JP2006098952A - 画像形成装置、トナーカウンタおよびトナー消費量算出方法 - Google Patents

画像形成装置、トナーカウンタおよびトナー消費量算出方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 画像形成装置におけるトナー消費量を精度よく求める。
【解決手段】 処理対象となるトナードット(ハッチングを付した丸印)を、その周囲に存在する隣接ドット(白丸印)の個数に応じて分類し、その分類ごとにドット個数をカウントする。隣接ドット個数によって当該トナードットのトナー付着量が異なるので、その差異に対応した重み付け係数K0〜K8を予め設定しておく。そして、各分類ごとのカウント値に、当該分類に対応する係数を乗じて加算することで、ドットが2次元的に配列された状態でのトナー消費量を精度よく求めることができる。
【選択図】 図7

Description

この発明は、画像形成装置におけるトナーの消費量を算出する技術に関するものである。
プリンタ、複写機、ファクシミリ装置など、トナーを使用して画像を形成する電子写真方式の画像形成装置においては、トナー補給などメンテナンスの都合上、トナーの消費量あるいは残量を把握する必要がある。そこで、トナーの消費量を精度よく求めるための技術(以下、「トナーカウント技術」という)が従来より提案されている。例えば、特許文献1に記載のトナー消費量検出方法では、印刷ドット列をそのドットの連続状態に応じて複数のパターンに分類し、それらの発生回数を個別に計数する。そして、それらの計数値にそれぞれ所定の係数を乗じて加算することによって全トナー消費量を算出する。こうすることによって、ドットの連続状態の差異に起因するドット個数とトナー付着量との間の非線形性によらず高精度にトナー消費量を求めている。
特開2002−174929号公報(図2)
実際の画像形成動作においては、上記のような印刷ドット列を多数並べて形成することによって2次元画像を得ている。しかしながら、上記した従来のトナーカウント技術においては、このような2次元画像内における1つの方向(列方向)のドット連続性のみしか考慮していないため、算出精度の点で改善の余地が残されていた。
この発明は上記課題に鑑みなされたものであり、画像形成装置におけるトナー消費量を精度よく求めることのできる技術を提供することを目的とする。
この発明にかかる画像形成装置は、上記目的を達成するため、その表面に静電潜像を担持可能な潜像担持体と、前記潜像担持体表面の静電潜像をトナーにより顕像化してトナー像を形成する現像手段と、前記現像手段によるトナー消費量を算出するトナー消費量算出手段とを備え、前記トナー消費量算出手段は、前記潜像担持体上に形成されるトナードットの2次元的配列状態に基づいてトナー消費量を算出することを特徴としている。
また、この発明にかかるトナーカウンタは、潜像担持体表面の静電潜像をトナーにより顕像化してトナー像を形成する画像形成装置に用いられるトナーカウンタにおいて、上記目的を達成するため、前記潜像担持体上に形成されるトナードットの2次元的配列状態に基づいてトナー消費量を算出することを特徴としている。
さらに、この発明にかかるトナー消費量算出方法は、潜像担持体表面の静電潜像をトナーにより顕像化してトナー像を形成する画像形成装置におけるトナー消費量算出方法において、上記目的を達成するため、前記潜像担持体上に形成されるトナードットの2次元的配列状態に基づいてトナー消費量を算出することを特徴としている。
潜像担持体上に形成される静電潜像は2次元的な広がりを有しているため、一軸方向のみならず、他の方向へのドットの配列状態によってもトナーの付着量は異なる。このため、同じ1ドットであっても、ドット形成に消費されるトナーの量はその周囲のドットの配列状態によって異なる。ドットの配列状態によってトナー付着量が相違するのは、近接位置にあるドットそれぞれに対応する潜像が互いに干渉しあうことや、ドットの端部で中央部よりもトナー密度が高くなる現象(エッジ効果)に起因すると考えられる。そこで、本発明では、ドットの2次元的配列状態に基づきトナー消費量を算出するようにしている。こうすることで、一軸方向のドット配列状態のみを考慮している従来のトナーカウント技術に比べより高い精度でトナー消費量を算出することができる。
