JP5233120B2 - 電子写真用トナー、及び画像形成方法 - Google Patents

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Description

本発明は電子写真用トナー、及び該電子写真用トナーを用いた画像形成方法に関する。
電子写真法は種々開示されている(特許文献1、2参照)通り、一般には光導電物質を含む感光体上に種々の手段により静電荷の電気的潜像を形成し、次いで該潜像をトナーで粉像として現像し必要に応じて紙などに該粉像を転写した後、加熱、加圧あるいは溶剤蒸気などにより定着するものである。
近年、分光された光で露光して原稿の静電潜像を形成せしめ、これを各色のカラートナーで現像して色付きの複写画像を得、あるいは各色の複写画像を重ね合わせてフルカラーの複写画像を得るカラー複写の方法が実用化され、これに用いるカラートナーとしてバインダー樹脂中に各色の顔料及び/又は染料を分散せしめてなるイエロー、マゼンタ、シアンなどのカラートナーが製造されている。
上述の電子写真法とは、一般に、以下の工程により画像を形成するものである。
まず、光導電性物質から構成された感光体上に、種々の方法で画像情報に応じた光情報を照射することにより、前記感光体上に静電潜像を形成する。次に、感光体上に形成された前記静電潜像を、帯電されたトナーによりトナー像として現像し、このトナー像を、画像記録媒体(普通紙等や中間転写体等)に転写し、熱定着装置を用いて普通紙上に画像を定着する。
上述の電子写真法を用いたカラー画像形成方法において、感光体上に形成される静電潜像は、イエロー、マゼンタ、シアン、黒の各色に分解された画像情報に対応しており、それぞれの画像情報と同じ色のトナーで現像する。そして、この現像工程を各色ごとに合計4回繰り返し行うことにより、カラー画像が形成される。
従来から電子写真用トナーに使用される着色剤としては、公知の有機顔料及び染料が使用されているが、それぞれに種々の利点、欠点を有している。例えば有機顔料は、染料に比べて一般的に耐熱性や耐光性に優れているが、トナー中において粒子状で分散された状態で存在するため隠蔽力が強くなってしまい透明性が低下する。又、一般に顔料の分散性は悪いため透明性が損なわれ、彩度が低下し、画像の色再現性を阻害する。
又、色重ねされたトナーのうち最下層のものが、それより上層のものに隠蔽されず、最下層のトナーの色彩を視覚により確認することを可能とするためには、定着されたトナーの透明性が必要とされ、原稿の色再現性を保つためには、着色剤の分散性や着色力が必要となる。
顔料の欠点を解消する方法としては、例えば顔料分散の手法としてフラッシング法を用いることにより、凝集2次粒子のない1次粒子によるサブミクロンオーダーの顔料分散径を達成することにより、透明性を向上させる手段や、顔料粒子を結着樹脂及び外殻樹脂で被覆することにより帯電性、定着性、画像均一性を改良する手段(特許文献3参照)が提案されている。しかしながら、これらに提案されているトナーによって出力した場合においても、顔料使用トナーの場合、未だ十分な透明性を得ることは困難である。
又、カラー画像形成装置において、原理的には、全ての色再現をイエロー、マゼンタ、シアンの3原色による減法混色により行うことができるが、現実には、熱可塑性樹脂に顔料を分散した時の分光特性、異なる色のトナー同士を重ね合わせた時の混色性によって、色再現可能な範囲や彩度が低下させられるので、原稿の色を忠実に再現することには、未だ未だ課題が多く残されている。
一方、染料を用いたトナー(特許文献4参照)や染料と顔料を混合したトナーなどが公開されているが、一般に、染料を用いたトナー中で染料は、トナーの結着樹脂中に溶解した状態で存在するため、透明性や彩度等が優れているが、耐光性や耐熱性が顔料に比べて大きく劣るという欠点を有している。耐熱性に関しては、染料の分解による濃度の低下の他に、トナー像を熱ローラーによって定着させる場合に、染料が昇華して機内汚染を生じ易く、かつ、定着時に用いられるシリコンオイルに染料が溶解し、最終的には加熱ロールに融着しオフセット現象を引き起こすという問題があった。
染料のこれらの欠点を解消するような提案として、例えばマゼンタトナーとしてある特定のアントラキノン系染料やキレート染料を用いることにより耐光性や昇華性と色再現性を両立させる手段(特許文献5参照)や、ポリマー樹脂とカラー染料を含むコアをポリマーで被覆するカプセル封入トナー(特許文献6参照)が、又、彩度の高いトナーとしては、例えばスクアリリウム染料を用いたトナー(特許文献7参照)等が提案されているが、これらのスクアリリウム染料は、保存安定性(特に熱安定性)において未だ満足できるものではなかった。
又、これらに提案されているトナーによって出力した場合においても、染料使用トナーの場合、未だ十分な耐熱性(昇華性)、耐光性を得ることは困難であり、これらの諸条件を満足するトナーの開発が強く望まれている。
米国特許第2297691号明細書 特公昭42−23910号公報 特開平11−160914号公報 特開平5−11504号公報 特許第3567403号公報 特開平5−72792号公報 特開2000−345059号公報
本発明は、上述の問題点を解決するために為されたものであり、その課題は熱可塑性樹脂への分散性を考慮することなく、良好な着色を可能とし、しかも、透明性及び色再現性に優れ、耐熱性、帯電性、耐オフセット性に優れた電子写真用トナー、並びに該電子写真用トナーを用いた画像形成方法を提供することである。
本発明者等は上記の課題を解決するため鋭意検討を行った結果、請求項1〜1の各々にその詳細が記載される、前記一般式(1)で表される染料及び前記一般式(2)で表される金属錯体化合物を見い出した。又、熱可塑性樹脂とは異なる組成の樹脂と該染料及び金属錯体化合物を含有する着色粒子を熱可塑性樹脂中に分散させたカラートナーが更に優れた色相及び画像堅牢性を示すことを見い出し、本発明を為すに到った。即ち、本発明の上記目的は以下の手段によって達成される。
1.
熱可塑性樹脂中に着色粒子を分散して成る電子写真用トナーにおいて、該着色粒子が下記一般式(1)で表される染料及び下記一般式(2)で表される金属化合物を含有することを特徴とする電子写真用トナー。
Figure 0005233120
〔式中、Qは5又は6員の含窒素複素環を形成するために必要な原子団を表し、Qは更に縮環しても置換基を有してもよい。L、L、L、L及びLは各々、無置換又は置換基を有するメチン基を表し、n1は0又は1を表し、n2は0又は1である。R、R12及びR13は各々、水素原子又は置換基を表し、R12及びR13で5又は6員の環を形成してもよい。ただし、R12及びR13の少なくとも一つは、下記一般式(2)のMで表される金属の2価イオンとキレート化可能な基を有する置換基である。R11は−OR14又は−N(R15)R16を表し、R14はアルキル基、アリール基及び複素環基を表し、R15及びR16は各々、水素原子又は置換基を表す。〕
一般式(2) M(X(X・(W
〔式中、MはNi、Co、Zn又はCuの2価イオンを表し、X及びXは各々、1又は2座配位子を表し、XとXで連結してもよい。m、l及びsは各々0〜2の整数を表すが、m+l>1である。(Wは電荷を中和させるのに必要な対イオンを表す。〕
2.
前記一般式(1)において、R12及びR13で5又は6員環を形成することを特徴とする前記1項記載の電子写真用トナー。
3.
前記一般式(1)において、R12及びR13で形成する環が下記一般式(3)で表されることを特徴とする前記1又は2項記載の電子写真用トナー。
Figure 0005233120
〔式中、Yは−O−又は=NR33を表し、R31、R32及びR33は各々、置換基を表すが、少なくとも一つはキレート化可能な基を有し、R32とR33で結合して5又は6員環を形成してもよく、*でスクアリン酸構造と結合する。〕
4.
前記一般式(1)において、R12及びR13で形成される環が下記一般式(4)で表されることを特徴とする前記1又は2項記載の電子写真用トナー。
Figure 0005233120
〔式中、R41及びR42は置換基を表し、少なくとも一つはキレート化可能な基を有し、*でスクアリン酸構造と結合する。〕
5.
前記一般式(1)において、R12及びR13で形成される環が下記一般式(5)で表されることを特徴とする前記1又は2項記載の電子写真用トナー。
Figure 0005233120
〔式中、R51〜R54は各々、水素原子又は置換基を表し、少なくとも一つはキレート化可能な基を有し、R51とR52又はR53とR54で結合して5又は6員環を形成してもよく、*でスクアリン酸構造と結合する。〕
6.
前記一般式(1)において、キレート化可能な基が下記一般式(6)で表されることを特徴とする前記1〜5の何れか1項記載の電子写真用トナー。
Figure 0005233120
〔式中、Wは=N−又は=C(OR61)−を表し、Zは5又は6員環を形成するために必要な原子団を表し、置換基を有してもよく、R61は置換基を表し、*でスクアリン酸構造と結合する。〕
7.
着色粒子の平均粒子径が10〜100nmであることを特徴とする前記1〜6の何れか1項記載の電子写真用トナー。
8.
前記一般式(2)において、X1又はX2で表される配位子の少なくとも一つが下記一般式(7)で表されることを特徴とする前記1〜7の何れか1項記載の電子写真用トナー。
Figure 0005233120
〔式中、Eは置換基を表し、Eはハメット置換基定数(σp)が0.1〜0.9の電子吸引性基を表し、R71は、それぞれ置換基を有してもよいアルキル基、アリール基、複素環基、アルコキシ基、アリールオキシ基又はアミノ基を表す。〕
9.
前記一般式(7)において、Eのハメット置換基定数(σp)が0.1〜0.9の電子吸引性基であることを特徴とする前記8項記載の電子写真用トナー。
10.
前記一般式(2)において、Mで表される2価の金属イオンがCuイオンであることを特徴とする前記1〜9の何れか1項記載の電子写真用トナー。
11.
前記一般式(2)で表される金属化合物の添加量が、前記一般式(1)で表される染料に対して1〜2倍モルであることを特徴とする前記1〜10の何れか1項記載の電子写真用トナー。
12.
着色粒子が、熱可塑性樹脂とは異なる組成の樹脂を含有して成ることを特徴とする前記1〜11の何れか1項記載の電子写真用トナー。
13.
着色粒子が、熱可塑性樹脂、一般式(1)で表される染料及び一般式(2)で表される化合物を含有して成るコアと、コアを被覆する外殻樹脂(シェル)から成ることを特徴とする前記12項記載の電子写真用トナー。
14.
着色粒子の外殻樹脂がアクリレート又はメタクリレート系樹脂であることを特徴とする前記13項記載の電子写真用トナー。
15.
