JP5434210B2 - 静電荷像現像用トナー、現像剤、画像形成方法、画像形成装置及びプロセスカートリッジ - Google Patents
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Description
(1)トナーの定着性の問題である。一つは低温定着時の被転写体との定着強度が弱いことであり、もう一つは高温時の定着ローラとの分離性がよくないことである。
(2)拭き残し、すり抜け、感光体の汚染などクリーニング特性の問題である。
(3)ブレードへの固着発生や、高温高湿環境下での耐ブロッキング性など熱的な安定性の問題である。
(1)少なくとも結着樹脂、着色剤、離型剤を含むトナー母体粒子(M)と外添剤からなるトナーであって、前記トナー母体粒子(M)は前記離型剤の含有量が0重量%以上4重量%以下であるトナー母体粒子(A)と、前記離型剤の含有量が10重量%以上30重量%以下であるトナー母体粒子(B)からなり、前記離型剤の含有割合が小さいトナー母体粒子(A)の構成比率が50重量%以上80重量%以下であり、かつ、トナー母体粒子(M)中の平均離型剤量が3重量%以上20重量%未満であることを特徴とする静電荷像現像用トナー。
(2)前記離型剤の含有割合が小さいトナー母体粒子(A)の平均円形度が、0.880〜0.940で、前記離型剤の含有割合が大きいトナー母体粒子(B)の平均円形度が、0.940〜0.990であることを特徴とする(1)に記載の静電荷像現像用トナー。
(3)前記離型剤の含有割合が小さいトナー母体粒子(A)が粉砕法により得られるトナー母体粒子であり、前記離型剤の含有割合が大きいトナー母体粒子(B)が重合法により得られるトナー母体粒子であることを特徴とする(1)または(2)に記載の静電荷像現像用トナー。
(4)前記離型剤の含有割合が大きいトナー母体粒子(B)が、該トナー母体粒子(B)表面の離型剤露出量が10mg/g以下であることを特徴とする(1)から(3)のいずれかに記載の静電荷像現像用トナー。
(5)前記トナー母体粒子(M)が、示差走査熱量測定(DSC)により得られる吸熱曲線において、温度30〜200℃の範囲における最大吸熱ピークを示す温度が65〜80℃の範囲にあることを特徴とする(1)ないし(4)のいずれかに記載の静電荷像現像用トナー。
(6)前記外添剤として無機微粒子がトナー母体粒子(M)に対して1.5重量%〜5.0重量%外添されていることを特徴とする(1)ないし(5)のいずれかに記載の静電荷像現像用トナー。
(7)前記無機微粒子がシリカであることを特徴とする(6)に記載の静電荷像現像用トナー。
(8)前記トナー母体粒子の体積平均粒径が5〜12μmであることを特徴とする(1)ないし(7)のいずれかに記載の静電荷像現像用トナー。
(9)(1)ないし(8)のいずれかに記載の静電荷像現像用トナーを含有することを特徴とする現像剤。
(10)像担持体上に静電潜像を形成する静電潜像形成工程と、現像剤を担持して前記像担持体上に形成される静電潜像を現像するための現像剤担持部材と、前記現像剤担持部材に現像剤を供給するための供給部材と、前記供給部材によって供給された現像剤を前記現像剤担持部材に薄層状に担持させるための層厚規制部材とを有する現像手段により前記静電潜像を可視像化する現像工程とを少なくとも含む画像形成方法であって、前記現像剤が(9)に記載の現像剤であることを特徴とする画像形成方法。
(11)像担持体と、該静電潜像担持体上に静電潜像を形成する静電潜像形成手段と、現像剤を担持して前記像担持体上に形成される静電潜像を現像するための現像剤担持部材と、前記現像剤担持部材に現像剤を供給するための供給部材と、前記供給部材によって供給された現像剤を前記現像剤担持部材に薄層状に担持させるための層厚規制部材とを有し、前記静電潜像を可視像化する現像手段と、前記現像手段により形成された可視像を記録媒体に転写するための転写手段と、前記記録媒体に転写された転写像を定着させるための定着手段とを少なくとも備えた画像形成装置であって、前記現像剤が(9)に記載の現像剤であることを特徴とする画像形成装置。
(12)像担持体と、現像剤を担持して前記像担持体上に形成される静電潜像を現像するための現像剤担持部材と、前記現像剤担持部材に現像剤を供給するための供給部材と、前記供給部材によって供給された現像剤を前記現像剤担持部材に薄層状に担持させるための層厚規制部材とを有し前記静電潜像を可視像化するための現像手段とを少なくとも備えたプロセスカートリッジであって、前記現像剤が(9)に記載の現像剤であることを特徴とするプロセスカートリッジ。
<トナー>
本発明は、少なくとも結着樹脂、着色剤、離型剤を含むトナー母体粒子(M)と外添剤からなるトナーにおいて、離型剤量が異なるトナー母体粒子(A)、(B)を用いることを特徴とする。
本発明者らは、離型剤の含有割合が小さいトナー母体粒子(A)〔以降、「離型剤の含有量が少ないトナー母体粒子(A)」ということがある。〕と、離型剤の含有割合が大きいトナー母体粒子(B)〔以降、「離型剤の含有量が多いトナー母体粒子(B)」ということがある。〕をランダムに混合して用いることにより、フルカラー画像形成時に離型剤成分が多い部分と少ない部分を存在させることができることを見出し、転写後の未定着画像のトナー層中にも、この離型剤寡多の部分(多い部分と少ない部分)が存在し、近接する離型剤量が多い粒子同士は、離型剤が溶融した際に選択的に融着合一化し、離型剤含有量が多い粒子による粒子鎖が形成されることを知った。そして、そのような粒子鎖が形成されることから、定着時に溶融した離型剤は、離型剤を多量に含む層から、そのトナー粒子鎖を通じて、定着ローラとトナー層界面、並びにトナー層と被転写体間への移動経路が形成され、離型剤の溶出が容易になり、同一の離型剤を均一に分散したトナーに比べ、格段に定着温度特性、すなわち高温時の定着ローラと被転写体との分離特性と、低温時の被転写体との定着強度特性の改善が図れることがわかった。
トナー母体粒子(M)中の平均離型剤量(重量%)=(トナーAの離型剤含有量(重量%)×トナーAの構成比率(重量%)+トナーBの離型剤含有量(重量%)×トナーBの構成比率(重量%))/100
上式において、
トナーA:離型剤の含有量が少ないトナー母体粒子
トナーB:離型剤の含有量が多いトナー母体粒子
まず、電解水溶液100〜150ml中に分散剤として界面活性剤(好ましくはアルキルベンゼンスルフォン酸塩)を0.1〜5ml加える。
ここで、電解液とは1級塩化ナトリウムを用いて約1%NaCl水溶液を調製したもので、例えば ISOTON−II(コールター社製)が使用できる。ここで、更に測定試料を2〜20mg加える。試料を懸濁した電解液は、超音波分散器で約1〜3分間分散処理を行ない、前記測定装置により、アパーチャーとして100μmアパーチャーを用いて、トナー粒子又はトナーの体積、個数を測定して、体積分布と個数分布を算出する。
