JP2009229496A - 電子写真用トナーセット - Google Patents

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一成 中原
Kimihiko Okubo
公彦 大久保
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Abstract

【課題】各色トナーを混色した時の色再現性、耐光性、耐オゾン性が良好であるトナーセットを提供する。
【解決手段】シアントナー中に銅フタロシアニン系着色剤を含有し、かつマゼンタトナー中に複素環を有するアゾ化合物またはアントラキノン化合物またはアントラセン系化合物の少なくとも1種類のマゼンタ着色剤を含有する電子写真用トナーセットにおいて、該シアントナーのL***表色系による色相角(h)が、170°≦h≦230°であることを特徴とする電子写真用トナーセット。
【選択図】なし

Description

本発明は色再現性、耐久性が良好である電子写真用トナーセットに関するものである。
近年、分光された光を感光体上に露光して原稿の静電潜像を形成せしめ、これを各色のカラートナーで現像して色付きの複写画像を得、或いは各色の複写画像を重ね合わせてフルカラーの複写画像を得るカラー複写の方法が実用化され、これに用いるカラートナーとしてバインダー樹脂中に各色の着色剤を分散せしめてなるイエロー、マゼンタ、シアンなどのカラートナーが製造されている。
電子写真式カラー画像形成装置が広く普及するに従い、その用途も多種多様に広がり、その画像品質への要求も厳しくなってきている。一般の写真、カタログ、地図の如き画像の複写では、微細な部分に至るまで、極めて微細に且つ忠実に再現することが求められており、それに伴い、色の鮮やかさに対する要求も高まっており、色再現範囲を拡張することが望まれている。特に、印刷分野への進出が著しい昨今、電子写真方式においても印刷の品質と同等以上の高精細性が要求されるようになっている。
従来から電子写真用トナーに使用される着色剤としては、公知の有機顔料及び油溶性染料が使用されているが、それぞれに種々の欠点を有している。
例えば有機顔料は油溶性染料に比べて一般的に耐熱性や耐光性に優れているがトナー中において粒子状で分散された状態で存在するため隠蔽力が強くなってしまい透明性が低下してしまう。また、一般に顔料の分散性は悪いため、透明性が損なわれ、彩度が低下し、画像の色再現性を阻害する。また、色重ねされたトナーのうち最下層のものが、それより上層のものに隠蔽されず、最下層のトナーの色彩を視覚により確認することが可能となるようにするためには、定着されたトナーの透明性が必要とされ、原稿の色再現性を保つためには、着色剤の分散性や着色力が必要となる。
顔料の欠点を解消する方法としては、例えば顔料分散の手法としてフラッシング法を用いることにより、凝集二次粒子のない一次粒子によるサブミクロンオーダーの顔料分散径を達成することにより、透明性を向上させる手段や、顔料粒子を結着樹脂及び外殻樹脂で被覆することにより帯電性、定着性、画像均一性を改良する手段が提案されている(例えば、特許文献1、2参照。)。
しかしながら、これらにおいて提案されたトナーによって出力した場合においても、顔料使用トナーの場合、未だ十分な色相、透明性を得ることは困難である。
また、カラー画像形成装置においては、原理的には全ての色再現をイエロー、マゼンタ、シアンの3原色による減法混色により行うことができるが、現実には、熱可塑性樹脂に顔料を分散したときの分光特性、異なる色のトナー同士を重ね合わせた時の混色性によって、色再現可能な範囲や彩度が低下させられるので、原稿の色を忠実に再現することには、まだまだ課題が多く残されている。
フルカラーの画像は前述したように、重ね合わせた2色以上のカラートナーの混色により発色するため、バランスの取れた色相を得ることが必要であり、例えば、イエロー、マゼンタ、シアンの各色のカラートナーにおける各顔料及びその含有量を適宜選択したカラートナーセットが提案されている(特許文献3)。またベタ部を濃い色のトナー(濃トナー)、ハイライト部はそれより濃度の薄いトナー(淡トナー)を用いて画像を形成する方法も提案されている(特許文献4)。
しかしこれらの方法を用いても、混色時の色再現性はいまだに不十分である。
またトナー単色ではなく各色のトナーを混色したときに起こる特有の問題として、例えばマゼンタトナーとシアントナーを混色したときにシアントナーの耐光性が劣化するという現象が起こることがある。これはマゼンタ色素が吸収した光エネルギーがシアン色素に移動することに起因している。一般的にシアン色素としてフタロシアニン色素を用いると耐光性が強いのでこのような現象は起こりにくい。しかしながらフタロシアニン系の色素は耐オゾン性が低いため、マゼンタトナーとシアントナーを混色して印刷物の状態にしたときの耐光性と耐オゾン性を両立することが困難であるのでこれらの特性を満足するトナーセットの開発が望まれている。
特開平9−26673号公報 特開平11−160914号公報 特開2004−126248号公報 特開2000−347476号公報
本発明の目的は、上述した問題点を解決するためになされたものであり、各色トナーを混色した時の色再現性、耐光性、耐オゾン性が良好であるトナーセットを提供することを目的とする。
本発明の上記目的は、以上の手段によって達成される。
1.シアントナー中に下記一般式(1)で表される着色剤を含有し、かつマゼンタトナー中に複素環を有するアゾ化合物またはアントラキノン化合物または下記一般式(DX−1)で表される化合物の少なくとも1種類のマゼンタ着色剤を含有する電子写真用トナーセットにおいて、該シアントナーのL***表色系による色相角(h)が、170°≦h≦230°であることを特徴とする電子写真用トナーセット。
Figure 2009229496
〔式中、A、B、C及びDは6員の芳香族環もしくはヘテロ環を表し、X1、X2、X3及びX4はアルコキシ基、アリールオキシ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、アシル基、アシルオキシ基、カルバモイル基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、シアノ基、ニトロ基、ジアルキルホスホノ基、ジアリールホスホノ基、ジアリールホスフィニル基、アルキルスルフィニル基、アリールスルフィニル基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、スルホニルオキシ基、アシルチオ基、スルファモイル基、スルホンアミド基、チオカルボニル基、ハロゲン化アルキル基、ハロゲン化アルコキシ基、ハロゲン化アリールオキシ基、ハロゲン化アルキルアミノ基、ハロゲン化アルキルチオ基であり、更に置換基を有してもよい。Y1、Y2、Y3及びY4は水素原子もしくは置換基を表し、a1、a2、a3、a4、b1、b2、b3及びb4は0〜4の整数を表す。ただしa1、a2、a3、a4が同時に0であることはなく、X1、X2、X3、X4、Y1、Y2、Y3、Y4に置換する置換基はイオン性親水性基を含まない。またX1とY1、X2とY2、X3とY3、及びX4とY4は互いに縮環してもよく、それらの環は更に置換基を有しても良い。〕
Figure 2009229496
〔式中、Rd1、Rd2及びRd3は各々置換基を表し、Zdは含窒素5乃至6員の複素環を形成するのに必要な非金属原子群を表し、md1は0〜3の整数を表し、md2は0〜4の整数を表し、md3は0〜2の整数を表すが、md1、md2及びmd3が同時に0を表すことはない。md1が2以上のとき複数のRd1は互いに同じでも異なっていてもよく、md2が2以上のとき複数のRd2は互いに同じでも異なっていてもよく、md3が2のとき複数のRd3は互いに同じでも異なっていてもよい。〕
2.前記一般式(1)で表される着色剤においてA、B、C及びDがベンゼン環であることを特徴とする前記1に記載の電子写真用トナーセット。
3.前記一般式(1)で表される着色剤が下記一般式(2)で表されることを特徴とする前記1または2に記載の電子写真用トナーセット。
Figure 2009229496
〔X1、X2、X3及びX4はアルコキシ基、アリールオキシ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、アシル基、アシルオキシ基、カルバモイル基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、シアノ基、ニトロ基、ジアルキルホスホノ基、ジアリールホスホノ基、ジアリールホスフィニル基、アルキルスルフィニル基、アリールスルフィニル基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、スルホニルオキシ基、アシルチオ基、スルファモイル基、スルホンアミド基、チオカルボニル基、ハロゲン化アルキル基、ハロゲン化アルコキシ基、ハロゲン化アリールオキシ基、ハロゲン化アルキルアミノ基、ハロゲン化アルキルチオ基であり、更に置換基を有してもよい。Y1、Y2、Y3及びY4は水素原子もしくは置換基を表し、a1、a2、a3、a4、b1、b2、b3及びb4は0〜2の整数を表す。ただしa1、a2、a3、a4が同時に0であることはなく、X1、X2、X3、X4、Y1、Y2、Y3、Y4に置換する置換基はイオン性親水性基を含まない。またX1とY1、X2とY2、X3とY3、及びX4とY4は互いに縮環してもよく、それらの環は更に置換基を有しても良い。〕
4.前記トナーセットにおけるシアントナーのL***表色系による色相角(h)が、200°≦h≦220°であることを特徴とする前記1〜3のいずれか1項に記載の電子写真用トナーセット。
本発明の電子写真用トナーセットはトナーの製造方法を問題にすることなく、混色時の色相を良好なものとし、更に画像の耐光性、耐オゾン性に優れた効果を有する。
本発明者等は上記の課題を解決するため鋭意検討を行った結果、シアン着色剤として一般式(1)及び(2)で表される特定構造を有する着色剤、及びマゼンタ着色剤として複素環を有するアゾ化合物またはアントラキノン化合物または一般式(DX−1)で表される特定構造を有する着色剤をトナーに含有することで、トナーの製造方法を問題にすることなく、混色時の色相を良好なものとし、更に画像の耐光性、耐オゾン性に優れたトナーセットを発明するに至った。
以下本発明を実施するための最良の形態について詳細に説明する。
シアン着色剤とは、該着色剤を含有するトナーを調製し、これにより画像を形成した場合においてシアン色調となりうる着色剤である。
本発明において用いられるシアントナーは、シアン着色剤として前記一般式(1)及び(2)で表され、かつシアントナー単色として色相角が230から170の範囲であり、好ましくは220から200の範囲を示すことが特徴である。
画像の色相の測定は、紙、プラスチック製シート等の任意の白色(L*値が90以下、かつC*値が7以下)基体上に形成されたトナー画像にて行う。測定には、色彩計「SPM50」(グレタグ社製)を用い、トナーの付着量等を制御して、トナー画像のL*値を40〜60の範囲になるように調整する。測定条件は、測定光D50、視野角2°とする。測定によって得られるa*値及びb*値を用い、下記式
h=tan−1(b*/a*
より、色相角度(h)を算出する。
まず、本発明に用いられるシアントナーに含有することのできるシアン着色剤について説明する。
(シアン着色剤)
シアン着色剤とは、該着色剤を含有する電子写真用トナーを調整し、画像を形成した場合において、シアン色調となりうる着色剤である。該着色剤は、染料であってもよく、顔料であってもよい。
前記一般式(1)、(2)で各々表される化合物について説明する。
前記一般式(1)におけるX1、X2、X3及びX4で表される置換基の具体例としては、アルコキシ基(例えば、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基等)、アリールオキシ基(例えば、フェノキシ基、ナフチルオキシ基等)、アルキルチオ基(例えば、メチルチオ基、エチルチオ基等)、アリールチオ基(例えば、フェニルチオ基、ナフチルチオ基等)、アシル基(アセチル基、ピバロイル基、ベンゾイル基等)、アシルオキシ基(例えば、アセチルオキシ基、ベンゾイルオキシ基等)、カルバモイル基(例えば、アミノカルボニル基、メチルアミノカルボニル基、ジメチルアミノカルボニル基、ブチルアミノカルボニル基、シクロヘキシルアミノカルボニル基、フェニルアミノカルボニル基、2−ピリジルアミノカルボニル基等)、アルコキシカルボニル基(例えば、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、フェノキシカルボニル等)、アリールオキシカルボニル基(例えば、フェノキシカルボニル基等)、シアノ基、ニトロ基、ジアルキルホスホノ基(例えば、ジメチルスルホノ基、ジエチルスルホノ基等)、ジアリールホスホノ基(例えばジフェニルホスホノ基等)、ジアリールホスフィニル基(例えば、ジフェニルホスフィニル基等)、アルキルスルフィニル基(例えば、ジエチルホスフィニル基等)、アリールスルフィニル基(例えば、フェニルスルフィニル基等)、アルキルスルホニル基(例えば、メチルスルホニル基、エチルスルホニル基等)、アリールスルホニル基(例えば、フェニルスルホニル基、ナフチルスルホニル基等)、スルホニルオキシ基(例えばエトキシスルホニル基、フェノキシスルホニル基等)、アシルチオ基(例えばアセチルチオ基等)、スルファモイル基(例えば、アミノスルホニル基、メチルアミノスルホニル基、ジメチルアミノスルホニル基、ブチルアミノスルホニル基、ヘキシルアミノスルホニル基、シクロヘキシルアミノスルホニル基、オクチルアミノスルホニル基、ドデシルアミノスルホニル基、フェニルアミノスルホニル基、ナフチルアミノスルホニル基、2−ピリジルアミノスルホニル基等)、スルホンアミド基(例えば、メタンスルホンアミド基、ベンゼンスルホンアミド基等)、チオカルボニル基(例えばメチルチオカルボニル基、フェニルチオカルボニル基等)、ハロゲン化アルキル基(例えばトリフルオロメチル基等)、ハロゲン化アルコキシ基(例えば、トリクロロメトキシ基等)、が好ましく、アリールオキシ基(例えば、フェノキシ基、ナフチルオキシ基等)、アリールチオ基(例えば、フェニルチオ基、ナフチルチオ基等)、カルバモイル基(例えば、アミノカルボニル基、メチルアミノカルボニル基、ジメチルアミノカルボニル基、ブチルアミノカルボニル基、シクロヘキシルアミノカルボニル基、フェニルアミノカルボニル基、2−ピリジルアミノカルボニル基等)、ニトロ基、アルキルスルフィニル基(例えば、ジエチルホスフィニル基等)、アリールスルフィニル基(例えば、フェニルスルフィニル基等)、アルキルスルホニル基(例えば、メチルスルホニル基、エチルスルホニル基等)、アリールスルホニル基(例えば、フェニルスルホニル基、ナフチルスルホニル基等)、スルファモイル基(例えば、アミノスルホニル基、メチルアミノスルホニル基、ジメチルアミノスルホニル基、ブチルアミノスルホニル基、ヘキシルアミノスルホニル基、シクロヘキシルアミノスルホニル基、オクチルアミノスルホニル基、ドデシルアミノスルホニル基、フェニルアミノスルホニル基、ナフチルアミノスルホニル基、2−ピリジルアミノスルホニル基等)、スルホンアミド基(例えば、メタンスルホンアミド基、ベンゼンスルホンアミド基等)、が更に好ましく、アリールオキシ基(例えば、フェノキシ基、ナフチルオキシ基等)、アリールチオ基(例えば、フェニルチオ基、ナフチルチオ基等)、カルバモイル基(例えば、アミノカルボニル基、メチルアミノカルボニル基、ジメチルアミノカルボニル基、ブチルアミノカルボニル基、シクロヘキシルアミノカルボニル基、フェニルアミノカルボニル基、2−ピリジルアミノカルボニル基等)、ニトロ基、アルキルスルホニル基(例えば、メチルスルホニル基、エチルスルホニル基等)、アリールスルホニル基(例えば、フェニルスルホニル基、ナフチルスルホニル基等)、スルファモイル基(例えば、アミノスルホニル基、メチルアミノスルホニル基、ジメチルアミノスルホニル基、ブチルアミノスルホニル基、ヘキシルアミノスルホニル基、シクロヘキシルアミノスルホニル基、オクチルアミノスルホニル基、ドデシルアミノスルホニル基、フェニルアミノスルホニル基、ナフチルアミノスルホニル基、2−ピリジルアミノスルホニル基等)、スルホンアミド基(例えば、メタンスルホンアミド基、ベンゼンスルホンアミド基等)が最も好ましい。
