JP7478355B2 - 画像形成装置 - Google Patents

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Description

本発明は、画像形成装置に関するものである。
従来、黒色トナー像を担持する黒像担持体を有する黒用作像ユニットと特色トナー像を担持する特色像担持体を有する特色用作像ユニットとを選択的に脱着可能に保持するユニット保持部と、黒色および特色とは異なる色のトナー像を担持する第三像担持体を有する第三作像ユニットとを備えた画像形成装置が知られている。この画像形成装置は、ユニット保持部に保持された作像ユニットの像担持体および第三像担持体に当接し、ユニット保持部に保持された作像ユニットのトナー像と、第三作像ユニットのトナー像とが表面移動しながら転写される転写部材を備えている。
特許文献1には、上記画像形成装置として、第三作像ユニットとして、イエロー作像ユニット、マゼンタ作像ユニットおよびシアン作像ユニットを備えたものが記載されている。ユニット保持部に特色用作像ユニットが保持されているときは、これら3つの第三作像ユニットの各色トナー像を重ね合わせて黒色画像を形成する。
しかしながら、第三作像ユニットの劣化が早まるおそれがあった。
上述した課題を解決するために、本発明は、黒トナー像を担持する黒用像担持体を有する黒用作像ユニットと特色トナー像を担持する特色用像担持体を有する特色用作像ユニットとを選択的に脱着可能に保持するユニット保持部と、黒色および特色とは異なる色のトナー像を担持する第三像担持体を備えた第三作像ユニットと、前記黒用像担持体と前記特色用像担持体のいずれか一方および前記第三像担持体に当接し、前記黒用作像ユニットと前記特色用作像ユニットのいずれか一方のトナー像と、前記第三作像ユニットのトナー像とが転写される転写部材とを備えた画像形成装置において、前記ユニット保持部に保持されたユニットが前記黒用作像ユニットであるか前記特色用作像ユニットであるかを判断する判断部を有し、前記転写部材は、前記第三像担持体に対して接離可能に構成されており、前記判断部が、前記ユニット保持部に前記黒用作像ユニットが保持されていると判断したときは、前記第三像担持体から離間した状態で前記転写部材を待機させ、前記判断部が、前記ユニット保持部に前記特色用作像ユニットが保持されていると判断したときは、前記第三像担持体に当接した状態で前記転写部材を待機させることを特徴とするものである。
本発明によれば、第三作像ユニットの劣化を抑制することができる。
本実施形態に係るプリンタの全体構成を示す説明図。 中間転写ベルトを、カラーの感光体に対して接離させるベルト接離機構の一例を示す概略構成図。 識別情報を記録した情報記録部を有するプロセスユニット及びトナーカートリッジの例を示す説明図。 プリンタ本体に設けられるIDチップ読取部やバーコード読取部を示す説明図。 実施形態のプリンタにおける中間転写ベルトの接離制御に係る制御ブロック図。 カバー部材の開閉時における中間転写ベルトの接離動作のフロー図。 印刷動作時における中間転写ベルトの接離動作のフロー図。 各画像形成モードにおけるタイミングチャート。 IR接離機構による中間転写ベルトのIR用感光体に対する接離について説明する図。 本実施形態のプリンタの評価結果を示す図。 IRトナーで形成した二次元コード画像であるQRコード(i)の上に、Y、M、Cの3色のトナーで形成した二次元コード画像であるQRコード(c)を重ねた例の説明図。
以下、本発明を、画像形成装置であるカラープリンタ(以下「プリンタ」という。)に適用した一実施形態について、図面を参照して説明する。
なお、本実施形態では、一例として、本発明を4ステーション以下の画像形成装置に適用している。また、画像形成装置としては、黒(K)トナーで現像処理を行うK用現像装置を含むK用プロセスユニット(黒用交換ユニット)を着脱可能に保持するユニット保持部を備え、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)のうちの少なくとも1つのカラートナーからなるカラートナー像とKトナーからなるKトナー像とで構成されるカラー黒可視画像を記録媒体上に形成するものであれば、特に制限はない。したがって、プリンタ以外にも、複写機、ファクシミリ単体、あるいは、プリンタ、複写機、ファクシミリ、スキャナのうちの少なくとも2つの機能を備えた複合機であってもよい。
本実施形態のプリンタは、前記ユニット保持部に、K用プロセスユニットに代えて、記録媒体上で視認困難な視認困難画像を形成する特殊トナーで現像処理を行う特殊用現像装置を含む特殊用交換ユニットを交換して保持させることにより、視認困難画像を形成できるものである。このような特殊トナーは、画像中に付加情報を埋め込む場合に使用される。例えば、不正コピー防止等の目的で、カラートナーによる可視画像とともに、不可視パターン、地紋などと呼ばれる目視で認識しにくい視認困難画像(人間が一見しても視認できない「COPY」等の文字画像)を記録媒体に形成する場合に使用される。また、例えば、QRコード(登録商標)等のコード画像の情報量を増やす目的で、可視画像によるコード画像と視認困難画像によるコード画像とを重ねて記録媒体に形成する場合に使用される。
視認困難画像とは、後述するように、可視光下で通常のカラートナーよりも透明性が高いトナーによって形成される画像であって、本実施形態ではさらに赤外光等を照射するなどの処理によって、発光、発色等が行われ、視認が容易になるようにされている。
特殊トナーとしては、透明性を有する赤外光吸収トナーや、紫外線を当てると蛍光する透明性の蛍光トナーなど、可視光領域外の光を吸収したり、可視光領域外の光によって可視光領域の光を発光したりするものが挙げられる。本実施形態は、特殊トナーとして、赤外光吸収トナーを用いる例で説明する。以下の説明において、各部材のトナー別符号として、イエロートナー(Yトナー)は「Y」、マゼンタトナー(Mトナー)は「M」、シアントナー(Cトナー)は「C」、黒トナー(Kトナー)は「K」、赤外光吸収トナー(IRトナー)は「IR」を用いる。上述のとおり、特殊トナーは、少なくともイエロー、マゼンタ、シアン、ブラック以外の色、もしくは透明なトナーである。白、メタリックも含む。ただし、特殊トナーとしては、可視光下で発色を抑制されているような透明トナー(透明性トナー)が望ましい。また、通常のカラートナーよりも色素含有量が少ない。
まず、本実施形態に係るプリンタの全体構成及び動作について説明する。
図1は、本実施形態に係るプリンタの全体構成を示す説明図である。
本実施形態のプリンタは、画像形成部1と、転写部2と、記録媒体供給部3と、定着部4と、記録媒体排出部5と、制御部30と、画像形成制御部40とから、主に構成されている。
画像形成部1には、交換ユニットとしての作像ユニットである4つのプロセスユニット6を保持するための4つのユニット保持部が設けられている。そのうちの3つのユニット保持部は、第三作像ユニットであるカラートナーに対応する3つのプロセスユニット6Y,6M,6Cにそれぞれ対応したものである。残りの1つのユニット保持部は、黒用作像ユニットであるK用プロセスユニット6K及び特色用作像ユニットであるIR用プロセスユニット6IRに対応したものであり、いずれかのプロセスユニット6K,6IRが選択的に装着されて保持する。なお、図1には、ユニット保持部に対し、K用プロセスユニット6Kではなく、IR用プロセスユニット6IRを装着して保持させた例が図示されている。各プロセスユニット6Y,6M,6C,6K,6IRは、使用するトナーの種類が異なる以外は同様の構成となっている。
本実施形態のプリンタは、ユニット保持部が4つであるため、上述した5つのプロセスユニット6Y,6M,6C,6K,6IRに対応する5つのユニット保持部を備えたプリンタよりも、小型化が実現される。すなわち、4つのユニット保持部をもつ小型のプリンタで、Y、M、C、Kのトナーによるフルカラー画像(カラー黒可視画像)の形成と、Y、M、C、IRのトナーによるフルカラー画像(カラー可視画像)及びIR画像(視認困難画像)の形成とを、両立することができる。
また、すべてのプロセスユニットを着脱可能とし、プロセスユニットを装着する位置(ユニット保持部)を互いに入れ替えることができるようにしてもよい。この場合、IRのプロセスユニットの位置を入れ替えることで、記録媒体上におけるIRトナー像と各カラートナー像との位置関係(トナー像積層方向における位置関係)を適宜入れ替えることが可能となる。
本実施形態において、各プロセスユニット6Y,6M,6C,6K,6IRは、潜像を担持する潜像担持体としての感光体7と、感光体7の表面を帯電させる帯電手段としての帯電ローラ8と、感光体7上の潜像を現像する現像手段としての現像装置9と、感光体7の表面をクリーニングする潜像担持体クリーニング手段としての感光体クリーニング装置10などで構成されている。各感光体7に対向した位置には、それぞれ、感光体7の表面に潜像を形成する潜像形成手段としての露光装置11が設けられている。本実施形態では、露光装置11としてLEDユニットを用いているが、レーザダイオードを用いたレーザビームスキャン方式のものを用いてもよい。
転写部2には、感光体7上のトナー像が転写される中間転写体としての無端状の中間転写ベルト12と、感光体7上の画像を中間転写ベルト12に一次転写する一次転写手段としての複数の一次転写ローラ13と、中間転写ベルト12に転写されたトナー像を記録媒体に二次転写する二次転写手段としての二次転写ローラ14と、中間転写ベルト12の表面(外周面)をクリーニングする中間転写体クリーニング手段としてのベルトクリーニング装置17とが配置されている。
中間転写ベルト12は、駆動ローラ15と従動ローラ16とに張架されており、駆動ローラ15が回転することで周回走行(回転)する。各一次転写ローラ13は、中間転写ベルト12を各感光体7に押し当てるように配置されている。これにより、中間転写ベルト12と各感光体7との接触箇所には、各感光体7上の画像が中間転写ベルト12に転写される一次転写ニップが形成される。一方、二次転写ローラ14は、駆動ローラ15に巻き付いた中間転写ベルト12の部分に接触するように配置されている。この二次転写ローラ14と中間転写ベルト12とが接触する箇所には、中間転写ベルト12上の画像が記録媒体に転写される二次転写ニップが形成される。
記録媒体供給部3には、記録媒体としての用紙Pを収容する記録媒体収容部としての給紙カセット18と、給紙カセット18から用紙Pを給送する記録媒体給送手段としての給紙ローラ19と、給紙ローラ19によって給送された用紙Pを所定のタイミングで前記二次転写ニップへ搬送する記録媒体搬送手段としてのタイミングローラ20が配置されている。なお、記録媒体としては、用紙以外に、OHPシートやOHPフィルム、布等であってもよい。また、用紙には、普通紙のほか、厚紙、はがき、封筒、薄紙、塗工紙(コート紙やアート紙等)、和紙等の凹凸紙、トレーシングペーパ等が含まれる。
定着部4には、用紙Pに画像を定着する定着手段としての定着装置21が配置されている。定着装置21は、ヒータ等の加熱源によって加熱される定着部材としての定着ローラ22と、定着ローラ22に対して所定の圧力で接触して定着ニップを形成する加圧部材としての加圧ローラ23とから主に構成されている。
記録媒体排出部5には、定着装置21から送り出された用紙Pを装置外に排出する記録媒体排出手段としての排紙ローラ24と、排紙ローラ24によって排出された用紙Pを載置する記録媒体載置部としての排紙トレイ25とが配置されている。
制御部30は、読取装置(スキャナ)やパソコン等からの入力画像情報に対する画像処理を行い、また、プリンタ全体の制御を担うものである。
また、画像形成制御部40は、制御部30の制御の下、プリンタの各部(画像形成部1、転写部2、記録媒体供給部3、定着部4、記録媒体排出部5等)における画像形成動作を制御するものである。
また、本実施形態のプリンタには、上述の各構成要素に加え、画像形成に用いられる粉体であるトナーを収容するトナー収容器としての複数のトナーカートリッジ26Y,26M,26C,26K,26IRを着脱可能に保持する容器保持部材102が設けられている。この容器保持部材102には、4つのトナー収容器保持部が設けられ、各トナー収容器保持部にそれぞれ対応するトナーカートリッジが装着され保持される。4つのトナー収容器保持部のうちの3つのトナー収容器保持部は、カラートナーに対応する3つのトナーカートリッジ26Y,26M,26Cにそれぞれ対応したものである。残りの1つのトナー収容器保持部は、K用トナーカートリッジ26K及びIR用トナーカートリッジ26IRに対応したものであり、いずれかのトナーカートリッジ26K,26IRが選択的に装着されて保持する。なお、図1には、トナー収容器保持部に対し、K用トナーカートリッジ26Kではなく、IR用トナーカートリッジ26IRを装着して保持させた例が図示されている。
各トナーカートリッジ26Y,26M,26C,26K,26IRは、上述した各6Y,6M,6C,6K,6IRの現像装置9内のトナーと同じ種類(色)のトナーが、それぞれに収容されている。容器保持部材102の4つのトナー収容器保持部には、それぞれ、4つのユニット保持部に装着されているプロセスユニット6のトナーに対応するトナーカートリッジ26が装着され、装着されているプロセスユニット6の現像装置9内のトナーが所定量を下回ると、対応するトナー収容器保持部に装着されたトナーカートリッジ26から同じ種類のトナーが補給される。
また、本実施形態のプリンタには、廃トナー収容容器27が装着されている。この廃トナー収容容器27には、ベルトクリーニング装置17あるいは感光体クリーニング装置10によって回収された廃トナーが収容される。