トナー母体粒子(A)において、離型剤は、混練時に混合しても、予め結着樹脂中に分散しておいても構わないが、予め結着樹脂中に分散しておくことがより好ましい。トナー母体粒子(A)は、少なくとも結着樹脂、着色剤、離型剤を含有し、必要に応じて荷電制御剤などを用いる。
本発明において使用される結着樹脂の種類は特に制限されず、フルカラートナーの分野で公知の結着樹脂、例えば、ポリエステル系樹脂、(メタ)アクリル系樹脂、スチレン−(メタ)アクリル系共重合体樹脂、エポキシ系樹脂、COC(環状オレフィン樹脂(例えば、TOPAS−COC(Ticona社製)))等であってよいが、オイルレス定着の観点から、ポリエステル系樹脂を使用することが好ましい。
本発明において好ましく使用されるポリエステル系樹脂としては、多価アルコール成分と多価カルボン酸成分を重縮合させることにより得られたポリエステル樹脂が使用可能である。多価アルコール成分のうち2価アルコール成分としては、例えば、ポリオキシプロピレン(2,2)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ポリオキシプロピレン(3,3)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ポリオキシプロピレン(6)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ポリオキシエチレン(2,0)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン等のビスフェノールAアルキレンオキサイド付加物、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,4−ブテンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、ジプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリテトラメチレングリコール、ビスフェノールA、水素添加ビスフェノールA等が挙げられる。3価以上のアルコール成分としては、例えば、ソルビトール、1,2,3,6−ヘキサンテトロール、1,4−ソルビタン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、トリペンタエリスリトール、1,2,4−ブタントリオール、1,2,5−ペンタントリオール、グリセロール、2−メチルプロパントリオール、2−メチル−1,2,4−ブタントリオール、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、1,3,5−トリヒドロキシメチルベンゼン等が挙げられる。
3価以上のカルボン酸成分としては、例えば、1,2,4−ベンゼントリカルボン酸(トリメリット酸)、1,2,5−ベンゼントリカルボン酸、2,5,7−ナフタレントリカルボン酸,1,2,4−ナフタレントリカルボン酸、1,2,4−ブタントリカルボン酸、1,2,5−ヘキサントリカルボン酸、1,3−ジカルボキシル−2−メチル−2−メチレンカルボキシプロパン、1,2,4−シクロヘキサントリカルボン酸、テトラ(メチレンカルボキシル)メタン、1,2,7,8−オクタンテトラカルボン酸、ピロメリット酸、エンポール三量体酸、これらの酸の無水物、低級アルキルエステル等が挙げられる。
より好ましい樹脂は、上述した多価アルコール成分と多価カルボン酸成分を重縮合させて得られたポリエステル樹脂、特に多価アルコール成分としてビスフェノールAアルキレンオキサイド付加物を用い、多価カルボン酸成分としてテレフタル酸およびフマル酸を用いて得られたポリエステル樹脂である。
また、高分子量体は、ビニル系ポリエステル樹脂、特にポリエステル樹脂の原料モノマーとしてビスフェノールAアルキレンオキサイド付加物、テレフタル酸、トリメリット酸およびコハク酸を用い、ビニル系樹脂の原料モノマーとしてスチレンおよびブチルアクリレートを用い、両反応性モノマーとしてフマル酸を用いて得られたビニル系ポリエステル樹脂を用いることもできる。
本発明において、離型剤としては、特に限定されないが、炭化水素系パラフィンが挙げられる。炭化水素系パラフィンとしては、例えば、アルケンを高圧下でラジカル重合あるいは低圧下でチーグラー触媒を用いて重合した低分子量のポリアルケン;高分子量のポリアルケンを熱分解して得られるポリアルケン;一酸化炭素及び水素を含む合成ガスからアーゲ法を用いて得られる炭化水素、さらに水素添加して得られる炭化水素が挙げられる。このような離型剤を用いることにより、定着時に、現像剤から離型剤が十分に染み出し、優れた定着特性を発揮することができる。
本発明のトナーには、離型剤の分散を助ける離型剤分散剤を含有させても良い。離型剤分散剤としては特に限定はなく、公知のものを使用することができ、離型剤との相溶性の高いユニットと樹脂との相溶性の高いユニットがブロック体として存在するポリマーやオリゴマー、離型剤との相溶性の高いユニットと樹脂との相溶性の高いユニットのうち一方に他方がグラフトしているポリマーもしくはオリゴマー、エチレン・プロピレン・ブテン・スチレン・α−スチレンなどの不飽和炭化水素と、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、無水マレイン酸、イタコン酸、無水イタコン酸などのα,β−不飽和カルボン酸やそのエステルもしくはその無水物との共重合体、ビニル系樹脂とポリエステルとのブロック、もしくはグラフト体などが挙げられる。
上記の離型剤との相溶性の高いユニットとしては、炭素数が12以上の長鎖アルキル基や、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン、ポリブタジエンとそれらの共重合体があり、樹脂との相溶性の高いユニットとしては、ポリエステル、ビニル系樹脂などが挙げられる。
