JP2008052011A - 電子写真光沢紙およびそれを用いた画像形成方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】トナー埋め込み性と擦過性の改善された電子写真用光沢紙を提供することにある。
【解決手段】支持体1aの上に少なくとも顔料層1b及びトナー受容層1cを有する電子写真用光沢紙において、該トナー受容層は、エチレン・メタクリル酸共重合体、またはエチレン・メタクリル酸共重合体の架橋物の少なくとも一方を有し、該トナー受容層の温度120℃から180℃の範囲におけるみかけの溶融粘度が、5×102〜1×105Pa・sの範囲であり、かつ、該トナー受容層のマルテンス硬さが10〜150N/mm2の範囲であることを特徴とする。
【選択図】図1

Description

本発明は、複写機、レーザービームプリンター、ファクシミリ等の電子写真方式の画像形成装置に用いられる電子写真用光沢紙、および該電子写真用光沢紙を用いた画像形成方法に関する。
近年、電子写真法の複写機やプリンタにおいては画像入出力のデジタル化が進み、デジタル写真画像出力としての高画質化が検討されてきた。カラー複写機またはカラープリンターに適用される電子写真法ではカラートナーで画像が形成される。一般的にカラートナーは熱可塑性樹脂中に染料または顔料やその他添加剤を練り込み、これを5〜20μm径に粉砕して製造される。電子写真法によるフルカラー画像の形成方法はY(イエロー)、M(マゼンタ)、C(シアン)、BK(ブラック)の各色別のカラートナー像を記録媒体上に転写して重ね合わせている。記録媒体上で重ね合わされたトナー像は定着器により加熱定着されてフルカラー画像が形成される。
加熱定着後の記録媒体表面では4色のカラートナーが凹凸を形成しており、全色トナーを重ね合わせた部分とトナーの無い部分との段差は最大20μm程度にも及ぶ。またハーフトーン画像においても6〜8μm程度の凹凸差を生じる。このような凹凸を有するトナー画像は銀塩写真と比較して光沢性が悪く、凹凸による反射光の散乱で色再現性に劣り、写真調のカラー画質が得られない。
また、従来のトナー画像は、画像部(トナー部)と非画像部(白紙部)の光沢が異なることにより、見た目の光沢の不均一さがあった。
トナー画像のカラー画質を向上させるため、基材上に熱可塑性樹脂層を有する記録媒体にトナー像を形成し、ベルト状の平滑な搬送体に記録媒体ごとトナー像を密着させて加熱ローラによる熱定着を行うことで、トナー像を熱可塑性樹脂層の中に埋設して凹凸差を解消する画像形成方法が提案されている。
特許文献1では、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン樹脂を主成分として含むトナー受像層を有する電子写真用受像シートおよび、該電子写真用受像シートを使用した画像形成方法が開示されている。
特許文献2では、ベース材の上に白色顔料と熱可塑性樹脂からなる光散乱層と、その上にトナー受容層を設け、該トナー受容層がオレフィン系共重合体であり、その粘度が103Pa・sとなる温度が90〜120℃である画像支持体が開示されている。このオレフィン系共重合体としては、エチレン・アクリル酸またはエチレン・アクリル酸エステル、エチレン・酢酸ビニル共重合体などが例示されている。
特開2004−109505号公報(発明の実施の形態) 特開2004−240343号公報(発明の実施の形態)
しかしながら、ポリエチレンを用いた場合は、トナーの埋め込み性は良好であるが、トナー受像層表面の擦過性(耐傷付性)が悪く、紙搬送ローラによる擦れ傷の発生や、紙同士が擦れて傷がついてしまう欠点がある。一方、ポリプロピレンを用いた場合は、擦過性は良好であるが、トナーの埋め込み性が悪く、トナーの段差が生じてしまう。
また、エチレン・アクリル酸またはエチレン・アクリル酸エステル、エチレン・酢酸ビニル共重合体をトナー受容層に用いた場合も、擦過性が不十分である。
本発明は以上のような問題点を解決するためになされたものであり、その課題とするところは、本発明の電子写真用光沢紙は、エチレン・メタクリル酸共重合体、またはエチレン・メタクリル酸共重合体の架橋物の少なくとも一方を有するトナー受容層からなり、トナー埋め込み性と擦過性を満足できる。
また、本発明の電子写真用光沢紙を用いた画像形成方法は、トナーの段差がなく、均一で高い光沢を持ったトナー画像が得られる。
本発明の電子写真用光沢紙は、支持体の上に少なくとも顔料層及びトナー受容層を有する電子写真用光沢紙において、該トナー受容層は、エチレン・メタクリル酸共重合体、またはエチレン・メタクリル酸共重合体の架橋物の少なくとも一方を有し、該トナー受容層の温度120℃から180℃の範囲におけるみかけの溶融粘度が、5×102〜1×105Pa・sの範囲であり、かつ、該トナー受容層のマルテンス硬さが10〜150N/mm2の範囲であることを特徴とする。
また、本発明の電子写真用光沢紙は、該エチレン・メタクリル酸系共重合体、または該エチレン・メタクリル酸共重合体の架橋物の融点が、80〜100℃であることを特徴とする。