また、図1に示すように、本実施形態のプリンタは、装置本体(画像形成装置本体)100の上部を開閉するためのカバー部材101を備える。カバー部材101は、装置本体100に設けられた回動軸103を中心に上下に回動可能となっている。また、カバー部材101の下方には、4つのトナーカートリッジ26を着脱可能にトナー収容器保持部に保持する容器保持部材102が配置されている。容器保持部材102は、装置本体100に設けられた別の回動軸104を中心に上下に回動可能となっている。
容器保持部材102は、カバー部材101が開かれた状態で、開閉可能となっており、容器保持部材102を開くことでプロセスユニットを、ユニット毎に交換することが可能となっている。カバー部材101の回動軸103近傍には検知突起103aが形成されており、カバー部材101を開閉すると、検知突起103aによって、カバー開閉検知手段としての開閉検知スイッチ110がオン/オフされる。これにより、カバー部材101の開閉が検知される。なお、カバー部材101の開閉検知は、これに限らず、例えば、カバー開閉検知手段として、光学センサを用いるなど、公知の手法を用いることができる。
本実施形態において、図1に示すように、ユニット保持部にIR用プロセスユニット6IRが装着されている場合、IRトナーからなるIRトナー像(特殊トナー像)が、記録媒体上で、Y、M、Cのカラートナーからなるカラートナー像よりも記録媒体側に形成されるように、IRのプロセスユニット6IRが中間転写ベルト12の走行方向最下流側に配置され、その上流側にカラーのプロセスユニット6Y,6M,6Cが配置される。つまり、中間転写ベルト12上では、ベルト側から順に、Yトナー像、Mトナー像、Cトナー像、IRトナー像が積層されるが、これを二次転写した後の記録媒体上においては、記録媒体側から順に、IRトナー像、Cトナー像、Mトナー像、Yトナー像の順となる。
IRトナー像をカラートナー像よりも記録媒体側に形成することで、IRトナー像がカラートナー像に隠れ、IRトナー像による視認困難画像の不視認性を高めやすい。ただし、カラーのプロセスユニット6Y,6M,6Cに対してIRのプロセスユニット6IRをどこに配置するかは、適宜変更可能である。また、上述したように、プロセスユニット6Y,6M,6C,6IRの装着位置を互いに入れ替えることができる構成とした場合には、IRのプロセスユニットの位置を自由に入れ替えることができる。
また、本実施形態のプリンタでは、Y、M、C、K、IRの各トナーの付着量(単位面積当たりのトナー付着量)を調整して各トナーによる画像濃度の調整を行う。詳しくは、中間転写ベルト12上に形成されるY、M、C、K、IRの各トナーのテストトナー像(異なる目標濃度となるように作像された複数のトナーパッチ)のトナー付着量を検知するためのトナー付着量検知センサが設けられている。このトナー付着量検知センサで検知した結果から、所望の濃度に対して所望のトナーが付着するように、Y、M、C、K、IRの各プロセスユニットにおける作像条件(画像形成条件)等が調整される。
本実施形態のトナー付着量検知センサは、Y、M、C、K、IRの各テストトナー像に対して共通に使用されるものでもよいし、Y、M、C、K、IRの各テストトナー像に対して個別に使用されるものでもよい。本実施形態のトナー付着量検知センサは、テストトナー像へ光を照射し、当該テストトナー像からの正反射光及び拡散反射光を受光する光学式の画像濃度センサ(光学センサ)である。Y、M、Cのカラートナーについては、正反射光および拡散反射光の両方の受光量に基づいてテストトナー像のトナー付着量(テストトナー像の画像濃度)を検出するが、Kトナーについては、正反射光の受光量のみに基づいてテストトナー像のトナー付着量(テストトナー像の画像濃度)を検出する。
一方、本実施形態のIRトナーは、定着処理後は不可視画像(目視しにくい画像、あるいは、可視光領域内に吸収ピークを実質的に持たない画像)となるが、定着処理前の中間転写ベルト12上では、可視画像(目視できる画像、あるいは、可視光領域内に吸収ピークを実質的に持つ画像)であるため、C、M、Y、Kと同様のトナー付着量検知センサを用いることができる。本実施形態においては、Kのテスト像とIRのテストトナー像については、共通のトナー付着量検知センサが用いられる。ただし、IRトナーのテストトナー像については、正反射光のみを取得してテストトナー像のトナー付着量を検知するよりも、正反射光および拡散反射光の両方を取得してテスト像のトナー付着量を検知する方が、高精度のトナー付着量検知を実現できる。
続いて、本実施形態のプリンタの基本的な動作について説明する。
画像形成動作が開始されると、各感光体7が回転駆動され、帯電ローラ8によって各感光体7の表面が所定の極性に一様に帯電される。次いで、読取装置(スキャナ)やパソコン等からの入力画像情報に基づき、露光装置11が各感光体7の帯電面にレーザ光を照射し、潜像(静電潜像)を形成する。
各感光体7上に形成される潜像は、所望のフルカラー画像をY、M、Cの色情報に分解した単色の画像情報に基づく潜像である。詳しくは、入力画像情報の色情報(RGB、YCM等)を、当該プリンタ用の色情報(YMC)へ変換・分解するための色変換分解テーブルを用い、入力画像情報を、Y、M、Cの色情報に変換、分解した単色の画像情報を生成し、Y、M、C用の各露光装置11は、Y、M、Cの各色の画像情報に基づいてそれぞれの感光体7上に各色の潜像を形成する。
なお、K用プロセスユニット6Kが装着されている場合には、Y、M、Cの単色の画像情報を生成した後、更に、Kの色情報を抽出した単色の画像情報を生成するとともに、Y、M、Cの単色の画像情報の修正を行う。この処理は、UCR(Under Color Removal)等のようにKの画像情報を生成する処理であり、Y、M、Cのトナーが重ね合わさって表現される黒色あるいはグレー色の画像情報を、Kの画像情報に置き換えるものである。Kに対応する露光装置11(IRに対応する露光装置11と共用)は、Kの画像情報に基づいてK用プロセスユニット6Kの感光体7上にKの潜像を形成する。
また、本実施形態では、入力画像情報に含まれる付加情報や当該プリンタによって付加される付加情報等に基づいて視認困難画像を形成する場合、その付加情報からIRの画像情報を生成する。入力画像情報に含まれる付加情報は、パソコン上のアプリケーションによって付加される情報でもよいし、パソコン上のプリントドライバによって付加される情報でもよい。IR用プロセスユニット6IRが装着されている場合、IRに対応する露光装置11(Kに対応する露光装置11と共用)は、IRの画像情報に基づいてIR用プロセスユニット6IRの感光体7上にIRの潜像を形成する。
K用プロセスユニット6Kが装着されている場合、感光体7上に形成されたY、C、M、Kの各潜像には、それぞれの現像装置9からトナーが供給されて、Y、C、M、Kのトナー像に現像される。各感光体7上のトナー像は、周回走行する中間転写ベルト12上に順次重ね合せて転写される。詳しくは、感光体7上のトナー像が一次転写ニップの位置に達すると、一次転写ローラ13に所定の電圧が印加されて形成される転写電界によって、感光体7上のトナー像が中間転写ベルト12上に順次転写される。このようにして、中間転写ベルト12の表面には、Y、C、M、Kトナーからなるフルカラートナー像(可視像)が形成される。なお、中間転写ベルト12に転写しきれなかった各感光体7上のトナーは、感光体クリーニング装置10によって除去される。
一方、IR用プロセスユニット6IRが装着されている場合、感光体7上に形成されたY、C、M、IRの各潜像には、それぞれの現像装置9からトナーが供給されて、Y、C、M、IRのトナー像に現像される。各感光体7上のトナー像は、上述と同様に、周回走行する中間転写ベルト12上に順次重ね合せて転写される。このようにして、中間転写ベルト12の表面には、Y、C、Mからなるフルカラートナー像(可視像)及びIRトナーからなるIRトナー像(特殊トナー像)が形成される。なお、中間転写ベルト12に転写しきれなかった各感光体7上のトナーは、上述と同様、感光体クリーニング装置10によって除去される。
また、画像形成動作が開始されると、給紙ローラ19が回転して、給紙カセット18から用紙Pが給送される。給送された用紙Pは、タイミングローラ20によって搬送が一旦停止される。その後、所定のタイミングでタイミングローラ20の回転駆動が開始され、中間転写ベルト12上のトナー像が二次転写ニップに達するタイミングに合わせて、用紙Pが二次転写ニップへ搬送される。
用紙Pが二次転写ニップに搬送された際、二次転写ローラ14には所定の電圧が印加されており、二次転写ニップに転写電界が形成されている。そして、この二次転写ニップに形成された転写電界によって、中間転写ベルト12上のトナー像が用紙Pに一括して転写される。また、このとき、中間転写ベルト12上に残ったトナーはベルトクリーニング装置17によって除去される。
その後、用紙Pは定着装置21へと搬送され、定着ローラ22と加圧ローラ23によってトナー像が加熱されつつ加圧されて用紙Pに定着される。そして、用紙Pは排紙ローラ24によって装置外に排出され、排紙トレイ25上に載置される。
以上の説明は、フルカラー画像を形成するときの画像形成動作であるが、4つのプロセスユニット6Y,6M,6C,6IR(又は6K)のいずれか1つを使用して画像を形成したり、いずれか2つ又は3つのプロセスユニットを使用して画像を形成したりすることも可能である。
図2は、中間転写ベルト12を、カラーの感光体7Y,7M,7Cに対して接離させる接離手段としてのベルト接離機構80の一例を示す概略構成図である。図2(a)は、中間転写ベルト12がカラーの感光体7Y,7M,7Cに当接する当接位置にある状態を示しており、図2(b)は、中間転写ベルト12がカラーの感光体7Y,7M,7Cから離間する離間位置にある状態を示している。
ベルト接離機構80は、図中左右方向にスライドするスライド部材82と、一端がスライド部材82に回転自在に保持されたY用アーム81Yと、M用アーム81Mと、C用アーム81Cとを備えている。各アーム81Y、81M、81Cの他端には、一次転写ローラ13の軸が回転自在に保持されている。
カラーの一次転写ローラ13Y,13M,13Cは、転写部2のフレームに感光体に対して接離する方向に移動可能で、図中左右方向には移動不能に保持されており、バネにより感光体側に付勢されている。
スライド部材82の図中右端には、スライド部材82を図中左側へ付勢するバネ84が当接しており、スライド部材82の図中左端には、カム83が当接している。
カム83が図2(b)に示すように、図中時計回りに90°回動することで、スライド部材82が図中右側へスライドする。スライド部材82が図中右側へ移動することで、各アーム81Y、81M、81Cの一端がスライド部材82とともに図中右側へ移動するが、転写部2のフレームに図中左右方向へは移動不能に保持された一次転写ローラ13Y、13M、13Cの軸を保持している各アーム81Y、81M、81Cの他端は、図中右側へは移動できない。その結果、各アーム81Y、81M、81Cは、スライド部材82に支持された一端を支点にして図中反時計回りに回動し、他端が一次転写ローラ13Y、13M、13Cを付勢するバネに抗して一次転写ローラ13Y、13M、13Cを感光体7Y、7M、7Cから離間する方向へ移動させる。このようにカラーの一次転写ローラ13Y、13M、13Cが感光体7Y、7M、7Cから離間する方向に移動することで、中間転写ベルト12がカラーの感光体7Y、7M、7Cから離間する。
カム83が、図2(b)の状態から図中反時計回りに90°回転すると、スライド部材82がバネ84の付勢力により図中左方向へスライド移動する。すると、各アーム81Y、81M、81Cが、一次転写ローラ13Y、13M、13Cを付勢するバネによりスライド部材82に支持された一端を支点にして図中時計回りに回動し、一次転写ローラ13Y、13M、13Cが感光体側へ移動し、中間転写ベルト12を感光体7Y、7M、7Cに当接させる。
なお、中間転写ベルト12をカラーの感光体7Y、7M、7Cに対して接離させる接離機構は、これに限らず、適宜、公知の接離機構を用いることができる。
本実施形態では、ユニット保持部にK用プロセスユニット6Kが装着されているときは、モノクロモードと、フルカラーモードのいずれかの画像形成動作モードが実行され、ユニット保持部にIR用プロセスユニット6IRが装着されているときは、特殊画像形成モードが実行される。上記モノクロモードのときは、図2(b)に示すように、中間転写ベルト12をY、M、Cの感光体7Y、7M、7Cから離間させ、カラーのプロセスユニット6Y,6M,6Cの動作を停止し、K用プロセスユニット6Kのみ動作させて、白黒画像を形成する動作モードである。一方、フルカラーモードは、図2(a)に示すように、中間転写ベルト12をすべての感光体7に当接させ、すべてのプロセスユニット6Y,6M,6C,6Kを動作させて、フルカラー画像を形成する動作モードである。
このように、白黒画像を形成するときは、中間転写ベルト12をY、M、Cの感光体7Y、7M、7Cから離間させ、カラーのプロセスユニット6Y,6M,6Cの動作を停止することで、カラーのプロセスユニット6Y,6M,6Cの劣化を抑制することができる。
特殊画像形成モードは、図2(a)に示すように、中間転写ベルト12をすべての感光体7に当接させ、すべてのプロセスユニット6Y,6M,6C,6Kを動作させて、IR画像と可視画像とを形成する動作モードである。なお、特殊画像形成モードでは、K用プロセスユニット6Kが装着されていないので、黒色やグレー色などの画像部分(通常動作時にはKの色情報に置き換えられる部分)については、Y、M、Cのトナー像を重ねて作像する。
