JP4055589B2 - 電子写真用被転写紙及びこれを用いたカラー画像形成装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、電子写真方式を適用したカラー複写機やカラープリンター、あるいはカラーファクシミリ等のカラー画像形成装置に好適に使用される電子写真用被転写紙に関し、特に、電子写真方式によって印画されたカラートナー画像を担持して、光沢性に優れた銀塩写真調の高画質な画像を得ることができる電子写真用被転写紙に関するものである。
【0002】
【特許文献1】
特開昭63−92965号公報
【特許文献2】
特開平5−88400号公報
【0003】
【従来の技術】
通常、電子写真方式を適用した複写機やプリンター等の画像形成装置では、被転写紙上に画像情報に応じて静電的に付着させたトナー像を、熱ロール等により加熱・加圧して定着することにより、画像形成を行うように構成されている。その際、上記被転写紙上には、画像情報に応じて形成されたトナー像が溶融されて定着されるが、当該被転写紙上には、トナー像の有無やトナー像の濃淡によって段差が形成される。更に、フルカラーの画像形成装置では、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(BK)等の各色のトナー層を積層して、色調を再現することから、トナー画像のない非画像部と比較して、2次色、3次色画像の特に高濃度な部分は、トナーの量が多く、トナーの盛り上がりが目立ち、目視で確認される段差はもちろん、更には、トナーの多寡による表面光沢の不均一さによって違和感を生じてしまうという難点を有していた。
【0004】
そこで、この印画時のトナー段差の影響を緩和する目的で、例えば、特開昭63−92965号公報に開示された技術が、既に提案されている。この特開昭63−92965号公報に係るカラー画像出力方法は、電子写真方法を用いたカラー画像出力方法において、画像支持基材上に透明樹脂層を設け、その透明樹脂層上にトナー像を形成した後、これを透明樹脂層中に埋め込むように構成したものである。
【0005】
しかし、上記特開昭63−92965号公報に係るカラー画像出力方法の場合には、透明樹脂層の材質を特に考慮していないため、当該透明樹脂層の材質によっては、透明樹脂層中にトナー像を良好に埋め込むことができず、トナー像に段差が生じたり、表面の光沢性が低下するという問題点を有していた。
【0006】
かかる問題点を解決し、トナー像を透明樹脂層に十分に埋め込ませるためには、例えば、特開平5−88400号公報に開示されている技術が既に提案されている。この特開平5−88400号公報に係る電子写真用被転写フィルムは、耐熱温度100℃以上のプラスチックフィルムの少なくとも一方の面に、トナーの定着温度において、定着されるべきトナーの結着樹脂と相溶性があり、且つトナーの定着温度において、トナーの結着樹脂よりも見掛けの溶融温度が低い透明樹脂層を設けるように構成したものである。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来技術の場合には、次のような問題点を有している。すなわち、上記特開平5−88400号公報に係る電子写真用被転写フィルムの場合には、プラスチックフィルムの少なくとも一方の面に設けられる透明樹脂層として、トナーの定着温度において、定着されるべきトナーの結着樹脂と相溶性があり、且つトナーの定着温度において、トナーの結着樹脂よりも見掛けの溶融温度が低いものを用いるように構成したものであるため、透明樹脂層の溶融温度は、トナーの結着樹脂の溶融温度よりも低く設定する必要がある。その結果、このような電子写真用被転写フィルムを用いた場合には、トナーの定着温度を実用的な温度に設定する関係上、上限値が決まってくるため、透明樹脂層の溶融温度を相対的に低く設定せざるを得ない。
【0008】
したがって、上記提案に係る電子写真用被転写フィルムは、透明樹脂層の溶融温度が相対的に低くなり、高温高湿環境下や長期間の保存等によって、透明樹脂層が変形したり、機械的な強度が低下する。このように、上記電子写真用被転写フィルムを用いて、実用的な定着温度でトナーを透明樹脂層に十分埋め込ませるためには、耐熱保存性と機械強度を犠牲にせざるを得ない。そのため、初期的には高画質な画像が得られても、保存時に温湿度変化によるオフセットやクラックなどが発生してしまい、長期間の使用・保存には耐えられないという問題点を有していた。
【0009】
そこで、この発明は、上記従来技術の問題点を解決するためになされたものであり、その目的とするところは、印画時のトナー像の段差を十分小さくすることができ、光沢性に優れた銀塩写真調の高画質な画像が得られるのは勿論のこと、保存時の温湿度変化によるオフセットやクラックなどの画像破損が生じることがなく、長期間の使用・保存に耐えることが可能な電子写真用被転写紙を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明者等は、支持体に特定の性質を有する樹脂をコーテイングして被転写層を形成した電子写真用被転写紙を用い、トナー画像を均一に被転写層中に埋め込むことにより、紙表面との段差をなくし、銀塩写真調の高画質な画像を得ることができ、更に、長期保存の温湿度の影響によるオフセットやクラック等の画質を生じさせないことを見出し、本発明を完成するに至った。即ち、前記課題を解決するための手段は、以下の通りである。
【0011】
上記課題を解決するために、請求項1に記載された電子写真用被転写紙は、電子写真法により形成されたトナー像が転写・定着される電子写真用被転写紙において、前記電子写真用被転写紙は、支持体の少なくとも一方の表面に設けられたトナー像が転写される被転写層を有し、前記被転写層は、融点が80〜120℃の結晶性ポリエステルを30〜70重量部と、非晶性ポリエステルを30〜70重量部と、前記結晶性ポリエステルを構成するアルコール由来構成成分および酸由来構成成分に、非晶性ポリエステルを構成するアルコール由来構成成分および酸由来構成成分のいずれか一方を加えて共重合したポリエステルとを含むように構成したものである。
【0013】
さらに、請求項2に記載の電子写真用被転写紙は、前記結晶性ポリエステルの重量平均分子量が15000〜50000であり、前記非晶性ポリエステルの重量平均分子量が8000〜30000であるように構成したものである。
【0014】
又、請求項3に記載の電子写真用被転写紙は、前記結晶性ポリエステルのアルコール由来構成成分あるいは酸由来構成成分の少なくとも一方は、炭素数が2から14の直鎖脂肪属からなるように構成したものである。
【0017】
