JP2017016109A - トナーの製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】粒度分布がシャープな高円形度のトナーの製造方法の提供。
【解決手段】結着樹脂および着色剤を有機溶媒を含有する樹脂溶液を調製する工程、表面が樹脂微粒子L1で覆われた液滴を形成する工程、樹脂微粒子L2を導入する工程、二酸化炭素を導入して加圧し、液滴に含まれる有機溶媒を抽出する工程、抽出した有機溶媒を、二酸化炭素とともに除くことでトナー粒子を得る工程、を有するトナーの製造方法において、
樹脂微粒子L1を構成する樹脂R1及び樹脂微粒子L2を構成する樹脂R2のSP値が特定の範囲内にあることを特徴とする。
【選択図】なし

Description

本発明は、電子写真法、静電記録法及びトナージェット方式記録法を利用した記録方法に用いられるトナーの製造方法に関する。
近年、電子写真分野において、トナーによる画像の高画質化が求められている。高画質な画像を形成するためには、トナーが粒子間で均一な性能を有していることが重要となる。そのためには、トナー粒子の粒径を均等にして、粒度分布をシャープにすると共に円形度の低い異形粒子の発生を抑制することが有効である。
トナー粒子の粒度分布のシャープ化と、高円形度化を容易に達成することができる製造方法として、「溶解懸濁法」が知られている。溶解懸濁法とは、あらかじめ有機溶媒に樹脂を溶解させた樹脂溶液を分散媒体中に分散させ、前記樹脂溶液の液滴を形成した後、前記有機溶媒を除去してトナー粒子を得る方法である。
溶解懸濁法においては、分散媒体として水系媒体を使用することが一般的である。しかし、水系媒体を用いた場合、粒子形成後の洗浄工程、乾燥工程に多大なエネルギーと時間を必要とする。そこで、近年、分散媒体として二酸化炭素を用いるトナーの製造方法が提案されている。
この方法では、分散媒体である二酸化炭素中に樹脂溶液による液滴を分散させた分散体を形成した後、さらに二酸化炭素を導入し、液滴中の有機溶媒を抽出して除去する脱溶剤を行い、トナー粒子を得る。この方法によれば、脱溶剤後に脱圧することで、得られたトナー粒子を分散媒体である二酸化炭素から容易に分離することが可能であり、洗浄工程、乾燥工程を必要とせず、省エネルギーかつ低コストでの製造が可能である。
二酸化炭素を分散媒体に用いる溶解懸濁法によるトナーの製造において、粒度分布のシャープ化および高円形度化を達成するためには、液滴形成工程から脱溶剤工程にかけて機能する分散剤を用いる必要がある。前記分散剤は、前記樹脂溶液の液滴表面を覆うことで、液滴同士の凝集や沈降を抑制して安定に分散させ、分散状態を維持させる役割を担う。従って、分散剤の選定は、重要である。
特許文献1には、液状または超臨界状態の二酸化炭素を分散媒体として利用し、ベヘニルアクリレートとメタクリル変性シリコーンからなる樹脂微粒子を分散剤に用いた樹脂粒子の製造方法が提案されている。
特許文献2には、有機ポリシロキサン構造を有する部位と脂肪族ポリエステル構造を有する部位で構成される櫛型構造の樹脂を含有する樹脂微粒子を用い、二酸化炭素を含有する分散媒体中で作製したトナーが提案されている。
この方法では、特許文献1の方法に比べて少ない二酸化炭素の導入量で液滴形成を行った後、更に二酸化炭素を導入し、脱溶剤を行っている。そのため、液滴形成時の前記液滴の粘度が比較的低い状態を保っていることから、ある程度良好な粒度分布のトナー粒子を得ることができる。
特開2009−052005号公報 特開2013−137535号公報
特許文献1の方法に基づいて本発明者らがトナーの製作を検討したところ、必ずしも良好な粒度分布のトナー粒子が得られないことが分かった。この原因について検討したところ、二酸化炭素の導入量に応じて、前記液滴と前記分散媒体の組成が変化することがわかった。二酸化炭素を分散媒体として利用した溶解懸濁法においては、前記液滴形成工程において、前記液滴中の前記有機溶媒の一部が前記分散媒体へ抽出され、液滴中の樹脂の濃度が高くなる。二酸化炭素の導入量が少ない場合は、前記液滴から抽出される有機溶媒の量が少ないので、前記液滴の粘度は充分に低い状態を保つ。この場合、前記液滴同士が接触、合一しても、せん断により容易に再分裂が可能であり、良好な粒度分布のトナー粒子が得られやすい。これに対し、二酸化炭素の導入量が多い場合は、前記液滴から抽出される有機溶媒の量が多くなり、前記液滴の粘度が高くなる。この場合、前記液滴同士が接触、合一するとせん断による再分裂が困難になるため、良好な粒度分布のトナー粒子が得られにくくなる。上記文献に記載された条件は、液滴形成工程における二酸化炭素の導入量が多く、液滴の粘度が高かったため、均一な液滴の形成が困難であったと推察している。
また、特許文献2の方法に基づき、更なる粒度分布の向上のため、前記液滴の粘度を更に低く保てる条件、すなわち、二酸化炭素の導入量を更に減らして液滴の形成を行ったが、むしろ良好な粒度分布のトナー粒子が得られなくなることが分かった。この原因について検討したところ、液滴形成工程における二酸化炭素の導入量を減らしたことにより、脱溶剤のために導入する二酸化炭素量を増やさなければならず、液滴形成工程から脱溶剤工程にかけての前記液滴と前記分散媒体の組成変化が大きくなることがわかった。その結果、分散剤が組成変化に適応できず、液滴の合一を十分に抑えられなくなったと推察している。
本発明は、上記のような問題に鑑みてなされたものであり、低コストであり、粒度分布がシャープな高円形度のトナーの製造方法を提供することである。
本発明は、トナー粒子を有するトナーの製造方法であって、該方法が、
a)結着樹脂、着色剤および有機溶媒を含有する樹脂溶液を調製する工程、
b)前記樹脂溶液、樹脂微粒子L1、及び二酸化炭素を耐圧容器に投入して加圧し、前記耐圧容器の内部を撹拌して、表面を前記樹脂微粒子L1で覆われた前記樹脂溶液の液滴が、前記二酸化炭素を含有する分散媒体中に分散した分散体を形成する工程、
c)前記分散体の中に樹脂微粒子L2を導入する工程、
d)前記耐圧容器の内部に二酸化炭素を導入して加圧し、前記液滴に含まれる前記有機溶媒を前記分散媒体に抽出する工程、および
e)前記分散媒体に抽出させた前記有機溶媒を前記二酸化炭素とともに前記耐圧容器の内部から除くことでトナー粒子を得る工程、
を有し、
前記樹脂微粒子L1を構成する樹脂R1、および前記樹脂微粒子L2を構成する樹脂R2が下記式(1)を満たすことを特徴とするトナーの製造方法に関する。
2.0≦(SP(R1)−SP(R2))/SP(R1)×100≦15.0 (1)
(式(1)中、
SP(R1)は、前記樹脂R1の溶解度パラメータ((J/cm31/2)を示す。
SP(R2)は、前記樹脂R2の溶解度パラメータ((J/cm31/2)を示す。)
本発明によれば、低コストであり、粒度分布のシャープな高円形度のトナーの製造方法を提供することができる。
本発明のトナーの製造に使用する製造装置の一例を示す図である。
本発明の特徴である二酸化炭素を分散媒体として用いる溶解懸濁法によるトナーの製造は、以下のa)からe)の工程を有する。
a)結着樹脂、着色剤および有機溶媒を含有する樹脂溶液を調製する工程。
b)表面が樹脂微粒子L1で覆われた前記樹脂溶液の液滴が、二酸化炭素を含有する分散媒体中に分散した分散体を耐圧容器内に形成する工程。
c)前記分散体に、さらに樹脂微粒子L2を導入する工程。
d)前記耐圧容器の内部に二酸化炭素を導入してさらに前記分散体を加圧し、前記液滴に含まれる前記有機溶媒を前記分散媒体に抽出する工程。
e)抽出された前記有機溶媒を前記二酸化炭素とともに前記耐圧容器の内部から除くことでトナー粒子を得る工程。
本発明のトナーの製造方法に用いる分散媒体としての二酸化炭素は、単体で用いてもよく、他の成分として有機溶媒が含まれていてもよいが、液体状態である必要がある。
以下に、本発明の製造方法における前記a)〜e)の各工程について、詳細を例示して説明する。
前記a)の工程では、まず、結着樹脂と結着樹脂を溶解することのできる有機溶媒を混合する。そして、ホモジナイザー、ボールミル、コロイドミル、超音波分散機のような分散機によって均一に溶解させて、樹脂溶液を調製する。このとき、着色剤や、必要に応じてワックスやその他の添加剤を混合することができる。
有機溶媒としては、例えば以下のものが挙げられる。アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、ジ−n−ブチルケトンのようなケトン系溶剤;酢酸エチル、酢酸ブチル、メトキシブチルアセテートのようなエステル系溶剤;テトラヒドロフラン、ジオキサン、エチルセロソルブ、ブチルセロソルブのようなエーテル系溶剤;ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミドのようなアミド系溶剤;トルエン、キシレン、エチルベンゼン、2−フェニルエタノールのような芳香族炭化水素系溶剤。
前記b)の工程では、樹脂溶液と分散剤としての樹脂微粒子L1、分散媒体としての二酸化炭素を、耐圧容器に混合して加圧し、撹拌手段を用いて耐圧容器内を撹拌する。こうすることによって、表面を樹脂微粒子L1で覆われた樹脂溶液の液滴が、二酸化炭素を含有する分散媒体中に分散した分散体を形成する。
液滴の分散体を形成する方法としては、以下の方法が挙げられる。
(1)樹脂溶液と樹脂微粒子L1を予め混合したものを耐圧容器内に混合物を導入した後、撹拌手段を用いて撹拌した状態で、二酸化炭素を加える方法。
(2)樹脂溶液を耐圧容器内に投入した後、撹拌手段を用いて撹拌した状態で、樹脂微粒子L1を二酸化炭素に予め分散させたものを加える方法。
(3)二酸化炭素を耐圧容器内に投入した後、撹拌手段を用いて撹拌した状態で、樹脂溶液と樹脂微粒子L1を予め混合したものを加える方法。
(4)樹脂微粒子L1を二酸化炭素に予め分散させたものを耐圧容器内に投入した後、撹拌手段を用いて撹拌した状態で、樹脂溶液を加える方法。
上記(3)および(4)の方法のように、耐圧容器内に先に二酸化炭素を投入する方法においては、樹脂溶液もしくは樹脂溶液と樹脂微粒子L1の混合物は、高圧ポンプを用いて導入することができる。
b)の工程では、樹脂溶液の液滴による分散相と、分散媒体としての二酸化炭素による連続相が形成される。このとき、液滴中の有機溶媒の一部は二酸化炭素に抽出されるため、分散媒体は二酸化炭素と有機溶媒とで構成されることになる。そして、分散媒体の組成は、導入する二酸化炭素の量、すなわち、耐圧容器内の圧力に影響される。
液滴を安定に形成するためには、耐圧容器内の圧力は、1.5MPa以上6.0MPa以下であることが好ましい。圧力の制御は、二酸化炭素の導入量の調整により行うことが可能である。耐圧容器内の圧力が1.5MPa以上であると、分散相と連続相との相分離が起こりやすいため、液滴の形成の容易さの点でより好ましい。一方、6.0MPa以下であると、液滴中から前記分散媒体側に抽出される有機溶媒の量が多くなりすぎることなく、液滴の粘度上昇が抑えられるため、均一な液滴の形成の点でより好ましい。より好ましくは、1.5MPa以上4.5MPa以下である。
c)の工程では、b)の工程よりも二酸化炭素の導入量が増加するc)工程後の工程において生じる分散相と連続相の組成変動に適応可能な樹脂微粒子L2を導入する。こうすることによって、c)工程後の工程における、液滴同士の凝集を抑制することが可能となる。
樹脂微粒子L2を導入する方法としては、液滴の分散体を耐圧容器内にて形成した後、撹拌手段を用いて撹拌した状態で、樹脂微粒子L2を加える方法が好ましい。具体的には、まず、耐圧容器に閉じた状態のバルブを介して連結された耐圧タンクに、樹脂微粒子L2を仕込んでおく。そして、耐圧タンク内を耐圧容器内よりも高圧にした後にバルブを開放することで、圧力差を利用して樹脂微粒子L2を導入する。このとき、高圧ポンプを用いて樹脂微粒子L2を導入してもよい。この際、耐圧容器よりも小容量の耐圧タンクを用いることで、耐圧容器内の圧力を大きく変動させることなく、樹脂微粒子L2を導入することが可能となる。また、樹脂微粒子L2は、有機溶媒に分散させた状態で導入することが好ましく、適正量の樹脂微粒子L2を導入するためには、ある程度の大きさを有する耐圧タンクを用いる必要がある。従って、耐圧容器に対する耐圧タンクの容積比は、1/20以上1/2以下が好ましく、より好ましくは1/10以上1/2以下である。また、独立に圧力制御することができる複数の耐圧タンクを設けることによって、段階的に樹脂微粒子L2を導入することも可能である。この際、異なる種類の樹脂微粒子L2(樹脂微粒子(L2−1)、樹脂微粒子(L2−2)、樹脂微粒子(L2−3)、・・・)を複数の耐圧タンクにそれぞれ仕込んでおくこともできる。そして、c)の工程と、以下に述べるd)の工程を交互に行って、そのときの圧力に適した樹脂微粒子L2を順次導入することにより、液滴同士の凝集抑制効果が更に向上する。
d)の工程では、耐圧容器内に二酸化炭素を導入してさらに分散体を加圧する。こうすることで、液滴に含まれる有機溶媒が分散媒体に抽出される。
耐圧容器内の圧力は、液滴中の有機溶媒を効率的に分散媒体に抽出するため、b)の工程に対し1.0MPa以上高くすることが好ましく、3.0MPa以上高くすることがより好ましい。さらに、耐圧容器内が満液、すなわち分散体で満たされる圧力が特に好ましい。一方、上限については、工業的な観点から20.0MPa以下とすることが好ましく、15.0MPa以下とすることがより好ましい。圧力は、二酸化炭素の導入量により制御することが可能であり、二酸化炭素の導入は、高圧ポンプを用いて行うことができる。
e)の工程では、分散媒体に抽出した有機溶媒を、耐圧容器から除去する、いわゆる脱溶剤を行うことでトナー粒子を得る。
分散媒体に抽出した有機溶媒を除去する方法は、以下の方法が挙げられる。
(1)耐圧容器内を二酸化炭素で加圧した後、耐圧容器内の圧力一定に保ちながら、さらに二酸化炭素を流通させて置換する方法。
