルエン、キシレン、エチルベンゼンのような芳香族炭化水素系溶剤。これらは1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
これらのうち、アセトン、メチルエチルケトン、テトラヒドロフラン、酢酸エチル、及びトルエンからなる群より選択される少なくとも1つを含有することが好ましい。
ここで、高圧状態の二酸化炭素とは、圧力1.5MPa以上の二酸化炭素であることが好ましい。
樹脂溶液と高圧状態の二酸化炭素を耐圧容器内で共存させると、樹脂溶液による相と高圧状態の二酸化炭素による相が形成される。このとき、樹脂溶液による相に含まれる有機溶媒の一部は、高圧状態の二酸化炭素による相に抽出される。この状態で撹拌手段を用いてせん断を付与することで樹脂溶液による液滴(分散相)が、高圧状態の二酸化炭素と有機溶媒で構成される分散媒体(連続相)に分散した分散体を形成することができる。
また、高分子分散剤Bは、液滴と分散媒体の双方に対する親和性を有しており、液滴表面に偏在し、液滴を安定化する役割を担う。
分散体を形成する方法としては、具体的には以下の方法が挙げられる。
(1)樹脂溶液に高圧状態の二酸化炭素を加え、撹拌手段を用いて撹拌する方法。
(2)高圧状態の二酸化炭素に、樹脂溶液を加え、撹拌手段を用いて撹拌する方法。
液滴を安定に形成するためには、耐圧容器内の圧力は、1.5MPa以上6.0MPa以下であることが好ましい。圧力の制御は、二酸化炭素の導入量の調整により行うことが可能である。
前記耐圧容器内の圧力を上記範囲にすることで、分散相と連続相との相分離を促進し、液滴の形成を容易にすることができ、また、樹脂溶液中から分散媒体に抽出される有機溶媒の量を適切にし、均一な液滴を容易に形成させることができる。
上記(2)の方法のように、先に高圧状態の二酸化炭素が存在するところに、後から樹脂溶液を加える場合は、高圧ポンプを用いて導入することができる。また、樹脂溶液に、先に導入した二酸化炭素よりもさらに高圧の二酸化炭素を混合して導入することもできる。
なお、該圧力とは、分散媒体中に二酸化炭素以外の成分が含まれる場合には、その全圧を示す。
耐圧容器内の温度(すなわち、分散媒体の温度)に関し、造粒性(液滴形成のし易さ)や、結着樹脂A及び高分子分散剤Bなどの成分の分散媒体への溶解性に注意するとよい。
例えば、温度条件によっては、これらの成分が、分散媒体に溶解することがある。通常、低温になるほど前記成分の分散媒体への溶解性は抑制されるが、形成した液滴が凝集・合一を起こし易くなり、造粒性は低下する傾向にある。一方、高温になるほど造粒性は向上するものの、前記成分が分散媒体に溶解し易くなる傾向を示す。
したがって、本開示のトナーの製造において、耐圧容器内(すなわち、分散媒体)の温度は10℃以上40℃以下であることが好ましい。
分散体と二酸化炭素の混合は、分散体に、これよりも高圧の二酸化炭素を加えてもよく、また、分散体を、これよりも低圧の二酸化炭素中に加えてもよい。
そして、有機溶媒を含む二酸化炭素をさらに二酸化炭素で置換する方法としては、耐圧容器内の圧力を一定に保ちつつ、二酸化炭素を流通させる方法が挙げられる。このとき、形成されるトナー粒子は、フィルターで捕捉するとよい。また、このときの耐圧容器内の圧力は、3.0MPa以上15.0MPa以下であることが好ましい。
流通させる二酸化炭素の量は、分散媒体の体積に対して1倍以上100倍以下が好ましく、より好ましくは1倍以上50倍以下、さらに好ましくは1倍以上30倍以下である。
耐圧容器を減圧し、トナー粒子が分散した二酸化炭素を含む分散体からトナー粒子を取り出す際は、一気に常圧まで減圧してもよいが、独立に圧力制御された容器を多段に設けることによって段階的に減圧してもよい。なお、使用された有機溶媒や、二酸化炭素は、リサイクルすることが可能である。
この原因を明らかにするために、工程(b)に着目し、各種結着樹脂、着色剤及び有機溶媒を含有する樹脂溶液に、高圧状態の二酸化炭素を混合する過程を、耐圧容器側面に設けた窓から目視により観察した。その結果、着色剤を含む結着樹脂が分散相を形成し分離していく様子が確認された。種々の結着樹脂を試したところ、分散相を形成し分離するまでに要する二酸化炭素量に違いがみられたものの、トナー化したときの着色力の違いとの関係については不明瞭であった。
そこで、より詳細なメカニズムを解明すべくモデル検討を行った。
高圧状態の二酸化炭素の代替として疎水性媒体であるヘキサンを選択し、結着樹脂と着色剤で現象の切り分けを行った。
各種結着樹脂を、有機溶媒に溶解させた溶液にヘキサンを添加したところ、析出分離していく様子が確認された。そこで、結着樹脂が析出しはじめるタイミングに着目した。そして、結着樹脂が析出しはじめるタイミングは結着樹脂ごとに異なることが判明した。
また、少量の各種結着樹脂を溶解させた有機溶媒に着色剤を分散させた分散液に、ヘキサンを添加したところ、着色剤が凝集分離する様子が確認された。そこで、着色剤が凝集しはじめるタイミングにも着目した。そして、同じ着色剤であっても、組み合わせる結着樹脂の種類によって、凝集しはじめるタイミングが異なることが判明した。
すなわち、本開示のトナーの製造方法において、
結着樹脂Aの溶解性指数をPとし、着色剤Cの凝集指数をQとしたとき、該P及び該Qが下記式(1)の関係を満たす。
Q−P≧0 (1)
結着樹脂A100.0質量部を有機溶媒400.0質量部に溶解し、固形分率20.0質量%の溶液P0を調製する。
溶液P0にヘキサンを添加し、攪拌を10分間加え、10分間静置した後の、上層の固形分率の、「系の固形分率」に対する比が、はじめて90.0%以下となるときのヘキサンの添加質量部数(該質量部数は整数値)を、結着樹脂Aの溶解性指数Pとする。
ここで、「系の固形分率」は、(結着樹脂A100.0質量部)/〔有機溶媒400.0質量部+ヘキサンの添加量(質量部)〕から求められる計算値である。
一方、「上層」は、攪拌を10分間加え、10分間静置した後の混合液が、上層と下層の二層に分離したときの「上層」を意味する。
なお、固形分率の測定方法は後述する。
該比が90.0%となるとき、結着樹脂Aが析出し始めたことを意味する。
2.0質量部の結着樹脂Aを、有機溶媒400.0質量部に溶解させた溶液Q0を調製する。
溶液Q0に着色剤Cを20.0質量部混合し、ペイントシェーカーにて分散させた着色剤分散液Q1を調製する。ペイントシェーカーで着色剤を分散させる際には、ガラスビーズなどを用いて分散し、その後、ガラスビーズを除去する。
着色剤分散液Q1にヘキサンを添加し、攪拌を10分間加え、10分間静置した後の、着色剤分散液の吸収率の、該着色剤分散液Q1の吸収率に対する比が、はじめて90.0%以下となるときのヘキサンの添加質量部数(該質量部数は整数値)を、着色剤Cの凝集指数Qとする。
なお、吸収率の測定方法は後述する。ここで、該吸収率は、波長350nm〜800nmで測定された吸収率における最大値を意味する。なお、用いる着色剤の種類ごとに、吸収率の最大値は変化するものである。
該比が90.0%となるとき、着色剤Cが凝集し始めたことを意味する。
一方、結着樹脂Aが析出しはじめるタイミングよりも先に着色剤Cが凝集しはじめるとき(すなわち、Q−P<0であるとき)、トナー粒子中での着色剤Cの分散が十分ではなく、低い着色力のトナーとなってしまうことが確認された。
したがって、前記式(1)に示す(Q−P)の値は0以上であり、好ましくは10以上であり、より好ましくは50以上である。
一方、該(Q−P)は300以下であることが好ましい。
検討の結果、結着樹脂Aの分子量が大きく、極性が高くなるほど、結着樹脂Aの溶解性指数Pが小さくなり、着色剤Cの凝集指数Qが大きくなる傾向があることがわかった。
一方、結着樹脂Aの分子量が小さく、極性が低くなるほど、結着樹脂Aの溶解性指数Pが大きくなり、着色剤Cの凝集指数Qが小さくなる傾向となることがわかった。
そして、横軸を結着樹脂Aの重量平均分子量〔以下、Mw(A)と表記する〕、縦軸を結着樹脂Aの溶解度パラメータ〔以下、SP(A)と表記する〕とする座標上に結果をプロットした。
着色剤Cの分散状態が十分でない領域と、良好となる領域との境界は、例えば、結着樹脂Aの重量平均分子量Mw(A)と結着樹脂Aの溶解度パラメータSP(A)との下記関数で示される。
SP(A)=−3.0×10−5×Mw(A)+19.3
左辺のSP(A)の値が、右辺の(−3.0×10−5×Mw(A)+19.3)の値以上のとき、トナー断面における着色剤Cの分散状態がより良好となる。
すなわち、トナーの製造方法において、結着樹脂Aの溶解度パラメータをSP(A)と
し、結着樹脂Aの重量平均分子量をMw(A)としたときに、該SP(A)及び該Mw(A)が下記式(2)の関係を満たすことが好ましく、下記式(2)’及び(2)”の関係を満たすことがより好ましい。