その具体的な態様としては、例えば、前記潜像担持体上に互いに位置を異ならせた複数のライン状潜像を形成することによって2次元の静電潜像を前記潜像担持体表面に形成する潜像形成手段と、前記ライン状潜像の複数ライン分に相当する画像データを記憶する記憶手段とを設け、該記憶手段に記憶された画像データに基づいて前記トナードットの配列状態を判定するように構成することができる。ライン状潜像の1ライン分の画像データから1次元のドット配列状態がわかる(従来技術)。そして、隣接する複数のライン状潜像それぞれの画像データを記憶しておけば、それらの画像データから2次元のドット配列状態を判定することができる。こうして判定されたドットの2次元的な配列状態に基づいてトナー消費量を算出することで、トナー消費量を精度よく求めることが可能となる。
なお、この場合の記憶手段は、例えば1ページ分の画像データを全て記憶しておく必要はない。というのは、当該トナードットから遠く離れた位置におけるドットの存在は当該トナードットのトナー付着量にあまり影響を与えないため、1ページのうち一部のライン(数ライン程度)に相当する画像データを記憶しておけば十分な精度を得ることができるからである。そして、1ライン分の演算処理が終われば先の1ライン分のデータを消去して次の1ライン分のデータを書き込むようにすればよい。このような目的のためには、いわゆるファーストイン・ファーストアウト構成のレジスタやリングバッファなどを用いることができる。
この発明は、例えば、所定の表面電位に帯電させた感光体(潜像担持体)表面をレーザ光により走査露光またはLEDアレイの発光により露光することでライン状潜像を形成しながらこれらの光源と感光体とを相対移動させることで、2次元的な静電潜像を形成するように構成された画像形成装置に対して特に好適に適用することができる。
トナー消費量の算出の具体的な態様の一つは、前記潜像担持体上に形成される複数のトナードットそれぞれのトナー消費量を、前記潜像担持体表面のうち当該トナードットを取り囲む所定領域内に形成されるトナードットの数に基づいて算出することである。1つのトナードットのトナー消費量は一定ではなく、当該トナードットの周辺領域に他のトナードットがどのように分布しているかによって異なる。例えば、2つのトナードットが隣接している場合、1ドット当たりのトナー量は、周囲に他のドットが存在しない孤立ドットの場合よりも多くなることが知られている。一方、当該トナードットから遠く離れた位置にあるドットの存在は、当該トナードットのトナー消費量に及ぼす影響が小さい。
そこで、当該トナードットの周囲に形成されるトナードットの個数に応じて当該トナードットのトナー消費量を算出することが好ましい。例えば、ドット径を単位長さとして当該トナードットを中心とするN×N(N=3,5,…)のマトリクスを仮想的に設定し、そのマトリクス内のドット個数(中心ドットを除く)に応じて、中心ドットのトナー消費量を見積もることができる。周囲ドットの個数と中心ドットのトナー消費量との関係は、予め実験的に求めておくことが可能である。
こうすることで、各トナードットごとのトナー消費量を見積もることができるが、例えばジョブ単位やページ単位など、所定の単位期間内に消費されたトナーの総量を求めるためには、当該期間内に形成された前記複数のトナードットそれぞれのトナー消費量を積算すればよい。
また、前記潜像担持体上に形成される複数のトナードットを、前記潜像担持体表面のうち当該トナードットを取り囲む所定領域内に形成されるトナードットの数に応じて分類するとともにその分類ごとのトナードットの個数をカウントし、各分類ごとのカウント値と、各分類ごとに予め定められた重み付け係数との積和演算によってトナー消費量を算出するようにしても、同様の結果を得ることができる。この場合における重み付け係数は、周囲のドット個数に応じて求められた、当該トナードット1ドットのトナー消費量に相当する値である。
図1はこの発明にかかる画像形成装置の一実施形態の構成を示す図である。また、図2は図1の画像形成装置の電気的構成を示すブロック図である。この装置1は、イエロー(Y)、シアン(C)、マゼンタ(M)、ブラック(K)の4色のトナー(現像剤)を重ね合わせてフルカラー画像を形成したり、ブラック(K)のトナーのみを用いてモノクロ画像を形成する画像形成装置である。この画像形成装置1では、ホストコンピュータなどの外部装置から画像信号がメインコントローラ11に与えられると、このメインコントローラ11からの指令に応じてエンジンコントローラ10がエンジン部EG各部を制御して所定の画像形成動作を実行し、シートSに画像信号に対応する画像を形成する。
このエンジン部EGでは、感光体22が図1の矢印方向D1に回転自在に設けられている。また、この感光体22の周りにその回転方向D1に沿って、帯電ユニット23、ロータリー現像ユニット4およびクリーニング部25がそれぞれ配置されている。帯電ユニット23は所定の帯電バイアスを印加されており、感光体22の外周面を所定の表面電位に均一に帯電させる。クリーニング部25は一次転写後に感光体22の表面に残留付着したトナーを除去し、内部に設けられた廃トナータンクに回収する。これらの感光体22、帯電ユニット23およびクリーニング部25は一体的に感光体カートリッジ2を構成しており、この感光体カートリッジ2は一体として装置1本体に対し着脱自在となっている。
