JP2012163889A - 画像形成装置及び画像形成方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】経時的な粒状性の変化を抑え、画像品質を長期にわたって維持することができる画像形成装置を提供する。
【解決手段】画像形成装置は、感光体1と、感光体1を露光して静電潜像を形成する露光装置7と、静電潜像を色材によって現像する二成分現像器3とを備え、露光スポット径を変更することで感光体1上の露光スポット面積を変えて用紙上に複数のテストパターンを形成し(S009)、用紙上に形成された複数のテストパターンを読み取り(S011)、読み取った複数のテストパターンの粒状性を検出し(S012)、粒状性が相対的に良好となる露光スポット面積を求め(S013)、その露光スポット面積を画像形成用の露光スポット面積とすることで、画像形成時の前記感光体上のトナー高さを調整する(S014)。
【選択図】図21

Description

本発明は、複写機、複合機、プリンタ等の画像形成装置に関し、特に感光体を用いる電子写真方式の画像形成装置及び画像形成方法に関する。
電子写真方式の複写機やレーザビームプリンタは高速、高画質なデジタル方式の画像形成装置として知られている。近年、このような画像形成装置は、オフィスや家庭にとどまらず、商業印刷市場にも広まりつつあり、画像形成装置に対する高画質化の要求は更に高まっている。
画像形成装置の出力画質の特性を考える上での重要な画質項目としては、色再現性、階調再現性、ドットライン再現性、粒状性等、様々なものがある。これらの画質項目のうち粒状性とは、ハーフトーン画像を構成するドットの濃度むら(ばらつき)である。粒状性は、写真画質の再現性に大きく影響し、粒状性が劣化すると、画像は視覚的にざらついて見えることから、特に重要な画質項目である。
粒状性は、電子写真方式による画像形成の初期条件によって決まる側面もあるが、環境変動や構成部材の経時劣化によって変動してしまうことが知られている。そこで、画像形成装置の使用に伴う経時的な粒状性の変化を抑制する方法が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
この特許文献1に記載された発明では、先ず、現像されたトナー像の画像濃度むら情報を光反射型センサで読み取り、粒状性を表す指数を算出する。そして、画像濃度むらの変化量又は画像濃度の変化量の少なくとも一方が許容範囲を超えた場合、トナー付着量の減少に伴って粒状性が向上する第1の制御因子とトナー付着量の増加に伴って粒状性が向上する第2の制御因子とを組み合わせて濃度むらを減少させる。
例えば、引用文献1の図20に記載されているように、第1の制御因子として静電潜像画像部電位(現像バイアス)を変更し、第2の制御因子として感光体に対する現像ローラの線速比を変化させる。現像バイアスの増加に伴って平均トナー付着量が増加するが、同時に粒状性が劣化してしまう。換言すれば、現像バイアスを小さくすると、平均トナー付着量が少なくなり、同時に粒状性が向上する。また、現像ローラの線速比の増加に伴って平均トナー付着量が増加するが、粒状性は向上する。よって、この関係を利用し、現像バイアスと現像ローラの線速比を適当に制御することにより、平均トナー付着量と粒状性(画像濃度むら)とを独立に任意に制御することができると記載されている。
特開2004−101564号公報
ところで、従来の電子写真方式の画像形成装置では、一様に帯電された感光体に、画像データに基づいて選択的な露光を行うことによって静電潜像を形成し、この静電潜像を顕在化するためにトナーによって現像を行い、感光体上にトナー像を形成する。更に、感光体上に形成されたトナー像を記録媒体へと転写し、転写後の記録媒体上のトナー像を定着工程により記録媒体に定着させ、画像形成を行っている。
このような画像形成装置では、画像形成後にクリーニングブレード等のクリーニング部材を感光体に当接させて、感光体上に転写されずに残留したトナーを削り落として除去している。そのため、長期の使用に伴いこのようなクリーニング部材との摺擦によって、感光体の表面が徐々に削れ、感光体の膜厚が薄くなる。
本発明者が調査した結果、この感光体膜厚の減少によって出力画像の粒状性が劣化してしまうという現象が確認された。そのため、特許文献1に記載された技術では、前述の通り、制御因子として感光体膜厚を考慮しないため、感光体膜厚の減少による粒状性の劣化を抑制することができない。また、特許文献1に記載された技術では、2つの制御因子を同時又はシーケンシャルに制御することから、粒状性を最適化するまでに時間がかかってしまうという問題がある。
本発明はかかる事情に鑑みてなされたものであり、経時的な粒状性の変化を抑え、画像品質を長期にわたって維持することができる画像形成装置及び画像形成方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決するため、本発明に係る画像形成装置は、感光体と、光ビームにより前記感光体を露光して静電潜像を形成する露光手段と、前記静電潜像を色材によって現像する現像手段とを備える画像形成装置であって、前記感光体の表面における前記光ビームの露光スポット面積を変更することにより前記感光体の表面におけるトナー高さを変更する変更手段と、前記露光スポット面積を変えて記録媒体に複数の前記露光スポット面積に対応する複数のテストパターンを形成する形成手段と、前記記録媒体に形成された前記複数のテストパターンを読み取る読み取り手段と、前記読み取り手段により読み取られた前記複数のテストパターンから前記複数のテストパターンのそれぞれの粒状性を検出して、粒状性が相対的に良好となる露光スポット面積を求め、当該露光スポット面積を画像形成用の露光スポット面積とすることで前記トナー高さを制御する制御手段と、を有することを特徴とする。
本発明に係る画像形成装置及び画像形成方法によれば、経時的な粒状性の変化を抑え、画像品質を長期にわたって維持することができる。
感光体膜厚と粒状性を示す指数であるRMS粒状度との関係を示す図である。 同材質で膜厚の異なる感光体を帯電させ、同一の光量で露光した際に形成される潜像プロファイルを示す図である。 本発明の実施形態に係る画像形成装置の概略構成を示す図である。 感光体の概略構成を示す断面図である。 (a)は露光装置の概略構成を示す図であり、(b)は露光装置が備えるコリメートレンズ光学系の概略構成を示す断面図である。 粒状性検出装置(リーダ及びコントローラ)の概略構成を示す図である。 粒状性測定用のテストパターンの一例を示す図である。 露光スポット径を変えて図7のテストパターンを出力し、出力されたテストパターンの濃度分布を読み取った結果を示すグラフである。 同一のハーフトーン画像を構成するドットの感光体上のトナー高さと感光体膜厚との関係を示すグラフである。 潜像プロファイルの変化を感光体膜厚毎に模式的に示す図である。 (a)は感光体膜厚と潜像プロファイルの現像電位面での傾きとの関係を示すグラフであり、(b)は感光体膜厚と潜像プロファイルの現像電位面に対する深さとの関係を示すグラフである。 (a)は感光体膜厚とドット面積の標準偏差値との関係を示すグラフであり、(b)は感光体膜厚に対応するトナー高さとドット面積の標準偏差値との関係を示すグラフである。 感光体膜厚が25μmの場合の結果に対してトナー高さのみを上昇させた出力画像における、トナー高さとドット面積の標準偏差値との関係を示すグラフである。 潜像プロファイルの変化を露光スポット径毎に模式的に示す図である。 (a)は露光スポット径と潜像プロファイルの現像電位面での傾きとの関係を示すグラフであり、(b)は露光スポット径と潜像プロファイルの現像電位面に対する深さとの関係を示すグラフである。 露光スポット径のみを変化させたときの、露光スポット径と感光体上のトナー高さとの関係を示すグラフである。 (a)はトナーの飛び散りのメカニズムを示す模式図であり、(b)はトナーの飛び散りが起きた場合の転写前後のトナー像を示す模式図であり、(c)はトナー高さを揃えたときの雰囲気水分量と粒状性との関係を示すプロットである。 雰囲気水分量の異なる各環境で、露光スポット径を変えて粒状性を測定した結果を示すグラフである。 