JP4844047B2 - 画像形成方法及びこの画像形成方法が用いられる画像形成装置 - Google Patents

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Description

本発明は、複写機、プリンタ等の画像形成装置にて形成される画像構造に係り、特に、電子写真方式等でカラー画像を形成する際に有効な画像形成方法及びこの画像形成方法が用いられる画像形成装置の改良に関する。
従来この種のカラー画像形成装置として、例えば電子写真方式を採用した態様を例に挙げると、カラー画像を形成する場合には、以下のような作像工程が採られていた。
すなわち、原稿に照明を当て、その反射光をカラースキャナにより色分解し、画像処理装置で画像処理、色補正を施して得られる複数色の画像信号を、色別に、例えば半導体レーザ等を用いて変調されたレーザ光線とする。このレーザ光線を、セレン、アモルファスシリコン等の無機感光体又はフタロシアニン顔料、ビスアゾ顔料等を電荷発生層として用いた有機感光体等からなる像担持体に一色ずつ複数回照射することで、複数個の静電潜像を形成する。これら複数個の静電潜像を例えば、帯電されたY(イエロー)、M(マゼンタ)、C(シアン)及びK(ブラック)の4色のカラートナーの順番に現像する。そして、現像されたトナー像を無機又は有機感光体からなる像担持体から各色毎あるいは一括して用紙等の画像支持体上に転写し、例えば加熱加圧定着方式の定着装置にて定着する。こうして、画像支持体上にカラー画像を形成するようにしていた。
ここで、上記場合において、カラートナーは、例えばポリエステル樹脂、スチレン/アクリル共重合体、スチレン/ブタジエン共重合体等の結着樹脂中に着色剤が分散された平均粒径1〜15μmの粒子に、平均粒径が5〜100nm程度の微粒子、例えば酸化けい素、 酸化チタン、 酸化アルミニウム等の無機微粒子、または、PMMA、PVDF等の樹脂微粒子を付着させたものである。
また、着色剤としては、例えば、Y(イエロー)としてベンジジンイエロー、キノリンイエロー、ハンザイエロー等、M(マゼンタ)としてローダミンB、ローズベンガル、ピグメントレッド等、C(シアン)としてフタロシアニンブルー、アニリンブルー、ピグメントブルー等、K(ブラック)としてカーボンブラック、アニリンブラック、カラー顔料のブレンド等が挙げられる。
更に、画像支持体としては、パルプ原料を主成分とする普通紙、普通紙の上に樹脂に白色顔料等を混ぜ合わせた樹脂を被覆したコート紙、白色顔料を混ぜ合わせたポリエステル等の樹脂からなる白色フィルム等が使われていた。
例えば特許文献1に記載されているように、特に銀塩写真プリント同等の高光沢の画像を形成する場合には、普通紙、コート紙又は白色フィルムをベースとして、その上に所定厚の熱可塑性樹脂からなる層を設けた画像支持体が好ましいことが知られている。
一方、転写工程では、像担持体に対向して予め誘電体等で構成される転写ロール又は転写ベルトを配設し、転写ロール又は転写ベルト上に予め画像支持体を吸着させて、この転写ロールにバイアスを印加し、あるいは、転写ベルトの背面に所定の転写部材(転写コロトロン、バイアスを印加した転写ロール又はバイアスを印加した転写ブラシ等)を配設することで、転写ロール又は転写ベルトの背面からトナーの帯電と逆極性の電界を付与し、画像支持体に対しトナー像を一色ずつ静電気的に転写する方式が知られている。
また、転写工程では、像担持体に対向して誘電体等で構成される例えばベルト状の中間転写体を配設し、所定の一次転写部材(転写コロトロン、バイアスを印加した転写ロール又はバイアスを印加した転写ブラシ等)を使って、中間転写体背面からトナーの帯電と逆極性の電界を付与することで、像担持体上に形成されたトナー像を中間転写体上に一色ずつ転写し、中間転写体上に一旦多重化されたトナー像を形成した後で、所定の二次転写部材(例えば転写コロトロン、バイアスを印加した転写ロール又はバイアスを印加した転写ブラシ等)を使って、画像支持体背面からトナーの帯電と逆極性の電界を付与することで、多重化されたトナー像を画像支持体上に静電気的に一括転写する方式も知られている。
更に、定着工程では、例えば互いに圧接する一対の定着ロールに白熱ランプなどの加熱源を内蔵させ、この一対の定着ロール間にトナー像が転写された画像支持体を通過させることで、トナーを熱溶融して画像支持体に定着する加熱加圧定着方式、あるいは、シリコーン樹脂等の離型層が表面に形成された定着ベルトを複数の張架ロールに掛け渡し、この定着ベルトを挟んで一対の定着ロールを対向配置すると共に、定着ロールに白熱ランプなどの加熱源を内蔵させ、トナー像が転写された画像支持体に定着ベルトを重ね合わせた状態で、一対の定着ロール間を通過させてトナー像を加熱加圧定着し、トナー像が冷却された後に定着ベルトとトナー像との間で分離することで、トナー像を画像支持体に定着する冷却剥離定着方式等が知られている。
特に、銀塩写真プリント同等の高光沢の画像を作成する場合には、後者の定着方式が好ましいことが知られている。更に、後者の定着方式と上述した熱可塑性樹脂層を設けた画像支持体とを組み合わせることで、画像濃度に依らない一様な高光沢が得られるようになる。
特開平5−197184号公報(実施例) 特開2005−99123号公報(発明の実施の形態、図3) 特開2004−20861号公報(発明の実施の形態、図1)
ところで、上述の熱可塑性樹脂層を設けた画像支持体に用いられる基材(ベース)として白色のPETフィルム又はコート紙を用いると画質は良好になるものの、画像支持体自体が高価になってしまい、一方、価格が安価な普通紙を基材として用いると良好な画質が得られないという技術的課題が生じてしまう。
また、熱可塑性樹脂層の主成分をポリエステル系、ポリスチレン系、アクリル系等の非晶性樹脂とした場合には、低温定着性、耐熱性、機械的強度のすべてを満足することはできないという技術的課題が生ずる。
すなわち、画像作製におけるエネルギー消費量の低減を考えると、低温定着性は必須課題となるが、この低温定着性を満たすためには樹脂の分子量を小さくすること、ガラス転移点を下げることが有効な解決策となる。
一方、写真のような平滑な表面を持つ画像は、画像表面と裏面、画像表面同士、画像表面とアルバム材料等が重なった状態で、夏の自動車内や倉庫内において保管されたり、船底での輸送等による高温環境下での長期的な放置がなされると、接触部位でのブロッキングを発生するという問題を生じる懸念がある。
この場合、高温下での耐久性、すなわち耐熱性を改善するには、樹脂自体のガラス転移点を上げたり、分子量を高めることが有効となる。
更に、画像を折り曲げたりしたときの丈夫さ、すなわち、機械的強度の向上も重要な課題であり、この機械的強度を上げるには、分子量を高めることが有効な解決策となる。
このように、機械的強度と耐熱性の改善方向は、低温定着性の改善方向と相反することになる。特に、銀塩写真のような高い光沢の画像を作成する場合、定着温度をより高くする必要があるため、3つの要求をすべて満たすことは更に困難になる。
そこで、本発明者は、少なくともパルプ原料からなる坪量150〜200g/m程度の原紙に、ポリエチレン等のポリオレフィン系樹脂に酸化チタン等の白色顔料が30wt%程度分散された光散乱層をもつ画像支持体を用いることを試みた。
この画像支持体は、比較的安価に製造でき、かつ、白色度の高い画像を得ることが可能であるが、定着過程において、画像支持体表面の光散乱層の溶融粘度が高いため、画像全面に亘って一様で高光沢な好ましい画像構造が得られないという技術的課題が見られた。
そこで、上述の光散乱層の上に更に非晶性樹脂層を設ける提案を行った(例えば特許文献2参照)。このとき、十分な平滑性を備えた画像を形成するには、樹脂の低粘度化が必要となるが、このような画像支持体は機械的強度が不足し、少し曲げると表面にひび割れを生じたり、ブロッキングが発生する課題が見受けられた。また、定着温度を高くして樹脂を低粘度化すると、光散乱層も同時に低粘度化し、原紙から発生する水蒸気が気泡として表面に現れるブリスターと呼ばれる欠陥を生じる。
そのため、結晶性樹脂と非晶性樹脂とを混合した樹脂を使用することが提案された。このような樹脂を使用することで、低温で低粘度化が可能になり、ひび割れやブロッキングの心配もない。しかしながら、このような樹脂では、定着後の冷却過程で結晶性樹脂の体積収縮が起こり画像表面に着色トナーの構造に依存した凹凸が残り、特に、ハーフトーン構造のある中間調部分においては、平滑さと光沢性が損なわれ、濃度差が大きなエッジ部では段差が目立つようにもなる。
更には、坪量150〜200g/m程度の原紙に、ポリエチレン等のポリオレフィン系樹脂に酸化チタン等の白色顔料を30wt%程度分散した光散乱層をもつ画像支持体に透明トナー像を組み合わせて使用して、画像表面の平滑性を高める装置の提案も行った(例えば特許文献3参照)。
しかしながら、透明トナーを大量に使用して厚さの厚い層を形成すれば、画像の平滑性そのものは向上するものの、大量の透明トナー像を転写する際に着色トナー像の画像乱れを生じ、特に、着色トナー像の粒状性を損なうという技術的課題が生じる。
本発明は、以上の技術的課題を解決するためになされたものであって、銀塩写真のように画像全面に一様な高光沢をもち、耐熱性、機械的強度を十分備え、更に粒状性の優れた高画質画像が得られる画像形成方法及びこの画像形成方法が用いられる画像形成装置を提供するものである。
すなわち、本発明は、図1(a)(b)に示すように、基材1a上に、白色顔料及びポリオレフィン系樹脂からなる熱可塑性樹脂を含む光散乱層1bと、この光散乱層1bの表面側に設けられ且つ結晶性ポリエステル樹脂及び非晶性ポリエステル樹脂を混合した熱可塑性樹脂を含むトナー受容層1cとが含まれる画像支持体1を用い、この画像支持体1を作像部位に供給する画像支持体供給工程4と、熱可塑性樹脂が含まれる着色トナーを用い、画像支持体1上に着色トナー像2を作製する着色トナー作像工程5と、結着樹脂のガラス転移温度が50℃以上70℃未満の透明トナーを用い、着色トナー像2が作製された画像支持体1上に非画像部における厚みが2〜10μmの範囲に設定された透明トナー像3を作製する透明トナー作像工程6とを備えることを特徴とする。
このような技術的手段において、画像支持体供給工程4は、例えばカセットによる供給や手差しによる供給を含む。また、着色トナー作像工程5及び透明トナー作像工程6はトナー像を形成可能であればその方式は問わず、更に、着色トナー作像工程5と透明トナー作像工程6とを夫々個別に設けてもよいし、一体的に設けても差し支えない。
更にまた、画像支持体1は、基材1a上に光散乱層1b及びトナー受容層1cを少なくとも備えていればよく、必要に応じて他の層(例えばゼラチン層、帯電防止層など)を備えていてもよいことは勿論である。
ここで、基材1aとしては、非塗工紙、塗工紙等適宜選定して差し支えないが、通常、写真印画紙に一般的に用いられる原紙でよく、この原紙としては、手に持った感触を良好に保つという観点からすれば、坪量が100〜250gsmのものであることが好ましい。
また、光散乱層1bとしては、少なくとも白色顔料がポリオレフィン系樹脂からなる熱可塑性樹脂に分散され、白色顔料としては酸化チタン、炭酸カルシウム、硫酸バリウム等いずれでもよいが、白色度を高める観点から酸化チタンが好ましい。更に、光散乱層1bとして、裏写り防止及び機械的強度、平滑性を確保するという観点からすれば、20〜40wt%の充填量とすることが好ましい。
更に、耐熱性を確保する観点から、画像支持体1上に着色トナー及び透明トナーを定着するに際し、定着可能上限温度下での光散乱層1bのポリオレフィン系樹脂の粘度は5×103Pa・s以上であることが好ましい。仮に、ポリオレフィン系樹脂の粘度がこの粘度を下回るような樹脂の場合には、基材1aが加熱されることによる気泡の発生に伴うブリスターを起こし易くなる。尚、定着可能上限温度とは、画像支持体1上に着色トナー像2、透明トナー像3が形成された画像に対し、定着時に加えられる可能性のある最高温度を意味する。
また、トナー受容層1cとしては、使用される熱可塑性樹脂が結晶性ポリエステル樹脂と非晶性ポリエステル樹脂を混合したものであればよく、これにより、平滑性、耐熱性等の安定した特性を得ることができるようになる。
更に、トナー受容層1cの耐熱性を確保する観点から、定着可能上限温度下での熱可塑性樹脂の粘度は10Pa・s以下であることが好ましく、仮にこの粘度を超えるようになると、トナー受容層1c上の画像で画像段差(画像部と非画像部での着色トナーの高さの差に相当)が目立つようになる。
更にまた、トナー受容層1cの熱可塑性樹脂は、結晶性ポリエステル樹脂と非晶性ポリエステル樹脂とが重量比35:65から65:35の範囲にて互いに溶融混合された樹脂とすることが好ましく、これによれば、耐熱性及び機械的強度の良好な層を形成することができるようになる。このとき、全熱可塑性樹脂の重量に対し、非晶性ポリエステル樹脂の重量比率が35%未満であると、耐熱性が悪化するようになる。一方、この比率が65%を超えると、機械的強度が低下する上に溶融混合性が低下して、混合時の溶融温度を高めたり、溶融時間を長く取る等が必要になり、製造性を損なう他、耐熱性も低下するようになる。
また、結晶性ポリエステル樹脂と非晶性ポリエステル樹脂とを溶融混合する条件としては、時間t(分)の間溶融混合して得られた樹脂にて20μm厚のシートを作成し、このシートの視感反射率Yが1.5%になる温度をT(℃)としたときに、溶融混合時の温度をT(℃)、時間をt(分)とすると、TがT〜T+20の範囲であり、tがt〜10×tの範囲に設定することが好ましい。溶融混合時の温度Tや混合時間tがTやt未満の場合には、溶融混合性が不十分となり、トナー受容層1cとしての機械的強度の低下や耐熱性の悪化が懸念され、一方、TがT+20を超えるか、tが10×tを超える場合には、樹脂の可塑化が一層進行し、耐熱性の悪化が懸念されるようになる。
更に、耐熱性、機械的強度を一層向上させる観点から、溶融混合の条件として、温度TをT+5〜T+10の範囲に、時間tをt〜3×tの範囲に設定するようにすればよい。
そして、上述した結晶性ポリエステル樹脂と非晶性ポリエステル樹脂とは、溶融混合性を更に高めるという観点からすれば、共通のアルコール由来構成成分あるいは酸由来構成成分を備えることが好ましい。