前記一般式(1)及び(2)のY1、Y2、Y3及びY4で表される置換基としては、特に制限はないが、例えば、アルキル基(例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、tert−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、オクチル基、ドデシル基等)、シクロアルキル基(例えば、シクロペンチル基、シクロヘキシル基等)、アリール基(例えば、フェニ基、ナフチル基等)、アルケニル基(例えば、2−プロペニル基、3−ブテニル基、1−メチル−3−プロペニル基、3−ペンテニル基、1−メチル−3−ブテニル基、4−ヘキセニル基、シクロヘキセニル基等)、アルキニル基(例えば、プロパルギル基等)、複素環オキシ基、シロキシ基、アニリノ基(例えばフェニルアミノ基、クロロフェニルアミノ基、トルイジノ基、アニシジノ基、ナフチルアミノ基、2−ピリジルアミノ基等)、複素環チオ基、チオウレイド基、ヒドロキシル基、メルカプト基等の各基が挙げられる。
前記一般式(1)及び(2)のX1、X2、X3、X4に置換する置換基、及びY1、Y2、Y3、Y4の置換基は、更に置換されていてもよく、置換基としては、特に制限はないが、例えば、水素原子、アルキル基(例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、tert−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、オクチル基、ドデシル基等)、シクロアルキル基(例えば、シクロペンチル基、シクロヘキシル基等)、アリール基(例えば、フェニ基、ナフチル基等)、アシルアミノ基(例えば、アセチルアミノ基、ベンゾイルアミノ基等)、アルキルチオ基(例えば、メチルチオ基、エチルチオ基等)、アリールチオ基(例えば、フェニルチオ基、ナフチルチオ基等)、アルケニル基(例えば、2−プロペニル基、3−ブテニル基、1−メチル−3−プロペニル基、3−ペンテニル基、1−メチル−3−ブテニル基、4−ヘキセニル基、シクロヘキセニル基等)、ハロゲン原子(フッ素原子、塩素原子、臭素原子、沃素原子等)、アルキニル基(例えば、プロパルギル基等)、ヘテロ環基(例えば、ピリジル基、チアゾリル基、オキサゾリル基、イミダゾリル基等)、アルキルスルホニル基(例えば、メチルスルホニル基、エチルスルホニル基等)、アリールスルホニル基(例えば、フェニルスルホニル基、ナフチルスルホニル基等)、アルキルスルフィニル基(例えば、メチルスルフィニル基等)、アリールスルフィニル基(例えば、フェニルスルフィニル基等)、ホスホノ基、アシル基(アセチル基、ピバロイル基、ベンゾイル基等)、カルバモイル基(例えば、アミノカルボニル基、メチルアミノカルボニル基、ジメチルアミノカルボニル基、ブチルアミノカルボニル基、シクロヘキシルアミノカルボニル基、フェニルアミノカルボニル基、2−ピリジルアミノカルボニル基等)、スルファモイル基(例えば、アミノスルホニル基、メチルアミノスルホニル基、ジメチルアミノスルホニル基、ブチルアミノスルホニル基、ヘキシルアミノスルホニル基、シクロヘキシルアミノスルホニル基、オクチルアミノスルホニル基、ドデシルアミノスルホニル基、フェニルアミノスルホニル基、ナフチルアミノスルホニル基、2−ピリジルアミノスルホニル基等)、スルホンアミド基(例えば、メタンスルホンアミド基、ベンゼンスルホンアミド基等)、シアノ基、アルコキシ基(例えば、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基等)、アリールオキシ基(例えば、フェノキシ基、ナフチルオキシ基等)、複素環オキシ基、シロキシ基、アシルオキシ基(例えば、アセチルオキシ基、ベンゾイルオキシ基等)、アミノカルボニルオキシ基、アミノ基(例えば、アミノ基、エチルアミノ基、ジメチルアミノ基、ブチルアミノ基、シクロペンチルアミノ基、2−エチルヘキシルアミノ基、ドデシルアミノ基等)、アニリノ基(例えばフェニルアミノ基、クロロフェニルアミノ基、トルイジノ基、アニシジノ基、ナフチルアミノ基、2−ピリジルアミノ基等)、イミド基、ウレイド基(例えば、メチルウレイド基、エチルウレイド基、ペンチルウレイド基、シクロヘキシルウレイド基、オクチルウレイド基、ドデシルウレイド基、フェニルウレイド基、ナフチルウレイド基、2−ピリジルアミノウレイド基等)、アルコキシカルボニルアミノ基(例えば、メトキシカルボニルアミノ基、フェノキシカルボニルアミノ基等)、アルコキシカルボニル基(例えば、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、フェノキシカルボニル等)、アリールオキシカルボニル基(例えば、フェノキシカルボニル基等)、複素環チオ基、チオウレイド基、ヒドロキシル基、メルカプト基、ニトロ基等の各基が挙げられる。
前記一般式(1)におけるA、B、C及びDで表される芳香族環及びヘテロ環の具体例としてはベンゼン環、ピリジン環、ピリダジン環、ピリミジン環等が挙げられ、これらは更に置換基を有しても良い。置換基としては一般式(1)におけるY1、Y2、Y3及びY4で表される置換基と同様の基を挙げることができる。これらのうちベンゼン環、ピリジン環、ピリミジン環が好ましく、更にベンゼン環、ピリジン環が好ましく、ベンゼン環が最も好ましい。
前記一般式()及び(2)におけるX1とY1、X2とY2、X3とY3、及びX4とY4は、互いに縮環して縮合多環化物を形成してもよく、具体的にはナフタレン環、キノリン環、ピレン環などが挙げられる。これらの中でナフタレン環、キノリン環が好ましく、ナフタレン環が更に好ましい。これらの縮合多環化物は更に置換基を有してもよく、置換基としては一般式(1)におけるY1、Y2、Y3及びY4に置換できる置換基と同様の基を挙げることができる。
前記一般式(1)で表される化合物の好ましい置換基の組み合わせについては、種々の置換基の少なくとも1つが前記の好ましい基である化合物が好ましく、より多くの種々の置換基が前記好ましい基である化合物がより好ましく、全ての置換基が前記好ましい基である化合物が最も好ましい。
下記一般式(A−1)で表されるフタロシアニン誘導体は、その合成時において不可避的に置換基Rn(n=1〜16、Rは単に置換基を意味していてRnの全てが同一種の置換基であることを意味しない)の置換位置(R1:1位〜R16:16位とここで定義する)異性体を含む場合があるが、これら置換位置異性体は互いに区別することなく同一誘導体として見なしている場合が多い。また、置換基に異性体が含まれる場合も、これらを区別することなく、同一のフタロシアニン誘導体として見なしている場合が多い。
Figure 2009229496
本明細書中のフタロシアニン化合物において構造が異なる場合とは、上記一般式(A−1)で説明すると、置換基Rn(n=1〜16)について、構成原子種が異なる場合、置換基数が異なる場合または置換位置が異なる場合のいずれかである。
前記一般式(1)及び(2)で表されるフタロシアニン化合物の構造が異なる(特に、置換位置)誘導体を以下の三種類に分類して定義する。
(1)β−位置換型:(2及びまたは3位、6及びまたは7位、10及びまたは11位、14及びまたは15位に特定の置換基を有するフタロシアニン化合物)
(2)α−位置換型:(1及びまたは4位、5及びまたは8位、9及びまたは12位、13及びまたは16位に特定の置換基を有するフタロシアニン化合物)
(3)α,β−位混合置換型:(1〜16位に規則性なく、特定の置換基を有するフタロシアニン化合物)
本明細書中において、構造が異なる(特に、置換位置)フタロシアニン化合物の誘導体を説明する場合、上記β−位置換型、α−位置換型、α,β−位混合置換型を使用する。
前記一般式(1)中の、X1、X2、X3、X4、Y1、Y2、Y3、Y4の好ましい置換型としては、β−位置換型及びα,β−位混合置換型が好ましく、β−位置換型が最も好ましい。
また置換基の数としては、前記一般式(1)中のa1、a2、a3、a4はそれぞれ2もしくは1であり、b1、b2、b3、b4がそれぞれ1もしくは0であることが好ましい。
β位に置換基を有するフタロシアニン化合物は、通常下記一般式(a)−1〜(a)−4で表される化合物となっている。これらの4種の化合物は、R1〜R4の各置換位置が異なる異性体である。
Figure 2009229496
前記一般式(a)−1〜(a)−4で表される化合物は、β−位置換型(2及びまたは3位、6及びまたは7位、10及びまたは11位、14及びまたは15位に特定の置換基を有するフタロシアニン化合物)であり、α位置換型及びα,β−位混合置換型とは全く構造(置換位置)の異なる化合物である。
以下、本発明のシアン化合物の具体例を示すが、これらは前述した各置換位置が異なる異性体の中の1つの構造であり、本発明の化合物はこれらに限られたものではない。
以下は、一般式(a)−1〜(a)−4におけるフタロシアニン化合物の4つの各ベンゼン環(A〜D)及びその置換基R1〜R4により例示する。
Figure 2009229496
Figure 2009229496
Figure 2009229496
Figure 2009229496
Figure 2009229496
Figure 2009229496
Figure 2009229496
Figure 2009229496
また、下記一般式において、各ベンゼン環をA、B、C及びDとして、置換基Aを、下記A−1〜A−7で示すと、下記のフタロシアニン化合物が挙げられる。
Figure 2009229496
次に特定構造を有するマゼンタ着色剤について説明する。
マゼンタ着色剤とは、該着色剤を含有する電子写真用トナーを調製し、画像を形成した場合において、マゼンタ色調となりうる色素である。該着色剤は、染料であってもよく、顔料であってもよい。
本発明における複素環を有するアゾ化合物とは、上述したマゼンタ着色剤の性質を有し、−N=N−の形で表される2価の置換基であるアゾ基のいずれか一方または両方に複素環を有する化合物のであり、下記一般式(DY1−1)で表される。
一般式(DY1−1)
Ax1−N=N−Bx1
(式中、Ax1及びBx1は各々独立に芳香族炭化水素基または複素環基を表す。ただし、Ax1またはBx1のいずれか一方は複素環基である)
一般式(DY1−1)について更に説明する。Ax1またはBx1で表される芳香族炭化水素基の例としては、フェニル基、ナフチル基、フルオレニル基、等を挙げることができる。Ax1またはBx1で表される複素環基は、環を1個以上有し、その環に炭素原子のほか、酸素原子、窒素原子、硫黄原子、セレン原子またはテルル原子のような元素を有する基をいう。Ax1またはBx1で表される複素環基は各々少なくとも1個以上の5員環または6員環構造を有していることが好ましい。
このような少なくとも1個以上の5員環または6員環構造を有している複素環基の例としては、フリル基、ベンゾフラニル基、チエニル基、ピロリル基、インドリル基、イミダゾリル基、ピラゾリル基、インダゾリル基、トリアゾリル基、チアゾリル基、イソチアゾリル基、チアジアゾリル基、ベンゾイミダゾリル基、オキサゾリル基、イソオキサゾリル基、フラザニル基、ベンゾオキサゾリル基、フタラジル基、ピラニル基、ピリジル基、ピリダジル基、ピリミジル基、ピラジル基、ピペラジル基、トリアジル基、チアピラニル基、キサンテニル基、キノリル基、キノキサリニル基、キナゾリニル基、シンノリニル基、イソキノリニル基、アクリジニル基、フェナジニル基、カルバゾリル基、フェノキサジニル基、ペリミジニル基、アザフェナレン基、等を挙げることができる。これらには脂肪族環、芳香族環または他の複素環が縮合していてもよい。
Ax1またはBx1で表される芳香族炭化水素基または複素環基は更に置換基を有していても良い。置換基としては特に制限はないが、例えば、アルキル基(例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、tert−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基、n−オクチル基、n−ドデシル基、トリフルオロメチル基等)、シクロアルキル基(例えば、シクロペンチル基、シクロヘキシル基等)、芳香族炭化水素基(アリール基とも言う)(例えば、フェニル基、ナフチル基等)、アシルアミノ基(例えば、アセチルアミノ基、ベンゾイルアミノ基等)、アルキルチオ基(例えば、メチルチオ基、エチルチオ基等)、アリールチオ基(例えば、フェニルチオ基、ナフチルチオ基等)、アルケニル基(例えば、ビニル基、2−プロペニル基、3−ブテニル基、1−メチル−3−プロペニル基、3−ペンテニル基、1−メチル−3−ブテニル基、4−ヘキセニル基、シクロヘキセニル基等)、ハロゲン原子(フッ素原子、塩素原子、臭素原子、沃素原子)、アルキニル基(例えば、プロパルギル基等)、複素環基(例えば、ピリジル基、チアゾリル基、オキサゾリル基、イミダゾリル基等)、アルキルスルホニル基(例えば、メチルスルホニル基、エチルスルホニル基等)、アリールスルホニル基(例えば、フェニルスルホニル基、ナフチルスルホニル基等)、アルキルスルフィニル基(例えば、メチルスルフィニル基等)、アリールスルフィニル基(例えば、フェニルスルフィニル基等)、ホスホノ基、アシル基(例えば、アセチル基、ピバロイル基、ベンゾイル基等)、カルバモイル基(例えば、アミノカルボニル基、メチルアミノカルボニル基、ジメチルアミノカルボニル基、ブチルアミノカルボニル基、シクロヘキシルアミノカルボニル基、フェニルアミノカルボニル基、2−ピリジルアミノカルボニル基等)、スルファモイル基(例えば、アミノスルホニル基、メチルアミノスルホニル基、ジメチルアミノスルホニル基、ブチルアミノスルホニル基、ヘキシルアミノスルホニル基、シクロヘキシルアミノスルホニル基、オクチルアミノスルホニル基、ドデシルアミノスルホニル基、フェニルアミノスルホニル基、ナフチルアミノスルホニル基、2−ピリジルアミノスルホニル基等)、スルホンアミド基(例えば、メタンスルホンアミド基、ベンゼンスルホンアミド基等)、シアノ基、アルコキシ基(例えば、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基等)、アリールオキシ基(例えば、フェノキシ基、ナフチルオキシ基等)、複素環オキシ基、シロキシ基、アシルオキシ基(例えば、アセチルオキシ基、ベンゾイルオキシ基等)、スルホン酸基、スルホン酸の塩、アミノカルボニルオキシ基、アミノ基(例えば、アミノ基、エチルアミノ基、ジメチルアミノ基、ブチルアミノ基、シクロペンチルアミノ基、2−エチルヘキシルアミノ基、ドデシルアミノ基等)、アニリノ基(例えば、フェニルアミノ基、クロロフェニルアミノ基、トルイジノ基、アニシジノ基、ナフチルアミノ基、2−ピリジルアミノ基等)、イミド基、ウレイド基(例えば、メチルウレイド基、エチルウレイド基、ペンチルウレイド基、シクロヘキシルウレイド基、オクチルウレイド基、ドデシルウレイド基、フェニルウレイド基、ナフチルウレイド基、2−ピリジルアミノウレイド基等)、アルコキシカルボニルアミノ基(例えば、メトキシカルボニルアミノ基、フェノキシカルボニルアミノ基等)、アルコキシカルボニル基(例えば、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、フェノキシカルボニル等)、アリールオキシカルボニル基(例えば、フェノキシカルボニル基等)、複素環チオ基、チオウレイド基、カルボキシル基、カルボン酸の塩、ヒドロキシ基、メルカプト基、ニトロ基等の各基が挙げられる。Ax1またはBx1で表される芳香族炭化水素基または複素環基に複数の置換基が置換可能な場合、各々の置換基は同一でも良く、異なっていても良い。