SP(A)+3.0×10−5×Mw(A)−19.3≧0 (2)
SP(A)+3.0×10−5×Mw(A)−19.3≧0.100 (2)’
2.000≧SP(A)+3.0×10−5×Mw(A)−19.3≧0.100 (2)’’
本開示において、溶解度パラメータ(SP値、[単位:(J/cm3)1/2])は、ある物質がある物質にどのくらい溶解するかを示す溶解性の指標である。SP値が近いもの同士は溶解性が高く、SP値が離れているものは溶解性が低い。すなわち、異なる物質同士の親和性を示す指標であり、SP値が近いもの同士は親和性が高く、離れているもの同士は親和性が低いことになる。SP値は溶解度パラメータ計算ソフトウェア(Hansen Solubility Parameters in Practice:HSPiP 4th Edition 4.1.03)により算出することができる。
一方、結着樹脂Aの溶解度パラメータ〔SP(A)〕は、16.0以上22.0以下であることが好ましく、18.0以上20.0以下であることがより好ましい。
スチレンの誘導体としては、特に限定はないが、o−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、p−メトキシスチレン、p−エチルスチレンなどが挙げられる。
アクリレート、メタクリレート及びこれらの誘導体としては、特に限定はないが、メチルアクリレート、エチルアクリレート、n−プロピルアクリレート、iso−プロピルアクリレート、n−ブチルアクリレート、iso−ブチルアクリレート、tert−ブチルアクリレート、n−アミルアクリレート、n−ヘキシルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、n−オクチルアクリレート、n−ノニルアクリレート、シクロヘキシルアクリレート、ベンジルアクリレート、4−メチルベンジルアクリレート、4−エチルベンジルアクリレートなどのアクリレート;メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、n−プロピルメタクリレート、iso−プロピルメタクリレート、n−ブチルメタクリレート、iso−ブチルメタクリレート、tert−ブチルメタクリレート、n−アミルメタクリレート、n−ヘキシルメタクリレート、2−エチルヘキシルメタクリレート、n−オクチルメタクリレート、n−ノニルメタクリレートなどのメタクリレートが挙げられる。
スチレン、アクリレート、メタクリレート及びこれらの誘導体は、2種以上を併用してもよい。
上記では、化合物中に1個のラジカル重合性不飽和基を有する化合物を例示したが、ジビニルベンゼン、1,6−ヘキサンジアクリレート、1,6−ヘキサンジメタクリレート
などのように、化合物中に複数のラジカル重合性不飽和基を有する化合物を用いてもよい。
結晶性ポリエステルとは、ポリマーの分子鎖が規則的に配列した構造を有する樹脂である。このような樹脂は、示差走査熱量計(DSC)を用いた示差走査熱量測定において、明瞭な融点ピークを示し、融点より低い温度領域ではほとんど軟化せず、融点を越えると融解が生じ急激に軟化する。従って、結晶性ポリエステルを用いたトナーは、このようなシャープメルト性を発現することで、良好な低温定着性を達成することができる。
結晶性ポリエステルの融点は、50℃以上90℃以下であることが好ましい。
脂肪族ラクトンとしては、例えば、δ−ヘキサラノラクトン、δ−オクタノラクトン、ε−カプロラクトン、δ−ドデカノラクトン、α−メチル−γ−ブチロラクトン、β−メチル−δ−バレロラクトン、グリコリッド、ラクタイドなどが挙げられる。これらの中でも、ε−カプロラクトンが、反応性及び入手性の観点から好ましい。
脂肪族ジオールは、炭素数2〜20の脂肪族ジオールであることが好ましい。さらに脂肪族ジオールは結晶性の観点から、直鎖型であることがより好ましい。
炭素数2〜20の直鎖型脂肪族ジオールとしては、以下の化合物が挙げられる。
1,2−エタンジオール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,7−ヘプタンジオール、1,8−オクタンジオール、1,9−ノナンジオール、1,10−デカンジオール、1,11−ウンデカンジオール、1,12−ドデカンジオール、1,13−トリデカンジオール、1,14−テトラデカンジオール、1,18−オクタデカンジオール及び1,20−エイコサンジオール。
これらの中でも、融点の観点から、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,7−ヘプタンジオール、1,8−オクタンジオール、1,9−ノナンジオール、1,10−デカンジオールが好ましい。これらは単独で用いてもよく、2種類以上を混合して用いることも可能である。
また、二重結合を持つ脂肪族ジオールを用いることもできる。二重結合を持つ脂肪族ジオールとしては、以下の化合物を挙げることができる。
2−ブテン−1,4−ジオール、3−ヘキセン−1,6−ジオール及び4−オクテン−1,8−ジオール。
炭素数2〜20の直鎖型脂肪族ジカルボン酸としては、以下の化合物を挙げることができる。
蓚酸、マロン酸、琥珀酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、1,9−ノナンジカルボン酸、1,10−デカンジカルボン酸、1,11−ウンデカンジカルボン酸、1,12−ドデカンジカルボン酸、1,13−トリデカンジカルボン酸、1,14−テトラデカンジカルボン酸、1,16−ヘキサデカンジカルボン酸及び1,18−オクタデカンジカルボン酸、及びそれらの低級アルキルエステルや酸無水物。
これらのうち、セバシン酸、アジピン酸、及び1,10−デカンジカルボン酸、並びにそれらの低級アルキルエステルや酸無水物が特に好ましい。これらは単独で用いてもよく、2種類以上を混合して用いることも可能である。
また、芳香族ジカルボン酸を併用することもできる。芳香族ジカルボン酸としては、以下の化合物を挙げることができる。
テレフタル酸、イソフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、及び4,4’−ビフェニルジカルボン酸。
これらの中でも、テレフタル酸が入手の容易性や低融点のポリマーを形成しやすいという点で好ましい。
例えば、脂肪族ラクトンの開環重合を用いた結晶性ポリエステルの製造は、重合温度が100℃以上180℃以下の間で行うのが好ましく、溶媒中で行うことができる。
溶媒は、脂肪族ラクトン、重合触媒、重合開始剤と反応しない不活性溶媒であり、トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素、ヘキサン、シクロヘキサンなどの脂肪族又は脂環式炭化水素を用いることができる。これらの溶媒は、実質的には、無水のものが好ましい。
開環重合に使用可能な重合開始剤としては、公知の以下の重合開始剤を用いることができる。モノオール、ジオール、トリオール、ポリオール。これらは、単独でも2種類以上を併用してもよい。
また、脂肪族ジオールと脂肪族ジカルボン酸との反応による結晶性ポリエステルの製造は、直接重縮合法又はエステル交換法を用い、モノマーの種類によって使い分けて製造することができる。
重合は、180℃以上230℃以下で行うのが好ましく、必要に応じて反応系内を減圧し、重縮合反応時に発生する水やアルコールを除去しながら反応させるのが好ましい。
結晶性ポリエステルの製造時に使用可能な触媒としては、以下の化合物を挙げることができる。チタンテトラエトキシド、チタンテトラプロポキシド、チタンテトライソプロポキシド及びチタンテトラブトキシドのようなチタン触媒、又は、ジブチルスズジクロライド、ジブチルスズオキシド及びジフェニルスズオキシドのようなスズ触媒。
非晶性ポリエステルのTgは、50℃以上130℃以下であることが好ましく、55℃以上110℃以下であることがより好ましい。
非晶性ポリエステルの製造に使用可能なモノマーとしては、従来公知の2価又は3価以上のカルボン酸と、2価又は3価以上のアルコールが挙げられる。これらモノマーの具体例としては、以下のものが挙げられる。
2価のカルボン酸としては、琥珀酸、アジピン酸、セバシン酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、マロン酸、ドデセニルコハク酸のような二塩基酸、及びこれらの無水物又はこれらの低級アルキルエステル、並びに、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸及びシトラコン酸のような脂肪族不飽和ジカルボン酸。