(2)耐圧容器内を二酸化炭素で加圧した後、耐圧容器を一旦開放して脱圧し、さらに前記加圧と脱圧の操作を繰り返し行うことで置換する方法。
二酸化炭素による置換が十分でなく、分散体中に有機溶媒が残留した状態であると、得られたトナー粒子を回収する際、トナー粒子が再溶解したり、トナー粒子同士が凝集したりする場合がある。
従って、二酸化炭素による置換は、有機溶媒が完全に除去されるまで行うことが好ましい。使用する二酸化炭素の量は、分散体の体積に対して1倍以上100倍以下が好ましく、より好ましくは1倍以上50倍以下、さらに好ましくは1倍以上30倍以下である。
分散体からトナー粒子を取り出す際には、耐圧容器内を脱圧すれば良い。この際、一気に常温、常圧まで脱圧してもよいが、独立に圧力制御された容器を多段に設けることによって段階的に脱圧してもよい。脱圧速度は、トナー粒子が発泡しない範囲で設定することが好ましい。尚、本発明において使用する有機溶媒や、二酸化炭素は、リサイクルすることが可能である。
本発明のトナーの製造方法におけるd)の工程は、e)の工程における脱溶剤を効率よく行うために、耐圧容器内にさらに二酸化炭素を導入して加圧し、液滴中に含まれる有機溶媒の分散媒体への抽出を積極的に行う工程である。従って、c)工程後の工程では、b)の工程に対して、分散相と連続相の組成がともに変動することになる。
このような、液滴形成工程(b)の工程)と脱溶剤工程(e)の工程)の間における分散相および連続相の変動は、終始大気圧付近で製造を行う従来の水系媒体を分散媒体に用いる溶解懸濁法では、特に考慮する必要がなかった大きな相違点である。
本発明者らは、この点に着目し、各工程間における分散相、連続相それぞれの組成の変化について、詳細に検討を行った。その結果、二酸化炭素の導入に伴い、とりわけ連続相における二酸化炭素比率が大きく増加することが明らかになった。また、この組成はd)の工程において、耐圧容器内が満液になるまでに大きく変動し、満液になってからの変動は小さいことがわかった。
この知見に基づいて、二酸化炭素を分散媒体に用いた溶解懸濁法によるトナーの製造における課題について改めて考察を行った。その結果、単に従来の水系媒体による溶解懸濁法に使用していた樹脂微粒子の樹脂組成を適宜調整して、二酸化炭素を分散媒体とする溶解懸濁法に適用しただけでは、必ずしもシャープな粒度分布を有するトナーを得ることはできないものであった。
例えば、b)の工程において樹脂微粒子L1が分散相と連続相の界面に配置されるように、樹脂微粒子L1を構成する樹脂R1の組成を設計したとする。にもかかわらず、c)工程後の工程においては、連続相における二酸化炭素比率の増加に伴って樹脂微粒子L1が分散相側に埋没する可能性がある。そのような場合、液滴の分散安定性が損なわれて液滴同士の凝集を招き、得られるトナー粒子の粒度分布が低下すると考えられる。
従って、二酸化炭素を分散媒体とする溶解懸濁法を行うには、b)の工程において分散相と連続相の界面に配置される樹脂微粒子L1と、c)工程後の工程において分散相と連続相の界面に配置される樹脂微粒子L2を併用することが有効ではないかと考えた。そうすることで、連続相における二酸化炭素比率の増加に伴い、樹脂微粒子L1による液滴の分散安定性が損なわれるc)工程後の工程においても、分散安定性を保つことができ、液滴同士の凝集を抑制することが可能になると考えた。
そこで本発明者らは、樹脂微粒子L2の設計について、樹脂微粒子L2を構成する樹脂R2のSP値に着目した。SP値は、溶解度パラメータともいい、ある物質がある物質にどのくらい溶解するかを示す指標として用いられる数値である。SP値が近いもの同士は親和性が高く、SP値が離れているものは親和性が低い。c)工程後の工程における樹脂微粒子L1の分散安定能の低下は、連続相における疎水性の分散媒体である二酸化炭素比率の増加に伴い、連続相のSP値が低下したことによると考えられる。そこで、樹脂R1よりもSP値の低い樹脂R2を含有する樹脂微粒子L2を、b)とd)の工程の間に導入することで、樹脂微粒子L1の分散安定能が低下するc)工程後の工程においても分散安定性の維持が可能になると期待される。そして、樹脂R1と樹脂R2のSP値の関係を特定の範囲とすることで、連続相の組成変動に対して液滴の分散安定性を維持することができ、液滴同士の凝集を抑制できることを見出し、本発明に至った。以下に、詳細を説明する。
b)の工程よりも連続相における二酸化炭素比率の高いc)工程後の工程において液滴の分散安定性を維持するためには、樹脂R2は樹脂R1よりもSP値が低い必要がある。このとき、SP値差が大きすぎると樹脂微粒子L2と樹脂微粒子L1との親和性が低くなり、樹脂微粒子L2が液滴に吸着しなくなり、たとえ吸着したとしても容易に遊離しやすくなる。
樹脂R1および樹脂R2のSP値を、それぞれSP(R1)[(J/cm31/2]およびSP(R2)[(J/cm31/2]とする。SP(R1)およびSP(R2)は、下記の式(1)を満たす。
2.0≦(SP(R1)−SP(R2))/SP(R1)×100≦15.0 ・・・(1)
以下、式(1)における樹脂R1及び樹脂R2のSP値の関係、
[(SP(R1)−SP(R2))/SP(R1)×100]
を、f(SP)と表す。
f(SP)は、樹脂R1と樹脂R2のSP値差を樹脂R1のSP値で規格化した値である。そして、f(SP)は、b)の工程で樹脂微粒子L1によって液滴を形成した後、c)工程後の工程で樹脂微粒子L2が液滴同士の凝集を抑制するための指標となる。単純にSP(R1)とSP(R2)との差を規定するのではなく、SP(R1)によって規格化する理由は、SP(R1)の値により、液滴同士の凝集抑制に適した樹脂R1と樹脂R2のSP値差が変化するためである。
例えば、b)の工程における連続相のSP値が低い場合、SP(R1)の低い樹脂微粒子L1が液滴の形成に適する。この場合、c)工程後の工程、特に、耐圧容器内が満液になるまでの連続相のSP値の低下幅が小さくなるため、樹脂R1に対してSP値差の小さい樹脂R2を含有する樹脂微粒子L2が液滴同士の凝集抑制に適する。一方、b)の工程における連続相のSP値が高い場合、SP(R1)の高い樹脂微粒子L1が液滴の形成に適する。この場合、c)工程後の工程、特に、耐圧容器内が満液になるまでの連続相のSP値の低下幅が大きくなるため、樹脂R1に対してSP値差の大きい樹脂R2を含有する樹脂微粒子L2が液滴同士の凝集抑制に適する。すなわち、SP(R1)が小さい場合、[SP(R1)−SP(R2)]を小さく、SP(R1)が大きい場合、[SP(R1)−SP(R2)]を大きくすることで、樹脂微粒子L1及び樹脂微粒子L2を併用する効果が発揮される。従って、粒度分布がシャープで高円形度のトナーを得るためには、f(SP)の値を特定の範囲にすることが重要であり、本発明においては、f(SP)の値は、4.0以上13.0以下であることが好ましい。
f(SP)の値が2.0より小さいと、SP(R1)に対してSP(R2)の値が近すぎることを意味する。この場合、樹脂微粒子L2が連続相の組成変動に適応できず、c)工程後の工程において分散剤としての機能が低下するため、液滴が凝集し、トナーが異形化する。
また、f(SP)の値が15.0より大きいと、SP(R1)に対してSP(R2)の値が離れすぎていることを意味する。この場合、樹脂R1と樹脂R2との親和性が低くなり、樹脂微粒子L2が前記液滴に吸着しなくなる。その結果、液滴の分散安定性が低下し、トナーの粒度分布がブロードになる。
また、SP(R1)[(J/cm31/2]は、16.0以上19.0以下であることが好ましい。SP(R1)の値がこの範囲にあることで、b)の工程における樹脂微粒子L1と樹脂溶液との親和性を保つことができ、安定な液滴を形成することができ、より好ましい。SP(R1)のより好ましい値は、17.0以上18.0以下である。また、SP(R2)[(J/cm31/2]は、14.0以上17.0以下であることが好ましい。SP(R2)の値がこの範囲にあることで、c)工程後の工程において、樹脂微粒子L2が分散相と連続相の界面に安定して存在し続けることができ、より好ましい。SP(R2)のより好ましい値は、15.0以上16.0以下であることがより好ましい。
樹脂R1および樹脂R2は、有機ポリシロキサン構造(以下、有機ポリシロキサン基ともいう)を有する部位を含有する樹脂であることが好ましい。
有機ポリシロキサン基は、下記式(i)に示すSi−O結合の繰返し単位を有し、各Si元素には二つのアルキル基が結合した構造を有する、SP値が低い基である。従って、疎水性の分散媒体である二酸化炭素を含有する連続相に対して親和性を有する。
Figure 2017016109
上記式(i)においてR1はアルキル基であり、nは重合度を示し、2以上の整数である。
前記Si−O結合は、C−C結合に比べて結合間距離が長いことから、柔軟性が高い。そのため、樹脂R1及び樹脂R2に有機ポリシロキサン基を導入した場合、樹脂微粒子の表面に存在する有機ポリシロキサン基が連続相側に配向する。これにより、分散相である樹脂溶液の液滴同士の衝突による凝集を阻害する、いわゆる「排除体積効果」を発現させることができる。
本発明のトナーの製造方法において、樹脂R1および樹脂R2の蛍光X線分析(XRF)により測定されるSi量を、それぞれX1およびX2としたとき、X1およびX2が下記式(2)の関係を満たすことが好ましい。
1.2≦X2/X1≦3.0 ・・・(2)
関係式(1)を満たすためには、樹脂R2のSP値であるSP(R2)は、樹脂R1のSP値であるSP(R1)より小さい必要があり、従って、樹脂R1より樹脂R2の方がSi量を多く含まなければならない。
X2/X1の値が1.2以上であれば、樹脂微粒子L2による、連続相の組成変動に対する分散安定効果が十分となり、c)工程後の工程における液滴同士の凝集を抑制できるため、トナーが異形化するのをより抑制できる。また、X2/X1の値が3.0以下であれば、樹脂微粒子L2の連続相に対する親和性が高すぎないことにより、樹脂微粒子L2が液滴に吸着しやすくなり、連続相の組成変動に対しても、分散剤としての機能の持続効果を十分に維持できる。より好ましくは、1.4以上2.5以下である。
樹脂微粒子L1のX線光電子分光分析(ESCA)により測定される、樹脂R1の有機ポリシロキサン構造を有する部位に由来するSi量をA1(atomic%)としたとき、A1は、下記式(3)を満たすことが好ましい。
3.0≦A1≦6.0 ・・・(3)
ESCAでは、試料の表面(最表面と深さ約10nmの位置との間の領域)に存在する元素が検出される。また、ケミカルシフトによって、元素の結合状態も分離することが可能であり、前記有機ポリシロキサン基に由来するSi−O結合の場合、101eV以上103eV以下にピークが出現する。
A1の値が3.0atomic%以上であると、二酸化炭素に対する親和基として機能する、有機ポリシロキサン基を含有する部位が十分に存在し、b)の工程において分散剤として十分機能し、液滴の分散安定性が保てる点でより好ましい。また、A1の値が6.0atomic%以下であると、有機ポリシロキサン基を含有する部位が多すぎず、液滴に対する親和性が低下することがなく、液滴の分散安定性を保てる点でより好ましい。
より好ましくは、3.5atomic%以上5.5atomic%以下である。
本発明者らは、樹脂微粒子L1に対して液体状態の二酸化炭素への暴露処理を施し、処理後の樹脂微粒子L1の表面組成について検討を行った。
ここで、暴露処理とは、具体的には、樹脂微粒子L1を有機溶媒に分散させた分散体を耐圧容器に入れ、耐圧容器に二酸化炭素を導入する。そして、温度25℃、内部圧力6.5MPaを維持させた状態で二酸化炭素を流通させて、分散体から有機溶媒を除去する処理である。そうすることにより、樹脂微粒子L1の表面を擬似的に本発明の製造方法における全工程を経た場合と同様の状態とすることができる。ここで、樹脂微粒子L1に前述した液体状態の二酸化炭素の暴露処理を行って得られた処理後の樹脂微粒子L1のESCAにより測定されるSi量をB1(atomic%)とする。すなわち、B1は、本発明の製造方法における全工程を経た場合の樹脂微粒子L1の表面における、樹脂R1の有機ポリシロキサン構造を有する部位に由来するSi量を示すものであり、b)の工程における分散安定能の指標となる。
樹脂微粒子L1における暴露処理による表面組成の変化度は、B1/A1で表され、下記式(4)を満たすことが好ましい。B1/A1は、b)の工程における連続相の組成変動に対する、樹脂微粒子L1の分散安定能のラティチュードを表す。
B1/A1≧1.10 ・・・(4)
B1/A1の値が1.10以上であると、連続相の組成変動に対する、前記樹脂微粒子L1の分散安定能のラティチュードが広いことを示している。このため、その値が1.10以上であることが、前記液滴の粒度を整えるのにより好ましい。より好ましくは、B1/A1は1.15以上である。
さらに本発明者らは、樹脂微粒子L2に対しても同様の暴露処理を施し、処理後の樹脂微粒子L2の表面組成について検討を行った。
ここで、樹脂微粒子L2に前述した液体状態の二酸化炭素への暴露処理を行って得られた処理後の樹脂微粒子L2のESCAにより測定されるSi量をB2(atomic%)とする。すなわち、B2は、本発明の製造方法における全工程を経た場合の樹脂微粒子L2の表面における、樹脂R2の有機ポリシロキサン構造を有する部位に由来するSi量を示すものであり、c)工程後の工程における分散安定能の指標となる。
暴露処理を施した後の樹脂微粒子L1及び樹脂微粒子L2の表面組成の比は、B2/B1で表され、下記式(5)を満たすことが好ましい。B2/B1は、樹脂微粒子L1と樹脂微粒子L2の分散安定性の維持が可能な連続相の組成差を表す。
B2/B1≧1.10 ・・・(5)