Ax1またはBx1のいずれか一方は複素環基であるが、両方複素環基であっても良い。Ax1またはBx1のいずれか一方が芳香族炭化水素基である場合、他方の複素環基は5員環構造である事が好ましい。
一般式(DY1−1)で表されるアゾ化合物は更に下記一般式(DY1−2)であることがより好ましい。
一般式(DY1−2)
Ax2−N=N−Bx2
式中、Ax2は少なくとも一つ以上の窒素原子または硫黄原子を含む複素5員環基を表し、Bx2は芳香族炭化水素基または5員環または6員環構造を少なくとも1個以上含む複素基を表す。
更に一般式(DY1−2)について説明する。一般式(DY1−2)中、Ax2は少なくとも一つ以上の窒素原子または硫黄原子を含む5員複素環基を表し、このような複素環基の例としては、チエニル基、ピロリル基、インドリル基、イミダゾリル基、ピラゾリル基、インダゾリル基、トリアゾリル基、チアゾリル基、イソチアゾリル基、チアジアゾリル基、ベンゾイミダゾリル基、オキサゾリル基、イソオキサゾリル基、フラザニル基、ベンゾオキサゾリル基、等をあげることができる。Bx2は芳香族炭化水素基または5員環または6員環構造を少なくとも1個以上含む複素基を表し、芳香族炭化水素基の例としては上述したAx1またはBx1で表される芳香族炭化水素基の例と同義の基を、5員環または6員環構造を少なくとも1個以上含む複素基の例としては上述したAx1またはBx1で表される5員環または6員環構造を少なくとも1個以上含む複素基の例と同義の基を挙げることができる。Ax2及びBx2は、各々更に脂肪族環、芳香族環または他の複素環が縮合していてもよい。
Ax2及びBx2は、各々置換基を有していても良く、置換基の例としては上述したAx1またはBx1で表される芳香族炭化水素基または複素環基に置換可能な置換基の例と同義の基を挙げることができる。Ax2及びBx2に複数の置換基が置換可能な場合、各々の置換基は同一でも良く、異なっていても良い。
一般式(DY1−1)及び一般式(DY1−2)で表されるアゾ化合物は更に下記一般式(DY1−3)または一般式(DY1−4)であることがより好ましい。
Figure 2009229496
式中、Ax3はチエニル基またはピロリル基またはイミダゾリル基またはピラゾリル基またはチアゾリル基またはイソチアゾリル基またはチアジアゾリル基またはベンゾチアゾリル基から選ばれる基を表し、Qx1及びQx2は各々独立に−CRx3=、−CRx4=を表すか、あるいはいずれか一方が窒素原子,他方が−CRx3=または−CRx4=を表し、Xは窒素原子または−CRx5=を表し、Rx1及びRx2は各々独立して水素原子、アルキル、シクロアルキル基、芳香族炭化水素基、複素環基、アシル基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、カルバモイル基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、またはスルファモイル基を表わし、Gx、Rx3、Rx4、Rx5は各々独立して、水素原子、ハロゲン原子、アルキル、シクロアルキル基、芳香族基、複素環基、シアノ基、カルボキシル基、カルバモイル基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、アシル基、ヒドロキシ基、アルコキシ基、アリールオキシ基、シリルオキシ基、アシルオキシ基、カルバモイルオキシ基、複素環オキシ基、アルコキシカルボニルオキシ基、アリールオキシカルボニルオキシ基、アルキル基またはアリール基または複素環基で置換されたアミノ基、アシルアミノ基、ウレイド基、スルフアモイルアミノ基、アルコキシカルボニルアミノ基、アリールオキシカルボニルアミノ基、アルキル及びアリールスルホニルアミノ基、アリールオキシカルボニルアミノ基、ニトロ基、アルキル及びアリールチオ基、アルキル及びアリールスルホニル基、アルキル及びアリールスルフィニル基、スルファモイル基、スルホ基、またはヘテロ環チオ基を表す。各基は更に置換されていてもよい。また、Rx1とRx2、あるいはRx1とRx4、が結合して5〜6員環を形成してもよい。
Figure 2009229496
式中、Ax4はチエニル基またはピロリル基またはイミダゾリル基またはピラゾリル基またはチアゾリル基またはイソチアゾリル基またはチアジアゾリル基またはベンゾチアゾリル基から選ばれる基を表し、Rx6及びRx7はそれぞれ独立に、水素原子、脂肪族基、芳香族基、複素環基、アシル基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、カルバモイル基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、またはスルファモイル基を表し、各基は更に置換基を有していてもよい。Qx3及びQx4は各々独立に−CRx8=、−CRx9=を表すか、あるいはいずれか一方が窒素原子、他方が−CRx8=または−CRx9=を表し、Rx8及びRx9は各々独立に水素原子、ハロゲン原子、シアノ基、アルキル基、シクロアルキル基、アルキルチオ基、アルキルスルホニル基、アルキルスルフィニル基、アルコキシカルボニル基、カルバモイル基、アルコキシ基、芳香族炭化水素基、アリールチオ基、アリールスルホニル基、アリールスルフィニル基、アリールオキシ基またはアシルアミノ基を表す。それぞれの置換基は更に置換されていてもよい。
一般式(DY1−3)及び一般式(DY1−4)について更に説明する。
一般式(DY1−3)においてAx3はチエニル基またはピロリル基またはイミダゾリル基またはピラゾリル基またはチアゾリル基またはイソチアゾリル基またはチアジアゾリル基またはベンゾチアゾリル基から選ばれる基を表し、好ましくはチエニル基またはイミダゾリル基またはピラゾリル基またはチアゾリル基またはイソチアゾリル基またはチアジアゾリル基またはベンゾチアゾリル基であり、これらには脂肪族環、芳香族環または他の複素環が縮合していてもよく、更に置換基を有していても良い。Ax3に置換可能な基としては特に制限は無いが、例としては上述したAx1またはBx1で表される芳香族炭化水素基または複素環基に置換可能な置換基の例と同義の基をあげることができる。Ax3及びAx4に置換可能な基として好ましくは、アルキル基、シクロアルキル基、芳香族炭化水素基、複素環基、アシル基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、カルバモイル基、ニトロ基、シアノ基、カルボキシ基、ハロゲン原子、アルコキシ基、アリールオキシ基、アシルアミノ基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、アミノスルホニル基、アミノカルボニル基、アルキルアミノスルホニル基、アルキルアミノカルボニル基、アミノ基、アニリノ基、ヒドロキシ基、スルファモイル基を挙げることができる。Ax3及びAx4に複数の置換基が置換可能な場合、各々の置換基は同一でも良く、異なっていても良い。
Qx1及びQx2は各々独立に−CRx3=、−CRx4=を表すか、あるいはいずれか一方が窒素原子、他方が−CRx3=または−CRx4=を表し、好ましくはQx1及びQx2は各々−CRx3=、−CRx4=である。Rx1及びRx2は各々独立して水素原子、アルキル、シクロアルキル基、芳香族炭化水素基、複素環基、アシル基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、カルバモイル基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、またはスルファモイル基を表し、好ましくは水素原子、アルキル、シクロアルキル基、芳香族炭化水素基、複素環基、アシル基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、またはスルファモイル基である。各基は更に置換基を有していてもよい。
Xは窒素原子または−CRx5=を表し、好ましくは窒素原子である。
Gx、Rx3、Rx4、Rx5は各々独立して、水素原子、ハロゲン原子、アルキル、シクロアルキル基、芳香族基、複素環基、シアノ基、カルボキシル基、カルバモイル基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、アシル基、ヒドロキシ基、アルコキシ基、アリールオキシ基、シリルオキシ基、アシルオキシ基、カルバモイルオキシ基、複素環オキシ基、アルコキシカルボニルオキシ基、アリールオキシカルボニルオキシ基、アルキル基またはアリール基または複素環基で置換されたアミノ基、アシルアミノ基、ウレイド基、スルフアモイルアミノ基、アルコキシカルボニルアミノ基、アリールオキシカルボニルアミノ基、アルキル及びアリールスルホニルアミノ基、アリールオキシカルボニルアミノ基、ニトロ基、アルキル及びアリールチオ基、アルキル及びアリールスルホニル基、アルキル及びアリールスルフィニル基、スルファモイル基、スルホ基、またはヘテロ環チオ基を表す。各基は更に置換されていてもよい。また、Rx1とRx2、あるいはRx1とRx4、が結合して5〜6員環を形成してもよい。
一般式(DY1−4)においてAx4はチエニル基またはピロリル基またはイミダゾリル基またはピラゾリル基またはチアゾリル基またはイソチアゾリル基またはチアジアゾリル基またはベンゾチアゾリル基から選ばれる基を表し、好ましくはチエニル基またはイミダゾリル基またはピラゾリル基またはチアゾリル基またはイソチアゾリル基またはチアジアゾリル基またはベンゾチアゾリル基であり、これらには脂肪族環、芳香族環または他の複素環が縮合していてもよく、更に置換基を有していても良い。Ax4に置換可能な基としては特に制限は無いが、例としては上述したAx1またはBx1で表される芳香族炭化水素基または複素環基に置換可能な置換基の例と同義の基をあげることができる。Ax3及びAx4に置換可能な基として好ましくは、アルキル基、シクロアルキル基、芳香族炭化水素基、複素環基、アシル基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、カルバモイル基、ニトロ基、シアノ基、カルボキシ基、ハロゲン原子、アルコキシ基、アリールオキシ基、アシルアミノ基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、アミノスルホニル基、アミノカルボニル基、アルキルアミノスルホニル基、アルキルアミノカルボニル基、アミノ基、アニリノ基、ヒドロキシ基、スルファモイル基を挙げることができる。Ax3及びAx4に複数の置換基が置換可能な場合、各々の置換基は同一でも良く、異なっていても良い。
Qx3及びQx4は各々独立に−CRx8=、−CRx9=を表すか、あるいは、いずれか一方が窒素原子、他方が−CRx8=または−CRx9=を表し、好ましくはいずれか一方が窒素原子、他方が−CRx8=または−CRx9=である。
Rx6及びRx7はそれぞれ独立に、水素原子、脂肪族基、芳香族基、複素環基、アシル基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、カルバモイル基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、またはスルファモイル基を表し、好ましくは水素原子、アルキル、シクロアルキル基、芳香族炭化水素基、複素環基、アシル基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、またはスルファモイル基である。各基は更に置換基を有していてもよい。
Rx8及びRx9は各々独立に水素原子、ハロゲン原子、シアノ基、アルキル基、シクロアルキル基、アルキルチオ基、アルキルスルホニル基、アルキルスルフィニル基、アルコキシカルボニル基、カルバモイル基、アルコキシ基、芳香族炭化水素基、アリールチオ基、アリールスルホニル基、アリールスルフィニル基、アリールオキシ基またはアシルアミノ基を表す。それぞれの置換基は更に置換されていてもよい。
Rx1、Rx2、Gx、Rx3、Rx4、Rx5、Rx6、Rx7、Rx8及びRx9が表す基の例としては上述したAx1またはBx1で表される芳香族炭化水素基または複素環基に置換可能な置換基の例の中の該当する基で列挙した例と同義である。
本発明におけるアントラキノン化合物は、上述したマゼンタ着色剤の性質を有するアントラキノン化合物であれば特に制限されない。
本発明におけるアントラキノン化合物は下記一般式(DY2−1)または一般式(DY2−2)であることがより好ましい。
Figure 2009229496
式中、Ry1及びRy2は各々独立にアルキル基またはシクロアルキル基を表し、Ry3はアルキル基またはシクロアルキル基または芳香族炭化水素基または複素環基またはハロゲン原子またはアルコキシ基またはアリールオキシ基またはアルキルチオ基またはアリールチオ基を表し、Ry4はアルキル基またはシクロアルキル基または芳香族炭化水素基または複素環基またはハロゲン原子またはアルコキシ基またはアリールオキシ基を表し、ny1は0から2の整数を、ny2は0から4の整数を表す。
Figure 2009229496
式中、Ry5は一般式(DY2−1)中のRy3と同義の基を表し、Ry6は一般式(DY2−1)中のRy4と同義の基を表し、ny3は0から2の整数を、ny4は0から4の整数を表す。Zyはアミノ基または水酸基を表す。