また、3価以上のカルボン酸としては、1,2,4−ベンゼントリカルボン酸、1,2,5−ベンゼントリカルボン酸、及びこれらの無水物又はこれらの低級アルキルエステル。
これらは1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
アルキレングリコール及びアルキレンエーテルグリコールのアルキル部分は直鎖状であっても、分岐していてもよい。
また、3価以上のアルコールとしては、以下の化合物を挙げることができる。グリセリン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン及びペンタエリスリトール。
これらは1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
なお、酸価や水酸基価の調整を目的として、必要に応じて酢酸及び安息香酸のような1価の酸、シクロヘキサノール及びベンジルアルコールのような1価のアルコールも併用することができる。
非晶性ポリエステルの合成方法については特に限定されないが、例えばエステル交換法や直接重縮合法を単独で又は組み合わせて用いることができる。
結着樹脂Aは、上記ビニル系重合体やポリエステルを単独で用いてもよいし、混合して用いてもよい。また、他の重合体との共重合体の形態で用いてもよい。
ここで、部分構造Xは、前記分散媒体に対して親和性を有する部位であり、工程(b)において、分散媒体側に広がる。
一方、部分構造Yは液滴に対して親和性を有する部位であり、工程(b)において液滴に吸着する。これにより、高分子分散剤Bは液滴の表面に偏在することが可能になる。
なお、高分子分散剤Bの添加量は、結着樹脂A100質量部に対して、5.0質量部以上50.0質量部以下であることが好ましく、15.0質量部以上35.0質量部以下であることがより好ましい。
高分子分散剤B中の部分構造Xの含有割合は、20.0質量%以上50.0質量%以下であることが好ましい。
高分子分散剤B中の部分構造Yの含有割合は、20.0質量%以上60.0質量%以下であることが好ましい。
部分構造Xの溶解度パラメータをSP(X)とし、
部分構造Yの溶解度パラメータをSP(Y)としたときに、
SP(A)、SP(X)及びSP(Y)が、下記式(3)及び(4)を満たすことが好ましく、下記式(3)’及び(4)’を満たすことがより好ましい。
│SP(A)―SP(Y)│≦2.0 (3)
SP(Y)―SP(X)≧3.0 (4)
│SP(A)―SP(Y)│≦1.8 (3)’
6.0≧SP(Y)―SP(X)≧3.0 (4)’
上記式(3)及び(4)を満たす条件下で、トナー粒子を製造することにより、高分子分散剤Bは、液滴への吸着と分散媒体への広がりを両立することができる。
それの結果、液滴の分散安定性がより向上し、トナー粒子の小粒径化かつ粒度分布のさらなるシャープ化を達成することができる。
さらに、上記式(4)を満たすことで、部分構造Xの溶解度パラメータは部分構造Yに比べ十分に小さい値となる。これにより結着樹脂Aや部分構造Yに比べ溶解度パラメータが小さい分散媒体に対して十分な親和性を持ち、かつ高い分散性を示す部位とすることができる。
以上により高分子分散剤Bは、液滴に対して高い吸着性を示す部分構造Yと、分散媒体に対して高い分散性を持つ部分構造Xを同時に有することから、液滴の分散安定性が向上する。そして、得られたトナー粒子について、さらなる小粒径化かつ粒度分布のシャープ
化を達成することができる。
また、上記式(4)においてSP(Y)―SP(X)の値が3.0以上であることで、部分構造Xの分散媒体に対する親和性が向上し、高分子分散剤Bの分散性が得られる。その結果、液滴の分散安定性が向上する。
結着樹脂AのSP値は、結着樹脂Aを構成する主成分の樹脂を用いることによって算出する。また、主成分とする樹脂に対して他成分の樹脂を少量含む場合についても、主成分の樹脂を用いてSP値を算出する。ここで、主成分とは、結着樹脂Aを構成する全樹脂中の含有割合が最も多い樹脂をいう。
[式(C1)中、R1及びR2は、それぞれ独立して、炭素数1以上3以下のアルキル基を表し、nは2以上160以下(好ましくは、3以上133以下)の整数を表す。]
有機ポリシロキサン構造とは、SiO結合の繰り返し単位を持ち、Siにアルキル基が二つ結合した構造である。その特性は低極性であり、また、Si−O結合は、C−C結合と比べて結合間距離が長いことから、非常に柔軟性の高い構造となっている。
従って、高分子分散剤Bが有する部分構造Xが、極性の低い分散媒体へと容易に広がることが可能であり、排除体積効果を十分に発揮することができ、液滴の分散性を得ることが可能となる。
部分構造Yが該構造を含有することで、結着樹脂Aを含有する液滴との親和性を高くすることができ、液滴との十分な吸着性を得ることができる。
部分構造Yは、結着樹脂Aを構成する重合体と同種の構造にすることがより好ましい。高分子分散剤Bが、該部分構造X及び部分構造Yを有することにより、上記式(3)及び(4)を満たすことが可能となり、液滴の分散安定性を向上させることが可能となる。
ポリエステルについては、結着樹脂Aの説明で述べた結晶性ポリエステルや非晶性ポリエステルを用いることができる。
ポリエーテルは、例えば、下記式(C2)で表されるポリエーテル構造を有するものが挙げられる。
式(C2)中、mは1以上3以下の整数であり、xは0又は1であり、R3は水素原子又は炭素数1以上3以下のアルキル基を表し、pは1以上(好ましくは、5以上90以下)の整数であることが好ましい。
モノマーXは、有機ポリシロキサン構造の片末端に、重合性不飽和基を有する化合物であることが好ましい。該モノマーXを含有するモノマー組成物を重合させることによって、連続相に親和性を有する構造の高分子分散剤Bを作製することができる。
有機ポリシロキサン構造の片末端に重合性不飽和基を有する化合物の一例を式(C8)に示す。
ここで、R4〜R5はそれぞれ独立して炭素数1以上3以下のアルキル基を表し、R6は炭素数1以上3以下のアルキレン基を表し、R7は水素原子又はメチル基を表す。上記化合物の合成方法としては、カルビノール変性ポリシロキサンと、アクリル酸クロライド又はメタクリル酸クロライドの脱塩酸反応による方法が挙げられる。
部分構造Yの片末端に重合性不飽和基を有する化合物の一例を式(C9)に示す。
ここで、R8は水素原子又はメチル基を表す。上記化合物の合成方法としては、スチレンのリビングアニオン重合により、ポリスチレンアニオンを合成し、エチレンオキサイドに続いてアクリル酸クロライド又はメタクリル酸クロライドにより脱塩酸反応をする方法が挙げられる。
(1)ラクトン環の開環重合により作製したポリエステルとビニル系化合物とをカップリングさせる方法。
具体的には、以下の手法が挙げられる。
(1−1)脂肪族ラクトンを開環重合して得られる末端にヒドロキシ基を有するポリエステルと、カルボキシ基を含有するビニル系化合物とを、縮合反応によってカップリングさせる方法。
(1−2)脂肪族ラクトンを開環重合して得られる末端にヒドロキシ基を有するポリエステルと、酸ハロゲン化物を脱塩酸反応によってカップリングさせる方法。
(1−1)の方法で使用するカルボキシ基を含有するビニル系化合物は、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、イソクロトン酸、2−メタクリロキシエチルサクシニク酸、2−メタクリロキシエチルヘキサハイドロフタル酸、2−メタクリロキシエチル
グルタレート;(無水)マレイン酸,フマル酸,(無水)イタコン酸のようなジカルボン酸及びその無水物;モノメチルマレイン酸、モノエチルマレイン酸、モノブチルマレイン酸、モノオクチルマレイン酸、モノメチルフマル酸、モノエチルフマル酸、モノブチルフマレイン酸、モノオクチルフマル酸、モノメチルイタコン酸、モノエチルイタコン酸、モノブチルイタコン酸、モノオクチルイタコン酸などのジカルボン酸のモノアルキルエステルなどが挙げられるが、アクリル酸、メタクリル酸が好ましい。
カルボキシ基を含有するビニル系化合物は単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
(1−2)の方法で使用する前記酸ハロゲン化物は、例えば、カルボン酸塩化物としてアクリル酸クロライド、メタクリル酸クロライドが挙げられる。
カップリングでは、ポリエステルの末端官能基との反応が可能な官能基を含有するビニル系化合物を直接カップリングさせてもよい。また、ポリエステルの末端を、ビニル系化合物が含有する官能基との反応が可能になるよう、結合剤を用いて修飾してカップリングさせてもよい。具体的には、以下の方法が挙げられる。
(2−1)末端にカルボキシ基を有するポリエステルとヒドロキシ基を含有するビニル系化合物を、縮合反応によってカップリングさせる方法。