本実施形態に係る、環境耐久条件に対するトナー高さの最適化を模式的に示す図である。 第1実施形態に係る画像形成装置の、制御系を含めた概略構成を示すブロック図である。 図20の画像形成装置で実行される画像形成処理(第1実施形態に係る画像形成処理)のフローチャートである。 第1実施形態に関して、(a)は通常環境下での試験結果を示すグラフであり、(b)は通常環境と低温低湿環境とを周期的に変化させた環境下での試験結果を示すグラフである。 (a)は第2実施形態に係る画像形成装置が備える露光装置の概略構成を示す図であり、(b)は露光装置における露光光源の構成を示す図である。 (a)は第2実施形態に係る画像形成装置における、露光のためのレーザ光の感光体上における走査態様を模式的に示す図であり、(b)は露光スポットの中心のずれ量に対する露光プロファイルの変化を示す図であり、(c)は露光スポットの中心のずれ量が大きい場合の2つのピークを持つ露光プロファイルを示す図である。 露光スポットの中心のずれ量に対する露光プロファイルの傾きを示した図である。 露光スポットの中心のずれ量に対する潜像プロファイルの変化を示す図である。 (a)は図26の潜像プロファイルから得られる、潜像プロファイルの現像電位面での傾きと露光スポットの中心のずれ量Δとの関係を示すグラフであり、(b)は潜像プロファイルの現像電位面に対する深さと露光スポットの中心のずれ量Δとの関係を示すグラフである。 (a)は粒状性測定用のテストパターンの別の例を示す図であり、(b)はある露光スポット径に対応する画像パターンのRMS粒状度及び平均濃度の関係を示す図である。 第4実施形態に係る画像形成方法のフローチャートである。
以下、本発明に係る画像形成装置について添付図面を参照して詳細に説明するが、先ず、本発明がなされるに至った過程について説明する。
上述した通り、本発明者が調査した結果、出力画像の粒状性が劣化するという現象には、感光体膜厚の減少が影響していることが確認された。ここで、粒状性の評価は、粒状度を算出することによって行う。図1は、感光体膜厚と粒状性を示す指数であるRMS粒状度との関係を示す図である。「RMS粒状度」とは、粒状性を標準化するための指数であり、ANSI PH−2.40−1985で標準化されている。RMS粒状度は、画像の濃度分布の標準偏差によって与えられ、次式(数1式)によって算出される。この数1式において、“Di”は濃度分布を表し、“Dav”は平均濃度を表す。
Figure 2012163889
RMS粒状度の値が大きいほど、粒状性は劣化する。すなわち、RMS粒状度が高くなると、画像は視覚的にざらついて見えることになる。したがって、RMS粒状度を小さく抑えることによって、高画質な画像を形成することができる。
粒状感を数値化する評価式としては、Granularity評価関数を使用した評価式や、ウイナースペクトラムとVTFを用いたDoolyとShawの評価式等が知られている。これらにより得られる粒状度指数は、RMS粒状度を含め、互いに相関がある。
図1からわかるように、感光体膜厚が25μm以上の範囲では、膜厚が減少するにしがって粒状性が良化していくのに対し、感光体膜厚が25μm以下の範囲では、膜厚が減少するにしたがって粒状性は劣化していく。
感光体膜厚が25μm以上の範囲での膜厚減少に伴う粒状性の良化は、潜像プロファイルの鮮鋭化による、画像データに対する出力画像の再現性の良化として説明することができる。潜像プロファイルとは、静電潜像の電位分布のことである。
図2は、同材質で膜厚の異なる感光体を帯電させ、同一の光量で露光した際に形成される潜像プロファイルを示す図である。図2に示される線分Aは現像電位面を示しており、現像電位面とは、トナー担持体に印加される(直流)電圧と等電位の面である。静電潜像の電位と現像電位面との差、及び、トナーの1粒子あたりの電荷量に応じて、現像されるトナー量が決まる。
図2に示すように、感光体膜厚が減少すると潜像プロファイルが先鋭化する。つまり潜像プロファイルの現像電位面での傾きが大きくなり、現像電位面に対する深さの深い潜像となる。ここで、潜像プロファイルの現像電位面での傾きを、潜像プロファイルの現像電位面との交点における傾きの絶対値と定義する。
例えば、積層型感光体(後に説明する図4参照)の場合、露光によって電荷発生層で生成されたキャリアが電荷輸送層に注入され、感光体内の電界に沿って感光体表面に移動し、感光体の表面電位を中和して静電潜像を形成する。積層型感光体では、電荷輸送層の膜厚を減少させることによって感光体内の電界強度を増大させることができる。また、キャリアの拡散距離を減少させることによって、感光体内の電界と垂直な方向へのキャリアの拡散を抑制し、露光プロファイルに忠実かつ鮮鋭な潜像プロファイルを形成することができる。
潜像プロファイルの鮮鋭さ、つまり潜像プロファイルの現像電位面での傾きと現像電位面に対する深さ、が静電潜像に対するトナーの現像工程に与える影響を考えると、この傾きと深さが大きいほど、トナーが静電潜像に対して引き寄せられる力が強くなる。これにより、静電潜像に対してトナーが忠実に現像され、また、感光体上に形成されたトナー像の端部におけるトナーの飛散具合も小さくなるため、画像データに対する再現性の良好なトナー像を形成することができる。このように、感光体膜厚が25μm以上の範囲では、潜像プロファイルが鮮鋭化することによって静電潜像に対してトナーが忠実に現像されるようになることで、画像データに対する出力画像の再現性が良化する。
しかしながら、感光体膜厚が25μm以下の範囲では、潜像プロファイルが鮮鋭化しているにもかかわらず粒状性が劣化する。本発明者らは、この原因について解析した。その結果、詳細は後述するが、感光体膜厚の減少に伴って潜像プロファイルが鮮鋭化することで、感光体上のハーフトーンの1ドットを形成するトナー像の高さ(以下「トナー高さ」とい)が高くなり、転写及び定着の各プロセスでの乱れに弱くなることが判明した。これは、トナー層の上層部に積みあがったトナーは、感光体からの静電的な拘束力が弱く、力学的にも不安定となるためと考えられる。
従来の電子写真方式の画像形成装置では、トナー高さが高くなることに伴う粒状性の劣化に対応することができる構成ではないため、感光体膜厚が減少することによる粒状性の劣化を防ぐことは困難であった。
この問題を解決する方法として、感光体膜厚の変化量を検知し、感光体膜厚の変化に応じてトナー高さを変更するという構成が考えられる。しかし、転写及び定着の各プロセスでは、粒状性に対するトナー高さの影響が、環境条件や耐久条件によって異なるため、感光体膜厚から最適なトナー高さを予測することは困難である。
転写及び定着の各プロセスにおいて、トナー高さに影響を与える環境条件や耐久条件としては、例えば、環境変化による転写部材の抵抗変化が挙げられる。低温低湿側の雰囲気環境では、転写部の抵抗が高くなるために転写バイアスを高くする。この場合、転写ニップ上流部に強く電界が広がり、これによって起きやすくなる放電により転写部におけるトナーの飛び散りが劣化する。これによりトナーは不均一に被転写体に転写され、出力画像の粒状性を劣化させてしまう。
このように、環境変化によってトナーの飛び散り易さが変化し、また、トナーの飛び散り易さはトナー高さと関係が深いため、環境条件によってトナー高さの粒状性に与える影響が変化する。したがって、出力画像の粒状性を良好に保つためには、画像形成時の環境条件や耐久条件に最適なトナー高さにする必要がある。
本発明は、感光体膜厚の変化によるトナー高さの変化や、環境条件の変化によって転写部等でのトナー高さが粒状性に及ぼす影響の変化が起こったとしても、出力画像の粒状性を良好に保つことができる画像形成装置であり、以下に詳細に説明する。
《画像形成装置の構成及び画像形成工程の概要》
<画像形成装置及び画像形成方法の概略>
後に説明する第1実施形態乃至第3実施形態に共通する、画像形成装置及び画像形成方法の概略の装置構成及び画像形成プロセスについて説明する。
図3は、本発明の実施形態に係る画像形成装置の概略構成を示す図である。感光体(感光ドラム)1はローラ帯電装置2によって負極性に一様に帯電される。コントローラ12から送られた画像信号に応じて、露光光源、露光スポット面積の変更手段及び走査光学系からなる露光装置7からレーザ光Lが感光体1の表面に照射されることによって、感光体1の表面の電位は減衰し、静電潜像が形成される。