さらに、請求項4に記載のカラー画像形成装置は、前記請求項1に記載の電子写真用被転写紙の被転写層上にカラートナーからなるトナー画像を転写し、当該電子写真用被転写紙の被転写層上に転写されたカラートナーからなるトナー画像を、定着ベルトを持つ冷却剥離方式定着装置によって加熱溶融して定着することにより、カラー画像を形成するカラー画像形成装置において、前記定着ベルトを持つ冷却剥離方式定着装置は、加熱ロールを含む複数のロールにより定着ベルトを回動可能に支持するとともに、前記加熱ロールに定着ベルトを介して加圧ロールを圧接させ、前記定着ベルトと加圧ロールの圧接部を、定着ベルト側にトナー画像が位置するように電子写真用被転写紙を通過させて、トナー画像を加熱加圧することにより定着し、前記定着ベルトがある程度冷却された状態で、当該定着ベルトから電子写真用被転写紙を剥離することを特徴とするカラー画像形成装置である。
【0018】
本発明において、被転写層を構成する結晶性ポリエステルは、分子鎖中に結晶構造をもつため、結晶部に一定の熱エネルギーを加えることで結晶性を失わせ一気に流動状態にさせることができる。この結晶性ポリエステルの特性を用いることで保存可能温度領域から定着温度領域までの温度幅を狭くすることができ、溶融粘度低下と耐熱温度向上を両立させることができる。ただし、結晶性ポリエステル単独で被転写層を形成すると、顔料などを分散させることが難しくなり、さらに長期的には、緩慢な結晶化の進行による脆化と光沢変動が発生してしまう。
【0019】
そこで、本発明では、結晶性ポリエスエルと非晶性ポリエスエルを前記の手段で混在させ、結晶性ポリエスエル分子鎖と非晶性ポリエスエル分子鎖を絡み合わせることで、分散している個々の結晶部を小さくする。結晶分散単位を小さくした結果、結晶化は定着直後に終了するようになる。これにより長期的な結晶化は起こらず、緩慢な結晶化の進行による脆化と光沢変動が起こらなくなる。その結果、トナーの埋め込み性と耐熱保存性を両立しつつ、長期的な機械強度を保つことで保存性の向上が図れる。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下に、この発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
【0021】
実施の形態1
図2はこの発明の実施の形態1に係る電子写真用被転写紙を用いたカラー画像形成装置を示す構成図である。
【0022】
このカラー画像形成装置1には、図示しないパーソナルコンピュータ等のホストコンピュータから送られてくるカラー画像情報や、図示しない原稿読取装置によって読み取られたカラー原稿のカラー画像情報などが入力される。そして、上記カラー画像形成装置1では、入力されたカラー画像情報に対し、画像処理装置2により、必要に応じて、シェーデイング補正、位置ズレ補正、明度/色空間変換、ガンマ補正、枠消し、色/移動編集等の所定の画像処理が施される。
【0023】
そして、上記の如く画像処理装置2で所定の画像処理が施された画像データは、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(BK)(各8bit)の4色の色材階調データとしてROS3(Raster OutputScanner)に送られ、このROS3では、原稿色材階調データに応じてレーザー光による画像露光が行われる。
【0024】
上記カラー画像形成装置1の内部には、色の異なる複数のトナー像を形成可能な画像形成手段Aが配設されている。この画像形成手段Aは、主として、静電潜像が形成される像担持体としての感光体ドラム7と、前記感光体ドラム7の表面を所定の電位に一様に帯電する帯電装置としてのスコロトロン8と、前記感光体ドラム7の表面に画像露光を施す画像露光手段としてのROS3と、前記感光体ドラム7上に形成された静電潜像を現像して色の異なる複数のトナー像を形成可能な現像手段としてのロータリー方式の現像装置9とから構成されている。
【0025】
上記ROS3は、図2に示すように、図示しない半導体レーザーを原稿再現色材階調データに応じて変調し、この半導体レーザーからレーザー光LBを階調データに応じて出射する。この半導体レーザーから出射されたレーザー光LBは、回転多面鏡4によって偏向走査され、f・θレンズ5及び反射ミラー6を介して像担持体としての感光体ドラム7上に走査露光される。
【0026】
上記ROS3によってレーザー光LBが走査露光される感光体ドラム7は、図示しない駆動手段によって矢印方向に沿って所定の速度で回転駆動されるようになっている。この感光体ドラム7の表面は、予め一次帯電用の帯電装置としてのスコロトロン8によって、所定の極性(例えば、マイナス極性)及び電位に帯電された後、原稿再現色材階調データに応じてレーザー光LBが走査露光されることによって静電潜像が形成される。上記感光体ドラム7上に形成された静電潜像は、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(BK)の4色の現像器9Y、9M、9C、9BKを備えたロータリー方式の現像装置9によって、例えば、感光体ドラム7の帯電極性と同極性のマイナス極性に帯電したトナー(帯電色材)によって反転現像され、所定の色のトナー像となる。上記ロータリー方式の現像装置9の各現像器9Y、9M、9C、9BKでは、例えば、平均粒径が5.5μmの球形トナーが用いられる。尚、上記感光体ドラム7上に形成されたトナー像は、必要に応じて転写前帯電器10によってマイナス極性の帯電を受け、電荷量が調整されるようになっている。
【0027】
上記感光体ドラム7上に形成された各色のトナー像は、当該感光体ドラム7の下部に配置された中間転写体としての中間転写ベルト11上に、第1の転写手段としての一次転写ロール12によって多重に転写される。この中間転写ベルト11は、駆動ロール13、従動ロール14a、テンションロール14b及び二次転写手段の一部を構成する対向ロールとしてのバックアップロール15によって、感光体ドラム7の周速と同一の移動速度で矢印方向に沿って回動可能に支持されている。
【0028】
上記中間転写ベルト11上には、形成する画像の色に応じて、感光体ドラム7上に形成されるイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(BK)の4色のすべて又はその一部のトナー像が、一次転写ロール12によって順次重ね合わせた状態で転写される。この中間転写ベルト11上に転写されたトナー像は、所定のタイミングで二次転写位置へと搬送される記録媒体としての電子写真用転写シート16上に、中間転写ベルト11を支持するバックアップロール15と、当該バックアップロール15に圧接する第2の転写手段の一部を構成する二次転写ロール17の圧接力及び静電吸引力によって転写される。上記電子写真用転写シート16は、図2に示すように、カラー画像形成装置1内の下部に配置された転写シート収容部材としての給紙カセット18から、所定のサイズのものがフィードロール18aによって給紙される。給紙された電子写真用転写シート16は、複数の搬送ロール22及びレジストロール23によって、所定のタイミングで中間転写ベルト11の二次転写位置まで搬送される。そして、上記電子写真用転写シート16には、上述したように、2次転写手段としてのバックアップロール15と二次転写ロール17とによって、中間転写ベルト11上から所定の色のトナー像が一括して転写されるようになっている。
【0029】