この場合、ポリエステルの調製ではジカルボン酸とジオールのモル比(ジカルボン酸/ジオール)は1.02以上1.20以下であることが好ましい。
(2−2)末端にヒドロキシ基を有するポリエステルと、イソシアネート基を有するビニル系化合物を、ウレタン化反応によってカップリングさせる方法。
(2−3)末端にヒドロキシ基を有するポリエステルとヒドロキシ基を有するビニル系化合物を、結合剤であるジイソシアネートを用いてウレタン化反応によってカップリングさせる方法。
(2−2)と(2−3)の方法で使用するポリエステルの調製ではジカルボン酸とジオールのモル比(ジオール/ジカルボン酸)は1.02以上1.20以下であることが好ましい。
2−イソシアナトエチルアクリレート、2−イソシアナトエチルメタクリレート、メタクリル酸2−(0−[1’−メチルプロピリデンアミノ]カルボキシアミノ)エチル、2−[(3,5−ジメチルピラゾリル)カルボニルアミノ]エチルメタクリレート、m−イソプロペニル−α,α−ジメチルベンジルイソシアネート。これらの中でも、好ましいものは2−イソシアナトエチルアクリレート及び2−イソシアナトエチルメタクリレートである。
炭素数(NCO基中の炭素を除く、以下同様)6以上20以下の芳香族ジイソシアネー
ト、炭素数2以上18以下の脂肪族ジイソシアネート、炭素数4以上15以下の脂環式ジイソシアネート、及びこれらのジイソシアネートの変性物(ウレタン基、カルボジイミド基、アロファネート基、ウレア基、ビューレット基、ウレトジオン基、ウレトイミン基、イソシアヌレート基、オキサゾリドン基含有変性物。以下、変性ジイソシアネートともいう)。
芳香族ジイソシアネートとしては、例えば以下のものが挙げられる。m−及び/又はp−キシリレンジイソシアネート(XDI)、α,α,α’,α’−テトラメチルキシリレンジイソシアネート。
脂肪族ジイソシアネートとしては、以下のものが挙げられる。エチレンジイソシアネート、テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)、ドデカメチレンジイソシアネート。
脂環式ジイソシアネートとしては、以下のものが挙げられる。イソホロンジイソシアネート(IPDI)、ジシクロヘキシルメタン−4,4’−ジイソシアネート、シクロヘキシレンジイソシアネート、メチルシクロヘキシレンジイソシアネート。
これらのうちで好ましいものはXDI及びHDI、IPDIである。
末端にヒドロキシ基を有するポリエーテル構造と、イソシアネート基と、重合性不飽和基を有するラジカル重合性化合物とを、ウレタン化反応によってカップリングさせる方法。
末端にヒドロキシ基を有するポリエーテル構造と、ヒドロキシ基と、重合性不飽和基を有するラジカル重合性化合物とを、結合剤であるジイソシアネートを用いてウレタン化反応によってカップリングさせる方法。
脂肪族ビニル炭化水素:アルケン類、例えばエチレン、プロピレン、ブテン、イソブチレン、ペンテン、ヘプテン、ジイソブチレン、オクテン、ドデセン、オクタデセン、前記以外のα−オレフィン;アルカジエン類、例えばブタジエン、イソプレン、1,4−ペンタジエン、1,6−ヘキサジエン及び1,7−オクタジエン。
脂環式ビニル炭化水素:モノ−又はジ−シクロアルケン及びアルカジエン類、例えばシクロヘキセン、シクロペンタジエン、ビニルシクロヘキセン、エチリデンビシクロヘプテン;テルペン類、例えばピネン、リモネン、インデン。
芳香族ビニル炭化水素:スチレン及びそのハイドロカルビル(アルキル、シクロアルキル、アラルキル及び/又はアルケニル)置換体、例えばα−メチルスチレン、ビニルトルエン、2,4−ジメチルスチレン、エチルスチレン、イソプロピルスチレン、ブチルスチレン、フェニルスチレン、シクロヘキシルスチレン、ベンジルスチレン、クロチルベンゼン、ジビニルベンゼン、ジビニルトルエン、ジビニルキシレン、トリビニルベンゼン;及びビニルナフタレン。
カルボキシ基含有ビニル系モノマー及びその金属塩:炭素数3以上30以下の不飽和モノカルボン酸、不飽和ジカルボン酸並びにその無水物及びそのモノアルキル(炭素数1以上27以下)エステル、例えばアクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、無水マレイン酸、マレイン酸モノアルキルエステル、フマル酸、フマル酸モノアルキルエステル、クロトン酸、イタコン酸、イタコン酸モノアルキルエステル、イタコン酸グリコールモノエーテル、シトラコン酸、シトラコン酸モノアルキルエステル、桂皮酸のカルボキシ基含有ビニル系モノマー。
タクリレート、メチル4−ビニルベンゾエート、シクロヘキシルメタクリレート、ベンジルメタクリレート、フェニルアクリレート、フェニルメタクリレート、ビニルメトキシアセテート、ビニルベンゾエート、エチルα−エトキシアクリレート、炭素数1以上11以下のアルキル基(直鎖若しくは分岐)を有するアルキルアクリレート及びアルキルメタクリレート(メチルアクリレート、メチルメタクリレート、エチルアクリレート、エチルメタクリレート、プロピルアクリレート、プロピルメタクリレート、ブチルアクリレート、ブチルメタクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、2−エチルヘキシルメタクリレート、ジアルキルフマレート(フマル酸ジアルキルエステル)(2個のアルキル基は、炭素数2以上8以下の、直鎖、分枝鎖若しくは脂環式の基である)、ジアルキルマレエート(マレイン酸ジアルキルエステル)(2個のアルキル基は、炭素数2以上8以下の、直鎖、分枝鎖若しくは脂環式の基である)、ポリアリロキシアルカン類(ジアリロキシエタン、トリアリロキシエタン、テトラアリロキシエタン、テトラアリロキシプロパン、テトラアリロキシブタン、テトラメタアリロキシエタン)、ポリアルキレングリコール鎖を有するビニル系モノマー(ポリエチレングリコール(分子量300)モノアクリレート、ポリエチレングリコール(分子量300)モノメタクリレート、ポリプロピレングリコール(分子量500)モノアクリレート、ポリプロピレングリコール(分子量500)モノメタクリレート、メチルアルコールエチレンオキサイド(エチレンオキサイドを以下EOと略記する)10モル付加物アクリレート、メチルアルコールエチレンオキサイド(エチレンオキサイドを以下EOと略記する)10モル付加物メタクリレート、ラウリルアルコールEO30モル付加物アクリレートラウリルアルコールEO30モル付加物メタクリレート)、ポリアクリレート類及びポリメタクリレート類(多価アルコール類のポリアクリレート及びポリメタクリレート。
ラジカル重合に使用可能な重合開始剤としては、例えば以下のものが挙げられる。
2,2’−アゾビス−(2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、1,1’−アゾビス(シクロヘキサン−1−カルボニトリル)、2,2’−アゾビス−4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル、アゾビスイソブチロニトリルのようなアゾ系又はジアゾ系重合開始剤;ベンゾイルペルオキシド、メチルエチルケトンペルオキシド、ジイソプロピルペルオキシカーボネート、クメンヒドロペルオキシド、2,4−ジクロロベンゾイルペルオキシド、ラウロイルペルオキシド、tert−ブチル−パーオキシピバレートのような過酸化物系重合開始剤。
重合開始剤の使用量は、目的とする重合度により変化するが、一般的には、モノマー100質量部に対して、0.1質量部以上20.0質量部以下である。
重合開始剤の種類は、重合法により異なるが、10時間半減期温度を参考に、単独又は混合して使用される。
また、高分子分散剤Bは、原子移動ラジカル重合(ATRP)、可逆的付加開裂連鎖移動(RAFT)、ニトロキシド媒介ラジカル重合(NMP)などのリビングラジカル重合によっても得ることができる。
Mwが上記範囲であることで、高分子分散剤Bに含まれる部分構造Xは、上記工程(b)において分散媒体へと広がることが可能となり、排除体積効果を十分に発揮でき、液滴の安定性の維持が容易になる。その結果、粒度分布のさらなるシャープ化が可能となる。
また、工程(b)において、分散相の粘度上昇に伴うせん断力低下を防止しやすく、液滴の粒径及び粒度分布を適切な範囲に制御しやすい。
イエロー用着色剤としては、以下のものが挙げられる。縮合アゾ化合物、イソインドリノン化合物、アントラキノン化合物、アゾ金属錯体、メチン化合物、アリルアミド化合物。具体的には、C.I.ピグメントイエロー12、13、14、15、17、62、74、83、93、94、95、109、110、111、128、129、147、155、168、180が好適に用いられる。