また、本発明の電子写真用光沢紙は、該トナー受容層の厚みが、20〜50μmであることを特徴とする。
また、本発明の電子写真用光沢紙は、(温度30℃,相対湿度80%)〜(温度15℃,相対湿度10%)の環境における該トナー受容層の表面抵抗が、1×109〜1×1014Ω/□であることを特徴とする。また、本発明の電子写真用光沢紙は、温度30℃、相対湿度80%〜温度15℃、相対湿度10%の環境における該トナー受容層表面の電荷減衰半減期が、10秒以下であることを特徴とする。
また、本発明の電子写真用光沢紙は、該トナー受容層表面の中心線平均粗さが0.1μm以下であることを特徴とする。
また、本発明の画像形成方法は、該電子写真用光沢紙のトナー受容層上に定着トナー画像を形成後、加熱ローラと冷却ローラにより張架される定着ベルトと、該定着ベルトを介して加熱ローラに加熱・加圧する加圧ローラを少なくとも有するベルト定着器を用いて、該定着トナー画像をさらに加熱・加圧して定着し、光沢紙表面のトナー画像を冷却後剥離して、トナー画像を得る画像形成方法であって、該ベルト定着器を用いて、該定着トナー画像を更に定着するときに下記定着条件(A)〜(E)
(A)加熱ローラ温度 120℃〜180℃
(B)冷却ローラ温度 15℃〜60℃
(C)加圧ローラ圧力 20Kg/ニップ〜150Kg/ニップ
(D)加圧ローラ温度 20℃〜180℃
(E)プロセススピード 10mm/sec〜150mm/sec
を満足することを特徴とする。
また、本発明の画像形成方法は、該定着ベルト表面の中心線平均粗さが0.1μm以下であることを特徴とする。
また、本発明の画像形成方法は、該定着ベルトの厚みが0.05mm〜0.2mmであることを特徴とする。
(1)本発明の電子写真用光沢紙はトナーの埋め込み性が良く、トナー段差が極めて低
い。
(2)本発明の電子写真用光沢紙は擦過性に優れる。
(3)本発明の電子写真用光沢紙は紙搬送性に優れる。
(4)本発明の電子写真用光沢紙を用いた画像形成方法では、表面が平滑で、光沢が高 くしかも均一な高い画像が得られる。
さらに、本発明の電子写真用光沢紙の構成を詳細に説明する。
{支持体}
支持体としては、例えば上質紙、中質紙、合成紙、レジンコート紙、バライタ紙、ラミネート紙などを用いることができる。原紙の坪量は75〜250g/m2、より好ましくは100〜200g/m2である。
{顔料層}
顔料層は、電子写真用光沢紙の平滑度、白色度、不透明度を調整する機能を有する。顔料層は支持体の片面に設けられ、顔料と結着樹脂から構成される。
顔料層に用いられる顔料としては、白色無機顔料を用いることができる。白色無機顔料としては、アルミナ水和物、硫酸バリウム、炭酸カルシム、酸化チタン、酸化亜鉛、カオリン、タルク、シリカ、ケイ酸アルミニウム、ケイ酸ナトリウム、ケイ酸マグネシウムなどを用いることができる。
前記顔料の中でも、特にアルミナ水和物、または硫酸バリウムを用いることが好ましい。
アルミナ水和物は下記一般式により表されるものを好適な例としてあげることができる。
Al23−n(OH)2n・mH2
式中、nは1、2または3の整数のいずれかを表し、mは0〜10、好ましくは0〜5の値を表す。但し、mとnは同時に0とはならない。mH2Oは、多くの場合mH2O結晶格子の形成に関与しない脱離可能な水相をも表すものである為、mは整数または整数でない値を取ることもできる。またこの種の材料を加熱するとmは0の値に達することがありうる。
また、硫酸バリウムとしては、沈降性硫酸バリウム、バタイト粉を用いることが好ましい。
結着樹脂は、顔料と原紙とを十分接着するものであれば特に限定されるものではない。このような結着樹脂としては、例えば、酸化デンプン、エステル化澱粉、酵素変性澱粉、カチンオン化澱粉等の澱粉類、カゼイン、大豆タンパク質等のタンパク質類、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース等の繊維素誘導体等の天然高分子類、ポリビニルアルコール、ポリアクリル酸ナトリウム、ポリエチレンオキサイド等の水溶性高分子、スチレン・アクリル共重合体、スチレン・ブタジエン共重合体、ポリ酢酸ビニル、エチレン・酢酸ビニル共重合体、アクリル酸共重合体、ポリウレタン、ポリエステル等の合成高分子及びこれらのラテックス等を挙げることができる。
顔料と結着樹脂の混合比は、好ましくは質量比で100:50〜100:10である。結着樹脂の量をこれらの範囲とすることで、顔料層の機械的強度を好ましいものとすることができ、ひび割れや粉落ちの発生を防止することが可能となる。
{トナー受容層}
トナー受容層は、定着時のトナーの埋め込み性、表面の平滑性、光沢度、擦過性、紙搬送性を調整する機能を有する。
トナー受容層としては、エチレン・メタクリル酸共重合体、またはエチレン・メタクリル酸共重合体の架橋物の少なくとも一方を含むことが好ましい。
エチレン・メタクリル酸共重合体は、例えば三井・デュポンポリケミカル(株)製、商品名「ニュクレル」を使用することができる。