B2/B1の値が1.10以上であると、前記樹脂微粒子L2の表面において、c)工程後の工程における分散安定性の維持に必要な前記有機ポリシロキサン基を含有する部位が十分に存在することを意味している。従って、その値が1.10以上であると、連続相の組成変動に対しても、分散剤としての機能の持続効果を十分に保てるため、液滴同士の凝集を抑制でき、トナーが異形化することもない点でより好ましい。より好ましくは、B2/B1は、1.15以上である。
B2(atomic%)は、下記式(6)を満たすことが好ましい。
6.0≦B2≦10.0 ・・・(6)
B2の値が6.0atomic%以上であると、樹脂微粒子L2の表面において、c)工程後の工程における分散安定性の維持に必要な有機ポリシロキサン基を含有する部位が十分に存在し、連続相の組成変動に対しても、分散剤としての機能の持続効果を十分保てるため、より好ましい。また、Siの値が10.0atomic%以下であると、樹脂微粒子L2表面において、有機ポリシロキサン基を含有する部位が多すぎることが抑制され、連続相に対する親和性が高すぎず、樹脂微粒子L2が液滴に吸着しやすくなる。したがって、連続相の組成変動に対しても、分散剤としての機能の持続効果を十分に維持できる。その結果、いずれの場合も、液滴同士の凝集を効果的に抑制でき、トナーが異形化するのをより抑制できる。従って、B2は、6.5atomic%以上9.5atomic%以下であることがより好ましい。
樹脂R1および樹脂R2における有機ポリシロキサン構造を有する部位を含有する樹脂は、片末端で結合する側鎖構造を有する分子構造をとることが好ましい。有機ポリシロキサン構造を有する部位の柔軟性は、両末端が結合した構造に比べて片末端が結合した構造の方が高くなり、排除体積効果が向上する。これを達成するために、樹脂R1及び樹脂R2は、ビニル基を有する有機ポリシロキサン化合物を含有する単量体組成物を重合することによって得られる樹脂であることが好ましい。さらに樹脂R1及び樹脂R2は、ビニル基を有する有機ポリシロキサン化合物に加え、重合性不飽和基を有するポリエステルを含有する単量体組成物を重合することによって得られる樹脂であることがより好ましい。
樹脂R1および樹脂R2において、ビニル基を有する有機ポリシロキサン化合物に由来する部位は、分散媒体である二酸化炭素に高い親和性を示し、排除体積効果を発揮することが可能である。一方で重合性不飽和基を有するポリエステルに由来する部位は、ポリエステルを含有する結着樹脂に対する親和性が高いため、樹脂溶液の液滴に吸着する成分として働く。従って、双方の部位を有する樹脂を含む樹脂微粒子を分散剤として使用することで、液滴の安定性をより向上させることが可能となる。また、トナー粒子のさらなる粒度分布のシャープ化および高円形度が可能となる。
樹脂R1及び樹脂R2の重合に用いるビニル基を有する有機ポリシロキサン化合物の構造の一例を式(ii)に示す。式(ii)において、R2、R3はアルキル基であり、R4はアルキレン基であり、R5は水素原子もくしはメチル基である。nは重合度を示し、2以上の整数である。
Figure 2017016109
ビニル基を有する有機ポリシロキサン化合物の合成方法としては、カルビノール変性ポリシロキサンと、アクリル酸クロライドもしくはメタクリル酸クロライドの脱塩酸反応による反応が挙げられる。
重合性不飽和基を有するポリエステルの製造方法として、以下の方法が挙げられる。
(1)ジカルボン酸とジオールとの重縮合反応時に重合性不飽和基を導入する方法。前記重合性不飽和基を導入する方法としては、以下の手法が挙げられる。
(1−1)ジカルボン酸の一部に重合性不飽和基を有するジカルボン酸を使用する方法
(1−2)ジオールの一部に重合性不飽和基を有するジオールを使用する方法
(1−3)ジカルボン酸の一部とジオールの一部にそれぞれ重合性不飽和基を有するジカルボン酸と重合性不飽和基を有するジオールを使用する方法
重合性不飽和基を有するジカルボン酸としては、フマル酸、マレイン酸、3−ヘキセンジオイック酸及び3−オクテンジオイック酸が挙げられる。また、これらの低級アルキルエステル及び酸無水物も挙げられる。これらの中でも、コストの点で、フマル酸及びマレイン酸がより好ましい。また、重合性不飽和基を有する脂肪族ジオールとしては、以下の化合物を挙げることができる。2−ブテン−1,4−ジオール、3−ヘキセン−1,6−ジオール及び4−オクテン−1,8−ジオール。
重合性不飽和基を持たないジカルボン酸やジオールとしては、後述する通常のポリエステルの製造に使用するジカルボン酸やジオールを使用することができる。
(2)ジカルボン酸とジオールの重縮合により作製したポリエステルとビニル系化合物をカップリングさせる方法
前記カップリングでは、ポリエステルの末端官能基との反応が可能な官能基を含有するビニル系化合物を直接カップリングさせても良い。また、ポリエステルの末端を、ビニル系化合物が含有する官能基との反応が可能になるよう、結合剤を用いて修飾して、カップリングさせても良い。例えば以下の方法が挙げられる。
(2−1)末端にカルボキシル基を有するポリエステルとヒドロキシル基を含有するビニル系化合物を、縮合反応によってカップリングさせる方法
この場合、前記ポリエステルの調製ではジカルボン酸とジオールのモル比(ジカルボン酸/ジオール)は1.02以上1.20以下であることが好ましい。
(2−2)末端にヒドロキシル基を有するポリエステルと、イソシアネート基を有するビニル系化合物を、ウレタン化反応によってカップリングさせる方法
(2−3)末端にヒドロキシル基を有するポリエステルとヒドロキシル基を有するビニル系化合物を、結合剤であるジイソシアネートを用いてウレタン化反応によってカップリングさせる方法
前記(2−2)と前記(2−3)の方法で使用するポリエステルの調製では、ジカルボン酸とジオールのモル比(ジオール/ジカルボン酸)は1.02以上1.20以下であることが好ましい。
ヒドロキシル基を有するビニル系化合物としては、ヒドロキシスチレン、N−メチロールアクリルアミド、N−メチロールメタクリルアミド、ヒドロキシエチルアクリレート、ヒドロキシエチルメタクリレート、ヒドロキシプロピルアクリレート、ヒドロキシプロピルメタクリレート、ポリエチレングリコールモノアクリレート、ポリエチレングリコールモノメタクリレート、アリルアルコール、メタアリルアルコール、クロチルアルコール、イソクロチルアルコール、1−ブテン−3−オール、2−ブテン−1−オール、2−ブテン−1,4−ジオール、プロパルギルアルコール、2−ヒドロキシエチルプロペニルエーテル、庶糖アリルエーテルが挙げられる。これらのうち、好ましいものはヒドロキシエチルアクリレート及びヒドロキシエチルメタクリレートである。
イソシアネート基を有するビニル系化合物としては、以下のものが挙げられる。2−イソシアナトエチルアクリレート、2−イソシアナトエチルメタクリレート、メタクリル酸2−(O−[1’−メチルプロピリデンアミノ]カルボキシアミノ)エチル、2−[(3,5−ジメチルピラゾリル)カルボニルアミノ]エチルメタクリレート、m−イソプロペニル−α,α−ジメチルベンジルイソシアネート。これらの中でも、特に好ましいものは2−イソシアナトエチルアクリレート及び2−イソシアナトエチルメタクリレートである。
ジイソシネートとしては、以下のものが挙げられる。炭素数(NCO基中の炭素を除く、以下同様)6以上20以下の芳香族ジイソシアネート、炭素数2以上18以下の脂肪族ジイソシアネート、炭素数4以上15以下の脂環式ジイソシアネート、及びこれらのジイソシアネートの変性物(ウレタン基、カルボジイミド基、アロファネート基、ウレア基、ビューレット基、ウレトジオン基、ウレトイミン基、イソシアヌレート基、オキサゾリドン基含有変性物。以下、変性ジイソシアネートともいう)。
芳香族ジイソシアネートとしては、例えば以下のものが挙げられる。m−及び/またはp−キシリレンジイソシアネート(XDI)、α,α,α’,α’−テトラメチルキシリレンジイソシアネート。
脂肪族ジイソシアネートとしては、以下のものが挙げられる。エチレンジイソシアネート、テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)、ドデカメチレンジイソシアネート。
脂環式ジイソシアネートとしては、以下のものが挙げられる。イソホロンジイソシアネート(IPDI)、ジシクロヘキシルメタン−4,4’−ジイソシアネート、シクロヘキシレンジイソシアネート、メチルシクロヘキシレンジイソシアネート。
これらのうちで好ましいものはXDI、HDI及びIPDIである。
樹脂R1において、ビニル基を有する有機ポリシロキサン化合物(S1)と重合性不飽和基を有するポリエステル(E1)の質量比(E1/S1)は、1.0以上2.3以下であることが好ましい。
質量比(E1/S1)が1.0以上であると、前記b)の工程において、樹脂微粒子L1に含まれる有機ポリシロキサン構造を有する部位が少なくなり、樹脂溶液の液滴に対する親和性が上がり、液滴の分散安定性が向上する。質量比(E1/S1)が2.3以下であると、前記b)の工程において、樹脂微粒子L1に含まれる有機ポリシロキサン構造を有する部位が多くなり、分散媒体である二酸化炭素に対する親和性が向上する。その結果、樹脂微粒子L1の分散剤としての機能が向上し、液滴の分散安定性がより改善される。
樹脂R1のビニル基を有する有機ポリシロキサン化合物と重合性不飽和基を有するポリエステルの合計(E1+S1)は、樹脂R1に用いる単量体組成物の総量に対して45.0質量%以上90.0質量%以下であることが好ましい。
ビニル基を有する有機ポリシロキサン化合物と重合性不飽和基を有するポリエステルの合計(E1+S1)が45.0質量%以上であると、分散媒体である二酸化炭素と樹脂溶液の液滴の両者に対する親和性が向上するため、液滴の分散安定性が良好になる点でより好ましい。90.0質量%以下であると、樹脂の骨格を形成するために必要となる他の単量体の存在によって樹脂としての安定性を維持しやすい点でより好ましい。
樹脂R2において、ビニル基を有する有機ポリシロキサン化合物(S2)と重合性不飽和基を有するポリエステル(E2)の質量比(E2/S2)は、0.5以上1.8以下であることが好ましい。
質量比(E2/S2)が0.5以上であると、c)工程後の工程において、樹脂微粒子L2に含まれる有機ポリシロキサン構造を有する部位が少なくなり、樹脂微粒子L2が液滴に吸着しやすく、c)工程後の工程における液滴の分散安定性を維持できる点でより好ましい。
質量比(E2/S2)が1.8以下であると、c)工程後の工程において、樹脂微粒子L2に含まれる有機ポリシロキサン構造を有する部位が多くなり、媒体である二酸化炭素に対する親和性が向上する。その結果、c)工程後の工程における組成変動に適応でき、分散剤としての機能の持続効果が維持できる点でより好ましい。
樹脂R2のビニル基を有する有機ポリシロキサン化合物と重合性不飽和基を有するポリエステルの合計(E2+S2)は、樹脂R2に用いる単量体組成物の総量に対して65.0質量%以上90.0質量%以下であることが好ましい。
ビニル基を有する有機ポリシロキサン化合物と重合性不飽和基を有するポリエステルの合計(E2+S2)が65.0質量%以上であると、c)工程後の工程において組成変動する連続相及び分散相に対する親和性が向上するため、液滴の分散安定性が維持できる。90.0質量%以下であると、樹脂の骨格を形成するために必要となる他の単量体の存在によって、樹脂としての安定性を維持しやすい点でより好ましい。
樹脂R1のビニル基を有する有機ポリシロキサン化合物の重量平均分子量(Mw)は、400以上2000以下であることが好ましい。Mwの値が上記範囲に有ることで、液滴の分散安定性が向上し、トナー粒子の粒度分布シャープ化および高円形度化が可能となる。
Mwの値が400以上であると、有機ポリシロキサン構造を有する部位が連続相側に配向したときの広がりが多いため、十分な排除体積効果を得られる点でより好ましい。
前記Mwの値が2000以下であると、有機ポリシロキサン構造を有する側鎖が長くなりすぎることがないので、樹脂としての耐溶剤性の低下を招くことがなく、液滴の安定性の低下を抑えられる点でより好ましい。
樹脂R2のビニル基を有する有機ポリシロキサン化合物の重量平均分子量(Mw)は、400以上2000以下であることが好ましい。前記Mwの値が上記範囲に有ることで、c)工程後の工程において液滴の分散安定性が維持でき、液滴の凝集を抑制することが可能となる。
前記Mwの値が400以上であると、有機ポリシロキサン構造を有する部位が連続相側に配向したときの広がりが多いため、十分な排除体積効果を得られる点でより好ましい。Mwの値が2000以下であると、有機ポリシロキサン構造を有する側鎖が長くなりすぎることがないので、樹脂としての耐溶剤性の低下を招くことがなく、c)工程後の工程において、液滴の安定性の維持の点でより好ましい。
樹脂R1及び樹脂R2の重合には、ビニル基を有する有機ポリシロキサン化合物および重合性不飽和基を有するポリエステルに加え、他の単量体を重合させることも可能である。他の単量体としては、通常の樹脂材料の重合に用いる単量体が使用可能である。以下に例示するが、この限りでない。
脂肪族ビニル炭化水素:アルケン類、例えばエチレン、プロピレン、ブテン、イソブチレン、ペンテン、ヘプテン、ジイソブチレン、オクテン、ドデセン、オクタデセン、前記以外のα−オレフィン;アルカジエン類、例えばブタジエン、イソプレン、1,4−ペンタジエン、1,6−ヘキサジエンおよび1,7−オクタジエン。
脂環式ビニル炭化水素:モノ−もしくはジ−シクロアルケンおよびアルカジエン類、例えばシクロヘキセン、シクロペンタジエン、ビニルシクロヘキセン、エチリデンビシクロヘプテン;テルペン類、例えばピネン、リモネン、インデン。