着色剤としては下記の様な公知のものを用いることができる。カーボンブラック、ニグロシン染料、鉄黒、ナフトールイエローS、ハンザイエロー(10G、5G、G)、カドミュウムイエロー、黄色酸化鉄、黄土、黄鉛、チタン黄、ポリアゾイエロー、オイルイエロー、ハンザイエロー(GR、A、RN、R)、ピグメントイエローL、ベンジジンイエロー(G、GR)、パーマネントイエロー(NCG)、バルカンファストイエロー(5G、R)、タートラジンレーキ、キノリンイエローレーキ、アンスラザンイエローBGL、イソインドリノンイエロー、ベンガラ、鉛丹、鉛朱、カドミュウムレッド、カドミュウムマーキュリレッド、アンチモン朱、パーマネントレッド4R、パラレッド、ファイセーレッド、パラクロルオルトニトロアニリンレッド、リソールファストスカーレットG、ブリリアントファストスカーレット、ブリリアントカーンミンBS、パーマネントレッド(F2R、F4R、FRL、FRLL、F4RH)、ファストスカーレットVD、ベルカンファストルビンB、ブリリアントスカーレットG、リソールルビンGX、パーマネントレッドF5R、ブリリアントカーミン6B、ポグメントスカーレット3B、ボルドー5B、トルイジンマルーン、パーマネントボルドーF2K、ヘリオボルドーBL、ボルドー10B、ボンマルーンライト、ボンマルーンメジアム、エオシンレーキ、ローダミンレーキB、ローダミンレーキY、アリザリンレーキ、チオインジゴレッドB、チオインジゴマルーン、オイルレッド、キナクリドンレッド、ピラゾロンレッド、ポリアゾレッド、クロームバーミリオン、ベンジジンオレンジ、ペリノンオレンジ、オイルオレンジ、コバルトブルー、セルリアンブルー、アルカリブルーレーキ、ピーコックブルーレーキ、ビクトリアブルーレーキ、無金属フタロシアニンブルー、フタロシアニンブルー、ファストスカイブルー、インダンスレンブルー(RS、BC)、インジゴ、群青、紺青、アントラキノンブルー、ファストバイオレットB、メチルバイオレットレーキ、コバルト紫、マンガン紫、ジオキサンバイオレット、アントラキノンバイオレット、クロムグリーン、ジンクグリーン、酸化クロム、ピリジアン、エメラルドグリーン、ピグメントグリーンB、ナフトールグリーンB、グリーンゴールド、アシッドグリーンレーキ、マラカイトグリーンレーキ、フタロシアニングリーン、アントラキノングリーン、酸化チタン、亜鉛華、リトボン及びそれらの混合物が使用できる。
着色剤の含有量はトナーに対して通常1〜15質量%、好ましくは3〜10質量%である。
本発明で用いる着色剤は樹脂と複合化されたマスターバッチを用いることもできる。 マスターバッチの製造またはマスターバッチとともに混練される結着樹脂としては、先にあげたポリエステル、ビニル系の樹脂のほかに、ロジン、変性ロジン、テルペン樹脂、脂肪族叉は脂環族炭化水素樹脂、芳香族系石油樹脂、塩素化パラフィン、パラフィン離型剤などが挙げられ、単独あるいは混合して使用できる。
トナー粒子の帯電量を制御する荷電制御剤としては公知のものが使用でき、例えばニグロシン系染料、トリフェニルメタン系染料、クロム含有金属錯体染料、モリブデン酸キレート顔料、ローダミン系染料、アルコキシ系アミン、4級アンモニウム塩(フッ素変性4級アンモニウム塩を含む)、アルキルアミド、燐の単体または化合物、タングステンの単体または化合物、フッ素系活性剤、サリチル酸金属塩及び、サリチル酸誘導体の金属塩等である。具体的にはニグロシン系染料のボントロン03、4級アンモニウム塩のボントロンP−51、含金属アゾ染料のボントロンS−34、オキシナフトエ酸系金属錯体のE−82、サリチル酸系金属錯体のE−84、フェノール系縮合物のE−89(以上、オリエント化学工業社製)、4級アンモニウム塩モリブデン錯体のTP−302、TP−415(以上、保土谷化学工業社製)、4級アンモニウム塩のコピーチャージPSY VP2038、トリフェニルメタン誘導体のコピーブルーPR、4級アンモニウム塩のコピーチャージ NEG VP2036、コピーチャージ NX VP434(以上、ヘキスト社製)、LRA−901、ホウ素錯体であるLR−147(日本カーリット社製)、銅フタロシアニン、ペリレン、キナクリドン、アゾ系顔料、その他スルホン酸基、カルボキシル基、4級アンモニウム塩等の官能基を有する高分子系の化合物が挙げられる。このうち、特にトナーを負極性に制御する物質が好ましく使用される。
本発明で用いるトナー母体粒子(B)は、水系媒体中で結着樹脂、着色剤及び離型剤を含む粒子を形成する重合法、例えば、懸濁重合法、乳化重合凝集法、溶解懸濁法のいずれの方法を用いても可能であるが、離型剤の含有量を増やしてもトナー表面に離型剤をより露出しがたい懸濁重合法によるトナーを用いることが好ましい。着色剤にはトナー母体粒子(A)の説明で挙げた着色剤をそのまま使用することができる。
本発明のトナー母体粒子(B)に用いられる重合性単量体としては、ラジカル重合が可能なビニル系重合性単量体が用いられる。該ビニル系重合性単量体としては、単官能性重合性単量体或いは多官能性重合性単量体を使用することが出来る。
単官能性重合性単量体としては、スチレン、α−メチルスチレン、β−メチルスチレン、o−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、2,4−ジメチルスチレン、p−n−ブチルスチレン、p−tert−ブチルスチレン、p−n−ヘキシルスチレン、p−n−オクチルスチレン、p−n−ノニルスチレン、p−n−デシルスチレン、p−n−ドデシルスチレン、p−メトキシスチレン、p−フェニルスチレンの如きスチレン誘導体、メチルアクリレート、エチルアクリレート、n−プロピルアクリレート、iso−プロピルアクリレート、n−ブチルアクリレート、iso−ブチルアクリレート、tert−ブチルアクリレート、n−アミルアクリレート、n−ヘキシルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、n−オクチルアクリレート、n−ノニルアクリレート、シクロヘキシルアクリレート、ベンジルアクリレート、ジメチルフォスフェートエチルアクリレート、ジエチルフォスフェートエチルアクリレート、ジブチルフォスフェートエチルアクリレート、2−ベンゾイルオキシエチルアクリレートの如きアクリル系重合性単量体、メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、n−プロピルメタクリレート、iso−プロピルメタクリレート、n−ブチルメタクリレート、iso−ブチルメタクリレート、tert−ブチルメタクリレート、n−アミルメタクリレート、n−ヘキシルメタクリレート、2−エチルヘキシルメタクリレート、n−オクチルメタクリレート、n−ノニルメタクリレート、ジエチルフォスフェートエチルメタクリレート、ジブチルフォスフェートエチルメタクリレートの如きメタクリル系重合性単量体、メチレン脂肪族モノカルボン酸エステル、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、酪酸ビニル、安息香酸ビニル、ギ酸ビニルの如きビニルエステル、ビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル、ビニルイソブチルエーテルの如きビニルエーテル、ビニルメチルケトン、ビニルヘキシルケトン、ビニルイソプロピルケトンの如きビニルケトンが挙げられる。
