JP2006154073A - 画像形成装置、トナーカウンタおよびトナー消費量算出方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】 画像形成装置におけるトナー消費量を精度よく求める。
【解決手段】 ビデオ信号に基づき、トナーを付着させるべきトナードット部のサイズと、トナーを付着させないオフドット部のサイズとを、トナードットカウンタ202、オフドットカウンタ201によりそれぞれ検出する。その結果からルックアップテーブル203を参照し、トナードット部およびオフドット部のサイズの組み合わせに応じた係数Kvを呼び出す。トナードットカウンタ202のカウント値Cdotと係数Kvとの積をアキュムレータ205で積算し、1ページ分の積算値にベタ画像におけるトナー付着率に相当する係数K0を乗じると、当該ページについてのトナー消費量TCが求められる。
【選択図】 図6
【解決手段】 ビデオ信号に基づき、トナーを付着させるべきトナードット部のサイズと、トナーを付着させないオフドット部のサイズとを、トナードットカウンタ202、オフドットカウンタ201によりそれぞれ検出する。その結果からルックアップテーブル203を参照し、トナードット部およびオフドット部のサイズの組み合わせに応じた係数Kvを呼び出す。トナードットカウンタ202のカウント値Cdotと係数Kvとの積をアキュムレータ205で積算し、1ページ分の積算値にベタ画像におけるトナー付着率に相当する係数K0を乗じると、当該ページについてのトナー消費量TCが求められる。
【選択図】 図6
Description
この発明は、画像形成装置におけるトナーの消費量を算出する技術に関するものである。
プリンタ、複写機、ファクシミリ装置など、トナーを使用して画像を形成する電子写真方式の画像形成装置においては、トナー補給などメンテナンスの都合上、トナーの消費量あるいは残量を把握する必要がある。そこで、トナーの消費量を精度よく求めるための技術(以下、「トナーカウント技術」という)が従来より提案されている。例えば、特許文献1に記載のトナー消費量検出方法では、印刷ドット列をそのドットの連続状態に応じて複数のパターンに分類し、それらの発生回数を個別に計数する。そして、それらの計数値にそれぞれ所定の係数を乗じて加算することによって全トナー消費量を算出する。こうすることによって、ドットの連続状態の差異に起因するドット個数とトナー付着量との間の非線形性によらず高精度にトナー消費量を求めている。
上記従来技術では、ドットの連続状態によってトナー付着量が相違するという現象に着目し、トナー消費量の算出精度の向上を図っている。しかしながら、本願発明者は、さらに種々の実験を行った結果、各ドットにおけるトナー消費量は、当該ドットに隣接する他のドットとの間の間隔によっても相違することを見出した。そして、この知見をトナーカウント技術に応用することによって、さらなる精度向上を図ることが可能であることを見出した。
この発明は上記知見に基づいてなされたものであり、画像形成装置におけるトナー消費量を精度よく求めることのできる技術を提供することを目的とする。
本願明細書においては、用語の意味を以下のように定義する。トナー像は多数のドットの集合体であり、各ドットは、トナーを付着させるべき「トナードット」、トナーを付着させない「オフドット」のいずれかである。そして、微視的には、トナー像内において、トナードットは、1ドットのみが孤立して存在する、つまり、当該トナードットに隣接するトナードットがなく当該トナードットがオフドットに取り囲まれている場合と、いくつかのトナードットが連続して一塊のトナードット群を形成している場合とがある。オフドットについても同様である。
本願明細書では、トナーを付着させるべきドット、付着させないドットの1つ1つを、それぞれ「トナードット」、「オフドット」と称する。単に「ドット」という場合には、トナードットとオフドットとを特に区別しないものとする。また、1つまたは連続する複数のトナードットからなるトナードットの塊を「トナードット部」と称する。同様に、1つまたは連続する複数のオフドットからなるオフドットの塊を「オフドット部」と称する。
本願発明者は、形成するトナードット部のサイズおよび隣接するトナードット部間の間隔を変化させた種々のパターンの画像を形成し、そのときのトナー消費量を測定する実験を行った。その結果、各トナードット部におけるトナー消費量は、トナードット部のサイズおよび他のトナードット部との間隔の変化に応じて複雑に変化することが明らかになった。すなわち、各トナードット部の形成に消費されるトナーの量は、当該トナードット部のサイズと、当該トナードット部近傍のオフドット部のサイズとの双方の影響を受ける。
上記知見に鑑み、この発明は、静電潜像をトナーにより顕像化してトナー像を形成する画像形成装置、該装置に用いられるトナーカウンタおよびトナー消費量算出方法において、前記静電潜像のうちトナーを付着させるべきトナードット部のサイズと、前記静電潜像のうちトナーを付着させないオフドット部のサイズとに基づきトナー消費量を算出することを特徴としている。このように構成された発明では、トナー像を構成するトナードット部およびオフドット部の双方のサイズを加味してトナー消費量を算出しているので、トナードットの連続状態すなわちトナードット部のサイズのみを考慮している上記従来のトナーカウント技術に比べて、より精度よくトナー消費量を求めることが可能である。
なお、各トナードット部が、1つまたは複数のトナードットが隣接配置されたものと考えてよい場合には、そのトナードット部のサイズを、当該トナードット部を構成するトナードットの個数で表してもよい。オフドット部についても同様である。