図3は、ユニット保持部に保持されたプロセスユニット6種類(トナーの種類)及び容器保持部材102に保持されたトナーカートリッジ26の種類(トナーの種類)を判別するための識別情報を記録した情報記録部を有するプロセスユニット6及びトナーカートリッジ26の例を示す説明図である。
情報記録部としては、例えば、図3に示すように、IDチップ41A,41Bや、識別情報をコード化したコード画像であるバーコード画像42A,42Bなどが利用可能である。プリンタ本体には、図4に示すように、プロセスユニット6及びトナーカートリッジ26上のIDチップ41A,41Bやバーコード画像42A,42Bから識別情報を読み出す情報読出手段として、IDチップ読取部43A,43Bやバーコード読取部44A,44Bが設けられている。
IDチップ読取部43Aは、容器保持部材102に保持されたトナーカートリッジ26上のIDチップ41Aから識別情報を読み出し、これを制御部30へ送る。また、IDチップ読取部43Bは、ユニット保持部に保持されたプロセスユニット6上のIDチップ41Bから識別情報を読み出し、これを制御部30へ送る。バーコード読取部44Aは、容器保持部材102に保持されたトナーカートリッジ26上のバーコード画像42Aから識別情報を読み出し、これを制御部30へ送る。また、バーコード読取部44Bは、ユニット保持部に保持されたプロセスユニット6上のバーコード画像42Bから識別情報を読み出し、これを制御部30へ送る。
制御部30は、送られてくる識別情報に基づいて、容器保持部材102に保持されたトナーカートリッジ26の使用トナーの種類、及び、ユニット保持部に保持されたプロセスユニット6の使用トナーの種類を判別することができる。制御部30は、これらの判別結果に基づき、容器保持部材102に保持されたトナーカートリッジ26と、これに対応するユニット保持部に対して保持されたプロセスユニット6とが同じ使用トナーのものであると判断する。そして、同じ使用トナーのものではないと判断した場合には、トナーカートリッジ26からプロセスユニット6の現像装置へのトナー補給動作を禁止する。
これにより、プリンタ本体のユニット保持部に装着されているプロセスユニット6に対応しないトナーカートリッジ26が装着された場合でも、そのプロセスユニット6に対し、使用トナーとは異なるトナーが補給されて当該プロセスユニット6の現像装置内でトナーの混色が発生してしまうのを防止することができる。
また、ユニット保持部に装着されているプロセスユニットが、K用プロセスユニット6Kなのか、IR用プロセスユニット6IRなのかの判別を行うことができる。これにより、ユニット保持部にK用プロセスユニット6Kが装着されているときに、特殊画像形成モードが実行されたり、ユニット保持部にIR用プロセスユニット6IRが装着されているときに、モノクロモードまたはフルカラーモードの画像形成動作モードが実行されたりするのを防止することができる。
なお、ユニット保持部に保持されたプロセスユニット6の種類(トナーの種類)や、容器保持部材102に保持されたトナーカートリッジ26の種類(トナーの種類)を判別する方法は、これに限られない。例えば、プロセスユニット6及びトナーカートリッジ26に設ける情報記録部として、識別情報に対応する外形形状をもったメカニカルキーを用いてもよい。この場合、プリンタ本体側に当該メカニカルキーから識別情報を読み取るキー読取部を設けることで、同様の結果を得ることができる。
また、プロセスユニット6及びトナーカートリッジ26に設ける情報記録部から識別情報を読み取って判別する方法に限らない。例えば、プリンタ本体に設けられる操作受付手段としての操作パネル50に対し、ユーザーが、ユニット保持部に保持されたプロセスユニット6の種類や、容器保持部材102に保持されたトナーカートリッジ26の種類を操作入力し、その操作入力の内容に基づいて判別してもよい。
また、カバー部材101が開閉された際、制御部30が当該プロセスユニット6を用いて所定のテストトナー像を形成し、そのテストトナー像を上述した光学式の画像濃度センサ等で検知し、その検知結果に基づいてユニット保持部に保持されているプロセスユニット6の種類(トナーの種類)を判別してもよい。
一般的に、本プリンタは、オフィスで使用されることが多く、カラー画像よりもモノクロ画像の印刷の方が多い。ユニット保持部にK用プロセスユニット6Kが装着されているとき、モノクロ画像は、中間転写ベルト12をカラーの感光体7Y、7M、7Cから離間させて印刷を行うモノクロモードが実行される。
モノクロモードが実行されると、K用プロセスユニットは、作像が定常状態になるよう、作像立ち上げ動作を開始する。また、中間転写ベルト12がカラーの感光体7Y、7M、7Cに当接しているときは、ベルト接離機構80によって中間転写ベルト12をカラーの感光体7Y、7M、7Cから離間させる動作を開始する。しかしながら、作像立ち上げ時間よりも離間完了時間の方が長いため、離間動作が完了するまでの待機時間が発生してしまう。その結果、モノクロ画像印刷時のファーストプリント時間が長くなり、生産性が低下してしまう。また、立ち上げ完了から離間動作完了までの待機時間の間も、定常状態を維持するためにプロセスユニットは駆動を続けており、K用プロセスユニット6Kの劣化が早くなってしまう。
そのため、本実施形態では印刷頻度の高いモノクロ画像印刷におけるファーストプリント時間の短縮のため、K用プロセスユニット6Kが装着されているときは、中間転写ベルト12をカラーの感光体7Y、7M、7Cから離間させて待機するようにしている。これにより、モノクロモード実行時において、ベルト接離機構80によって中間転写ベルト12をカラーの感光体7Y、7M、7Cから離間させる動作が不要となり、モノクロ画像印刷時のファーストプリント時間を短縮することができる。また、作像立ち上げ後、直ちに画像形成動作を開始することができ、プロセスユニットの劣化を抑制できる。
IR用プロセスユニットは、一般的にIR画像と可視画像とからなる特殊画像を出力するときに、ユニットと保持部に装着される。このIR用プロセスユニット6IRが装着されたときの可視画像は、カラーのプロセスユニット6Y、6M、6Cを用いて作像される。上述したように、黒色やグレー色は、Y,M,C色トナーの重ね合わせで実現するため、可視画像がモノクロ画像のときも、カラーのプロセスユニット6Y、6M、6Cを用いて作像する。そのため、中間転写ベルト12をカラーの感光体7Y、7M、7Cから離間させて待機するようにすると、特殊画像形成モードのときに、中間転写ベルト12をカラーの感光体7Y、7M、7Cに当接させる動作が入り、中間転写ベルト12のカラーの感光体7Y、7M、7Cへの当接が完了した後に印刷動作が開始されるため、ファーストプリント時間が長くなってしまう。また、立ち上げ完了から当接動作完了までの待機時間の間も、定常状態を維持するためにプロセスユニットは駆動を続けており、プロセスユニット6Y、6M、6C,6IRの劣化が早くなってしまう。
そのため、本実施形態では、IR用プロセスユニットが装着されているときは、中間転写ベルト12をカラーの感光体7Y、7M、7Cに当接させて待機するようにした。これにより、特殊画像形成モード実行時において、中間転写ベルト12をカラーの感光体7Y、7M、7Cに当接させる動作が発生しなくなり、特殊画像のファーストプリント時間の短縮を図ることができる。また、作像立ち上げ後、直ちに印刷動作を開始することができ、プロセスユニット6Y、6M、6C,6IRの劣化を抑制できる。以下、図面を用いて具体的に説明する。
図5は、実施形態のプリンタにおける中間転写ベルト12の接離制御に係る制御ブロック図である。
制御部30は、CPU、RAM、ROMなどから構成され、各種プログラムを実行することにより、画像処理やプリンタの全体的な制御を実行する。パソコン(PC)34などの外部装置と通信するための外部通信部33や、カバー部材101の開閉を検知する開閉検知スイッチ110が制御部30に接続されている。また、中間転写ベルト12をカラーの感光体7Y、7M、7Cに対して接離させるベルト接離機構80や、定着装置、プロセスユニットの各装置を制御して画像を形成する画像形成制御部40なども制御部30に接続されている。
図6は、カバー部材101の開閉時における中間転写ベルト12の接離動作のフロー図である。
制御部30は、開閉検知スイッチ110がカバー部材101の開閉を検知したら、中間転写ベルト12の表面移動方向最下流のユニット保持部に保持されたプロセスユニットの判別を行う(S1)。プロセスユニットの判別は、上述したように、プロセスユニットに設けられたIDチップなどの情報記録部に記録された識別情報をIDチップ読取部などの情報読出手段で読み取り、情報読出手段で読み取った識別情報に基づいて判別する。
IRとKとの間でプロセスユニットの交換が行われたか否かを確認する(S2)。具体的には、情報読出手段で読み取った識別情報が、メモリなどの記憶部に記憶されている識別情報と一致しているか否かを確認し、識別情報が一致していない場合は、IRとKとの間でプロセスユニットの交換が行われたと判定する。交換が行われていないとき(S2のNo)は、待機時における中間転写ベルト12のカラーの感光体7Y、7M、7Cに対する接離状態を変更する必要がないため、接離動作を終了する。
一方、IRとKとの間でプロセスユニットの交換が行われていた場合(S2のYes)は、メモリに記憶されている識別情報を上書きした後、ユニット保持部に保持されているプロセスユニットが、IR用プロセスユニットか否かを確認する(S3)。情報読出手段で読み取った識別情報から、ユニット保持部に保持されているプロセスユニットが、IR用プロセスユニットと判断したとき(S3のYes)は、中間転写ベルト12の待機状態を、離間状態から当接状態に変更し、ベルト接離機構80を駆動して、中間転写ベルト12をカラーの感光体7Y、7M、7Cに当接させる(S4)。
一方、ユニット保持部に保持されているプロセスユニットが、K用プロセスユニットと判断したとき(S3のNo)は、中間転写ベルト12の待機状態を、当接状態から離間状態に変更し、ベルト接離機構80を駆動して、中間転写ベルト12をカラーの感光体7Y、7M、7Cから離間させる(S5)。
これにより、K用プロセスユニット6Kが装着されているときは、中間転写ベルト12をカラーの感光体7Y、7M、7Cから離間した状態で待機させ、IR用プロセスユニット6IRが装着されているときは、中間転写ベルト12をカラーの感光体7Y、7M、7Cに当接させた状態で待機させることができる。
図7は、印刷動作時における中間転写ベルト12の接離動作のフロー図である。
制御部30は、パソコン34から印刷ジョブ信号を受信したら、メモリなどの記憶部から、中間転写ベルト12の表面移動方向最下流のユニット保持部に保持されたプロセスユニットの識別情報を読み出す。そして、読み出した識別情報から、中間転写ベルト12の表面移動方向最下流のユニット保持部に保持されたプロセスユニットが、IR用プロセスユニットか否かをチェックする(S11)。中間転写ベルト12の表面移動方向最下流のユニット保持部に保持されたプロセスユニットが、K用プロセスユニット6Kのとき(S11のNo)は、印刷画像がモノクロ画像か否かをチェックする(S14)。
ユニット保持部にK用プロセスユニットが装着されているときは、中間転写ベルト12は、カラーの感光体7Y、7M、7Cから離間した状態で待機している。従って、印刷画像がモノクロ画像のとき(S14のYes)は、中間転写ベルト12が感光体7Y、7M、7Cから離間した状態で印刷を行うモノクロモードが実行される。本実施形態では、すでに中間転写ベルト12は、カラーの感光体7Y、7M、7Cから離間した状態であるため、モノクロモード実行時において、中間転写ベルト12の離間動作が発生せず、作像立ち上げ後、直ちに印刷動作が開始される(S15)。
一方、印刷画像がフルカラー画像のとき(S14のNo)は、中間転写ベルト12がすべての感光体7Y、7M、7C、7Kに当接している状態で印刷を行うフルカラーモードが実行される。しかし、中間転写ベルト12は、感光体7Y、7M、7Cから離間した状態で待機しているため、ベルト接離機構80により中間転写ベルト12をカラーの感光体7Y、7M、7Cに当接させた(S17)後、フルカラーモードで画像形成動作を開始する(S18)。そして、印刷動作が終了(S19)したら、ベルト接離機構80により中間転写ベルト12をカラーの感光体7Y、7M、7Cから離間させる(S20)。
一方、ユニット保持部にIR用プロセスユニット6IRが装着されているとき(S11のYES)は、中間転写ベルト12が、すべての感光体7Y、7M、7C、7IRに当接している状態で画像形成を行う特殊画像形成モードが実行される。ユニット保持部にIR用プロセスユニット6IRが保持されているときは、中間転写ベルト12は、カラーの感光体7Y、7M、7Cに当接した状態で待機している。従って、作像立ち上げ後、直ちに印刷動作が開始される(S12)。
図8は、各画像形成モードにおけるタイミングチャートである。(a)は、フルカラーモードのときのタイミングチャートであり、(b)は、モノクロモードのときのタイミングチャートである。(c)は、特殊画像形成モードのときのタイミングチャートである。
上述したように、ユニット保持部にK用プロセスユニット6Kが装着されているときは、中間転写ベルト12は、カラーの感光体7Y、7M、7Cから離間した状態で待機している。そのため、図8(b)に示すように、モノクロモード実行時は、作像立ち上げ後、直ちに印刷を開始することができる。一方、図8(a)に示すように、フルカラーモードのときは、カラーの感光体7Y、7M、7Cから離間している中間転写ベルト12を、カラーの感光体7Y、7M、7Cに当接させる当接動作が入る。この当接動作が完了するまでの時間は、作像立ち上げ時間よりも長いため、印刷が開始されるまでの間に待機時間Aが発生してしまう。その結果、フルカラーモードのときは、ファーストプリント時間が長くなってしまう。しかし、フルカラー画像を印刷する頻度は、モノクロ画像を印刷する頻度に比べて少ない。従って、カラーの感光体7Y、7M、7Cに中間転写ベルト12を当接させて待機させて、フルカラーモードの画像印刷時のファーストプリント時間を短縮させる場合に比べて、プリンタのトータルの生産性を高めることができる。