ここで、結晶性ポリエステル樹脂のアルコール由来構成成分、酸由来構成成分の好ましい態様としては、低温定着性、耐熱性、溶融混合性、機械的強度の観点を考慮すれば、前記結晶性ポリエステル樹脂のアルコール由来構成成分は炭素数6〜12の直鎖脂肪族を主成分とし、全アルコール由来構成成分に対して直鎖脂肪族成分が85〜98モル%の範囲であり、前記結晶性ポリエステル樹脂の酸由来構成成分はテレフタル酸又はイソフタル酸又はナフタレンジカルボン酸に由来する芳香族を主成分とし、全酸由来構成成分に対して芳香族成分が90モル%以上の範囲である態様が挙げられる。
このような態様において、低温定着性、耐熱性、溶融混合性などを満たす上で、非晶性ポリエステル樹脂のアルコール由来構成成分、酸由来構成成分の好ましい態様としては、非晶性ポリエステル樹脂のアルコール由来構成成分は、結晶性ポリエステル樹脂のアルコール由来構成成分の主成分である炭素数6〜12の直鎖脂肪族と同じ直鎖脂肪族を含み、全アルコール由来構成成分に対して直鎖脂肪族成分が10〜30モル%の範囲であり、前記非晶性ポリエステル樹脂の酸由来構成成分は、結晶性ポリエステル樹脂の酸由来構成成分の主成分であるテレフタル酸又はイソフタル酸又はナフタレンジカルボン酸に由来する芳香族と同じ芳香族を含み、全酸由来構成成分に対して芳香族成分が90モル%以上の範囲である態様が挙げられる。
また、結晶性ポリエステル樹脂の第三成分として、アルコール由来構成成分である芳香族系成分を含む場合の態様において、溶融混合性、耐熱性、低温定着性の観点からすれば、結晶性ポリエステル樹脂のアルコール由来構成成分は、炭素数6〜12の直鎖脂肪族及び芳香族系ジオール由来成分を含み、全アルコール由来構成成分に対して、直鎖脂肪族成分が85〜98モル%の範囲であり、かつ、芳香族系ジオール由来成分が2〜15モル%の範囲であり、非晶性ポリエステル樹脂のアルコール由来構成成分は、結晶性ポリエステル樹脂のアルコール由来構成成分の主成分と同じ直鎖脂肪族成分及び芳香族系ジオール由来成分を含み、全アルコール由来構成成分に対して、直鎖脂肪族成分が10〜30モル%の範囲であり、かつ、芳香族系ジオール由来成分が70〜90モル%の範囲である態様が好ましい。
更に、トナー受容層1cとして、溶融混合性を高め、平滑で高い光沢を有する表面性を実現する観点からすれば、結晶性ポリエステル樹脂と非晶性ポリエステル樹脂の酸由来構成成分の主成分は芳香族成分が同じもので構成されるようにすればよい。
また、トナー受容層1cとして、定着後の樹脂の固化速度を速める観点からすれば、熱可塑性樹脂中に3〜15wt%の無機微粒子を分散させることが好ましい。3wt%未満では固化速度を速める効果は殆どなく、一方、15wt%を超えると、定着時の粘度が高くなりすぎて、所望の高光沢な画像表面を形成できなくなる。
ここで、無機微粒子の好ましい態様としては、粒子径8〜200nmの二酸化チタン又はシリカを挙げることができ、白色度を損なうことなく、少量の添加でも固化を速めることができるようになる。
更に、画像支持体1としては、光散乱層1bとトナー受容層1cとの間にゼラチン層を備えることが好ましく、これによれば、トナー受容層1cの塗布の均一性が高まり、平滑な表面性や粒状性の向上に効果がある。
更にまた、画像支持体1としての搬送性や形状維持効果を高める観点からすれば、基材1aの裏面側にポリオレフィン系樹脂層を設けるようにすることが好ましい。これにより、画像支持体1の搬送時の重送を防ぐことが可能になると共にカールやトナー像(着色トナー像2並びに透明トナー像3)のひび割れ等の不具合を抑制することができるようになる。
そして、画像支持体1上に着色トナー像2を形成するために用いる着色トナーとしては、着色トナー作像工程5による転写性や画像自体の粒状性を確保する観点から、所謂乳化重合法によって作製されたトナーを使用することが好ましい。尚、着色トナーとしては、通常のカラーのみならず、黒色をも含む意味である。
また、着色トナー像2の耐熱性を確保する観点からすれば、定着可能上限温度下では、着色トナーの熱可塑性樹脂の粘度は103Pa・s以上であることが好ましく、この粘度を下回ると、定着過程で着色トナー像2が拡大し(ドットゲイン)、粒状性が乱れるようになる。
一方、画像支持体1上の透明トナー像3を形成するために用いられる透明トナーとしては、光沢性、透明性等の良好な外観を維持し、保存性を確保する観点からすれば、ガラス転移温度が50℃以上70℃未満の結着樹脂を使用することが必要である。
また、良好な画像を作成する観点からすれば、透明トナーは、非画像部における厚みが2〜10μmの範囲に設定されていることを要し、平均粒径3〜7μmのトナー粒子を溶融皮膜化していることが好ましい。
更に、透明トナー像3の耐熱性を確保する観点から、定着可能上限温度下では、透明トナーの結着樹脂の粘度は10Pa・s以下であることが好ましく、仮に粘度が10Pa・sを超えると画像段差が目立ち、中間調部分の光沢が低下するようになる。更にまた、透明トナーは、着色トナーのときと同様に、透明トナー作像工程6による転写性や画像自体の粒状性を確保する観点から、所謂乳化重合法によって作製されたトナーを使用することが好ましい。
そして、良好な画像を作成するという観点からすれば、透明トナー像3は画像支持体1の画像形成領域全面に亘って形成されることが好ましく、透明トナー像3を全面に形成することで、平滑な表面が実現でき、ハイライト部と中間調部での着色トナー像2の拡大が抑制され、粒状感を軽減できるようになる。
また、画像の平滑性を得るという観点からすれば、トナー受容層1c上で着色トナー像2が作製されていない部位に少なくとも透明トナー像3を作製することが好ましい。
また、本発明は、上述した画像形成方法のみならず、この画像形成方法が用いられる画像形成装置をも対象とする。
この場合、本発明は、図2に示すように、基材1a上に、白色顔料及びポリオレフィン系樹脂からなる熱可塑性樹脂を含む光散乱層1bと、この光散乱層1bの表面側に設けられ且つ結晶性ポリエステル樹脂及び非晶性ポリエステル樹脂を混合した熱可塑性樹脂を含むトナー受容層1cとが含まれる画像支持体1と、熱可塑性樹脂が含まれる着色トナーを用い、画像支持体1上に着色トナー像2を作製する着色トナー作像ユニット7と、結着樹脂のガラス転移温度が50℃以上70℃未満の透明トナーを用い、着色トナー像2が作製された画像支持体1上に非画像部における厚みが2〜10μmの範囲に設定された透明トナー像3を作製する透明トナー作像ユニット8とを備えるようにすればよい。
この場合、着色トナー作像ユニット7及び透明トナー作像ユニット8は、定着装置をも含み、夫々定着を個々に行ってもよいし、一括して定着するようにしてもよい。そして、着色トナー像2のドットゲインを抑え、装置を簡略化させる観点から、着色トナー作像ユニット7及び透明トナー作像ユニット8は、同一の定着手段で一括定着することが好ましい。
また、このような画像形成装置をより具体化した態様としては、着色トナー作像ユニット7及び透明トナー作像ユニット8は、着色トナー像2及び透明トナー像3が形成担持される一若しくは複数の像担持体と、前記像担持体上のトナー像を一時的に担持搬送する中間転写体と、前記像担持体上のトナー像を中間転写体に転写する一次転写装置と、中間転写体上に転写されたトナー像を画像支持体1上に一括転写する二次転写装置とを備え、中間転写体の表面に透明トナー像3を形成した後、更に着色トナー像2を形成することが好ましい。
これによれば、中間転写体上に透明トナー像3を形成した後、その上に着色トナー像2を形成することで、一括転写時の着色トナー像2の転写効率が高まり、特に中間調部分での粒状性を良好に保つことができるようになる。尚、「一若しくは複数の像担持体」とは、本件の画像形成装置における作像方式が、所謂ロータリ方式(複数サイクル方式)や所謂タンデム方式の両方式を含む趣旨である。
本発明に係る画像形成方法によれば、基材上に白色顔料及びポリオレフィン系樹脂からなる熱可塑性樹脂を含む光散乱層と、この光散乱層の表面側に設けられ且つ結晶性ポリエステル樹脂と非晶性ポリエステル樹脂を混合した熱可塑性樹脂を含むトナー受容層とが含まれる画像支持体を用い、この画像支持体を作像部位に供給する画像支持体供給工程と熱可塑性樹脂が含まれる着色トナーを用い、画像支持体上に着色トナー像を作製する着色トナー作像工程と、結着樹脂のガラス転移温度が50℃以上70℃未満の透明トナーを用い、着色トナー像が作製された画像支持体上に非画像部における厚みが2〜10μmの範囲に設定された透明トナー像を作製する透明トナー作像工程とを備えたので、銀塩写真のように画像表面が平滑で光沢性が高く、粒状性に優れた画像を形成する画像形成方法を実現することができるようになる。
また、耐熱性、機械的強度にも優れ、ブロッキング、ブリスター、ひび割れ等の欠陥を抑制することもできるようになる。
更に、このような画像形成方法が用いられる画像形成装置にあっては、画像支持体の搬送性も良好で、粒状性にも優れた画像を形成することができる。また、画像形成装置に中間転写体を使用するようにすれば、一括転写時の着色トナー像の転写効率が高まり、特に中間調部分での粒状性を一層良好に保つことができるようになる。
以下、添付図面に示す実施の形態に基づいて本発明を詳細に説明する。
図3は本発明が適用されたカラー画像形成装置の実施の形態を示す。
同図において、本実施の形態に係るカラー画像形成装置は、画像支持体11に例えばイエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの色成分からなるカラートナー像及び透明トナー像を形成する作像ユニット30と、この作像ユニット30にて形成された画像支持体11上のカラートナー及び透明トナーを定着させる定着装置50と、この定着装置50に画像支持体11を搬送する搬送装置60とを備えている。
本実施の形態において、画像支持体11は、例えば図4に示すように、原紙12上に、20〜40wt%の白色顔料が分散された厚さ20〜50μmの熱可塑性樹脂層からなる光散乱層13、更にその上層に少なくとも熱可塑性樹脂を80wt%以上含む厚さ5〜20μmのトナー受容層14とを少なくとも備えている。
ここで、原紙12は写真印画紙に一般的に用いられる坪量100〜250gsmの材料から選定される。すなわち、針葉樹や広葉樹から選ばれる天然パルプや合成パルプを主原料に、必要に応じ、クレー、タルク、炭酸カルシウム、尿素樹脂微粒子等の填料、ロジン、アルキルケテンダイマー、高級脂肪酸、エポキシ化脂肪酸アミド、パラフィンワックス、アルケニルコハク酸等のサイズ剤、澱粉、ポリアミドポリアミンエピクロルヒドリン、ポリアクリルアミド等の紙力増強剤、硫酸バンド、カチオン性ポリマー等の定着剤等を添加したものが用いられる。
原紙12は平滑性及び平面性を付与する目的で、マシンカレンダー、スーパーカレンダー等の装置によって熱及び圧力を加えた処理を行う方がよい。
また、原紙12に光散乱層13を形成するに際しては、原紙12表面に、予めグロー放電処理、コロナ放電処理、火炎処理、アンカーコート処理等の前処理をすることが光散乱層13と原紙12との密着性を向上する観点から好ましい。
更に、光散乱層13に含まれる白色顔料には、酸化チタン、炭酸カルシウム、硫酸バリウム等の公知の白色顔料の微粒子を使うことができる。白色度を高めるという観点から酸化チタンを主成分とすることが好ましい。
また、光散乱層13は白色顔料を20〜40wt%少なくとも含む。白色顔料の量が20wt%未満の場合、白色度が低く、また、裏面に文字等を書き込んだり、印刷したりした際に裏写りするという問題点がある。一方、40wt%を超えると、光散乱層13の機械的強度が不足すること、平滑な表面を持つ層を形成し難くなるなどの問題点を生ずる。
更に、光散乱層13に含まれる熱可塑性樹脂は、ポリオレフィン系又はポリオレフィン系共重合体からなり、例えば、低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−アクリル酸共重合体、エチレン−アクリル酸エステル共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体等が挙げられる。
そして、光散乱層13に含まれる熱可塑性樹脂の粘度は定着装置50の最高到達温度(定着可能上限温度)下にて5×10Pa・s以上であり、これを満たすことで、定着時に原紙12から発生する水蒸気による気泡が光散乱層13を抜けて画像表面から発散されて画像表面の平滑性を損なうという問題点を回避できる。
また、本実施の形態における光散乱層13の厚さは20〜50μmであることが好ましく、20μm未満では白色度が低く、裏面に文字等を書き込んだり、印刷したりした際に裏写りするという問題が発生する。一方、50μmを超えると、折り曲げたときに光散乱層13がひび割れするという問題がある。
更に、光散乱層13には紫外線を吸収して蛍光を発する蛍光増白剤を添加することが好ましい。このような画像支持体11は白色度が高く、色が鮮やかな画像を提供することができる。
また、光散乱層13を形成する樹脂、白色顔料、その他の添加物を混合する方法は、樹脂中に、白色顔料とその他の添加物を均一に分散するという目的を満たせば、特に限定する必要はなく、例えば、光散乱層13を溶融押出しで塗膜する際に直接押出し式混練機に添加する方法、予めマスターペレットを作製して溶融押出装置に添加する方法等、公知の方法を適用できる。
そして、光散乱層13の塗膜方法は、均一で平滑な光散乱層13を形成する目的を満たす限り特に限定する必要はない。例えば、樹脂中に、白色顔料とその他の添加物を均一に分散することをも兼ね備えた溶融押出法に基づく装置が挙げられる。溶融押出法においては、加熱された押出し機から幅広のスリットダイ(所謂T−ダイ)を経て押し出された溶融樹脂膜を原紙12に接触させ、ロールで連続的に圧接するラミネート方法や、同じく溶融樹脂膜を冷却されたロール上に押出し、巻き取ってフィルム化する一般的な方法等が挙げられる。この溶融押出法によれば、原紙12に、前記の樹脂、白色顔料、その他の添加物からなる均一な膜を容易に形成することができる。尚、溶融押出法による被転写層の形成に使用する押出し機は、一軸のものでも、二軸のものでもよいが、前記樹脂中に白色顔料とその他の添加物を均一に混合しうる能力を有するものであることが重要である。