また、上記中間転写ベルト11上から所定の色のトナー像が転写された電子写真用転写シート16は、中間転写ベルト11から分離された後、搬送ベルト24によって定着装置25へと搬送され、この定着装置25によって熱及び圧力でトナー像が電子写真用転写シート16上に定着され、片面複写の場合には、そのまま機外に排出されてカラー画像の形成工程が終了する。
【0030】
一方、両面複写の場合には、第1面(表面)にカラー画像が形成された電子写真用転写シート16を、そのまま機外に排出せずに、図示しない反転ゲートによって下向きに搬送方向が変更され、3つのロールが圧接されたトリロール27及び反転ロール28によって、反転通路29へと一旦搬送される。そして、上記電子写真用転写シート16は、今度は逆転する反転ロール28によって両面用通路30へと搬送され、この両面用通路30に設けられた搬送ロール31によってレジストロール23まで一旦搬送されて停止する。電子写真用転写シート16は、中間転写ベルト11上のトナー像と同期して、再度レジストロール23によって搬送が開始され、当該電子写真用転写シート16の第2面(裏面)に対してトナー像の転写・定着工程が行われた後、機外に排出されるようになっている。
【0031】
なお、図2中、32は転写工程が終了した後の感光体ドラム7の表面から残留トナーや紙粉等を除去するためのクリーニング装置、33は中間転写ベルト11の清掃を行うための中間転写ベルト用クリーナー、34は手差しトレイ、35はイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(BK)の各色のトナーを収容したトナーカートリッジをそれぞれ示している。
【0032】
ところで、この実施の形態に係る電子写真用被転写紙は、電子写真法により形成されたトナー像が転写・定着される電子写真用被転写紙において、前記電子写真用被転写紙は、支持体の少なくとも一方の表面に設けられた被転写層を有し、前記被転写層は、結晶性ポリエステルと、非晶性ポリエステルと、これら結晶性ポリエステルと非晶性ポリエステルの共重合体を含むように構成したものである。
【0033】
更に具体的には、この実施の形態に係る電子写真用被転写紙は、支持体の少なくとも一方の表面に設けられた被転写層を有し、前記被転写層は、融点が80〜120℃の結晶性ポリエステルを30〜70重量部と、ガラス転移点が70〜100℃の非晶性ポリエステルを70〜30重量部と、これら結晶性ポリエステルと非晶性ポリエステルの共重合体を含み、それらを相溶させた混合樹脂を70〜100重量部有するように構成したものである。
【0034】
図1は、この実施の形態に係る電子写真用被転写紙16を模式的に示す断面図であるが、同図において、支持体40上に特定の構成の被転写層41を有してなるものであるが、必要に応じて、被転写層41以外にその他の層が形成されていもよい。
【0035】
[被転写層]
上記被転写層41は、結晶性ポリエステルと、非晶性ポリエステルと、それらの共重合体とを相溶させた混合樹脂からなるが、更にこの混合樹脂に無機顔料を含有させた様態が好ましく、必要に応じて、更に無機微粒子やワックスなど、その他の成分を含有してなる。
【0036】
[結晶性ポリエステル]
上記結晶性ポリエステルは、融点が80〜120℃であり、好ましくは80〜100℃であり、より好ましくは85〜95℃である。この結晶性ポリエステルは、融点が80℃未満であると、高温高湿環境下で軟化してしまう虞れがあり、融点が120℃を超えると、定着時にトナー像の埋め込みや光沢性が不十分となるので好ましくない。また、この結晶性ポリエステルの重量平均分子量は、15000〜50000である。尚、本発明において、前記ポリエステル樹脂の融点の測定には、示差走査熱量計(DSC)を用い、室温から150℃まで毎分10℃の昇温速度で測定を行ったときの吸熱ピークのトップの値を用いた。
【0037】
樹脂の柔軟性を高めるため、前記結晶性ポリエステルのアルコール由来構成成分あるいは酸由来構成成分の少なくとも一方は、炭素数2から14の直鎖脂肪からなっている。また、融点調整など、必要に応じて第三成分を50重量%以下の範囲で共重合しても良い。
【0038】
尚、本発明において、「結晶性ポリエステル樹脂」の「結晶性」とは、示差走査熱量測定(DSC)において、図4に示すように、階段状の吸熱量変化ではなく、図3に示すように、明確な吸熱ピークを有することを意味する。これは、ポリエステル樹脂の分子鎖が多くの部分で、結晶構造を有しているため、徐々に温度を上昇させた場合に、当該ポリエステル樹脂の結晶構造が溶融し、明確な吸熱ピークを示すものと考えられる。また、前記結晶性ポリエステル樹脂の主鎖に対して他の成分を共重合したポリマーの場合、他成分が50重量%以下であれば、この共重合体も結晶性ポリエステルを呼ぶ。
【0039】
前記結晶性ポリエステルの酸由来構成成分となるための酸としては、例えば、種々のジカルボン酸が挙げられる。
【0040】
脂肪属ジカルボン酸としては、例えば、蓚酸、マロン酸、コハク酸、グルタン酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼリン酸、セバシン酸、1,9−ノナンジカルボン酸、1,10−デカンジカルボン酸、1,11−ウンデカンジカルボン酸、1,12−ドデカンジカルボン酸、1,13−トリデカンジカルボン酸、1,14−テトラデカンジカルボン酸、1,16−ヘキサデカンジカルボン酸、1,18−オクタデカンジカルボン酸、など、或いはその低級アルキルエステルや酸無水物が挙げられるが、この限りではない。
【0041】
これらのうち、入手容易性を考慮すると、セバシン酸、1,10−デカンジカルボン酸が好ましい。
【0042】
芳香属ジカルボン酸としては、例えば、テレフタル酸、イソフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、4,4’−ビフェニルジカルボン酸等が挙げられ、中でもテレフタル酸が、入手容易性、低融点のポリマーを形成しやすい等の点で好ましい。
【0043】
また、前記結晶性ポリエステルのアルコール由来構成成分となるためのアルコールとしては、脂肪ジオールが好ましい。
【0044】
脂肪ジオールとしては、具体的には、例えば、エチレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,7−ヘプタンジオール、1,8−オクタンジオール、1,9−ノナンジオール、1,10−デカンジオール、1,11−ウンデカンジオール、1,12−ドデカンジオール、1,13−トリデカンジオール、1,14−テトラデカンジオール、1,18−オクタデカンジオール、1,20−エイコサンジオール、などが挙げられるが、これらに限定されるものではない。これらのうち、入手容易性を考慮すると、1,8−オクタンジオール、1,9−ノナンジオール、1,10−デカンジオールが好ましく、また、融点が低い点で、1,9−ノナンジオールが好ましい。
【0045】