本発明において使用し得るワックス成分としては、具体的には、パラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス、ペトロラクタムの如き石油系ワックス及びその誘導体、モンタンワックス及びその誘導体、フィッシャートロプシュ法による炭化水素ワックス及びその誘導体、ポリエチレンに代表されるポリオレフィンワックス及びその誘導体、カルナバワックス、キャンデリラワックスの如き天然ワックス及びそれらの誘導体等が挙げられ、誘導体には酸化物や、ビニルモノマーとのブロック共重合物、グラフト変性物も含まれる。また、高級脂肪族アルコールの如きアルコール;ステアリン酸、パルミチン酸の如き脂肪族或いはその化合物;酸アミド、エステル、ケトン、硬化ヒマシ油及びその誘導体、植物ワックス、動物ワックスが挙げられる。これらは単独、もしくは併せて用いることができる。
懸濁重合を開始させるために、必要に応じて重合開始剤を使用することができる。具体的には重合単量体に均一に溶解する、いわゆる油溶性の重合開始剤が使用でき、2,2'−アゾビス−(2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2'−アゾビスイソブチロニトリル、1,1'−アゾビス(シクロヘキサン−1−カルボニトリル)、2,2'−アゾビス−4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル、アゾビスイソブチロニトリルの如きアゾ系又はジアゾ系重合開始剤;ベンゾイルペルオキシド、メチルエチルケトンペルオキシド、ジイソプロピルペルオキシカーボネート、クメンヒドロペルオキシド、2,4−ジクロロベンゾイルペルオキシド、ラウロイルペルオキシドの如き過酸化物系重合開始剤が用いられる。これらの重合開始剤の使用量は、目的とする重合度により変化するが、一般的には、重合性ビニル系単量体100重量部に対して5〜20重量部用いられる。重合開始剤の種類は、重合法により若干異なるが、10時間半減期温度を参考に、単独又は混合して使用される。
本発明のトナーを懸濁重合法により製造する場合、水系分散媒体調製時に使用する分散剤としては、公知の無機系及び有機系の分散剤を用いることができるが、無機系の難水溶性の分散剤が好ましく、しかも酸に可溶性である難水溶性無機分散剤を用いるとよい。また、本発明においては、難水溶性無機分散剤を用い、水系分散媒体を調製する場合に、これらの分散剤が重合性ビニル系単量体100重量部に対して、0.2〜2.0重量部となるような割合で使用することが好ましい。また、本発明においては、重合性単量体組成物100重量部に対して300〜3,000重量部の水を用いて水系分散媒体を調製することが好ましい。
重合性単量体組成物に溶解させる樹脂としては、重合性単量体に溶解する樹脂であればよい。樹脂種としては、ポリエステル樹脂,エポキシ樹脂,スチレン−アクリル酸共重合体,スチレン−メタクリル酸共重合体,スチレン−マレイン酸共重合体が挙げられる。樹脂の重量平均分子量は3,000〜50,000、好ましくは5,000〜30,000がよい。3,000未満であると、重合性単量体組成物の粘度の制御ができず、50,000を越えると重合性単量体に対する溶解性が低下する。重合性単量体組成物に溶解させる樹脂の量は、樹脂の分子量にもよるが、重合性単量体に対し1〜50質量%、好ましくは2〜25質量%、さらに好ましくは2〜10質量%である。1質量%未満であると重合性単量体組成物の粘度が上がらず、また50質量%を超えると逆に重合性単量体の粘度が高すぎて、分散工程で過大なせん断エネルギーを必要となるため好ましくない。重合性単量体組成物に溶解させる樹脂のガラス転移温度は、30〜85℃の範囲であることが好ましい。30℃未満では耐熱保存性に悪影響がみられることがあり、80℃を超えると定着性能が悪化することがある。
重合性単量体組成物の分散処理に使用する分散機は特に限定されないが、好ましくは、超音波分散機、機械的ホモジナイザー、マントンゴーリン、CLEAR MIX、CLEAR SS5や圧力式ホモジナイザー等の加圧分散機、アトライター、サンドグラインダー、ゲッツマンミルやダイヤモンドファインミル等の媒体型分散機が挙げられる。
本発明におけるトナー、樹脂等の軟化温度は100〜150℃の範囲であることが好ましい。100℃未満では定着の際に高温オフセットが発生したり、現像機内で小径成分が多量に発生することがあり、150℃を超えると定着後の画像の定着強度が不十分になることがある。
軟化温度の測定方法としては、例えば、島津製作所製、高架式フローテスターCF−500を使用し、ダイス径1mm、加圧30kgf/cm2、昇温速度3℃/minの条件下で1cm3の試料を溶融流出させた時のストロークが、流出開始点から流出終了点までのストローク変化量の1/2になるときの温度が挙げられる。
本発明におけるトナー、樹脂等のガラス転移温度は40〜70℃の範囲であることが好ましい。40℃未満では耐熱保存性に劣ることがあり、70℃を超えると定着性能に劣ることがある。
ここで、ガラス転移点(Tg)の測定は、理学電機社製のRigaku THRMOFLEXTG8110により、昇温速度10℃/minの条件にて測定される。
以下に本発明の画像形成方法、画像形成装置及びプロセスカートリッジについて説明する。
本発明の画像形成方法は、現像工程において、本発明の現像剤を用いる方法であって、潜像担持体表面に均一に帯電を施す帯電工程と、帯電した潜像担持体の表面に画像データに基づいて露光し、静電潜像を書き込む露光工程と、現像剤担持体上に現像剤層規制部材により所定層厚の現像剤層を形成し、現像剤層を介して該潜像担持体表面に形成された静電潜像を現像し、可視像化する現像工程と、該潜像担持体表面の可視像を被転写体に転写する転写工程と、被転写体上の可視像を定着させる定着工程と、を有し、静電潜像形成工程と、現像工程と、転写工程と、定着工程とを少なくとも含み、更に必要に応じて適宜選択したその他の工程、例えば、除電工程、クリーニング工程、リサイクル工程、制御工程等を含む。
また、本発明の画像形成装置は、現像手段において、本発明の現像剤が使用されるものであり、潜像を担持する潜像担持体と、該潜像担持体表面に均一に帯電を施す帯電手段と、帯電した該潜像担持体の表面に画像データに基づいて露光し、静電潜像を書き込む露光手段と、該潜像担持体表面に形成された静電潜像にトナーを供給し可視像化する現像手段と、該潜像担持体表面の可視像を被転写体に転写する転写手段と、被転写体上の可視像を定着させる定着手段と、を少なくとも有してなり、更に必要に応じて適宜選択したその他の手段、例えば、除電手段、クリーニング手段、リサイクル手段、制御手段等を有してなる。