また、光散乱層13の塗膜は、スリットダイ(T−ダイ)を経て押し出された溶融樹脂膜の片面又は両面を火炎処理、コロナ処理、プラズマ処理等の方法で処理することが好ましい。これによって、原紙12及び後述するカラートナー受容層(トナー受容層)14との密着性が改善できる。
また、本実施の形態では、画像支持体11は、光散乱層13の上層にカラートナー受容層14を備えている。
カラートナー受容層14の熱可塑性樹脂は、結晶性ポリエステル樹脂と非晶性ポリエステル樹脂とを溶融混合した樹脂からなる。結晶性ポリエステル樹脂は一種類でもよいが、複数の異なる結晶性ポリエステル樹脂同士を混合したものでもよい。また、非晶性ポリエステル樹脂も、同様に、一種類でもよいが、複数の異なる非晶性ポリエステル樹脂同士を混合したものでもよい。
本実施の形態において、カラートナー受容層14は、定着装置50の最高到達温度下(定着可能上限温度下に相当)での粘度が10Pa・s以下であることがよく、この範囲を外れると、定着により平滑で光沢の高い画像表面を得ることができない。特に、定着された画像表面においても、高濃度部と低濃度部との境界に段差が残るという問題がある。更に、定着過程でのカラートナー像の拡大(ドットゲイン)が顕著となり、粒状性を損なうという問題が起こる。
更に、本実施の形態においてカラートナー受容層14の厚さは5〜20μmの範囲がよく、5μm未満の場合、定着により平滑で光沢性の高い画像表面を得ることができず、特に、定着された画像表面においても、高濃度部と低濃度部との境界に段差が残るという問題がある。一方、20μmを超えると、折り曲げたときにカラートナー受容層14がひび割れするという問題がある。
そして、本実施の形態におけるカラートナー受容層14の熱可塑性樹脂としては、結晶性ポリエステル樹脂と非晶性ポリエステル樹脂との重量比が35:65から65:35の範囲内に設定されている。
また、本実施の形態において、前述した視感反射率Yの測定は、例えば図5に示すよう行われる。
同図において、先ず、表面と裏面の散乱成分を除くため、測定する樹脂フィルム(ポリエステル系樹脂からなるフィルム)123を、顕微鏡観察用の透明なカバーガラス121,122で挟み込み、カバーガラス121,122と樹脂フィルム123との間を図示外の屈折率マッチング液(テトラデカン)で満たす。この試料120(カバーガラス121,122+樹脂フィルム123)をライトトラップ125上に載置し、光源126からの光を前記試料120に照射すると共に、0/45度の幾何学的測色条件を満たす測色器127(例えばX−Rite968など)で反射測定する。尚、ライトトラップ125としては、例えば一端が開口した筒体131の開口側に載置台132を設けると共に、筒体131の内壁を黒塗り等の光吸収部133として構成し、試料120を透過した光をトラップするものであれば適宜選定して差し支えない。
このようにして測ったCIE XYZ表色系におけるYの値が、視感反射率Yと一致する。測定すべき樹脂フィルム123が透明で、かつ、カバーガラス121,122も透明な場合、Yはほとんど0となる。つまり、Yの値は樹脂フィルム123内部の散乱成分の強さと対応する。このとき、結晶性ポリエステル樹脂と非晶性ポリエステル樹脂との溶融混合が不十分だと、このポリエステル系樹脂からなる樹脂フィルム123の散乱強度は強く、大きなYの値を示す。一方、相互の混合性が高まると散乱が減り、この樹脂フィルム123のYは小さくなる。したがって、Yは溶融混合性の指標となる。
また、測定する樹脂フィルム123の膜の厚みは20μmであることが好ましいが、散乱が2%以下の場合には、Yの大きさは膜の厚みに略比例するので、樹脂フィルム123の厚みが正確に20μmでない場合には、厚みで換算してYを算出してもよい。
ここで、樹脂フィルム123の作製方法は、均質で均一な厚みの膜を形成するという目的を損なわない限り、特に限定されない。ただし、溶剤に溶かした溶液を塗布して作製する場合、混合した樹脂が分離して均質な膜ができないことがある。そのため、ホットプレート等の上に平滑で離型性のよい板基材を載せ、この板基材上に樹脂を溶かしてバーコーター等で塗布し、板基材から膜を剥離する方法で膜を得ることができる。この際にホットプレートの温度が溶融混合温度を超えると混合状態が変化するので、混合温度に対して20℃程度は低い温度に設定する必要がある。
また、板基材上に作った膜(樹脂フィルム123)をPETフィルム等の透明フィルムに重ね、加熱加圧した後に板基材を剥離して透明フィルムに転写したものを使って、Yを測定してもよく、この試料の反射率Yから転写フィルム自体の反射率Yを引き算すると、測定すべき樹脂フィルム123に対するYが算出できる。
次に、カラートナー受容層14を構成する結晶性ポリエステル樹脂、非晶性ポリエステル樹脂について説明する。
[結晶性ポリエステル樹脂]
結晶性ポリエステル樹脂は融点が80〜130℃であり、好ましくは80〜100℃であり、より好ましくは85〜95℃のものである。また、重量平均分子量は15000〜50000であり、低温定着性、機械的強度の観点からより好ましくは17000〜40000である。尚、本実施の形態において、ポリエステル系樹脂の融点の測定には、示差走査熱量計(DSC:Differential Scanning Calorie meter)を用い、室温から150℃まで毎分10℃の昇温速度で測定を行った時の吸熱ピークのトップの値を用いた。
更に、本実施の形態において、「結晶性ポリエステル樹脂」の「結晶性」とは、DSCにおいて、階段状の吸熱量変化ではなく、明確な吸熱ピークを有することを指す。また、結晶性ポリエステル主鎖に対して他成分を共重合したポリマーの場合、他成分が少量であり、DSCにおいて明確な吸熱ピークを有するならば、この共重合体も結晶性ポリエステル樹脂と呼ぶ。
また、樹脂の柔軟性を高めるためには、結晶性ポリエステル樹脂のアルコール由来構成成分は炭素数2〜14の直鎖脂肪族であることが好ましい。
前記アルコール由来構成成分となるためのアルコールとしては、脂肪族ジオールが好ましい。
脂肪族ジオールとしては、具体的には、例えば、エチレングリコール、1,3-プロパンジオール、1,4-ブタンジオール、1,5-ペンタンジオール、1,6-ヘキサンジオール、1,7-ヘプタンジオール、1,8-オクタンジオール、1,9-ノナンジオール、1,10-デカンジオール、1,11-ウンデカンジオール、1,12-ドデカンジオール、1,13-トリデカンジオール、1,14-テトラデカンジオール、1,18-オクタデカンジオール、1,20-エイコサンジオール等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。定着性と耐熱性の観点から、これらのうち炭素数が6〜12の範囲の直鎖脂肪族系のジオールであることが好ましく、炭素数が9のノナンジオールを用いることがより好ましい。
溶融混合性、低温定着性の観点から、全アルコール由来構成成分に対して、上記炭素数が6〜12の範囲の直鎖脂肪族系のジオールを85〜98モル%の範囲で含むことが好ましい。
また、酸由来構成成分となるための酸としては、芳香族系、脂肪族系等の種々のジカルボン酸が挙げられるが、溶融混合性、機械的強度、耐熱性の観点から芳香族系ジカルボン酸が好ましい。
芳香族ジカルボン酸としては、例えば、テレフタル酸、テレフタル酸ジメチル、イソフタル酸、イソフタル酸ジメチル、2,6-ナフタレンジカルボン酸、4,4’-ビフェニルジカルボン酸等が挙げられる。中でもテレフタル酸、テレフタル酸ジメチル、イソフタル酸、イソフタル酸ジメチル、2,6-ナフタレンジカルボン酸が、低温定着性、機械的強度の点で好ましく、機械的強度と溶融混合性の観点からすれば、全酸由来構成成分に対して芳香族成分が90モル%以上の範囲であることが好ましい。
脂肪族ジカルボン酸としては、例えば、しゅう酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼリン酸、セバシン酸、1,9-ノナンジカルボン酸、1,10-デカンジカルボン酸、1,11-ウンデカンジカルボン酸、1,12-ドデカンジカルボン酸、1,13-トリデカンジカルボン酸、1,14-テトラデカンジカルボン酸、1,16-ヘキサデカンジカルボン酸、1,18-オクタデカンジカルボン酸等、あるいは、その低級アルキルエステルや酸無水物が挙げられるが、この限りではない。
また、溶融混合性を高めるため、2〜12.5モル%の範囲で第三成分を共重合することが好ましい。第三成分の比率が減ると溶融混合性が低下し、混合温度を高めたり、混合時間を長くしなければならず、製造性が悪化するのに加えて、耐熱性を悪化させることになる。また、第三成分の比率がこの範囲を超えると、溶融混合性は高まる一方で、結晶性が低下して耐熱性が悪くなる。耐熱性が悪化すると、アルバム等に挟んでの保管や、画像支持体11自体を高温の倉庫や車内に放置した状態での保管において、ブロッキング、オフセットなどの問題を生じるようにもなる。
第三成分としては、溶融混合性を高める観点から、ビスフェノールA、ビスフェノールAエチレンオキサイド付加物、ビスフェノールAプロピレンオキサイド付加物や水素添加ビスフェノールA、ビスフェノールS、ビスフェノールSエチレンオキサイド付加物、ビスフェノールSプロピレンオキサイド付加物等のジオール成分を用いることが好ましい。また、耐熱性の観点から、全アルコール由来構成成分に対して、アルコール由来の第三成分が2〜15モル%の範囲にあることが好ましく、更に好ましい範囲は3〜8モル%の範囲である。
更に、第三成分として、溶融混合性の観点から酸由来構成成分を加えてもよい。酸由来構成成分を二種類以上加えることで結晶性が低下して溶融混合性が高まる。結晶性が低下することによる耐熱性悪化を防ぐには、全酸由来構成成分に対するこの第三成分の比率を10%以下とすることが好ましい。
そして、結晶性ポリエステル樹脂の製造方法としては、特に制限はなく、酸成分とアルコール成分とを反応させる一般的なポリエステル重合法で製造することができる。すなわち、二塩基酸と二価アルコールをエステル化反応もしくはエステル交換反応させることによりオリゴマーを作成し、次いで真空下で重縮合反応を行って合成することができる。また、例えば特公昭53−37920号公報に記載のように、ポリエステルの解重合法によっても得ることができる。また、二塩基酸としては、ジメチルテレフタレート等のジカルボン酸のアルキルエステルを少なくとも一方に用いてエステル交換反応を行なった後、重縮合反応を行なっても、ジカルボン酸を用いて直接エステル化、次いで重縮合反応を行なってもよい。
例えば、二塩基酸と二価アルコールを、大気圧下180〜200℃で2〜5時間反応させ、水又はアルコールの留出を終了させて、エステル交換反応を完結させる。次いで、反応系内の圧力を1torr以下の高真空にすると共に、200〜230℃に昇温し、この温度にて1〜3時間加熱して結晶性ポリエステル樹脂を得る。
[非晶性ポリエステル樹脂]
非晶性ポリエステル樹脂はガラス転移点が50〜80℃であり、好ましくは55〜65℃のものである。重量平均分子量は8000〜30000の範囲であるが、低温定着性と機械的強度の観点から、重量平均分子量は8000〜16000の範囲であることが好ましい。そして、低温定着性、混合性の観点から、第三成分を共重合してもよい。
また、前記結晶性ポリエステル樹脂と共通のアルコール由来構成成分あるいは酸由来構成成分を持つことが溶融混合性を高める上で好ましい。特に、結晶性ポリエステル樹脂のアルコール由来構成成分の主成分が直鎖脂肪族成分で、酸由来構成成分の主成分が芳香族系成分である場合、同じ直鎖脂肪族のアルコール由来構成成分を全ジオールに対して10〜30モル%の範囲で含み、同じ酸由来構成成分の芳香族系成分を全酸由来構成成分に対して90モル%以上含むことで、低温定着性を満たす上に溶融混合性が高められ、低温で溶融混合でき、耐熱性の良好な混合物を得ることができる。
更に、結晶性ポリエステル樹脂の第三成分としてアルコール由来構成成分である芳香族系成分を含む場合、同じ芳香族系成分を非晶性ポリエステル樹脂のアルコール由来構成成分の主成分として、全アルコール由来構成成分に対してこの芳香族系成分を70〜90モル%の範囲で含むことが、溶融混合性、耐熱性、低温定着性の観点から特に好ましい。
また、非晶性ポリエステル樹脂の製造方法は、前記結晶性ポリエステル樹脂の製造方法と同様、特に制限はなく、上述したような一般的なポリエステル重合法で製造することができる。
更に、酸由来構成成分としては、結晶性ポリエステル樹脂に関して挙げた種々のジカルボン酸を同様に用いることができる。また、アルコール由来構成成分としては、種々のジオールを用いることができるが、結晶性ポリエステル樹脂に関して挙げた脂肪族ジオールに加えて、ビスフェノールA、ビスフェノールAエチレンオキサイド付加物、ビスフェノールAプロピレンオキサイド付加物や水素添加ビスフェノールA、ビスフェノールS、ビスフェノールSエチレンオキサイド付加物、ビスフェノールSプロピレンオキサイド付加物等を用いることができる。また、非晶性ポリエステル樹脂の場合は酸由来構成成分、アルコール由来構成成分とも複数の成分を含んでもよい。
また、カラートナー受容層14は熱可塑性樹脂以外に、ワックス、無機微粒子、有機微粒子等を添加することも好ましい。ただし、熱可塑性樹脂が80wt%以上の比率で構成されることが好ましい。これは、熱可塑性樹脂分が80wt%未満の場合、粘度が高くなり過ぎたり、耐熱性が低下するなどの問題を生じる懸念があることによる。
また、カラートナー受容層14には無機微粒子を3〜15wt%添加することが特に好ましい。無機微粒子としては、白色度を阻害しない限り特に制限はなく、公知の微粒子の中から目的に応じて適宜選択することができるが、その材質としては、例えば、シリカ、二酸化チタン、硫酸バリウム、炭酸カルシウム等が挙げられる。また、樹脂への分散性を考慮し、これらの無機微粒子に対して、シランカップリング剤、チタンカップリング剤等を用いて疎水化処理したものも使用できる。