前記結晶性ポリエステル樹脂の製造方法としては、特に制限はなく、酸成分とアルコール成分とを反応させる一般的なポリエステル重合法で製造することができる。すなわち、二塩基酸と二価アルコールをエステル化反応もしくはエステル交換反応させることによりオリゴマーを得、次いで真空下で重縮合反応を行って合成することができる。また、特公昭53−37920号公報に記載のようにポリエステルの解重合法によっても得ることができる。また、二塩基酸としては、ジメチルテレフタレート等のジカルボン酸のアルキルエステルを少なくとも一方に用いてエステル交換反応を行った後、重縮合反応を行なっても、ジカルボン酸を用いて直接エステル化し、次いで重縮合反応を行なってもよい。
【0046】
例えば、二塩基酸と二価アルコールを、大気圧下180〜200℃の温度で2〜5時間反応させ、水又はアルコールの留出を終了させて、エステル交換反応を完結させる。次いで、反応系内の圧力を1mmHg以下の高真空にすると共に、200〜230℃の温度に昇温し、この温度にて1〜3時間加熱して結晶性ポリエステル樹脂を得ることができる。
【0047】
[非晶性ポリエステル]
前記非晶性ポリエステルは、ガラス転移点が70〜100℃であり、好ましくは80〜100℃であり、より好ましくは85〜95℃である。重量平均分子量は8000〜30000であるが、前記結晶性樹脂との相溶性を高めるため、重量平均分子量は結晶性ポリエステルの重量平均分子量±5000の範囲であることが好ましく、更には、ほぼ同程度であればより好ましい。ここで、非晶性ポリエステルの重量平均分子量が8000未満であると、被転写層41が脆くなり、又、30000を越えると、流動性が低下し、定着性が不十分となる。また、この非晶性ポリエステルは、前記結晶性ポリエステルと共通のアルコール由来構成成分あるいは酸由来構成成分を持つことが相溶性を高める上で好ましい。また、融点調整などのため、必要に応じて第三成分を共重合しても良い。
【0048】
前記非晶性ポリエステルの製造方法は、前記結晶性ポリエステル樹脂の製造方法と同様、特に制限はなく、前述のような一般的なポリエステル重合法で製造することができる。
【0049】
また、前記酸由来構成成分としては、結晶性ポリエステルに関して挙げた種々のジカルボン酸を同様に用いることができる。前記アルコール由来構成成分としては、種々のジオールを用いることができるが、結晶性ポリエステルに関して挙げた脂肪ジオールに加えて、ビスフェノールA、ビスフェノールAエチレンオキサイド付加物、ビスフェノールAプロピレンオキサイド付加物や水素添加ビスフェノールA等を用いることができる。また、非晶性ポリエステルの場合は、酸由来構成成分・アルコール由来構成成分とも複数の成分を含んでも良い。
【0050】
[共重合体]
前記結晶性ポリエステルを構成するアルコール由来構成成分及び酸由来構成成分に、非晶性ポリエステルを構成するアルコール由来構成成分及び酸由来構成成分のいずれか一方を加えて共重合体としたポリエステルである。被転写層41を構成する混合樹脂を作製する際に、加熱攪拌操作で生成する共重合体を用いても良いが、樹脂混合の前に別途共重合樹脂を作製し、混合の際に添加することが好ましい。
【0051】
[混合樹脂]
混合樹脂は、結晶性ポリエステル部30〜70重量部と前記非晶性ポリエステル部70〜30重量部と、前記共重合体を少量(例えば、2〜10%程度)含み、それらを混合操作によって相溶させたものである。混合方法の例としては、溶剤による混合、ラテックス混合、加熱溶融混合などがあるが、いずれの方法でも、少なくとも溶融時に目視で透明性が確認できる程度に混ざっている必要がある。
【0052】
ここで、前記結晶性ポリエステル部が70重量部を超え、非晶性ポリエステル部が30重量部よりも少ないと、長期的な結晶化の進行を抑えることが難しく、また、前記結晶性ポリエステル部が30重量部よりも少なく、非晶性ポリエステル部が70重量部を超えると、溶融粘度を下げる効果が薄く、トナーの埋まり込みが悪くなる。なお、結晶性ポリエステル部と非晶性ポリエステル部は、合計で100重量部であり、共重合体は、例えば、結晶性ポリエステルと非晶性ポリエステルの混合物に対して外掛けで2〜10重量部加えている。
【0053】
[支持体]
本発明において、被転写層41を支持体40表面に形成するにあたって、支持体40の基材としては、定着温度に耐えることができ、平滑性、白色度、滑り性、摩擦性、帯電防止性、転写後のへこみ等の点で要求を満足できるものならば、どのような材質のものでも使用することができる。例えば、上質紙、アート紙、コート紙、キャストコート紙、壁紙、裏打ち用紙、合成樹脂又はエマルジョン含浸紙、合成ゴムラテックス含浸紙、合成樹脂内添紙、板紙、セルロール繊維紙、ポリオレフィンコート紙(特に、ポリエチレンで両側を被覆した紙)等の紙支持体、また上記の任意の基材によって構成された層を組み合わせた積層体をも使用することができる。
【0054】
支持体40の元となる原紙の厚みは、100〜250μmが好ましい。厚みがこの範囲外になると、電子写真複写機やプリンターの中でジャミングしたり、手に持った感触に難が生じることがある。原紙は平滑性及び平面性を付与する目的で、マシンカレンダー、スーパーカレダー等の装置を用いて熱及び圧力を加えて表面処理した上で使用することが好ましい。原紙に被転写層41を形成するに際しては、原紙表面に予め、グロー放電処理、コロナ放電処理、火炎処理、アンカーコート等の前処理をすることが被転写層41と原紙との密着性を向上する観点から好ましい。
【0055】
[その他の成分]
前記被転写層41には、本発明の効果を損なわない限り、層の特性を制御する目的で、その他の成分を添加することができる。
【0056】
前記被転写層41には結晶化を早める目的で白色あるいは透明の無機微粒子 (例えば、SiO2 、Al2 3 、タルク又はカオリン)を含有させることが好ましい。前記無機微粒子の含有量は、前記混合樹脂に対して0.1〜10重量%が好ましい。前記無機微粒子は滑り性、耐磨耗性及び耐傷性の向上にも良好な効果を与える。
【0057】
本発明においては、白色度を向上させ、画像を鮮明にする目的から、前記被転写層41に無機顔料を含有させることができる。前記無機顔料としては、例えば、酸化チタン、硫酸バリウム、酸化亜鉛、タルク、炭酸カルシウム、酸化アルミニウム、酸化ケイ素等の粉末、あるいは、これらの固溶体等を用いることができる。無機顔料の粒子径は、0.04〜1μm程度である。粒子径が0.04μmよりも小さいと、無機顔料を樹脂に均一に分散させるのが困難であり好ましくない。また、粒子径が1μmよりも大きいと、組成物の被覆膜表面が粗くなりすぎて画質の低下をきたすので好ましくない。また、無機顔料の添加量は、前記樹脂組成物に対して、1〜30重量%が好ましく、3〜10重量%がより好ましい。添加量が1重量%より少ないと、白色度を向上させる効果が不良となる場合がある。一方、添加量が30重量%より多いと、前記被転写層41の安定性が不良となる場合がある。これらの無機顔料の中で、酸化チタン及び硫酸バリウムが白色度の点から好ましく、好ましい平均粒径は、0.1〜0.8μmである。
【0058】
