JP6750856B2 - トナー - Google Patents
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Description
前記コアの表面の、樹脂Aを含有するシェル層と、
を有するコアシェル構造のトナー粒子を有するトナーであって、
前記樹脂Aが、有機ポリシロキサン構造を有する部位を含有し、
前記トナー粒子の、X線光電子分光分析(ESCA)により測定される、前記有機ポリシロキサン構造に由来するSi量(atomic%)が、6.0以上10.0以下であり、
前記樹脂Aが、分子1個中に重合性不飽和基を2個以上含有する単量体aを含む単量体組成物の重合体であり、
前記単量体aが、
重合性不飽和基を含有するポリエステル、および、
下記式(III)で表される多官能単量体
(式(III)中、mおよびnは重合度を示し、mおよびnの合計は2〜11である。)
であり、
前記単量体aが、下記式(1)を満たす
(Xa−1.0)×Ya≧3.0×10-5 (1)
(式(1)中、Xaは、前記単量体aの分子1個中に含まれる重合性不飽和基の個数の平均値を示す。Yaは、前記単量体組成物中に含まれる全単量体の合計質量に対する前記単量体aのモル数(mol/g)を示す。)
ことを特徴とするトナーに関する。
(Xa−1.0)×Ya≧3.0×10-5 (1)
(式(1)中、Xaは、単量体aの分子1個中に含まれる重合性不飽和基の個数の平均値を示す。Yaは、前記単量体組成物中に含まれる全単量体の合計質量に対する単量体aのモル数(mol/g)を示す。)
トナー粒子中の前記樹脂Aの含有量は、2.0質量%以上5.0質量%以下であることがより好ましい。
Za>Zb (2)
(式(2)中、Zaは、樹脂Aの蛍光X線分析(XRF)により測定されるSi量を示す。Zbは、樹脂Bの蛍光X線分析(XRF)により測定されるSi量を示す。)
(Xa−1.0)×Ya≧(Xb−1.0)×Yb (3)
(式(3)中、Xa、およびYaは、前記式(1)中の前記Xa、前記Yaと同義である。Xbは、樹脂Bにおける前記単量体bの分子1個中に含まれる重合性不飽和基の個数の平均値を示す。Ybは、樹脂Bにおける前記単量体組成物中に含まれる全単量体の全質量に対する前記単量体bのモル数(mol/g)を示す。)
また、樹脂Bの含有量が10.0質量%以下であると低温定着性が良好となる。さらには、3.0質量%以上7.0質量%以下であることがより好ましい。
4.0≦Ma+Mb≦15.0 (4)
0.5≦Ea/Sa≦1.8 (5)
(式(5)中、Saは、樹脂Aの単量体組成物における前記ビニル基を有する有機ポリシロキサン化合物の質量を示す。Eaは、樹脂Aの単量体組成物における前記重合性不飽和基を有するポリエステルの質量を示す。)
1.0≦Eb/Sb≦2.3 (6)
(式(6)中、Sbは、樹脂Bの単量体組成物におけるビニル基を有する有機ポリシロキサン化合物の質量を示す。Ebは、樹脂Bの単量体組成物における重合性不飽和基を有するポリエステルの質量を示す。)
Ea/Sa<Eb/Sb (7)
(1−1)前記ジカルボン酸の一部に重合性不飽和基を有するジカルボン酸を使用する方法
(1−2)前記ジオールの一部に重合性不飽和基を有するジオールを使用する方法
(1−3)前記ジカルボン酸の一部と前記ジオールの一部にそれぞれ重合性不飽和基を有するジカルボン酸と重合性不飽和基を有するジオールを使用する方法
(2−1)末端にカルボキシル基を有するポリエステルとヒドロキシル基を含有するビニル系化合物を、縮合反応によってカップリングさせる方法。この場合、前記ポリエステルの調製ではジカルボン酸とジオールのモル比(ジカルボン酸/ジオール)は1.02以上1.20以下であることが好ましい。
(2−2)末端にヒドロキシル基を有するポリエステルと、イソシアネート基を有するビニル系化合物を、ウレタン化反応によってカップリングさせる方法
