JP2022189634A - 画像形成装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】不可視画像を形成する第一動作と光沢可視画像を形成する第二動作とを行う場合のコスト高の問題を解消する。【解決手段】可視トナーY,M,Cを用いた可視画像と不可視トナーIRを用いた不可視画像とを記録材上に形成可能な画像形成装置であって、不可視画像情報に基づいて不可視トナーにより不可視画像を形成する第一動作と、可視画像情報に基づいて可視トナー及び光沢トナーにより光沢可視画像を形成する第二動作とを制御する制御手段30を有し、前記第二動作で用いられる前記光沢トナーは、前記第一動作で用いられる前記不可視トナーである。【選択図】図9

Description

本発明は、画像形成装置に関するものである。
従来、可視トナーを用いた可視画像と不可視トナーを用いた不可視画像とを記録材上に形成可能な画像形成装置が知られている。
例えば、特許文献1には、カラートナー(可視トナー)及び黒トナー(可視トナー)を用いたフルカラー画像(可視画像)と、透明性の赤外光吸収トナー(不可視トナー)を用いた視認困難画像(不可視画像)とを形成可能な画像形成装置が開示されている。
近年の画像形成装置では、可視トナーにより通常の可視画像を形成する動作のほか、上述した不可視トナーにより不可視画像を形成する動作や、可視トナー及び光沢トナーにより通常の可視画像よりも光沢度を高めた光沢可視画像を形成する動作を行う場合がある。しかしながら、これらの動作を単一の画像形成装置で行う場合には、コスト高になるといった課題があった。
上述した課題を解決するために、本発明は、可視トナーを用いた可視画像と不可視トナーを用いた不可視画像とを記録材上に形成可能な画像形成装置であって、不可視画像情報に基づいて不可視トナーにより不可視画像を形成する第一動作と、可視画像情報に基づいて可視トナー及び光沢トナーにより光沢可視画像を形成する第二動作とを制御する制御手段を有し、前記第二動作で用いられる前記光沢トナーは、前記第一動作で用いられる前記不可視トナーであることを特徴とする。
本発明によれば、不可視画像を形成する第一動作と光沢可視画像を形成する第二動作とを行う場合のコスト高の問題を解消した画像形成装置を提供できる。
実施形態に係るプリンタの全体構成を示す説明図。 (a)は、同プリンタにおける片面印刷用の用紙搬送動作を説明するための説明図。(b)は、同プリンタにおける両面印刷用の用紙搬送動作を説明するための説明図。(c)は、同プリンタにおける片面2回転写の用紙搬送動作を説明するための説明図。 同プリンタにおける通常モードの制御に関わるブロック図。 同プリンタにおける不可視画像モードの制御に関わるブロック図。 同プリンタにおける光沢画像モードの制御に関わるブロック図。 実施形態における画像形成動作の流れを示すフローチャート。 用紙上において、可視画像を構成するY、M、Cトナー(カラートナー)の上にIRトナーが重なっている様子を示す模式図。 (a)及び(b)は、用紙上において、可視画像を構成するY、M、Cトナー(カラートナー)のうちの少なくとも1つがIRトナーの上に重なっている様子を示す模式図。 (a)は、IR用プロセスユニット6IRが中間転写ベルト12の走行方向最下流側のユニット保持部に装着されている場合における不可視画像モードの動作内容を説明するための説明図。(b)は、IR用プロセスユニット6IRが中間転写ベルト12の走行方向最下流側のユニット保持部に装着されている場合における光沢画像モードの動作内容を説明するための説明図。 (a)は、IR用プロセスユニット6IRが中間転写ベルト12の走行方向最上流側のユニット保持部に装着されている場合における光沢画像モードの動作内容を説明するための説明図。(b)は、IR用プロセスユニット6IRが中間転写ベルト12の走行方向最上流側のユニット保持部に装着されている場合における不可視画像モードの動作内容を説明するための説明図。
以下、本発明を、画像形成装置であるカラープリンタ(以下「プリンタ」という。)に適用した一実施形態について、図面を参照して説明する。
なお、画像形成装置としては、プリンタ以外にも、複写機、ファクシミリ単体、あるいは、プリンタ、複写機、ファクシミリ、スキャナのうちの少なくとも2つの機能を備えた複合機であってもよい。
本実施形態のプリンタは、可視トナーとしてのイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、黒(K)トナーのそれぞれを用いて画像形成を行う画像形成部としての4つのプロセスユニットを備えている。これらのプロセスユニットのうちのK用プロセスユニットは、不可視トナーとしての透明性トナーである赤外光吸収トナー(IRトナー)を用いて画像形成を行う画像形成部としてのIR用プロセスユニットと入れ替えて交換することができる。
赤外光吸収トナー等の不可視トナーによって記録材上に形成される不可視画像とは、人間の目で全く視認できない画像だけでなく、通常の可視画像と比較して視認が困難な視認困難画像も含む。不可視画像は、例えば、画像中に付加情報を埋め込む場合に使用される。具体例としては、不正コピー防止等の目的で、黒トナーやカラートナーによる可視画像とともに形成される、不可視パターン、地紋などと呼ばれる目視で認識しにくい不可視画像(人間が一見しても視認できない「COPY」等の文字画像)が挙げられる。また、例えば、QRコード(登録商標)等のコード画像の情報量を増やす目的で、可視画像であるコード画像と不可視画像によるコード画像とを重ねて記録材に形成する場合に利用される。
不可視画像とは、例えば、通常の可視トナー(カラートナー、黒トナー)よりも可視光下で発色を抑制されているような透明性の高い不可視トナー(透明性トナー)によって形成される画像である。また、不可視トナーは、当該不可視トナーによる不可視画像が記録材上に形成されたときに視認できない又は視認困難な状態になるトナーである。不可視トナーの具体例としては、透明性を有する赤外光吸収トナーや、紫外線を当てると蛍光する透明性の蛍光トナーなど、可視光領域外の光を吸収したり、可視光領域外の光によって可視光領域の光を発光したりするものが挙げられる。本実施形態は、不可視トナーとして、上述したように赤外光吸収トナーを用いる例で説明する。
以下の説明において、各部材のトナー別符号として、イエロートナー(Yトナー)は「Y」、マゼンタトナー(Mトナー)は「M」、シアントナー(Cトナー)は「C」、黒トナー(Kトナー)は「K」、赤外光吸収トナー(IRトナー)は「IR」を用いる。
まず、本実施形態に係るプリンタの全体構成及び動作について説明する。
図1は、本実施形態に係るプリンタの全体構成を示す説明図である。
本実施形態のプリンタは、画像形成部1と、転写部2と、記録材供給部3と、定着部4と、記録材排出部5と、制御部30と、画像形成制御部40とから、主に構成されている。
画像形成部1には、画像形成部である交換ユニットとしての4つのプロセスユニット6を保持するための4つのユニット保持部が設けられている。そのうちの3つのユニット保持部は、カラートナーに対応する3つのプロセスユニット6Y,6M,6Cにそれぞれ対応したものである。残りの1つのユニット保持部は、K用プロセスユニット6K及びIR用プロセスユニット6IRに対応したものであり、いずれかのプロセスユニット6K,6IRが選択的に装着されて保持する。なお、図1には、ユニット保持部に対し、K用プロセスユニット6Kではなく、IR用プロセスユニット6IRを装着して保持させた例が図示されている。各プロセスユニット6Y,6M,6C,6K,6IRは、使用するトナーの種類が異なる以外は同様の構成となっている。
本実施形態のプリンタは、ユニット保持部が4つであるため、上述した5つのプロセスユニット6Y,6M,6C,6K,6IRに対応する5つのユニット保持部を備えたプリンタよりも、小型化が実現される。すなわち、4つのユニット保持部をもつ小型のプリンタで、Y、M、C、Kのトナーによるフルカラー画像(カラー黒可視画像)の形成と、Y、M、C、IRのトナーによるフルカラー画像(カラー可視画像)及びIR画像(不可視画像)の形成とを両立できる。また、後述するように、本実施形態では、IRトナーを光沢トナーとして用いることで、Y、M、C、IRのトナーによる光沢フルカラー画像(光沢可視画像)の形成を行うこともできる。
また、すべてのプロセスユニットを着脱可能とし、プロセスユニットを装着する位置(ユニット保持部)を互いに入れ替えることができるようにしてもよい。この場合、IRのプロセスユニットの位置を入れ替えることで、記録材上におけるIRトナー像と各カラートナー像との位置関係(トナー像積層方向における位置関係)を適宜入れ替えることが可能となる。本実施形態では、中間転写ベルト12の走行方向最下流側のユニット保持部と最上流側のユニット保持部とに装着可能なプロセスユニット6を互いに入れ替えて装着することが可能である。
本実施形態において、各プロセスユニット6Y,6M,6C,6K,6IRは、潜像を担持する潜像担持体としての感光体7と、感光体7の表面を帯電させる帯電手段としての帯電ローラ8と、感光体7上の潜像を現像する現像手段としての現像装置9と、感光体7の表面をクリーニングする潜像担持体クリーニング手段としての感光体クリーニング装置10などで構成されている。各感光体7に対向した位置には、それぞれ、感光体7の表面に潜像を形成する潜像形成手段としての露光装置11が設けられている。本実施形態では、露光装置11としてLEDユニットを用いているが、レーザダイオードを用いたレーザビームスキャン方式のものが用いられてもよい。
転写部2には、感光体7上のトナー像が転写される中間転写体としての無端状の中間転写ベルト12と、感光体7上の画像を中間転写ベルト12に一次転写する一次転写手段としての複数の一次転写ローラ13と、中間転写ベルト12に転写されたトナー像を記録材に二次転写する二次転写手段としての二次転写ローラ14と、中間転写ベルト12の表面(外周面)をクリーニングする中間転写体クリーニング手段としてのベルトクリーニング装置17とが配置されている。
中間転写ベルト12は、駆動ローラ15と従動ローラ16とに張架されており、駆動ローラ15が回転することで周回走行(回転)する。各一次転写ローラ13は、中間転写ベルト12を各感光体7に押し当てるように配置されている。これにより、中間転写ベルト12と各感光体7との接触箇所には、各感光体7上の画像が中間転写ベルト12に転写される一次転写ニップが形成される。一方、二次転写ローラ14は、駆動ローラ15に巻き付いた中間転写ベルト12の部分に接触するように配置されている。この二次転写ローラ14と中間転写ベルト12とが接触する箇所には、中間転写ベルト12上の画像が記録材に転写される二次転写ニップが形成される。
記録材供給部3には、記録材としての用紙Pを収容する記録材収容部としての給紙カセット18と、給紙カセット18から用紙Pを給送する記録材給送手段としての給紙ローラ19と、給紙ローラ19によって給送された用紙Pを所定のタイミングで前記二次転写ニップへ搬送する記録材搬送手段としてのタイミングローラ対20が配置されている。なお、記録材は、用紙以外に、OHPシートやOHPフィルム、布等であってもよい。また、用紙には、普通紙のほか、厚紙、はがき、封筒、薄紙、塗工紙(コート紙やアート紙等)、和紙等の凹凸紙、トレーシングペーパ等が含まれる。
定着部4には、用紙Pに画像を定着する定着手段としての定着装置21が配置されている。定着装置21は、ヒータ等の加熱源によって加熱される定着部材としての定着ローラ22と、定着ローラ22に対して所定の圧力で接触して定着ニップを形成する加圧部材としての加圧ローラ23とから主に構成されている。
記録材排出部5には、定着装置21から送り出された用紙Pを装置外に排出する記録材排出手段としての排紙ローラ対24と、排紙ローラ対24によって排出された用紙Pを載置する記録材載置部としての排紙トレイ25とが配置されている。
制御部30は、読取装置(スキャナ)やパソコン等からの入力画像情報に対する画像処理を行い、また、プリンタ全体の制御を担うものである。
また、画像形成制御部40は、制御部30の制御の下、プリンタの各部(画像形成部1、転写部2、記録材供給部3、定着部4、記録材排出部5等)における画像形成動作を制御するものである。
また、本実施形態のプリンタには、上述の各構成要素に加え、画像形成に用いられる粉体であるトナーを収容するトナー収容器としての複数のトナーカートリッジ26Y,26M,26C,26K,26IRを着脱可能に保持する容器保持部材102が設けられている。この容器保持部材102には、4つのトナー収容器保持部が設けられ、各トナー収容器保持部にそれぞれ対応するトナーカートリッジが装着され保持される。なお、図1には、トナー収容器保持部に対し、K用トナーカートリッジ26Kではなく、IR用トナーカートリッジ26IRを装着して保持させた例が図示されている。
各トナーカートリッジ26Y,26M,26C,26K,26IRは、上述した各6Y,6M,6C,6K,6IRの現像装置9内のトナーと同じ種類(色)のトナーが、それぞれに収容されている。容器保持部材102の4つのトナー収容器保持部には、それぞれ、4つのユニット保持部に装着されているプロセスユニット6のトナーに対応するトナーカートリッジ26が装着されている。装着されているプロセスユニット6の現像装置9内のトナーが所定量を下回ると、対応するトナー収容器保持部に装着されたトナーカートリッジ26から同じ種類のトナーが補給される。
また、本実施形態のプリンタには、廃トナー収容容器27が装着されている。この廃トナー収容容器27には、ベルトクリーニング装置17あるいは感光体クリーニング装置10によって回収された廃トナーが収容される。
また、図1に示すように、本実施形態のプリンタは、装置本体(画像形成装置本体)100の上部を開閉するためのカバー部材101を備える。カバー部材101は、装置本体100に設けられた回動軸103を中心に上下に回動可能となっている。また、カバー部材101の下方には、4つのトナーカートリッジ26を着脱可能にトナー収容器保持部に保持する容器保持部材102が配置されている。容器保持部材102は、装置本体100に設けられた別の回動軸104を中心に上下に回動可能となっている。