ユニット保持部にIR用プロセスユニット6IRが装着されているときは、中間転写ベルト12は、カラーの感光体7Y、7M、7Cに当接した状態で待機させており、ユニット保持部にK用プロセスユニット6Kが装着されているときと、中間転写ベルト12の待機状態を異ならせている。このように、ユニット保持部にIR用プロセスユニット6IRが装着されているときは、中間転写ベルト12は、カラーの感光体7Y、7M、7Cに当接した状態で待機させているので、図8(c)に示すように、特殊画像形成モード実行時は、作像立ち上げ後、直ちに印刷を開始することができる。よって、ユニット保持部にK用プロセスユニット6Kが装着されているときと同様、カラーの感光体7Y、7M、7Cから離間させて中間転写ベルト12を待機させている場合に比べて、特殊画像印刷時のファーストプリント時間を短縮させることができる。また、接離動作完了までの間の定常状態を維持するための無駄なプロセスユニットの駆動の発生が抑制され、プロセスユニット6Y、6M、6C,6IRの劣化を抑制できる。
例えば、複数枚連続して印刷する場合に、複数枚のうち数枚は、IR画像を有さない画像があったときに、その画像を印刷するためだけに、IR用プロセスユニットからK用プロセスユニットに交換するのは、利便性を著しく損ねてしまう。そのため、本実施形態では、IR画像を有さない画像でも、特殊画像形成モードで画像形成できるようにしている。特殊画像形成モードでIR画像を有さない画像を形成するときは、カラーのプロセスユニット6Y,6M,6Cのみで作像を行い、IR用プロセスユニット6IRは作像を行わない。しかし、特殊画像形成モードでIR画像を有さない画像を形成するときも、IR用プロセスユニット6IRは駆動し続けており、無駄な駆動が発生しており、IR用プロセスユニット6IRの劣化を早めてしまうおそれがある。
そこで、中間転写ベルト12をIR感光体7IRから離間させるIR接離機構を設け、特殊画像形成モードでIR画像を有さない画像を形成するときは、中間転写ベルト12をIR感光体7IRから離間させ、IR用プロセスユニット6IRの駆動を停止できるようにするのが好ましい。
IR接離機構としては、IR/K用の一次転写ローラ13K(IR)を図9(a)に示す中間転写ベルト12を介して感光体7IRに当接する当接位置と、図9(b)に示す感光体7IRから離間する離間位置との間を移動させるように構成する。図9(b)に示すように、R/K用の一次転写ローラ13K(IR)を離間位置に位置させることで、中間転写ベルト12を感光体7IRから離間させることができる。IR接離機構の感光体7IRに対する中間転写ベルト12の接離動作の時間は、IR/K用の一次転写ローラ13K(IR)のみを移動させる構成であるため、作像立ち上げ時間よりも短い。よって、作像立ち上げと同時に中間転写ベルト12を感光体7IRから離間させる離間動作を開始しても、作像立ち上げが完了する前に、離間動作が完了する。よって、待ち時間が発生することがなく、作像立ち上げが完了したら、直ちに印刷動作を開始することができる。
図10は、本実施形態のプリンタの評価結果を示す図である。
図10に示す評価は、RICOH SP C352を改造して行った。実施例1は、IR接離機構を設け、IR用プロセスユニット6IRが装着されているとき、中間転写ベルト12を、カラーの感光体7Y、7M、7Cに当接させた状態で待機するようにしたものである。
実施例2は、IR接離機構を設けず、IR用プロセスユニット6IRが装着されているとき、中間転写ベルト12を、カラーの感光体7Y、7M、7Cに当接させた状態で待機させるようにしたものである。
比較例1は、IR接離機構を設けず、IR用プロセスユニット6IRが装着されているときも、K用プロセスユニット6Kが装着されているときと同様、中間転写ベルト12を、カラーの感光体7Y、7M、7Cから離間させた状態で待機させるようにしたものである。
評価試験は、A4の普通紙に、カラー画像を作成し1ページ印刷ジョブで10000枚印刷した。IR接離機構の効果を確認するために、10枚に1枚の割合でIR画像を有さない画像を印刷するようにした。実施例1においては、中間転写ベルト12は、IR感光体7IRに当接した状態で待機させ、IR画像を有さない画像を印刷するときは、中間転写ベルト12をIR感光体7IRから離間させてから、印刷を開始するようにした。また、IR画像を有さない画像を印刷するときは、IR用プロセスユニット6IRの駆動は停止した。
図10からわかるように、実施例1、2では、中間転写ベルト12をカラーの感光体に当接した状態で待機させているので、比較例1とは異なり、印刷開始前に中間転写ベルト12をカラーの感光体に当接させる動作が生じず、作像立ち上げ完了から、刷開始前に中間転写ベルト12のカラーの感光体への当接が完了するまでの間の待ち時間が発生することがない。その結果、実施例1、2では、比較例よりも感光体の走行距離が低減され、プロセスユニットの劣化を抑制できる。これにより、プロセスユニットの長寿命化を図ることができる。
実施例1では、IR画像を有さない画像を印刷するときは、中間転写ベルト12をIR感光体7IRから離間させ、IR用プロセスユニット6IRの駆動は停止しているため、IR感光体7IRの走行距離を大幅に低減できた。これにより、IRプロセスユニットの劣化を抑制でき、IRプロセスユニットの長寿命化を図ることができる。また、上述したように、中間転写ベルト12をIR感光体7IRから離間させる離間動作の時間は、作像立ち上げ時間よりも短いため、待機時間が発生することがない。そのため、実施例1におけるカラーの感光体7Y,7M,7Cの走行距離は、実施例2と同様の4.97kmとなった。
次に、本実施形態で使用されるトナーについて説明する。
以下の説明では、本実施形態のトナーセットは、Y、M、Cのカラートナーと特殊トナーであるIRトナーとを有するトナーセットである。
Y、M、Cのカラートナーは、結着樹脂、及び着色剤を含有し、更に必要に応じてその他の成分を含有する。なお、Kトナーも、結着樹脂、及び着色剤を含有し、更に必要に応じてその他の成分を含有する。
IRトナーは、結着樹脂、及び近赤外光吸収材料を含有し、更に必要に応じてその他の成分を含有する。
本実施形態において、トナーセットが下記のいずれかの条件を満たすときに、記録媒体表面に、IRトナー像(不可視トナー像)とともに形成されるカラートナー像を目視した際に、カラートナー像の画質の視認性、及びIRトナー像の読み取り精度が良好であるトナーセットが提供される点で、好ましい。
・第1の条件としては、カラートナーとIRトナーとを有し、IRトナーのベタ画像の60度光沢度が、30以上であり、IRトナーのベタ画像の60度光沢度が、カラートナーのベタ画像の60度光沢度より10以上高い。
・第2の条件としては、カラートナーとIRトナーとを有し、IRトナーの100℃以上140℃以下の範囲内における正接損失(tanδi)が、2.5以上であり、カラートナーの100℃以上140℃以下の範囲内における正接損失(tanδc)が、2以下である。
特開2001-265181号公報の記載のトナーにおいては、重ねられたトナー画像に関し規定がないことから、重ねあわされた画像の光沢度の差異で不可視画像が可視化されてしまう問題があった。その問題を解決するために、特開2007-171508号公報、特開2007-003944号公報、及び特開2010-113368号公報では、用いられるカラートナーの光沢度よりも低い光沢度のIRトナーとすることを提案している。しかし、近年電子写真式の画像出力は一般的なオフセット印刷などのような高グロスの画像との差別化要求より、比較的低グロスの画像要求が高まっている。そのため、カラートナーが高グロスである場合、2次色、3次色はもとより不可視画像(IR画像)との重ね部位などの高付着部のグロスが高くなりIR画像の位置が目視で顕著となる問題が生じる。更に、IR画像上にカラートナーを画像形成すると、定着ニップの加熱加圧時にIRトナー層に積層されたカラートナーが入り込みやすくなることから、IR画像の情報を機械読み取りするときの読取精度が不安定となる問題がある。
<IRトナー>
IRトナーは、結着樹脂、及び近赤外光吸収材料を含有し、更に必要に応じてその他の成分を含有する。
<<結着樹脂>>
結着樹脂としては、特に制限はなく、従来公知の樹脂がすべて使用可能である。結着樹脂としては、例えば、スチレン、α-メチルスチレン、クロロスチレン、スチレン-プロピレン共重合体、スチレン-ブタジエン共重合体、スチレン-塩化ビニル共重合体、スチレン-酢酸ビニル共重合体、スチレン-マレイン酸共重合体、スチレン-アクリル酸エステル共重合体、スチレン-メタクリル酸エステル共重合体、スチレン-アクリロニトリル-アクリル酸エステル共重合体などのスチレン系樹脂、ポリエステル樹脂、塩化ビニル樹脂、ロジン変成マレイン酸樹脂、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、アイオノマー樹脂、ポリウレタン樹脂、シリコーン樹脂、ケトン樹脂、キシレン樹脂、石油系樹脂、水素添加された石油系樹脂などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これら中でも、芳香族化合物を構成単位として含有するスチレン系樹脂、及びポリエステル樹脂が好ましく、ポリエステル樹脂がより好ましい。
ポリエステル樹脂は、一般公知のアルコールと酸との重縮合反応によって得られる。
アルコールとしては、例えば、ポリエチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、1,2-プロピレングリコール、1,3-プロピレングリコール、1,4-プロピレングリコール、ネオペンチルグリコール、1,4-ブテンジオールなどのジオール類、1,4-ビス(ヒドロキシメチル)シクロヘキサン、ビスフェノールA、水素添加ビスフェノールA、ポリオキシエチレン化ビスフェノールA、ポリオキシプロピレン化ビスフェノールAなどのエーテル化ビスフェノール類、これらを炭素数3~22の飽和もしくは不飽和の炭化水素基で置換した二価のアルコール単位体、その他の二価のアルコール単位体、ソルビトール、1,2,3,6-ヘキサンテトロール、1,4-サルビタン、ペンタエスリトールジペンタエスリトール、トリペンタエスリトール、蔗糖、1,2,4-ブタントリオール、1,2,5-ペンタントリオール、グリセロール、2-メチルプロパントリオール、2-メチル-1,2,4-ブタントリオール、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、1,3,5-トリヒドロキシメチルベンゼン等の三価以上の高アルコール単量体などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
酸としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、カルボン酸が好ましい。
カルボン酸としては、例えば、パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸などのモノカルボン酸、マレイン酸、フマール酸、メサコン酸、シトラコン酸、テレフタル酸、シクロヘキサンジカルボン酸、コハク酸、アジピン酸、セバチン酸、マロン酸、これらを炭素数3~22の飽和もしくは不飽和の炭化水素基で置換した二価の有機酸単量体、これらの酸の無水物、低級アルキルエステルとリノレイン酸の二量体、1,2,4-ベンゼントリカルボン酸、1,2,5-ベンゼントリカルボン酸、2,5,7-ナフタレントリカルボン酸、1,2,4-ナフタレントリカルボン酸、1,2,4-ブタントリカルボン酸、1,2,5-ヘキサントリカルボン酸、1,3-ジカルボキシル-2-メチル-2-メチレンカルボキシプロパン、テトラ(メチレンカルボキシル)メタン、1,2,7,8-オクタンテトラカルボン酸エンボール三量体酸、これらの酸の無水物等の三価以上の多価カルボン酸単量体などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
なお、結着樹脂には、結晶性樹脂を含有させることもできる。
結晶性樹脂としては、結晶性を有するものであれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリウレア樹脂、ポリアミド樹脂、ポリエーテル樹脂、ビニル樹脂、変性結晶性樹脂などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリウレア樹脂、ポリアミド樹脂、ポリエーテル樹脂が好ましく、耐湿性や後述の非晶性樹脂との非相溶性を持たせるためにウレタン骨格及びウレア骨格の少なくともいずれかを有する樹脂が好ましい。
結晶性樹脂の重量平均分子量(Mw)としては、定着性の観点からは、2,000~100,000が好ましく、5,000~60,000がより好ましく、8,000~30,000が特に好ましい。重量平均分子量が、2,000以上であると、耐ホットオフセット性が悪化する不具合を防止することができ、100,000以下であると、低温定着性が悪化する不具合を防止することができる。
<<近赤外光吸収材料>>
近赤外光吸収材料としては、無機材料系、及び有機材料系のいずれも用いることができる。