静電画像担持体上に形成した静電荷像をトナーにより現像する工程、及び現像により形成したトナー画像を転写材上に転写する工程を少なくとも含む画像形成方法において、該トナーとして前記1〜14の何れか1項記載の電子写真用トナーを用いることを特徴とする画像形成方法。
Figure 0005233120
〔式中、R31及びR34は各々、前記一般式(1)におけるR11と同義であるが、少なくとも一方はキレート化可能な基を有し、*でスクアリン酸構造と結合する。〕
本発明によれば、熱可塑性樹脂への分散性を考慮することなく、良好な着色を可能とし、しかも透明性及び色再現性に優れ、耐熱性、帯電性、耐オフセット性に優れた電子写真用トナー及び該電子写真用トナーを用いた画像形成方法を提供できる。
本発明の電子写真用トナーは、熱可塑性樹脂(以下、結着樹脂とも呼ぶ)中に特定の構造を有する染料(以下、キレート染料とも呼ぶ)及び金属錯体化合物を分散して成ることを特徴とする。該染料及び金属錯体化合物の分散形態として、熱可塑性樹脂の他に該熱可塑性樹脂とは異なる組成の樹脂中に分散して成ることは好ましい態様である。
以下、本発明をより詳細に説明する。まず、本発明の構成に必須の前記一般式(1)〜(7)で、それぞれ表される染料、金属化合物又は構造について詳述する。
〈一般式(1)で表される染料〉
一般式(1)において、Qは5又は6員の含窒素複素環を形成するために必要な原子団を表し、Qは更に縮環しても置換基を有してもよい。L、L、L、L及びLは各々、無置換又は置換基を有するメチン基を表し、n1は0又は1を表し、n2は0又は1である。R、R12及びR13は各々、水素原子又は置換基を表し、R12及びR13で5又は6員の環を形成してもよいが、R12及びR13の少なくとも一つは、前記一般式(2)のMで表される金属の2価イオンとキレート化可能な基を有する置換基である。R11は−OR14又は−N(R15)R16を表し、R14はアルキル基、アリール基及び複素環基を表し、R15及びR16は各々、水素原子又は置換基を表す。
Qで形成される複素環の好ましい例としては、ベンゾチアゾール、ベンゾオキサゾール、ベンゾセレナゾール、ベンゾテルラゾール、2−キノリン、4−キノリン、ベンゾイミダゾール、チアゾリン、インドレニン、オキサジアゾール、チアゾール、イミダゾール核等が挙げられるが、更に好ましくはベンゾチアゾール、ベンゾオキサゾール、ベンズイミダゾール、ベンゾセレナゾール、2−キノリン、4−キノリン、インドレニン核であり、特に好ましくはベンゾチアゾール、ベンゾオキサゾール、2−キノリン、4−キノリン、インドレニン核である。
これら複素環上の置換基としては、カルボキシル基、ホスホン基、スルホン基、ハロゲン原子(F、Cl、Br、I)、シアノ基、アルコキシ基(メトキシ、エトキシ、メトキシエトキシ等)、アリールオキシ基(フェノキシ等)、アルキル基(メチル、エチル、シクロプロピル、シクロへキシル、トリフルオロメチル、メトキシエチル、ベンジル等)、アルキルチオ基(メチルチオ、エチルチオなど)、アルケニル基(ビニル、1−プロペニル等)、アリール基(フェニル、チエニル、トルイル、クロロフェニル等)等が挙げられる。又、更に置換基により環を形成し、縮環(ナフタレン環、キノリン環など)を形成してもよい。
1〜L5で表されるメチン基が有してもよい置換基としては、置換又は無置換のアルキル基(好ましくは炭素原子数1〜12、更に好ましくは1〜7のものであり、メチル、エチル、プロピル、i−プロピル、シクロプロピル、ブチル、2−カルボキシエチル、ベンジル等)、置換又は無置換のアリール基(好ましくは炭素原子数6〜10、更に好ましくは6〜8のものであり、フェニル、トルイル、クロロフェニル、o−カルボキシフェニル等)、複素環基(ピリジル、チエニル、フラニル、ピリジル、バルビツール酸等)、ハロゲン原子(塩素、臭素等)、アルコキシ基(メトキシ、エトキシ等)、アミノ基(好ましくは炭素原子数1〜12、更に好ましくは6〜12のものであり、ジフェニルアミノ、メチルフェニルアミノ、4−アセチルピペラジン−1−イル等)、オキソ等が挙げられる。これらメチン基上の置換基は、互いに連結してシクロペンテン、シクロヘキセン、スクアリリウム等の環を形成してもよく、又は助色団と環を形成することもできる。
n1は好ましくは0又は1であり、n2は0又は1である。
1で表される置換基としては含窒素複素環に置換可能なものであれば特に限定はなく、後述するR12及びR13と同義であるが、好ましくは、それぞれ置換基を有してもよい芳香族基又は脂肪族基である。芳香族基の炭素原子数は好ましくは1〜16、更に好ましくは5又は6であり、脂肪族基の炭素原子数は好ましくは1〜18、更に好ましくは2〜10である。無置換の脂肪族基及び芳香族基としては、メチル、エチル、プロピル、ブチル、オクチル、フェニル、ナフチル基等が挙げられる。又、置換基としては、アルコキシ基、複素環基、アミド基、スルファモイル基など、キレート化可能な基を有することが好ましい。
11は−OR14又は−N(R15)R16を表し、R14はアルキル基、アリール基又は複素環基を表し、R15及びR16は各々、水素原子又は置換基を表すが、R14として好ましくは炭素数1〜18のアルキル基であり、更に好ましくは炭素数1〜10のアルキル基であり、置換基を有することも好ましい。R15及びR16の置換基としては置換可能なものであれば特に限定はなく、後述するR12及びR13と同義であるが、R15及びR16として好ましくは、水素原子、アルキル基、アリール基、複素環基、アシル基、スルホニル基などが挙げられるが、好ましくは水素原子、アルキル基、アシル基、スルホニル基であり、置換基を有してもよい。又、R15及びR16で5又は6員環を形成することも好ましく、例えばモルホリン、ピペリジン、ピペラジン、スルホモルホリン、ピロリジン、オキサゾリン、ピラゾリジン、トリアゾール、ピラゾール環などが挙げられる。
12及びR13で表される置換基としては特に限定はないが、アルキル基(メチル、エチル、プロピル、i−プロピル、t−ブチル、ペンチル、ヘキシル、オクチル、ドデシル、トリデシル、テトラデシル、ペンタデシル、トリフルオロメチル等)、シクロアルキル基(シクロペンチル、シクロヘキシル等)、アルケニル基(ビニル、アリル等)、アルキニル基(エチニル、プロパルギル等)、アリール基(フェニル、ナフチル等)、ヘテロアリール基(フリル、チエニル、ピリジル、ピリダジル、ピリミジル、ピラジル、トリアジル、イミダゾリル、ピラゾリル、チアゾリル、ベンゾイミダゾリル、ベンゾオキサゾリル、キナゾリル、フタラジル等)、複素環基(ピロリジル、イミダゾリジル、モルホリル、オキサゾリジル等)、アルコキシ基(メトキシ、エトキシ、プロピルオキシ、ペンチルオキシ、ヘキシルオキシ、オクチルオキシ、ドデシルオキシ等)、シクロアルコキシ基(シクロペンチルオキシ、シクロヘキシルオキシ等)、アリールオキシ基(フェノキシ、ナフチルオキシ等)、アルキルチオ基(メチルチオ、エチルチオ、プロピルチオ、ペンチルチオ、ヘキシルチオ、オクチルチオ、ドデシルチオ等)、シクロアルキルチオ基(シクロペンチルチオ、シクロヘキシルチオ等)、アリールチオ基(フェニルチオ、ナフチルチオ等)、アルコキシカルボニル基(メチルオキシカルボニル、エチルオキシカルボニル、ブチルオキシカルボニル、オクチルオキシカルボニル、ドデシルオキシカルボニル等)、アリールオキシカルボニル基(フェニルオキシカルボニル、ナフチルオキシカルボニル等)、スルファモイル基(アミノスルホニル、メチルアミノスルホニル、ジメチルアミノスルホニル、ブチルアミノスルホニル、ヘキシルアミノスルホニル、シクロヘキシルアミノスルホニル、オクチルアミノスルホニル、ドデシルアミノスルホニル、フェニルアミノスルホニル、ナフチルアミノスルホニル、2−ピリジルアミノスルホニル等)、アシル基(アセチル、エチルカルボニル、プロピルカルボニル、ペンチルカルボニル、シクロヘキシルカルボニル、オクチルカルボニル、2−エチルヘキシルカルボニル、ドデシルカルボニル、フェニルカルボニル、ナフチルカルボニル、ピリジルカルボニル等)、アシルオキシ基(アセチルオキシ、エチルカルボニルオキシ、ブチルカルボニルオキシ、オクチルカルボニルオキシ、ドデシルカルボニルオキシ、フェニルカルボニルオキシ等)、アミド基(メチルカルボニルアミノ、エチルカルボニルアミノ、ジメチルカルボニルアミノ、プロピルカルボニルアミノ、ペンチルカルボニルアミノ、シクロヘキシルカルボニルアミノ、2−エチルヘキシルカルボニルアミノ、オクチルカルボニルアミノ、ドデシルカルボニルアミノ、フェニルカルボニルアミノ、ナフチルカルボニルアミノ等)、カルバモイル基(アミノカルボニル、メチルアミノカルボニル、ジメチルアミノカルボニル、プロピルアミノカルボニル、ペンチルアミノカルボニル、シクロヘキシルアミノカルボニル、オクチルアミノカルボニル、2−エチルヘキシルアミノカルボニル、ドデシルアミノカルボニル、フェニルアミノカルボニル、ナフチルアミノカルボニル、2−ピリジルアミノカルボニル等)、ウレイド基(メチルウレイド、エチルウレイドペンチルウレイド、シクロヘキシルウレイド、オクチルウレイド、ドデシルウレイド、フェニルウレイド、ナフチルウレイド、2−ピリジルアミノウレイド等)、スルフィニル基(メチルスルフィニル、エチルスルフィニル、ブチルスルフィニル、シクロヘキシルスルフィニル、2−エチルヘキシルスルフィニル、ドデシルスルフィニル、フェニルスルフィニル、ナフチルスルフィニル、2−ピリジルスルフィニル等)、アルキルスルホニル基(メチルスルホニル、エチルスルホニル、ブチルスルホニル、シクロヘキシルスルホニル、2−エチルヘキシルスルホニル、ドデシルスルホニル等)、アリールスルホニル基(フェニルスルホニル、ナフチルスルホニル、2−ピリジルスルホニル等)、アミノ基(アミノエチルアミノ、ジメチルアミノ、ブチルアミノ、シクロペンチルアミノ、2−エチルヘキシルアミノ、ドデシルアミノ、アニリノ、ナフチルアミノ、2−ピリジルアミノ等)、シアノ基、ニトロ基、ハロゲン原子(弗素、塩素、臭素等)等が挙げられる。これらは更に同様の置換基よって置換されてもよい。
12及びR13として好ましくは、水素原子、アルキル基、アリール基、複素環基、ヘテロアリール基、アルコキシ基、スルファモイル基、ウレイド基、アミノ基、アミド基、アシル基、アルコキシカルボニル基、カルバモイル基、シアノ基、ハロゲン原子等が挙げられるが、更に好ましくはアルキル基、アリール基、アルコキシカルボニル基、カルバモイル基、シアノ基、アミド基である。又、R12とR13とで結合し、5又は6員の環を形成することが好ましく、例えばベンゼン、キノリン、ピラゾリジンジオン、バルビツール酸、チオバルビツール酸、イソオキサゾロン、ピラゾロン、ピリドン、ロダニン、ピロロトリアゾール、ピラゾロトリアゾール、ピラゾロピリミジン、イミダゾール、イミダゾロピラゾール、ピロール環等を形成することが好ましい。更に好ましくは、後述の一般式(3)〜(5)で表される構造であり、後述するキレート化可能な基を有している。
キレート化可能な基とは非共有電子対を有する原子を含有する置換基を表し、具体的には複素環基(ピリジル、ピラジニル、ピラゾリル、キノリル等)、ヒドロキシル基、カルボニル基、オキシカルボニル基、カルバモイル基、アルコキシ基、複素環オキシ基、カルボニルオキシ基、ウレタン結合、スルホニルオキシ基、アミノ基、イミノ基、スルホニルアミノ基、スルファモイルアミノ基、アシルアミノ基、ウレイド基、スルホニル基、スルファモイル基、アルキルチオ基、アリールチオ基、複素環チオ基等が挙げられる。好ましい置換基としてはヒドロキシ基、カルボニル基、オキシカルボニル基、カルバモイル基、アルコキシ基、カルボニルオキシ基、ウレタン基、スルホニルオキシ基、アミノ基、イミノ基、スルホニルアミノ基、アシルアミノ基、ウレイド基アルキルチオ基、アリールチオ基が挙げられ。更に好ましい置換基としてはヒドロキシ基、カルボニル基、カルバモイル基、アルコキシ基、スルホニルアミノ基、アシルアミノ基、複素環等が挙げられるが、好ましくは前記一般式(6)で表される基が挙げられる。
一般式(6)において、Wは=N−又は=C(OR61)−を表し、Zは5又は6員環を形成するために必要な原子団を表し、置換基を有してもよく、R61は置換基を表し、*でR12、R13、R12とR13で形成される5〜6員環又はその置換基に結合する。
61は前記R11と同義であるが、好ましくはアルキル基、アリール基、複素環基、アシル基等が挙げられ、更に好ましくはアルキル基、複素環基が挙げられる。
Zで形成される5又は6員環として好ましくは、ベンゼン、ナフタレン、キノリン、ピリジン、ピラジン、ピリミジン、ピラゾール、ピロール、イミダゾール環等が挙げられるが、更に好ましくはベンゼン、キノリン、ピリジン、ピラジン、ピラゾール環が挙げられる。
〈一般式(2)で表される金属化合物〉
一般式(2)において、MはNi、Co、Zn又はCuの2価イオンを表し、X1及びX2は各々、1又は2座配位子を表し、同一でも異なってもよく、X1とX2で連結してもよい。m、l及びsは各々0〜2の整数を表すが、m+l>1である。(W1sは電荷を中和させるのに必要な対イオンを表す。
1及びX2としては、例えば特開2000−251957号、同2000−311723号、同2000−323191号、同2001−6760号、同2001−59062号、同2001−60467号等に記載されるようなものが挙げられる。具体的にはハロゲンイオン、水酸イオン、アンモニア、ピリジン、アミン(メチルアミン、ジエチルアミン、トリブチルアミン等)、シアン化物イオン、シアン酸イオン、チオラートイオン、チオシアン酸イオン、及びビピリジン類、アミノポリカルボン酸類、8−ヒドロキシキノリン等の各種のキレート配位子が挙げられ、キレート配位子については上野景平著「キレート化学」等に例示されている。