また、エチレン・メタクリル酸共重合体の架橋物は、「アイオノマー」と呼ばれ、例えば三井・デュポンポリケミカル(株)製、商品名「ハイミラン」を使用することができる。具体的には、エチレンとメタクリル酸の共重合体中のカルボキシル基の一部がナトリウム、カリウム、リチウム、亜鉛、マグネシウム、カルシウムなどの金属陽イオンによって分子鎖間で架橋されている構造を有している。エチレン・メタクリル酸共重合体のメタクリル酸含有率は2〜30重量%、特に5〜20重量%であることが好ましい。この含有率が2重量%未満であるとイオン架橋効果が低下し、接着力の低下を招く場合があり、30重量%を超えると成形加工性が低下する場合が生じる。これら金属イオンによる中和度は5〜80モル%であることが好ましく、更に好ましくは7〜70モル%である。中和度が5モル%未満であると透明性が低下し、80モル%を超えると成形加工性が低下する場合がある。
トナーの埋め込み性の点から、エチレン・メタクリル酸共重合体またはエチレン・メタクリル酸共重合体の架橋物の少なくとも一方を含むトナー受容層の見かけの溶融粘度は、120〜180℃において、5×102〜1×105Pa・sの範囲にある。溶融粘度が1×105を超えると光沢付与のベルト定着時にトナーの埋め込み性が不十分となり、トナー受容層の表面に段差が生じ、光沢の均一性が低下する。また、溶融粘度が5×102Pa・sよりも低い場合は、ベルト定着時にトナーが埋め込まれずに流動したり、トナー受容層の端部からバリが発生したりする。見かけの溶融粘度は、例えばティー・エー・インスツルメント・ジャパン(株)製溶融粘度測定装置「ARES」)などを使用して測定することができる。
エチレン・メタクリル酸共重合体、またはエチレン・メタクリル酸共重合体の架橋物の少なくとも一方を含むトナー受容層材料の融点は、80〜100℃であることが好ましい。融点が80℃よりも低いと、高温下に放置された場合に光沢紙同士が貼り付く、いわゆる「ブロッキング現象」を起こしやすくなる。また、融点が100℃を超えると、定着温度の低温側(120℃付近)での見かけの溶融粘度が著しく高くなり、トナーの埋め込み性が低下する。
また、トナー受容層の擦過性(耐傷付性)の点から、マルテンス硬さは10〜150N/mm2である。マルテンス硬さは市販のユニバーサル硬度計((株)フィッシャー・インストルメンツ製「フィッシャースコープH100C」)を用いて測定できる。マルテンス硬さとは、圧子に荷重をかけながら測定対象物に押し込むことにより、下記式(I)として求められる。
マルテンス硬さHM(N/mm2
=〔試験荷重〕/〔試験荷重下での圧子の測定対象物との接触表面積〕
=F/(26.43×h2) ・・・(I)
また、ユニバーサル硬度計は電子写真用光沢紙の形態でトナー受容層の微小表面の硬度を測定することができる。トナー受容層の表面近傍(深さ0.1〜5μm程度)の硬さを連続的に荷重をかけながら連続的に測定することで、擦過性を予測することができる。マルテンス硬さが10未満の場合は表面に傷がつきやすくなり、またマルテンス硬さが150を超えると、屈曲性が悪くなって、ひび割れが生じやすくなる。トナー受容層に用いるエチレン・メタクリル酸共重合体またはエチレン・メタクリル酸共重合体の架橋物が低硬度にもかかわらず擦過性(耐傷性)が良好であるのは、分子中のメタクリル酸部分やイオン部分の凝集力が強いことが理由として考えられる。
添加剤としては、帯電防止剤、滑剤、離型剤、ブロッキング防止剤、流動調整剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤などを添加することができる。
なお、本発明の電子写真用光沢紙のトナー受容層に用いられるエチレン・メタクリル酸共重合体(略称EMAA)、またはエチレン・メタクリル酸共重合体の架橋物は、エチレン・アクリル酸共重合体(略称EAA樹脂)やエチレン・アクリル酸エチル共重合体(EEA樹脂)とは異なる材料である。
トナー受容層の厚みは20〜50μmの範囲が好ましい。厚みが20μmを下回るとトナーの埋め込み性が低下し、段差が目立つようになる。また、厚みが50μmを超えるとベルト定着後のカールが発生しやすくなる。
トナー受容層の表面抵抗は、(温度30℃,相対湿度80%)〜(温度15℃,相対湿度10%)の雰囲気において、1×109〜1×1014Ω/□であることが好ましい。表面固有抵抗をこの範囲にすることで、帯電防止性とトナー転写性をより好ましいものとすることができる。
トナー受容層の表面抵抗を調整する方法としては、エチレン・メタクリル酸共重合体(略称EMAA)、またはエチレン・メタクリル酸共重合体の架橋物中に、帯電防止剤を添加する方法が挙げられる。帯電防止剤としては、一般的なノニオン系界面活性剤、カチオン系界面活性剤、アニオン系界面活性剤などの帯電防止剤、またはポリエーテルエステルアミド、ポリエーテルアミド、ポリエーテルなどの高分子型永久帯電防止剤を使用することができる。
また、トナー受容層表面の電荷減衰半減期が、(温度30℃,相対湿度80%)〜(温度15℃,相対湿度10%)の雰囲気において、10秒以下が好ましい。帯電圧半減期が10秒を超えると、表面が帯電しやすくなり光沢紙の搬送性が低下する。電荷減衰半減期は、トナー受容層表面が接触や摩擦によって帯電した際の表面電荷の逃げやすさを表す指標である。よって、紙搬送性にはトナー受容層表面の電荷減衰半減期を調整することが重要である。