前記定着装置としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、公知の加熱加圧手段が好適である。前記加熱加圧手段としては、加熱ローラと加圧ローラとの組み合わせ、加熱ローラと加圧ローラと無端ベルトとの組み合わせ、などが挙げられる。 前記加熱加圧手段における加熱は、通常、80℃〜200℃が好ましい。
次に、本発明の実施形態に係る画像形成装置(プリンタ)の基本的な構成について図面を参照して説明する。図1は、本発明の実施形態に係る画像形成装置の構成を示す概略図である。ここでは、電子写真方式の画像形成装置に適用した一実施形態について説明する。画像形成装置は、イエロー(以下、「Y」と記す。)、シアン(以下、「C」と記す。)、マゼンタ(以下、「M」と記す。)、ブラック(以下、「K」と記す。)の4色のトナーから、カラー画像を形成するものである。
なお、帯電バイアスとして、直流バイアスに交流バイアスを重畳させたものを利用することもできる。また、帯電装置3には、帯電ローラの表面をクリーニングするクリーニングブラシが設けられていてもよい。なお、帯電装置3として、帯電ローラの周面上の軸方向両端部分に薄いフィルムを巻き付け、これを感光体1の表面に当接するように設置してもよい。この構成においては、帯電ローラの表面と感光体1の表面との間は、フィルムの厚さ分だけ離間した極めて近接した状態となる。したがって、帯電ローラに印加される帯電バイアスによって、帯電ローラの表面と感光体1の表面との間に放電が発生し、その放電によって感光体1の表面が帯電される。
二次転写ニップ部の転写紙搬送方向下流側には、定着手段としての加熱定着装置23が配置されている。この加熱定着装置23は、ヒータを内蔵した加熱ローラ23aと、圧力を加えるための加圧ローラ23bとを備えている。二次転写ニップ部を通過した転写紙は、これらのローラ間に挟み込まれ、熱と圧力を受けることになる。これにより、転写紙上に載っていたトナーが溶融し、トナー像が転写紙に定着される。そして、定着後の転写紙は、排紙ローラ24によって、装置上面の排紙トレイ上に排出される。
現像剤収納器中の現像剤(トナー)は、現像剤供給部材としての供給ローラ5bで攪拌されながら、感光体1に供給する前記現像剤を表面に担持する現像剤担持体としての現像ローラ5aのニップ部分に運ばれる。このとき供給ローラ5bと現像ローラ5aは、ニップ部で逆方向(カウンタ回転)に回転している。更に、現像ローラ5aに当接するように設けられた現像剤層規制部材としての規制ブレード5cで現像ローラ5a上のトナー量が規制され、現像ローラ5a上にトナー薄層が形成される。また、トナーは、供給ローラ5bと現像ローラ5aのニップ部と規制ブレード5cと現像ローラ5aの間で摺擦され、適正な帯電量に制御される。
本発明の現像剤は、例えば図4に示すようなプロセスカートリッジを備えた画像形成装置において使用することができる。本発明においては、静電潜像担持体、静電潜像帯電手段、現像手段、クリーニング手段等の構成要素のうち、複数のものをプロセスカートリッジとして一体に結合して構成し、このプロセスカートリッジを複写機やプリンタ等の画像形成装置本体に対して着脱可能に構成する。
図4に示したプロセスカートリッジは、静電潜像担持体、静電潜像帯電手段、図3で説明した現像手段、それにクリーニング手段とを備えている。
〔粉砕トナー母体粒子A1の作製〕
(結着樹脂L1の作製)
ポリオールとして、ポリオキシプロピレン(2.2)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン2210g、テレフタル酸850g、無水1,2,4−ベンゼントリカルボン酸120g及びエステル化触媒としてジブチル錫オキシド0.5gを、温度計、ステンレス製攪拌機、流下式コンデンサー及び窒素導入管を装備した5リットル四つ口フラスコに入れ、マントルヒーター中で窒素雰囲気下230℃に昇温して縮重合反応を行わせた。重合度は、定荷重押出し形細管式レオメータを用いて測定した軟化点により追跡を行い、所望の軟化点に達したときに反応を終了させ、樹脂L1を得た。樹脂軟化点は115℃、ガラス転移点は64℃であった。
ビニル系モノマーとして、スチレン600g、アクリル酸ブチル110g、アクリル酸30g及び重合開始剤としてジクミルパーオキサイド30gを滴下ロートに入れた。ポリエステルの単量体のうち、ポリオールとして、ポリオキシプロピレン(2.2)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン1230g、ポリオキシエチレン(2.2)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン290g、イソドデセニル無水コハク酸250g、テレフタル酸310g、無水1,2,4−ベンゼントリカルボン酸180g及びエステル化触媒としてジブチル錫オキシド7g、離型剤としてパラフィン離型剤(融点73.3℃、示差走査型熱量計で測定される昇温時の吸熱ピークの半値幅は4℃)を仕込モノマー100重量部に対して7.5重量部、温度計、ステンレス製攪拌機、流下式コンデンサー及び窒素導入管を装備した5リットル四つ口フラスコに入れ、マントルヒーター中で窒素雰囲気下に、160℃の温度で撹拌しつつ、滴下ロートよりビニル系モノマー樹脂と重合開始剤の混合液を一時間かけて滴下した。160℃に保持したまま2時間付加重合反応を熟成させた後、230℃に昇温して縮重合反応を行わせた。重合度は、定荷重押出し形細管式レオメータを用いて測定した軟化点により追跡を行い、所望の軟化点に達したときに反応を終了させ、樹脂H1を得た。樹脂軟化点は130℃、ガラス転移点は65℃であった。
(1−前混合)
結着樹脂L1を40重量部、結着樹脂H1を60重量部に、銅フタロシアニン顔料を4.0重量部含有相当のマスターバッチとサリチル酸亜鉛塩(オリエント化学工業社製E−84)1.0重量部を加え、ヘンシェルミキサーで十分混合した。
(2−混練)
2軸押出式混練機(PCM30:池貝工業社製)を、供給量8Kg/h、スクリュ回転数85rpm、制御温度は、供給部(F)を10℃、バレル部を120℃、ベント部(V)、ダイス部(D)を80℃にそれぞれ設定して溶融混練を行った。得られた混練物を冷却プレスローラーで2mm厚に圧延し、冷却ベルトで冷却した後、フェザーミルで粗粉砕した。
(3−粉砕分級)
その後、機械式粉砕機(KTM:川崎重工業社製)で平均粒径10〜12μmまで粉砕し、さらに、ジェット粉砕機(IDS:日本ニューマチック工業社製)で粗粉分級しながら粉砕した後、微粉分級をロータ型分級機(ティープレックス型分級機タイプ:50ATP:ホソカワミクロン社製)を使用して分級を行い、体積平均粒径7.0μmの粉砕トナー母体粒子A1を得た。このとき、離型剤含有量は4.0重量%、平均円形度は0.920であった。