図1に示すように、最下流のユニット保持部にIR用プロセスユニット6IRが装着されている場合、IRのプロセスユニット6IRが中間転写ベルト12の走行方向最下流側に配置され、その上流側にカラーのプロセスユニット6Y,6M,6Cが配置される。この場合、中間転写ベルト12上では、ベルト側から順に、Yトナー像、Mトナー像、Cトナー像、IRトナー像が積層される。そして、これを二次転写した後の記録材上におけるトナー像の重ね順は、記録材側から順に、IRトナー像、Cトナー像、Mトナー像、Yトナー像の順となる。
IRトナー像をカラートナー像よりも記録材側に形成することで、IRトナー像がカラートナー像に隠れ、IRトナー像による不可視画像の不視認性を高めやすい。ただし、不可視画像を形成する場合において、カラーのプロセスユニット6Y,6M,6Cに対してIRのプロセスユニット6IRをどこに配置するのかは適宜変更可能である。また、上述したように、プロセスユニット6Y,6M,6C,6IRの装着位置を互いに入れ替えることができる構成とした場合には、IRのプロセスユニットの位置を自由に入れ替えることができる。
また、本実施形態のプリンタは、Y、M、C、K、IRの各トナーの付着量(単位面積当たりのトナー付着量)を調整して各トナーによる画像濃度の調整を行う。詳しくは、中間転写ベルト12上に形成されるY、M、C、K、IRの各トナーのテストトナー像(異なる目標濃度となるように作像された複数のトナーパッチ)のトナー付着量を検知するためのトナー付着量検知センサが設けられている。このトナー付着量検知センサで検知した結果から、所望の濃度に対して所望のトナーが付着するように、Y、M、C、K、IRの各プロセスユニットにおける作像条件(画像形成条件)等が調整される。
本実施形態のトナー付着量検知センサは、Y、M、C、K、IRの各テストトナー像に対して共通に使用されるものでもよいし、Y、M、C、K、IRの各テストトナー像に対して個別に使用されるものでもよい。本実施形態のトナー付着量検知センサは、テストトナー像へ光を照射し、当該テストトナー像からの正反射光及び拡散反射光を受光する光学式の画像濃度センサ(光学センサ)である。Y、M、Cのカラートナーについては、正反射光および拡散反射光の両方の受光量に基づいてテストトナー像のトナー付着量(テストトナー像の画像濃度)が検出される。ただし、Kトナーについては、正反射光の受光量のみに基づいてテストトナー像のトナー付着量(テストトナー像の画像濃度)が検出される。
一方、本実施形態のIRトナーは、定着処理後は不可視画像(例えば、目視しにくい画像、あるいは、可視光領域内に吸収ピークを実質的に持たない画像)となる。しかしながら、IRトナーは、定着処理前の中間転写ベルト12上で可視画像(目視できる画像、あるいは、可視光領域内に吸収ピークを実質的に持つ画像)である場合には、C、M、Y、Kと同様のトナー付着量検知センサを用いることができる。本実施形態においては、Kのテスト像とIRのテストトナー像については、共通のトナー付着量検知センサが用いられる。ただし、IRトナーのテストトナー像については、正反射光のみを取得してテストトナー像のトナー付着量を検知するよりも、正反射光および拡散反射光の両方を取得してテスト像のトナー付着量を検知する方が、高精度のトナー付着量検知を実現できる。
続いて、本実施形態のプリンタの基本的な動作について説明する。
画像形成動作が開始されると、各感光体7が回転駆動され、帯電ローラ8によって各感光体7の表面が所定の極性に一様に帯電される。次いで、読取装置(スキャナ)やパソコン等からの入力画像情報に基づき、露光装置11が各感光体7の帯電面にレーザ光を照射し、潜像(静電潜像)を形成する。
各感光体7上に形成される潜像は、所望のフルカラー画像をY、M、Cの色情報に分解した単色の画像情報(可視画像情報)に基づく潜像である。詳しくは、入力画像情報の色情報(RGB、YCM等)を、当該プリンタ用の色情報(YMC)へ変換・分解するための色変換分解テーブルを用い、入力画像情報を、Y、M、Cの色情報に変換、分解した単色の画像情報が生成される。そして、Y、M、C用の各露光装置11は、Y、M、Cの各色の画像情報に基づいてそれぞれの感光体7上に各色の潜像を形成する。
なお、K用プロセスユニット6Kが装着されている場合には、Y、M、Cの単色の画像情報を生成した後、更に、Kの色情報を抽出した単色の画像情報を生成するとともに、Y、M、Cの単色の画像情報の修正を行う。この処理は、UCR(Under Color Removal)等のようにKの画像情報を生成する処理であり、Y、M、Cのトナーが重ね合わさって表現される黒色あるいはグレー色の画像情報を、Kの画像情報に置き換えるものである。Kに対応する露光装置11(IRに対応する露光装置11と共用)は、Kの画像情報に基づいてK用プロセスユニット6Kの感光体7上にKの潜像を形成する。
また、本実施形態では、入力画像情報に含まれる付加情報や当該プリンタによって付加される付加情報等に基づいて不可視画像を形成する場合、その付加情報からIRの画像情報(不可視画像情報)が生成される。入力画像情報に含まれる付加情報は、パソコン上のアプリケーションによって付加される情報でもよいし、パソコン上のプリントドライバによって付加される情報でもよい。IR用プロセスユニット6IRが装着されている場合、IRに対応する露光装置11(Kに対応する露光装置11と共用)は、IRの画像情報に基づいてIR用プロセスユニット6IRの感光体7上にIRの潜像を形成する。
また、本実施形態では、入力画像情報に光沢可視画像を形成する旨の光沢情報が含まれている場合には、光沢可視画像を形成する。なお、光沢可視画像を形成する条件は、例えば、ユーザー操作により光沢可視画像を形成することが選択された場合などであってもよい。本実施形態では、光沢トナーとして、上述した不可視画像を形成するためのIRトナー(不可視トナー)が使用される。このとき、IRトナーは可視画像のトナー付着部分全体を覆うように付着されるため、このときのIRの画像情報(不可視画像を形成するための不可視画像情報ではない)は、可視画像情報に基づいて生成される。
K用プロセスユニット6Kが装着されている場合、感光体7上に形成されたY、C、M、Kの各潜像には、それぞれの現像装置9からトナーが供給されて、Y、C、M、Kのトナー像に現像される。各感光体7上のトナー像は、周回走行する中間転写ベルト12上に順次重ね合せて転写される。詳しくは、感光体7上のトナー像が一次転写ニップの位置に達すると、一次転写ローラ13に所定の電圧が印加されて形成される転写電界によって、感光体7上のトナー像が中間転写ベルト12上に順次転写される。このようにして、中間転写ベルト12の表面には、Y、C、M、Kトナーからなるフルカラートナー像(可視像)が形成される。なお、中間転写ベルト12に転写しきれなかった各感光体7上のトナーは、感光体クリーニング装置10によって除去される。
一方、IR用プロセスユニット6IRが装着されている場合、感光体7上に形成されたY、C、M、IRの各潜像には、それぞれの現像装置9からトナーが供給されて、Y、C、M、IRのトナー像に現像される。各感光体7上のトナー像は、上述と同様に、周回走行する中間転写ベルト12上に順次重ね合せて転写される。このようにして、中間転写ベルト12の表面には、Y、C、Mからなるフルカラートナー像(可視トナー像)及びIRトナーからなるIRトナー像(不可視トナー像)が形成される。なお、中間転写ベルト12に転写しきれなかった各感光体7上のトナーは、上述と同様、感光体クリーニング装置10によって除去される。
また、画像形成動作が開始されると、給紙ローラ19が回転して、給紙カセット18から用紙Pが給送される。給送された用紙Pは、タイミングローラ対20によって搬送が一旦停止される。その後、所定のタイミングでタイミングローラ対20の回転駆動が開始され、中間転写ベルト12上のトナー像が二次転写ニップに達するタイミングに合わせて、用紙Pが二次転写ニップへ搬送される。
用紙Pが二次転写ニップに搬送された際、二次転写ローラ14には所定の電圧が印加されており、二次転写ニップに転写電界が形成されている。そして、この二次転写ニップに形成された転写電界によって、中間転写ベルト12上のトナー像が用紙Pに一括して転写される。また、このとき、中間転写ベルト12上に残ったトナーはベルトクリーニング装置17によって除去される。
その後、用紙Pは定着装置21へと搬送され、定着ローラ22と加圧ローラ23によってトナー像が加熱されつつ加圧されて用紙Pに定着される。そして、用紙Pは排紙ローラ対24によって装置外に排出され、排紙トレイ25上に載置される。
図2(a)~(c)は、本プリンタにおける用紙Pの搬送方法を説明するための説明図である。
用紙Pの片面のみに画像形成する場合には、図2(a)に示すように、給紙カセット18から給送される用紙Pは、タイミングローラ対20を通って、二次転写ニップでトナー像が転写され、定着部4を通過した後、排紙ローラ対24によって装置外に排出される。すなわち、用紙Pの順路は、図2(a)に示す符号A、B、Cの順となる。
また、用紙Pの両面に画像形成する場合、図2(b)に示すように、給紙カセット18から給送される用紙Pは、タイミングローラ対20を通って、二次転写ニップでトナー像が転写され、定着部4を通過する。その後、排紙ローラ対24の一方のローラと反転路の入口ローラ対41の一方のローラとの間を通り、これらのローラが逆転することで、当該用紙の後端側が先端となって反転路に進入する。そして、反転路の搬送ローラ対42,43によって搬送されて、再びタイミングローラ対20に送られ、二次転写ニップで裏面側にトナー像が転写され、定着部4を通過し、排紙ローラ対24によって装置外に排出される。すなわち、用紙Pの順路は、図2(b)に示す符号A、B、D、E、F、G、B、Cの順となる。
また、本実施形態においては、後述するように、用紙Pの同じ面にトナー像を2回転写して画像形成する場合がある。この場合、図2(c)に示すように、給紙カセット18から給送される用紙Pは、タイミングローラ対20を通って、二次転写ニップでトナー像が転写され、定着部4を通過した後、反転路の入口ローラ対41を通って、用紙の先端側が先端のまま反転路に送られる。そして、反転路の搬送ローラ対42,43によって搬送されて、再びタイミングローラ対20に送られ、二次転写ニップで同じ面側にトナー像が再度転写され、定着部4を通過し、排紙ローラ対24によって装置外に排出される。すなわち、用紙Pの順路は、図2(c)に示す符号A、B、E、F、G、B、Cの順となる。
以上の説明は、4つのプロセスユニット6Y,6M,6C,6IR(又は6K)のすべてを使用して画像を形成するときの画像形成動作であるが、これに限られない。例えば、4つのプロセスユニット6Y,6M,6C,6IR(又は6K)のいずれか1つを使用して画像を形成したり、いずれか2つ又は3つのプロセスユニットを使用して画像を形成したりすることも可能である。
次に、本発明の特徴部分である、通常モードと、不可視画像モード(第一動作)と、光沢画像モード(第二動作)との動作の違いについて、図面を参照して説明する。
通常モードは、IR画像(不可視画像)を形成せずに可視画像情報に基づいて通常の可視画像を形成する画像形成動作を行う。不可視画像モードは、可視画像情報に基づいて可視画像を形成するとともに不可視画像情報に基づいてIR画像も形成する画像形成動作を行う。光沢画像モードは、可視画像情報に基づいて通常の可視画像よりも光沢度を高めた光沢可視画像を形成する画像形成動作を行う。
以下の説明では、入力画像情報の色情報がRGB多値の情報である場合について説明する。また、IR画像を形成する際には、入力画像情報にIRの画像情報(付加情報)が含まれ、そのIRの画像情報に基づいてIR画像を形成する場合について説明する。なお、入力画像情報に含まれる付加情報は、画像情報でなくてもよく、非画像情報である場合には、例えば、制御部30において、予め決められたIR画像生成プログラムを実行し、その付加情報からIRの画像情報を生成する。また、入力画像情報に付加情報が含まれていない場合でも、制御部30において、ユーザ指定等に応じたIRの画像情報を生成してもよい。
図3は、本実施形態のプリンタにおける通常モードの制御に関わるブロック図である。
図4は、本実施形態のプリンタにおける不可視画像モードの制御に関わるブロック図である。
図5は、本実施形態のプリンタにおける光沢画像モードの制御に関わるブロック図である。
本実施形態の制御部30は、主に、主制御部31と、記憶手段としての記憶部32と、色変換・分解処理部33と、黒生成処理部34と、ガンマ変換部35と、階調変換部36と、トナー総量規制部37とから、構成されている。なお、黒生成処理部34は、不可視画像モードや光沢画像モードの際には使用されず、トナー総量規制部37は、通常モードの際には使用されない。
主制御部31は、CPU、RAM、ROMなどから構成され、各種プログラムを実行することにより、画像処理やプリンタの全体的な制御を実行する。
記憶部32は、制御部30の各部で用いる各種データやプログラムを記憶している。
色変換・分解処理部33は、記憶部32に記憶されている色変換分解テーブルを用いて、入力画像情報の色情報(RGB)を、プリンタ用の色情報であるY、M、Cの色情報に変換、分解して、Y、M、Cごとの画像情報(可視画像情報)を生成する。また、入力画像情報中にIRの画像情報が含まれている場合には、IRの画像情報(不可視画像情報)を入力画像情報から抽出して生成する。