これまでにも、付加データ埋め込み技術のために、透明性を有する(不可視な)赤外線吸収材料が種々検討されており、様々な材料が開示されている。例えば、無機材料系では、イッテルビウムなどの希土類金属(特開平9-77507号公報、特開平9-104857号公報)や銅リン酸結晶化ガラスを含有する赤外線吸収材料(特開平7-53945号公報、特開2003-186238号公報)など、有機材料系としては、アルミニウム化合物(特開平7-271081号公報)や、クロコニウム色素(特開2001-294785号公報)が挙げられる。また、特開2002-146254号公報には、750nm~1100nmに分光吸収極大波長を有し、かつ650nmにおける吸光度が、該分光吸収極大波長における吸光度の5%以下である赤外線吸収材料を含有する有機材料が提案されている。更に、特開2007-171508号公報、特開2007-3944号公報、特開2010-113368号公報、及び特開2008-76663号公報には、ナフタロシアニン顔料を用いることが提案されており、可視光の吸光度及び赤外域の吸光度の差異の面から優れた技術といえる。
無機材料系の近赤外光吸収材料としては、例えば、燐酸、シリカ、ホウ酸等の可視域の波長を透過する公知のガラス網目形成成分に、遷移金属イオンや、無機及び/又は有機化合物からなる色素等の材料を添加したガラスや、これを熱処理により結晶化した結晶化ガラスなどが挙げられる。これらの無機材料は可視領域の光を良く反射して、不可視の画像を得ることができる。
有機材料系の近赤外光吸収材料としては、例えば、フタロシアニン系化合物、アントラキノン系化合物等の有色材料;アルミニウム塩系化合物、ナフタロシアニン系化合物等の無色材料などが挙げられる。これらの中でも、添加により画像を着色してしまうことがなく、赤外光域の吸収が十分に大きいことから添加量を抑えられ、結果としてカラー画像の画質を損ねない点から、無色材料が好ましい。
無色材料の中でも、可視光域の吸光度が非常に低く、無色に近い特徴があり、更にはトナーの帯電への影響が小さいことから、ナフタロシアニン系化合物が好ましい。
ナフタロシアニン系化合物としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、以下に例示する化合物が好ましい。
Figure 0007478355000001
ただし、化学式(1)において、Metは、2個の水素原子、2価の金属原子、3価もしくは4価の置換金属原子を表し、A~Aは、同一もしくは異なっていてもよく、それぞれ、水素原子、ハロゲン原子、置換もしくは非置換のアルキル基、置換もしくは非置換のアリール基、置換もしくは非置換のアルコキシ基、置換もしくは非置換のアリールオキシ基、置換もしくは非置換のアルキルチオ基又は置換もしくは非置換のアリールチオ基を表し、但し、AとA、AとA、AとA、AとAの各組み合わせにおいて、その両方が同時に水素原子又はハロゲン原子になることはなく、Y~Y16は、同一もしくは異なっていてもよく、それぞれ、水素原子、ハロゲン原子、置換もしくは非置換のアルキル基、置換もしくは非置換のアリール基、置換もしくは非置換のアルコキシ基、置換もしくは非置換のアリールオキシ基、置換もしくは非置換のアルキルチオ基、置換もしくは非置換のアリールチオ基、置換もしくは非置換のアルキルアミノ基、置換もしくは非置換のジアルキルアミノ基、置換もしくは非置換のアリールアミノ基、置換もしくは非置換のジアリールアミノ基、置換もしくは非置換のアルキルアリールアミノ基、ヒドロキシ基、メルカプト基、ニトロ基、ニトリル基、オキシカルボニル基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、アミノカルボニル基又はモノもしくはジ置換アミノカルボニル基を表す。
近赤外光吸収材料の読み取り波長の反射率としては、赤外光照射により機械読み取りを安定して行う点から、50%以下であることが好ましい。反射率が50%以下であると、読み取り精度が下がるという不具合を防止することができる。
反射率の測定方法としては、例えば、出力したベタ画像を、分光光度計(例えば、V-660(日本分光株式会社製)、eXact(X-Rite社製)等)を用いて測定することができる。
近赤外光吸収材料はトナー粒子中に分散して含有することが好ましい。
近赤外光吸収材料をトナー表面に外部固着或いはトナー粒子群に混合添加した場合、トナー粒子及び現像剤中で材料凝集などを発生させる可能性が有り、さらにバルクとして必要量添加してもトナー表面に外部固着或いは現像剤調整の段階で、機器への付着などで失われ、IR画像中の近赤外光吸収材料が不足または偏在等することで情報を正確且つ安定に読み出せなくなってしまう。また、遊離した近赤外光吸収材料が機内、特に感光体等を汚染することで現像、転写などの他工程に悪影響を与える可能性も考えられる。
また、前述の有機系近赤外光吸収材料を用いる場合、無機系材料に比べ結着樹脂に対する分散性が良く、画像出力媒体上に形成されたIR画像中に均一に分散し、可視域においてより不可視性を損なうことなく、赤外域においては十分な吸収を示すことで情報が高密度に記録でき、且つトナー中への分散性が良いことからIR画像の機械読み取り・復号化処理が長期間わたり安定に行うことが可能となる。
近赤外光吸収材料の含有量の数値範囲としては、近赤外光吸収材料の特性により異なる。近赤外光吸収材料の含有量の種類に関わらず、含有量が十分ではないと、近赤外光の吸収が十分ではなくなる。近赤外光の吸収が十分ではないと、IRトナーを紙などの媒体に多く付着させなければならない。このため、IRトナーの集合物(塊)による視認可能な凹凸を生じると共に、資源に無駄が生じる不具合が発生する。近赤外光吸収材料の含有量が過剰であると、近赤外光吸収材料は若干ではあれど、可視光波長域に吸収がある。このため、近赤外光吸収材料そのものが、視認されやすくなるという不具合が発生する。
透明性を有する(不可視の)近赤外光吸収材料としてよく用いられるバナジルナフタロシアニンの場合において、その含有量としては、IRトナーに対して、0.3質量%以上1.0質量%以下が好ましい。
<<その他の成分>>
その他の成分としては、通常、トナーに含有されるものであれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、離型剤、帯電制御剤、外添剤などが挙げられる。
<<<離型剤>>>
離型剤としては、天然ワックス、及び合成ワックスのいずれも用いることができる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
天然ワックスとしては、例えば、カルナバワックス、綿ロウ、木ロウ、ライスワックス等の植物系ワックス;ミツロウ、ラノリン等の動物系ワックス;オゾケライト、セルシン等の鉱物系ワックス;パラフィン、マイクロクリスタリン、ペトロラタム等の石油ワックスなどが挙げられる。
合成ワックスとしては、例えば、フィッシャー・トロプシュワックス、ポリエチレンワックス等の合成炭化水素ワックス;エステル、ケトン、エーテル等の合成ワックス;1,2-ヒドロキシステアリン酸アミド、ステアリン酸アミド、無水フタル酸イミド、塩素化炭化水素等の脂肪酸アミド;低分子量の結晶性高分子である、ポリメタクリル酸n-ステアリル、ポリメタクリル酸n-ラウリル等のポリアクリレートのホモポリマー又はコポリマー(例えば、アクリル酸n-ステアリルーメタクリル酸エチル共重合体等)等の側鎖に長鎖アルキル基を有する結晶性高分子などが挙げられる。
これらの中でも、離型剤としては、モノエステルワックスを含むことが好ましい。モノエステルワックスは、一般的な結着樹脂との相溶性が低いため、定着時に表面に染み出しやすく、高い離型性を示し、高光沢と高い低温定着性を確保できる。
モノエステルワックスとしては、合成エステルワックスであることが好ましい。合成エステルワックスとしては、例えば、長鎖直鎖飽和脂肪酸と長鎖直鎖飽和アルコールから合成されるモノエステルワックスなどが挙げられる。長鎖直鎖飽和脂肪酸は、一般式C2n+1COOHで表わされ、n=5~28程度のものが好ましく用いられる。また、長鎖直鎖飽和アルコールとしては、C2n+1OHで表わされ、n=5~28程度が好ましい。
長鎖直鎖飽和脂肪酸の具体例としては、例えば、カプリン酸、ウンデシル酸、ラウリン酸、トリデシル酸、ミリスチン酸、ペンタデシル酸、パルミチン酸、ヘプタデカン酸、テトラデカン酸、ステアリン酸、ノナデカン酸、アラモン酸、ベヘン酸、リグノセリン酸、セロチン酸、ヘプタコサン酸、モンタン酸およびメリシン酸などが挙げられる。一方、長鎖直鎖飽和アルコールの具体例としては、例えば、アミルアルコール、ヘキシールアルコール、ヘプチールアルコール、オクチルアルコール、カプリルアルコール、ノニルアルコール、デシルアルコール、ウンデシルアルコール、ラウリルアルコール、トリデシルアルコール、ミリスチルアルコール、ペンタデシルアルコール、セチルアルコール、ヘプタデシルアルコール、ステアリルアルコール、ノナデシルアルコール、エイコシルアルコール、セリルアルコールおよびヘプタデカンノオールなどが挙げられ、低級アルキル基、アミノ基、ハロゲン等の置換基を有していてもよい。
離型剤の融点は、50℃~120℃が好ましい。離型剤の融点が数値範囲であると、定着ローラとトナー界面の間で離型剤として効果的に作用することができるため、定着ローラにオイル等の離型剤を塗布しなくても高温耐オフセット性を向上させることができる。具体的には、融点が50℃以上であると、トナーの耐熱保存性が悪化する不具合を防止することができ、120℃以下であると、低温での離型性が発現されず、耐コールドオフセット性の悪化、定着機への紙の巻付きなどが発生するという不具合を防止することができる。
離型剤の融点の測定としては、例えば、示差走査熱量計であるTG-DSCシステムTAS-100(理学電機社製)を用いて、最大吸熱ピークを測定することにより求めることができる。
離型剤の含有量としては、結着樹脂に対して、1質量%~20質量%が好ましく、3質量%~10質量%がより好ましい。含有量が、1質量%以上であると、オフセット防止効果が不十分となる不具合を防止することができ、20質量%以下であると、転写性、耐久性が低下するという不具合を防止することができる。
また、モノエステルワックスの含有量としては、IRトナー100質量部に対して、4質量部~8質量部が好ましく、5質量部~7質量部がより好ましい。含有量が、4質量部以上であると、定着時における表面への染み出しが不十分となること、離型性が悪くなること、並びに光沢、低温定着性、及び耐高温オフセット性が低下することの不具合を防止することができる。含有量が、8質量部以下であると、トナー表面に析出する離型剤の量が増え、トナーとしての保存性が低下し、感光体等へのフィルミング性が低下するという不具合を防止することができる。
本実施形態のトナーは、ワックス分散剤を含有することが好ましく、分散剤がモノマーとして少なくともスチレン、ブチルアクリレート、及びアクリロニトリルを含む共重合体組成物、並びに共重合体組成物のポリエチレン付加物であることが好ましい。
ワックス分散剤の含有量としては、IRトナー100質量部に対して、7質量部以下であることが好ましい。ワックス分散剤を含有することにより、ワックスの分散効果が得られ、製造方法に左右されることなく安定的に保存性の向上が期待できる。また、ワックスの分散効果によりワックス径が小さくなり、感光体等へのフィルミング現象を抑制できる。含有量が7質量部以下であると、ポリエステル樹脂に対する非相溶成分が多くなり、光沢が低下すること、ワックスの分散性が高くなりすぎるために、耐フィルミング性は向上するが、定着時のワックスの表面への染み出しが悪くなり、低温定着性、耐ホットオフセット性が低下することなどの不具合を防止することができる。
<<<帯電制御剤>>>
帯電制御剤としては、公知のものを全て使用することができ、例えば、ニグロシン系染料、トリフェニルメタン系染料、クロム含有金属錯体染料、モリブデン酸キレート顔料、ローダミン系染料、アルコキシ系アミン、第4級アンモニウム塩(フッ素変性4級アンモニウム塩を含む)、アルキルアミド、燐の単体または化合物、フッ素系活性剤、サリチル酸金属塩、及びサリチル酸誘導体の金属塩などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
帯電制御剤としては、適宜合成したものを使用してもよいし、市販品を使用してもよい。市販品としては、例えば、ボントロン03、ボントロンP-51、ボントロンS-34、E-82、E-84、E-89(以上、オリエント化学工業社製)、TP-302、TP-415、コピーチャージPSY VP2038、コピーブルーPR、コピーチャージ NEG VP2036、コピーチャージ NX VP434(以上、ヘキスト社製)、LRA-901、LR-147(日本カーリット社製)などが挙げられる。
帯電制御剤の含有量としては、結着樹脂の種類、必要に応じて使用される添加剤の有無、分散方法を含めたトナー製造方法に応じて適宜選択することができるが、結着樹脂100質量部に対して、0.1質量部~5質量部が好ましく、0.2質量部~2質量部がより好ましい。含有量が、5質量部以下であると、トナーの帯電性が大きすぎ、主帯電制御剤の効果を減退させ、現像ローラとの静電的吸引力が増大し、現像剤の流動性低下や、画像濃度の低下を招く不具合を防止することができる。
また、帯電制御剤の中でも三価以上の金属塩を用いることでトナーの熱物性を制御することも可能である。金属塩を含むことにより、定着時に結着樹脂の酸性基と架橋反応が進行し、弱い三次元的な架橋を形成することで、低温定着性を維持しつつ、耐高温オフセット性を得ることができる。