四つ口容器中にイオン交換水340重量部と0.1モル/リットルのNa3PO4水溶液380重量部を添加し、高速撹拌装置ホモミキサーを用いて15,000rpmで撹拌しながら、60℃に保持した。
ここに1.0モル/リットル−CaCl2水溶液30重量部を徐々に添加し、微細な難水溶性分散安定剤Ca3(PO4)2を含む水系分散媒体を調製した。
一方、分散質として、
スチレン 83.0重量部
n−ブチルアクリレート 17.0重量部
銅フタロシアニン顔料 4.0重量部
サリチル酸亜鉛塩(オリエント化学工業社製E−84) 0.8重量部
離型剤:パラフィンワックス(融点73℃) 19.4重量部
ポリエステル樹脂(Mw=25,000、酸価15mgKOH/g) 5.0重量部
からなる混合物をアトライター(三井金属社製)を用い3時間分散させた後、2,2'−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)3重量部を添加し、重合性単量体組成物を調製した。
次に、前記水系分散媒体中に該重合性単量体組成物を投入し、内温60℃のN2雰囲気下で、高速撹拌装置の回転数を15000rpmに維持しつつ、4分間撹拌し、該重合性単量体組成物を造粒した。
その後、撹拌装置をパドル撹拌羽根を具備したものに換え、200rpmで撹拌しながら同温度に保持し、5時間重合を行った。
重合終了後、内温を80℃に昇温し、更に重合を行なった。
次いで、冷却後に希塩酸を添加して水系分散媒体のpHを1.2にして難水溶性分散剤を溶解せしめた。
更に加圧濾過による固液分離の後、18000重量部の水で洗浄を行った。
その後、真空乾燥装置を用いて充分に乾燥させ、重合トナー母体粒子B1を得た。このとき、離型剤含有量は15.0重量%、平均円形度は0.982、体積平均粒径は6.8μm、離型剤表面露出量は5.6mg/gであった。
粉砕トナー母体粒子A1を60重量部、重合トナー母体粒子B1を40重量部に、無機微粒子であるキャボジル社製TS530を3.0重量部添加し、ヘンシェルミキサーで混合処理し、トナー粒子T1を得た。このとき、トナー粒子T1の体積平均粒径は6.9μm、平均離型剤量は8.4重量%であった。なお、無機微粒子添加前の、60重量部の粉砕トナー母体粒子A1と40重量部の重合トナー母体粒子B1とからなるトナー母体粒子(M1)の最大吸熱ピークを示す温度は73.2℃であった。
〔重合トナー母体粒子B2の作製〕
重合トナー母体粒子B1の作製において、離型剤の仕込量を47.0重量部とする以外は全く同様の方法にて、重合トナー母体粒子B2を得た。このとき、離型剤含有量は30.0重量%、平均円形度は0.975、体積平均粒径は6.9μm、離型剤表面露出量は7.9mg/gであった。
〔均一化混合、外添〕
実施例1において、粉砕トナー母体粒子A1の60重量部を50重量部とし、40重量部の重合トナー母体粒子B1を50重量部の重合トナー母体粒子B2とする以外は実施例1と同様にしてトナー粒子T2を得た。このとき、トナー粒子T2の体積平均粒径は6.9μm、平均離型剤量は17.0重量%であった。なお、無機微粒子添加前の、50重量部の粉砕トナー母体粒子A1と50重量部の重合トナー母体粒子B2とからなるトナー母体粒子(M2)の最大吸熱ピークを示す温度は73.1℃であった。
〔重合トナー母体粒子B3の作製〕
重合トナー母体粒子B1の作製において、離型剤の添加量を12.2重量部とする以外は全く同様の方法にて、重合トナー母体粒子B3を得た。このとき、離型剤含有量は10.0重量%、平均円形度は0.978、体積平均粒径は6.7μm、離型剤表面露出量は5.0mg/gであった。
〔均一化混合、外添〕
実施例1において、粉砕トナー母体粒子A1の60重量部を80重量部とし、40重量部の重合トナー母体粒子B1を20重量部の重合トナー母体粒子B3とする以外は実施例1と同様にしてトナー粒子T3を得た。このとき、トナー粒子T3の体積平均粒径は7.0μm、平均離型剤量は5.2重量%であった。なお、無機微粒子添加前の、80重量部の粉砕トナー母体粒子A1と20重量部の重合トナー母体粒子B3とからなるトナー母体粒子(M3)の最大吸熱ピークを示す温度は73.3℃であった。
〔粉砕トナー母体粒子A2の作製〕
結着樹脂H1の作製において、離型剤仕込量を0重量部とする以外は全く同様の方法にて得られる結着樹脂H2を用いて、結着樹脂H2以外は粉砕トナーA1の作製と同様の方法により、粉砕トナー母体粒子A2を得た。このとき、離型剤含有量は0%、体積平均粒径は6.8μm、平均円形度は0.915であった。
〔均一化混合、外添〕
実施例1において、60重量部の粉砕トナー母体粒子A1を80重量部の粉砕トナー母体粒子をA2とし、40重量部の重合トナー母体粒子B1を20重量部の重合トナー母体粒子B2とする以外は実施例1と同様にしてトナー粒子T4を得た。このとき、トナー粒子T4の体積平均粒径は6.8μm、平均離型剤量は6.0重量%であった。なお、無機微粒子添加前の、80重量部の粉砕トナー母体粒子A2と20重量部の重合トナー母体粒子B2とからなるトナー母体粒子(M4)の最大吸熱ピークを示す温度は73.1℃であった。
実施例1において、60重量部の粉砕トナー母体粒子A1を50重量部の粉砕トナー母体粒子をA2とし、40重量部の重合トナー母体粒子B1を50重量部の重合トナー母体粒子B2とする以外は実施例1と同様にしてトナー粒子T5を得た。このとき、トナー粒子T5の体積平均粒径は6.8μm、平均離型剤量は15.0重量%であった。なお、無機微粒子添加前の、50重量部の粉砕トナー母体粒子A2と50重量部の重合トナー母体粒子B2とからなるトナー母体粒子(M5)の最大吸熱ピークを示す温度は73.0℃であった。
〔粉砕トナー母体粒子A3の作製〕
粉砕トナー母体粒子A1の作製において、銅フタロシアニン顔料の添加量を、6.8重量部含有相当のマスターバッチとする以外は全く同様の方法にて、粉砕トナー母体粒子A3を得た。このとき、離型剤含有量は3.9重量%、体積平均粒径は6.7μm、平均円形度は0.918であった。
〔重合トナー母体粒子B4の作製〕
重合トナー母体粒子B1の作製において、色材の添加量を0重量部とする以外は全く同様の方法にて、重合トナー母体粒子B4を得た。このとき、離型剤含有量は15.5重量%、平均円形度は0.985、体積平均粒径は6.8μm、離型剤表面露出量は6.5mg/gであった。
〔均一化混合、外添〕