また、前記被転写層41には、離型剤を含有させることができる。前記離型剤として、ポリエチレンワックス、アミドワックス、シリコン系樹脂の微粉末、フッ素系樹脂の微粉末等の固形あるいはワックス状物質:フッ素系、リン酸エステル系等の界面活性剤:パラフィン系、シリコーン系、フッ素系のオイル類等、従来公知の離型剤が使用できる。
【0059】
前記被転写層41には、離型性改良、滑り性改良、帯電防止等の目的で種々の界面活性剤を使用することができる。界面活性剤としては、非イオン性界面活性剤、アニオン性界面活性剤、両性界面活性剤、カチオン性界面活性剤のいずれも用いることができる。
【0060】
[その他の層]
本発明の電子写真用被転写紙16に前記支持体40を用いる場合には、支持体40と被転写層41との間に中間層を設けてもよい。中間層を設けることにより、クッション層、多孔層、被転写紙の剛度調節層としての機能や、場合によっては接着層としての機能をもたせることができる。また、支持体40の被転写層41が形成された面と反対側の面に、被転写紙16の走行性を高めるためにバックコート層を設けても良い。また、所望の表面電位抵抗が得られない場合には、支持体40と被転写層41との間に導電性下塗層を設けてもよい。前記導電性下塗層は、導電性金属酸化物粒子が結合剤中に分散された層である。導電性金属酸化物粒子の材料としては、ZnO、TiO、SnO2 、Al2 3 、In2 3 、SiO2 、MgO、BaO及びMoO3 が挙げられる。これらは、単独で使用してもよく、これらの複合酸化物を使用してもよい。また、導電性金属酸化物粒子の粒径は、0.2μm以下が好ましい。前記導電性下塗層の結合剤の材料としては、ポリビニルアルコール、ポリアクリル酸、ポリアクリルアミド、ポリヒドロキシエチルアクリレート、ポリビニルヒドリン、水溶性ポリエステル、水溶性ポリウレタン、水溶性ナイロン、水溶性エポキシ樹脂、ゼラチン、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、カルボキシメチルセルロース及びこれらの誘導体等の水溶性ポリマー:水分散アクリル樹脂、水分散ポリエステル等の水分散型樹脂:アクリル樹脂エマルジョン、ポリ酢酸ビニルエマルジョン、SBR(スチレン・ブタジエン・ゴム)エマルジョン等のエマルジョン:アクリル樹脂、ポリエステル樹脂等の有機溶剤可溶型樹脂が挙げられる。これらのうち、水溶性ポリマー、水分散型樹脂及びエマルジョンが好ましい。これらのポリマーに、更に界面活性剤を添加してもよく、また架橋剤等を添加しても良い。
【0061】
[被転写層形成方法]
本発明の電子写真用被転写紙16における被転写層41は、例えば、溶解押出し法により形成される。溶解押出し法においては、加熱された押出し機から広幅のスリットを経て押し出された溶解樹脂膜を、支持体40に接触させローラーで連続的に圧接するラミネート方法や、同じく溶解樹脂を冷却ロール上に押出し、巻き取ってフィルム化する一般的な方法等が挙げられる。溶解押し出し法によれば、支持体上に、前記樹脂組成物からなる均一な膜を容易に形成することができる。
【0062】
前記被転写層41は、支持体40の一方の表面あるいは両方の表面に形成することができる。前記被転写層41の層厚は、20〜45μmの範囲が好ましく、23〜35μmの範囲がより好ましい。層厚が20μmより薄いと、支持体40への密着悪化やトナーの埋め込みが悪くなることがある。一方、層厚が45μmより厚いと、剛度が高くなりすぎ、例えば、プリンターを通過させるときにジャミングが起こることがある。
【0063】
前記被転写層41は、1×109 〜1×1013Ω□の範囲(25℃、65%RHの条件にて)の表面抵抗を有することが好ましい。1×109 Ω□未満の場合は、電子写真用被転写紙16の被転写層41にトナーが転写される際のトナー量が充分でなく得られるトナー画像の濃度が低くなることがある。一方、1×1013Ω□を越える場合は、転写時に必要以上の電荷が発生しトナーが充分に転写されず、画像の濃度が低くなり、電子写真用被転写紙16の取り扱い中に静電気を帯びて塵埃が付着し易く、また複写時にミスフィード、重送、放電マーク、トナー転写ヌケ等が発生し易くなる。
【0064】
ところで、上記の如く構成される電子写真用被転写紙16上には、図2に示すように、カラー画像形成装置1によってフルカラーのトナー画像が転写され定着されるが、この実施の形態では、フルカラーのトナー画像が転写され定着された電子写真用被転写紙16は、再度ベルト式の定着装置によって、二次定着を受けるように構成されている。なお、上記ベルト式の定着装置は、二次定着を行う定着装置としてではなく、カラー画像形成装置1の内部に配設される定着装置25として使用しても勿論良く、この場合には、二次定着を行う必要はない。
【0065】
この実施の形態では、定着ベルトを持つ冷却剥離方式定着装置は、加熱ロールを含む複数のロールにより定着ベルトを回動可能に支持するとともに、前記加熱ロールに定着ベルトを介して加圧ロールを圧接させ、前記定着ベルトと加圧ロールの圧接部を、定着ベルト側にトナー画像が位置するように電子写真用紙転写紙を通過させて、トナー画像を加熱加圧することにより定着し、前記定着ベルトがある程度冷却された状態で、当該定着ベルトから電子写真用転写シートを剥離するように構成されている。
【0066】
図5は、上記カラー画像形成装置1と組み合わせて使用される二次定着ユニットを示すものである。
【0067】
この二次定着ユニット50は、カラー画像形成装置1から排出される電子写真用被転写紙16が導入される導入口51を備えており、この導入口51の内部には、電子写真用被転写紙16の搬送路を切り替える切替ゲート52が設けられている。上記カラー画像形成装置1から排出される電子写真用被転写紙16に対して、二次定着を施さず、そのまま外部の第1の排出トレイ上に排出する場合には、切替ゲート52によって搬送路が上方の第1の搬送路53に切り替えられ、排出ロール54によって第1の排出トレイ55上に排出される。また、上記カラー画像形成装置1から排出される電子写真用被転写紙16に対して、二次定着処理を施す場合には、切替ゲート52によって搬送路が下方の第2の搬送路56に切り替えられ、複数の搬送ロール57によって、定着ベルトを持つ冷却剥離方式定着装置58に搬送され、当該定着ベルトを持つ冷却剥離方式定着装置58により定着処理を受けて、排出ロール59によって第2の排出トレイ60上に排出される。
【0068】
図6は上記二次定着ユニット50の内部に配設される定着ベルトを持つ冷却剥離方式定着装置を示すものである。
【0069】
この定着ベルトを持つ冷却剥離方式定着装置58は、図6に示すように、加熱ロール61と、当該加熱ロール61を含む複数のロール62、63により回動可能に支持された定着ベルト64と、前記加熱ロール61に定着ベルト64を介して圧接する加圧ロール65とを備えている。
【0070】