一般式(DY2−1)及び一般式(DY2−2)について更に説明する。Ry1及びRy2は各々独立にアルキル基またはシクロアルキル基を表し、例としては上述したアルキル基またはシクロアルキル基と同義である。Ry3はアルキル基またはシクロアルキル基または芳香族炭化水素基または複素環基またはハロゲン原子またはアルコキシ基またはアリールオキシ基またはアルキルチオ基またはアリールチオ基を表し、例としては上述したアルキル基またはシクロアルキル基または芳香族炭化水素基または複素環基またはハロゲン原子またはアルコキシ基またはアリールオキシ基またはアルキルチオ基またはアリールチオ基と同義であり、好ましくはハロゲン原子である。Ry4はアルキル基またはシクロアルキル基または芳香族炭化水素基または複素環基またはハロゲン原子またはアルコキシ基またはアリールオキシ基を表し、ny1は0から2の整数を表し、ny1が2の場合、複数のRy3は同じでも異なっていても良く、好ましくは1である。ny2は0から4の整数を表し、ny2が2から4の場合、複数のRy4は同じでも異なっていても良く、好ましくは0または1である。Ry5は一般式(DY2−1)中のRy3と同義の基を表し、好ましくはアルコキシ基またはアリールオキシ基またはアルキルチオ基またはアリールチオ基である。Ry6は一般式(DY2−1)中のRy4と同義の基を表す。ny3は0から2の整数を表し、ny3が2の場合、複数のRy5は同じでも異なっていても良く、好ましくは1である。ny4は0から4の整数を表し、ny4が2から4の場合、複数のRy6は同じでも異なっていても良く、好ましくは0または1である。
本発明に好適に用いられるアントラキノン化合物としては、特表平9−502470号、特開平7−43948号、特開2006−154363号、特開平8−314189号、特開平5−173369号、特開平5−257321号、特開平6−59509号、特開平6−59511号、特開平6−59512号、特開平6−148939号、特開平7−209912号、特開平8−152744号、特開平6−3858号、特開平8−15911号、特開平7−84416号、特開平8−123088号等公報に記載されている化合物を挙げることができる。
次に一般式(DX−1)で表される化合物について説明する。
Figure 2009229496
式中、Rd1、Rd2及びRd3は各々置換基を表し、Zdは含窒素5〜6員複素環を形成するのに必要な非金属原子群を表し、md1は0〜3の整数を表し、md2は0〜4の整数を表し、md3は0〜2の整数を表すが、md1、md2及びmd3が同時に0を表すことはない。md1が2以上のとき複数のRd1は互いに同じでも異なっていてもよく、md2が2以上のとき複数のRd2は互いに同じでも異なっていてもよく、md3が2のとき複数のRd3は互いに同じでも異なっていてもよい。
本発明における一般式(DX−1)で表される化合物は、上述したマゼンタ着色剤の性質を有する化合物であれば特に制限されない。
一般式(DX−1)において、Rd1、Rd2及びRd3は各々置換基を表す。Rd1、Rd2及びRd3で表される置換基は特に制限はないが、該置換基の例としては上述したAx1またはBx1で表される芳香族炭化水素基または複素環基に置換可能な置換基の例と同義の基を挙げることができる。これらの置換基は、同様の置換基によって更に置換されていてもよい。また、Rd1、Rd2及びRd3の少なくとも一つは炭素数8以上30以下の直鎖のアルキル基で置換されており、且つRd1、Rd2及びRd3の少なくとも一つは分岐のアルキル基で置換されている。炭素数8以上30以下の直鎖のアルキル基としては、n−オクチル基、n−ドデシル基、n−ペンタデシル基、n−オクタデシル基、n−エイコシル基等が挙げられる。炭素数8以上30以下の直鎖のアルキル基は置換基を有してもよく、置換基としては前記Rd1及びRd2で表される置換基の中のアルキル基及びシクロアルキル基を除く基と同様の基を挙げることができる。炭素数8以上30以下の直鎖のアルキル基は置換基を有さないのが好ましい。炭素数10以上20以下の直鎖のアルキル基が好ましく、炭素数12以上18以上の直鎖のアルキル基がより好ましい。分岐のアルキル基とは2級または3級の炭素原子を有するアルキル基を意味し、分岐のアルキル基としては、iso−プロピル基、iso−ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、1,1,3,3−テトラメチルブチル基、iso−ペンチル基、tert−ペンチル基、2−エチルヘキシル基、iso−ペンタデシル基、iso−ヘプタデシル基等を挙げることができる。分岐のアルキル基は置換基を有してもよく、置換基としては前記Rd1及びRd2で表される置換基と同様の基を挙げることができる。Rd1としては、ハロゲン原子、アルコキシ基、アリールオキシ基、アニリノ基、アルキルアミノ基、アシルアミノ基、スルホンアミド基が好ましい。
一般式(DX−1)において、Zdは含窒素5〜6員複素環を形成するのに必要な非金属原子群を表す。Zdが形成する複素環としては、ピラゾール環、ピリジン環、ピリミジン環、ピリダジン環、ピリドン環が挙げられる。Zdが形成する複素環としては、ピリジン環、ピリミジン環及びピリドン環が好ましい。
一般式(DX−1)において、md1は0〜3の整数を表し、md1が2以上のとき複数のRd1は互いに同じでも異なっていてもよい。md1は1〜2が好ましい。md2は0〜4の整数を表し、md2が2以上のとき複数のRd2は互いに同じでも異なっていてもよい。md2は0が好ましい。md3は0〜2の整数を表し、md3が2のとき複数のRd3は互いに同じでも異なっていてもよい。md3は1〜2が好ましい。一般式(DX−1)において、md1、md2及びmd3が同時に0を表すことはない。
本発明における一般式(DX−1)で表される化合物は下記一般式(DY3−1)または一般式(DY3−2)または一般式(DY3−3)であることがより好ましい。
Figure 2009229496
式中、Rd11、Rd12は各々置換基を表し、Rd13及びRd14は水素原子または置換基を表し、Zd1は水素原子、アルキル基、芳香族炭化水素基または複素環基を表し、md11は0〜2の整数を表し、md12は0〜4の整数を表す。md11が2のとき複数のRd11は互いに同じでも異なっていてもよく、md12が2以上のとき複数のRd12は互いに同じでも異なっていてもよい。
一般式(DY3−1)において、Rd11、Rd12、md11及びmd12は各々上述した一般式(DX−1)中のRd1、Rd2、md1及びmd2と同義である。
Rd13及びRd14は各々水素原子または置換基を表す。置換基としては、前記Rd1及びRd2で表される置換基と同様の基を挙げることができる。これらの置換基は、同様の置換基によって更に置換されていてもよい。Rd13は水素原子及びアルキル基が好ましく、水素原子及びメチル基が更に好ましい。Rd14は水素原子、複素環基、アシル基、カルバモイル基、シアノ基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基が好ましい。Zd1は水素原子、アルキル基、芳香族炭化水素基または複素環基を表し、アルキル基または芳香族炭化水素基または複素環基が好ましい。
Figure 2009229496
式中、Rd21、Rd22は各々置換基を表し、Rd23及びRd24は水素原子または置換基を表し、Zd2は水素原子、アルキル基、芳香族炭化水素基または複素環基を表し、md21は0〜2の整数を表し、md22は0〜4の整数を表す。md21が2のとき複数のRd21は互いに同じでも異なっていてもよく、md22が2以上のとき複数のRd22は互いに同じでも異なっていてもよい。
一般式(DY3−2)において、Rd21、Rd22、md21及びmd22は各々上述した一般式(DX−1)中のRd1、Rd2、md1及びmd2と同義である。
Rd23及びRd24は各々水素原子または置換基を表す。置換基としては、前記Rd1及びRd2で表される置換基と同様の基を挙げることができる。これらの置換基は、同様の置換基によって更に置換されていてもよい。Rd23は水素原子、アルキル基、アリール基、アミノ基及びアニリノ基が好ましい。Rd24は水素原子、複素環基、アシル基、カルバモイル基、シアノ基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基が好ましい。Zd2は水素原子、アルキル基、芳香族炭化水素基または複素環基を表し、アルキル基または芳香族炭化水素基または複素環基が好ましい。
Figure 2009229496
式中、Rd31、Rd32は各々置換基を表し、Rd33は水素原子または置換基を表し、Zd3は水素原子またはアルキル基、芳香族炭化水素基または複素環基を表し、md31は0〜2の整数を表し、md32は0〜4の整数を表す。md31が2のとき複数のRd31は互いに同じでも異なっていてもよく、md32が2以上のとき複数のRd32は互いに同じでも異なっていてもよい。
一般式(DY3−3)において、Rd31、Rd32、md31及びmd32は各々上述した一般式(DX−1)中のRd1、Rd2、md1及びmd2と同義である。
Rd33は各々水素原子または置換基を表す。置換基としては、前記Rd1及びRd2で表される置換基と同様の基を挙げることができる。これらの置換基は、同様の置換基によって更に置換されていてもよい。Rd33は水素原子、アルキル基、アリール基が好ましく、アリール基が更に好ましい。Zd2は水素原子、アルキル基、芳香族炭化水素基または複素環基を表し、アルキル基または芳香族炭化水素基または複素環基が好ましい。
本発明に好適に用いられる一般式(DX−1)で表される化合物としては、特開平7−84416号公報、特開2004−123899号公報、特開2004−190007号公報、特開2005−2223号公報、特開2005−60629号公報、特開2005−126587号公報、特開2005−146002号公報、特開2005−146002公報、特開2005−146193号公報、特開2005−154539号公報、特開2005−196018号公報等に記載されている化合物を挙げることができる。
以下に本発明のマゼンタ着色剤の具体例を示すが、本発明はこれらに限定されることはない。
Figure 2009229496
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本発明に用いられるフタロシアニン誘導体は、例えば白井−小林共著、(株)アイピーシー発行「フタロシアニン−化学と機能−」(P.1〜62)、C.C.Leznoff−A.B.P.Lever共著、VCH発行‘Phthalocyanines−Properties and Applications’(P.1〜54)等に記載、引用もしくはこれらに類似の方法を組み合わせて合成することができる。
また本発明の一般式(I)で表されるフタロシアニン化合物は、国際公開第00/17275号パンフレット号パンフレット、同00/08103、同00/08101、同98/41853、特開平10−36471号などの各公報に記載されているように、例えば無置換のフタロシアニン化合物のスルホン化、スルホニルクロライド化、アミド化反応を経て合成することができる。この場合、スルホン化がフタロシアニン核のどの位置でも起こり得る上にスルホン化される個数も制御が困難である。従って、このような反応条件でスルホ基を導入した場合には、生成物に導入されたスルホ基の位置と個数は特定できず、必ず置換基の個数や置換位置の異なる混合物を与える。従ってそれを原料として本発明に用いられる化合物を合成するときには、置換基の個数や置換位置は特定できないので、本発明に用いられる化合物としては置換基の個数や置換位置の異なる化合物が何種類か含まれるα,β−位混合置換型混合物として得られる。
〈例示化合物1の合成〉
Figure 2009229496
例示化合物1の中間体の合成
グリシンエチルエステル塩酸塩1.50g、トリエチルアミン2.50gをアセトニトリル20mlに溶解した。この溶液を0℃まで冷却し、3,4−ジシアノ−5−メチルベンゼンスルホン酸クロライドを3.03g分割投入した。室温まで昇温して、1時間攪拌後反応液を水20gに投入して、中間体1の粗生成物を晶析した。この粗生成物を酢酸エチルに溶解後、ヘキサンを加えて晶析することで、中間体1を3.51g得た(収率90%)。
例示化合物1の合成
前記で得られた中間体1を3gと、塩化銅(II)0.40g、酢酸リチウム0.3g、及び酢酸0.3gをn−オクタノール20mlに懸濁し、120℃に加温後3時間攪拌した。原料消失を確認後、反応液を室温に戻し、メタノール100mlに加え、例示化合物1の粗結晶を得た。この祖結晶を酢酸エチルに溶解後、メタノールを加えて晶析することで、目的物例示化合物1を2.9g得た(収率71%)
〈例示化合物29の合成〉
200mlの4ツ口フラスコに4,5−ビスフェニルチオフタロニトリル10g、塩化第一銅0.76g及びN−メチル−2−ピロリドン100mlを仕込み、次いで140℃で撹拌下約5時間保った。その後冷却し得られた固形物をろ過し、アセトンで洗浄し例示化合物29が8.22g(収率78.7%)得られた。
〈例示化合物80の合成〉
銅フタロシアニン10g(17.4mmol)を、クロロスルホン酸4.9g(42.5mmol)によってクロロスルホン化した。反応の温度、時間、クロロスルホン酸の添加量によって、導入されるクロロスルホン酸基の量を調節できる。
上記工程で得られた中間体に対し、過剰のアニリンを、1時間塩基性水中10℃以下の低温で反応させた後、溶剤抽出によって未反応のアニリンを取り除いて、一晩減圧乾燥させた。その結果、例示化合物80を得た。
その他の化合物も同様の方法で合成することができる。
本発明のマゼンタ着色剤は公知の方法により容易に製造することができる。
本発明に係る前記一般式(DY1−1)から一般式(DY1−4)で表される化合物は、例えば、特開平5−297636号、特開平8−123089号、特開平8−123091号、特開平8−152745号、特開平8−166689号、特開平8−166690号、特開2002−371214号、特開2003−49099号、特開2005−255868号等の各公報に記載された従来公知の方法を参考にして合成することができる。
本発明に用いられるアントラキノン化合物は例えば特表平9−502470号、特開平7−43948号、特開2006−154363号、特開平8−314189号、特開平5−173369号、特開平5−257321号、特開平6−59509号、特開平6−59511号、特開平6−59512号、特開平6−148939号、特開平7−209912号、特開平8−152744号、特開平6−3858号、特開平8−15911号、特開平7−84416号、特開平8−123088号公報等を参考に公知の方法により容易に製造することができる。
本発明に用いられる一般式(DX−1)で表される化合物は特開平7−84416号公報、特開2004−123899号公報、特開2004−190007号公報、特開2005−2223号公報、2005−60629号公報、特開2005−126587号公報、特開2005−146002号公報、特開2005−146002公報、特開2005−146193号公報、特開2005−154539号公報、特開2005−196018号公報等を参考に公知の方法により容易に製造することができる。