1座配位子としては、アシル基、カルボニル基、チオシアネート基、イソシアネート基、シアネート基、イソシアネート基、ハロゲン原子、シアノ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、アルコキシ基又はアリールオキシ基で配位する配位子、あるいはジアルキルケトン又はカルボンアミドから成る配位子が好ましい。
2座配位子としては、アシルオキシ基、オキザリレン基、アシルチオ基、チオアシルオキシ基、チオアシルチオ基、アシルアミノオキシ基、チオカルバメート基、ジチオカルバメート基、チオカルボネート基、ジチオカルボネート基、トリチオカルボネート基、アルキルチオ基又はアリールチオ基で配位する配位子、あるいはジアルキルケトン又はカルボンアミドから成る配位子が好ましい。
以下に具体例を示すが、本発明はこれらに限定されることはない。尚、ここに示す構造式は幾つも取り得る共鳴構造の中の一つの極限構造に過ぎず、共有結合(−で示す)と配位結合(…で示す)の区別も形式的なもので、絶対的な区別を表すものではない。
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又、前記一般式(7)で表される化合物も配位子として更に好ましい。
Figure 0005233120
式中、E1は置換基を表し、E2はハメット置換基定数(σp)が0.1〜0.9の電子吸引性基を表し、R71はアルキル基、アリール基、複素環基、アルコキシ基、アリールオキシ基又はアミノ基を表し、置換基を有してもよい。
1及びE2で表されるσp値が0.1〜0.9の置換基について説明する。
ここで言うハメットの置換基定数σpの値としては、Hansch,C.Leoらの報告〔J.Med.Chem.16,1207(1973);ibid.20,304(1977)〕に記載の値を用いるのが好ましい。
例えば、σpの値が0.10以上の置換基又は原子としては、塩素原子、臭素原子、沃素原子、カルボキシル基、シアノ基、ニトロ基、ハロゲン置換アルキル基(トリクロロメチル、トリフルオロメチル、クロロメチル、トリフルオロメチルチオメチル、トリフルオロメタンスルホニルメチル、パーフルオロブチル等)、脂肪族・芳香族もしくは複素環アシル基(ホルミル、アセチル、ベンゾイル等)、脂肪族・芳香族もしくは複素環スルホニル基(トリフルオロメタンスルホニル、メタンスルホニル、ベンゼンスルホニル等)、カルバモイル基(カルバモイル、メチルカルバモイル、フェニルカルバモイル、2−クロロ−フェニルカルバモイル等)、アルコキシカルボニル基(メトキシカルボニル、エトキシカルボニル、ジフェニルメチルカルボニル等)、置換芳香族基(ペンタクロロフェニル、ペンタフルオロフェニル、2,4−ジメタンスルホニルフェニル、2−トリフルオロメチルフェニル等)、複素環残基(2−ベンゾオキサゾリル、2−ベンズチアゾリル、1−フェニル−2−ベンズイミダゾリル、1−テトラゾリル等)、アゾ基(フェニルアゾ等)、ジトリフルオロメチルアミノ、トリフルオロメトキシ、アルキルスルホニルオキシ基(メタンスルホニルオキシ等)、アシロキシ基(アセチルオキシ、ベンゾイルオキシ等)、アリールスルホニルオキシ基(ベンゼンスルホニルオキシ等)、ホスホリル基(ジメトキシホスホニル、ジフェニルホスホリル等)、スルファモイル基(N−エチルスルファモイル、N,N−ジプロピルスルファモイル、N−(2−ドデシルオキシエチル)スルファモイル、N−エチル−N−ドデシルスルファモイル、N,N−ジエチルスルファモイル等)等が挙げられる。
又、σpの値が0.35以上の置換基としては、シアノ基、ニトロ基、カルボキシル基、弗素置換アルキル基(トリフルオロメチル、パーフルオロブチル等)、脂肪族・芳香族もしくは複素環アシル基(アセチル、ベンゾイル、ホルミル等)、脂肪族・芳香族もしくは複素環スルホニル基(トリフルオロメタンスルホニル、メタンスルホニル、ベンゼンスルホニル等)、カルバモイル基(カルバモイル、メチルカルバモイル、フェニルカルバモイル、2−クロロ−フェニルカルバモイル等)、アルコキシカルボニル基(メトキシカルボニル、エトキシカルボニル、ジフェニルメチルカルボニル等)、弗素又はスルホニル基置換芳香族基(ペンタフルオロフェニル、2,4−ジメタンスルホニルフェニル等)、複素環残基(1−テトラゾリル等)、アゾ基(フェニルアゾ等)、アルキルスルホニルオキシ基(メタンスルホニルオキシ等)、ホスホリル基(ジメトキシホスホリル、ジフェニルホスホリル等)、スルファモイル基などが挙げられる。
σpの値が0.60以上の置換基としては、シアノ基、ニトロ基、脂肪族・芳香族もしくは複素環スルホニル基(トリフルオロメタンスルホニル、ジフルオロメタンスルホニル、メタンスルホニル、ベンゼンスルホニル等)等が挙げられる。
1で表される置換基としては前記一般式(1)におけるR11と同義であるが、好ましくはアルキル基、アリール基、複素環基、カルボニル基、シアノ基、アルコキシカルボニル基、アルキルスルホニル基、アルキルスルホニルオキシ基等が挙げられるが、好ましくは電子吸引性基である。
1及びE2として好ましくはハロゲン化アルキル基(特に弗素置換アルキル基)、カルボニル基、シアノ基、アルコキシカルボニル基、アルキルスルホニル基、アルキルスルホニルオキシ基等が挙げられる。
71の好ましい置換基としては、炭素数2〜20のアルキル基、炭素数2〜20のアルコキシ基、アリールオキシ基、アミノ基が挙げられ、更に好ましくは炭素数4〜18のアルキル基又は炭素数4〜18のアルコキシ基、アリールオキシ基である。最も好ましくは炭素数6〜16のアルコキシ基である。
以下に一般式(7)で示される配位子の具体例を示すが、本発明はこれらに限定されない。
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一般式(2)におけるW1は電荷を中和させるのに必要な対イオンを表し、例えば、或る染料が陽イオン、陰イオンであるか、又は正味のイオン電荷を持つかどうかは、その金属、配位子及び置換基に依存する。置換基が解離性基を有する場合、解離して負電荷を持ってもよく、この場合にも分子全体の電荷はW1によって中和される。典型的な陽イオンは無機又は有機のアンモニウムイオン(テトラアルキルアンモニウムイオン、ピリジニウムイオン等)、アルカリ金属イオン及びプロトンであり、一方、陰イオンは具体的に無機陰イオン又は有機陰イオンの何れでもよく、例えばハロゲン陰イオン(弗化物イオン、塩化物イオン、臭化物イオン、沃化物イオン等)、置換アリールスルホン酸イオン(p−トルエンスルホン酸イオン、p−クロロベンゼンスルホン酸イオン等)、アリールジスルホン酸イオン(1,3−ベンゼンジスルホン酸イオン、1,5−ナフタレンジスルホン酸イオン、2,6−ナフタレンジスルホン酸イオン等)、アルキル硫酸イオン(メチル硫酸イオン等)、硫酸イオン、チオシアン酸イオン、過塩素酸イオン、テトラフルオロ硼酸イオン、ヘキサフルオロホスフェートイオン、ピクリン酸イオン、酢酸イオン、トリフルオロメタンスルホン酸イオン等が挙げられる。
一般式(2)で表される化合物の添加量は、染料に対して0.5〜3倍モルであることが好ましく、更に好ましくは0.5〜2倍モルである。併用する染料にもよるが、0.5倍モルより少ないと耐光性が著しく低下することがあり、又、3倍モルより多いと分散安定性が低下しトナー化の際に悪影響を及ぼすことがある。
この様な銅化合物としては、例えば酢酸銅、ステアリン酸銅、2−エチルヘキサン酸銅、硫酸銅、塩化第2銅など、ニッケル化合物としては、例えば酢酸ニッケル、ステアリン酸ニッケル、2−エチルヘキサン酸ニッケル等、コバルト化合物としては、酢酸コバルト、コバルトアセチルアセトナート等、亜鉛化合物としてはジメチルジチオカルバミン酸亜鉛、蟻酸亜鉛、オレイン酸亜鉛などが挙げられる。
〈一般式(3)で表される環構造〉
一般式(3)において、Yは=O又は=NR33を表し、R31〜R33は各々、置換基を表すが、少なくとも一つはキレート化可能な基を有し、R32とR33で結合して5又は6員環を形成してもよく、*でスクアリン酸構造と結合する。
31〜R33で表される置換基は一般式(1)におけるR11と同義であり、好ましくはアルキル基、アリール基、複素環基、ヘテロアリール基、カルバモイル基、シアノ基、アルコキシカルボニル基等が挙げられる。R32とR33が結合して形成される縮環としては、ピラゾロトリアゾール、ピラゾロイミダゾール、ピラゾロピリミジン−5−オン、ピラゾロピリミジン−7−オン等が挙げられるが、これらに限定されない。
一般式(3)として好ましくは下記一般式(3−1)〜(3−4)が挙げられるが、更に好ましくは一般式(3−2)〜(3−4)が、特に好ましくは一般式(3−2)が挙げられる。
Figure 0005233120
一般式(3−1)〜(3−4)において、R31〜R37は一般式(1)におけるR12、R13と同義であるが、R31〜R37の少なくとも一つはキレート化可能な基を有する。
31として好ましくは、アルキル基、アリール基、複素環基、カルバモイル基、シアノ基、アルコキシカルボニル基等が挙げられるが、更に好ましくはアルキル基、アリール基、アルコキシカルボニル基が挙げられる。
32として好ましくは、アルキル基、アリール基、複素環基、ヘテロアリール基、アシル基等が挙げられるが、更に好ましくはアリール基、複素環基、ヘテロアリール基、アシル基が挙げられ、キレート可能な基(一般式(6)を含む)を有することが好ましい。
34及びR35として好ましくは、アルキル基、アリール基、複素環基、ヘテロアリール基等が挙げられるが、更に好ましくはアリール基、複素環基、ヘテロアリール基が挙げられ、キレート化可能な基(一般式(6)を含む)を有することが好ましい。
36及びR37として好ましくは、アルキル基、アリール基、複素環基、ヘテロアリール基、アシル基、アミド基、アルコキシカルボニル基、ハロゲン原子等が挙げられるが、更に好ましくはアルキル基、アリール基、複素環基、ヘテロアリール基、アルコキシカルボニル基が挙げられ、キレート化可能な基(一般式(6)を含む)を有することが好ましい。
〈一般式(4)で表される環構造〉
一般式(4)において、R41及びR42は各々、置換基を表し、少なくとも一方はキレート化可能な基を有し、*でスクアリン酸構造と結合する。
41及びR42で表される置換基は一般式(1)におけるR11と同義であり、好ましくはアルキル基、アリール基、複素環基、ヘテロアリール基、ウレイド基、アミド基、スルファモイル基、アルコキシ基、アリールオキシ基等が挙げられるが、更に好ましくはアリール基、複素環基、ヘテロアリール基、アミド基、スルファモイル基、アルコキシ基等が挙げられ、キレート化可能な基(一般式(6)を含む)を有することが好ましい。
〈一般式(5)で表される環構造〉
一般式(5)において、R51〜R54は各々、水素原子又は置換基を表し、少なくとも一つはキレート化可能な基を有し、R51とR52又はR53とR54で結合して5又は6員環を形成してもよく、*でスクアリン酸構造と結合する。
51〜R54で表される置換基は、前記一般式(1)におけるR11と同義であり、好ましくは水素原子、アルキル基、アリール基、複素環基、ヘテロアリール基、ウレイド基、アミド基、スルファモイル基、アルコキシ基、アリールオキシ基、ハロゲン原子等が挙げられるが、更に好ましくは水素原子、アルキル基、複素環基、ヘテロアリール基、アミド基、スルファモイル基等が挙げられ、キレート可能な基(一般式(6)を含む)を有することが好ましい。
51とR52又はR53とR54で結合して5又は6員環を形成することも好ましく、例えばナフタレン、キノリン、インドール、ベンゾチアゾール環などが挙げられるが、好ましくはキノリン、インドール環である。
以下に、前記一般式(1)で表される、本発明に係るキレート化可能な染料及び一般式(2)で表される金属錯体化合物の代表的具体例を挙げるが、本発明はこれに限定されるものではない。一般式(1)において最も好ましいものは、R12とR13とでピラゾロトリアゾール環を形成している構造(上述の一般式(3−2)で表される)である。
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これら一般式(1)で表されるキレート化可能な染料は、例えば特開昭63−226653号、同64−63194号、英国特許1,183,515号、同1,252,418号、特開平3−205189号、同3−226750号、同4−190348号、同6−250357号、特開2000−251958号、同2000−285978号、同2000−345059号、同2004−99712号、特許3078398号、特表平7−501497号等に記載される従来公知の方法を参考に合成することができ、一般式(7)で表される金属錯体化合物の配位子は、特開2002−332259号、同2003−237246号等を参考にして合成することができる。
以下に、一般式(1)及び(2)で表される化合物の合成法の代表的具体例を示すが、その他の化合物も同様にして合成することが可能であり、合成法としては、これらに限定されない。
合成例1(D−22の合成)
Figure 0005233120
(中間体3の合成)
