JP2009098185A - 画像形成装置およびトナー消費量算出方法 - Google Patents

画像形成装置およびトナー消費量算出方法 Download PDF

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Abstract

【課題】簡単な方法でありながら、露光ビームの走査方向およびこれに直交する方向におけるドットの連続性を加味した精度のよいトナー消費量算出技術を提供する。
【解決手段】副走査方向に延びるラインを有するライン画像を種々のライン幅で形成し、1ドット当たりのトナー消費量を測定しトナー消費量基本データとして保存しておく。実際の画像形成におけるトナー消費量を求める際には、画像信号に基づき主走査方向の連続ドット数ごとに分類してドットの個数を計数し、各分類ごとのドット個数に、上記トナー消費量基本データに基づき定めた重み付け係数を乗じて合計する。
【選択図】図8

Description

この発明は、画像信号に基づいてトナー消費量を算出する画像形成装置およびトナー消費量算出方法に関するものである。
トナーを使用して画像を形成する画像形成装置においては、画像を構成するドットの数と1ドット当たりのトナー消費量に対応するトナー消費量基本データとに基づいてトナー消費量を算出するための技術が従来より提案されている。例えば、本願出願人が先に開示した特許文献1に記載の技術においては、トナードットがそのサイズによってトナー付着量が異なることに鑑み、ドットをそのサイズごとに分類して形成個数をカウントし、そのカウント値に、ドットサイズに対応するトナー付着率に相当する係数を乗じて全体のトナー消費量を求めている。
この技術においては、主走査方向(感光体表面に対する露光ビームの走査方向)における長さが種々に異なるドットのトナー付着量を個別に求め、ドットサイズとトナー付着量との関係を予め定量化してトナー消費量の算出に適用している。
特開2005−208090号公報(図6、図7)
上記従来技術においては、副走査方向(露光ビームの走査方向である主走査方向に直交する方向)におけるドットの連続性は考慮されていなかった。しかしながら、実際の画像は主走査方向および副走査方向に二次元的に点在するドットによって構成されており、副走査方向のドットの連続性も、各ドットのトナー付着量に影響を与えている。このため、より精度よくトナー消費量を算出するためには副走査方向のドットの連続性についても考慮に入れるのが本来的である。しかし、主走査方向のドットサイズが画像信号を時系列に沿って解析することで比較的容易に求められるのに対し、副走査方向のドットの配列、つまり主走査方向における位置が同一で副走査方向に位置が異なるドットの分布を画像信号から求めるには複雑な処理が必要となることから、このような副走査方向のドットの連続性をも考慮したトナー消費量算出技術はこれまで実用化されるには至っていなかった。
この発明は上記課題に鑑みなされたものであり、簡単な方法でありながら、露光ビームの走査方向およびこれに直交する方向におけるドットの連続性を加味した精度のよいトナー消費量算出技術を提供することを目的とする。
この発明にかかる画像形成装置は、上記目的を達成するため、周回移動する感光体と、画像信号に応じて点灯制御した光ビームを、前記感光体表面に対しその移動方向に直交する方向に走査して前記感光体表面を露光することで、前記感光体表面に前記画像信号に対応する静電潜像を形成する露光手段と、前記静電潜像をトナーにより現像してトナー像を形成する現像手段と、前記画像信号に基づき前記トナー像を構成するドットの数を計数し、該計数結果に基づいて前記現像手段により消費されるトナーの消費量を算出するトナー消費量算出手段とを備え、前記トナー消費量算出手段は、前記光ビームの走査方向における連続ドット数に応じて重み付けしたドットの計数結果に基づいてトナー消費量を算出し、しかも、前記重み付けの大きさは、連続ドット数に対応するライン幅で前記移動方向の成分を有するライン状に形成されたライン状トナー像におけるトナー消費量を表すトナー消費量基本データに基づいて定められていることを特徴としている。
また、この発明にかかるトナー消費量算出方法は、周回移動する感光体表面に、画像信号に応じて点灯制御した光ビームを前記感光体表面の移動方向に直交する方向に走査露光して前記画像信号に対応する静電潜像を形成し、該静電潜像をトナーにより現像してトナー像を形成する画像形成装置におけるトナー消費量を算出するトナー消費量算出方法であって、上記目的を達成するため、前記画像信号に基づき前記トナー像を構成するドットの数を計数し、該計数結果に前記光ビームの走査方向における連続ドット数に応じた重み付けをした結果に基づいてトナー消費量を算出し、しかも、前記重み付けの大きさは、連続ドット数に対応するライン幅で前記移動方向の成分を有するライン状に形成されたライン状トナー像におけるトナー消費量を表すトナー消費量基本データに基づいて定めることを特徴としている。
なお、以下の説明においては、感光体表面に対する光ビームの走査方向を「主走査方向」、これと直交する感光体表面の移動方向を「副走査方向」と称する。すなわち、上記した画像形成装置においては、光ビームを主走査方向に走査しながら感光体表面を副走査方向に移動させることによって感光体表面に二次元画像に対応する静電潜像を形成する。
上記のように構成された発明においては、主走査方向のドットの連続数に応じて重み付けをしたドット計数結果に基づいてトナー消費量を算出する。しかも、ドットの重み付けは、副走査方向の成分を有する、つまり副走査方向にドットが連続するライン状トナー像におけるトナー消費量に基づいて行う。このように、主走査方向のドットの連続数によって重み付けを変え、しかも重み付けの大きさ自体は副走査方向の成分を有するライン状トナー像におけるトナー消費量に基づき設定することによって、重み付けされたドットの計数結果には、主走査方向および副走査方向の両方のドットの連続性が加味されることとなり、画像形成のためのトナー消費量をより精度よく算出することができる。また、画像信号から実際の画像における副走査方向のドットの並びを求める必要がないので、トナー消費量基本データを予め求めておけば、以後のトナー消費量算出処理を簡単に行うことができる。