ここで、前記トナー像を構成する各トナードット部の形成に消費されるトナーの量については、例えば、当該トナードット部のサイズと、当該トナードット部に隣接するオフドット部のサイズとに応じて求めることができる。というのは、トナードット部のトナー消費量はそのサイズによって異なるが、それに隣接するオフドット部のサイズによっても大きな影響を受けるからである。そこで、当該トナードット部とそれに隣接するオフドット部とのサイズからトナー消費量を求めることで、トナー消費量を精度よく求めることができる。また、こうして求めた各トナードット部ごとのトナー消費量を積算すれば、前記トナー像全体のトナー消費量を求めることができる。
より具体的には、例えば、前記トナー像を構成する各トナードット部および各オフドット部のサイズを判定する判定部と、トナードット部およびオフドット部のサイズとトナー消費量とを関連付けた参照テーブルとを設けて、前記判定部の判定結果に基づいて前記参照テーブルを参照し、その参照結果に基づいて前記トナー消費量を求めることができる。すなわち、トナー像を構成するトナードット部およびオフドット部それぞれのサイズの組み合わせに応じたトナー消費量を予め求めてテーブル化しておき、実際に形成されるトナードット部およびオフドット部のサイズの組み合わせに基づいてこのテーブルを参照すれば、その組み合わせにおけるトナー消費量を簡単に求めることができる。
また、他の方法として、例えば、前記トナー像を構成する各トナードット部のサイズに、当該トナードット部および隣接するオフドット部のサイズに応じて定められる係数を乗じることによって、当該トナードット部の形成に消費されるトナーの量を算出するようにしてもよい。上記したように、トナードット部のトナー消費量はそのサイズによって異なるだけでなくそれに隣接するオフドット部のサイズによっても大きな影響を受ける。そこで、当該トナードット部およびそれに隣接するオフドット部のサイズに応じた係数をトナードット部のサイズに乗じ、当該トナードット部に与える重み付けを異ならせるようにすれば、当該トナードット部および隣接するオフドット部のサイズに応じたトナー消費量を求めることが可能となる。この場合の各係数は、単位面積当たりのトナー付着量に相当する値となる。
また、本発明を適用された画像形成装置が、静電潜像を担持可能に構成された潜像担持体と、1ライン分の画像データに基づいて、前記潜像担持体上にライン状潜像を形成する潜像形成手段とを備えるように構成されている場合には、前記画像データに基づいて前記トナードット部および前記オフドット部のサイズを求めるようにしてもよい。このような画像データは、各ドットのオン・オフに関する情報を含んでいるからである。例えば、所定の表面電位に帯電された感光体の表面をレーザ光源やLEDアレイなどの露光手段でライン状に露光することで感光体上に静電潜像を形成するように構成されている装置においては、露光手段の光源をオン・オフするための制御信号データからトナードット部およびオフドット部のサイズを把握することが可能である。特に、その制御信号がオン・オフの2値データに展開されている場合には、その2値データによりトナードット部およびオフドット部の長さを簡単に求めることができる。そして、このようなラインを複数本形成することによって1枚の画像を得ている場合には、その1ラインごとに求めたトナー消費量を合算することで、1枚分の画像に対するトナー消費量を求めることができる。
図1はこの発明にかかる画像形成装置の一実施形態の構成を示す図である。また、図2は図1の画像形成装置の電気的構成を示すブロック図である。この装置1は、イエロー(Y)、シアン(C)、マゼンタ(M)、ブラック(K)の4色のトナー(現像剤)を重ね合わせてフルカラー画像を形成したり、ブラック(K)のトナーのみを用いてモノクロ画像を形成する画像形成装置である。この画像形成装置1では、ホストコンピュータなどの外部装置から画像信号がメインコントローラ11に与えられると、このメインコントローラ11からの指令に応じてエンジンコントローラ10がエンジン部EG各部を制御して所定の画像形成動作を実行し、シートSに画像信号に対応する画像を形成する。
このエンジン部EGでは、感光体22が図1の矢印方向D1に回転自在に設けられている。また、この感光体22の周りにその回転方向D1に沿って、帯電ユニット23、ロータリー現像ユニット4およびクリーニング部25がそれぞれ配置されている。帯電ユニット23は所定の帯電バイアスを印加されており、感光体22の外周面を所定の表面電位に均一に帯電させる。クリーニング部25は一次転写後に感光体22の表面に残留付着したトナーを除去し、内部に設けられた廃トナータンクに回収する。これらの感光体22、帯電ユニット23およびクリーニング部25は一体的に感光体カートリッジ2を構成しており、この感光体カートリッジ2は一体として装置1本体に対し着脱自在となっている。
そして、この帯電ユニット23によって帯電された感光体22の外周面に向けて露光ユニット6から光ビームLが照射される。この露光ユニット6は、外部装置から与えられた画像信号に応じて光ビームLを感光体22上に露光して画像信号に対応する静電潜像を形成する。