感光体1上に形成された静電潜像は、静電潜像をトナー(色材)によって現像するための二成分現像器(現像装置)3によってトナー像として現像され、感光体1上に形成されたトナー像は1次転写ローラ4によって中間転写ベルト8上に転写される。中間転写ベルト8上に転写されたトナー像は、2次転写ローラ9によって用紙等の記録媒体10に転写される。記録媒体10に転写されたトナー像は、定着器13において熱と圧力を付与され、記録媒体10に定着される。感光体1に残存した転写残トナーは、クリーナー5によって掻き取られる。クリーナー5内の掻き取られた転写残トナーは廃トナー容器(不図示)に搬送されて回収される。その後、除電ランプ6によって感光体1の潜像電位の履歴を消去した後、感光体1は再びローラ帯電装置2によって帯電され、前述した一連の画像形成工程が繰り返される。
本実施形態に係る画像形成装置では、リーダ11が、コピー時の原稿を読み取る読み取り手段と粒状性検知用のテストパターンの画像を読み取る読み取り手段とを兼ねている。コントローラ12がリーダ11によって読み取られた画像データに基づいた演算処理を行うことで、粒状性が検知される。すなわち、リーダ11とコントローラ12とが、粒性状検出装置を構成している。
[感光体1の概略構成]
図4は、感光体1の概略構成を示す断面図である。感光体1は、積層型感光体であり、感光体1の表層から順に配置された電荷輸送層21、電荷発生層22、下部被覆層23からなる三層構成をなしており、下部被覆層23の下に基盤となるとなるAl素管24が位置する構成となっている。本実施形態において「感光体膜厚」と言うときは、電荷輸送層21、電荷発生層22及び下部被覆層23の各膜厚の総和を意味する。
電荷輸送層21は、入射励起光によって電荷発生層22で発生したキャリアを感光体1の表層へ運ぶ役割を果たす。感光体1の帯電極性がマイナスの場合には、電荷輸送層21によって正孔が輸送される。電荷発生層22は、光励起によって、電子正孔対のキャリアを生成する。下部被覆層23は、電荷発生層22によって発生したキャリアをAl素管24へ輸送する。感光体1の帯電極性がマイナスの場合、下部被覆層23によって電子が輸送される。
[露光装置7の構成]
図5(a)は、露光装置7の概略構成を示す図であり、図5(b)は、露光装置7が備えるコリメートレンズ光学系の概略構成を示す断面図である。図5(a)において、露光光源31は、中心波長680nmのレーザ光(光ビーム)を発振する半導体レーザデバイスである。露光光源31から照射されたレーザ光Lは、焦点調整機構32を備えたコリメートレンズ33を通って平行光とされた後、6つのミラーにより構成される回転多面体ミラー34によって反射され、走査される。回転多面体ミラー34で反射したレーザ光Lは、f−θレンズ35によって感光体1上に集光される。なお、露光光源31には、発光タイミングの制御やレーザ光の強度の制御を行うレーザドライバ36が接続されている。
図5(b)に示される矢印Aは、レーザ光の光軸方向を示している。コリメートレンズ33は、レーザ光の光軸Aとコリメートレンズ33の焦点方向とが一致するように、リニアボールベアリング41の保持器42に固定されている。リニアボールベアリング41を構成する剛球43の回転によって、保持器42に固定されたコリメートレンズ33は、コリメートレンズ33の焦点方向(レーザ光の光軸方向)に、滑らかに、且つ、正確に並進移動可能である。保持器42は、ガイド軸44を介してピエゾ素子型アクチュエーター45と接続されており、ピエゾ素子型アクチュエーター45の駆動に従ってコリメートレンズ33の焦点方向(レーザ光の光軸方向)に並進移動する。
ピエゾ素子型アクチュエーター45が制御信号に従って駆動し、リニアボールベアリング41に支持されたコリメートレンズ33がその焦点方向に動く。これにより、感光体1上の1ドットの露光スポット面積を変更すること、すなわち、1ドットの露光スポット面積に対応するスポット径(以下「露光スポット径」という)を変更することができる。ピエゾ素子型アクチュエーター45を使用することにより、制御信号に対する露光スポット径の変化の応答速度を非常に速くすることができる。
なお、本実施形態では、露光スポットの光量分布はガウシアンであり、露光スポット径は、露光スポットにおける光量ピーク値の1/eの値の光量分布の直径であるとする。露光スポット径を変更して感光体1の表面における露光スポット面積を変更することで、感光体1上の露光スポットの積算量プロファイルを変化させることができる。
本実施形態では、初期状態における露光スポット径の設定値は40μmとする。また、感光体1に対する露光量は、露光光源31が有する半導体レーザデバイスのレーザ発光強度を制御することにより変化させることができる。
コリメートレンズ33のその焦点方向への移動量に対する感光体1上の露光スポット径を表1に示す。本実施形態では、露光スポット径とコリメートレンズ33の移動量との関係を示す表1の変換テーブルに基づいて、所望する露光スポット径が得られるようにコリメートレンズ33の焦点方向での移動量を調整する。
Figure 2012163889
[粒状性検出装置(リーダ11、コントローラ12)の概略構成]
図6は、粒状性検出装置(リーダ11及びコントローラ12)の概略構成を示す図である。粒状性の検出は、リーダ11で読み込んだ出力画像の画像データをコントローラ12の中央演算装置53によってRMS粒状度へ変換することによって行う。
リーダ11は一般的な原稿読み取り装置の構成を有している。すなわち、原稿台54(プラテンガラス)上に保持された原稿Gの表面にランプ光源55から照射された光は、原稿Gの表面で反射され、更にミラー56,57,58で反射された後、レンズ59によって集光され、ライン型CCDセンサSに入射する。原稿Gの表面からの反射光は、CCDセンサSによって光信号から電気信号に変換され、その後、A/D変換部60によって600dpi多値の画像データへ変換される。
600dpi多値情報に変換された画像データは、コントローラ12の中央演算処理装置(CPU)53によって、600dpiの1画素毎の濃度情報に変換された後、更に、先に示した数1式のRMS粒状度算出式に従ってRMS粒状度へと変換される。
[テストパターン]
図7は、粒状性測定用のテストパターンの一例を示す図である。テストパターンは、所定のサイズ(ここでは「A4サイズ」とする)の1枚の用紙の画像領域内に、同一の画像パターンが露光スポット径の測定点数分だけ並んだ構成となっている。1つのパターンは、1辺が2.5cmの正方形形状であり、パターン同士の間隔は2cmである。本実施形態では、露光スポット径の測定点数は、露光スポット径を40μm〜65μmの範囲で5μmずつ変化させた6点とし、各露光スポット径に対応する6つのパターンを並べている。また、テストパターンの線(露光スポット面積の測定点が並んだもの)の数は、本実施形態での画像形成に使用するスクリーンの線数である150線とした。更に、テストパターンの出力の濃度平均値が、粒状性に最も大きく影響する中間調領域の反射濃度0.4(O.D.)付近となるように、テストパターンの階調を合わせた。
トナー高さのキャリブレーションシークエンスに入った場合、図7のテストパターンがA4用紙に出力(印刷)される。すなわち、A4サイズの用紙の画像領域内で露光スポット径を40μm〜65μmの範囲で5μmずつ変化させ、各露光スポット径に対応した6つのパターンを印字する。出力されたテストパターン(パターンが印刷された用紙)が、ユーザによってリーダ11の原稿台54に配置され、読み取られ、粒状性が測定される。
なお、本実施形態では、テストパターンの線数を150線のみとしたが、画像形成に使用するスクリーンの線数が複数ある場合、複数の線数のテストパターンを持たせ、線数毎にトナー高さのキャリブレーションを行ってもよい。また、テストパターンの階調を粒状性に最も大きく影響する中間調領域の反射濃度0.4(O.D.)付近に合わせたが、ユーザが粒状性を気に掛けるハイライト部・シャドウ部等の階調領域を測定できるように、複数の階調のテストパターンを持たせてもよい。