(2−3)末端にヒドロキシル基を有するポリエステルとヒドロキシル基を有するビニル系化合物を、結合剤であるジイソシアネートを用いてウレタン化反応によってカップリングさせる方法
a)コア樹脂及び前記コア樹脂を溶解しうる有機溶媒を混合し、樹脂溶液を調製する工程。
b)前記樹脂溶液、樹脂微粒子及び高圧状態の二酸化炭素を含む分散媒体を混合し、前記樹脂微粒子が表面に付着した前記樹脂溶液の液滴を形成する工程。
c)前記液滴に含まれる前記有機溶媒を除去して、前記コア樹脂を含有するコア表面に前記樹脂微粒子に由来するシェルを形成してトナー粒子を得る工程。
d)コア樹脂及び前記コア樹脂を溶解しうる有機溶媒を混合し、樹脂溶液を調製する工程。
e)樹脂微粒子を分散させた水系媒体に前記樹脂溶液を混合、分散させ、前記樹脂微粒子が表面に付着した前記樹脂溶液の液滴を形成する工程。
f)前記液滴に含まれる前記有機溶媒を除去して、前記コア樹脂を含有するコア表面に前記樹脂微粒子に由来するシェルを形成してトナー粒子を得る工程。
(i)コアとシェル層による単層型
(ii)コアと中間層、シェル層による二層型
(iii)コアと複数の中間層、シェル層による多層型
トナー粒子の重量平均粒径(D4)および個数平均粒径(D1)は、以下のようにして算出する。測定装置としては、100μmのアパーチャーチューブを備えた細孔電気抵抗法による精密粒度分布測定装置「コールター・カウンター Multisizer 3」(登録商標、ベックマン・コールター社製)を用いる。測定条件の設定及び測定データの解析は、付属の専用ソフト「ベックマン・コールター Multisizer 3 Version3.51」(ベックマン・コールター社製)を用いる。尚、測定は実効測定チャンネル数2万5千チャンネルで行う。
単量体aおよび単量体bである重合性不飽和基を有するポリエステルに含まれる重合性不飽和基の数の平均の測定は、1H−NMRにより以下の条件にて行う。
測定装置:FT NMR装置 JNM−EX400(日本電子社製)
測定周波数:400MHz
パルス条件:5.0μs
周波数範囲:10500Hz
積算回数:64回
測定温度:30.0℃
(1)重合性不飽和基を含む化合物に由来するユニットY1
(2)重合性不飽和基を含まないジオールに由来するユニットY2
(3)重合性不飽和基を含まないジカルボン酸に由来するユニットY3
Xa=
{Mp×(S1/n1)}/{M1×(S1/n1)+M2×(S2/n2)+M3×(S3/n3)}
樹脂A、および樹脂Bに含有されるSi量は、蛍光X線分析装置(XRF)により、以下のようにして測定する。前記樹脂A、および前記樹脂Bをペレット状に固化し、波長分散型蛍光X線分析装置Axios advanced(PANalytical社製)を用いてHe雰囲気下、FP法にてNaからUまでの元素を直接測定する。検出された元素の総質量を100%として、ソフトウェアUniQuant5(ver.5.49)にて総質量に対するSiの含有量(質量%)を求める。
本発明では、トナー粒子表面に存在する有機ポリシロキサン構造に由来するSi量をESCAによる表面組成分析で算出する。ESCAの装置および測定条件は、下記の通りである。
使用装置:アルバック−ファイ社製 Quantum 2000
分析方法:ナロー分析
測定条件:
X線源:Al−Kα
X線条件:100μm、25W、15kV
光電子取り込み角度:45°
PassEnergy:58.70eV
測定範囲:φ100μm
結晶性ポリエステル、ブロックポリマー、及びワックスの融点は、DSC Q2000(TA Instruments社製)を使用して以下の条件にて測定を行う。
昇温速度:10℃/min
測定開始温度:20℃
測定終了温度:180℃
各種樹脂のテトラヒドロフラン(THF)可溶分の分子量(Mn、Mw)は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により、以下のようにして測定する。