無機微粒子の平均粒径は0.005〜1μmであるのが特に好ましい。平均粒径が0.005μm未満であると、樹脂と混合したときに微粒子自体の凝集が起こり、所望の効果が得られないことがある一方、1μmを超える場合にはより高光沢な画像を得ることが困難になる。
更に、無機微粒子を添加することで、定着後の樹脂の固化(固化速度)が速くなる。添加量が3wt%を下回ると固化を速める効果が殆どなく、15wt%を超えると定着温度下での粘度が上がるため、高光沢な画像表面を形成できなくなる。
更にまた、無機微粒子としては、その主成分が粒子径8〜200nmの二酸化チタン又はシリカであることが好ましい。このような無機微粒子は白色度を損なうことがない上に、添加量が少量であっても固化を速めることができるようになる。
また、無機微粒子のみならず、有機微粒子を添加しても定着後の樹脂の固化を速めることができる。有機微粒子としては、白色度を阻害しない限り特に制限はなく、公知の微粒子の中から目的に応じて適宜選択することができるが、その材質としては、例えば、ポリエステル系樹脂、ポリスチレン系樹脂、タルク、カオリンクレー、アクリル系樹脂、ビニル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリイミド系樹脂、エポキシ系樹脂、ポリウレア系樹脂、フッ素系樹脂等が挙げられる。
更に、有機微粒子の平均粒径は0.005〜1μmであるのが特に好ましい。平均粒径が0.005μm未満であると、樹脂と混合したときに微粒子自体の凝集が起こり、所望の効果が得られないことがある一方、1μmを超えたときにはより高光沢な画像を得ることが困難になる。
そして、ワックスの組成としては、本実施の形態の効果を損なわない限り特に制限はなく、ワックスとして用いられている公知の材料の中から目的に応じて適宜選択することができるが、その材質として例えば、ポリエチレン系樹脂、カルナバ天然ワックス等が挙げられる。ここで、融点80〜110℃のワックスが0.2〜8wt%未満の比率で添加されていることが好ましい。
また、カラートナー受容層14を形成する樹脂、無機微粒子、その他の添加物を混合する方法は、樹脂中に、無機微粒子とその他の添加物を均一に分散するという目的を満たせば、特に限定する必要はなく、公知の混合方法を使うことができる。
例えば、押出し式混練機を使って、溶融した樹脂のなかに、白色顔料とその他の添加物を混合していく方法、また、樹脂、無機微粒子、その他の添加物、さらに界面活性剤を水中に入れて、高速撹拌してエマルジョンにする方法がある。特に、樹脂中に、無機微粒子とその他の添加物を均一に分散するという観点から、溶融混合することが好ましい。
更に、カラートナー受容層14の塗膜方法は、均一で平滑なカラートナー受容層14を形成する目的を満たす限り特に限定する必要はなく、例えば、樹脂中に、無機微粒子とその他の添加物を均一に分散することをも兼ね備えた溶融押出法に基づく方法が挙げられる。
溶融押出法としては、加熱された押出し機から幅広のスリットダイ(T−ダイ)を経て押し出された溶融樹脂膜を、原紙12上の光散乱層13に接触させ、ロールで連続的に圧接するラミネート方法や、同じく溶融樹脂を冷却したロール上に押出し、巻き取ってフィルム化し、これをラミネート装置で光散乱層13上に被覆するなどの一般的な方法が挙げられる。このように、溶融押出法によれば、原紙12上の光散乱層13に、上述の樹脂、無機微粒子、その他の添加物からなる均一な膜を容易に形成することができる。
また、予め、結晶性ポリエステル樹脂と非晶性ポリエステル樹脂とを所定の条件下にて溶融混合しておき、この樹脂とその他の添加物とを混ぜて溶融押出法で成膜することもできるが、この際には溶融押出し温度が高すぎたり時間が長すぎたりして混合が更に進んで所望の特性を損なうことがないように、溶融押出しの条件を決める必要がある。より具体的には、溶融混合した温度より低い温度で短時間の間に押し出す必要がある。
溶融押出法を使うと、混合すべき結晶性ポリエステル樹脂と非晶性ポリエステル樹脂とを、所定の条件で溶融混合することを兼ねることも可能である。所望の特性が得られるように、溶融温度と押出し時間とを設定した装置に、樹脂と添加物とを仕込んで溶融押出しして成膜すると、所望の特性を満たす均質な膜を形成することができる。
尚、溶融押出法による被転写層(本実施の形態では、画像支持体11上に形成される光散乱層13、カラートナー受容層14にて構成される)の形成に使用する押出し機は、一軸のものでも、二軸のものでもよいが、樹脂中に白色顔料とその他の添加物を均一に混合しうる能力を有するものであることが重要である。また、樹脂、無機微粒子、その他の添加物を水中に分散したエマルジョン溶液を、ロールコーター、バーコーター、スピンコーター等の公知の方法で塗布することもできる。
また、本実施の形態で用いられる画像支持体11としては、原紙12、光散乱層13及びカラートナー受容層14を備えていればよいが、これ以外の他の層を備えても差し支えない。
例えば図6(a)に示すように、前記画像支持体11が、原紙12の裏面にポリエチレン樹脂層からなる補強層15を形成し、更に、その外側に帯電防止層16を備えたものが挙げられる。
本態様によれば、このような画像支持体11は、白色度が高く、表面が平滑で光沢も高く、裏面に画像を作った場合でも裏写りせず、かつ、色が鮮やかで、滑らかな粒状感の良い画像構造を提供することができる上に、画像支持体11の搬送性が一層向上し、ほこり汚れ等も付着し難いという利点をもつ。
ここで、帯電防止層16は裏面の表面抵抗値を10〜1010Ω/□程度の範囲に保つことを目的とするものであり、目的を達する限り特に限定する必要はない。そのため、例えば、コロイダルシリカ、コロイダルアルミナ等の塗布層、またはアルミナ、シリカ等の粒子を少量の結着樹脂に混ぜて塗布した層、イオン性の界面活性剤を分散した樹脂溶液を塗布した層などが挙げられる。
また、画像支持体11としては、図6(b)に示すように、光散乱層13とカラートナー受容層14との間にゼラチン層17を設けた態様も好ましい。
本態様は、カラートナー受容層14と光散乱層13との接着性を上げるという効果がある。特に、カラートナー受容層14を構成する材料をエマルジョン水溶液として塗布するときには、ゼラチン層17は均一なカラートナー受容層14を形成する上で有効に作用する。
更に、本実施の形態において、カラートナー像に用いられるカラートナーは、少なくとも熱可塑性の結着樹脂と着色剤とを含有してなる絶縁性の粒子で、イエロートナー、マゼンタトナー、シアントナー、ブラックトナー等が挙げられる。
このときの結着樹脂としては、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、ポリエステル系樹脂、ポリスチレン系樹脂、アクリル系樹脂、その他のビニル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリイミド系樹脂、エポキシ系樹脂、ポリウレア系樹脂等の一般的にトナー用として用いられる公知の樹脂とその共重合体が挙げられる。これらの中でも、低温定着性、定着強度、保存性等のトナー特性を同時に満足し得る点でポリエステル系又はスチレン−アクリル共重合体からなる樹脂が好ましい。また、結着樹脂は、重量平均分子量が5000〜40000、かつ、ガラス転移点が55℃以上75℃未満であることが好ましい。
また、着色剤には一般にカラー画像作成用に使われる色材を使うことができる。
染料系、顔料系のいずれも使うことが可能であるが、耐光性の観点から顔料系の着色剤が好ましい。例えば、Y(イエロー)用としてベンジジンイエロー、キノリンイエロー、ハンザイエロー等、M(マゼンタ)用としてローダミンB、ローズベンガル、ピグメントレッド等、C(シアン)用としてフタロシアニンブルー、アニリンブルー、ピグメントブルー等、K(ブラック)用としてカーボンブラック、アニリンブラック、カラー顔料のブレンド等がある。
更に、色再現範囲を広めるためには、着色剤の顔料と結着樹脂との界面での乱反射を抑えることが重要であり、例えば特開平4−242752号公報に示される小粒径の顔料を高分散した着色剤との組合せが有効である。
また、トナー中の色材量については、その種類により分光吸収特性や発色が異なるので最適量も夫々異なる。そのため、一般的な範囲である3〜10wt%程度の間で、色再現域を考慮して適宜決定することが好ましい。
更に、カラートナーにはワックスが添加されていることが好ましい。ワックスの組成としては、実施の形態の効果を損なわない限り特に制限はなく、ワックスとして用いられている公知の材料の中から目的に応じて適宜選択することができるが、その材質として、例えばポリエチレン系樹脂、カルナバ天然ワックス等が挙げられる。ここで、融点80〜110℃の範囲のワックスが0.2〜8wt%の比率で添加されていることが好ましい。
また、カラートナーの粒径については特に限定する必要はないが、粒状性や階調性の良好な画像を得るという観点から、4〜8μmが好ましい。
更に、カラートナー粒子の作製方法は公知のものを使うことができる。例えば、上述のトナー材料(着色剤と熱可塑性樹脂等からなる)を溶融混合した後、機械式粉砕機等で粉砕し、風力式分級機等の分級装置で分級する粉砕分級方式のトナー製造法に依ってもよい。しかしながら、本実施の形態では、乳化重合により作製したサブミクロンサイズの乳化粒子を、凝集させた後、加熱して合一化してトナー粒子を作製するEA方式(Emulsion Aggregation方式)でカラートナーを作製している。EA方式で作製したトナーは粒度分布がシャープで、均一な画像を形成するのに適す上に、トナーの形状を制御しやすく、転写性を高めるのに好適であり、粒状性の高い画像を形成するのに有効である。
尚、粒状性や調子再現性の良い画像を得るためには、トナーの流動性と帯電性の制御が必要になる。この観点から、カラートナーの表面に、無機微粒子及び/又は有機微粒子を外添ないし付着させることが好ましい。
無機微粒子としては、実施の形態の効果を損なわない限り特に制限はなく、外添剤として用いられている公知の微粒子の中から目的に応じて適宜選択することができるが、その材質としては、例えば、シリカ、二酸化チタン、酸化すず、酸化モリブデン等が挙げられる。また、帯電性等の安定性を考慮し、これらの無機微粒子に対して、シランカップリング剤、チタンカップリング剤等を用いて疎水化処理したものも使用できる。
前記有機微粒子としては、実施の形態の効果を損なわない限り特に制限はなく、外添剤として用いられている公知の微粒子の中から目的に応じて適宜選択することができるが、その材質としては、例えば、ポリエステル系樹脂、ポリスチレン系樹脂、アクリル系樹脂、ビニル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリイミド系樹脂、エポキシ系樹脂、ポリウレア系樹脂、フッ素系樹脂等が挙げられる。
無機微粒子及び有機微粒子の平均粒径は、0.005〜1μmであるのが特に好ましく、平均粒径が0.005μm未満であると、トナーの表面にこれらの微粒子を付着させたときに凝集が起こり、所望の効果が得られないことがある一方、1μmを超えたときにはより高光沢な画像を得ることが困難になる。
また、カラートナーの熱可塑性樹脂は、定着装置の最高到達温度(定着可能上限温度に相当)における粘度が103Pa・s以上であることが好ましい。
ここで、粘度が103Pa・sを下回ると、定着過程でカラートナー像の拡大(ドットゲイン)が顕著となり、中濃度部においてカラートナー像が乱れて粒状性を損なうこと、線の太りや文字のつぶれを生じることなどの問題点を起こす懸念がある。
尚、カラートナーは、適宜選択したそれ自体公知のキャリアと組み合わされて現像剤とされた後で使用される。また、一成分系現像剤として、現像スリーブ及び帯電部材と摩擦帯電して帯電トナーを形成し、静電潜像に応じて現像する手段も適用できる。
更に、本実施の形態における透明トナー像に用いられる透明トナーは、少なくとも熱可塑性の結着樹脂を含有してなる絶縁性の粒子である。
この結着樹脂としては、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、ポリエステル系樹脂、ポリスチレン系樹脂、アクリル系樹脂、その他のビニル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリイミド系樹脂、エポキシ系樹脂、ポリウレア系樹脂等の一般的なトナー用として用いられる公知の樹脂とその共重合体が挙げられる。
これらの中でも、低温定着性、定着強度、保存性等のトナー特性を同時に満足し得る観点からポリエステル系またはスチレン−アクリル共重合体からなる樹脂が好ましい。また、結着樹脂は、重量平均分子量が5000以上40000以下、かつ、ガラス転移点が50℃以上70℃未満であることが必要となる。
また、透明トナーにはワックスが添加されていることが好ましい。
ワックスの組成としては実施の形態の効果を損なわない限り特に制限はなく、ワックスとして用いられている公知の材料の中から目的に応じて適宜選択することができるが、その材質として例えば、ポリエチレン系樹脂、カルナバ天然ワックス等が挙げられる。ここで、融点80〜110℃の範囲のワックスが0.2wt%以上8wt%未満の比率で添加されていることが好ましい。
更に、透明トナーの平均粒径は、粒状性や階調性の良好な画像を得るという観点から、3μm以上7μm以下が好ましい。
更にまた、透明トナー粒子の作製方法は公知のものを使うことができる。例えば、上述したトナー材料(少なくとも結着樹脂を含む)を溶融混合した後、機械式粉砕機等で粉砕し、風力式分級機等の分級装置で分級する粉砕分級方式のトナー製造法に依ってもよい。しかしながら、本実施の形態では、乳化重合により作製したサブミクロンサイズの乳化粒子を、凝集させた後、加熱して合一化してトナー粒子を作製するEA方式でカラートナー同様に作製している。
尚、均一性の高い透明トナー像を得るためには、透明トナーの流動性と帯電性の制御が必要になる。この観点から、透明トナーの表面に、無機微粒子及び/又は樹脂微粒子を外添ないし付着させることが好ましい。
無機微粒子としては、実施の形態の効果を損なわない限り特に制限はなく、外添剤として用いられている公知の微粒子の中から目的に応じて適宜選択することができるが、その材質としては、例えば、シリカ、二酸化チタン、酸化すず、酸化モリブデン等が挙げられる。また、帯電性等の安定性を考慮し、これらの無機微粒子に対して、シランカップリング剤、チタンカップリング剤等を用いて疎水化処理したものも使用できる。