黒生成処理部34は、K用プロセスユニット6Kが装着されて通常モードで動作する際に用いられる。黒生成処理部34は、記憶部32に記憶されている黒生成処理用変換テーブル(UCRテーブル等)を用いて、色変換・分解処理部33から出力されるY、M、Cの単色の画像情報からKの単色の画像情報(可視画像情報)を生成する。また、黒生成処理部34は、Y、M、Cの単色の画像情報(可視画像情報)の修正も行う。この黒生成処理部34の処理によって、Y、M、Cのトナーが重ね合わさって表現される黒色あるいはグレー色の画像情報は、Kの画像情報に置き換えられる。このように、Y、M、Cの3つのトナーによって表現される黒色あるいはグレー色の画像情報がKの画像情報に置き換えられる結果、当該画像情報に対応するトナー像部分を構成するトナーの量を減らすことができる。
ガンマ変換部35は、記録材上において適切な階調を実現するために、記憶部32に記憶されているガンマ変換テーブルを用いて、Y、M、C、Kの各画像情報、及び、必要に応じてIRの画像情報も、γ(ガンマ)変換する処理を行う。
階調変換部36は、記憶部32に記憶されているディザパターンデータを用いて、Y、M、C、K、IRの各画像情報を、中間調濃度に応じたディザパターンに変換する階調変換処理を実行する。
トナー総量規制部37は、IR用プロセスユニット6IRが装着されて不可視画像モードや光沢画像モードを行う際に用いられる。トナー総量規制部37は、主制御部31の制御の下、記憶部32に記憶されているトナー付着量変換テーブルを用い、単位面積当たりにYトナー、Mトナー、Cトナー及びIRトナーが付着するトナー付着量の総量(以下「トナー総量」という。)が、定着上限値以下となるように、ガンマ補正(ガンマ変換)されたY、M、Cの各画像情報のトナー付着量変換処理(画像処理)を行う。このとき、IRの画像情報についてもトナー付着量変換処理(画像処理)が行われてもよい。
図6は、本実施形態における画像形成動作の流れを示すフローチャートである。
制御部30は、まず、読取装置(スキャナ)やパソコン等からの入力画像情報を取得する(S1)。これにより、制御部30は、記憶部32に記憶されている色変換分解テーブルを用いて、色変換・分解処理部33により、入力画像情報の色情報(RGB)を、プリンタ用の色情報であるY、M、Cの色情報に変換、分解する(S2)。このとき、必要に応じて黒生成処理も行う。その後、制御部30は、今回の動作モードが不可視トナーを使用する動作モード(不可視画像モード又は光沢画像モード)か、不可視トナーを使用しない通常モードかを判断する(S3)。
この処理ステップS3の判断は、例えば、K用プロセスユニット6K及びIR用プロセスユニット6IRのいずれのプロセスユニットが装着されているかを確認することによって行われる。具体的には、K用プロセスユニット6Kが装着されていることを確認した場合には、不可視トナーを使用しない通常モードであると判断する(S3のNo)。また、IR用プロセスユニット6IRが装着されていることを確認した場合でも、不可視トナーを使用しないことがある。例えば、ユーザー操作によって光沢画像モードが選択されておらず、かつ、IRの画像情報を生成するために用いる付加情報が入力画像情報に含まれていないときは、不可視トナーを使用しない通常モードであると判断する(S3のNo)。
装着されているプロセスユニット6の種類を確認する方法の具体例としては、例えば、ユニット保持部に保持されたプロセスユニット6の種類を判別するための識別情報を記録した情報記録部をプロセスユニット6に設ける方法が挙げられる。情報記録部としては、例えば、IDチップや、識別情報をコード化したコード画像であるバーコード画像などが利用可能である。この場合、プリンタ本体には、プロセスユニット6上のIDチップやバーコード画像から識別情報を読み出す情報読出手段として、IDチップ読取部やバーコード読取部が設けられる。そして、IDチップ読取部は、ユニット保持部に保持されたプロセスユニット6上のIDチップから識別情報を読み出し、これを制御部30へ送る。バーコード読取部は、ユニット保持部に保持されたプロセスユニット6上のバーコード画像から識別情報を読み出し、これを制御部30へ送る。これにより、制御部30は、送られてくる識別情報に基づいて、ユニット保持部に保持されたプロセスユニット6の使用トナーの種類を判別することができる。
なお、ユニット保持部に保持されたプロセスユニット6の種類(トナーの種類)を判別する方法は、これに限られない。例えば、プロセスユニット6に設ける情報記録部は、識別情報に対応する外形形状をもったメカニカルキーであってもよい。この場合、プリンタ本体側に当該メカニカルキーから識別情報を読み取るキー読取部を設けることで、同様の結果を得ることができる。
また、ユニット保持部に保持されたプロセスユニット6の種類(トナーの種類)を判別する方法は、プロセスユニット6に設ける情報記録部から識別情報を読み取って判別する方法に限らない。例えば、プリンタ本体に設けられる操作受付手段としての操作パネル50に対し、ユーザーが、ユニット保持部に保持されたプロセスユニット6の種類を操作入力し、その操作入力の内容に基づいて判別してもよい。
また、ユニット保持部に新しいプロセスユニット6が装着された際、制御部30が当該プロセスユニット6を用いて所定のテストトナー像を形成し、そのテストトナー像を上述した光学式の画像濃度センサ等で検知し、その検知結果に基づいて判別してもよい。
不可視トナーを使用しない通常モードであると判断した場合には(S3のNo)、制御部30は、色変換・分解処理(黒生成処理を含む)で生成されたY、M、C、Kの各画像情報に対して、ガンマ変換部35により、ガンマ変換処理を実行する(S4)。その後、制御部30は、階調変換部36により階調変換処理を実行する(S5)。階調変換部36から出力されるY、M、C、Kの各画像情報は、画像形成制御部40に送られ、画像形成動作(通常モード)が実行される(S6)。
画像形成制御部40は、Y、M、C、Kの各画像情報に基づき、Y、M、C用の各露光装置11Y,11M,11C並びにK及びIRに共用される露光装置11K・IRを制御して、Y、M、C、Kの各潜像をそれぞれの感光体7上に形成する。そして、画像形成制御部40は、現像装置9を制御して、各潜像をそれぞれのトナーによって現像してトナー像とし、転写部2の各部を制御して、中間転写ベルト12上に順次重ね合せて転写する。その後、画像形成制御部40は、中間転写ベルト12上のY、C、M、Kのトナー像を用紙Pに一括して転写させた後、定着装置21を制御して、トナー像を用紙Pに定着し、装置外へ排出する。
一方、不可視トナーを使用する動作モードであると判断した場合には(S3のYes)、次に、制御部30は、不可視画像を形成するための不可視画像情報を使用するか否かを判断する(S7)。この判断は、例えば、不可視画像情報としてのIRの画像情報を生成するために用いる付加情報が入力画像情報に含まれているか否かによって行うことができる。
ここで、不可視画像情報を使用しないと判断した場合(S7のNo)、制御部30は、光沢画像モードで動作し、まず、色変換・分解処理で生成されたY、M、Cの各画像情報に対して、ガンマ変換部35により、ガンマ変換処理を実行する(S8)。その後、制御部30は、トナー総量規制処理を実行する(S9)。
このトナー総量規制処理は、まず、主制御部31において、Y、M、Cの各画像情報(可視画像情報)に基づき、光沢度を高めるためのIRの画像情報(不可視画像を形成するための不可視画像情報ではない)を生成する。その後、主制御部31は、当該画像情報に基づく画像中に、単位面積当たりのトナー総量が、通常モード時(IRトナーを用いずに画像形成を行う画像形成動作時)における上限値を超えるトナー過剰部分が含まれているか否かを判断する。この判断は、ガンマ変換処理後のY、M、Cの画像情報と、光沢度を高めるためのIRの画像情報とに基づいて行うことができる。
単位面積当たりのトナー総量は、例えば、各色の単位面積当たりのトナー付着量を、単色ベタ画像を形成するときの目標トナー付着量を100%とした相対値で示すことができる。この場合、上述の上限値は、例えば220%に設定される。通常モード時では、上述した処理ステップS2の色変換・分解処理(黒生成処理を含む)においてY、M、C、Kの色情報を生成するにあたり、単位面積当たりのトナー総量が前記上限値(例えば220%)以下となるように処理される。
一方、光沢画像モード時では、K用プロセスユニット6Kが装着されていないので、黒色やグレー色などの画像部分(通常モード時にはKの色情報に置き換えられる部分)については、Y、M、Cのトナー像を重ねて作像する。そのため、このような画像部分についての単位面積当たりのトナー総量が、Kトナーを用いる通常モード時よりも多くなる。
本実施形態においては、このようにトナー総量が多いY、M、Cのトナー像部分に、更に光沢トナーとして使用されるIRトナーが重ねられるため、単位面積当たりのトナー総量が多くなり過ぎる場合がある。そして、単位面積当たりのトナー総量が前記上限値(例えば220%)を超えるほど多くなり過ぎると、定着不良を引き起こすおそれがある。そのため、本実施形態においては、光沢画像モード時の場合、主制御部31は、単位面積当たりのトナー総量が前記上限値を超えるトナー過剰部分を含むと判断したか否かを判断する。
そして、前記上限値を超えるトナー過剰部分を含むと判断した場合には、主制御部31は、トナー総量規制部37に対してトナー総量規制処理(画像処理)を実行させる。トナー総量規制処理では、Kトナーを用いない光沢画像モードの際、Kトナーを用いる通常モードで同じ可視画像を形成する場合よりも、単位面積当たりのカラートナー量が少なくなるように、Y、M、Cの各画像情報のトナー付着量変換処理(画像処理)を行う。
トナー総量規制処理では、記憶部32に記憶されているトナー付着量変換テーブルを用い、ガンマ変換部35から出力されるガンマ補正(ガンマ変換)後のY、M、C、IRの各画像情報を変換する。これにより、Y、M、C、IRの各トナー像における単位面積当たりのトナー付着量を少なくし、単位面積当たりのトナー総量が前記上限値を超えるトナー過剰部分が存在しないY、M、C、IRの各画像情報を生成する。このようなトナー総量規制処理を行うことで、1回の定着処理で十分な定着が実現される。
このトナー総量規制処理において、光沢画像モード時には、IRトナーにより所望の光沢性(透明感、立体感などを含む)が得られるように、カラートナーとIRトナーとの比率を考慮して行うのが好ましい。すなわち、光沢画像モード時のトナー総量規制処理では、処理後のカラートナーの付着量とIRトナーの付着量との比率を、所望の光沢度が確保できるような所定比率となるように調整したうえで、カラートナーの付着量とIRトナーの付着量とが決定される。このとき、トナー過剰部分のトナー付着量が前記上限値を超えないようにする。
このような所望の光沢度を確保するための所定比率は、通常、後述する不可視画像モード時におけるIRトナーの単位面積当たりのトナー付着量よりも、光沢画像モード時におけるIRトナーの単位面積当たりのトナー付着量の方が多くなるようにするのが好ましい。すなわち、単位面積当たりのカラートナーのトナー付着量が同じである場合、これに重ねて付着される単位面積当たりのIRトナーの付着量は、不可視画像モード時よりも光沢画像モード時の方が多くなるようにするのが好ましい。
このようにしてトナー総量規制処理を実行した後、制御部30は、階調変換部36により階調変換処理を実行する(S5)。階調変換部36から出力されるY、M、C、IRの各画像情報は、画像形成制御部40に送られ、画像形成動作(光沢画像モード)が実行される(S6)。これにより、IRトナーは可視画像のトナー付着部分全体を覆うように付着され、通常の可視画像よりも光沢度の高い光沢可視画像が形成される。なお、可視画像のトナー付着部分以外の地肌部分(カラートナーが付着していない部分)については、IRトナーを付着させる必要はないが、IRトナーを付着させてもよい。
一方、IRの画像情報を使用すると判断した場合(S7のYes)、制御部30は、不可視画像モードで動作する。そして、制御部30は、まず、付加情報に基づいて生成されるIRの画像情報(不可視画像情報)を含むY、M、C、IRの各画像情報に対し、ガンマ変換部35により、ガンマ変換処理を実行する(S10)。その後、制御部30は、トナー総量規制処理を実行する(S11)。
不可視画像モード時では、K用プロセスユニット6Kが装着されていないので、黒色やグレー色などの画像部分(通常モード時にはKの色情報に置き換えられる部分)については、Y、M、Cのトナー像を重ねて作像する。そのため、このような画像部分についての単位面積当たりのトナー総量が、Kトナーを用いる通常モード時よりも多くなる。本実施形態においては、このようにトナー総量が多いY、M、Cのトナー像部分にIRトナー像を重ねて形成することで、IRトナー像による不可視画像の不視認性が高められる。ただし、単位面積当たりのトナー総量が多くなり過ぎると、上述したとおり、定着不良を引き起こすおそれがある。
よって、不可視画像モード時のトナー総量規制処理でも、前記上限値を超えるトナー過剰部分を含むか否かを判断し、トナー過剰部分を含むと判断した場合、主制御部31は、光沢画像モード時と同様、トナー総量規制部37にトナー総量規制処理を実行させる。
このトナー総量規制処理において、不可視画像モード時には、IRトナーによる不可視画像の不視認性が確保できるように、カラートナーとIRトナーとの比率を考慮して行うのが好ましい。すなわち、不可視画像モード時のトナー総量規制処理では、処理後のカラートナーの付着量とIRトナーの付着量との比率が、不可視画像の不視認性を確保できるような所定比率となるように調整して、カラートナーの付着量とIRトナーの付着量とが決定される。このとき、トナー過剰部分のトナー付着量が前記上限値を超えないようにする。なお、不可視画像モード時と光沢画像モード時に求め得られるIRトナーの効果(高い不視認性、高い光沢度)が異なることから、それぞれのモードでのトナー総量規制処理(S11,S9)での前記所定比率は互いに異なってもよい。
このようにしてトナー総量規制処理を実行した後、制御部30は、階調変換部36により階調変換処理を実行する(S5)。階調変換部36から出力されるY、M、C、IRの各画像情報は、画像形成制御部40に送られ、画像形成動作(不可視画像モード)が実行される(S6)。