そして、この帯電ユニット23によって帯電された感光体22の外周面に向けて露光ユニット6から光ビームLが照射される。この露光ユニット6は、外部装置から与えられた画像信号に応じて光ビームLを感光体22上に露光して画像信号に対応する静電潜像を形成する。
こうして形成された静電潜像は現像ユニット4によってトナー現像される。すなわち、この実施形態では、現像ユニット4は、図1紙面に直交する回転軸中心に回転自在に設けられた支持フレーム40、支持フレーム40に対して着脱自在のカートリッジとして構成されてそれぞれの色のトナーを内蔵するイエロー用の現像器4Y、シアン用の現像器4C、マゼンタ用の現像器4M、およびブラック用の現像器4Kを備えている。この現像ユニット4は、エンジンコントローラ10により制御されている。そして、このエンジンコントローラ10からの制御指令に基づいて、現像ユニット4が回転駆動されるとともにこれらの現像器4Y、4C、4M、4Kが選択的に感光体22と所定のギャップを隔てて対向する所定の現像位置に位置決めされると、当該現像器に設けられて選択された色の帯電トナーを担持するとともに所定の現像バイアスを印加された金属製の現像ローラ44から感光体22の表面にトナーを付与する。これによって、感光体22上の静電潜像が選択トナー色で顕像化される。
各現像器4Y、4C、4M、4Kには、当該現像器に関する情報を記憶するための不揮発性メモリ91〜94がそれぞれ設けられている。そして、各現像器に設けられたコネクタ49Y、49C、49M、49Kのうち必要に応じて選択された1つと、本体側に設けられたコネクタ109とが互いに接続され、エンジンコントローラ10のCPU101とメモリ91〜94との間で通信が行われる。こうすることで、各現像器に関する情報がCPU101に伝達されるとともに、各メモリ91〜94内の情報が更新記憶される。なお、CPU101と各メモリ91〜94との間の通信は、上記のようにコネクタによる機械的接触によって行うものに限定されず、例えば無線通信などの非接触通信手段によってもよい。
上記のようにして現像ユニット4で現像されたトナー像は、一次転写領域TR1で転写ユニット7の中間転写ベルト71上に一次転写される。転写ユニット7は、複数のローラ72〜75に掛け渡された中間転写ベルト71と、ローラ73を回転駆動することで中間転写ベルト71を所定の回転方向D2に回転させる駆動部(図示省略)とを備えている。そして、カラー画像をシートSに転写する場合には、感光体22上に形成される各色のトナー像を中間転写ベルト71上に重ね合わせてカラー画像を形成するとともに、カセット8から1枚ずつ取り出され搬送経路Fに沿って二次転写領域TR2まで搬送されてくるシートS上にカラー画像を二次転写する。
このとき、中間転写ベルト71上の画像をシートS上の所定位置に正しく転写するため、二次転写領域TR2にシートSを送り込むタイミングが管理されている。具体的には、搬送経路F上において二次転写領域TR2の手前側にゲートローラ81が設けられており、中間転写ベルト71の周回移動のタイミングに合わせてゲートローラ81が回転することにより、シートSが所定のタイミングで二次転写領域TR2に送り込まれる。
また、こうしてカラー画像が形成されたシートSは定着ユニット9、排出前ローラ82および排出ローラ83を経由して装置本体の上面部に設けられた排出トレイ部89に搬送される。また、シートSの両面に画像を形成する場合には、上記のようにして片面に画像を形成されたシートSの後端部が排出前ローラ82後方の反転位置PRまで搬送されてきた時点で排出ローラ83の回転方向を反転し、これによりシートSは反転搬送経路FRに沿って矢印D3方向に搬送される。そして、ゲートローラ81の手前で再び搬送経路Fに乗せられるが、このとき、二次転写領域TR2において中間転写ベルト71と当接し画像を転写されるシートSの面は、先に画像が転写された面とは反対の面である。このようにして、シートSの両面に画像を形成することができる。
また、ローラ75の近傍には、濃度センサ60およびクリーナ76が設けられている。濃度センサ60は、必要に応じ、中間転写ベルト71上に形成されるトナー像を構成するトナー量を光学的に検出する。すなわち、濃度センサ60は、トナー像に向けて光を照射するとともに該トナー像からの反射光を受光し、その反射光量に応じた信号を出力する。クリーナ76は、中間転写ベルト71に対し離当接自在に構成され、必要に応じて中間転写ベルト71に当接することで、該ベルト71上の残留トナーを掻き落とす。