マゼンタ用着色剤としては、以下のものが挙げられる。縮合アゾ化合物、ジケトピロロピロール化合物、アントラキノン化合物、キナクリドン化合物、塩基染料レーキ化合物、ナフトール化合物、ベンズイミダゾロン化合物、チオインジゴ化合物、ペリレン化合物。具体的には、C.I.ピグメントレッド2、3、5、6、7、23、48:2、48:3、48:4、57:1、81:1、122、144、146、166、169、177、184、185、202、206、220、221、254が好適に用いられる。
シアン用着色剤としては、以下のものが挙げられる。銅フタロシアニン化合物及びその誘導体、アントラキノン化合物、塩基染料レーキ化合物。具体的には、C.I.ピグメントブルー1、7、15、15:1、15:2、15:3、15:4、60、62、66が好適に用いられる。
着色剤Cは、色相角、彩度、明度、耐光性、OHP透明性、トナー中の分散性の観点から選択される。
着色剤Cの添加量は、結着樹脂A100.0質量部に対して、1.0質量部以上20.0質量部以下であることが好ましい。着色剤Cとして磁性体を用いる場合、その添加量は、結着樹脂A100.0質量部に対して、40.0質量部以上150.0質量部以下であることが好ましい。
低分子量ポリエチレン、低分子量ポリプロピレン、低分子量オレフィン共重合体、マイクロクリスタリンワックス、パラフィンワックス、フィッシャートロプシュワックスのような脂肪族炭化水素系ワックス;酸化ポリエチレンワックスのような脂肪族炭化水素系ワックスの酸化物;脂肪族炭化水素系エステルワックスのような脂肪酸エステルを主成分とするワックス;及び脱酸カルナバワックスのような脂肪酸エステルを一部又は全部を脱酸化したもの;ベヘニン酸モノグリセリドのような脂肪酸と多価アルコールの部分エステル化物;植物性油脂を水素添加することによって得られるヒドロキシ基を有するメチルエステル化合物。
これらのうち、脂肪族炭化水素系ワックス及びエステルワックスが好ましい。
また、エステルワックスは、エステル結合を3つ以上有するエステルワックスであることが好ましく、より好ましくはエステル結合を4つ以上有するエステルワックス、さらに好ましくはエステル結合を6つ以上有するエステルワックスである。
エステル結合を3つ以上有するエステルワックスは、例えば、3価以上のカルボン酸と長鎖直鎖飽和モノアルコールとの縮合、又は3価以上のアルコールと長鎖直鎖飽和脂肪酸との合成によって得られる。
3価以上のアルコールとしては以下を挙げることができるが、これに限定されるものではない。場合によっては混合して用いることも可能である。グリセリン、トリメチロールプロパン、エリスリトール、ペンタエリスリトール、ソルビトール。また、これらの縮合物も用いることができる。例えば、グリセリンの縮合したジグリセリン、トリグリセリン、テトラグリセリン、ヘキサグリセリン及びデカグリセリンなどのいわゆるポリグリセリン、トリメチロールプロパンの縮合したジトリメチロールプロパン、トリストリメチロールプロパン及びペンタエリスリトールの縮合したジペンタエリスリトール及びトリスペンタエリスリトールなどが挙げられる。これらのうち、分岐構造をもつ構造が好ましく、ペ
ンタエルスリトール、又はジペンタエリスリトールがより好ましく、特にジペンタエリスリトールが好ましい。
以下を挙げることができるが、これに限定されるものではない。場合によっては混合して用いることも可能である。カプロン酸、カプリル酸、オクチル酸、ノニル酸、デカン酸、ドデカン酸、ラウリン酸、トリデカン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ベヘン酸が挙げられる。ワックスの融点の観点からミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ベヘン酸が好ましい。
3価以上のカルボン酸としては以下を挙げることができるが、これに限定されるものではない。場合によっては混合して用いることも可能である。トリメリット酸、ブタンテトラカルボン酸。
長鎖直鎖飽和モノアルコールはCnH2n+1OHで表され、nが5以上28以下のものが好ましく用いられる。
以下を挙げることができるが、これに限定されるものではない。場合によっては混合して用いることも可能である。カプリルアルコール、ラウリルアルコール、ミリスチルアルコール、パルミチルアルコール、ステアリルアルコール、ベヘニルアルコールが挙げられる。ワックスの融点の観点からミリスチルアルコール、パルミチルアルコール、ステアリルアルコール、ベヘニルアルコールが好ましい。
ワックスの添加量は、結着樹脂A100質量部に対して、1.0質量部以上20.0質量部以下であることが好ましく、2.0質量部以上15.0質量部以下であることがより好ましい。
ワックスは、示差走査熱量計(DSC)による測定において、60℃以上120℃以下に最大吸熱ピーク(すなわち、融点)を有することが好ましい。より好ましくは60℃以上90℃以下である。
荷電制御剤を配合することにより、荷電特性を安定化させ、現像システムに応じた最適の摩擦帯電量のコントロールが可能となる。
荷電制御剤としては、公知のものが利用でき、特に帯電スピードが速く、かつ、一定の帯電量を安定して維持できる荷電制御剤が好ましい。
荷電制御剤として、トナーを負荷電性に制御するものとしては、有機金属化合物、キレート化合物が有効であり、モノアゾ金属化合物、アセチルアセトン金属化合物、芳香族オキシカルボン酸、芳香族ダイカルボン酸、オキシカルボン酸及びダイカルボン酸系の金属化合物が挙げられる。
トナーを正荷電性に制御するものとしては、以下のものが挙げられる。ニグロシン、四級アンモニウム塩、高級脂肪酸の金属塩、ジオルガノスズボレート類、グアニジン化合物、イミダゾール化合物。
荷電制御剤の添加量は、結着樹脂A100.0質量部に対して、0.01質量部以上20.0質量部以下であることが好ましく、より好ましくは0.5質量部以上10.0質量部以下である。
流動性向上剤としては、無機微粒子が好ましく、シリカ微粒子、酸化チタン微粒子、アルミナ微粒子又はそれらの複酸化物微粒子のような微粒子が挙げられる。該無機微粒子の中でもシリカ微粒子及び酸化チタン微粒子が好ましい。
シリカ微粒子としては、ケイ素ハロゲン化物の蒸気相酸化により生成された乾式シリカ又はヒュームドシリカ、及び水ガラスから製造される湿式シリカが挙げられる。
なかでも、表面及びシリカ微粒子の内部にあるシラノール基が少なく、またNa2O、
SO3 2−の少ない乾式シリカの方が好ましい。また乾式シリカは、製造工程において、塩化アルミニウム、塩化チタンのような金属ハロゲン化合物をケイ素ハロゲン化合物と共に用いることによって製造された、シリカと他の金属酸化物の複合微粒子であってもよい。
無機微粒子は疎水化処理されることによって、トナーの帯電量の調整、環境安定性の向上、高湿環境下での特性の向上を達成することができるため、疎水化処理された無機微粒子を用いることがより好ましい。 無機微粒子の疎水化処理に用いられる処理剤としては、未変性のシリコーンワニス、各種変性シリコーンワニス、未変性のシリコーンオイル、各種変性シリコーンオイル、シラン化合物、シランカップリング剤、その他有機ケイ素化合物、有機チタン化合物が挙げられる。これらの処理剤は単独で又は併用して用いてもよい。
その中でも、シリコーンオイルにより処理された無機微粒子が好ましい。より好ましくは、無機微粒子をカップリング剤で疎水化処理すると同時又は処理した後に、シリコーンオイルにより処理したシリコーンオイル処理された疎水化処理無機微粒子が高湿環境下でもトナー粒子の帯電量を高く維持し、選択現像性を低減する上で好ましい。
無機微粒子の添加量は、トナー粒子100.0質量部に対して、0.1質量部以上4.0質量部以下であることが好ましく、より好ましくは0.2質量部以上3.5質量部以下である。
<数平均分子量(Mn)、重量平均分子量(Mw)の測定方法>
重合体及びトナー粒子の数平均分子量(Mn)、重量平均分子量(Mw)は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により、以下のようにして測定する。
まず、室温で24時間かけて、試料をテトラヒドロフラン(THF)に溶解する。そして、得られた溶液を、ポア径が0.2μmの耐溶剤性メンブランフィルター「マイショリディスク」(東ソー社製)で濾過してサンプル溶液を得る。なお、サンプル溶液は、THFに可溶な成分の濃度が約0.8質量%となるように調製する。このサンプル溶液を用いて、以下の条件で測定する。
装置:HLC8120 GPC(検出器:RI)(東ソー社製)
カラム:Shodex KF−801、802、803、804、805、806、807の7連(昭和電工社製)
溶離液:テトラヒドロフラン(THF)