芳香族ビニル炭化水素:スチレンおよびそのハイドロカルビル(アルキル、シクロアルキル、アラルキルおよび/またはアルケニル)置換体、例えばα−メチルスチレン、ビニルトルエン、2,4−ジメチルスチレン、エチルスチレン、イソプロピルスチレン、ブチルスチレン、フェニルスチレン、シクロヘキシルスチレン、ベンジルスチレン、クロチルベンゼン、ジビニルベンゼン、ジビニルトルエン、ジビニルキシレン、トリビニルベンゼン;およびビニルナフタレン。
カルボキシル基含有ビニル系モノマーおよびその金属塩:炭素数3以上30以下の不飽和モノカルボン酸、不飽和ジカルボン酸ならびにその無水物およびそのモノアルキル(炭素数1以上27以下)エステル、例えばアクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、無水マレイン酸、マレイン酸モノアルキルエステル、フマル酸、フマル酸モノアルキルエステル、クロトン酸、イタコン酸、イタコン酸モノアルキルエステル、イタコン酸グリコールモノエーテル、シトラコン酸、シトラコン酸モノアルキルエステル、桂皮酸のカルボキシル基含有ビニル系モノマー。
ビニルエステル、例えば酢酸ビニル、ビニルブチレート、プロピオン酸ビニル、酪酸ビニル、ジアリルフタレート、ジアリルアジペート、イソプロペニルアセテート、ビニルメタクリレート、メチル4−ビニルベンゾエート、シクロヘキシルメタクリレート、ベンジルメタクリレート、フェニルアクリレート、フェニルメタクリレート、ビニルメトキシアセテート、ビニルベンゾエート、エチルα−エトキシアクリレート、炭素数1以上11以下のアルキル基(直鎖もしくは分岐)を有するアルキルアクリレートおよびアルキルメタクリレート(メチルアクリレート、メチルメタクリレート、エチルアクリレート、エチルメタクリレート、プロピルアクリレート、プロピルメタクリレート、ブチルアクリレート、ブチルメタクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、2−エチルヘキシルメタクリレート、ジアルキルフマレート(フマル酸ジアルキルエステル)(2個のアルキル基は、炭素数2以上8以下の、直鎖、分枝鎖もしくは脂環式の基である)、ジアルキルマレエート(マレイン酸ジアルキルエステル)(2個のアルキル基は、炭素数2以上8以下の、直鎖、分枝鎖もしくは脂環式の基である)、ポリアリロキシアルカン類(ジアリロキシエタン、トリアリロキシエタン、テトラアリロキシエタン、テトラアリロキシプロパン、テトラアリロキシブタン、テトラメタアリロキシエタン)、ポリアルキレングリコール鎖を有するビニル系モノマー(ポリエチレングリコール(分子量300)モノアクリレート、ポリエチレングリコール(分子量300)モノメタクリレート、ポリプロピレングリコール(分子量500)モノアクリレート、ポリプロピレングリコール(分子量500)モノメタクリレート、メチルアルコールエチレンオキサイド(エチレンオキサイドを以下EOと略記する)10モル付加物アクリレート、メチルアルコールエチレンオキサイド(エチレンオキサイドを以下EOと略記する)10モル付加物メタクリレート、ラウリルアルコールEO30モル付加物アクリレートラウリルアルコールEO30モル付加物メタクリレート)、ポリアクリレート類およびポリメタクリレート類(多価アルコール類のポリアクリレートおよびポリメタクリレート:エチレングリコールジアクリレート、エチレングリコールジメタクリレート、プロピレングリコールジアクリレート、プロピレングリコールジメタクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジメタクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレート、ポリエチレングリコールジアクリレート、ポリエチレングリコールジメタクリレート)。
樹脂R1及び樹脂R2は、架橋構造を有していても良い。架橋構造の形成には、複数のビニル基を有する一般的な架橋剤を用いることが可能である。
以下に使用可能な架橋剤を例示するが、この限りではない。
ジエチレングリコールジアクリレート、トリエチレングリコールジアクリレート、テトラエチレングリコールジアクリレート、ポリエチレングリコールジアクリレート、ポリプロピレンジアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、トリプロピレングリコールジアクリレート、ポリプロピレングリコールジアクリレート、2,2’−ビス(4−(アクリロキシ・ジエトキシ)フェニル)プロパン、トリメチロールプロパントリアクリレート、テトラメチロールメタンテトラアクリレート、エチレングリコールジメタクリレート、ジエチレングリコールジメタクリレート、トリエチレングリコールジメタクリレート、テトラエチレングリコールジメタクリレート、ポリエチレングリコールジメタクリレート、1,3−ブチレングリコールジメタクリレート、1,6−ヘキサンジオールジメタクリレート、ネオペンチルグリコールジメタクリレート、ポリプロピレングリコールジメタクリレート、2,2’−ビス(4−(メタクリロキシ・ジエトキシ)フェニル)プロパン、2,2’−ビス(4−(メタクリロキシ・ポリエトキシ)フェニル)プロパン、トリメチロールプロパントリメタクリレート、テトラメチロールメタンテトラメタクリレート、ジビニルベンゼン、ジビニルナフタリン、ジビニルエーテル、両末端アクリル変性シリコーン、両末端メタクリル変性シリコーンが挙げられる。
また、不飽和度が2.0以上の重合性不飽和基を有するポリエステルを用いて架橋構造を形成することも可能である。ここでの不飽和度とは、1分子中に含まれる重合性不飽和基の数の平均を表す。重合性不飽和基を有するポリエステルの不飽和度は、重合性不飽和基を有するジカルボン酸またはジオールの添加量によって調整することが可能である。
樹脂微粒子L1及び樹脂微粒子L2の粒径は、個数平均粒子径で30nm以上300nm以下であることが好ましい。より好ましくは、50nm以上250nm以下である。
樹脂微粒子L1の粒径がこの範囲であると、前記b)の工程における液滴の安定性が向上し、液滴の粒径を所望の大きさに制御しやすくなる。また、樹脂微粒子L2の粒径がこの範囲であると、c)工程後の工程における液滴同士の凝集がより抑制され、樹脂微粒子L2が液滴に対して吸着しやすくなる。
結着樹脂100質量部に対する樹脂微粒子L1の添加量をM1(質量部)としたとき、M1が下記式(7)の関係を満たすことが好ましい。
1.0≦M1≦10.0・・・(7)
前記M1が1.0質量部以上であると、前記b)の工程における液滴の安定性を維持できる点でより好ましい。一方、10.0質量部以下であると、液滴の粒径を所望の大きさに制御しやすい点でより好ましい。より好ましくは、3.0質量部以上10.0質量部以下である。
また、結着樹脂100.0質量部に対する樹脂微粒子L2の添加量をM2(質量部)としたとき、M2は下記式(8)の関係を満たすことが好ましい。
1.0≦M2≦10.0・・・(8)
前記M2が1.0質量部以上であると、c)工程後の工程における液滴同士の凝集がより抑制される。一方、10.0質量部以下であると、樹脂微粒子L2によってb)の工程で形成された液滴の安定性が損なわれることもなく、粒度分布を良好に維持できる点でより好ましい。より好ましくは、1.0質量部以上5.0質量部以下である。
更に、前記M1及び前記M2は下記式(9)の関係を満たすことが好ましい。
M1≧M2 ・・・(9)
式(9)を満たすと、前記b)の工程で形成された液滴の安定性が保たれ、粒度分布を良好に維持できる点でより好ましい。
本発明のトナーの製造方法において、結着樹脂は、樹脂R1より高いSP値であることが好ましい。b)の工程において、樹脂微粒子L1によって液滴を安定に分散させるためには、樹脂微粒子L1は液滴と分散媒体の界面に偏在し、液滴同士の合一や凝集を抑制する必要がある。疎水性媒体である二酸化炭素を分散媒体として用いる場合、SP値を分散媒体、樹脂R1、液滴の順に高くすることで、樹脂微粒子L1を分散媒体と液滴との界面に偏在させることができる。したがって、液滴を構成する結着樹脂のSP値は、樹脂R1のSP値より高い値であることが好ましい。
結着樹脂のSP[(J/cm31/2]は、17.0以上23.0以下であることが好ましい。
結着樹脂は、一般的にトナーに用いられる樹脂である結晶性樹脂、非晶性樹脂のいずれも使用可能である。結晶性樹脂とは、ポリマーの分子鎖が規則的に配列した構造を有する樹脂を意味する。従って、融点より低い温度領域ではほとんど軟化せず、融点を越えると融解が生じ急激に軟化する。このような樹脂は、示差走査熱量計(DSC)を用いた示差走査熱量測定において、明瞭な融点ピークを示す。従って、結晶性樹脂は、溶融後の粘性が低くなることで、良好な低温定着性を発現しやすくなる。
結晶性樹脂の融点は、50℃以上90℃以下であることが好ましい。
結着樹脂に使用可能な結晶性樹脂としては、結晶性ポリエステル樹脂、結晶性ポリビニル樹脂、結晶性ポリウレタン樹脂、結晶性ポリウレア樹脂が挙げられる。好ましくは結晶性ポリエステル樹脂、結晶性ポリビニル樹脂であり、特に好ましくは結晶性ポリエステル樹脂である。
結晶性ポリエステル樹脂は、脂肪族ジオールと脂肪族ジカルボン酸を反応して得られるものであることが好ましく、炭素数2以上20以下の脂肪族ジオールと炭素数2以上20以下の脂肪族ジカルボン酸を反応して得られるものであることがより好ましい。
また、脂肪族ジオールは直鎖型であることが好ましい。直鎖型であることで、より結晶性の高いポリエステルが得られる。炭素数2以上20以下の直鎖型脂肪族ジオールとしては、以下の化合物が挙げられる。1,2−エタンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,7−ヘプタンジオール、1,8−オクタンジオール、1,9−ノナンジオール、1,10−デカンジオール、1,11−ウンデカンジオール、1,12−ドデカンジオール、1,13−トリデカンジオール、1,14−テトラデカンジオール、1,18−オクタデカンジオール及び1,20−エイコサンジオール。これらの中でも、融点の観点から、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール及び1,6−ヘキサンジオール、1,7−ヘプタンジオール、1,8−オクタンジオール、1,9−ノナンジオール、1,10−デカンジオールがより好ましい。これらは単独で用いてもよく、2種類以上を混合して用いることも可能である。
また、重合性不飽和基を有する脂肪族ジオールを用いることもできる。重合性不飽和基を有する脂肪族ジオールとしては、以下の化合物を挙げることができる。2−ブテン−1,4−ジオール、3−ヘキセン−1,6−ジオール及び4−オクテン−1,8−ジオール。
また、脂肪族ジカルボン酸は結晶性の観点から、直鎖型の脂肪族ジカルボン酸が特に好ましい。上記炭素数2乃至18の直鎖型脂肪族ジカルボン酸としては、以下の化合物を挙げることができる。蓚酸、マロン酸、琥珀酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、1,9−ノナンジカルボン酸、1,10−デカンジカルボン酸、1,11−ウンデカンジカルボン酸、1,12−ドデカンジカルボン酸、1,13−トリデカンジカルボン酸、1,14−テトラデカンジカルボン酸、1,16−ヘキサデカンジカルボン酸及び1,18−オクタデカンジカルボン酸、あるいはそれらの低級アルキルエステルや酸無水物。これらのうち、セバシン酸、アジピン酸及び1,10−デカンジカルボン酸、並びにそれらの低級アルキルエステルや酸無水物が好ましい。これらは単独で用いてもよく、2種類以上を混合して用いることも可能である。
また芳香族カルボン酸を用いることもできる。芳香族ジカルボン酸としては、以下の化合物を挙げることができる。テレフタル酸、イソフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸及び4,4’−ビフェニルジカルボン酸。これらの中でも、テレフタル酸が入手の容易性や低融点のポリマーを形成しやすいという点で好ましい。
また、重合性不飽和基を有するジカルボン酸を用いることもできる。重合性不飽和基を有するジカルボン酸は、その重合性不飽和基を利用して樹脂全体を架橋させ得る点で、定着時のホットオフセットを抑制するために好適に用いることができる。このようなジカルボン酸としては、フマル酸、マレイン酸、3−ヘキセンジオイック酸及び3−オクテンジオイック酸が挙げられる。また、これらの低級アルキルエステル及び酸無水物も挙げられる。これらの中でも、コストの点で、フマル酸及びマレイン酸がより好ましい。
結晶性ポリエステル樹脂の製造方法としては、特に制限はなく、カルボン酸成分とアルコール成分とを反応させる一般的なポリエステル樹脂の重合法によって製造することができる。例えば、直接重縮合法又はエステル交換法を用い、単量体の種類によって使い分けて製造することができる。
結晶性ポリエステル樹脂の製造は、重合温度180℃以上230℃以下の間で行うのが好ましく、必要に応じて反応系内を減圧し、縮合時に発生する水やアルコールを除去しながら反応させるのが好ましい。単量体が反応温度下で溶解又は相溶しない場合は、高沸点の有機溶媒を溶解補助剤として加え溶解させるのがよい。重縮合反応においては、溶解補助剤を留去しながら行う。
結晶性ポリエステル樹脂の製造時に使用可能な触媒としては、以下の化合物を挙げることができる。チタンテトラエトキシド、チタンテトラプロポキシド、チタンテトライソプロポキシド及びチタンテトラブトキシドなどのチタン触媒、又は、ジブチルスズジクロライド、ジブチルスズオキシド及びジフェニルスズオキシドなどのスズ触媒。
結晶性ポリビニル樹脂としては直鎖型アルキル基を分子構造に含むビニル系単量体を重合した樹脂が挙げられる。