また、この装置1では、図2に示すように、メインコントローラ11のCPU111により制御される表示部12を備えている。この表示部12は、例えば液晶ディスプレイにより構成され、CPU111からの制御指令に応じて、ユーザへの操作案内や画像形成動作の進行状況、さらに装置の異常発生やいずれかのユニットの交換時期などを知らせるための所定のメッセージを表示する。
なお、図2において、符号113はホストコンピュータなどの外部装置よりインターフェース112を介して与えられた画像を記憶するためにメインコントローラ11に設けられた画像メモリである。また、符号106はCPU101が実行する演算プログラムやエンジン部EGを制御するための制御データなどを記憶するためのROM、また符号107はCPU101における演算結果やその他のデータを一時的に記憶するRAMである。
図3はこの装置における信号処理ブロックを示す図である。この画像形成装置では、ホストコンピュータ100などの外部装置から画像信号が入力されると、メインコントローラ11がその画像信号に対し所定の信号処理を施す。メインコントローラ11は、色変換部114、階調補正部115、ハーフトーニング部116、パルス変調部117、階調補正テーブル118および補正テーブル演算部119などの機能ブロックを備えている。
また、エンジンコントローラ10は、図2に示すCPU101、ROM106、RAM107以外に、露光ユニット6に設けられたレーザ光源を駆動するためのレーザドライバ121と、濃度センサ60の検出結果に基づきエンジン部EGのガンマ特性を示す階調特性を検出する階調特性検出部123を備えている。
なお、メインコントローラ11およびエンジンコントローラ10においては、これらの各機能ブロックはハードウェアにより構成されてもよく、またCPU111、101により実行されるソフトウェアによって実現されてもよい。
ホストコンピュータ100から画像信号が与えられたメインコントローラ11では、色変換部114がその画像信号に対応する画像内の各画素のRGB成分の階調レベルを示したRGB階調データを、対応するCMYK成分の階調レベルを示したCMYK階調データへ変換する。この色変換部114では、入力RGB階調データは例えば1画素1色成分当たり8ビット(つまり256階調を表す)であり、出力CMYK階調データも同様に1画素1色成分当たり8ビット(つまり256階調を表す)である。色変換部114から出力されるCMYK階調データは階調補正部115に入力される。
この階調補正部115は、色変換部114から入力された各画素のCMYK階調データに対し階調補正を行う。すなわち、階調補正部115は、不揮発性メモリに予め登録されている階調補正テーブル118を参照し、その階調補正テーブル118にしたがい、色変換部114からの各画素の入力CMYK階調データを、補正された階調レベルを示す補正CMYK階調データに変換する。この階調補正の目的は、上記のように構成されたエンジン部EGのガンマ特性変化を補償して、この画像形成装置の全体的ガンマ特性を常に理想的なものに維持することにある。
こうして補正された補正CMYK階調データは、ハーフトーニング部116に入力される。このハーフトーニング部116は誤差拡散法、ディザ法、スクリーン法などのハーフトーニング処理を行い、1画素1色当たり8ビットのハーフトーンCMYK階調データをパルス変調部117に入力する。ハーフトーニング処理の内容は、形成すべき画像の種類により異なる。すなわち、その画像がモノクロ画像かカラー画像か、あるいは線画かグラフィック画像かなどの判定基準に基づき、その画像に最適な処理内容が選択され実行される。
このパルス変調部117に入力されたハーフトーニング後のCMYK階調データは、各画素に付着させるべきCMYK各色のトナードットのサイズおよびその配列を示す多値信号であり、かかるデータを受け取ったパルス変調部117は、そのハーフトーンCMYK階調データを用いて、エンジン部EGのCMYK各色画像の露光レーザパルスをパルス幅変調するためのビデオ信号を作成し、図示を省略するビデオインターフェースを介してエンジンコントローラ10に出力する。そして、このビデオ信号を受けたレーザドライバ121が露光ユニット6の半導体レーザをON/OFF制御して各色成分の静電潜像を感光体22上に形成する。このようにして画像信号に対応した画像形成を行う。