トナー受容層の表面粗さは、中心線平均粗さ(Ra)が0.1μm以下が好ましい。中心線表面粗さが0.1μmを超えると、光沢付与のベルト定着時の熱と圧力によってトナー受容層が動くことによってトナーのドットがずれてしまう。その結果、とくにハーフトーン画像部のがさつきが発生しやすくなる。
トナー受容層の形成方法としては、押出ラミネート法、ドライラミネート法、ヒートラミネート法、溶剤コーティング法、転写法などの方法を用いることができる。
また、電子写真用光沢紙のカール防止、搬送性付与、筆記性付与の目的で、支持体のトナー受像層とは反対面に裏面塗工層を設けても構わない。
{裏面塗工層}
裏面塗工層に用いることができる材料としては、支持体と十分接着するものであれば特に限定されるものではない。例えば、酸化デンプン、エステル化澱粉、酵素変性澱粉、カチンオン化澱粉等の澱粉類、カゼイン、大豆タンパク質等のタンパク質類、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース等の繊維素誘導体等の天然高分子類、ポリビニルアルコール、ポリビニルブチラール等の水溶性高分子、ポリエチレン、ポリプロピレンなどの熱可塑性樹脂、スチレン・アクリル共重合体、スチレン・ブタジエン共重合体、ポリ酢酸ビニル、エチレン・酢酸ビニル共重合体、アクリル酸エステル共重合体、ポリウレタン、ポリエステル等の合成高分子及びこれらのラテックス等を挙げることができる。なかでもブリスターを防止する点で水蒸気透過性の高いポリビニルアルコール、ポリ酢酸ビニル、エチレン・酢酸ビニル共重合体、ポリビニルブチラール、ポリウレタン、ポリエステルを用いることが好適である。ブリスターとは、定着時の熱で光沢紙中の水分が急激に蒸発して表面に突出することによって火ぶくれ状の欠陥が発生する現象である。
裏面塗工層の厚みは3〜20μmの範囲が好ましい。厚みが3μmより薄くなると、支持体表面の凹凸形状の影響を受け、厚みのバラツキが生じやすくなる。また厚みが20μmを超えるとブリスターが発生しやすくなる。
また、裏面塗工層の表面抵抗は、帯電防止性の点から1×109〜1×1014Ω/□の範囲に保つことが好ましい。
{ベルト定着器}
さらに詳細に本発明の画像形成方法に用いられるベルト定着器について説明する。図2にベルト式定着器の概略構成を示す。
4は定着ベルトで、表面が平滑なステンレス製エンドレスベルトである。定着ベルト4は加熱ローラ5と冷却ローラ7によって一定張力で張架されている。
加熱ローラ5が矢示の方向(時計回り)に回転駆動されると、該ローラとの摩擦力でエンドレスベルト4が回転駆動される。ベルト定着器のプロセススピードである定着ベルトの移動速度は10〜150mm/secに調整されている。
8はヒータで加熱ローラ5に内蔵されており、例えば、ハロゲンランプやカートリッジヒータ、シーズヒータ、誘導加熱ヒータ等が使用できる。加熱ローラは例えばステンレス、アルミニウム等の金属材料で形成されている。加熱ローラの温度は120〜180℃に調節されている。加熱ローラ温度が120℃より低い場合は、トナーのトナー受容層への埋め込みが不足するため、トナー段差が生じ光沢の均一性が低下する。また、加熱ローラ温度が180℃より高い場合は、トナーやトナー受容層材料が定着ベルトに付着するホットオフセットを引き起こすことがある。
7は冷却ローラで、外部より一定温度の水流を循環する方式を用いている。加熱ローラ5によって120〜180℃に加熱された定着ベルト1は冷却ローラ7に接して、15〜60℃まで冷却される。冷却ローラは例えば、ステンレス、アルミニウム等の金属材料で形成されている。冷却ローラ温度が60℃より高い場合は、トナーが定着ベルトに付着するホットオフセットを引き起こす危険がある。温度が15℃より低い場合は、定着ベルト表面が結露しやすくなる。
加熱ローラ5と冷却ローラ7の外径は、定着器を小型化するためには50〜150mmの範囲に設計してある。また、加熱ローラと冷却ローラは定着ベルトの寄りを抑制する目的で、ローラ中央部の外径が端部の外径よりも大きくなる、いわゆる「クラウン形状」にしてもかまわない。
6は加圧ローラで、ニップ当りの総圧196〜1470N(20〜150kg)で定着ベルト1を介して加熱ロールの下面に対して圧接し、加熱ローラと連動して駆動回転する。加圧ローラは定着ベルトに対して摩擦従動させるか、あるいは加熱ローラ軸とギヤ駆動で回転させている。加圧ローラは通常、定着ベルトと一定の間隔で離れており、定着前に定着ベルトに圧接触する機構になっている。
加圧ローラはステンレス、アルミニウム等の金属ローラ上にシリコーンゴム、フッ素ゴム等の離型性の良いゴム弾性層を厚み2〜5mmで被覆している。被覆したゴム弾性層のゴム硬度としては、アスカーC硬度が70〜95°の範囲を用いている。アスカーC硬度は、高分子計器株式会社製「アスカーC型ゴム硬度計」を用いて、日本ゴム協会標準規格(SRIS0101)に従って測定される。アスカーC硬度が70°未満の場合は、トナーを記録媒体6の熱可塑性樹脂層に埋め込むことが難しくなる。一方、アスカー硬度が95°を超えると、定着ベルトに傷が発生しやすくなる。加圧ローラの温度は20〜180℃に調節されている。