直鎖型アルキル基を分子構造に含むビニル系単量体としては、アルキル基の炭素数が12以上であるアルキルアクリレートまたはアルキルメタクリレートが好ましく、例えば以下のものを挙げることができる。ラウリルアクリレート、ラウリルメタクリレート、ミリスチルアクリレート、ミリスチルメタクリレート、セチルアクリレート、セチルメタクリレート、ステアリルアクリレート、ステアリルメタクリレート、エイコシルアクリレート、エイコシルメタクリレート、ベヘニルアクリレート、ベヘニルメタクリレート。
結晶性ポリビニル樹脂の製造方法は40℃以上、一般的には50℃以上90℃以下の温度で重合することが好ましい。
非晶性樹脂としては、示差走査熱量測定において、明確な最大吸熱ピークを示さないものである。ただし、非晶性樹脂のガラス転移点(Tg)は、50℃以上130℃以下であることが好ましく、55℃以上110℃以下であることがより好ましい。
非晶性樹脂の具体例としては、非晶性のポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリビニル樹脂、ポリウレア樹脂が挙げられる。また、これらの樹脂は、ウレタン、ウレア又はエポキシにより変性されていてもよい。これらの中でも、弾性維持の観点から、非晶性のポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂及びポリビニル樹脂が好適であり、非晶性のポリエステル樹脂が、特に好適である。
以下に、非晶性のポリエステル樹脂について述べる。非晶性ポリエステル樹脂の製造に使用可能な単量体としては、従来公知の2価以上のカルボン酸と、2価又は3価以上のアルコールが挙げられる。これら単量体の具体例としては、以下のものが挙げられる。
2価のカルボン酸としては、以下の化合物を挙げることができる。琥珀酸、アジピン酸、セバシン酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、マロン酸、ドデセニルコハク酸などの二塩基酸、及びこれらの無水物又はこれらの低級アルキルエステル、並びに、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸及びシトラコン酸などの脂肪族不飽和ジカルボン酸。
また、3価以上のカルボン酸としては、以下の化合物を挙げることができる。1,2,4−ベンゼントリカルボン酸、1,2,5−ベンゼントリカルボン酸、及びこれらの無水物又はこれらの低級アルキルエステル。これらは1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
2価のアルコールとしては、以下の化合物を挙げることができる。アルキレングリコール(エチレングリコール、1,2−プロピレングリコール及び1,3−プロピレングリコール);アルキレンエーテルグリコール(ポリエチレングリコール及びポリプロピレングリコール);脂環式ジオール(1,4−シクロヘキサンジメタノール);ビスフェノール類(ビスフェノールA);脂環式ジオールのアルキレンオキサイド(エチレンオキサイド及びプロピレンオキサイド)付加物。
アルキレングリコール及びアルキレンエーテルグリコールのアルキル部分は直鎖状であっても、分岐していてもよい。本発明においては分岐構造のアルキレングリコールも好ましく用いることができる。
また、3価以上のアルコールとしては、以下の化合物を挙げることができる。グリセリン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン及びペンタエリスリトール。これらは1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
尚、酸価や水酸基価の調整を目的として、必要に応じて酢酸及び安息香酸などの1価の酸、シクロヘキサノール及びベンジルアルコールなどの1価のアルコールも使用することができる。
非晶性のポリエステル樹脂の合成方法については特に限定されないが、例えばエステル交換法や直接重縮合法を単独で又は組み合わせて用いることができる。
次に、非晶性のポリウレタン樹脂について述べる。ポリウレタン樹脂は、ジオールとジイソシアネート基を含有する化合物との反応物であり、ジオール及びジイソシアネートの調整により、各種機能性をもつ樹脂を得ることができる。
ジイソシネートとしては、前述した重合性不飽和基を有するポリエステルの製造に用いることができるジイソシアネートと同様のものを用いることができる。
また、ジイソシアネートに加えて、3官能以上のイソシアネート化合物を用いることもできる。
ジオールとしては、前述した非晶性ポリエステルの製造に用いることのできる2価のアルコールと同様のものを採用できる。
以下に、非晶性のビニル樹脂について述べる。非晶性ビニル樹脂の製造に使用可能な単量体としては以下の化合物を挙げることができる。
脂肪族ビニル炭化水素:アルケン類(エチレン、プロピレン、ブテン、イソブチレン、ペンテン、ヘプテン、ジイソブチレン、オクテン、ドデセン、オクタデセン、前記以外のα−オレフィン);アルカジエン類(ブタジエン、イソプレン、1,4−ペンタジエン、1,6−ヘキサジエンおよび1,7−オクタジエン)。
脂環式ビニル炭化水素:モノ−もしくはジ−シクロアルケンおよびアルカジエン類(シクロヘキセン、シクロペンタジエン、ビニルシクロヘキセン、エチリデンビシクロヘプテン);テルペン類(ピネン、リモネン、インデン)。
芳香族ビニル炭化水素:スチレンおよびそのハイドロカルビル(アルキル、シクロアルキル、アラルキルおよび/またはアルケニル)置換体(α−メチルスチレン、ビニルトルエン、2,4−ジメチルスチレン、エチルスチレン、イソプロピルスチレン、ブチルスチレン、フェニルスチレン、シクロヘキシルスチレン、ベンジルスチレン、クロチルベンゼン、ジビニルベンゼン、ジビニルトルエン、ジビニルキシレン、トリビニルベンゼン);およびビニルナフタレン。
カルボキシル基含有ビニルモノマーおよびその金属塩:炭素数3以上30以下の不飽和モノカルボン酸、不飽和ジカルボン酸ならびにその無水物およびそのモノアルキル〔炭素数1以上11以下〕エステル(マレイン酸、無水マレイン酸、マレイン酸モノアルキルエステル、フマル酸、フマル酸モノアルキルエステル、クロトン酸、イタコン酸、イタコン酸モノアルキルエステル、イタコン酸グリコールモノエーテル、シトラコン酸、シトラコン酸モノアルキルエステル、桂皮酸のカルボキシル基含有ビニル系モノマー)。
ビニルエステル(酢酸ビニル、ビニルブチレート、プロピオン酸ビニル、酪酸ビニル、ジアリルフタレート、ジアリルアジペート、イソプロペニルアセテート、ビニルメタクリレート、メチル4−ビニルベンゾエート、シクロヘキシルメタクリレート、ベンジルメタクリレート、フェニルアクリレート、フェニルメタクリレート、ビニルメトキシアセテート、ビニルベンゾエート、エチルα−エトキシアクリレート)、炭素数1以上11以下のアルキル基(直鎖もしくは分岐)を有するアルキルアクリレートおよびアルキルメタクリレート(メチルアクリレート、メチルメタクリレート、エチルアクリレート、エチルメタクリレート、プロピルアクリレート、プロピルメタクリレート、ブチルアクリレート、ブチルメタクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、2−エチルヘキシルメタクリレート、ジアルキルフマレート(フマル酸ジアルキルエステル)(2個のアルキル基は、炭素数2以上8以下の、直鎖、分枝鎖もしくは脂環式の基である)、ジアルキルマレエート(マレイン酸ジアルキルエステル)(2個のアルキル基は、炭素数2以上8以下の、直鎖、分枝鎖もしくは脂環式の基である)、ポリアリロキシアルカン類(ジアリロキシエタン、トリアリロキシエタン、テトラアリロキシエタン、テトラアリロキシプロパン、テトラアリロキシブタン、テトラメタアリロキシエタン)、ポリアルキレングリコール鎖を有するビニル系モノマー(ポリエチレングリコール(分子量300)モノアクリレート、ポリエチレングリコール(分子量300)モノメタクリレート、ポリプロピレングリコール(分子量500)モノアクリレート、ポリプロピレングリコール(分子量500)モノメタクリレート、メチルアルコールエチレンオキサイド(エチレンオキサイドを以下EOと略記する)10モル付加物アクリレート、メチルアルコールエチレンオキサイド(エチレンオキサイドを以下EOと略記する)10モル付加物メタクリレート、ラウリルアルコールEO30モル付加物アクリレートラウリルアルコールEO30モル付加物メタクリレート)、ポリアクリレート類およびポリメタクリレート類(多価アルコール類のポリアクリレートおよびポリメタクリレート:エチレングリコールジアクリレート、エチレングリコールジメタクリレート、プロピレングリコールジアクリレート、プロピレングリコールジメタクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジメタクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレート、ポリエチレングリコールジアクリレート。ポリエチレングリコールジメタクリレート。
更に、本発明においては、結着樹脂として、結晶性樹脂成分と非晶性樹脂成分とを化学的に結合したブロックポリマーを使用することも好ましい形態のひとつである。
ブロックポリマーは、結晶性樹脂成分(P)と非晶性樹脂成分(Q)とのPQ型ジブロックポリマー、PQP型トリブロックポリマー、QPQ型トリブロックポリマー、PQPQ・・・・型マルチブロックポリマーが挙げられ、どの形態も使用可能である。
ブロックポリマーを調製する方法としては、結晶性樹脂を形成する成分と非晶性樹脂を形成する成分とを別々に調製し、両者を結合する方法(二段階法)、結晶性樹脂を形成する成分、および非晶性樹脂を形成する成分の原料を同時に仕込み、一度で調製する方法(一段階法)を用いることができる。
ブロックポリマーは、それぞれの末端官能基の反応性を考慮して種々の方法より選択してブロックポリマーとすることができる。
結晶性樹脂成分、および非晶性樹脂成分がともにポリエステル樹脂の場合は、各成分を別々に調製した後、必要に応じて結合剤を用いて結合することにより調製することができる。特に片方のポリエステルの酸価が高く、もう一方のポリエステルの水酸基価が高い場合は、結合剤を用いることなく結合させることができる。このとき反応温度は200℃付近で行うのが好ましい。
結合剤を使用する場合は、以下の結合剤が挙げられる。多価カルボン酸、多価アルコール、多価イソシアネート、多官能エポキシ、多価酸無水物。これらの結合剤を用いて、脱水反応や付加反応によって合成することができる。
一方で、結晶性樹脂成分がポリエステル樹脂であり、非晶性樹脂成分がポリウレタン樹脂の場合では、各成分を別々に調製した後、ポリエステル樹脂のアルコール末端とポリウレタン樹脂のイソシアネート末端とをウレタン化反応させることにより調製できる。また、アルコール末端を持つポリエステル樹脂と、ポリウレタン樹脂を構成するジオール、ジイソシアネートを混合し、加熱することによっても合成が可能である。ジオールおよびジイソシアネート濃度が高い反応初期はジオールとジイソシアネートが選択的に反応してポリウレタン樹脂となり、ある程度分子量が大きくなった後にポリウレタン樹脂のイソシアネート末端とポリエステル樹脂のアルコール末端とのウレタン化反応が起こり、ブロックポリマーとすることができる。
結晶性樹脂成分、および非晶性樹脂成分ともにビニル樹脂の場合は、一方の成分を重合した後、そのビニルポリマーの末端から他成分を重合開始させることにより調製することができる。
ブロックポリマー中の結晶性樹脂成分の割合は50.0質量%以上であることが好ましく、70.0質量%以上であることがより好ましい。
本発明のトナーの製造方法におけるトナー粒子は、ワックスを含有することも好ましい形態のひとつである。前記ワックスとしては、特に限定はないが、例えば、以下のものが挙げられる。
低分子量ポリエチレン、低分子量ポリプロピレン、低分子量オレフィン共重合体、マイクロクリスタリンワックス、パラフィンワックス、フィッシャートロプシュワックスなどの脂肪族炭化水素系ワックス;酸化ポリエチレンワックスなどの脂肪族炭化水素系ワックスの酸化物;脂肪族炭化水素系エステルワックスなどの脂肪酸エステルを主成分とするワックス;及び脱酸カルナバワックスなどの脂肪酸エステルを一部又は全部を脱酸化したもの;ベヘニン酸モノグリセリドなどの脂肪酸と多価アルコールの部分エステル化物;植物性油脂を水素添加することによって得られるヒドロキシル基を有するメチルエステル化合物。
本発明のトナーの製造方法において特に好ましく用いられるワックスは、脂肪族炭化水素系ワックス及びエステルワックスである。また、本発明に用いられるエステルワックスは、3官能以上のエステルワックスであることが好ましく、更に好ましくは4官能以上のエステルワックス、特に好ましくは6官能以上のエステルワックスである。
3官能以上のエステルワックスは、例えば3価以上の酸と長鎖直鎖飽和アルコールの縮合、または3価以上のアルコールと長鎖直鎖飽和脂肪酸の合成によって得られる。
前記ワックスにて使用可能な3価以上のアルコールとしては以下を挙げることが出来るが、これに限定されるものではない。場合によっては混合して用いることも可能である。グリセリン、トリメチロールプロパン、エリスリトール、ペンタエリスリトール、ソルビトール。また、これらの縮合物として、グリセリンの縮合したジグリセリン、トリグリセリン、テトラグリセリン、ヘキサグリセリン及びデカグリセリン等のいわゆるポリグリセリン、トリメチロールプロパンの縮合したジトリメチロールプロパン、トリストリメチロールプロパン及びペンタエリスリトールの縮合したジペンタエリスリトール及びトリペンタエリスリトール等が挙げられる。これらのうち、分岐構造をもつ構造が好ましく、ペンタエルスリトール、又はジペンタエリスリトールがより好ましく、特にジペンタエリスリトールが好ましい。
長鎖直鎖飽和脂肪酸は、一般式Cn2n+1COOHで表され、nが5以上28以下のものが好ましく用いられる。