図8は、本実施形態に係る画像形成装置を用いて、露光スポット径をそれぞれ40μm,50μmとして図7のテストパターンを出力し、出力されたテストパターンの濃度分布をリーダ11で読み取った結果を示すグラフである。マクロ的な反射濃度である平均濃度は、露光スポット径が40μmの場合と50μmの場合とで共に反射濃度0.4(O.D)であるが、濃度分布(濃度のバラツキ)には差があることがわかる。この濃度の分布が粒状性を表しており、ユーザにとっては、この濃度のばらつきが、画像のざらつきとして視覚的に認識される。
<感光体膜厚の減少が粒状性に及ぼす影響>
感光体膜厚とトナー高さとの関係については、本発明に至る経緯として先に簡単に説明しているが、以下に改めて、感光体膜厚が感光体上のトナー高さ及び潜像プロファイルに及ぼす影響について説明する。
[感光体膜厚の変化がトナー高さに及ぼす影響]
まず、感光体膜厚の変化が感光体上のトナー高さに及ぼす影響及びその原因について説明する。図9は、同一のハーフトーン画像を構成するドットの感光体上のトナー高さと感光体膜厚との関係を示すグラフである。図9に示されるように、感光体膜厚が25μm以下の範囲では、感光体膜厚が減少するにしたがって、ハーフトーン画像を構成するドットの感光体上のトナー高さが高くなっていることがわかる。
[感光体膜厚の変化が潜像プロファイルの形状に及ぼす影響]
感光体膜厚が減少するにしたがって、感光体上のドットのトナー高さが高くなる原因を考察するために、感光体膜厚の減少に伴う潜像プロファイルの形状の変化がトナー高さに対して及ぼす影響について説明する。ここで、潜像プロファイルの形状を直接に測定することは困難なため、露光プロファイルと電荷キャリアの生成過程及び感光体内での電荷キャリアの輸送過程に基づいた潜像シミュレーションによって、潜像プロファイルの形状を比較することとする。
図10は、図2と同様に、潜像プロファイルを感光体膜厚毎に模式的に示す図である。図10において、縦軸は潜像の電位を表しており、左から順に感光体膜厚が30μm、25μm、20μm、15μmの場合の潜像プロファイルが並べられている。なお、潜像シミュレーションにおける露光条件は、各膜厚に対して黒ベタでの濃度が一定となる現像コントラスト電位を実験により求め、黒ベタにおける現像コントラスト電位が実験で求めた値となるようにしている。
図11(a)は、図10の潜像プロファイルから求めた、感光体膜厚と潜像プロファイルの現像電位面での傾きとの関係を示すグラフであり、図11(b)は、感光体膜厚と潜像プロファイルの現像電位面に対する深さとの関係を示すグラフである。
感光体膜厚が減少するにしたがって潜像プロファイルの現像電位面での傾きは大きくなり、現像電位面に対する深さの深い潜像となることがわかる。これは感光体膜厚が減少することによって、感光体内の電界強度が増大し、キャリアの拡散距離が減少する効果と、キャリアが感光体の表層に達するまでの距離が小さくなり、拡散距離が減少する効果による。
潜像プロファイルの現像電位面に対する深さが深くなると、それを埋めるための電荷量がトナーの高さ方向に増大する。また、潜像プロファイルの現像電位面における傾きが増大すると、感光体上のトナー像の端部においてトナーを感光体に対して引き付ける電界強度が強くなる。その結果、現像時のトナーの飛び散りが減少し、潜像に対して忠実にトナーが現像されることでトナー高さが高くなる。
このように、感光体膜厚が減少することで、潜像プロファイルが鮮鋭化し、感光体上のトナー像の高さが高くなる。こうして、転写及び定着の各プロセスにおける静電的、力学的な乱れによってトナー像が乱れやすくなる。これは、トナー層の上層部に積みあがったトナーは感光体に対する静電的な拘束力の弱く乱れやすく、また力学的にも不安定なためである。このトナー像の乱れによって、粒状性の劣化が生じる。
[トナー像の乱れと粒状性との関係]
発明者らは、感光体上のトナー高さが粒状性に対して及ぼす影響を調べるために、まず、トナー高さとドットの乱れやすさの関係を調査した。具体的には、出力画像のハーフトーンを構成するドット面積の標準偏差値を1ドットの乱れ具合を示す値と考え、感光体膜厚を30μmから15μmまで変化させた感光体を用意し、その感光体を用いて画像形成を行い、ドット面積の標準偏差値を測定した。
図12(a)は、感光体膜厚とドット面積の標準偏差値との関係を示すグラフであり、図12(b)は、感光体膜厚に対応するトナー高さとドット面積の標準偏差値との関係を示すグラフである。ここで、図12(b)の横軸のトナー高さは、トナー高さの変化量と膜厚の減少量が揃うように示してある。
ドット面積の標準偏差値が大きいほど、1ドットの乱れが大きい。よって、図12(a)より、感光体膜厚が25μmの場合と15μmの場合とを比較すると、感光体膜厚が減少することで、1ドットの乱れが大きくなっていることがわかる。また、図12(b)より、トナー高さが2μmから3.8μmと高くなる(感光体膜厚が25μmから15μmへと減少することに対応する)にしたがって、1ドットの乱れが大きくなっていることがわかる。これは、感光体膜厚が25μmから15μmへと減少していくことによって、トナー高さが上昇し、転写及び定着の各プロセスにおいてトナー像が乱れ易くなるためである。
[トナー高さのみに起因するトナー像の乱れやすさ]
図13は、図12(a)に示される感光体膜厚が25μmの場合の結果に対して、現像コントラストを7%程度上昇させ、トナー高さのみを上昇させた出力画像について、トナー高さとドット面積の標準偏差値の関係を測定した結果を示すグラフである。これは、感光体膜厚の変化によるトナーの現像性の変化等、トナー高さ以外の要因が粒状性に対して及ぼす影響を除くことを目的としている。
図13より、トナー高さが高くなることによって、ドット面積の標準偏差値が上昇していること、つまり、1ドットの乱れが上昇していることがわかる。このように、感光体膜厚が減少することで潜像プロファイルが鮮鋭化し、感光体上のトナー高さが高くなり、転写及び定着の各プロセスにおける力学的、静電的なトナー像の乱れによって出力画像の粒状性が劣化する。このため、感光体膜厚が減少しても粒状性が一定となるようにするためには、トナー高さを最適化する必要のあることがわかる。
[露光スポット径が潜像プロファイルに及ぼす影響]
本実施形態では、トナー高さの最適化の制御を、1ドットを露光するスポット径である露光スポット径を調整することによって行う。そこでまず、露光スポット径とトナー高さの関係を理解するために、露光スポット径が潜像プロファイルに及ぼす影響について説明する。
この影響を調べるために、潜像プロファイルをシミュレーションした結果について説明する。図14は、潜像プロファイルの変化を露光スポット径毎に模式的に示す図である。図14では、図10と同様に、縦軸に潜像の電位を取っており、左側から順に、露光スポット径が60μm、50μm、40μmの潜像プロファイルが並べられている。ここで、潜像シミュレーションでは、感光体膜厚を25μmとし、露光条件は各露光スポット径に対して黒ベタでの現像コントラスト電位が一定となるようにしている。なお、現像コントラスト電位とは、黒ベタ部の潜像電位と現像電位との差で与えられる。
図15(a)は、図14の潜像プロファイルから求めた、露光スポット径と潜像プロファイルの現像電位面での傾きとの関係を示すグラフであり、図15(b)は、露光スポット径と潜像プロファイルの現像電位面に対する深さとの関係を示すグラフである。図15より、露光スポット径が小さくなるにしたがって潜像プロファイルの現像電位面での傾きが大きくなり、現像電位面に対する深さが深い潜像となることがわかる。
これは、露光スポット径が小さくなると、露光プロファイルのある露光強度における傾きが大きくなり、光量ピーク値が大きくなるためである。つまり、感光体の電荷発生層で生成する励起キャリア数は露光強度に依存するため、露光プロファイルの傾きや光量ピーク値は、電荷発生層で生成する励起キャリア分布の傾き及びピーク値に反映される。こうして、露光プロファイルの傾き及びピーク値は、潜像プロファイルの傾き及び深さに反映される。