上記発明にかかる画像形成装置において、前記トナー消費量算出手段は、前記トナー像を構成するドットの数を、前記走査方向における連続ドット数によって分類しながら各分類ごとに計数し、各分類ごとの計数結果に当該分類に対応する重み付け係数を乗じた値の合計に基づきトナー消費量を算出するようにしてもよい。このような簡単な方法によっても、トナー消費量を精度よく求めることができる。
ここで、連続ドット数とトナー消費量との関係については、連続ドット数を最小から増やしてゆくと、いったん増加してある連続ドット数のときに最大となり、その後再び減少して一定値に漸近することがわかっている。そこで、前記重み付け係数は、所定の連続ドット数において最大値を取る一方、より大きな連続ドット数およびより小さな連続ドット数ではより小さな値を取るようにしてもよい。また、所定値以上の連続ドット数では一定値となるようにしてもよい。
また、前記重み付け係数は、複数段階に区分された連続ドット数の各区分に対し1つずつ設定されてもよい。こうすることで、重み付け係数は区分の数だけ設定しておけばよいので、データ量を少なくし算出処理も簡略化することができる。さらに、各区分における重み付け係数を、当該区分における前記トナー消費量基本データの最大値となるようにすると、簡略化による算出誤差は、計算上のトナー消費量が実際のトナー消費量よりも大きくなる形で現れることになる。計算上のトナー消費量が誤差により実際の消費量よりも小さくなると、実際にはトナーがなくなっているにもかかわらず計算上は残っている、という事態が生じ、消耗品管理の点で問題がある。計算上のトナー消費量が実際のトナー消費量よりも大きくなるようにすることで、このような問題を回避することができる。
より具体的には、例えば、1ドット当たりのトナー消費量の最小値から最大値までを複数段階に区分し、該トナー消費量の区分において同一区分に属する連続ドット数の値が前記連続ドット数の区分において同一区分となるように、前記連続ドット数の区分を定めることができる。このように、連続ドット数の区分を連続ドット数の値自体により定めるのでなく、トナー消費量の値で区分することにより、同一の区分に同一の重み付け係数を与えたときの算出精度をより高めることができる。
また、前記トナー消費量算出手段は、トナーの劣化状態に応じて前記重み付けの大きさを変更するようにしてもよい。同じ条件でトナー像を形成しても、トナーが劣化するにつれてトナー消費量は変化する。そこで、トナーの劣化状態に応じて重み付けの大きさを変えることにより、トナー消費量をより精度よく求めることが可能となる。
図1は本発明を好適に適用可能な画像形成装置の一形態を示す図である。また、図2は図1の画像形成装置の電気的構成を示すブロック図である。この画像形成装置1は、ホストコンピュータなどの外部装置から与えられる画像形成指令に対応して画像形成動作を実行し、画像信号に対応するモノクロ画像を形成する画像形成装置である。この画像形成装置1では、ホストコンピュータなどの外部装置からインターフェース(I/F)112を介して画像形成指令がCPU111や画像メモリ113などを有するメインコントローラ11に与えられると、このメインコントローラ11がエンジンコントローラ10に制御信号を与え、これに基づき、エンジンコントローラ10がエンジン部EGなど装置各部を制御して所定の画像形成動作を実行し、複写紙、転写紙、用紙およびOHP用透明シートなどの記録材たるシートSに画像形成指令に対応する画像を形成する。
この画像形成装置のエンジン部EGは、感光体22、帯電ローラ23、露光ユニット6および現像器4などを備えている。より詳しくは、エンジン部EGにはドラム状の感光体22が図1紙面に垂直な回転軸中心に回転自在に設けられており、図示を省略する駆動機構によって感光体22は図1の矢印方向D1に一定速度で回転駆動される。感光体22の周囲には、その回転方向に沿って帯電ローラ23、露光ユニット6、現像器4、転写ローラ24およびクリーナ25がこの順番に配置されている。
感光体22の表面は、所定の帯電バイアスを与えられ感光体22の表面に当接する帯電ローラ23によって所定の表面電位に帯電される。こうして帯電された感光体22の表面に、露光ユニット6から光ビームLが照射される。露光ユニット6は、外部装置から与えられる画像形成指令に含まれる画像信号に応じて点灯制御されるレーザ光源と、該レーザ光源から出力されるレーザビームを偏向させ感光体22に入射させる偏向光学系とを有するレーザスキャンユニット(LSU)を備えている。レーザスキャンユニットは回転するポリゴンミラー等の走査機構により、レーザビームを感光体22の移動方向D1に直交する方向、すなわち図1の紙面に垂直な方向に走査する。このように、露光ユニット6は、画像信号に応じて感光体22表面を走査露光することにより、感光体22表面に画像信号に対応した静電潜像を形成する。以下では、光ビームLの走査方向を「主走査方向」と称する一方、これに直交する方向、つまり感光体22表面の移動方向を「副走査方向」と称する。
こうして感光体22表面に形成された静電潜像は、現像器4内に貯留されたトナーにより現像される。具体的には、現像器4内にはブラック色のトナーTが貯留されるとともに、現像ローラ41および供給ローラ42が設けられている。現像ローラ41および供給ローラ42はそれぞれ図1に示す矢印方向に回転駆動されており、これによりトナーTが現像ローラ41に摺りつけられて、現像ローラ41の表面には所定量のトナーが担持されている。現像ローラ41は感光体22表面と所定のギャップを隔てて対向配置されており、図示を省略する現像バイアス発生部から所定の現像バイアスを印加される。このため、現像ローラ41の表面に担持され感光体22との対向位置に搬送されたトナーは感光体22に移動し、これにより感光体22表面の静電潜像はトナーによりトナー像として顕像化される。