また、加圧ローラの表面粗さは、中心線平均粗さRaで0.1〜2μmの範囲に設計してある。中心線平均粗さが0.1μm未満の場合は、電子写真用光沢紙がスリップする原因となる。一方、中心線平均粗さが2μmを超えると、定着時の光沢が低下することがある。
{定着ベルト}
本発明の画像形成方法に用いられるベルト定着器の定着ベルトは鏡面状の平滑な表面を有するステンレス製エンドレスベルトを用いている。定着ベルトは定着によって、その表面を電子写真光沢紙のトナー部およびトナー受容層に転写することで光沢を与える。
また、本発明のベルト式定着装置において、定着ベルトは加熱ロールと冷却ロールによって急激な加熱と急激な冷却が繰り返される。そのため、熱伝導度が良好で、かつ機械強度(引張強度、クリープ性)のあるステンレスベルトを用いることが好ましい。
ステンレス材としては、SUS304、SUS304−1/2H、SUS304H、SUS304EH、SUS301、SUS301H、SUS301EH、430MAおよびこれらの熱処理品等を使用できる。
定着ベルトの表面粗さは、具体的には定着ベルト表面の中心線平均粗さRaが0.1μm以下であることが好ましい。中心線平均粗さが0.1μmを超える場合は、20度鏡面光沢度で銀塩写真並みの70%以上の画像を得ることが難しくなる。ベルト表面の中心線平均粗さはJIS B0601(1982)に規定された方法に準じて測定することができる。
また、定着ベルトの厚みは0.05〜0.2mmが好ましい。厚みが0.05mmより薄いと、研磨や溶接などの加工が極めて困難になる。また、厚みが0.2mmを超えると定着ベルトを張架する加熱ローラと駆動ローラの外径が大きくなり、定着器の小型化が難しくなる。
また、定着ベルトの表面を鏡面状に平滑にする方法としては、ロール圧延、機械式研磨、バフ研磨、ラップ研磨などの加工方法を用いることができる。また、エンドレスベルトは次のような方法で製造できる。まず、表面を鏡面状に平滑化されたステンレス薄板材をベルトの幅および周長に合わせて板状に切断する。次にプラズマ溶接、レーザー溶接などの溶接方法を用いて薄板材を接合したのち、接合部の段差をロール研磨、圧延等の方法で平坦化することによって製造することができる。エンドレスベルトの接合部の段差は0.1mm以下であることが好ましい。段差が0.1mmを超えると定着ベルトの寄りや加熱ローラ、加圧ローラ、冷却ローラなどの傷付きの原因となる。
また、トナーや光沢紙表面のトナー受容層との離型性を向上させる目的で、定着ベルト表面に離型性を有する耐熱樹脂を塗布してもかまわない。離型性を有する耐熱樹脂としては、シリコーン樹脂、PTFE、PFA、FEPなどのフッ素樹脂、ポリイミド樹脂、ポリイミドシリコーン樹脂、フッ素化ポリイミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂など使用することができる。ベルト表面の表面粗さを均一に塗布することが好ましく、塗布後に表面を研磨しても構わない。樹脂の厚みは3〜20μmが好ましい。厚みが3μm未満の場合は、ピンホールが発生しやすく、膜厚の均一性が損なわれやすくなる。また、厚みが20μmを超えると、定着ベルトの熱伝導性が著しく低下し、ウォームアップ時間が長くなり、またプロセススピードが速い場合にベルトの温度調節が難しくなる。
{画像形成方法}
電子写真光沢紙のトナー受容層表面にカラー複写機やカラーレーザープリンタでトナー定着画像を形成する。得られたトナー定着画像をベルト定着器の加熱ローラと冷却により張架される定着ベルトと、該定着ベルトを介して加熱ローラに加熱・加圧する加圧ローラを少なくとも有するベルト定着器を用いて、該定着トナー画像をさらに加熱・加圧して定着し、光沢紙表面のトナー画像を冷却後剥離して、トナー画像を得る。このとき該ベルト定着器の定着条件は(A)〜(E)とする。
(A)加熱ローラ温度 120℃〜180℃
(B)冷却ローラ温度 15℃〜60℃
(C)加圧ローラ圧力 20Kg/ニップ〜150Kg/ニップ
(D)加圧ローラ温度 20℃〜180℃
(E)プロセススピード 10mm/sec〜150mm/sec
このようにして得られたトナー画像は、表面が極めて平滑である。その結果、画像部分(トナー部)と非画像部分(白紙部)の光沢が高く、しかも均一である特徴を有している。
以下、実施例及び比較例により本発明を詳細に説明する。ただし、本発明は下記実施例に限定されるものではない。
〔実施例1〕
支持体として上質紙(坪量157g/m2)を用いた。支持体の片面に顔料層を次のようにして形成した。
<顔料層材料>