金属塩としては、例えば、サリチル酸誘導体の金属塩、アセチルアセトナート金属塩などが挙げられる。金属としては、3価以上の多価イオン金属であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、鉄、ジルコニウム、アルミニウム、チタン、ニッケルなどが挙げられる。これらの中でも、3価以上のサリチル酸金属化合物が好ましい。
金属塩の含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、IRトナー100質量部に対して、0.5質量部~2質量部が好ましく、0.5質量部~1質量部がより好ましい。含有量が、0.5質量部以上であると、耐ホットオフセット性に劣る不具合を防止することができ、含有量が、2質量部以下であると、光沢性が劣る不具合を防止することができる。
<<<外添剤>>>
外添剤は、流動性や現像性、帯電性を補助するために含有される。外添剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、無機微粒子、高分子系微粒子などが挙げられる。
無機微粒子としては、例えば、シリカ、アルミナ、酸化チタン、チタン酸バリウム、チタン酸マグネシウム、チタン酸カルシウム、チタン酸ストロンチウム、酸化亜鉛、酸化スズ、ケイ砂、クレー、雲母、ケイ灰石、ケイソウ土、酸化クロム、酸化セリウム、ペンガラ、三酸化アンチモン、酸化マグネシウム、酸化ジルコニウム、硫酸バリウム、炭酸バリウム、炭酸カルシウム、炭化ケイ素、窒化ケイ素などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
高分子系微粒子としては、例えば、ソープフリー乳化重合や懸濁重合、分散重合によって得られるポリスチレン、メタクリル酸エステルやアクリル酸エステル共重合体やシリコーン、ベンゾグアナミン、ナイロンなどの重縮合系、熱硬化性樹脂による重合体粒子などが挙げられる。
外添剤は、表面処理剤による表面処理を行なって、疎水性を上げ、高湿度下においても流動特性や帯電特性の悪化を防止することができる。
表面処理剤としては、例えば、シランカップリング剤、シリル化剤、フッ化アルキル基を有するシランカップリング剤、有機チタネート系カップリング剤、アルミニウム系のカップリング剤、シリコーンオイル、変性シリコーンオイルなどが挙げられる。
外添剤の一次粒子径としては、5nm~2μmが好ましく、5nm~500nmがより好ましい。また、外添剤のBET法による比表面積としては、20m/g~500m/gが好ましい。
外添剤の含有量としては、IRトナーに対して0.01質量%~5質量%が好ましく、0.01質量%~2.0質量%がより好ましい。
<<<クリーニング性向上剤>>>
クリーニング性向上剤は、感光体や一次転写媒体に残存する転写後の現像剤を除去するために含有される。クリーニング性向上剤としては、例えば、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸など脂肪酸金属塩;ポリメチルメタクリレート微粒子、ポリスチレン微粒子などのソープフリー乳化重合などによって製造された、ポリマー微粒子などが挙げられる。ポリマー微粒子は比較的粒度分布が狭く、体積平均粒径が0.01から1μmのものが好ましい。
<カラートナー>
カラートナーは、結着樹脂、及び着色剤を含有し、更に必要に応じてその他の成分を含有する。その他の成分については、その他の成分と同様のものを使用することができる。
カラートナーとしては、シアントナー、マゼンタトナー、イエロートナーのいずれかであることが好ましく、シアントナー、マゼンタトナー、イエロートナーであることがより好ましい。言い換えれば、トナーセットにおいては、IRトナーのベタ画像の60度光沢度が、シアントナー、マゼンタトナー、イエロートナーのいずれかのベタ画像の60度光沢度より10以上高いことが好ましく、シアントナー、マゼンタトナー、イエロートナー、のすべてのベタ画像の60度光沢度より10以上高いことがより好ましい。
<<結着樹脂>>
本実施形態のカラートナーにより作像されるトナー像としては、一般的なオフセット印刷などと比較して低グロスであることが好ましい。
このため、カラートナーに含有される結着樹脂としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、ゲルを含むことが好ましい。ゲル分率としては、結着樹脂に対して、0.5質量%以上20質量%以下が好ましく、1.0質量%以上10質量%以下がより好ましい。
ゲルを含まない場合でも、カラートナーに用いられる結着樹脂としては、重量平均分子量Mwc100,000以上の高分子量体を含有していることが好ましく、IRトナーで用いられる結着樹脂の重量平均分子量Mwiよりも大きいことがより好ましい。カラートナーにおいて用いられる結着樹脂の重量平均分子量Mwcを、IRトナーにおいて用いられる結着樹脂の重量平均分子量Mwiよりも大きくすることにより、オフセット印刷と比較して視認性の高い、60度光沢度で10から30程度のカラー画像のグロスを得ることができる。
<<着色剤>>
着色剤としては、800nm以上の波長の吸収が、小さいものが好ましく、例えば、ナフトールイエローS、ハンザイエロー(10G、5G、G)、カドミウムイエロー、黄色酸化鉄、黄土、黄鉛、チタン黄、ポリアゾイエロー、オイルイエロー、ハンザイエロー(GR、A、RN、R)、ピグメントイエローL、ベンジジンイエロー(G、GR)、パーマネントイエロー(NCG)、バルカンファストイエロー(5G、R)、タートラジンレーキ、キノリンイエローレーキ、アンスラザンイエローBGL、イソインドリノンイエロー、ベンガラ、鉛丹、鉛朱、カドミウムレッド、カドミウムマーキュリレッド、アンチモン朱、パーマネントレッド4R、パラレッド、ファイセーレッド、パラクロルオルトニトロアニリンレッド、リソールファストスカーレットG、ブリリアントファストスカーレット、ブリリアントカーンミンBS、パーマネントレッド(F2R、F4R、FRL、FRLL、F4RH)、ファストスカーレットVD、ベルカンファストルビンB、ブリリアントスカーレットG、リソールルビンGX、パーマネントレッドF5R、ブリリアントカーミン6B、ポグメントスカーレット3B、ボルドー5B、トルイジンマルーン、パーマネントボルドーF2K、ヘリオボルドーBL、ボルドー10B、ボンマルーンライト、ボンマルーンメジアム、エオシンレーキ、ローダミンレーキB、ローダミンレーキY、アリザリンレーキ、チオインジゴレッドB、チオインジゴマルーン、オイルレッド、キナクリドンレッド、ピラゾロンレッド、ポリアゾレッド、クロームバーミリオン、ベンジジンオレンジ、ペリノンオレンジ、オイルオレンジ、コバルトブルー、セルリアンブルー、アルカリブルーレーキ、ピーコックブルーレーキ、ビクトリアブルーレーキ、無金属フタロシアニンブルー、フタロシアニンブルー、ファストスカイブルー、インダンスレンブルー(RS、BC)、インジゴ、ジオキサンバイオレット、アントラキノンバイオレット、クロムグリーン、ジンクグリーン、ピリジアン、エメラルドグリーン、ピグメントグリーンB、ナフトールグリーンB、グリーンゴールド、アシッドグリーンレーキ、マラカイトグリーンレーキ、フタロシアニングリーン、アントラキノングリーン、酸化チタン、亜鉛華、リトボン、ペリレンブラック、ペリノンブラック及びこれらの混合物などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
プロセスカラートナーとして用いる場合、シアン、マゼンタ、及びイエローのそれぞれについて、以下の着色剤が好ましい。
シアンでは、C.I.ピグメントブルー15:3が好ましい。マゼンタでは、C.I.ピグメントレッド122、C.I.ピグメントレッド269、及びC.I.ピグメントレッド81:4が好ましい。イエローでは、C.I.ピグメントイエロー74、C.I.ピグメントイエロー155、C.I.ピグメントイエロー180、及びC.I.ピグメントイエロー185が好ましい。これらの着色剤は、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
着色剤の800nm以上の吸光度としては、0.05未満が好ましく、0.01未満がより好ましい。吸光度が、0.05未満であると、カラートナーがIRトナーの上に重ねられたとき、IRトナーで形成される情報の読み取りを阻害するという不具合を防止することができる。
着色剤の含有量としては、各着色剤の着色力にもよるが、各色のカラートナー全体に対して、3質量%~12質量%が好ましく、5質量%~10質量%がより好ましい。含有量が、3質量%以上であると、着色力が十分でなく単色トナー付着量が多くなり資源に無駄が生じる不具合を防止することができる。含有量が、12質量%以下であると、トナーの帯電性に影響が大きくなり安定したトナー帯電量を維持することが困難となる不具合を防止することができる。
<IRトナー、及びカラートナーの特性>
IRトナーのベタ画像の60度光沢度としては、30以上であり、30以上80以下が好ましく、30以上60以下が更に好ましい。ベタ画像の60度光沢度が、30未満ではIRトナー像の視認性が増すことにより、目的の隠し画像としての体をなさなくなる。80より大きいと、トナー樹脂の分子量が小さくなり、十分な定着温度範囲が維持できにくくなることがある。
カラートナーのベタ画像の60度光沢度としては、10以上40以下が好ましく、15以上35以下がより好ましい。光沢度が数値範囲であると、カラートナー像が比較的低グロスの画像となる。
また、IRトナーのベタ画像の60度光沢度は、カラートナーのベタ画像の60度光沢度より10以上高く、15以上高いことが好ましく、20以上高いことが更に好ましい。IRトナーのベタ画像の60度光沢度と、カラートナーのベタ画像の60度光沢度との差が、10未満であると、画像出力媒体上で、画像形成時の加熱定着前にIRトナー像の上にカラートナー像を重ねた場合、加熱加圧定着される際に、上層のカラートナーが下層のIRトナー層内に入り込み、カラートナー像の視認性が悪化する。即ち、IRトナーのベタ画像の光沢度が、カラートナーのベタ画像の光沢度と比較して高いことにより、上層に重ねられたカラートナー像の視認性が向上し、結果として、下層のIRトナー像が視認されにくくなる。
カラートナーのベタ画像の800nm以上の吸光度としては、0.05未満であることが好ましく、0.01未満であることがより好ましい。
IRトナー、及びカラートナーのベタ画像の光沢度を調整する手段としては、例えば、結着樹脂のゲルの割合を調整する、結着樹脂の重量平均分子量を調整することなどが挙げられる。結着樹脂のゲル分率が大きいほど低光沢となり、ゲル分率が0に近づくほど高光沢となる傾向となる。ゲルを含まない結着樹脂を用いた場合、結着樹脂の重量平均分子量が大きいほど低光沢となり、重量平均分子量が小さいほど高光沢となる傾向にある。
更に結着樹脂に酸価のある樹脂を用いると、3価以上の金属塩を添加することにより光沢を調整することも可能である。結着樹脂酸価が大きく、金属塩添加量が多いほど低光沢となる傾向になり、結着樹脂酸価が小さく、金属塩添加量が少ないほど高光沢となる傾向となる。
IRトナーの重量平均分子量(Mwi)としては、6,000~12,000が好ましく、7,500~10,000がより好ましい。
重量平均分子量としては、THF溶解分の分子量分布をGPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー)測定装置GPC-150C(ウォーターズ社製)によって測定できる。
重量平均分子量の測定としては、例えば、カラム(KF801~807:ショウデックス社製)を使用し、以下の方法で行う。
40℃のヒートチャンバー中でカラムを安定させ、この温度におけるカラムに、溶媒としてTHFを毎分1mlの流速で流す。次いで、試料0.05gをTHF5gに十分に溶かした後、前処理用フィルタ(例えば、孔径0.45μm クロマトディスク(クラボウ製))で濾過し、最終的に試料濃度として0.05質量%~0.6質量%に調製した樹脂のTHF試料溶液を50μL~200μL注入して測定する。
IRトナーのゲル分率は0質量%~2質量%が好ましい。
ゲル分率は、重量平均分子量の測定の際に用いた、前処理用フィルタにてろ過された成分の乾燥重量より算出することができる。
IRトナーの重量平均分子量(Mw)/数平均分子量(Mn)としては、5以下が好ましく、4以下がより好ましい。
重量平均分子量Mw、個数平均分子量Mnの測定方法としては、IRトナーの有する分子量分布を数種の単分散ポリスチレン標準試料により作成された検量線の対数値とカウント数との関係から算出する。
検量線作成用の標準ポリスチレン試料としては、例えば、分子量が6×10、2.1×10、4×10、1.75×10、5.1×10、1.1×10、3.9×10、8.6×10、2×10、4.48×10(PressureChemical Co.社製、又は東洋ソーダ工業社製)などが挙げられる。検量線を作成するにあたり、少なくとも10点程度の標準ポリスチレン試料を用いるのが適当である。また、検出器にはRI(屈折率)検出器を用いる。
IRトナーの酸価としては、12mgKOH/g以下が好ましく、6mgKOH/g~12mgKOH/gがより好ましい。酸価は、結着樹脂として、ポリエステル樹脂を用いることで数値範囲内にすることができ、低温定着性と、耐ホットオフセット性を両立しやすい。
本実施形態におけるトナー及び結着樹脂の酸価の測定は、JIS K0070-1992に記載の測定方法に準拠して以下の条件で測定を行った。
試料溶液の調製としては、トナー又は結着樹脂0.5g(酢酸エチル可溶成分では0.3g)をトルエン120mLに添加して室温(23℃)で約10時間攪拌して溶解した。更に、エタノール30mLを添加して試料溶液とした。