こうして顕像化されたトナー像は、転写位置TRにおいてシートSに転写される。エンジン部EGの下方にはシートSを貯留するカセット8が設けられるとともに、ピックアップローラ81、シート搬送ローラ対82、83および84によりシートSをカセット8から転写位置TRを経由して装置上部の排紙トレイ89まで搬送する搬送経路Fが形成されている。搬送経路Fの近傍に付した矢印は、それぞれの位置におけるシート搬送方向を示している。そして、カセット8からピックアップローラ81により1枚ずつ取り出されたシートSは、搬送経路Fに沿って転写位置TRまで搬送される。転写位置TRでは、シートSが感光体22と転写ローラ24とが当接するニップ部を通過する際に、感光体22上のトナー像がシートSに転写される。
転写後の感光体22の表面はクリーナ25により清掃される。クリーナ25は感光体22表面に当接してその表面に残留付着したトナーを掻き落とすクリーナブレード251と、掻き落とされたトナーを貯留する廃トナータンク252とを有している。こうして残留トナーが除去された感光体22表面は再び帯電ローラ23により帯電され、次の画像形成に供される。
転写位置TRにおいてトナー像を転写されたシートSは搬送経路Fに沿って定着ユニット9に送り込まれる。定着ユニット9は、内部にヒータを有し所定の温度に昇温された加熱ローラ91と、該加熱ローラ91表面に圧接された加圧ローラ92とを備えており、トナー像を転写されたシートSが加熱ローラ91と加圧ローラ92との当接ニップを通過する際にトナーを加熱および加圧することにより、トナー像をシートS上に定着させる。こうしてトナー像を定着されたシートSは装置上部に設けられた排紙トレイ89に排紙される。
また、この装置1では、図2に示すように、メインコントローラ11のCPU111により制御される表示部12を備えている。この表示部12は、例えば液晶ディスプレイにより構成され、CPU111からの制御指令に応じて、ユーザへの操作案内や画像形成動作の進行状況、さらに装置の異常発生やいずれかのユニットの交換時期などを知らせるための所定のメッセージを表示する。
また、現像器4には、当該現像器に関する情報を記憶するための不揮発性メモリ49が設けられている。そして、現像器に設けられた不揮発性メモリ49は、エンジンコントローラ10のCPU101とメモリインターフェース105を介して接続され、CPU101とメモリ49との間で通信が行われる。こうすることで、現像器に関する情報がCPU101に伝達されるとともに、メモリ49内の情報が更新記憶される。
なお、図2において、符号113はホストコンピュータなどの外部装置よりインターフェース112を介して与えられた画像を記憶するためにメインコントローラ11に設けられた画像メモリである。また、符号106はCPU101が実行する演算プログラムやエンジン部EGを制御するための制御データなどを記憶するためのROM、また符号107はCPU101における演算結果やその他のデータを一時的に記憶するRAMである。
図3は図1の画像形成装置における信号処理部を示すブロック図である。信号処理部は、メインコントローラ11に設けられたCPU111が予め書き込まれたプログラムを実行することによって実現される。この信号処理部は、画像種判別部151、エッジ検出補正部152、階調補正部153、ハーフトーン処理部154およびパルス変調部155などの機能ブロックを備えている。
画像種判別部151は、インターフェース112を介してホストコンピュータHCから与えられた画像形成指令に基づき、形成すべき画像の種類を判別する。具体的には、形成すべき画像が、文字や線画を主とする画像(文字・ライン画像)であるのか、写真画像などの自然画像であるのかを判別する。
形成すべき画像が文字・ライン画像であった場合、画像種判別部151は、画像信号をエッジ検出補正部152に送出する。エッジ検出補正部152は、画像信号に対し、ドットの集合体として形成される文字画像の輪郭部分を補正してより滑らかな画像を得るための信号処理を行う。このような信号処理としては、例えば特許第2940266号公報に記載された処理技術を適用することができる。
一方、形成すべき画像が自然画像であったときには、画像種判別部151は、図3に破線で示すように、画像信号を階調補正部153に送出する。階調補正部153は画像信号に対し階調補正処理を行いハーフトーン処理部154に出力する。ハーフトーン出力部154は与えられた階調補正後の画像信号に対しハーフトーン処理を行う。階調補正処理およびハーフトーン処理は公知の技術であるので、ここでは説明を省略する。
エッジ検出補正部152またはハーフトーン処理部154から出力される信号はパルス変調部155に入力される。パルス変調部155は、画像信号をドットのオン・オフに対応する2値信号に変換し出力する。この2値信号はエンジンコントローラ10に設けられレーザ光源を駆動するレーザドライバ121に与えられる。レーザドライバ121はこの2値信号に基づき露光ユニット6に設けられたレーザ光源の点灯を制御する。また、この信号は、メインコントローラ11に設けられたトナーカウンタ200にも入力されている。トナーカウンタ200は、この信号からドットの形成個数をカウントし、そのカウント値に基づき、トナー像の形成に消費されるトナーの量を算出する。
次に、画像形成装置1におけるトナー消費量算出技術の原理およびその具体的な実施形態について説明する。特許文献1にも記載されているように、画像を構成するドットの連続性によって1ドット当たりのトナー消費量が異なることは既に知られている。本願発明者らは、画像内容とトナー消費量との関係についてさらに種々の実験を行い、以下に説明するトナー消費量算出技術を考案するに至った。
図4はライン画像を示す図である。また、図5はライン画像におけるトナー消費量を示す図である。感光体22表面の画像領域IMにラインの幅を種々に変えながら1ドット当たりのトナー消費量を計測した。図5に示すように、ライン幅を次第に大きくしてゆくと、トナー消費量はいったん増加した後減少し、一定値に近づく。本願発明者らの実験では、解像度600dpiの装置においてライン幅が約5ドット相当程度のときトナー消費量が最大値となった。また、図4(a)に示すように主走査方向に延びる互いに平行なラインを複数形成した場合と、図4(b)に示すように副走査方向に延びる互いに平行なラインを複数形成した場合とでトナー消費量を比較すると、ライン幅の小さい領域では概ね副走査方向のラインがトナー消費量が大きくなる傾向がある一方、ライン幅が大きい領域では両者にほとんど差が見られなかった。これを説明するモデルとしては、例えば以下のようなものが考えられる。