また、不可視画像モードにおいて、入力画像情報に光沢可視画像を形成する旨の光沢情報が含まれている場合がある(S12のYes)。この場合、IRトナーによって不可視画像を形成するとともに、カラートナーによって形成される可視画像にIRトナー(光沢トナーとして使用)を付着させて光沢度を高めた光沢可視画像も形成する。この場合、処理ステップS8に移行して上述した光沢画像モードでの動作が行われる。これにより、IRトナーによる不可視画像とともに、カラートナーによる可視画像に光沢トナーとして用いられるIRトナーを付着させた光沢可視画像を同じ用紙P上に形成することができる。
なお、不可視画像と光沢可視画像とを同じ用紙P上に形成する場合、本実施形態では、不可視画像モードから光沢画像モードへ移行しているが、逆に、光沢画像モードから不可視画像モードへ移行するようにしてもよい。
ここで、本実施形態においては、不可視画像を形成する不可視画像モードに用いるトナーにも、光沢可視画像を形成する光沢画像モードの光沢トナーとして用いるトナーにも、同じIRトナーが用いられる。しかしながら、それぞれのモードで要求されるIRトナーの効果(高い不視認性、高い光沢度)を十分に得るためには、カラートナーに対する重ね順が影響する。
具体的には、光沢画像モード時において高い光沢度を得るためには、図7に示すように、用紙P上において、可視画像を構成するY、M、Cトナー(カラートナー)の上に、光沢トナーとしてのIRトナーが重なるように画像形成動作を行うことが好ましい。すなわち、用紙P上において、IRトナーが最も上に重なるように画像形成動作を行うことが好ましい。
これに対し、不可視画像モード時において高い不視認性を得るためには、図8(a)及び(b)に示すように、用紙P上において、不可視画像を構成するIRトナーの上にY、M、Cトナーの少なくとも1つが重なるように画像形成動作を行うことが好ましい。
図9(a)及び(b)は、IR用プロセスユニット6IRが中間転写ベルト12の走行方向最下流側のユニット保持部に装着されている場合の動作内容を説明するための説明図である。
IR用プロセスユニット6IRが中間転写ベルト12の走行方向最下流側のユニット保持部に装着されている場合、中間転写ベルト12上ではカラートナー像の上にIRトナー像が重なった重ねトナー像が形成される。この場合、この重ねトナー像が用紙P上に二次転写されると、図9(a)に示すように、用紙P上ではIRトナー像の上にカラートナー像が重なることになる。この重ね順は、不可視画像モード時の高い不視認性を得るのに適したものであり、不可視画像モードに適した重ね順に対応している。したがって、用紙Pの片面のみに画像形成する場合の用紙搬送動作(図2(a)に示す片面印刷用の用紙搬送動作)により、高い不視認性が得られる不可視画像を用紙Pに形成することができる。
一方で、IR用プロセスユニット6IRが中間転写ベルト12の走行方向最下流側のユニット保持部に装着されている場合、図2(a)に示す片面印刷用の用紙搬送動作では、用紙P上においてIRトナー像がカラートナー像の上に重ならない。そのため、光沢画像モード時に片面印刷用の用紙搬送動作を行うと、高い光沢度を得ることができない。すなわち、この重ね順は、光沢画像モード時の高い光沢度を得るのに適しておらず、光沢画像モードに適した重ね順には対応していない。
したがって、本実施形態では、IR用プロセスユニット6IRが最下流に装着されている場合に光沢画像モードで動作するときには、用紙Pの片面に2回転写を行って画像形成する場合の用紙搬送動作(図2(c)に示す片面2回転写の用紙搬送動作)を行う。具体的には、図9(b)に示すように、1回目の転写では、中間転写ベルト上に形成したカラートナー像(可視画像)が用紙P上に転写される。続いて、2回目の転写では、中間転写ベルト上に形成したIRトナー像(可視画像に重ねられる光沢トナーとしてのIRトナーのトナー像)が用紙Pの同じ面に転写される。これにより、用紙P上には、最終的に、カラートナー像の上にIRトナー像が重なることができ、高い光沢度が得られる光沢可視画像を用紙Pに形成することができる。
図10(a)及び(b)は、IR用プロセスユニット6IRが中間転写ベルト12の走行方向最上流側のユニット保持部に装着されている場合の動作内容を説明するための説明図である。
IR用プロセスユニット6IRが中間転写ベルト12の走行方向最上流側のユニット保持部に装着されている場合、中間転写ベルト12上ではIRトナー像の上にカラートナー像が重なった重ねトナー像が形成される。この場合、この重ねトナー像が用紙P上に二次転写されると、図10(a)に示すように、用紙P上ではカラートナー像の上にIRトナー像が重なることになる。この重ね順は、光沢画像モード時の高い光沢度を得るのに適したものであり、光沢画像モードに適した重ね順に対応している。したがって、用紙Pの片面のみに画像形成する場合の用紙搬送動作(図2(a)に示す片面印刷用の用紙搬送動作)により、高い光沢度が得られる光沢可視画像を用紙Pに形成することができる。
一方で、IR用プロセスユニット6IRが中間転写ベルト12の走行方向最上流側のユニット保持部に装着されている場合、図2(a)に示す片面印刷用の用紙搬送動作では、用紙P上においてカラートナー像がIRトナー像の上に重ならない。そのため、不可視画像モード時に片面印刷用の用紙搬送動作を行うと、高い不視認性を得ることができない。すなわち、この重ね順は、不可視画像モード時の高い不視認性を得るのに適しておらず、不可視画像モードに適した重ね順には対応していない。
したがって、本実施形態では、IR用プロセスユニット6IRが最上流に装着されている場合に不可視画像モードで動作するときには、用紙Pの片面に2回転写を行って画像形成する場合の用紙搬送動作(図2(c)に示す片面2回転写の用紙搬送動作)を行う。具体的には、図10(b)に示すように、1回目の転写では、中間転写ベルト上に形成したIRトナー像(不可視画像)が用紙P上に転写され、2回目の転写では、中間転写ベルト上に形成したカラートナー像(可視画像)が用紙P上に転写される。これにより、用紙P上には、最終的に、IRトナー像の上にカラートナー像が重なることができ、高い不視認性が得られる不可視画像を用紙Pに形成することができる。
なお、本実施形態において、上述した片面2回転写の用紙搬送動作により、被転写体としての用紙Pが二次転写ニップを2回通過するようにしているが、これに代えて次のような動作を行ってもよい。すなわち、被転写体としての中間転写ベルト12を2回転させて中間転写ベルト12が一次転写ニップを2回通過するようにしてもよい。この場合、用紙Pが二次転写ニップを通過する回数は1回で済む。
また、本実施形態のプリンタは、中間転写方式であるが、各プロセスユニット6から用紙Pに直接転写する直接転写方式である場合には、用紙P上におけるトナー像の重ね順は、上述した中間転写方式のものとは逆になる。
次に、本実施形態で使用されるトナーについて説明する。
以下の説明では、本実施形態のトナーセットは、Y、M、Cのカラートナーと不可視トナーであるIRトナーとを有するトナーセットである。
Y、M、Cのカラートナー(可視トナー)は、結着樹脂、及び着色剤を含有し、更に必要に応じてその他の成分を含有する。なお、Kトナー(可視トナー)も、結着樹脂、及び着色剤を含有し、更に必要に応じてその他の成分を含有する。
IRトナー(不可視トナー)は、結着樹脂、及び近赤外光吸収材料を含有し、更に必要に応じてその他の成分を含有する。
本実施形態では、トナーセットが下記のいずれかの条件を満たすとき、IRトナー像(不可視トナー像)とともに形成されるカラートナー像を目視した際、カラートナー像の画質の視認性及びIRトナー像の読み取り精度が良好であるトナーセットが提供される。
・第1の条件としては、カラートナーとIRトナーとを有し、IRトナーのベタ画像の60度光沢度が、30以上であり、IRトナーのベタ画像の60度光沢度が、カラートナーのベタ画像の60度光沢度より10以上高い。
・第2の条件としては、カラートナーとIRトナーとを有し、IRトナーの100℃以上140℃以下の範囲内における正接損失(tanδi)が、2.5以上であり、カラートナーの100℃以上140℃以下の範囲内における正接損失(tanδc)が、2以下である。
特開2001-265181号公報の記載のトナーにおいては、重ねられたトナー画像に関し規定がないことから、重ねあわされた画像の光沢度の差異で不可視画像が可視化されてしまう問題があった。その問題を解決するために、特開2007-171508号公報、特開2007-003944号公報、及び特開2010-113368号公報では、用いられるカラートナーの光沢度よりも低い光沢度のIRトナーとすることが提案されている。しかし、近年電子写真式の画像出力は一般的なオフセット印刷などのような高グロスの画像との差別化要求より、比較的低グロスの画像要求が高まっている。そのため、カラートナーが高グロスである場合、2次色、3次色はもとより不可視画像(IR画像)との重ね部位などの高付着部のグロスが高くなりIR画像の位置が目視で顕著となる問題が生じる。更に、IR画像上にカラートナーを画像形成すると、定着ニップの加熱加圧時にIRトナー層に積層されたカラートナーが入り込みやすくなることから、IR画像の情報を機械読み取りするときの読取精度が不安定となる問題がある。
<IRトナー>
IRトナーは、結着樹脂、及び近赤外光吸収材料を含有し、更に必要に応じてその他の成分を含有する。
<<結着樹脂>>
結着樹脂としては、特に制限はなく、従来公知の樹脂がすべて使用可能である。結着樹脂としては、例えば、スチレン、α-メチルスチレン、クロロスチレン、スチレン-プロピレン共重合体、スチレン-ブタジエン共重合体、スチレン-塩化ビニル共重合体、スチレン-酢酸ビニル共重合体、スチレン-マレイン酸共重合体、スチレン-アクリル酸エステル共重合体、スチレン-メタクリル酸エステル共重合体、スチレン-アクリロニトリル-アクリル酸エステル共重合体などのスチレン系樹脂、ポリエステル樹脂、塩化ビニル樹脂、ロジン変成マレイン酸樹脂、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、アイオノマー樹脂、ポリウレタン樹脂、シリコーン樹脂、ケトン樹脂、キシレン樹脂、石油系樹脂、水素添加された石油系樹脂などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これら中でも、芳香族化合物を構成単位として含有するスチレン系樹脂、及びポリエステル樹脂が好ましく、ポリエステル樹脂がより好ましい。
ポリエステル樹脂は、一般公知のアルコールと酸との重縮合反応によって得られる。
アルコールとしては、例えば、ポリエチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、1,2-プロピレングリコール、1,3-プロピレングリコール、1,4-プロピレングリコール、ネオペンチルグリコール、1,4-ブテンジオールなどのジオール類、1,4-ビス(ヒドロキシメチル)シクロヘキサン、ビスフェノールA、水素添加ビスフェノールA、ポリオキシエチレン化ビスフェノールA、ポリオキシプロピレン化ビスフェノールAなどのエーテル化ビスフェノール類、これらを炭素数3~22の飽和もしくは不飽和の炭化水素基で置換した二価のアルコール単位体、その他の二価のアルコール単位体、ソルビトール、1,2,3,6-ヘキサンテトロール、1,4-サルビタン、ペンタエスリトールジペンタエスリトール、トリペンタエスリトール、蔗糖、1,2,4-ブタントリオール、1,2,5-ペンタントリオール、グリセロール、2-メチルプロパントリオール、2-メチル-1,2,4-ブタントリオール、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、1,3,5-トリヒドロキシメチルベンゼン等の三価以上の高アルコール単量体などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
酸としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、カルボン酸が好ましい。
カルボン酸としては、例えば、パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸などのモノカルボン酸、マレイン酸、フマール酸、メサコン酸、シトラコン酸、テレフタル酸、シクロヘキサンジカルボン酸、コハク酸、アジピン酸、セバチン酸、マロン酸、これらを炭素数3~22の飽和もしくは不飽和の炭化水素基で置換した二価の有機酸単量体、これらの酸の無水物、低級アルキルエステルとリノレイン酸の二量体、1,2,4-ベンゼントリカルボン酸、1,2,5-ベンゼントリカルボン酸、2,5,7-ナフタレントリカルボン酸、1,2,4-ナフタレントリカルボン酸、1,2,4-ブタントリカルボン酸、1,2,5-ヘキサントリカルボン酸、1,3-ジカルボキシル-2-メチル-2-メチレンカルボキシプロパン、テトラ(メチレンカルボキシル)メタン、1,2,7,8-オクタンテトラカルボン酸エンボール三量体酸、これらの酸の無水物等の三価以上の多価カルボン酸単量体などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
なお、結着樹脂には、結晶性樹脂を含有させることもできる。
結晶性樹脂としては、結晶性を有するものであれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリウレア樹脂、ポリアミド樹脂、ポリエーテル樹脂、ビニル樹脂、変性結晶性樹脂などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリウレア樹脂、ポリアミド樹脂、ポリエーテル樹脂が好ましく、耐湿性や後述の非晶性樹脂との非相溶性を持たせるためにウレタン骨格及びウレア骨格の少なくともいずれかを有する樹脂が好ましい。
結晶性樹脂の重量平均分子量(Mw)としては、定着性の観点からは、2,000~100,000が好ましく、5,000~60,000がより好ましく、8,000~30,000が特に好ましい。重量平均分子量が、2,000以上であると、耐ホットオフセット性が悪化する不具合を防止することができ、100,000以下であると、低温定着性が悪化する不具合を防止することができる。