その他にも、本発明のマゼンタ着色剤としては、例えば、「CMCテクニカルライブラリー 180 機能性顔料の技術」(株式会社シーエムシー出版)記載の顔料のうち、本発明のマゼンタ着色剤の用件を満たす顔料なども好適に用いることができる。
本発明のマゼンタ着色剤は、複素環を有するアゾ化合物またはアントラキノン化合物または一般式(DX−1)で表される化合物の中から任意に2種以上併用させて用いても良く、本発明外のマゼンタ着色剤と併用させて用いても良い。
(併用色素)
本発明においてはトナーに用いられる一般式(1)、(2)及び複素環を有するアゾ化合物またはアントラキノン化合物または一般式(DX−1)で表される化合物の他に、更に他の色素を併用してもよく、共に用いられる色素としては一般に知られている色素を用いることができるが、本発明においては色素が油溶性色素であることが好ましい。油溶性色素は通常カルボン酸やスルホン酸等の水溶性基を有さない有機溶剤に可溶で水に不溶な色素であるが、水溶性色素を長鎖の塩基と造塩することにより油溶性を示す色素も含まれる。例えば、酸性色素、直接色素、反応性色素と長鎖アミンとの造塩色素が知られている。以下に限定されるものではないが、例えば、オリエント化学工業株式会社製のValifast Yellow 4120、Valifast Yellow 3150、Valifast Yellow 3108、Valifast Yellow 2310N、Valifast Yellow 1101、Valifast Red 3320、Valifast Red 3304、Valifast Red 1306、Valifast Blue 2610、Valifast Blue 2606、Valifast Blue 1603、Oil Yellow GG−S、Oil Yellow 3G、Oil Yellow 129、Oil Yellow 107、Oil Yellow 105、Oil Scarlet 308、Oil Red RR、Oil Red OG、Oil Red 5B、Oil Pink 312、Oil Blue BOS、Oil Blue 613、Oil Blue 2N、Oil Black BY、Oil Black BS、Oil Black 860、Oil Black 5970、Oil Black 5906、Oil Black 5905、日本化薬株式会社製のKayaset Yellow SF−G、Kayaset Yellow K−CL、Kayaset Yellow GN、Kayaset Yellow A−G、Kayaset Yellow 2G、Kayaset Red SF−4G、Kayaset Red K−BL、Kayaset Red A−BR、Kayaset Magenta 312、Kayaset Blue K−FL、有本化学工業株式会社製のFS Yellow 1015、FS Magenta 1404、FS Cyan 1522、FS Blue 1504、C.I.Solvent Yellow 88、83、82、79、56、29、19、16、14、04、03、02、01、C.I.Solvent Red 84:1、C.I.Solvent Red 84、218、132、73、72、51、43、27、24、18、01、C.I.Solvent Blue 70、67、44、40、35、11、02、01、C.ISolvent Black 43、70、34、29、27、22、7、3、C.I.Solvent Violet 3、C.I.Solvent Green 3及び7、Plast Yellow DY352、Plast Red 8375、三井化学社製のMS Yellw HD−180、MS Red G、MS Magenta HM−1450H、MS Blue HM−1384、住友化学社製のES Red 3001、ES Red 3002、ES Red 3003、TS Red 305、ES Yellow 1001、ES Yellow 1002、TS Yellow 118、ES Orange 2001、ES Blue 600、TS Turq Blue 618、Bayer社製のMACROLEX Yellow 6G、Ceres Blue GNNEOPAN Yellow O75、Ceres Blue GN、MACROLEX Red Violet R等が挙げられる。
油溶性色素として分散色素を用いることができ、以下に限定されるものではないが、例えば、C.I.ディスパーズイエロー5、42、54、64、79、82、83、93、99、100、119、122、124、126、160、184:1、186、198、199、204、224及び237;C.I.ディスパーズオレンジ13、29、31:1、33、49、54、55、66、73、118、119及び163;C.I.ディスパーズレッド54、60、72、73、86、88、91、92、93、111、126、127、134、135、143、145、152、153、154、159、164、167:1、177、181、204、206、207、221、239、240、258、277、278、283、311、323、343、348、356及び362;C.I.ディスパーズバイオレット33;C.I.ディスパーズブルー56、60、73、87、113、128、143、148、154、158、165、165:1、165:2、176、183、185、197、198、201、214、224、225、257、266、267、287、354、358、365及び368並びにC.I.ディスパーズグリーン6:1及び9等が挙げられる。その他、油溶性色素として、フェノール、ナフトール類、ピラゾロン、ピラゾロトリアゾールなどの環状メチレン化合物、開鎖メチレン化合物などのカプラー、p−ジアミノピリジン類、アゾメチン色素、インドアニリン色素なども好ましく用いられる。
(イエロートナー)
イエロートナー用のイエロー着色剤としては、染料としてC.I.ソルベントイエロー19、同44、同77、同79、同81、同82、同93、同98、同103、同104、同112、同162、など、顔料としてはC.I.ピグメントイエロー14、同17、同74、同93、同94、同138、同155、同180、同185などを用いる事ができ、またこれらの混合物も用いる事ができる。特に、染料ではC.I.ソルベントイエロー162、顔料ではC.I.ピグメントイエロー74、同93、同138、同180が好ましい。
これら着色剤のトナー中における分散状態での数平均一次粒子径は種類により多様であるが、概ね10〜200nm程度が好ましい。これら着色剤の添加量はトナー中に1〜10質量%、好ましくは2〜8質量%である。1質量%未満の場合はトナーの着色力が不足する可能性があり、10質量%を超える場合には着色剤の遊離やキャリアなどへの付着が発生し、帯電性に影響を与える場合がある。
(トナーへの添加形態)
トナーへの添加形態としてはあらゆる方法が使用可能であり、例えば結着樹脂への溶解、含浸、結着樹脂とは別の色素の固体分散物としての添加、また該色素固体分散物にポリマー、高沸点油剤等を混在させた形態が考えられる。好ましい添加形態としては粒径10nmから1μm未満の固体分散物とした方が安定性の観点から好ましい。更に粒径10nmから100nm未満の単分散性固体分散として場合、光の散乱が抑えられ、隠蔽性粒子を無くすことができるので色再現性の観点から好ましい。また、溶解のない固体分散であるため拡散性、ブリードが抑えられ、色素の耐光性、耐熱性が改善される。ポリマー、高沸点油剤を混合して固体分散物とすることにより凝集を防止し粒径をコントロールすることも有効であり、必要に応じて添加することが好ましい。更に別のポリマーで被覆しコア/シェルを形成することも製造安定性、保存安定性を高めるために用いることができる。トナーとしては重合トナー、粉砕トナー両方に適用可能であるが、トナーの加工性、色素の添加の容易性から重合トナーにより適している。
(粒子の作製方法)
本発明において好ましい固体分散物の作製方法について説明する。
本発明において色素固体分散物は、例えば色素を酢酸エチル、トルエンなどの水非混和性有機溶剤中に溶解(或いは分散)し、水中で乳化分散後、有機溶剤を除去する液中乾燥法により得ることができる。また色素が固体で分散できる場合には上記液中乾燥法でなくとも界面活性剤を加えた水中に固体の色素を乳化分散させても良い。乳化分散機は限定されないが、例えば超音波分散機、高速攪拌型分散機等が用いられる。
(界面活性剤)
本発明における乳化剤、分散剤、表面張力調整剤としては特に制限されるものではないが、カチオン系、アニオン系、両性、ノニオン系のいずれの界面活性剤も用いることが出来る。
乳化剤或いは分散剤として、好ましくはアニオン系またはノニオン系界面活性剤が特によい。様々な条件を満足するために両方の活性剤を併用することも可能である。アニオン系界面活性剤としては、例えば、オレイン酸ナトリウム等の高級脂肪酸塩類;例えば、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム等のアルキルアリールスルホン酸塩類;例えば、ラウリル硫酸ナトリウム等のアルキル硫酸エステル塩類;例えば、ポリエキシエチレンラウリルエーテル硫酸ナトリウム等のポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸エステル塩類;例えば、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル硫酸ナトリウム等のポリオキシエチレンアルキルアリールエーテル硫酸エステル塩類;モノオクチルスルホコハク酸ナトリウム、ジオクチルスルホコハク酸ナトリウム、ポリオキシエチレンラウリルスルホコハク酸ナトリウム等のアルキルスルホコハク酸エステル塩及びその誘導体類;等を挙げることができる。その他、例えば花王(株)製の分散剤デモールSNB、MS、N、SSL、ST、P(商品名)も挙げられる。また、高分子界面活性剤として、以下の水溶性樹脂を用いることができる。水溶性樹脂として好ましく用いられるのは、スチレン−アクリル酸−アクリル酸アルキルエステル共重合体、スチレン−アクリル酸共重合体、スチレン−マレイン酸−アクリル酸アルキルエステル共重合体、スチレン−マレイン酸共重合体、スチレン−メタクリル酸−アクリル酸アルキルエステル共重合体、スチレン−メタクリル酸共重合体、スチレン−マレイン酸ハーフエステル共重合体、ビニルナフタレン−アクリル酸共重合体、ビニルナフタレン−マレイン酸共重合体等を挙げることができる。高分子界面活性剤の例として、その他に、アクリル−スチレン系樹脂であるジョンクリル等(ジョンソン社)が挙げられる。その他反応性乳化剤として知られているモノマー基と界面活性剤成分の両者を有する化合物も色素溶解性が低く乳化能が高いことから有用である。反応性乳化剤としては、例えば、花王社製の「ラムテル S−120」、「ラムテル S−120A」。「ラムテル S−180」、「ラムテル S−180A」や、三洋化成工業社製の「エレミノール JS−2」、旭電化工業社製の「アデカリアソープ NE−10」、「アデカリアソープ NE−20」、「アデカリアソープ NE−30」などのNEシリーズ、「アデカリアソープ SE−10N」、「アデカリアソープ SE−20N」、「アデカリアソープ SE−30N」などのSEシリーズ、第一工業製薬社製の「アクアロン RN−10」、「アクアロン RN−20」、「アクアロン RN−30」、「アクアロン RN−50」などのRN シリーズ、「アクアロン HS−05」、「アクアロン HS−10」、「アクアロン HS−20」、「アクアロン HS−30」などのHS シリーズ、或いは、アクアロン BCシリーズ、第一工業製薬社製の「アクアロン KH−05」、「アクアロン KH−10」、「アクアロン HS−05」、「アクアロン HS−10」、「アデカリアソープ SEシリーズ」(旭電化工業社製)、「アクアロン HSシリーズ」(第一工業製薬社製)、「ラテムル Sシリーズ」(花王社性)、「エレミノール JSシリーズ」(三洋化成工業社製)などを挙げる事ができる。ノニオン系界面活性剤としては、例えばポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルエーテル等のポリオキシエチレンオクアルキルエーテル類;例えば、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル等のポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル類;例えば、ソルビタンモノラウレート、ソルビタンモノステアレート、ソルビタントリオレエート等のソルビタン高級脂肪酸エステル類;例えば、ポリオキシエチレンソルビタンモノラウレート等のポリオキシエチレンソルビタン高級脂肪酸エステル類;例えば、ポリオキシエチレンモノラウレート、ポリオキシエチレンモノステアレート等のポリオキシエチレン高級脂肪酸エステル類;例えばオイレン酸モノグリセライド、ステアリン酸モノグリセライド等のグリセリン高級脂肪酸エステル類;例えば、ポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレン−ブロックコポリマー;等を挙げることができる。
両性界面活性剤としては、カルボキシベタイン型、スルホベタイン型、アミノカルボン酸塩、イミダゾリニウムベタイン等が挙げられる カチオン系界面活性剤としては、脂肪族アミン塩、脂肪族4 級アンモニウム塩、ベンザルコニウム塩、塩化ベンゼトニウム、ピリジニウム塩、イミダゾリニウム塩等が挙げられる。
これらの界面活性剤を使用する場合、単独または2種類以上を混合して用いることが出来、固体分散物に対して、0.001〜1.0質量%の範囲で添加することにより使用することができる。
(ポリマー)
本発明において分散物中にポリマー(樹脂)を含有する場合、その重量平均分子量が少なくとも1種については40,000未満、特に500以上、40,000未満であることが、微粒子を形成すること、分散安定性に優れること、画像の透明性等の点で好ましい。