図6は主走査方向ラインと副走査方向ラインとの違いを説明するモデルを示す図である。図6(a)に示すように、主走査方向のラインは主走査方向に連続するドットの列から成っている。このような連続ドットの列は、露光ユニット6からのレーザ光を連続的に点灯させながら感光体22表面を走査することによって形成される。このため、感光体22表面の潜像プロファイル(電位分布)では、レーザ光を照射され露光された領域の電位がほぼ一定になっている。
一方、副走査方向のラインは、図6(b)に示すように、1回のレーザ光の走査によってラインのうち1ドット長さ分のみが形成され、それがレーザ光の複数回の走査において繰り返されることで所定長さのラインが形成される。この場合、感光体22表面にはレーザ光が断続的に照射されるため、露光された領域の潜像プロファイルは平坦とならない。露光された領域の電位が平坦でないと、局所的な電界がより多くのトナーを引き付けることとなり、このことが副走査方向ラインにおいてトナー消費量の増大を招く要因になっていると考えられる。
このことは、1回のレーザ点灯時間が短い、つまりライン幅が小さいときに特に顕著であり、副走査方向のラインであってもライン幅が大きくなると、広いライン幅に対応して主走査方向には連続的に露光が行われるため感光体22の表面電位は十分に低下し、上記のような差は現れにくくなる。これは実験結果とも符合している。
従来のトナー消費量算出技術では、主走査方向のドットの連続状態によって重み付けを変えながらドットの形成個数を積算し、その積算値に基づいてトナー消費量を求めていたが、その重み付けの大きさを定めるに当たって副走査方向のドット連続性は考慮されていなかった。しかしながら、実際の画像では主走査方向、副走査方向それぞれのドットの並びが混在しており、しかも上記したように同じ連続ドット数でも主走査方向の並びと副走査方向の並びによってトナー消費量が異なることから、より高精度にトナー消費量を求めるためには副走査方向のドットの連続性を反映させる必要があることがわかる。
特に、トナー残量管理を目的としてトナー消費量の算出を行っている場合、トナー消費量に与える影響がより大きい副走査方向のドットの連続性を考慮しなければ、十分な効果を得られないことがある。というのは、主走査方向のドットの連続性のみを考慮した場合、副走査方向の連続性を考慮した場合よりも計算上のトナー消費量が小さく算出されてしまう結果、計算上はトナーが残っているにもかかわらず実際には使用できるトナーがなくなっている、という事態が生じうるからである。
ただし、主走査方向のドットの並びは例えばレーザドライバ61に与えられるパルスの数またはその幅をカウントすることによって比較的容易に求めることができるのに対して、副走査方向のドットの並びについては、各ドットに対応するパルスが全く異なるタイミングで出力されるため、検出するのが容易でない。
しかしながら、本願発明者らが種々の画像で実験を行った結果、以下のようにすることで、実際の画像において副走査方向のドットの連続性を検出しなくとも十分な精度でトナー消費量を算出可能であることがわかった。すなわち、主走査方向のドットの連続状態によって重み付けを行う場合、その重み付けの基となるトナー消費量の基本データを、種々のライン幅で形成した副走査方向ラインにおけるトナー消費量の実測結果に基づいたものとすればよい。以下、トナー消費量の基本データの具体的な導出方法について説明する。
図7はトナー消費量基本データの導出方法を示すフローチャートである。この処理では、副走査方向に延びる複数のラインからなるライン画像を種々のライン幅で形成し、そのトナー消費量を実測して、ライン幅と1ドット当たりのトナー消費量との関係を導出する。そして、その結果に基づいて、実画像のトナー消費量算出時に各ドットに与える連続ドット数に応じた重み付け量を決定する。この処理は、必ずしも個々の画像形成装置1台ごとに実施を要するものでなく、同一構成の画像形成装置については、何台かの装置で代表的にこの処理を行ってトナー消費量基本データを取得しておけば、他の装置にその結果を適用することができるものである。例えば、最終製品と同一構成の実験機を用いてトナー消費量基本データを求めておき、その結果を製品に適用してもよい。もちろん、装置個々の特性ばらつきにまで対応するために、装置1台ごとに例えば製品の出荷前検査においてこの処理を行うようにしてもよい。
この処理では、まずライン画像を構成する各ラインのライン幅および相互の間隔を適宜に設定し(ステップS101)、設定したライン幅およびライン間隔を有する副走査方向のラインからなるライン画像を感光体22上に形成する(ステップS102)。ライン幅とライン間隔との関係については後で説明する。
次に、ライン画像形成のために消費されたトナーの量を測定する(ステップS103)。トナー消費量の測定は、感光体22上のトナーを集めてその質量を実測する、質量既知の転写材に感光体22上のトナー像を転写させて質量の増加分を測定する、画像形成前後での現像器4の質量変化を検出する、などの方法によって行うことができる。また、測定誤差を抑えるために、多数枚のライン画像を形成してトナー消費量の平均値を求めるようにしてもよい。次に、画像全体のトナー消費量を、画像を構成するドット(トナーを付着させない部分は除く)の数とから1ドット当たりのトナー消費量を算出する(ステップS104)。
上記処理を、ライン幅およびライン間隔を種々に変更設定しながら繰り返すことにより、ライン幅と1ドット当たりのトナー消費量との関係を得る。副走査方向のラインではライン幅は主走査方向のドットの連続数と実質的に同じであるので、上記処理により、副走査方向のラインにおける、連続ドット数と1ドット当たりのトナー消費量との関係が求められる。この関係は概ね図5の実線で示したような曲線で表わされ、これを後述するようにしてステップ関数により近似して係数テーブルを作成する(ステップS106)。この結果を当該装置におけるトナー消費量基本データとして保存しておく(ステップS107)。