5.81gの中間体1と3.20gの中間体2に、トルエン60mlとトリエチルアミン3.06gを加え、10時間加熱・還流・撹拌した後、濃縮し、濃縮物をカラムクロマトグラフィーにて精製した。黄橙色オイルの中間体3を5.17g得た。MASS、H−NMR、IRスペクトルによって同定し、目的物であることを確認した。
(D−22の合成)
5.17gの中間体3と7.26gの中間体4に、トルエン80mlを加えて8時間加熱・還流した。反応液を冷却し、析出する結晶を濾過し、D−22の8.01gを得た。MASS、H−NMR、IRスペクトルによって同定し、目的物であることを確認した。
酢酸エチル溶媒で分光吸収波形を測定したところ、吸収極大波長:635nm、半値幅:35nm、モル吸光係数:150,000のシャープな波形を示した。
合成例2(D−81の合成)
Figure 0005233120
(中間体7の合成)
5.02gの中間体5と3.20gの中間体2にトルエン60mlとトリエチルアミン3.06gを加え、10時間加熱・還流・撹拌した後、中和、水洗、濃縮する。濃縮物に3.10gの中間体6及びトルエン60mlを添加し、6時間加熱・還流・撹拌した後、濃縮し、カラムクロマトグラフィーにて精製した。黄橙色オイルの中間体3を5.94gを得た。MASS、H−NMR、IRスペクトルによって同定し、目的物であることを確認した。
(D−81の合成)
5.94gの中間体7と6.38gの中間体8にトルエン80mlを加えて8時間加熱・還流した。反応液を濃縮し、カラムクロマトグラフィーにて精製することによりD−81の8.14gを得た。MASS、H−NMR、IRスペクトルによって同定し、目的物であることを確認した。
合成例3(D−111の合成)
Figure 0005233120
合成例1と同様の方法で合成した中間体9の5.17g、中間体10の4.20gにトルエン80mlを加えて8時間加熱・還流した。反応液を濃縮し、カラムクロマトグラフィーにて精製することによりD−111を6.18g得た。MASS、H−NMR、IRスペクトルによって同定し、目的物であることを確認した。
合成例4(MS−41の合成)
Figure 0005233120
(中間体13=X−116の合成)
35.0gの中間体11に、攪拌しながらアセトニトリル200ml、塩化カルシウム26.3g及びトリエチルアミン36.3gを順次加えて15℃まで冷却する。次に内温を20℃以下に保ちながら32.0gの中間体12を滴下し、室温で2時間反応させる。酢酸エチル200mlと水100mlを加えて抽出し、中和、水洗し濃縮する。濃縮物をカラムクロマトグラフィーにて精製し、中間体13を45.2g得た。MASS、H−NMR、IRスペクトルによって同定し、目的物であることを確認した。
(MS−41の合成)
塩化銅2水和物2.73gに水50mlを加え溶解し、10.27gの中間体13にメタノール5mlを加えた溶液を攪拌しながら滴下し、析出する結晶を濾過した。アセト二トリルで再結晶し、MS−41を9.20g得た。MASSスペクトル及び元素分析によって同定し、目的物であることを確認した。
一般式(1)で表される染料は、例えば特開2000−191934号、同2001−159832号などを参考にしてキレート染料へ誘導することができ、キレート染料にすることで耐光性が更に向上する。
以下にキレート染料の合成例を示すが、本発明は、それにより限定されない。
合成例5(キレート染料の合成)
Figure 0005233120
合成例1で得たD−22の6.73gと上記MS−41の7.60gに酢酸エチル60mlを加え、室温下で1時間攪拌する。その後濃縮してアモルファスのキレート染料を得た。
〈電子写真用トナーの構成、作製方法〉
既述の如く、本発明の電子写真用トナー(以下、単にトナーとも記す)は、着色粒子を熱可塑性樹脂中に分散して成る。
〈着色粒子〉
本発明の着色粒子はキレート化可能な染料と金属化合物を含有することを特徴とし、後述の液中乾燥法などを使用することで着色粒子の分散粒径を制御可能である。又、該熱可塑性樹脂とは異なる組成の樹脂を更に含有してなることを第2の特徴とし、染料を用いたトナーとして一般に知られているトナー結着樹脂中に染料を直接分散、もしくは溶解させる代わりに、着色粒子を熱可塑性樹脂中に分散させることができる。
着色粒子は体積平均粒子径が10nm〜1μmの範囲であることが好ましく、この範囲にあることで、着色粒子の安定性、停滞安定性を良好にでき、トナーとした場合の光沢感、透明感にも優れる。平均粒子径10〜200nmがより好ましく、更に好ましくは10〜100nmである。
体積平均粒子径は動的光散乱法、レーザー回折法、遠心沈降法、FFF法、電気的検知体法などを用いて求めることが可能であるが、本発明では、マルバーン社製ゼータサイザーを用い動的光散乱法で求めるのが好ましい。
着色粒子中の染料は樹脂中に分子レベルで溶解するため、トナー中において光を遮断する隠蔽性粒子などの成分を無くすことが可能となり、それぞれのトナーの単色における透明性が向上し、更には重ね合せ色における透明性も向上すると考えられる。図1は熱可塑性樹脂中に着色粒子を分散させた本発明の電子写真用トナー粒子の断面を模式的に示している。又、本発明の電子写真用トナーは、図2で示す様に着色粒子が外殻樹脂(シェル)で被覆されてもよく、この場合、着色粒子の内部(コア)を構成する樹脂と熱可塑性樹脂(結着樹脂)の組合せに制限がなく、材料の自由度が大きく、又、カラートナー4色(イエロー、マゼンタ、シアン、ブラック)に関して外殻樹脂(シェル)のみが同一であれば、同様の製造条件で製造可能となるため、コスト面での利点も大きい。又、着色剤である染料の着色粒子外への移行(着色粒子表面への露出)が起こらないため、一般的に染料を使用したトナーにおいて問題視される、熱定着時の染料の昇華やオイル汚染が生じる心配がない。
〈染料含有量〉
着色粒子は染料の含有量が10〜70質量%の範囲が好ましく、この範囲で含有されることで十分な濃度が得られ、樹脂による色材の保護能が発現し、又、粒子分散体としての保存安定性にも優れるため、凝集等による粒径増大を防止することができる。
〈着色粒子の作製方法〉
次いで、本発明に係る着色粒子の作製方法について説明する。
着色粒子は、例えば、樹脂と染料とを有機溶剤中に溶解(あるいは分散)し、水中で乳化分散後、有機溶剤を除去すること(液中乾燥法と言う)により得ることができ、更にシェルで被覆する場合は、該着色粒子に重合性不飽和二重結合を有するモノマーを添加し、活性剤の存在下、乳化重合を行い、重合と同時にコア表面に沈着させることによってコア/シェル構造を有する着色粒子を得ることができる。あるいは、例えば乳化重合により予め樹脂粒子の水性分散体を形成し、この樹脂粒子水性分散体に染料を溶解した有機溶媒溶液を混合し、後から樹脂粒子中に染料を含浸した後、該着色粒子をコアとしてシェルを形成する等の方法等、種々の方法により得ることができる。
シェルは有機樹脂からなることが好ましく、シェルを形成する方法としては、有機溶剤に溶解した樹脂を徐々に滴下し、析出と同時に樹脂を該着色粒子コア表面に吸着させる方法などもあるが、本発明においては、色材と樹脂を含有したコアとなる着色粒子を形成した後、重合性不飽和二重結合を有するモノマーを添加し活性剤の存在下、乳化重合を行い、重合と同時にコア表面に沈着させシェルを形成する方法が好ましい。
〈コア/シェル構造〉
本発明において、コア/シェル構造とは、組成の異なる2種以上の樹脂や染料が粒子中に相分離して存在する形態を意味する。従って、シェル部がコア部を完全に被覆している形態のみならず、コア部の一部を被覆しているものであってもよい。又、シェルを形成している樹脂の一部がコア粒子内にドメインなどを形成しているものでもよい。更にコア部とシェル部の中間に、更にもう1層以上の組成の異なる層を含む3層以上の多層構造を持つものでもよい。
着色粒子がコア/シェル構造を形成しており、該着色粒子中の樹脂と染料によって形成される着色部分をコアとして、これを更に外殻樹脂で被覆しシェルとし、コア/シェル構造とすることは好ましい態様である。
コア部とシェル部の比率は、質量比で70:30〜30:70の範囲が好ましい。又、シェルポリマーは、総ポリマー量の5〜95質量%、更には10〜90質量%であることが好ましい。
〈熱可塑性樹脂〉
本発明の電子写真用トナーに含有される熱可塑性樹脂(結着樹脂)としては、着色粒子との密着性が高くなる熱可塑性樹脂が好ましく、特に溶剤可溶性のものが好ましい。更に、ポリマーの前駆体が溶剤可溶性であれば3次元構造を形成する硬化性樹脂も使用可能である。熱可塑性樹脂としては、一般にトナーの結着樹脂として用いられるものが特に制限なく用い得る。例えばスチレン系の樹脂やアルキル(メタ)アクリレート等のアクリル系樹脂、スチレン−アクリル系共重合樹脂、ポリエステル系樹脂、シリコーン系樹脂、オレフィン系樹脂、アミド系樹脂あるいはエポキシ系樹脂などが好適に用いられる。
透明性や重ね合せ画像の色再現性を高めるため、透明性が高く、溶融特性が低粘度でシャープメルト性の高い樹脂が要求される。このような特性を有する結着樹脂としては、スチレン系樹脂、アクリル系樹脂、ポリエステル系樹脂が適している。
又、結着樹脂としては数平均分子量(Mn)が3,000〜6,000、好ましくは3,500〜5,500、重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)の比(Mw/Mn)が2〜6、好ましくは2.5〜5.5である。又、ガラス転移点(Tg)が50〜70℃、好ましくは55〜70℃、そして軟化温度が90〜110℃、好ましくは90〜105℃である樹脂を使用することが望ましい。
結着樹脂の数平均分子量が3,000〜6,000であることで、フルカラーのベタ画像を折り曲げた際に画像部が剥離する画像欠損の発生(折曲げ定着性が悪化)を抑制し、又、定着時の熱溶融性の低下による定着強度低下が軽減する。又、Mw/Mnが2〜6であることで、高温オフセット発生がし辛く、定着時のシャープメルト特性が低下によるトナーの透光性ならびにフルカラー画像形成時の混色性が防止できる。又、Tgが50〜70℃であれば、耐熱性の不足から起こる保管時のトナーの凝集を防止し、定着性の低下ならびにフルカラー画像形成時の混色性が抑えられる。又、軟化温度が90〜110℃であることは高温オフセットの発生や、定着強度、透光性、混色性及びフルカラー画像の光沢性の低下を防止する。
〈コア用樹脂〉
本発明に係る着色粒子のコアを形成する樹脂について説明する。着色粒子のコアに使用される樹脂は、前記熱可塑性樹脂と異なる組成であれば特に限定はされず、例えば(メタ)アクリレート系、ポリエステル系、ポリアミド系、ポリイミド系、ポリスチレン系、ポリエポキシ系、ポリエステル系、アミノ系、弗素系、フェノール系、ポリウレタン系、ポリエチレン系、ポリ塩化ビニル系、ポリビニルアルコール系、ポリエーテル系、ポリエーテルケトン系脂、ポリフェニレンスルフィド系、ポリカーボネート系、アラミド系樹脂などが挙げられるが、好ましくは(メタ)アクリレート樹脂、ポリスチレン系、ポリエチレン系、ポリ塩化ビニル系、ポリビニルアルコール系樹脂などの、重合性エチレン性不飽和二重結合を重合させることによって得られる樹脂が好ましい。最も好ましくは(メタ)アクリレート系、ポリスチレン系樹脂である。
(メタ)アクリレート系樹脂とは、種々の(メタ)アクリレート系モノマーを単独重合もしくは共重合することにより合成され、モノマー種及びモノマー組成比を種々変えることによって、望みの(メタ)アクリレート系樹脂を得ることができる。又、本発明においては、(メタ)アクリレート系モノマーと一緒に(メタ)アクリレート系モノマー以外の不飽和二重結合を有する共重合可能なモノマーと共に共重合しても使用可能であり、更に、ポリ(メタ)アクリレート系樹脂に他の複数の樹脂を混合しても使用可能である。
本発明に用いられる(メタ)アクリレート系樹脂を形成するモノマー成分としては、例えば、(メタ)アクリル酸、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、イソプロピル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、t−ブチル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、アセトアセトキシエチル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、ジ(エチレングリコール)エチルエーテル(メタ)アクリレート、エチレングリコールメチルエーテル(メタ)アクリレート、イソボニル(メタ)アクリレート、塩化エチルトリメチルアンモニウム(メタ)アクリレート、トリフルオロエチル(メタ)アクリレート、オクタフルオロペンチル(メタ)アクリレート、2−アセトアミドメチル(メタ)アクリレート、2−メトキシエチル(メタ)アクリレート、2−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、3−トリメトキシシランプロピル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、トリデシル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、ドデシル(メタ)アクリレート、オクタデシル(メタ)アクリレート、2−ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、フェニル(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレート等が挙げられるが、好ましくは(メタ)アクリル酸、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、アセトアセトキシエチル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、トリデシル(メタ)アクリレート、ドデシル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレートである。