<<近赤外光吸収材料>>
近赤外光吸収材料としては、無機材料系、及び有機材料系のいずれも用いることができる。
これまでにも、付加データ埋め込み技術のために、透明性を有する(不可視な)赤外線吸収材料が種々検討されており、様々な材料が開示されている。例えば、無機材料系では、イッテルビウムなどの希土類金属(特開平9-77507号公報、特開平9-104857号公報)や銅リン酸結晶化ガラスを含有する赤外線吸収材料(特開平7-53945号公報、特開2003-186238号公報)など、有機材料系としては、アルミニウム化合物(特開平7-271081号公報)や、クロコニウム色素(特開2001-294785号公報)が挙げられる。また、特開2002-146254号公報には、750nm~1100nmに分光吸収極大波長を有し、かつ650nmにおける吸光度が、該分光吸収極大波長における吸光度の5%以下である赤外線吸収材料を含有する有機材料が提案されている。更に、特開2007-171508号公報、特開2007-3944号公報、特開2010-113368号公報、及び特開2008-76663号公報には、ナフタロシアニン顔料を用いることが提案されており、可視光の吸光度及び赤外域の吸光度の差異の面から優れた技術といえる。
無機材料系の近赤外光吸収材料としては、例えば、燐酸、シリカ、ホウ酸等の可視域の波長を透過する公知のガラス網目形成成分に、遷移金属イオンや、無機及び/又は有機化合物からなる色素等の材料を添加したガラスや、これを熱処理により結晶化した結晶化ガラスなどが挙げられる。これらの無機材料は可視領域の光を良く反射して、不可視の画像を得ることができる。
有機材料系の近赤外光吸収材料としては、例えば、フタロシアニン系化合物、アントラキノン系化合物等の有色材料;アルミニウム塩系化合物、ナフタロシアニン系化合物等の無色材料などが挙げられる。これらの中でも、添加により画像を着色してしまうことがなく、赤外光域の吸収が十分に大きいことから添加量を抑えられ、結果としてカラー画像の画質を損ねない点から、無色材料が好ましい。
無色材料の中でも、可視光域の吸光度が非常に低く、無色に近い特徴があり、更にはトナーの帯電への影響が小さいことから、ナフタロシアニン系化合物が好ましい。
ナフタロシアニン系化合物としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、以下に例示する化合物が好ましい。
Figure 2022189634000002
ただし、化学式(1)において、Metは、2個の水素原子、2価の金属原子、3価もしくは4価の置換金属原子を表し、A~Aは、同一もしくは異なっていてもよく、それぞれ、水素原子、ハロゲン原子、置換もしくは非置換のアルキル基、置換もしくは非置換のアリール基、置換もしくは非置換のアルコキシ基、置換もしくは非置換のアリールオキシ基、置換もしくは非置換のアルキルチオ基又は置換もしくは非置換のアリールチオ基を表し、但し、AとA、AとA、AとA、AとAの各組み合わせにおいて、その両方が同時に水素原子又はハロゲン原子になることはなく、Y~Y16は、同一もしくは異なっていてもよく、それぞれ、水素原子、ハロゲン原子、置換もしくは非置換のアルキル基、置換もしくは非置換のアリール基、置換もしくは非置換のアルコキシ基、置換もしくは非置換のアリールオキシ基、置換もしくは非置換のアルキルチオ基、置換もしくは非置換のアリールチオ基、置換もしくは非置換のアルキルアミノ基、置換もしくは非置換のジアルキルアミノ基、置換もしくは非置換のアリールアミノ基、置換もしくは非置換のジアリールアミノ基、置換もしくは非置換のアルキルアリールアミノ基、ヒドロキシ基、メルカプト基、ニトロ基、ニトリル基、オキシカルボニル基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、アミノカルボニル基又はモノもしくはジ置換アミノカルボニル基を表す。
近赤外光吸収材料の読み取り波長の反射率としては、赤外光照射により機械読み取りを安定して行う点から、50%以下であることが好ましい。反射率が50%以下であると、読み取り精度が下がるという不具合を防止することができる。
反射率の測定方法としては、例えば、出力したベタ画像を、分光光度計(例えば、V-660(日本分光株式会社製)、eXact(X-Rite社製)等)を用いて測定することができる。
近赤外光吸収材料はトナー粒子中に分散して含有することが好ましい。
近赤外光吸収材料をトナー表面に外部固着或いはトナー粒子群に混合添加した場合、トナー粒子及び現像剤中で材料凝集などを発生させる可能性が有り、さらにバルクとして必要量添加してもトナー表面に外部固着或いは現像剤調整の段階で、機器への付着などで失われ、IR画像中の近赤外光吸収材料が不足または偏在等することで情報を正確且つ安定に読み出せなくなってしまう。また、遊離した近赤外光吸収材料が機内、特に感光体等を汚染することで現像、転写などの他工程に悪影響を与える可能性も考えられる。 また、前述の有機系近赤外光吸収材料を用いる場合、無機系材料に比べ結着樹脂に対する分散性が良く、画像出力媒体上に形成されたIR画像中に均一に分散し、可視域においてより不可視性を損なうことなく、赤外域においては十分な吸収を示すことで情報が高密度に記録でき、且つトナー中への分散性が良いことからIR画像の機械読み取り・復号化処理が長期間わたり安定に行うことが可能となる。
近赤外光吸収材料の含有量の数値範囲は、近赤外光吸収材料の特性により異なる。近赤外光吸収材料の含有量の種類に関わらず、含有量が十分ではないと、近赤外光の吸収が十分ではなくなる。近赤外光の吸収が十分ではないと、IRトナーを紙などの媒体に多く付着させなければならない。このため、IRトナーの集合物(塊)による視認可能な凹凸を生じると共に、資源に無駄が生じる不具合が発生する。近赤外光吸収材料の含有量が過剰であると、近赤外光吸収材料は若干ではあるが、可視光波長域に吸収がある。このため、近赤外光吸収材料そのものが、視認されやすくなるという不具合が発生する。
透明性を有する(不可視の)近赤外光吸収材料としてよく用いられるバナジルナフタロシアニンの場合において、その含有量としては、IRトナーに対して、0.3質量%以上1.0質量%以下が好ましい。
<<その他の成分>>
その他の成分としては、通常、トナーに含有されるものであれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、離型剤、帯電制御剤、外添剤などが挙げられる。
<<<離型剤>>>
離型剤としては、天然ワックス、及び合成ワックスのいずれも用いることができる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
天然ワックスとしては、例えば、カルナバワックス、綿ロウ、木ロウ、ライスワックス等の植物系ワックス;ミツロウ、ラノリン等の動物系ワックス;オゾケライト、セルシン等の鉱物系ワックス;パラフィン、マイクロクリスタリン、ペトロラタム等の石油ワックスなどが挙げられる。
合成ワックスとしては、例えば、フィッシャー・トロプシュワックス、ポリエチレンワックス等の合成炭化水素ワックス;エステル、ケトン、エーテル等の合成ワックス;1,2-ヒドロキシステアリン酸アミド、ステアリン酸アミド、無水フタル酸イミド、塩素化炭化水素等の脂肪酸アミド;低分子量の結晶性高分子である、ポリメタクリル酸n-ステアリル、ポリメタクリル酸n-ラウリル等のポリアクリレートのホモポリマー又はコポリマー(例えば、アクリル酸n-ステアリルーメタクリル酸エチル共重合体等)等の側鎖に長鎖アルキル基を有する結晶性高分子などが挙げられる。
これらの中でも、離型剤としては、モノエステルワックスを含むことが好ましい。モノエステルワックスは、一般的な結着樹脂との相溶性が低いため、定着時に表面に染み出しやすく、高い離型性を示し、高光沢と高い低温定着性を確保できる。
モノエステルワックスとしては、合成エステルワックスであることが好ましい。合成エステルワックスとしては、例えば、長鎖直鎖飽和脂肪酸と長鎖直鎖飽和アルコールから合成されるモノエステルワックスなどが挙げられる。長鎖直鎖飽和脂肪酸は、一般式C2n+1COOHで表わされ、n=5~28程度のものが好ましく用いられる。また、長鎖直鎖飽和アルコールとしては、C2n+1OHで表わされ、n=5~28程度が好ましい。
長鎖直鎖飽和脂肪酸の具体例としては、例えば、カプリン酸、ウンデシル酸、ラウリン酸、トリデシル酸、ミリスチン酸、ペンタデシル酸、パルミチン酸、ヘプタデカン酸、テトラデカン酸、ステアリン酸、ノナデカン酸、アラモン酸、ベヘン酸、リグノセリン酸、セロチン酸、ヘプタコサン酸、モンタン酸およびメリシン酸などが挙げられる。一方、長鎖直鎖飽和アルコールの具体例としては、例えば、アミルアルコール、ヘキシールアルコール、ヘプチールアルコール、オクチルアルコール、カプリルアルコール、ノニルアルコール、デシルアルコール、ウンデシルアルコール、ラウリルアルコール、トリデシルアルコール、ミリスチルアルコール、ペンタデシルアルコール、セチルアルコール、ヘプタデシルアルコール、ステアリルアルコール、ノナデシルアルコール、エイコシルアルコール、セリルアルコールおよびヘプタデカンノオールなどが挙げられ、低級アルキル基、アミノ基、ハロゲン等の置換基を有していてもよい。
離型剤の融点は、50℃~120℃が好ましい。離型剤の融点が数値範囲であると、定着ローラとトナー界面の間で離型剤として効果的に作用することができるため、定着ローラにオイル等の離型剤を塗布しなくても高温耐オフセット性を向上させることができる。具体的には、融点が50℃以上であると、トナーの耐熱保存性が悪化する不具合を防止することができ、120℃以下であると、低温での離型性が発現されず、耐コールドオフセット性の悪化、定着機への紙の巻付きなどが発生するという不具合を防止することができる。
離型剤の融点の測定としては、例えば、示差走査熱量計であるTG-DSCシステムTAS-100(理学電機社製)を用いて、最大吸熱ピークを測定することにより求めることができる。
離型剤の含有量としては、結着樹脂に対して、1質量%~20質量%が好ましく、3質量%~10質量%がより好ましい。含有量が、1質量%以上であると、オフセット防止効果が不十分となる不具合を防止することができ、20質量%以下であると、転写性、耐久性が低下するという不具合を防止することができる。
また、モノエステルワックスの含有量としては、IRトナー100質量部に対して、4質量部~8質量部が好ましく、5質量部~7質量部がより好ましい。含有量が、4質量部以上であると、定着時における表面への染み出しが不十分となること、離型性が悪くなること、並びに光沢、低温定着性、及び耐高温オフセット性が低下することの不具合を防止することができる。含有量が、8質量部以下であると、トナー表面に析出する離型剤の量が増え、トナーとしての保存性が低下し、感光体等へのフィルミング性が低下するという不具合を防止することができる。
本実施形態のトナーは、ワックス分散剤を含有することが好ましく、分散剤がモノマーとして少なくともスチレン、ブチルアクリレート、及びアクリロニトリルを含む共重合体組成物、並びに共重合体組成物のポリエチレン付加物であることが好ましい。
ワックス分散剤の含有量としては、IRトナー100質量部に対して、7質量部以下であることが好ましい。ワックス分散剤を含有することにより、ワックスの分散効果が得られ、製造方法に左右されることなく安定的に保存性の向上が期待できる。また、ワックスの分散効果によりワックス径が小さくなり、感光体等へのフィルミング現象を抑制できる。含有量が7質量部以下であると、ポリエステル樹脂に対する非相溶成分が多くなり、光沢が低下すること、ワックスの分散性が高くなりすぎるために、耐フィルミング性は向上するが、定着時のワックスの表面への染み出しが悪くなり、低温定着性、耐ホットオフセット性が低下することなどの不具合を防止することができる。
<<<帯電制御剤>>>
帯電制御剤としては、公知のものを全て使用することができ、例えば、ニグロシン系染料、トリフェニルメタン系染料、クロム含有金属錯体染料、モリブデン酸キレート顔料、ローダミン系染料、アルコキシ系アミン、第4級アンモニウム塩(フッ素変性4級アンモニウム塩を含む)、アルキルアミド、燐の単体または化合物、フッ素系活性剤、サリチル酸金属塩、及びサリチル酸誘導体の金属塩などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
帯電制御剤としては、適宜合成したものが使用されてもよいし、市販品が使用されてもよい。市販品としては、例えば、ボントロン03、ボントロンP-51、ボントロンS-34、E-82、E-84、E-89(以上、オリエント化学工業社製)、TP-302、TP-415、コピーチャージPSY VP2038、コピーブルーPR、コピーチャージ NEG VP2036、コピーチャージ NX VP434(以上、ヘキスト社製)、LRA-901、LR-147(日本カーリット社製)などが挙げられる。
帯電制御剤の含有量としては、結着樹脂の種類、必要に応じて使用される添加剤の有無、分散方法を含めたトナー製造方法に応じて適宜選択することができるが、結着樹脂100質量部に対して、0.1質量部~5質量部が好ましく、0.2質量部~2質量部がより好ましい。含有量が、5質量部以下であると、トナーの帯電性が大きすぎ、主帯電制御剤の効果を減退させ、現像ローラとの静電的吸引力が増大し、現像剤の流動性低下や、画像濃度の低下を招く不具合を防止することができる。
また、帯電制御剤の中でも三価以上の金属塩を用いることでトナーの熱物性を制御することも可能である。金属塩を含むことにより、定着時に結着樹脂の酸性基と架橋反応が進行し、弱い三次元的な架橋を形成することで、低温定着性を維持しつつ、耐高温オフセット性を得ることができる。