図8はライン画像におけるライン幅とライン間隔との関係を示す模式図である。トナー消費量基本データの導出処理では、ライン幅およびライン間隔を種々に変更しながらライン画像を形成する。図8では、ライン幅を1ドット相当、2ドット相当および3ドット相当としたときのライン画像の詳細を示している。ライン幅を1ドット相当とした画像L1では、図8(a)に示すように、各ライン間には潜像プロファイルにおける電位の裾がライン間で干渉しないように十分な間隔を設ける。ここでは9ドット相当の間隔を空けた、いわゆる1オン9オフのライン画像とする。これにより、画像L1全体に占めるドットの面積率、いわゆる印字デューティは10%となる。文字やラインを主体とする通常の画像では一般に印字デューティが5%程度と言われており、ここでのライン画像もこれに近い印字デューティとすることが望ましい。
図8(b)はライン幅を2ドット相当とした場合を示している。この場合、ライン幅を2倍としたことに対応して、ライン間隔も2倍の18ドット相当とし、2オン18オフのライン画像L2とする。このように、ライン幅に比例してライン間隔も大きくすることにより、画像全体を構成するドットの総数は図8(a)に示す1ドットライン画像と同じになり、印字デューティも同じになる。同様に、ライン幅を3ドット相当とするときには、図8(c)に示すようにライン間隔を27ドット相当とした3オン27オフのライン画像L3を形成する。このように、ライン幅にかかわらず印字デューティをほぼ一定とすることによって、各ライン幅での測定結果の間でのばらつきを抑えることができる。また、実際の画像に近い印字デューティで測定を行うことにより、実使用時に近い条件でのデータを得ることができる。
なお、ライン幅の設定値については任意であるが、トナー消費量カーブにおいて曲率の大きい領域についてはできるだけ細かくライン幅を設定することが望ましい。この例ではライン幅が5ドット相当のときトナー消費量が最大となっていたので、この前後でライン幅を細かく刻んでトナー消費量を測定している。より具体的には、1ドット相当から9ドット相当までの間で、1ドット相当ずつライン幅を変更して上記測定を行った。
図9は係数テーブル作成の原理を示す図である。上記のように各ライン幅で副走査方向のライン画像を形成しトナー消費量を求めることにより、図9(a)の細い実線で示すように、主走査方向のドット連続数と1ドット当たりのトナー消費量との関係が求められる。以下、この曲線を「トナー消費量カーブ」という。そして、横軸(連続ドット数)において複数の区分I,R1〜R8に区分する。この区分は次のようにして行う。
まず、連続ドット数に対しトナー消費量が最大値Tmaxとなる連続ドット数Nmaxを求め、この値Nmaxを含む領域R4を設定する。領域R4の下限値N4および上限値N5は以下のようにして定める。トナー消費量の最大値Tmaxよりも少し小さな値T3を設定し、トナー消費量カーブにおいてこの値T3を取る連続ドット数N4およびN5を、当該領域R4の下限値および上限値とする。
次いで、この領域R4に隣接する領域R3およびR5を定める。トナー消費量の値T3よりも少し小さい値T2を設定し、トナー消費量カーブにおいてトナー消費量の値がT2からT3の間となるような連続ドット数の値が全て領域R3またはR5に属するようにする。すなわち、連続ドット数がN4以下でかつトナー消費量の値がT2以上である連続ドット数の値N3〜N4の範囲を領域R3とする。同様に、連続ドット数がN5以上でかつトナー消費量の値がT2以上である連続ドット数の値N5〜N6の範囲を領域R5とする。同様にして、さらに外側の領域R2、R6等を順次定めてゆく。
なお、トナー消費量カーブの両端では例外的な取り扱いをする。すなわち、連続ドット数がある値以上ではトナー消費量はほぼ一定となっているので、トナー消費量がほぼ一定となる連続ドット数N8以上の領域を1つの領域R8とする。また、連続ドット数が小さい領域に関しては、連続ドット数が1ドットである場合を含む所定の領域、例えば0ドットより大きく2ドットより小さい範囲を1つの領域Iとする。これは、図3に示す信号処理部のうちエッジ検出補正部152およびハーフトーン処理部154での信号処理によって孤立ドット(主走査方向に隣接するドットがなく孤立したドット)の幅が変調され、孤立ドットが必ずしも1ドット幅とならないことに対応するためである。
上記のように設定された領域のそれぞれに対して、ドットに対する重み付け量に相当する重み付け係数を1つずつ設定する。具体的には、トナー消費量が最大となる値Nmaxを含む領域R4に対しては、トナー消費量カーブにおける最大値Tmaxに相当する値を重み付け係数K4とする。この係数K4は、トナー消費量の最大値Tmaxを適宜にスケーリングした値とすることができる。
また、領域R3に対しては、トナー消費量カーブにおける当該領域内での最大値T3をスケーリングした値を係数K3とする。同様に、他の各領域についても、トナー消費量カーブにおける当該領域内での最大値に相当する値として重み付け係数を設定することができる。このとき、トナー消費量の最大値を含む領域R4に隣接する領域R3とR5との間では、それぞれの領域内におけるトナー消費量の最大値T3が共通しているため、両領域R3およびR5に対して共通の係数K3を与えることができる。このことは、これらの外側の領域R2とR6との対およびさらにその外側の領域R1とR7との対においても言え、したがって、これらの領域対においてはそれぞれ同一の係数K2およびK1を与えることができる。
また、孤立ドットに対応する領域Iでは、当該領域におけるトナー消費量の最大値T0に相当する値を係数K0とする。さらに、トナー消費量がほぼ一定の領域R8については、その一定値に相当する値を係数K5とする。こうすることで、各領域に対しそれぞれ1つずつの重み付け係数が設定され、図9(b)に示す係数テーブルが得られる。
こうして連続ドット数を複数領域に区分し、各領域に1つずつ重み付け係数を与えることは、図9(a)の太い実線で示すように、トナー消費量カーブを多段階のステップ関数によって近似することと等価である。このような近似を行うことによって、トナー消費量カーブを少ないデータ量で表すことができるので、このカーブに基づいて行うトナー消費量の算出を比較的簡単な演算により行うことが可能となる。