本発明においては、一般に知られている樹脂を使用可能であり、例えば(メタ)アクリレート系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリイミド系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリエポキシ系樹脂、ポリエステル系樹脂、アミノ系樹脂、フッ素系樹脂、フェノール系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリエチレン系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂、ポリビニルアルコール系樹脂、ポリエーテル系樹脂、ポリエーテルケトン系樹脂、ポリフェニレンスルフィド樹脂、ポリカーボネート系樹脂、アラミド樹脂などが挙げられるが、好ましい樹脂としては、アセタール基を含有するポリマー、中でもポリビニルブチラール、ポリビニルアセタール、及び重合性エチレン性不飽和二重結合を有するビニルモノマーのラジカル重合によって得られたポリマーが好ましい。ビニルモノマーのラジカル共重合体に用いられる具体的なモノマーとしては、酢酸ビニル、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸t−ブチル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸イソノニル、アクリル酸ドデシル、アクリル酸オクタデシル、2−フェノキシエチルアクリレート、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸n−ブチル、メタクリル酸イソブチル、メタクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸2−ヒドロキシエチル、メタクリル酸ドデシル、メタクリル酸オクタデシル、メタクリル酸シクロヘキシル、メタクリル酸ステアリル、メタクリル酸ベンジル、メタクリル酸グリシジル、メタクリル酸フェニル、スチレン、α−メチルスチレン、アクリロニトリル等、アセトアセトキシエチルメタクリレート、メタクリル酸グリシジルの大豆油脂肪酸変性品(ブレンマーG−FA:日本油脂社製)等が挙げられる。
(組成)
本発明において固体分散物は、色素、必要に応じてポリマー、高沸点油剤を含有するものである。ポリマー、高沸点油剤を添加する場合、ポリマー、高沸点油剤は全体の30〜70質量%が好ましい。
(粒径)
本発明における、色素固体分散物は、体積基準のメジアン径が10nm〜200nmの範囲であることが好ましく、より好ましくは10nm〜100nmであり、特に好ましくは10nm〜50nmである。体積基準のメジアン径が10nm以下になると単位体積あたりの表面積が非常に大きくなるため、固体分散物の安定性が悪くなり易く、保存安定性が劣化し易い。100nmを越える大粒子では、トナーでの単位色材量あたりの彩度が低下してしまう。
一方、彩度に対しては粒径分布も影響する。粒径分布をCV値として以下のように定義した。
粒径測定値の全体を100%として累積曲線を求め、累積曲線が16%,50%,84%となる粒径をd16,d50,d84とした場合、CV値=(d84−d16)×100/(2×d50)。CV値としては100以下が好ましく、より好ましくは50以下であり、更に30以下がより好ましい。
体積基準のメジアン径は、動的光散乱法、レーザー回折法、遠心沈降法、FFF法、電気的検知体法などを用いて求めることが可能であるが、本発明では、マイクロトラックUPA−150(日機装株式会社)を用いて動的光散乱法で求めるのが好ましい。
(トナー)
本発明においては下記の結着樹脂及び色素固体分散物の他、公知の荷電制御剤、オフセット防止剤等を使用することができる。荷電制御剤としては特に限定されるものではない。カラートナーに用いる負荷電制御剤としては、カラートナーの色調、透光性に悪影響を及ぼさない無色、白色あるいは淡色の荷電制御剤が使用可能であり、例えばサリチル酸誘導体の亜鉛やクロムの金属錯体、カリックスアレーン系化合物、有機ホウ素化合物、含フッ素4級アンモニウム塩系化合物等が好適に用いられる。上記サリチル酸金属錯体としては例えば特開昭53−127726号公報、特開昭62−145255号公報等に記載のものが、カリックスアレーン系化合物としては例えば特開平2−201378号公報等に記載のものが、有機ホウ素化合物としては例えば特開平2−221967号公報に記載のものが、有機ホウ素化合物としては例えば特開平3−1162号公報に記載のものが使用可能である。このような荷電制御剤を用いる場合、結着樹脂(結着樹脂)100質量部に対して0.1〜10質量部、好ましくは0.5〜5.0質量部使用することが望ましい。
オフセット防止剤としても特に制限されることはなく、例えば、ポリエチレンワックス、酸化型ポリエチレンワックス、ポリプロピレンワックス、酸化型ポリプロピレンワックス、カルナバワックス、サゾールワックス、ライスワックス、キャンデリラワックス、ホホバ油ワックス、蜜ろうワックス等が使用可能である。このようなワックスの添加量は、結着樹脂100質量部に対して0.5〜5質量部、好ましくは1〜3質量部が望ましい。これは添加量が0.5質量部より少ないと添加による効果が不十分となり、5質量部より多くなると透光性や色再現性が低下するためである。
本発明においては上記した結着樹脂、色素固体分散物及びその他の所望の添加剤を使用し、混練・粉砕法、懸濁重合法、乳化重合法、乳化分散造粒法、カプセル化法等その他の公知の方法により製造することができる。これらの製造方法の中で、画像の高画質化に伴うトナーの小粒径化を考慮すると、製造コスト及び製造安定性の観点から乳化重合方法が好ましい。
乳化重合方法は、乳化重合によって製造された結着樹脂エマルジョンを、他の色素固体分散物等、トナー粒子成分の分散液と混合し、pH調整により生成した粒子表面の反発力と電解質添加による凝集力のバランスを取りながら緩慢凝集させ、粒径・粒度分布を制御しながら会合を行うと同時に加熱撹拌することで微粒子間の融着・形状制御を行うことによりトナー粒子を製造する。本発明のトナー粒子は、体積基準のメジアン径を4〜10μm、好ましくは6〜9μmに調整することが画像の高精細再現性の観点から好ましい。
本発明においては、トナーの流動性付与やクリーニング性向上等の観点から後処理剤を添加・混合して使用することができ、特に限定されるものではない。このような後処理剤としては、例えば、シリカ微粒子やアルミナ微粒子、チタニア微粒子等の無機酸化物微粒子や、ステアリン酸アルミニウム微粒子、ステアリン酸亜鉛微粒子等の無機ステアリン酸化合物微粒子、またチタン酸ストロンチウムやチタン酸亜鉛等の無機チタン酸化合物微粒子等を使用することができ、単独あるいは異種の添加剤を併用して使用することが可能である。これらの微粒子は、耐環境安定性や耐熱保管性の観点からシランカップリング剤、チタンカップリング剤、高級脂肪酸、シリコーンオイル等で表面処理して用いることが望ましく、添加量はトナー100質量部に対して0.05〜5質量部、好ましくは0.1〜3質量部用いることが望ましい。
本発明におけるトナーとしては、キャリアと混合して用いる2成分現像用トナーとして、また、キャリアを使用しない1成分現像用トナーが使用可能である。
使用するキャリアとしては、従来より2成分現像用のキャリアとして公知のものを使用することができ、例えば鉄やフェライト等の磁性体粒子からなるキャリア、このような磁性体粒子を樹脂で被覆してなる樹脂コートキャリア、或いは磁性体微粉末を結着樹脂中に分散してなるバインダー型キャリア等を使用することができる。これらのキャリアの中でも、被覆樹脂としてシリコーン系樹脂、オルガノポリシロキサンとビニル系単量体との共重合樹脂(グラフト樹脂)またはポリエステル系樹脂を用いた樹脂コートキャリアを使用することがトナースペント等の観点から好ましく、特にオルガノポリシロキサンとビニル系単量体との共重合樹脂にイソシアネートを反応させて得られた樹脂で被覆したキャリアが、耐久性、耐環境安定性及び耐スペント性の観点から好ましい。上記ビニル系単量体としてはイソシアネートと反応性を有する水酸基等の置換基を有する単量体を使用する必要がある。また、キャリアの体積基準のメジアン径は20〜100μm、好ましくは20〜60μmのものを使用することが高画質の確保とキャリアかぶり防止の観点から好ましい。
(結着樹脂)
本発明においてトナーに含有される結着樹脂としては、固体分散物との密着性が高くなる熱可塑性樹脂が好ましく、特に溶剤可溶性のものが好ましい。更に、ポリマーの前駆体が溶剤可溶性であれば3次元構造を形成する硬化性樹脂も使用可能である。結着樹脂としては、一般にトナーの結着樹脂として用いられているものが特に制限なく用いられるが、例えば、スチレン系の樹脂やアルキルアクリレート及びアルキルメタクリレート等のアクリル系樹脂、スチレンアクリル系共重合樹脂、ポリエステル系樹脂、シリコン系樹脂、オレフィン系樹脂、アミド系樹脂あるいはエポキシ系樹脂などが好適に用いられるが、透明性や重ね合わせ画像の色再現性を高めるため、透明性が高く、溶融特性が低粘度でシャープメルト性の高い樹脂が要求される。このような特性を有する結着樹脂としてはスチレン系樹脂、アクリル系樹脂、ポリエステル系樹脂が適している。
またこれらの樹脂を混合して使用することもでき、更に付加重合型樹脂と重縮合型樹脂がアクリル酸などを介して複合化したポリマーも使用することが出来る。複合化した樹脂としては、(i)アクリル酸エステルやメタクリル酸エステルの如きカルボン酸エステル基を有するモノマー成分を重合したビニル系樹脂成分とポリエステル系樹脂成分との間でエステル交換反応を行うことによって形成されるもの、(ii)アクリル酸やメタクリル酸の如きカルボン酸基を有するモノマー成分を重合したビニル系樹脂成分とポリエステル成分との間でエステル化反応が生じることによって形成されるもの、(iii)フマル酸のような不飽和結合を持つモノマーを用いて重合された不飽和ポリエステル樹脂成分の存在下でビニル系モノマーを重合して形成されるもの、などが挙げられる。
更に樹脂の末端やモノマー中に存在する官能基とその官能基に活性を持つ化合物とを反応させた変性ポリマーも使用することが出来る。
変性ポリマーは有機溶媒中に活性水素基を有する化合物と反応可能な部位を有する重合体を含有し、水系媒体中で造粒する際に活性水素基を有する化合物と反応させて得られ、活性水素基を有する化合物と反応可能な部位を有する重合体としては、イソシアネート基含有ポリエステルプレポリマーが好ましく、活性水素基を有する化合物としてはアミン、ケチミン化合物、オキサゾリン化合等が好ましい。
結着樹脂としては、数平均分子量(Mn)が3000〜6000、好ましくは3500〜5500、重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)の比Mw/Mnが2〜6、好ましくは2.5〜5.5、ガラス転移点が50〜70℃、好ましくは55〜70℃及び軟化温度が90〜110℃、好ましくは90〜105℃である樹脂を使用することが望ましい。また数平均分子量が異なるポリマーを2種以上併用することも可能である。
結着樹脂の数平均分子量が3000より小さいとフルカラーのベタ画像を折り曲げた際に画像部が剥離して画像欠損が発生し(折り曲げ定着性が悪化し)、6000より大きいと定着時の熱溶融性が低下して定着強度が低下する。また、Mw/Mnが2より小さいと高温オフセットが発生しやすくなり、6より大きいと定着時のシャープメルト特性が低下して、トナーの透光性並びにフルカラー画像形成時の混色性が低下してしまう。また、ガラス転移点が50℃より低いとトナーの耐熱性が不十分となって、保管時にトナーの凝集が発生しやすくなり、70℃より高いと溶融しにくくなって定着性が低下するとともにフルカラー画像形成時の混色性が低下する。また、軟化温度が90℃より低いと高温オフセットが生じやすくなり、110℃より高いと定着強度、透光性、混色性及びフルカラー画像の光沢性が低下する。
(画像形成方法)
次に、本発明のトナーセットを用いる画像形成方法について説明する。
本発明において、画像形成の方式については特に限定されるものではない。例えば、感光体上に複数の画像を形成し、一括で転写する方式、感光体に形成された画像を転写ベルトなどに逐次転写する方式など、特に限定されないが、より好ましくは感光体上の複数の画像を形成し、一括で転写する方式である。
この方式は、感光体に対して均一帯電させ第一の画像に応じた露光を与え、その後、第一回目の現像を行い、感光体上に第一のトナー像を形成させる。次いで、その第一の画像が形成された感光体を均一帯電し第二の画像に応じた露光を与え、第二回目の現像を行い、感光体上に第二のトナー像を形成させる。更に、第一及び第二の画像が形成された感光体を均一帯電し第三の画像に応じた露光を与え、第三回目の現像を行い、感光体上に第三のトナー像を形成させる。更に、第一、第二及び第三の画像が形成された感光体を均一帯電し第四の画像に応じた露光を与え、第四回目の現像を行い、感光体上に第四のトナー像を形成させる。
例えば、第一回目をイエロー、第二回目をマゼンタ、第三回目をシアン、第四回目を黒トナーで現像することで、フルカラートナー画像を感光体上に形成するものである。
その後、感光体上に形成された画像を紙等の画像支持体に一括して転写を行い、更に画像支持体に定着し、画像を形成する。
本方式では、感光体上に形成された画像を一括して紙等に転写し、画像を形成する方式であるため、いわゆる中間転写方式とは異なり、画像を乱す要因となる転写の回数が1回ですみ、画像品質を高くすることができる。
感光体に現像する方式としては、複数の現像が必要であることから、非接触現像が好ましい。また、現像に際しては交番電界を印加する方式も好ましい方式である。
又、前記した如く、現像方式としては、像形成体上に重ね合わせカラー画像を形成し、一括転写する方式については、非接触現像方式が好ましい。
二成分現像剤として使用することのできるキャリアの体積基準のメジアン径は15〜100μm、より好ましくは25〜60μmのものが良い。キャリアの体積基準のメジアン径の測定は、代表的には湿式分散機を備えたレーザー回折式粒度分布測定装置「ヘロス(HELOS)」(シンパティック(SYMPATEC)社製)により測定することができる。
キャリアは、更に樹脂により被覆されているもの、あるいは樹脂中に磁性粒子を分散させたいわゆる樹脂分散型キャリアが好ましい。コーティング用の樹脂組成としては、特に限定は無いが、例えば、オレフィン系樹脂、スチレン系樹脂、スチレン/アクリル系樹脂、シリコーン系樹脂、エステル系樹脂あるいはフッ素含有重合体系樹脂等が用いられる。また、樹脂分散型キャリアを構成するための樹脂としては、特に限定されず公知のものを使用することができ、例えば、スチレン/アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、フッ素系樹脂、フェノール樹脂等を使用することができる。
本発明に使用される好適な定着方法としては、いわゆる接触加熱方式を挙げることができる。特に、接触加熱方式の代表的なものとして、熱ロール定着方式及び固定配置された加熱体を内包した回動する加圧部材により定着する圧接加熱定着方式を挙げることができる。
(画像)
本発明のトナーセットを使用して現像・転写・定着を行う画像形成において、その転写から定着の状態を説明すると、転写材の上に転写された本発明のトナーが、定着後においてもその色素固体分散物が崩壊せず、紙の表面に付着している。
本発明においては、上記のように固体分散物をトナー粒子中に分散させることにより、トナー粒子が色素を含むにもかかわらず、色素がトナー粒子の表面に遊離しない(移行しない)ため、従来のトナーの問題点である、(1)帯電量が低い、(2)高温高湿下及び低温低湿下での帯電量の差が大きい(環境依存性)、(3)着色剤の種類例えばフルカラー画像記録のようにシアン、マゼンタ、イエロー、ブラックの各顔料を用いる場合の各色トナーについて帯電量がばらつく、などを払拭することができる。また、転写材への熱定着の際、着色剤である色素の色素固体分散物外への移行(色素固体分散物表面への露出)が起こらない為、一般的な色素を使用したトナーにおいて問題となる、熱定着時の色素の昇華やオイル汚染が生じることはない。