すなわち、露光スポット径が小さくなると、露光プロファイルのある露光強度における傾きが大きくなって光量ピーク値が大きくなるため、潜像プロファイルの現像電位面での傾きが大きくなり、現像電位面に対する深さが深い潜像となる。潜像プロファイルの現像電位面に対する深さが深くなると、それを埋めるための電荷量がトナーの高さ方向に増大する。また、潜像プロファイルの現像電位面における傾きが増大することによって、感光体上のトナー像の端部における飛び散りが減少し、潜像に対して忠実にトナーが現像される。これにより、トナー高さが高くなる。
図16は、実際に同一の感光体膜厚及び現像条件において、露光スポット径のみを変化させ、感光体上のトナー高さを測定した結果を示すグラフである。図16に示されるように、露光スポット径が小さくなるにしたがって、トナー高さは高くなる。よって、露光スポット径を変化させることによって、トナー高さを制御することができるということがわかる。
<環境条件が粒状性に及ぼす影響>
次に、環境条件が粒状性に及ぼす影響について説明する。例えば、画像形成装置が置かれている雰囲気(つまり、環境)が低温低湿である場合、一次転写ローラ等の転写部材の抵抗値が増加するため、転写効率を最適にするために一次転写バイアスが高く設定される。しかし、一次転写バイアスを高くすると、ニップ上流部に電界が広がってしまい、転写ニップ前でのトナーの飛び散り(放電)が起きやすくなるため、トナー高さが粒状性に与える影響が強く出る。
図17(a)は、トナーの飛び散りのメカニズムを示す模式図であり、図17(b)は、トナーの飛び散りが起きた場合の転写前後のトナー像を示す模式図であり、図17(c)は、トナー高さを揃えたときの雰囲気水分量と粒状性との関係を示すプロットである。なお、図17(c)のグラフを得るに際して、各雰囲気における出力画像濃度は一定になるように設定されている。
図17(a)に示されるように、ニップ上流の電界が強いほど、トナー層の高い部分にあるトナー(すなわち、感光体への拘束力の弱いトナー)が、中間転写ベルトへ飛散しやすくなる。これにより、図17(b)に示されるように、感光体上のトナー像(一次転写前)に対し、中間転写ベルト上のトナー像(一次転写後)が乱れる。図17(c)に示されるように、雰囲気水分量が低くて転写バイアスの高い方が、水分量が高くて転写バイアスが低い場合に比べて、粒状性が劣化していることがわかる。
[粒状性に対する露光スポット径と雰囲気環境の影響]
粒状性に対する露光スポット径と雰囲気環境の影響を考えると、露光スポット径を小さくすることで、潜像プロファイルがシャープになって再現性よく現像され、潜像形成や現像工程での変動に対して強くなり、粒状性は良化する。しかし、同時に形成されるトナー層の高さ(つまり、トナー高さ)が高くなる。トナー高さが高くなると、高い部分にあるトナーは、担持体への拘束力が弱まるために飛散し易くなって、転写部での粒状性が劣化する。また、低温低湿の設置環境では、転写部の抵抗が高くなるために転写バイアスを高くすることになるが、これによってニップ上流部に強く電界が広がってしまうので、トナーが更に飛散しやすくなって、粒状性を劣化させてしまう。
これらのことから、雰囲気環境を考慮して最適なトナー高さを形成することができる露光スポット径を設定することで、粒状性を良化させることができるということがわかる。図18は、実際に、焦点位置を変更することで露光スポット径を変えて、雰囲気水分量の異なる環境で粒状性を調べた結果を示すグラフであり、縦軸に粒状性を取り、横軸に露光スポット径を取っている。このとき各条件での出力画像濃度が一定となるように設定している。
図18に示されるように、トナー高さと反比例の関係があるほど(すなわち、露光スポット径が小さいほど)、トナー高さは高くなっている。露光スポット径を小さくしていくと、最初は現像の安定化による効果により粒状性が良化していくが、露光スポット径が更に小さくなってトナー高さが高くなるにしたがって、トナー高さの影響が強くなり、あるポイントから粒状性が劣化していく。図18には、粒状性が劣化するポイントを破線で示しており、粒状性が劣化するポイントは、雰囲気環境の水分量が低いほどトナー高さの低いところにあることがわかる。
<トナー高さの最適化>
以上のことから、感光体膜厚の減少によるトナー高さの変化或いは環境条件の変化によるトナー高さの粒状性に対する影響の変化に対して粒状性を良好に保つには、トナー高さを画像形成時の条件に照らして最適な値に保つ必要がある。そこで、本実施形態では、先ず、図7に示したテストパターンを用い、パターン毎に露光スポット径を変化させて出力し、環境条件及び耐久条件(以下「環境耐久条件」という)毎にトナー高さを変化させてトナー高さごとの粒状性を検出する。その検出結果に基づいて、粒状性とトナー高さとの関係を把握し、粒状性が常に良好に維持されるようにトナー高さを最適化する。
図19は、本実施形態に係る、環境耐久条件に対するトナー高さの最適化を模式的に示す図である。図19では、縦軸に粒状度(粒状性)を取り、横軸には露光スポット径(トナー高さ)を取っている。なお、前述の通り、露光スポット径を変更することは、トナー高さの変更することと同じである。
図19に示されるように、露光スポット径を変化させながら、露光スポット径毎の出力画像の粒状度を測定することによって、画像形成時の条件に最適な露光スポット径(トナー高さ)を把握する。例えば、図19において、実線で表されるグラフを初期の環境耐久条件(環境耐久条件A)のグラフとし、点線で表されるグラフを、環境条件の変化又は耐久条件の劣化によって環境耐久条件Aから変化した環境耐久条件Bのグラフとする。このとき、環境耐久条件Aでは、A点で表される露光スポット径(トナー高さ)で画像形成を行い、環境耐久条件BではB点で表される露光スポット径(トナー高さ)で画像形成を行うようにすればよい。
《第1実施形態》
図20は、第1実施形態に係る画像形成装置の、制御系を含めた概略構成を示すブロック図である。図20に示されるように、画像形成装置は、大略的に、ホスト61、リーダ部、制御部及びエンジン部から構成される。ホスト61は、画像信号の入力を行う。リーダ部は、原稿の画像情報の読み取りを行う。制御部は、画像形成を制御する。エンジン部は、画像形成装置における各種の駆動装置を有する。
制御部は、画像形成装置の全体を制御するコントローラ12と、リーダ部の制御を行うリーダ制御部72と、エンジン部の制御を行うエンジン制御部63と、入力情報に基づいて演算を行う中央演算装置64とを有する。また、制御部は、粒状性とトナー高さ(露光スポット径)との関係、露光スポット径、露光スポット径とコリメートレンズの移動量の関係、コリメートレンズの移動量、画像形成枚数、ホストに対する入力信号の種類等を記憶する記憶手段65を有している。
なお、エンジン部が備えるコリメートレンズ駆動部67は、コリメートレンズ33及びコリメートレンズ33の駆動系を含む。現像装置68は、露光装置7及び二成分現像器3を含む。転写装置69は、1次転写ローラ4、中間転写ベルト8、2次転写ローラ9及びその駆動系を含む。レーザドライバ36、ローラ帯電装置2、定着器13、リーダ11及びA/D変換部60については、既に説明済みであるので、ここでの説明を省略する。
図21は、図20の画像形成装置で実行される画像形成処理(第1実施形態に係る画像形成処理)のフローチャートである。図21の画像形成処理は、概略、中央演算装置64が入力情報に基づいて必要な演算や制御信号の生成を行い、制御信号に基づいてコントローラ12が各種制御部を制御し、画像形成装置を構成する各種の機構が所定の機能を発揮することによって実現される。
ユーザによる画像形成装置の操作により、ホスト61に対してプリント信号又はトナー高さキャリブレーション開始信号が入力され、入力信号がプリント信号か否かが判断される(ステップS001)。入力信号がプリント信号である場合(S001で“YES”)、画像形成シークエンスに移行する。一方、入力信号がトナー高さキャリブレーション信号である場合(S001で“NO”)、トナー高さキャリブレーションシークエンスに移行する。
画像形成シークエンスについて説明する。画像形成シークエンスでは、トナー高さキャリブレーション(図2では「トナー高さCAL」と示す)を行うタイミングであるか否かが判断される(ステップS002)。ステップS002の判断は、コントローラ12によって行われ、記憶手段65に記憶されている画像形成枚数が、前回のトナー高さキャリブレーション時から、例えば5000枚に達したときに行われる。なお、ステップS002の判断は、これに限られず、定着器13の温度情報がコントローラ12へと伝えられ、その値が100℃以下に達してから最初の印字時であるとコントローラ12が判断した時に行われるようにしてもよい。