こうして形成された静電潜像は現像ユニット4によってトナー現像される。すなわち、この実施形態では、現像ユニット4は、図1紙面に直交する回転軸中心に回転自在に設けられた支持フレーム40、支持フレーム40に対して着脱自在のカートリッジとして構成されてそれぞれの色のトナーを内蔵するイエロー用の現像器4Y、シアン用の現像器4C、マゼンタ用の現像器4M、およびブラック用の現像器4Kを備えている。この現像ユニット4は、エンジンコントローラ10により制御されている。そして、このエンジンコントローラ10からの制御指令に基づいて、現像ユニット4が回転駆動されるとともにこれらの現像器4Y、4C、4M、4Kが選択的に感光体22と所定のギャップを隔てて対向する所定の現像位置に位置決めされると、当該現像器に設けられて選択された色の帯電トナーを担持するとともに所定の現像バイアスを印加された金属製の現像ローラ44から感光体22の表面にトナーを付与する。これによって、感光体22上の静電潜像が選択トナー色で顕像化される。
各現像器4Y、4C、4M、4Kには、当該現像器に関する情報を記憶するための不揮発性メモリ91〜94がそれぞれ設けられている。そして、各現像器に設けられたコネクタ49Y、49C、49M、49Kのうち必要に応じて選択された1つと、本体側に設けられたコネクタ109とが互いに接続され、エンジンコントローラ10のCPU101とメモリ91〜94との間で通信が行われる。こうすることで、各現像器に関する情報がCPU101に伝達されるとともに、各メモリ91〜94内の情報が更新記憶される。
上記のようにして現像ユニット4で現像されたトナー像は、一次転写領域TR1で転写ユニット7の中間転写ベルト71上に一次転写される。転写ユニット7は、複数のローラ72〜75に掛け渡された中間転写ベルト71と、ローラ73を回転駆動することで中間転写ベルト71を所定の回転方向D2に回転させる駆動部(図示省略)とを備えている。そして、カラー画像をシートSに転写する場合には、感光体22上に形成される各色のトナー像を中間転写ベルト71上に重ね合わせてカラー画像を形成するとともに、カセット8から1枚ずつ取り出され搬送経路Fに沿って二次転写領域TR2まで搬送されてくるシートS上にカラー画像を二次転写する。
このとき、中間転写ベルト71上の画像をシートS上の所定位置に正しく転写するため、二次転写領域TR2にシートSを送り込むタイミングが管理されている。具体的には、搬送経路F上において二次転写領域TR2の手前側にゲートローラ81が設けられており、中間転写ベルト71の周回移動のタイミングに合わせてゲートローラ81が回転することにより、シートSが所定のタイミングで二次転写領域TR2に送り込まれる。
また、こうしてカラー画像が形成されたシートSは定着ユニット9、排出前ローラ82および排出ローラ83を経由して装置本体の上面部に設けられた排出トレイ部89に搬送される。また、シートSの両面に画像を形成する場合には、上記のようにして片面に画像を形成されたシートSの後端部が排出前ローラ82後方の反転位置PRまで搬送されてきた時点で排出ローラ83の回転方向を反転し、これによりシートSは反転搬送経路FRに沿って矢印D3方向に搬送される。そして、ゲートローラ81の手前で再び搬送経路Fに乗せられるが、このとき、二次転写領域TR2において中間転写ベルト71と当接し画像を転写されるシートSの面は、先に画像が転写された面とは反対の面である。このようにして、シートSの両面に画像を形成することができる。
また、ローラ75の近傍には、濃度センサ60およびクリーナ76が設けられている。濃度センサ60は、必要に応じ、中間転写ベルト71上に形成されるトナー像を構成するトナー量を光学的に検出する。すなわち、濃度センサ60は、トナー像に向けて光を照射するとともに該トナー像からの反射光を受光し、その反射光量に応じた信号を出力する。クリーナ76は、中間転写ベルト71に対し離当接自在に構成され、必要に応じて中間転写ベルト71に当接することで、該ベルト71上の残留トナーを掻き落とす。
また、この装置1では、図2に示すように、メインコントローラ11のCPU111により制御される表示部12を備えている。この表示部12は、例えば液晶ディスプレイにより構成され、CPU111からの制御指令に応じて、ユーザへの操作案内や画像形成動作の進行状況、さらに装置の異常発生やいずれかのユニットの交換時期などを知らせるための所定のメッセージを表示する。
なお、図2において、符号113はホストコンピュータなどの外部装置よりインターフェース112を介して与えられた画像を記憶するためにメインコントローラ11に設けられた画像メモリである。また、符号106はCPU101が実行する演算プログラムやエンジン部EGを制御するための制御データなどを記憶するためのROM、また符号107はCPU101における演算結果やその他のデータを一時的に記憶するRAMである。
図3はこの装置における信号処理ブロックを示す図である。この画像形成装置では、ホストコンピュータ100などの外部装置から画像信号が入力されると、メインコントローラ11がその画像信号に対し所定の信号処理を施す。メインコントローラ11は、色変換部114、階調補正部115、ハーフトーニング部116、パルス変調部117、階調補正テーブル118および補正テーブル演算部119などの機能ブロックを備えている。
また、エンジンコントローラ10は、図2に示すCPU101、ROM106、RAM107以外に、露光ユニット6に設けられたレーザ光源を駆動するためのレーザドライバ121と、濃度センサ60の検出結果に基づきエンジン部EGのガンマ特性を示す階調特性を検出する階調特性検出部123を備えている。
なお、メインコントローラ11およびエンジンコントローラ10においては、これらの各機能ブロックはハードウェアにより構成されてもよく、またCPU111、101により実行されるソフトウェアによって実現されてもよい。