以下実施例により本発明を具体的に例示するが本発明はこれにより限定されるものではない。
(実施例1)
以下に示すトナーの製造方法を用いて、重合法トナーを作製した。
次に本発明の代表的な実施態様を具体的に示すが、本発明はこれに限定されるわけではない。
(ラテックス製造例1)
撹拌装置、温度センサー、冷却管、窒素導入装置を付けた5000mlのセパラブルフラスコに予めアニオン系活性剤(ドデシルベンゼンスルフォン酸ナトリウム:SDS)7.08gをイオン交換水(2760g)に溶解させた溶液を添加する。窒素気流下230rpmの撹拌速度で撹拌しつつ、内温を80℃に昇温させた。一方で離型剤として式(1)72.0gをスチレン115.1g、n−ブチルアクリレート42.0g、メタクリル酸10.9gからなるモノマーに加え、80℃に加温し溶解させ、モノマー溶液を作製した。
Figure 2009229496
ここで循環経路を有する機械式分散機により上記の加熱溶液を混合分散させ、均一な分散粒子径を有する乳化粒子を作製した。ついで、重合開始剤(過硫酸カリウム:KPS)0.90gをイオン交換水200gに溶解させた溶液を添加し80℃にて3時間加熱、撹拌することでラテックス粒子を作製した。引き続いて更に重合開始剤(KPS)8.00gをイオン交換水240mlに溶解させた溶液を添加し、15分後、80℃でスチレン383.6g、n−ブチルアクリレート140.0g、メタクリル酸36.4g、t−ドデシルメルカプタン13.7gの混合液を120分かけて滴下した。滴下終了後60分加熱撹拌させた後40℃まで冷却しラテックス粒子を得た。
このラテックス粒子をラテックス1とする。
(トナー調製例)
着色粒子1の製造
n−ドデシル硫酸ナトリウム10gをイオン交換水160mlに撹拌溶解する。この液に、撹拌下、例示化合物1を20g徐々に加え、次いで、クレアミックスを用いて分散した。大塚電子社製の電気泳動光散乱光度計ELS−800を用いて、上記分散液の粒径を測定した結果、重量平均粒径で121nmであった。この分散液を「着色剤分散液1」とする。
前述の「ラテックス1」1250gとイオン交換水2000ml及び「着色剤分散液1」を、温度センサー、冷却管、窒素導入装置、撹拌装置を付けた5リットルの四つ口フラスコに入れ撹拌する。30℃に調整した後、この溶液に5モル/リットルの水酸化ナトリウム水溶液を加え、pHを10.0に調整した。次いで、塩化マグネシウム6水和物52.6gをイオン交換水72mlに溶解した水溶液を撹拌下、30℃にて5分間で添加した。その後、1分間放置した後に、昇温を開始し、液温度90℃まで6分で昇温する(昇温速度=10℃/分)。
その状態で粒径をコールターカウンターTA−IIにて測定し、体積平均粒径が6.5μmになった時点で塩化ナトリウム115gをイオン交換水700mlに溶解した水溶液を添加し粒子成長を停止させ、更に継続して液温度90℃±2℃にて、6時間加熱撹拌し、塩析/融着させる。その後、6℃/minの条件で30℃まで冷却し、塩酸を添加し、pHを2.0に調整し撹拌を停止した。生成した着色粒子を濾過し、イオン交換水で繰り返し洗浄し、その後、40℃の温風で乾燥し、着色粒子を得た。以上のようにして得られた着色粒子を「着色粒子1」とする。
次いで上記着色粒子1に疎水性シリカ(数平均一次粒子径=12nm、疎水化度=68)を1質量%及び疎水性酸化チタン(数平均一次粒子径=20nm、疎水化度=63)添加し、ヘンシェルミキサーにより混合してトナー1を得た。
(トナー2〜30の作製)
例示化合物1を例示化合物3、4、6、8、12、13、18、22、29、30、32、36、38、46、48、49、51、56、65、68、71及び例示化合物DYM−1、DYM−18、DYM−22、DYM−29、DYM−46、DYM−50、DYM−64、DYM−73に変更した以外はトナー1と同様の方法でトナー2〜22、及びトナー30〜37を作製した。
複合化したポリエステルトナーの実施例
〈重縮合樹脂1の調製〉
ドデシルベンゼンスルホン酸 9.0質量部
1,9−ノナンジオール 200質量部
ドデカン二酸 287.5質量部
スチレン 500質量部
窒素を流しながら90℃/1.013×105Paで5時間、次いで、110℃/1.013×105Paにして2時間、系外に水を流出しながら加熱撹拌しオリゴマー化した。これに、スチレン200質量部を加え冷却管を付け、留出したスチレンが反応器に戻るようにした。その後、80℃/1atmで10時間反応を行い、粘調な液(重縮合樹脂1含有液)を得た。得られたポリエステルの一部を分析のため、風乾した後、60℃熱風乾燥し十分にスチレンを除去し分析に供した。重量平均分子量は25,000であった。該ポリエステルを示差熱分析したところ、融点は70.3℃の値を示した。
〈樹脂粒子分散液(1)の調製〉
〔油相1の調製〕
重縮合樹脂1含有液 70質量部
アクリル酸 1.5質量部
ドデカンチオール 1.5質量部
ステアリルメタクリレート 1.5質量部
スチレン 21.6質量部
上記組成を秤量し、120℃で加熱し均一な油相1を調製した。添加したスチレン量は、総付加重合性単量体に対する重縮合樹脂1の量比が65質量%になるように調整して加えた。
〔水相1の調製〕
イオン交換水 200質量部
ドデシルベンゼンスルホン酸 1.6質量部
80℃に加熱したイオン交換水にドデシルベンゼンスルホン酸を溶解し水相1を調製し、ホモジナイザー(IKA社製、ウルトラタラックス)で15分間乳化した後、油相1を投入し、8,000rpmで10分間更に乳化した。更にナノマイザー(吉田機械興業社製)を用い、吐出速度60(吐出圧力49.43MPa)で5パス分散し乳化物を得た。ドロップレットの体積平均粒径は0.5μmであった。撹拌機を備えた1リットルのリアクターに上記乳化物を投入し、1.6質量部の過硫酸アンモニウムを10質量部のイオン交換水に溶解した物を添加し窒素雰囲気下で6時間重合を行ったところ、メジアン径0.4μmの安定な樹脂粒子分散液を得た。得られた分散液を少量取り、複合重合体の物性を測定した。
GPCによる付加重合型樹脂の重量平均分子量 15,000
GPCによるポリエステルの重量平均分子量 28,000
ポリエステルの融点 71℃
上記の様に得られた重合物はポリエステル−付加重合型樹脂の複合粒子である事が確認された。得られた樹脂粒子分散液にイオン交換水を加え、固形分を20%に調整し、樹脂粒子分散液(1)を得た。
また、樹脂粒子分散液(1)中の樹脂粒子は、メジアン径が0.03μm以下又は5.0μm以上の粒子の全体比率(以下、「大小粒子全体比率」ともいう。)が6.1%であった。
また、樹脂粒子分散液(1)の安定性を調べたところ、凝集物の発生は、まったく見られず分散液は安定な状態(◎)であった。
〈着色剤粒子分散液(1)の調製〉
例示化合物6 50質量部
アニオン性界面活性剤(第一工業製薬(株)製、ネオゲンR) 5質量部
イオン交換水 200質量部
上記配合に従って、成分を混合溶解し、ホモジナイザー(IKA社製、ウルトラタラックス)5分と超音波バスにより10分間分散し、中心径(メジアン径)240nm、固形分量21.5%のシアン着色剤粒子分散液(1)を得た。
〈着色剤粒子分散液(2)の調製〉
例示化合物DYM−21 50質量部
アニオン性界面活性剤(第一工業製薬(株)製、ネオゲンR) 5質量部
イオン交換水 200質量部
上記配合に従って、成分を混合溶解し、ホモジナイザー(IKA社製、ウルトラタラックス)5分と超音波バスにより10分間分散し、中心径(メジアン径)240nm、固形分量21.5%のマゼンタ着色剤粒子分散液(2)を得た。
〈離型剤粒子分散液の調製〉
パラフィンワックス(日本精蝋(株)製、HNP9;融点70℃) 50質量部
アニオン性界面活性剤(ダウケミカル社製ダウファクス) 5質量部
イオン交換水 200質量部
上記配合に従って、成分を95℃に加熱して、ホモジナイザー(IKA社製、ウルトラタラックスT50)で十分に分散した後、圧力吐出型ホモジナイザー(ゴーリンホモジナイザー、ゴーリン社製)で分散処理し、中心径(メジアン径)180nm、固形分量21.5%の離型剤粒子分散液を得た。
(トナー23)
〈トナー粒子の調製〉
樹脂粒子分散液(1) 210質量部(樹脂粒子42質量部)
着色剤粒子分散液(1) 40質量部(顔料8.6質量部)
離型剤粒子分散液 40質量部(離型剤8.6質量部)
ポリ塩化アルミニウム 0.15質量部
イオン交換水 300質量部
上記配合に従って、成分を丸型ステンレス製フラスコ中でホモジナイザー(IKA社製、ウルトラタラックスT50)で十分に混合・分散した後、加熱用オイルバスでフラスコを撹拌しながら40℃まで加熱し、40℃で60分間保持した後、樹脂粒子分散液(1)を105質量部(樹脂粒子21質量部)追加して緩やかに撹拌した。
その後、0.5モル/リットルの水酸化ナトリウム水溶液で系内のpHを6.0に調整した後、撹拌を継続しながら85℃まで加熱した。85℃までの昇温の間、通常の場合、系内のpHは、5.0以下まで低下するが、ここでは水酸化ナトリウム水溶液を追加滴下し、pHが5.5以下とならない様に保持した。
反応終了後、冷却し、濾過し、イオン交換水で十分に洗浄した後、ヌッチェ式吸引濾過で固液分離した。そして、40℃のイオン交換水3リットル中に再分散し、15分、300rpmで撹拌、洗浄した。この洗浄操作を5回繰り返し、ヌッチェ式吸引濾過で固液分離し、次いで、真空乾燥を12時間行いトナー23を得た。
(トナー38)
着色剤粒子分散液(1)を着色剤粒子分散液(2)に変更した以外はトナー実施例(1)と同様の方法でトナー38を得た。
変性ポリマーのトナー
(水系媒体の作製)
調製例1
撹拌棒及び温度計をセットした反応容器中に、水683質量部、メタクリル酸エチレンオキサイド付加物硫酸エステルのナトリウム塩(「エレミノールRS−30」;三洋化成工業株式会社製)11質量部、スチレン80質量部、メタクリル酸83質量部、アクリル酸ブチル110質量部、チオグリコール酸ブチル12質量部、及び過硫酸アンモニウム1質量部を仕込み、400回転/分にて15分間撹拌し、白色の乳濁液を得た。該乳濁液を加熱し系内温度を75℃まで昇温して5時間反応させた。次いで、該反応液に1質量%過硫酸アンモニウム水溶液を30質量部添加し、75℃にて5時間熟成してビニル樹脂(スチレン−メタクリル酸−メタクリル酸エチレンオキサイド付加物硫酸エステルのナトリウム塩の共重合体)の水性分散液(以下「微粒子分散液1」と称する)を調製した。得られた「微粒子分散液1」は、レーザー回折式粒度分布測定機(「LA−920」;株式会社島津製作所製)で測定した体積平均粒径が120nmであった。また、得られた「微粒子分散液1」の一部を乾燥して樹脂分を単離した。該樹脂分のガラス転移温度(Tg)は42℃であり、重量平均分子量(Mw)は30,000であった。その後、水990質量部、前記「微粒子分散液1」83質量部、ドデシルジフェニルエーテルジスルホン酸ナトリウムの48.5質量%水溶液(「エレミノールMON−7」;三洋化成工業株式会社製)37質量部、及び酢酸エチル90質量部を混合撹拌し、乳白色の液体を調製(以下「水相」と称する)を調製した。
(ポリエステル(1)の合成)
冷却管、撹拌機及び窒素導入管の付いた反応容器中に、ビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物229質量部、ビスフェノールAプロピレンオキサイド3モル付加物529質量部、テレフタル酸208質量部、アジピン酸46質量部、及びジブチルチンオキサイド2質量部を仕込み、常圧下、230℃にて8時間反応させた。次いで、該反応液を1.333×103〜2.00×103Paの減圧下にて5時間反応させた後、反応容器中に無水トリメリット酸45質量部を添加し、常圧下、180℃にて2時間反応させて、ポリエステル(1)を合成した。得られたポリエステル(1)は、数平均分子量(Mn)が2,500、重量平均分子量(Mw)が6,500、ガラス転移温度(Tg)が43℃、酸価が25であった。
(プレポリマー(1)の合成)
冷却管、撹拌機及び窒素導入管の付いた反応容器中に、ビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物682質量部、ビスフェノールAプロピレンオキサイド2モル付加物81質量部、テレフタル酸283質量部、無水トリメリット酸22質量部、及びジブチルチンオキサイド2質量部を仕込み、常圧下で、230℃にて8時間反応させた。次いで、1.333×103〜2.00×103Paの減圧下で、5時間反応させて、中間体ポリエステルを合成した。
得られた中間体ポリエステルは、数平均分子量(Mn)が2,100、重量平均分子量(Mw)が9,500、ガラス転移温度(Tg)が55℃、酸価が0.5、水酸基価が51であった。そして、冷却管、撹拌機及び窒素導入管の付いた反応容器中に、前記「中間体ポリエステル」1410質量部、イソホロンジイソシアネート89質量部、及び酢酸エチル500質量部を仕込み、100℃にて5時間反応させて、プレポリマー(1)を合成した。得られたプレポリマー(1)の遊離イソシアネート含有量は、1.53質量%であった。
(ケチミンの合成)
撹拌棒及び温度計をセットした反応容器中に、イソホロンジアミン170質量部及びメチルエチルケトン75質量部を仕込み、50℃にて5時間反応を行い、ケチミン化合物を合成した。得られたケチミン化合物のアミン価は418であった。
(乳化・分散)
タンク中に35%カルナバワックス酢酸エチル分散液170部、前記プレポリマー(1)267質量部、及び前記ケチミン化合物2.9質量部、色素として例示化合物32を31質量部、ポリエステル(1)546質量部、酢酸エチル1165部を仕込み、TK式ホモミキサー(特殊機化製)を用いて5,000rpmにて10分間混合した後、反応容器中に前記水相3350質量部を添加し、TK式ホモミキサーを用いて、回転数13,000rpmにて20分間混合してウレア化及び乳化・分散を行い、乳化スラリーを調製した。次いで、撹拌機及び温度計をセットした反応容器中に、前記乳化スラリーを仕込み、30℃にて8時間脱溶剤した。その後、該乳化スラリーを45℃にて4時間熟成した。得られた乳化スラリーは、マルチサイザーII(コールターカウンター製)で測定した体積平均粒径が5.7μmであり、個数平均粒径が5.4μmであった。
(洗浄・乾燥)
熟成後の前記乳化スラリー100質量部を減圧濾過した後、濾過ケーキにイオン交換水100質量部を添加し、TK式ホモミキサーで混合(回転数5,000rpmにて10分間)した後、濾過した。ここで得た濾過ケーキに10質量%水酸化ナトリウム水溶液100質量部を添加し、TK式ホモミキサーで混合(回転数5,000rpmにて30分間)した後、減圧濾過した。ここで得た濾過ケーキに10質量%塩酸100質量部を添加し、TK式ホモミキサーで混合(回転数5,000rpmにて10分間)した後、濾過した。ここで得た濾過ケーキにイオン交換水300質量部を添加し、TK式ホモミキサーで混合(回転数5,000rpmにて10分間)した後で濾過する操作を2回行い、「最終濾過ケーキ1」を得た。ここで得られた最終濾過ケーキを循風乾燥機で45℃にて48時間乾燥し、目開きミキサーで解砕した後、目開き44μmメッシュで篩うと、トナー粒子(1)が得られた。