ポリスチレン系樹脂とは、スチレンモノマーの単独重合物、あるいはスチレンモノマーと共重合可能な他の不飽和二重結合を有するモノマーを共重合したランダム共重合体、ブロック共重合体、グラフト共重合体が挙げられる。更に、係るポリマーに他のポリマーを配合したブレンド物やポリマーアロイも含まれる。
前記スチレンモノマーの例としては、スチレン、α−メチルスチレン、α−エチルスチレン、o−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン等の核アルキル置換スチレン、o−クロルスチレン、m−クロルスチレン、p−クロロスチレン、p−ブロモスチレン、ジクロロスチレン、ジブロモスチレン、トリクロロスチレン、トリブロモスチレン等の核ハロゲン化スチレン等が挙げられるが、この中でスチレン、α−メチルスチレンが好ましい。
これらを単独重合もしくは共重合することによって本発明で用いられる樹脂は合成され、例えば、ベンジルメタクリレート/エチルアクリレート、あるいはブチルアクリレート等の共重合体樹脂、又メチルメタクリレート/2−エチルヘキシルメタクリレート等の共重合体樹脂、又メチルメタクリレート/メタクリル酸/ステアリルメタクリレート/アセトアセトキシエチルメタクリレートの共重合体樹脂、又、スチレン/アセトアセトキシエチルメタクリレート/ステアリルメタクリレートの共重合体樹脂、又、スチレン/2−ヒドロキシエチルメタクリレート/ステアリルメタクリレートの共重合体、更には、2−エチルヘキシルメタクリレート/2−ヒドロキシエチルメタクリレート等の共重合体樹脂等が例として挙げられる。
本発明において用いられる樹脂としては、その数平均分子量が500〜100,000、特に1,000〜30,000であることが、耐久性及び粒子形成性の点から好ましい。
〈(メタ)アクリル系樹脂〉
本発明において、着色粒子の外殻を被覆してシェルを形成する外殻樹脂としては特に限定はされず、例えば、ポリ(メタ)アクリレート系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリイミド系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリエポキシ系樹脂、ポリエステル系樹脂、アミノ系樹脂、フッ素系樹脂、フェノール系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリエチレン系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂、ポリビニルアルコール系樹脂、ポリアリレート系樹脂、ポリエーテル系樹脂、ポリエーテルケトン系樹脂、ポリフェニレンスルフィド樹脂、ポリカーボネート系樹脂、アラミド樹脂などが挙げられるが、特にトナー結着樹脂(熱可塑性樹脂)との組み合わせの観点より、好ましくはポリ(メタ)アクリレート系樹脂である。
ポリ(メタ)アクリレート系樹脂とは、種々の(メタ)アクリレート系モノマーを単独重合もしくは共重合することにより合成され、モノマー種及びモノマー組成比を種々変えることによって、望みのポリ(メタ)アクリレート系樹脂を得ることができる。又、本発明においては、ポリ(メタ)アクリレート系樹脂と一緒に他の複数の樹脂を混合して使用可能である。
本発明に用いられるポリ(メタ)アクリレート系樹脂を形成するモノマー成分としては、例えば、(メタ)アクリル酸、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、イソプロピル(メタ)アクリレート、i−ブチル(メタ)アクリレート、t−ブチル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、アセトアセトキシエチル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、ジ(エチレングリコール)エチルエーテル(メタ)アクリレート、エチレングリコールメチルエーテル(メタ)アクリレート、イソボニル(メタ)アクリレート、塩化エチルトリメチルアンモニウム(メタ)アクリレート、トリフルオロエチル(メタ)アクリレート、オクタフルオロペンチル(メタ)アクリレート、2−アセトアミドメチル(メタ)アクリレート、2−メトキシエチル(メタ)アクリレート、2−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、3−トリメトキシシランプロピル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、トリデシル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、ドデシル(メタ)アクリレート、オクタデシル(メタ)アクリレート、2−ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、フェニル(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレート等が挙げられるが、好ましくは、(メタ)アクリル酸、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、アセトアセトキシエチル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、トリデシル(メタ)アクリレート、ドデシル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレートである。好ましくはメチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレートである。
又、シェル樹脂は反応性乳化剤との共重合体でもよい。
〈反応性乳化剤〉
好ましく用いられる反応性乳化剤としては、アニオン系及びノニオン系の何れの反応性乳化剤でもよいが、下記A、B又はCの置換基を有する化合物が好ましい。
A:直鎖アルキル基、分岐アルキル基、又は置換もしくは無置換の芳香族基であって、総炭素数が6以上の置換基。
B:界面活性能を発現するノニオン性置換基又はアニオン性置換基。
C:ラジカル重合可能な重合性基。
A項に記載の直鎖アルキル基としては、例えばヘプチル、オクチル、ノニル、デシル、ドデシル基などが挙げられ、分岐アルキル基としては、例えば2−エチルヘキシル基などが挙げられ、芳香族基としては、例えばフェニル、ノニルフェニル、ナフチル基などが挙げられる。
B項に記載の乳化能(界面活性能)を発現するノニオン性置換基又はアニオン性置換基としては、例えばポリエチレンオキシド、ポリプロピレンオキシド、その共重合体のポリアルキレンオキシド等が挙げられる。アニオン性置換基の具体例としては、カルボン酸、燐酸、スルホン酸、それらの塩などが挙げられる。又、アルキレンオキシドの末端に前述のアニオン性基が置換したものも、アニオン性基の具体例の一つである。B項で表される置換基としてはアニオン性基が好ましく、末端が塩になっているものがより好ましい。
C項に記載のラジカル重合可能な重合性基とは、ラジカル活性種により、重合、架橋反応を起こす基であり、例えばエチレン性不飽和結合を有するビニル、アリル、1−プロペニル、i−プロペニル、(メタ)アクリル、マレイミド、アクリルアミド、スチリル基などが挙げられる。
本発明に用いる反応性乳化剤として、下記一般式(A)〜(C)で表される化合物が好ましい。
Figure 0005233120
上記一般式(A)において、R1は炭素数6〜20の直鎖アルキル基、分岐アルキル基又は置換もしくは無置換の芳香族基を表し、例えば上記A項に記載のヘプチル、オクチル、ノニル、デシル、ドデシル基等の直鎖アルキル基、2−エチルヘキシル基等の分岐アルキル基、フェニル、ノニルフェニル、ナフチル基等の芳香族基などが挙げられる。
2はラジカル重合可能な重合性基を有する置換基を表し、例えば上記C項に記載のエチレン性不飽和結合である(メタ)アクリル、マレイミド基などが挙げられる。Y21はスルホン酸、カルボン酸、又はそれら塩を表す。
一般式(A)で表される化合物は、当業者が公知の方法で合成し得ることができる。又、市販品より容易に入手することができ、例えば花王社製の「ラムテルS−120」、「ラムテルS−120A」、「ラムテルS−180」、「ラムテルS−180A」や、三洋化成工業社製の「エレミノールJS−2」等を挙げることができる。
Figure 0005233120
上記一般式(B)において、R3は前記一般式(A)のR1と同義であり、R4は上記一般式(A)のR2と同義である。Y22は水素原子、スルホン酸、カルボン酸、もしくはそれらの塩を表す。AOはアルキレンオキシドを表す。
一般式(B)で表される化合物は、当業者が公知の方法で合成し得ることができる。又、市販品より容易に入手することができ、例えば旭電化工業社製の「アデカリアソープNE−10」、「アデカリアソープNE−20」、「アデカリアソープNE−30」などのNEシリーズ、「アデカリアソープSE−10N」、「アデカリアソープSE−20N」、「アデカリアソープSE−30N」等のSEシリーズ、第一工業製薬社製の「アクアロンRN−10」、「アクアロンRN−20」、「アクアロンRN−30」、「アクアロンRN−50」などのRNシリーズ、「アクアロンHS−05」、「アクアロンHS−10」、「アクアロンHS−20」、「アクアロンHS−30」等のHSシリーズ、又はアクアロンBCシリーズ等を挙げることができる。
Figure 0005233120
上記一般式(C)において、R5は前記一般式(A)のR1と同義であり、R6は前記一般式(A)のR2と同義であり、Y32は前記一般式(A)のY21と同義であり、AOは前記一般式(B)のAOと同義である。
一般式(C)で表される化合物は、当業者が公知の方法で合成し得ることができる。又、市販品より容易に入手することができ、例えば第一工業製薬社製の「アクアロンKH−05」、「アクアロンKH−10」、「アクアロンKH−20」等を挙げることができる。
上記一般式(B)及び(C)において、アルキレンオキシド鎖(AO)の平均重合度nが1〜10であることが好ましく、例えば上記の第一工業製薬社製の「アクアロンKH−05」、「アクアロンKH−10」、「アクアロンHS−05」、「アクアロンHS−10」等を挙げることができる。
又、本発明においては、反応性乳化剤がアニオン性であることが好ましく、例えば上述の「アデカリアソープSEシリーズ」(旭電化工業社製)、「アクアロンHSシリーズ」(第一工業製薬社製)、「ラテムルSシリーズ」(花王社製)、「エレミノールJSシリーズ」(三洋化成工業社製)等を挙げることができる。
これら反応製乳化剤の使用量は、本発明に係る着色粒子を形成している樹脂の合計100質量部当たり、一般に、0.1〜80質量部用いられ、好ましくは1〜70質量部、特に好ましくは10〜60質量部である。
〈通常の界面活性剤〉
本発明の着色粒子調製時の乳化に際しては、必要に応じて通常のアニオン系乳化剤(界面活性剤)及び/又はノニオン系乳化剤(界面活性剤)を用いることができる。
上記通常のノニオン系乳化剤として、例えばポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルエーテル等のポリオキシエチレンアルキルエーテル類、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル等のポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル類、ソルビタンモノラウレート、ソルビタンモノステアレート、ソルビタントリオレエート等のソルビタン高級脂肪酸エステル類、ポリオキシエチレンソルビタンモノラウレート等のポリオキシエチレンソルビタン高級脂肪酸エステル類、ポリオキシエチレンモノラウレート、ポリオキシエチレンモノステアレート等のポリオキシエチレン高級脂肪酸エステル類、オレイン酸モノグリセライド、ステアリン酸モノグリセライド等のグリセリン高級脂肪酸エステル類、ポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレン−ブロックコポリマー等を挙げることができる。
上記通常のアニオン系乳化剤としては、例えばオレイン酸ナトリウム等の高級脂肪酸塩類、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム等のアルキルアリールスルホン酸塩類、ラウリル硫酸ナトリウム等のアルキル硫酸エステル類、ポリエトキシエチレンラウリルエーテル硫酸ナトリウム等のポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸エステル塩類、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル硫酸ナトリウム等のポリオキシエチレンアルキルアリールエーテル硫酸エステル塩類、モノオクチルスルホ琥珀酸ナトリウム、ジオクチルスルホ琥珀酸ナトリウム、ポリオキシエチレンラウリルスルホ琥珀酸ナトリウム等のアルキルスルホ琥珀酸エステル塩、及びその誘導体類などを挙げることができる。