トナー高さキャリブレーションを行う場合(S002で“YES”)、ホスト61に対してトナー高さキャリブレーションを行うことを促すメッセージ(信号)が出力される。ホスト61は、画像形成装置の表示部(不図示)に、トナー高さキャリブレーションを行うか否かのメッセージを表示する(ステップS003)。
表示部に表示されたメッセージに基づいて、ユーザは、トナー高さキャリブレーションを行うか否かを判断し(ステップS004)、画像形成装置の表示部から又は操作キー(不図示)からその判断結果を入力する。トナー高さキャリブレーションを行う場合(S004で“YES”)、トナー高さキャリブレーションシークエンスへ移行する。トナー高さキャリブレーションを行わない場合(S004で“NO”)、記憶手段65に記憶された画像形成用の露光スポット径の値が読み込まれる(S005)。また、トナー高さキャリブレーションを行わない場合も(S002で“YES”)、記憶手段65に記憶された画像形成用の露光スポット径の値が読み込まれる(S005)。
続いてコントローラ12は、読み込まれた画像形成用の露光スポット径の値と記憶手段65に記録されたコリメートレンズ33の移動量の値とが合っているか否か判定する(ステップS006)。このステップS006の判定は、記憶手段65に記憶された露光スポット径−コリメートレンズ移動量の変換テーブルを参照することによって行われる。
画像形成用の露光スポット径とコリメートレンズ移動量とが合っている場合(S006で“YES”)、画像形成が実行される(ステップS008)。一方、画像形成用の露光スポット径とコリメートレンズ移動量とが合ってない場合(S006で“NO”)、記憶手段65に記憶された露光スポット径−コリメートレンズ移動量の変換テーブルに基づいて、中央演算装置64はコリメートレンズ移動量を算出する。算出されたコリメートレンズ移動量はコントローラ12によって制御信号に変換される。制御信号はエンジン制御部63を介してコリメートレンズ駆動部67へ送られ、コリメートレンズ33が駆動されることで画像形成用の露光スポット径が変更される(ステップS007)。こうして変更された画像形成用の露光スポット径で画像形成が行われる(ステップS008)。その後、処理は終了となる。
次にトナー高さキャリブレーションシークエンスについて説明する。トナー高さキャリブレーションシークエンスでは、先ず、テストパターンが出力(印刷)される(ステップS009)。このテストパターンは、図7に示したテストパターンと同じであり、露光スポット径を画像領域内で変化させながら印刷を行う。
次に、ユーザは、テストパターンが印刷された用紙(テスト画像)をリーダ11に配置し(ステップS010)、テスト画像の画像情報をリーダ11のCCDセンサSに読み取らせる(ステップS011)。読み取られた画像情報は中央演算装置64によって600dpi1画素毎の濃度情報に変換され、さらに中央演算装置64によってRMS粒状度に変換される(ステップS012)。
続いて、中央演算装置64は、露光スポット径毎のテストパターンのRMS粒状度から、粒状性−トナー高さ(露光スポット径)の関係情報を算出し、RMS粒状度が相対的に良好になる露光スポット径を算出する(ステップS013)。RMS粒状度が相対的に良好になる露光スポット径は、好ましくは、RMS粒状度が最小となるときの露光スポット径である。算出された露光スポット径はコントローラ12によって記憶手段65に送られ、画像形成用の露光スポット径の値が上書きされる(S014)。
その後、コントローラ12は、記憶手段65を参照して、最初にホスト61に入力された信号がプリント信号であったか否かを判定する(ステップS015)。プリント信号であった場合(S014で“YES”)、処理はステップS005へ進められプリント信号ではなかった場合つまり、トナー高さキャリブレーション信号であった場合(S014で“NO)、処理は終了となる。
<第1実施形態の効果>
第1実施形態に係る画像形成装置及び画像形成方法の効果を確認するために、第1実施形態に係る上述の画像形成装置による画像形成方法を用いた場合と、比較のために画像形成用の露光スポット径を一定(初期値:40μmを維持)とした場合とを比較した。ここで、試験は、通常環境(温度23℃、湿度40%)で一定とした場合と、通常環境(温度23℃、湿度40%)と低温低湿環境(温度10℃、湿度10%)とを周期的に変化させた場合の2つの環境条件下でそれぞれ行った。
なお、通常環境と低温低湿環境との周期的な変化は、5000枚の印刷が終了する毎に行った。また、画像形成枚数(印刷枚数)の総数は50,000枚とし、記録媒体としては、カラーレーザ用の用紙(A4サイズ、坪量81.4g)を用いた。
図22(a)は、第1実施形態に関して、通常環境下での試験結果を示すグラフであり、図22(b)は、通常環境と低温低湿環境とを周期的に変化させた環境下での試験結果を示すグラフである。
図22(a)から明らかな通り、通常環境下では、露光スポット径を一定とした従来の場合では、画像形成枚数の増加に伴ってRMS粒状度が増加したが、第1実施形態に係る画像形成装置では、画像形成枚数の増加に対してRMS粒状度はほぼ一定に抑えられた。また、図22(b)より、露光スポット径を一定とした従来の場合は、通常環境と低温低湿環境の周期的な変化の影響を大きく受け、画像形成枚数の増加に伴ってRMS粒状度が増大した。これに対して、第1実施形態に係る画像形成装置では、通常環境と低温低湿環境とを周期的に変化させても、且つ、画像形成枚数が増加しても、RMS粒状度が約0.05付近で一定に留まることが確認された。
このように、第1実施形態に係る画像形成装置及び画像形成方法を用いることによって、環境条件の変化或いは耐久条件の変化が起こったとしても粒状性を良好に保つことができる。つまり、画像品質を長期にわたって維持することができる。
《第2実施形態》
第2実施形態に係る画像形成装置は、第1実施形態に係る画像形成装置における露光装置7の構成及び感光体1上の露光スポットの露光プロファイルの変更手段を変えたものであり、それ以外の構成要素は第1実施形態と共通である。よって、ここでは、第1実施形態と共通する内容については説明を省略し又は簡潔に行い、第2実施形態に係る画像形成装置の特徴的な構成要素について詳細に説明する。
<露光装置の構成>
図23(a)は、第2実施形態に係る画像形成装置が備える露光装置の概略構成を示す図であり、図23(b)は、露光装置における露光光源の構成を示す図である。図23(b)に示されるように、露光光源81は16個のレーザ光源を有する面発光レーザであり、16個のレーザ光源は、走査面に対して15度の傾きを有するように一次元的に配列されている。各レーザ光の感光体1上における露光スポットの光量分布はガウシアンであり、全て同一の分布を形成する。また、感光体1上に形成される露光スポットの解像度は、レーザ光の主走査方向と副走査方向において共に1200dpiである。また、各レーザ光の感光体1上での露光スポット径は40μmである。
露光光源81から照射されたレーザ光L′は、コリメートレンズ82を通って平行光となった後、6つのミラーにより構成される回転多面体ミラー34によって反射及び走査される。回転多面体ミラー34によって反射されたレーザ光L′は、f−θレンズ35によって感光体1上に集光される。露光光源81には、レーザドライバ84が接続されており、レーザ光源の発光タイミングの制御やレーザ強度の制御を行う。
レーザ光の走査タイミングを検出するフォトダイオード83が、レーザ走査面上に設置されており、感光体1の走査領域外のレーザ光の走査タイミングを検知する。検出された信号はレーザドライバ84に送られ、その検出タイミングに基づいて、レーザドライバ84が露光光源81の各レーザ光源の感光体1に対する走査開始タイミングを制御する。
<露光プロファイルの変化法>
第2実施形態では、感光体1上の露光プロファイルを変化させるための手段として、2のレーザ光の露光スポットの重なりを利用する。図24(a)は、第2実施形態に係る画像形成処理における、露光のためのレーザ光の感光体1上における走査態様を模式的に示す図である。