実施例1において、粉砕トナー母体粒子A1を粉砕トナー母体粒子A3とし、重合トナー母体粒子B1を重合トナー母体粒子B4とする以外は実施例1と同様にしてトナー粒子T6を得た。このとき、トナー粒子T6の体積平均粒径は6.7μm、平均離型剤量は8.5重量%であった。なお、無機微粒子添加前の、60重量部の粉砕トナー母体粒子A3と40重量部の重合トナー母体粒子B4とからなるトナー母体粒子(M6)の最大吸熱ピークを示す温度は73.2℃であった。
〔粉砕トナー母体粒子A4の作製〕
結着樹脂H1の作製において、離型剤仕込量を7.5重量部から9.6重量部とする以外は全く同様の方法にて得られる結着樹脂H3を用い、結着樹脂H3以外は粉砕トナー母体粒子A1の作製と同様の方法により、粉砕トナー母体粒子A4を得た。このとき、離型剤含有量は5.0重量%、体積平均粒径は6.9μm、平均円形度は0.912であった。
〔均一化混合、外添〕
実施例1において、粉砕トナー母体粒子A1を粉砕トナー母体粒子A4とする以外は実施例1と同様にしてトナー粒子T7を得た。このとき、トナー粒子T7の体積平均粒径は6.9μm、平均離型剤量は9.0重量%であった。なお、無機微粒子添加前の、60重量部の粉砕トナー母体粒子A4と40重量部の重合トナー母体粒子B1とからなるトナー母体粒子(M7)の最大吸熱ピークを示す温度は73.3℃であった。
〔重合トナー母体粒子B5の作製〕
重合トナー母体粒子B1の作製において、離型剤の仕込量を73.2重量部とする以外は全く同様の方法にて、重合トナー母体粒子B5を得た。このとき、離型剤含有量は40.0重量%、平均円形度は0.984、体積平均粒径は6.9μm、離型剤表面露出量は9.0mg/gであった。
〔均一化混合、外添〕
実施例1において、重合トナー母体粒子B1を重合トナー母体粒子B5とする以外は実施例1と同様にしてトナー粒子T8を得た。このとき、トナー粒子T8の体積平均粒径は7.0μm、平均離型剤量は18.4重量%であった。なお、無機微粒子添加前の、60重量部の粉砕トナー母体粒子A1と40重量部の重合トナー母体粒子B5とからなるトナー母体粒子(M8)の最大吸熱ピークを示す温度は73.0℃であった。
〔重合トナー母体粒子B6の作製〕
重合トナー母体粒子B1の作製において、離型剤の仕込量を9.5重量部とする以外は全く同様の方法にて、重合トナー母体粒子B6を得た。このとき、離型剤含有量は8.0重量%、平均円形度は0.981、体積平均粒径は6.7μm、離型剤表面露出量は3.2mg/gであった。
〔均一化混合、外添〕
実施例1において、重合トナー母体粒子B1を重合トナー母体粒子B6とする以外は実施例1と同様にしてトナー粒子T9を得た。このとき、トナー粒子T9の体積平均粒径は6.7μm、平均離型剤量は5.6重量%であった。なお、無機微粒子添加前の、60重量部の粉砕トナー母体粒子A1と40重量部の重合トナー母体粒子B6とからなるトナー母体粒子(M9)の最大吸熱ピークを示す温度は73.3℃であった。
実施例1において、粉砕トナー母体粒子A1を90重量部、重合トナー母体粒子B1を10重量部とする以外は実施例1と同様にしてトナー粒子T10を得た。このとき、トナー粒子T10の体積平均粒径は7.0μm、平均離型剤量は5.1重量%であった。なお、無機微粒子添加前の、90重量部の粉砕トナー母体粒子A1と10重量部の重合トナー母体粒子B1とからなるトナー母体粒子(M10)の最大吸熱ピークを示す温度は73.1℃であった。
実施例1において、粉砕トナー母体粒子A1を40重量部、重合トナー母体粒子B1を60重量部とする以外は実施例1と同様にしてトナー粒子T11を得た。このとき、トナー粒子T11の体積平均粒径は6.9μm、平均離型剤量は10.6重量%であった。なお、無機微粒子添加前の、40重量部の粉砕トナー母体粒子A1と60重量部の重合トナー母体粒子B1とからなるトナー母体粒子(M11)の最大吸熱ピークを示す温度は73.1℃であった。
粉砕トナー母体粒子A1に対して3.0重量%の外添剤(無機微粒子であるキャボジル社製TS530)を含有した現像剤G1のみを用いて、所定付着量(1.0g/m2)の60/100量が画像下層にくるように、さらに、重合トナー母体粒子B1に対して3.0重量%の外添剤(無機微粒子であるキャボジル社製TS530)を含有した現像剤G2のみが前記所定付着量の40/100量にて画像上層にくるようにして評価を行った。
比較例6において、現像剤G2が画像下層に、現像剤G1が画像上層に来るようにして評価を行った。
実施例1において、粉砕トナー母体粒子A1を100重量部、重合トナー母体粒子B1を0重量部とする以外は実施例1と同様にしてトナー粒子T12を得た。
〔粉砕トナー母体粒子A5の作製〕
結着樹脂H1の作製において、離型剤仕込量を7.5重量部から3.6重量部をとする以外は全く同様の方法にて得られる結着樹脂H4を用いて、結着樹脂H4以外は粉砕トナー母体粒子A1の作成と同様の方法により、粉砕トナー母体粒子A5を得た。このとき、離型剤含有量は2.0重量%、平均円形度は0.916、体積平均粒径は7.0μmであった。
〔粉砕トナー母体粒子A6の作製〕
結着樹脂H1の作製において、離型剤の仕込量を7.5重量部から16.3重量部をとする以外は全く同様の方法にて得られる結着樹脂H5を用い、結着樹脂H5以外は粉砕トナー母体粒子A1の作製と同様の方法により、粉砕トナー母体粒子A6を得た。このとき、離型剤含有量は8.0重量%、平均円形度は0.917、体積平均粒径は7.1μmであった
〔均一化混合、外添〕
実施例1において、60重量部の粉砕トナー母体粒子A1を50重量部の粉砕トナー母体粒子A5、および50重量部の粉砕トナー母体粒子A6とし、重合トナー母体粒子B1を0重量部とする以外は実施例1と同様にしてトナー粒子T13を得た。このとき、トナー粒子T13の体積平均粒径は7.0μm、平均離型剤量は5.0重量%であった。
実施例1において、粉砕トナー母体粒子A1を0重量部、重合トナー母体粒子B1を100重量部とする以外は実施例1と同様にしてトナー粒子T14を得た。
実施例1において、粉砕トナー母体粒子A1を0重量部とし、40重量部の重合トナー母体粒子B1を40重量部の重合トナー母体粒子B2、および60重量部の重合トナー母体粒子B3とする以外は実施例1と同様にしてトナー粒子T15を得た。このとき、トナー粒子T15の体積平均粒径は6.8μm、平均離型剤量は18.0重量%であった。
上記実施例及び比較例のトナーを下記評価方法により評価した。表1に、混合に用いた粉砕トナー母体粒子と重合トナー母体粒子の各構成(平均円形度、離型剤含有量、配合量、平均離型剤含有量)等を示し、表2に、作製したトナーの評価結果(定着分離性、低温定着性、感光体汚染性、耐熱保管性)を示す。