上記加熱ロール61としては、例えば、図7に示すように、アルミニウムやステンレス等からなる金属製コア66の表面に、ゴム硬度が20〜60°のシリコンゴム等からなる弾性体層67を厚さ1〜3mm程度被覆し、更に当該弾性体層67の表面にPFAチューブ等からなる離型層68を被覆して、所定の外径(例えば、50mm)に形成したものが用いられる。この加熱ロール61の内部には、加熱源として300〜350Wのハロゲンランプ69が配設されており、当該加熱ロール61の表面温度が所定の温度(155℃〜195℃程度)となるように内部から加熱される。
【0071】
また、上記加圧ロール65としては、例えば、図7に示す加熱ロール65と同様に構成したものが用いられ、アルミニウムやステンレス等からなる金属製コア66の表面に、ゴム硬度が20〜60°のシリコンゴム等からなる弾性体層67を厚さ1〜3mm程度被覆し、更に当該弾性体層67の表面にPFAチューブ等からなる離型層68を被覆して、所定の外径(例えば、50mm)に形成したものが用いられる。この加圧ロール65の内部には、加熱源として300〜350Wのハロゲンランプ69が配設されており、当該加圧ロール65の表面温度が所定の温度(80℃〜180℃程度)となるように内部から加熱される。
【0072】
そして、上記加熱ロール61と加圧ロール65は、定着ベルト64を介して、図示しない加圧手段により、400kgまでの荷重で互いに圧接できるように構成されている。
【0073】
さらに、上記定着ベルト64は、加熱ロール61と、剥離ロール62と、ウオーク制御ロール63からなる複数のロールにより回動可能に支持されており、図示しない駆動源によって回転駆動される加熱ロール61により、所定の移動速度(30mm/sec)で回転駆動される。この定着ベルト64としては、例えば、厚さ80μmのポリイミド製の無端状フィルム上に、厚さ50μmのシリコンゴム層を被覆したものが用いられる。
【0074】
また、上記定着ベルト64の内面側には、加熱ロール61と剥離ロール62との間に、当該定着ベルト64を強制的に冷却する冷却用のヒートシンク70が配設されており、この冷却用ヒートシンク70によって転写シート16の冷却及びシート16の搬送を行う冷却・シート搬送部が構成されている。そして、上記定着ベルト64は、剥離ロール62付近において、50℃〜80℃程度まで冷却される。
【0075】
なお、上記冷却用ヒートシンク70と加熱ロール61との間には、定着ベルト64に一定のテンションを付与する小径のテンションロール71が配設されている。
【0076】
そして、上記定着ベルトを持つ冷却剥離方式定着装置58では、図6に示すように、表面にカラートナー画像Tが転写・定着された電子写真用被転写紙16が、加熱ロール61と当該加熱ロール61に定着ベルト64を介して圧接する加圧ロール65との圧接部72(ニップ部)に、カラートナー画像Tが加熱ロール61側に位置するようにして導入され、上記加熱ロール61と加圧ロール65との圧接部72を通過する間に、図8に示すように、カラートナー画像Tが電子写真用被転写紙16上に加熱溶融されて定着される。その際、上記電子写真用被転写紙16の表面に形成された受像層43(透明樹脂層)も、加熱されて軟化し、定着ベルト64の表面に密着した状態となる。
【0077】
その後、上記加熱ロール61と加圧ロール65との圧接部72において、加熱溶融され、カラートナー画像Tが被転写層41上に定着された電子写真用被転写紙16は、その表面の被転写層41が定着ベルト64の表面に密着したまま状態で、当該定着ベルト64と共に搬送される。その間、上記定着ベルト64は、冷却用のヒートシンク71によって強制的に冷却され、カラートナー画像T及び被転写層41が冷却して固化した後、剥離ロール62によって転写シート16自身の腰(剛性)によって剥離される。
【0078】
なお、剥離工程が終了した後の定着ベルト64の表面は、クリーナ73によって残留トナー等が除去され、次の定着工程に備えるようになっている。
【0079】
【実施例】
以下に、実施例を示し本発明を具体的に説明するが、本発明は以下の実施例のみに限定されるものではないことは勿論である。
【0080】
実施例1
[結晶性ポリエステルAの合成]
加熱乾燥した3口フラスコに、テレフタル酸ジメチル194重量部と、1,9−ノナンジオール160重量部と、触媒としてジブチル錫オキサイド0.15重量部とを入れた後、減圧操作により容器内の空気を窒素ガスにより不活性雰囲気下とし、機械攪拌にて180℃で5時間攪拌を行った。
【0081】
その後、減圧下にて230℃まで徐々に昇温を行い2時間攪拌し、粘稠な状態となったところで空冷し、反応を停止させた。得られた樹脂を結晶性ポリエステル樹脂Aとした。
【0082】
ゲルパーミエーションクロマトグラフィーによる分子量測定(ポリスチレン換算)で、得られた結晶性ポリエステル樹脂Aの重量平均分子量(Mw)は24000であり、数平均分子量(Mn)は10900であった。
【0083】
また、結晶性ポリエステル樹脂Aの融点(Tm)を、前述の測定方法により、示差走査熱量計(DSC)を用いて測定したところ、明確なピークを有し、ピークトップの温度は94℃であった。
【0084】
作製した結晶ポリエステスの一覧を図9に示す。
【0085】
[非晶性ポリエステルAの合成]
加熱乾燥した3口フラスコに、テレフタル酸ジメチル194重量部と、ビスフェノールAエチレンオキサイド253重量部と、エチレングリコール62と、触媒としてジブチル錫オキサイド0.15重量部と、を入れた後、減圧操作により容器内の空気を窒素ガスにより不活性雰囲気下とし、機械攪拌にて180℃で5時間攪拌を行った。反応により生成したメタノールと過剰なエチレングリコールを減圧して留去し、その後、減圧下にて220℃まで徐々に昇温を行い2時間攪拌し、粘稠な状態となったところで空冷し、反応を停止させた。得られた樹脂を非晶性ポリエステル樹脂Aとした。
【0086】
ゲルパーミエーションクロマトグラフィーによる分子量測定(ポリスチレン換算)で、得られた非晶性ポリエステル樹脂Aの重量平均分子量(Mw)は27600であり、数平均分子量(Mn)は10800であった。
【0087】
また、非晶性ポリエステル樹脂Aの融点(Tm)を、前述の測定方法により、示差走査熱量計(DSC)を用いて測定したところ、明確なピークを示さず、図に示すような階段状の吸熱変化が確認された。階段状の吸熱変化量の中間点をとったガラス転移点(Tg)は82℃であった。
【0088】
作製した非結晶ポリエステスの一覧を図10に示す。
【0089】
[共重合体Aの合成]
加熱乾燥した3口フラスコに、テレフタル酸ジメチル194重量部と、1,9−ノナンジオール96重量部と、ビスフェノールAエチレンオキサイド101重量部と、触媒としてジブチル錫オキサイド0.15重量部とを入れた後、減圧操作により容器内の空気を窒素ガスにより不活性雰囲気下とし、機械攪拌にて180℃で5時間攪拌を行った。
【0090】
その後、減圧下にて230℃まで徐々に昇温を行い2時間攪拌し、粘稠な状態となったところで空冷し、反応を停止させた。得られた樹脂を共重合体Aとした。
【0091】
作製した共重合体の一覧を図11に示す。
【0092】
[混合樹脂(1)の作製]