また、この種の画像形成装置では、装置のガンマ特性が装置個体ごとに、また同一の装置においてもその使用状況によって変化する。そこで、このようなガンマ特性のばらつきが画像品質に及ぼす影響を除くため、所定のタイミングで、前記した階調補正テーブル118の内容を画像濃度の実測結果に基づいて更新する階調制御処理を実行する。
この階調制御処理では、各トナー色毎に、ガンマ特性を測定するために予め用意された階調補正用の階調パッチ画像がエンジン部EGによって中間転写ベルト71上に形成され、各階調パッチ画像の画像濃度を濃度センサ60が読み取り、その濃度センサ60からの信号に基づき階調特性検出部123が各階調パッチ画像の階調レベルと、検出した画像濃度とを対応させた階調特性(エンジン部EGのガンマ特性)を作成し、メインコントローラ11の補正テーブル演算部119に出力する。そして、補正テーブル演算部119が、階調特性検出部123から与えられた階調特性に基づき、実測されたエンジン部EGの階調特性を補償して理想的な階調特性を得るための階調補正テーブルデータを計算し、階調補正テーブル118の内容をその計算結果に更新する。こうして階調補正テーブル118を変更設定する。こうすることで、この画像形成装置では、装置のガンマ特性のばらつきや経時変化によらず、安定した品質で画像を形成することができる。
次に、この画像形成装置において、各現像器4Y等に貯留されたトナーが画像形成によって消費される量を算出する方法について説明する。トナー像は多くのトナードットで構成されており、各トナードットの形成に消費されるトナー量の合計を求めることで全体のトナー消費量が求められる。この画像形成装置では、トナー消費量を求めるため、図3に示すように、パルス変調部117から出力されるパルス信号(ビデオ信号)データを一時的に記憶するデータバッファ120と、該バッファに記憶されたデータに基づきトナー消費量を算出するトナーカウンタ220とを設けている。
図4はパルス信号データの一例を示す図である。この装置では、露光ユニット6のレーザ光源が感光体22表面を一方向(以下、この方向を「主走査方向」という)に走査露光するとともに、感光体表面が主走査方向に直交する方向(以下、「副走査方向」という)に移動することで2次元の静電潜像を感光体表面に形成する。パルス変調部117から出力されるパルス信号の1サイクルは、露光ユニット6による主走査方向の1走査ラインに相当する。そして、そのサイクルのうちパルス信号が1(Hレベル)に維持される期間、レーザ光源が点灯する一方、パルス信号が0(Lレベル)に維持される期間はレーザ光源は消灯している。なお、ここでは、レーザのオン・オフは1ドット単位で行われるものとして説明する。
データバッファ120は、1走査ラインで形成可能なドット個数、つまり走査ラインの長さに主走査方向における分解能を乗じた値に相当するデータ長を有している。そして、上記したパルス信号を1/0の2値データとみなし、その1サイクル分、すなわち1走査ライン分の1ワードとして、連続する3ワードを記憶する。例えば、走査ラインの長さを約20cm、主走査方向における分解能を600dpiとすると、1ワードのデータ長は約4700ビットとなるが、理解を容易にするために、以下では1ワードを30ビットとして説明する。
図5はデータバッファの記憶内容を示す模式図である。この図では、値1を取るビットを丸印で示し、値0を取るビットを空欄としている。3ワード分のデータを並べてみると、感光体22上における30×3ドットのマトリクス平面におけるトナードットの分布の様子が明らかになる。例えば、符号Aに対応するドットについてみると、その上下に1つずつ別のドットが存在する。一方、符号Bに対応するドットの周囲には他のドットが存在しない。このことから、符号Aに対応するドットには、その周囲に形成されるドットとの相互作用により、符号Bに対応するドット(孤立ドット)よりも多くのトナーが付着するものと予想される。同様に、感光体22上に形成される各トナードットにおけるトナー付着量は、その周囲のトナードットの有無によって異なる。言い換えれば、そのトナードットを形成するためのトナー消費量は、当該ドットの周囲のドットの個数から見積もることができる。
したがって、図5に示すマトリクス平面における各ドットを形成するための総トナー消費量は、次に示す2つの方法(1)または(2)よって求めることができるが、両者は単に計算の手順が異なるのみで結果的には同じである。
(1)マトリクス平面内の各ドットごとのトナー消費量を、その周囲のドットの個数に基づいて求め、それを全ドットについて合計する;
(2)マトリクス平面内の各ドットを、その周囲のドット個数に応じて分類してその分類ごとに個数をカウントし、そのカウント値に、1ドット当たりのトナー量に相当する係数(分類ごとに設定される)を乗じたものを合計する。