非磁性一成分現像方式のフルカラープリンタIpsio CX3000(リコー社製)を用いて、付着量1.0±0.1mg/cm2となるように未定着画像を作成し、リコー社製Ipsio CX2500の定着部分のみを取り出し、定着ベルトの温度およびベルト線速度を所望の値になるように改造した定着試験装置を用いて、定着温度が130℃から200℃の範囲で定着を行い、得られた定着画像について、スミア性試験を行い、スミア性を満足する温度が145℃未満であれば◎、145℃以上155℃未満であれば○、155℃以上165℃未満であれば△、165℃以上であれば×とする。
上記低温定着性の評価と全く同様の方法にて試験を行い、分離不良により定着ローラに画像の巻きつきが発生した温度が、200℃以上であれば◎、200℃未満190℃以上であれば○、190℃未満180℃以上であれば△、180℃未満であれば×とする。
リコー社製Ipsio CX3000を用いて、印字率6%の所定のプリントパターンを、N/N環境下(23℃、45%)の2000枚連続複写後(耐久後)、現像器の感光体の状態および複写画像を目視により観察し、評価した。判定基準は、感光体上にスジ又はムラの発生がないものを◎、感光体にスジ又はムラの発生が1〜2本あるが画像上欠損が認められないものは○、感光体にスジ又はムラの発生が3本以上あるが画像上のスジが1〜2本であるものを△、画像上のスジの発生が3本以上あるものを×として判定した。
トナー10gを57℃90%の恒温槽に48時間放置した後、放置前後のトナーの凝集度をパウダーテスター(ホソカワミクロン社製)を用いて評価した。判定基準は、放置前に対する凝集度の増加幅が5%未満であれば◎、5%以上15%未満であれば○、15%以上25%未満であれば△、25%以上であれば×とする。
これに対して、比較例として挙げた離型剤量の少ない粉砕法トナーのみからなるトナーは、感光体汚染性は問題ないが、定着分離性、低温定着性、耐熱保管性が悪化すること、一方、離型剤量の多い重合法トナーのみからなるトナーは、粉砕法トナーの場合とは逆に、定着分離性、低温定着性、耐熱保管性は問題ないが、感光体汚染性が悪化することが明らかである。しかし、両者を配合することにより感光体汚染性、耐熱保管性を悪化させずに定着分離性、低温定着性を向上させていくことができることが観察される。
また、ここでは示さなかったが、両者の平均円形度が異なることから、両者を配合することにより、重合トナー単独で用いた場合に不利となる感光体のクリーニング性を良好にすることが可能である。
1 感光体
2 作像形成部
3 帯電装置(帯電ローラ)
4 露光装置
5 現像装置
5a 現像ローラ
5b 現像剤供給ローラ
5c 規制ブレード
6 転写装置
7 クリーニング装置
10 中間転写ベルト
11、12、13 支持ローラ
14 一次転写ローラ
15 ベルトクリーニング装置
16 二次転写ローラ
T トナー(現像剤)
Claims (10)
- 少なくとも結着樹脂、着色剤、及び離型剤を含むトナー母体粒子(M)と外添剤からなるトナーであって、前記トナー母体粒子(M)が前記離型剤の含有量が0重量%以上4重量%以下であるトナー母体粒子(A)と、前記離型剤の含有量が10重量%以上30重量%以下であるトナー母体粒子(B)からなり、前記離型剤の含有量が少ないトナー母体粒子(A)の構成比率が50重量%以上80重量%以下であり、かつ、前記トナー母体粒子(M)中の平均離型剤量が3重量%以上20重量%未満であり、前記トナー母体粒子(M)が、示差走査熱量測定(DSC)により得られる吸熱曲線において、温度30〜200℃の範囲における最大吸熱ピークを示す温度が65〜80℃の範囲にあり、前記離型剤の含有割合が小さいトナー母体粒子(A)の平均円形度が、0.880〜0.940で、前記離型剤の含有割合が大きいトナー母体粒子(B)の平均円形度が、0.940〜0.990であることを特徴とする静電荷像現像用トナー。
- 前記離型剤の含有割合が小さいトナー母体粒子(A)が粉砕法により得られるトナー母体粒子であり、前記離型剤の含有割合が大きいトナー母体粒子(B)が重合法により得られるトナー母体粒子であることを特徴とする請求項1に記載の静電荷像現像用トナー。
- 前記離型剤の含有割合が大きいトナー母体粒子(B)が、該トナー母体粒子(B)表面の離型剤露出量が10mg/g以下であることを特徴とする請求項1ないし2のいずれかに記載の静電荷像現像用トナー。
- 前記外添剤として無機微粒子がトナー母体粒子(M)に対して1.5%〜5.0%外添されていることを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の静電荷像現像用トナー。
- 前記無機微粒子がシリカであることを特徴とする請求項4に記載の静電荷像現像用トナー。
- 前記トナー母体粒子の体積平均粒径が5〜12μmであることを特徴とする請求項1ないし5のいずれかに記載の静電荷像現像用トナー。
- 請求項1ないし6のいずれかに記載の静電荷像現像用トナーを含有することを特徴とする現像剤。
- 像担持体上に静電潜像を形成する静電潜像形成工程と、現像剤を担持して前記像担持体上に形成される静電潜像を現像するための現像剤担持部材と、前記現像剤担持部材に現像剤を供給するための供給部材と、前記供給部材によって供給された現像剤を前記現像剤担持部材に薄層状に担持させるための層厚規制部材とを有する現像手段により前記静電潜像を可視像化する現像工程とを少なくとも含む画像形成方法であって、前記現像剤が請求項7に記載の現像剤であることを特徴とする画像形成方法。
- 像担持体と、該像担持体上に静電潜像を形成するための静電潜像形成手段と、現像剤を担持して前記像担持体上に形成される静電潜像を現像するための現像剤担持部材と、前記現像剤担持部材に現像剤を供給するための供給部材と、前記供給部材によって供給された現像剤を前記現像剤担持部材に薄層状に担持させるための層厚規制部材とを有し前記静電潜像を可視像化するための現像手段と、前記現像手段により形成された可視像を記録媒体に転写するための転写手段と、前記記録媒体に転写された転写像を定着するための定着手段を少なくとも備えた画像形成装置であって、前記現像剤が請求項7に記載の現像剤であることを特徴とする画像形成装置。
- 像担持体と、現像剤を担持して前記像担持体上に形成される静電潜像を現像するための現像剤担持部材と、前記現像剤担持部材に現像剤を供給するための供給部材と、前記供給部材によって供給された現像剤を前記現像剤担持部材に薄層状に担持させるための層厚規制部材とを有し前記静電潜像を可視像化するための現像手段を少なくとも備えたプロセスカートリッジであって、前記現像剤が請求項7に記載の現像剤であることを特徴とするプロセスカートリッジ。
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