なお、この例では各領域内におけるトナー消費量の最大値に相当する値を当該領域の重み付け係数としているが、これに代えて、当該領域におけるトナー消費量の平均値や中央値に相当する値を重み付け係数として設定してもよい。各領域におけるトナー消費量の最大値に相当する値を重み付け係数とした場合、この係数に基づいて算出されるトナー消費量は実際のトナー消費量より若干多めになるため、計算上のトナー残量が実際よりも大きな値を示すというトナー残量管理上の問題を回避することができる。また、各領域におけるトナー消費量の平均値または中央値に相当する値を重み付け係数とした場合には、種々の連続ドット数が混在する画像におけるトナー消費量の算出結果をより実際の値に近いものとすることが可能となる。
また、上記の例ではトナー消費量カーブをステップ関数によって近似することで少ないデータ量でカーブを表現しているが、これに代えて、折れ線近似や他の関数近似によってカーブを表現するようにしてもよい。この場合には、近似した折れ線や関数を表すパラメータがトナー消費量基本データとして保存されることとなる。
次に、上記のようにして求めたトナー消費量基本データを利用して、画像形成時のトナー消費量を算出する技術について説明する。上記処理によって得られた係数テーブルデータは、各画像形成装置に設けられたトナーカウンタ200に実装されてトナー消費量の算出に使用される。トナーカウンタ200はソフトウェアおよびハードウェアのいずれによっても実現可能であるが、いずれの場合でも、その構成は例えば図10に示すモデルを実現したものとすることができる。例えばソフトウェアにより実現する場合、上記で求めたトナー消費量基本データについては例えばROM106などの記憶素子にテーブルとして記憶しておくことができる。
図10はトナーカウンタのモデルを示す図である。このモデルのトナーカウンタ200は、パルス変調部155から出力される2値信号からドットの連続パターンを判定するパターン判定部201を備える。このパターン判定部201は、与えられる2値信号から主走査方向におけるドットの連続性を判定する。より具体的には、例えば2値で表される信号のうちレーザ点灯に対応する値(例えば値「1」)の連続数を数えてもよく、また2値信号をパルス列と見たときのパルス幅を所定の単位時間(1ドットを形成するためのレーザ点灯時間)で除した値を連続ドット数としてもよい。
トナーカウンタ200は、パターン判定部201の判定結果に基づき、図9の各領域に属するドット数を個別に計数するカウンタ210〜218をさらに備えている。このうち、カウンタ210は上記した領域Iに属するドット、つまり孤立ドットの個数を計数する。画像1ページごとに、当該画像全体における計数結果をカウント値C0として出力する。また、カウンタ211は領域R1に属するドットの個数を計数し、カウント値C1として出力する。同様に、他の各カウンタ212〜218はそれぞれ領域R2〜R8に属するドットの個数を計数し、1ページごとにそれぞれカウント値C2〜C8を出力する。
こうして計数された各カウンタのカウント値C0〜C8に対し、前記したトナー消費量基本データの重み付け係数K0〜K5をそれぞれ乗じる。より具体的には、カウント値C0ないしC4に対しそれぞれ係数K0ないしK4を乗じる。また、カウント値C5、C6、C7およびC8に対しては、それぞれ係数K3、K2、K1およびK5を乗じる。そして、それらの乗算結果を全て合算する。これにより、1ページ分の画像を構成するドットの個数が、その主走査方向の連続性に応じた重み付けをされた上で積算されたことになる。
この積算値に、予め定められた定数Coffを加算する。この定数Coffは、ドットのない部分にもトナーが付着するカブリによって消費される1ページ当たりのトナー量に相当する値であり、ドットを全く形成しない、つまりレーザ光を感光体22に照射させずに画像形成動作を行うことにより予め実験的に求めておくことができる。
この合計値に、補正係数Kxを乗じた値を、画像1ページのトナー消費量TCとすることができる。この補正係数Kxは、別途定められる濃度係数Kdと劣化係数Kaとの積で表される。濃度係数Kxは、装置が画像形成条件の調整によって画像濃度を増減することができるように構成されているとき、その濃度の増減に伴うトナー消費量の増減を補償するためのパラメータであり、標準濃度に対応するデフォルト値を1.0とし、これより高濃度に濃度調整されたときには1より大きく、また低濃度に調整されたときには1より小さな値に設定される。また、劣化係数は、同じ画像形成条件で画像を形成しても、トナーの劣化状態によってトナーの消費量が変動することに対応するためのパラメータである。
図11はトナーの劣化状態とトナー消費量との関係を示す図である。図11に示すように、トナーが新品であるときとその寿命における終期とでは1ドット当たりのトナー消費量が異なり、一般に終期に近いほどトナー消費量が多くなる。これは、使用に伴って現像器内のトナーの粒径分布が変化したり、その流動性や帯電量などの特性が変化することに起因すると考えられる。トナーの特性変化は、トナーが現像に使用されるという要因だけでなく、図1に示すように現像ローラ41と供給ローラ42との摺接によりトナーTが現像ローラ41に対し擦り付けられたり掻き取られたりを繰り返すことによっても進む。このため、トナーの劣化に起因するトナー消費量の増加量は、ほぼ現像器4の稼働時間に比例する。そこで、劣化係数Kaについては、初期値を1.0とし、現像器4の稼働時間に対応する印刷ページの累積値に比例して少しずつ大きくなるようにする。
この劣化係数Kaは、図7に示したトナー消費量基本データ導出処理を、トナーの劣化状態を異ならせて複数回行うことによって求めることが可能である。例えば、トナーが新品であるときと、その寿命終期に近い時期とでそれぞれ図7に示すトナー消費量基本データ導出処理を行い、同じライン幅における測定結果の比を求めることによって、劣化係数Kaの傾きを定めることができる。