図24(a)には、露光光源である16個のレーザ光源の、所定のポリゴン面に対する走査開始時の感光体1上の露光スポットが実線円で描かれている。ここで、16個のレーザ光源の露光スポットが感光体1の副走査方向に対して一列に並んでいるのは、16個のレーザ光源の発光タイミングをずらしているためである。以下の説明においては、便宜上、この実線円で示される露光スポットによる走査を第一走査と呼ぶことにする。次のポリゴン面に対する走査開始時の感光体1上の露光スポットが、図24(a)において、破線円で示されている。以下の説明においては、この破線円で示される露光スポットによる走査を、便宜上、第二走査と呼ぶことにする。
図24(a)に示されるように、2つのポリゴン面によるレーザ光の感光体1での露光スポットの中心を僅かにずらして重ね合わせることで、感光体1上に露光プロファイルを形成する。この方法は、第一走査時の走査開始タイミングに対して、フォトダイオード83によって検出されたタイミングに基づいて、第二走査時の走査開始タイミングを僅かにずらすことによって行う。
2つの露光スポットにおける中心間のずれ量を“Δ”とすると、第一走査時と第二走査時におけるレーザ光の走査開始時のタイミングのずれ量に応じて、露光スポットの中心間のずれ量Δを変化させることができる。第2実施形態では、感光体1の膜厚の減少に応じて露光スポットの中心間のずれ量Δを変化させ、露光プロファイルを変化させることによって、潜像プロファイルの現像電位面での傾きと現像電位面に対する深さを一定にする。
<スポットの中心間のずれ量Δによる露光プロファイル形状の変化>
第2実施形態における感光体膜厚の減少に対する露光プロファイルの変化方法に対する理解のために、露光スポットの中心をずらすことによる露光プロファイルの変化と、露光プロファイルの変化による潜像プロファイルの形状の変化について説明する。
図24(b)は、2つのレーザ光による2つの露光スポットの中心のずれ量Δに対する露光プロファイルの変化を示す図である。図24(b)は、露光スポット中心のずれ量Δが0μm(ずれ無し)の場合、10μmの場合及び20μm場合の露光プロファイルのシミュレーション結果を示しており、縦軸に露光強度を、横軸にずれ量Δを示すために空間分布をそれぞれ取っている。
2つの露光スポット径がずれている場合の露光プロファイル形状はガウシアンではないが、比較のため、各露光スポットの光量ピークに対する1/eの露光強度における傾きを図25に示す。図24(b)及び図25に示されるように、露光スポットの中心のずれ量Δを増大させることによって、露光プロファイルの1/eでの傾き及び光量ピーク値を減少させることができる。しかし、露光スポットの中心のずれ量Δをあまりに大きくしすぎると、図24(c)に示されるように、露光プロファイルが2つのピークを持つ形状になってしまうため、注意が必要である。このようなシミュレーションによると、1つの露光スポット径が40μmの場合、露光プロファイルに2つのピークが出るまでの露光スポットの中心のずれ量Δの値は25μmである。そこで、第2実施形態では、露光スポットの中心のずれ量の大きさがこの値を超えないようにする。
<露光スポットの中心のずれ量Δの潜像プロファイル形状に対する影響>
第1実施形態の場合と同様に、露光スポットの中心をずらすことが潜像プロファイルに与える影響を調べるために、潜像プロファイルをシミュレーションした結果について説明する。露光スポットの中心のずれ量Δとして、0μm(ずれ無し)、10μm、20μmの3つの条件を設定し、感光体膜厚を初期値である膜厚25μmとした。シミュレーションでは、2つのレーザ光によって1ドットの露光プロファイルを形成し、そのドットによって形成された黒ベタでのコントラスト電位が一定となるように、露光条件を設定している。
図26は、露光スポットの中心のずれ量Δに対する潜像プロファイルの変化を示す図であり、縦軸に潜像の電位を取り、左から順にスポットの中心のずれ量が0μm、10μm、20μmの結果が並べられている。図27(a)は、図26の潜像プロファイルから得られる、潜像プロファイルの現像電位面での傾きと露光スポットの中心のずれ量Δとの関係を示すグラフである。また、図27(b)は、図26の潜像プロファイルから得られる、潜像プロファイルの現像電位面に対する深さと露光スポットの中心のずれ量Δとの関係を示すグラフである。
図27(a),(b)に示されるように、露光スポットの中心のずれ量Δを増加させるに伴って、潜像プロファイルの現像電位面での傾きが小さくなり、現像電位面に対する深さの浅い潜像となることがわかる。このように、潜像プロファイルの現像電位面での傾き及び現像電位面に対する深さについては、2つのレーザ光による露光スポットの中心のずれ量を変化させた場合も、1つのレーザ光による露光スポット径を変化させた場合と同じ影響が現れる。
1つのレーザ光で露光する場合でも、パルス幅変調方式を用いて露光する場合には、パルス幅とレーザ光量を合わせて変更することで、1ドットに対する光量を変えずにパルス幅を変えることができ、これにより露光スポット径を変更するのと同じ効果が得られる。なお、レーザ光のパルス幅を広げた場合は、レーザ光量を落とす。
このように、露光プロファイルの変更方法によらず、露光スポット面積を変更することで必要なトナー高さを得て、粒状性を最適化することができる。また、2つのレーザ光による露光プロファイルの変更方法は、第1実施形態のようにコリメートレンズ33の機械的な作動を伴わず、画像データや電気信号によって露光プロファイルを変更する。これにより、プロセススピードが速い条件下においても画像領域内で容易に露光プロファイルを変化させることができる。
《第3実施形態》
第3実施形態では、第1実施形態で用いた粒状性測定用のテストパターンを変えたものであり、その他の構成は第1実施形態と同じである。よって、以下、テストパターンについて詳細に説明する。
<粒状性測定用のテストパターン>
第1実施形態のようにテストパターンを1つの画像パターンで作成した場合、画像パターンの平均濃度が一定値となるような階調にしておいても、画像形成プロセス条件の変化等の理由によって画像パターンの平均濃度が変化してしまう可能性があると考えられる。その場合、基準とした濃度域ではなく、別の濃度域の粒状性でトナー高さを最適化してしまうことになる。つまり、一般的に濃度域によって粒状性の値は異なるため、基準としたい濃度域の粒状性を良好に保つためのトナー高さとテストパターンのRMS粒状度測定から得られた最適なトナー高さ(露光スポット径)とが異なってしまうことが生じうる。
図28(a)は、第3実施形態で用いる粒状性測定用のテストパターンの別の例を示す図であり、濃度域を変化させた複数の画像パターンを露光スポット径の測定数分だけ並べたものを用いる。図28(a)のテストパターンの線数は、画像形成に用いる150線としており、面積階調によって濃度域を変化させている。
<粒状性の算出方法>
図28(a)のテストパターンを用いて粒状性を検出するために、先ず、第1実施形態と同様に、図28(a)のテストパターンを記録媒体(A4サイズの用紙)に出力(印刷)する。続いて、1つの階調パターン毎に画像情報をリーダ11によって読み込み、中央演算装置64によって階調パターン毎のRMS粒状度と平均濃度を算出する。
図28(b)は、ある露光スポット径に対応する画像パターンのRMS粒状度及び平均濃度の関係を示す図であり、黒丸で示される各点が各階調パターンに対応している。基準とする濃度値である0.4(O.D.)に最も近い平均濃度の階調2点を選び、選んだ2点を直線でつなぎ、得られた直線と濃度値0.4(O.D.)との交点の粒状度の値をこの露光スポット径における粒状性の値とする。なお、この処理はコントローラ12の中央演算装置64によって行われる。
このように、第3実施形態によれば、画像形成プロセス条件の変化等の理由によって、出力画像の濃度が変化しても、濃度域を変化させた複数の画像パターンの粒状度に基づいて粒状度を算出する。これにより、常に基準としたい濃度域の粒状性を良好に保つためのトナー高さに最適化することができる。
《第4実施形態》