装置:HLC8120 GPC(検出器:RI)(東ソー社製)
カラム:Shodex KF−801、802、803、804、805、806、807の7連(昭和電工社製)
溶離液:テトラヒドロフラン(THF)
流速:1.0ml/min
オーブン温度:40.0℃
試料注入量:0.10ml
本発明において、各微粒子の粒子径は、マイクロトラック粒度分布測定装置HRA(X−100)(日機装社製)を用い、0.001μm〜10μmのレンジ設定で測定を行い、体積平均粒子径(μm又はnm)として測定する。尚、希釈溶媒としては水を選択する。
樹脂微粒子の個数平均径はゼータサイザーNano−ZS(MALVERN社製)を用いて測定する。まず、サンプルは測定対象の樹脂微粒子の有機溶媒分散液を固液比が0.10質量%(±0.02質量%)となるように希釈して調整し、石英セルに採取して測定部に入れる。測定条件として、樹脂微粒子の屈折率、分散溶媒の屈折率及び粘度を入力し、測定する。
加熱乾燥した二口フラスコに、窒素を導入しながら以下の原料を仕込んだ。
・セバシン酸 128.0質量部
・フマル酸 2.6質量部
・1,6−ヘキサンジオール 78.5質量部
・酸化ジブチルスズ 0.1質量部
減圧操作により系内を窒素置換した後、180℃にて6時間撹拌を行った。その後、撹拌を続けながら減圧下にて230℃まで徐々に昇温し、さらに2時間保持した。粘稠な状態となったところで空冷し、反応を停止させることで、重合性不飽和基を有するポリエステル(E1)を合成した。このE1の融点は56℃、Mnは19,000、Mwは44,000であった。分子1個中に含まれる重合性不飽和基の個数の平均は2.0であった。
重合性不飽和基を有するポリエステル(E1)の合成において、使用する原料の添加量を表1のように変えた以外は全て同様にして、重合性不飽和基を有するポリエステル(E2)〜(E4)をそれぞれ合成した。
市販の片末端型ビニル変性有機ポリシロキサンを用意し、ビニル基を有する有機ポリシロキサン化合物(S1)として使用した。ビニル基を有する有機ポリシロキサン化合物(S1)の構造は、下記式(II)で表され、R2乃至R5の詳細及び重合度nの値は、表2に示した。
市販の多官能単量体を用意し、多官能単量体(z1)〜(z4)として使用した。多官能単量体(z1)〜(z4)の構造は、下記式(III)で表され、重合度m、nの合計は、表3に示した。多官能単量体は、単量体aおよび単量体bに該当し、分子1個中に含まれる重合性不飽和基の数は、2個である。
加熱乾燥した二口フラスコに、窒素を導入しながら以下の樹脂を構成する原料とトルエン800.0質量部を仕込み、70℃に加熱して完全に溶解して単量体組成物1を調製した。
・重合性不飽和基を有するポリエステル(E1) 40.0質量部
・ビニル基を有する有機ポリシロキサン化合物(S1) 45.0質量部
・スチレン(St) 5.0質量部
・メタクリル酸(MAA) 10.0質量部
・多官能単量体(z1) 5.0質量部
上記単量体組成物1を250rpmで撹拌しながら25℃まで降温し、30分間窒素バブリングした後、重合開始剤としてアゾビスメトキシジメチルバレロニトリルを0.6質量部混合した。その後、75℃で加熱し、6時間反応させ、さらに80℃に加熱し、1時間反応を行った。その後、空冷し、粒子状の樹脂の分散体を得た。
・遠心分離機:H−9R(KOKUSAN社製)
・ローター:BN1ロ―タ(KOKUSAN社製)
・装置内設定温度:4℃
・回転数:16500rpm
・時間:2.5時間