例えば以下を挙げることが出来るが、これに限定されるものではない。場合によっては混合して用いることも可能である。カプロン酸、カプリル酸、オクチル酸、ノニル酸、デカン酸、ドデカン酸、ラウリン酸、トリデカン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ベヘン酸が挙げられる。ワックスの融点の面からミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ベヘン酸が好ましい。
本発明にて使用可能な3価以上の酸としては以下を挙げることが出来るが、これに限定されるものではない。場合によっては混合して用いることも可能である。トリメリット酸、ブタンテトラカルボン酸。
長鎖直鎖飽和アルコールはCn2n+1OHで表され、nが5以上28以下のものが好ましく用いられる。
例えば以下を挙げることが出来るが、これに限定されるものではない。場合によっては混合して用いることも可能である。カプリルアルコール、ラウリルアルコール、ミリスチルアルコール、パルミチルアルコール、ステアリルアルコール、ベヘニルアルコールが挙げられる。ワックスの融点の面からミリスチルアルコール、パルミチルアルコール、ステアリルアルコール、ベヘニルアルコールが好ましい。
トナー粒子中におけるワックスの含有量は、好ましくは結着樹脂100質量部に対して、1.0質量部以上20.0質量部以下、より好ましくは2.0質量部以上15.0質量部以下である。
ワックスは、示差走査熱量計(DSC)による測定において、60℃以上120℃以下に最大吸熱ピークを有することが好ましい。より好ましくは60℃以上90℃以下である。
トナー粒子は、着色剤を含有する。本発明に好ましく使用される着色剤として、有機顔料、有機染料、無機顔料、黒色着色剤としてのカーボンブラック、磁性粒子が挙げられ、そのほかに従来トナーに用いられている着色剤を用いることが出来る。
イエロー用着色剤としては、以下のものが挙げられる。縮合アゾ化合物、イソインドリノン化合物、アントラキノン化合物、アゾ金属錯体、メチン化合物、アリルアミド化合物。具体的には、C.I.ピグメントイエロー12、13、14、15、17、62、74、83、93、94、95、109、110、111、128、129、147、155、168、180が好適に用いられる。
マゼンタ用着色剤としては、以下のものが挙げられる。縮合アゾ化合物、ジケトピロロピロール化合物、アントラキノン、キナクリドン化合物、塩基染料レーキ化合物、ナフトール化合物、ベンズイミダゾロン化合物、チオインジゴ化合物、ペリレン化合物。具体的には、C.I.ピグメントレッド2、3、5、6、7、23、48:2、48:3、48:4、57:1、81:1、122、144、146、166、169、177、184、185、202、206、220、221、254が好適に用いられる。
シアン用着色剤としては、以下のものが挙げられる。銅フタロシアニン化合物およびその誘導体、アントラキノン化合物、塩基染料レーキ化合物。具体的には、C.I.ピグメントブルー1、7、15、15:1、15:2、15:3、15:4、60、62、66が好適に用いられる。
本発明のトナーの製造方法に用いられる着色剤は、色相角、彩度、明度、耐光性、OHP透明性、トナー中の分散性の点から選択される。
着色剤は、好ましくは結着樹脂100質量部に対し、1.0質量部以上20.0質量部以下添加して用いられる。着色剤として磁性粒子を用いる場合、その添加量は結着樹脂100質量部に対し、40.0質量部以上150.0質量部以下であることが好ましい。
必要に応じて荷電制御剤をトナー粒子に含有させてもよい。また、トナー粒子に外部添加してもよい。荷電制御剤を配合することにより、荷電特性を安定化、現像システムに応じた最適の摩擦帯電量のコントロールが可能となる。
荷電制御剤としては、公知のものが利用でき、特に帯電スピードが速く、かつ、一定の帯電量を安定して維持できる荷電制御剤が好ましい。
荷電制御剤として、トナーを負荷電性に制御するものとしては、以下のものが挙げられる。有機金属化合物、キレート化合物が有効であり、モノアゾ金属化合物、アセチルアセトン金属化合物、芳香族オキシカルボン酸、芳香族ダイカルボン酸、オキシカルボン酸及びダイカルボン酸系の金属化合物が挙げられる。トナーを正荷電性に制御するものとしては、以下のものが挙げられる。ニグロシン、四級アンモニウム塩、高級脂肪酸の金属塩、ジオルガノスズボレート類、グアニジン化合物、イミダゾール化合物が挙げられる。
荷電制御剤の好ましい配合量は、結着樹脂100質量部に対して0.01質量部以上20.0質量部以下、より好ましくは0.5質量部以上10.0質量部以下である。
本発明のトナーの製造方法において、トナー粒子には流動性向上剤として、無機微粒子を添加することが好ましい。トナー粒子に添加する無機微粒子としては、シリカ微粒子、酸化チタン微粒子、アルミナ微粒子またはそれらの複酸化物微粒子などの微粒子が挙げられる。該無機微粒子の中でもシリカ微粒子及び酸化チタン微粒子が好ましい。
前記シリカ微粒子としては、ケイ素ハロゲン化物の蒸気相酸化により生成された乾式シリカ又はヒュームドシリカ、及び水ガラスから製造される湿式シリカが挙げられる。なかでも、乾式シリカの方が好ましい。また乾式シリカは、製造工程において、塩化アルミニウム、塩化チタンなどの金属ハロゲン化合物をケイ素ハロゲン化合物と共に用いることによって製造された、シリカと他の金属酸化物の複合微粒子であっても良い。
無機微粒子は、トナーの流動性改良及びトナーの帯電均一化のためにトナー粒子に外添されることが好ましい。また、無機微粒子を疎水化処理することによって、トナーの帯電量の調整、環境安定性の向上を達成することができる。
本発明のトナーの製造方法におけるトナー粒子は、重量平均粒径(D4)が、3.0μm以上8.0μm以下であることが好ましく、より好ましくは5.0μm以上7.0μm以下である。このような重量平均粒径(D4)のトナー粒子を用いることは、トナーのハンドリング性を良好にしつつ、ドットの再現性を十分に満足する上で好ましい。得られたトナー粒子の重量平均粒径(D4)と個数平均粒径(D1)の比(D4/D1)は、1.25未満であることが好ましい。
また、本発明のトナーの製造方法におけるトナー粒子は、平均円形度が0.97以上であることが好ましい。平均円形度は、トナー粒子表面の凹凸を示す指標であり、値が1.00に近いほど凹凸が少なく表面が均一となり、トナーに帯電性を付与させる機能を持つ様々な外添剤をトナー粒子表面に均一に外添することが可能となる。
さらに、本発明のトナーの製造方法におけるトナー粒子は、円形度の変動係数が4.00未満であることが好ましい。円形度の変動係数は、円形度の分布を示す指標であり、値が小さいほど形状が均一であり、実用時にクリーニング不良などを起こしにくい。
以下に、本発明で規定する各物性値の測定方法を記載する。
<トナー粒子の重量平均粒径(D4)および個数平均粒径(D1)の測定方法>
トナー粒子の重量平均粒径(D4)および個数平均粒径(D1)は、以下のようにして算出する。測定装置としては、100μmのアパーチャーチューブを備えた細孔電気抵抗法による精密粒度分布測定装置「コールター・カウンター Multisizer 3」(登録商標、ベックマン・コールター社製)を用いる。測定条件の設定及び測定データの解析は、付属の専用ソフト「ベックマン・コールター Multisizer 3 Version3.51」(ベックマン・コールター社製)を用いる。尚、測定は実効測定チャンネル数2万5千チャンネルで行う。
測定に使用する電解水溶液は、特級塩化ナトリウムをイオン交換水に溶解して濃度が約1質量%となるようにしたもの、例えば、「ISOTON II」(ベックマン・コールター社製)が使用できる。
尚、測定、解析を行う前に、以下のように前記専用ソフトの設定を行う。
前記専用ソフトの「標準測定方法(SOM)を変更」画面において、コントロールモードの総カウント数を50,000粒子に設定し、測定回数を1回、Kd値は「標準粒子10.0μm」(ベックマン・コールター社製)を用いて得られた値を設定する。「閾値/ノイズレベルの測定ボタン」を押すことで、閾値とノイズレベルを自動設定する。また、カレントを1600μAに、ゲインを2に、電解液をISOTON IIに設定し、「測定後のアパーチャーチューブのフラッシュ」にチェックを入れる。
前記専用ソフトの「パルスから粒径への変換設定」画面において、ビン間隔を対数粒径に、粒径ビンを256粒径ビンに、粒径範囲を2μmから60μmまでに設定する。
具体的な測定法は、特開2012−042939号公報に記載された方法でトナー粒子の重量平均粒径(D4)および個数平均粒径(D1)を測定する。
<トナー粒子の平均円形度及び円形度の変動係数の測定方法>
トナー粒子の平均円形度及び円形度の変動係数は、フロー式粒子像分析装置「FPIA−3000」(シスメックス社製)によって、校正作業時の測定及び解析条件で測定する。
具体的な測定方法は、以下の通りである。まず、ガラス製の容器中に予め不純固形物などを除去したイオン交換水約20mlを入れる。この中に分散剤として「コンタミノンN」(非イオン界面活性剤、陰イオン界面活性剤、有機ビルダーからなるpH7の精密測定器洗浄用中性洗剤の10質量%水溶液、和光純薬工業社製)をイオン交換水で約3質量倍に希釈した希釈液を約0.2ml加える。さらに測定試料を約0.02g加え、超音波分散器を用いて2分間分散処理を行い、測定用の分散液とする。その際、分散液の温度が10℃以上40℃以下となる様に適宜冷却する。超音波分散器としては、発振周波数50kHz、電気的出力150Wの卓上型の超音波洗浄器分散器(例えば「VS−150」(ヴェルヴォクリーア社製))を用い、水槽内には所定量のイオン交換水を入れ、この水槽中に該コンタミノンNを約2ml添加する。
測定には、標準対物レンズ(10倍)を搭載した該フロー式粒子像分析装置を用い、シース液にはパーティクルシース「PSE−900A」(シスメックス社製)を使用する。該手順に従い調製した分散液を該フロー式粒子像分析装置に導入し、HPF測定モードで、トータルカウントモードにて3000個のトナー粒子を計測する。そして、粒子解析時の2値化閾値を85%とし、解析粒子径を指定することにより、その範囲の粒子の個数割合(%)、平均円形度を算出することができる。トナー粒子の平均円形度と標準偏差は、円相当径1.985μm以上200.00μm以下のトナー粒子について求め、平均円形度と標準偏差の値から変動係数を求める。
測定にあたっては、測定開始前に標準ラテックス粒子(例えば、Duke Scientific社製の「RESEARCH AND TEST PARTICLES Latex Microsphere Suspensions 5200A」をイオン交換水で希釈)を用いて自動焦点調整を行う。その後、測定開始から2時間毎に焦点調整を実施することが好ましい。
なお、本願実施例では、シスメックス社による校正作業が行われた、シスメックス社が発行する校正証明書の発行を受けたフロー式粒子像分析装置を使用する。解析粒子径を円相当径1.985μm以上、200.00μm未満に限定した以外は、校正証明を受けた時の測定及び解析条件で測定を行う。
<重合性不飽和基を有するポリエステルの、一分子中に含まれる重合性不飽和基の数の平均の測定方法>
重合性不飽和基を有するポリエステルに含まれる重合性不飽和基の数の平均の測定は、1H−NMRにより以下の条件にて行う。
測定装置 :FT NMR装置 JNM−EX400(日本電子社製)
測定周波数:400MHz
パルス条件:5.0μs
周波数範囲:10500Hz
積算回数 :64回
測定温度 :30.0℃
試料は、重合性不飽和基を有するポリエステル50.0mgを内径5.0mmのサンプルチューブに入れ、溶媒として重クロロホルム(CDCl3)を添加し、これを40.0℃の恒温槽内で溶解させることにより調製する。
上記試料の1H−NMRを測定し、以下のユニットに帰属されるピーク情報を得る。
(1)重合性不飽和基を含む化合物に由来するユニットY1
(2)重合性不飽和基を含まないジオールに由来するユニットY2
(3)重合性不飽和基を含まないジカルボン酸に由来するユニットY3
上記重合性不飽和基を含む化合物は、上述した重合性不飽和基を有するジオールや重合性不飽和基を有するジカルボン酸、ヒドロキシル基を有するビニル系化合物、イソシアネート基を有するビニル系化合物が含まれる。
前記ユニットY1に帰属されるピークの中から、他のユニットと一致しない固有のピークP1を選択し、選択したピークP1の積分値S1を算出する。
前記ユニットY2に帰属されるピークの中から、他のユニットと一致しない固有のピークP2を選択し、選択したピークP2の積分値S2を算出する。
前記ユニットY3に帰属されるピークの中から、他のユニットと一致しない固有のピークP3を選択し、選択したピークP3の積分値S3を算出する。
前記重合性不飽和基を有するポリエステル一分子中に含まれる重合性不飽和基の個数の平均は、上記積分値S1、積分値S2、積分値S3を用いて、以下のようにして求める。
重合性不飽和基を有するポリエステル1分子中に含まれる重合性不飽和基の数の平均=
{Mp×(S1/n1)}/{M1×(S1/n1)+M2×(S2/n2)+M3×(S3/n3)}
尚、n1、n2、n3は、それぞれ上記ユニットY1、Y2、Y3における水素の数であり、M1、M2、M3は、それぞれ上記ユニットY1、Y2、Y3の分子量である。Mpは、重合性不飽和基を有するポリエステルの分子量である。
<樹脂のSP値の算出方法>
樹脂のSP値は、溶解度パラメータ計算ソフトウェア(Hansen Solubility Parameters in Practice)を用いて、以下のようにして求めた。
まず、樹脂を構成するユニットのSP値を以下のようにして求める。ここで樹脂を構成するユニットとは、樹脂がビニル系樹脂の場合(ビニル系モノマーの重合反応によって該樹脂を構成する重合体を生成している場合)、前記ビニル系モノマーの二重結合が重合によって開裂した状態の分子構造を意味する。