測定は装置にて計算することが出来るが、具体的には次のように計算した。あらかじめ標定されたN/10苛性カリ~アルコール溶液で滴定し、アルコールカリ液の消費量から次の計算で酸価を求めた。
酸価=KOH(mL数)×N×56.1/試料質量(ただしNはN/10KOHのファクター)
なお、以下に示す実施例及び比較例では、結着樹脂とトナーの酸価がほぼ一致した。したがって、結着樹脂の酸価をトナーの酸価として扱う。
<<トナー粒径>>
IRトナーの重量平均粒径としては、5μm以上7μm以下が好ましく、5μm以上6μm以下がより好ましい。
カラートナーの重量平均粒径としては、4μm以上8μm以下が好ましく、5μm以上7μm以下がより好ましい。
重量平均粒径が範囲内であると、600dpi以上の微少ドットを再現し、高画質な画像を得ることができる。これは、微小な潜像ドットに対して、十分に小さい粒径のトナー粒子を有することができ、ドット再現性に優れるという利点が得られる。
特に、IRトナーにおいては、画像出力媒体上に転写され定着前の状態において、高密度に配置され、その上に重ねられるカラートナーがその隙間に入り込まないようにすることにより、再現性の高い定着後の画像を得ることができる。その再現性の高い画像は赤外光照射により機械読み取り処理にあたり、より安定した処理が可能となる。
カラートナーの重量平均粒径(D4)が4μm以上であると、転写効率の低下、ブレードクリーニング性の低下といった現象を防止することができ、カラートナーの重量平均粒径(D4)が8μm以下であると、上述のように定着前の画像に重なられたカラートナーが入り込むことによる画像情報の乱れが生じやすくなること、文字やラインの飛び散りを抑えることが難しくなるという不具合を抑えることができる。
また、重量平均粒径(D4)と個数平均粒径(D1)との比(D4/D1)としては、1.00~1.40が好ましく、1.05~1.30がより好ましい。比(D4/D1)は、1.00に近いほど粒径分布がシャープであることを示す。
このような小粒径で粒径分布の狭いトナーでは、トナーの帯電量分布が均一になり、地肌かぶりの少ない高品位な画像を得ることができ、また、静電転写方式では転写率を高くすることができる。
異なる色のトナー像を重ね合わせることにより多色像を形成するフルカラー画像形成方法においては、ブラックトナー1色のみで画像形成するため異なる色のトナー像を重ね合わせる必要のないモノクロ画像形成方法に比べて紙上に付着させるトナー量が多い。すなわち現像、転写、定着されるトナー量が多くなるために、上述の転写効率の低下、ブレードクリーニング性の低下、文字やラインの飛び散り、地肌かぶりなど画質を悪化させる不具合が起こりやすく、重量平均粒径(D4)や重量平均粒径(D4)と個数平均粒径(D1)との比(D4/D1)の管理が重要となる。
トナー粒子の粒度分布の測定は、コールターカウンター法によるトナー粒子の粒度分布の測定装置を用いて行うことができる。装置としては、例えば、コールターカウンターTA-IIやコールターマルチサイザーII(いずれもコールター社製)が挙げられる。
具体的な測定方法は以下のとおりである。
まず、電解水溶液100mL~150mL中に分散剤として界面活性剤(アルキルベンゼンスルホン酸塩など)を0.1mL~5mL加える。電解水溶液とは、1級塩化ナトリウムを用いて約1%NaCl水溶液を調製したもので、例えば、ISOTON-II(コールター社製)が挙げられる。
次に、測定試料を2mg~20mg加える。試料を懸濁した電解液は、超音波分散器で約1分間~3分間分散処理を行ない、測定装置により、アパーチャーとして100μmアパーチャーを用いて、トナー粒子又はトナーの重量、個数を測定して、重量分布と個数分布を算出する。得られた分布から、トナーの重量平均粒径(D4)、個数平均粒径(D1)を求めることができる。
チャンネルとしては、2.00~2.52μm未満;2.52~3.17μm未満;3.17~4.00μm未満;4.00~5.04μm未満;5.04~6.35μm未満;6.35~8.00μm未満;8.00~10.08μm未満;10.08~12.70μm未満;12.70~16.00μm未満;16.00~20.20μm未満;20.20~25.40μm未満;25.40~32.00μm未満;32.00~40.30μm未満の13チャンネルを使用し、粒径2.00μm以上乃至40.30μm未満の粒子を対象とする。
電子写真現像用トナーの正接損失(tanδ)は、画像の光沢度と明らかな相関があることが知られている。tanδの値が大きくなるとトナーの定着時の延展性が大きくなり、基材隠蔽性が高くなり、高光沢の画像が得られる。
IRトナーの100℃~140℃における正接損失(tanδi)としては、2.5以上が好ましく、3.0以上がより好ましい。tanδiは、15以下が好ましい。なお、IRトナーの100℃~140℃における正接損失(tanδi)が2.5以上であるとは、100℃~140℃において、IRトナーの正接損失(tanδi)が常に2.5以上の値をとることを意味する。
カラートナーの正接損失(tanδc)としては、2以下が好ましい。tanδcは、0.1以上が好ましい。カラートナーの正接損失が2以下であると、IR画像上に重ねたカラートナーがIRトナー画像内に入り込み、IRトナー画像の安定性を損なうという不具合を防止することができる。なお、カラートナーの100℃~140℃における正接損失(tanδc)が2以下であるとは、100℃~140℃において、カラートナーの正接損失(tanδc)が常に2以下の値をとることを意味する。
電子写真現像用トナーの正接損失(tanδ)は、損失弾性率(G’’)及び貯蔵弾性率(G’)の比(G’’)/(G’)であり、粘弾性測定により測定することができる。損失弾性率(G’’)及び貯蔵弾性率(G’)は、例えば、以下の方法により測定することができる。IRトナー、又はカラートナーを0.8g、φ20mmのダイスを用いて30MPaの圧力で成型し、ADVANCED RHEOMETRIC EXPANSION SYSTEM(TA社製)でφ20mmのパラレルコーンを使用して周波数1.0Hz、昇温速度2.0℃/分間、歪み0.1%(自動歪み制御:許容最小応力1.0g/cm、許容最大応力500g/cm、最大付加歪み200%、歪み調整200%)、GAPはサンプルセット後FORCEが0~100gmになる範囲で、損失弾性率(G’’)、貯蔵弾性率(G’)、正接損失(tanδ)の測定を行うことができる。
<トナーの製造方法>
本実施形態のトナーセットの製造方法としては、溶融混練-粉砕法、重合法など従来公知の方法が適用できる。また、カラートナーとIRトナーの製造法は同じ製造方法を用いても良いし、カラートナーは重合法、IRトナーは溶融混練粉砕法といったように別の製造方法を用いても良い。
<<溶融混練-粉砕法>>
溶融混練-粉砕法においては、その製造工程では、(1)少なくとも結着樹脂と着色剤もしくは近赤外光吸収材料、離型剤とを溶融混錬する工程、(2)溶融混錬されたトナー組成物を粉砕/分級する工程、(3)無機微粒子を外添する工程を有する。また、工程(2)の粉砕/分級工程で複製する微紛を、工程(1)の原料としてサイド混練することがコストの面で好ましい。
混練に使用する混錬機としては、密閉式ニーダー、1軸もしくは2軸の押出機、又はオープンロール型混練機等を用いることができる。混錬機の種類としては、例えば、KRCニーダー(栗本鉄工所社製)、ブス・コ・ニーダー(Buss社製)、TEM型押し出し機(東芝機械社製)、TEX二軸混練機(日本製鋼所社製)、PCM混練機(池貝鉄工所社製)、三本ロールミル、ミキシングロールミル、ニーダー(井上製作所社製)、ニーデックス(三井鉱山社製)、MS式加圧ニーダー、ニダールーダー(森山製作所社製)、バンバリーミキサー(神戸製鋼所社製)などが挙げられる。
粉砕機としては、例えば、カウンタージェットミル、ミクロンジェット、イノマイザ(ホソカワミクロン社製)、IDS型ミル、PJMジェット粉砕機(日本ニューマチック工業社製)、クロスジェットミル(栗本鉄工所社製)、ウルマックス(日曹エンジニアリング社製)、SKジェット・オー・ミル(セイシン企業社製)、クリプトロン(川崎重工業社製)、ターボミル(ターボエ業社製)、スーパーローター(日清エンジニアリング社製)などが挙げられる。
分級機としては、例えば、クラッシール、マイクロンクラッシファイアー、スペディッククラシファイアー(セイシン企業社製)、ターボクラッシファイアー(日清エンジニアリング社製)、ミクロンセパレータ、ターボプレックス(ATP)、TSPセパレータ(ホソカワミクロン社製)、エルボージェット(日鉄鉱業社製)、ディスパージョンセパレータ(日本ニューマチック工業社製)、YMマイクロカット(安川商事社製)が挙げられる。
粗粒などをふるい分けるために用いられる篩い装置としては、例えば、ウルトラソニック(晃栄産業社製)、レゾナシーブ、ジャイロシフター(徳寿工作所社)、バイブラソニックシステム(ダルトン社製)、ソニクリーン(新東工業社製)、ターボスクリーナー(ターボエ業社製)、ミクロシフター(槙野産業社製)、円形振動篩いなどが挙げられる。
<<重合法>>
重合法としては、従来公知の方法を用いることができる。重合法としては、例えば、以下のような手順が挙げられる。先ず、着色剤、結着樹脂、離型剤を有機溶媒中に分散させ、トナー材料液(油相)を作る。トナー材料液には、イソシアネート基を有するポリエステルプレポリマー(A)を添加し、造粒中に反応させて、ウレア変性ポリエステル樹脂をトナーに含有させることが好ましい。
次に、トナー材料液を界面活性剤、樹脂微粒子の存在下、水系媒体中で乳化させる。
水系媒体としては、水系媒体に用いる水系溶媒は、水単独でもよいし、アルコールなどの有機溶媒を含むものであってもよい。
トナー材料液100質量部に対する水系溶媒の使用量は、通常50質量部~2,000質量部が好ましく、100質量部~1,000質量部がより好ましい。
樹脂微粒子としては、水性分散体を形成しうる樹脂であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ビニル系樹脂、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂などが挙げられる。
分散後、乳化分散体(反応物)から有機溶媒を除去し、洗浄、乾燥してトナー母体粒子を得る。
IRトナー、及びカラートナーは、一成分現像剤としても、二成分現像剤として用いることができる。
本実施形態のトナーを二成分系現像剤に用いる場合には、磁性キャリアと混合して用いればよく、現像剤中のキャリアとトナーの含有比は、キャリア100質量部に対して、トナー1質量部~10質量部が好ましい。
磁性キャリアとしては、従来から公知のものを使用することができ、例えば、粒子径20μm~200μm程度の鉄粉、フェライト粉、マグネタイト粉、磁性樹脂キャリアなどが挙げられる。
磁性キャリアは、被覆されたものも使用することができる。磁性キャリアを被覆するための被覆材料としては、例えば、尿素-ホルムアルデヒド樹脂、メラミン樹脂、ベンゾグアナミン樹脂、ユリア樹脂、ポリアミド樹脂、エポキシ樹脂等のアミノ系樹脂;ポリビニル等のポリビニリデン系樹脂;アクリル樹脂、ポリメチルメタクリレート樹脂、ポリアクリロニトリル樹脂、ポリ酢酸ビニル樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、ポリスチレン樹脂、スチレンアクリル共重合樹脂等のポリスチレン系樹脂;ポリ塩化ビニル等のハロゲン化オレフィン樹脂;ポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリブチレンテレフタレート樹脂等のポリエステル系樹脂;ポリカーボネート系樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリ弗化ビニル樹脂、ポリ弗化ビニリデン樹脂、ポリトリフルオロエチレン樹脂、ポリヘキサフルオロプロピレン樹脂、弗化ビニリデンとアクリル単量体との共重合体、弗化ビニリデンと弗化ビニルとの共重合体、テトラフルオロエチレンと弗化ビニリデンと非弗化単量体とのターポリマー等のフルオロターポリマー、シリコーン樹脂などが挙げられる。
更に必要に応じて、導電粉等を被覆樹脂中に含有させてもよい。導電粉としては、金属粉、カーボンブラック、酸化チタン、酸化錫、酸化亜鉛等が使用できる。これらの導電粉は、平均粒子径1μm以下のものが好ましい。平均粒子径が1μm以下であると、電気抵抗の制御が困難になるという不具合を防止することができる。
本実施形態の画像形成装置において、IRトナー像がベタ画像である場合のベタ画像の60度光沢度は、30以上であり、30以上80以下が好ましく、30以上60以下が更に好ましい。
IRトナー像がベタ画像である場合のベタ画像の60度光沢度は、カラートナー像がベタ画像である場合のベタ画像の60度光沢度より10以上高く、15以上高いことが好ましく、20以上高いことが更に好ましい。
IRトナーの100℃~140℃における正接損失(tanδi)は、2.5以上が好ましく、3.0以上がより好ましい。また、画像形成方法、及び画像形成装置において、カラートナーの正接損失(tanδc)としては、2以下が好ましい。
IRトナー像における、IRトナーの付着量としては、0.30mg/cm以上0.45mg/cm以下が好ましく、0.35mg/cm以上0.40mg/cm以下がより好ましい。IRトナーの付着量が、0.30mg/cm以上であると画像の基材隠蔽率が十分となり安定した画像が得られる。