アルミナ水和物を純水に混合して固形分が22重量%の分散液とした。次に、これに固形分に対して2%分の酢酸/硝酸=1/1の混合液を加えしばらく攪拌した。その後、この分散液を攪拌しながら90℃まで昇温し、その温度で2時間保持を行った。その後、分散液の温度を室温に戻し、粗粒子を濾別してアルミナ分散液Aを得た。ポリビニルアルコール(クラレ(株)製「ポバールPVA117」)を純水に溶解して9重量%の溶液を得た。上記アルミナ分散液Aとポリビニルアルコール溶液を、アルミナ水和物固形分とポリビニルアルコール固形分が重量比で100:9になるように混合し、架橋剤としてホウ酸をアルミナの固形分に対して0.5重量%を更に混合し攪拌して、分散液Bを得た。この分散液Bを支持体片面にバーコーターにより乾燥塗工量10g/m2で塗工した。
次に顔料層の表面にコロナ放電処理を行ったのち、トナー受容層を次のようにして形成した。
上記材料を容器回転型混合器で混合した後、顔料層表面にTダイを取り付けた単軸押出成形機(スクリュ径65mm)により押出ラミネートした。(ダイ下樹脂温度295℃、引き取り速度50m/min)トナー受容層の膜厚は35μmとした。
<トナー受容層材料1>
・エチレン・メタクリル酸共重合体(EMAA)
(三井・デュポンポリケミカル(株)製「ニュクレルN1108C」、
メタクリル酸含有率11重量%、融点95℃) 100質量部
・ステアリン酸モノグリセリド 7質量部
・エルカ酸アミド 0.1質量部
<裏面塗工層>
さらに、支持体の裏面(顔料層の反対面)に裏面塗工層を次のように形成した。
・ポリ酢酸ビニルエマルジョン(固形分7重量%)(大同化成工業(株)製
「ビニゾール480」) 100質量部
・ラウリルトリメチルアンモニウムクロライド 0.035質量部
上記配合をバーコーターで乾燥塗工量5g/m2になるように塗工した。
<トナー受像層材料の粘弾性の測定方法>
トナー受像層材料を加熱プレスを用いて直径25mm、厚さ約2mmの円板状の試験片に成形した。次にパラレルプレートにセットし、60〜200℃の温度範囲内で昇温させ、温度分散測定を行った。昇温速度は2℃/minとし、角速度ωは6.28rad/sec(=1Hz)に固定し、歪み率は自動モードとし、各温度における貯蔵弾性率G’および損失弾性率G”を測定した。測定結果より見かけの溶融粘度η*を次のように求めた。
見かけの溶融粘度η*=√(G’2+G”2)/ω
測定には、ティー・エー・インスツルメント・ジャパン(株)製溶融粘度測定装置「ARES」)を使用した。
<融点の測定>
融点は具体的には以下の方法で測定した。示差走査熱分析計DSC(パーキンエルマー社製「PerkinElmer7」)を用い、トナー受容層材料を窒素雰囲気中で室温より10℃/min昇温速度で200℃まで加熱後その温度で2分間保持し、次に10℃/minの降温速度で40℃まで冷却後その温度で2分間保持し、引続き10℃/minの昇温速度にて200℃まで加熱した時に観測される単独あるいは複数の吸熱ピークのうち、最も吸熱量の大きなピークのピーク位置の温度を融点とした。
<マルテンス硬さの測定>
電子写真用光沢紙から測定用試料(寸法50×50mm角)を切り出し、温度23℃、相対湿度50%環境中に12時間放置した。次にユニバーサル硬度計((株)フィッシャー・インストルメンツ製「フィッシャースコープH100C」)を用いて、電子写真用光沢紙最表面のトナー受像層のマルテンス硬さ(N/mm2)を測定した。測定にはビッカース圧子を用い、試験荷重2mN/5秒、保持時間5秒とした。
<表面抵抗の測定>
電子写真用光沢紙の表面抵抗はJIS K6911に示された方法に準じて測定した。電子写真用光沢紙から測定用試料(寸法100×100mm角)を切り出し、所定環境中に12時間放置した。次に同雰囲気中で(株)アドバンテスト製「デジタル超高抵抗/微少電流計R8340A」および「レジスティビティチャンバR12704A」を使用して表面抵抗(Ω/□)を測定した。印加電圧100V、測定時間60秒後の抵抗値を読み取り、表面抵抗を求めた。測定は温度15℃,相対湿度10%(LL)および温度30℃,相対湿度80%(HH)環境中で行った。
<電荷減衰特性の測定>
光沢紙表面の電荷減衰特性は具体的には以下の方法で測定した。電子写真用光沢紙から測定用試料(寸法50×50mm角)を切り出し、所定環境に12時間放置した。次にシシド静電気(株)製「スタチックオネストメーターH−0110」を用い、試料上20mmの高さにある放電電極に10KVの電圧をかけ、試料表面を帯電させ、帯電量が飽和した後に放電を中止した。その後、試料上20mmの位置にある電位計で試料表面の飽和帯電電位(KV)が半分になる時間を半減期(sec)として求めた。測定は温度15℃,相対湿度10%(LL)および温度30℃,相対湿度80%(HH)環境中で行った。
<表面粗さの測定>
電子写真用光沢紙のトナー受容層表面の中心線平均粗さRa(μm)は、JIS B0601(1982)に示された方法に準じて測定した。測定には表面粗さ測定機((株)小坂研究所製「サーフコーダSE3500」)を使用し、測定条件は、評価長さ5mm、送り速さ0.1mm/sec、縦倍率2000倍、横倍率50倍とした。
<光沢度の測定>
キヤノン(株)カラー複写機「CLC1160」により電子写真用光沢紙のトナー受容層表面にY、M、C、BKの色パッチ(60×60mm角)画像を形成した。次にベルト定着器を用いて光沢のあるトナー画像を作成した。画像部(トナー部分)と非画像部(白紙部分)の光沢度を測定した。画像部の光沢度は4色の平均値を求めた。光沢度はJIS Z8741(1997)に示された方法に準じて、20度鏡面光沢度Gs20°(%)を測定した。測定には光沢計(日本電色工業(株)製「VG2000」)を使用した。