〈染料〉
本発明の金属キレート染料は単独で用いても他の染料と併用してもよく、併用される染料としては一般に知られている染料を用いることができるが、本発明においては色材が油溶性染料であることが好ましい。油溶性染料は、通常カルボン酸やスルホン酸等の水溶性基を有さない有機溶剤に可溶で水に不溶な染料であるが、水溶性染料を長鎖の塩基と造塩することにより油溶性を示す染料も含まれる。例えば酸性染料、直接染料、反応性染料と長鎖アミンとの造塩染料が知られている。
以下に限定されるものではないが、例えばオリエント化学工業社製のValifast Yellow 4120、Valifast Yellow 3150、Valifast Yellow 3108、Valifast Yellow 2310N、Valifast Yellow 1101、Valifast Red 3320、Valifast Red 3304、Valifast Red 1306、Valifast Blue 2610、Valifast Blue 2606、Valifast Blue 1603、Oil Yellow GG−S、Oil Yellow 3G、Oil Yellow 129、Oil Yellow 107、Oil Yellow 105、Oil Scarlet 308、Oil Red RR、Oil Red OG、Oil Red 5B、Oil Pink 312、Oil Blue BOS、Oil Blue 613、Oil Blue 2N、Oil Black BY、Oil Black BS、Oil Black 860、Oil Black 5970、Oil Black 5906、Oil Black 5905;日本化薬社製のKayaset Yellow SF−G、Kayaset Yellow K−CL、Kayaset Yellow GN、Kayaset Yellow A−G、Kayaset Yellow 2G、Kayaset Red SF−4G、Kayaset Red K−BL、Kayaset Red A−BR、Kayaset Magenta 312、Kayaset Blue K−FL;有本化学工業社製のFS Yellow 1015、FS Magenta 1404、FS Cyan 1522、FS Blue 1504、C.I.Solvent Yellow 88、83、82、79、56、29、19、16、14、04、03、02、01、C.I.Solvent Red 84:1、C.I.Solvent Red 84、218、132、73、72、51、43、27、24、18、01、C.I.Solvent Blue 70、67、44、40、35、11、02、01、C.I.Solvent Black 43、70、34、29、27、22、7、3、C.I.Solvent Violet 3、C.I.SolventGreen 3及び7、Plast Yellow DY352、Plast Red 8375;三井化学社製のMS Yellw HD−180、MS Red G、MS Msgenta HM−1450H、MS Blue HM−1384;住友化学社製のES Red 3001、ES Red 3002、ES Red 3003、TS Red 305、ES Yellow 1001、ES Yellow 1002、TS Yellow 118、ES Orange 2001、ES Blue 6001、TS Turq Blue 618;Bayer社製のMACROLEX Yellow 6G、Ceres Blue、GNNEOPAN Yellow、O75、Ceres Blue GN、MACROLEX Red、Violet R等を必要に応じて用いることが出来る。
油溶性染料として分散染料を用いることができ、以下に限定されるものではないが、例えばC.I.ディスパーズイエロー5、42、54、64、79、82、83、93、99、100、119、122、124、126、160、184:1、186、198、199、204、224及び237;C.I.ディスパーズオレンジ13、29、31:1、33、49、54、55、66、73、118、119及び163;C.I.ディスパーズレッド54、60、72、73、86、88、91、92、93、111、126、127、134、135、143、145、152、153、154、159、164、167:1、177、181、204、206、207、221、239、240、258、277、278、283、311、323、343、348、356及び362;C.I.ディスパーズバイオレット33;C.I.ディスパーズブルー56、60、73、87、113、128、143、148、154、158、165、165:1、165:2、176、183、185、197、198、201、214、224、225、257、266、267、287、354、358、365及び368並びにC.I.ディスパーズグリーン6:1及び9等を必要に応じて用いることが出来る。
その他、油溶性染料として、フェノール、ナフトール類、ピラゾロン、ピラゾロトリアゾール等の環状メチレン化合物、開鎖メチレン化合物などのカプラーから誘導されるアゾメチン染料、インドアニリン染料なども好ましく用いられる。
〈その他の添加剤〉
本発明の電子写真用トナーには、上記の熱可塑性樹脂及び着色粒子の他に公知の荷電制御剤、オフセット防止剤等を使用することができる。
荷電制御剤としては特に限定されるものではない。カラートナーに用いる負荷電制御剤としては、カラートナーの色調、透光性に悪影響を及ぼさない無色、白色あるいは淡色の荷電制御剤が使用可能であり、例えばサリチル酸誘導体の亜鉛やクロムの金属錯体、カリックスアレーン系化合物、有機硼素化合物、含弗素4級アンモニウム塩系化合物などが好適に用いられる。上記サリチル酸金属錯体としては、例えば特開昭53−127726号、同62−145255号等に記載のものが、カリックスアレーン系化合物としては、例えば特開平2−201378号等に記載のものが、有機硼素化合物としては、例えば特開平2−221967号、同3−1162号に記載のものが使用可能である。このような荷電制御剤を用いる場合、熱可塑性樹脂(結着樹脂)100質量部に対して0.1〜10質量部、好ましくは0.5〜5.0質量部を使用することが望ましい。
オフセット防止剤としても特に制限されることはなく、例えばポリエチレンワックス、酸化型ポリエチレンワックス、ポリプロピレンワックス、酸化型ポリプロピレンワックス、カルナバワックス、サゾールワックス、ライスワックス、キャンデリラワックス、ホホバ油ワックス、蜜蝋ワックス等が使用可能である。このようなワックスの添加量は、熱可塑性樹脂(結着樹脂)100質量部に対して0.5〜5質量部、好ましくは1〜3質量部が望ましい。添加量をこの範囲にすることで、添加効果が十分となり、透光性や色再現性の低下も抑えられる。
電子写真用トナーは、上記した熱可塑性樹脂(結着樹脂)、着色粒子及びその他の所望の添加剤を使用し、混練・粉砕法、懸濁重合法、乳化重合法、乳化分散造粒法、カプセル化法等、その他の公知の方法により製造することができる。これらの製造方法の中で、画像の高画質化に伴うトナーの小粒径化を考慮すると、製造コスト及び製造安定性の観点から乳化重合法が好ましい。
乳化重合法は、乳化重合によって製造された熱可塑性樹脂エマルジョンを他の着色粒子等、トナー粒子成分の分散液と混合し、pH調整により生成した粒子表面の反発力と電解質添加による凝集力のバランスを取りながら緩慢凝集させ、粒径・粒度分布を制御しながら会合を行うと同時に加熱・撹拌することで粒子間の融着・形状制御を行い、トナー粒子を製造する。本発明の電子写真用トナー粒子は、体積平均粒径を4〜10μm、好ましくは6〜9μmに調整することが画像の高精細再現性の観点から好ましい。
トナーの流動性付与やクリーニング性向上等の観点から後処理剤を添加・混合して使用することができ、特に限定されるものではない。このような後処理剤としては、例えばシリカ微粒子やアルミナ微粒子、チタニア微粒子等の無機酸化物微粒子や、ステアリン酸アルミニウム微粒子、ステアリン酸亜鉛微粒子等の無機ステアリン酸化合物微粒子、又、チタン酸ストロンチウムやチタン酸亜鉛等の無機チタン酸化合物微粒子等を使用することができ、単独あるいは異種の添加剤を併用して使用することが可能である。
これらの微粒子は、耐環境安定性や耐熱保管性の観点からシランカップリング剤、チタンカップリング剤、高級脂肪酸、シリコーンオイル等で表面処理して用いることが望ましく、添加量はトナー100質量部に対して0.05〜5質量部、好ましくは0.1〜3質量部用いることが望ましい。
本発明の電子写真用トナーは、キャリアと混合して用いる2成分現像用トナーとして、又、キャリアを使用しない1成分現像用トナーとして使用可能である。
本発明の電子写真用トナーと組み合わせて使用するキャリアとしては、従来より2成分現像用のキャリアとして公知のものが挙げられる。例えば鉄やフェライト等の磁性体粒子から成るキャリア、このような磁性体粒子を樹脂で被覆してなる樹脂コートキャリア、あるいは磁性体微粉末を結着樹脂中に分散して成るバインダー型キャリア等である。
これらのキャリアの中でも、被覆樹脂としてシリコーン系樹脂、オルガノポリシロキサンとビニル系単量体との共重合樹脂(グラフト樹脂)又はポリエステル系樹脂を用いた樹脂コートキャリアの使用がトナースペント等の観点から好ましく、特にオルガノポリシロキサンとビニル系単量体との共重合樹脂にイソシアネートを反応させて得られた樹脂で被覆したキャリアが、耐久性、耐環境安定性及び耐スペント性の観点から好ましい。
上記ビニル系単量体としては、イソシアネートと反応性を有するヒドロキシル基等の置換基を有する単量体を使用する必要がある。又、キャリアの体積平均粒径は20〜100μm、好ましくは20〜60μmのものを使用することが、高画質の確保とキャリアカブリ防止の観点から好ましい。
〈画像形成方法〉
次に、本発明の電子写真用トナーを用いる画像形成方法について説明する。
本発明において、画像形成の方式については特に限定されるものではない。例えば感光体上に複数の画像を形成し、一括で転写する方式、感光体に形成された画像を転写ベルト等に逐次転写する方式など特に限定されないが、より好ましくは、感光体上の複数の画像を形成し、一括で転写する方式である。
この方式は、感光体に対して均一帯電させて第1の画像に応じた露光を与え、その後、第1回目の現像を行い、感光体上に第1のトナー像を形成させる。次いで、その第1の画像が形成された感光体を均一帯電し第2の画像に応じた露光を与え、第2回目の現像を行い、感光体上に第2のトナー像を形成させる。更に、第1及び第2の画像が形成された感光体を均一帯電し、第3の画像に応じた露光を与え、第3回目の現像を行い、感光体上に第3のトナー像を形成させる。更に、第1、第2及び第3の画像が形成された感光体を均一帯電し、第4の画像に応じた露光を与え、第4回目の現像を行い、感光体上に第4のトナー像を形成させる。
例えば、第1回目をイエロー、第2回目をマゼンタ、第3回目をシアン、第4回目を黒トナーで現像することで、フルカラートナー画像を感光体上に形成するものである。その後、感光体上に形成された画像を紙等の画像支持体に一括して転写を行い、更に画像支持体に定着し、画像を形成する。
本方式では、感光体上に形成された画像を一括して紙等に転写し、画像を形成する方式であるため、いわゆる中間転写方式とは異なり、画像を乱す要因となる転写の回数が1回で済み、画像品質を高くすることができる。
感光体に現像する方式としては、複数の現像が必要であることから、非接触現像が好ましい。又、現像に際しては交番電界を印加する方式も好ましい方式である。
又、前記した如く、現像方式としては、像形成体上に重ね合せカラー画像を形成し、一括転写する方式については非接触現像方式が好ましい。
2成分現像剤として使用することのできるキャリアの体積平均粒径は15〜100μm、より好ましくは25〜60μmのものがよい。キャリアの体積平均粒径の測定は、代表的には湿式分散機を備えたレーザ回折式粒度分布測定装置「ヘロス(HELOS)」(シンパティック(SYMPATEC社製)により測定することができる。
キャリアは、更に樹脂により被覆されているもの、あるいは樹脂中に磁性粒子を分散させた、いわゆる樹脂分散型キャリアが好ましい。コーティング用の樹脂組成としては、特に限定はないが、例えばオレフィン系、スチレン系、スチレン/アクリル系、シリコーン系、エステル系あるいは弗素含有重合体系樹脂等が用いられる。又、樹脂分散型キャリアを構成するための樹脂としては、特に限定されず公知のものを使用することができ、例えばスチレン/アクリル系、ポリエステル系、弗素系、フェノール系樹脂等を使用することができる。
本発明に使用される好適な定着方法としては、いわゆる接触加熱方式を挙げることができる。特に、接触加熱方式の代表的なものとして、熱ロール定着方式及び固定配置された加熱体を内包した回動する加圧部材により定着する圧接加熱定着方式を挙げることができる。
〈画像形成〉
本発明の電子写真用トナーを使用して現像・転写・定着を行う画像形成において、その転写から定着の状態は、転写材の上に転写された電子写真用トナーが、定着後においても、その着色粒子が崩壊せず、トナー粒子中に分散された状態で紙の表面に付着した状態である。