流速:1.0mL/min
オーブン温度:40.0℃
試料注入量:0.10mL
試料の分子量の算出にあたっては、標準ポリスチレン樹脂(商品名「TSKスタンダード ポリスチレン F−850、F−450、F−288、F−128、F−80、F−40、F−20、F−10、F−4、F−2、F−1、A−5000、A−2500、A−1000、A−500」、東ソ−社製)を用いて作成した分子量校正曲線を使用する。
アルミ皿に測定試料を2.0g採取して乾燥前の質量を測定し、110℃の乾燥機中で乾燥させ、不揮発分の質量を測定する。乾燥前の質量に対する不揮発分の質量の百分率を、固形分として算出する。
着色剤分散液の吸収率は、100−(着色剤分散液の透過率)で定義する。
着色剤分散液の透過率の測定は、島津自記分光光度計UV−3100PC(島津製作所製)を用いる。光路長10mm幅となる石英セルを使用し、波長350nm〜800nmの範囲で着色剤分散液の透過率を測定する。
粒子の粒子径は、マイクロトラック粒度分布測定装置HRA(X−100)(日機装社製)を用い、0.001μm〜10μmのレンジ設定で測定を行い、体積平均粒子径(μm又はnm)として測定する。なお、希釈溶媒としては水を選択する。
トナー粒子の重量平均粒径(D4)、個数平均粒径(D1)及び粒度分布(D4/D1)は、以下のようにして算出する。測定装置としては、100μmのアパーチャーチューブを備えた細孔電気抵抗法による精密粒度分布測定装置「コールター・カウンター Multisizer 3」(登録商標、ベックマン・コールター社製)を用いる。測定条件の設定及び測定データの解析は、付属の専用ソフト「ベックマン・コールター Multisizer 3 Version3.51」(ベックマン・コールター社製)を用いる。なお、測定は実効測定チャンネル数2万5千チャンネルで行う。
測定に使用する電解水溶液は、特級塩化ナトリウムをイオン交換水に溶解して濃度が約1質量%となるようにしたもの、例えば、「ISOTON II」(ベックマン・コールター社製)が使用できる。
なお、測定、解析を行う前に、以下のように前記専用ソフトの設定を行う。
前記専用ソフトの「標準測定方法(SOM)を変更」画面において、コントロールモードの総カウント数を50,000粒子に設定し、測定回数を1回、Kd値は「標準粒子10.0μm」(ベックマン・コールター社製)を用いて得られた値を設定する。「閾値/ノイズレベルの測定ボタン」を押すことで、閾値とノイズレベルを自動設定する。また、カレントを1600μAに、ゲインを2に、電解液をISOTON IIに設定し、「測定後のアパーチャーチューブのフラッシュ」にチェックを入れる。
前記専用ソフトの「パルスから粒径への変換設定」画面において、ビン間隔を対数粒径に、粒径ビンを256粒径ビンに、粒径範囲を2μmから60μmまでに設定する。
具体的な測定法は以下の通りである。
(1)Multisizer 3専用のガラス製250mL丸底ビーカーに前記電解水溶液約200mLを入れ、サンプルスタンドにセットし、スターラーロッドの撹拌を反時計回りで24回転/秒にて行う。そして、専用ソフトの「アパーチャーのフラッシュ」機能により、アパーチャーチューブ内の汚れと気泡を除去しておく。
(2)ガラス製の100mL平底ビーカーに前記電解水溶液約30mLを入れる。この中に分散剤として「コンタミノンN」(非イオン界面活性剤、陰イオン界面活性剤、有機ビルダーからなるpH7の精密測定器洗浄用中性洗剤の10質量%水溶液、和光純薬工業社製)をイオン交換水で約3質量倍に希釈した希釈液を約0.3mL加える。
(3)発振周波数50kHzの発振器2個を、位相を180度ずらした状態で内蔵し、電気的出力120Wの超音波分散器「Ultrasonic Dispersion System Tetora150」(日科機バイオス社製)を準備する。超音波分散器の水槽内に約3.3Lのイオン交換水を入れ、この水槽中にコンタミノンNを約2mL添加する。
(4)前記(2)のビーカーを前記超音波分散器のビーカー固定穴にセットし、超音波分散器を作動させる。そして、ビーカー内の電解水溶液の液面の共振状態が最大となるようにビーカーの高さ位置を調整する。
(5)前記(4)のビーカー内の電解水溶液に超音波を照射した状態で、トナー粒子約10mgを少量ずつ前記電解水溶液に添加し、分散させる。そして、さらに60秒間超音波分散処理を継続する。なお、超音波分散にあたっては、水槽の水温が10℃以上40℃以下となる様に適宜調節する。
(6)サンプルスタンド内に設置した前記(1)の丸底ビーカーに、ピペットを用いてトナー粒子を分散した前記(5)の電解水溶液を滴下し、測定濃度が約5%となるように調
整する。そして、測定粒子数が50,000個になるまで測定を行う。
(7)測定データを装置付属の前記専用ソフトにて解析を行い、重量平均粒径(D4)及び個数平均粒径(D1)を算出する。なお、前記専用ソフトでグラフ/体積%と設定したときの、「分析/体積統計値(算術平均)」画面の「平均径」が重量平均粒径(D4)であり、前記専用ソフトでグラフ/個数%と設定したときの、「分析/個数統計値(算術平均)」画面の「平均径」が個数平均粒径(D1)である。また、D4/D1を粒度分布とする。
加熱乾燥した四つ口フラスコに窒素を導入しながら以下の原料を入れ、モノマー組成物を調製した。
・テレフタル酸 66.0部
・セバシン酸 21.0部
・ビスフェノールA−プロピレンオキサイド2モル付加物 100.0部
・ジ(2−エチルヘキサン酸)スズ 0.52部
上記モノマー組成物を窒素雰囲気下、200℃で5時間かけて反応させた。さらに、210℃にて無水トリメリット酸3.00部を添加して、40mmHgの減圧下にて2時間反応を行った。粘稠な状態となったところで空冷し、反応を停止させることにより、結着樹脂A1を得た。得られた結着樹脂A1の分子量は、Mnが4,000、Mwが15,600であった。
結着樹脂A1の製造例において、200℃での反応時間を2時間に変更する以外は同様にして、結着樹脂A2を得た。得られた結着樹脂A2の分子量は、Mnが1,800、Mwが4,100であった。
結着樹脂A1の製造例において、200℃での反応時間を3時間に変更する以外は同様にして、結着樹脂A3を得た。得られた結着樹脂A3の分子量は、Mnが2,000、Mwが7,500であった。
結着樹脂A1の製造例において、200℃での反応時間を4時間に変更する以外は同様にして、結着樹脂A4を得た。得られた結着樹脂A4の分子量は、Mnが2,700、Mwが11,000であった。
加熱乾燥した二口フラスコに、窒素を導入しながら以下の原料を仕込んだ。
・ε−カプロラクトン 100.0部
・ステアリルアルコール 1.5部
・酸化ジブチルスズ 0.20部
減圧操作により系内を窒素置換した後、160℃にて2時間攪拌を行った。その後、攪拌を続けながら減圧下にて230℃まで徐々に昇温し、さらに2時間保持した。粘稠な状態となったところで空冷し、反応を停止させることで、結着樹脂A5を得た。得られた結着樹脂A5の分子量は、Mnが18,900、Mwが29,000であった。
結着樹脂A5の製造例において、ステアリルアルコールの添加量を1.0部に変更する以外は同様にして、結着樹脂A6を得た。得られた結着樹脂A6の分子量は、Mnが27,400、Mwが40,800であった。
結着樹脂A5の製造例において、ステアリルアルコールの添加量を0.8部に変更する以外は同様にして、結着樹脂A7を得た。得られた結着樹脂A7の分子量は、Mnが33,000、Mwが47,000であった。
加熱乾燥した二口フラスコに、窒素を導入しながら以下の原料を仕込んだ。
・1,6−ヘキサンジオール 76.0部
・セバシン酸 124.5部
・酸化ジブチルスズ 0.1部
減圧操作により系内を窒素置換した後、180℃にて6時間攪拌を行った。その後、攪拌を続けながら減圧下にて230℃まで徐々に昇温し、さらに2時間保持した。粘稠な状態となったところで空冷し、反応を停止させることで、結晶性ポリエステル1を製造した。
・結晶性ポリエステル1 210.0部
・キシリレンジイソシアネート(XDI) 56.0部
・シクロヘキサンジメタノール(CHDM) 34.0部
・テトラヒドロフラン(THF) 300.0部
攪拌装置及び温度計を備えた反応容器中に、窒素置換をしながら上記を仕込んだ。
50℃まで加熱し、15時間かけてウレタン化反応を施した。溶媒であるTHFを留去し、結着樹脂A8を得た。得られた結着樹脂A8の分子量は、Mnが10,200、Mwが22,000であった。
結着樹脂A8の製造例において、セバシン酸の添加量を124.0部と変更する以外は同様にして、結着樹脂A9を得た。得られた結着樹脂A9の分子量は、Mnが12,000、Mwが27,400であった。