ベルト定着器の定着条件
・加熱ローラ140℃
・加圧ローラ80℃、加圧ローラ総圧力80Kg/ニップ
・冷却ローラ温度20℃
・プロセススピード35mm/sec
・定着ベルト 材質SUS304H、厚み0.15mm、中心線表面粗さ0.02μm
<トナー埋め込み性の評価>
キヤノン(株)カラー複写機「CLC1160」により、電子写真用光沢紙のトナー受容層表面に細線(3ドット・6スペース)のトナー定着画像を形成した。ベルト定着器の定着条件は、光沢度測定と同様の条件とした。
<トナー段差の測定>
ベルト定着器によってベルト定着処理処理をしたトナー画像の細線(3ドット6スペース)の段差を触針式表面粗さ計で測定し、その段差の高さを次のようにランク分けした。
A・・・ 段差 0〜1μm未満
B・・・ 段差 1μm以上2μm未満(目視では段差の有無が判別できない)
C・・・ 段差 2μm以上5μm未満(目視で段差が判別できる)
D・・・ 段差 5μm以上(目視で段差が判別できる)
<トナー受容層表面の擦過性評価>
電子写真用光沢紙から測定用試料(寸法60×120mm角)を切り出し、温度23℃、相対湿度50%環境中に12時間放置した。次に平面圧子(接触面寸法30×30mm角)の表面にシルボン紙を2枚貼り付け、総荷重500gで測定用試料のトナー受容層表面を50回往復して摺擦した。このとき移動距離50mm、摺擦速度300mm/secとした。測定には新東科学(株)製表面性試験機「ヘイドン14DR型」を使用した。試験後、試料表面を目視にて観察し、傷の状態から次のように擦過性をランク分けした。
◎:傷なし
○:傷1〜3本程度 目視上傷はほとんど目立たない(実用上問題ないレベル)
△:傷4〜10本程度 目視上傷がはっきり見える
×:傷多数あり 傷が無数にあり、表面の光沢がなくなる
<紙搬送性の評価>
温度15℃,相対湿度10%環境中で、上記カラー複写機でマルチ手差しトレイを使用して連続250枚印字し、光沢紙の搬送性を評価した。
○:複数枚送り発生なし
△:複数枚送り発生2回以下
×:複数枚送り発生3回以上
<画像評価>
高精細カラーデジタル標準画像(ISO/JIS―SCIDサンプル)の「ポートレート(画像の識別記号N1A)」を上記カラー複写機で、電子写真用光沢紙にトナー定着画像を形成した。次にベルト定着器を用いて、ベルト定着処理を行い評価画像を作製した。ベルト定着条件は次のようにした。
ベルト定着器の定着条件
・加熱ローラ140℃
・加圧ローラ80℃、加圧ローラ総圧力80Kg/ニップ、
・冷却ローラ温度20℃、
・プロセススピード35mm/sec
・定着ベルト 材質SUS304H、厚み0.15mm、中心線表面粗さ0.02μm
得られた画像を目視で評価した。
〔実施例2〕
トナー受容層を下記構成した以外は、実施例1と同様の方法で電子写真光沢紙を作製した。トナー受容層の厚みは35μmとした。
<トナー受容層材料2>
・エチレン・メタクリル酸共重合体のカルボキシル基の亜鉛架橋物
(三井・デュポンポリケミカル(株)製「ハイミラン1652」、
メタクリル酸含有量約16%、融点98℃)) 100質量部
・ステアリン酸モノグリセリド 7質量部
・エルカ酸アミド 0.1質量部
〔実施例3〕
トナー受容層を下記構成とした以外は、実施例1と同様の方法で電子写真光沢紙を作製した。トナー受容層の厚みは35μmで形成した。
<トナー受容層材料3>
・エチレン・メタクリル酸・アクリル酸ブチル三元共重合体のカルボキシル基の
亜鉛架橋物(三井・デュポンポリケミカル(株)製「ハイミラン1855」
メタクリル酸含有量約5質量%、融点86℃) 100質量部
・ステアリン酸モノグリセリド 7質量部
・エルカ酸アミド 0.1質量部
・シリカ(日本シリカ(株)製「ニップシル220A」、
平均粒子径1.2μm) 1質量部
〔実施例4〕
トナー受容層を下記構成とした以外は、実施例1と同様の方法で電子写真光沢紙を作製した。トナー受容層の厚みは35μmで形成した。
<トナー受容層材料4>
・エチレン・メタクリル酸共重合体のカルボキシル基のナトリウム架橋物
(三井・デュポンポリケミカル(株)製「ハイミラン1605」、
メタクリル酸含有量約15重量%、融点92℃) 100質量部
・ポリエーテルエステルアミド組成物
(チバスペシャリティケミカル(株)製「イルガスタットP18」)
12質量部
・エルカ酸アミド 0.1質量部
実施例1〜4の検討結果を表1に示した。
表1に示すように、実施例1〜4ではいずれの構成も、トナーの埋め込み性、擦過性、平滑性、光沢、搬送性のすべてに優れる電子写真用光沢紙が得られた。またそのトナー画像も高光沢で鮮明なものであった。
Figure 2008052011
〔比較例1〕
トナー受容層を下記構成した以外は、実施例1と同様の方法で電子写真光沢紙を作製した。トナー受容層の厚みは35μmとした。
<トナー受容層材料5>