加熱乾燥した3口フラスコに、結晶性ポリエステルA60部、非晶性ポリエステルA40重量部、共重合体A10重量部入れた後、減圧操作により容器内の空気を窒素ガスにより不活性雰囲気下とし、機械攪拌にて200℃で攪拌し、30分で溶融樹脂が透明であることを目視で確認できた。得られた樹脂を混合樹脂(1)とした。
【0093】
作製した混合樹脂の一覧を図12及び図13に示す。
【0094】
[電子写真用被転写紙の作製]
260℃に加熱された押し出し機のスリットを経て押し出された溶融混合樹脂(1)の膜を厚さ160μmの原紙に対して、2つのロールの間でニップし、ラミネートすることにより、図1に示すように、原紙40の片面に被転写層41を形成した電子写真用被転写紙16を作製した。
【0095】
上記の電子写真用被転写紙16を作製する際、及び、作製した被転写紙について、以下の評価を行った。評価結果の一覧を図14に示す。
【0096】
<表面平滑性・光沢性>
電子写真用被転写紙16上に、2ロール方式の定着器を取り外した富士ゼロックス社製DocuPrint1255によりイエロー、マゼンタ、シアンを各色4.5g/m2 で混色して得られるプロセスブラックを20mm×20mmの画像で出力プリントした後、定着ベルトを持つ冷却剥離方式の定着器により画像を定着した。
【0097】
電子写真用被転写紙に印画されたプロセスブラック画像端部の表面平滑性・光沢性を官能評価により、下記の通り評価した。
○・・・画像端部のレリーフ感・光沢不均一感が感じられないもの
△・・・画像端部と被転写紙面の間で、光沢不均一感が感じられるもの
×・・・画像端部にレリーフ感のあるもの
なお、表面平滑性の観察条件は、すべて同一の環境で行った。
【0098】
<クラック>
電子写真用被転写紙を30mm×100mmに切り出し、直径40mm・20mmのSUS製円柱に30秒間巻き付けた後、被転写層のひび割れの有無を評価した。
○・・・直径20mmの円柱に巻きつてもひび割れなかったもの
△・・・直径20mmの円柱に巻きつけた際にひび割れが発生したもの
×・・・直径40mmの円柱に巻きつけた際にひび割れが発生したもの
【0099】
<耐熱保存性>
2枚の電子写真用被転写紙の被転写層を向き合わせ、温度55℃、湿度30%RHの環境下で平滑なガラス板に挟み、40gf/cm2 の圧力をかけたまま3日間静置した。その後、室温下で対面している2枚の電子写真被転写紙を剥がし、被転写層どうしの接着や被転写層表面の変形による光沢ムラの有無を評価した。
○・・・被転写層の破損・光沢ムラが発生しなかったもの
△・・・被転写層表面の光沢にムラがあるもの
×・・・被転写層どうしが接着し、被転写層が破損したもの
【0100】
実施例2
[非晶性ポリエステルBの合成]
加熱乾燥した3口フラスコに、テレフタル酸ジメチル194重量部と、ビスフェノールAエチレンオキサイド253重量部と、エチレングリコール12.4重量部と、触媒としてジブチル錫オキサイド0.15重量部と、を入れた後、減圧操作により容器内の空気を窒素ガスにより不活性雰囲気下とし、機械攪拌にて180℃で5時間攪拌を行った。
【0101】
その後、減圧下にて230℃まで徐々に昇温を行い2時間攪拌し、粘稠な状態となったところで空冷し、反応を停止させた。これにより得られた樹脂を非晶性ポリエステル樹脂Bとした。
【0102】
ゲルパーミエーションクロマトグラフィーによる分子量測定(ポリスチレン換算)で、得られた非晶性ポリエステル樹脂Bの重量平均分子量(Mw)は11200であり、数平均分子量(Mn)は4920であった。
【0103】
また、非晶性ポリエステル樹脂Aの融点(Tm)を、前述の測定方法により、示差走査熱量計(DSC)を用いて測定したところ、明確なピークを示さず、階段状の吸熱変化量の中間をとったガラス転移点(Tg)は72℃であった。
【0104】
[混合樹脂(2)の作製]
加熱乾燥した3口フラスコに、結晶性ポリエステルA60部、非晶性ポリエステルB40重量部、共重合体A10重量部入れた後、減圧操作により容器内の空気を窒素ガスにより不活性雰囲気下とし、機械攪拌にて200℃で攪拌し、1時間で溶融樹脂が透明であることを目視で確認できた。得られた樹脂を混合樹脂(2)とした。次いで、実施例1と同様の方法で、原紙の片面に混合樹脂(2)からなる被転写層41を形成した電子写真被転写紙16を作製し、実施例1と同様の評価を行った。
【0105】
比較例1
[結晶性ポリエステルBの合成]
加熱乾燥した3口フラスコに、1,10−デカンジカルボン酸230重量部と、1,9−ノナンジオール160重量部と、触媒としてジブチル錫オキサイド0.15重量部とを入れた後、減圧操作により容器内の空気を窒素ガスにより不活性雰囲気下とし、機械攪拌にて180℃で5時間攪拌を行った。
【0106】
その後、減圧下にて230℃まで徐々に昇温を行い2時間攪拌し、粘稠な状態となったところで空冷し、反応を停止させた。得られた樹脂を結晶性ポリエステル樹脂Bとした。
【0107】
ゲルパーミエーションクロマトグラフィーによる分子量測定(ポリスチレン換算)で、得られた結晶性ポリエステル樹脂Bの重量平均分子量(Mw)は24000であり、数平均分子量(Mn)は10900であった。
【0108】
また、結晶性ポリエステル樹脂Bの融点(Tm)を、前述の測定方法により、示差走査熱量計(DSC)を用いて測定したところ、明確なピークを有し、ピークトップの温度は72℃であった。
【0109】
[共重合体Bの合成]
加熱乾燥した3口フラスコに、1,10−デカンジカルボン酸230重量部と、1,9−ノナンジオール96重量部と、ビスフェノールAエチレンオキサイド101重量部と、触媒としてジブチル錫オキサイド0.15重量部とを入れた後、減圧操作により容器内の空気を窒素ガスにより不活性雰囲気下とし、機械攪拌にて180℃で5時間攪拌を行った。
【0110】
その後、減圧下にて230℃まで徐々に昇温を行い2時間攪拌し、粘稠な状態となったところで空冷し、反応を停止させた。得られた樹脂を共重合体Bとした。
【0111】
[混合樹脂(3)の作製]
加熱乾燥した3口フラスコに、結晶性ポリエステルB60部、非晶性ポリエステルA40重量部、共重合体B10重量部入れた後、減圧操作により容器内の空気を窒素ガスにより不活性雰囲気下とし、機械攪拌にて200℃で2時間攪拌を行ったが、溶融樹脂は白濁したままであった。加熱・攪拌を停止し取り出した樹脂は脆く、崩れやすかった。得られた樹脂を混合樹脂(3)とした。次いで実施例1と同様の方法で、原紙の片面に混合樹脂(3)からなる被転写層41を形成した電子写真用被転写紙16を作製し、実施例1と同様の評価を行った。
【0112】
実施例3
[混合樹脂(4)の作製]
加熱乾燥した3口フラスコに、結晶性ポリエステルA40部、非晶性ポリエステルA60重量部、共重合体A10重量部入れた後、減圧操作により容器内の空気を窒素ガスにより不活性雰囲気下とし、機械攪拌にて200℃で1時間で溶融樹脂が透明であることを目視で確認できた。得られた樹脂を混合樹脂(4)とした。次いで実施例1と同様の方法で、原紙の片面に混合樹脂(4)からなる被転写層41を形成した電子写真用被転写紙16を作製し、実施例1と同様の評価を行った。