以上のように、このトナー消費量算出技術においては、種々のライン幅を有し、いずれも副走査方向に延びるライン画像におけるトナー消費量の実測結果からトナー消費量基本データを求め、このトナー消費量基本データに基づきトナー消費量を算出するようにしている。より具体的には、実際の画像におけるトナー消費量を算出するに際して、画像を構成する各ドットを主走査方向の連続ドット数に応じた重み付けをしてその個数を計数し、その計数結果からトナー消費量を算出している。前記したように、各ドット1つ1つにおけるトナー消費量は、当該ドットの主走査方向および副走査方向のドットの連続性によって異なっている。
この問題に対し、上記トナー消費量算出技術においては、主走査方向におけるドット連続性によるトナー消費量への寄与については、主走査方向の連続ドット数に応じて各ドットに与える重み付けを変えることで、トナー消費量算出結果に反映させるようにしている。一方、トナー消費量に対する副走査方向のドット連続性の寄与については、各ドットへの重み付けの大きさを副走査方向ラインにおけるトナー消費量の測定結果に基づき設定することによりトナー消費量算出結果に反映させるようにしている。このように、このトナー消費量算出技術では、主走査方向および副走査方向のドットの連続性が共に加味されているため、主走査方向のドット連続性のみを考慮した場合に比べて、より精度よくトナー消費量を算出することができる。特に、一般的なビジネス文書のように、文字やラインが主体となっているモノクロ画像において、上記したトナー消費量算出技術によりトナー消費量を精度よく求めることができる。この種の画像では、主走査方向の細線と言えども視認性向上のため数ドット分の幅を与えられていることが多く、大抵の場合、各ドットは副走査方向に隣接するドットを有しているからである。
また、上記のトナー消費量算出技術においては、予め副走査方向のライン画像を用いてトナー消費量基本データを求めておけば、以後のトナー消費量算出処理においては、従来技術と同様に主走査方向のドットの連続性のみを検出してトナー消費量の算出を行うことができ、各ドットについて副走査方向の連続性を考慮する必要がないので、算出処理を簡単にすることができる。
以上説明したように、この実施形態においては、露光ユニット6および現像器4が本発明の「露光手段」および「現像手段」としてそれぞれ機能している。また、トナーカウンタ200が本発明の「トナー消費量算出手段」として機能している。
なお、本発明は上記した実施形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない限りにおいて上述したもの以外に種々の変更を行うことが可能である。例えば、上記においては各ドットへの重み付け係数を1組のみ用意しているが、解像度やプロセス速度などを変更可能に構成された画像形成装置では、これらの設定によって1ドット当たりのトナー消費量が異なることが考えられるため、装置の動作モード設定に応じて重み付け係数や領域の区分を変更してもよい。
また、上記実施形態では、副走査方向に延びるラインからなるライン画像におけるトナー消費量の測定結果からトナー消費量基本データを求めている。このため、特に副走査方向に延びるラインを多く含む画像において、高いトナー消費量算出精度を得ることができる。また、計算上のトナー消費量より実際のトナー消費量が多くなるという問題は生じない。これに対し、主走査方向の極めて細いラインを多く含む画像やハーフトーン画像においてより実際のトナー消費量に近い計算結果を得たいという目的のためには、以下のようにした方がよい場合もある。
図12はトナー消費量基本データの導出方法の他の例を示す図である。この導出方法においては、副走査方向のライン画像だけでなく、主走査方向のライン画像も形成してそれぞれのトナー消費量を個別に求め、その結果に基づきトナー消費量基本データを求めるという点で図7の処理とは異なっている。具体的には、ステップS201ないしS204の処理は図7のステップS101ないしS104の処理と同じであり、副走査方向のライン画像を形成して1ドット当たりの消費量を求めるという処理である。ただし、この変形例では、続いて主走査方向のライン画像を形成し、同様に1ドット当たりのトナー消費量を求める(ステップS205ないしS207)。このときのライン幅およびライン間隔については、副走査方向のライン画像と同じとして印字デューティを同じにすることが望ましい。
これを種々のライン幅において繰り返し行い(ステップS208)、主走査方向および副走査方向のライン画像において得られた結果を同一のライン幅同士で平均値を取り(ステップS209)、その平均値に基づいてトナー消費量基本データを作成する(ステップS210、S211)。ここで、2つのデータの平均値を使用することにより、主走査方向、副走査方向へのドットの並びが混在した一般的な画像においてトナー消費量の算出精度を高めることができる。また、2つのデータのうちより値の大きな方を用いることにより、計算上のトナー消費量が実際の消費量より小さくならないようにしてもよい。要するに、この変形例の趣旨は、副走査方向ラインにおけるトナー消費量の測定結果をそのままトナー消費量基本データとするのでなく、該結果を主走査方向ラインにおける測定結果で補正してトナー消費量基本データとする点にある。
また、上記実施形態では、副走査方向に沿って延びるライン画像、つまり主走査方向に沿った成分を持たないライン画像を形成しているが、本発明の趣旨からは少なくとも副走査方向の成分を持つライン画像を形成すればよく、この点からは主走査方向の成分を有する斜めのライン画像を形成してもよい。ただし、斜めのラインにおいては当該ラインを構成する各ドットの中には副走査方向の隣接ドットを持つものと持たないものとが混在することになり、測定結果に対する処理がより複雑になる可能性があるので、主走査方向の成分についてはあまり大きくしない方が望ましい。
また、副走査方向の成分のみを有する画像では、感光体22表面の特定位置に形成された潜像が現像ローラ41の特定位置に担持されたトナーによって現像されるという状況が終始継続されるため、感光体22や現像ローラ41の局所的な特性ばらつきがトナー消費量基本データに影響を及ぼすことがある。この影響を抑えるため、ライン画像を次のようなものとしてもよい。