・ポリプロピレン(ランダムコポリマー、日本ポリプロ(株)製
「ノバテックFL02C」、融点140℃) 100質量部
・エルカ酸アミド 0.15質量部
〔比較例2〕
トナー受容層を下記材料とした以外は、実施例1と同様の方法で電子写真光沢紙を作製した。トナー受容層の厚みは35μmとした。
<トナー受容層材料5>
・直鎖状低密度ポリエチレン(日本ユニカー(株)製
「NUCG−5472」、融点105℃) 100質量部
・エルカ酸アミド 0.1質量部
〔比較例3〕
トナー受容層を下記材料とした以外は、実施例1と同様の方法で電子写真光沢紙を作製した。トナー受容層の厚みは35μmとした。
<トナー受容層材料6>
・エチレン・アクリル酸エチル(三井デュポン・ポリケミカル(株)製
「エバフレックスEEA A−712」、アクリル酸エチル含有量
約13重量%、融点91℃) 100質量部
・エルカ酸アミド 0.1質量部
比較例1〜3の検討結果を表2に示した。
比較例1ではトナー受容層にポリプロピレン(PP)を用いた。擦過性が良好であったが、トナーの埋め込み性が悪いという結果であった。比較例2ではトナー受容層に直鎖状低密度ポリプロピレン(LLDPE)を用いた。トナーの埋め込み性は良好であったが、擦過性が悪いという結果であった。比較例3ではトナー受容層にエチレン・アクリル酸エチル(EEA)を用いた。トナーの埋め込み性は良好であったが、擦過性が悪いという結果であった。
また、比較例1〜3はいずれもトナー受容層の表面抵抗が高いため、低温低湿度環境で紙搬送性が悪化した。
Figure 2008052011
本発明の電子写真用光沢紙の概略構成の一例を示す断面図である。 本発明の画像形成方法に係るベルト定着器の概要を示す図である。 本発明の画像形成方法を説明するトナー埋め込みの模式図である。
符号の説明
1・・・電子写真用光沢紙
1a・・支持体、 1b・・・顔料層、 1c・・・トナー含容層、
1d・・裏面塗工層、
2・・・トナー、
3・・・ベルト定着器、
4・・・定着ベルト、5・・・加熱ローラ、6・・・加圧ローラ、
7・・・冷却ローラ、8・・・ヒータ

Claims (9)

  1. 支持体の上に少なくとも顔料層及びトナー受容層を有する電子写真用光沢紙において、該トナー受容層は、エチレン・メタクリル酸共重合体またはエチレン・メタクリル酸共重合体の架橋物の少なくとも一方を有し、該トナー受容層の温度120℃から180℃の範囲におけるみかけの溶融粘度が、5×102〜1×105Pa・sの範囲であり、かつ、該トナー受容層のマルテンス硬さが10〜150N/mm2の範囲であることを特徴とする電子写真用光沢紙。
  2. 該エチレン・メタクリル酸系共重合体、または該エチレン・メタクリル酸共重合体の架橋物の融点が、80〜100℃であることを特徴とする請求項1に記載の電子写真用光沢紙。
  3. 該トナー受容層の厚みが、20〜50μmであることを特徴とする請求項1又は2に記載の電子写真用光沢紙。
  4. (温度30℃,相対湿度80%)〜(温度15℃,相対湿度10%)の環境における該トナー受容層の表面抵抗が、1×109〜1×1014Ω/□であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の電子写真用光沢紙。
  5. (温度30℃,相対湿度80%)〜(温度15℃,相対湿度10%)の環境における該トナー受容層表面の電荷減衰半減期が、10秒以下であることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の電子写真用光沢紙。
  6. 該トナー受容層表面の中心線平均粗さが0.1μm以下であることを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の電子写真用光沢紙。
  7. 該電子写真用光沢紙のトナー受容層上に定着トナー画像を形成後、加熱ローラと冷却ローラにより張架される定着ベルトと、該定着ベルトを介して加熱ローラに加熱・加圧する加圧ローラを少なくとも有するベルト定着器を用いて、該定着トナー画像をさらに加熱・加圧して定着し、光沢紙表面のトナー画像を冷却後剥離して、トナー画像を得る画像形成方法であって、該ベルト定着器を用いて、該定着トナー画像を更に定着するときに下記定着条件(A)〜(E)
    (A)加熱ローラ温度 120℃〜180℃
    (B)冷却ローラ温度 15℃〜60℃
    (C)加圧ローラ圧力 20Kg/ニップ〜150Kg/ニップ
    (D)加圧ローラ温度 20℃〜180℃
    (E)プロセススピード 10mm/sec〜150mm/sec
    を満足し、該電子写真用光沢紙が、請求項1乃至6のいずれかの電子写真用光沢紙であることを特徴とする画像形成方法。
  8. 該定着ベルト表面の中心線平均粗さが0.1μm以下であることを特徴とする請求項7に記載の画像形成方法。
  9. 該定着ベルトの厚みが0.05〜0.2mmであることを特徴とする請求項7又は8に記載の画像形成方法。
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