また、近赤外光吸収材料は、可視光領域に若干の吸収があり、完全に無色ではないため、近赤外光吸収材料のトナーへの添加量が増えれば、視認性が増してしまう。その為に、画像のIRトナー付着量を、0.45mg/cm以下とすることにより、視認性の低減が可能となる。
IRトナー像に重ねるカラートナー像の単位面積当たりにおけるトナー付着量は、30%以上80%以下が好ましい。カラートナー像の単位面積当たりにおけるトナー付着量がこの数値範囲内であると、カラートナー像の下にあるIRトナー像の視認性を十分に低下させることができる点で好ましい。
この理由としては、以下のことが考えられる。本実施形態のIRトナーは、可視光領域に若干の吸収があり、単色での画像は完全な透明ではない。よって、IRの画像情報を不可視にする(目視しにくくする)ためには、カラートナーでマスクするのが好ましい。カラートナー像の単位面積当たりにおけるトナー付着量が30%以上であれば、IRトナー像が視認されやすくなるという不具合を防止するのに有効である。カラートナー像の単位面積当たりにおけるトナー付着量が30%未満であると、特にイエロートナーを重ねた場合のIRトナー像の視認性が上がってしまう。
IRトナー像上のカラートナー像の単位面積当たりにおけるトナー付着量を30%以上80%以下とする画像形成方法は、特に二次元コード画像を重ねて画像形成する際に有効である。互いに情報の異なるIRトナーによる二次元コード画像とカラートナーによる二次元コード画像とを重ねて画像形成することにより、異なる光波長の読み取り装置(それぞれ860nm、532nm)を用いれば、同じ画像面積内で、カラートナーによる二次元コード画像のみの場合よりも多くの情報を埋め込むことができる。
記録媒体上において、IRトナー像である二次元コード画像(i)が、カラートナー像である二次元コード画像(c)よりも記録媒体側に形成されていることが好ましい。この際に、カラートナー像がベタ画像である場合のベタ画像の800nm以上900nm以下の吸光度は、0.05未満であることが好ましく、0.01未満であることがより好ましい。
また、二次元コード画像(i)が有する情報と、二次元コード画像(c)が有する情報とが異なることが好ましい。
IRトナーの二次元コード画像と、カラートナーの二次元コード画像とを重ねる場合、カラートナーの二次元コード画像をダミーのコードとする形態も可能である。このような形態では、IRトナーの二次元コード画像は、視認されることなく、赤外光の二次元コードの読み取り機のみで情報を読み取れ、カラートナーの二次元コード画像は、視認されるが、赤外光の二次元コードの読み取り機では情報を読み取ることができない。
ここで、具体例として、IRトナーを利用した二次元コード画像の使い方を、QRコード(登録商標)の例で説明する。
図11は、IRトナーで形成した二次元コード画像であるQRコード(i)の上に、Y、M、Cの3色のトナーで形成した二次元コード画像であるQRコード(c)を重ねた例の説明図である。
そして、IRトナーで形成したQRコード(i)と、Y、M、Cの3色のトナーで形成したQRコード(c)とでは、それぞれが有する情報が互いに異なっている。IRトナーで形成したQRコード(i)の情報は、可視光領域では読み取ることができないので、通常のスキャナ(画像読取載置)では読み取ることができず、赤外光領域を使用するスキャナを用いることではじめて読み取ることができる。したがって、IRトナーで形成したQRコード(i)には、個人情報といった機密性の高い情報を埋め込むのに適している。
また、IRトナーで形成したQRコード(i)の情報が、通常のスキャナでは読み取ることができないことを利用すれば、例えば、IRトナーのQRコード(i)が有する情報と、Y、M、Cの3色トナーのQRコード(c)が有する情報との両方が揃うことで、はじめて情報を読み取ることができるという利用方法も挙げられる。この場合、その情報を取得するためには、IRトナーのQRコード(i)用のスキャナ(赤外光領域のみに対応したスキャナ)でも、通常のスキャナ(可視光領域のみに対応したスキャナ)でも、読み取ることができず、可視光領域と赤外光領域の両方に対応した特殊なスキャナを使用しなければ読み取ることができない。したがって、より機密性の高い情報を埋め込むのに適している。
以上に説明したものは一例であり、次の態様毎に特有の効果を奏する。
(態様1)
黒トナー像を担持するK感光体7Kなどの黒用像担持体を有するK用プロセスユニット6Kなどの黒用作像ユニットとIRトナー像などの特色トナー像を担持するIR感光体7IRなどの特色用像担持体を有するIR用プロセスユニット6IRなどの特色用作像ユニットとを選択的に脱着可能に保持するユニット保持部と、黒色および特色とは異なる色のトナー像を担持するカラーの感光体7Y、7M、7Cなどの第三像担持体を備えたカラーのプロセスユニット6Y、6M、6Cなどの第三作像ユニットと、黒用像担持体と特色用像担持体のいずれか一方および第三像担持体に当接し、前記黒用作像ユニットと前記特色用作像ユニットのいずれか一方のトナー像と、第三作像ユニットのトナー像とが転写される中間転写ベルト12などの転写部材とを備えたプリンタなどの画像形成装置において、転写部材は、第三像担持体に対して接離可能に構成されており、ユニット保持部に黒用作像ユニットが保持されているときは、画像形成終了後、転写部材が第三像担持体から離間した状態とし、ユニット保持部に特色用作像ユニットが保持されているときは、画像形成終了後、転写部材が第三像担持体に当接した状態とする。
これによれば、実施形態で説明したように、中間転写ベルト12などの転写部材は、カラーの感光体7Y、7M、7Cなどの第三像担持体に対して接離可能であるので、ユニット保持部に保持されている作像ユニットのトナー色のみで形成される画像のときは、用いない第三像担持体を転写部材から離間させて画像形成を行うことができる。用いない第三像担持体を転写部材から離間させることで、第三像担持体の転写部材との間の摩耗などが抑制され、第三作像ユニットの劣化を抑制することができる。
また、K用プロセスユニット6Kなどの黒用作像ユニットがユニット保持部に保持されているときは、黒色トナーのみで形成されるモノクロ画像を形成する機会が多い。よって、ユニット保持部に黒用作像ユニットが保持されているときは、第三像担持体から離間した状態で転写部材を待機させる。これにより、モノクロ画像を形成するときは、使用しない第三像担持体から転写部材を離間させるための接離動作を行わずに、画像形成動作を開始できる。その結果、第三像担持体に当接した状態で転写部材を待機させる場合に比べて、モノクロ画像形成時のファーストプリントタイムの短縮化を図ることができる。このように、黒用作像ユニットがユニット保持部に保持されているときに画像形成する機会が多いモノクロ画像のファーストプリントタイムの短縮化を図ることができるので、ユニット保持部に黒用作像ユニットが保持されているときの生産性を効果的に高めることができる。
一方、IR用プロセスユニット6IRなどの特色用作像ユニットがユニット保持部に保持されているときは、特色トナーと、第三作像ユニットのトナーで画像を形成する機会が多い。従って、ユニット保持部に特色用作像ユニットが保持されているときは、第三像担持体に当接した状態で転写部材を待機させることで、特色トナーと、第三作像ユニットのトナーで画像を形成するとき、使用する第三像担持体に転写部材を当接させるための接離動作を行わずに画像形成動作を開始できる。よって、第三像担持体から離間した状態で転写部材を待機させる場合に比べて、特色トナーと、第三作像ユニットのトナーとで画像を形成するときのファーストプリントタイムの短縮化を図ることができる。よって、ユニット保持部に特色用作像ユニットが保持されているときの生産性を効果的に高めることができる。
(態様2)
態様1において、転写部材は、中間転写ベルト12などの中間転写体である。
これによれば、像担持体の画像を直接記録媒体に転写する場合に比べて、用紙対応力を高めることができる。
(態様3)
態様1又は2において、K感光体7Kなどの黒用像担持体とIR感光体7IRなどの特色用像担持体のいずれか一方と中間転写ベルト12などの転写部材との当接位置が、カラーの感光体7Y、7M、7Cなどの第三像担持体と転写部材との当接位置に対して、転写部材の表面移動方向下流側に位置する。
これによれば、実施形態で説明したように、IRトナー像などの特色トナーをカラートナー像などの第三作像ユニットのトナー像よりも記録媒体側に形成することができる。これにより、特色トナー像が第三作像ユニットのトナー像に隠れ、特色トナー像による視認困難画像の不視認性を高めやすい。
(態様4)
態様1乃至3いずれかにおいて、ユニット保持部にK用プロセスユニットなどの黒用作像ユニットが保持されている場合で、作像する画像が、白黒画像のときは、中間転写ベルト12などの転写部材がカラーの感光体7Y、7M、7Cなどの第三像担持体から離間した状態のまま作像動作を開始する。
これによれば、実施形態で説明したように、白黒画像印刷時のファーストプリントタイムを短縮することができる。また、カラープロセスユニットなどの第三作像ユニットの動作を停止して画像形成を行うことができ、第三作像ユニットの劣化を抑制することができる。
(態様5)
態様1乃至4いずれかにおいて、ユニット保持部にIR用プロセスユニット6IRなどの特色用作像ユニットが保持されている場合で、作像する画像に特色と特色以外の色とを含むときは、中間転写ベルト12などの転写部材がカラーの感光体7Y、7M、7Cなどの第三像担持体に当接した状態のまま作像動作を開始する。
これによれば、実施形態で説明したように特色と特色以外の色とを含む画像印刷時のファーストプリントタイムを短縮することができる。
(態様6)
態様1乃至5いずれかにおいて、中間転写ベルト12などの転写部材は、K感光体7Kなどの黒用像担持体とIR感光体7IRなどの特色用像担持体のいずれか一方に対しても接離可能に構成されており、ユニット保持部にIR用プロセスユニット6IRなどの特色用作像ユニットが保持されている場合で、作像する画像に特色が含まれていないときは、転写部材を特色用像担持体から離間させた後、作像動作を開始する。
これによれば、実施形態で説明したように、作像する画像に特色が含まれていないときは、IR用プロセスユニットなどの特色用作像ユニットの駆動を停止することができ、特色用作像ユニットの劣化を抑制でき、特色用作像ユニットの寿命を延ばすことができる。
1 :画像形成部
2 :転写部
6 :プロセスユニット
7 :感光体
12 :中間転写ベルト
13 :一次転写ローラ
30 :制御部
40 :画像形成制御部
41 :IDチップ
42 :バーコード画像
43 :IDチップ読取部
44 :バーコード読取部
50 :操作パネル
80 :ベルト接離機構
81 :アーム
82 :スライド部材
83 :カム
84 :バネ
101 :カバー部材
103 :回動軸
103a:検知突起
110 :開閉検知スイッチ
特開2019-117372号公報

Claims (6)

  1. 黒トナー像を担持する黒用像担持体を有する黒用作像ユニットと特色トナー像を担持する特色用像担持体を有する特色用作像ユニットとを選択的に脱着可能に保持するユニット保持部と、
    黒色および特色とは異なる色のトナー像を担持する第三像担持体を備えた第三作像ユニットと、
    前記黒用像担持体と前記特色用像担持体のいずれか一方および前記第三像担持体に当接し、前記黒用作像ユニットと前記特色用作像ユニットのいずれか一方のトナー像と、前記第三作像ユニットのトナー像とが転写される転写部材とを備えた画像形成装置において、
    前記ユニット保持部に保持されたユニットが前記黒用作像ユニットであるか前記特色用作像ユニットであるかを判断する判断部を有し、
    前記転写部材は、前記第三像担持体に対して接離可能に構成されており、
    前記判断部が、前記ユニット保持部に前記黒用作像ユニットが保持されていると判断したときは、前記第三像担持体から離間した状態で前記転写部材を待機させ、前記判断部が、前記ユニット保持部に前記特色用作像ユニットが保持されていると判断したときは、前記第三像担持体に当接した状態で前記転写部材を待機させることを特徴とする画像形成装置。
  2. 請求項1に記載の画像形成装置において、
    前記転写部材は、中間転写体であることを特徴とする画像形成装置。
  3. 請求項1又は2に記載の画像形成装置において、
    前記黒用像担持体と前記特色用像担持体のいずれか一方と前記転写部材との当接位置が、前記第三像担持体と前記転写部材との当接位置に対して、前記転写部材の表面移動方向下流側に位置することを特徴とする画像形成装置。
  4. 請求項1乃至3いずれか一項に記載の画像形成装置において、
    前記ユニット保持部に前記黒用作像ユニットが保持されている場合で、作像する画像が、白黒画像のときは、前記転写部材が前記第三像担持体から離間した状態のまま作像動作を開始することを特徴とする画像形成装置。
  5. 請求項1乃至4いずれか一項に記載の画像形成装置において、
    前記ユニット保持部に前記特色用作像ユニットが保持されている場合で、作像する画像に特色と特色以外の色とを含むときは、前記転写部材が前記第三像担持体に当接した状態のまま作像動作を開始することを特徴する画像形成装置。
  6. 請求項1乃至5いずれか一項に記載の画像形成装置において、
    前記転写部材は、前記黒用像担持体と前記特色用像担持体のいずれか一方に対しても接離可能に構成されており、
    前記ユニット保持部に前記特色用作像ユニットが保持されている場合で、作像する画像に特色が含まれていないときは、前記転写部材を前記特色用像担持体から離間させた後、作像動作を開始することを特徴する画像形成装置。
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