ホストコンピュータ100から画像信号が与えられたメインコントローラ11では、色変換部114がその画像信号に対応する画像内の各画素のRGB成分の階調レベルを示したRGB階調データを、対応するCMYK成分の階調レベルを示したCMYK階調データへ変換する。この色変換部114では、入力RGB階調データは例えば1画素1色成分当たり8ビット(つまり256階調を表す)であり、出力CMYK階調データも同様に1画素1色成分当たり8ビット(つまり256階調を表す)である。色変換部114から出力されるCMYK階調データは階調補正部115に入力される。
この階調補正部115は、色変換部114から入力された各画素のCMYK階調データに対し階調補正を行う。すなわち、階調補正部115は、不揮発性メモリに予め登録されている階調補正テーブル118を参照し、その階調補正テーブル118にしたがい、色変換部114からの各画素の入力CMYK階調データを、補正された階調レベルを示す補正CMYK階調データに変換する。この階調補正の目的は、上記のように構成されたエンジン部EGのガンマ特性変化を補償して、この画像形成装置の全体的ガンマ特性を常に理想的なものに維持することにある。
こうして補正された補正CMYK階調データは、ハーフトーニング部116に入力される。このハーフトーニング部116は誤差拡散法、ディザ法、スクリーン法などのハーフトーニング処理を行い、1画素1色当たり8ビットのハーフトーンCMYK階調データをパルス変調部117に入力する。ハーフトーニング処理の内容は、形成すべき画像の種類により異なる。すなわち、その画像がモノクロ画像かカラー画像か、あるいは線画かグラフィック画像かなどの判定基準に基づき、その画像に最適な処理内容が選択され実行される。
このパルス変調部117に入力されたハーフトーニング後のCMYK階調データは、各画素に付着させるべきCMYK各色のトナードットのサイズおよびその配列を示す多値信号であり、かかるデータを受け取ったパルス変調部117は、そのハーフトーンCMYK階調データを用いて、エンジン部EGのCMYK各色画像の露光レーザパルスをパルス幅変調するためのビデオ信号を作成し、図示を省略するビデオインターフェースを介してエンジンコントローラ10に出力する。そして、このビデオ信号を受けたレーザドライバ121が露光ユニット6の半導体レーザをON/OFF制御して各色成分の静電潜像を感光体22上に形成する。このようにして画像信号に対応した画像形成を行う。
また、この種の画像形成装置では、装置のガンマ特性が装置個体ごとに、また同一の装置においてもその使用状況によって変化する。そこで、このようなガンマ特性のばらつきが画像品質に及ぼす影響を除くため、所定のタイミングで、前記した階調補正テーブル118の内容を画像濃度の実測結果に基づいて更新する階調制御処理を実行する。
この階調制御処理では、各トナー色毎に、ガンマ特性を測定するために予め用意された階調補正用の階調パッチ画像がエンジン部EGによって中間転写ベルト71上に形成され、各階調パッチ画像の画像濃度を濃度センサ60が読み取り、その濃度センサ60からの信号に基づき階調特性検出部123が各階調パッチ画像の階調レベルと、検出した画像濃度とを対応させた階調特性(エンジン部EGのガンマ特性)を作成し、メインコントローラ11の補正テーブル演算部119に出力する。そして、補正テーブル演算部119が、階調特性検出部123から与えられた階調特性に基づき、実測されたエンジン部EGの階調特性を補償して理想的な階調特性を得るための階調補正テーブルデータを計算し、階調補正テーブル118の内容をその計算結果に更新する。こうして階調補正テーブル118を変更設定する。こうすることで、この画像形成装置では、装置のガンマ特性のばらつきや経時変化によらず、安定した品質で画像を形成することができる。
また、この画像形成装置では、トナー消費量を求めるために、図3に示すように、メインコントローラ11のパルス変調部117から出力されるパルス信号(ビデオ信号)に基づいてトナー消費量を算出するトナーカウンタ200または300(後述)がエンジンコントローラ10に設けられている。トナー像は多くのトナードットで構成されており、各トナードットの形成に消費されるトナー量の合計を求めることで全体のトナー消費量が求められる。本願発明者は、種々の実験を行った結果に基づき、後に詳述するトナーカウンタを構築するに至った。なお、以下では代表的にブラック色トナーについて行った検討の結果を説明するが、他のトナー色についても同様に考えることができる。
また、本明細書では、トナードット部およびオフドット部のサイズを、露光ユニット6による露光ビームLのビームスポット径に相当するサイズのドットの個数によって表すこととする。ただし、トナードット部およびオフドット部のサイズとしては1ドット単位でなくこれより細かい刻みで設定可能である。というのは、露光ユニット6は露光ビームLにより感光体22表面を走査露光することによって感光体22に静電潜像を形成しているので、その連続点灯(および消灯)時間を調節することによって露光される部分の長さを任意に設定することができるからである。したがって、1走査ラインによって形成されるトナードット部およびオフドット部のサイズ(長さ)は、露光ビームLの走査方向(主走査方向)においては連続的に変化する。一方、これに直交する方向(副走査方向)におけるトナードット部およびオフドット部のサイズ(幅)はほぼ1ドット相当である。以下で用いるトナードット部およびオフドット部の「サイズ」は主走査方向におけるサイズを現すものとする。なお、走査速度が一定であれば、トナードット部およびオフドット部の長さは、露光ビームLの連続点灯時間および連続消灯時間にほぼ比例することとなる。