また、有機微粒子としては、実施の形態の効果を損なわない限り特に制限はなく、外添剤として用いられている公知の微粒子の中から目的に応じて適宜選択することができるが、その材質としては、例えば、ポリエステル系樹脂、ポリスチレン系樹脂、アクリル系樹脂、ビニル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリイミド系樹脂、エポキシ系樹脂、ポリウレア系樹脂、フッ素系樹脂等が挙げられる。
そして、無機微粒子及び有機微粒子の平均粒径は0.005〜1μmであるのが特に好ましい。平均粒径が0.005μm未満であると、トナーの表面にこれらの微粒子を付着させたときに凝集が起こり、所望の効果が得られないことがある一方、1μmを超えたときにはより高光沢な画像を得ることが困難になる。
また、透明トナーは、適宜選択したそれ自体公知のキャリアと組み合わされて現像剤とされた後で使用される。また、一成分系現像剤として、現像スリーブ及び帯電部材と摩擦帯電して、帯電トナーを形成して、静電潜像に応じて現像する手段も適用できる。
更に、透明トナー像の厚みは、非画像部において2〜10μmであることが好ましい。透明トナー像の非画像部における厚みが薄すぎると、部分的にトナー受容層が露出して平滑な表面を形成できず、非画像部と画像部におけるカラートナーの厚みの差(画像段差)やハーフトーン構造に依存した画像表面の凹凸が残り、中間調領域の光沢が高まらない。一方、厚みが厚すぎると、カラートナー像の転写像が乱れる。ここで、トナー受容層の上にカラートナー像か透明トナー像の何れかが形成されていることが、平滑性を得る観点で重要となるため、カラートナー像が隙間無く形成されている領域には必ずしも透明トナー像は必要ではない。
したがって、トナー消費量削減と画像段差の低減の観点から、カラートナー像の被覆率(全画像形成領域に占めるカラートナー像の割合)に応じて、透明トナー像の厚みを変えることが好ましい。尚、これは、例えば画像データによる占有面積率によって、透明トナー像22の入力信号を変調してレーザ光線の露光面積率を切り替えるようにすればよい。
また、本実施の形態における作像ユニット30(図3参照)としては、公知の電子写真方式のトナー画像形成装置が用いられる。
例えば感光体、感光体を帯電する帯電装置、感光体を露光する露光装置、カラー画像を形成するための画像信号を制御する画像信号形成装置、感光体上の潜像を可視像化する現像装置、感光体上のトナー像を画像支持体上に転写する転写装置からなる態様が挙げられる。
ここで、感光体としては、特に制限はなく公知のものでよく、単層構造のものであってもよいし、多層構造で機能分離型のものであってもよい。また、材質としては、セレン、アモルファスシリコン等の無機物であってもよいし、OPC等の有機物であってもよい。
また、帯電装置には、例えば、導電性又は半導電性のロール、ブラシ、フィルム、ゴムブレード等を用いた接触帯電方式、コロナ放電を利用したコロトロン帯電やスコロトロン帯電等の非接触帯電方式等、それ自体公知の手段を使うことができる。
更に、露光装置には、半導体レーザ、走査装置及び光学系からなるレーザ走査装置(ROS:Raster Output Scanner)、あるいはLEDヘッド等の公知の露光手段を使うことができる。均一で、解像度の高い露光像を作るという好ましい実施形態を考えると、ROS又はLEDヘッドを使うことが好ましい。
更にまた、画像信号形成装置には、画像支持体上の所望の位置にトナー像を現像するように、信号を形成するものであれば公知の手段を適宜使うことができる。
また、現像装置は、感光体上に均一で、解像度の高いトナー像を形成できるという目的を果たす限り、一成分、二成分を問わず公知の現像装置を使うことができる。粒状性が良好で、滑らかな調子再現ができるという観点から、二成分現像方式の現像装置が好ましい。
更に、転写装置(中間転写型では一次転写装置)には、例えば、電圧を印加した導電性又は半導電性のロール、ブラシ、フィルム、ゴムブレード等を用いて、感光体と画像支持体又は中間転写体との間に電界を作り、帯電したトナー粒子からなるトナー像を転写する手段、コロナ放電を利用したコロトロン帯電器やスコロトロン帯電器等で画像支持体又は中間転写体の裏面をコロナ帯電して、帯電したトナー粒子からなるトナー像を転写する手段等の公知の手段を使うことができる。
また、中間転写体には、絶縁性又は半導電性のベルト材料、絶縁性又は半導電性の表面を持つドラム形状のものを使うことができる。連続した画像形成時において安定的に転写性を維持し、装置を小型化できるという観点から、半導電性のベルト材料が好ましい。このようなベルト材料としては、導電性カーボン等の導電性フィラーを分散した樹脂材料からなるベルト材料が知られている。また、樹脂としては、例えばポリイミド樹脂が好ましい。
また、中間転写体を使用する際の二次転写装置には、例えば、電圧を印加した導電性または半導電性のロール、ブラシ、フィルム、ゴムブレード等を用いて、中間転写体と画像支持体との間に電界を作り、帯電したトナー粒子からなるトナー像を転写する手段、コロナ放電を利用したコロトロン帯電器やスコロトロン帯電器等で中間転写体の裏面をコロナ帯電して、帯電したトナー粒子からなるトナー像を転写する手段等、公知の手段を使うことができる。
また、定着装置としては適宜選定して差し支えないが、ベルト状定着部材(定着ベルト)を有し、このベルト状定着部材にて画像支持体上の画像を加熱加圧する加熱加圧装置と、加熱加圧された後に画像をベルト状定着部材から冷却剥離する冷却剥離装置とを備えることが好ましい。
ここで、ベルト状定着部材には、ポリイミド等の樹脂フィルムやステンレス等の金属フィルムを用いることができる。また、耐熱温度が高く、離型性が良いことが求められることから、耐熱性のベース基材に離型層を積層したものが好ましい。この場合、ベース基材としてはポリイミド樹脂やステンレス等を使用し、離型層にはシリコーンゴム、フッ素ゴム、フッ素樹脂等を使うことが好ましい。尚、安定的な剥離性を維持したり、ほこり等の汚れ付着を軽減するためには、導電性カーボン粒子や導電性ポリマー等の導電性の添加剤を分散する等により抵抗値が調整されていることが好ましい。
また、形状はシート状のものであってもよいが、無端ベルト形状のものを使うことが好ましい。また、平滑性の観点から、75度光沢度計で測ったときの表面の光沢度が60以上であることが好ましい。尚、光沢度が低くなると、定着後の画像表面が影響され、画像表面自体の平滑性が不足するようになる。
また、前記加熱加圧装置には、公知のものを使うことができる。
例えば一定速度で駆動された一対のロールの間にベルト状定着部材及び画像が形成された画像支持体を挟んで駆動するものが挙げられる。
ここで、このロールの一方又は両方共に、例えば内部に熱源を備え、その表面が透明トナーの溶融する温度に加熱されており、かつ、二つのロールは圧接されている。好ましくは、一方又は両方のロール表面にはシリコーンゴムまたはフッ素ゴム層が設けられていて、加熱加圧される領域の長さ(ニップ幅)が1〜8mm程度の範囲にあることがよい。
また、定着における加熱ロール、加圧ロールの表面温度は、両ロールが圧接する領域の後端部(定着ニップ域出口側)におけるカラートナー受容層の粘度が10Pa・s以下となるように調節されていることが好ましい。
更に、前記冷却剥離装置としては、ベルト状定着部材にて加熱加圧された画像支持体を冷却した後に剥離部材にて画像支持体を剥離するものが挙げられる。
このとき、冷却手段としては、自然冷却でもよいが、装置の大きさの観点から、ヒートシンク又はヒートパイプ等の冷却部材を使って冷却速度を速めることが好ましい。また、剥離部材としては、剥離爪をベルト状定着部材と画像支持体との間に挿入する態様や、剥離位置に曲率の小さなロール(剥離ロール)を設けて剥離させる態様が好ましい。
また、定着装置に画像支持体を搬送する搬送装置には、それ自体公知の搬送装置を使うことができる。
このとき、搬送速度が一定であることが好ましいので、例えば、一定の回転数で回る一対のゴムロールの間に画像支持体を挟んで駆動する装置、あるいは、一方がモータ等で一定速度に駆動された一対のロールにゴム等でできたベルトを巻いて、このベルトの上に画像支持体を置いて定速駆動する装置を使うことができる。
特に、未定着のトナー画像が形成されている場合は、トナー像を乱さないという観点から後者の装置が好ましい。
以下、図3に示す画像形成装置をより具体的に説明する。尚、本実施の形態では、着色トナー作像ユニットと透明トナー作像ユニットは、略同一の作像ユニット30によって構成されている。
同図において、作像ユニット30としては、感光体ドラム31の周囲に、感光体ドラム31を帯電する帯電器32と、感光体ドラム31上に静電潜像を形成する露光装置33と、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの各色トナーが収容された現像器34a〜34dと透明トナーが収容された現像器34eとを搭載したロータリ型現像装置34と、感光体ドラム31上の画像を一時的に保持する中間転写ベルト35と、感光体ドラム31上の残留トナーを清掃するクリーニング装置36とを配設し、中間転写ベルト35のうち感光体ドラム31の対向部位には一次転写装置(例えば一次転写ロール)37を配設すると共に、中間転写ベルト35のうち画像支持体11の通過部位には二次転写装置(本例では中間転写ベルト35及び画像支持体11を挟む一対の二次転写ロール38a及びバックアップロール38bを配設したもの)38が用いられる。
また、中間転写ベルト35は、複数の張架ロール41〜46に掛け渡され、例えば張架ロール41を駆動ロール、張架ロール44をテンションロールとして、循環移動するようになっている。更に、張架ロール41と中間転写ベルト35を挟んで対向する位置には、中間転写ベルト35上の残留トナー等を清掃するベルトクリーナ47が中間転写ベルト35に接離自在に設けられている。尚、本実施の形態では、張架ロール46がバックアップロール38bとなっている。
更に、本実施の形態では、画像支持体11が搬送される二次転写装置38の上流側には、画像支持体11の搬送をガイドする搬送ガイド48と、画像支持体11の位置決め規制を行うレジストロール49が配設されている。尚、レジストロール49の上流側には、図示外の画像支持体供給手段としての給紙カセットが設けられ、図示外の搬送手段により画像支持体11をレジストロール49まで搬送するようになっている。
また、定着装置50は、適宜数(本例では3つ)の張架ロール52〜54に掛け渡される定着ベルト(例えば表面にシリコーンゴムが塗布されたベルト材を使用)51と、この定着ベルト51の入口側に位置する張架ロールを加熱可能に構成した加熱ロール52と、この定着ベルト51の出口側に位置する張架ロールを画像支持体11が剥離可能となるように構成する剥離ロール53と、前記加熱ロール52に対向して定着ベルト51を挟んで圧接配置される加圧ロール(必要に応じて熱源を付加して差し支えない)55と、定着ベルト51の内側に設けられ且つ加熱ロール52から剥離ロール53に至る途中で定着ベルト51を冷却する冷却部材としてのヒートシンク56とを備えている。
尚、定着装置50と作像ユニット30の画像形成部位との間には、例えば搬送ベルトからなる搬送装置60が配設されている。
次に、本実施の形態に係る画像形成装置の作動について、図3を基に説明する。
本実施の形態に係る画像形成装置を用いて、例えばカラーコピーをとる場合には、先ずコピーをとる原稿からの読み取りデータから、必要となる複数色のカラートナーの画像データ並びに透明トナーの画像データが求められる。
この画像データに従い、露光装置33により、各色の必要な画像が感光体ドラム31上に1色ずつ複数回照射して複数個の静電潜像を形成する。これら複数個の静電潜像については、透明トナーと、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの4色のカラートナーを用い、これらを透明トナー現像器34e、イエロー現像器34a、マゼンタ現像器34b、シアン現像器34c、ブラック現像器34dにて順番に現像する。
そして、現像された夫々のトナー像は、感光体ドラム31上から中間転写ベルト35上に一次転写装置37にて順次転写され、中間転写ベルト35上に順次多重転写された透明トナー像及び4色のカラートナー像は、二次転写装置38にて画像支持体11に一括転写される。
この後、カラートナー像21上に透明トナー像22が形成されたトナー像が転写された画像支持体11は、図3に示すように、搬送装置60を経て定着装置50に搬送される。
このとき、カラートナー像21は、画像支持体11のカラートナー受容層14上に未定着のカラートナー粒子が積層された状態で保持されている。
次に、この定着装置50の作動について説明すると、加熱ロール52及び加圧ロール55は共にトナーの溶融温度に予め加熱されている。また、二つのロール52,55間には例えば荷重100kg重の力が加えられている。更に、二つのロール52,55は回転駆動されており、これに追従して定着ベルト51も移動するようになっている。
そして、定着ベルト51は、加熱ロール52と加圧ロール55とのニップ部で、カラートナー像21及び透明トナー像22が転写された画像支持体11の表面と接触し、カラートナー像21及び透明トナー像22が加熱溶融される(加熱加圧工程)。
このとき、画像支持体11上の光散乱層13及びカラートナー受容層14、カラートナー像21、更には透明トナー像22の溶融特性が好ましい範囲に選定されているため、カラートナー像21がカラートナー受容層14内に完全に埋没し、かつ、定着ベルト51の平滑性の高い表面形状が画像支持体11の表面部であるカラートナー受容層14側にそのまま転写される。
すると、画像支持体11と定着ベルト51とは溶融したトナー層(カラートナー像21及び透明トナー像22からなる)を介して接着されたような状態で剥離ロール53の部位まで運ばれるが、この間に、定着ベルト51、前記トナー層及び画像支持体11はヒートシンク56で冷却される(冷却工程)。