図13はライン画像の他の例を示す図である。図13のライン画像L4では、主走査方向のライン幅が一定で副走査方向に沿って延びるラインを、所定長さごとに主走査方向の位置を変えながら形成している。このようにすると、ライン画像L4の全体は感光体22および現像ローラ41表面がまんべんなく使用されて形成されることとなるので、上記のような問題を回避することができる。また、このようにしても全体の印字デューティは変わらない。このようなライン画像L4は、巨視的には斜めのラインの集合体とみることができる。
また、上記実施形態の画像形成装置は、ブラックトナーを貯留した現像器を1個だけ備えるモノクロ画像専用の画像形成装置であるが、本発明はこれに限定されるものではなく、複数色のトナーを使用してカラー画像を形成する装置など、トナーを使用して画像を形成する画像形成装置全般に対しても適用可能である。この場合において、本発明にかかるトナー消費量算出技術については全トナー色に対して適用してもよく、またブラック色のみに対し適用してもよい。さらに、当該装置においてモノクロ画像を形成するときにのみ本発明のトナー消費量算出技術を適用してもよい。このような画像において本発明は特に優れた算出精度を得ることができるからである。
本発明を好適に適用可能な画像形成装置の一形態を示す図。 図1の画像形成装置の電気的構成を示すブロック図。 図1の画像形成装置における信号処理部を示すブロック図。 ライン画像を示す図。 ライン画像におけるトナー消費量を示す図。 主走査方向ラインと副走査方向ラインとの違いを説明するモデルを示す図。 トナー消費量基本データの導出方法を示すフローチャート。 ライン画像におけるライン幅とライン間隔との関係を示す模式図。 係数テーブル作成の原理を示す図。 トナーカウンタのモデルを示す図。 トナーの劣化状態とトナー消費量との関係を示す図。 トナー消費量基本データの導出方法の他の例を示す図。 ライン画像の他の例を示す図。
符号の説明
4…現像器(現像手段)、 6…露光ユニット(露光手段)、 22…感光体、 41…現像ローラ、 121…レーザドライバ、 155…パルス変調部、 200…トナーカウンタ(トナー消費量算出手段)、 IM…画像領域、 L1〜L4…ライン画像(ライン状トナー像)

Claims (8)

  1. 周回移動する感光体と、
    画像信号に応じて点灯制御した光ビームを、前記感光体表面に対しその移動方向に直交する方向に走査して前記感光体表面を露光することで、前記感光体表面に前記画像信号に対応する静電潜像を形成する露光手段と、
    前記静電潜像をトナーにより現像してトナー像を形成する現像手段と、
    前記画像信号に基づき前記トナー像を構成するドットの数を計数し、該計数結果に基づいて前記現像手段により消費されるトナーの消費量を算出するトナー消費量算出手段と
    を備え、
    前記トナー消費量算出手段は、前記光ビームの走査方向における連続ドット数に応じて重み付けしたドットの計数結果に基づいてトナー消費量を算出し、しかも、前記重み付けの大きさは、連続ドット数に対応するライン幅で前記移動方向の成分を有するライン状に形成されたライン状トナー像におけるトナー消費量を表すトナー消費量基本データに基づいて定められている
    ことを特徴とする画像形成装置。
  2. 前記トナー消費量算出手段は、前記トナー像を構成するドットの数を、前記走査方向における連続ドット数によって分類しながら各分類ごとに計数し、各分類ごとの計数結果に当該分類に対応する重み付け係数を乗じた値の合計に基づきトナー消費量を算出する請求項1に記載の画像形成装置。
  3. 前記重み付け係数は、所定の連続ドット数において最大値を取る一方、より大きな連続ドット数およびより小さな連続ドット数ではより小さな値を取る請求項2に記載の画像形成装置。
  4. 前記重み付け係数は、所定値以上の連続ドット数では一定値である請求項3に記載の画像形成装置。
  5. 前記重み付け係数は、複数段階に区分された連続ドット数の各区分に対し1つずつ設定されており、各区分における重み付け係数は、当該区分における1ドット当たりのトナー消費量の最大値に対応する値である請求項2に記載の画像形成装置。
  6. 1ドット当たりのトナー消費量の最小値から最大値までを複数段階に区分し、該トナー消費量の区分において同一区分に属する連続ドット数の値が前記連続ドット数の区分において同一区分となるように、前記連続ドット数の区分が定められている請求項5に記載の画像形成装置。
  7. 前記トナー消費量算出手段は、トナーの劣化状態に応じて前記重み付けの大きさを変更する請求項1ないし6のいずれかに記載の画像形成装置。
  8. 周回移動する感光体表面に、画像信号に応じて点灯制御した光ビームを前記感光体表面の移動方向に直交する方向に走査露光して前記画像信号に対応する静電潜像を形成し、該静電潜像をトナーにより現像してトナー像を形成する画像形成装置におけるトナー消費量を算出するトナー消費量算出方法であって、
    前記画像信号に基づき前記トナー像を構成するドットの数を計数し、該計数結果に前記光ビームの走査方向における連続ドット数に応じた重み付けをした結果に基づいてトナー消費量を算出し、しかも、
    前記重み付けの大きさは、連続ドット数に対応するライン幅で前記移動方向の成分を有するライン状に形成されたライン状トナー像におけるトナー消費量を表すトナー消費量基本データに基づいて定める
    ことを特徴とするトナー消費量算出方法。
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JP2011145639A (ja) * 2009-12-18 2011-07-28 Konica Minolta Business Technologies Inc 画像形成装置
JP2012048055A (ja) * 2010-08-27 2012-03-08 Kyocera Mita Corp 画像形成装置及びトナー消費量算出方法

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