【0113】
比較例2
[混合樹脂(5)の作製]
加熱乾燥した3口フラスコに、結晶性ポリエステルA20部、非晶性ポリエステルA80重量部、共重合体A10重量部入れた後、減圧操作により容器内の空気を窒素ガスにより不活性雰囲気下とし、機械攪拌にて200℃で1時間で溶融樹脂が透明であることを目視で確認できた。得られた樹脂を混合樹脂(5)とした。次いで実施例1と同様の方法で、原紙の片面に混合樹脂(5)からなる被転写層41を形成した電子写真用被転写紙16を作製し、実施例1と同様の評価を行った。
【0114】
比較例3
[混合樹脂(6)の作製]
加熱乾燥した3口フラスコに、結晶性ポリエステルA80部、非晶性ポリエステルA20重量部、共重合体A10重量部入れた後、減圧操作により容器内の空気を窒素ガスにより不活性雰囲気下とし、機械攪拌にて200℃で1時間で溶融樹脂が透明であることを目視で確認できた。得られた樹脂を混合樹脂(6)とした。次いで実施例1と同様の方法で、原紙の片面に混合樹脂(6)からなる被転写層41を形成した電子写真用被転写紙16を作製し、実施例1と同様の評価を行った。
【0115】
比較例4
実施例1と同様の方法で、原紙の片面に結晶性ポリエステルAからなる被転写層41を形成した電子写真用被転写紙16を作製し、実施例1と同様の評価を行った。
【0116】
比較例5
実施例1と同様の方法で、原紙の片面に非晶性ポリエステルAからなる被転写層41を形成した電子写真用被転写紙16を作製し、実施例1と同様の評価を行った。
【0117】
比較例6
実施例1と同様の方法で、原紙の片面に非晶性ポリエステルBからなる被転写層41を形成した電子写真用被転写紙16を作製し、実施例1と同様の評価を行った。
【0118】
図14の結果から、本発明の電子写真用被転写紙16である実施例1〜2は、トナー画像と紙表面の段差が十分小さく、かつ、温湿度変化によるオフセットやクラックなどの画像破損を生じにくいことがわかる。
【0119】
特に、実施例1の結果から、混合する結晶性ポリエステルと非晶性ポリエステルの重量平均分子量が近く、かつ、結晶性ポリエステルの融点と非晶性ポリエステルのガラス転移点が十分高い組合せは、機械強度も耐熱保存性に大変優れているといえる。
【0120】
比較例1の結果から、相溶性の悪い組合せからなる混合樹脂からなる被転写層では、樹脂が海島構造をとっているために脆くなり、機械強度が得られないといえる。また、結晶性ポリエステルの融点が低い場合、耐熱保存性も悪くなるといえる。
【0121】
比較例2の結果から、結晶性ポリエステルの混合比率が本発明によるものより少ない混合樹脂からなる被転写層では、結晶性由来の効果が得られず、定着性・耐熱性に問題が生じるといえる。
【0122】
比較例3・4の結果から、結晶性ポリエステルの混合比率が本発明によるものより多い混合樹脂からなる被転写層では、あるいは結晶性ポリエステルのみからなる被転写層では、表面平滑性・耐久性ともに初期的には良好だが、結晶化が緩慢に進むため、長期の保存で光沢が変化し、更に脆くなることで長期の使用には耐えないといえる。
【0123】
比較例5・6の結果から、非晶性ポリエステルのみで被転写層が形成すると、表面平滑性と耐久性を両立できないことといえる。
【0124】
【発明の効果】
以上説明したように、この発明によれば、電子写真方式を用いて印画されたトナー画像と紙表面の段差が十分小さく、また光沢性に優れた銀塩写真調の高画質な画像が得られ、かつ、耐熱保存性・機械強度に優れ、保存時の温湿度変化によるオフセットやクラックなどの画像破損を生じさせない電子写真用被転写紙を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1はこの発明の実施の形態1に係る電子写真用被転写紙を示す模式断面図である。
【図2】 図2はこの発明の実施の形態1に係る電子写真用被転写紙を適用したカラー画像形成装置を示す構成図である。
【図3】 図3は電子写真用被転写紙の被転写層を構成する結晶性ポリエステルの吸熱特性を示すグラフである。
【図4】 図4は電子写真用被転写紙の被転写層を構成する非晶性ポリエステルの吸熱特性を示すグラフである。
【図5】 図5は定着ユニットを示す構成図である。
【図6】 図6は定着ベルトを持つ冷却剥離方式定着装置を示す断面図である。
【図7】 図7は加熱ロール及び加圧ロールを示す断面図である。
【図8】 図8は電子写真用被転写紙の定着状態を示す説明図である。
【図9】 図9は結晶性ポリエステルの組成及び特性を示す図表である。
【図10】 図10は非晶性ポリエステルの組成及び特性を示す図表である。
【図11】 図11は共重合体の組成及び特性を示す図表である。
【図12】 図12は混合樹脂の組成及び特性を示す図表である。
【図13】 図13は混合樹脂の組成及び特性を示す図表である。
【図14】 図14は実施例及び比較例の評価結果を示す図表である。
【符号の説明】
16:電子写真用被転写紙、40:支持体、41:被転写層。

Claims (4)

  1. 電子写真法により形成されたトナー像が転写・定着される電子写真用被転写紙において、
    前記電子写真用被転写紙は、支持体の少なくとも一方の表面に設けられたトナー像が転写される被転写層を有し、前記被転写層は、融点が80〜120℃の結晶性ポリエステルを30〜70重量部と、非晶性ポリエステルを30〜70重量部と、前記結晶性ポリエステルを構成するアルコール由来構成成分および酸由来構成成分に、非晶性ポリエステルを構成するアルコール由来構成成分および酸由来構成成分のいずれか一方を加えて共重合したポリエステルとを含むことを特徴とする電子写真用被転写紙。
  2. 前記結晶性ポリエステルの重量平均分子量が15000〜50000であり、前記非晶性ポリエステルの重量平均分子量が8000〜30000であることを特徴とする請求項1に記載の電子写真用被転写紙。
  3. 前記結晶性ポリエステルのアルコール由来構成成分あるいは酸由来構成成分の少なくとも一方は、炭素数が2から14の直鎖脂肪からなることを特徴とする請求項1又は2に記載の電子写真用被転写紙。
  4. 前記請求項1に記載の電子写真用被転写紙の被転写層上にカラートナーからなるトナー画像を転写し、当該電子写真用被転写紙の被転写層上に転写されたカラートナーからなるトナー画像を、定着ベルトを持つ冷却剥離方式定着装置によって加熱溶融して定着することにより、カラー画像を形成するカラー画像形成装置において、前記定着ベルトを持つ冷却剥離方式定着装置は、加熱ロールを含む複数のロールにより定着ベルトを回動可能に支持するとともに、前記加熱ロールに定着ベルトを介して加圧ロールを圧接させ、前記定着ベルトと加圧ロールの圧接部を、定着ベルト側にトナー画像が位置するように電子写真用被転写紙を通過させて、トナー画像を加熱加圧することにより定着し、前記定着ベルトがある程度冷却された状態で、当該定着ベルトから電子写真用被転写紙を剥離することを特徴とするカラー画像形成装置。
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