このため、画像支持体11が剥離ロール53に到達すると、剥離ロール53の曲率によって、トナー層及び画像支持体11は一体となって定着ベルト51から剥離される(剥離工程)。
以上により、画像支持体11上には、平滑で高光沢のカラー画像が形成される。
このような性能については後述する実施例にて裏付けられる。
本実施の形態では、画像形成装置の作像ユニット30として、所謂複数サイクル方式による態様を示したが、これに限らず、使用されるトナーの夫々の作像部位を並列に配置する、所謂タンデム方式であっても差し支えない。
また、定着装置50は、画像形成装置内の搬送装置60の下流側に備える態様を示したが、例えば画像形成装置とは別に定着装置50を設けるようにしても差し支えない。
更に、本実施の形態では、カラートナー像21と透明トナー像22を定着前に順次積層し、その後一括定着する態様を示したが、画像の平滑性が確保できれば、カラートナー像21を形成し、定着した後(例えば仮定着)に、透明トナー像22を形成して定着するようにしても差し支えない。
更にまた、カラートナー像21及び透明トナー像22が形成された画像支持体11を、定着時の熱容量を確保するために多段定着(例えば1段目では仮定着を行い、2段目で本定着を行う方式)を行うようにしてもよい。
次に、以下の実施例1〜16及び比較例1〜10で用いられるカラートナー受容層の結晶性ポリエステル樹脂A〜E、並びに、非晶性ポリエステル樹脂F〜Iについて予め説明する。
[結晶性ポリエステル樹脂の作製]
結晶性ポリエステル樹脂A:TPA/ND/BPA=50/47.5/2.5(モル比)
ここで、TPAはテレフタル酸、NDはノナンジオール、BPAはビスフェノールAオキサイド付加物である。
加熱乾燥した3口フラスコに、テレフタル酸ジメチル194重量部と、1,9-ノナンジオール152重量部と、ビスフェノールAエチレンオキサイド付加物15.8重量部と、触媒としてジブチル錫オキサイド0.15重量部とを入れた後、減圧操作により容器内の空気を窒素ガスに置換して不活性雰囲気下とし、機械撹拌にて180℃で5時間撹拌を行った。
その後、減圧下にて230℃まで徐々に昇温を行い2時間撹拌し、粘稠な状態となったところで空冷し、反応を停止させた。得られた樹脂を結晶性ポリエステル樹脂Aとした。
ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)による分子量測定(ポリスチレン換算)で、得られた結晶性ポリエステル樹脂Aの重量平均分子量(Mw)は22000であり、数平均分子量(Mn)は10900であった。
また、結晶性ポリエステル樹脂Aの融点(Tm)を、DSCを用いて測定したところ、明確なピークを有し、ピークトップの温度は94℃であった。
結晶性ポリエステル樹脂B:TPA/ND/BPS=50/47.5/2.5
ここで、BPSはビスフェノールSエチレンオキサイド付加物である。
加熱乾燥した3口フラスコに、テレフタル酸ジメチル194重量部と、1,9-ノナンジオール152重量部と、ビスフェノールSエチレンオキサイド付加物16.9重量部と、触媒としてジブチル錫オキサイド0.15重量部とを入れた後、減圧操作により容器内の空気を窒素ガスに置換して不活性雰囲気下とし、機械撹拌にて180℃で5時間撹拌を行った。
その後、減圧下にて230℃まで徐々に昇温を行い2時間撹拌し、粘稠な状態となったところで空冷し、反応を停止させた。得られた樹脂を結晶性ポリエステル樹脂Bとした。
GPCによる分子量測定(ポリスチレン換算)で、得られた結晶性ポリエステル樹脂Bの重量平均分子量(Mw)は23000であり、数平均分子量(Mn)は12000であった。
また、結晶性ポリエステル樹脂Bの融点(Tm)を、前述の測定方法により、DSCを用いて測定したところ、明確なピークを有し、ピークトップの温度は92℃であった。
結晶性ポリエステル樹脂C:TPA/ND/BPS=50/45/5
加熱乾燥した3口フラスコに、テレフタル酸ジメチル194重量部と、1,9-ノナンジオール144重量部と、ビスフェノールAエチレンオキサイド付加物31.6重量部と、触媒としてジブチル錫オキサイド0.15重量部とを入れた後、減圧操作により容器内の空気を窒素ガスに置換して不活性雰囲気下とし、機械撹拌にて180℃で5時間撹拌を行った。
その後、減圧下にて230℃まで徐々に昇温を行い2時間撹拌し、粘稠な状態となったところで空冷し、反応を停止させた。得られた樹脂を結晶性ポリエステル樹脂Cとした。
GPCによる分子量測定(ポリスチレン換算)で、得られた結晶性ポリエステル樹脂Cの重量平均分子量(Mw)は22000であり、数平均分子量(Mn)は11000であった。
また、結晶性ポリエステル樹脂Cの融点(Tm)を、前述の測定方法により、DSCを用いて測定したところ、明確なピークを有し、ピークトップの温度は90℃であった。
結晶性ポリエステル樹脂D:TPA/ND=50/50
加熱乾燥した3口フラスコに、テレフタル酸ジメチル194重量部と、1,9-ノナンジオール160重量部と、触媒としてジブチル錫オキサイド0.15重量部とを入れた後、減圧操作により容器内の空気を窒素ガスに置換して不活性雰囲気下とし、機械撹拌にて180℃で5時間撹拌を行った。
その後、減圧下にて230℃まで徐々に昇温を行い2時間撹拌し、粘稠な状態となったところで空冷し、反応を停止させた。得られた樹脂を結晶性ポリエステル樹脂Dとした。
GPCによる分子量測定(ポリスチレン換算)で、得られた結晶性ポリエステル樹脂Dの重量平均分子量(Mw)は24000であり、数平均分子量(Mn)は13000であった。
また、結晶性ポリエステル樹脂Dの融点(Tm)を、DSCを用いて測定したところ、明確なピークを有し、ピークトップの温度は95℃であった。
結晶性ポリエステル樹脂E:TPA/ND/BPA=50/47.5/2.5
加熱乾燥した3口フラスコに、テレフタル酸ジメチル194重量部と、1,9-ノナンジオール152重量部と、ビスフェノールAエチレンオキサイド付加物15.8重量部と、エチレングリコール136重量部と、触媒としてジブチル錫オキサイド0.15重量部とを入れた後、減圧操作により容器内の空気を窒素ガスに置換して不活性雰囲気下とし、機械撹拌にて180℃で5時間撹拌を行った。反応により生成したメタノールと過剰なエチレングリコールを減圧して留去し、その後、減圧下にて220℃まで徐々に昇温を行い2時間撹拌し、粘稠な状態となったところで空冷し、反応を停止させた。得られた樹脂を結晶性ポリエステル樹脂Eとした。
GPCによる分子量測定(ポリスチレン換算)で、得られた結晶性ポリエステル樹脂Eの重量平均分子量(Mw)は43000であり、数平均分子量(Mn)は22000であった。
また、結晶性ポリエステル樹脂Eの融点(Tm)を、DSCを用いて測定したところ、明確なピークを有し、ピークトップの温度は96℃であった。
ここで、作製した結晶性ポリエステル樹脂A〜Eの一覧を図7に示す。
[非晶性ポリエステル樹脂の作製]
非晶性ポリエステル樹脂F:TPA/ND/BPA=50/12.5/37.5
加熱乾燥した3口フラスコに、テレフタル酸ジメチル194重量部と、1,9-ノナンジオール40重量部と、ビスフェノールAエチレンオキサイド付加物237重量部と、触媒としてジブチル錫オキサイド0.15重量部とを入れた後、減圧操作により容器内の空気を窒素ガスに置換して不活性雰囲気下とし、機械撹拌にて180℃で5時間撹拌を行った。
その後、減圧下にて230℃まで徐々に昇温を行い2時間撹拌し、粘稠な状態となったところで空冷し、反応を停止させた。得られた樹脂を非晶性ポリエステル樹脂Fとした。
GPCによる分子量測定(ポリスチレン換算)で、得られた非晶性ポリエステル樹脂Fの重量平均分子量(Mw)は13000であり、数平均分子量(Mn)は6000であった。
また、非晶性ポリエステル樹脂Fの融点(Tm)を、DSCを用いて測定したところ、明確なピークを示さず、階段状の吸熱変化が確認された。階段状の吸熱変化量の中間点をとったガラス転移点(Tg)は58℃であった。
非晶性ポリエステル樹脂G:TPA/ND/BPA=50/7.5/42.5
加熱乾燥した3口フラスコに、テレフタル酸ジメチル194重量部と、1,9-ノナンジオール47重量部と、ビスフェノールAエチレンオキサイド付加物136重量部と、触媒としてジブチル錫オキサイド0.15重量部とを入れた後、減圧操作により容器内の空気を窒素ガスに置換して不活性雰囲気下とし、機械撹拌にて180℃で5時間撹拌を行った。
その後、減圧下にて230℃まで徐々に昇温を行い2時間撹拌し、粘稠な状態となったところで空冷し、反応を停止させた。得られた樹脂を非晶性ポリエステル樹脂Gとした。
GPCによる分子量測定(ポリスチレン換算)で、得られた非晶性ポリエステル樹脂Gの重量平均分子量(Mw)は12000であり、数平均分子量(Mn)は5600であった。
また、非晶性ポリエステル樹脂Gの融点(Tm)を、DSCを用いて測定したところ、明確なピークを示さず、階段状の吸熱変化が確認された。階段状の吸熱変化量の中間点をとったガラス転移点(Tg)は62℃であった。
非晶性ポリエステル樹脂H:TPA/BPA=50/50
加熱乾燥した3口フラスコに、テレフタル酸ジメチル194重量部と、ビスフェノールAエチレンオキサイド付加物316重量部と、触媒としてジブチル錫オキサイド0.15重量部とを入れた後、減圧操作により容器内の空気を窒素ガス置換により不活性雰囲気下とし、機械撹拌にて180℃で5時間撹拌を行った。
その後、減圧下にて230℃まで徐々に昇温を行い2時間撹拌し、粘稠な状態となったところで空冷し、反応を停止させた。得られた樹脂を非晶性ポリエステル樹脂Hとした。
GPCによる分子量測定(ポリスチレン換算)で、得られた非晶性ポリエステル樹脂Hの重量平均分子量(Mw)は13000であり、数平均分子量(Mn)は6000であった。
また、非晶性ポリエステル樹脂Hの融点(Tm)を、DSCを用いて測定したところ、明確なピークを示さず、階段状の吸熱変化が確認された。階段状の吸熱変化量の中間点をとったガラス転移点(Tg)は82℃であった。
非晶性ポリエステル樹脂I:TPA/BPA/CHDM=50/40/10
ここで、CHDMはシクロヘキサンジメタノールである。
加熱乾燥した3口フラスコに、テレフタル酸ジメチル194重量部と、ビスフェノールAエチレンオキサイド付加物253重量部と、シクロヘキサンジメタノール28.8重量部と、触媒としてジブチル錫オキサイド0.15重量部とを入れた後、減圧操作により容器内の空気を窒素ガス置換により不活性雰囲気下とし、機械撹拌にて180℃で5時間撹拌を行った。
その後、減圧下にて230℃まで徐々に昇温を行い2時間撹拌し、粘稠な状態となったところで空冷し、反応を停止させた。得られた樹脂を非晶性ポリエステル樹脂Iとした。
GPCによる分子量測定(ポリスチレン換算)で、得られた非晶性ポリエステル樹脂Iの重量平均分子量(Mw)は13000であり、数平均分子量(Mn)は6000であった。
また、非晶性ポリエステル樹脂Iの融点(Tm)を、DSCを用いて測定したところ、明確なピークを示さず、階段状の吸熱変化が確認された。階段状の吸熱変化量の中間点をとったガラス転移点(Tg)は65℃であった。
ここで、作製した非晶性ポリエステル樹脂F〜Iの一覧を図8に示す。
◎実施例1
−カラートナー現像剤−
結着樹脂にテレフタル酸/ビスフェノールAエチレンオキサイド付加物/シクロヘキサンジメタノールから得た線状ポリエステル(モル比=5:4:1、Tg=62℃、Mn=4500、Mw=10000)を用い、これを100重量部に対して、イエロートナーの場合、着色剤としてベンジジンイエロー5重量部、マゼンタトナーの場合、着色剤としてピグメントレッド4重量部、シアントナーの場合、着色剤としてフタロシアニンブルー4重量部、ブラックトナーの場合、着色剤としてカーボンブラック5重量部をそれぞれ混合してバンバリーミキサーを使って加熱溶融混合し、これをジェットミルで粉砕した後、風力式分級機で分級することで、d50が7μmの微粒子を作製した。
この微粒子100重量部に、下記の二種類の無機微粒子a及びbを添加して高速混合機で混合し、微粒子表面に無機微粒子を付着させた。
無機微粒子aはシリカ(シランカップリング剤で表面を疎水化処理、平均粒径0.05μm、添加量1.0重量部)である。無機微粒子bは二酸化チタン(シランカップリング剤で表面を疎水化処理、平均粒径0.02μm、屈折率2.5、添加量1.0重量部)である。
Acolor635(富士ゼロックス(株)製)用のブラック現像剤と同じキャリア100重量部とこのトナー8重量部とを混合して、二成分現像剤を作製した。
−透明トナー現像剤−
結着樹脂にテレフタル酸/ビスフェノールAエチレンオキサイド付加物/シクロヘキサンジメタノールから得た線状ポリエステル(モル比=5:4:1、Tg=62℃、Mn=4500、Mw=10000)を用い、これをジェットミルで粉砕した後、風力式分級機で分級することで、d50が6μmの微粒子を作製した。
この微粒子100重量部に、下記の二種類の無機微粒子a及びbを添加して高速混合機で混合し、微粒子表面に無機微粒子を付着させた。
無機微粒子aはシリカ(シランカップリング剤で表面を疎水化処理、平均粒径0.05μm、添加量1.0重量部)である。無機微粒子bは二酸化チタン(シランカップリング剤で表面を疎水化処理、平均粒径0.02μm、屈折率2.5、添加量1.0重量部)である。
Acolor635(富士ゼロックス(株)製)用のブラック現像剤と同じキャリア100重量部とこのトナー8重量部とを混合して、二成分現像剤を作製した。
−画像支持体−
(原紙)
原紙にはパルプ原料からなる厚さ150μmのものを使った。
(光散乱層)
ポリエチレン樹脂100重量部に対して二酸化チタン(チタン工業(株)製 KA−10、粒径300〜500nm)を25重量部の割合で混合して200℃に加熱された溶融押出機に投入し、T−ダイから吐出させ、火炎処理した原紙表面に対して、ニップロールと冷却ロールとの間でニップしラミネートすることにより、30μmの厚さの光散乱層を作製した。ここで、T−ダイを抜けた後の膜の両面はコロナ処理装置でコロナ放電処理している。
(カラートナー受容層)