図4はトナードット部のサイズとトナー付着率との関係の一例を示す図である。本願発明者は、そのサイズが種々に異なるトナードット部を形成し、トナー消費量を実測した。トナードット部における単位面積当たりのトナー消費量の実測結果を「トナー付着率」と定義すると、図4に示すように、トナー付着率は一定ではなく、トナードット部のサイズによって変化する。つまり、トナードット部を形成する際のトナー消費量は、トナードット部の面積に比例するわけではない。
より詳しくは、図4に示すように、トナードット部のサイズが比較的小さい範囲では、そのサイズの増加とともにトナー付着率が大きくなる。しかし、さらにサイズが大きくなるとトナー付着率は減少に転じ、一定値に漸近する。この一定値は、ベタ画像における単位面積当たりのトナー付着量に相当する値であり、ここではこの値を記号K0により表すこととする。実験に使用した装置の構成では、トナードット部のサイズが2ドット程度のときにトナー付着率が最大となった。
また、本願発明者は、複数のトナードット部間の間隔とトナー付着率との関係についても実験を行った。具体的には、トナードット部のサイズを同一とし、複数のトナードット部間の間隔だけを様々に異ならせてトナー消費量を実測した。以下では、「2つのトナードット部間の間隔」を、2つのトナードット部間に形成されるオフドット部のサイズにより表すこととする。
図5はオフドット部のサイズとトナー付着率との関係の一例を示す図である。図5に示すように、トナードット部のサイズを一定とし、それに隣接するオフドット部のサイズを変化させると、トナー付着率が変化する。より詳しくは、オフドット部のサイズを大きくするにつれて、トナー付着率はいったん増加した後減少し、再び増加に転じて緩やかに増加を続ける。実験に使用した装置の構成では、オフドット部のサイズが1ドット程度のときに極大、1.5ドット程度のとき極小となった。また、オフドット部のサイズがゼロのとき、つまりトナードット部が切れ目なく連続しているときのトナー付着率が、上記したベタ画像におけるトナー付着率K0に相当する。
このようにトナードット部のサイズおよびオフドット部のサイズによってトナー付着率が変化する理由としては、次のようなものが考えられる。静電潜像を形成された感光体22表面では、トナードット部とオフドット部とで表面電位が異なっているが、両者の境界付近では表面電位は緩やかに変化している。そのため、2つのトナードット部が比較的近接した位置にあると、これらのトナードット部とその間にあるオフドット部との表面電位の差が小さくなる。その結果、2つのトナードット部に挟まれたオフドット部にもある程度のトナーが付着し、その量はオフドット部のサイズによって変わるので、オフドット部のサイズによりトナー付着率が変化することとなる。なお、本明細書でいうトナー付着率は、トナードット部およびその周辺のオフドット部に付着するトナーの総量をトナードット部の面積で除したものであるので、オフドット部のトナー付着量の大小もトナー付着率に影響する。
また、静電潜像上においてトナードット部とオフドット部との境界付近には、表面電位勾配に伴う局所的な強い電界が生じているため比較的トナーが多く付着しやすい(エッジ効果)。またトナードット部のサイズが小さいとオフドット部との表面電位差が十分に確保できずトナーが付着しにくい。これらの理由によりトナードット部のサイズによってトナー付着率が変化する。
このように、トナー付着率は一定ではなく、トナードット部のサイズおよびオフドット部のサイズの組み合わせによって変化する。例えば図4に示す特性曲線は、当該トナードット部の周囲のオフドット部のサイズによって異なる。また、図5に示す特性曲線は当該トナードット部のサイズによって異なる。実際のトナー像では、種々のサイズのトナードット部およびオフドット部が様々な組み合わせで配列しており、各トナードット部におけるトナー付着率は、当該トナードット部のサイズとそれに隣接するオフドット部のサイズとによって様々に異なった値をとることになる。
したがって、トナー像を形成する際のトナー消費量を精度よく求めるためには、トナー像各部におけるトナードット部およびオフドット部の配列状態を考慮する必要がある。この実施形態では、次のようにしてトナー消費量を算出している。
感光体22表面では、露光ユニット6からの露光ビームLの走査により、その走査方向(主走査方向)に沿ってトナードット部およびオフドット部が交互に形成されてゆく。そこで、主走査方向に沿って相前後して形成される1つのトナードット部と1つのオフドット部とを1つのペアと考えると、1枚の画像は、何組かの上記ペアが主走査方向に並べられてなるライン状画像を主走査方向に直交する方向(副走査方向)に少しずつ位置を異ならせながら複数本並べたものであるといえる。なお、当然のことであるが、各ペアを構成するトナードット部およびオフドット部のサイズは様々な組み合わせを取り得る。
そして、各ペアごとに、当該ペアを成すトナードット部およびオフドット部それぞれのサイズの組み合わせに応じて当該ペアの形成に使用されるトナー消費量を見積もり、各ペアごとのトナー消費量の見積もり値を画像全体で合計すれば、画像全体の形成に使用されるトナーの量を算出することができる。より具体的には、例えば、以下に説明するトナーカウンタ200(図6)またはトナーカウンタ300(図8)を用いることにより、トナー消費量を算出することができる。
図6は本実施形態におけるトナーカウンタの第1の構成例を示す図である。このトナーカウンタ200では、メインコントローラ11のパルス変調部117から出力されるビデオ信号に基づきトナー消費量を算出する。ビデオ信号は、トナーカウンタ200に設けられたオフドットカウンタ201およびトナードットカウンタ202に入力される。このうちオフドットカウンタ201は、主走査方向におけるオフドット部の長さをカウントする。すなわち、オフドットカウンタ201は、与えられたビデオ信号から露光ビームLの連続消灯期間の長さを検出し、その期間の長さを単位ドット個数に換算してその連続個数をカウントする。すなわち、単位ドット長さの3倍の長さを有するオフドット部が検出されたとき、オフドットカウンタ201からは値3が出力される。一方、トナードットカウンタ202は、露光ビームLの連続点灯期間の長さを検出し、その長さを単位ドット個数に換算してその連続個数をカウントすることで、トナードット部の長さをカウントする。