本発明においては、上記の様に着色粒子をトナー粒子中に分散させることにより、トナー粒子が高濃度の染料を含むにも拘わらず、染料がトナー粒子の表面に遊離しない(移行しない)ため、従来の様に、染料をそのまま熱可塑性樹脂中に分散もしくは溶解して得られた染料がトナー粒子表面に露出しているトナーの問題点である、1)帯電量が低い、2)高温高湿下及び低温低湿下での帯電量の差が大きい(環境依存性)、3)着色剤の種類、例えばフルカラー画像記録の様に、シアン、マゼンタ、イエロー、ブラックの各顔料を用いる場合の各色トナーについて、帯電量がばらつく等の問題を払拭することができる。又、転写材への熱定着の際、着色剤である染料の着色粒子外への移行(着色粒子表面への露出)が起こらないため、一般的な染料を使用したトナーにおいて問題となる熱定着時の染料の昇華やオイル汚染が生じることがない。
以下、実施例を挙げて本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
実施例1
以下の様に着色粒子を作製した。
〈着色粒子1の作製〉
純水200ml中にドデシル硫酸ナトリウムを溶解した水溶液に、比較染料(A−1)20gを添加し、撹拌及び超音波分散を行って着色剤分散液を予め調製した。更に低分子量ポリプロピレン(数平均分子量=3,200)を加熱しながら、界面活性剤により固形分濃度が30%となるように水中に乳化させた低分子量ポリプロピレン乳化分散液を調製した。次に着色剤分散液に、上記調製した低分子量ポリプロピレン乳化分散液60gを混合し、更にスチレンモノマー220g、ブチルアクリレートモノマー40g、メタクリル酸モノマー12g及び連鎖移動剤としてt−ドデシルメルカプタン5.4g、脱気処理した純水2,000mlを追加した後、窒素気流下にて撹拌を行いながら70℃で3時間保持し、乳化重合を行った。
得られた樹脂粒子分散液に水酸化ナトリウムを加えてpHを7.0に調整した後、2.7mol%の塩化カリウム水溶液を675ml添加し、更にi−プロピルアルコール400ml及びポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル(エチレンオキシド平均重合度=10)22.5gを純水168mlに溶解して添加し、75℃に保持して6時間撹拌しながら反応を行った。その後、6℃/分の条件で30℃まで冷却した。そして、この着色粒子の分散液から粒子を濾別し、粒子全体に対して質量比で10倍量のイオン交換水(pH=3)に再分散させて洗浄処理を行った後、洗浄水から着色粒子を濾別する工程を2回繰り返した後、イオン交換水のみで洗浄処理を行い、40℃の温風で乾燥して着色粒子を得た。このようにして得られた着色粒子を「着色粒子1」とする。
Figure 0005233120
〈着色粒子2の作製〉
着色粒子1の作製において、比較染料(A−1)をC.I.ピグメントレッド48:3(クラリアントジャパン社製)に変えた以外は、同様にして着色粒子を得た。このようにして得られた着色粒子を「着色粒子2」とする。
〈着色粒子3の作製〉
着色粒子1の作製において、比較染料(A−1)をC.I.ピグメントブルー15:3(大日本インキ社製)に変えた以外は、同様にして着色粒子を得た。このようにして得られた着色粒子を「着色粒子3」とする。
〈着色粒子4の作製〉
着色粒子1の作製において、比較染料(A−1)をD−1:9.09g及びMS−9:11.12gに変えた以外は、同様にして着色粒子を得た。このようにして得られた着色粒子を「着色粒子4」とする。
〈熱可塑性樹脂(ラテックス)の調製〉
攪拌装置、温度センサー、冷却管、窒素導入装置を取り付けた5,000mlのセパラブルフラスコに、予めアニオン系界面活性剤(ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム:SDS)7.08gをイオン交換水2,760gに溶解させた活性剤溶液(水系媒体)を仕込み、窒素気流下に230rpmの攪拌速度で攪拌しながら、内温を80℃に昇温させた。
一方、下記構造の離型剤72.0gを、スチレン115.1g、ブチルアクリレート42.0g、メタクリル酸10.9gから成る単量体混合液に添加し、80℃に加温し溶解させて単量体溶液を調製した。循環経路を有する機械式分散機により、前記活性剤溶液(80℃)中に前記単量体溶液(80℃)を混合・分散させ、均一な分散粒子径を有する乳化粒子(油滴)の分散液を調製した。次いで、この分散液に重合開始剤(過硫酸カリウム:KPS)0.84gをイオン交換水200gに溶解させた開始剤溶液を添加し、この系を80℃にて3時間に亘り加熱・攪拌することにより重合(第1段重合)を行い、ラテックスを調製した。次いで、このラテックスに重合開始剤(KPS)7.73gをイオン交換水240mlに溶解させた開始剤溶液を添加し、15分経過後、80℃でスチレン383.6g、ブチルアクリレート140.0g、メタクリル酸36.4g、t−ドデシルメルカプタン13.7gから成る単量体混合液を126分間かけて滴下した。滴下終了後、60分に亘り加熱・攪拌することにより重合(第2段重合)を行った後、40℃まで冷却しラテックスを得た。このラテックスを「ラテックス1」とする。
離型剤:C(CH2OCOC2143
〈着色粒子5の作製〉
D−1:7.27g、MS−9:8.90g及び200.0gの酢酸エチルをセパラブルフラスコに入れ、フラスコ内を窒素ガスで置換した後、攪拌して上記染料を完全溶解させた。次いで、界面活性剤EM−27C(花王社製)の27%液19.6gを含む水溶液340.0gに撹拌中に滴下した後、超音波分散機UH−600(S.M.T社製)を用いて300秒間乳化した。その後、減圧下で酢酸エチルを除去し、染料固体分散液を得た。得られた分散体中の着色粒子(着色粒子5)の平均粒子径は45nmであった。
前記熱可塑性樹脂(ラテックス)の調製で得られたラテックス1を1,250g、イオン交換水2000ml及び上記のようにして得られた着色粒子5の分散液を、温度センサー、冷却管、窒素導入装置、攪拌装置を取り付けた5リットルの四つ口フラスコに入れ攪拌した。内温を30℃に調整した後、この溶液に5molの水酸化ナトリウム水溶液を加え、pHを10.0に調整した。次いで、塩化マグネシウム6水和物52.6gをイオン交換水72mlに溶解した水溶液を、攪拌下、30℃にて10分間かけて添加した。3分間放置した後に昇温を開始し、この系を6分間かけて90℃まで昇温した(昇温速度=10℃/分)。その状態で、「コールターカウンターTA−II」にて会合粒子の粒径を測定し、体積平均粒径が6.5μmになった時点で、塩化ナトリウム115gをイオン交換水700mlに溶解した水溶液を添加して粒子成長を停止させ、更に液温度90℃±2℃にて6時間に亘り加熱・攪拌することにより融着を継続させた。その後、6℃/分の条件で30℃まで冷却した。そして、この会合粒子の分散液から会合粒子を濾別し、会合粒子全体に対して質量比で10倍の量のイオン交換水(pH=3)に再分散させて洗浄処理を行った後、洗浄水から会合粒子を濾別する工程を2回繰り返した後、イオン交換水のみで洗浄処理を行い、40℃の温風で乾燥して着色粒子を得た。このようにして得られた着色粒子を「着色粒子5」とする。
〈着色粒子6〜25の作製〉
着色粒子5の作製において、染料D−1及びMS−9を表3に示す様に変えた以外は、同様にして着色粒子を得た。このようにして得られた着色粒子を「着色粒子6〜25」とする。
〈着色粒子26の作製〉
着色粒子5の作製において、D−1及びMS−9を比較染料A−1:1.16gに変えた以外は、同様にして着色粒子の作製を試みたが、溶解性が低く分散時から析出が見られ、減圧下で酢酸エチルを除去する際に粗大結晶が析出し均一な染料固体分散液を得ることが出来なかった(平均粒径は360nm以上で分布幅の広いものであり、透明性が可成り低かった)のでトナー化できなかった。
Figure 0005233120
表中、*は一般式(1)と一般式(2)のモル比が1:2であることを表し、**は一般式(1)と一般式(2)のモル比が1:2.1であることを表し、***は一般式(1)と一般式(2)のモル比が1:2.5であることを表し、印のないものは一般式(1)と一般式(2)のモル比が1:1であることを表す。又、各着色粒子の平均粒子径(粒径)はマルバーン社製ゼータサイザーを用いて測定した体積平均粒子径である。
〈着色粒子分散体27の調製〉
13.5gのポリマー(P−1)、16.0gの比較染料(A−1)及び123.5gの酢酸エチルをセパラブルフラスコに入れ、フラスコ内を窒素ガスで置換した後、攪拌して上記染料を完全溶解させた。次いで、アクアロンKH−05(第一工業製薬社製)8.0gを含む水溶液238gを滴下して撹拌した後、クリアミックスWモーションCLM−0.8W(エムテクニック製)を用いて300秒間乳化した。その後、減圧下で酢酸エチルを除去し、染料を含浸するコア型着色粒子分散体を得た。この分散体中の着色粒子の平均粒子径は135nmであった。尚、平均粒子径はマルバーン社製ゼータサイザーを用いて測定した体積平均粒子径である。
〈着色粒子分散体28の調製〉
着色粒子分散体27で調製した染料を含浸するコア型着色粒子分散体に、更に0.5gの過硫酸カリウムを加え、ヒーターを付して70℃に加温した後、10.0gのMMA(メチルメタクリレート)を滴下しながら5時間反応させて、コア/シェル型の着色粒子分散体を得た。この分散体中の着色粒子の平均粒子径は146nmであった。尚、平均粒子径はマルバーン社製ゼータサイザーを用いて測定した体積平均粒子径である。
〈着色粒子分散体29の調製〉
13.5gのポリマー(P−1)、7.23gの染料(D−8)、9.32gの金属錯体化合物(MS−15)及び123.5gの酢酸エチルをセパラブルフラスコに入れ、フラスコ内を窒素ガスで置換した後、攪拌して上記染料を完全溶解させた。次いで、アクアロンKH−05(前出)8.0gを含む水溶液238gを滴下して撹拌した後、クリアミックスWモーションCLM−0.8W(前出)を用いて300秒間乳化した。その後、減圧下で酢酸エチルを除去し、染料を含浸するコア型着色粒子分散体を得た。この着色粒子分散体中の着色粒子の平均粒子径は30nmであった。
〈着色粒子分散体30の調製〉
着色粒子分散体29で調製した染料を含浸するコア型着色粒子分散体に、更に0.5gの過硫酸カリウムを加え、ヒーターを付して70℃に加温した後、10.0gのMMA(メチルメタクリレート)を滴下しながら5時間反応させて、コア/シェル型の着色粒子分散体を得た。この着色粒子分散体中の着色粒子の平均粒子径は34nmであった。尚、平均粒子径はマルバーン社製ゼータサイザーを用いて測定した体積平均粒子径である。
〈着色粒子分散体31の調製〉
着色粒子分散体29の調製において、アクアロンKH−05(前出)の量を1.0gに変えた以外は、同様にしてコア/シェル型の着色粒子分散体31を得た。この着色粒子分散体中の着色粒子の平均粒子径は110nmであった。
〈着色粒子分散体32〜40の調製〉
着色粒子分散体30の調製において、ポリマー(P−1)、染料(D−8)及び金属錯体化合物(MS−15)を表4に示す様に変えた以外は、同様にしてコア/シェル型の着色粒子分散体32〜40を得た。各着色粒子分散体中の着色粒子の平均粒子径は表4に示す。
Figure 0005233120
P−1:St/HEMA/SMA=30/40/30
P−2:St/HEMA/SMA=20/40/40
St:スチレン
HEMA:2−ヒドロキシエチルメタクリレート
SMA:ステアリルメタクリレート
MMA:メチルメタクリレート
AN:アクリロニトリル
〈着色粒子27の作製〉
前記熱可塑性樹脂の調製で得られたラテックス1:1,250g、イオン交換水2,000ml及び上記のように得られた着色粒子27の分散液とを、温度センサー、冷却管、窒素導入装置、攪拌装置を取り付けた5リットルの四つ口フラスコに入れ攪拌した。内温を30℃に調整した後、この溶液に5molの水酸化ナトリウム水溶液を加え、pHを10.0に調整した。次いで、塩化マグネシウム6水和物52.6gをイオン交換水72mlに溶解した水溶液を、攪拌下、30℃にて10分間かけて添加した。3分間放置した後に昇温を開始し、この系を6分間かけて90℃まで昇温した(昇温速度=10℃/分)。その状態で、「コールターカウンターTA−II」にて会合粒子の粒径を測定し、体積平均粒径が6.5μmになった時点で、塩化ナトリウム115gをイオン交換水700mlに溶解した水溶液を添加して粒子成長を停止させ、更に液温度90℃±2℃にて6時間に亘り加熱・攪拌することにより融着を継続させた。その後、6℃/分の条件で30℃まで冷却した。そして、この会合粒子の分散液から会合粒子を濾別し、会合粒子全体に対して質量比で10倍の量のイオン交換水(pH=3)に再分散させて洗浄処理を行った後、洗浄水から会合粒子を濾別する工程を2回繰り返した後、イオン交換水のみで洗浄処理を行い、40℃の温風で乾燥して着色粒子を得た。この様にして得られた着色粒子を「着色粒子27」とする。
〈着色粒子28〜40の作製〉
着色粒子27の作製において、着色粒子27の分散液を、それぞれ着色粒子28〜40の分散液に変えた以外は同様にして着色粒子を得た。このようにして得られた着色粒子を「着色粒子28〜40」とする。
〔現像剤の作製〕
以上のようにして得られた着色粒子1〜40の各々に、疎水性シリカ(数平均1次粒子径=12nm、疎水化度=68)を1質量%となる割合で添加すると共に、疎水性酸化チタン(数平均1次粒子径=20nm、疎水化度=63)を1.2質量%となる割合で、それぞれ添加し、ヘンシェルミキサーにより混合してトナーを得た。これらのトナーを着色粒子に対応して、それぞれ「トナー1」〜「トナー40」とする。