結晶性ポリエステル樹脂A50重量部と非晶性ポリエステル樹脂F50重量部とを190℃に加熱された押出し式混練機で10分間溶融混練し、これで得たペレットを170℃に加熱された溶融押出機に投入してT−ダイから吐出させ、光散乱層を形成した原紙に対して、ニップロールと冷却ロールとの間でニップしラミネートすることにより、20μmの厚さのカラートナー受容層を作製した。この樹脂の溶融混合において、t=5分とすると、視感反射率Yが1.5%となる温度T=185℃であった。このカラートナー受容層においてTmは90℃である。
(裏面層の作製)
また、ポリエチレン樹脂を200℃に加熱された溶融押出し機に投入し、T−ダイから吐出させ、火炎処理した原紙裏面に対して、ニップロールと冷却ロールとの間でニップしラミネートすることにより、30μmの厚さのポリエチレン層を作製し、その上に更に帯電防止剤としてコロイダルシリカをバーコーターで塗布して帯電防止層を作製した。ここで、T−ダイを抜けた後の膜の両面はコロナ処理装置でコロナ放電処理している。
−カラー画像形成装置−
画像形成装置として、上述した図2のカラー画像形成装置を用いた。定着過程を除く画像形成プロセスの速度は160mm/sである。現像順は透明トナー、シアントナー、マゼンタトナー、イエロートナー、ブラックトナーの順に行い、ソリッド画像部分でのカラートナーの現像量が各色とも0.7mg/cmとなるように、トナーとキャリアの重量比率、感光体帯電電位、露光量、現像バイアスを調整した。また、透明トナーは全面に均一に現像し、現像量は0.6mg/cmとなるように、トナーとキャリアの重量比率、感光体帯電電位、露光量、現像バイアスを調整した。このようにして作られた透明トナー層の定着後の厚みは約5μmとなった。
−ベルト基材−
ベルト基材は、厚さ80μmの導電性カーボンが分散されたポリイミドフィルムに、50μm厚みのKE4895シリコーンRTVゴム(信越化学工業(株)製)を塗布したものを用いた。
また、二つの加熱ロールは、アルミニウム製の芯材の上に2mm厚みのシリコーンゴム層を設けたものを用い、それらの中央に熱源としてハロゲンランプを配している。ロール表面の温度は双方ともに135℃とした。
定着速度は20mm/sとした。
定着装置での最高到達温度は110℃で、この温度においては、光散乱層のポリオレフィン系樹脂の粘度105Pa・s、カラートナー受容層の樹脂の粘度は5×102Pa・s、透明トナーの粘度は2×103Pa・s、カラートナーの粘度は3×103Pa・sである。
尚、定着装置の剥離位置での画像支持体の温度は70℃となっている。
以上の装置で、ポートレート写真画像を出力した。
ここで、使用したトナー材料の評価は以下の通り実施した。
分子量の測定はGPCを用い、溶剤にはTHFを用いた。
トナーの平均粒径はコールターカウンタ(コールターカウンタ社製)を用いて測定して、重量平均のd50を適用した。
尚、樹脂の粘度は、回転平板型レオメータ(レオメトリックス社製)を用いて、角速度1rad/sのもとで測定した。
Yの測定は以下の手順で実施した(図5参照)。
本実施例並びに後述する実施例や比較例で得たカラートナー受容層形成用の熱可塑性樹脂をカラー用OHPシート(富士ゼロックス(株)製)上に夫々の例と同じ厚みで塗布して透明画像を作った。
この透明画像の表面と裏面に顕微鏡観察用のカバーガラスを重ね、画像とカバーガラスとの隙間をテトラデカンで満たした。
これをライトトラップ上において、X−Rite968で測色してY’を測定した。
熱可塑性樹脂を塗布していないOHPシートの表面と裏面に顕微鏡観察用のカバーガラスを重ね、画像とカバーガラスとの隙間をテトラデカンで満たし、同様の手順でYを測定した。
YはY’−Yで算出した。
◎実施例2
カラートナー受容層を以下の様に変更したこと以外は実施例1と同様にカラー画像を作製した。
(カラートナー受容層)
結晶性ポリエステル樹脂A40重量部と非晶性ポリエステル樹脂F60重量部とを190℃に加熱された押出し式混練機で10分間溶融混練し、これで得たペレットを170℃に加熱された溶融押出機に投入してT−ダイから吐出させ、光散乱層が形成された原紙に対して、ニップロールと冷却ロールとの間でニップしラミネートすることにより、20μmの厚さのカラートナー受容層を作製した。この樹脂の溶融混合において、t=5分とすると、T=190℃であった。定着装置の最高到達温度110℃において、この樹脂の粘度は103Pa・sである。
◎実施例3
カラートナー受容層を以下の様に変更したこと以外は実施例1と同様にカラー画像を作製した。
(カラートナー受容層)
結晶性ポリエステル樹脂A60重量部と非晶性ポリエステル樹脂F40重量部とを190℃に加熱された押出し式混練機で10分間溶融混練し、これで得たペレットを170℃に加熱された溶融押出機に投入してT−ダイから吐出させ、光散乱層が形成された原紙に対して、ニップロールと冷却ロールとの間でニップしラミネートすることにより、20μmの厚さのカラートナー受容層を作製した。この樹脂の溶融混合において、t=5分とすると、T=180℃であった。定着装置の最高到達温度110℃において、この樹脂の粘度は3×102Pa・sである。
◎実施例4
カラートナー受容層を以下の様に変更したこと以外は実施例1と同様にカラー画像を作製した。
(カラートナー受容層)
結晶性ポリエステル樹脂B50重量部と非晶性ポリエステル樹脂F50重量部とを190℃に加熱された押出し式混練機で10分間溶融混練し、これで得たペレットを170℃に加熱された溶融押出機に投入してT−ダイから吐出させ、光散乱層が形成された原紙に対して、ニップロールと冷却ロールとの間でニップしラミネートすることにより、20μmの厚さのカラートナー受容層を作製した。この樹脂の溶融混合において、t=5分とすると、T=170℃であった。定着装置の最高到達温度110℃において、この樹脂の粘度は5×102Pa・sである。
◎実施例5
カラートナー受容層を以下の様に変更したこと以外は実施例1と同様にカラー画像を作製した。
(カラートナー受容層)
結晶性ポリエステル樹脂C50重量部と非晶性ポリエステル樹脂F50重量部とを190℃に加熱された押出し式混練機で10分間溶融混練し、これで得たペレットを170℃に加熱された溶融押出機に投入してT−ダイから吐出させ、光散乱層が形成された原紙に対して、ニップロールと冷却ロールとの間でニップしラミネートすることにより、20μmの厚さのカラートナー受容層を作製した。この樹脂の溶融混合において、t=5分とすると、T=165℃であった。定着装置の最高到達温度110℃において、この樹脂の粘度は103Pa・sである。
◎実施例6
カラートナー受容層を以下の様に変更したこと以外は実施例1と同様にカラー画像を作製した。
(カラートナー受容層)
結晶性ポリエステル樹脂D50重量部と非晶性ポリエステル樹脂F50重量部とを185℃に加熱された押出し式混練機で10分間溶融混練し、これで得たペレットを170℃に加熱された溶融押出機に投入してT−ダイから吐出させ、光散乱層が形成された原紙に対して、ニップロールと冷却ロールとの間でニップしラミネートすることにより、20μmの厚さのカラートナー受容層を作製した。この樹脂の溶融混合において、t=5分とすると、T=200℃であった。定着装置の最高到達温度110℃において、この樹脂の粘度は103Pa・sである。
◎実施例7
カラートナー受容層を以下の様に変更したこと以外は実施例1と同様にカラー画像を作製した。
(カラートナー受容層)
結晶性ポリエステル樹脂D50重量部と非晶性ポリエステル樹脂F50重量部とを210℃に加熱された押出し式混練機で10分間溶融混練し、これで得たペレットを170℃に加熱された溶融押出機に投入してT−ダイから吐出させ、光散乱層が形成された原紙に対して、ニップロールと冷却ロールとの間でニップしラミネートすることにより、20μmの厚さのカラートナー受容層を作製した。この樹脂の溶融混合において、t=5分とすると、T=200℃であった。定着装置の最高到達温度110℃において、この樹脂の粘度は103Pa・sである。
◎実施例8
カラートナー受容層を以下の様に変更したこと以外は実施例1と同様にカラー画像を作製した。
(カラートナー受容層)
結晶性ポリエステル樹脂A50重量部と非晶性ポリエステル樹脂G50重量部とを200℃に加熱された押出し式混練機で10分間溶融混練し、これで得たペレットを170℃に加熱された溶融押出機に投入してT−ダイから吐出させ、光散乱層が形成された原紙に対して、ニップロールと冷却ロールとの間でニップしラミネートすることにより、20μmの厚さのカラートナー受容層を作製した。この樹脂の溶融混合において、t=5分とすると、T=195℃であった。定着装置の最高到達温度110℃において、この樹脂の粘度は5×103Pa・sである。
◎実施例9
カラートナー受容層を以下の様に変更したこと以外は実施例1と同様にカラー画像を作製した。
(カラートナー受容層)
結晶性ポリエステル樹脂D50重量部と非晶性ポリエステル樹脂I50重量部とを200℃に加熱された押出し式混練機で10分間溶融混練し、これで得たペレットを170℃に加熱された溶融押出機に投入してT−ダイから吐出させ、光散乱層が形成された原紙に対して、ニップロールと冷却ロールとの間でニップしラミネートすることにより、20μmの厚さのカラートナー受容層を作製した。この樹脂の溶融混合において、t=5分とすると、T=220℃であった。定着装置の最高到達温度115℃において、この樹脂の粘度は5×103Pa・sである。
◎実施例10
カラートナー受容層を以下の様に変更したこと以外は実施例1と同様にカラー画像を作製した。
(カラートナー受容層)
結晶性ポリエステル樹脂D50重量部と非晶性ポリエステル樹脂H50重量部とを210℃に加熱された押出し式混練機で10分間溶融混練し、これで得たペレットを170℃に加熱された溶融押出機に投入してT−ダイから吐出させ、光散乱層が形成された原紙に対して、ニップロールと冷却ロールとの間でニップしラミネートすることにより、20μmの厚さのカラートナー受容層を作製した。この樹脂の溶融混合において、t=5分とすると、T=210℃であった。定着装置の最高到達温度110℃において、この樹脂の粘度は3×103Pa・sである。
◎実施例11
カラートナー受容層を以下の様に変更したこと以外は実施例1と同様にカラー画像を作製した。
(カラートナー受容層)
結晶性ポリエステル樹脂E50重量部と非晶性ポリエステル樹脂H50重量部とを210℃に加熱された押出し式混練機で10分間溶融混練し、これで得たペレットを170℃に加熱された溶融押出機に投入してT−ダイから吐出させ、光散乱層が形成された原紙に対して、ニップロールと冷却ロールとの間でニップしラミネートすることにより、20μmの厚さのカラートナー受容層を作製した。この樹脂の溶融混合において、t=5分とすると、T=190℃であった。定着装置の最高到達温度110℃において、この樹脂の粘度は104Pa・sである。
◎実施例12
カラートナー受容層を以下の様に変更したこと以外は実施例1と同様にカラー画像を作製した。
(カラートナー受容層)
結晶性ポリエステル樹脂A50重量部、非晶性ポリエステル樹脂F50重量部及び二酸化チタン(チタン工業(株)製 KA−10、粒径300〜500nm)10重量部を、200℃に加熱された押出し式混練機で20分間溶融混練し、これで得たペレットを170℃に加熱された溶融押出機に投入してT−ダイから吐出させ、光散乱層が形成された原紙に対して、ニップロールと冷却ロールとの間でニップしラミネートすることにより、20μmの厚さのカラートナー受容層を作製した。この樹脂の溶融混合において、t=5分とすると、T=185℃であった。定着装置の最高到達温度110℃において、この樹脂の粘度は103Pa・sである。
◎実施例13
カラートナーと透明トナーを以下の様に変更したこと以外は実施例1と同様にカラー画像を作製した。
(カラートナー)
DCC500(富士ゼロックス(株)製)用のカラートナーを使用した。このカラートナーは、乳化重合により作製した乳化粒子を凝集させた後、加熱して合一化して作ったトナーである。定着装置の最高到達温度110℃において、カラートナーの熱可塑性樹脂の粘度は10Pa・sである。
(透明トナー)
顔料を含まないこと以外は、上述のカラートナーと同様にして作製した。定着装置の最高到達温度110℃において、透明トナーの熱可塑性樹脂の粘度は5×103Pa・sである。
◎実施例14
透明トナー像の厚みを9μmに変更したこと以外は実施例13と同様にカラー画像を作製した。
◎実施例15
透明トナー像の厚みを3μmに変更したこと以外は実施例13と同様にカラー画像を作製した。
◎実施例16
透明トナーに使った樹脂の分子量を1.5倍に変更したこと以外は実施例13と同様にカラー画像を作製した。このとき、定着装置の最高到達温度110℃において、透明トナーの熱可塑性樹脂の粘度は3×10Pa・sである。
◎比較例1
カラートナー受容層を以下の様に変更したこと以外は実施例1と同様にカラー画像を作製した。
(カラートナー受容層)
結晶性ポリエステル樹脂Bを170℃に加熱された溶融押出機に投入してT−ダイから吐出させ、光散乱層が形成された原紙に対して、ニップロールと冷却ロールとの間でニップしラミネートすることにより、20μmの厚さのカラートナー受容層を作製した。定着装置の最高到達温度110℃において、この熱可塑性樹脂の粘度は5×102Pa・sである。
◎比較例2
カラートナー受容層を以下の様に変更したこと以外は実施例1と同様にカラー画像を作製した。
(カラートナー受容層)
結晶性ポリエステル樹脂Dを170℃に加熱された溶融押出機に投入してT−ダイから吐出させ、光散乱層が形成された原紙に対して、ニップロールと冷却ロールとの間でニップしラミネートすることにより、20μmの厚さのカラートナー受容層を作製した。定着装置の最高到達温度110℃において、この熱可塑性樹脂の粘度は8×102Pa・sである。
◎比較例3
カラートナー受容層を以下の様に変更したこと以外は実施例1と同様にカラー画像を作製した。
(カラートナー受容層)
結晶性ポリエステル樹脂Eを170℃に加熱された溶融押出機に投入してT−ダイから吐出させ、光散乱層が形成された原紙に対して、ニップロールと冷却ロールとの間でニップしラミネートすることにより、20μmの厚さのカラートナー受容層を作製した。定着装置の最高到達温度110℃において、この熱可塑性樹脂の粘度は8×103Pa・sである。