こうして各ペアにおけるオフドット部およびトナードット部のサイズが求まると、それらの値に基づきルックアップテーブル(LUT)203を参照することにより係数Kvが導かれる。ルックアップテーブル203には、当該トナードット部へのトナー付着率に相当する値である係数Kvの候補値が格納されている。そして、ルックアップテーブル203から選択された係数Kvと、トナードットカウンタ202から出力される値(トナードット部の長さに相当する値)Cdotとが乗算器204により乗じられ、アキュムレータ205に入力される。アキュムレータ205は、自身に保持されている値と乗算器204から出力される値を加算しその結果を保持記憶する。つまり、このトナーカウンタ200では、トナードットカウンタ202のカウント値Cdotと、ルックアップテーブルから選択された係数Kvとを乗じた値がアキュムレータ205により積算される。そして、1ページ分の画像データについて積算された積算値に、ベタ画像におけるトナー付着率に相当する係数K0が乗算器206により乗じられて、画像1ページ分のトナー消費量TCが求められる。すなわち、この実施形態では、トナー消費量TCは次式:
TC=K0・Σ(Kv・Cdot) … (式1)
により求められる。
TC=K0・Σ(Kv・Cdot) … (式1)
により求められる。
つまり、この実施形態では、トナードット部のサイズに、そのサイズおよび隣接するオフドット部のサイズに応じた重み付けをした上で積算し、その積算値に一律のトナー付着率を乗じることによってトナー消費量を算出する。与えられる重みは、トナー付着率が高いほど重くなるように配慮されているので、このような重み付けをすることによって、トナードット部および隣接するオフドット部のサイズの組み合わせごとのトナー付着率の差異に起因する算出結果のズレを補正し、算出精度を向上させることができる。
図7はルックアップテーブルの内容の一例を示す図である。ここではトナードット部のサイズを連続トナードット数で表し、オフドット部のサイズを連続オフドット数で表している。オフドットカウンタ201によりカウントされた連続オフドット数に対応する行と、トナードットカウンタ202によりカウントされた連続トナードット数に対応する列とが交わる欄の数値がそのときの係数Kvとなる。例えば、連続トナードット数が1、連続オフドット数が10であったとすると(このとき形成される画像は1オン10オフ画像である)、この組み合わせに対応する係数Kvの値は1.62となる。また、例えば、連続トナードット数が3、連続オフドット数が2であったとすると(このとき形成される画像は3オン2オフ画像である)、この組み合わせに対応する係数Kvの値は1.09となる。
なお、図7では記載を省略しているが、連続オフドット数が0であれば、1走査ライン中にオフドットがなくこのラインが完全に塗りつぶされることを示しているので、この場合の係数Kvの値は1.00とする。また、連続トナードット数が0であれば、当該走査ラインが全てオフドットで構成されていることを示しているので、この場合の係数Kvの値は0である(トナードットカウンタ202のカウント値Cdotがゼロであるので実際的には係数は幾らであってもよい)。
このように、ルックアップテーブル203には、トナードットカウンタ202のカウント値Cdotに乗じる係数Kvの候補値が格納されており、トナードット部およびそれに隣接するオフドット部のサイズに応じて候補値の中から1つの値が選択される。これらの候補値は、トナードット部およびオフドット部のサイズの組み合わせを種々に変化させたときのトナー付着率を予め実測またはシミュレーションにより求め(図4および図5参照)、それらの値をベタ画像におけるトナー付着率K0で正規化することによって得られる。
図8は本発明にかかるトナーカウンタによる計算の具体例を示す図である。ここでは、1走査ラインが30ドットで構成されているものとする。また、「ドット配列」の段において、ハッチング付きの丸印を記した欄はトナードット、空欄はオフドットを示している。1つの走査ラインにおけるドット配列が図示のとおりであったとすると、このラインでは、まずオフドットが3個続いた後、1個のトナードットが出現する。このペアに対応する係数Kvは連続オフドット数3、連続トナードット数1の値からテーブル203を参照して、1.28となる。
続いて、2個のオフドットの後に1個のトナードットが出現する。したがって、この場合の係数Kvは1.17となる。以後も同様にして、オフドット部およびトナードット部からなる各ペアごとに係数Kvを定めることができる。
こうして求めた各ペアごとの係数Kvにそのペアを構成するトナードット部における連続ドット数を乗じて加算すると、その値は14.48となる。ここで、当該ラインを構成するトナードットの個数を単純にカウントすると12となるが、この値にはトナードットの配列状態が全く反映されていない。そのため、このカウント値に1ドット当たりのトナー付着率を乗じたとしても正しいトナー消費量を求めることができない。これに対し、本実施形態における計算値は、トナードットの配列とそれに対応するトナー付着率とを考慮した「重み付けされたトナードット個数」であるので、その値にトナー付着率K0を乗じれば、トナー消費量をより精度よく算出することができる。