前記ユニットのSP値は、前記ソフトウェアにユニットの分子構造を分子の線形表記法Smiles式で入力することで、分子を自動的に原子団に分解し、ユニットのHansenのSP値が算出される。
前記樹脂のSP値は、前記ソフトウェアにより算出されたユニットのHansenのSP値と仕込み量に基づく各ユニットの質量比率を前記ソフトウェアに入力することで算出される。
<蛍光X線分析(XRF)による、樹脂に含有されるSi量の測定方法>
本発明では、樹脂に含有されるSi量は、蛍光X線分析(XRF)により、以下のようにして測定する。樹脂微粒子をペレット状に固化し、波長分散型蛍光X線分析装置Axios advanced(PANalytical社製)を用いてHe雰囲気下、FP法にて発生する特性X線をエネルギーで分光することで樹脂微粒子に含まれる元素の原子比を測定することで、樹脂に含有されるSi量(質量%)を計測する。
<X線光電子分光分析(ESCA)による、樹脂微粒子に存在するSi量の測定方法>
本発明では、樹脂微粒子に対して液体状態の二酸化炭素への暴露処理を施し、処理前後における前記樹脂微粒子に存在する有機ポリシロキサン構造に由来するSi量をESCAによる表面組成分析で算出する。
ESCAの装置および測定条件は、下記の通りである。
使用装置:アルバック−ファイ社製 Quantum 2000
分析方法:ナロー分析
測定条件:
X線源:Al−Kα
X線条件:100μ25W15kV
光電子取り込み角度:45°
PassEnergy:58.70eV
測定範囲:φ100μm
以上の条件により測定を行い、炭素1s軌道のC−C結合に由来するピークを285eVに補正する。その後、100eV以上103eV以下にピークトップが検出されるケイ素2p軌道のSiO結合のピーク面積から、アルバック−ファイ社提供の相対感度因子を用いることで、構成元素の総量に対する有機ポリシロキサン構造に由来するSi量を算出する。なお、Si2p軌道の他ピーク(SiO2:103eVより大きく、105eV以下)が検出される場合は、SiO結合のピークに対し波形分離を行うことで、SiO結合のピーク面積を算出する。
<結晶性ポリエステル樹脂、ブロックポリマー、及びワックスの融点の測定方法>
結晶性ポリエステル樹脂、ブロックポリマー、及びワックスの融点は、DSC Q2000(TA Instruments社製)を使用して以下の条件にて測定を行う。
昇温速度:10℃/min
測定開始温度:20℃
測定終了温度:180℃
装置検出部の温度補正はインジウムと亜鉛の融点を用い、熱量の補正についてはインジウムの融解熱を用いる。
具体的には、試料約2mgを精秤し、アルミ製のパンの中に入れ、一回測定を行う。リファレンスとしてはアルミ製の空パンを用いる。測定は、一度200℃まで昇温させ、続いて20℃まで降温し、その後に再度昇温を行う。結晶性ポリエステル及びブロックポリマーの場合は1度目の昇温過程において、ワックスの場合は2度目の昇温過程において、温度20℃から200℃の範囲におけるDSC曲線の最大吸熱ピークのピーク温度を結晶性ポリエステル、ブロックポリマー、及びワックスの融点とする。なお、昇温速度および降温速度は、10℃/minとする。
<数平均分子量(Mn)、及び重量平均分子量(Mw)の測定方法>
各種樹脂のテトラヒドロフラン(THF)可溶分の分子量(Mn、Mw)は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により、以下のようにして測定する。
まず、室温で24時間かけて、試料をTHFに溶解する。そして、得られた溶液を、ポア径が0.2μmの耐溶剤性メンブランフィルター「マイショリディスク」(東ソー社製)で濾過してサンプル溶液を得る。なお、サンプル溶液は、THFに可溶な成分の濃度が約0.8質量%となるように調整する。このサンプル溶液を用いて、以下の条件で測定する。
装置:HLC8120 GPC(検出器:RI)(東ソー社製)
カラム:Shodex KF−801、802、803、804、805、806、807の7連(昭和電工社製)
溶離液:テトラヒドロフラン(THF)
流速:1.0ml/min
オーブン温度:40.0℃
試料注入量:0.10ml
試料の分子量の算出にあたっては、標準ポリスチレン樹脂(商品名「TSKスタンダード ポリスチレン F−850、F−450、F−288、F−128、F−80、F−40、F−20、F−10、F−4、F−2、F−1、A−5000、A−2500、A−1000、A−500」、東ソ−社製)を用いて作製した分子量校正曲線を使用する。
<樹脂微粒子L1及び樹脂微粒子L2の個数平均径の測定方法>
樹脂微粒子L1及びL2の個数平均径はゼータサイザーNano−ZS(MALVERN社製)を用いて測定する。まず、サンプルは測定対象の樹脂微粒子の有機溶媒分散液を固液比が0.10質量%(±0.02質量%)となるように希釈して調整し、石英セルに採取して測定部に入れる。測定条件として、樹脂微粒子の屈折率、分散溶媒の屈折率及び粘度を入力し、測定する。
<ワックス微粒子及び着色剤微粒子の粒子径の測定方法>
各微粒子の粒子径は、マイクロトラック粒度分布測定装置HRA(X−100)(日機装社製)を用い、0.001μm〜10μmのレンジ設定で測定を行い、体積平均粒子径(μm又はnm)として測定する。尚、希釈溶媒としては水を選択する。
以下、本発明を製造例及び実施例により具体的に説明するが、これらは本発明を何ら限定するものではない。
<重合性不飽和基を有するポリエステル1の合成>
加熱乾燥した二口フラスコに、窒素を導入しながら以下の原料を仕込んだ。
・セバシン酸 128.0質量部
・フマル酸 2.6質量部
・1,6−ヘキサンジオール 78.5質量部
・酸化ジブチルスズ 0.1質量部
減圧操作により系内を窒素置換した後、180℃にて6時間撹拌を行った。その後、撹拌を続けながら減圧下にて230℃まで徐々に昇温し、さらに2時間保持した。粘稠な状態となったところで空冷し、反応を停止させることで、重合性不飽和基を有するポリエステル1を合成した。重合性不飽和基を有するポリエステル1の融点は56℃、Mnは19,000、Mwは44,000であった。一分子中に含まれる重合性不飽和基の数の平均は2.0であった。
<ビニル基を有する有機ポリシロキサン化合物(x1)〜(x3)の準備>
表1に示す市販の片末端型ビニル変性有機ポリシロキサンを用意し、ビニル基を有する有機ポリシロキサン化合物(x1)〜(x3)として使用した。ビニル基を有する有機ポリシロキサン化合物(x1)〜(x3)の構造は、下記式(ii)で表され、R2〜R5の詳細及び重合度nの値は、表1に示した。
Figure 2017016109
Figure 2017016109
<多官能単量体1の準備>
APG400(新中村化学工業社製)を用意し、多官能単量体1として使用した。多官能単量体1の構造は、下記式(iii)で表され、重合度m、nの合計は7、分子量は536であった。
Figure 2017016109
<樹脂微粒子L1分散液1の調製>
加熱乾燥した二口フラスコに、窒素を導入しながら以下の原料とトルエン800.0質量部を仕込み、70℃に加熱して完全に溶解して単量体組成物1を調製した。
・重合性不飽和基を有するポリエステル1 40.0質量部
・ビニル基を有する有機ポリシロキサン化合物(x1) 25.0質量部
・スチレン(St) 25.0質量部
・メタクリル酸(MAA) 10.0質量部
・多官能単量体1 3.0質量部
上記単量体組成物1を250rpmで撹拌しながら25℃まで降温し、30分間窒素バブリングした後、重合開始剤としてアゾビスメトキシジメチルバレロニトリルを0.6質量部混合した。その後、75℃で加熱し、6時間反応させ、さらに80℃に加熱し、1時間反応を行った。その後、空冷し、粒子状の樹脂の分散体を得た。
得られた粗粒子状の樹脂の分散体を、温度調節可能な撹拌タンクに投入し、ポンプを用いてクレアSS5(エム・テクニック社製)に35g/minの流量で移送して処理することにより、微粒子状の樹脂の分散体を得た。クレアSS5による前記分散体の処理条件は、クレアSS5の回転するリング状ディスクの最外周部の周速を15.7m/sとし、回転するリング状ディスクと固定されたリング状ディスクの間隙を1.6μmとした。また、撹拌タンクの温度は、クレアSS5で処理後の液温が40℃以下となるように調節した。
前記分散体中の樹脂微粒子とトルエンを遠心分離機により分離した。以下に遠心分離の条件を示した。
・遠心分離機:H−9R(KOKUSAN社製)
・ローター:BN1ロ―タ(KOKUSAN社製)
・装置内設定温度:4℃
・回転数:16500rpm
・時間:2.5時間
その後、上澄みを除去することで、濃縮された微粒子状の樹脂の分散体を得た。
撹拌装置のついたビーカーに、前記濃縮された微粒子状の樹脂の分散体とアセトンを投入し、高出力ホモジナイザー(VCX−750)を用いて、前記微粒子状の樹脂をアセトンに分散させた後、さらにアセトンを添加して、固形分濃度が10.0質量%の樹脂微粒子L1分散液1を調製した。このようにして調製した樹脂微粒子L1分散液1中に含まれる樹脂微粒子L1の個数平均粒径は0.14μmであった。
樹脂微粒子L1分散液1の一部をろ過、乾燥し、樹脂微粒子L1を固化することで得られた樹脂を樹脂R1とした。採取した樹脂R1の蛍光X線分析(XRF)により測定されるSi量X1は7.7質量%であった。また、採取した樹脂R1についてESCAにより測定される、有機ポリシロキサンに由来するSi量を求め、この値を樹脂微粒子L1のESCAにより測定される、前記有機ポリシロキサン基に由来するSi量A1とした。前記A1は5.1atomic%であった。また、樹脂微粒子L1分散液1の一部を取り出し、前述した液体状態の二酸化炭素の暴露処理を行った。暴露処理後における、有機ポリシロキサンに由来するSi量B1は6.6atomic%であった。樹脂微粒子L1の暴露処理前後における表面組成の変化度B1/A1は1.29であった。
また、仕込み量から前述した測定方法により算出される、樹脂微粒子L1に含有される樹脂R1のSP値、SP(R1)は17.2(J/cm31/2であった。仕込み量から算出される、ビニル基を有する有機ポリシロキサン化合物(E1)と重合性不飽和基を有するポリエステル(S1)の質量比(E1/S1)は1.6、および合計(E1+S1)は63.1質量%であった。
<樹脂微粒子L1分散液2〜18の調製>
樹脂微粒子L1分散液1の調製において、重合性不飽和基を有するポリエステル1、ビニル基を有する有機ポリシロキサン化合物、多官能単量体1、スチレン及びメタクリル酸の添加量とビニル基を有する有機ポリシロキサン化合物の種類を表2に示すものに変更し、樹脂微粒子L1分散液2〜18を得た。得られた樹脂微粒子L1分散液2〜18中に含まれる樹脂微粒子L1のA1(atomic%)、B1(atomic%)、B1/A1、体積平均粒径(μm)を表2に表す。
また、樹脂R1のSP(R1)((J/cm31/2)、X1(質量%)、E1/S1、E1+S1を表3に示す。
Figure 2017016109
Figure 2017016109
<樹脂微粒子L2分散液1〜7の調製>
樹脂微粒子L1分散液1の調製において、重合性不飽和基を有するポリエステル1、ビニル基を有する有機ポリシロキサン化合物、多官能単量体1、スチレン及びメタクリル酸の添加量とビニル基を有する有機ポリシロキサン化合物の種類を表4に示すものに変更し、樹脂微粒子L2分散液1〜7を得た。得られた樹脂微粒子L2分散液1〜7中に含まれる樹脂微粒子L2のB2(atomic%)、個数平均粒径(μm)を表4に示す。
また、樹脂R2のSP(R2)((J/cm31/2)、X2(質量%)、E2/S2、E2+S2を表5に示す。
Figure 2017016109
Figure 2017016109
<結晶性ポリエステル1の合成>
加熱乾燥した二口フラスコに、窒素を導入しながら以下の原料を仕込んだ。
・セバシン酸 123.0質量部
・1,6−ヘキサンジオール 76.0質量部
・酸化ジブチルスズ 0.1質量部
減圧操作により系内を窒素置換した後、180℃にて6時間撹拌を行った。その後、撹拌を続けながら減圧下にて230℃まで徐々に昇温し、さらに2時間保持した。粘稠な状態となったところで空冷し、反応を停止させることで、結晶性ポリエステル1を合成した。結晶性ポリエステル1の融点は73℃、Mnは5,800、Mwは11,800であった。
<ブロックポリマー1の合成>
・結晶性ポリエステル1 210.0質量部
・キシリレンジイソシアネート(XDI) 56.0質量部
・シクロヘキサンジメタノール(CHDM) 34.0質量部
・テトラヒドロフラン(THF) 300.0質量部
撹拌装置及び温度計を備えた反応容器中に、窒素置換をしながら上記を仕込んだ。50℃まで加熱し、15時間かけてウレタン化反応を施した。溶媒であるTHFを留去し、ブロックポリマー1を得た。ブロックポリマー1の融点は65℃、Mnは16,500、Mwが33,500であった。
<ブロックポリマー溶解液1の調製>
撹拌装置のついたビーカーに、有機溶媒としてのアセトンを128.0質量部、ブロックポリマー1を72.0質量部投入し、50℃に加熱して完全に溶解するまで撹拌を続け、固形分量36.0質量%のブロックポリマー溶解液1を調製した。
<着色剤分散液1の調製>
・C.I.Pigment Blue15:3 100.0質量部
・アセトン 150.0質量部
・ガラスビーズ(1mm) 300.0質量部
上記材料を耐熱性のガラス容器に投入し、ペイントシェーカー(東洋精機製)にて5時間分散を行い、ナイロンメッシュにてガラスビーズを取り除き、体積平均粒径が200nm、固形分量40.0質量%の着色剤分散液1を得た。
<ワックス分散液1の調製>
・ジペンタエリスリトールパルチミン酸エステルワックス 16.0質量部