◎比較例4
カラートナー受容層を以下の様に変更したこと以外は実施例1と同様にカラー画像を作製した。
(カラートナー受容層)
非晶性ポリエステル樹脂Hを220℃に加熱された溶融押出機に投入してT−ダイから吐出させ、光散乱層が形成された原紙に対して、ニップロールと冷却ロールとの間でニップしラミネートすることにより、20μmの厚さのカラートナー受容層を作製した。定着装置の最高到達温度110℃において、この熱可塑性樹脂の粘度は104Pa・sである。
◎比較例5
画像支持体をミラーコートゴールド紙(210gsm、王子製紙(株)製)に変更したこと以外、実施例1と同じ装置でカラー画像を作製した。
◎比較例6
画像支持体をJ紙(富士ゼロックス(株)製)に変更したこと以外、実施例1と同じ装置でカラー画像を作製した。
◎比較例7
画像支持体としてカラートナー受容層を形成せずに、それ以外は実施例1と同様にカラー画像を作製した。
◎比較例8
透明トナー像を形成せずに、それ以外は実施例13と同様にカラー画像を作製した。
◎比較例9
透明トナー像の厚みを15μmとした以外は実施例13と同様にカラー画像を作製した。
◎比較例10
透明トナー像の厚みを1.8μmとした以外は実施例13と同様にカラー画像を作製した。
(画像評価)
−機械的強度−
実施例と比較例において得られた画像構造体を半径の異なる金属ロールに巻きつけ、このときひび割れを発生しない最小半径を調べた。この最小半径による評価は次の通りとした。
10mm未満の場合:○
10mm以上30mm未満の場合:△
30mm以上の場合:×
−耐熱性−
実施例と比較例において得られた画像構造体の表面と裏面を接触させ重ね、30g重/cmの荷重を付加した状態で、一定温度に保たれた恒温槽に入れ、3日間経過した後に、約22℃の室温に戻して剥離した。温度を変化させながらこの試験を繰り返し、画像表面が破壊した温度によって次のような評価区分とした。
50℃以上の場合:○
40℃以上50℃未満の場合:△
40℃以下の場合:×
−光沢性の評価−
実施例と比較例で得られた画像の面積率50%のシアンハーフトーン画像部の光沢度を75度光沢度計(村上色彩技術研究所(株)製)で測定した。光沢度が90以上となった定着温度によって次のような評価区分とした。
80以上の場合:○
60以上80未満の場合:△
60以下の場合:×
−平滑性の評価−
実施例と比較例で得られた画像の平滑性を目視で確認した。評価区分は次の通り。
画像表面に気泡や画像段差が認識できなかった場合:○
画像表面に気泡や画像段差が認識できるが許容範囲の場合:△
画像表面に気泡や画像段差が目立ち許容できない場合:×
−粒状性の評価−
実施例と比較例で得られた画像の粒状性を40cm離れた距離から目視で確認し、次の評価区分を行った。
粒状が目視で確認できない場合:○
粒状が目視で僅かに見えるが気にならない場合:△
粒状が目視で明らかに見える場合:×
−総合画質−
実施例と比較例において定着温度140℃のもとで得られた画像の総合的な好ましさを、以下の5段階のカテゴリーに分類して評価した。
非常に好ましい:5点
好ましい:4点
普通:3点
好ましくない:2点
非常に好ましくない:1点
被験者は10人で、10人の点数の平均点が、
3.5点以上の場合:○
2.5点以上3.5点未満の場合:△
2.5点未満の場合:×
以上の画像評価結果を図9及び図10に示す。
図9によれば、実施例1〜16の画像は、機械的強度、耐熱性、光沢性、平滑性並びに粒状性をすべて満たす画像が得られた。また、総合画質も高く、好ましい画像が得られている。
実施例10及び実施例11は、機械的強度、耐熱性、光沢性、平滑性並びに粒状性の全ての項目で低めの結果となったが、実使用上問題のないレベルの画像であった。
更に、視感反射率Yの値から、実施例6で2.5と高く、相溶性がやや劣るが、得られた画像の評価では、実用上の問題はなかった。
更にまた、実施例13と実施例16の結果から、透明トナーの樹脂の溶融粘度を低粘度化することで、粒状性がより良好になり、画質が向上することが判明した。
これに対し、図10に示すように、比較例1〜10の画像は、機械的強度、耐熱性、光沢性、平滑性並びに粒状性の少なくとも2項目以上の項目で実使用上問題となるレベルであり、総合画質評価ではいずれも好ましくない画像しか得られなかった。
また、実施例1と実施例13との比較から、粉砕トナーを使用するよりEAトナーを使用することで、粒状性や総合画質が向上することが理解された。
更に、実施例13〜15の結果から、透明トナーの厚みを薄くしても、画質低下が抑えられることが判明した。
一方、比較例1〜10の結果によれば、カラートナー受容層として、結晶性樹脂や非晶性樹脂の単独を使用することで(比較例1〜4)、光沢性、平滑性が劣ることが確認された。また、使用する原紙によって平滑性が影響されることが比較例5,6の結果から確認された。更に、比較例7のようにカラートナー受容層がないと、光沢性、平滑性が低下することが確認された。そして、トナーとしてEAトナーを使用したとしても、透明トナー像の厚さによって粒状性等が影響を受け、画質が低下することが確認された(比較例8〜10)。
以上から、各実施例1〜16を使うことで、機械的強度、耐熱性、光沢性、平滑性並びに粒状性をすべて満たし、かつ、固化速度も速く、総合画質も高く、好ましい画像が得られる画像形成方法、および、そのような画像形成方法が用いられる画像形成装置を提供できることが理解される。
(a)(b)は本発明に係る画像形成方法の概要を示す説明図である。 本発明に係る画像形成装置の概要を示す説明図である。 実施の形態に係る画像形成装置の全体構成を示す説明図である。 本実施の形態で用いられる画像構造の断面を示す説明図である。 本実施の形態で用いられる画像支持体のカラートナー受容層の溶融混合性の指標である視感反射率の測定装置例を示す説明図である。 (a)(b)は本実施の形態で用いられる画像支持体の変形形態の断面構造を夫々示す説明図である。 実施例1〜16及び比較例1〜10で用いられるカラートナー受容層の結晶性ポリエステル樹脂A〜Eを示す説明図である。 実施例1〜16及び比較例1〜10で用いられるカラートナー受容層の非晶性ポリエステル樹脂F〜Iを示す説明図である。 実施例1〜16についての性能評価結果を示す説明図である。 比較例1〜10についての性能評価結果を示す説明図である。
符号の説明
1…画像支持体,1a…基材,1b…光散乱層,1c…トナー受容層,2…着色トナー像,3…透明トナー像,4…画像支持体供給工程,5…着色トナー作像工程,6…透明トナー作像工程,7…着色トナー作像ユニット,8…透明トナー作像ユニット

Claims (21)

  1. 基材上に、白色顔料及びポリオレフィン系樹脂からなる熱可塑性樹脂を含む光散乱層と、この光散乱層の表面側に設けられ且つ結晶性ポリエステル樹脂及び非晶性ポリエステル樹脂を混合した熱可塑性樹脂を含むトナー受容層とが含まれる画像支持体を用い、この画像支持体を作像部位に供給する画像支持体供給工程と、
    熱可塑性樹脂が含まれる着色トナーを用い、画像支持体上に着色トナー像を作製する着色トナー作像工程と、
    結着樹脂のガラス転移温度が50℃以上70℃未満の透明トナーを用い、着色トナー像が作製された画像支持体上に非画像部における厚みが2〜10μmの範囲に設定された透明トナー像を作製する透明トナー作像工程とを備えることを特徴とする画像形成方法。
  2. 請求項1記載の画像形成方法において、
    透明トナーは、平均粒径3〜7μmのトナー粒子を溶融皮膜化しことを特徴とする画像形成方法。
  3. 請求項1記載の画像形成方法において、
    着色トナー及び透明トナーは、いずれも乳化重合法により作製した乳化粒子を凝集させた後、加熱して合一化して作製したものであることを特徴とする画像形成方法。
  4. 請求項1記載の画像形成方法において、
    透明トナー像は画像支持体上の画像形成領域全面に亘って形成されることを特徴とする画像形成方法。
  5. 請求項記載の画像形成方法において、
    トナー受容層上で着色トナー像が作製されていない部位に少なくとも透明トナー像を作製することを特徴とする画像形成方法。
  6. 請求項1記載の画像形成方法において、
    画像支持体上に着色トナー及び透明トナーを定着するに際し、定着可能上限温度下での光散乱層のポリオレフィン系樹脂の粘度は5×103Pa・s以上であり、トナー受容層の熱可塑性樹脂の粘度は10Pa・s以下であることを特徴とする画像形成方法。
  7. 請求項記載の画像形成方法において、
    画像支持体上に着色トナー及び透明トナーを定着するに際し、定着可能上限温度下での着色トナー像の熱可塑性樹脂の粘度は103Pa・s以上であり、透明トナー像の結着樹脂の粘度は10 Pa・s以下であることを特徴とする画像形成方法。
  8. 請求項1記載の画像形成方法において、
    画像支持体は基材の裏面側にポリオレフィン系樹脂層を設けたものであることを特徴とする画像形成方法。
  9. 請求項1記載の画像形成方法において、
    トナー受容層の熱可塑性樹脂は、結晶性ポリエステル樹脂と非晶性ポリエステル樹脂とが重量比35:65から65:35の範囲にて互いに溶融混合された樹脂であることを特徴とする画像形成方法。
  10. 請求項9記載の画像形成方法において、
    前記溶融混合する条件は、結晶性ポリエステル樹脂と非晶性ポリエステル樹脂とを時間t(分)の間溶融混合して得られた樹脂にて20μm厚のシートを作成し、このシートの視感反射率Yが1.5%になる温度をT(℃)としたときに、溶融混合時の温度をT(℃)、時間をt(分)とすると、TがT〜T+20の範囲であり、tがt〜10×tの範囲に設定されることを特徴とする画像形成方法。
  11. 請求項10記載の画像形成方法において、
    温度T(℃)が、T+5〜T+10の範囲であり、時間t(分)が、t〜3×tの範囲に設定されることを特徴とする画像形成方法。
  12. 請求項9記載の画像形成方法において、
    結晶性ポリエステル樹脂と非晶性ポリエステル樹脂とは共通のアルコール由来構成成分あるいは酸由来構成成分を備えることを特徴とする画像形成方法。
  13. 請求項12記載の画像形成方法において、
    結晶性ポリエステル樹脂のアルコール由来構成成分は炭素数6〜12の直鎖脂肪族を主成分とし、全アルコール由来構成成分に対して直鎖脂肪族成分が85〜98モル%の範囲であり、前記結晶性ポリエステル樹脂の酸由来構成成分はテレフタル酸又はイソフタル酸又はナフタレンジカルボン酸に由来する芳香族を主成分とし、全酸由来構成成分に対して芳香族成分が90モル%以上の範囲であることを特徴とする画像形成方法。
  14. 請求項13記載の画像形成方法において、
    非晶性ポリエステル樹脂のアルコール由来構成成分は、結晶性ポリエステル樹脂のアルコール由来構成成分の主成分である炭素数6〜12の直鎖脂肪族と同じ直鎖脂肪族を含み、全アルコール由来構成成分に対して直鎖脂肪族成分が10〜30モル%の範囲であり、前記非晶性ポリエステル樹脂の酸由来構成成分は、結晶性ポリエステル樹脂の酸由来構成成分の主成分であるテレフタル酸又はイソフタル酸又はナフタレンジカルボン酸に由来する芳香族と同じ芳香族を含み、全酸由来構成成分に対して芳香族成分が90モル%以上の範囲であることを特徴とする画像形成方法。
  15. 請求項14記載の画像形成方法において、
    結晶性ポリエステル樹脂のアルコール由来構成成分は、炭素数6〜12の直鎖脂肪族及び芳香族系ジオール由来成分を含み、全アルコール由来構成成分に対して、直鎖脂肪族成分が85〜98モル%の範囲であり、かつ、芳香族系ジオール由来成分が2〜15モル%の範囲であり、非晶性ポリエステル樹脂のアルコール由来構成成分は、結晶性ポリエステル樹脂のアルコール由来構成成分の主成分と同じ直鎖脂肪族成分及び芳香族系ジオール由来成分を含み、全アルコール由来構成成分に対して、直鎖脂肪族成分が10〜30モル%の範囲であり、かつ、芳香族系ジオール由来成分が70〜90モル%の範囲であることを特徴とする画像形成方法。
  16. 請求項13又は14記載の画像形成方法において、
    結晶性ポリエステル樹脂と非晶性ポリエステル樹脂の酸由来構成成分の主成分は芳香族成分が同じもので構成されていることを特徴とする画像形成方法。
  17. 請求項1記載の画像形成方法において、
    トナー受容層は無機微粒子を3〜15wt%含むことを特徴とする画像形成方法。
  18. 請求項1記載の画像形成方法において、
    光散乱層とトナー受容層との間にゼラチン層を備えていることを特徴とする画像形成方法。
  19. 基材上に、白色顔料及びポリオレフィン系樹脂からなる熱可塑性樹脂を含む光散乱層と、この光散乱層の表面側に設けられ且つ結晶性ポリエステル樹脂及び非晶性ポリエステル樹脂を混合した熱可塑性樹脂を含むトナー受容層とが含まれる画像支持体と、
    熱可塑性樹脂が含まれる着色トナーを用い、画像支持体上に着色トナー像を作製する着色トナー作像ユニットと、
    結着樹脂のガラス転移温度が50℃以上70℃未満の透明トナーを用い、着色トナー像が作製された画像支持体上に非画像部における厚みが2〜10μmの範囲に設定された透明トナー像を作製する透明トナー作像ユニットとを備えることを特徴とする画像形成装置。
  20. 請求項19記載の画像形成装置において、
    着色トナー作像ユニット及び透明トナー作像ユニットは、同じ定着装置にて一括定着するものであることを特徴とする画像形成装置。
  21. 請求項20記載の画像形成装置において、
    着色トナー作像ユニット及び透明トナー作像ユニットは、着色トナー像及び透明トナー像が形成担持される一若しくは複数の像担持体と、
    前記像担持体上のトナー像を一時的に担持搬送する中間転写体と、
    前記像担持体上のトナー像を中間転写体に転写する一次転写装置と、
    中間転写体上に転写されたトナー像を画像支持体上に一括転写する二次転写装置とを備え、
    中間転写体の表面に透明トナー像を形成した後、更に着色トナー像を形成することを特徴とする画像形成装置。
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