図9はこのトナーカウンタによる計算結果を示す図である。図9では、様々な種類の画像を形成し、それぞれの画像についてアキュムレータ303に積算されたカウント値を横軸に、そのときのトナー消費量の実測値を縦軸に取っている。図9に示すように、アキュムレータ3030によるカウント値と実際のトナー消費量との間には良好な比例関係がみられ(相関係数R2=0.9848)、本実施形態のトナーカウンタ200によりトナー消費量を精度よく算出可能であることが確認された。
図10は本実施形態におけるトナーカウンタの第2の構成例を示す図である。図10に示すトナーカウンタ300は、基本的に上記したトナーカウンタ200(図6)と同じ考え方により構成されたものであり、このような構成によっても、上記トナーカウンタ200と同様に、トナー消費量を精度よく求めることが可能である。このトナーカウンタ300では、メインコントローラ10から出力されるビデオ信号が判定回路301に入力されている。判定回路301の機能は、上記トナーカウンタ200におけるオフドットカウンタ201およびトナードットカウンタ202の機能を合わせたものに類似している。すなわち、この判定回路301は、与えられたビデオ信号から、相前後して形成されるオフドット部およびトナードット部のペアについて、それぞれのサイズを判定する。図8の最初のペアを例にとると、オフドット部のサイズが3ドット、トナードット部のサイズが1ドットである。
この結果をもとに、ルックアップテーブル302を参照する。このルックアップテーブル302に格納されている候補値は、上記トナーカウンタ200におけるテーブル203の場合とは異なり、当該ペアの形成に消費されると予想されるトナー量をトナー付着率K0で正規化した値である。この値は、図7に示す係数Kvの各候補値に、対応するトナードット部のサイズを乗じた値に相当する。そして、形成されるペアごとにそのトナー消費量をテーブル302から呼び出してアキュムレータ303により積算するとともに、乗算器304によりその積算値にトナー付着率K0を乗じることによって、全体としてのトナー消費量TCを求めることができる。
なお、これらのトナーカウンタにおいては、上記のようにして計算されたトナー消費量TCに、所定のオフセット値をさらに加算するようにしてもよい。その理由は次の通りである。各現像器に貯留されたトナーは、画像形成以外の用途に消費される場合がある。例えば、この種の画像形成装置では、感光体22表面のうち本来ドットを形成すべきでない部分にまで微量のトナーが付着してしまう現象(カブリ)がよく知られている。カブリによるトナー消費量は、画像パターンとはあまり相関性がなく、むしろ形成した画像の総面積に左右される。したがって、カブリによるトナー消費量については、画像形成枚数や現像器の駆動時間など、画像面積に関連する値に一定の比率を乗じて求めることができる。また、ユーザの要求によらず装置内部で使用されるテストパターンなどを形成する場合には、これらによって消費されるトナーの量を別途計算する必要がある。そして、こうして求めた画像形成以外の用途に消費されたトナーの量をオフセット値として前記した計算式(式1)に加算すれば、装置全体としてのトナー消費量を精度よく求めることが可能となる。
以上のように、この実施形態では、トナー像を構成するトナードット部およびオフドット部のサイズに基づいて、該トナー像の形成に消費されるトナーの量を求めている。より詳しくは、形成される各トナードット部のサイズとそれに隣接するオフドット部のサイズとの組み合わせに応じて、当該組み合わせにおけるトナー消費量を見積もり、その見積もり量を積算することによって、これらのトナードット部およびオフドット部の集合体であるトナー像全体におけるトナー消費量を算出する。こうすることによって、従来のトナーカウント技術に比べ、より精度よくトナー消費量を求めることができる。
具体的には、隣接するオフドット部およびトナードット部のサイズの組み合わせごとのトナー付着率の大小に相当する値を予め求めてテーブル化しておき、ビデオ信号から検出されたオフドット部とトナードット部とのサイズの組み合わせによりこのテーブルを参照し、当該組み合わせにおけるトナー消費量を見積もっている。こうすることで、トナードット部およびオフドット部が様々なサイズおよび順序で配列されてなる任意のトナー像について、そのトナー消費量を精度よく、しかも簡単な構成により求めることができる。
以上説明したように、上記実施形態においては、エンジン部EGが本発明の「像形成手段」として機能している。また、トナーカウンタ200およびトナーカウンタ300が、いずれも本発明の「トナー消費量算出手段」および「トナーカウンタ」として機能している。さらに、上記実施形態では、感光体22および露光ユニット6が、本発明の「潜像担持体」および「潜像形成手段」としてそれぞれ機能しており、パルス変調部117から出力されるビデオ信号が、オフドットのサイズを表す本発明の「画像データ」に相当している。
なお、本発明は上記した実施形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない限りにおいて上述したもの以外に種々の変更を行うことが可能である。例えば、上記実施形態では、1ページ分の画像データに基づき、当該ページの形成に消費されるトナーの量を算出するようにしているが、これ以外に、例えばジョブ単位や1日単位など他の期間単位で計算するようにしてもよい。
また、上記実施形態のトナーカウンタでは、アキュムレータにより積算された積算値にトナー付着率に相当する係数K0を乗じてトナー消費量を算出しているが、テーブルから出力される値に係数K0を乗じてから積算するようにしても同様の機能を果たすことができる。また、テーブルに格納する各候補値をトナー付着率の次元にしておけば、係数K0を乗じる工程を省くことができる。