・ワックス分散剤 8.0質量部
(ポリエチレン15.0質量部の存在下、スチレン50.0質量部、n−ブチルアクリレート25.0質量部、アクリロニトリル10.0質量部をグラフト共重合させた、ピーク分子量8,500の共重合体)
・アセトン 76.0質量部
上記を撹拌羽根付きのガラスビーカー(IWAKIガラス製)に投入し、系内を50℃に加熱することによりワックスをアセトンに溶解させた。
ついで、系内を50rpmの条件にて緩やかに撹拌しながら徐々に冷却し、3時間かけて25℃にまで冷却させ乳白色の液体を得た。
この溶液を1mmのガラスビーズ20.0質量部とともに耐熱性の容器に投入し、ペイントシェーカーにて3時間の分散を行った後、ナイロンメッシュにてガラスビーズを取り除き、体積平均粒径が270nm、固形分量24.0質量%のワックス分散液1を得た。
〔実施例1〕
図1に示す装置において、まず、バルブV1、V2、V3及び圧力調整バルブV4を閉じ、トナー粒子を捕捉するためのフィルターと撹拌機構とを備えた耐圧の造粒タンクT1に18.0質量部の樹脂微粒子L1分散液1を仕込み、内部温度を40℃に調整した。次に、バルブV1を開き、二酸化炭素ボンベB1からポンプP1を用いて二酸化炭素(純度99.99%)を造粒タンクT1に導入し、内部圧力が2.0MPaに到達したところでバルブV1を閉じた。
一方、樹脂溶液タンクT2にブロックポリマー溶解液1、着色剤分散液1、ワックス分散液1を仕込んで樹脂溶液を調製した後、内部温度を40℃に調整した。バルブV2を開き、造粒タンクT1の内部を2000rpmで撹拌しながら、ポンプP2を用いて樹脂溶液タンクT2の樹脂溶液を造粒タンクT1内に導入した。そして、樹脂溶液をすべて導入し終えたところでバルブV2を閉じた。導入後の、造粒タンクT1の内部圧力は3.0MPaとなった。導入した全二酸化炭素の質量は、質量流量計を用いて測定し、280.0質量部であった。
なお、樹脂溶解液タンクT2への材料仕込み量(質量比)は、次の通りである。
・ブロックポリマー溶解液1 100.0質量部
・ワックス分散液1 10.0質量部
・着色剤分散液1 6.0質量部
樹脂溶液タンクT2の内容物の造粒タンクT1への導入を終えた後、さらに、2000rpmで3分間撹拌して前記樹脂溶液の液滴による分散体の形成を行った。
次に、樹脂微粒子分散液タンクT3に10.8質量部の樹脂微粒子L2分散液1を仕込んだ後、内部温度を40℃に調整した。バルブV3を開き、造粒タンクT1の内部を2000rpmで撹拌しながら、ポンプP3を用いて樹脂微粒子L2分散液タンクT3の樹脂微粒子L2分散液1を造粒タンクT1内に導入した。そして、樹脂微粒子L2分散液1をすべて導入し終えたところでバルブV3を閉じた。導入後の、造粒タンクT1の内部圧力は3.1MPaとなった。
次に、バルブV1を開き、二酸化炭素ボンベB1からポンプP1を用いて二酸化炭素を造粒タンクT1内に導入し、内部圧力が10.0MPaに到達したところでバルブV1を閉じた。こうして前記分散体中の液滴に含まれるアセトンの分散媒体への抽出を行った。
その後、バルブV1及び圧力調整バルブV4を開き、造粒タンクT1の内部圧力を10.0MPaに保持しながら、さらにポンプP1を用いて二酸化炭素を流通させた。この操作により、抽出された有機溶媒としてのアセトンを含む二酸化炭素を、溶媒回収タンクT4に排出し、アセトンと二酸化炭素を分離した。
また、二酸化炭素を有機溶媒回収タンクT4へ排出し始めてから5分ごとに有機溶媒回収タンクT4内のアセトンを取りだした。この作業をアセトンが有機溶媒回収タンクT4に溜まらなくなり、取り出せなくなるまで続けた。アセトンが取り出されなくなった時点で脱溶媒終了とし、バルブV1及び圧力調整バルブV4を閉じて、二酸化炭素の流通を終了した。
さらに、圧力調整バルブV4を開き、造粒タンクT1の内部圧力を大気圧まで脱圧することで、フィルターに捕捉されているトナー粒子1を回収した。
実施例1において、用いた前記樹脂微粒子L1と前記樹脂微粒子L2のSP値の関係[f(SP)]は8.7、蛍光X線分析(XRF)により測定されるSi量の関係[X2/X1]は1.8、前述した液体状態の二酸化炭素に暴露処理させた後における、有機ポリシロキサンに由来するSi量の関係[B2/B1]は1.3である。
得られたトナー粒子1について、粒度分布、円形度の評価を行った。D1は5.6μm、D4は6.3μm、D4/D1は1.12、平均円形度は0.99、円形度の変動係数は2.82であった。
尚、粒度分布の評価については下記の基準に基づいて判断を行った。
A:D4/D1値が1.15未満
B:D4/D1値が1.15以上1.20未満
C:D4/D1値が1.20以上1.25未満
D:D4/D1値が1.25以上1.30未満
E:D4/D1値が1.30以上
また、円形度の変動係数の評価については、下記の基準に基づいて判断を行った。
A:円形度の変動係数が3.00未満
B:円形度の変動係数が3.00以上3.50未満
C:円形度の変動係数が3.50以上4.00未満
D:円形度の変動係数が4.00以上4.50未満
E:円形度の変動係数が4.50以上
〔実施例2〜21、比較例1〜8〕
実施例1において、樹脂微粒子L1分散液1及び樹脂微粒子L2分散液1の種類及び部数を、表6に示すものに変更した以外は、実施例1と同様にして、トナー粒子2〜21及び比較用トナー粒子1〜8を得た。このときの[f(SP)]、[X2/X1]及び[B2/B1]を表6に示す。
また、得られたトナー粒子2〜21および比較用トナー粒子1〜8の評価結果を表7に示す。
〔実施例22〕
実施例1と同様にして、耐圧タンクT1に樹脂溶液を導入し、実施例1と同様の操作で前記樹脂溶液の液滴による分散体の形成を行った。
次に、樹脂微粒子分散液タンクT3に5.4質量部の樹脂微粒子L2分散液1を仕込んだ後、内部温度を40℃に調整した。バルブV3を開き、造粒タンクT1の内部を2000rpmで撹拌しながら、ポンプP3を用いて樹脂微粒子分散液タンクT3の樹脂微粒子L2分散液1を造粒タンクT1内に導入した。そして、樹脂微粒子L2分散液1をすべて導入し終えたところでバルブV3を閉じた。導入後の、造粒タンクT1の内部圧力は3.1MPaとなった。
次に、バルブV1を開き、二酸化炭素ボンベB1からポンプP1を用いて二酸化炭素を造粒タンクT1内に導入し、内部圧力が4.0MPaに到達したところでバルブV1を閉じた。導入した全二酸化炭素の質量は、質量流量計を用いて測定し、320.0質量部であった。
更に、樹脂微粒子分散液タンクT3に5.4質量部の樹脂微粒子L2分散液1を仕込んだ後、内部温度を40℃に調整した。バルブV3を開き、造粒タンクT1の内部を2000rpmで撹拌しながら、ポンプP3を用いて樹脂微粒子分散液タンクT3の樹脂微粒子L2分散液1を造粒タンクT1内に導入した。そして、樹脂微粒子L2分散液1をすべて導入し終えたところでバルブV3を閉じた。導入後の、造粒タンクT1の内部圧力は4.1MPaとなった。
次に、バルブV1を開き、二酸化炭素ボンベB1からポンプP1を用いて二酸化炭素を造粒タンクT1内に導入し、内部圧力が10.0MPaに到達したところでバルブV1を閉じた。こうして前記分散体中の液滴に含まれるアセトンの分散媒体への抽出を行った。その後、バルブV1及び圧力調整バルブV4を開き、造粒タンクT1の内部圧力を10.0MPaに保持しながら、さらにポンプP1を用いて二酸化炭素を流通させた。この操作により、抽出された有機溶媒としてのアセトンを含む二酸化炭素を、溶媒回収タンクT4に排出し、アセトンと二酸化炭素を分離した。
また、二酸化炭素を有機溶媒回収タンクT4へ排出し始めてから5分ごとに有機溶媒回収タンクT4内のアセトンを取りだした。この作業をアセトンが有機溶媒回収タンクT4に溜まらなくなり、取り出せなくなるまで続けた。アセトンが取り出されなくなった時点で脱溶媒終了とし、バルブV1及び圧力調整バルブV4を閉じて、二酸化炭素の流通を終了した。
さらに、圧力調整バルブV4を開き、造粒タンクT1の内部圧力を大気圧まで脱圧することで、フィルターに捕捉されているトナー粒子22を回収した。
このときの[f(SP)]、[X2/X1]及び[B2/B1]を表6に示す。また、得られたトナー粒子22の評価結果を表7に示す。
Figure 2017016109
Figure 2017016109
T1:造粒タンク、T2:樹脂溶液タンク、T3:樹脂微粒子分散液タンク、T4:溶媒回収タンク、B1:二酸化炭素ボンベ、P1、P2、P3:ポンプ、V1、V2、V3:バルブ、V4:圧力調整バルブ

Claims (9)

  1. トナー粒子を有するトナーの製造方法であって、該方法が、
    a)結着樹脂、着色剤および有機溶媒を含有する樹脂溶液を調製する工程、
    b)表面が樹脂微粒子L1で覆われた前記樹脂溶液の液滴が、二酸化炭素を含有する分散媒体中に分散した分散体を耐圧容器内に形成する工程、
    c)前記分散体に、さらに樹脂微粒子L2を導入する工程、
    d)前記耐圧容器の内部に二酸化炭素を導入してさらに前記分散体を加圧し、前記液滴に含まれる前記有機溶媒を前記分散媒体に抽出する工程、および
    e)抽出された前記有機溶媒を、前記二酸化炭素とともに前記耐圧容器の内部から除くことでトナー粒子を得る工程、
    を有し、
    前記樹脂微粒子L1を構成する樹脂R1、および前記樹脂微粒子L2を構成する樹脂R2が下記式(1)を満たすことを特徴とするトナーの製造方法。
    2.0≦(SP(R1)−SP(R2))/SP(R1)×100≦15.0 (1)
    (式(1)中、
    SP(R1)は、前記樹脂R1の溶解度パラメータ((J/cm31/2)を示す。
    SP(R2)は、前記樹脂R2の溶解度パラメータ((J/cm31/2)を示す。)
  2. 前記樹脂R1および前記樹脂R2が、有機ポリシロキサン構造を有する部位を含有する樹脂である請求項1に記載のトナーの製造方法。
  3. 前記樹脂R1および前記樹脂R2が、下記式(2)の関係を満たす請求項2に記載のトナーの製造方法。
    1.2≦X2/X1≦3.0 ・・・(2)
    (式(2)中、
    X1は、前記樹脂R1の蛍光X線分析(XRF)により測定されるSi量を示す。
    X2は、前記樹脂R2の蛍光X線分析(XRF)により測定されるSi量を示す。)
  4. 前記樹脂微粒子L1、および前記樹脂微粒子L2が下記式(3)〜(6)の関係を満たす請求項2または3に記載のトナーの製造方法。
    3.0≦A1≦6.0 ・・・(3)
    B1/A1≧1.10 ・・・(4)
    B2/B1≧1.10 ・・・(5)
    6.0≦B2≦10.0・・・(6)
    (式(3)〜(6)中、
    A1は、前記樹脂微粒子L1のX線光電子分光分析(ESCA)により測定される、前記樹脂R1の有機ポリシロキサン構造を有する部位に由来するSi量(atomic%)を示す。
    B1は、前記樹脂微粒子L1を前記有機溶媒に分散させた分散体を耐圧容器に入れ、前記耐圧容器に二酸化炭素を導入し、温度25℃、内部圧力6.5MPaを維持させた状態で二酸化炭素を流通させて、前記分散体から前記有機溶媒を除去して得られた処理後の樹脂微粒子L1のESCAにより測定される、前記樹脂R1の有機ポリシロキサン構造を有する部位に由来するSi量(atomic%)を示す。
    B2は、前記樹脂微粒子L2を前記有機溶媒に分散させた分散体を耐圧容器に入れ、前記耐圧容器に二酸化炭素を導入し、温度25℃、内部圧力6.5MPaを維持させた状態で二酸化炭素を流通させて、前記分散体から前記有機溶媒を除去して得られた処理後の樹脂微粒子L2のESCAにより測定される、前記樹脂R2の有機ポリシロキサン構造を有する部位に由来するSi量(atomic%)を示す。)
  5. 前記樹脂R1および前記樹脂R2は、
    ビニル基を有する有機ポリシロキサン化合物と、
    重合性不飽和基を有するポリエステルと、
    を含有する単量体組成物の重合することによって得られる樹脂である請求項2〜4のいずれか一項に記載のトナーの製造方法。
  6. 前記樹脂R1において、前記ビニル基を有する有機ポリシロキサン化合物(S1)と前記重合性不飽和基を有するポリエステル(E1)との質量比(E1/S1)が、1.0以上2.3以下であり、
    前記有機ポリシロキサン化合物と前記重合性不飽和基を有するポリエステルの合計(E1+S1)が、前記樹脂R1に用いる単量体組成物の総量に対して45.0質量%以上90.0質量%以下である請求項5に記載のトナーの製造方法。
  7. 前記樹脂R2において、前記ビニル基を有する有機ポリシロキサン化合物(S2)と前記重合性不飽和基を有するポリエステル(E2)との質量比(E2/S2)が0.5以上1.8以下であり、
    前記有機ポリシロキサン化合物と前記重合性不飽和基を有するポリエステルの合計(E2+S2)が、前記樹脂R2に用いる単量体組成物の総量に対して65.0質量%以上90.0質量%以下である請求項5に記載のトナーの製造方法。
  8. 前記樹脂R1及び前記樹脂R2の前記ビニル基を有する有機ポリシロキサン化合物の重量平均分子量が、400以上2000以下である請求項5〜7のいずれか一項に記載のトナーの製造方法。
  9. 前記樹脂微粒子L1及び前記樹脂微粒子L2が下記式(7)〜(9)の関係を満たす請求項1〜8のいずれか一項に記載のトナーの製造方法。
    1.0≦M1≦10.0・・・(7)
    1.0≦M2≦10.0・・・(8)
    M1≧M2 ・・・(9)
    (式(7)〜(9)中、
    M1は、前記結着樹脂100質量部に対する前記樹脂微粒子L1の添加量(質量部)を示す。
    M2は、前記結着樹脂100質量部に対する前記樹脂微粒子L2の添加量(質量部)を示す。)
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