金属塩としては、例えば、サリチル酸誘導体の金属塩、アセチルアセトナート金属塩などが挙げられる。金属としては、3価以上の多価イオン金属であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、鉄、ジルコニウム、アルミニウム、チタン、ニッケルなどが挙げられる。これらの中でも、3価以上のサリチル酸金属化合物が好ましい。
金属塩の含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、IRトナー100質量部に対して、0.5質量部~2質量部が好ましく、0.5質量部~1質量部がより好ましい。含有量が、0.5質量部以上であると、耐ホットオフセット性に劣る不具合を防止することができ、含有量が、2質量部以下であると、光沢性が劣る不具合を防止することができる。
<<<外添剤>>>
外添剤は、流動性や現像性、帯電性を補助するために含有される。外添剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、無機微粒子、高分子系微粒子などが挙げられる。
無機微粒子としては、例えば、シリカ、アルミナ、酸化チタン、チタン酸バリウム、チタン酸マグネシウム、チタン酸カルシウム、チタン酸ストロンチウム、酸化亜鉛、酸化スズ、ケイ砂、クレー、雲母、ケイ灰石、ケイソウ土、酸化クロム、酸化セリウム、ペンガラ、三酸化アンチモン、酸化マグネシウム、酸化ジルコニウム、硫酸バリウム、炭酸バリウム、炭酸カルシウム、炭化ケイ素、窒化ケイ素などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
高分子系微粒子としては、例えば、ソープフリー乳化重合や懸濁重合、分散重合によって得られるポリスチレン、メタクリル酸エステルやアクリル酸エステル共重合体やシリコーン、ベンゾグアナミン、ナイロンなどの重縮合系、熱硬化性樹脂による重合体粒子などが挙げられる。
外添剤は、表面処理剤による表面処理を行なって、疎水性を上げ、高湿度下においても流動特性や帯電特性の悪化を防止することができる。
表面処理剤としては、例えば、シランカップリング剤、シリル化剤、フッ化アルキル基を有するシランカップリング剤、有機チタネート系カップリング剤、アルミニウム系のカップリング剤、シリコーンオイル、変性シリコーンオイルなどが挙げられる。
外添剤の一次粒子径としては、5nm~2μmが好ましく、5nm~500nmがより好ましい。また、外添剤のBET法による比表面積としては、20m/g~500m/gが好ましい。
外添剤の含有量としては、IRトナーに対して0.01質量%~5質量%が好ましく、0.01質量%~2.0質量%がより好ましい。
<<<クリーニング性向上剤>>>
クリーニング性向上剤は、感光体や一次転写媒体に残存する転写後の現像剤を除去するために含有される。クリーニング性向上剤としては、例えば、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸など脂肪酸金属塩;ポリメチルメタクリレート微粒子、ポリスチレン微粒子などのソープフリー乳化重合などによって製造された、ポリマー微粒子などが挙げられる。ポリマー微粒子は比較的粒度分布が狭く、体積平均粒径が0.01から1μmのものが好ましい。
<カラートナー>
カラートナーは、結着樹脂、及び着色剤を含有し、更に必要に応じてその他の成分を含有する。その他の成分については、その他の成分と同様のものを使用することができる。
カラートナーとしては、シアントナー、マゼンタトナー、イエロートナーのいずれかであることが好ましく、シアントナー、マゼンタトナー、イエロートナーであることがより好ましい。言い換えれば、トナーセットにおいては、IRトナーのベタ画像の60度光沢度が、シアントナー、マゼンタトナー、イエロートナーのいずれかのベタ画像の60度光沢度より10以上高いことが好ましく、シアントナー、マゼンタトナー、イエロートナー、のすべてのベタ画像の60度光沢度より10以上高いことがより好ましい。
<<結着樹脂>>
本実施形態のカラートナーにより作像されるトナー像としては、一般的なオフセット印刷などと比較して低グロスであることが好ましい。
このため、カラートナーに含有される結着樹脂としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、ゲルを含むことが好ましい。ゲル分率としては、結着樹脂に対して、0.5質量%以上20質量%以下が好ましく、1.0質量%以上10質量%以下がより好ましい。
ゲルを含まない場合でも、カラートナーに用いられる結着樹脂としては、重量平均分子量Mwc100,000以上の高分子量体を含有していることが好ましく、IRトナーで用いられる結着樹脂の重量平均分子量Mwiよりも大きいことがより好ましい。カラートナーにおいて用いられる結着樹脂の重量平均分子量Mwcを、IRトナーにおいて用いられる結着樹脂の重量平均分子量Mwiよりも大きくすることにより、オフセット印刷と比較して視認性の高い、60度光沢度で10から30程度のカラー画像のグロスを得ることができる。
<<着色剤>>
着色剤としては、800nm以上の波長の吸収が、小さいものが好ましく、例えば、ナフトールイエローS、ハンザイエロー(10G、5G、G)、カドミウムイエロー、黄色酸化鉄、黄土、黄鉛、チタン黄、ポリアゾイエロー、オイルイエロー、ハンザイエロー(GR、A、RN、R)、ピグメントイエローL、ベンジジンイエロー(G、GR)、パーマネントイエロー(NCG)、バルカンファストイエロー(5G、R)、タートラジンレーキ、キノリンイエローレーキ、アンスラザンイエローBGL、イソインドリノンイエロー、ベンガラ、鉛丹、鉛朱、カドミウムレッド、カドミウムマーキュリレッド、アンチモン朱、パーマネントレッド4R、パラレッド、ファイセーレッド、パラクロルオルトニトロアニリンレッド、リソールファストスカーレットG、ブリリアントファストスカーレット、ブリリアントカーンミンBS、パーマネントレッド(F2R、F4R、FRL、FRLL、F4RH)、ファストスカーレットVD、ベルカンファストルビンB、ブリリアントスカーレットG、リソールルビンGX、パーマネントレッドF5R、ブリリアントカーミン6B、ポグメントスカーレット3B、ボルドー5B、トルイジンマルーン、パーマネントボルドーF2K、ヘリオボルドーBL、ボルドー10B、ボンマルーンライト、ボンマルーンメジアム、エオシンレーキ、ローダミンレーキB、ローダミンレーキY、アリザリンレーキ、チオインジゴレッドB、チオインジゴマルーン、オイルレッド、キナクリドンレッド、ピラゾロンレッド、ポリアゾレッド、クロームバーミリオン、ベンジジンオレンジ、ペリノンオレンジ、オイルオレンジ、コバルトブルー、セルリアンブルー、アルカリブルーレーキ、ピーコックブルーレーキ、ビクトリアブルーレーキ、無金属フタロシアニンブルー、フタロシアニンブルー、ファストスカイブルー、インダンスレンブルー(RS、BC)、インジゴ、ジオキサンバイオレット、アントラキノンバイオレット、クロムグリーン、ジンクグリーン、ピリジアン、エメラルドグリーン、ピグメントグリーンB、ナフトールグリーンB、グリーンゴールド、アシッドグリーンレーキ、マラカイトグリーンレーキ、フタロシアニングリーン、アントラキノングリーン、酸化チタン、亜鉛華、リトボン、ペリレンブラック、ペリノンブラック及びこれらの混合物などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
プロセスカラートナーとして用いる場合、シアン、マゼンタ、及びイエローのそれぞれについて、以下の着色剤が好ましい。
シアンでは、C.I.ピグメントブルー15:3が好ましい。マゼンタでは、C.I.ピグメントレッド122、C.I.ピグメントレッド269、及びC.I.ピグメントレッド81:4が好ましい。イエローでは、C.I.ピグメントイエロー74、C.I.ピグメントイエロー155、C.I.ピグメントイエロー180、及びC.I.ピグメントイエロー185が好ましい。これらの着色剤は、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
着色剤の800nm以上の吸光度としては、0.05未満が好ましく、0.01未満がより好ましい。吸光度が、0.05未満であると、カラートナーがIRトナーの上に重ねられたとき、IRトナーで形成される情報の読み取りを阻害するという不具合を防止することができる。
着色剤の含有量としては、各着色剤の着色力にもよるが、各色のカラートナー全体に対して、3質量%~12質量%が好ましく、5質量%~10質量%がより好ましい。含有量が、3質量%以上であると、着色力が十分でなく単色トナー付着量が多くなり資源に無駄が生じる不具合を防止することができる。含有量が、12質量%以下であると、トナーの帯電性に影響が大きくなり安定したトナー帯電量を維持することが困難となる不具合を防止することができる。
<IRトナー、及びカラートナーの特性>
IRトナーのベタ画像の60度光沢度としては、30以上であり、30以上80以下が好ましく、30以上60以下が更に好ましい。ベタ画像の60度光沢度が、30未満ではIRトナー像の視認性が増すことにより、目的の隠し画像としての体をなさなくなる。80より大きいと、トナー樹脂の分子量が小さくなり、十分な定着温度範囲が維持できにくくなることがある。
カラートナーのベタ画像の60度光沢度としては、10以上40以下が好ましく、15以上35以下がより好ましい。光沢度が数値範囲であると、カラートナー像が比較的低グロスの画像となる。
また、IRトナーのベタ画像の60度光沢度は、カラートナーのベタ画像の60度光沢度より10以上高く、15以上高いことが好ましく、20以上高いことが更に好ましい。IRトナーのベタ画像の60度光沢度と、カラートナーのベタ画像の60度光沢度との差が、10未満であると、画像出力媒体上で、画像形成時の加熱定着前にIRトナー像の上にカラートナー像を重ねた場合、加熱加圧定着される際に、上層のカラートナーが下層のIRトナー層内に入り込み、カラートナー像の視認性が悪化する。即ち、IRトナーのベタ画像の光沢度が、カラートナーのベタ画像の光沢度と比較して高いことにより、上層に重ねられたカラートナー像の視認性が向上し、結果として、下層のIRトナー像が視認されにくくなる。
カラートナーのベタ画像の800nm以上の吸光度としては、0.05未満であることが好ましく、0.01未満であることがより好ましい。
IRトナー、及びカラートナーのベタ画像の光沢度を調整する手段としては、例えば、結着樹脂のゲルの割合を調整する、結着樹脂の重量平均分子量を調整することなどが挙げられる。結着樹脂のゲル分率が大きいほど低光沢となり、ゲル分率が0に近づくほど高光沢となる傾向となる。ゲルを含まない結着樹脂を用いた場合、結着樹脂の重量平均分子量が大きいほど低光沢となり、重量平均分子量が小さいほど高光沢となる傾向にある。
更に結着樹脂に酸価のある樹脂を用いると、3価以上の金属塩を添加することにより光沢を調整することも可能である。結着樹脂酸価が大きく、金属塩添加量が多いほど低光沢となる傾向になり、結着樹脂酸価が小さく、金属塩添加量が少ないほど高光沢となる傾向となる。
IRトナーの重量平均分子量(Mwi)としては、6,000~12,000が好ましく、7,500~10,000がより好ましい。
重量平均分子量としては、THF溶解分の分子量分布をGPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー)測定装置GPC-150C(ウォーターズ社製)によって測定できる。
重量平均分子量の測定としては、例えば、カラム(KF801~807:ショウデックス社製)を使用し、以下の方法で行う。
40℃のヒートチャンバー中でカラムを安定させ、この温度におけるカラムに、溶媒としてTHFを毎分1mlの流速で流す。次いで、試料0.05gをTHF5gに十分に溶かした後、前処理用フィルタ(例えば、孔径0.45μm クロマトディスク(クラボウ製))で濾過し、最終的に試料濃度として0.05質量%~0.6質量%に調製した樹脂のTHF試料溶液を50μL~200μL注入して測定する。
IRトナーのゲル分率は0質量%~2質量%が好ましい。
ゲル分率は、重量平均分子量の測定の際に用いた、前処理用フィルタにてろ過された成分の乾燥重量より算出することができる。
IRトナーの重量平均分子量(Mw)/数平均分子量(Mn)としては、5以下が好ましく、4以下がより好ましい。
重量平均分子量Mw、個数平均分子量Mnの測定方法としては、IRトナーの有する分子量分布を数種の単分散ポリスチレン標準試料により作成された検量線の対数値とカウント数との関係から算出する。
検量線作成用の標準ポリスチレン試料としては、例えば、分子量が6×10、2.1×10、4×10、1.75×10、5.1×10、1.1×10、3.9×10、8.6×10、2×10、4.48×10(PressureChemical Co.社製、又は東洋ソーダ工業社製)などが挙げられる。検量線を作成するにあたり、少なくとも10点程度の標準ポリスチレン試料を用いるのが適当である。また、検出器にはRI(屈折率)検出器を用いる。
IRトナーの酸価としては、12mgKOH/g以下が好ましく、6mgKOH/g~12mgKOH/gがより好ましい。酸価は、結着樹脂として、ポリエステル樹脂を用いることで数値範囲内にすることができ、低温定着性と、耐ホットオフセット性を両立しやすい。
本実施形態におけるトナー及び結着樹脂の酸価の測定は、JIS K0070-1992に記載の測定方法に準拠して以下の条件で測定を行った。
試料溶液の調製としては、トナー又は結着樹脂0.5g(酢酸エチル可溶成分では0.3g)をトルエン120mLに添加して室温(23℃)で約10時間攪拌して溶解した。更に、エタノール30mLを添加して試料溶液とした。
測定は装置にて計算することが出来るが、具体的には次のように計算した。あらかじめ標定されたN/10苛性カリ~アルコール溶液で滴定し、アルコールカリ液の消費量から次の計算で酸価を求めた。
酸価=KOH(mL数)×N×56.1/試料質量(ただしNはN/10KOHのファクター)