本実施形態のトナーカウンタ220では、上記(2)の方法により1ページ当たりのトナー消費量を求めており、その具体的な動作について以下説明する。
図6はトナーカウンタの構成を示す図である。また、図7は隣接ドットの個数によるトナードットの分類を示す図である。なお、図7においては、処理の対象となるトナードットをハッチングを付した丸印で、後述する隣接ドットを白丸印で示している。
このトナーカウンタ220は、データバッファ120に記憶されたデータに基づいて、1ページの画像内に形成される各トナードットを、当該ドットの周囲に形成されるドットの個数に応じて分類するパターン判定回路221を備えている。パターン判定回路221は、当該トナードットを中心とする3×3マトリクス平面内に、当該ドット以外のドット(以下、「隣接ドット」という)がいくつあるかを各トナードットごとに判定し、その結果に応じて、後段に設けられたカウンタ230〜237のいずれかに対して値1を出力する。例えば、判定の対象となっているトナードットが、図5に示すドットBのように孤立ドットである場合には、隣接ドットの個数は0であるので、カウンタ230に対し値1を出力する。また、図5のドットAのように、3×3平面内の隣接ドットが2個である場合には、カウンタ232に値1を出力する。カウンタ230〜237は、所定の単位期間、例えば画像1ページ分に相当する期間内にパターン判定回路221から出力される値1の回数をカウントする。これにより、各カウンタ230,231,232,233,234,235,236,237および238では、1ページの画像を構成する全てのトナードットのうち、隣接ドットの個数が0,1,2,3,4,5,6,7および8個であるものの個数C0,C1,C2,C3,C4,C5,C6,C7およびC8がそれぞれカウントされることとなる。
そして、1ページ分のカウントが済むと、各カウンタ230〜238はそのカウント値C0〜C8を出力する。そのカウント値C0〜C8にそれぞれ係数K0〜K8を乗じて互いに加算し、さらに係数Kxを乗じることで、当該ページの画像形成によるトナー消費量TCを算出する。すなわち、トナー消費量TCは、次式:
TC=Kx・(K0・C0+K1・C1+K2・C2+ … +K7・C7+K8・C8)
…(式1)
により求められる。なお、前述した(1)の算出方法では、トナードットの出現ごとに、その隣接ドット個数に応じた係数K0等をそのドットに応じた重みとして選択し、その値を1ページ分累積加算してゆくこととなる。したがって、(1)の方法によっても、トナー消費量は(式1)で表される結果となる。
各係数K0〜K8は、隣接ドットの個数によってその中心のドットに付着するトナー量が異なることに対応した重み付けがなされている。図7の例は、例えば隣接ドット個数が0であるドット(孤立ドット)および隣接ドット個数が2個であるドットには、隣接ドット個数が5であるドットに比べてそれぞれ0.9倍および1.3倍のトナーが付着することを表している。
また、係数Kxは標準的なドット(ここでは隣接ドット個数が5であるドット)における1ドット当たりのトナー付着量に相当する値である。上記のように、隣接ドット個数によるトナー付着量の違いに応じた重み付けをした上で加算した総ドット個数に係数Kxを乗じることによって、1ページの画像を形成するのに消費されたトナー量TCを算出することができる。これらの係数は実験的に求めることができる。すなわち、パターンの異なる種々の画像を形成し、ドット数を隣接ドット個数ごとに分類してカウントするとともにトナー消費量を測定し、実測値と計算値とができるだけ一致するように、各係数K0〜K8およびKxを定めればよい。なお、各係数については、トナー色ごとに個別に求めておく必要がある。
なお、この算出方法によれば、1つの走査ライン上に存在する各トナードットのトナー消費量を個別に算出するためには、当該走査ラインおよびその前後(または上下)1ラインずつの計3ライン分のパルス信号データがあれば足りる。したがって、この実施形態では、データバッファ120が3走査ライン分のデータを記憶しておき、1つのライン上の全てのトナードットについてパターンの判定が済んだ時点で、最も古い1ライン分のデータを消去するとともに、次の1ライン分のデータを新たに記憶するようにしている。