第1実施形態は、記録媒体に出力したテストパターン(図7参照)に基づいて露光スポット径(トナー高さ)毎に求めた粒状性から、最適な露光スポット径が自動的に設定される構成とした。これに対し、第4実施形態では、テストパターンの出力結果からユーザが露光スポット径(トナー高さ)を選択できる構成としたものであり、その他の構成は第1実施形態と同じである。
<画像形成工程>
図29は、第4実施形態に係る画像形成方法のフローチャートである。上述の通り、第4実施形態に係る画像形成装置のハードウェア構成は、第1実施形態に係る画像形成装置のハードウェア構成と同じであるので、以下の説明においては、適宜、図20のブロック図を参照する。
ユーザによる画像形成装置の操作により、ホスト61に対してプリント信号又はトナー高さキャリブレーション開始信号が入力されると、その入力信号がプリント信号であるか否かが判定される(ステップS101)。入力信号がプリント信号である場合(S101で“YES”)、画像形成シークエンスに移行する。入力信号がプリント信号ではない場合、つまり、トナー高さキャリブレーション開始信号である場合(S101で“NO”)、トナー高さキャリブレーションシークエンスに移行する。
画像形成シークエンスに行われるステップS102〜S108の処理は、図21を参照して説明した画像形成シークエンスに行われるステップS002〜S008の処理と同じであるので、ここでの説明を省略する。そこで、次に、トナー高さキャリブレーションシークエンスについて説明する。
トナー高さキャリブレーションでは、先ず、テストパターンが出力される(ステップS109)。テストパターンとしては、図7に示したテストパターンが用いられ、露光スポット径を画像領域内で変化させながら、記録媒体であるA4用紙に印刷される。続いて、出力されたテストパターンの画像から最適な露光スポット径がユーザにより選択される(ステップS110)。ユーザによる最適な露光スポット径の選択は、ユーザが、視覚的に粒状性が最適であると判断するものを選択してもよいし、他の粒状性の評価手法によって選択してもよく、特に限定されない。
次いで、ユーザが最適と判断した露光スポット径がホスト61に対して入力される(ステップS111)。こうしてホスト61に対して入力された露光スポット径の値で、記憶手段65に記録されている画像形成用の露光スポット径の値が上書きされる(ステップS112)。そして、コントローラ12は、記憶手段65を参照して、最初にホスト61に入力された信号がプリント信号であったか否かを判定する(ステップS113)。プリント信号であった場合(S113で“YES”)、処理はステップS105へ進められプリント信号ではなかった場合、つまり、トナー高さキャリブレーション信号であった場合(S113で“NO)、処理は終了となる。
第4実施形態のように、出力されたテストパターンの画像からユーザの選択によって最適なトナー高さ(露光スポット径)を選ぶことにより、ユーザが所望する画質を維持することができる。
以上、本発明の実施形態に係る画像形成装置及び画像形成方法によれば、ハーフトーンの1ドットを構成するトナー像の高さを環境条件や耐久条件に最適なトナー高さにする。これにより、環境条件や耐久条件の変化が起きたとしても出力画像の粒状性を良好に保つことができる。また、出力されたテストパターンの画像に基づいてトナー高さを最適化することにより、感光体1上のトナー高さをセンサ等で読み取ることなく最適化することができ、簡易な構成でトナー高さを最適化することができる。
《他の実施形態》
以上、本発明をその好適な実施形態に基づいて詳述してきたが、本発明はこれら特定の実施形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の様々な形態も本発明に含まれる。さらに、上述した各実施形態は本発明の一実施形態を示すものにすぎず、各実施形態を適宜組み合わせることも可能である。
本発明は以下の処理を実行することによっても実現される。即ち、上述した実施形態の機能を実現するソフトウェア(プログラム)をネットワーク又は各種記憶媒体を介して画像形成装置に供給し、その画像形成装置のコンピュータ(又はCPUやMPU等)がプログラムコードを読み出して実行する処理である。この場合、そのプログラム、及び該プログラムを記憶した記憶媒体は本発明を構成することになる。
1 感光体
3 二成分現像器
7 露光装置
10 記録媒体
11 リーダ
12 コントローラ
13 定着器
31 露光光源
33 コリメートレンズ
35 f−θレンズ
36 レーザドライバ

Claims (9)

  1. 感光体と、光ビームにより前記感光体を露光して静電潜像を形成する露光手段と、前記静電潜像を色材によって現像する現像手段とを備える画像形成装置であって、
    前記感光体の表面における前記光ビームの露光スポット面積を変更することにより前記感光体の表面におけるトナー高さを変更する変更手段と、
    前記露光スポット面積を変えて記録媒体に複数の前記露光スポット面積に対応する複数のテストパターンを形成する形成手段と、
    前記記録媒体に形成された前記複数のテストパターンを読み取る読み取り手段と、
    前記読み取り手段により読み取られた前記複数のテストパターンから前記複数のテストパターンのそれぞれの粒状性を検出して、粒状性が相対的に良好となる露光スポット面積を求め、当該露光スポット面積を画像形成用の露光スポット面積とすることで前記トナー高さを制御する制御手段と、を有することを特徴とする画像形成装置。
  2. 前記変更手段は、前記露光手段から照射された露光のための前記光ビームの集光を調整することで前記露光スポット面積を調整することを特徴とする請求項1記載の画像形成装置。
  3. 前記露光手段は、前記光ビームを照射する複数の光源を有し、
    前記変更手段は、第一走査により前記複数の光源から照射されて前記感光体の表面に形成される複数の露光スポットと第二走査により前記複数の光源から照射され前記感光体の表面に形成される複数の露光スポットのそれぞれの中心をずらして前記第一走査による露光スポットと前記第二走査による露光スポットとを重ね合わせることで、前記感光体の表面における露光スポット面積を変えることを特徴とする請求項1記載の画像形成装置。
  4. 前記露光手段はパルス幅変調手段を有し、
    前記変更手段は、前記変更手段による前記露光スポット面積の変更を、前記パルス幅変調手段によってパルス幅を変更することによって実行することを特徴とする請求項1記載の画像形成装置。
  5. 前記テストパターンは、同一の画像パターンが前記露光スポット面積の測定点数分だけ並べられて構成されていることを特徴とする請求項1記載の画像形成装置。
  6. 前記テストパターンは、濃度域を変化させた複数の画像パターンによって構成された同一のパターンが前記露光スポット面積の測定点数分だけ並べられて構成されていることを特徴とする請求項1記載の画像形成装置。
  7. 前記テストパターンは、前記記録媒体としての所定のサイズの1枚の用紙の画像領域内に配置されていることを特徴とする請求項1記載の画像形成装置。
  8. 前記テストパターンの印字は、前記露光スポット面積を画像領域内において変更することによって行なうことを特徴とする請求項1記載の画像形成装置。
  9. 感光体と、光ビームにより前記感光体を露光して静電潜像を形成する露光手段と、前記静電潜像を色材によって現像する現像手段とを備える画像形成装置において実行される画像形成方法であって、
    前記感光体の表面における前記光ビームの露光スポット面積を変えて記録媒体に複数のテストパターンを形成する形成ステップと、
    前記形成ステップで前記記録媒体に形成された前記複数のテストパターンを読み取る読み取りステップと、
    前記読み取りステップで読み取られた前記複数のテストパターンのそれぞれの粒状性を検出する検出ステップと、
    前記検出ステップで検出された粒状性から相対的に良好となる露光スポット面積を求め、当該露光スポット面積を画像形成用の露光スポット面積とすることで、画像形成時の前記感光体の表面におけるトナー高さを調整する制御ステップと、を有することを特徴とする画像形成方法。
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