なお、以下に示す実施例及び比較例では、結着樹脂とトナーの酸価がほぼ一致した。したがって、結着樹脂の酸価をトナーの酸価として扱う。
<<トナー粒径>>
IRトナーの重量平均粒径としては、5μm以上7μm以下が好ましく、5μm以上6μm以下がより好ましい。
カラートナーの重量平均粒径としては、4μm以上8μm以下が好ましく、5μm以上7μm以下がより好ましい。
重量平均粒径が範囲内であると、600dpi以上の微少ドットを再現し、高画質な画像を得ることができる。これは、微小な潜像ドットに対して、十分に小さい粒径のトナー粒子を有することができ、ドット再現性に優れるという利点が得られる。
特に、IRトナーにおいては、画像出力媒体上に転写され定着前の状態において、高密度に配置され、その上に重ねられるカラートナーがその隙間に入り込まないようにすることにより、再現性の高い定着後の画像を得ることができる。その再現性の高い画像は赤外光照射により機械読み取り処理にあたり、より安定した処理が可能となる。
カラートナーの重量平均粒径(D4)が4μm以上であると、転写効率の低下、ブレードクリーニング性の低下といった現象を防止することができ、カラートナーの重量平均粒径(D4)が8μm以下であると、上述のように定着前の画像に重なられたカラートナーが入り込むことによる画像情報の乱れが生じやすくなること、文字やラインの飛び散りを抑えることが難しくなるという不具合を抑えることができる。
また、重量平均粒径(D4)と個数平均粒径(D1)との比(D4/D1)としては、1.00~1.40が好ましく、1.05~1.30がより好ましい。比(D4/D1)は、1.00に近いほど粒径分布がシャープであることを示す。
このような小粒径で粒径分布の狭いトナーでは、トナーの帯電量分布が均一になり、地肌かぶりの少ない高品位な画像を得ることができ、また、静電転写方式では転写率を高くすることができる。
異なる色のトナー像を重ね合わせることにより多色像を形成するフルカラー画像形成方法においては、ブラックトナー1色のみで画像形成するため異なる色のトナー像を重ね合わせる必要のないモノクロ画像形成方法に比べて紙上に付着させるトナー量が多い。すなわち現像、転写、定着されるトナー量が多くなるために、上述の転写効率の低下、ブレードクリーニング性の低下、文字やラインの飛び散り、地肌かぶりなど画質を悪化させる不具合が起こりやすく、重量平均粒径(D4)や重量平均粒径(D4)と個数平均粒径(D1)との比(D4/D1)の管理が重要となる。
トナー粒子の粒度分布の測定は、コールターカウンター法によるトナー粒子の粒度分布の測定装置を用いて行うことができる。装置としては、例えば、コールターカウンターTA-IIやコールターマルチサイザーII(いずれもコールター社製)が挙げられる。
具体的な測定方法は以下のとおりである。
まず、電解水溶液100mL~150mL中に分散剤として界面活性剤(アルキルベンゼンスルホン酸塩など)を0.1mL~5mL加える。電解水溶液とは、1級塩化ナトリウムを用いて約1%NaCl水溶液を調製したもので、例えば、ISOTON-II(コールター社製)が挙げられる。
次に、測定試料を2mg~20mg加える。試料を懸濁した電解液は、超音波分散器で約1分間~3分間分散処理を行ない、測定装置により、アパーチャーとして100μmアパーチャーを用いて、トナー粒子又はトナーの重量、個数を測定して、重量分布と個数分布を算出する。得られた分布から、トナーの重量平均粒径(D4)、個数平均粒径(D1)を求めることができる。
チャンネルとしては、2.00~2.52μm未満;2.52~3.17μm未満;3.17~4.00μm未満;4.00~5.04μm未満;5.04~6.35μm未満;6.35~8.00μm未満;8.00~10.08μm未満;10.08~12.70μm未満;12.70~16.00μm未満;16.00~20.20μm未満;20.20~25.40μm未満;25.40~32.00μm未満;32.00~40.30μm未満の13チャンネルを使用し、粒径2.00μm以上乃至40.30μm未満の粒子を対象とする。
電子写真現像用トナーの正接損失(tanδ)は、画像の光沢度と明らかな相関があることが知られている。tanδの値が大きくなるとトナーの定着時の延展性が大きくなり、基材隠蔽性が高くなり、高光沢の画像が得られる。
IRトナーの100℃~140℃における正接損失(tanδi)としては、2.5以上が好ましく、3.0以上がより好ましい。tanδiは、15以下が好ましい。なお、IRトナーの100℃~140℃における正接損失(tanδi)が2.5以上であるとは、100℃~140℃において、IRトナーの正接損失(tanδi)が常に2.5以上の値をとることを意味する。
カラートナーの正接損失(tanδc)としては、2以下が好ましい。tanδcは、0.1以上が好ましい。カラートナーの正接損失が2以下であると、IR画像上に重ねたカラートナーがIRトナー画像内に入り込み、IRトナー画像の安定性を損なうという不具合を防止することができる。なお、カラートナーの100℃~140℃における正接損失(tanδc)が2以下であるとは、100℃~140℃において、カラートナーの正接損失(tanδc)が常に2以下の値をとることを意味する。
電子写真現像用トナーの正接損失(tanδ)は、損失弾性率(G’’)及び貯蔵弾性率(G’)の比(G’’)/(G’)であり、粘弾性測定により測定することができる。損失弾性率(G’’)及び貯蔵弾性率(G’)は、例えば、以下の方法により測定することができる。IRトナー、又はカラートナーを0.8g、φ20mmのダイスを用いて30MPaの圧力で成型し、ADVANCED RHEOMETRIC EXPANSION SYSTEM(TA社製)でφ20mmのパラレルコーンを使用して周波数1.0Hz、昇温速度2.0℃/分間、歪み0.1%(自動歪み制御:許容最小応力1.0g/cm、許容最大応力500g/cm、最大付加歪み200%、歪み調整200%)、GAPはサンプルセット後FORCEが0~100gmになる範囲で、損失弾性率(G’')、貯蔵弾性率(G')、正接損失(tanδ)の測定を行うことができる。
<トナーの製造方法>
本実施形態のトナーセットの製造方法としては、溶融混練-粉砕法、重合法など従来公知の方法が適用できる。また、カラートナーとIRトナーの製造法は同じ製造方法を用いても良いし、カラートナーは重合法、IRトナーは溶融混練粉砕法といったように別の製造方法を用いても良い。
<<溶融混練-粉砕法>>
溶融混練-粉砕法においては、その製造工程では、(1)少なくとも結着樹脂と着色剤もしくは近赤外光吸収材料、離型剤とを溶融混錬する工程、(2)溶融混錬されたトナー組成物を粉砕/分級する工程、(3)無機微粒子を外添する工程を有する。また、工程(2)の粉砕/分級工程で複製する微紛を、工程(1)の原料としてサイド混練することがコストの面で好ましい。
混練に使用する混錬機としては、密閉式ニーダー、1軸もしくは2軸の押出機、又はオープンロール型混練機等を用いることができる。混錬機の種類としては、例えば、KRCニーダー(栗本鉄工所社製)、ブス・コ・ニーダー(Buss社製)、TEM型押し出し機(東芝機械社製)、TEX二軸混練機(日本製鋼所社製)、PCM混練機(池貝鉄工所社製)、三本ロールミル、ミキシングロールミル、ニーダー(井上製作所社製)、ニーデックス(三井鉱山社製)、MS式加圧ニーダー、ニダールーダー(森山製作所社製)、バンバリーミキサー(神戸製鋼所社製)などが挙げられる。
粉砕機としては、例えば、カウンタージェットミル、ミクロンジェット、イノマイザ(ホソカワミクロン社製)、IDS型ミル、PJMジェット粉砕機(日本ニューマチック工業社製)、クロスジェットミル(栗本鉄工所社製)、ウルマックス(日曹エンジニアリング社製)、SKジェット・オー・ミル(セイシン企業社製)、クリプトロン(川崎重工業社製)、ターボミル(ターボエ業社製)、スーパーローター(日清エンジニアリング社製)などが挙げられる。
分級機としては、例えば、クラッシール、マイクロンクラッシファイアー、スペディッククラシファイアー(セイシン企業社製)、ターボクラッシファイアー(日清エンジニアリング社製)、ミクロンセパレータ、ターボプレックス(ATP)、TSPセパレータ(ホソカワミクロン社製)、エルボージェット(日鉄鉱業社製)、ディスパージョンセパレータ(日本ニューマチック工業社製)、YMマイクロカット(安川商事社製)が挙げられる。
粗粒などをふるい分けるために用いられる篩い装置としては、例えば、ウルトラソニック(晃栄産業社製)、レゾナシーブ、ジャイロシフター(徳寿工作所社)、バイブラソニックシステム(ダルトン社製)、ソニクリーン(新東工業社製)、ターボスクリーナー(ターボエ業社製)、ミクロシフター(槙野産業社製)、円形振動篩いなどが挙げられる。
<<重合法>>
重合法としては、従来公知の方法を用いることができる。重合法としては、例えば、以下のような手順が挙げられる。先ず、着色剤、結着樹脂、離型剤を有機溶媒中に分散させ、トナー材料液(油相)を作る。トナー材料液には、イソシアネート基を有するポリエステルプレポリマー(A)を添加し、造粒中に反応させて、ウレア変性ポリエステル樹脂をトナーに含有させることが好ましい。
次に、トナー材料液を界面活性剤、樹脂微粒子の存在下、水系媒体中で乳化させる。
水系媒体としては、水系媒体に用いる水系溶媒は、水単独でもよいし、アルコールなどの有機溶媒を含むものであってもよい。
トナー材料液100質量部に対する水系溶媒の使用量は、通常50質量部~2,000質量部が好ましく、100質量部~1,000質量部がより好ましい。
樹脂微粒子としては、水性分散体を形成しうる樹脂であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ビニル系樹脂、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂などが挙げられる。
分散後、乳化分散体(反応物)から有機溶媒を除去し、洗浄、乾燥してトナー母体粒子を得る。
IRトナー、及びカラートナーは、一成分現像剤としても、二成分現像剤として用いることができる。
本実施形態のトナーを二成分系現像剤に用いる場合には、磁性キャリアと混合して用いればよく、現像剤中のキャリアとトナーの含有比は、キャリア100質量部に対して、トナー1質量部~10質量部が好ましい。
磁性キャリアとしては、従来から公知のものを使用することができ、例えば、粒子径20μm~200μm程度の鉄粉、フェライト粉、マグネタイト粉、磁性樹脂キャリアなどが挙げられる。
磁性キャリアは、被覆されたものも使用することができる。磁性キャリアを被覆するための被覆材料としては、例えば、尿素-ホルムアルデヒド樹脂、メラミン樹脂、ベンゾグアナミン樹脂、ユリア樹脂、ポリアミド樹脂、エポキシ樹脂等のアミノ系樹脂;ポリビニル等のポリビニリデン系樹脂;アクリル樹脂、ポリメチルメタクリレート樹脂、ポリアクリロニトリル樹脂、ポリ酢酸ビニル樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、ポリスチレン樹脂、スチレンアクリル共重合樹脂等のポリスチレン系樹脂;ポリ塩化ビニル等のハロゲン化オレフィン樹脂;ポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリブチレンテレフタレート樹脂等のポリエステル系樹脂;ポリカーボネート系樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリ弗化ビニル樹脂、ポリ弗化ビニリデン樹脂、ポリトリフルオロエチレン樹脂、ポリヘキサフルオロプロピレン樹脂、弗化ビニリデンとアクリル単量体との共重合体、弗化ビニリデンと弗化ビニルとの共重合体、テトラフルオロエチレンと弗化ビニリデンと非弗化単量体とのターポリマー等のフルオロターポリマー、シリコーン樹脂などが挙げられる。
更に必要に応じて、導電粉等を被覆樹脂中に含有させてもよい。導電粉としては、金属粉、カーボンブラック、酸化チタン、酸化錫、酸化亜鉛等が使用できる。これらの導電粉は、平均粒子径1μm以下のものが好ましい。平均粒子径が1μm以下であると、電気抵抗の制御が困難になるという不具合を防止することができる。
本実施形態におけるIRトナーの一例としては、IRトナー像がベタ画像である場合のベタ画像の60度光沢度が、30以上であり、30以上80以下が好ましく、30以上60以下が更に好ましい。
また、本実施形態におけるIRトナーの他の例としては、IRトナー像がベタ画像である場合のベタ画像の60度光沢度は、カラートナー像がベタ画像である場合のベタ画像の60度光沢度より10以上高く、15以上高いことが好ましく、20以上高いことが更に好ましい。
本実施形態におけるIRトナーの更に他の例としては、IRトナーの100℃~140℃における正接損失(tanδi)は、2.5以上が好ましく、3.0以上がより好ましい。また、画像形成方法、及び画像形成装置において、カラートナーの正接損失(tanδc)としては、2以下が好ましい。
カラートナー像の形成に用いるカラートナーの数としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。カラートナーを複数使用する場合は、複数のカラートナーを同時に形成する方法、単色トナーを繰り返し形成させて各色を重ねる方法のいずれも行うことができるが、単色トナーを繰り返し形成させて各色を重ねる方法が好ましい。なお、カラートナー像において、各色を形成させる順序としては特に制限はない。
IRトナー像における、IRトナーの付着量としては、0.30mg/cm以上0.45mg/cm以下が好ましく、0.35mg/cm以上0.40mg/cm以下がより好ましい。IRトナーの付着量が、0.30mg/cm以上であると画像の基材隠蔽率が十分となり安定した画像が得られる。
また、近赤外光吸収材料は、可視光領域に若干の吸収があり、完全に無色ではないため、近赤外光吸収材料のトナーへの添加量が増えれば、視認性が増してしまう。その為に、画像のIRトナー付着量を、0.45mg/cm以下とすることにより、視認性の低減が可能となる。