結着樹脂A8の製造例において、セバシン酸の添加量を122.7部と変更する以外は同様にして、結着樹脂A10を得た。得られた結着樹脂A10の分子量は、Mnが16,500、Mwが35,000であった。
加熱乾燥した四つ口フラスコに窒素を導入しながら以下の原料を入れ、モノマー組成物を調製した。
・テレフタル酸 85.0部
・イソフタル酸 1.0部
・ビスフェノールA−プロピレンオキサイド2モル付加物 41.3部
・ビスフェノールA−エチレンオキサイド2モル付加物 36.7部
・エチレングリコール 24.0部
・ジ(2−エチルヘキサン酸)スズ 0.52部
上記モノマー組成物を窒素雰囲気下、200℃で6時間かけて反応させた。粘稠な状態となったところで空冷し、反応を停止させることにより、結着樹脂A11を得た。得られ
た結着樹脂A11の分子量は、Mnが1,700、Mwが5,000であった。
加熱乾燥した二口フラスコに、窒素を導入しながら以下の原料とトルエン150.0部とN,N−ジメチルホルムアミド50.0部とを混合し、モノマー組成物を調製した。
・メタクリル酸(MAA) 10.0部
・アクリル酸ブチル(BA) 38.0部
・スチレン(St) 52.0部
上記モノマー組成物を250rpmで撹拌しながら、30分間窒素バブリングした後、重合開始剤としてアゾビスメトキシジメチルバレロニトリルを0.3部混合した。
その後、70℃で加熱し、5時間反応させ、さらに80℃に加熱し、1時間反応を行った。次に、空冷した後、混合したトルエンの5倍量のメタノールで再沈し、回収した沈殿物を乾燥することにより結着樹脂A12を得た。得られた結着樹脂A12の分子量は、Mnが12,600、Mwが18,600であった。
結着樹脂A12の製造例において、重合開始剤の添加量を0.5部に変更する以外は同様にして、結着樹脂A13を得た。得られた結着樹脂A13の分子量は、Mnが19,200、Mwが28,800であった。
結着樹脂A12の製造例において、重合開始剤の添加量を0.6部に変更する以外は同様にして、結着樹脂A14を得た。得られた結着樹脂A14の分子量は、Mnが23,200、Mwが34,800であった。
結着樹脂A12の製造例において、重合開始剤の添加量を0.75部に変更する以外は同様にして、結着樹脂A15を得た。得られた結着樹脂A15の分子量は、Mnが29,000、Mwが42,100であった。
また、結着樹脂A1〜A15の溶解度パラメータSP(A)を溶解度パラメータ計算ソフトウェア(Hansen Solubility Parameters in Practice:HSPiP 4th Edition 4.1.03)により、算出した。その結果を表1に示す。
攪拌装置のついたビーカーに、アセトン500.0部、結着樹脂A1〜A15を500.0部投入し、温度40℃で完全に溶解するまで攪拌を続け、結着樹脂A1溶液〜A15溶液を調製した。
本実施例としては、有機溶媒としてアセトンを使用する。このため、結着樹脂Aの溶解性指数Pの測定においても有機溶媒としてアセトンを使用した。
100.0部の結着樹脂A1を、アセトン400.0部に溶解し、固形分率20.0質量%の溶液P0を調製した。
この溶液P0に、ヘキサンを1.0部添加し、攪拌を10分間加え、10分間静置した後に、上層から試料を採取し固形分率を測定した。このとき、上層の固形分率は、19.9%であった。つぎに、溶液P0に、ヘキサンを2.0部添加し、攪拌を10分間加え、10分間静置した後に、上層から試料を採取し固形分率を測定した。
上記操作を繰り返し、溶液P0に、ヘキサンを87.0部添加した時の上層の固形分率は、15.5%(系の固形分率に対する比が91.0%)であった。
そして、溶液P0に、ヘキサンを88.0部添加した時の上層の固形分率は、14.5%(系の固形分率に対する比が85.0%)であり、該比が、はじめて90.0%以下となった。したがって、結着樹脂A1の溶解性指数Pは88.0と求められた。
結着樹脂A2〜A15についても同様の手順で溶解性指数Pを求めた。結果を表1に示す。
本実施例としては、有機溶媒としてアセトンを、着色剤Cとしてカーボンブラックを使用する。このため、着色剤Cの凝集指数Qの測定においても有機溶媒としてアセトンを、着色剤Cとしてカーボンブラックを使用した。
2.0部の結着樹脂A1を、アセトン400.0部に溶解し、溶液Q0を調製した。
この溶液Q0にカーボンブラック20.0部を混合し、ガラスビーズ600.0部を加え、ペイントシェーカーで4時間分散した。
ガラスビーズを除去した後の、402.0部の着色剤分散液Q1に、ヘキサンを1.0部添加し、攪拌を10分間加え、10分間静置した後に、吸収率を測定した。
なお、着色剤分散液Q1の700nm(吸収率が最大となる波長)における吸収率は95.9%であった。つぎに、着色剤分散液Q1に、ヘキサンを2.0部添加し、攪拌を10分間加え、10分間静置した後に、吸収率を測定した。
上記操作を繰り返し、着色剤分散液Q1に、ヘキサンを219.0部添加した時の700nmにおける吸収率は、91.1%(着色剤分散液Q1の吸収率に対する比が95.0%)であった。
そして、着色剤分散液Q1に、ヘキサンを220.0部添加した時の700nmにおける吸収率は、85.4%(着色剤分散液Q1の吸収率に対する比が89.1%)であり、該比が、はじめて90.0%以下となった。したがって、着色剤Cの凝集指数Qは220.0と求められた。
結着樹脂A2〜A15についても同様の手順でカーボンブラックの凝集指数Qを求めた。結果を表1に示す。
モノマーX1〜X3は、下記式(C10)で示される構造である。詳細を表2に示す。モノマーXについての溶解度パラメータSP(X)を計算ソフトウェアで算出した。その結果を表2に示す。
加熱乾燥した二口フラスコに、窒素を導入しながら表3に示すように以下の原料を仕込んだ。
・ε−カプロラクトン 200.0部
・ステアリルアルコール 28.1部
・酸化ジブチルスズ 0.1部
減圧操作により系内を窒素置換した後、180℃にて2時間攪拌を行った。その後、攪拌を続けながら減圧下にて230℃まで徐々に昇温し、さらに2時間保持した。粘稠な状態となったところで空冷し、反応を停止させることで、片末端にヒドロキシ基を有するポリエステルを合成した。その後、テトラヒドロフラン150.0部を加えて溶解させ、トリエチルアミン25.9部を加えた。そして、氷浴下でアクリル酸クロリド38.8部をゆっくりと滴下した。滴下終了後、氷浴下で3時間攪拌し、さらに室温で2時間攪拌した。溶媒を留去し、メタノールでの再沈殿を行うことで、ポリエステル構造を有するモノマーY1を得た。
モノマーY1の物性を表4に示す。また、部分構造YがポリエステルであるモノマーY1についての溶解度パラメータSP(Y)を計算ソフトウェアで算出した。その結果を表4に示す。
モノマーY1の製造例において、使用する原料の仕込み量を表3のように変更する以外は同様にして、モノマーY2及びY3を製造した。モノマーY2及びY3の物性を表4に示す。
加熱乾燥した二口フラスコに、窒素を導入しながら以下の原料を仕込んだ。
・1,6−ヘキサンジオール 76.0部
・セバシン酸 124.0部
・酸化ジブチルスズ 0.1部
減圧操作により系内を窒素置換した後、200℃にて2時間攪拌を行った。その後、攪拌を続けながら減圧下にて230℃まで徐々に昇温し、さらに2時間保持した。粘稠な状態となったところで空冷し、反応を停止した。
得られた重合体200.0部に対して、テトラヒドロフラン150.0部を加えて溶解させ、トリエチルアミン25.9部を加えた。その後、氷浴下でアクリル酸クロリド6.0部をゆっくりと滴下した。滴下終了後、氷浴下で3時間攪拌し、さらに室温で2時間攪拌した。溶媒留去、メタノールでの再沈殿を行うことで、ポリエステル構造を有するモノマーY4を得た。
モノマーY4の数平均分子量(Mn)は2,500、重量平均分子量(Mw)は3,000であった。また、部分構造YがポリエステルであるモノマーY4についての溶解度パラメータSP(Y)を計算ソフトウェアで算出した。その結果を表4に示す。
攪拌装置及び温度計を備えた反応容器中に、窒素置換をしながら表5に示すように以下の原料を仕込んだ。
・モノマーX1 30.0部
・モノマーY1 50.0部
・スチレン 10.0部
・メタクリル酸 10.0部
・アゾビスイソブチロニトリル(開始剤) 0.20部
・トルエン 200.0部
上記混合物を80℃まで加熱し、5時間反応を行った。室温まで冷却後、反応液をテトラヒドロフランに溶かした後、メタノールに投入して析出、洗浄することで、高分子分散剤B1を得た。得られた高分子分散剤B1の物性を表6に示す。
高分子分散剤B1の製造例において、使用する原料の種類、仕込み量及び反応温度、反応時間を表5のように変更する以外は同様にして、高分子分散剤B2〜B9を製造した。高分子分散剤B2〜B9の物性を表6に示す。