図8はトナードットの配列とトナーカウントの実例を示す図である。この例では、1ページを30×10ドット構成として場合のトナー消費量を算出する。図8において、数字の記入された欄にはトナードットが存在し、また数字は当該ドットに隣接するドットの個数を示している。この例では、全トナードット数は92であり、そのうち隣接ドット個数が0,1,2,3,4,5,6,7および8であるドットの個数C0,C1,C2,C3,C4,C5,C6,C7およびC8は、それぞれ5,14,25,4,12,16,16,0および0である。これらに係数K0〜K8を乗じて加算した、「重み付けされた」ドット個数は103となる。この数値には、単純にドット個数をカウントする従来技術や1次元のドットの連続状態のみを考慮した従来技術では考慮されていない、2次元のドット配列状態がトナー消費量に及ぼす影響が加味されている。このため、実際には2次元的に広がる画像のトナー消費量をより精度よく求めることができる。
なお、こうしてトナーカウンタ220により算出された1ページ当たりのトナー消費量については、例えばCPU101において累積加算しRAM107に記憶しておき、現像器の消耗品管理に供することができる。例えば、通算のトナー消費量がある値に達したときに、現像器内のトナー残量が所定量を下回ったとして、ユーザにトナーが残り少ないことを示すメッセージや、現像器交換を促すメッセージなどを表示部12に表示させることができる。
図9はトナー消費量の計算値と実測値との対応を示すグラフである。様々な画像について、本実施形態によりトナー消費量を算出するとともに、その結果を実測されたトナー消費量と比較してみると、図9に示すように、両者の間には良好な比例関係(相関係数R=0.9918)が成立しており、この算出方法により精度よくトナー消費量を算出できることが確認された。
以上のように、この実施形態では、各トナードットごとのトナー消費量が、そのドット周辺のドットの存在によって変化することに対応して、各トナードットを隣接ドット個数ごとに分類してカウントし、そのカウント値からトナー消費量を求めている。特に、ドットの2次元的な配列状態に基づいてトナードットの分類を行っているので、ドットの個数を単純加算する従来技術や、1次元のみの配列状態を考慮した従来技術と比較して、より精度よくトナー消費量を求めることが可能となっている。
なお、各現像器に貯留されたトナーは、上記した画像形成以外の用途に消費される場合がある。例えば、この種の画像形成装置では、感光体22表面のうち本来ドットを形成すべきでない部分にまで微量のトナーが付着してしまう現象(カブリ)がよく知られている。カブリによるトナー消費量は、画像パターンとはあまり相関性がなく、むしろ形成した画像の総面積に左右される。したがって、カブリによるトナー消費量については、画像形成枚数や現像器の駆動時間など、画像面積に関連する値に一定の比率を乗じて求めることができる。また、ユーザの要求によらず装置内部で使用されるテストパターンなどを形成する場合には、これらによって消費されるトナーの量を別途計算する必要がある。そして、こうして求めた画像形成以外の用途に消費されたトナーの量をオフセット値として前記した計算式(式1)に加算することで、装置全体としてのトナー消費量を精度よく求めることが可能となる。
以上説明したように、この実施形態においては、感光体22、現像ユニット4、露光ユニット6が、それぞれ本発明の「潜像担持体」、「現像手段」および「潜像形成手段」として機能している。また、トナーカウンタ220が本発明の「トナー消費量算出手段」および「トナーカウンタ」として機能している。また、データバッファ120が本発明の「記憶手段」として機能している。また、当該トナードットを中心とする3×3ドットマトリクス平面が、本発明にいう「所定領域」に相当している。
なお、本発明は上記した実施形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない限りにおいて上述したもの以外に種々の変更を行うことが可能である。例えば、上記実施形態のトナーカウンタ220では、処理の対象とするトナードットを中心とする3×3のマトリクス平面内に存在するドット個数に応じてトナードットを分類しているが、これに限定されず、例えば当該ドットを中心として5×5ドットの平面を考えてもよい。ただし、この場合、データバッファは5ライン分のデータを記憶しておく必要があるので、より大きな記憶容量が必要となってしまう。また、各トナードットのトナー付着量は、比較的近い位置にあるドットの影響を強く受ける一方、遠い位置にあるドットによってはあまり影響を受けないので、処理に含める領域をむやみに広げても精度向上の点ではあまりメリットがないと考えられる。