樹脂微粒子分散液1の調製において、重合性不飽和基を有するポリエステル、ビニル基を有する有機ポリシロキサン化合物、多官能単量体、およびその他の単量体の添加量を表4に示すものに変更し、樹脂微粒子分散液2〜25を得た。得られた樹脂微粒子分散液2〜25中に含まれる樹脂微粒子の個数平均粒径、および樹脂に含まれる蛍光X線分析(XRF)により測定したSi量Z、計算により求めた樹脂の架橋密度[(X−1.0)×Y]、および前記ビニル基を有する有機ポリシロキサン化合物の質量Sと前記重合性不飽和基を有するポリエステルの質量Eの比E/Sを表4に示す。
加熱乾燥した二口フラスコに、窒素を導入しながら以下の原料を仕込んだ。
・セバシン酸 123.0質量部
・1,6−ヘキサンジオール 76.0質量部
・酸化ジブチルスズ 0.1質量部
減圧操作により系内を窒素置換した後、180℃にて6時間撹拌を行った。その後、撹拌を続けながら減圧下にて230℃まで徐々に昇温し、さらに2時間保持した。粘稠な状態となったところで空冷し、反応を停止させることで、結晶性ポリエステル1を合成した。結晶性ポリエステル1の融点は73℃、Mnは5,800、Mwは11,800であった。
・結晶性ポリエステル1 210.0質量部
・キシリレンジイソシアネート(XDI) 56.0質量部
・シクロヘキサンジメタノール(CHDM) 34.0質量部
・テトラヒドロフラン(THF) 300.0質量部
撹拌装置及び温度計を備えた反応容器中に、窒素置換をしながら上記を仕込んだ。50℃まで加熱し、15時間かけてウレタン化反応を施した。溶媒であるTHFを留去し、ブロックポリマー1を得た。ブロックポリマー1の融点は65℃、Mnは16,500、Mwが33,500であった。
撹拌装置のついたビーカーに、有機溶媒としてのアセトンを128.0質量部、ブロックポリマー1を72.0質量部投入し、50℃に加熱して完全に溶解するまで撹拌を続け、固形分量36.0質量%のブロックポリマー溶解液1を調製した。
・C.I.Pigment Blue15:3 100.0質量部
・アセトン 150.0質量部
・ガラスビーズ(1mm) 300.0質量部
上記材料を耐熱性のガラス容器に投入し、ペイントシェーカー(東洋精機製)にて5時間分散を行い、ナイロンメッシュにてガラスビーズを取り除き、体積平均粒径が200nm、固形分量が40.0質量%の着色剤分散液1を得た。
・ジペンタエリスリトールパルチミン酸エステルワックス 16.0質量部
・ワックス分散剤 8.0質量部
(ポリエチレン15.0質量部の存在下、スチレン50.0質量部、n−ブチルアクリレート25.0質量部、アクリロニトリル10.0質量部をグラフト共重合させた、ピーク分子量8,500の共重合体)
・アセトン 76.0質量部
上記を撹拌羽根付きのガラスビーカー(IWAKIガラス製)に投入し、系内を50℃に加熱することによりワックスをアセトンに溶解させた。
〔実施例1〕
図1に示す装置において、まず、バルブV1、V2、V3及び圧力調整バルブV4を閉じ、トナー粒子を捕捉するためのフィルターと撹拌機構とを備えた耐圧の造粒タンクT1に18.0質量部の樹脂Bを含有する中間層を形成するための樹脂微粒子分散液16を仕込み、内部温度を40℃に調整した。次に、バルブV1を開き、二酸化炭素ボンベB1からポンプP1を用いて二酸化炭素(純度99.99%)を造粒タンクT1に導入し、内部圧力が2.0MPaに到達したところでバルブV1を閉じた。
・ブロックポリマー溶解液1 100.0質量部
・ワックス分散液1 10.0質量部
・着色剤分散液1 6.0質量部
樹脂溶液タンクT3の内容物の造粒タンクT1への導入を終えた後、さらに、2000rpmで3分間撹拌して前記樹脂溶液の液滴による分散体の形成を行った。
実施例1において、中間層を形成するための樹脂微粒子分散液1、およびシェル層を形成するための樹脂微粒子分散液16に代えて、樹脂微粒子分散液2〜25を使用した以外は、実施例1とすべて同様にしてトナー粒子2〜27、30〜32を得た。得られたトナー粒子2〜27、及び30〜32の物性を表5に示す。
〔実施例28〕