攪拌装置のついたビーカーに、アセトン50.0部、高分子分散剤B1〜B9をそれぞれ50.0部投入し、温度40℃で完全に溶解するまで攪拌を続け、高分子分散剤B1溶液〜B9溶液を製造した。
・カーボンブラック 100.0部
・アセトン 150.0部
・ガラスビーズ(直径1mm) 300.0部
上記材料を耐熱性のガラス容器に投入し、ペイントシェーカー(東洋精機製作所社製)にて5時間分散を行い、ナイロンメッシュにてガラスビーズを取り除き、体積平均粒径が200nm、固形分濃度が40.0質量%の着色剤分散液を得た。
・ジペンタエリスリトールパルチミン酸エステルワックス 16.0部
・ワックス分散剤 8.0部
(ポリエチレン15.0部の存在下、スチレン50.0部、n−ブチルアクリレート25.0部、及びアクリロニトリル10.0部をグラフト共重合させた、ピーク分子量8,500の共重合体)
・アセトン 76.0部
上記材料を、撹拌装置及び温度計を備えたガラスビーカー(IWAKIガラス製)に投入し、系内を50℃に加熱することによりワックスをアセトンに溶解させた。
ついで、系内を50rpmの条件にて緩やかに撹拌しながら徐々に冷却し、3時間かけて25℃まで冷却して、乳白色の液体を得た。
この液体を1mmのガラスビーズ20.0部とともに耐熱性の容器に投入し、ペイントシェーカーにて3時間分散を行った。その後、ナイロンメッシュにてガラスビーズを取り除き、体積平均粒径が270nm、固形分濃度が24.0質量%のワックス分散液を得た。
・高分子分散剤B1溶液 40.0部
・結着樹脂A1溶液 200.0部
・着色剤分散液 12.0部
・ワックス分散液 20.0部
・アセトン 20.0部
上記材料を容器に順番に投入し、ディスパー(特殊機化社製)を用い1000rpmで1分間攪拌することにより樹脂組成物1を得た。
図1に示す装置において、バルブV1、圧力調整バルブV2を閉じた状態で造粒タンクT1に、樹脂組成物1を投入し、30℃に温調した。
造粒タンクT1の内部を回転速度300rpmで撹拌しながら、バルブV1を開き、ボンベB1から二酸化炭素(純度99.99%)を造粒タンクT1に導入し、内部圧力がゲージ圧力3.0MPaに到達したところでバルブV1を閉じた。
導入した二酸化炭素の質量は、質量流量計を用いて測定したところ、320.0部であった。造粒タンクT1内の温度が30.0℃であることを確認し、回転速度1000rpmで10分間撹拌して造粒を行い、表面が高分子分散剤Bで覆われた樹脂溶液の液滴が分散媒体に分散された分散体の調製を行った。
次に、回転速度を300rpmまで落とし、バルブV1を開き、二酸化炭素を導入し、造粒タンクT1内のゲージ圧力を5.0MPaにした後、バルブV1を閉じた。
5分後、バルブV1を開け、ボンベB1からポンプP1を用いて二酸化炭素を造粒タンクT1内に導入した。この際、圧力調整バルブV2をゲージ圧力8.0MPaに設定し、造粒タンクT1の内部圧力をゲージ圧力8.0MPaに保持しながら、さらに二酸化炭素を流通させた。この操作により、造粒後の液滴中から抽出された有機溶媒(アセトン)を含む二酸化炭素を、溶媒回収タンクT2に排出し、有機溶媒と二酸化炭素を分離した。
1時間後にポンプP1を停止し、バルブV1を閉じ、圧力調整バルブV2を少しずつ開き、造粒タンクT1の内部圧力を大気圧まで減圧することで、フィルターに捕捉されているトナー粒子1を回収した。
100部のトナー粒子1に対して、ヘキサメチルジシラザンで処理された疎水性シリカ微粒子1.5部(一次粒子の個数平均粒径:10nm)を添加し、三井ヘンシェルミキサ(三井三池化工機株式会社製)で300秒間混合して、トナー1を得た。
トナー1の製造例において、使用する原材料の種類や仕込み量を表7に記載するように変更した以外は、トナー1の製造例と同様にしてトナー2〜18、及び、比較トナー1〜5を得た。
得られたトナー粒子1の粒度分布(D4/D1)について評価を行った。評価結果を表8に示す。なお、評価基準は以下の通りである。
A:D4/D1値が1.15未満
B:D4/D1値が1.15以上1.20未満
C:D4/D1値が1.20以上1.30未満
D:D4/D1値が1.30以上1.40未満
E:D4/D1値が1.40以上
市販のカラーレーザープリンターSatera LBP7700C(キヤノン(株)社製)用のカートリッジから中に入っているトナーを抜き取り、エアーブローにて内部を清掃した後、トナー1(150g)を充填した。
また、該カラーレーザープリンターの定着機を外して未定着画像を出力できるように変更し、画像濃度を調節可能にした。
さらに、一色のカートリッジだけの装着でも作動するよう改造した。
外した定着機は、定着機単体でも動作できるように改造し、さらにプロセススピードと温度を制御できるように改造して外部定着機とした。
上記カートリッジをプリンターに装着し、転写材の上部に30mmの空白の後、横150mm×縦30mmの帯画像を作成した。さらに帯画像のトナー載り量が0.35mg/cm2となるように設定した。転写材は、A4サイズのGF−C081(キヤノン社製、81.4g/m2)を用いた。
この帯画像を10枚出力し、上記外部定着機を用いて、プロセススピード230mm/sec、定着温度150℃で定着した。
得られた定着画像の画像濃度を測定して着色力を評価した。
なお、画像濃度の測定には「マクベス反射濃度計 RD918」(マクベス社製)を用いて測定した。原稿濃度が0.00の白下地部分のプリントアウト画像に対する相対濃度を測定し、定着画像1枚に付き左部、中央部及び右部の3点ずつ測定し、定着画像10枚の算術平均値で評価した。評価基準は以下の通りである。本発明において、C以上が効果が得られるレベルとした。評価結果を表9に示す。
A:画像濃度が1.40以上
B:画像濃度が1.35以上1.40未満
C:画像濃度が1.30以上1.35未満
D:画像濃度が1.25以上1.30未満
E:画像濃度が1.25未満
トナー(粒子)2〜18、及び、比較トナー(粒子)1〜5を用いて、実施例1と同様の評価を行った。得られた結果を表8又は表9に示す。
Claims (7)
- トナー粒子を有するトナーの製造方法であって、
(a)結着樹脂A、高分子分散剤B、着色剤C及び有機溶媒を含有する樹脂溶液を調製する工程、
(b)該樹脂溶液と二酸化炭素とを混合し、表面が該高分子分散剤Bで覆われた該樹脂溶液の液滴を形成する工程、
(c)該液滴に含まれる該有機溶媒を除去してトナー粒子を得る工程、
を有し、
該結着樹脂Aの溶解性指数をPとし、
該着色剤Cの凝集指数をQとしたとき、
該P及び該Qが、下記式(1)の関係を満足することを特徴とするトナーの製造方法。
Q−P≧0 (1) - 前記結着樹脂Aの溶解度パラメータをSP(A)とし、
前記結着樹脂Aの重量平均分子量をMw(A)としたときに、
該SP(A)及び該Mw(A)が、下記式(2)の関係を満足する、請求項1に記載のトナーの製造方法。
SP(A)+3.0×10−5×Mw(A)−19.3≧0 (2) - 前記結着樹脂Aが、スチレン、アクリレート、メタクリレート及びこれらの誘導体からなる群より選択される少なくとも1つを含む組成物の重合体、並びに、ポリエステルの少なくとも一方を含有する、請求項1又は2に記載のトナーの製造方法。
- 前記高分子分散剤Bは、部分構造X及び部分構造Yを有する重合体であり、
該部分構造Xは、下記式(C1)で示される有機ポリシロキサン構造を有し、
前記結着樹脂Aの溶解度パラメータをSP(A)とし、
該部分構造Xの溶解度パラメータをSP(X)とし、
該部分構造Yの溶解度パラメータをSP(Y)としたときに、
該SP(A)、該SP(X)及び該SP(Y)が、下記式(3)及び(4)を満たす、請求項1〜3のいずれか一項に記載のトナーの製造方法。
│SP(A)―SP(Y)│≦2.0 (3)
SP(Y)―SP(X)≧3.0 (4)
[式(C1)中、R1及びR2は、それぞれ独立して、炭素数1以上3以下のアルキル基を表し、nは2以上160以下の整数を表す。] - 前記部分構造Yが、スチレン、アクリレート、メタクリレート及びこれらの誘導体からなる群より選択される少なくとも1つを含む組成物の重合体、ポリエステル、又はポリエーテルを含有する、請求項4に記載のトナーの製造方法。
- 前記高分子分散剤Bの重量平均分子量が、50,000以上500,000以下である
、請求項1〜5のいずれか一項に記載のトナーの製造方法。 - 前記有機溶媒が、アセトン、メチルエチルケトン、テトラヒドロフラン、酢酸エチル、及びトルエンからなる群より選択される少なくとも1つを含有する、請求項1〜6のいずれか一項に記載のトナーの製造方法。
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