また、上記実施形態では、1ドット単位でトナードットをカウントしているが、実際の画像形成装置では、レーザの点灯時間を制御することによってより細かい単位でドットのサイズを制御することができる。このような場合であっても、基本的には上記と同じような考え方によってトナー消費量を算出することが可能である。例えば、上記したマトリクス平面をさらに細かく分割し、1つのマス目を0.1ドット×0.1ドット程度にまで細かくすれば、ドットサイズが端数を生じる場合にもより柔軟に対応することができる。また、隣接ドットの個数を1ドット単位で数えるのでなく、例えば通常の1ドットの半分のサイズを有する隣接ドットについてはこれを0.5ドットと数えるようにしてもよい。また、隣接ドットの個数でなく、所定領域内において隣接ドットが占める面積によって当該トナードットを分類するようにしてもよい。
さらに、上記実施形態の構成に限定されず、例えばブラック色トナーに対応した現像器のみを備えモノクロ画像を形成する装置や、中間転写ベルト以外の転写媒体(転写ドラム、転写シートなど)を備える装置、さらには複写機、ファクシミリ装置など他の画像形成装置に対しても、本発明を適用することが可能である。
この発明にかかる画像形成装置の一実施形態の構成を示す図。 図1の画像形成装置の電気的構成を示すブロック図。 この装置における信号処理ブロックを示す図。 パルス信号データの一例を示す図。 データバッファの記憶内容を示す模式図。 トナーカウンタの構成を示す図。 隣接ドットの個数によるトナードットの分類を示す図。 トナードットの配列とトナーカウントの実例を示す図。 トナー消費量の計算値と実測値との対応を示すグラフ。
符号の説明
4…現像ユニット(現像手段)、 6…露光ユニット(潜像形成手段)、 22…感光体(潜像担持体)、 120…データバッファ(記憶手段)、 220…トナーカウンタ(トナー消費量算出手段、トナーカウンタ)

Claims (8)

  1. その表面に静電潜像を担持可能な潜像担持体と、
    前記潜像担持体表面の静電潜像をトナーにより顕像化してトナー像を形成する現像手段と、
    前記現像手段によるトナー消費量を算出するトナー消費量算出手段と
    を備え、
    前記トナー消費量算出手段は、前記潜像担持体上に形成されるトナードットの2次元的配列状態に基づいてトナー消費量を算出する
    ことを特徴とする画像形成装置。
  2. 前記潜像担持体上に互いに位置を異ならせた複数のライン状潜像を形成することによって2次元の静電潜像を前記潜像担持体表面に形成する潜像形成手段と、
    前記ライン状潜像の複数ライン分に相当する画像データを記憶する記憶手段と
    をさらに備え、
    前記トナー消費量算出手段は、前記記憶手段に記憶された画像データに基づいて前記トナードットの配列状態を判定する請求項1に記載の画像形成装置。
  3. 前記トナー消費量算出手段は、前記潜像担持体上に形成される複数のトナードットそれぞれのトナー消費量を、前記潜像担持体表面のうち当該トナードットを取り囲む所定領域内に形成されるトナードットの数に基づいて算出する請求項1または2に記載の画像形成装置。
  4. 前記トナー消費量算出手段は、算出対象とする期間内に形成された前記複数のトナードットそれぞれのトナー消費量を積算することによって、当該期間内における総トナー消費量を算出する請求項3に記載の画像形成装置。
  5. 前記トナー消費量算出手段は、前記潜像担持体上に形成される複数のトナードットを、前記潜像担持体表面のうち当該トナードットを取り囲む所定領域内に形成されるトナードットの数に応じて分類するとともにその分類ごとのトナードットの個数をカウントし、各分類ごとのカウント値と、各分類ごとに予め定められた重み付け係数との積和演算によってトナー消費量を算出する請求項1または2に記載の画像形成装置。
  6. 潜像担持体表面の静電潜像をトナーにより顕像化してトナー像を形成する画像形成装置に用いられるトナーカウンタにおいて、
    前記潜像担持体上に形成されるトナードットの2次元的配列状態に基づいてトナー消費量を算出することを特徴とするトナーカウンタ。
  7. 前記潜像担持体上に形成される複数のトナードットを、前記潜像担持体表面のうち当該トナードットを取り囲む所定領域内に形成されるトナードットの数に応じて分類するとともにその分類ごとのトナードットの個数をカウントし、各分類ごとのカウント値と、各分類ごとに予め定められた重み付け係数との積和演算によってトナー消費量を算出する請求項6に記載のトナーカウンタ。
  8. 潜像担持体表面の静電潜像をトナーにより顕像化してトナー像を形成する画像形成装置におけるトナー消費量算出方法において、
    前記潜像担持体上に形成されるトナードットの2次元的配列状態に基づいてトナー消費量を算出することを特徴とするトナー消費量算出方法。
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