IRトナー像に重ねるカラートナー像の単位面積当たりにおけるトナー付着量は、30%以上80%以下が好ましい。カラートナー像の単位面積当たりにおけるトナー付着量がこの数値範囲内であると、カラートナー像の下にあるIRトナー像の視認性を十分に低下させることができる点で好ましい。
この理由としては、以下のことが考えられる。本実施形態のIRトナーは、可視光領域に若干の吸収があり、単色での画像は完全な透明ではない。よって、IRの画像情報を不可視にする(目視しにくくする)ためには、カラートナーでマスクするのが好ましい。カラートナー像の単位面積当たりにおけるトナー付着量が30%以上であれば、IRトナー像が視認されやすくなるという不具合を防止するのに有効である。カラートナー像の単位面積当たりにおけるトナー付着量が30%未満であると、特にイエロートナーを重ねた場合のIRトナー像の視認性が上がってしまう。
IRトナー像上のカラートナー像の単位面積当たりにおけるトナー付着量を30%以上80%以下とする画像形成方法は、特に二次元コード画像を重ねて画像形成する際に有効である。互いに情報の異なるIRトナーによる二次元コード画像とカラートナーによる二次元コード画像とを重ねて画像形成することにより、異なる光波長の読み取り装置(それぞれ860nm、532nm)を用いれば、同じ画像面積内で、カラートナーによる二次元コード画像のみの場合よりも多くの情報を埋め込むことができる。
記録材上において、IRトナー像である二次元コード画像(i)が、カラートナー像である二次元コード画像(c)よりも記録材側に形成されていることが好ましい。この際に、カラートナー像がベタ画像である場合のベタ画像の800nm以上900nm以下の吸光度は、0.05未満であることが好ましく、0.01未満であることがより好ましい。
また、二次元コード画像(i)が有する情報と、二次元コード画像(c)が有する情報とが異なることが好ましい。
IRトナーの二次元コード画像と、カラートナーの二次元コード画像とを重ねる場合、カラートナーの二次元コード画像をダミーのコードとする形態も可能である。このような形態では、IRトナーの二次元コード画像は、視認されることなく、赤外光の二次元コードの読み取り機のみで情報を読み取れ、カラートナーの二次元コード画像は、視認されるが、赤外光の二次元コードの読み取り機では情報を読み取ることができない。
以上に説明したものは一例であり、次の態様毎に特有の効果を奏する。
[第1態様]
第1態様は、可視トナー(例えば、カラートナー、黒トナー)を用いた可視画像と不可視トナー(例えばIRトナー)を用いた不可視画像とを記録材(例えば用紙P)上に形成可能な画像形成装置(例えばプリンタ)であって、不可視画像情報(不可視画像を形成するためのIRの画像情報)に基づいて不可視トナーにより不可視画像を形成する第一動作(例えば不可視画像モード)と、可視画像情報(例えばY、M、Cの画像情報)に基づいて可視トナー及び光沢トナーにより光沢可視画像を形成する第二動作(光沢画像モード)とを制御する制御手段(例えば制御部30)を有し、前記第二動作で用いられる前記光沢トナーは、前記第一動作で用いられる前記不可視トナーであることを特徴とするものである。
不可視画像を形成する第一動作と光沢可視画像を形成する第二動作とを単一の画像形成装置で行う場合、可視トナー用の画像形成部のほか、第一動作に用いられる不可視トナー用の画像形成部と第一動作に用いられる光沢トナー用の画像形成部とが必要となる。そのため、必要な画像形成部の数が多くなり、コスト高となる。
本発明者らは、鋭意研究の結果、不可視トナーには可視画像の光沢度を高める効果が得られるという知見を得た。この知見に鑑み、本態様は、第二動作で用いられる光沢トナーとして、第一動作で用いられる不可視トナーを使用するものである。これにより、不可視トナー用の画像形成部及び光沢トナー用の画像形成部として単一の画像形成部を用いることができるようになり、コスト高の問題を解消することができる。
[第2態様]
第2態様は、第1態様において、前記不可視トナーは、可視光領域外の光を用いることで視認性が向上する透明性トナー(例えばIRトナー)であることを特徴とするものである。
本態様においては、透明性トナーを用いることで、不可視画像の不視認性を高めることと光沢可視画像の光沢度を高めることの両立が可能となる。
[第3態様]
第3態様は、第2態様において、前記可視トナーは、結着樹脂及び着色剤を含み、前記透明性トナーは、結着樹脂及び近赤外光吸収材料を含み、ベタ画像の60度光沢度が30以上であって、かつ、ベタ画像の60度光沢度が前記可視トナーのベタ画像の60度光沢度よりも10以上高いことを特徴とするものである。
本態様においては、不可視画像の不視認性を高めることと光沢可視画像の光沢度を高めることとを両立することができる。
[第4態様]
第4態様は、第2又は第3態様において、前記透明性トナーは、結着樹脂及び近赤外光吸収材料を含み、かつ、100℃以上140℃以下の範囲内における正接損失(tanδi)が2.5以上であり、前記可視トナーは、結着樹脂及び着色剤を含み、かつ、100℃以上140℃以下の範囲内における正接損失(tanδc)が2以下であることを特徴とするものである。
本態様においては、不可視画像の不視認性を高めることと光沢可視画像の光沢度を高めることとを両立することができる。
[第5態様]
第5態様は、第1乃至第4態様のいずれかにおいて、単位面積当たりの不可視トナーの量は、前記第一動作よりも前記第二動作の方が多いことを特徴とするものである。
本態様においては、不可視画像の不視認性を高めることと光沢可視画像の光沢度を高めることとを両立することができる。
[第6態様]
第6態様は、第1乃至第5態様のいずれかにおいて、前記第一動作で、可視画像情報に基づいて可視トナーにより形成される通常の可視画像と重ねて前記不可視画像を形成する場合、該第一動作における単位面積当たりの不可視トナーの量は、単位面積当たりの可視トナーの量に対する所定比率に基づいて決定されることを特徴とするものである。
本態様においては、第一動作により不可視画像の高い不視認性を得ることができる。
[第7態様]
第7態様は、第1乃至第6態様のいずれかにおいて、前記第二動作における単位面積当たりの不可視トナーの量は、単位面積当たりの可視トナーの量に対する所定比率に基づいて決定されることを特徴とするものである。
本態様においては、第二動作により光沢可視画像の高い光沢度を得ることができる。
[第8態様]
第8態様は、第1乃至第7態様のいずれかにおいて、前記第一動作では、可視画像情報に基づいて可視トナーにより形成される通常の可視画像と重ねて前記不可視画像を形成する場合、記録材上で不可視トナーの上に可視トナーが重なるように動作し、前記第二動作では、記録材上で不可視トナーが最も上に重なるように動作することを特徴とするものである。
本態様においては、第一動作により不可視画像の高い不視認性を得ることができる。
[第9態様]
第9態様は、第8態様において、可視トナーで画像形成する可視トナー用交換ユニット(例えば、カラー用プロセスユニット6Y,6M,6C、黒用プロセスユニット6K)及び不可視トナーで画像形成する不可視トナー用交換ユニット(例えば、IR用プロセスユニット6IR)を脱着可能に保持するユニット保持部を有し、前記ユニット保持部は、可視トナー用交換ユニットと不可視トナー用交換ユニットとの位置関係を変更可能に構成されていることを特徴とするものである。
本態様によれば、可視トナー用交換ユニットと不可視トナー用交換ユニットとの位置関係を変更することで、第一動作及び第二動作のそれぞれに対応した重ね順での高速な画像形成動作が可能となる。
[第10態様]
第10態様は、第8又は第9態様において、可視トナーで画像形成する可視トナー用画像形成部(例えば、カラー用プロセスユニット6Y,6M,6C、黒用プロセスユニット6K)と不可視トナーで画像形成する不可視トナー用画像形成部(例えば、IR用プロセスユニット6IR)とが、記録材(例えば用紙P)又は中間転写体(例えば中間転写ベルト12)である被転写体(例えば中間転写ベルト12)の移動方向に沿って並んで配置されており、前記制御手段は、前記可視トナー用画像形成部と前記不可視トナー用画像形成部との並び順が前記重なりの順に対応していないとき、前記可視トナー用画像形成部及び前記不可視トナー用画像形成部の最初の通過時に、可視トナーと不可視トナーのうち前記重なりの順に対応して先に付着させるべきトナーを前記被転写体に付着させた後、前記可視トナー用画像形成部及び前記不可視トナー用画像形成部の再度の通過時に、可視トナーと不可視トナーのうち前記重なりの順に対応して後に付着させるべきトナーを該被転写体に付着させることを特徴とするものである。
本態様によれば、可視トナー用画像形成部と不可視トナー用画像形成部との並び順が前記重なりの順に対応していないときでも、不可視画像の不視認性を高めることができ、また、光沢可視画像の光沢度を高めることができる。
1 :画像形成部
2 :転写部
3 :記録材供給部
4 :定着部
5 :記録材排出部
6 :プロセスユニット
7 :感光体
8 :帯電ローラ
9 :現像装置
10 :感光体クリーニング装置
11 :露光装置
12 :中間転写ベルト
13 :一次転写ローラ
14 :二次転写ローラ
17 :ベルトクリーニング装置
18 :給紙カセット
19 :給紙ローラ
20 :タイミングローラ対
21 :定着装置
24 :排紙ローラ対
26 :トナーカートリッジ
30 :制御部
31 :主制御部
32 :記憶部
33 :色変換・分解処理部
34 :黒生成処理部
35 :ガンマ変換部
36 :階調変換部
37 :トナー総量規制部
40 :画像形成制御部
41 :入口ローラ対
42,43:搬送ローラ対
50 :操作パネル
特開2019-117372号公報

Claims (10)

  1. 可視トナーを用いた可視画像と不可視トナーを用いた不可視画像とを記録材上に形成可能な画像形成装置であって、
    不可視画像情報に基づいて不可視トナーにより不可視画像を形成する第一動作と、可視画像情報に基づいて可視トナー及び光沢トナーにより光沢可視画像を形成する第二動作とを制御する制御手段を有し、
    前記第二動作で用いられる前記光沢トナーは、前記第一動作で用いられる前記不可視トナーであることを特徴とする画像形成装置。
  2. 請求項1に記載の画像形成装置において、
    前記不可視トナーは、可視光領域外の光を用いることで視認性が向上する透明性トナーであることを特徴とする画像形成装置。
  3. 請求項2に記載の画像形成装置において、
    前記可視トナーは、結着樹脂及び着色剤を含み、
    前記透明性トナーは、結着樹脂及び近赤外光吸収材料を含み、ベタ画像の60度光沢度が30以上であって、かつ、ベタ画像の60度光沢度が前記可視トナーのベタ画像の60度光沢度よりも10以上高いことを特徴とする画像形成装置。
  4. 請求項2又は3に記載の画像形成装置において、
    前記透明性トナーは、結着樹脂及び近赤外光吸収材料を含み、かつ、100℃以上140℃以下の範囲内における正接損失(tanδi)が2.5以上であり、
    前記可視トナーは、結着樹脂及び着色剤を含み、かつ、100℃以上140℃以下の範囲内における正接損失(tanδc)が2以下であることを特徴とする画像形成装置。
  5. 請求項1乃至4のいずれか1項に記載の画像形成装置において、
    単位面積当たりの不可視トナーの量は、前記第一動作よりも前記第二動作の方が多いことを特徴とする画像形成装置。
  6. 請求項1乃至5のいずれか1項に記載の画像形成装置において、
    前記第一動作で、可視画像情報に基づいて可視トナーにより形成される通常の可視画像と重ねて前記不可視画像を形成する場合、該第一動作における単位面積当たりの不可視トナーの量は、単位面積当たりの可視トナーの量に対する所定比率に基づいて決定されることを特徴とする画像形成装置。
  7. 請求項1乃至6のいずれか1項に記載の画像形成装置において、
    前記第二動作における単位面積当たりの不可視トナーの量は、単位面積当たりの可視トナーの量に対する所定比率に基づいて決定されることを特徴とする画像形成装置。
  8. 請求項1乃至7のいずれか1項に記載の画像形成装置において、
    前記第一動作では、可視画像情報に基づいて可視トナーにより形成される通常の可視画像と重ねて前記不可視画像を形成する場合、記録材上で不可視トナーの上に可視トナーが重なるように動作し、
    前記第二動作では、記録材上で不可視トナーが最も上に重なるように動作することを特徴とする画像形成装置。
  9. 請求項8に記載の画像形成装置において、
    可視トナーで画像形成する可視トナー用交換ユニット及び不可視トナーで画像形成する不可視トナー用交換ユニットを脱着可能に保持するユニット保持部を有し、
    前記ユニット保持部は、可視トナー用交換ユニットと不可視トナー用交換ユニットとの位置関係を変更可能に構成されていることを特徴とする画像形成装置。
  10. 請求項8又は9に記載の画像形成装置において、
    可視トナーで画像形成する可視トナー用画像形成部と不可視トナーで画像形成する不可視トナー用画像形成部とが、記録材又は中間転写体である被転写体の移動方向に沿って並んで配置されており、
    前記制御手段は、前記可視トナー用画像形成部と前記不可視トナー用画像形成部との並び順が前記重なりの順に対応していないとき、前記可視トナー用画像形成部及び前記不可視トナー用画像形成部の最初の通過時に、可視トナーと不可視トナーのうち前記重なりの順に対応して先に付着させるべきトナーを前記被転写体に付着させた後、前記可視トナー用画像形成部及び前記不可視トナー用画像形成部の再度の通過時に、可視トナーと不可視トナーのうち前記重なりの順に対応して後に付着させるべきトナーを該被転写体に付着させることを特徴とする画像形成装置。
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