次に、得られたトナー粒子(1)100部、帯電制御剤(オリエント化学社製ボントロンE−84)0.25部をQ型ミキサー(三井鉱山社製)に仕込み、タービン型羽根の周速を50m/secに設定して混合処理した。この場合、その混合操作は、2分間運転、1分間休止を5サイクル行い、合計の処理時間を10分間とした。
更に、疎水性シリカ(H2000、クラリアントジャパン社製)を0.5部添加し、混合処理した。この場合、その混合操作は、周速を15m/secとして30秒混合1分間休止を5サイクル行った。
以上のようにして、トナー24を得た。
着色剤を例示化合物DYM−73に変更した以外は同様の方法でトナー39を得た。
〈低分子量樹脂成分(1)の製造例〉
温度計、撹拌棒、コンデンサー及び窒素導入管を取りつけたガラス製4リットルの4つ口フラスコを油浴槽内に設置した。これに下記組成物を充填した。
キシレン 500部
スチレン 60部
メタクリル酸メチル 40部
1,1’−アゾビス(シクロヘキサン−1−カルボニトリル) 10部
このフラスコを撹拌装置により150rpmにて撹拌しながら、油浴槽の温度を70〜80℃に段階的に調整し10時間反応させ重合を行った。
反応後、得られた内容物をエバポレータにより溶剤除去し、メタノール中に沈殿させ低分子樹脂を精製した。得られた低分子量樹脂(1)の分子量を測定したところ、Mwで3200であった。
ポリエステル樹脂の製造例1
[芳香族カルボン酸チタン化合物の製造例1]
温度計、撹拌棒、コンデンサー及び窒素導入管を取りつけマントルヒーター内に置いたガラス製4リットルの4つ口フラスコに、イソフタル酸65.3部、エチレングリコール18.0部を混合し、温度100℃で溶解し、減圧し、脱水を行った。その後50℃に冷却後、窒素雰囲気下で、チタンテトラメトキシド17.2部を加えた。その後、減圧させ、反応生成物であるメタノールを留出し、芳香族カルボン酸チタン化合物(1)を得た。
[ポリエステル樹脂の合成例1]
冷却管、撹拌機及び窒素導入管を装着した反応槽中に、ビスフェノールAプロピレンオキシド2モル付加物694部、テレフタル酸303部及び芳香族カルボン酸チタン化合物(1)1部を入れ、230℃で窒素気流下において、生成する水を留去しながら12時間反応させた。次いで6.7×102〜2.7×103Paの減圧下で反応させ、酸価が1になった時点で180℃に冷却し、無水トリメリット酸27部を加え、常圧で密閉して1時間反応させた。その後取り出してポリエステル樹脂(1)を得た。
ポリエステル樹脂(1)は淡黄褐色の樹脂であり、ガラス転移温度Tgは68℃、ピーク分子量は9500であった。また、酸価は12mgKOH/g、水酸基価は17mgKOH/gであった。
トナーの製造例(1) 下記の手順によって水系媒体中にて重合法トナーを作製した。
60℃に加温したイオン交換水900gに、リン酸マグネシウム3部を添加し、TK式ホモミキサー(特殊機化工業製)を用いて、10,000rpmにて撹拌し、水系媒体を作製した。
また、下記処方をTK式ホモミキサー(特殊機化工業製)に投入し、60℃に加温した後、用いて、9,000rpmにて撹拌し、溶解、分散した。
スチレン 64部
n−ブチルアクリレート 16部
低分子量樹脂(1) 20部
エステルワックス(ペンタエリスリトールステアレート、酸価4) 8部
例示化合物56 38部
ベンジル酸ホウ素錯体(日本カーリット:LR−147) 2部
ポリエステル樹脂(1) 10部
(プロピレンオキサイド変性ビスフェノールAとイソフタル酸との重縮合物、Tg=65℃、Mw=10000、Mn=6000)
ステアリン酸ステアリルワックス(DSCのメインピーク60℃) 15部
これに重合開始剤1,1’−アゾビス(シクロヘキサン−1−カルボニトリル)2.5部を溶解し、重合性単量体組成物を調製した。
前記水系媒体中に上記重合性単量体組成物を投入し、60℃,窒素雰囲気下において、TK式ホモミキサーを用いて8,000rpmで撹拌し、造粒した。
その後、プロペラ式撹拌装置に移して撹拌しつつ、2時間かけて70℃に昇温し、更に4時間後、昇温速度40℃/hrで80℃まで昇温し、80℃で5時間反応を行った。その後、蒸留操作を行いスチレンモノマーを除去し反応を完了した。重合反応終了後、該粒子を含むスラリーを冷却し、スラリーの10倍の水量で洗浄し、ろ過、乾燥の後、分級によって粒子径を調整してトナー粒子1を得た。
上記トナー粒子100部に対して、シリカ(アエロジル社製R972)1.5部をヘンシェルミキサー(三井三池社製)で混合してトナー25を得た。
着色剤を例示化合物56から例示化合物DYM−1に変更した以外は同様の方法でトナー40を得た。
比較例
(トナー26〜29の作製)
例示化合物1を比較化合物−1、比較化合物−2、比較化合物−3、比較化合物−4、比較化合物−5に変更した以外はトナー1と同様の方法でトナー26〜29及びトナー41を作製した。
Figure 2009229496
Figure 2009229496
〈実写テスト用現像剤の作製〉
上記トナー1〜36及びトナー37〜40の各々に、シリコーン樹脂を被覆した体積平均粒径60μmのフェライトキャリアを混合し、トナー濃度6%の現像剤1〜41を調製した。
〈画像形成〉
画像形成装置としてカラー複写機(KL−2010:コニカミノルタ社製)を用いて実写評価を行った。
定着機としては、通常使用される熱ロール定着方式のものを用いた。具体的には、中央部にヒーターを内蔵するアルミ合金から成る円筒状(内径=40mm,肉厚=1.0mm,全幅=310mm)の芯金表面を、テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体(PFA)の厚み120μmのチューブで被覆することにより加熱ローラーを構成し、鉄から成る円筒状(内径=40mm,肉厚=2.0mm)の芯金表面を、スポンジ状シリコーンゴム(アスカーC硬度48、厚み2mm)で被覆することにより加圧ローラーを構成し、該加熱ローラーと該加圧ローラーとを150Nの荷重により当接させて5.8mm幅のニップを形成させた。
この定着装置を使用して、印字の線速を480mm/secに設定した。尚、定着装置のクリーニング機構として、ポリジフェニルシリコーン(20℃の粘度が10Pa・sのもの)を含浸したウェッブ方式の供給方式を使用した。定着温度は加熱ローラーの表面温度で制御した(設定温度175℃)。尚、シリコーンオイルの塗布量は0.1mg/A4とした。
〈画像評価〉
本発明のカラートナーを用いたトナーセットによって、上記の画像形成装置を用いて、紙に、それぞれ反射画像(紙上の画像)を作製し、以下に示す方法で評価した。尚、トナー付着量は0.7±0.05(mg/cm2)の範囲で評価した。
(色相評価)
色相については、10人の被験者により目視にて行い、10点満点で評価を行った。10人の平均点が10〜9点を◎、10人の平均点が9〜8点を○、10人の平均点が8〜7点を△、7点未満を×とした。
色相角
シアントナーのa*、b*値を色彩計「SPM50」(グレタグ社製)を用いて測定し、それらの値から色相角を求め、下記基準で評価した。
シアントナーの色相角が200°≦h≦220°の範囲であるトナーはA
シアントナーの色相角が185°≦h<200°、220°<h≦225°の範囲であるトナーはB
シアントナーの色相角が170°≦h<185°、225°<h≦230°の範囲であるトナーはC
シアントナーの色相角が170°>h、h>230°の範囲であるトナーはD
とした。
耐光性
紙に定着した画像をキセノンフェードメーターで7日間照射し、照射前の濃度1近辺の部分における各色の及び混色した画像の色素残存率({(照射前濃度−照射後濃度)/照射前濃度}×100%)を求め、下記評価基準に従って評価した。混色画像については色相変化とマゼンタ色素の色素残存率で評価した。色相変化は、10人の被験者により目視にて行い、10点満点で評価を行った。10人の平均点が10〜9点を◎、10人の平均点が9〜8点を○、10人の平均点が8〜7点を△、7点未満を×とした。
(色素残存率の評価基準)
5:残存濃度が90%以上
4:残存濃度が90〜80%未満
3:残存濃度が60〜70%未満
2:残存濃度が70〜60%未満
1:残存濃度が60%以下
画像濃度は反射濃度計(X−Rite310TR)を用いて測定した。
〔耐オゾン性試験方法〕
オゾンガス濃度が5ppm(25℃;60%RH)に設定された条件下で各色及び混色した画像を7日間、オゾンガスに曝露した。オゾンガス濃度は、APPLICS製オゾンガスモニター(モデル:OZG−EM−01)を用いて設定した。曝露開始から一定期間経過ごとに、反射濃度計(X−Rite310TR)を使用して各色及び混色した画像のシアン色素の色素残存率を測定した。尚、前記反射濃度は、0.7、1.0及び1.8の3点で測定した。得られた結果から次式:色素残存率(ROD(%))={(暴露前濃度−暴露後濃度)/暴露前濃度}×100%を用いて色素残存率を求めた。更に、上記試験の結果に基づき、下記の判定基準を用いて、記録物に記録された各色の耐オゾン性を5〜1にランク付けた。また混色画像についてはオゾン暴露前後の色相変化を10人の被験者により目視にて行い、10点満点で評価を行った。10人の平均点が10〜9点を◎、10人の平均点が9〜8点を○、10人の平均点が8〜7点を△、7点未満を×とした。
[判定基準]
5:試験開始から7日後のRODが、いずの濃度でも85%以上である。
4:試験開始から7日後のRODが、いずれか1点の濃度が85%未満になる。
3:試験開始から7日後のRODが、いずか2点の濃度が85%未満になる。
2:試験開始から7日後のRODが、いずか2点の濃度が80%未満になる。
1:試験開始から7日後のRODが、全ての濃度で75%未満になる。
シアントナー、マゼンタトナーの画像については表1及び2に、また混色画像については表3に色相変化とマゼンタ色素の色素残存率で評価した。
Figure 2009229496
Figure 2009229496
Figure 2009229496
表1及び表2から明らかなように、本発明のトナーセットを用いることにより優れた色相を示すので、本発明のカラートナーはフルカラートナーとして使用するのに適している。更に、表3に示すように、混色して使用した際の耐光性、耐オゾン性が良好なので長期にわたって保存ができる画像を提供することが可能である。

Claims (4)

  1. シアントナー中に下記一般式(1)で表される着色剤を含有し、かつマゼンタトナー中に複素環を有するアゾ化合物またはアントラキノン化合物または下記一般式(DX−1)で表される化合物の少なくとも1種類のマゼンタ着色剤を含有する電子写真用トナーセットにおいて、該シアントナーのL***表色系による色相角(h)が、170°≦h≦230°であることを特徴とする電子写真用トナーセット。
    Figure 2009229496
    〔式中、A、B、C及びDは6員の芳香族環もしくはヘテロ環を表し、X1、X2、X3及びX4はアルコキシ基、アリールオキシ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、アシル基、アシルオキシ基、カルバモイル基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、シアノ基、ニトロ基、ジアルキルホスホノ基、ジアリールホスホノ基、ジアリールホスフィニル基、アルキルスルフィニル基、アリールスルフィニル基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、スルホニルオキシ基、アシルチオ基、スルファモイル基、スルホンアミド基、チオカルボニル基、ハロゲン化アルキル基、ハロゲン化アルコキシ基、ハロゲン化アリールオキシ基、ハロゲン化アルキルアミノ基、ハロゲン化アルキルチオ基であり、更に置換基を有してもよい。Y1、Y2、Y3及びY4は水素原子もしくは置換基を表し、a1、a2、a3、a4、b1、b2、b3及びb4は0〜4の整数を表す。ただしa1、a2、a3、a4が同時に0であることはなく、X1、X2、X3、X4、Y1、Y2、Y3、Y4に置換する置換基はイオン性親水性基を含まない。またX1とY1、X2とY2、X3とY3、及びX4とY4は互いに縮環してもよく、それらの環は更に置換基を有しても良い。〕
    Figure 2009229496
    〔式中、Rd1、Rd2及びRd3は各々置換基を表し、Zdは含窒素5乃至6員の複素環を形成するのに必要な非金属原子群を表し、md1は0〜3の整数を表し、md2は0〜4の整数を表し、md3は0〜2の整数を表すが、md1、md2及びmd3が同時に0を表すことはない。md1が2以上のとき複数のRd1は互いに同じでも異なっていてもよく、md2が2以上のとき複数のRd2は互いに同じでも異なっていてもよく、md3が2のとき複数のRd3は互いに同じでも異なっていてもよい。〕
  2. 前記一般式(1)で表される着色剤においてA、B、C及びDがベンゼン環であることを特徴とする請求項1に記載の電子写真用トナーセット。
  3. 前記一般式(1)で表される着色剤が下記一般式(2)で表されることを特徴とする請求項1または2に記載の電子写真用トナーセット。
    Figure 2009229496
    〔X1、X2、X3及びX4はアルコキシ基、アリールオキシ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、アシル基、アシルオキシ基、カルバモイル基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、シアノ基、ニトロ基、ジアルキルホスホノ基、ジアリールホスホノ基、ジアリールホスフィニル基、アルキルスルフィニル基、アリールスルフィニル基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、スルホニルオキシ基、アシルチオ基、スルファモイル基、スルホンアミド基、チオカルボニル基、ハロゲン化アルキル基、ハロゲン化アルコキシ基、ハロゲン化アリールオキシ基、ハロゲン化アルキルアミノ基、ハロゲン化アルキルチオ基であり、更に置換基を有してもよい。Y1、Y2、Y3及びY4は水素原子もしくは置換基を表し、a1、a2、a3、a4、b1、b2、b3及びb4は0〜2の整数を表す。ただしa1、a2、a3、a4が同時に0であることはなく、X1、X2、X3、X4、Y1、Y2、Y3、Y4に置換する置換基はイオン性親水性基を含まない。またX1とY1、X2とY2、X3とY3、及びX4とY4は互いに縮環してもよく、それらの環は更に置換基を有しても良い。〕
  4. 前記トナーセットにおけるシアントナーのL***表色系による色相角(h)が、200°≦h≦220°であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の電子写真用トナーセット。
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