得られたトナーの各々とシリコーン樹脂を被覆した体積平均粒径60μmのフェライトキャリアとを混合し、トナー濃度が6%の現像剤を調製した。これらの現像剤をトナーに対応して、それぞれ「現像剤1〜40」とする。
〔現像、評価〕
以上のようにして得られた現像剤1〜37の各々について、定着器の構成が下記の構成に変更されたデジタル複写機「Konica7075」(コニカ社製)を用い、常温・常湿環境下(温度25℃、RH55%)で紙及びOHP上に実写テストを行うことにより、色域(色再現性)、透明性、帯電性、耐オフセット性、耐熱性、耐光性及び耐熱湿性について評価を行った。現像条件は以下に示す通りである。
(現像条件)
感光体表面電位:−700V
DCバイアス:−500V
Dsd(感光体と現像スリーブ間距離):600μm
現像剤層規制:磁性H−Cut方式
現像剤層厚:700μm、現像スリーブ径:40mm
(定着器)
定着器としては熱ロール定着方式のものを用いた。具体的には中央部にヒーターを内蔵するアルミ合金からなる円筒状(内径=40mm、肉厚=1.0mm、全幅=310mm)の芯金表面を、テトラフルオロエチレン/パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体(PFA)の厚み120μmのチューブで被覆することにより加熱ローラーを構成し、鉄から成る円筒状(内径=40mm、肉厚=2.0mm)の芯金表面を、スポンジ状シリコーンゴム(アスカーC硬度48、厚み2mm)で被覆することにより加圧ローラーを構成し、当該加熱ローラーと当該加圧ローラーとを150Nの荷重により当接させて5.8mm幅のニップを形成させた。この定着装置を使用して、印字の線速を480mm/secに設定した。尚、定着装置のクリーニング機構として、ポリジフェニルシリコーン(20℃の粘度が10Pa・sのもの)を含浸したウェッブ方式の供給方式を使用した。定着温度は加熱ローラーの表面温度で制御した(設定温度175℃)。尚、シリコーンオイルの塗布量は0.1mg/A4とした。
《色再現性》
コピー用紙上の単色画像の色再現性を、10人のモニターによる目視評価により下記評価基準に従って評価した。尚、トナー付着量は0.7±0.05mg/cm2の範囲で評価した。
◎:色再現性が特に優れている
○:色再現性に優れている
△:多少の色汚染があるが、実用上問題ないレベルである
×:色汚染大で画像品質上問題あり。
《透明性》
画像の透明性については、透過画像(OHP画像)を作成し、定着された画像について、日立製作所製:330型自記分光光度計によりトナーが担持されていないOHPシートをリファレンスとして画像の可視分光透過率を測定し、イエロートナーでは650nmと450nmでの分光透過率の差、マゼンタトナーでは650nmと550nmでの分光透過率の差、シアントナーでは500nmと600nmでの分光透過率の差を求め、OHP画像の透過性を下記のようにランク評価した。この値が70%以上である場合、良好な透過性であると判断し得る。尚、トナー付着量は0.7±0.05mg/cm2の範囲で評価した。
◎:90%以上
○:80%〜90%未満
△:70%〜80%未満
×:70%未満。
《帯電性》
現像剤をセットして1枚目の画像を出した時の帯電量をQa、100万枚の画像を出した時の帯電量をQbとし、Qb/Qaの値を下記評価基準に従って評価した。
◎:0.9以上1.1未満
○:0.8以上0.9未満、又は1.1以上1.2未満
△:0.7以上0.8未満、又は1.2以上1.3未満
×:0.7未満又は1.3以上。
《耐オフセット性》
耐オフセット性については、搬送方向に対して垂直方向に5mm幅のベタ帯状画像を有するA4のコピー用紙を縦送りで1万枚搬送・定着した後に、搬送方向に対して垂直に20mm幅のハーフトーン画像を有するA4画像を横送りで1万枚連続して搬送し、一旦休止する。一晩機械を停止した後に、再度機械を立ち上げ、最初の一枚目に発生する定着オフセット現象による画像汚れの有無を下記評価基準に従って目視評価した。
◎:画像上に汚れの発生無し
○:画像上に極く軽微な汚れが発生あるも、実用上問題無し
×:画像上に汚れがあり、実用に適さない。
《耐熱性》
定着ローラーと回収されたシリコーンオイルを観察し、着色を下記評価基準に従って目視評価した。
○:定着ローラー及びシリコーンオイルの着色が無い
×:定着ローラー及びシリコーンオイルの着色がある。
《耐光性》
耐光性については、記録した直後の画像濃度Ciを測定した後、ウェザーメーター(アトラス社製C.165)を用いて、画像にキセノン光(7万ルクス)を10日間照射した後、再び画像濃度Cfを測定し、キセノン光照射前後の画像濃度の差から染料残存率({(Ci−Cf)/Ci}×100%)を算出し、評価した。画像濃度は反射濃度計(X−Rite310TR)を用いて測定した。
◎◎:染料残存率が98%以上
◎:染料残存率が95〜98%
○:染料残存率が90〜95%未満
△:染料残存率が80〜90%未満
×:染料残存率が80%未満。
《耐熱湿性》
耐熱湿性については、記録した直後の画像濃度Ciを測定し、50℃・80%RHの条件化で10日間保存した後、再び画像濃度Cfを測定し、前後の画像濃度の差から染料残存率({(Ci−Cf)/Ci}×100%)を算出し、評価した。画像濃度は反射濃度計(X−Rite310TR)を用いて測定した。又、目視により色の変化を観察した。
◎◎:染料残存率が95%以上
◎:染料残存率が90〜95%
○:染料残存率が80〜90%未満
△:染料残存率が80%未満で目視により若干色が濁って見える
×:染料残存率が80%未満で目視により色が濁って見える。
評価結果を纏めて表5及び6に示す。
Figure 0005233120
Figure 0005233120
結果から明らかなように、本発明に係る電子写真用トナーを用いた現像剤4〜25及び29〜40によれば、優れた色再現性、透明性、帯電性、耐オフセット性が得られ、画質の高い画像を確実に形成することができる。特に固体分散法よりも液中乾燥法を用いたものが良い傾向を示し、Ni及びCu化合物を添加すると良好である。又、一般式(2)の化合物を1〜2倍モル添加した系では粒径も小さく良好な結果が得られた。更に、熱可塑性樹脂とは異なる組成の樹脂を含有することで帯電性が向上していることが判る。又、定着ローラーと回収されたシリコーンオイルの観察においても、染料による着色は全くなく、耐熱性にも優れることが判る。又、耐光性及び耐熱湿性も良好であった。
実施例2
合成例5と同様にキレート染料を合成し(表7参照)、キレート染料50mg、スチレン/アクリル樹脂50mg、メチルエチルケトン/シクロヘキサノン=9/1溶液2mlを混合し、RC紙上にワイヤーバー塗布した。反射濃度が1.0である部分を1cm角にサンプリングし、画像濃度Ciを測定した後、ウェザーメーター(アトラスC.165)を用いて、画像にキセノン光(7万ルクス)を7日間照射した後、再び画像濃度Cfを測定し、キセノン光照射前後の画像濃度の差から染料残存率({(Ci−Cf)/Ci}×100%)を算出し、評価した。画像濃度は反射濃度計(X−Rite310TR)を用いて測定した。評価結果を下記表7に示す。
◎◎:染料残存率が98%以上
◎:染料残存率が95%〜98%未満
○:染料残存率が90%〜95%未満
△:染料残存率が80%〜90%未満
×:染料残存率が80%未満。
Figure 0005233120
表7より明らかなように、比較染料に対して、本発明の一般式(1)においてR12及びR13で形成される5〜6員環が一般式(3−2)で表されるスクアリリウム染料及びそのキレート染料であると良好な耐光性を示すことが判る。実施例1から、これらの染料が良好な色調を示すことも明らかであり、カラートナー以外の用途においても有効な化合物であることが期待できる。
熱可塑性樹脂中に着色粒子を分散させたトナー粒子の断面を模式的に表した図である。 内部(コア)を外殻樹脂(シェル)で被覆してなるコアシェル構造の着色粒子の断面を模式的に表した図である。
符号の説明
1 トナー粒子
2 熱可塑性樹脂
3 着色粒子
4 樹脂
5 染料
6 内部(コア)
7 外殻樹脂(シェル)

Claims (15)

  1. 熱可塑性樹脂中に着色粒子を分散して成る電子写真用トナーにおいて、該着色粒子が下記一般式(1)で表される染料及び下記一般式(2)で表される金属化合物を含有することを特徴とする電子写真用トナー。
    Figure 0005233120
    〔式中、Qは5又は6員の含窒素複素環を形成するために必要な原子団を表し、Qは更に縮環しても置換基を有してもよい。L、L、L、L及びLは各々、無置換又は置換基を有するメチン基を表し、n1は0又は1を表し、n2は0又は1である。R、R12及びR13は各々、水素原子又は置換基を表し、R12及びR13で5又は6員の環を形成してもよい。ただし、R12及びR13の少なくとも一つは、下記一般式(2)のMで表される金属の2価イオンとキレート化可能な基を有する置換基である。R11は−OR14又は−N(R15)R16を表し、R14はアルキル基、アリール基及び複素環基を表し、R15及びR16は各々、水素原子又は置換基を表す。〕
    一般式(2) M(X(X・(W
    〔式中、MはNi、Co、Zn又はCuの2価イオンを表し、X及びXは各々、1又は2座配位子を表し、XとXで連結してもよい。m、l及びsは各々0〜2の整数を表すが、m+l>1である。(Wは電荷を中和させるのに必要な対イオンを表す。〕
  2. 前記一般式(1)において、R12及びR13で5又は6員環を形成することを特徴とする請求項1記載の電子写真用トナー。
  3. 前記一般式(1)において、R12及びR13で形成する環が下記一般式(3)で表されることを特徴とする請求項1又は2記載の電子写真用トナー。
    Figure 0005233120
    〔式中、Yは−O−又は=NR33を表し、R31、R32及びR33は各々、置換基を表すが、少なくとも一つはキレート化可能な基を有し、R32とR33で結合して5又は6員環を形成してもよく、*でスクアリン酸構造と結合する。〕
  4. 前記一般式(1)において、R12及びR13で形成される環が下記一般式(4)で表されることを特徴とする請求項1又は2記載の電子写真用トナー。
    Figure 0005233120
    〔式中、R41及びR42は置換基を表し、少なくとも一つはキレート化可能な基を有し、*でスクアリン酸構造と結合する。〕
  5. 前記一般式(1)において、R12及びR13で形成される環が下記一般式(5)で表されることを特徴とする請求項1又は2記載の電子写真用トナー。
    Figure 0005233120
    〔式中、R51〜R54は各々、水素原子又は置換基を表し、少なくとも一つはキレート化可能な基を有し、R51とR52又はR53とR54で結合して5又は6員環を形成してもよく、*でスクアリン酸構造と結合する。〕
  6. 前記一般式(1)において、キレート化可能な基が下記一般式(6)で表されることを特徴とする請求項1〜5の何れか1項記載の電子写真用トナー。
    Figure 0005233120
    〔式中、Wは=N−又は=C(OR61)−を表し、Zは5又は6員環を形成するために必要な原子団を表し、置換基を有してもよく、R61は置換基を表し、*でスクアリン酸構造と結合する。〕
  7. 着色粒子の平均粒子径が10〜100nmであることを特徴とする請求項1〜6の何れか1項記載の電子写真用トナー。
  8. 前記一般式(2)において、X又はXで表される配位子の少なくとも一つが下記一般式(7)で表されることを特徴とする請求項1〜7の何れか1項記載の電子写真用トナー。
    Figure 0005233120
    〔式中、Eは置換基を表し、Eはハメット置換基定数(σp)が0.1〜0.9の電子吸引性基を表し、R71は、それぞれ置換基を有してもよいアルキル基、アリール基、複素環基、アルコキシ基、アリールオキシ基又はアミノ基を表す。〕
  9. 前記一般式(7)において、Eのハメット置換基定数(σp)が0.1〜0.9の電子吸引性基であることを特徴とする請求項8記載の電子写真用トナー。
  10. 前記一般式(2)において、Mで表される2価の金属イオンがCuイオンであることを特徴とする請求項1〜9の何れか1項記載の電子写真用トナー。
  11. 前記一般式(2)で表される金属化合物の添加量が、前記一般式(1)で表される染料に対して1〜2倍モルであることを特徴とする請求項1〜10の何れか1項記載の電子写真用トナー。
  12. 着色粒子が、熱可塑性樹脂とは異なる組成の樹脂を含有して成ることを特徴とする請求項1〜11の何れか1項記載の電子写真用トナー。
  13. 着色粒子が、熱可塑性樹脂、一般式(1)で表される染料及び一般式(2)で表される化合物を含有して成るコアと、コアを被覆する外殻樹脂(シェル)から成ることを特徴とする請求項12記載の電子写真用トナー。
  14. 着色粒子の外殻樹脂がアクリレート又はメタクリレート系樹脂であることを特徴とする請求項13記載の電子写真用トナー。
  15. 静電画像担持体上に形成した静電荷像をトナーにより現像する工程、及び現像により形成したトナー画像を転写材上に転写する工程を少なくとも含む画像形成方法において、該トナーとして請求項1〜14の何れか1項記載の電子写真用トナーを用いることを特徴とする画像形成方法。
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