図1に示す装置において、まず、バルブV1、V2、V3及び圧力調整バルブV4を閉じた。そして、トナー粒子を捕捉するためのフィルターと撹拌機構とを備えた耐圧の造粒タンクT1に18.0質量部の樹脂Bを含有する第一の中間層を形成するための樹脂微粒子分散液16を仕込み、内部温度を40℃に調整した。次に、バルブV1を開き、二酸化炭素ボンベB1からポンプP1を用いて二酸化炭素(純度99.99%)を造粒タンクT1に導入し、内部圧力が2.0MPaに到達したところでバルブV1を閉じた。
・ブロックポリマー溶解液1 100.0質量部
・ワックス分散液1 10.0質量部
・着色剤分散液1 6.0質量部
次に、樹脂微粒子分散液タンクT2に10.8質量部の第二の中間層を形成するための樹脂微粒子分散液20を仕込んだ後、内部温度を40℃に調整した。バルブV2を開き、造粒タンクT1の内部を2000rpmで撹拌しながら、ポンプP2を用いて樹脂微粒子分散液タンクT2の樹脂微粒子分散液20を造粒タンクT1内に導入した。そして、樹脂微粒子分散液20をすべて導入し終えたところでバルブV2を閉じた。導入後の、造粒タンクT1の内部圧力は3.1MPaとなった。
〔実施例29〕
図1に示す装置において、まず、バルブV1、V2、V3及び圧力調整バルブV4を閉じた。そして、トナー粒子を捕捉するためのフィルターと撹拌装置とを備えた耐圧の造粒タンクT1に18.0質量部の樹脂Aを含有するシェル層を形成するための樹脂微粒子分散液12を仕込み、内部温度を40℃に調整した。次に、バルブV1を開き、二酸化炭素ボンベB1からポンプP1を用いて二酸化炭素(純度99.99%)を造粒タンクT1に導入し、内部圧力が2.0MPaに到達したところでバルブV1を閉じた。
・ブロックポリマー溶解液1 100.0質量部
・ワックス分散液1 10.0質量部
・着色剤分散液1 6.0質量部
樹脂溶液タンクT3の内容物の造粒タンクT1への導入を終えた後、さらに、2000rpmで3分間撹拌して前記樹脂溶液の液滴による分散体の形成を行った。
実施例29において、樹脂Aを含有するシェル層を形成するための樹脂微粒子分散液16に代えて、樹脂微粒子分散液25を使用した以外は、実施例29とすべて同様にしてトナー粒子33を回収した。
トナー粒子1の100質量部に対し、ヘキサメチルジシラザンで処理された疎水性シリカ微粉体1.8質量部(個数平均一次粒子径:7nm)、ルチル型酸化チタン微粉体0.15質量部(個数平均一次粒子径:30nm)を三井ヘンシェルミキサ(三井三池化工機株式会社製)にて5分間乾式混合して、トナー1を得た。トナー粒子2〜33について上記トナー粒子1と同様の操作を行い、トナー2乃至33を得た。
<過酷環境の長期放置>
得られたトナー1〜33について、各々約100gを1000mlのポリカップに入れ、低温低湿の環境下(15℃、10%RH)に12時間放置後12時間かけて高温高湿の環境下(55℃、95%RH)に変化させた。この環境下に12時間放置後、12時間かけて再び低温低湿の環境(15℃、10%RH)に変化させた。以上の操作を3サイクル繰り返したトナーを取り出し、環境安定性、および耐久性の評価に用いた。ヒートサイクルのタイムチャートを図2に示す。
市販のキヤノン製プリンターLBP9200Cを使用し、耐久性の評価を行った。LBP9200Cは、一成分接触現像を採用しており、トナー規制部材によって現像担持体上のトナー量を規制している。評価用カートリッジは、市販のカートリッジ中に入っているトナーを抜き取り、エアーブローにて内部を清掃した後、上記トナーを260g充填したものを使用した。上記カートリッジを、シアンステーションに装着し、その他にはダミーカートリッジを装着することで評価を実施した。
A:20,000枚でも現像スジ発生なし
B:18,000枚より大きく20,000枚以下で現像スジ発生
C:15,000枚より大きく18,000枚以下で現像スジ発生
D:15,000枚以下で現像スジ発生