また、上記実施形態では、トナードット部およびオフドット部のサイズ(主走査方向の長さ)を単位ドットの個数で表している。しかしながら、実際のトナードット部やオフドット部のサイズは、露光ビームLの点灯時間(または消灯時間)を増減することによって単位ドットのサイズより細かく変化させることが可能である。したがって、トナードット部やオフドット部のサイズは必ずしも単位ドットサイズの整数倍とならず、0.5ドット、1.5ドットといった値を取り得る。このような場合にも本発明は適用可能である(実際に、図4および図5には単位ドットの整数倍以外のサイズについての実験結果も含まれている)。この場合には、ルックアップテーブルにおけるサイズの刻みをより細かくするか、サイズを範囲で区分するようにすればよい。
また、上記実施形態では、1つのトナードット部およびそれに隣接する1つのオフドット部からなるペアを想定し、そのペアに対応する領域にどれだけのトナーが付着するかを求めている。しかしながら、一般的には1つのトナードット部は2つのオフドット部に挟まれた状態にあるので、さらなる算出精度の向上のためには、トナードット部のサイズおよび隣接する2つのオフドット部それぞれのサイズから当該トナードット部におけるトナー付着量を求めるのが望ましい。ただし、このようにする場合には、ルックアップテーブルとして格納しておくべきデータ量が膨大となってしまう可能性がある。
また、上記実施形態の画像形成装置は、感光体22と現像ローラ44とがギャップを隔てて対向配置された、いわゆる「非接触現像方式」の画像形成装置である。このような装置において本発明のトナー消費量算出方法は特に顕著な効果を奏するものであるが、感光体22および現像ローラ44が当接するように配置された「接触現像方式」の装置においても、本発明を適用することでトナー消費量算出の精度を向上させることが可能である。
さらに、上記実施形態の構成に限定されず、例えばブラック色トナーに対応した現像器のみを備えモノクロ画像を形成する装置や、中間転写ベルト以外の転写媒体(転写ドラム、転写シートなど)を備える装置、さらには複写機、ファクシミリ装置など他の画像形成装置に対しても、本発明を適用することが可能である。
6…露光ユニット(潜像形成手段)、 22…感光体(潜像担持体)、 200,300…トナーカウンタ(トナー消費量算出手段)、 201…オフドットカウンタ(判定部)、 202…トナードットカウンタ(判定部)、 203,302…ルックアップテーブル(参照テーブル)、 205,303…アキュムレータ、 301…判定回路(判定部)、 EG…エンジン部(像形成手段)
Claims (8)
- 静電潜像をトナーにより顕像化してトナー像を形成する像形成手段と、
前記トナー像の形成に消費されるトナー消費量を算出するトナー消費量算出手段と
を備え、
前記トナー消費量算出手段は、前記静電潜像のうちトナーを付着させるべきトナードット部のサイズと、前記静電潜像のうちトナーを付着させないオフドット部のサイズとに基づきトナー消費量を算出する
ことを特徴とする画像形成装置。 - 前記トナー消費量算出手段は、前記トナー像を構成する各トナードット部の形成に消費されるトナーの量を、当該トナードット部のサイズと、当該トナードット部に隣接するオフドット部のサイズとに応じて求める請求項1に記載の画像形成装置。
- 前記トナー消費量算出手段は、前記各トナードット部の形成に消費されるトナーの量を積算することによって前記トナー像全体のトナー消費量を求める請求項2に記載の画像形成装置。
- 前記トナー消費量算出手段は、前記トナー像を構成する各トナードット部および各オフドット部のサイズを判定する判定部と、トナードット部およびオフドット部のサイズとトナー消費量とを関連付けた参照テーブルとを備え、
前記判定部の判定結果に基づいて前記参照テーブルを参照し、その参照結果に基づいて前記トナー消費量を求める請求項1ないし3のいずれかに記載の画像形成装置。 - 前記トナー消費量算出手段は、前記トナー像を構成する各トナードット部のサイズに、当該トナードット部および隣接するオフドット部のサイズに応じて定められる係数を乗じることによって、当該トナードット部の形成に消費されるトナーの量を算出する請求項2に記載の画像形成装置。
- 前記像形成手段が、静電潜像を担持可能に構成された潜像担持体と、1ライン分の画像データに基づいて、前記潜像担持体上にライン状潜像を形成する潜像形成手段とを備え、
前記トナー消費量算出手段は、前記画像データに基づいて前記トナードット部および前記オフドット部のサイズを求める請求項1ないし5のいずれかに記載の画像形成装置。 - 静電潜像をトナーにより顕像化してトナー像を形成する画像形成装置に用いられるトナーカウンタにおいて、
前記静電潜像のうちトナーを付着させるべきトナードット部のサイズと、前記静電潜像のうちトナーを付着させないオフドット部のサイズとに基づいて、前記トナー像の形成に消費されるトナー消費量を算出する
ことを特徴とするトナーカウンタ。 - 静電潜像をトナーにより顕像化してトナー像を形成する画像形成装置におけるトナー消費量算出方法において、
前記静電潜像のうちトナーを付着させるべきトナードット部のサイズと、前記静電潜像のうちトナーを付着させないオフドット部のサイズとに基づいて、前記トナー像の形成に消費されるトナー消費量を算出する
ことを特徴とするトナー消費量算出方法。
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