低温低湿(LL)環境、および高温高湿(HH)環境における帯電量の差を、以下の方法により評価した。
トナー1.0gおよび所定のキャリア(日本画像学会標準キャリア:フェライトコアを表面処理した球形キャリアN−01)19.0gをふた付きのプラスチックボトルに入れ、温度15℃、相対湿度10%のLL環境、および、温度32.0℃、相対湿度85%のHH環境に5日放置する。
上記キャリア、上記トナーを入れたプラスチックボトルのふたを閉め、振とう機(YS−LD、(株)ヤヨイ製)で、1秒間に4往復のスピードで1分間振とうし、トナーとキャリアからなる現像剤を帯電させる。次に、図3に示す摩擦帯電量を測定する装置において摩擦帯電量を測定する。図3において、底に目開き20μmのスクリーン3のある金属製の測定容器2に、該現像剤0.5g以上1.5g以下を入れ、金属製のフタ4をする。この時の測定容器2全体の質量を精秤し、W1(g)とする。次に吸引機1(測定容器2と接する部分は少なくとも絶縁体)において、吸引口7から吸引し風量調節弁6を調整して真空計5の圧力を2.5kPaとする。この状態で2分間吸引を行い、トナーを吸引除去する。この時の電位計9の電位をV(V)とする。ここで、8はコンデンサーであり容量をC(mF)とする。また、吸引後の測定容器全体の質量を精秤し、W2(g)とする。この試料の摩擦帯電量Q(mC/kg)は下式の如く算出される。
試料の摩擦帯電量Q(mC/kg)=C×V/(W1−W2)
A:0.95以上
B:0.90以上0.95未満
C:0.80以上0.90未満
D:0.80未満
低温定着性の評価には、過酷環境の長期放置を行っていないフレッシュなトナーを用いた。
(式):ΔD(%)=(摺擦前の画像濃度−摺擦後の画像濃度)/摺擦前の画像濃度×100
A:定着開始温度が100℃以下
B:定着開始温度が110℃
C:定着開始温度が120℃
D:定着開始温度が130℃
E:定着開始温度が140℃以上
Claims (6)
- コア樹脂、着色剤およびワックスを含有するコアと、
前記コアの表面の、樹脂Aを含有するシェル層と、
を有するコアシェル構造のトナー粒子を有するトナーであって、
前記樹脂Aが、有機ポリシロキサン構造を有する部位を含有し、
前記トナー粒子の、X線光電子分光分析(ESCA)により測定される、前記有機ポリシロキサン構造に由来するSi量(atomic%)が、6.0以上10.0以下であり、
前記樹脂Aが、分子1個中に重合性不飽和基を2個以上含有する単量体aを含む単量体組成物の重合体であり、
前記単量体aが、
重合性不飽和基を含有するポリエステル、および、
下記式(III)で表される多官能単量体
(式(III)中、mおよびnは重合度を示し、mおよびnの合計は2〜11である。)
であり、
前記単量体aが、下記式(1)を満たす
(Xa−1.0)×Ya≧3.0×10-5 (1)
(式(1)中、Xaは、前記単量体aの分子1個中に含まれる重合性不飽和基の個数の平均値を示す。Yaは、前記単量体組成物中に含まれる全単量体の合計質量に対する前記単量体aのモル数(mol/g)を示す。)
ことを特徴とするトナー。 - 前記Xaが、2.0以上4.0以下である請求項1に記載のトナー。
- 前記トナー粒子における前記樹脂Aの含有量が、1.0質量%以上10.0質量%以下である請求項1または2に記載のトナー。
- 前記単量体組成物が、さらに、ビニル基を含有する有機ポリシロキサン化合物を含む請求項1〜3のいずれか1項に記載のトナー。
- 前記樹脂Aが、下記式(5)を満たす請求項4または5に記載のトナー。
0.5≦Ea/Sa≦1.8 (5)
(式(5)中、Saは、前記単量体組成物における前記ビニル基を含有する有機ポリシロキサン化合物の質量を示す。Eaは、前記単量体組成物における前記単量体aの質量を示す。)
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